(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007772
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】切換弁及び冷凍サイクルシステム
(51)【国際特許分類】
F16K 27/00 20060101AFI20240112BHJP
F25B 41/26 20210101ALI20240112BHJP
【FI】
F16K27/00 D
F16K27/00 B
F25B41/26 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022109082
(22)【出願日】2022-07-06
(71)【出願人】
【識別番号】000143949
【氏名又は名称】株式会社鷺宮製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】村田 雅弘
(72)【発明者】
【氏名】三留 陵
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 秀剛
(72)【発明者】
【氏名】岡田 聡
(72)【発明者】
【氏名】剱持 大一郎
【テーマコード(参考)】
3H051
【Fターム(参考)】
3H051AA03
3H051BB10
3H051CC14
3H051FF08
(57)【要約】
【課題】外力の方向性に対する強度の有意差が抑えられた切換弁及び冷凍サイクルシステムを提供する。
【解決手段】切換弁のブラケット13が、各々が切換弁本体の外面に立設されるとともに所定の対向方向D13に対向して配置された一対の板部であり、切換弁本体の外面と交差する立設方向D14について、各板部の一端側をブラケット13における弁本体側13aとして外面に固定され、他端側をブラケット13におけるパイロット側13bとして当該パイロット側13bでパイロット駆動部を保持した一対の保持板131と、対向方向D13に延びて一対の保持板131を互いに連結する補強部132と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スライド弁を内蔵し、当該スライド弁のスライドを受けて流路状態を切換える切換弁本体と、
前記スライド弁をスライドさせるパイロット駆動部と、
前記切換弁本体に前記パイロット駆動部を連結するブラケットと、
を備え、
前記ブラケットが、
各々が前記切換弁本体の外面に立設されるとともに所定の対向方向に対向して配置された一対の板部であり、前記切換弁本体の前記外面と交差する立設方向について、各板部の一端側を前記ブラケットにおける弁本体側として前記外面に固定され、他端側を前記ブラケットにおけるパイロット側として当該パイロット側で前記パイロット駆動部を保持した一対の保持板と、
前記対向方向に延びて前記一対の保持板を互いに連結する補強部と、
を備えたことを特徴とする切換弁。
【請求項2】
前記一対の保持板の各板部が、前記立設方向に延びる一対の側縁と、当該立設方向と交差する幅方向に延びる一対の端縁を有し、当該一対の端縁のうちの少なくとも一方が、前記立設方向の端縁間距離が最短となる最短部分が形成されるように凹状に湾曲しており、
前記補強部は、前記一対の保持板の各板部における前記一対の側縁のうちの少なくとも一方の側縁どうしを、前記弁本体側の端部から、前記最短部分における前記立設方向の中心部よりも当該立設方向で前記パイロット側となる部位に至る連結幅で連結する帯板状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の切換弁。
【請求項3】
前記パイロット駆動部には、前記スライド弁のスライドに用いる駆動流体を通す細管が接続されており、
前記補強部は、前記立設方向について、前記一対の保持板において前記パイロット駆動部を保持する前記パイロット側よりも前記切換弁本体に近い位置に設けられ、
前記ブラケットでは、前記立設方向について、前記補強部よりも前記切換弁本体から離れた位置に、前記パイロット駆動部における前記細管の接続部を受入れて保持するとともに、当該接続部から延出した前記細管が前記補強部を避けて当該ブラケットの外側へと延出するように細管延出口が開放された保持空間が、前記一対の保持板の各板部における前記パイロット側によって区画されていることを特徴とする請求項1に記載の切換弁。
【請求項4】
前記パイロット駆動部には、前記スライド弁のスライドに用いる駆動流体を通す細管が接続されており、
前記一対の保持板の各板部が、前記立設方向に延びる一対の側縁と、当該立設方向と交差する幅方向に延びる一対の端縁を有し、前記パイロット側の端縁には、前記弁本体側へと凹んで内側に前記パイロット駆動部において前記細管の接続部に隣接する被保持部位を受け入れる第1凹部が設けられており、
前記補強部は、前記一対の保持板の各板部における前記一対の側縁のうちの少なくとも一方の側縁どうしを、前記弁本体側の端部から、前記立設方向において前記第1凹部と重なる部位に至る連結幅で連結する帯板状に形成され、当該補強部における前記パイロット側の端縁には、前記弁本体側へと凹み、前記パイロット駆動部の前記接続部から延出した前記細管が内側を通過するように第2凹部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の切換弁。
【請求項5】
前記一対の保持板の各板部が、前記立設方向に延びる一対の側縁と、当該立設方向と交差する幅方向に延びる一対の端縁を有し、
前記ブラケットには、前記一対の保持板の相互間で、各板部における前記一対の側縁それぞれどうしを連結するように一対の前記補強部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の切換弁。
【請求項6】
前記一対の保持板の各板部が、前記立設方向に延びる一対の側縁と、当該立設方向と交差する幅方向に延びる一対の端縁を有し、
前記ブラケットが、前記一対の保持板の相互間で、各板部における前記一対の端縁のうちの前記弁本体側の端縁どうしを連結するように前記対向方向に延びた帯板状に形成され、前記切換弁本体の前記外面に面着固定される本体側固定部を更に備えたことを特徴とする請求項1~5のうちの何れか一項に記載の切換弁。
【請求項7】
前記本体側固定部が、前記一対の保持板の各板部における前記弁本体側の端縁どうしを各板部の全幅に亘って連結する帯板状に形成されており、
前記補強部は、前記一対の保持板の各板部における前記一対の側縁のうちの少なくとも一方の側縁どうしを、前記弁本体側の端部から、前記立設方向で所定高さとなる部位に至る連結幅で連結する帯板状に形成されるとともに、前記弁本体側の端部どうしを繋ぐ端縁が前記本体側固定部に接続されていることを特徴とする請求項6に記載の切換弁。
【請求項8】
前記ブラケットには、前記一対の保持板の相互間で、各板部における前記一対の側縁それぞれどうしを連結するように一対の前記補強部が設けられ、当該ブラケットが、前記一対の保持板、一対の前記補強部、及び前記本体側固定部を各外壁とし、前記パイロット側が開口した矩形箱形状をなすように一体成形されたものであることを特徴とする請求項7に記載の切換弁。
【請求項9】
流体である冷媒を圧縮する圧縮機と、冷却モード時に凝縮器として機能する第一熱交換器と、冷却モード時に蒸発器として機能する第二熱交換器と、前記第一熱交換器と前記第二熱交換器との間にて冷媒を膨張させて減圧する膨張手段と、請求項1に記載の切換弁と、を備えたことを特徴とする冷凍サイクルシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和機等の冷凍サイクルシステムに用いられ、冷媒の流路を切り換える切換弁及び冷凍サイクルシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、切換弁本体に対し、その内部におけるスライド弁をスライドさせるパイロット駆動部がブラケットを介して連結された切換弁が開示されている(例えば特許文献1参照)。このようなブラケットの中には、一端側が切換弁本体に固定されて他端側でパイロット駆動部を保持した一対の保持板を有する板金加工タイプのものがあり、特許文献1に記載の切換弁でもこのタイプのブラケットが使われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上述のブラケットが有する一対の保持板は、各保持板の面内方向には外力に対する高い耐性を有する一方で、面外方向には各保持板が動き易く耐性が低くなりがちである。つまり、切換弁本体とパイロット駆動部を上述のブラケットで連結した切換弁では、外力の方向性により強度の有意差が生じており、このような有意差の点で改善の余地が見られる。
【0005】
本発明の目的は、外力の方向性に対する強度の有意差が抑えられた切換弁及び冷凍サイクルシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の切換弁は、スライド弁を内蔵し、当該スライド弁のスライドを受けて流路状態を切換える切換弁本体と、前記スライド弁をスライドさせるパイロット駆動部と、前記切換弁本体に前記パイロット駆動部を連結するブラケットと、を備え、前記ブラケットが、各々が前記切換弁本体の外面に立設されるとともに所定の対向方向に対向して配置された一対の板部であり、前記切換弁本体の前記外面と交差する立設方向について、各板部の一端側を前記ブラケットにおける弁本体側として前記外面に固定され、他端側を前記ブラケットにおけるパイロット側として当該パイロット側で前記パイロット駆動部を保持した一対の保持板と、前記対向方向に延びて前記一対の保持板を互いに連結する補強部と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
尚、ここにいう流路状態の切換えとは、ある流路を別の流路に変更するという流路の切換え、及び、一の流路を閉鎖したり開放したりするという流路の開閉切換え、を含む技術概念を意味している。
【0008】
この切換弁によれば、ブラケットにおいて、各保持板の面内方向には各保持板の形状によって外力に対する高い耐性が得られ、一対の保持板の対向方向、即ち、各保持板の面外方向には補強部によって高い耐性が得られることとなる。つまり、このようなブラケットで切換弁本体とパイロット駆動部を連結することにより、切換弁において、外力の方向性に対する強度の有意差を抑えることができる。
【0009】
ここで、前記一対の保持板の各板部が、前記立設方向に延びる一対の側縁と、当該立設方向と交差する幅方向に延びる一対の端縁を有し、当該一対の端縁のうちの少なくとも一方が、前記立設方向の端縁間距離が最短となる最短部分が形成されるように凹状に湾曲しており、前記補強部は、前記一対の保持板の各板部における前記一対の側縁のうちの少なくとも一方の側縁どうしを、前記弁本体側の端部から、前記最短部分における前記立設方向の中心部よりも当該立設方向で前記パイロット側となる部位に至る連結幅で連結する帯板状に形成されていることが好適である。
【0010】
この構成によれば、ブラケットにおける補強部が、保持板の側縁を、弁本体側の端部から上記の最短部分における立設方向の中心部よりもパイロット側となる部位に至る連結幅で支持している。これにより、保持板の側縁において補強部による支持から外れる部分の長さが抑えられることとなり、外力の方向性に対する強度の有意差を一層抑えることができる。
【0011】
また、前記パイロット駆動部には、前記スライド弁のスライドに用いる駆動流体を通す細管が接続されており、前記補強部は、前記立設方向について、前記一対の保持板において前記パイロット駆動部を保持する前記パイロット側よりも前記切換弁本体に近い位置に設けられ、前記ブラケットでは、前記立設方向について、前記補強部よりも前記切換弁本体から離れた位置に、前記パイロット駆動部における前記細管の接続部を受入れて保持するとともに、当該接続部から延出した前記細管が前記補強部を避けて当該ブラケットの外側へと延出するように細管延出口が開放された保持空間が、前記一対の保持板の各板部における前記パイロット側によって区画されていることが好適である。
【0012】
パイロット駆動部における細管の接続部は、細管を介した駆動流体の流路状態を変更するための弁体が内部に配置されることがあり、外力から保護されることが望ましい。上記の構成によれば、このような細管の接続部を、補強部と細管との干渉を効果的に回避しつつ、上記の保持空間に受け入れて強固に保持することができる。
【0013】
また、前記パイロット駆動部には、前記スライド弁のスライドに用いる駆動流体を通す細管が接続されており、前記一対の保持板の各板部が、前記立設方向に延びる一対の側縁と、当該立設方向と交差する幅方向に延びる一対の端縁を有し、前記パイロット側の端縁には、前記弁本体側へと凹んで内側に前記パイロット駆動部において前記細管の接続部に隣接する被保持部位を受け入れる第1凹部が設けられており、前記補強部は、前記一対の保持板の各板部における前記一対の側縁のうちの少なくとも一方の側縁どうしを、前記弁本体側の端部から、前記立設方向において前記第1凹部と重なる部位に至る連結幅で連結する帯板状に形成され、当該補強部における前記パイロット側の端縁には、前記弁本体側へと凹み、前記パイロット駆動部の前記接続部から延出した前記細管が内側を通過するように第2凹部が設けられていることが好適である。
【0014】
この構成によれば、保持板におけるパイロット側の端縁に、パイロット駆動部の細管の接続部に隣接する被保持部位を受け入れる第1凹部が設けられている。これにより、上述のように外力から保護されることが望ましい細管の接続部を、一対の保持板によって強固に保持することができる。その上で、保持板の側縁どうしを連結する補強部が、弁本体側の端部から第1凹部と重なる部位に至る連結幅で保持板の側縁を支持することで、一対の保持板による保持強度が高められている。そして、この補強部に、細管が内側を通過する第2凹部が設けられているので、補強部によって上記の保持強度を高めつつ、この補強部と細管との干渉を効果的に回避することができる。
【0015】
また、前記一対の保持板の各板部が、前記立設方向に延びる一対の側縁と、当該立設方向と交差する幅方向に延びる一対の端縁を有し、前記ブラケットには、前記一対の保持板の相互間で、各板部における前記一対の側縁それぞれどうしを連結するように一対の前記補強部が設けられていることが好適である。
【0016】
この構成によれば、一対の保持板を連結する補強部が一対の側縁それぞれどうしを連結するように一対設けられているので、外力の方向性に対する強度の有意差を一層抑えることができる。
【0017】
また、前記一対の保持板の各板部が、前記立設方向に延びる一対の側縁と、当該立設方向と交差する幅方向に延びる一対の端縁を有し、前記ブラケットが、前記一対の保持板の相互間で、各板部における前記一対の端縁のうちの前記弁本体側の端縁どうしを連結するように前記対向方向に延びた帯板状に形成され、前記切換弁本体の前記外面に面着固定される本体側固定部を更に備えたことが好適である。
【0018】
この構成によれば、ブラケットにおける本体側固定部と切換弁本体の外面との面着固定により、このブラケットを介して切換弁本体にパイロット駆動部を強固に固定することができる。
【0019】
また、前記本体側固定部が、前記一対の保持板の各板部における前記弁本体側の端縁どうしを各板部の全幅に亘って連結する帯板状に形成されており、前記補強部は、前記一対の保持板の各板部における前記一対の側縁のうちの少なくとも一方の側縁どうしを、前記弁本体側の端部から、前記立設方向で所定高さとなる部位に至る連結幅で連結する帯板状に形成されるとともに、前記弁本体側の端部どうしを繋ぐ端縁が前記本体側固定部に接続されていることが更に好適である。
【0020】
この構成によれば、本体側固定部が保持板の全幅に亘って形成され、補強部がこの本体側固定部に接続されることにより、補強部による保持板の支持強度が強化されており、切換弁における外力の方向性に対する強度の有意差を一層抑えることができる。
【0021】
また、前記ブラケットには、前記一対の保持板の相互間で、各板部における前記一対の側縁それぞれどうしを連結するように一対の前記補強部が設けられ、当該ブラケットが、前記一対の保持板、一対の前記補強部、及び前記本体側固定部を各外壁とし、前記パイロット側が開口した矩形箱形状をなすように一体成形されたものであることが一層好適である。
【0022】
この構成によれば、ブラケットを矩形箱形状に一体成形することで、切換弁における外力の方向性に対する強度の有意差を更に抑えることができる。また、このような矩形箱形状のブラケットは、加工費が安いプレス加工で形成することができるので、ブラケットを含む切換弁の製造コストを抑えることができる。
【0023】
本発明の冷凍サイクルシステムは、流体である冷媒を圧縮する圧縮機と、冷却モード時に凝縮器として機能する第一熱交換器と、冷却モード時に蒸発器として機能する第二熱交換器と、前記第一熱交換器と前記第二熱交換器との間にて冷媒を膨張させて減圧する膨張手段と、上述の切換弁と、を備えたことを特徴とする。
【0024】
この冷凍サイクルシステムによれば、上述の切換弁を備えたことから、この切換弁における外力の方向性に対する強度の有意差を抑えることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の切換弁及び冷凍サイクルシステムによれば、外力の方向性に対する強度の有意差を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】第1実施形態の切換弁の全体構造を示す三面図である。
【
図2】
図1に示されている切換弁を備える冷凍サイクルシステムを示す模式図である。
【
図3】
図1の切換弁におけるブラケットをパイロット駆動部とともに示す図である。
【
図4】
図3に示されているブラケットを、パイロット駆動部においてブラケットが保持する弁部分とともに示した三面図である。
【
図5】
図3及び
図4に示されているブラケットを各部の断面で示した図である。
【
図6】第1変形例を、第1実施形態と並べて示す図である。
【
図7】第2変形例及び第3変形例を、第1実施形態と並べて示す図である。
【
図8】第4変形例におけるブラケットを、
図5と同様の各部の断面で示した図である。
【
図9】第2実施形態の切換弁におけるブラケットをパイロット駆動部とともに示す図である。
【
図10】
図9に示されているブラケットを各部の断面で示した図である。
【
図11】第3実施形態の切換弁におけるブラケットをパイロット駆動部とともに示す図である。
【
図12】
図11に示されているブラケットを各部の断面で示した図である。
【
図13】
図12に示されているパイロット接合部を各部の断面で示した図である。
【
図14】
図12に示されている本体接合部を各部の断面で示した図である。
【
図15】第4実施形態の切換弁におけるブラケットをパイロット駆動部とともに示す図である。
【
図16】
図15に示されているブラケットを各部の断面で示した図である。
【
図17】第5実施形態の切換弁におけるブラケットをパイロット駆動部とともに示す図である。
【
図18】
図17に示されているブラケットを各部の断面で示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、第1実施形態に係る切換弁及び冷凍サイクルシステムを
図1~
図4に基づいて説明する。
【0028】
図1は、第1実施形態の切換弁の全体構造を示す三面図である。また、
図2は、
図1に示されている切換弁を備える冷凍サイクルシステムを示す模式図である。
【0029】
本実施形態の切換弁10は、詳細については後述するD継手管15d、E継手管15e、S継手管15s、C継手管15cという4つの継手管の連通状態を切換える四方切換弁である。この切換弁10は、これら4つの継手管の連通状態を切換えることで、
図2に示されている冷凍サイクルシステム1における冷媒の流路を切換える。切換弁10は、切換弁本体11と、パイロット駆動部12と、ブラケット13と、を備えている。
【0030】
切換弁本体11は、弁ハウジング111の内部にスライド弁112を内蔵し、当該スライド弁112のスライドを受けて流路状態を切換える。本実施形態における流路状態の切換えとは、4つの継手管を介して構成される複数の流路において、一の流路を別の流路に変更するという流路の切換えを意味している。弁ハウジング111は、両端が閉塞されたステンレス鋼製の円筒状の部材であって、その周壁に、D継手管15d、E継手管15e、S継手管15s、C継手管15cが、内部と連通するように連結されている。D継手管15d、E継手管15e、S継手管15s、及びC継手管15cも、弁ハウジング111と同様に、ステンレス鋼製の部材となっている。弁ハウジング111の内部には、スライド弁112及び弁座113が設置されている。
【0031】
スライド弁112は、一対のピストン114L,114R、連結板115、及び弁体116を備えている。このスライド弁112は、弁ハウジング111の内部に設置されて上記の複数の継手管のうちの二対の継手管を連通するとともに、スライド移動することで連通対象の継手管を切換える。
【0032】
一対のピストン114L,114Rは互いに対向配置され、パッキンを弁ハウジング111の内周面に押圧しながら往復移動可能となっている。これにより、弁ハウジング111の内部は、2つのピストン114L,114Rにより、中央部の高圧の弁室11aと、弁室11aの両側の第1作動室11bと第2作動室11cとに仕切られている。
【0033】
連結板115は金属板からなり、この連結板115は、弁ハウジング111の軸線X上に配置されるようにピストン114L,114Rの間に架設されるとともに、その中央に弁体116を保持している。そして、弁体116は、ピストン114L,114Rが移動すると連結板115に連動して弁座113上を摺動し、ピストン114L,114Rが弁ハウジング111の左右の端部における所定のストッパ位置に達すると停止する。
【0034】
弁座113は弁ハウジング111内の中間部に配設され、弁ハウジング111の中間部の弁座113と対向する位置には、弁ハウジング111内に開口する高圧配管としてのD継手管15dが取り付けられている。また、弁座113には、弁ハウジング111の軸線X方向に一直線上に並んで、一対の導管としてのE継手管15e及びC継手管15cと、低圧配管としてのS継手管15sが取り付けられている。弁体116にはその内側に椀状凹部116aが形成されている。そして、弁体116は、
図1の左側の端部位置において、S継手管15sとE継手管15eとを椀状凹部116aにより連通する。このとき、C継手管15cは弁室11aを介してD継手管15dに連通する。また、弁体116は、
図1においてスライド弁112が右側に移動した右側の端部位置において、S継手管15sとC継手管15cとを椀状凹部116aにより連通する。このとき、E継手管15eは弁室11aを介してD継手管15dに連通する。
【0035】
図2に示されている冷凍サイクルシステム1において、D継手管15dは圧縮機1aの吐出口に接続される高圧配管となっており、S継手管15sは圧縮機1aの吸入口に接続される低圧配管となっている。C継手管15cは室外熱交換機1b(第一熱交換器)に接続される導管であり、E継手管15eは室内熱交換機1c(第二熱交換器)に接続される導管である。室外熱交換機1bと室内熱交換機1cは絞り装置1d(膨張手段)を介して接続される。C継手管15c、室外熱交換機1b、絞り装置1d、室内熱交換機1c、及びE継手管15eからなる流路と、S継手管15s、圧縮機1a、及びD継手管15dからなる流路とにより、冷凍サイクルシステム1が構成される。
【0036】
パイロット駆動部12は、ブラケット13を介して弁ハウジング111に接続されている。パイロット駆動部12は、弁ハウジング111の内部において軸方向D11にスライド弁112を挟む一対の空間、即ち、第1作動室11b及び第2作動室11cの両方に駆動流体を流通させて、スライド弁112を軸方向D11にスライド移動させる。本実施形態では、このパイロット駆動部12が、第1作動室11b及び第2作動室11cの一方に高圧配管としてのD継手管15dの流体を流通させ、他方に低圧配管としてのS継手管15sの流体を流通させることでスライド弁112をスライド移動させる。
【0037】
パイロット駆動部12は、切換弁10と同様な構造を有する電磁弁であって、通電により内部のパイロット弁体をスライド移動させて駆動流体の流路を切り換える。パイロット弁体は、低圧配管としてのS継手管15sに連通する低圧継手用細管16sの連通先を、次のように切り替える。即ち、パイロット駆動部12は、低圧継手用細管16sの連通先を、切換弁10の第1作動室11bに接続された第1ハウジング用細管16Lと、第2作動室11cに接続された第2ハウジング用細管16Rとで切り換える。同時に、高圧配管としてのD継手管15dに連通する高圧継手用細管16dの連通先を第1ハウジング用細管16Lと第2ハウジング用細管16Rとで切り換える。これにより、第1作動室11bの圧力と第2作動室11cの圧力との間に圧力差を発生させ、当該圧力差によりスライド弁112を軸方向D11に高圧側から低圧側へとスライド移動させる。そして、このスライド移動により、スライド弁112における弁体116の位置が切り換えられて冷凍サイクルシステム1における冷媒の流路が切り換えられる。低圧継手用細管16s、高圧継手用細管16d、第1ハウジング用細管16L、及び第2ハウジング用細管16Rは、何れもステンレス鋼製の細管となっている。
【0038】
以上の構成により、圧縮機1aで圧縮された高圧の冷媒はD継手管15dから弁室11a内に流入し、冷房運転の状態(冷却モード時)では、高圧冷媒はC継手管15cから室外熱交換機1bに流入される。また、弁体116の位置を切り換えた暖房運転の状態(暖房モード時)では、高圧冷媒はE継手管15eから室内熱交換機1cに流入される。すなわち、冷房運転時には、圧縮機1aから吐出される冷媒はD継手管15d→C継手管15c→室外熱交換機1b→絞り装置1d→室内熱交換機1c→E継手管15eと循環する。この場合、室外熱交換機1bが凝縮器(コンデンサ)、室内熱交換機1cが蒸発器(エバポレータ)として機能し、冷房がなされる。絞り装置1dは、室外熱交換機1bと室内熱交換機1cとの間にて冷媒を膨張させて減圧する。また、暖房運転時には冷媒は逆に循環され、室内熱交換機1cが凝縮器、室外熱交換機1bが蒸発器として機能し、暖房がなされる。
【0039】
ここで、パイロット駆動部12を弁ハウジング111に接続するためのブラケット13は、次のような構造を有した部材となっている。
【0040】
図3は、
図1の切換弁におけるブラケットをパイロット駆動部とともに示す図である。
図4は、
図3に示されているブラケットを、パイロット駆動部においてブラケットが保持する弁部分とともに示した三面図であり、
図5は、
図3及び
図4に示されているブラケットを各部の断面で示した図である。
図5には、ブラケット13における
図5中のV11-V11線、V12-V12線、V13-V13線それぞれに沿った断面が示されている。
【0041】
まず、パイロット駆動部12は、円筒状のハウジングの内部でパイロット弁体をスライド移動させる本体部分121と、ハウジングの外周に巻かれてパイロット弁体をスライド移動させるコイル部122と、を備えている。そして、本体部分121は、その一端側に当たるステンレス鋼製の弁部分123の内部に弁座が設けられ、当該弁座の表面上を摺動してパイロット弁体がスライド移動するように構成されている。この本体部分121における弁部分123の外周面には、第1ハウジング用細管16L、第2ハウジング用細管16R、及び低圧継手用細管16sが接続され、弁座は、パイロット弁体が摺動する表面に各細管が開口するように設けられている。また、弁部分123の外周面において弁座と対向する位置には、高圧継手用細管16dが、弁部分123の内部に向かって開口するように接続されている。弁部分123は、内部にパイロット弁体と弁座が配置され、外周面に上記の4本の細管が接続された接続部123aを、本体部分121の軸方向D12について、弁部分123の中央部分に有している。そして、弁部分123において、この接続部123aを軸方向D12に挟む一対の部分が、以下に説明するブラケット13によって保持される被保持部位123bとなっている。
【0042】
本実施形態におけるブラケット13は、パイロット駆動部12における本体部分121の弁部分123を保持するとともに、上述した切換弁本体11の外面に固定されることで、切換弁本体11にパイロット駆動部12を連結するステンレス鋼製の部材である。ブラケット13における一端側が弁本体側13aとなって切換弁本体11の外面に固定され、他端側がパイロット側13bとなって弁部分123を保持する。このブラケット13は、一対の保持板131と、一対の補強部132と、本体側固定部133と、を備えている。
【0043】
一対の保持板131は、各々が切換弁本体11の外面に立設されるとともに所定の対向方向D13に対向して配置された一対の板部である。本実施形態では、一対の保持板131の対向方向D13は、切換弁本体11の軸方向D11に沿った方向となっている。また、一対の保持板131は、本体側固定部133を介して切換弁本体11の外面に立設される。そして、一対の保持板131は、切換弁本体11の外面と交差する立設方向D14について、各板部の一端側を弁本体側13aとして外面に固定される。また、一対の保持板131は、各板部の他端側をパイロット側13bとして当該パイロット側13bでパイロット駆動部12の弁部分123を保持する。
【0044】
各保持板131は、立設方向D14に延びる一対の側縁131aと、当該立設方向D14と交差する幅方向D15に延びる一対の端縁131bを有する帯板状に形成されている。一対の端縁131bのうち弁本体側13aの端縁131b-1は、切換弁本体11の外面に沿って凹状に湾曲しており、パイロット側13bの端縁131b-2は、パイロット駆動部12における弁部分123の外面に沿って凹状に湾曲している。その結果、各保持板131には、その幅方向D15の略中央に、立設方向D14の端縁間距離が最短となる最短部分131cが形成されている。そして、凹状のパイロット側13bの端縁131b-2は、その全長に亘って、弁本体側13aへと凹んで内側に弁部分123において細管の接続部123aに隣接した被保持部位123bを受け入れる第1凹部131dとなっている。
【0045】
補強部132は、一対の保持板131の対向方向D13に延びて一対の保持板131を互いに連結する部位である。本実施形態のブラケット13には、一対の保持板131の相互間で、各板部における一対の側縁131aそれぞれどうしを連結するように、補強部132が一対設けられている。また、各補強部132は、側縁131aどうしを次のような連結幅W11で連結する帯板状に形成されている。即ち、補強部132の連結幅W11は、側縁131aにおける弁本体側13aの端部131a-1から、上記の最短部分131cにおける立設方向D14の中心部131c-1よりもパイロット側13bとなる部位131a-2に至る幅となっている。また、この連結幅W11を規定するパイロット側13bの部位131a-2は、立設方向D14において、保持板131における第1凹部131dと重なる部位、より具体的には、第1凹部131dにおけるパイロット側13bの上端部になっている。
【0046】
ここで、一対の補強部132は、弁部分123における高圧継手用細管16dの接続側に位置する高圧側補強部132aと、低圧継手用細管16sの接続側に位置する低圧側補強部132bと、で構成される。高圧側補強部132aにおけるパイロット側13bの端縁132a-1には、弁本体側13aへと凹み、弁部分123の接続部123aから延出した高圧継手用細管16dが内側を通過するように高圧側第2凹部132a-2が設けられている。他方、低圧側補強部132bにおけるパイロット側13bの端縁132b-1には、低圧継手用細管16sを含む3本の細管が内側を通過するように低圧側第2凹部132b-2が設けられている。高圧側第2凹部132a-2及び低圧側第2凹部132b-2は、各補強部132の幅方向(即ち、一対の保持板131の対向方向D13)の中央部に形成されている。また、高圧継手用細管16dのみを通す高圧側第2凹部132a-2よりも、低圧継手用細管16sを含む3本の細管を通す低圧側第2凹部132b-2の方が大径となっている。
【0047】
本体側固定部133は、一対の保持板131の相互間で、各板部における弁本体側13aの端縁131b-1どうしを連結するように対向方向D13に延びた帯板状に形成され、切換弁本体11の外面に面着固定される部位である。本実施形態では、本体側固定部133は、切換弁本体11の外面に沿って湾曲した形状となっている。本体側固定部133は、切換弁本体11の外面に面着した状態で、ろう付け又は溶接によって固定される。
【0048】
ここで、本体側固定部133は、一対の保持板131の各板部における弁本体側13aの端縁131b-1どうしを各板部の全幅に亘って連結する帯板状となっている。そして、上記の補強部132は、各保持板131の側縁131aにおける弁本体側13aの端部131a-1どうしを繋ぐ端縁132a-3,132b-3が本体側固定部133に接続されている。
【0049】
そして、本実施形態のブラケット13は、一対の保持板131、一対の補強部132、及び本体側固定部133を各外壁とし、立設方向D14についてパイロット側13bが開口した矩形箱形状をなすように一体成形されたものとなっている。このブラケット13を一体成形する工法は、例えばプレス加工でもよく、あるいは、各板部の縁どうしを溶接やろう付け等によって接合すること等であってもよい。
【0050】
このブラケット13が、一対の被保持部位123bを一対の保持板131の第1凹部131dに受け入れるようにパイロット駆動部12の弁部分123に固定される。このときの弁部分123に対するブラケット13の固定は、第1凹部131dを縮径して各被保持部位123bを締め付けるように、一対の補強部132のパイロット側13bの端縁132a-1,132b-1を加締めることで行ってもよい。あるいは、被保持部位123bの周面と第1凹部131dの内周縁とを、当該内周縁の全長に亘って、又は内周縁の一部について、溶接やろう付け等によって接合することで、弁部分123にブラケット13を固定してもよい。
【0051】
このように弁部分123に固定されるブラケット13では、一対の保持板131のパイロット側13bに、弁部分123における細管の接続部123aを受入れて保持する保持空間13cが形成されている。この保持空間13cでは、保持板131の対向方向D13については、被保持部位123bを受け入れる一対の第1凹部131dが開口している。また、保持板131の幅方向D15については、高圧側第2凹部132a-2及び低圧側第2凹部132b-2が、接続部123aから延出した細管が補強部132を避けてブラケット13の外側へと延出するための細管延出口13dとして開口している。本実施形態のブラケット13では、このような保持空間13cが、一対の保持板131及び一対の補強部132それぞれのパイロット側13bで区画されている。
【0052】
以上に説明した第1実施形態の切換弁10及び冷凍サイクルシステム1によれば、以下のような効果を得ることができる。即ち、本実施形態によれば、ブラケット13において、各保持板131の面内方向には各保持板131の形状によって外力に対する高い耐性が得られる。また、一対の保持板131の対向方向D13、即ち、各保持板131の面外方向には補強部132によって高い耐性が得られることとなる。つまり、このようなブラケット13で切換弁本体11とパイロット駆動部12を連結することにより、切換弁10において、外力の方向性に対する強度の有意差を抑えることができる。
【0053】
ここで、本実施形態では、補強部132が、保持板131の側縁131aの弁本体側13aの端部131a-1から、最短部分131cの中心部131c-1よりもパイロット側13bの部位131a-2に至る連結幅W11を有している。このような連結幅W11で一対の保持板131を連結する構成によれば、保持板131の側縁131aにおいて補強部132による支持から外れる部分の長さが抑えられることとなり、外力の方向性に対する強度の有意差を一層抑えることができる。
【0054】
また、本実施形態では、各保持板131におけるパイロット側13bの端縁131b-2には弁部分123における被保持部位123bを受け入れる第1凹部131dが設けられている。このとき、補強部132の連結幅W11は、保持板131の側縁131aの弁本体側13aの端部131a-1から、立設方向D14において第1凹部131dと重なる部位131a-2に至る幅となっている。そして、この補強部132のパイロット側13bの端縁132a-1,132b-1には、細管が内側を通過するように高圧側第2凹部132a-2及び低圧側第2凹部132b-2が設けられている。
【0055】
この構成によれば、まず、弁部分123において外力から保護されることが望ましい細管の接続部123aを、一対の保持板131によって強固に保持することができる。その上で、保持板131の側縁131aどうしを連結する補強部132が、第1凹部131dと重なる部位に至る連結幅W11で保持板131の側縁131aを支持することで、一対の保持板131による保持強度が高められている。そして、この補強部132に、高圧側第2凹部132a-2及び低圧側第2凹部132b-2が設けられているので、補強部132によって上記の保持強度を高めつつ、この補強部132と細管との干渉を効果的に回避することができる。
【0056】
また、本実施形態では、ブラケット13において、一対の保持板131を連結する補強部132が一対の側縁131aそれぞれどうしを連結するように一対設けられている。この構成によれば、外力の方向性に対する強度の有意差を一層抑えることができる。
【0057】
また、本実施形態では、ブラケット13が、一対の保持板131の相互間で、弁本体側13aの端縁131b-1どうしを連結し、切換弁本体11の外面に面着固定される本体側固定部133を更に備えている。この構成によれば、ブラケット13における本体側固定部133と切換弁本体11の外面との面着固定により、このブラケット13を介して切換弁本体11に弁部分123、つまりはパイロット駆動部12を強固に固定することができる。
【0058】
また、本実施形態では、本体側固定部133が保持板131の全幅に亘って連結する帯板状に形成されており、補強部132は、その端縁132a-3,132b-3が本体側固定部133に接続されている。この構成によれば、補強部132による保持板131の支持強度が強化されており、切換弁10における外力の方向性に対する強度の有意差を一層抑えることができる。
【0059】
また、本実施形態では、ブラケット13が、一対の保持板131、一対の補強部132、及び本体側固定部133で矩形箱形状をなすように一体成形されたものとなっている。この構成によれば、切換弁10における外力の方向性に対する強度の有意差を更に抑えることができる。また、このような矩形箱形状のブラケット13は、加工費が安いプレス加工で形成することができるので、ブラケット13を含む切換弁10の製造コストを抑えることができる。
【0060】
以上で第1実施形態についての説明を終了し、次に、第1実施形態に対する複数の変形例について説明する。
【0061】
図6は、第1変形例を、第1実施形態と並べて示す図である。
図6(A)に第1実施形態が示され、
図6(B)に第1変形例が示されている。尚、この
図6では、各構成要素が簡略化された模式図形で示されており、また、第1変形例と第1実施形態とで同等な要素については同じ符号が付されている。
【0062】
第1変形例は、切換弁本体11や、パイロット駆動部12の弁部分123に対するステンレス鋼製のブラケット13-1の取付けの向きが、第1実施形態におけるブラケット13の取付けの向きと異なっている。尚、
図6では、切換弁本体11及び弁部分123が1つの長方形で模式的に描かれており、ブラケット13-1,13が、一対の保持板131を表す一対の小長方形で模式的に描かれている。
【0063】
上述の第1実施形態のブラケット13は、切換弁本体11の軸方向D11や弁部分123の軸方向D12に、一対の保持板131の対向方向D13が一致する向きで切換弁本体11や弁部分123に取り付けられている。これに対し、第1変形例のブラケット13-1は、切換弁本体11の軸方向D11や弁部分123の軸方向D12に、一対の保持板131の対向方向D13が直交する向きで切換弁本体11や弁部分123に取り付けられている。
【0064】
以上に説明した第1変形例によっても、上述の第1実施形態と同様に、外力の方向性に対する強度の有意差を抑えることができることは言うまでもない。
【0065】
図7は、第2変形例及び第3変形例を、第1実施形態と並べて示す図である。
図7(A)に第1実施形態が示され、
図7(B)に第2変形例が示され、
図7(C)に第3変形例が示されている。尚、この
図7でも、各構成要素が簡略化された模式図形で示されている。
図7では、切換弁本体11及び弁部分123それぞれが長方形等で模式的に描かれており、ブラケット13-2,13-3,13が、一対の保持板131を表す一対の小長方形で模式的に描かれている。また、第2変形例及び第3変形例の構成要素で、第1実施形態とで同等な要素については同じ符号が付されている。
【0066】
上述の第1実施形態では、まず、パイロット駆動部12の弁部分123の軸方向D12に保持板131の対向方向D13が一致するようにブラケット13が弁部分123に取り付けられている。そして、このブラケット13を介し、弁部分123の軸方向D12と切換弁本体11の軸方向D11が平行となる向きで弁部分123が切換弁本体11に取り付けられている。
【0067】
これに対し、第2変形例では、パイロット駆動部12の弁部分123に対するステンレス鋼製のブラケット13-2の取付けの向きは第1実施形態と同じである。他方で、このブラケット13-2を介した切換弁本体11に対する弁部分123の取付けの向きが、第1実施形態と異なっている。この第2変形例では、ブラケット13-2における保持板131の対向方向D13と弁部分123の軸方向D12の双方が、切換弁本体11の軸方向D11と直交する向きで弁部分123が切換弁本体11に取り付けられている。
【0068】
また、第3変形例では、パイロット駆動部12の弁部分123に対するステンレス鋼製のブラケット13-3の取付けの向きが第1実施形態及び第2変形例と異なっている。弁部分123における軸方向D12の先端部に、保持板131の対向方向D13が軸方向D12と直交する向きでブラケット13-3が弁部分123に取り付けられている。そして、切換弁本体11の軸方向D11に対し、ブラケット13-2における保持板131の対向方向D13が平行で、弁部分123の軸方向D12が直交する向きで弁部分123が切換弁本体11に取り付けられている。この第3変形例では、切換弁本体11に対して弁部分123が倒立した姿勢で取り付けられることとなる。
【0069】
以上に説明した第2及び第3変形例によっても、上述の第1実施形態と同様に、外力の方向性に対する強度の有意差を抑えることができることは言うまでもない。
【0070】
尚、ブラケットの取付けの向きや、パイロット駆動の弁部分と切換弁本体との相対的な位置関係は、上述の第1実施形態や第1~第3変形例で例示された向きや位置関係に限るものでもなく、切換弁の設置環境等に応じて任意に設定可能である。
【0071】
図8は、第4変形例におけるブラケットを、
図5と同様の各部の断面で示した図である。尚、この
図8では、
図5に示されている第1実施形態のブラケット13の構成要素と同等な構成要素について、説明に必要な要素についてのみ、
図5と同じ符号が付されて示されている。以下では、それら同等な構成要素についての重複説明を割愛する。この
図8には、ブラケット13-4における
図8中のV14-V14線、V15-V15線、V16-V16線それぞれに沿った断面が示されている。
【0072】
第4変形例におけるステンレス鋼製のブラケット13-4は、一対の補強部132-4の形状が第1実施形態と異なっている。本変形例における補強部132-4は、弁本体側13aが本体側固定部133から立設方向D14に離れた状態で一対の保持板131の側縁131aどうしを連結している。その他の構成は、第1実施形態と同じである。
【0073】
以上に説明した第4変形例によっても、上述の第1実施形態と同様に、補強部132-4の働きによって、外力の方向性に対する強度の有意差を抑えることができることは言うまでもない。
【0074】
次に、第2実施形態について説明する。尚、本実施形態の冷凍サイクルシステムについては、
図2を参照して説明した第1実施形態の冷凍サイクルシステム1と同じであるので図示及び説明を割愛する。この点は、後述の第3~第5実施形態についても同様である。
【0075】
図9は、第2実施形態の切換弁におけるブラケットをパイロット駆動部とともに示す図である。
図10は、
図9に示されているブラケットを各部の断面で示した図である。
図10には、ブラケット23における
図10中のV21-V21線、V22-V22線、V23-V23線それぞれに沿った断面が示されている。尚、
図9及び
図10では、
図1~
図5に示されている第1実施形態の構成要素と同等な構成要素については、
図1~
図5と同じ符号が付されており、以下では、それら同等な構成要素についての重複説明を割愛する。
【0076】
この第2実施形態の切換弁20では、ステンレス鋼製のブラケット23の形状が、上述の第1実施形態と異なっている。即ち、本実施形態のブラケット23には、一対の保持板131を互いに連結する補強部232が、1つだけ設けられている。この補強部232は、各保持板131における一対の側縁131aのうち一方の側縁131aだけを連結する。また、本実施形態でも、補強部232は本体側固定部133に接続されている。
【0077】
また、補強部232は、立設方向D14について、一対の保持板131においてパイロット駆動部12の弁部分123を保持するパイロット側13bよりも切換弁本体11に近い位置に設けられている。そして、本実施形態では、ブラケット23に、立設方向D14について、補強部232よりも切換弁本体11から離れた位置に、弁部分123における細管の接続部123aを受入れて保持する保持空間23cが設けられている。この保持空間23cは、細管の接続部123aから延出した細管が補強部232を避けてブラケット23の外側へと延出するように細管延出口23dが開放された状態で、一対の保持板131のパイロット側13bによって区画されている。
【0078】
細管延出口23dのうち、低圧継手用細管16s、第1ハウジング用細管16L、及び第2ハウジング用細管16Rの3本の細管が延出する低圧側延出口23d-1は、ブラケット23において補強部232が設けられていない側の開口である。ブラケット23におけるこちら側は、立設方向D14の略全面に亘って開放されており、この開放された部分のパイロット側13bが、低圧継手用細管16sを含む3本の細管が延出する低圧側延出口23d-1となっている。他方、高圧継手用細管16d(
図4参照)が延出する高圧側延出口23d-2は、ブラケット23において補強部232が設けられている側において、立設方向D14について補強部232よりも切換弁本体11から離れた位置に開口した部分である。尚、補強部232の位置については、本実施形態のように高圧側延出口23d-2側に限るものではなく、低圧側延出口23d-1側に補強部232を設けることとしてもよい。
【0079】
以上に説明した第2実施形態によれば、1つの補強部232の働きにより、上述の第1実施形態と同様に、外力の方向性に対する強度の有意差を抑えることができることは言うまでもない。
【0080】
また、本実施形態では、補強部232が、切換弁本体11側に偏った位置に設けられている。そして、細管の接続部123aを受入れて保持する保持空間23cが、上記の2つの細管延出口23dが開放された状態で、一対の保持板131のパイロット側13bによって区画されている。この構成によれば、外力から保護されることが望ましい細管の接続部123aを、補強部232と細管との干渉を効果的に回避しつつ、上記の保持空間23cに受け入れて強固に保持することができる。
【0081】
次に、第3実施形態について説明する。
【0082】
図11は、第3実施形態の切換弁におけるブラケットをパイロット駆動部とともに示す図である。
図12は、
図11に示されているブラケットを各部の断面で示した図である。
図12には、ブラケット33における
図12中のV31-V31線、V32-V32線、V33-V33線それぞれに沿った断面が示されている。尚、
図11及び
図12では、
図1~
図5に示されている第1実施形態の構成要素と同等な構成要素については、
図1~
図5と同じ符号が付されており、以下では、それら同等な構成要素についての重複説明を割愛する。
【0083】
この第3実施形態の切換弁30では、ステンレス鋼製のブラケット33がパイロット接合部33-1と本体接合部33-2との2部品が立設方向D14に組み合わされて構成される点が上述の第1実施形態と異なっている。
【0084】
図13は、
図12に示されているパイロット接合部を各部の断面で示した図である。
図13には、パイロット接合部33-1における
図13中のV34-V34線、V35-V35線、V36-V36線それぞれに沿った断面が示されている。また、
図14は、
図12に示されている本体接合部を各部の断面で示した図である。
図14には、本体接合部33-2における
図14中のV37-V37線、V38-V38線、V39-V39線それぞれに沿った断面が示されている。
【0085】
パイロット接合部33-1は、ブラケット33のパイロット側13bを構成し、パイロット駆動部12の弁部分123を保持する部材であり、第1実施形態と同等な一対の保持板131及び一対の補強部132を備えている。ただし、本実施形態における保持板131及び補強部132は、ブラケット33の弁本体側13aが別部品である本体接合部33-2で構成されているために、立設方向D14の長さが、第1実施形態よりも若干短くなっている。補強部132は、第1実施形態と同様に、高圧側補強部132aと低圧側補強部132bとで構成される。そして、パイロット接合部33-1は、一対の保持板131及び一対の補強部132における弁本体側13aの各端縁が接続される中間底板331を備えており、全体として、矩形箱形状をなすように一体成形されたものとなっている。
【0086】
本体接合部33-2は、上述のようにブラケット33の弁本体側13aを構成し、切換弁本体11の外面に固定されるとともに、パイロット接合部33-1を受入れて当該パイロット接合部33-1が固定されるソケット状の部材となっている。本体接合部33-2に対するパイロット接合部33-1の固定はろう付け又は溶接によって行われる。本体接合部33-2は、第1実施形態と同等な本体側固定部133と、その外周に立設された周壁部332と、を備え、全体として、矩形箱形状をなすように一体成形されたものとなっている。
【0087】
以上に説明した第3実施形態によっても、パイロット接合部33-1における一対の補強部132の働きにより、上述の第1実施形態と同様に、外力の方向性に対する強度の有意差を抑えることができることは言うまでもない。
【0088】
また、本実施形態では、ブラケット33が、パイロット接合部33-1と本体接合部33-2との2部品で構成されている。この構成によれば、パイロット駆動部12のサイズ等に合わせて本体接合部33-2へのパイロット接合部33-1の挿入量を調節することで、切換弁本体11の外面に対する弁部分123の支持位置を調節しつつ両者を連結することができる。
【0089】
次に、第4実施形態について説明する。
【0090】
図15は、第4実施形態の切換弁におけるブラケットをパイロット駆動部とともに示す図である。
図16は、
図15に示されているブラケットを各部の断面で示した図である。
図16には、ブラケット43における
図16中のV41-V41線、V42-V42線、V43-V43線それぞれに沿った断面が示されている。尚、
図15及び
図16では、
図1~
図5に示されている第1実施形態の構成要素と同等な構成要素については、
図1~
図5と同じ符号が付されており、以下では、それら同等な構成要素についての重複説明を割愛する。
【0091】
第4実施形態の切換弁40では、ステンレス鋼製のブラケット43における補強部432が上述の第1実施形態と異なっている。この補強部432は、板ではなく、丸棒状の部位となっている。本実施形態では、パイロット駆動部12の弁部分123をパイロット側13bで支持する一対の保持板131における最短部分131eの、立設方向D14の中央どうしを連結するように、1本の丸棒状の補強部432が設けられている。他方、一対の保持板131は、切換弁本体11の外面に固定される本体側固定部133とともに、補強部432を見る側面視でU字状の折り曲げ形状を構成している。そして、これら一対の保持板131において、立設方向D14について、補強部432よりも弁本体側13aから離れた位置に弁部分123の保持空間43cが形成されている。
【0092】
以上に説明した第4実施形態によっても、1本の丸棒状の補強部432の働きにより、上述の第1実施形態と同様に、外力の方向性に対する強度の有意差を抑えることができることは言うまでもない。
【0093】
次に、第5実施形態について説明する。
【0094】
図17は、第5実施形態の切換弁におけるブラケットをパイロット駆動部とともに示す図である。
図18は、
図17に示されているブラケットを各部の断面で示した図である。
図18には、ブラケット53における
図18中のV51-V51線、V52-V52線、V53-V53線それぞれに沿った断面が示されている。尚、
図17及び
図18では、
図1~
図5に示されている第1実施形態の構成要素と同等な構成要素については、
図1~
図5と同じ符号が付されており、以下では、それら同等な構成要素についての重複説明を割愛する。
【0095】
第5実施形態の切換弁50では、ステンレス鋼製のブラケット53に、第1実施形態における本体側固定部133に相当する底板状の部位が設けられていない。本実施形態では、パイロット駆動部12の弁部分123をパイロット側13bで支持する一対の保持板131の弁本体側13aの端縁に、切換弁本体11の外面に沿った凹部が設けられている。ブラケット53は、この弁本体側13aにおける端縁の凹部と切換弁本体11の外面とが当接し、ろう付け又は溶接によって固定される。そして、本実施形態では、一対の補強部532が、切換弁本体11の外面との間に間隙が開く位置で、保持板131の立設方向D14に延びる側縁131aどうしを連結する帯板状に形成されている。
【0096】
以上に説明した第5実施形態によっても、一対の補強部532の働きにより、上述の第1実施形態と同様に、外力の方向性に対する強度の有意差を抑えることができることは言うまでもない。
【0097】
尚、以上に説明した第1~第5実施形態、及び第1実施形態に対する第1~第4変形例は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、これらに限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によっても尚本発明の切換弁及び冷凍サイクルシステムの構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
【0098】
例えば、上述の第1~第5実施形態及び第1~第4変形例では、切換弁の一例として、4本の継手管の連通状態を切換える四方切換弁としての切換弁10,・・・,50が例示されている。しかしながら、切換弁は四方切換弁に限るものではない。切換弁は、スライド弁体を用いて複数の継手管の連通状態を切換えるものであれば、例えば3本の継手管のうちの一対の継手管を連通させるときの連通対象の継手管を、スライド弁体を用いて切換える三方切換弁であってもよい。または、2本の継手管の相互間を、スライド弁体を用いて開閉する二方切換弁等であってもよい。切換弁における継手管の数や、連通状態の切換え方等については、切換弁の適用対象等に応じて適宜に設定し得るものである。
【0099】
また、上述の第1~第3実施形態では、補強部の一例として、次のような連結幅を有する帯板状の補強部132,232が例示されている。即ち、第1実施形態における補強部132の連結幅W11は、保持板131の側縁131aの弁本体側13aの端部131a-1から、最短部分131cの中心部131c-1よりもパイロット側13bの部位131a-2に至る連結幅W11である。第2及び第3実施形態の補強部132,232の連結幅も第1実施形態に準じたものとなっている。しかしながら、補強部は、これらに限るものではない。補強部は、例えば第5実施形態や第4変形例で例示されているように、弁本体側13aが、本体側固定部133や切換弁本体11の外面から離れる幅狭の連結幅を有する帯板状の部位であってもよい。また、補強部は、パイロット側13bが、最短部分131cの中心部131c-1と一致する、若しくは、当該中心部131c-1よりも弁本体側13aとなるようなる幅狭の連結幅を有する帯板状の部位であってもよい。あるいは、補強部は、帯板状でなくともよく、例えば第4実施形態で例示されているような丸棒状の他、角棒状等、任意の形状に設定し得るものである。ただし、上記の連結幅W11を有する帯板状の補強部132,232によれば、外力の方向性に対する強度の有意差を一層抑えることができる点は上述した通りである。
【0100】
また、上述の第1及び第3実施形態では、補強部の一例として、次のような連結幅を有する帯板状の補強部132が例示されている。即ち、第1実施形態における補強部132の連結幅W11は、保持板131の側縁131aの弁本体側13aの端部131a-1から、立設方向D14において第1凹部131dと重なる部位131a-2に至る幅となっている。第3実施形態の補強部132の連結幅も第1実施形態に準じたものとなっている。しかしながら、補強部は、これらに限るものではない。補強部は、例えば第2及び第5実施形態で例示されているように、パイロット側13bが、第1凹部131dよりも弁本体側13aに位置する幅狭の連結幅を有する帯板状の部位であってもよい。また、補強部は、上述のように、弁本体側13aが本体側固定部133や切換弁本体11の外面から離れる幅狭の帯板状部位であってもよく、帯板以外の形状の部位であってもよい。ただし、上記の連結幅W11を有する帯板状の補強部132,232によれば、外力の方向性に対する強度の有意差を一層抑えることができる点は上述した通りである。
【0101】
また、上述の第1、第3実施形態、及び第4変形例では、補強部の一例として、細管通過用の高圧側第2凹部132a-2や低圧側第2凹部132b-2等といった第2凹部が設けられた補強部132-4が例示されている。しかしながら、補強部は、これらに限るものではなく、例えば第2、第4、及び第5実施形態で例示されているように、第2凹部を設けずに細管を避ける形状に形成されることとしてもよい。ただし、第2凹部が設けられた補強部132-4によれば、補強部132-4と細管との干渉を効果的に回避しつつ強度の有意差を一層抑えることができる点は上述した通りである。
【0102】
また、上述の第2、第4、及び第5実施形態では、補強部の一例として、立設方向D14について、パイロット側13bよりも切換弁本体11に近い位置に設けられた補強部232,432,532が例示されている。しかしながら、補強部は、これらに限るものではなく、例えば第1、第3実施形態、及び第4変形例で例示されているように、立設方向D14について、パイロット側13bと重なる位置に設けられることとしてもよい。ただし、パイロット側13bよりも切換弁本体11に近い位置に補強部232,432,532を設けることでも、補強部132-4と細管との干渉を効果的に回避することができる点は上述した通りである。
【0103】
また、上述の第1、第3、及び第5実施形態では、ブラケットの一例として、補強部132,532が一対設けられたブラケット13,33,53が例示されている。しかしながら、ブラケットは、これに限るものではなく、例えば第2、第4実施形態、及び第4変形例で例示されているように、補強部232,432,132-4を1つだけ設けることとしてもよい。ただし、補強部132,532を一対設けることで、外力の方向性に対する強度の有意差を一層抑えることができる点は上述した通りである。
【0104】
また、上述の第1~第4実施形態、及び第4変形例では、ブラケットの一例として、本体側固定部133を備えたブラケット13,・・・,43,13-4が例示されている。しかしながら、ブラケットは、これに限るものではなく、例えば第5実施形態で例示されているように、本体側固定部を設けずに保持板131の弁本体側13aを直に切換弁本体11の外面に固定することとしてもよい。ただし、本体側固定部133を設けることで、パイロット駆動部12を強固に固定することができる点は上述した通りである。
【0105】
また、上述の第1及び第2実施形態では、ブラケットの一例として、帯板状の補強部132,232の端縁が本体側固定部133に接続されたブラケット13,23が例示されている。しかしながら、ブラケットは、これに限るものではなく、例えば第4変形例に示されているように、補強部132-4を帯板状に形成し、且つ本体側固定部133を設けたとしても、両者を離してブラケット13-4を形成することとしてもよい。ただし、補強部132,232を本体側固定部133に接続することで、切換弁10における外力の方向性に対する強度の有意差を一層抑えることができる点は上述した通りである。
【0106】
また、上述の第1実施形態では、ブラケットの一例として、一対の保持板131、一対の補強部132、及び本体側固定部133で矩形箱形状をなすように一体成形されたブラケット13が例示されている。しかしながら、ブラケットは、これに限るものではなく、例えば広めの本体側固定部の表面に保持板や補強部をリブ状に立設した、矩形箱以外の形に形成されたもの等であってもよい。この場合、保持板や補強部は本体側固定部の表面にろう付けや溶接によって接続されることとなる。ただし、矩形箱形状の一体成型部品としてのブラケット13によれば、加工費が安いプレス加工で形成することができるので、製造コストを抑えることができる点は上述した通りである。
【符号の説明】
【0107】
1 冷凍サイクルシステム
1a 圧縮機
1b 室外熱交換機(第一熱交換器)
1c 室内熱交換機(第二熱交換器)
1d 絞り装置(膨張手段)
10,20,30,40,50 切換弁
11 切換弁本
11a 弁室
11b 第1作動室
11c 第2作動室
12 パイロット駆動部
13,13-1,13-2,13-3,13-4,23,33,43,53 ブラケット
13a 弁本体側
13b パイロット側
13c,23c,43c 保持空間
13d,23d 細管延出口
15c C継手管
15d D継手管
15e E継手管
15s S継手管
16d 高圧継手用細管
16s 低圧継手用細管
16L 第1ハウジング用細管
16R 第2ハウジング用細管
23d-1 低圧側延出口
23d-2 高圧側延出口
33-1 パイロット接合部
33-2 本体接合部
111 弁ハウジング
112 スライド弁
113 弁座
114L,114R ピストン
115 連結板
116 弁体
116a 椀状凹部
121 本体部分
122 コイル部
123 弁部分
123a 接続部
123b 被保持部位
131 保持板
131a,132a-3,132b-3 側縁
131a-1 端部
131a-2 部位
131b,131b-1,131b-2,132a-1,132b-1,132a-3,132b-3 端縁
131c 最短部分
131c-1 中心部
131d 第1凹部
132-4,232,432,532 補強部
132a 高圧側補強部
132a-2 高圧側第2凹部
132b 低圧側補強部
132b-2 低圧側第2凹部
133 本体側固定部
331 中間底板
332 周壁部
D11,D12 軸方向
D13 対向方向
D14 立設方向
D15 幅方向
X 軸線