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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077711
(43)【公開日】2024-06-10
(54)【発明の名称】物品取付装置
(51)【国際特許分類】
   G01F 3/22 20060101AFI20240603BHJP
【FI】
G01F3/22 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022189816
(22)【出願日】2022-11-29
(71)【出願人】
【識別番号】000134903
【氏名又は名称】株式会社ニシヤマ
(74)【代理人】
【識別番号】100120640
【弁理士】
【氏名又は名称】森 幸一
(72)【発明者】
【氏名】湯浅 正基
(72)【発明者】
【氏名】岸川 俊介
(72)【発明者】
【氏名】益田 七恵
【テーマコード(参考)】
2F030
【Fターム(参考)】
2F030CC13
2F030CE09
2F030CF20
(57)【要約】
【課題】周囲のスペースが限られている場合においても、ガスメーターに接続されたフレキシブルガス配管に中継器を簡単にしかも安定した状態で取り付けることができ、中継器以外の各種用途の物品についても同様に簡単にしかも安定した状態で取り付けることができる物品取付装置を提供する。
【解決手段】物品取付装置は、物品を取り付けるための第1の取付具(10)と、第1の取付具に取り付け可能に構成され、または、第1の取付具と一体に設けられた、フレキシブル配管の側面に取り外し可能に取り付けられ、フレキシブル配管を挟み込む一対の挟持部を有する少なくとも一つのU字状の第2の取付具(20)とを有する。第2の取付具の一対の挟持部は、第2の取付具がフレキシブル配管の側面に取り付けられたときにその一対の挟持部によりフレキシブル配管にこのフレキシブル配管を挟み込む圧力が加わるように構成される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を取り付けるための第1の取付具と、
上記第1の取付具に取り付け可能に構成され、または、上記第1の取付具と一体に設けられた、フレキシブル配管の側面に取り外し可能に取り付けられ、上記フレキシブル配管を挟み込む一対の挟持部を有する少なくとも一つのU字状の第2の取付具と、
を有する物品取付装置。
【請求項2】
上記第2の取付具の上記一対の挟持部は上記第2の取付具が上記フレキシブル配管の側面に取り付けられたときに上記一対の挟持部により上記フレキシブル配管に圧力が加わるように構成されている請求項1記載の物品取付装置。
【請求項3】
上記第2の取付具の上記一対の挟持部は弾性変形可能に構成されている請求項2記載の物品取付装置。
【請求項4】
上記第2の取付具の上記一対の挟持部は上記フレキシブル配管の側面に倣う円弧状部と先端に向かって当該円弧状部に連なる外側に屈曲した屈曲部とを有する請求項3記載の物品取付装置。
【請求項5】
上記第2の取付具はU字状の金具の上記一対の挟持部の表面に合成樹脂がコーティングされたものである請求項1記載の物品取付装置。
【請求項6】
複数の上記第2の取付具が直列に、上記第1の取付具に取り付け可能に構成され、または、上記第1の取付具と一体に設けられている請求項1記載の物品取付装置。
【請求項7】
上記第1の取付具は金属板により構成され、当該金属板の一方の面に上記第2の取付具が取り付けられ、または、当該金属板と一体に設けられ、当該金属板の他方の面に上記物品が取り付けられる請求項1記載の物品取付装置。
【請求項8】
上記物品が上記金属板にねじ止めにより取り付けられる請求項7記載の物品取付装置。
【請求項9】
上記物品は電気機器または照明機器である請求項1記載の物品取付装置。
【請求項10】
上記電気機器は通信機器または通信関連機器である請求項9記載の物品取付装置。
【請求項11】
上記フレキシブル配管はガスメーターに取り付けられるガス配管の一部を構成する請求項1記載の物品取付装置。
【請求項12】
上記ガスメーターは通信装置を有し、上記通信機器または通信関連機器は上記通信装置から送られる電波を受信し増幅する中継器である請求項11記載の物品取付装置。
【請求項13】
物品を取り付けるための第1の取付具と、
上記第1の取付具に取り付け可能に構成され、または、上記第1の取付具と一体に設けられた、管または棒の側面に取り外し可能に取り付けられ、上記管または棒を挟み込む一対の挟持部を有する少なくとも一つのU字状の第2の取付具と、
を有する物品取付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は物品取付装置に関し、例えば、ガスメーターに接続されたフレキシブルガス配管などの各種のフレキシブル配管に中継器などの物品を取り外し可能に取り付けるのに用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
現在、都市ガスの供給エリアにおいては、ガスメーターのスマートメーター化が進められている。都市ガススマートメーターは、マイコンメーターに通信機能を付加し、遠隔検針、保安データ送信、遠隔閉開栓などを行うことができるガスメーターである。都市ガススマートメーターには通信ユニットが内蔵または外付けで装備され、この通信ユニットから送信される信号が中継器を介して通信ネットワークに送信されるようになっている(例えば、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】[令和4年9月21日検索]、インターネット〈URL:https://www.tokyo-gas.co.jp/network/techno/category2.html 〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
中継器は、都市ガススマートメーターに近い場所に設置するのが望ましい。しかしながら、一般的にガスメーターの周囲のスペースは限られているため、簡単に中継器を設置することは困難であった。
【0005】
そこで、この発明が解決しようとする課題は、周囲のスペースが限られている場合においても、ガスメーターに接続されたフレキシブルガス配管に中継器を簡単にしかも安定した状態で取り付けることができ、中継器の交換にも対応することができように容易に取り外すことができ、さらには中継器以外の各種用途の物品についても同様に簡単にしかも安定した状態で取り付けることができ、その物品の交換にも対応することができように容易に取り外すことができる物品取付装置を提供することである。
【0006】
この発明が解決しようとする課題は、より一般的には、周囲のスペースが限られている場合においても、フレキシブル配管を含む各種用途の管または棒に各種の物品を簡単にしかも安定した状態で取り付けることができ、その物品の交換にも対応することができように容易に取り外すことができる物品取付装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、この発明は、
物品を取り付けるための第1の取付具と、
上記第1の取付具に取り付け可能に構成され、または、上記第1の取付具と一体に設けられた、フレキシブル配管の側面に取り外し可能に取り付けられ、上記フレキシブル配管を挟み込む一対の挟持部を有する少なくとも一つのU字状の第2の取付具と、
を有する物品取付装置である。
【0008】
第1の取付具の材質、大きさ、形状などは、物品の取り付けに必要な強度を有し、物品の取り付けに支障を生じない限り、どのような材質、大きさ、形状などであってもよく、物品の重量、大きさ、形状などに応じて適宜選択される。第1の取付具は、典型的には、ステンレス鋼などの金属からなる金属板により構成される。この場合、第2の取付具は、この金属板の一方の面に取り付けられ、または、この金属板と一体に設けられ、物品は、この金属板の他方の面にねじ止めなどにより取り付けられる。
【0009】
第2の取付具の材質、大きさ、形状などは、第1の取付具、フレキシブル配管、物品の重量などに応じて適宜選択されるが、フレキシブル配管に対する取り付けに必要な強度を有し、取り付け状態の維持に支障を生じない限り、どのような材質、大きさ、形状などであってもよい。典型的には、第2の取付具の一対の挟持部は、第2の取付具がフレキシブル配管の側面に取り付けられたときにその一対の挟持部によりフレキシブル配管にこのフレキシブル配管を挟み込む圧力が加わるように構成される。このためには、典型的には、第2の取付具の一対の挟持部は弾性変形可能に構成される。すなわち、第2の取付具を一対の挟持部によりフレキシブル配管を両側から挟むようにフレキシブル配管に押し付けたとき、フレキシブル配管から働く力により一対の挟持部が弾性変形して押し広げられる結果、この一対の挟持部によりフレキシブル配管にこのフレキシブル配管を挟み込むように圧力が加わる。こうすることで、第1の取付具に物品を取り付けた状態でも、第2の取付具がフレキシブル配管から容易に外れることがない。また、第1の取付具に物品を取り付け、第2の取付具の一対の挟持部によりフレキシブル配管を両側から挟み込んだ状態では、第2の取付具をフレキシブル配管に沿って移動させることにより、フレキシブル配管に対する物品の取り付け位置の調整を容易に行うことができる。第2の取付具の一対の挟持部の構成は、この一対の挟持部によりフレキシブル配管に圧力が加わる限り、特に限定されず、必要に応じて選択されるが、フレキシブル配管の断面が円形である典型的な一つの例では、第2の取付具の一対の挟持部はフレキシブル配管の側面に倣う円弧状部と先端に向かってこの円弧状部に連なる外側に屈曲した屈曲部とを有する。必要に応じて、第2の取付具の一対の挟持部の表面には、合成樹脂、好適には適度な弾性を有する合成樹脂がコーティングされる。この場合、この第2の取付具の一対の挟持部により挟み込まれるフレキシブル配管の側面にはこの合成樹脂が直接当たるため、フレキシブル配管が傷付くのを防止することができ、しかもこの合成樹脂の弾性により第2の取付具の一対の挟持部によりフレキシブル配管を両側から確実に挟むことができる。第2の取付具は一つの物品取付装置当たり少なくとも一つあればよいが、好適には、複数の第2の取付具が直列に、第1の取付具に取り付け可能に構成され、または、第1の取付具と一体に設けられる。
【0010】
第1の取付具に取り付ける物品は特に限定されず、必要に応じて選択されるが、例えば電気機器や照明機器などである。第1の取付具に取り付ける物品は一つだけでなく、二つ以上であってもよい。電気機器は特に限定されないが、例えば、通信機器や通信関連機器などである。照明機器は、例えば、LEDライト、取り分け人感センサー付きLEDライトなどである。
【0011】
フレキシブル配管は、基本的にはどのようなものであってもよく、外力を加えることで曲げることができる限り、特に限定されない。フレキシブル配管の断面形状も、円形だけでなく、四角形などであってもよい。典型的な一つの例では、フレキシブル配管は、ガスメーターに取り付けられるガス配管の一部を構成するものである。ガスメーターが通信機能付きガスメーターである場合、ガスメーターは通信装置を有し、上記の通信機器または通信関連機器はこの通信装置から送られる電波を受信し増幅する中継器である。
【0012】
また、この発明は、
物品を取り付けるための第1の取付具と、
上記第1の取付具に取り付け可能に構成され、または、上記第1の取付具と一体に設けられた、管または棒の側面に取り外し可能に取り付けられ、上記管または棒を挟み込む一対の挟持部を有する少なくとも一つのU字状の第2の取付具と、
を有する物品取付装置である。
【0013】
この物品取付装置は、上述の物品取付装置を含むものである。管または棒は、特に限定されず、フレキシブル配管のほか、各種用途の管または棒であってもよい。第1の取付具に取り付けられる物品は、基本的にはどのようなものであってもよく、必要に応じて選択されるが、上述の電気機器や照明機器などに加えて、例えば、各種の表示装置(ディスプレイ)、太陽電池パネル、防犯カメラなどであってもよい。
【0014】
この物品取付装置の発明においては、上記以外のことは、その性質に反しない限り、上述の物品取付装置の発明に関連して説明したことが成立する。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、周囲のスペースが限られている場合においても、取り付けようとする物品を第1の取付具に取り付け、フレキシブル配管あるいは管または棒に第2の取付具をその一対の挟持部により両側から挟み込むことにより取り付けることで、フレキシブル配管あるいは管または棒に必要な物品を簡単にしかも安定した状態で取り付けることができ、その物品の交換にも対応することができるように容易に取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】この発明の一実施の形態による物品取付装置を構成する第1の取付具を示す平面図および正面図である。
図2】この発明の一実施の形態による物品取付装置を構成する第2の取付具を示す正面図および右側面図である。
図3】この発明の一実施の形態による物品取付装置を示す正面図および右側面図である。
図4】この発明の一実施の形態による物品取付装置によりガスメーターに接続されたフレキシブルガス配管に取り付けられる物品の一例としてのLTE中継器を示す斜視図である。
図5】この発明の一実施の形態による物品取付装置に図4に示すLTE中継器を取り付けた状態を示す正面図および右側面図である。
図6図5に示す、LTE中継器を取り付けた物品取付装置を取り付ける、ガスメーターに接続されたフレキシブルガス配管を示す正面図である。
図7図5に示す、LTE中継器を取り付けた物品取付装置をガスメーターに接続されたフレキシブルガス配管の側面に取り付ける方法を説明するための側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、発明を実施するための形態(以下「実施の形態」という)について説明する。
【0018】
〈一実施の形態〉
[物品取付装置]
図1AおよびBはこの物品取付装置を構成する第1の取付具10を示し、図1Aは平面図、図1Bは正面図である。図2AおよびBはこの物品取付装置を構成する第2の取付具20を示し、図2Aは正面図、図2Bは右側面図である。また、図3AおよびBは第1の取付具10に第2の取付具20が取り付けられることにより構成されたこの物品取付装置を示し、図3Aは正面図、図3Bは右側面図である。
【0019】
図1AおよびBに示すように、第1の取付具10は、第2の取付具20が取り付けられる本体部11とこの本体部11の一端に設けられた物品取付部12とからなり、成形された金属板により構成されている。本体部11は全体としてほぼ長方形の形状を有する。本体部11の一つの角には、この本体部11の長辺に平行な方向およびこの方向に垂直な方向に突き出るように突出部11aが設けられている。この突出部11aに連なって、本体部11の長辺に平行な方向に突き出るように長方形の形状の物品取付部12が設けられている。物品取付部12の長手方向の中心線は本体部11の図1A中上側の長辺より少し外側にずれている。図1Bに示すように、本体部11の突出部11aと物品取付部12との境界には本体部11の短辺に平行な方向の直角の段差があり、この段差の両側の本体部11と物品取付部12とは互いに平行になっている。本体部11には、第2の取付具20を本体部11の長辺に平行な方向に直列に二つ取り付けるための、ねじまたはボルトが通される貫通孔11b、11cが互いに所定の間隔を空けて設けられている。これらの貫通孔11b、11cは、本体部11の図1A中下側の長辺に寄って設けられている。貫通孔11bは、本体部11の短辺の方向に延びるトラック状の形状を有する。貫通孔11cは、本体部11の長辺に平行な方向に延びるトラック状の形状を有する。本体部11、突出部11aおよび物品取付部12の各角部は必要に応じて面取りされる。物品取付部12の中心線上には先端から順に、雌ねじ部12a、貫通孔12b、雌ねじ部12cおよび貫通孔12dが互いに所定の間隔を空けて設けられている。第1の取付具10を構成する金属は、物品取付部12に取り付ける物品の重量に耐えられる機械的強度を有する限り特に限定されず、適宜選択されるが、典型的にはステンレス鋼(例えば、SUS304)が用いられる。ここでは、物品取付部12に取り付けられる物品の一例として、後述の図4に示すLTE中継器40を想定する。
【0020】
図2AおよびBに示すように、第2の取付具20は、平坦な長方形状の底部21とこの底部21の互いに平行な一対の辺にこの底部21に対してほぼ垂直な方向に連なった互いに対向する一対の挟持部22、23とからなるU字状の金具の挟持部22、23の両面にそれぞれ被膜24、25がコーティングされたものである。挟持部22は、底部21側の根元の部分から先に設けられた円弧状部22aと先端に向かってこの円弧状部22aに連なる外側に屈曲した直線状の屈曲部22bとからなる。同様に、挟持部23は、底部21側の根元の部分から先に設けられた円弧状部23aと先端に向かってこの円弧状部23aに連なる外側に屈曲した直線状の屈曲部23bとからなる。被膜24は、挟持部22の円弧状部22aおよび屈曲部22bの全体を覆うようにコーティングされている。被膜25は、挟持部23の円弧状部23aおよび屈曲部23bの全体を覆うようにコーティングされている。挟持部22、23の互いに対向する面にコーティングされた被膜24、25の内面は、第2の取付具20がフレキシブル配管(図2A中の一点鎖線の円により外径を示す)に取り付けられたときにこのフレキシブル配管の側面に倣うようにこのフレキシブル配管の半径と同じ曲率半径の円弧状の形状を有する。底部21の中央部には、この第2の取付具20を第1の取付具10に取り付ける際にねじまたはボルトが通される貫通孔21aが設けられている。上記のU字状の金具としては、例えばステンレス鋼製(例えば、SUS304)のものが用いられるが、これに限定されるものではない。被膜24、25は、例えばポリ塩化ビニル(PVC)などの合成樹脂からなるが、これに限定されるものではない。
【0021】
図3AおよびBに示すように、第1の取付具10の本体部11に第2の取付具20がねじ止めにより直列に二つ取り付けられることにより物品取付装置が構成される。具体的には、一つの第2の取付具20の底部21をその貫通孔21aと第1の取付具10の本体部11の貫通孔11bとが合うように本体部11の上に載せ、これらの貫通孔21aおよび貫通孔11bに第2の取付具20側から六角穴付ボルト31を通し、第1の取付具10の本体部11の外側の面から出た六角穴付ボルト31のねじ部にワッシャ32を嵌め、さらにナット33を嵌めて締めることにより第2の取付具20を第1の取付具10に対して固定する。同様に、もう一つの第2の取付具20の底部21をその貫通孔21aと第1の取付具10の本体部11の貫通孔11cとが合うように本体部11の上に載せ、これらの貫通孔21aおよび貫通孔11cに第2の取付具20側から六角穴付ボルト34を通し、第1の取付具10の本体部11の外側の面から出た六角穴付ボルト34のねじ部にワッシャ35を嵌め、さらにナット36を嵌めて締めることにより第2の取付具20を第1の取付具10に対して固定する。第1の取付具10の本体部11の貫通孔11bは本体部11の短辺に平行な方向に延びており、貫通孔11cは本体部11の長辺に平行な方向に延びており、これらの貫通孔11bおよび貫通孔11cの内部でそれぞれ六角穴付ボルト31、34との相対的な位置の調整が可能であるため、これらの二つの第2の取付具20を容易に第1の取付具10の本体部11の長辺に平行な方向に一列に固定することができる。図3Aに、第2の取付具20により挟み込んだ状態におけるフレキシブルガス配管の輪郭を二点鎖線で示す。
【0022】
第1の取付具10および第2の取付具20の各部の寸法は物品を取り付けるフレキシブル配管などに応じて適宜決められるが、主要部の寸法の一例を挙げると次の通りである。第1の取付具10の本体部11は長さが約95mm、幅が約32mm、物品取付部12の長さは約35mm、幅は約12mm、第1の取付具10の本体部11の一つの長辺と物品取付部12の同じ側の長辺との間の距離は約9mm、第1の取付具10の全長は約140mm、全幅は約40mm、高さは約8mm、第1の取付具10を構成する金属板の厚さは約1.5mmである。第2の取付具20の底部21の長さは約25mm、幅は約15mm、第2の取付具20の高さは約20mm、全長は約27mm、最大幅(挟持部22の被膜24で覆われた屈曲部22bの先端と挟持部23の被膜25で覆われた屈曲部23bの先端との間の距離)は約22mm、挟持部22の円弧状部22aを覆う被膜24の内面および挟持部23の円弧状部23aを覆う被膜25の内面の曲率半径は約7.5mm、第2の取付具20の底部21および挟持部22、23を構成する金属板の厚さは約0.8mmである。
【0023】
図4にLTE中継器40を示す。図4に示すように、LTE中継器40の筐体41の背面側の上部の一角に取り付け用の突起部42が設けられている。この突起部42にはその中心線上に貫通孔42a、42b、42c、42dが設けられている。貫通孔42aと貫通孔42cとの間隔は第1の取付具10の物品取付部12の雌ねじ部12aと雌ねじ部12cとの間隔と同一である。
【0024】
図5AおよびBはこの物品取付装置にLTE中継器40を取り付けた状態を示し、図5Aは正面図、図5Bは右側面図である。図5AおよびBに示すように、図4に示すLTE中継器40の突起部42の貫通孔42a、42cを図1AおよびBに示す物品取付装置の第1の取付具10の物品取付部12の雌ねじ部12aおよび雌ねじ部12cにそれぞれ合わせ、貫通孔42aを通してローレットねじ51(図5Aでは図示せず)を雌ねじ部12aにねじ込むとともに、貫通孔42cを通してローレットねじ52(図5Aでは図示せず)を雌ねじ部12cにねじ込み、第1の取付具10に対してLTE中継器40を固定する。なお、図5Bにおいては、第1の取付具10に第2の取付具20を取り付けるための六角穴付ボルト31、34、ワッシャ32、35およびナット33、36の図示は省略している。
【0025】
[ガスメーターに接続されたフレキシブルガス配管への物品取付装置によるLTE中継器の取付方法]
図6はガスメーター60を示す。このガスメーター60は通信機能付きガスメーターである。ガスメーター60の上面には口金61、62が設けられている。口金61には、ガス配管63とナット64で接続されたガス配管65がナット66を口金61の雄ねじ部(図示せず)にねじ込むことにより接続されている。同様に、口金62には、ガス配管67とナット68で接続されたガス配管69がナット70を口金62の雄ねじ部(図示せず)にねじ込むことにより接続されている。ガスメーター60の下部にはガス配管71、72に加えてフレキシブルガス配管73が接続されている。このフレキシブルガス配管73に物品取付装置によりLTE中継器40を取り付ける。
【0026】
図7Aに示すように、まず、LTE中継器40の取り付けを行う作業者が図5AおよびBに示す、LTE中継器40が取り付けられた物品取付装置をLTE中継器40の突起部42が上になるように手で持ち、直列に取り付けられた二つの第2の取付具20をフレキシブルガス配管73に向け、LTE中継器40および物品取付装置の中心線がフレキシブルガス配管73の中心線とほぼ平行になり、かつLTE中継器40および物品取付装置の全体をフレキシブルガス配管73に対して上側が下側に比べて離れるように傾斜させた状態でフレキシブルガス配管73に近づける。なお、図7Aにおいては、第1の取付具10に第2の取付具20を取り付けるための六角穴付ボルト31、34、ワッシャ32、35およびナット33、36の図示は省略している(以下の図7Bおよび図7Cにおいても同様)。
【0027】
続いて、図7Bに示すように、LTE中継器40および物品取付装置をフレキシブルガス配管73に向かって押し付けると、まず下側の第2の取付具20の挟持部22の被膜24で覆われた屈曲部22bと挟持部23の被膜25で覆われた屈曲部23bとがフレキシブルガス配管73の側面に当たって挟持部22、23が押し広げられることにより挟持部23、24がフレキシブルガス配管73の側面に嵌め込まれる。
【0028】
続いて、図7Cに示すように、下側の第2の取付具20の挟持部23、24がフレキシブルガス配管73の側面に嵌め込まれた状態でLTE中継器40および物品取付装置の全体をフレキシブルガス配管73と平行になるように回転させ、上側の第2の取付具20の挟持部22、23の円弧状部22a、23aと下側の第2の取付具20の挟持部22、23の円弧状部22a、23aとをフレキシブルガス配管73の側面に当たるようにすることで挟持部22、23によりフレキシブルガス配管73を両側から挟み込む。フレキシブルガス配管73に対するLTE中継器40の取付位置を調整するためには、このようにフレキシブルガス配管73を両側から挟み込んだ状態で二つの第2の取付具20をフレキシブルガス配管73に沿って移動させる。
【0029】
フレキシブルガス配管73からLTE中継器40を取り外すときには、例えば、物品取付装置の上側の第2の取付具20または下側の第2の取付具20の一方をフレキシブルガス配管73から取り外した後、他方をフレキシブルガス配管73から取り外す。
【0030】
以上により、第1の取付具10および第2の取付具20からなる物品取付装置を用いてガスメーター60に接続されたフレキシブルガス配管73の側面にLTE中継器40を取り外し可能に取り付けることができる。
【0031】
以上のように、この一実施の形態によれば、第1の取付具10および第2の取付具20により物品取付装置を構成し、この物品取付装置の第1の取付具10の物品取付部12にLTE中継器60を取り付け、直列に取り付けられた二つの第2の取付具20の被膜24で覆われた挟持部22および被膜25で覆われた挟持部23によりフレキシブルガス配管73の側面を挟み込むことにより、フレキシブルガス配管73にLTE中継器60を簡単にしかも安定した状態で取り付けることができる。また、フレキシブルガス配管73から第2の取付具20を取り外すことにより、LTE中継器60を簡単に取り外すことができ、LTE中継器60の交換が必要になったときに容易に対処することができる。
【0032】
以上、この発明の一実施の形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
【0033】
例えば、上述の実施の形態において挙げた数値、構造、構成、材料、方法などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれらと異なる数値、構造、構成、材料、方法などを用いてもよい。
【符号の説明】
【0034】
10…第1の取付具、11…本体部、11a…突出部、11b、11c…貫通孔、12…物品取付部、20…第2の取付具、21…底部、22、23…挟持部、22a、23a…円弧状部、22b、23b…屈曲部、24、25…被膜、31、34…六角穴付ボルト、40…LTE中継器、41…筐体、42…突起部、51、52…ローレットねじ、60…ガスメーター、61、62…口金、73…フレキシブルガス配管
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7