(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077746
(43)【公開日】2024-06-10
(54)【発明の名称】プログラム、方法、およびシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0639 20230101AFI20240603BHJP
G06Q 10/105 20230101ALI20240603BHJP
【FI】
G06Q10/0639
G06Q10/105
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022189878
(22)【出願日】2022-11-29
(71)【出願人】
【識別番号】518123947
【氏名又は名称】株式会社HRBrain
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】堀 浩輝
(72)【発明者】
【氏名】中野 雄介
(72)【発明者】
【氏名】田中 良介
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA08
5L049AA08
(57)【要約】
【課題】人事評価シートの管理者の利便性を向上することができる人事管理システムを提供する。
【解決手段】本発明のプログラムは、ウェブブラウザ上に表示される人事評価シートを管理するコンピュータに用いられるプログラムであって、コンピュータのプロセッサに、人事評価シートのテンプレートを、当該テンプレートを構成する項目の候補リストとともに出力するステップと、表示された項目の選択を受け付けるステップと、選択された項目のテンプレート上の位置の指定を受け付けるステップと、指定された位置に、当該項目に相当する入力欄を配置するステップと、を実行させる。
【選択図】
図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェブブラウザ上に表示される人事評価シートを管理するコンピュータに用いられるプログラムであって、
前記コンピュータのプロセッサに、
前記人事評価シートのテンプレートを、当該テンプレートを構成する項目の候補リストとともに出力するステップと、
表示された前記項目の選択を受け付けるステップと、
選択された前記項目の前記テンプレート上の位置の指定を受け付けるステップと、
指定された位置に、当該項目に相当する入力欄を配置するステップと、を実行させるプログラム。
【請求項2】
前記項目には、前記人事評価シートにおいて管理される評価項目の名称の入力欄、前記評価項目の説明文の入力欄、および前記評価項目への評価結果を示す値の入力欄とともに、評価対象となる従業員に関して社内で蓄積された従業員情報にアクセスするためのリンクが含まれる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記項目には、評価者からの入力値を変数として設定可能な計算式としての関数が含まれる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記項目には、前記計算式を構成する前記変数に対して重みづけを行う係数が含まれる、請求項3に記載のプログラム。
【請求項5】
前記プロセッサに、さらに、
前記人事評価シートのテンプレートに対して、当該テンプレートが適用される全ての個別の前記人事評価シートそれぞれにおける評価フェーズごとの全ての入力担当者により構成されるグループを設定するステップを実行させる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項6】
前記プロセッサに、さらに、
前記人事評価シートのテンプレートに対して、前記入力欄ごとの操作権限を設定するステップを実行させ、
前記操作権限は、前記入力欄に入力された値を表示させて閲覧するための閲覧権限と、
前記入力欄に新たな値を入力するための編集権限と、を含み、
前記操作権限を設定するステップでは、
前記テンプレートの入力欄ごとに、前記閲覧権限および前記編集権限それぞれについて、個別に設定を行う、請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記操作権限を設定するステップでは、
前記テンプレートが適用される個別の人事評価シートそれぞれにおける評価フェーズごと、および前記個別の人事評価シートそれぞれにおける入力担当者ごとに、前記閲覧権限および前記編集権限それぞれについて、個別に設定を行う、請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記プロセッサに、さらに、
前記テンプレートが適用された個別の前記人事評価シートに対する評価者からの評価結果の入力を受け付けるステップを実行させ、
前記評価結果の入力を受け付けるステップでは、
評価対象となる複数の従業員について、複数の評価項目のうち、同一の前記評価項目に関する入力欄を前記評価者が使用する端末において並べて表示させる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項9】
前記プロセッサに、さらに、
前記人事評価シートのテンプレートの作成に先立って、評価対象となる従業員の属性の入力を受け付けるステップと、
入力された前記従業員を特定する情報に基づいて、記憶部に記憶された複数の前記テンプレートのマスタデータから、当該従業員に相当するマスタデータを選定するステップと、を実行させる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項10】
前記プロセッサに、さらに、
前記人事評価シートのテンプレートに設定された前記入力欄に対して、評価対象となる従業員に関して社内で蓄積された従業員情報に含まれる管理項目の指定を受け付けるステップと、
指定された前記管理項目の値を、当該入力欄に入力するステップと、を実行させる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項11】
ウェブブラウザ上に表示される人事評価シートを管理するコンピュータに用いられる方法であって、
前記コンピュータのプロセッサが、
前記人事評価シートのテンプレートを、当該テンプレートを構成する項目の候補リストとともに出力するステップと、
表示された前記項目の選択を受け付けるステップと、
選択された前記項目の前記テンプレート上の位置の指定を受け付けるステップと、
指定された位置に、当該項目に相当する入力欄を配置するステップと、を実行する方法。
【請求項12】
ウェブブラウザ上に表示される人事評価シートを管理するコンピュータを有するシステムであって、
前記コンピュータのプロセッサが、
前記人事評価シートのテンプレートを、当該テンプレートを構成する項目の候補リストとともに出力する手段と、
表示された前記項目の選択を受け付ける手段と、
選択された前記項目の前記テンプレート上の位置の指定を受け付ける手段と、
指定された位置に、当該項目に相当する入力欄を配置する手段と、を備えるシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、方法、およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、企業における従業員管理の作業において、従業員の評価結果をシステム上で管理して評価活動に利用するシステムが知られている。
例えば特許文献1に記載のシステムでは、人事評価シートをシステム上に実現し、評価者から入力された評価結果を記録するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の人事評価システムでは、予め準備されてデータベースに記録された既存の人事評価シートに関するマスタを使用する仕様となっていた。
このため、例えば人事部がこれまで表計算ソフトなどを用いて管理していた、独自に構築された人事評価シートに合わせて、ウェブブラウザ上に表示される人事評価シートのフォーマットを変更することができず、利便性に改善の余地があった。
【0005】
本発明は、人事評価シートの管理者の利便性を向上することができる人事管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、ウェブブラウザ上に表示される人事評価シートを管理するコンピュータに用いられるプログラムであって、コンピュータのプロセッサに、人事評価シートのテンプレートを、当該テンプレートを構成する項目の候補リストとともに出力するステップと、表示された項目の選択を受け付けるステップと、選択された項目のテンプレート上の位置の指定を受け付けるステップと、指定された位置に、当該項目に相当する入力欄を配置するステップと、を実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本実施形態に係る人事評価システムの全体構成を示すブロック図である。
【
図2】
図1に示す従業員端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】
図1に示す管理者端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】
図1に示す人事情報管理サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図5】
図4に示す人事情報管理サーバの機能的構成を示すブロック図である。
【
図6】人事情報管理サーバが記憶する従業員データベースのデータ構造の一例を示す図である。
【
図7】人事情報管理サーバが記憶するシートマスタデータベースのデータ構造の一例を示す図である。
【
図8】人事情報管理サーバが記憶する評価項目マスタデータベースのデータ構造の一例を示す図である。
【
図9】人事情報管理サーバが記憶するテンプレートデータベースのデータ構造の一例を示す図である。
【
図10】人事情報管理サーバが記憶する評価シートデータベースのデータ構造の一例を示す図である。
【
図11】人事情報管理サーバが記憶する入力欄マスタデータベースのデータ構造の一例を示す図である。
【
図12】人事情報管理サーバが記憶する評価結果データベースのデータ構造の一例を示す図である。
【
図13】人事情報管理サーバが記憶するワークフローデータベースのデータ構造の一例を示す図である。
【
図14】本発明の実施形態の概要のうち、評価シートの作成手順を示す図である。
【
図15】本発明の実施形態の概要のうち、評価シートと入力担当者の紐づけについて示す図である。
【
図16】人事評価システムにおける人事評価シートの一例を示す図である。
【
図17】人事評価システムにおける人事評価シートのテンプレートの作成処理の前半におけるフローを説明する図である。
【
図18】人事評価システムにおける人事評価シートのテンプレートの編集処理の詳細のフローを説明する図である。
【
図19】人事評価システムにおける人事評価シートのテンプレートの作成処理の後半におけるフローを説明する図である。
【
図20】人事評価システムにおける人事評価シートへの入力処理のフローを説明する図である。
【
図21】人事評価システムにおける第1画面例を示す図である。
【
図22】人事評価システムにおける第2画面例を示す図である。
【
図23】人事評価システムにおける第3画面例を示す図である。
【
図24】人事評価システムにおける第4画面例を示す図である。
【
図25】人事評価システムにおける第5画面例を示す図である。
【
図26】人事評価システムにおける第6画面例を示す図である。
【
図27】人事評価システムにおける第7画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0009】
(1)人事評価システム1の構成
人事評価システム1(以下、単にシステム1という)の構成について説明する。
図1は、本実施形態に係るシステム1の全体構成を示すブロック図である。システム1は、例えば企業内で使用される社内システムの一部を構成する。システム1は、従業員を管理する人事部門が、従業員の人事情報の管理に用いるシステムである。システム1は、システム上で従業員の評価に用いる人事評価シート(以下、単に評価シートという)に関する情報を管理する機能を有する。
【0010】
図1に示すように、システム1は、複数の従業員端末10と、複数の管理者端末20と、人事情報管理サーバ(以下、単にサーバ30という)と、により構成される。
従業員端末10、管理者端末20、およびサーバ30は、ネットワーク(例えば、インターネット又はイントラネット)50を介して接続される。
【0011】
従業員端末10および管理者端末20は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、又は、パーソナルコンピュータである。
従業員端末10とは、システム1が運用される会社の従業員が使用する端末である。この説明において、従業員とは、雇用形態を問わずシステム1が運用される会社の業務に従事する者を指す。なお、この発明における従業員端末10には、従業員には含まれない役員が使用する端末を含んでもよい。
【0012】
ここで従業員端末10は、評価対象者端末10Aと、評価者端末10Bと、を含む。
評価対象者端末10Aは、システム1を用いた人事評価において評価の対象となる従業員が使用する端末を指す。
評価者端末10Bは、システム1を用いた人事評価において評価を行う管理職者などの従業員が使用する端末を指す。
なお、中間管理職者のように、部下の評価も行いつつ、自身も上司から評価される従業員の端末については、評価対象者端末10Aにも該当し、評価者端末10Bにも該当することになるが、操作により実行される処理の内容により区別される。
以下の説明において、従業員端末10に関する説明については、評価対象者端末10Aおよび評価者端末10Bの双方に共通する構成とする。
【0013】
管理者端末20とは、システム1の管理者が使用する端末である。管理者とは、システム1が運用される会社において、システム1の保守および運用についての責任を負う主管部門に属する従業員を指す。主管部門としては、例えば人事部門のような、人事情報のうち、特に従業員の評価に関する情報を管理する部門が挙げられる。なお、主管部門には総務部門などの他の管理部門が該当してもよいし、営業部門や技術部門などの各部門内での評価においてシステム1を用いる場合は、当該各部門が主管部門となってもよい。
【0014】
ここで、従業員端末10のうちの一部が管理者端末20に該当することになるが、当該端末の操作の目的により、従業員端末10か管理者端末20かが区別される。
すなわち、例えば人事部門の従業員が、システム1を用いて後述する評価シートの編集作業を行う場合は、当該従業員が使用する端末は、この説明における管理者端末20に該当する。
一方、当該従業員が、自身の評価を受けるために後述する評価シートへの自己分析の入力作業を行う場合は、当該従業員が使用する端末は、この説明における従業員端末10のうちの評価対象者端末10Aに該当する。さらに、当該従業員が、部下の評価のために、後述する評価結果の入力作業を行う場合は、当該従業員が使用する端末は、この説明における従業員端末10のうちの評価者端末10Bに該当する。
【0015】
サーバ30は、複数の従業員端末10から取得した情報、および複数の管理者端末20から入力された情報に基づいた演算処理を実行し、後述する各種の情報を出力する。サーバ30は、1以上の物理コンピュータによって構成され得る。
サーバ30は、従業員端末10から送信されたリクエストに応じたレスポンスを従業員端末10に提供する。
サーバ30は、管理者端末20から送信されたリクエストに応じたレスポンスを管理者端末20に提供する。
【0016】
(1-1)従業員端末10の構成
従業員端末10の構成について説明する。
図2は、本実施形態の従業員端末10のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2に示すように、従業員端末10は、記憶装置11と、プロセッサ12と、入出力インタフェース13と、通信インタフェース14とを備える。
【0017】
記憶装置11は、プログラムおよびデータを記憶するように構成される。記憶装置11は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、および、ストレージ(例えば、フラッシュメモリ又はハードディスク)の組合せである。
【0018】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OS(Operating System)のプログラム
・情報処理を実行するアプリケーションのプログラム
【0019】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理を実行することによって得られるデータ(つまり、情報処理の実行結果)
【0020】
プロセッサ12は、記憶装置11に記憶されたプログラムを起動することによって、従業員端末10の機能を実現するコンピュータである。プロセッサ12は、例えば、以下の少なくとも1つである。
・CPU(Central Processing Unit)
・GPU(Graphic Processing Unit)
・ASIC(Application Specific Integrated Circuit)
・FPGA(Field Programmable Array)
【0021】
入出力インタフェース13は、従業員端末10に接続される入力デバイスから情報(例えば、ユーザの指示)を取得し、かつ、従業員端末10に接続される出力デバイスに情報を出力させるように構成される。
入力デバイスは、例えば、物理ボタン、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、又は、それらの組合せである。
出力デバイスは、例えば、ディスプレイ15、スピーカ、ランプ、又は、それらの組合せである。
【0022】
通信インタフェース14は、従業員端末10と外部装置(例えば、管理者端末20、サーバ30、又はそれらの組み合わせ)との間の通信を制御するように構成される。
ディスプレイ15は、画像(静止画、又は動画)を表示するように構成される。ディスプレイ15は、例えば、液晶ディスプレイ、又は有機ELディスプレイである。
【0023】
(1-2)管理者端末20の構成
管理者端末20のハードウェア構成について説明する。
図3は、本実施形態の管理者端末20の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、管理者端末20は、記憶装置21と、プロセッサ22と、入出力インタフェース23と、通信インタフェース24、ディスプレイ25と、を備える。
【0024】
記憶装置21は、プログラムおよびデータを記憶するように構成される。記憶装置21は、例えば、ROM、RAM、および、ストレージの組合せである。
【0025】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OSのプログラム
・情報処理を実行するアプリケーション(例えば、ウェブブラウザ)のプログラム
【0026】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理の実行結果
【0027】
プロセッサ22は、記憶装置21に記憶されたプログラムを起動することによって、管理者端末20の機能を実現するコンピュータである。プロセッサ22は、例えば、以下の少なくとも1つである。
・CPU
・GPU
・ASIC
・FPGA
【0028】
入出力インタフェース23は、管理者端末20に接続される入力デバイスから情報(例えば、ユーザの指示)を取得し、かつ、管理者端末20に接続される出力デバイスに情報を出力させるように構成される。
入力デバイスは、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、又は、それらの組合せである。
出力デバイスは、例えば、ディスプレイ25、スピーカ、又は、それらの組合せである。
【0029】
通信インタフェース24は、管理者端末20と外部装置(例えば従業員端末10、サーバ30、又はそれらの組み合わせ)との間の通信を制御するように構成される。
ディスプレイ25は、画像(静止画、又は動画)を表示するように構成される。ディスプレイ25は、例えば、液晶ディスプレイ、又は有機ELディスプレイである。
【0030】
(1-3)サーバ30のハードウェア構成
サーバ30のハードウェア構成について説明する。
図4は、本実施形態のサーバ30のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4に示すように、サーバ30は、記憶装置31と、プロセッサ32と、入出力インタフェース33と、通信インタフェース34とを備える。
【0031】
記憶装置31は、プログラムおよびデータを記憶するように構成される。記憶装置31は、例えば、ROM、RAM、および、ストレージの組合せである。
【0032】
プログラムは、例えば、以下のプログラムを含む。
・OSのプログラム
・情報処理を実行するアプリケーションのプログラム(例えば、自動応答モデル)
【0033】
データは、例えば、以下のデータを含む。
・情報処理において参照されるデータベース
・情報処理の実行結果
【0034】
プロセッサ32は、記憶装置31に記憶されたプログラムを起動することによって、サーバ30の機能を実現するコンピュータである。プロセッサ32は、例えば、以下の少なくとも1つである。
・CPU
・GPU
・ASIC
・FPGA
【0035】
入出力インタフェース33は、サーバ30に接続される入力デバイスから情報(例えば、ユーザの指示)を取得し、かつ、サーバ30に接続される出力デバイスに情報を出力させるように構成される。
入力デバイスは、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、又は、それらの組合せである。
出力デバイスは、例えば、ディスプレイである。
【0036】
通信インタフェース34は、サーバ30と外部装置(例えば、従業員端末10、管理者端末20、又はそれらの組み合わせ)との間の通信を制御するように構成される。
【0037】
(1-4)サーバ30の機能的な構成
次に、サーバ30の機能的な構成について説明する、
図5は、サーバ30の機能的な構成を示す図である。
図5に示すように、サーバ30は、通信部301と、記憶部302と、制御部303としての機能を発揮する。
【0038】
通信部301は、サーバ30が外部の装置と通信するための処理を行う。
【0039】
記憶部302は、サーバ30が使用するデータおよびプログラムを記憶する。記憶部302は、例えば以下のデータを記憶している。
・従業員データベース3021(従業員DB3021)
・シートマスタデータベース3022(シートマスタDB3022)
・テンプレートデータベース3024(テンプレートDB3023)
・評価項目マスタデータベース3023(評価項目マスタDB3024)
・入力欄マスタデータベース3025(入力欄マスタDB3025)
・評価シートデータベース3026(評価シートDB3026)
・評価結果データベース3027(評価結果DB3027)
・ワークフローデータベース3028(ワークフローDB3028)
【0040】
従業員DB3021は、従業員に関する情報を格納するデータベースである。従業員DB3021のデータ構造の詳細については後述する。
【0041】
シートマスタDB3022は、評価シートのマスタデータに関する情報を格納するデータベースである。システム1では、従業員の役職又は等級に応じて、複数の評価シートのマスタデータが用意されている。シートマスタDB3022のデータ構造の詳細については後述する。
【0042】
テンプレートDB3023は、評価シートのテンプレートに関する情報を格納するデータベースである。評価シートのテンプレートとは、評価対象者に配布される個別の評価シートのひな形となるデータである。テンプレートDB3023のデータ構造の詳細については後述する。
【0043】
評価項目マスタDB3024は、評価シートを構成する評価項目の入力欄に関するマスタデータを格納するデータベースである。評価項目マスタDB3024のデータ構造の詳細については後述する。
【0044】
入力欄マスタDB3025は、評価シートのテンプレートに配置される評価項目の入力欄マスタごとに設定される各種の情報を格納するデータベースである。入力欄マスタとは、評価シートのテンプレートに配置された入力欄のマスタデータを指す。これに対して、評価対象者ごとの評価シートにおける評価項目の入力欄を、以下の説明において、「固有の入力欄」ということがある。入力欄マスタDB3025のデータ構造の詳細については後述する。
【0045】
評価シートDB3026は、個別の評価シートに関する情報を格納するデータベースである。個別の評価シートとは、テンプレートが適用されて評価対象者それぞれに配布されるそれぞれの評価シートを指す。評価シートDB3026のデータ構造の詳細については後述する。
【0046】
評価結果DB3027は、個別の評価シートそれぞれにおける評価項目の固有の入力欄ごとの評価結果(入力内容)に関する情報を格納するデータベースである。評価結果DB3027のデータ構造の詳細については後述する。
【0047】
ワークフローDB3028は、評価シートが送り渡される入力担当者の順番に関する情報を格納するデータベースである。評価シートへの入力担当者には、評価対象者と評価者(一次評価者、二次評価者、最終評価者等)が含まれ得る。評価者からの評価結果の入力に先立って、本人である評価対象者により、評価対象期間の実績や目標の達成度合いの振り返り結果を入力させるためである。なお、評価対象者が入力担当者に含まれなくてもよい。ワークフローDB3028のデータ構造の詳細については後述する。
【0048】
制御部303は、サーバ30のプロセッサ39が、プログラムに従って処理を行うことにより、各種の機能モジュールとしての機能を発揮する。
各種の機能モジュールとしては以下を含む。
・送受信制御モジュール3031
・選定モジュール3032
・編集モジュール3033
・入力指示モジュール3034
・出力モジュール3035
【0049】
(1-5)制御部303の機能
制御部303の各機能モジュールの機能について説明する。
【0050】
(1-5-1)送受信制御モジュール3031
送受信制御モジュール3031は、サーバ30が外部の装置から通信プロトコルに従って信号を送受信する処理を制御する。
【0051】
(1-5-2)選定モジュール3032
選定モジュール3032は、管理者からの評価シート作成の指示の入力に基づいて、評価対象となる従業員に相当するマスタを選定する。選定モジュール3032は、管理者から入力された従業員IDを用いて従業員DB3021を参照し、当該従業員の役職又は等級を特定する。選定モジュール3032は、シートマスタDB3022を参照して、当該従業員の役職又は等級に相当するマスタを選定する。
【0052】
(1-5-3)編集モジュール3033
編集モジュール3033は、管理者からの編集操作の入力に基づいて、評価シートを編集する。編集モジュール3033は、評価シートを構成する各項目の入力欄を、管理者からの指示に基づいて、指定された位置に配置していくことで、評価シートを編集する。
【0053】
編集モジュール3033は、評価者又は評価対象者からの入力欄への入力操作に基づいて、評価シートを入力後の内容に編集する。入力欄に入力された内容は、評価結果DB3027における評価値フィールドに記録される。
【0054】
編集モジュール3033は、入力欄が従業員DB3021における管理項目の値を参照する入力方法である場合には、従業員DB3021の該当する値を参照して、当該入力欄に自動入力する。入力欄に入力された内容は、評価結果DB3027における評価値フィールドに、参照値として記録される。
【0055】
編集モジュール3033は、入力欄が計算式を用いたスコア算出による入力方法である場合には、入力された値を変数として、設定された計算式に代入し、算出したスコア値を、当該入力欄に自動入力する。入力欄に入力されたスコア値は、評価結果DB3027における評価値フィールドに記録される。
【0056】
(1-5-4)入力指示モジュール3034
入力指示モジュール3034は、管理者からの指示に基づいて、評価対象者および評価者に対して、評価シートへの入力の指示を行う。例えば、評価対象者は、評価シートに対して評価対象となる期間における仕事の実績に対する自己アピール、又は来期に向けた目標などを記載する。そして、評価者は、評価対象者が入力した実績および目標を踏まえた評価結果を評価シートに記入する。
【0057】
(1-5-5)出力モジュール3035
出力モジュール3035は、管理者により作成・編集された評価シートを、従業員端末10および管理者端末20に対して出力する。また。出力モジュール3035は、評価者および評価対象者により各項目に対して値が入力された評価シートを、従業員端末10および管理者端末20に対して出力する。
【0058】
(1-6)各データベースの構成
ここで、記憶部302が記憶する各データベースの構成について詳述する。
【0059】
(1-6-1)従業員DB3021
本実施形態の従業員DB3021について説明する。従業員DB3021には、企業に属する従業員における各種の属性に関する情報が格納される。なお、従業員DB3021には、使用者である役員に関する情報を含んでもよい。
【0060】
図6は、本実施形態の従業員DB3021のデータ構造の一例を示す図である。
図6に示すように、従業員DB3021は、「従業員ID」フィールドと、「氏名」フィールドと、「所属部署」フィールドと、「役職」フィールドと、「等級」フィールドと、「連絡先」フィールドと、「評価クラス」フィールドと、「eNPS値」フィールドと、「個人情報」フィールドと、を含む。従業員DB3021は、従業員の採用に伴って新たなレコードが記録されるデータベースである。
【0061】
「従業員ID」フィールドには、従業員のIDが格納される。従業員IDは、従業員を識別するための符号であり、従業員ごとに設定されている。従業員IDとして、例えば入社年数を示す数字を含む社員番号を用いることができる。
【0062】
「氏名」フィールドには、従業員IDに対応する従業員の氏名が格納される。
【0063】
「所属部署」フィールドには、従業員IDに対応する従業員の現在の所属部署に関する情報が格納される。例えば、「所属部署」フィールドには、営業部、開発部、法務部、総務部、製造部等の部署名が格納される。
【0064】
「役職」フィールドには、従業員IDに対応する従業員の現在の役職に関する情報が格納される。「役職」フィールドには、チームリーダ、課長、部長等の部署における役職に限られず、プロジェクトマネージャー等のような業務案件における役割に関する情報を格納してもよい。なお、「役職」フィールドには職位に関する情報が格納されてもよい。
【0065】
「等級」フィールドには、従業員IDに対応する従業員の等級に関する情報が格納される。等級とは、従業員の能力、成果、職務、又は役割に応じて区分される序列のうち、当該従業員が該当するランクを指す。
【0066】
「評価クラス」フィールドには、従業員IDに対応する従業員における現在又は過去の人事評価に基づいて設定されたクラスが格納される。例えば、評価クラスは、上位のクラスから下位のクラスまで、S、A、B、C、Dのように5段階に設定され、「評価クラス」フィールドには、該当するクラスの情報が格納される。
【0067】
「eNPS値」フィールドには、従業員IDに対応する従業員のeNPS値が格納される。eNPS値(Employee Net Promoter Score)とは、従業員のエンゲージメントを示す指数であり、従業員の所属する企業に対するロイヤリティ、すなわち、企業に対する愛着又は信頼の度合いを示す数値である。eNPS値は、従業員に対する定期的なアンケートにより取得される。「eNPS値」フィールドには、数値範囲、又は数値範囲により設定されたクラスが格納される。
【0068】
「個人情報」フィールドには、従業員IDに対応する従業員の個人情報が格納される。従業員の個人情報は、例えば以下の情報を含む。
・年齢、性別、生年月日等の出生に関する情報
・国籍、出身地、居住地等の従業員と関連性の高い地理的な情報
・学歴、職歴(現職における過去の役職、業務内容を含む)等の経歴に関する情報
・兄弟構成、扶養家族の有無、配偶者および子供の有無等の家族に関する情報
・性格パターン、人材タイプ診断データ、SPI検査結果等の性格、気質に関する情報
・血液型、健康診断結果等の生体情報
・職種、雇用形態(正社員、短時間正社員、契約社員、業務委託、派遣社員、パートタイム、アルバイト、インターン等)に関する情報
・新卒採用、第二新卒採用、中途採用といった採用区分に関する情報
・勤務地(在宅ワークかオフィスワークかを含む)等の従業員の働く場所に関する情報
・労働時間、残業時間、深夜残業時間等の終業時間に関する情報
・有給取得数、残有給数、遅刻回数、欠勤日数、等の勤怠に関する情報
・勤続年数などのこれまでの就業実績に基づく情報
なお、これらの各情報は、項目ごとに従業員DB3021にカラムが設けられてもよい。
【0069】
なお、従業員DB3021には、これらの属性に限定されず、従業員の属性に関するあらゆる情報を格納することができる。例えば、過去の評価シートにアクセスするためのリンクが、従業員DB3021に格納されてもよい。
【0070】
また、従業員DB3021には、会社が保有する従業員に関する情報に基づいて、以下に例示する各種の情報を集計したうえで、集計結果を属性情報として記憶させてもよい。
・現部署在籍期間、累計異動回数、同じ部署の平均の在籍期間(=異動スパン)
・社内研修受講有無
・表彰データ
・資格
・入社日
・在籍年数
・給与・報酬・賞与
・採用経路
・ソーシャルスタイル
【0071】
(1-6-2)シートマスタDB3022
本実施形態のシートマスタDB3022について説明する。シートマスタDB3022には、評価シートのテンプレートのカスタマイズ前の元データであるマスタデータが複数格納されている。
図7は、本実施形態のシートマスタDB3022のデータ構造の一例を示す図である。
図7に示すように、シートマスタDB3022は、「シートマスタID」フィールドと、「シート種別」フィールドと、「適用者属性」フィールドと、「マスタデータ」フィールドと、を含む。シートマスタDB3022は、評価シートのテンプレートの編集作業に先立って、予め準備されるデータベースである。
【0072】
「シートマスタID」フィールドには、評価シートのテンプレートのマスタを識別する情報が格納される。
【0073】
「シート種別」フィールドには、評価シートのテンプレートの内容によって区分された種別に関する情報が格納される。シート種別としては、例えば、目標評価シート、管理評価シートなどがある。
【0074】
「適用者属性」フィールドには、シートマスタIDに対応するマスタが適用される従業員の属性に関する情報が格納される。適用者の属性としては、従業員DB3021に格納されるいずれかの属性を設定することができる。例えば、従業員の役職によりマスタが適用される属性を区別してもよいし、従業員の評価クラスによりマスタが適用される属性を区別してもよい。
また、従業員属性のうち、複数の属性を掛け合わせた区分により、適用者属性を設定してもよい。例えば、「役職」と「評価クラス」とを掛け合わせた区分により、適用者属性を設定してもよい。
【0075】
「マスタデータ」フィールドには、シートマスタIDに対応するマスタのデータ、又は当該マスタにアクセスするためのリンクに関する情報が格納される。
なお、
図7に示すシートマスタDB3022の構造はあくまで例示であり、その他の項目を管理してもよい。
【0076】
(1-6-3)テンプレートDB3023
本実施形態のテンプレートDB3023について説明する。
図8は、本実施形態のテンプレートDB3023のデータ構造の一例を示す図である。
図8に示すように、テンプレートDB3023は、「テンプレートID」フィールドと、「タイトル」フィールドと、「シート種別」フィールドと、「シートマスタID」フィールドと、「管理者ID」フィールドと、「紐づけグループ」フィールドと、「作成日時」フィールドと、を備えている。テンプレートDB3023は、例えば、管理者による評価シートのテンプレートが新たに選定された際に、新たなレコードが記録される。
【0077】
「テンプレートID」フィールドには、評価シートのテンプレートを識別する情報が格納される。
【0078】
「タイトル」フィールドには、テンプレートIDに対応する評価シートのテンプレートのタイトルが格納される。テンプレートのタイトルとしては、例えば、「〇〇年度上期;評価対象者氏名」など、評価時期と対象者の氏名を含む情報が挙げられる。
【0079】
「シート種別」フィールドには、テンプレートIDに対応する評価シートのテンプレートのシート種別が格納される。
【0080】
「シートマスタID」フィールドには、テンプレートIDに対応する評価シートのテンプレートとして選定されたマスタの識別情報が格納される。
【0081】
「管理者ID」フィールドには、テンプレートIDに対応する評価シートのテンプレートの管理者として、例えば、当該テンプレートの編集作業を行った人事部門の担当者の従業員IDが格納される。
【0082】
「紐づけグループ」フィールドには、テンプレートIDに対応する評価シートのテンプレートが、ことして配布される入力担当者に関する紐づけグループの情報が格納される。紐づけグループについては後述する。
【0083】
「作成日時」フィールドには、テンプレートIDに対応する評価シートのテンプレートを管理者が作成した日時が格納される。
なお、
図8に示すテンプレートDB3023の構造はあくまで例示であり、その他の項目を管理してもよい。
【0084】
(1-6-4)評価項目マスタDB3024
本実施形態の評価項目マスタDB3024について説明する。システム1では、評価項目として、例えば、以下のように各種の入力方法による評価項目が準備されている。
・評価者又は評価対象者から入力された値を管理する評価項目
・評価者又は評価対象者から入力された値を変数とし、所定の評価スコアの計算式に入力することで算出された値を管理する評価項目
・従業員DB3021に格納された情報の参照値を管理する評価項目
評価項目マスタDB3024はこのような各種の評価項目の内容を項目ごとに記憶する。
【0085】
図8は、本実施形態の評価項目マスタデータDBのデータ構造の一例を示す図である。
図8に示すように、評価項目マスタDB3024は、「評価項目マスタID」フィールドと、「評価項目名称」フィールドと、「項目アイコンデータ」フィールドと、「入力方法」フィールドと、「入力欄データ」フィールドと、「参照DBアドレス」フィールドと、「計算式」フィールドと、を備えている。評価項目マスタDB3024は、評価シートの作成に先立って、予め準備されるデータベースである。
【0086】
「評価項目マスタID」フィールドには、評価シートを構成する評価項目のマスタを識別する識別情報である。
【0087】
「評価項目名称」フィールドには、評価項目マスタIDに対応する評価項目の名称が格納される。
【0088】
「項目アイコンデータ」フィールドには、評価項目マスタIDに対応する評価項目を画面上で示すアイコンデータが格納される。
【0089】
「入力方法」フィールドには、評価項目マスタIDに対応する評価項目への入力方法が格納される。評価項目の入力方法としては、例えば以下が挙げられる。
・手入力:評価者又は評価対象者から入力された値がそのまま入力される方法
・DB値参照:従業員DB3021に格納された情報を参照した値が入力される方法
・スコア算出:評価者又は評価対象者から入力された値を用いて計算式により算出した値が入力される方法
【0090】
「入力欄データ」フィールドには、評価項目マスタIDに対応する評価項目の入力欄マスタに関する情報が格納される。
【0091】
「参照DBアドレス」フィールドには、評価項目マスタIDに対応する評価項目において、入力方法が「DB値参照」である場合に、参照されるデータベースのアドレスに関する情報が格納される。例えば、以下の例が挙げられる。
・評価項目名称:「欠勤回数」
・入力方法:「DB値参照」
・参照DBアドレス:従業員DB3021における評価対象者の欠勤回数が記録されたアドレス情報
このように、従業員DB3021に格納されている情報については、従業員DB3021に格納される値を参照することで、評価者又は評価対象者による手入力を省略することができる。
【0092】
「計算式」フィールドには、評価項目マスタIDに対応する評価項目において、入力方法が「スコア算出」である場合に、スコアの算出に用いられる計算式に関する情報が格納される。例えば、以下の例が挙げられる。
・評価項目名称:「目標達成率」
・入力方法:「スコア算出」
・参照DBアドレス:目標達成率を算出するための関数(計算式)
なお、
図8に示す評価項目マスタDB3024の構造はあくまで例示であり、その他の項目を管理してもよい。
(1-6-5)入力欄マスタDB3025
本実施形態の入力欄マスタDB3025について説明する。
図11は、本実施形態の入力欄マスタDB3025のデータ構造の一例を示す図である。
図11に示すように、入力欄マスタDB3025は、「入力欄マスタID」フィールドと、「評価項目マスタID」フィールドと、「テンプレートID」フィールドと、「配置位置」フィールドと、「閲覧権限」フィールドと、「編集権限」フィールドと、「計算式」フィールドと、を備えている。入力欄マスタDB3025は、例えば、後述する評価シートのテンプレートに対するカスタマイズの処理において、評価項目に対応する入力欄の配置操作に応じて、新たなレコードが記録される。
【0093】
「入力欄マスタID」フィールドには、評価シートのテンプレートに配置される評価項目の入力欄マスタを識別する識別情報が格納される。
【0094】
「評価項目マスタID」フィールドには、入力欄マスタIDに対応する入力欄マスタが該当する評価項目マスタの識別情報が格納される。
【0095】
「評価シートID」フィールドには、入力欄マスタIDに対応する入力欄マスタが配置されている評価シートのテンプレートの識別情報が格納される。
【0096】
「配置位置」フィールドには、入力欄マスタIDに対応する入力欄マスタが、評価シートのテンプレート上に配置された位置に関する情報が格納される。
【0097】
「閲覧権限」フィールドには、入力欄マスタIDに対応する入力欄マスタについて、閲覧権限を有する従業員に関する情報が格納される。閲覧権限としては、本人、一次評価者、二次評価者、管理者などから選択することができる。
【0098】
「編集権限」フィールドには、入力欄マスタIDに対応する入力欄マスタについて、編集権限を有する従業員に関する情報が格納される。編集権限としては、本人、一次評価者、二次評価者、管理者などから選択することができる。
【0099】
「計算式」フィールドには、入力欄マスタIDに対応する入力欄マスタへの入力方法が、スコア算出である項目について、スコア算出に用いられる計算式が格納される。計算式は、評価項目マスタとして登録されていた計算式に対して、必要な編集が行われた式が格納される。
なお、
図11に示す入力欄マスタDB3025の構造はあくまで例示であり、その他の項目を管理してもよい。
【0100】
(1-6-6)評価シートDB3026
本実施形態の評価シートDB3026について説明する。
図10は、本実施形態の評価シートDB3026のデータ構造の一例を示す図である。
図10に示すように、評価シートDB3026は、「評価シートID」フィールドと、「評価対象者ID」フィールドと、「テンプレートID」フィールドと、を備えている。評価シートDB3026は、例えば、評価シートのテンプレートに対して後述するカスタマイズが終了し、評価対象者ごとに配布されるタイミングで、新たなレコードが記録される。
【0101】
「評価シートID」フィールドには、評価シートごとに固有の識別情報が格納される。
【0102】
「評価対象者ID」フィールドには、評価シートIDに対応する評価シートにおいて評価対象となる従業員の識別情報が格納される。
【0103】
「テンプレートID」フィールドには、評価シートIDに対応する評価シートにおいて、ひな形となるテンプレートの識別情報が格納される。
なお、
図10に示す評価シートDB3026の構造はあくまで例示であり、その他の項目を管理してもよい。
【0104】
(1-6-7)評価結果DB3027
本実施形態の評価結果DB3027について説明する。
図12は、本実施形態の評価結果DB3027のデータ構造の一例を示す図である。
図12に示すように、評価結果DB3027は、「入力欄固有ID」フィールドと、「入力欄マスタID」フィールドと、「評価シート」フィールドと、「入力値」フィールドと、「入力者ID」フィールドと、「入力日時」フィールドと、を備えている。評価結果DB3027は、個別の評価シートを構成する各項目の入力欄への入力により、新たなレコードが記録されるデータベースである。
【0105】
「入力欄固有ID」フィールドには、各評価対象者における評価シートごとの評価項目の入力欄(固有の入力欄)を識別する識別情報が格納される。
【0106】
「入力欄マスタID」フィールドには、入力欄固有IDに対応する評価項目の固有の入力欄が該当する評価項目マスタの識別情報が格納される。
【0107】
「評価シートID」フィールドには、入力欄固有IDに対応する評価項目の固有の入力欄が配置された評価シートの識別情報が格納される。
【0108】
「入力値」フィールドには、評価結果IDに対応する評価項目についての評価値が格納される。評価値は、以下の3つを含む。
・入力欄に入力された値
・データベースから参照された値
・計算式を用いて算出された値
【0109】
入力欄に入力された情報には、例えば評価者から入力された実績に関する自己アピール、および評価者から入力された評価結果に関する情報が含まれる。
データベースから参照された値には、従業員DB3021を参照して自動入力された情報が含まれる。
計算式を用いて算出された値には、他の入力欄に入力された値を変数として、設定された計算式を用いて自動算出された評価スコアの値を含む。
【0110】
「入力者ID」フィールドには、評価結果IDに対応する評価項目の入力欄について、入力を行った従業員の識別情報が格納される。
【0111】
「入力日時」フィールドには、評価結果IDに対応する評価項目の入力欄について、入力操作が行われた日時に関する情報が格納される。
なお、
図12に示す評価結果DB3027の構造はあくまで例示であり、その他の項目を管理してもよい。
【0112】
(1-6-8)ワークフローDB3028
本実施形態のワークフローDB3028について説明する。
図13は、本実施形態のワークフローDB3028のデータ構造の一例を示す図である。
図13に示すように、ワークフローDB3028は、「ワークフローID」フィールドと、「評価対象者ID」フィールドと、「一次評価者ID」フィールドと、「二次評価者ID」フィールドと、「最終評価者ID」フィールドと、「紐づけグループID」フィールドと、を備えている。
【0113】
ワークフローDB3028は、例えば、管理者端末20により管理者から入力された個別の評価シートごとの入力担当者に関する情報を、入力する順番とともに取得する処理と、取得した入力担当者の順番に基づいて、個別の評価シートへの入力の順番(当該評価シートが送り渡される順番)を示すワークフローを作成する処理と、により構築される。
ワークフローDB3028は、例えば、評価シートのテンプレートが完成し、当該テンプレートが適用される個別の評価シートを配布するタイミングで作成される。
【0114】
「ワークフローID」フィールドには、評価シートが入力される順番を示すワークフローを識別する情報が格納される。
【0115】
「評価対象者ID」フィールドには、ワークフローIDに対応するワークフローにおける評価対象者の識別情報が格納される。
【0116】
「一次評価者ID」フィールドには、ワークフローIDに対応するワークフローにおける一次評価者の識別情報が格納される。
【0117】
「二次評価者ID」フィールドには、ワークフローIDに対応するワークフローにおける二次評価者の識別情報が格納される。
【0118】
「最終評価者ID」フィールドには、ワークフローIDに対応するワークフローにおける最終評価者の識別情報が格納される。
【0119】
「紐づけグループID」フィールドには、ワークフローIDに対応するワークフローが該当する紐づけグループの識別情報が格納される。紐づけグループについては後述する。
なお、
図13に示すワークフローDB3028の構造はあくまで例示であり、その他の項目を管理してもよい。
【0120】
(2)実施形態の概要
本実施形態の概要について、
図14から
図16を用いて説明する。まず、システム1における評価シートの作成手順について説明する。
【0121】
(2-1)評価シートの作成手順
図14は、本発明の実施形態の概要のうち、評価シートの作成手順を示す図である。
図14示すように、システム1では、シートマスタDB3022に格納されている複数のマスタから、管理者が手動または自動により、採用する評価シートのマスタを一つ選択する。
そして、選択したマスタを、評価シートのテンプレートとするために、必要なカスタマイズ処理を行う。カスタマイズ処理としては、評価シートを構成する評価項目を選択肢、該当する入力欄マスタを、テンプレート上の任意の位置に配置する操作を行う。
【0122】
管理者は、評価シートが所期する評価項目により構成されるように、評価シートのカスタマイズを行ったうえで、評価対象者に対して配布する。この際、テンプレートが適用された個別の評価シートが評価対象者にネットワーク経由で従業員端末10に対して配布される。
各評価シートは、テンプレートごとに予め設定された紐づけグループに含まれる入力担当者(評価対象者および評価者を含む)に対してワークフローで設定された順番に沿って送り渡される。
【0123】
ここで、紐づけグループとは、所定のテンプレートが適用される全ての個別の評価シートそれぞれにおける評価フェーズごとの全ての入力担当者により構成されるグループである。すなわち、紐づけグループには、個別の評価シートごとのワークフローに含まれる全ての入力担当者により構成される。
紐づけグループは、当該テンプレートに対して設定され、テンプレートが適用される全ての入力担当者を含む情報である。このような、評価シートと入力担当者の紐づけについて、
図15を用いて説明する。
【0124】
具体的には、評価者が入力をした後に、一次評価者に送り渡され、一次評価者が評価結果を入力した後に、二次評価者に送り渡される。これを最終評価者まで繰り返す。最終評価者からの評価結果の入力が済むことで、評価シートを用いた評価対象者への評価が完了する。なお、ワークフローに従わずに、グループに含まれる入力担当者に対して、同じタイミングで一斉に評価シートを配布してもよい。
【0125】
(2-2)評価シートと入力担当者の紐づけ
図15は、本発明の実施形態の概要のうち、評価シートと入力担当者の紐づけについて示す図である。
図15に示すように、システム1では、評価シートのテンプレートに対して、当該テンプレートが適用される評価シートの入力担当者を示す紐づけグループが設定されている。
【0126】
図15の上段に示す例では、営業部門用の目標評価シートおよび面談シートが、営業部門(紐づけグループA)に紐づけられている。この場合、営業部門用の目標評価シートおよび面談シートは、紐づけグループAに該当する入力担当者に送り渡される。具体的には、当該2つのシートは、紐づけグループAに含まれる全てのワークフローに沿って、順番に送り渡される。
【0127】
一方、
図15の中段に示す例では、開発部門用の目標評価シートおよび面談シートは、開発部門(紐づけグループB)に紐づけられている。このため、開発部門用の目標評価シートおよび面談シートは、紐づけグループBに該当する入力担当者に送り渡される。具体的には、当該2つのシートは、紐づけグループBに含まれる全てのワークフローに沿って、順番に送り渡される。
【0128】
また、紐づけグループは、組織ごとに設定しなくてもよい。
図15の下段に示す例では、管理者用の管理評価シートおよび面談シートが、紐づけグループGに紐づけられている。紐づけグループGの評価対象者は、各部門の管理職者となっている。この場合、管理者用の管理評価シートおよび面談シートは、紐づけグループGに該当する入力担当者に送り渡される。具体的には、当該2つのシートは、紐づけグループGに含まれる全てのワークフローに沿って、順番に送り渡される。
【0129】
このように、システム1では、評価シートのテンプレートに紐づける紐づけグループとして、管理者が入力担当者を任意に設定することができる。一度設定した紐づけグループは、他の評価シートに対しても適用することができる。
【0130】
(2-3)評価シートの具体例
図16は、システム1における評価シートの一例を示す図である。
図16に示すように、システム1が管理する評価シートは、評価対象者に関する各種の評価項目ごとの入力欄により構成されている。システム1では、評価シートのテンプレートごとに評価項目の入力欄マスタの種類および配置位置を管理者により編集可能とすることで、評価シートのテンプレートを自由にカスタム可能としている。また、システム1では、評価シートのテンプレートのマスタが予め複数準備されており、管理者は使用したいマスタを選択し、編集を行うことで、最適なレイアウトの評価シートを用いることができる。
【0131】
図16に示す評価シートを編集する作業では、評価項目を示すアイコンを選択可能に表示する候補リスト欄D1が、評価シートのテンプレートと同一画面の右側に配置されている。管理者は、アイコンの表示画面である候補リスト欄D1から、自身が配置したい評価項目に該当するアイコンを選択し、評価シートのテンプレート上の任意の位置に、当該評価項目に対応する入力欄マスタを配置していくことができる。管理者はこの作業を繰り返し、適切な評価シートのテンプレートのレイアウトを完成させる。
【0132】
また、システム1では、評価シートを構成する全ての項目の入力欄マスタごとに操作権限の設定を行うことができる。システム1における操作権限には、以下が含まれる。
・閲覧権限:項目の入力欄に入力された値を表示させる権限
・編集権限:項目の入力欄に新たな値を入力する権限
すなわち評価シートが使用される場面においては、例えば、目標値等の入力において、評価対象者が自身で設定した内容を入力する場合と、人事部などの管理部門が評価対象者に期待する内容を入力する場合がある。このため、入力欄への操作権限については細かく設定したいという要望がある。システム1では、入力欄ごとに、閲覧権限および編集権限それぞれについて、個別に設定を行うことができる。
【0133】
また、システム1では、評価シートのテンプレートに対して紐づけグループを設定することで、評価シートの入力担当者を設定することができる。具体的には、テンプレートに設定された紐づけグループに含まれるワークフローに沿って、当該テンプレートが適用された各評価シートが送り渡される。
【0134】
また、システム1では、評価対象となる複数の従業員について、複数の評価項目のうち、同一の評価項目に関する入力欄を評価者端末10Bにおいて並べて表示する機能を有し、評価者が相対評価を行う際に当該機能を用いることができる。
【0135】
また、システム1では、従業員DB3021に含まれる管理項目の情報については、評価者又は評価対象者からの入力を受け付けることなく、従業員DB3021に記録された情報を参照することで、当該情報の入力操作を省略させる機能を有している。
例えば、以下の情報については、従業員DB3021に最新情報が格納されている。
・前期の評価結果に関する情報
・評価対象期間における勤怠情報(例えば遅刻の回数等)
・eNPS値などの、他の定期的なアンケートにより取得された情報
これらの値については、評価者又は評価対象者が最新の情報を個別に確認して入力するよりも、最新情報が格納されているデータベースから参照する方が効率的かつ正確である。このため、システム1では、評価シートの項目の入力欄に、従業員DB3021に記憶される情報の参照値が自動で入力される機能を備えている。
このような評価シートの編集を含むシステム1の処理について詳述する。
【0136】
(3)システム1の処理
次に、本実施形態の処理について説明する。
図17は、システム1による評価シートの処理の前半におけるフローを説明する図である。
【0137】
(3-1)評価シートのテンプレートの作成処理の前半
図17に示すように、まず、管理者端末20は、管理者からの評価シートの作成指示を受け付ける(ステップS101)。
具体的には、管理者が評価対象者についての評価シートを作成する旨の操作を、管理者端末20を用いて行う。評価シートの作成指示は、管理者端末20からサーバ30に送信される。
【0138】
ステップS101の後に、サーバ30は、管理者端末20から送信された作成指示を受領する(ステップS201)。
具体的には、サーバ30のプロセッサ32は、通信インタフェース34を介して、管理者端末20から出力された作成指示を取得する。
【0139】
ステップS101の後に、管理者端末20は、評価シートのマスタの種別を特定可能な情報の入力操作を受け付ける(ステップ102)。
具体的には、管理者が、「目標評価シート」や「管理評価シート」といった、評価シートのマスタのうち、テンプレートの作成のベースとするマスタを特定可能な情報を入力する。管理者端末20は、入力された情報を、サーバ30に送信する。評価シートの種別に関する情報は、例えば管理者端末20に表示された選択肢から選択される方法で入力されてもよい。
【0140】
ステップS102の後に、サーバ30は、ステップ102において入力されたシート種別を特定可能な情報を取得する(ステップS202)。
具体的には、サーバ30のサーバ30のプロセッサ32は、通信インタフェース34を介して、シート種別を特定可能な情報を取得する。
【0141】
ステップS202の後に、管理者端末20は、評価シートのテンプレートが適用される評価対象者の属性情報の入力操作を受け付ける(ステップ103)。
具体的には、管理者が、「営業部門」や「開発部門」といった、今回のカスタマイズにより作成されるテンプレートが適用される従業員の属性を入力する。管理者端末20は、入力された情報を、サーバ30に送信する。評価シートの種別に関する情報は、例えば管理者端末20に表示された選択肢から選択される方法で入力されてもよい。
【0142】
ステップS103の後に、サーバ30は、ステップ103において入力されたテンプレートが適用される従業員の属性を取得する(ステップS203)。
具体的には、サーバ30のサーバ30のプロセッサ32は、通信インタフェース34を介して、テンプレートが適用される従業員の属性を取得する。
【0143】
ステップS203の後に、サーバ30は、管理者がカスタマイズするベースとなるマスタを選定する(ステップS204)。
具体的には、サーバ30の選定モジュール3032は、取得したシート種別に関する情報、および作成されるテンプレートが適用される従業員の属性に関する情報を用いて、シートマスタDB3022において、当該2つの情報に該当するシートマスタIDを特定する。この際、選定モジュール3032は、選定したマスタについて、新たな評価シートのテンプレートとしてのレコードを、テンプレートDB3023に記録する。この際、評価シートのタイトルについては、管理者からの情報の入力を新たに受け付けてもよい。
この際、テンプレートDB3023の各フィールドのうち、以下のフィールドに値が記録される。
・「テンプレートID」フィールド
・「タイトル」フィールド
・「シート種別」フィールド
・「シートマスタID」フィールド
・「管理者ID」フィールド
・「作成日時」フィールド
なお、この段階では、「紐づけグループID」は空欄となっている。
【0144】
ステップS204の後に、サーバ30は、選定したマスタを新たなテンプレートとして出力する(ステップS205)。
具体的には、サーバ30の出力モジュール3035は、選定モジュール3032が選定したマスタを示す画像データを生成して、管理者端末20との間で構築された論理回路に対して新たなテンプレートとして出力する。この際、テンプレートは、構成する項目の候補リストとともに出力される。
【0145】
ステップS205の後に、管理者端末20は、評価シートのマスタを表示する(ステップS104)。
具体的には、管理者端末20のプロセッサ22は、サーバ30が出力したマスタを示す画像データをディスプレイ15に表示する。この際、管理者端末20に表示される画面P10については後述する。
【0146】
ステップS104の後に、管理者端末20は、テンプレートの編集を行う(ステップS105)。また、ステップS105と対応して、サーバ30は、テンプレートの作成を行う(ステップS206)。ステップS105およびステップS206の詳細については、
図18を用いて詳述する。
【0147】
(3-2)テンプレートの編集処理の詳細
次に、評価シートの編集処理の詳細について説明する。
図18は、システム1における評価シートのテンプレートの編集処理の詳細のフローを説明する図である。
図18に示すように、評価シートのテンプレートの編集処理では、管理者端末20が、テンプレートに配置する項目の選択操作の受付を行う(ステップS1051)。
具体的には、管理者は、管理者端末20を操作して、
図16の右側に表示された項目の候補リスト欄D1から、編集中のテンプレートに配置するべき項目を選択する。管理者端末20は、項目の選択操作をサーバ30に対して送信する。
【0148】
ステップS1051の後に、サーバ30は、ステップS1051において管理者端末20から送信された項目の選択指示を受領する(ステップS2061)。
具体的には、サーバ30の編集モジュール3033は、評価項目マスタDB3024を参照して、選択された項目に該当する評価項目マスタを特定する。
【0149】
ステップS2061の後に、管理者端末20は、位置の指定操作を受け付ける(ステップS1052)。
具体的には、管理者は、管理者端末20を操作して、既に選択した項目の位置を指定する操作を行う。管理者端末20は、項目の位置の指定操作をサーバ30に対して送信する。
【0150】
ステップS1052の後に、サーバ30は、ステップS1052において管理者端末20から送信された項目の位置を受領する(ステップS2062)。
具体的には、サーバ30の編集モジュール3033は、特定した評価項目マスタについて、入力欄マスタDB3025における新たなレコードとして記録する。
【0151】
この際、入力欄マスタDB3025の各フィールドのうち、以下のフィールドに値が記録される。
・「入力欄マスタID」フィールド
・「評価項目マスタID」フィールド
・「テンプレートID」フィールド
・「配置位置」フィールド(指定された位置を示す情報)
・「計算式」フィールド(デフォルト値として評価項目マスタDB3024より参照)
【0152】
ステップS2062の後に、サーバ30は、評価シートのテンプレートにおける指定された位置に選択された項目に対応する入力欄を配置する(ステップS2063)。
具体的には、サーバ30の編集モジュール3033は、指定された位置に指定された評価項目の入力欄が表示されるように、評価シートのテンプレートのデータを改変する。
その後、サーバ30の出力モジュール3035が、改変した評価シートのテンプレートを示す画像データを、管理者端末20との間で構築された論理回路に対して出力する。
【0153】
ステップS2063の後に、管理者端末20は、編集後の評価シートのテンプレートを表示する(ステップS1053)。
具体的には、管理者端末20のプロセッサ22は、サーバ30が出力した改変された評価シートのテンプレートを示す画像データをディスプレイ15に表示する。この際、管理者端末20に表示される画面P11については後述する。なお、実際には、管理者端末20における管理者による項目を示すアイコンに対するドラッグ&ドロップの操作により、項目の選択と位置の指定、および指定された位置への当該項目に相当する入力欄の表示の操作は、一連の操作として連続的に行われる。
【0154】
ステップS1053の後に、管理者端末20は、ステップS1051からステップS1053の操作評価シートが完成するまで繰り返す(ステップS1054)。
具体的には、管理者が、自身が求める評価シートの構成となるように、
図16に示す項目の候補リスト欄D1からの選択と位置の指定の操作を繰り返すことで、評価シートのテンプレート上に、選択された項目が指定された位置に配置されていく。この際、管理者端末20に表示される画面P12については後述する。
【0155】
ステップS1054の後に、管理者端末20は、計算式の入力を受け付ける(ステップS1055)。
具体的には、管理者は、管理者端末20を操作して、テンプレート上に既に配置した項目について、入力方法がスコア算出であるものについて、スコアを算出するための計算式の入力を行う。計算式の入力では、項目評価マスタとして、評価項目マスタDB3024に予め記録されている計算式を表示し、管理者により必要な編集を行うことにより行われる。なお、評価項目マスタDB3024に予め記録されている計算式に対して編集を行うことなく、計算式として設定してもよい。この際、管理者端末20に表示される画面P13については後述する。計算式の入力操作は、評価シートに含まれる入力方法がスコア算出である全ての項目について行われる。
【0156】
ステップS1054の後に、サーバ30は、ステップS1055において入力された計算式を設定する(ステップS2064)。
具体的には、サーバ30の編集モジュール3033は、計算式が編集された場合には、新たな計算式をテンプレートDB3023の「計算式」フィールドに記録する。一方、編集モジュール3033は、計算式が編集されなかった場合には、評価項目マスタDB3024を参照して、評価項目IDに対応する計算式の値を、テンプレートDB3023の「計算式」フィールドに記録する。計算式の設定は、評価シートに含まれる入力方法がスコア算出である全ての項目について行われる。
以上により、評価シートの編集処理が終了する。
【0157】
(3-3)評価シートのテンプレートの作成処理の後半
次に、評価シートの作成の後半について説明する。
図19は、システム1における評価シートの作成処理の後半におけるフローを説明する図である。
【0158】
図19に示すように、評価シートの作成処理の後半では、管理者端末20が操作権限の設定を受け付ける(ステップS106)。
具体的には、管理者は、管理者端末20を操作して、評価シートを構成する全ての項目について、操作権限に含まれる閲覧権限と編集権限それぞれについて、入力操作を行う。操作権限の入力方法としては、例えば以下の方法が挙げられる。
・各権限がある者として、評価対象者、一次評価者、二次評価者といった評価フローでの入力担当者を設定する手法
・各権限がある者として、役員、管理職者などのように、役職を設定する手法
・各権限がある組織として、評価対象者の所属部者又は人事部などの管理部門のように部署を設定する手法
・閲覧権限と編集権限を同一にする手法
・これらの各手法の組み合わせ
この際、管理者端末20に表示される画面P14については後述する。管理者端末20は、各項目の入力欄ごとに設定された権限についての情報をサーバ30に送信する。
【0159】
ステップS106の後に、サーバ30は、ステップS106において管理者端末20から送信された情報に基づいて操作権限の設定を行う(ステップS208)。
具体的には、サーバ30の編集モジュール3033は、管理者端末20から送信された各項目の入力欄ごとの権限についての情報を、入力欄マスタDB3025に記録する。編集モジュール3033は、指定された入力欄が該当する入力欄マスタIDと紐づけられた閲覧権限および編集権限の各フィールドに、入力された権限についての情報を格納する。すなわち、システム1では、評価シートのテンプレートにおいて一律に、入力欄ごとに閲覧権限および操作権限が個別に設定可能となっている。このため、当該テンプレートが適用された個別の評価シートそれぞれにおいて、同様の操作権限が適用されることとなる。
【0160】
ステップS208の後に、管理者端末20は、紐づけグループの指定操作を受け付ける(ステップS107)。
具体的には、管理者は、管理者端末20を操作して、評価シートのテンプレートに紐づける紐づけグループを指定する操作を行う。紐づけグループの指定方法としては、例えば以下の方法が挙げられる。
・既に設定された紐づけグループを指定する方法
・新たに紐づけグループを構成するワークフローを作成する方法
管理者端末20は、指定された紐づけグループに関する情報をサーバ30に送信する。
【0161】
ステップS107の後に、サーバ30は、ステップS107において管理者端末20から送信された情報に基づいて、評価シートのテンプレートに対して紐づけグループを設定する(ステップS209)。
具体的には、サーバ30の編集モジュール3033は、管理者端末20から送信された紐づけグループに関する情報を、テンプレートDB3023に記録する。
これにより、評価シートのテンプレートが完成し、社内の評価活動に使用可能な状態となる。
【0162】
ステップS209の後に、管理者端末20は、評価シートの配布指示の操作の受付を行う(ステップS108)。
具体的には、管理者は、管理者端末20を操作して、評価シートの配布指示に関する操作を行う。この際、管理者は、以下の情報を併せて入力することができる。
・配布される評価シートに適用されるテンプレートの識別情報
・評価シートへの回答者ごとの入力期限
・評価対象期間
管理者端末20は、配布指示をサーバ30に送信する。
【0163】
ステップS108の後に、サーバ30は、ステップS108において管理者端末20から送信された配布指示を受領する(ステップS210)。
具体的には、サーバ30の入力指示モジュール3034は、管理者端末20から送信された配布指示に含まれる、適用されるテンプレートの識別情報から、テンプレートDB3023を参照して、該当するテンプレートを特定する。
入力指示モジュール3034は、テンプレートDB3023の紐づけグループID「フィールド」を参照して、配布先となる紐づけグループを特定する。
【0164】
入力指示モジュール3034は、ワークフローDB3028を参照して、特定した紐づけグループに相当するワークフローを全て特定し、各ワークフローにおける評価対象者IDを全て抽出する。
入力指示モジュール3034は、抽出した評価対象者IDを用いて、評価シートDB3026に新たなレコードを記録する。この際、評価対象者IDごとに評価シートIDが新たに付与される。「テンプレートID」フィールドには、指定されたテンプレートの識別情報が格納される。
【0165】
入力指示モジュール3034はさらに、評価結果DB3027に新たなレコードを記録する。
具体的には、入力指示モジュール3034は、入力欄マスタDB3025を参照して、指定されたテンプレートIDに該当する入力欄マスタIDを全て特定する。これにより、テンプレート上に配置された全ての項目に関する入力欄マスタが特定される。
入力指示モジュール3034は、特定した入力欄マスタIDそれぞれに対して、新たに付与された入力欄マスタ固有IDと紐づけて、「評価シートID」フィールドの値とともに、に、個別の評価シートにおける固有の入力欄ごとの情報が格納される評価結果DB3027の新たなレコードを記録する。
【0166】
(3-4)評価シートへの入力処理
次に、評価シートへの入力処理について説明する。
図21は、システム1における評価シートへの入力処理のフローを説明する図である。
図21に示すように、評価シートへの入力処理では、サーバ30が、従業員端末10に対して評価シートへの入力指示を行う(ステップS301)。
具体的には、サーバ30の出力モジュール3035は、評価活動における最初の評価フェーズとして、評価対象者からの実績報告と自己アピールの入力を受け付けるために、評価対象者端末10Aに対して、評価シートへの入力指示を出力する。
サーバ30の、入力指示モジュール3034は、テンプレートに対して設定された紐づけグループに含まれる評価対象者に対して、テンプレートに基づく個別の評価シートを送信する。
【0167】
ステップS301の後に、評価対象者端末10Aは、ステップS301においてサーバ30から出力された評価シートへの入力指示を受領する(ステップS401)。
具体的には、評価対象者端末10Aのプロセッサ12は、評価シートへの入力指示として、以下の情報を受領する。
・評価シートへの入力期限
・評価対象期間
・評価シートにアクセスするリンク情報(例えばURL情報など)
【0168】
ステップS401の後に、評価対象者端末10Aは、評価シートへの評価対象者からの入力操作を受け付ける(ステップS402)。
具体的には、評価対象者端末10Aのプロセッサ12は、ディスプレイ15に評価シートを表示し、評価対象者からの各項目の入力欄への入力操作を受け付ける。プロセッサ12は、受け付けた入力情報をサーバ30に送信する。
【0169】
この際、評価対象者は、入力内容を直接入力することなく、従業員DB3021に格納された情報を引用して入力することができる。
具体的には、評価対象者は、評価シートに設定された入力欄に対して、従業員DB3021に含まれる管理項目を指定する。サーバ30は、指定された管理項目を受け付ける。サーバ30の編集モジュール3033は、指定された管理項目について、従業員DB3021を参照して、該当する値を、当該入力欄に入力する処理を行う。これにより、評価対象者が直接入力する手間を削減することができる。
【0170】
ステップS402の後に、サーバ30は、ステップS402において評価対象者端末10Aから送信された回答を受領する(ステップS302)。
具体的には、サーバ30の編集モジュール3033は、評価対象者端末10Aから送信された入力情報を、評価結果DB3027における入力値フィールドに格納し、入力者IDおよび入力日時を記録する。編集モジュール3033は、評価対象者端末10Aに入力された全ての入力情報について、評価結果DB3027に記録する。
【0171】
ステップS302の後に、サーバ30は、評価結果の入力指示を行う(ステップS303)。
具体的には、サーバ30は、評価対象者からの回答を受けて、次の評価フェーズとして、一次評価者からの一次評価の入力を受け付けるために、評価者端末10Bに対して、評価シートへの評価結果の入力指示を出力する。
【0172】
ステップS303の後に、評価者端末10Bは、ステップS303においてサーバ30から出力された評価シートへの入力指示を受け付ける(ステップS501)。
具体的には、評価者端末10Bのプロセッサ12は、評価シートへの入力指示として、以下の情報を受領する。
・評価対象者の氏名
・評価シートへの入力期限
・評価対象期間
・評価シートにアクセスするリンク情報(例えばURL情報など)
【0173】
ステップS501の後に、評価者端末10Bは、ステップS501において評価者端末10Bから出力された比較表示指示を受け付ける(ステップS502)。なお、この指示は、必要に応じて行われる処理である。
具体的には、評価者は、評価対象となる項目が、部署内での相対評価が好ましい内容である場合に、自身が評価対象とする複数の従業員について、同一の評価項目に関する入力欄を、並べて表示する旨の指示(比較表示指示)を評価者端末10Bに入力する。この際、評価者は、比較表示を行う項目、および比較対象となる従業員の範囲の指定を受け付ける。
評価者端末10Bのプロセッサ12は、入力された比較表示指示をサーバ30に送信する。
【0174】
ステップS502の後に、サーバ30は、比較表示処理を実行する(ステップS304)。
具体的には、サーバ30の出力モジュール3035は、指定された範囲の従業員について、指定された項目の入力欄について並べて表示を行う。この際、評価者端末10Bに表示される画面P15については後述する。
【0175】
ステップS304の後に、評価者端末10Bは、評価者からの入力操作を受け付ける(ステップS503)。
具体的には、評価者端末10Bは、ディスプレイ15に比較表示された評価項目の入力欄に対する評価結果の入力操作を受け付ける。評価者端末10Bのプロセッサ12は、受け付けた入力情報をサーバ30に送信する。
【0176】
ステップS503の後に、サーバ30は、ステップS304において評価者端末10Bから送信された評価シートへの評価者からの回答を受領する(ステップS305)。
具体的には、サーバ30の編集モジュール3033は、評価者端末10Bから送信された入力情報を、評価結果DB3027における入力値フィールドに格納し、入力者IDおよび入力日時を記録する。編集モジュール3033は、評価対象者端末10Aに入力された全ての入力情報について、評価結果DB3027に記録する。
【0177】
その後、サーバ30は、設定されたすべての評価者らの回答が得られるように、次の評価者に対して、ステップS303と同様に評価結果の入力指示を送信する。この処理を、設定された全ての評価者からの回答が得られるまで繰り返す。
以上により、評価シートへの入力処理が終了する。評価シート入力が全て完了した場合には、サーバ30は、管理者端末20に対して、その旨を通知する。これにより、評価シートへの入力処理が終了する。
【0178】
(4)画面例
次に、システム1の画面例について説明する。
【0179】
(4-1)第1画面例
図21は、システム1における第1画面例を示す図である。
第1画面例は、
図17に示すステップS104において管理者端末20に対して表示されるマスタの画面(P10)と対応している。この図では、既に一つの項目のアイコンATが配置されている。
第1画面例に示すマスタには、評価対象者を特定する情報が記載された評価対象者欄A1と、評価シートのテンプレートを構成する項目を選択するために表示された項目の候補リスト欄D1と、候補リスト欄D1から選択されて配置された各項目により構成される評価項目欄A2と、により構成されている。
【0180】
管理者は、候補リスト欄D1に表示された複数の項目から、評価シートを構成する項目を選択し、項目を表示するアイコンを、例えばドラッグ&ドロップの操作により、評価項目欄A2における適切な位置に配置していくことができる。
【0181】
(4-2)第2画面例
図22は、システム1における第2画面例を示す図である。
第2画面例は、
図18に示すステップS1053において管理者端末20に対して表示される画面であり、評価項目を評価シートのテンプレートに配置した状態の画面(P11)と対応している。
第2画面例では、管理者からドラッグ&ドロップの操作により、候補リスト欄D1から評価シートのテンプレートに配置された項目ATに対応する入力欄ICが、評価項目欄A2の内部に新たに表示されている。
【0182】
(4-3)第3画面例
図23は、システム1における第3画面例を示す図である。
第3画面例は、
図18に示すステップS1054において管理者端末20に対して表示される画面であり、評価シートのテンプレートに対する評価項目の配置操作を複数回にわたって繰り返した状態の画面(P12)と対応している。
【0183】
第3画面例では、管理者から複数回のドラッグ&ドロップの操作により候補リスト欄D1から、評価シートに配置された項目がさらに追加され、評価シートにおける評価項目欄A2の内容が第2画面例に比べて増加している。
【0184】
(4-4)第4画面例
図24は、システム1における第4画面例を示す図である。
第4画面例は、
図18に示すステップS1055において管理者端末20に対して表示される画面であり、評価項目の計算式の入力を受け付ける状態の画面(P13)と対応している。
【0185】
第4画面例では、評価者からの入力値を変数として設定可能な関数である計算式を設定・編集可能となっている。評価シートの左側には、計算式を編集する計算式設定欄A3が表示されている。計算式の編集では、予め評価項目マスタとして記憶されたデフォルト値(編集前の計算式)を基準にして必要な編集を行うことができる。
この図において入力欄X、Y、Zが、評価者からの評価結果が入力される入力欄となっている。これに対して、ポイント合計を示すスコア欄Sには、評価項目欄A2において設定される入力欄X、Y、Zを変数とする関数により算出されるスコアが表示される仕様となっている。
【0186】
計算式設定欄A3には、計算式となる関数の設定の他、詳細設定として単位の設定や有効数字の桁数の設定が可能となっていてもよい。
また、計算式の設定では、計算式を構成する各変数に対して重みづけを行う係数(ウェイトの入力欄W1~W3の表示されている。なお、ウェイトについては、入力項目ごとに設定できるとともに、従業員の属性に応じて予め一律に設定することもできる。このようなウェイトの属性に応じた設定について説明する。
【0187】
(4-5)第5画面例
図25は、システム1における第5画面例を示す図である。
第5画面例は、第4画面例において符号W4で示すウェイトの属性に応じた設定の表示をクリックした際に、画面遷移により表示される画面である。
【0188】
第5画面例では、計算式に代入される変数ごとのウェイトが、評価対象者の属性に応じて一律に設定することができる。第5画面例では、上部に属性を選択可能な属性選択欄B1が表示されている。すなわち、従業員の属性に応じたウェイトの設定は、従業員DB3021に記憶される様々な属性を用いて任意に設定することができる。図示の例では、従業員の等級による設定が行われている。
【0189】
図25に示すように、第5画面例では、ウェイト設定欄B2において、従業員の属性(等級)ごとに、評価スコアの計算式を構成する評価値である変数それぞれに対するウェイトを設定することができる。例えば、一般社員においては自身の成果を上げることが要求され、組織における立場が上がるにつれて、後進の育成やマネジメントなど、組織全体への貢献が要求されるようになることが一般的である。このため、システム1では、従業員の属性に応じて計算式の変数を一律に設定することで、評価対象者の立場に即した評価指標を多様に設定できるようになっている。
【0190】
(4-6)第6画面例
図26は、システム1における第6画面例を示す図である。
第6画面例は、
図19に示すステップS106において管理者端末20に対して表示される画面であり、テンプレートの評価項目の入力欄ごとの操作権限の設定操作を受け付ける状態の画面(P14:権限設定画面)と対応している。
【0191】
第6画面例では、評価シートの項目ごとに、操作権限として、以下の3つを選択可能となっている。
・閲覧可能(閲覧権限のみあり)
・閲覧不可(閲覧も編集もできない)
・編集可能(閲覧も編集も可能)
図示の例では、操作権限を設定する画面において、付与したい権限を選択したうえで、評価項目欄A2に表示される各入力欄をクリックしていくことで、上記のいずれの設定にするかを選択することができる。図示の例では、閲覧権限を付与する入力画面となっている。
【0192】
このため、例えば目標達成率を評価するような場面において、評価対象期間の当初に設定していた目標値の入力については、評価対象者による編集を可能とする。一方、目標達成率などの評価結果については、評価対象者による編集は受け付けないといった細かな操作権限の設定が可能となる。また、一次評価者からの評価結果をその後の評価者に閲覧不可とすることで、先に入力された評価結果に後の評価者が左右されずに、それぞれの評価者から独立した評価結果の入力をさせることが可能となり、より客観的な評価に資することができる。
【0193】
また、システム1では、評価シートのテンプレートの操作権限について、入力担当者ごとに、閲覧権限および操作権限それぞれを設定することができる。
権限設定画面の左側には、担当者選択欄A4が表示されている。担当者選択欄A4に表示されている担当者を選択することで、選択された当該担当者における操作権限を設定することができる。図示の例では、評価対象者の操作権限を設定する入力画面となっている。
【0194】
また、システム1では、評価シートのテンプレートの操作権限について、評価シートのフェーズごとに、閲覧権限および操作権限それぞれを設定することができる。評価シートのフェーズとは、例えば以下のように区分される。
・評価対象者による入力フェーズ
・一次評価者による一次評価フェーズ
・二次評価者による二次評価フェーズ
・最終評価者による最終評価フェーズ
なお、評価シートの評価フェーズは、任意に設定することができる。
【0195】
権限設定画面の上側には、フェーズ選択欄A5が表示されている。フェーズ選択欄A5に表示されているフェーズを選択することで、選択されたフェーズにおける操作権限を設定することができる。図示の例では、フェーズ1として、評価担当者からの入力フェーズにおける操作権限を設定する入力画面となっている。
すなわち、前述した入力担当者選択と組み合わされることになり、図示の例では、第6画面例は、評価担当者からの入力フェーズにおける、評価担当者の入力欄ごとの操作権限を設定している入力画面となっている。
【0196】
また、システム1では、実際の評価シートにおける表示態様管理者が確認するためのプレビュー機能を有している。権限設定画面におけるプレビューボタンA6をクリックすることで、選択されている入力担当者の選択されているフェーズにおける評価シートの表示態様が管理者端末20に表示される。これにより、取り扱いに注意を要する個人情報などが、適切な範囲で閲覧可能となっているかどうかについて、テンプレートを作成する管理者が、入力担当者ごと、およびフェーズごとに確認することができる。
【0197】
(4-7)第7画面例
図27は、システム1における第7画面例を示す図である。
第7画面例は、
図21に示すステップS304により、管理者端末20に対して表示される画面であり、複数の評価対象者の評価項目を比較表示した状態の画面(P15)と対応している。
【0198】
第7画面例では、5段階評価が行われる項目について指定された従業員の範囲において、評価結果が入力される入力欄が並べて比較表示されている。例えば、組織内での相対評価が必要な項目においては、入力中の評価シートに対応する評価対象者だけではなく、評価者が評価を担当する複数の評価対象者についてまとめて評価結果を入力する方が効率的かつ正確になることがある。システム1では、このように評価者からの指示に応じて、項目の入力欄を比較表示することで、評価者の評価結果の入力における利便性を確保している。
【0199】
(5)小括
以上説明したように、本実施形態に係るシステム1では、候補リストから管理者が選択した項目の評価シートのテンプレート上の位置を指定することで、指定された位置に、選択された項目が配置される。このため、従来のように既存のマスタから使用する評価シートを選択する構成と比較して、評価シートのレイアウトに大幅な自由度を与えることが可能になり、評価シートの管理者の利便性を向上することができる。
【0200】
また、システム1では、評価シートを構成する項目に、評価項目の名称、説明文、および評価結果を示す値の入力欄とともに、従業員DB3021にアクセスするためのリンクが含まれる。このため、当該リンクを評価シートに配置することで、必要に応じて従業員DB3021に格納された情報を参照することができ、評価者の利便性を向上することができる。
【0201】
また、システム1では、評価シートのテンプレートを構成する項目には、評価者からの入力値を変数として設定可能な関数が含まれる。このため、計算式を任意に設定することで、多面的な評価にシステム1を用いることができる。
【0202】
また、システム1では、評価シートのテンプレートを構成する項目には、計算式を構成する変数に対して重みづけを行う係数が含まれる。このため、より一層自由度の高い評価シートを準備することが可能により、管理者の利便性をさらに確保することができる。
【0203】
また、システム1では、評価シートのテンプレートに対して、紐づけグループの設定を行う。このため、紐づけグループを編集することで入力担当者を任意に設定することができる。
【0204】
また、システム1では、評価シートのテンプレートに対して、入力欄ごとの操作権限を設定する。このため、評価シートごとに適切な操作権限を設定することができ、個人情報を適切に管理することができる。
【0205】
また、システム1では、入力欄ごとに、閲覧権限および編集権限それぞれについて、個別に設定を行う。このため、項目ごとに閲覧権限と編集権限を設定することができるので、仮に社内に漏洩した際に本人に不利益が及ぶおそれがあるような、極めて個人的かつネガティブな情報について、適切な取り扱いをすることができる。
【0206】
また、システム1では、評価シートのテンプレートが適用される個別の人事評価シートそれぞれにおける評価フェーズごと、および前記個別の人事評価シートそれぞれにおける入力担当者ごとに、前記閲覧権限および前記編集権限それぞれについて、個別に設定を行う。このため、操作権限の設定の自由度をより一層確保することができる。
【0207】
また、システム1では、評価対象となる複数の従業員について、複数の評価項目のうち、同一の評価項目に関する入力欄を評価者が使用する端末において並べて表示させる。このため、評価者が、評価対象とする一群の従業員に対して相対評価を行う際に、比較した状態で評価結果を入力していくことができ、評価者の利便性を向上することができる。
【0208】
また、システム1では、評価シートの作成に先立って、入力された評価対象となる従業員を特定する情報に基づいて、記憶部302に記憶された複数の評価シートのマスタから、当該従業員に相当するマスタを選択して出力する。
このため、役職や評価ランクにより評価シートのマスタを使い分けることが容易により、評価体制に自由度を与えることができる。
【0209】
また、システム1では、評価シートに設定された入力欄に対して、指定された従業員情報に含まれる管理項目の値を入力する。これにより、評価者又は評価対象者が、従業員DB3021に蓄積された最新情報を個別に確認して入力するといった作業が不要になり、評価者および評価対象者による評価シートへの入力操作を簡易化することができる。
【0210】
(6)変形例
次に、システムの変形例について説明する。
例えば、評価シートの項目における入力欄には、従業員DB3021に記憶される情報の参照値と、評価者又は評価対象者から入力された値と、を計算式による算出した値を自動で入力してもよい。この場合には、前述した計算式の設定に関する機能と、従業員DB3021に記憶される情報の参照する機能と、を組み合わせることで、当該機能を実現することができる。
【0211】
また、システム1では、評価シートのテンプレートへの詳細設定として、適用される個別の評価シートを用いた評価を実施する際に、ワークフローに従って送り渡すことなく、一斉に全ての入力担当者に配布する設定を行うことができる。この場合には、管理者が管理者端末20に対して入力する配布指示(
図19におけるステップS108)の際に、ワークフローに従わない一斉配布を指定することで、サーバ30の入力指示モジュール3034は、ワークフローに従わずに、紐づけグループに含まれる全ての入力担当者に対して、テンプレートが適用される全ての個別の評価シートを一斉配布する。
【0212】
また、システム1では、評価担当者により入力が行われる入力欄については、評価シートの評価タスクにかかわらない者に対して閲覧可能としてもよい。例えば、目標値の設定等については経験の豊富な社員の入力内容が、経験の浅い社員の参考になることがある。このため、システム1では、
図26に示すテンプレートに配置された入力欄(入力欄マスタ)への操作権限の設定の際に、管理者が、「他の担当者に公開する」という設定を選択することができる。
【0213】
また、システム1が参照する情報としては、従業員DB3021に格納された情報に限られない。システム1は、他のアンケートシステムを用いて実行された各種のアンケートへの従業員からの回答結果に関する情報を参照して、評価シートにおける項目の入力欄に自動入力してもよい。
【0214】
また、サーバ30における記憶装置31は、サーバ30の外部に存在し、ネットワークNWを介して、サーバ30と接続されてもよい。
【0215】
上記の情報処理の各ステップは、従業員端末10、サーバ30、および管理者端末20のいずれでも実行可能である。
上記説明では、各処理において各ステップを特定の順序で実行する例を示したが、各ステップの実行順序は、依存関係がない限りは説明した例に制限されない。すなわち、処理に矛盾が生じない範囲において、任意に変更することができる。
【0216】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲は上記の実施形態に限定されない。また、上記の実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更が可能である。また、上記の実施形態および変形例は、組合せ可能である。また、処理に矛盾が出ない範囲において処理の順番を変更してもよい。
【0217】
(7)付記
本発明の内容を以下に付記する。
【0218】
(付記1)
ウェブブラウザ上に表示される人事評価シートを管理するコンピュータに用いられるプログラムであって、
前記コンピュータのプロセッサに、
前記人事評価シートのテンプレートを、当該テンプレートを構成する項目の候補リストとともに出力するステップ(ステップS205)と、
表示された前記項目の選択を受け付けるステップ(ステップS2061)と、
選択された前記項目の前記テンプレート上の位置の指定を受け付けるステップ(ステップS2062)と、
指定された位置に、当該項目に相当する入力欄を配置するステップ(ステップS2063)と、を実行させるプログラム。
【0219】
(付記2)
前記項目には、前記人事評価シートにおいて管理される評価項目の名称の入力欄、前記評価項目の説明文の入力欄、および前記評価項目への評価結果を示す値の入力欄とともに、評価対象となる従業員に関して社内で蓄積された従業員情報にアクセスするためのリンクが含まれる、付記1に記載のプログラム。
【0220】
(付記3)
前記項目には、評価者からの入力値を変数として設定可能な計算式としての関数が含まれる、付記1に記載のプログラム。
【0221】
(付記4)
前記項目には、前記計算式を構成する前記変数に対して重みづけを行う係数が含まれる、付記3に記載のプログラム。
【0222】
(付記5)
前記プロセッサに、さらに、
前記人事評価シートのテンプレートに対して、当該テンプレートが適用される全ての個別の前記人事評価シートそれぞれにおける評価フェーズごとの全ての入力担当者により構成されるグループを設定するステップ(ステップS209)を実行させる、付記1に記載のプログラム。
【0223】
(付記6)
前記プロセッサに、さらに、
前記人事評価シートのテンプレートに対して、前記入力欄ごとの操作権限を設定するステップ(ステップS208)を実行させ、
前記操作権限は、前記入力欄に入力された値を表示させて閲覧するための閲覧権限と、
前記入力欄に新たな値を入力するための編集権限と、を含み、
前記操作権限を設定するステップ(ステップS208)では、
前記テンプレートの入力欄ごとに、前記閲覧権限および前記編集権限それぞれについて、個別に設定を行う、付記5に記載のプログラム。
【0224】
(付記7)
前記操作権限を設定するステップ(ステップS208)では、
前記テンプレートが適用される個別の人事評価シートそれぞれにおける評価フェーズごと、および前記個別の人事評価シートそれぞれにおける入力担当者ごとに、前記閲覧権限および前記編集権限それぞれについて、個別に設定を行う、付記6に記載のプログラム。
【0225】
(付記8)
前記プロセッサに、さらに、
前記テンプレートが適用された個別の前記人事評価シートに対する評価者からの評価結果の入力を受け付けるステップ(ステップS303)を実行させ、
前記評価結果の入力を受け付けるステップ(ステップS304)では、
評価対象となる複数の従業員について、複数の評価項目のうち、同一の前記評価項目に関する入力欄を前記評価者が使用する端末において並べて表示させる、付記1に記載のプログラム。
【0226】
(付記9)
前記プロセッサに、さらに、
前記人事評価シートのテンプレートの作成に先立って、評価対象となる従業員の属性の入力を受け付けるステップ(ステップS103)と、
入力された前記従業員を特定する情報に基づいて、記憶部に記憶された複数の前記テンプレートのマスタデータから、当該従業員に相当するマスタデータを選定するステップ(ステップS204)と、を実行させる、付記1に記載のプログラム。
【0227】
(付記10)
前記プロセッサに、さらに、
前記人事評価シートのテンプレートに設定された前記入力欄に対して、評価対象となる従業員に関して社内で蓄積された従業員情報に含まれる管理項目の指定を受け付けるステップと、
指定された前記管理項目の値を、当該入力欄に入力するステップと、を実行させる、付記1に記載のプログラム。
【0228】
(付記11)
ウェブブラウザ上に表示される人事評価シートを管理するコンピュータに用いられる方法であって、
前記コンピュータのプロセッサが、
前記人事評価シートのテンプレートを、当該テンプレートを構成する項目の候補リストとともに出力するステップ(ステップS205)と、
表示された前記項目の選択を受け付けるステップ(ステップS2061)と、
選択された前記項目の前記テンプレート上の位置の指定を受け付けるステップ(ステップS2062)と、
指定された位置に、当該項目に相当する入力欄を配置するステップ(ステップS2063)と、を実行する方法。
【0229】
(付記12)
ウェブブラウザ上に表示される人事評価シートを管理するコンピュータを有するシステムであって、
前記コンピュータのプロセッサが、
前記人事評価シートのテンプレートを、当該テンプレートを構成する項目の候補リストとともに出力する手段と、
表示された前記項目の選択を受け付ける手段と、
選択された前記項目の前記テンプレート上の位置の指定を受け付ける手段と、
指定された位置に、当該項目に相当する入力欄を配置する手段と、を備えるシステム。
【符号の説明】
【0230】
1 :情報処理システム
10 :従業員端末
10A :評価対象者端末
10B :評価者端末
11 :記憶装置
12 :プロセッサ
13 :入出力インタフェース
14 :通信インタフェース
20 :管理者端末
21 :記憶装置
22 :プロセッサ
23 :入出力インタフェース
24 :通信インタフェース
30 :人事情報管理サーバ
31 :記憶装置
32 :プロセッサ
33 :入出力インタフェース
34 :通信インタフェース