(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077712
(43)【公開日】2024-06-10
(54)【発明の名称】物品取付装置
(51)【国際特許分類】
G01F 3/22 20060101AFI20240603BHJP
G01F 1/00 20220101ALI20240603BHJP
【FI】
G01F3/22 Z
G01F1/00 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022189817
(22)【出願日】2022-11-29
(71)【出願人】
【識別番号】000134903
【氏名又は名称】株式会社ニシヤマ
(74)【代理人】
【識別番号】100120640
【弁理士】
【氏名又は名称】森 幸一
(72)【発明者】
【氏名】湯浅 正基
(72)【発明者】
【氏名】岸川 俊介
(72)【発明者】
【氏名】益田 七恵
【テーマコード(参考)】
2F030
【Fターム(参考)】
2F030CC13
2F030CE09
2F030CF20
(57)【要約】
【課題】周囲のスペースが限られている場合においてもガスメーターの側面に中継器を簡単にしかも安定して取り付けることができ、中継器以外の各種物品も同様に取り付けることができる物品取付装置を提供する。
【解決手段】物品取付装置は、ガスメーターの口金の最下部を両側から挟むように構成された第1の取付具(10)および第2の取付具(20)を有する。第1の取付具は、口金の最下部に一方の側から接触する凹部を有する第1の平板部(11)およびこれに垂直な物品が取り付けられる第2の平板部(12)からなる。第2の取付具は、口金の最下部に他方の側から接触する凹部を有する第3の平板部(21)およびこれに垂直な第4の平板部(22)からなる。第1の取付具および第2の取付具は、第2の平板部と第4の平板部とを互いに平行に保持した状態で第2の平板部および第4の平板部に対して垂直な軸の周りに回動可能に構成される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスメーターの側面に物品を取り外し可能に取り付けるための物品取付装置であって、
上記ガスメーターの口金の最下部を両側から挟むように構成された第1の取付具および第2の取付具を有し、
上記第1の取付具は、上記口金の最下部に一方の側から接触する凹部を有する第1の平板部および当該第1の平板部に連なりかつ当該第1の平板部に対して垂直で上記物品が取り付けられる第2の平板部からなり、
上記第2の取付具は、上記口金の最下部に他方の側から接触する凹部を有する第3の平板部および当該第3の平板部に連なりかつ当該第3の平板部に対して垂直な第4の平板部からなり、
上記第1の取付具および上記第2の取付具は、上記第1の取付具の上記第2の平板部と上記第2の取付具の上記第4の平板部とを互いに平行に保持した状態で上記第2の平板部および上記第4の平板部に対して垂直な軸の周りに回動可能に構成されることを特徴とする物品取付装置。
【請求項2】
上記第2の平板部は上記第1の平板部より幅広の四角形状の形状を有するとともに、上記第3の平板部は上記第2の平板部より幅狭でかつ上記第4の平板部は上記第3の平板部より幅狭の四角形状の形状を有するとともに、上記軸は上記第4の平板部の中心線上にある請求項1記載の物品取付装置。
【請求項3】
上記第2の平板部は上記軸上に第1の貫通孔を有し、上記第1の貫通孔から離れた位置に第2の貫通孔を有し、上記第4の平板部は上記軸上に第1の雌ねじ部を有し、上記第1の雌ねじ部から離れた位置に第2の雌ねじ部を有し、上記第1の貫通孔を通して上記第1の雌ねじ部に第1の雄ねじをねじ込むことができ、上記第2の貫通孔を通して上記第2の雌ねじ部に第2の雄ねじをねじ込むことができるように構成されている請求項1記載の物品取付装置。
【請求項4】
上記第1の平板部の上記凹部および上記第3の平板部の上記凹部は上記ガスメーターの上記口金の最下部の半径とほぼ同一の半径を有するほぼ半円形の形状を有する請求項1記載の物品取付装置。
【請求項5】
上記第1の取付具および上記第2の取付具は金属からなる請求項1記載の物品取付装置。
【請求項6】
上記第1の取付具および上記第2の取付具の表面に合成樹脂がコーティングされている請求項5記載の物品取付装置。
【請求項7】
上記物品は電気機器または照明機器である請求項1~6のいずれか一項記載の物品取付装置。
【請求項8】
上記電気機器は通信機器または通信関連機器である請求項7記載の物品取付装置。
【請求項9】
上記ガスメーターは通信装置を有し、上記通信機器または通信関連機器は上記通信装置から送られる電波を受信し増幅する中継器である請求項8記載の物品取付装置。
【請求項10】
凸部または棒状部を有する取付対象物の側面に物品を取り外し可能に取り付けるための物品取付装置であって、
上記凸部または棒状部を両側から挟むように構成された第1の取付具および第2の取付具を有し、
上記第1の取付具は、上記凸部または棒状部に一方の側から接触する凹部を有する第1の平板部および当該第1の平板部に連なりかつ当該第1の平板部に対して垂直で上記物品が取り付けられる第2の平板部からなり、
上記第2の取付具は、上記凸部または棒状部に他方の側から接触する凹部を有する第3の平板部および当該第3の平板部に連なりかつ当該第3の平板部に対して垂直な第4の平板部からなり、
上記第1の取付具および上記第2の取付具は、上記第1の取付具の上記第2の平板部と上記第2の取付具の上記第4の平板部とを互いに平行に保持した状態で上記第2の平板部および上記第4の平板部に対して垂直な軸の周りに回動可能に構成されることを特徴とする物品取付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は物品取付装置に関し、例えば、ガスメーターに中継器などの物品を取り外し可能に取り付けるのに用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
現在、都市ガスの供給エリアにおいては、ガスメーターのスマートメーター化が進められている。都市ガススマートメーターは、マイコンメーターに通信機能を付加し、遠隔検針、保安データ送信、遠隔閉開栓などを行うことができるガスメーターである。都市ガススマートメーターには通信ユニットが内蔵または外付けで装備され、この通信ユニットから送信される信号が中継器を介して通信ネットワークに送信されるようになっている(例えば、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】[令和4年9月21日検索]、インターネット〈URL:https://www.tokyo-gas.co.jp/network/techno/category2.html 〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
中継器は、都市ガススマートメーターに近い場所に設置するのが望ましい。しかしながら、一般的にガスメーターの周囲のスペースは限られているため、簡単に中継器を設置することは困難であった。
【0005】
そこで、この発明が解決しようとする課題は、周囲のスペースが限られている場合においてもガスメーターの側面に中継器を簡単にしかも安定して取り付けることができ、さらには中継器以外の各種物品も同様に簡単にしかも安定して取り付けることができる物品取付装置を提供することである。
【0006】
この発明が解決しようとする課題は、より一般的には、凸部または棒状部を有する各種の取付対象物の側面に各種の物品を簡単にしかも安定して取り付けることができる物品取付装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、この発明は、
ガスメーターの側面に物品を取り外し可能に取り付けるための物品取付装置であって、
上記ガスメーターの口金の最下部を両側から挟むように構成された第1の取付具および第2の取付具を有し、
上記第1の取付具は、上記口金の最下部に一方の側から接触する凹部を有する第1の平板部および当該第1の平板部に連なりかつ当該第1の平板部に対して垂直で上記物品が取り付けられる第2の平板部からなり、
上記第2の取付具は、上記口金の最下部に他方の側から接触する凹部を有する第3の平板部および当該第3の平板部に連なりかつ当該第3の平板部に対して垂直な第4の平板部からなり、
上記第1の取付具および上記第2の取付具は、上記第1の取付具の上記第2の平板部と上記第2の取付具の上記第4の平板部とを互いに平行に保持した状態で上記第2の平板部および上記第4の平板部に対して垂直な軸の周りに回動可能に構成されることを特徴とする物品取付装置である。
【0008】
第1の取付具の第1の平板部および第2の平板部ならびに第2の取付具の第3の平板部および第4の平板部の形状や寸法などは、ガスメーターの機能を阻害せず、かつガスメーターの設置環境に適合する範囲内で必要に応じて選択され、特に限定されないが、典型的には、第2の平板部は第1の平板部より幅広の四角形状の形状を有するとともに、第3の平板部は第2の平板部より幅狭でかつ第4の平板部は第3の平板部より幅狭の四角形状の形状を有し、上記の軸は第4の平板部の中心線上にある。また、例えば、それぞれ凹部を有する第1の平板部および第3の平板部はガスメーターの口金の最下部にそれらの凹部が接触した状態で見たときに口金の一つの直径方向に関してほぼ対称な形状を有するが、これに限定されるものではない。典型的には、第2の平板部は上記の軸上に第1の貫通孔を有し、この第1の貫通孔から離れた位置に第2の貫通孔を有し、第4の平板部は上記の軸上に第1の雌ねじ部を有し、この第1の雌ねじ部から離れた位置に第2の雌ねじ部を有し、第1の貫通孔を通して第1の雌ねじ部に第1の雄ねじをねじ込むことができ、第2の貫通孔を通して第2の雌ねじ部に第2の雄ねじをねじ込むことができるように構成される。例えば、第2の平板部の第1の貫通孔を通して第4の平板部の第1の雌ねじ部に第1の雄ねじをねじ込み、第2の平板部の第2の貫通孔を通して第4の平板部の第2の雌ねじ部には第2の雄ねじをねじ込まない状態では、第1の取付具および第2の取付具を、第1の取付具の第2の平板部と第2の取付具の第4の平板部とを互いに平行に保持した状態でこの第1の雄ねじの中心軸の周りに回動可能に構成することができる。このため、例えば、第1の平板部と第3の平板部とが互いに十分に離れる位置まで第1の取付具に対して第2の取付具を回動させた状態で第1の平板部をその凹部がガスメーターの口金の最下部に一方の側から接触するようにガスメーターの上面に載せ、その状態で第1の取付具に対して第2の取付具を逆方向に回動させ、第3の平板部をその凹部がガスメーターの口金の最下部に他方の側から接触するようにし、その後、第2の平板部の第2の貫通孔を通して第4の平板部の第2の雌ねじ部に第2の雄ねじをねじ込むことにより、第1の取付具および第2の取付具を互いに固定することができる。第4の平板部の第1の雌ねじ部の代わりに第2の平板部の第1の貫通孔に緩く嵌まる大きさおよび高さの柱状体を設け、第4の平板部のこの柱状体を第2の平板部の第1の貫通孔に嵌めこむことによっても、第1の取付具および第2の取付具を、第1の取付具の第2の平板部と第2の取付具の第4の平板部とを互いに平行に保持した状態でこの柱状体の中心軸の周りに回動可能に構成することができる。第1の取付具および第2の取付具を互いに固定する方法は上述と同様である。第1の取付具の第2の平板部への物品の取り付け方法は特に限定されず、必要に応じて選択される。例えば、第1の取付具の第2の平板部にねじ止めなどにより物品を直接取り付けてもよいし、第2の平板部の第1の貫通孔を通して第4の平板部の第1の雌ねじ部に第1の雄ねじをねじ込む際にこの第1の雄ねじを利用して物品を取り付けてもよい。典型的には、第1の取付具の第1の平板部の凹部および第2の取付具の第3の平板部の凹部はガスメーターの口金の半径とほぼ同一の半径を有する円弧状の形状を有する。こうすることで、第1の取付具および第2の取付具によりガスメーターの口金の最下部を両側から挟んだ場合、第1の取付具の第1の平板部の凹部および第2の取付具の第3の平板部の凹部が口金の最下部を確実に挟み、口金に対して第1の取付具および第2の取付具を緩みなく安定した状態で取り付けることができる。第1の取付具の第1の平板部の凹部および第2の取付具の第3の平板部の凹部は必ずしも円弧状である必要はなく、例えば、円周面に口金に向かって突出した複数の突起部が設けられているような形状であってもよい。
【0009】
第1の取付具および第2の取付具の材料は、ガスメーターに対する取り付けや物品の取り付けに支障が生じない限り、必要に応じて選択されるが、十分な機械的強度を確保するためには好適には鉄鋼などの金属材料、取り分けステンレス鋼が選択される。第1の取付具および第2の取付具の表面には、必要に応じて、合成樹脂がコーティングされる。
【0010】
第1の取付具の第2の平板部に取り付けられる物品は、基本的にはどのようなものであってもよく、必要に応じて選択されるが、例えば、電気機器や照明機器などである。電気機器は、例えば、通信機器や通信関連機器などである。特にガスメーターが通信装置を有する場合、通信機器または通信関連機器としては、通信装置から送られる電波を受信し増幅する中継器である。照明機器は、例えば、LEDライト、取り分け人感センサー付きLEDライトなどである。
【0011】
また、この発明は、
凸部または棒状部を有する取付対象物の側面に物品を取り外し可能に取り付けるための物品取付装置であって、
上記凸部または棒状部を両側から挟むように構成された第1の取付具および第2の取付具を有し、
上記第1の取付具は、上記凸部または棒状部に一方の側から接触する凹部を有する第1の平板部および当該第1の平板部に連なりかつ当該第1の平板部に対して垂直で上記物品が取り付けられる第2の平板部からなり、
上記第2の取付具は、上記凸部または棒状部に他方の側から接触する凹部を有する第3の平板部および当該第3の平板部に連なりかつ当該第3の平板部に対して垂直な第4の平板部からなり、
上記第1の取付具および上記第2の取付具は、上記第1の取付具の上記第2の平板部と上記第2の取付具の上記第4の平板部とを互いに平行に保持した状態で上記第2の平板部および上記第4の平板部に対して垂直な軸の周りに回動可能に構成されることを特徴とする物品取付装置である。
【0012】
この物品取付装置は、上述の物品取付装置を含むものである。凸部または棒状部を有する取付対象物は、基本的にはどのようなものであってもよく、ガスメーターのような装置または機器類だけでなく、各種の構造物なども含まれる。凸部または棒状部の方向は、典型的には鉛直方向であるが、これに限定されず、鉛直方向から傾斜した方向であってもよい。第1の取付具および第2の取付具は、取付対象物や第2の平板部に取り付ける物品などに応じてそれらの形状、寸法、材質などが選定される。第1の取付具の第2の平板部に取り付けられる物品は、基本的にはどのようなものであってもよく、必要に応じて選択されるが、上述の電気機器や照明機器などに加えて、例えば、各種の表示装置(ディスプレイ)、太陽電池パネル、防犯カメラなどであってもよい。
【0013】
この物品取付装置の発明においては、上記以外のことは、その性質に反しない限り、上述の物品取付装置の発明に関連して説明したことが成立する。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、ガスメーターまたは取付対象物の周囲のスペースが限られている場合においても、取り付けようとする物品を第1の取付具の第2の平板部に取り付け、ガスメーターの口金あるいは取付対象物の凸部または棒状部の両側を第1の取付具および第2の取付具により挟むことにより、ガスメーターまたは取付対象物の側面に必要な物品を簡単にしかも安定して取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】この発明の一実施の形態による物品取付装置を構成する第1の取付具を示す上面図および正面図である。
【
図2】この発明の一実施の形態による物品取付装置を構成する第2の取付具を示す上面図および正面図である。
【
図3】この発明の一実施の形態による物品取付装置により物品が取り付けられるガスメーターを示す正面図、右側面図および上面図である。
【
図4】この発明の一実施の形態による物品取付装置を構成する第1の取付具および第2の取付具のガスメーターの口金に取り付けられた状態における様子を示す上面図および正面図である。
【
図5】この発明の一実施の形態による物品取付装置を構成する第1の取付具および第2の取付具を互いに固定するために用いられるローレットねじを示す斜視図である。
【
図6】この発明の一実施の形態による物品取付装置を構成する第1の取付具および第2の取付具の第1の取付具に対して第2の取付具が回動した状態を示す上面図および正面図である。
【
図7】この発明の一実施の形態による物品取付装置によりガスメーターに取り付けられるLTE中継器を示す斜視図である。
【
図8】この発明の一実施の形態による物品取付装置によりガスメーターにLTE中継器を取り付ける直前の状態を示す斜視図である。
【
図9】この発明の一実施の形態による物品取付装置の第1の取付具の第1の平板部の凹部がガスメーターの口金の最下部に一方の側から接触するようにガスメーターの上面に第1の平板部を載せた状態を示す斜視図である。
【
図10】この発明の一実施の形態による物品取付装置の第1の取付具の第1の平板部の凹部がガスメーターの口金の最下部に一方の側から接触するようにガスメーターの上面に第1の平板部を載せた状態で第2の取付具を第1の取付具に向かって回動させる途中の状態を示す斜視図である。
【
図11】この発明の一実施の形態による物品取付装置の第1の取付具の第1の平板部の凹部がガスメーターの口金の最下部に一方の側から接触するようにガスメーターの上面に第1の平板部を載せた状態で第2の取付具を第1の取付具に向かって回動させ、第2の取付具の第3の平板部の凹部をガスメーターの口金の最下部に他方の側から接触させた状態を示す斜視図である。
【
図12】この発明の一実施の形態による物品取付装置の第1の取付具の第1の平板部の凹部がガスメーターの口金の最下部に接触するようにガスメーターの上面に第1の平板部を載せた状態で第2の取付具を第1の取付具に向かって回動させ、第2の取付具の第3の平板部の凹部をガスメーターの口金の最下部に他方の側から接触させた後、第1の取付具および第2の取付具を互いに固定した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、発明を実施するための形態(以下「実施の形態」という)について説明する。
【0017】
〈一実施の形態〉
[物品取付装置]
図1AおよびBはこの物品取付装置を構成する第1の取付具10を示し、
図2AおよびBはこの物品取付装置を構成する第2の取付具20を示す。ここで、
図1Aおよび
図2Aは上面図、
図1Bおよび
図2Bは正面図である。
図3A、BおよびCはこの物品取付装置を用いて物品を取り付けるガスメーター30を示す。ここで、
図3Aは正面図、
図3Bは右側面図、
図3Cは上面図である。ガスメーター30の上面には左右2箇所に口金31、32が設けられている。口金31、32の外周には最下部を除いてそれぞれ雄ねじ31a、32aが切られている。
図3A、BおよびCはガスメーター30の外形を模式的に図示したものである。ガスメーター30は従来公知の構成を有し、詳細な図示および説明を省略する。
図4AおよびBはガスメーター30の口金32に取り付けられた状態における第1の取付具10および第2の取付具20を示す。
【0018】
図1AおよびBに示すように、第1の取付具10は、ガスメーター30の口金32の雄ねじ32aが切られていない最下部に一方の側から接触する円形の凹部11aを有する第1の平板部11およびこの第1の平板部11に連なりかつこの第1の平板部11に対して垂直な第2の平板部12からなる。第2の平板部12に物品が取り付けられる。第2の平板部12との境界部の方向における第1の平板部11の幅は第2の平板部12の幅の約半分以下と小さくなっている。第1の平板部11のうちの第2の平板部12と反対側の約半分は凹部11aに合わせて円弧状に湾曲した形状を有する。第2の平板部12は第1の平板部11より幅広でかつ後述の第2の取付具20の第4の平板部22より幅広のほぼ正方形状の形状を有する。第1の平板部11のうちの第2の平板部12側の約半分および第2の平板部12の凹部11aと反対側の側面は第1の平板部11に対して垂直な平面上に位置する。この側面と反対側にある第2の平板部12の側面の近傍にこの側面に平行に四つの貫通孔12a、12b、12c、12dが一列に設けられている。貫通孔12a、12cは後述のローレットねじを通すとともに、第2の平板部12に物品を取り付けるためのものであり、ローレットねじの雄ねじ部より少し大きな直径を有する。
【0019】
図2AおよびBに示すように、第2の取付具20は、ガスメーター30の口金32の雄ねじ32aが切られていない最下部に他方の側から接触する凹部21aを有する第3の平板部21およびこの第3の平板部21に連なりかつこの第3の平板部21に対して垂直な第4の平板部22からなる。第3の平板部21との境界部の方向における第4の平板部22の幅は第3の平板部21の幅の約1/3以下と小さくなっている。第3の平板部21の第4の平板部22側の約半分は凹部21a側に直線状に傾斜しており、第4の平板部22と反対側の約半分は凹部21aに合わせて円弧状に湾曲した形状を有する。第4の平板部22の下側半分にはこの第4の平板部22の中心線上に雌ねじ部22a、貫通孔22b、雌ねじ部22cおよび貫通孔22dが一列に設けられている。雌ねじ部22aおよび雌ねじ部22cは後述のローレットねじをねじ込むためのものである。
【0020】
図4AおよびBに示すように、第1の取付具10および第2の取付具20をガスメーター30の口金32の最下部に取り付けた状態では、第1の取付具10の第1の平板部11および第2の取付具20の第3の平板部21は水平面上に位置する。また、第1の取付具10の第2の平板部12と第2の取付具20の第4の平板部22とは第2の平板部12が外側となる状態で互いに平行に保持される。第1の取付具10および第2の取付具20が互いに固定された状態において、第1の取付具10の第2の平板部12の貫通孔12a、12b、12c、12dは第2の取付具20の第4の平板部22の雌ねじ部22a、貫通孔22b、雌ねじ部22c、貫通孔22dとそれぞれ一致している。第2の平板部12の貫通孔12aを通して
図5に示すようなローレットねじ40が第4の平板部22の雌ねじ部22aにねじ込まれ、同様に、第2の平板部12の貫通孔12cを通して第4の平板部22の雌ねじ部22cにローレットねじ40がねじ込まれる。こうして第2の平板部12と第4の平板部22とが互いに異なる2点でローレットねじ40により固定されることで、第1の取付具10および第2の取付具20を互いに固定することができる。
図6に示すように、第2の平板部12の貫通孔12cを通して第4の平板部22の雌ねじ部22cにローレットねじ40をねじ込み、第2の平板部12の貫通孔12aを通してローレットねじ40を第4の平板部22の雌ねじ部22aにねじ込まない状態では、第1の取付具10および第2の取付具20は、第2の平板部12および第4の平板部22に対して垂直な、ローレットねじ40の中心軸の周りに回動可能になっている。
【0021】
第1の取付具10および第2の取付具20は、例えばステンレス鋼(SUS304など)製であり、必要に応じて表面にポリ塩化ビニル(PVC)などの樹脂がコーティングされる。
【0022】
第1の取付具10および第2の取付具20の各部の寸法は物品を取り付けるガスメーター30に応じて適宜決められるが、主要部の寸法の一例を挙げると次の通りである。第1の取付具10の第1の平板部11は幅が約24mm、全長が約62mm、凹部11aの半径が約18mm、厚さが約1.5mm、第2の平板部12は幅が約55mm、高さが約60mm、厚さが約1.5mmである。第2の平板部12の上端と貫通孔12aとの間の距離は32mm、貫通孔12aと貫通孔12cとの間の距離は15mmである。第2の取付具20の第3の平板部21は最大幅が約27mm、全長が約61mm、凹部21aの半径が約18mm、厚さが約1.5mm、第4の平板部22は幅が約8.5mm、高さが約60mm、厚さが約1.5mmである。第4の平板部22の上端と雌ねじ部22aとの間の距離は32mm、雌ねじ部22aと雌ねじ部22cとの間の距離は15mmである。
【0023】
[物品取付装置によるガスメーターへの物品の取付方法]
ここでは、一例として物品としてLTE中継器をガスメーター30に取り付ける場合について説明する。この場合、ガスメーター30は通信機能付きガスメーターである。
図7にLTE中継器50を示す。
図7に示すように、LTE中継器50の背面側の上部の一角に取り付け用の突起部51が設けられている。この突起部51にはその中心線上に貫通孔51a、51bが設けられている。貫通孔51aと貫通孔51bとの間隔は第1の取付具10の第2の平板部12の貫通孔12aと貫通孔12cとの間隔と同一である。
【0024】
図8に示すように、LTE中継器50の突起部51の貫通孔51bと第1の取付具10の第2の平板部12の貫通孔12cと第2の取付具20の第4の平板部22の雌ねじ部22cとをこの順で合わせ、貫通孔51bおよび貫通孔12cを通してローレットねじ40を雌ねじ部22cに緩めにねじ込み、仮止めを行う。
【0025】
次に、
図9に示すように、LTE中継器50を手で支えながら、ガスメーター30の右側面側から、第1の取付具10の第1の平板部11をガスメーター30の上面の口金32の横のスペースに凹部11aが口金32を向くように載せ、続いて水平方向にスライドさせて凹部11aを口金32の最下部に一方の側から接触させる。ガスメーター30の上面の口金32には、ガス配管61がナット62を口金32の雄ねじ部32aにねじ込むことにより接続されている。必要に応じて、ガスメーター30のLTE中継器50が接触する面の一部に緩衝用のゴム板を貼り付けておく。こうすることで、地震などでガスメーター30が揺れたときにLTE中継器50がガスメーター30の側面に当たることによるガスメーター30およびLTE中継器50の損傷を防止することができる。
【0026】
次に、
図10に示すように、必要に応じて引き続きLTE中継器50を手で支えながら、第2の取付具20の第3の平板部21を貫通孔51bおよび貫通孔12cを通して雌ねじ部22cにねじ込まれたローレットねじ40の中心軸の周りに反時計方向に回動させ、
図11に示すように、第3の平板部21の凹部21aを口金32の最下部に他方の側から接触させる。この状態では、第1の取付具10の第1の平板部11と第2の取付具20の第3の平板部21とはほぼ水平面上に位置する。また、LTE中継器50の突起部51の貫通孔51aと第1の取付具10の第2の平板部12の貫通孔12aと第2の取付具20の第4の平板部22の雌ねじ部22aとは互いに位置が合っている。
【0027】
次に、
図12に示すように、必要に応じて引き続きLTE中継器50を手で支えながら、第1の取付具10の第1の平板部11の凹部11aおよび第2の取付具20の第3の平板部21の凹部21aが口金32の最下部に両側から接触した状態でLTE中継器50の突起部51の貫通孔51aおよび第1の取付具10の第2の平板部12の貫通孔12aを通して第2の取付具20の第4の平板部22の雌ねじ部22aにローレットねじ40を強くねじ込む。このとき、第1の取付具10の第2の平板部12の貫通孔12cおよび第2の取付具20の第3の平板部21の貫通孔51cを通して雌ねじ部22cにねじ込まれたローレットねじ40も強くねじ込む。こうして第1の取付具10および第2の取付具20は互いに固定される。
【0028】
以上により、第1の取付具10および第2の取付具20からなる物品取付装置を用いてガスメーター30の側面にLTE中継器50を取り外し可能に取り付けることができる。
【0029】
この一実施の形態によれば、第1の取付具10および第2の取付具20により物品取付装置を構成し、ガスメーター30の側面に取り付けようとする物品、例えばLTE中継器50を第1の取付具10の第2の平板部12に取り付け、ガスメーター30の口金32の最下部を両側から第1の取付具10の第1の平板部11の凹部11aおよび第2の取付具20の第3の平板部21の凹部21aにより挟むことにより、ガスメーター30の側面に物品、例えばLTE中継器50を簡単にしかも安定して取り付けることができる。また、第1の取付具10および第2の取付具20からなる物品取付装置はコンパクトに構成することができるため、ガスメーター30の周囲のスペースが限られている場合においても、ガスメーター30の側面にLTE中継器50などの物品を簡単に取り付けることができる。
【0030】
以上、この発明の一実施の形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
【0031】
例えば、上述の実施の形態において挙げた数値、構造、構成、材料、方法などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれらと異なる数値、構造、構成、材料、方法などを用いてもよい。
【符号の説明】
【0032】
10…第1の取付具、11…第1の平板部、11a…凹部、12…第2の平板部、20…第2の取付具、21…第3の平板部、21a…凹部、22…第4の平板部、30…ガスメーター、31、32…口金、40…ローレットねじ、50…LTE中継器、51…突起部