(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077713
(43)【公開日】2024-06-10
(54)【発明の名称】プログラムおよび情報処理システム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/847 20140101AFI20240603BHJP
A63F 13/45 20140101ALI20240603BHJP
A63F 13/58 20140101ALI20240603BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20240603BHJP
【FI】
A63F13/847
A63F13/45
A63F13/58
A63F13/69
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022189820
(22)【出願日】2022-11-29
(71)【出願人】
【識別番号】509070463
【氏名又は名称】株式会社コロプラ
(74)【代理人】
【識別番号】100104547
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100206612
【弁理士】
【氏名又は名称】新田 修博
(74)【代理人】
【識別番号】100209749
【弁理士】
【氏名又は名称】栗林 和輝
(74)【代理人】
【識別番号】100217755
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 淳史
(72)【発明者】
【氏名】武田 飛鳥
(72)【発明者】
【氏名】山崎 聡士
(57)【要約】
【課題】ゲームの興趣性を向上させる。
【解決手段】プログラムは、コンピュータを、複数のプレイヤが協力して行うイベントを制御するイベント制御手段と、指標値を変動させ、指標値が特定の条件を満たすとイベントの達成に有利となる所定の制御を行う有利制御手段と、として機能させる。指標値は、複数のプレイヤの間で共通している。有利制御手段は、イベントにおいて少なくとも1のプレイヤについて生じた不利な事象を指標値の変動に反映させる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のプレイヤが協力して行うイベントを制御するイベント制御手段と、
指標値を変動させ、前記指標値が特定の条件を満たすと前記イベントの達成に有利となる所定の制御を行う有利制御手段と、
としてコンピュータを機能させ、
前記指標値は、複数のプレイヤの間で共通し、
前記有利制御手段は、前記イベントにおいて少なくとも1のプレイヤについて生じた不利な事象を前記指標値の変動に反映させる、
プログラム。
【請求項2】
前記所定の制御は、複数のプレイヤが協力して行うアクションを発動させるもの、または複数のプレイヤのパラメータを変化させるものである、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記有利制御手段は、第1のプレイヤについて前記不利な事象が発生した場合よりも、所定のパラメータが前記第1のプレイヤよりも低い第2のプレイヤについて前記不利な事象が発生した場合の方が、前記特定の条件が満たされやすくなるように前記不利な事象の前記指標値の変動への反映を行う、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記有利制御手段は、
協力して前記イベントを行う複数のプレイヤの間における、各プレイヤに関する特定のパラメータの差に応じた効果が生じる前記所定の制御を行う、
請求項1から3のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記有利制御手段は、
協力して前記イベントを行う複数のプレイヤのうち、特定のパラメータが特定値に達していないプレイヤの前記特定のパラメータの値と前記特定値との差に応じた効果が生じる前記所定の制御を行う、
請求項1から3のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項6】
複数のプレイヤが協力して行うイベントを制御するイベント制御手段と、
指標値を変動させ、前記指標値が特定の条件を満たすと前記イベントの達成に有利となる所定の制御を行う有利制御手段と、
を備え、
前記指標値は、複数のプレイヤの間で共通し、
前記有利制御手段は、前記イベントにおいて少なくとも1のプレイヤについて生じた不利な事象を前記指標値の変動に反映させる、
情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラムおよび情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のゲームでは、複数のプレイヤが協力してゲームを進行させる形態のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、複数のプレイヤが協力して行うゲームにおいては、一部のプレイヤが目標の達成に貢献できないことなどにより、ゲームの興趣性が損なわれるおそれがあった。
【0005】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、ゲームの興趣性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に示す一実施形態によれば、
複数のプレイヤが協力して行うイベントを制御するイベント制御手段と、
指標値を変動させ、前記指標値が特定の条件を満たすと前記イベントの達成に有利となる所定の制御を行う有利制御手段と、
としてコンピュータを機能させ、
前記指標値は、複数のプレイヤの間で共通し、
前記有利制御手段は、前記イベントにおいて少なくとも1のプレイヤについて生じた不利な事象を前記指標値の変動に反映させる、
プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】ゲームシステムの機能的構成を示すブロック図である。
【
図3】ゲーム空間を示す表示画面の一例を示す図である。
【
図4】第1の実施例における制御処理を模式的に示す図である。
【
図5】第1の実施例に係る処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】第2の実施例における制御処理を模式的に示す図である。
【
図7】第2の実施例に係る処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】第3の実施例における制御処理を模式的に示す図である。
【
図9】第3の実施例に係る処理の一例を示すフローチャートである。
【
図10】第4の実施例における制御処理を模式的に示す図である。
【
図11】第4の実施例に係る処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【0010】
<ゲームシステムのハードウェア構成>
図1に示すように、本実施形態の情報処理システムとしてのゲームシステム1は、複数の端末装置10と、サーバ20とを備えている。
【0011】
端末装置10とサーバ20とは、ネットワーク2を介して接続される。ネットワーク2は、例えば、インターネット、移動通信システム(例えば、3G、4G、5G、LTE(Long Term Evolution)等)、WiFi(Wireless Fidelity)、ブルートゥース(登録商標)、その他の通信回線、またはこれらの組み合わせ等のいずれによって構成されていてもよい。また、端末装置10とサーバ20との接続は、有線接続であるか無線接続であるかを問わない。
【0012】
サーバ20(換言すると、コンピュータ、情報処理装置)は、例えば、ワークステーションまたはパーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータであってもよい。サーバ20は、プロセッサ21と、メモリ22と、ストレージ23と、通信IF(インターフェース)24と、入出力IF25と、を備える。サーバ20が備えるこれらの構成は、通信バスによって互いに接続される。
【0013】
プロセッサ21は、サーバ20全体の動作を制御する。プロセッサ21は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)およびGPU(Graphics Processing Unit)等を含み得る。プロセッサ21は、ストレージ23からプログラムを読み出し、メモリ22に展開する。プロセッサ21は、展開したプログラムを実行する。
【0014】
メモリ22は、主記憶装置である。メモリ22は、例えば、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等の記憶装置により構成される。メモリ22は、プロセッサ21がストレージ23から読み出したプログラムおよび各種データを一時的に記憶することにより、プロセッサ21に作業領域を提供する。メモリ22は、プロセッサ21がプログラムに従って動作している間に生成した各種データも一時的に記憶する。
【0015】
なお、本実施形態においてプログラムとは、ゲームを端末装置10により実現するプログラムであってもよい。また、当該プログラムは、当該ゲームを端末装置10とサーバ20との協働により実現するプログラムであってもよい。なお、端末装置10とサーバ20との協働により実現されるゲームは、一例として、端末装置10において起動されたブラウザ上で実行されるゲームであってもよい。また、当該プログラムは、当該ゲームを複数の端末装置10の協働により実現するプログラムであってもよい。また、各種データには、例えば、ユーザ情報およびゲーム情報などのゲームに関するデータ、および端末装置10とサーバ20との間で送受信される指示や通知が含まれる。
【0016】
ストレージ23は、補助記憶装置である。ストレージ23は、例えば、フラッシュメモリまたはHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置により構成される。ストレージ23には、ゲームに関する各種データが格納される。
【0017】
通信IF24は、サーバ20と端末装置10等との間におけるネットワークを介した各種データの送受信を制御する。
【0018】
入出力IF25は、サーバ20がデータの入力を受け付けるためのインターフェースであるとともに、サーバ20がデータを出力するためのインターフェースである。入出力IF25は、例えば、マウス、キーボード等の情報入力機器である入力部と、画像を表示出力する機器である表示部とを含み得る。
【0019】
端末装置10(換言すると、コンピュータ、情報処理装置)は、例えば、スマートフォン、フィーチャーフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、タブレット型コンピュータ、パーソナルコンピュータ、ウェアラブル端末、またはゲーム装置等であってもよい。端末装置10は、携帯端末であってもよい。端末装置10は、ユーザ(ゲームプレイヤ)がゲームを実行する際に可搬型の端末であってもよい。
【0020】
端末装置10は、プロセッサ11と、メモリ12と、ストレージ13と、通信IF14と、入出力IF15と、入力部17と、表示部18と、を備える。端末装置10が備えるこれらの構成は、通信バスによって互いに接続される。
【0021】
プロセッサ11は、端末装置10全体の動作を制御する。プロセッサ11は、CPU、MPUおよびGPU等を含み得る。プロセッサ11は、ストレージ13からプログラムを読み出し、メモリ12に展開する。プロセッサ11は、展開したプログラムを実行する。
【0022】
メモリ12は、主記憶装置である。メモリ12は、例えば、ROMおよびRAM等の記憶装置により構成される。メモリ12は、プロセッサ11がストレージ13から読み出したプログラムおよび各種データを一時的に記憶することにより、プロセッサ11に作業領域を提供する。メモリ12は、プロセッサ11がプログラムに従って動作している間に生成した各種データも一時的に記憶する。
【0023】
ストレージ13は、補助記憶装置である。ストレージ13は、例えば、フラッシュメモリまたはHDD等の記憶装置により構成される。ストレージ13には、ゲームに関する各種データが格納される。
【0024】
通信IF14は、端末装置10とサーバ20等との間におけるネットワークを介した各種データの送受信を制御する。
【0025】
入出力IF15は、端末装置10がデータの入力を受け付けるためのインターフェースであるとともに、端末装置10がデータを出力するためのインターフェースである。入出力IF15は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等を介してデータの入出力を行うこととしてもよい。入出力IF15は、入力部17または表示部18等を含み得る。
【0026】
入力部17は、ユーザによる入力を受け付ける。入力部17は、例えば、タッチパッド等のポインティングデバイスであってもよい。表示部18は、画像を表示する。表示部18は、例えば、液晶ディスプレイまたは有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等であってもよい。端末装置10は、例えば、入力部17と表示部18とを組み合わせた電子部品であるタッチスクリーン16を備える。
【0027】
入力部17は、ユーザの操作(例えば、タッチ操作、タップ操作、スライド操作、スワイプ操作、フリック操作、ピンチイン操作およびピンチアウト操作等)により入力面に対して入力された位置を検知し、検知した位置を示す情報を入力信号として送信する機能を有する。入力部17としてのタッチパネルは、静電容量方式または抵抗膜方式等を採用することができるが、他の方式であってもよい。
【0028】
なお、入力部17は、例えば、キーボード、各種物理ボタン、各種センサ(例えば、加速度センサまたは角速度センサ等)、操作スティック、カメラ、またはマイク等であってもよい。また、表示部18は、例えば、プロジェクタ等であってもよい。
【0029】
<ゲームシステムの機能的構成>
図2は、サーバ20および端末装置10の機能的構成を示すブロック図である。本実施形態におけるサーバ20は、例えば、ゲームを実現するために必要な各種データおよびプログラムを各端末装置10に提供する機能、各端末装置10からゲームに関するデータを収集して管理する機能、ならびに複数の端末装置10間の同期処理を行う機能等を有する。
【0030】
なお、本実施形態において、サーバ20は、ゲームごとに事前に登録されるユーザのアカウントを用い、各ユーザおよび端末装置10を識別する。アカウントの登録方法は特に限定されない。例えば、端末装置10またはパーソナルコンピュータ等の他の装置が、ユーザの操作に基づいて、ユーザのアカウント登録に必要な情報をサーバ20に送信し、サーバ20が、受信した情報に基づいて各ユーザのアカウントを作成および保存することとしてもよい。
【0031】
図2に示すように、サーバ20は、プロセッサ21、メモリ22、ストレージ23、通信IF(インターフェース)24、および入出力IF25等の協働によって、制御部210および記憶部220として機能する。記憶部220は、制御部210が使用する各種データを格納する。各種データとして、例えば、ゲームプログラム221、ゲーム情報222およびユーザ情報223がある。
【0032】
ゲームプログラム221は、ゲームを実現するためのプログラムである。ゲーム情報222およびユーザ情報223は、制御部210がゲームプログラム221を実行するときに参照するデータである。
【0033】
なお、ゲームプログラム221は、サーバ20側で実行するゲームプログラムに加え、端末装置10に送信して端末装置10側で実行するプログラム(後述するゲームプログラム121)を含むこととしてもよい。あるいは、記憶部220が、サーバ20側で実行するゲームプログラム221と、端末装置10側で実行するプログラムとを格納することとしてもよい。
【0034】
ゲーム情報222は、アカウント間で共通の情報である。ゲーム情報222は、例えば、各種ゲーム空間を規定するための情報を含む。ゲーム空間とは、ユーザによって操作可能なキャラクタ(以下、「操作キャラクタ」あるいは「プレイヤキャラクタ」ともいう。)や当該キャラクタの装備するアイテム(例えば、服、アクセサリ、クラブ、またはマスコットキャラクタなど)等のオブジェクトが配置される空間である。また、ゲーム情報222は、例えば、ゲーム空間内に配置される建物や木、石等の背景オブジェクトやノンプレイヤキャラクタ(non player character:NPC)のオブジェクトの配置位置や大きさ、色、形状等、アカウント間で共通のオブジェクトに関する各種設定情報を含む。以下においては、ゲーム空間に配置されたキャラクタのオブジェクトを指して、単に「キャラクタ」ということもある。
【0035】
ユーザ情報223は、ゲームのアカウントごとに管理される情報である。ユーザ情報223は、例えば、操作キャラクタ等のオブジェクトに関する情報、保有資産に関する情報およびゲームの進行度合いを示す情報等を含む。保有資産として、例えば、ゲーム内通貨、アイテム、キャラクタの装備品等が挙げられる。オブジェクトに関する情報には、キャラクタ等のオブジェクトに関連するパラメータの情報等が含まれる。
【0036】
制御部210は、記憶部220に格納されたゲームプログラム221を実行することにより、ゲームに関する各種処理を制御する。制御部210は、例えば、送受信部211、サーバ処理部212、データ管理部213および同期処理部214を有する。
【0037】
送受信部211は、各種データを送信または受信する。送受信部211は、例えば、各種データおよびプログラムの送信要求や、マルチプレイ機能に対応するための同期処理の要求、同期処理の対象となるデータ等を、各端末装置10から受信し、サーバ処理部212に渡す。また、送受信部211は、サーバ処理部212による制御に従って、同期を取るための指示等を含む各種データやプログラムを、各端末装置10に送信する。
【0038】
本実施形態において、マルチプレイ機能とは、複数のアカウントによるゲーム処理を同期させた状態で進行させる機能である。ゲームシステム1のサーバ20および端末装置10は、ゲームシステム1にログインしているアカウントが同じゲームに複数参加する場合に、マルチプレイ機能に対応するための各種処理を実行する。
【0039】
サーバ処理部212は、端末装置10からの要求等に応じ、ゲームプログラム221に記述された演算処理を実行することで、端末装置10にゲームを提供する。サーバ処理部212は、例えば、マルチプレイ機能に対応するための同期処理の要求や同期処理の対象となるデータを、送受信部211を介して端末装置10から受け取ると、マルチプレイ機能に対応するための同期処理を実行する。また、サーバ処理部212は、ゲーム情報222またはユーザ情報223の送信指示を送受信部211に指令する。さらに、サーバ処理部212は、ゲーム情報222またはユーザ情報223のレコードの追加、更新または削除に関する指示をデータ管理部213に指令する。
【0040】
データ管理部213は、記憶部220に格納されている各種データをサーバ処理部212の指示に従って管理する。データ管理部213は、例えば、サーバ処理部212からの指令に従って、ゲーム情報222またはユーザ情報223を読み出し、送受信部211を介して端末装置10に送信する。また、データ管理部213は、サーバ処理部212からの指令に従って、ゲーム情報222またはユーザ情報223のレコードを、追加、更新または削除する。
【0041】
同期処理部214は、サーバ処理部212からの指令に従って、ゲームのマルチプレイ機能に対応するための同期処理を実行する。同期処理部214は、例えば、サーバ20が複数の端末装置10に対して情報を送信するときに、各端末装置10に同時に情報を送信することで、各端末装置10間で進行するゲームの同期を取る。具体的に、同期処理部214は、各アカウントに対応する端末装置10から所定期間(例えば、一フレーム)内に受信した操作情報を、所定期間ごとに各端末装置10に同時に送信する。操作情報は、端末装置10に入力される操作に関する情報である。同期のタイミングや同期すべき情報は、サーバ処理部212から随時受信することとしてもよい。同期処理を実行することで、一つの端末装置10で入力された操作に起因するゲーム内の事象を、他の端末装置10に同時に反映させることが可能となる。
【0042】
本実施形態における端末装置10は、例えば、ユーザの入力操作を受け付ける入力装置としての機能、およびゲームの画像や音声を出力する出力装置としての機能等を有する。
【0043】
端末装置10は、プロセッサ11、メモリ12、ストレージ13、通信IF14、および入出力IF15等の協働によって、制御部110および記憶部120として機能する。記憶部120は、制御部110が使用する各種データを格納する。各種データとして、例えば、ゲームプログラム121、ゲーム情報122およびユーザ情報123がある。
【0044】
ゲームプログラム121は、端末装置10側でゲームを実現するためのプログラムである。ゲーム情報122およびユーザ情報123は、制御部110がゲームプログラム121を実行するときに参照するデータである。
【0045】
ゲーム情報122は、前述したサーバ20のゲーム情報222と同様の情報を含む。したがって、ここではゲーム情報122の説明を省略する。
【0046】
ユーザ情報123は、端末装置10を使用するユーザのアカウントに関するデータであり、前述したサーバ20のユーザ情報223と同様の情報を含む。したがって、ここではユーザ情報123の説明を省略する。
【0047】
制御部110は、記憶部120に格納されたゲームプログラム121を実行することにより、端末装置10において実行されるゲームに関する各種処理を制御する。制御部110は、例えば、操作受付部111、送受信部112、ゲーム進行部113および表示制御部114を有する。
【0048】
操作受付部111は、入力部17を介してユーザにより入力される操作(以下、「入力操作」ともいう。)を受け付ける。具体的には、操作受付部111は、入力部17に対する入力操作がされた場合に、入力位置の座標および入力操作の種類を検知する。入力操作の種類として、例えば、タッチ操作、タップ操作、スライド操作、スワイプ操作、フリック操作、ピンチイン操作およびピンチアウト操作等の、手指等による各種操作が挙げられる。入力操作は、入力部17(例えば、タッチスクリーン16)に物理的に接触する操作に限らず、非接触による操作も含み得る。なお、タッチスクリーン16への接触を終了するタッチオフ操作等のそれまで行っていた入力操作を終了する操作も、入力操作の一態様ということができる。
【0049】
ここで、操作受付部111は、入出力IF15を介して接続された操作機器を用いてされる入力操作についても、入力部17に対する入力操作と同様に受け付けることができる。
【0050】
送受信部112は、各種データを送受信する。以下に、具体例を挙げて説明する。
【0051】
送受信部112は、ゲーム情報122またはユーザ情報123や、マルチプレイ機能に対応するための同期要求を、サーバ20に送信する。送受信部112は、各種データ、プログラム、およびマルチプレイ機能に対応するための同期のためのデータ等を、サーバ20から受信する。同期のためのデータには、例えば、マルチプレイに参加している各端末装置10間で同期を取るように指示するための同期指示データが含まれる。同期指示データには、例えば、同期対象となるデータおよびそのデータの種類や、同期する時期を特定するためのデータ等が含まれる。
【0052】
送受信部112は、操作受付部111により受け付けられた入力操作に関する操作情報を、サーバ20に送信する。送受信部112は、他の端末装置10において他のユーザにより入力された操作に関する操作情報を、サーバ20から受信する。
【0053】
ゲーム進行部113は、ゲームの進行に関する各種処理を実行する。以下に、具体例を挙げて説明する。
【0054】
ゲーム進行部113は、ゲーム情報122に含まれるゲーム空間を規定するための情報に基づいて、ゲーム空間を規定する。ゲーム進行部113は、ゲーム情報122に含まれるオブジェクトの設定情報に基づいて、ゲーム空間にオブジェクトを配置する。ゲーム進行部113は、ゲーム空間に配置したオブジェクトを制御する。具体的には、ゲーム進行部113は、ゲーム空間内でのオブジェクトの位置、向き、形状、色等を変更することや、オブジェクトに所定の動作を行わせるように、オブジェクトを制御する。
【0055】
ゲーム進行部113は、ゲーム空間のうちユーザに提示する領域を指定するための仮想カメラを規定する。ゲーム進行部113は、ゲーム空間内での仮想カメラの位置および向きを規定することにより、ゲーム空間内に仮想カメラを配置する。ゲーム進行部113は、仮想カメラにより規定される視野領域およびこの視野領域に配置されているオブジェクトを描画した画像を生成するように、表示制御部114に指示する。
【0056】
仮想カメラの位置および向きは、ゲーム空間ごとに適宜決定することができる。例えば、ゲーム進行部113は、特定のオブジェクトの位置や向きを基準とし、特定のオブジェクトが特定の向きで視野領域の中央に位置するように、仮想カメラを配置する。その際、ゲーム進行部113は、特定のオブジェクトに対する方向、距離および角度を用い、仮想カメラの位置や向きを調整する。特定のオブジェクトは、例えば、操作キャラクタやノンプレイヤキャラクタ等の動的なオブジェクトであってもよいし、建物や木、石等の静的なオブジェクトであってもよい。動的なオブジェクトには、各ユーザの操作に基づいてそれぞれ動作する操作キャラクタと、ゲームプログラム121,221に基づいて動作するキャラクタ(例えば、ノンプレイヤキャラクタ、敵キャラクタ等)とが含まれる。
【0057】
ゲーム進行部113は、操作受付部111により検知された入力位置の座標および入力操作の種類等に基づいて、ユーザの指示内容を解釈する。ゲーム進行部113は、解釈した指示内容等に基づいて、ゲームの進行に関わる各種判定処理を実行する。ゲーム進行部113は、判定処理の結果等に基づいて、オブジェクトや仮想カメラ等を制御しながらゲームを進行する。ゲーム進行部113は、ゲームの進行状況に応じて、ゲーム情報122やユーザ情報123を更新、追加または削除する。
【0058】
表示制御部114は、表示部18に画像を表示させる。以下に、具体例を挙げて説明する。
【0059】
表示制御部114は、ゲーム空間のうち、ゲーム進行部113が規定する仮想カメラの視野の領域と、その領域に存在するオブジェクトとを描画した画像を生成し、表示部18に表示させる。表示制御部114は、表示部18に表示させる画像に対し、例えば、アイコン、ボタン、各種パラメータを示すメニュー等、ゲームの種々の操作に必要なUI(User Interface)に関わるオブジェクトを重畳して描画することができる。
【0060】
なお、
図2に示す端末装置10およびサーバ20の機能は一例にすぎない。端末装置10およびサーバ20の各装置は、他の装置が備える機能の少なくとも一部を備えていてもよい。また、端末装置10およびサーバ20等の各装置は、一体の機器により実現されるものでなくてもよく、例えば、ネットワーク等を介して接続される複数の機器によって実現されてもよい。また、ゲームシステム1は、例えば、端末装置10またはサーバ20のみによって構成されていてもよい。換言すると、ゲームシステム1は、ネットワークを介して接続される複数の機器によって実現されていなくてもよい。
【0061】
<本実施形態に係る処理>
次に、本実施形態に係る処理について説明する。なお、本実施形態では、端末装置10のプロセッサ11またはサーバ20のプロセッサ21が、ゲームシステム1に記憶されているゲームプログラムを実行することによって、後述する各処理を行うものとして説明する。ただし、後述する処理であってプロセッサ11が行う処理のうちの少なくとも一部を、プロセッサ11とは別のプロセッサが実行するようにしてもよい。また、後述する処理であってプロセッサ21が行う処理のうちの少なくとも一部を、プロセッサ21とは別のプロセッサが実行するようにしてもよい。換言すると、本実施形態においてゲームプログラムを実行するコンピュータは、端末装置10およびサーバ20のいずれであってもよく、また、複数の装置の組み合わせにより実現されてもよい。
【0062】
以下では、本実施形態に係る構成を、マルチプレイ機能を利用するゲーム、換言すると、複数のプレイヤが協力して行うゲームに適用した場合を例に説明する。具体的には、本実施形態に係る構成をロールプレイングゲームに適用した場合を例に説明する。ただし、本実施形態に係る構成は、そのようなゲーム以外の他のゲーム(例えば、スポーツゲームや、プレイヤ同士で対戦するゲーム等)に適用することもできる。また、本実施形態に係る構成は、ゲームに限らず、各ユーザに関連するオブジェクトが存在する仮想空間を提供するアプリケーション(換言すると、サービス)に適用することができる。
【0063】
本実施形態においては、ゲーム進行部113は、複数のプレイヤが協力して行うイベントを制御するイベント制御手段と、複数のプレイヤの間で共通する指標値を変動させ、この指標値が特定の条件を満たすとイベントの達成に有利となる所定の制御を行う有利制御手段として機能するようになっている。そして、有利制御手段としてのゲーム進行部113は、イベントにおいて少なくとも1のプレイヤについて生じた不利な事象を指標値の変動に反映させるようになっている。
【0064】
ここで、「イベント」とは、例えば、バトル(換言すると、試合)や、所定のステージ(例えば、ダンジョン等)の攻略を目指すもの等であってもよい。イベントとは、クエストと言い換えることもできる。本実施形態のゲームでは、イベントとして、複数のプレイヤがチームを結成し、設定された敵を協力して倒すバトルイベントが用意されている。また、「イベントの達成」とは、イベントの目標を果たすことであり、本実施形態では、所定の敵を倒すことを指す。なお、複数のプレイヤで協力して行うイベントは、チームを形成せずに、偶然その場に居合わせたプレイヤ同士が協力して所定の目標の達成(例えば、敵の討伐)を目指すもの等であってもよい。また、複数のプレイヤで協力して行うイベントは、1人のプレイヤが単独で行うことが可能なものであってもよい。
【0065】
また、各プレイヤは、自身のキャラクタを操作してイベントを進行させる。すなわち、本実施形態のゲームにおいて、「複数のプレイヤが協力してイベントを行う(換言すると、チームを結成する)」とは、複数のプレイヤのキャラクタが協力してイベントを行うと言い換えることもできる。なお、協力してイベントを行うキャラクタの中には、ノンプレイヤキャラクタ(換言すると、コンピュータが操作するキャラクタ)が含まれていてもよい。換言すると、「複数のプレイヤ」には、ノンプレイヤキャラクタを操作する仮想的なプレイヤ(換言すると、ノンプレイヤキャラクタとチームを組むキャラクタを操作するユーザの視点から見た、当該ノンプレイヤキャラクタを操作している他のユーザ)が含まれてもよい。また、チームを構成する複数のキャラクタは、1人のプレイヤによって操作されてもよい。なお、以下では、プレイヤのキャラクタのこともプレイヤと呼ぶ。
【0066】
また、「指標値」とは、イベントの達成に関与する値ともいえる。本実施形態では、指標値が特定の条件を満たすと、チームに有利な所定の事象が発生する(換言すると、所定の効果が得られる)。本実施形態では、「指標値」は、複数のプレイヤが協力して行うアクションの発動に関与する値となっている。また、本実施形態では、指標値がユーザに認識(換言すると、視認)可能となるように、イベントの進行中において、指標値に対応する表示(具体的には、後述するゲージ80)が表示部18に表示される。なお、指標値は、制御プログラム内において計算上でのみ使用され、ゲージ80等によりユーザに示されないようになっていてもよい。また、指標値は、複数のプレイヤ(換言すると、チーム)の間で共通するものとなっている。
【0067】
また、「特定の条件」とは、例えば、指標値がある所定値に達することであってもよい。具体的には、例えば、指標値(換言すると、ゲージ80)が所定契機で増加する(換言すると、溜まる)ようになっており、指標値が所定値(例えば、最大値)に達すると、特定の条件が満たされるようになっていてもよい。なお、指標値(換言すると、ゲージ80)は、増加するものでなくてもよい。例えば、指標値が初期値から所定契機で減少していき、所定値(例えば、下限値)に達すると、特定の条件が満たされるようになっていてもよい。すなわち、以下の説明において、指標値の増加(換言すると、上昇)とは、指標値の減少(換言すると、低下)と読み替えることもできる。
【0068】
また、「イベントの達成に有利となる所定の制御」には、例えば、イベントの達成に近づくような事象を発生させる(換言すると、イベントの達成に近づくような状態をもたらす)制御が含まれる。当該所定の制御は、例えば、イベントの達成に近づくためのアクションを発動させる制御であってもよい。具体的には、当該所定の制御は、バトルイベントにおいて、1または複数のプレイヤによる攻撃を発動させる制御等であってもよい。また、当該所定の制御は、イベントの達成に近づくようにプレイヤのパラメータを変動させる制御等であってもよい。具体的には、1または複数のプレイヤの攻撃力、防御力、または速度(例えば、移動速度または攻撃速度)等を上昇させる制御や、1または複数のプレイヤのヒットポイント(HP)、マジックポイント(MP)、またはスキルポイント等を上昇(具体的には、回復あるいは上限値を上昇)させる制御等であってもよい。また、当該所定の制御は、イベントの達成に近づくように敵のパラメータを変動させる制御等であってもよい。具体的には、1または複数の敵の攻撃力、防御力、または速度(移動速度または攻撃速度)等を低下させる制御や、ヒットポイント、マジックポイント、またはスキルポイント等を低下させる制御等であってもよい。また、当該所定の制御は、1または複数のプレイヤの能力が向上する状態変化をもたらす制御や、1または複数の敵の能力が低下する状態変化(所謂状態異常)をもたらす制御等であってもよい。すなわち、当該所定の制御は、複数のプレイヤが協力して行うアクションを発動させるもの、1または複数のプレイヤのパラメータや状態を変化させるもの、あるいは1または複数の敵のパラメータや状態を変化させるもの等であってもよい。換言すると、当該所定の制御は、プレイヤや敵に対して所謂バフやデバフをかけるものであってもよい。また、各種パラメータの上昇や状態の変化は、チーム内の弱いプレイヤについてされるようになっていてもよい。また、当該所定の制御は、プレイヤや敵がいる場を、プレイヤに有利な場に変化させる制御等であってもよい。
【0069】
また、「不利な事象」には、例えば、イベント達成から遠ざかるような状況をもたらす事柄が含まれる。具体的には、「不利な事象」とは、例えば、バトルイベントにおいて1または複数のプレイヤが敵から攻撃を受けることであってもよい。また、「不利な事象」とは、例えば、プレイヤが状態異常(具体的には、例えば、行動不能状態)に陥ること等であってもよい。また、「不利な事象」とは、例えば、プレイヤや敵がいる場が、プレイヤに不利な場に変化すること等であってもよい。
【0070】
また、「不利な事象を指標値の変動に反映させる」とは、例えば、不利な事象が発生した場合に、指標値を増減させたり、その増減度合いや増減の仕方を変化させたりするもの(例えば、増加速度を上昇させたりするもの)であってもよい。
【0071】
次に、ゲーム進行部113の具体的な制御につき、バトルイベントを行う場合を例に詳細に説明する。特に、以下では、複数のプレイヤがチームを形成して設定された敵に対して協力して攻撃を仕掛けて敵を倒すというイベントを実行する場合について、実施例1~4の4つの例を挙げて説明する。
図3は、そのようなイベントにおける表示画面の一例を示す図である。
図3に示すように、表示制御部114は、ゲーム進行部113の指示に応じて、表示部18にチームを構成する複数のプレイヤ(換言すると、プレイヤのキャラクタ)60と敵70とが対峙するゲーム空間の画像を表示させる。また、表示制御部114は、ゲーム進行部113の指示に応じて、表示部18に指標値に対応する表示(換言すると、UI)としてのゲージ80を表示させる。本イベントでは、操作受付部111は、敵70に対して攻撃をするための(換言すると、ダメージを与える)操作を受け付け、ゲーム進行部113は、当該操作に基づいてゲームを進行する。また、ゲーム進行部113は、指標値が所定値(具体的には、最大値)に達すると(換言すると、ゲージ80が所定量溜まると)、複数のプレイヤ60による敵70に対する一斉攻撃を実行する。なお、ゲージ80は、指標値と一対一で対応するものでなくてもよい。換言すると、ゲージ80は、指標値の現在の蓄積量を明示するものでなくてもよい。
【0072】
なお、チームを構成する複数のプレイヤは、所定のパラメータが互いに異なっている。ただし、チームを構成する複数のプレイヤは、必ずしも所定のパラメータが互いに異なっていなくてもよい。プレイヤの所定のパラメータが互いに異なる例としては、プレイヤのランクが互いに異なること、プレイヤのキャラクタのランクが互いに異なること、プレイヤのキャラクタの攻撃力、防御力、速度(例えば、移動速度または攻撃速度)、ヒットポイント、マジックポイント、またはスキルポイント等のステータスが互いに異なることなどを挙げることができる。すなわち、「プレイヤのパラメータ」とは、プレイヤが所有する(換言すると、イベントにおいて操作する)キャラクタに設定されたパラメータであってもよく、プレイヤ自身に設定された(例えば、キャラクタに依存しない)パラメータであってもよい。なお、「プレイヤのパラメータ」とは、プレイヤのキャラクタの攻撃力、防御力、速度、ヒットポイント、マジックポイント、またはスキルポイント等の各種パラメータを総合的に判断して(換言すると、複数のパラメータに基づいて)算出されるパラメータ等であってもよい。また、「プレイヤのパラメータ」は、プレイヤの力量を示すパラメータ等であってもよい。また、「プレイヤのパラメータ」は、プレイヤのゲーム(具体的には、例えば、イベント)をプレイした回数や、ゲームのプレイ時間、またはゲームをプレイする頻度等の、プレイ履歴に関するものであってもよい。また、「プレイヤのパラメータ」は、プレイヤに対して明示的に示されるもの(換言すると、プレイヤ自身が確認可能なもの)でなく、内部的に使用されるパラメータであってもよい。なお、ランクとは、ユーザあるいはキャラクタの習熟度を示すものともいえ、ユーザ間での相対的な位置付けを示すものともいえる。ランクは、一般的なゲームにおいていわゆるレベルと呼ばれるもの等を含む。
【0073】
なお、本実施形態では、ゲーム進行部113は、第1のプレイヤ60について不利な事象が発生した場合よりも、所定のパラメータが第1のプレイヤ60よりも低い第2のプレイヤ60について当該不利な事象が発生した場合の方が、特定の条件が満たされやすくなるように不利な事象の指標値の変動への反映を行う。ここで、第1のプレイヤ60と第2のプレイヤ60とは、同じチームを組む(換言すると、一緒にイベントを行っている)プレイヤであってもよく、全く無関係のプレイヤであってもよい。すなわち、同じチームを組む第1のプレイヤ60と第2のプレイヤ60とについて、所定のパラメータが相対的に高い第1のプレイヤ60に不利な事象が発生した場合よりも、当該所定のパラメータが相対的に低い第2のプレイヤ60に当該不利な事象が発生した場合の方が、特定の条件が満たされやすくなるように不利な事象の指標値の変動への反映が行われてもよい。また、あるイベントを行う第1のチームに属する第1のプレイヤ60と、当該あるイベントを行う第2のチーム(すなわち、第1のチームとは異なるチーム)に属する第2のプレイヤ60とについて、所定のパラメータが相対的に高い第1のプレイヤ60に不利な事象が発生した場合よりも、当該所定のパラメータが相対的に低い第2のプレイヤ60に当該不利な事象が発生した場合の方が、特定の条件が満たされやすくなるように不利な事象の指標値の変動への反映が行われてもよい。換言すると、ゲーム進行部113は、所定のパラメータが相対的に低いプレイヤについて不利な事象が発生した場合の方が特定の条件が満たされやすくなるように制御を行うが、内部的な処理は、複数のプレイヤの当該所定のパラメータを用いて当該制御を行うものでなくてもよく(なお、このように当該制御を行うものであってもよい)、例えば、1のプレイヤの当該所定のパラメータを用いて当該制御を行うもの等であってもよい。また、当該制御について、ゲーム進行部113は、不利な事象が発生したプレイヤについて、当該プレイヤの所定のパラメータが所定値に達していない場合には、当該所定のパラメータが所定値に達している場合に比べ、特定の条件が満たされやすくなるように不利な事象の指標値の変動への反映を行うともいえる。ここで、当該所定値は、イベント毎に設定されるものであってもよい。また、当該所定値は、チームを組む他のプレイヤとの関係に関わらない一定の値であってもよく、チームを組む他のプレイヤとの関係等に応じて異なるもの(換言すると相対的に決まるもの)等であってもよい。以下に示す実施例1および実施例2では、プレイヤ60に不利な事象が生じた際の指標値の溜まりやすさが、プレイヤ60の所定のパラメータが所定値以下の場合の方が、所定値を超える場合に比べて高く(具体的には、不利な事象が生じる毎の溜まる量が多くあるいは溜まる速度が速く)なっており、これにより、所定のパラメータが相対的に低い第2のプレイヤ60に不利な事象が発生した場合の方が、特定の条件が満たされやすくなっている。
【0074】
また、本実施形態におけるゲーム進行部113による制御は、次のように言い換えることもできる。すなわち、ゲーム進行部113は、プレイヤが操作する第1のキャラクタであって第1のパラメータ(すなわち、プレイヤのパラメータ)が第1の値である前記第1のキャラクタが第1量の不利な影響を受けたときと比較して、当該プレイヤ自身または他のプレイヤが操作する第2のキャラクタであって前記第1のパラメータが前記第1の値よりも低い第2の値である前記第2のキャラクタが前記第1量の不利な影響を受けた場合の方が、チームに有利となる制御を行う。
【0075】
(実施例1)
図4および
図5は、ゲーム進行部113の制御形態の1つの実施例を示している。この実施例1において、ゲーム進行部113は、任意の第1のプレイヤ60Aについて不利な事象が発生した場合よりも、所定のパラメータが第1のプレイヤ60Aよりも低い任意の第2のプレイヤ60Bについて不利な事象が発生した場合の方が、特定の条件が満たされやすくなるように不利な事象の指標値の変動への反映を行うようになっている。
【0076】
本実施例では、ゲーム進行部113は、各プレイヤ60についてダメージを受ける(換言すると、敵から攻撃を受ける)という不利な事象が発生した場合に、指標値(換言すると、ゲージ80)を増加させる。具体的には、ゲーム進行部113は、任意のプレイヤ60がダメージを受けると、ダメージ量を最大ヒットポイントで除して係数を算出する。そして、ゲーム進行部113は、算出した係数を基礎値に乗じて指標値の増加量を決定する。そして、ゲーム進行部113は、決定した増加量分、指標値を増加させる。なお、ここでは基礎値はプレイヤによらず一定の値(例えば、10)とする。
【0077】
ゲーム進行部113の行う制御について
図4を参照して説明する。ここで、第1のプレイヤ60A(具体的には、第1のプレイヤ60Aのキャラクタ)は、防御力が10000であり、第2のプレイヤ60B(具体的には、第2のプレイヤ60Bのキャラクタ)は、防御力が5000となっている。すなわち、第2のプレイヤ60Bの方が、第1のプレイヤ60Aよりも防御力が低くなっている。このため、第1のプレイヤ60Aと第2のプレイヤ60Bとが敵から同じ攻撃を受けた場合、第2のプレイヤ60Bの方が、受けるダメージ量が大きくなる。具体的には、例えば、同じ攻撃を受けた場合に、第1のプレイヤ60Aであればダメージ量が1000となるのに対し、第2のプレイヤ60Bであればダメージ量が2000となる。すなわち、防御力が低いプレイヤが敵から攻撃を受ける場合の方が、防御力が高いプレイヤが敵から攻撃を受ける場合に比べ、係数が大きくなり指標値の増加量が大きくなる。換言すると、本実施例では、所定のパラメータとしての防御力が低いプレイヤが攻撃を受ける場合の方が、防御力が高いプレイヤが攻撃を受ける場合に比べ、指標値が所定値に達しやすくなっている。
【0078】
また、第1のプレイヤ60Aは、最大ヒットポイントが10000であり、第2のプレイヤ60Bは、最大ヒットポイントが5000となっている。すなわち、第2のプレイヤ60Bの方が、第1のプレイヤ60Aよりも最大ヒットポイントが低くなっている。このため、第1のプレイヤ60Aと第2のプレイヤ60Bとが敵から同じダメージ量の攻撃を受ける場合、第2のプレイヤ60Bが攻撃を受ける場合の方が、第1のプレイヤ60Aが攻撃を受ける場合に比べ、係数が大きくなり指標値の増加量が大きくなる。換言すると、本実施例では、所定のパラメータとしての最大ヒットポイントが低いプレイヤが攻撃を受ける場合の方が、最大ヒットポイントが高いプレイヤが攻撃を受ける場合に比べ、指標値が所定値に達しやすくなっている。
【0079】
第1のプレイヤ60Aおよび第2のプレイヤ60Bがそれぞれ敵から特定の攻撃を受けた場合を例に、指標値の具体的な演算方法を説明する。当該特定の攻撃により、第1のプレイヤ60Aが1000のダメージを受けたとすると、係数は0.1(=1000/10000)に決定される。したがって、この場合、係数0.1に基礎値10を乗じた1ポイントが指標値に加算される。一方、当該特定の攻撃により、第2のプレイヤ60Bが2000のダメージを受けたとすると、係数は0.4(=2000/5000)に決定される。そして、係数0.4に基礎値10を乗じた4ポイントが指標値に加算される。なお、指標値の最大値は、例えば100ポイントとし、指標値が100ポイントまで溜まると、ゲーム進行部113が、複数のプレイヤ(例えば、チームの全員)による敵70への一斉攻撃を発動させて、敵70にダメージを与えることとしてもよい。
【0080】
すなわち、ゲーム進行部113は、相対的に強い(換言すると、所定のパラメータが高い)第1のプレイヤ60Aが敵70からのダメージを受ける場合よりも、相対的に弱い(換言すると、所定のパラメータが低い)第2のプレイヤ60Bが敵70からのダメージを受ける場合の方が、特定の条件が満たされやすくなるように、ここでは指標値が最大値に近づくように(例えば、最大値となってチーム全体による一斉攻撃が発動されるように)、指標値をより大きく増大させるようになっている。換言すると、本実施例では、プレイヤ60の強さに応じて指標値の加算量が異なっている。
【0081】
以上の処理をフローチャートで表したものが
図5に示されている。図示のように、ゲーム進行部113は、イベント中において、チームを構成する任意のプレイヤ60が敵70からの攻撃によりダメージを受けたかどうかを判定する(ステップS101)。プレイヤ60がダメージを受けた場合(ステップS101でYES)、ゲーム進行部113は、ダメージを受けたプレイヤ60に対応する指標値の増加量(加算量)を前述した算出方法にしたがって演算する(ステップS102)。そして、算出した増加量を現在の指標値に加算する(ステップS103)。
【0082】
実施例1では、防御力や最大ヒットポイントが低いプレイヤ、すなわち弱いプレイヤほど、敵からダメージを受けた場合に係数が大きくなり、指標値の増加量が大きくなる。また、ゲームの形態によっては(例えば、アクションRPG等の場合)弱いプレイヤほどダメージを受ける回数も多くなることから、指標値の増加が発生しやすい。このような実施例1によれば、弱いプレイヤに不利な事象が発生した場合の方が、強いプレイヤに不利な事象が発生した場合に比べ、指標値が溜まりやすく、弱いプレイヤでもチームに貢献できるようになる。したがって、チームに弱いプレイヤがいることにより、ゲームが不利となったり、弱いプレイヤが入ってきた場合にチームが解散してしまったり、あるいは、弱いプレイヤがチームに貢献できていないという感覚を抱いてしまったりするといった問題を解消でき、ゲームの興趣性が向上する。
【0083】
(実施例2)
図6および
図7は、ゲーム進行部113の制御形態の他の実施例を示している。この実施例2においても、ゲーム進行部113は、任意の第1のプレイヤ60Aについて不利な事象が発生した場合よりも、所定のパラメータが第1のプレイヤ60Aよりも低い任意の第2のプレイヤ60Bについて不利な事象が発生した場合の方が、特定の条件が満たされやすくなるように不利な事象の指標値の変動への反映を行うようになっている。
【0084】
実施例2では、指標値(換言すると、ゲージ80)は、時間の経過に伴って(換言すると、イベントの進行に伴って)自動的に増加するようになっている。ここでは、指標値は、通常、デフォルトとして、毎秒1ポイントの速度で経時的に増加していくものする。
【0085】
なお、実施例2における第1のプレイヤ60Aおよび第2のプレイヤ60Bのステータスや敵から受けるダメージは、実施例1と同様として説明する。また、実施例2においても、実施例1と同様の演算により係数が算出されるものとして説明する。すなわち、実施例1と同様に、第1のプレイヤ60Aが敵70から特定の攻撃を受けて1000のダメージを受けた場合、係数は0.1となる。また、実施例1と同様に、第2のプレイヤ60Bが敵70から特定の攻撃を受けて2000のダメージを受けた場合、係数は0.4となる。
【0086】
本実施例では、ゲーム進行部113は、各プレイヤ60についてダメージを受ける(換言すると、敵から攻撃を受ける)という不利な事象が発生した場合に、指標値(換言すると、ゲージ80)の増加速度を上昇させる。具体的には、ゲーム進行部113は、任意のプレイヤ60がダメージを受けると、ダメージ量を最大ヒットポイントで除して係数を算出する。そして、ゲーム進行部113は、現在の指標値の単位時間あたりの増加量(例えば、デフォルトの1ポイント)に、(1+係数)を乗じて新たな増加量を決定し、増加量を更新する。
【0087】
すなわち、指標値の1秒あたりの増加量が1ポイントの状態において、第1のプレイヤ60Aが敵70から特定の攻撃を受けて1000のダメージを受けた場合、ゲーム進行部113は、
図6(b)に示すように、指標値の1秒あたりの増加量を1.1ポイント(=1×(1+0.1))に増加させる。換言すると、ゲーム進行部113は、指標値の増加速度を加速させる。
【0088】
一方、指標値の1秒あたりの増加量が1ポイントの状態において、第2のプレイヤ60Bが敵70から特定の攻撃を受けて2000のダメージを受けた場合、ゲーム進行部113は、
図6(c)に示すように、指標値の1秒あたりの増加量を1.4ポイント(=1×(1+0.4))に増加させる。換言すると、ゲーム進行部113は、第1のプレイヤ60Aの場合よりも大きく加速して指標値が早く溜まるように、指標値の増加速度を加速させる。
【0089】
すなわち、実施例2において、ゲーム進行部113は、相対的に強い第1のプレイヤ60Aが敵70からのダメージを受ける場合よりも、相対的に弱い第2のプレイヤ60Bが敵70からのダメージを受ける場合の方が、特定の条件が満たされやすくなるように、ここでは指標値が最大値になるまでの時間が短くなるように(例えば、最大値となってチーム全体による一斉攻撃が発動されるように)、指標値の増加速度をより大きく加速させるようになっている。これにより、実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
【0090】
以上の処理をフローチャートで表したものが
図7に示されている。図示のように、ゲーム進行部113は、イベント中において、指標値を所定の速度で経時的に自動増加させる(ステップS201)。また、ゲーム進行部113は、チームを構成する任意のプレイヤ60が敵70からの攻撃によりダメージを受けたかどうかを判定する(ステップS202)。プレイヤ60がダメージを受けた場合(ステップS202でYES)、ゲーム進行部113は、単位時間あたりの指標値の増加量を、上述の通り算出して更新する(ステップS203)。換言すると、ゲーム進行部113は、指標値の増加速度を、ダメージを受けたプレイヤ60のパラメータに応じて加速させる。
【0091】
以上のように、実施例1および実施例2では、防御力または最大ヒットポイントの少なくとも一方のパラメータが低いプレイヤについて、不利な事象が生じた場合の指標値の溜まりやすさが高くなっている(具体的には、指標値の加算量あるいは指標値の増加速度の上昇量が相対的に大きくなっている)。また、実施例1および実施例2では、プレイヤの受けるダメージが大きいほど、指標値が溜まりやすくなっている(具体的には、指標値の加算量あるいは指標値の増加速度の上昇量が大きくなっている)。
【0092】
(実施例3)
図8および
図9は、ゲーム進行部113の制御形態のさらに他の実施例を示している。この実施例3において、ゲーム進行部113は、チームを構成する複数のプレイヤの間における、各プレイヤに関する特定のパラメータの差に応じた効果が生じる所定の制御(換言すると、イベントの達成に有利となる制御)を行うようになっている。なお、実施例3において、ゲーム進行部113は、複数のプレイヤが協力して行うイベント中において特定の条件が満たされた場合(例えば、指標値が所定値に達した場合)に、特定のパラメータが第1の値である第1のプレイヤと、前記特定のパラメータが第2の値である第2のプレイヤとの、前記特定のパラメータの値の差に応じた効果が生じる所定の制御を行うともいえる。
【0093】
また、実施例3においては、指標値が最大値となった際に実行される処理について説明する。ここで、指標値は、例えば、実施例1または実施例2の制御形態により蓄積されるものとしてもよく、その他の制御形態により蓄積されるものとしてもよい。
【0094】
実施例3において、チームを構成する複数のプレイヤ60、具体的には、第1のプレイヤ60A、第2のプレイヤ60B、第3のプレイヤ60C、および第4のプレイヤ60Dはそれぞれ、特定のパラメータとして、10000の攻撃力、1000の攻撃力、5000の攻撃力、および4000の攻撃力を有しているものとする。ゲーム進行部113は、指標値が最大値となった際、すなわち、ここでは、プレイヤ全員での敵70に対する一斉攻撃の発動時に、各プレイヤ60A,60B,60C,60Dの特定のパラメータ(ここでは、攻撃力)を参照して、所定の制御を行う。具体的には、ゲーム進行部113は、プレイヤ全員の攻撃力の総和(10000+1000+5000+4000=20000)を算出し、算出結果に応じて一斉攻撃の基本効果を決定する。具体的には、ゲーム進行部113は、算出結果に応じて一斉攻撃の敵に与えるダメージ量を決定する。より具体的には、ゲーム進行部113は、プレイヤ全員の攻撃力の総和を一斉攻撃の基本ダメージ量(換言すると、基本効果)に決定する。また、ゲーム進行部113は、基本効果に対して補正をかける。
【0095】
ここで、基本効果に対する補正のかけ方として、実施例3では、特定のパラメータとしての攻撃力が最も高いプレイヤ(ここでは、第1のプレイヤ60A)の攻撃力10000と攻撃力が最も低いプレイヤ(ここでは、第2のプレイヤ60B)の攻撃力1000との差を算出し、その差9000を基本効果である基本ダメージ量20000に加算する。すなわち、ゲーム進行部113は、補正された最終効果であるダメージ量29000の一斉攻撃を発動させる。すなわち、実施例3では、ゲーム進行部113は、チームを構成するプレイヤ間での特定のパラメータの差が大きいほど、イベントの達成に有利となる制御の有利度合い(ここでは、敵70に与えるダメージ量)が大きくなるように制御する。換言すると、ゲーム進行部113は、イベントの達成に有利となる制御の基本効果に対して、チームを構成するプレイヤにおける特定のパラメータの最大値と最小値との差に応じた補正をかける。このような制御形態によれば、プレイヤ間の格差があるほど、大きな最終効果が得られるようになり、チームに弱いプレイヤがいることにより、ゲームが不利となったり、弱いプレイヤが入ってきた場合にチームが解散してしまったり、あるいは、弱いプレイヤがチームに貢献できていないという感覚を抱いてしまったりするといった問題を解消でき、ゲームの興趣性が向上する。
【0096】
以上の処理をフローチャートで表したものが
図9に示されている。図示のように、ゲーム進行部113は、指標値が最大値に達したか否かを判定する(ステップS301)。また、指標値が最大値に達した場合(ステップS301でYES)、各プレイヤ60A,60B,60C,60Dの攻撃力を参照して基本効果(具体的には、攻撃力の総和;ここでは20000)を決定する(ステップS302)。続いて、ゲーム進行部113は、特定のパラメータである攻撃力の最大値(ここでは、第1のプレイヤ60Aの攻撃力)と最小値(ここでは、第2のプレイヤ60Bの攻撃力)との差に基づく補正値(ここでは、9000)を演算する(ステップS303)。続いて、ゲーム進行部113は、この補正値を基本効果(ここでは、20000)に加算して最終効果(ここでは、ダメージ量29000)を決定する(ステップS304)。なお、補正値は所定の係数等であってもよく、例えば、基本効果に対して補正値が乗算されるなどしてもよい。
【0097】
なお、実施例3では、基本効果の補正について、基本効果としての特定の値を補正値によって変化させる場合を例に説明した。換言すると、実施例3では、ゲーム進行部113は、基本効果(具体的には、20000のダメージ)に対して追加効果(9000のダメージ)を与える場合を例に説明した。また、ここで基本効果と追加効果とは同種(具体的には、敵に与えるダメージ量に関するもの)となっている。しかし、基本効果と追加効果とは、異種であってもよい。具体的には、例えば、一斉攻撃により、基本効果として20000のダメージを敵に与える場合において、プレイヤの特定のパラメータの最大値と最小値との差が所定値以上である場合に、敵に対して所定の状態異常をもたらす追加効果が付与されるなどしてもよい。また、基本効果は、上述の通り、プレイヤまたは敵のパラメータや状態を変化させるもの等であってもよい。この場合に、追加効果は、例えば、パラメータや状態の変化の程度を大きくするもの(例えば、効果量を増加させるもの)であってもよく、パラメータや状態が変化している時間を長くするもの(換言すると、効果時間を増加させるもの)等であってもよい。また、基本効果の補正は、基本効果に追加の効果を与えるものでなく、基本効果を他の効果に変化させるもの等であってもよい。
【0098】
なお、基本効果に追加効果を与える補正をする場合に、ゲーム進行部113は、基本効果と追加効果を別々に発動してもよく、基本効果と追加効果とを合わせた最終効果を一度に発動してもよい。例えば、基本効果20000、追加効果9000のダメージを与える例においては、20000のダメージを与える攻撃と9000のダメージを与える攻撃とが別々に発動されてもよく、29000のダメージを与える1回の攻撃が発動されるなどしてもよい。
【0099】
(実施例4)
図10および
図11は、ゲーム進行部113の制御形態のさらに他の実施例を示している。この実施例4において、ゲーム進行部113は、協力してイベントを行う複数のプレイヤのうち、特定のパラメータが特定値に達していないプレイヤの当該特定のパラメータの値と特定値(換言すると、基準値)との差に応じた効果が生じる所定の制御(換言すると、イベントの達成に有利となる制御)を行うようになっている。なお、実施例4において、ゲーム進行部113は、複数のプレイヤが協力して行うイベント中において特定の条件が満たされた場合(例えば、指標値が所定値に達した場合)に、プレイヤの所定のパラメータ(例えば、キャラクタに紐づくパラメータ)の値と特定値との差に応じた効果を生じさせるともいえる。
【0100】
また、実施例4においては、指標値が最大値となった際に実行される処理について説明する。ここで、指標値は、例えば、実施例1または実施例2の制御形態により蓄積されるものとしてもよく、その他の制御形態により蓄積されるものとしてもよい。
【0101】
実施例4において、チームを構成する複数のプレイヤ60、具体的には、第1のプレイヤ60A、第2のプレイヤ60B、第3のプレイヤ60C、および第4のプレイヤ60Dはそれぞれ、特定のパラメータとして、10000の攻撃力、1000の攻撃力、5000の攻撃力、および4000の攻撃力を有しているものとする。ゲーム進行部113は、指標値が最大値となった際、すなわち、ここでは、プレイヤ全員での敵70に対する一斉攻撃の発動時に、各プレイヤ60A,60B,60C,60Dの特定のパラメータ(ここでは、攻撃力)を参照して、所定の制御を行う。具体的には、ゲーム進行部113は、プレイヤ全員の攻撃力の総和(10000+1000+5000+4000=20000)を算出し、算出結果に応じて一斉攻撃の基本効果を決定する。具体的には、ゲーム進行部113は、算出結果に応じて一斉攻撃の敵に与えるダメージ量を決定する。より具体的には、ゲーム進行部113は、プレイヤ全員の攻撃力の総和を一斉攻撃の基本ダメージ量(換言すると、基本効果)に決定する。また、ゲーム進行部113は、基本効果に対して補正をかける。
【0102】
ここで、基本効果に対する補正のかけ方として、実施例4では、特定のパラメータとしての攻撃力が特定値としての推奨値に満たないプレイヤの攻撃力と推奨値との差の総和を演算し、その総和を基本効果である基本ダメージ量20000に加算する。具体的には、ここでは、推奨値が7000に設定され、この推奨値7000にその攻撃力が満たないプレイヤ、すなわち、第2のプレイヤ60B、第3のプレイヤ60C、および第4のプレイヤ60Dに関し、その攻撃力と推奨値との差の総和(6000+2000+3000=11000)が算出されて、その総和11000が基本ダメージ量20000に加算される。すなわち、ゲーム進行部113は、基本効果のダメージ量20000に、追加効果としてのダメージ量11000を追加する補正を行い、補正された最終効果であるダメージ量31000の一斉攻撃を発動させる。すなわち、実施例4では、ゲーム進行部113は、イベントの達成に有利となる制御の基本効果に対して、チームを構成するプレイヤにおける特定のパラメータの推奨値との差に応じた補正をかける。なお、基本効果は、チームを構成するプレイヤの特定のパラメータが推奨値に達している場合であっても発動される効果ともいえる。このような制御形態によれば、特定のパラメータが推奨値に満たないプレイヤがチーム内に存在する場合でも、全員がチームに貢献することができる。なお、推奨値は、例えば、イベント毎に(換言すると、ステージ等に応じて)設定されていてもよい。なお、実施例4において、ゲーム進行部113は、プレイヤの特定のパラメータが推奨値に達している場合には、基本効果に対して補正をかけない(換言すると、追加効果を与えない)こととしてもよい。なお、実施例4における基本効果の補正も、実施例3における基本効果の補正と同様に考えることができる。すなわち、例えば、基本効果の補正は、基本効果に追加の効果を与えるものでなく、基本効果を他の効果に変化させるもの等であってもよい。
【0103】
以上の処理をフローチャートで表したものが
図11に示されている。図示のように、ゲーム進行部113は、指標値が最大値に達したか否かを判定する(ステップS401)。また、指標値が最大値に達した場合(ステップS401でYES)、各プレイヤ60A,60B,60C,60Dの攻撃力を参照して基本効果(換言すると、攻撃力の総和;ここでは20000)を決定する(ステップS402)。続いて、ゲーム進行部113は、特定のパラメータである攻撃力の推奨値との差分に基づく補正値(ここでは、11000)を演算する(ステップS403)。続いて、ゲーム進行部113は、この補正値を基本効果(ここでは、20000)に加算して最終効果(ここでは、ダメージ量31000)を決定する(ステップS204)。
【0104】
以上、4つの実施例に関連してゲーム進行部113による制御形態の一例を説明してきたが、このような制御形態には、以下のような制御を伴わせることもできる。すなわち、本実施形態のゲームでは、チーム内のいずれかのプレイヤがゲーム内で行動不能状態(例えば、ヒットポイントが0になった状態)に至った場合に、チームとしての一斉攻撃が制限されるようにしてもよい。具体的には、例えば、指標値が溜まらなくなる、溜まりにくくなる、指標値が所定値に達しても一斉攻撃が発動しない、一斉攻撃で敵に与えるダメージ量が大幅に減るなどといった制限がされるようにしてもよい。換言すると、協力してイベントを行う複数のプレイヤのうちの所定のプレイヤが行動不能となっている状態においては、指標値に関する特定の条件が満たされにくくなる(満たすことができなくなる場合を含む)ようにしてもよい。また、当該複数のプレイヤのうちの所定のプレイヤが行動不能となっている状態においては、指標値に関する特定の条件が満たされた場合に実行される、イベントの達成に有利となる所定の制御について、その有利度合いが低下したり、あるいは特定の条件が満たされても当該所定の制御が実行されないようにしてもよい。このような構成によれば、味方の行動不能状態を回復させることが可能なプレイヤ(例えば、ヒーラ等のキャラクタを操作するプレイヤ)が弱いプレイヤの蘇生のために動くなどチームとしての連携プレーを行なうことが促され、チーム全体でイベント達成を目指すゲーム性を得ることができる。
【0105】
また、イベントの達成に有利となる所定の制御を行う際の演出(例えば、一斉攻撃の際の演出)として、表示制御部114は、ゲーム進行部113の指示に応じて、表示部18に、チーム内の弱いプレイヤ(換言すると、所定のパラメータの低いプレイヤ)がチーム全体を代表して攻撃をしている様子を示す画像を表示させるなどしてもよい。また、当該演出として、表示制御部114は、ゲーム進行部113の指示に応じて、表示部18に、弱いプレイヤが強いプレイヤよりも目立つ(例えば、派手に際立つ)画像を表示させるなどしてもよい。これにより、弱いプレイヤがチームに貢献している印象を与えることができる。
【0106】
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。本発明はその発明の範囲内において、各構成要素の自由な組み合わせ、任意の構成要素の変形、または任意の構成要素の省略等が可能である。また、本明細書において説明した処理の流れはあくまで一例であり、各処理の順序や構成は異なるものであってもよい。また、各フローチャートに示した各種判定処理等の各処理は存在しないものがあってもよい。換言すると、処理の流れや具体的な判定処理等は本明細書に例示したものと異なっていてもよい。
【0107】
<付記>
以上の実施形態で説明した事項は、以下の付記のようにも記載され得る。
【0108】
(付記1)
複数のプレイヤが協力して行うイベントを制御するイベント制御手段(例えば、ゲーム進行部113)と、
指標値を変動させ、前記指標値が特定の条件を満たすと前記イベントの達成に有利となる所定の制御を行う有利制御手段(例えば、ゲーム進行部113)と、
としてコンピュータを機能させ、
前記指標値は、複数のプレイヤの間で共通し、
前記有利制御手段は、前記イベントにおいて少なくとも1のプレイヤについて生じた不利な事象を前記指標値の変動に反映させる、
プログラム。
このような構成によれば、プレイヤに生じた不利な事象が指標値の変動に反映され、指標値が特定の条件を満たすと、イベントの達成に有利となる所定の制御が行われる。したがって、例えば、弱いプレイヤ等であっても、不利な事象が発生したことに基づいて有利な制御が行われることでイベントの達成に貢献することができる。したがって、ゲームの興趣性が向上される。
【0109】
(付記2)
前記所定の制御は、複数のプレイヤが協力して行うアクションを発動させるもの、または複数のプレイヤのパラメータを変化させるものである、
付記1に記載のプログラム。
このような構成によれば、付記1と同様の作用効果が得られるとともに、プレイヤに生じた不利な事象が、チームの利益に繋がっている印象を強めることができ、ゲームの興趣性が一層向上される。
【0110】
(付記3)
前記有利制御手段(例えば、ゲーム進行部113)は、第1のプレイヤについて前記不利な事象が発生した場合よりも、所定のパラメータが前記第1のプレイヤよりも低い第2のプレイヤについて前記不利な事象が発生した場合の方が、前記特定の条件が満たされやすくなるように前記不利な事象の前記指標値の変動への反映を行う、
付記1に記載のプログラム。
このような構成によれば、弱いプレイヤに不利な事象が発生した場合の方が、強いプレイヤに不利な事象が発生した場合に比べ、特定の条件が満たされやすくなるので、弱いプレイヤがイベントの達成に貢献しやすくなる。したがって、チームに弱いプレイヤがいることにより、ゲームが不利となったり、弱いプレイヤが入ってきた場合にチームが解散してしまったり、あるいは、弱いプレイヤがチームに貢献できていないという感覚を抱いてしまったりするといった問題を解消でき、ゲームの興趣性が向上する。
【0111】
(付記4)
前記有利制御手段(例えば、ゲーム進行部113)は、
協力して前記イベントを行う複数のプレイヤの間における、各プレイヤに関する特定のパラメータの差に応じた効果が生じる前記所定の制御を行う、
付記1から3のいずれかに記載のプログラム。
このような構成によれば、プレイヤ間の格差があるほど、大きな最終効果が得られるように構成することが可能となり、チームに弱いプレイヤがいることにより、ゲームが不利となったり、弱いプレイヤが入ってきた場合にチームが解散してしまったり、あるいは、弱いプレイヤがチームに貢献できていないという感覚を抱いてしまったりするといった問題を解消でき、ゲームの興趣性が向上する。
【0112】
(付記5)
前記有利制御手段(例えば、ゲーム進行部113)は、
協力して前記イベントを行う複数のプレイヤのうち、特定のパラメータが特定値に達していないプレイヤの前記特定のパラメータの値と前記特定値との差に応じた効果が生じる前記所定の制御を行う、
付記1から3のいずれかに記載のプログラム。
このような構成によれば、特定のパラメータが特定値に満たないプレイヤでもイベントの達成に貢献することができる。
【0113】
(付記6)
複数のプレイヤが協力して行うイベントを制御するイベント制御手段(例えば、ゲーム進行部113)と、
指標値を変動させ、前記指標値が特定の条件を満たすと前記イベントの達成に有利となる所定の制御を行う有利制御手段(例えば、ゲーム進行部113)と、
を備え、
前記指標値は、複数のプレイヤの間で共通し、
前記有利制御手段は、前記イベントにおいて少なくとも1のプレイヤについて生じた不利な事象を前記指標値の変動に反映させる、
情報処理システム。
このような構成によれば、付記1に記載のプログラムと同様の作用効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0114】
1 ゲームシステム、10 端末装置、11 プロセッサ、12 メモリ、13 ストレージ、16 タッチスクリーン、17 入力部、18 表示部、20 サーバ、21 プロセッサ、22 メモリ、23 ストレージ、110 制御部、111 操作受付部、112 送受信部、113 ゲーム進行部、114 表示制御部、120 記憶部、210 制御部、211 送受信部、212 サーバ処理部、213 データ管理部、214 同期処理部、220 記憶部