(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077690
(43)【公開日】2024-06-10
(54)【発明の名称】付箋ホルダ
(51)【国際特許分類】
B42D 9/00 20060101AFI20240603BHJP
B65D 83/08 20060101ALI20240603BHJP
【FI】
B42D9/00 Z
B65D83/08 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022189780
(22)【出願日】2022-11-29
(71)【出願人】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111132
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 浩
(72)【発明者】
【氏名】田中 隆司
(72)【発明者】
【氏名】野口 かおり
(72)【発明者】
【氏名】市場 菜々恵
【テーマコード(参考)】
3E014
【Fターム(参考)】
3E014MC08
(57)【要約】
【課題】構造がシンプルで、ブロック状の付箋の最上面への文字等の書き込みを容易に行うことができる付箋ホルダを提供する。
【解決手段】付箋20を保持するホルダであって、付箋20を載置する基板2と、複数枚の薄板状の厚み調節板3aからなり、基板2上に積層されるとともに、その中央部に付箋20を収容する連通孔4を備えてなる厚み調節板群3と、この厚み調節板群3を構成する個々の厚み調節板3aを個別にめくれるようにしつつ、基板2と厚み調節板群3を一体に保持する第1の保持構造6を備えている付箋ホルダ1Aによる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
付箋を保持するホルダであって、
前記付箋を載置する基板と、
複数枚の薄板状の厚み調節板からなり、前記基板上に積層されるとともに、その中央部に前記付箋を収容する連通孔を備えてなる厚み調節板群と、
前記厚み調節板群を構成する個々の前記厚み調節板を個別にめくれるようにしつつ、前記基板と前記厚み調節板群を一体に保持する第1の保持構造を備えていることを特徴とする付箋ホルダ。
【請求項2】
前記連通孔内に前記付箋を収容した際に、前記連通孔の内側面と前記付箋の側面の間に介設されて、前記連通孔内に前記付箋を固定するアダプタを備えていることを特徴とする請求項1に記載の付箋ホルダ。
【請求項3】
前記アダプタは、その長さを所望に変更させる長さ調節構造を備えていることを特徴とする請求項2に記載の付箋ホルダ。
【請求項4】
前記アダプタは、
側方に開口を有する筐体と、
前記筐体内に収容されて、前記開口からその一部が出入りするスライド部材と、
前記スライド部材のスライドを規制する規制構造を備えていることを特徴とする請求項2に記載の付箋ホルダ。
【請求項5】
前記厚み調節板群の最上面上に設けられ、前記連通孔を塞ぐ蓋と、
前記第1の保持構造と相対する位置に設けられ、前記蓋、前記基板及び前記厚み調節板群を束ねる第2の保持構造を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の付箋ホルダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロック状の付箋の最上面に文字等の書き込みが容易に行える付箋ホルダに関する。
【0002】
従来から、用件やメモ等を記しておく目的で、あるいは書籍等に一時的に付加しておく目印あるいは栞として「付箋」が用いられている。
一般に、上述のような付箋は、紙片の裏面の一部に粘着層を備えたものを多数枚積層してブロック状にしたものであり、様々な形状及びサイズのものが流通している。
そして、このような付箋のうち特にその平面サイズが人の手のひらよりも小さくて、ある程度(例えば1cm程度)の厚みを有している場合は、机上等に付箋を載置してその最上面に文字等を記載する際に、付箋の載置面と付箋の最上面の間に生じる段差のせいで文字等が書きづらいという課題があった。
また、特に付箋の平面サイズが人の指幅程度の小さいサイズである場合は、この付箋をペン等の筆記具を持たない反対側の手指で保持しておく必要があり、その際に付箋を保持する自らの手指が邪魔になって、付箋の最上面に文字等を記載する作業が一層困難になるという課題もあった。
そして、上述のような課題に対処するための先願としては例えば以下に示すようなものが知られている。
【0003】
特許文献1には「付箋紙収納具」という名称で、付箋紙(付箋紙束ともいう)を収納するための用具に関する発明が開示されている。
特許文献1に開示される発明である付箋紙収納具は、少なくとも一つの付箋紙収納用凹部を有するベース部材を備えることを特徴とする。
また、特許文献1の明細書段落0059及び段落0060には、付箋をめくったことを自動で検知して、付箋支持台の凹部底面を自動で上方移動させるという技術内容が開示されている。
上述のような特許文献1に開示される構成、すなわち、特に同文献の明細書段落0059及び段落0060に開示される構成によれば、ベース部材(10)における凹部底面(14)を自動的に昇降させることが可能になる。この場合は、めくりとった付箋紙の数に応じて凹部底面(14)を最適位置に、例えば最上部の付箋紙とベース部材(10)表面とが常に面一となるように、位置させることが可能になる。
よって、特許文献1に開示される構成によれば、最上部の付箋紙とベース部材(10)表面とが常に面一になるので、本明細書の冒頭部分に記載するような課題を解決することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の特許文献1に開示される発明の場合は、上記効果を発揮させるためにベース部材に、付箋紙(F’)を1枚めくりとったことを検出するセンサ(19;例えば最上部の付箋紙に接するマイクロスイッチ)と、その回転軸がボールネジ(16)に(直接又はギヤ等を介して間接に)接続されたモータ(20)と、センサ(19)からの入力に基づいてモータ(20)を回転制御する制御装置(21)と、をベース部材(10)に設ける必要がある(特許文献1の
図11を参照)。
この場合、付箋を保持するための保持具を、電力により駆動する装置として提供する必要があり、構造が複雑化して製造コストが嵩む上、そのメンテナンスにも手間やコストがかかるという別の課題が生じていた。
【0006】
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものでありその目的は、構造がシンプルで、ブロック状の付箋の最上面に文字等の書き込みが容易に行える付箋ホルダを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための第1の発明である付箋ホルダは、付箋を保持するホルダであって、付箋を載置する基板と、複数枚の薄板状の厚み調節板からなり、上記基板上に積層されるとともに、その中央部に付箋を収容する連通孔を備えてなる厚み調節板群と、この厚み調節板群を構成する個々の厚み調節板を個別にめくれるようにしつつ、基板と厚み調節板群を一体に保持する第1の保持構造を備えていることを特徴とする。
上記構成の第1の発明において、基板は、少なくとも付箋及び厚み調節板群を載置するベース(基礎)として作用する。また、厚み調節板群の中央(又は中央寄り)に形成される連通孔は、上記基板とともに付箋を収容するための凹部を形成するという作用を有する。そして、上記凹部は、その中空部に付箋を収容するという作用を有する。
さらに、厚み調節板群を構成する個々の厚み調節板は、上記凹部に付箋が収容されている場合で、付箋の使用(剥離)にともなってその厚みが徐々に小さくなっていく際に、厚み調節板を1枚ずつめくることで、つまり基板上に積層される複数の厚み調節板をその最上層側から1枚ずつめくって基板上に積層される厚み調節板の数を減らしていくことで、凹部の深さ(基板上に載置される厚み調節板群の厚み)を付箋の厚みに一致又は近接させるという作用を有する。
また、第1の保持構造は、厚み調節板群を構成する個々の厚み調節板を個別にめくれるようにしつつ、基板と厚み調節板群を一体に保持するという作用を有する。
【0008】
第2の発明は、上述の第1の発明であって、厚み調節板群に形成される連通孔内に付箋を収容した際に、連通孔の内側面と付箋の側面の間に介設されて、連通孔内に付箋を固定するアダプタを備えていることを特徴とする。
上記構成の第2の発明は、上述の第1の発明による作用と同じ作用を有する。さらに、第2の発明においてアダプタは、連通孔の平面サイズよりも小さい平面サイズを有する付箋を連通孔内(連通孔と基板からなる凹部内)に収容して用いる際に、連通孔の内側面と付箋の側面の間に生じる隙間を埋める「隙間埋め材」として作用する。
よって、第2の発明によれば、連通孔の平面サイズよりも小さい平面サイズを有する付箋についても連通孔内に保持することができる。
つまり、第2の発明によれば、アダプタを備えることで、付箋の平面サイズ(特に連通孔の平面サイズよりも小さいもの)に対する本発明の付箋ホルダの汎用性を高めるという作用を有する。
【0009】
第3の発明は、上述の第2の発明であって、アダプタは、その長さを所望に変更させる長さ調節構造を備えていることを特徴とする。
上記構成の第3の発明は、上述の第2の発明による作用と同じ作用を有する。さらに、第3の発明において、アダプタが長さ調節構造を備えていることで、必要時にアダプタの長さを変えることができる。
また、特に連通孔の平面サイズよりも小さい平面サイズを有する付箋を連通孔内(連通孔と基板からなる凹部内)に収容して用いる場合で、かつアダプタの長さを変更できない場合は、使用する付箋の平面サイズに応じて様々なサイズ(長さや幅)を有するアダプタを予め準備しておく必要がある。これに対して、アダプタの長さを変更できる場合は、1つのアダプタが様々な長さに対応できることで、必要なアダプタの数を少なくすることができる。
よって、第3の発明によれば、連通孔の平面サイズよりも小さい平面サイズを有する付箋を保持して使用する際の利便性を向上させるという作用を有する。
【0010】
第4の発明は、上述の第2の発明であって、アダプタは、側方に開口を有する筐体と、この筐体内に収容されて、上記開口からその一部が出入りするスライド部材と、このスライド部材のスライドを規制する規制構造を備えていることを特徴とする。
上記構成の第4の発明は、上述の第2の発明による作用と同じ作用を有する。また、第4の発明は、上述の第3の発明の構造を具体的に特定したものであり、第3の発明による作用と同じ作用も有する。
さらに、第4の発明において、アダプタにおける筐体は、連通孔の内側面と付箋の側面の間に生じる隙間を埋める「隙間埋め材」の一部をなすとともに、その中空部内にスライド部材を出し入れ可能に収容するという作用を有する。
また、スライド部材は、筐体の開口から導出される部分が、連通孔の内側面と付箋の側面の間に生じる隙間を埋める「隙間埋め材」の一部をなすという作用を有する。
さらに、規制構造は、必要に応じて筐体の開口から導出されたスライド部材のスライドを規制するという作用を有する。
よって、第4の発明では、筐体内に収容されるスライド部材の、筐体の開口からの導出量(導出長さ)を適宜変更することで、アダプタ(隙間埋め材)の長さを所望に調節することが可能になる。
【0011】
第5の発明は、上述の第1乃至第4のいずれかの発明であって、厚み調節板群の最上面上に設けられ、厚み調節板群に形成される連通孔を塞ぐ蓋と、第1の保持構造と相対する位置に設けられ、蓋、基板及び厚み調節板群を束ねる第2の保持構造を備えていることを特徴とする。
上記構成の第5の発明は、上述の第1乃至第4のそれぞれの発明による作用と同じ作用を有する。さらに、第5の発明において、蓋は、厚み調節板群に形成される連通孔を塞いで閉じるという作用を有する。
さらに、第5の発明において、第2の保持構造は、上述の第1の保持構造と相対する位置に設けられて、蓋、基板及び調節板群を束ねて一体化するという作用を有する。なお、第5の発明において、第1の保持構造は、蓋及び個々の厚み調節板を個別にめくれるようにしつつ、蓋、基板及び厚み調節板群を一体に保持してもよい。つまり、蓋は、必ずしも第1の保持構造で保持されている必要はない。
そして、上述のような第5の発明では、厚み調節板群に形成される連通孔の上部開口が蓋によって塞がれるとともに、基板及び厚み調節板群の平面方向において第1の保持構造が配される側と相対する側が第2の保持構造により保持されることで、第5の発明を持ち運ぶ際に、上記凹部に収容される付箋、又は付箋及びアダプタが、この凹部から外れてなくなるのを防ぐという作用を有する。
【発明の効果】
【0012】
上述のような第1の発明によれば、厚み調節板群に形成される連通孔と基板からなる凹部に付箋が収容される場合で、かつ付箋の使用(剥離)にともなってその厚みが徐々に小さくなっていく場合に、厚み調節板を1枚ずつめくることで、基板上に積層される厚み調節板群の厚みを段階的に小さくすることができる。そして、この動作により、付箋の最上面と、基板上に積層される厚み調節板群の最上面を、一致または近接させることができる。
この場合、第1の発明である付箋ホルダに付箋を保持したままの状態で、付箋の最上面に文字等を記入する際に、付箋の最上面と、基板上に積層される厚み調節板群の最上面の間に段差が存在しない、あるいは段差があってもその段差を極めて小さくすることができるので、付箋に文字等を記入する作業を快適にかつ効率的に行うことができる。
しかも、第1の発明によれば、上述のような効果を発揮させるために、付箋ホルダにセンサや電力駆動機構等を備える必要がないので、その構造を極めてシンプルにできる。
この結果、第1の発明の製造コストを廉価にしつつ、そのメンテナンスに要する手間やコストも大幅に削減できる。
【0013】
第2の発明は、上述の第1の発明による効果と同じ効果を有する。さらに、第2の発明によれば、アダプタを備えていることで、連通孔の平面サイズよりも小さい平面サイズを有する付箋についても連通孔内に保持して使用することができる。
よって、第2の発明によれば、付箋の平面サイズに対する本発明に係る付箋ホルダの汎用性を高めることができる。
また、第2の発明によれば、個々の付箋の平面形状や平面サイズに応じて本発明に係る付箋ホルダを、別々に準備する必要がなくなるので、本発明の利便性も向上させることができる。
【0014】
第3の発明は、上述の第2の発明による効果と同じ効果を有する。さらに、第3の発明によれば、アダプタの長さを所望に変更できることで、連通孔の平面サイズよりも小さい平面サイズを有する付箋を連通孔内に収容して用いる際に、必要なアダプタの数を少なくすることができる。
この場合、長さを変えることができないアダプタを用いる場合に比べて、アダプタ自体の汎用性を向上させることができる。
よって、第3の発明によれば、その利便性及び可搬性を向上させることができる。
【0015】
第4の発明は、上述の第2の発明による効果と同じ効果を有する。また、第4の発明は、上述の第3の発明の構造を具体的に特定したものであり、第3の発明による効果と同じ効果を奏する。
【0016】
第5の発明は、上述の第1乃至第4のそれぞれの発明による効果と同じ効果を有する。また、第5の発明が、さらに蓋と第2の保持構造を備えていることで、連通孔(又は上記凹部)内に付箋、又は付箋及びアダプタ、を収容したままこれらを持ち運ぶことが容易になる。
よって、第5の発明によれば、より可搬性に優れた付箋ホルダを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本実施形態に係る付箋ホルダに付箋を保持した状態の斜視図である。
【
図3】本実施形態に係る付箋ホルダに付箋及びアダプタを取設する様子を示すイメージ図である。
【
図4】本実施形態に係る付箋ホルダの使用状態を示すイメージ図である。
【
図5】本実施形態に係る付箋ホルダの他の使用状態を示すイメージ図である。
【
図6】(a)本実施形態に係る付箋ホルダに用いられるアダプタの長さを変更する前の状態の斜視図であり、(b)同アダプタの長さを長くした状態の斜視図である。
【
図7】(a)~(e)はいずれも本実施形態に係る付箋ホルダに用いられるアダプタの長さ調節手順を説明するための断面図である。
【
図8】本実施形態に係る付箋ホルダの別の使用状態を示すイメージ図である。
【
図9】本実施形態の変形例に係る付箋ホルダの収納時の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態に係る付箋ホルダについて
図1乃至
図9を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
[1-1;本発明の基本構成について]
はじめに、
図1及び
図2を参照しながら、本発明の実施形態(以下、単に本実施形態という)に係る付箋ホルダの基本構成について説明する。
図1は本実施形態に係る付箋ホルダに付箋を保持した状態の斜視図である。また、
図2は
図1中のF-F線断面図である。
本実施形態に係る付箋ホルダ1Aは、付箋20を保持するためのホルダである。
より具体的には、本実施形態に係る付箋ホルダ1Aは、例えば
図1及び
図2に示すように、付箋20を載置する基板2と、この基板2上に積層される複数枚の薄板状の厚み調節板3aからなり、その中央部に形成されて上記付箋20を収容する連通孔4を有する厚み調節板群3と、この厚み調節板群3を構成する個々の厚み調節板3aを個別にめくれるようにしつつ、基板2と厚み調節板群3を一体に保持する、つまり基板2と厚み調節板群3が互いに離間しないようにひとまとめにしておくための、第1の保持構造6を備えている。
より詳細には、本実施形態に係る付箋ホルダ1Aにおいて付箋20は、
図1及び
図2に示すように、厚み調節板群3の中央に形成される連通孔4と、厚み調節板群3の最下層下面側に配される基板2からなる凹部13内に収容される。
【0020】
また、本実施形態に係る付箋ホルダ1Aでは、上記凹部13内に収容される付箋20の平面サイズが、凹部13(連通孔4)の平面サイズより小さいと、凹部13内に付箋20を固定しておくことができない。
このような場合は、例えば
図1及び
図2に示すように、厚み調節板群3の連通孔4(凹部13)の内側面4aと付箋20の側面20aの間に形成される隙間に、「隙間埋め材」であるアダプタ5aやアダプタ5b等を介設することで、凹部13内に付箋20を固定することができる。
なお、本実施形態に係る付箋ホルダ1Aにおいて、アダプタ5aやアダプタ5bは、必須の構成ではなく付箋(例えば付箋20等)の平面サイズに応じて選択的に用いられる構成要素である。
【0021】
さらに、
図1及び
図2に示すような本実施形態に係る付箋ホルダ1Aでは、第1の保持構造6として例えば環状具6aを用いてもよい。
より具体的には、本実施形態に係る付箋ホルダ1Aでは、例えば矩形状をなす基板2と厚み調節板群3からなる積層体の周縁寄りに、これらの厚み方向(
図1及び
図2における紙面上下方向)を貫通する貫通孔7を形成するとともに、それぞれの貫通孔7に環状具6aを設けることで、厚み調節板群3及び基板2をひとまとめにしてもよい。
また、この場合は、厚み調節板群3を構成する個々の厚み調節板3aを最上部から1枚ずつめくって、
図1中の符号Pで示す位置に移動させることができる。
なお、本実施形態に係る付箋ホルダ1Aでは、第1の保持構造6として例えば環状具6aを用いる場合を例に挙げて説明しているが、第1の保持構造6は必ずしも環状具6aである必要はなく、例えば基板2及び厚み調節板群3を積層した際の端面Qに背表紙を設けることによっても同様の機能を発揮させることができる。
【0022】
加えて、本実施形態に係る付箋ホルダ1Aでは、凹部13(連通孔4)内に収容される付箋20の最上部に配される紙片を剥離し易くする目的で、連通孔4(凹部13)の内側面4aに必要に応じて切欠き4bを備えていてもよい(任意選択構成要素)。
この場合、
図1に示すように、連通孔4(凹部13)において切欠き4bが形成される内側面4a側には、付箋20(又は後段に示す付箋20’)において、背のり20bが付された側面20aと対向する側面20aが配されることになる。
そして、この場合は、付箋20(又は後段に示す付箋20’)から個々の紙片を剥離することが容易になる。
なお、切欠き4bは、厚み調節板群3を構成する全ての厚み調節板3aにおいて同じ位置に形成しておくとよい。
【0023】
また、本実施形態に係る付箋ホルダ1A等に使用する付箋20や、後段に示す付箋20’は、紙片の裏面の一部に粘着層を備えたものを多数枚積層してブロック状にしたものであり、様々な形状及びサイズのものが流通している。
さらに、このような付箋20又は付箋20’は、通常、粘着層を備えている側の辺の端面(側面20a)に背のり20bが付されていて、個々の紙片の端縁同士が一体化されている。その一方で、この背のり20bが付される側と相対する側面20aは、背のり20bを有さず、個々の紙片の端面同士は固着されていない。このため、付箋20又は付箋20’の最上部の紙片を剥離する際は、背のり20bが付されていない側面20a側の紙片の端面寄りを指先で摘まむことで、容易に紙片を剥離することができる。
【0024】
[1-2;本発明の基本構成の使用方法について]
次に、
図1乃至
図5を参照しながら本実施形態に係る付箋ホルダ1Aの使用方法について説明する。
図3は本実施形態に係る付箋ホルダに付箋及びアダプタを取設する様子を示すイメージ図である。また、
図4は本実施形態に係る付箋ホルダの使用状態を示すイメージ図である。さらに、
図5は本実施形態に係る付箋ホルダの他の使用状態を示すイメージ図である。なお、
図1及び
図2に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
まず、本実施形態に係る付箋ホルダ1Aを使用する際の準備作業として、例えば
図3に示すように、厚み調節板3aに形成される連通孔4と基板2からなる凹部13内に付箋20を収容して設置する。
この時、連通孔4(凹部13)の平面サイズよりも付箋20の平面サイズが大幅に小さくて、連通孔4の内側面4aと付箋20の側面20aの間に隙間が生じる場合は、この隙間に「隙間埋め材」であるアダプタ5aやアダプタ5bを介設することで、連通孔4(凹部13)内に付箋20をしっかりと固定することができる。
【0025】
この時、例えば使用者の利き手が右手である場合は、右手でペン等の筆記具を持って文字等を書くことを前提にして、付箋20を、
図3に示す付箋ホルダ1Aの連通孔4(凹部13)における紙面右前側に配置するとよい。
また、本実施形態に係る付箋ホルダ1Aでは、使用者の利き手が右手であることを前提として、切欠き4bを、連通孔4(凹部13)の紙面右側に形成しているが、使用者の利き手が左手である場合は、切欠き4bや第1の保持構造6を
図3における付箋ホルダ1Aの紙面左側に配置してもよい。
そして、本実施形態に係る付箋ホルダ1Aへの付箋20、並びに必要に応じて用いられるアダプタ5aやアダプタ5bの取設を完了した状態が、先の
図1及び
図2である。
【0026】
この後、使用者は
図4に示すように、厚み調節板群3の最上面上にペン22を持った手21を載置しながら付箋20の最上部にある紙片に文字等を記入することができる。
この時、
図1、
図2及び
図4に示すように、本実施形態に係る付箋ホルダ1Aに保持される付箋20の最上面と、厚み調節板群3の最上面を一致又は近接させることができるため、これらの間には段差が全くない又は段差があってもごくわずかであり、使用者は付箋20の最上部に配される紙片に快適にかつ効率的に文字等を書き込むことができる。
【0027】
さらに、付箋20の使用にともなって、その最上部から紙片が順次剥ぎ取られていくと、つまり付箋20の厚みが徐々に小さくなると、それにより付箋20の最上面と、厚み調節板群3の最上面の間に生じる段差も徐々に大きくなる。そして、そのせいで、使用者は付箋20の最上部に配される紙片に快適に文字等を記入することができなくなってくる。
その場合は、
図5に示すように基板2上に積層される厚み調節板3aを所望回数めくることで、より具体的には、同図中の符号Pで示す位置に厚み調節板群3からめくり取った厚み調節板3aを移動させることで、基板2上に積層される厚み調節板群3の厚みを薄くしていけばよい。
そして、この動作により
図5に示すように、再び本実施形態に係る付箋ホルダ1Aに保持される付箋20の最上面と、厚み調節板群3の最上面を一致又は近接させることができる。
この結果、使用者は再び付箋20の最上部に配される紙片に快適にかつ効率的に文字等を記載することができる。
【0028】
そして、本実施形態に付箋ホルダ1Aを用いる場合は、上述のような厚み調節板群3を構成する厚み調節板3aをめくる動作を繰り返すことで、使用者は付箋20の厚みが徐々に小さくなっていく場合でも、厚み調節板群3の厚みを所望に調節することができる。そして、これにより、使用者は付箋20の最上部に配される紙片に快適にかつ効率的に文字等を書き込み続けることができる。
【0029】
[1-3;本発明の基本構成による作用・効果について]
上述のような本実施形態に係る付箋ホルダ1Aによれば、付箋20の使用(剥離)にともなって付箋20の厚みが徐々に小さくなっていく場合でも、その周囲に設けられる厚み調節板群3の厚み(高さ)を所望に調節することができる。
つまり、付箋20の最上部に配される紙片に使用者が文字等を記入する際に、その周囲に配される厚み調節板群3の最上面(使用者の手21が触れる部分)との間に生じる段差をなくす又は極力小さくすることができる。
この結果、使用者は付箋20の最上面に配される紙片に文字等を書き込む作業を快適にかつ効率的に行うことができる。
また、本実施形態に係る付箋ホルダ1Aによれば、上述のような効果を発揮させるにあたり、先の特許文献1に開示される発明のように電力により駆動する駆動機構やセンサ等を備える必要がない。
よって、本実施形態に係る付箋ホルダ1Aによれば、その構造を極めてシンプルにできるので付箋ホルダ1Aを廉価に提供することもできる。
【0030】
[1-4;本発明の細部構造等について]
<1-4-1;アダプタについて>
先にも述べたが、本実施形態に係る付箋ホルダ1Aの厚み調節板群3に形成される連通孔4(凹部13)の平面サイズが、付箋20の平面サイズより大きい場合は、連通孔4(凹部13)内に付箋20を固定することが難しい。
このような場合、本実施形態に係る付箋ホルダ1Aは、必要に応じて先の
図1乃至
図5に示すようなアダプタ5aやアダプタ5bを備えていてもよい(任意選択構成要素)。
この場合、先の
図1及び
図2、並びに
図3及び
図4に示すように、連通孔4(凹部13)の内側面4aと付箋20の側面20aの間にアダプタ5aやアダプタ5bを介設することで、連通孔4(凹部13)内にしっかりと付箋20を固定することができる。
この場合、使用者は付箋20の最上部に配される紙片に文字等を書き込む際に、付箋20を、ペン22を持たない方の手(利き手でない方の手)で常時押さえおく必要がないので便利である。
【0031】
また、本実施形態に係る付箋ホルダ1Aに保持して使用する付箋20の平面サイズの種類が少ない場合は、アダプタ5aやアダプタ5bは、例えば消しゴムのような弾性材を所望サイズにカットしただけのもの、つまりアダプタの長さを変更できないものを使用してもよい。
その一方で、本実施形態に係る付箋ホルダ1Aに保持する付箋20の平面サイズの種類が様々である場合は、上述のアダプタの長さを変更可能にする「長さ調節構造」を備えたアダプタ5aやアダプタ5bを用いてもよい(任意選択構成要素)。
【0032】
以下に、
図2、
図6及び
図7を参照しながら「長さ調節構造」を備えるアダプタについて説明する。
図6(a)は本実施形態に係る付箋ホルダに用いられるアダプタの長さを変更する前の状態の斜視図であり、(b)は同アダプタの長さを長くした状態の斜視図である。なお、
図1乃至
図5に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
長さ調節構造14を備えるアダプタ5aは、例えば
図2及び
図6(a)、(b)に示すように、その側方に開口8aを有する筐体8と、この筐体8の中空部に収容されて、上記開口8aからその一部が出入りするスライド部材9と、このスライド部材9のスライドを規制する規制構造を備えている。
また、アダプタ5aにおけるスライド部材9は、筐体8の中空部内に収容される平板状(又は図示しない棒状)の本体部9aと、筐体8の開口8a側に配される本体部9aの端部に設けられる頭部9bと、本体部9aの上面に形成される鋸歯状の係合用突起群9cを備えている。
そして、上記規制構造は、例えば
図2に示すように、スライド部材9の本体部9aの上面に形成されている鋸歯状の係合用突起群9cと、筐体8に取設される操作部10により構成されている。
【0033】
より詳細には、筐体8に取設される操作部10は、筐体8の上面に形成される導出口8bから筐体8の上面上に導出される操作用つまみ10aと、筐体8の中空部内に配されるとともに、上記スライド部材9に形成される係合用突起群9cの少なくとも1の突起に係合する係止端10bと、この係止端10bと上述の操作用つまみ10aをつなぐ連結部10cと、この連結部10cの長手方向中央に突設されてL字状(略L字状の概念を含む)に屈曲する(又は弧状に湾曲する(図示せず))アーム10dを備えている。
また、
図2に示すように、上述のような操作部10は、その連結部10cに接続されない側の端部が、筐体8の上面の裏側に設けられる固定部8cに取設(例えば嵌設)されている。
上述のような、操作部10は、筐体8の上面側に導出される操作用つまみ10aを指先で摘まむなどして引き上げると、アーム10dの水平部分が撓んで緩やかに鉛直上方側に湾曲する。そして、この動作に連動して連結部10cが鉛直上方側に引き上げられる。この結果、スライド部材9の係合用突起群9cに係合している係止端10bが、係合用突起群9cから離間して、スライド部材9と操作部10の係合状態が解除される。
さらに、本実施形態に係るアダプタ5a(又はアダプタ5b)では、スライド部材9の本体部9aに形成される係合用突起群9cの傾斜面9d(
図2及び
図6を参照)は、本体部9aにおいて頭部9bを有しない側の端部側から、頭部9bを有する側の端部に向かって傾斜するように形成されている。
【0034】
なお、本実施形態に係るアダプタ5aは、その機能(作用・効果)に着目して上述の各構成要素同士の連関を下記のように説明することもできる。
つまり、本実施形態に係るアダプタ5a(又はアダプタ5b)は、筐体8、頭部9bを備えた本体部9a(スライド部材9における係合用突起群9c以外の構成)、及び規制構造により構成されている。
また、この規制構造は、本体部9aに形成されている係合用突起群9cと操作部10の組み合わせからなる。
なお、係合用突起群9cは、「物」としてはスライド部材9の一部であるが、その「機能」としては、規制構造の一部である。
【0035】
続いて、
図7を参照しながら本実施形態に係るアダプタ5aの長さを変更する手順について説明する。
アダプタ5aの長さを
図6(a)中の符号Bで示す方向に長くするには、
図7(a)に示すように、アダプタ5aにおけるスライド部材9の頭部9bを指先で摘まむなどしてそのまま、
図7(a)中の水平方向でかつ開口8aが形成される側(図中の符号Bで示す方向)に所望量だけ引き出せばよい。なお、スライド部材9が筐体8の開口8aから引き出された状態を示しているのが
図7(b)である。
このとき、スライド部材9に形成されている係合用突起群9cにおける傾斜面9dが、本体部9aにおいて頭部9bを有しない側の端部側から、頭部9bを有する側の端部に向かって傾斜するように形成されていることで、本体部9aの
図7(a)中の紙面右側(符号Bで示す方向)へのスライドが許容される。その一方で、本体部9aの紙面左側(符号Bの反対方向)へのスライドは、操作部10(係止端10b)により規制される。
【0036】
また、
図7(b)に示す状態から、アダプタ5aの長さ、すなわち
図7(a)中の符号Bで示す方向におけるアダプタ5aの長さ、を短くするには、
図7(c)に示すように、アダプタ5aの筐体8の導出口8bから導出される操作用つまみ10aを指先で摘まむなどして鉛直上方側に、つまり
図7(c)中の符号Cで示す方向に引き上げたまま、スライド部材9を筐体8の中空部内に押し込めばよい。
より詳細には、操作用つまみ10aの引き上げ動作にともなって、
図7(c)に示すように、本体部9aの係合用突起群9cに係合している操作部10の係止端10bが係合用突起群9cから離間して、スライド部材9(本体部9a)の水平方向(紙面左右方向)へのスライドが可能になる。
【0037】
さらに、この状態で
図7(d)に示すように、操作用つまみ10aを鉛直上方側(図中の符号Cで示す方向)に引き上げたまま、スライド部材9(本体部9a)を紙面左側に、すなわち
図7(d)中の符号Dで示す方向に所望量だけスライドさせる。
この後、
図7(e)に示すように、鉛直上方側に引き上げていた操作用つまみ10aを解放すると、操作部10の係止端10bが図中の符号Eで示す方向に下降する。そして、この係止端10bが再びスライド部材9(本体部9a)に形成される係合用突起群9cと係合することで、スライド部材9の紙面左右方向へのスライドが規制される。
つまり、アダプタ5aの紙面左右方向における長さが固定される。
【0038】
そして、上述のような手順により所望の長さに調節したアダプタ5aを、連通孔4(凹部13)の内側面4aと付箋20の側面20aの間に介設することで、連通孔4(凹部13)内に付箋20を固定した状態を示しているのが
図1、
図2、
図4及び
図5である。
なお、特に図示しないがアダプタ5b(
図1、
図3、並びに
図4及び
図5を参照)もアダプタ5aと同様の長さ調節構造14を備えている。
【0039】
したがって、本実施形態に係るアダプタ(例えばアダプタ5aやアダプタ5b)が長さ調節構造14を備えている場合は、必要に応じてアダプタの長さを変更することができる。
この場合、本実施形態に係るアダプタが長さ調節構造14を備えていない場合に比べて、少ない数のアダプタを用いて厚み調節板群3に形成される連通孔4(凹部13)内の所望の位置に付箋20を固定することができる。
よって、本実施形態に係る付箋ホルダ1Aが長さ調節構造14を有するアダプタ(例えばアダプタ5aやアダプタ5b)を備える場合は、付箋20の平面サイズ(ただし、付箋20の平面サイズは連通孔4の平面サイズよりも小さい)に対する汎用性が高い付箋ホルダ1Aを提供することができる上、連通孔4(凹部13)内に付箋20を固定するために必要なアダプタ(例えばアダプタ5aやアダプタ5b)の数を少なくすることができる。
つまり、本実施形態に係る付箋ホルダ1Aの構成を一層コンパクトにすることができる。
【0040】
また、上述のようなアダプタ5a又はアダプタ5bの材質は特に限定されないが、例えば樹脂製にすることで、量産可能にしつつその製造コストを廉価にできる。
さらに、ここではアダプタ5a(又はアダプタ5b)の長さ調節構造として、例えば
図2、
図6及び
図7に示すような長さ調節構造14を用いる場合を例に挙げて説明しているが、長さ調節構造14は上述の構造に限定される必要はない。
より具体的には、本実施形態に係るアダプタの長さ調節構造は、例えば筐体8内においてスライド部材9の頭部9bを有しない側の端部と筐体8の内側の間にばね等の弾性材を介設してなるものでもよい。この場合は、上述の弾性材の伸縮性を利用してアダプタの長さを変更することができる。
あるいは、筐体8に対してスライド部材9(の本体部9a)を摺動可能に取設しておき、これらの間の摩擦力を利用してアダプタの長さを変更可能にしてもよい。
つまり、本実施形態に係る付箋ホルダ1Aにおいて連通孔4(凹部13)内の所望の位置に付箋20を固定しておくことができればアダプタの長さ調節構造はどのような構造でもよい。
【0041】
なお、本実施形態に係るアダプタの厚み(基板2上に載置した際の高さ)は、特に限定されないが、厚み調節板群3の厚みの最大値以下に設定しておくとよい。
また、先の
図5に示すように、厚み調節板3aを一枚ずつめくっていくと、アダプタの厚みが、基板2上に積層される厚み調節板群3の厚みよりも大きくなる場合があるが、本実施形態に係る付箋ホルダ1Aの使用時に手21が触れない位置にアダプタを配置することで、付箋ホルダ1Aの使用の妨げにはならない。
【0042】
<1-4-2;基板や厚み調節板の材質について>
本実施形態に係る付箋ホルダ1Aにおける基板2や厚み調節板群3の材質は特に限定されないが、例えば紙(厚紙)や、樹脂(樹脂板)あるいは金属(金属板)等を採用することができる。
また、本実施形態に係る付箋ホルダ1Aの製造コストを削減したい場合は、基板2や厚み調節板群3を厚紙や樹脂板により構成するとよい。また、本実施形態に係る付箋ホルダ1Aの強度や耐久性を重視する場合は、基板2及び厚み調節板3aを金属板により構成するとよい。
【0043】
<1-4-3;厚み調節板や基板の厚みについて>
本実施形態に係る付箋ホルダ1Aでは、個々の厚み調節板3aの厚みGa(図示せず)を、付箋20を構成する個々の紙片の厚みGb(図示せず)よりも大きくなるよう設定しておくとよい。
この理由として、仮に個々の厚み調節板3aの厚みGaが、付箋20を構成する個々の紙片の厚みGbと同等以下である場合は、個々の厚み調節板3aの強度が低下する上、本実施形態に係る付箋ホルダ1Aの使用時に厚み調節板3aをめくる頻度が高くなり、煩雑になるためである。
これに対して、個々の厚み調節板3aの厚みGaが、付箋20を構成する個々の紙片の厚みGbよりも大きくなるよう設定する場合は、個々の厚み調節板3aに適度な強度を付加できる。加えて、本実施形態に係る付箋ホルダ1Aの使用時に、厚み調節板3aをめくる頻度を、付箋20を構成する紙片をめくる頻度よりも低くすることができる。これにより、使用者にとっての付箋ホルダ1Aの利便性を向上させることができる。
また、厚み調節板3aの厚みGaは特に特定されないが、例えば付箋20を構成する個々の紙片の5~25倍の厚みになるよう設定しておくとよい。
よって、本実施形態に係る付箋ホルダ1Aでは、個々の厚み調節板3aの厚みGaと、付箋ホルダ1Aに収容される付箋20における個々の紙片の厚みGbの関係をGb<Gaを満たすように設定することで、付箋ホルダ1Aに必要十分な耐久性を付加しつつ、付箋ホルダ1Aの利便性を向上させることができる。
【0044】
さらに、本実施形態に係る付箋ホルダ1Aにおいて、基板2の厚みGc(図示せず)は、個々の厚み調節板3aの厚みGaと同等以上になるよう設定しておくとよい。つまり、Ga≦Gcの関係を満たすよう構成するとよい(任意選択構成要素)。
また、本実施形態に係る付箋ホルダ1Aにおいて基板2は、最外に配されるパーツであるため、外部からの衝撃等により破損するリスクが高い。
このため、本実施形態に係る付箋ホルダ1Aでは、基板2の厚みGcと個々の厚み調節板3aの厚みGaが、Ga<Gcの関係を満たすように構成することで、(任意選択構成要素)、より耐久性に優れた付箋ホルダ1Aを提供することができる。
【0045】
<1-4-4;アダプタを使用しない使用形態について>
続いて、本実施形態に係る付箋ホルダ1Aの別の使用方法について
図8を参照しながら説明する。
図8は本実施形態に係る付箋ホルダの別の使用状態を示すイメージ図である。なお、
図1乃至
図7に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
本実施形態に係る付箋ホルダ1Aにおいて、連通孔4(凹部13)の平面形状と同一又は略同一の平面形状(ただし、「略同一」の場合の付箋20’の平面形状は、連通孔4の平面形状よりもやや小さい)を有する付箋20’を用いる場合は、先の
図1や
図2等に示すアダプタ5aやアダプタ5bを用いる必要がない。
この場合は、
図8に示すように、厚み調節板群3に形成される連通孔4(凹部13)に付箋20’を嵌設するだけで、本実施形態に係る付箋ホルダ1Aを使用することができる。
【0046】
また、付箋20’の使用にともなってその厚みが小さくなった場合は、
図8に示すように、厚み調節板3aをめくって厚み調節板群3の厚みを小さくすることで、使用者は付箋20’の最上部に配される紙片に快適にかつ効率的に文字等を書き込むことができる。
【0047】
[2-1;本発明の変形例について]
最後に、本実施形態の変形例に係る付箋ホルダについて、
図9を参照しながら説明する。
図9は本実施形態の変形例に係る付箋ホルダの収納時の斜視図である。なお、
図1乃至
図8に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
変形例に係る付箋ホルダ1Bは、
図9に示すように、先の本実施形態に係る付箋ホルダ1A(基本構成)に加えて、厚み調節板群3の最上面上に連通孔4の開口を塞ぐ蓋12を備えるとともに、基板2、厚み調節板群3及び蓋12からなる積層体において第1の保持構造6である例えば環状具6aが設けられる位置と相対する位置に設けられ、かつ蓋12、厚み調節板群3及び蓋12をひとまとめに束ねる第2の保持構造11(例えば固定用バンド11a等)を備えたものである。
なお、変形例に係る付箋ホルダ1Bにおいて、第1の保持構造6である例えば環状具6aは、基板2、厚み調節板群3及び蓋12からなる積層体を一体に保持している。
さらに、
図9に示すような変形例に係る付箋ホルダ1Bにおける蓋12の材質や厚みは、先の本実施形態に係る付箋ホルダ1Aにおける基板2の材質や厚みと同様にするとよい。
【0048】
[2-2;本発明の変形例による作用・効果について]
上述のような変形例に係る付箋ホルダ1Bによれば、不使用時に連通孔4(凹部13)の開口を蓋12により塞ぐとともに、第2の保持構造11(例えば固定用バンド11a等)により、蓋12、厚み調節板群3及び蓋12をひとまとめに束ねておくことができる。
このため、変形例に係る付箋ホルダ1Bを持ち運ぶ際に、連通孔4(凹部13)に保持される付箋20’、あるいは付箋20及びアダプタ(例えばアダプタ5aやアダプタ5b等)が落下するなどして紛失するのを好適に防ぐことができる。
よって、本実施形態の変形例に係る付箋ホルダ1Bによれば、より可搬性に優れた付箋ホルダを提供することができる。
【0049】
なお、
図9では、第2の保持構造11として例えば固定用バンド11aを用いる場合を例に挙げて説明しているが、固定用バンド11aに代えて従来公知のブックカバーに設けられる固定用ベルト(図示せず)を備えていてもよい。
あるいは、蓋12や第2の保持構造11に代えて、従来公知の固定用ベルト付きブックカバーと同様の構造を付加してもよい。すなわち、上述の付箋ホルダ1Aと従来公知の固定用ベルト付きブックカバーを組み合わせたものを本実施形態の変形例に係る付箋ホルダ1Bとしてもよい。
特に後者の場合は、本実施形態の変形例に係る付箋ホルダ1Bの審美性を向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
以上説明したように本発明は、ブロック状の付箋の最上面への文字等の書き込みを容易に行えるようにする付箋ホルダであり、文具に関する技術分野において利用可能である。
【符号の説明】
【0051】
1A、1B…付箋ホルダ 2…基板 3…厚み調節板群 3a…厚み調節板 4…連通孔 4a…内側面 4b…切欠き 5a、5b…アダプタ 6…第1の保持構造 6a…環状具 7…貫通孔 8…筐体 8a…開口 8b…導出口 8c…固定部 9…スライド部材 9a…本体部 9b…頭部 9c…係合用突起群 9d…傾斜面 10…操作部 10a…操作用つまみ 10b…係止端 10c…連結部 10d…アーム 11…第2の保持構造 11a…固定用バンド 12…蓋 13…凹部 14…長さ調節構造 20、20’…付箋 20a…側面 20b…背のり 21…手 22…ペン