(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024000778
(43)【公開日】2024-01-09
(54)【発明の名称】半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
H10B 43/50 20230101AFI20231226BHJP
H10B 43/27 20230101ALI20231226BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20231226BHJP
H01L 21/768 20060101ALI20231226BHJP
【FI】
H01L27/11575
H01L27/11582
H01L29/78 371
H01L21/90 B
H01L21/90 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022099675
(22)【出願日】2022-06-21
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 諒太郎
(72)【発明者】
【氏名】清水 公志郎
【テーマコード(参考)】
5F033
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5F033JJ19
5F033KK19
5F033NN12
5F033NN19
5F033NN33
5F033QQ09
5F033QQ10
5F033QQ13
5F033QQ21
5F033QQ23
5F033QQ24
5F033QQ35
5F033QQ38
5F033QQ39
5F033RR04
5F033RR06
5F033SS04
5F033TT02
5F033TT07
5F033VV16
5F083EP18
5F083EP23
5F083EP33
5F083EP76
5F083GA09
5F083GA10
5F083JA04
5F083JA19
5F083JA39
5F083KA01
5F083LA16
5F083LA21
5F083MA06
5F083MA16
5F101BA45
5F101BB05
5F101BD16
5F101BD22
5F101BD30
5F101BD34
(57)【要約】
【課題】 ワード線に対するコンタクト領域の面積を低減することが可能な半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】 実施形態に係る半導体記憶装置は、第1の方向に互いに離間して積層された複数の第1の導電層21aを含む第1の積層部分20aであって、階段状の第1の端部を有する第1の階段部分20asを含む第1の積層部分と、第1の積層部分の上層側に設けられ且つ第1の方向に互いに離間して積層された複数の第2の導電層21bを含む第2の積層部分20bであって、第1の階段部分の上方に位置し且つ階段状の第2の端部を有する第2の階段部分20bsを含む第2の積層部分とを含む積層体20と、積層体内を第1の方向に延伸する半導体層を含むピラー構造と、第2の階段部分を貫通し、複数の第1の導電層の1つの部分であって第1の階段部分に含まれる部分に接続された第1のコンタクト61と、を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向に互いに離間して積層された複数の第1の導電層を含む第1の積層部分であって、階段状の第1の端部を有する第1の階段部分を含む第1の積層部分と、前記第1の積層部分の上層側に設けられ且つ前記第1の方向に互いに離間して積層された複数の第2の導電層を含む第2の積層部分であって、前記第1の階段部分の上方に位置し且つ階段状の第2の端部を有する第2の階段部分を含む第2の積層部分と、を含む積層体と、
前記積層体内を前記第1の方向に延伸する半導体層を含むピラー構造と、
前記第2の階段部分を貫通し、前記複数の第1の導電層の1つの部分であって前記第1の階段部分に含まれる部分に接続された第1のコンタクトと、
を備えることを特徴とする半導体記憶装置。
【請求項2】
前記複数の第2の導電層の1つの部分であって前記第2の階段部分に含まれる部分に接続された第2のコンタクトをさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記第1のコンタクトは、前記複数の第2の導電層の前記1つを貫通する
ことを特徴とする請求項2に記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記第1の積層部分は、階段状の第3の端部を有する第3の階段部分をさらに含み、
前記第2の積層部分は、前記第3の階段部分の上方に位置し且つ階段状の第4の端部を有する第4の階段部分をさらに含み、
前記複数の第2の導電層の1つの部分であって前記第4の階段部分に含まれる部分に接続された第2のコンタクトをさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
前記階段状の第1の端部は、複数の第1の立ち上がり部と、前記複数の第1の立ち上がり部の中の最上の第1の立ち上がり部を除いた前記複数の第1の立ち上がり部の上端から前記第1の方向に垂直な平面に対して略平行に延伸する複数の第1のテラス部とによって規定され、
前記階段状の第2の端部は、複数の第2の立ち上がり部と、前記複数の第2の立ち上がり部の中の最上の第2の立ち上がり部を除いた前記複数の第2の立ち上がり部の上端から前記第1の方向に垂直な平面に対して略平行に延伸する複数の第2のテラス部とによって規定され、
前記第1の方向から見て、前記複数の第1の立ち上がり部の位置と前記複数の第2の立ち上がり部の位置とは互いにずれている
ことを特徴とする請求項1に記載の半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体基板上に複数のメモリセルが積層された3次元型のNAND型不揮発性メモリでは、複数のワード線に対するコンタクト領域(階段領域)の面積を低減することが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ワード線に対するコンタクト領域(階段領域)の面積を低減することが可能な半導体記憶装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る半導体記憶装置は、第1の方向に互いに離間して積層された複数の第1の導電層を含む第1の積層部分であって、階段状の第1の端部を有する第1の階段部分を含む第1の積層部分と、前記第1の積層部分の上層側に設けられ且つ前記第1の方向に互いに離間して積層された複数の第2の導電層を含む第2の積層部分であって、前記第1の階段部分の上方に位置し且つ階段状の第2の端部を有する第2の階段部分を含む第2の積層部分と、を含む積層体と、前記積層体内を前記第1の方向に延伸する半導体層を含むピラー構造と、前記第2の階段部分を貫通し、前記複数の第1の導電層の1つの部分であって前記第1の階段部分に含まれる部分に接続された第1のコンタクトと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の全体的な配置構成を模式的に示した図である。
【
図2】第1の実施形態に係る半導体記憶装置のメモリ領域の構成を模式的に示した平面パターン図である。
【
図3】第1の実施形態に係る半導体記憶装置のメモリ領域の構成を模式的に示した断面図である。
【
図4】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の階段領域の構成を模式的に示した平面パターン図である。
【
図5】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の階段領域の構成を模式的に示した断面図である。
【
図6】第1の実施形態に係る半導体記憶装置のメモリセル部の詳細な構成を模式的に示した断面図である。
【
図7】第1の実施形態に係る半導体記憶装置のメモリセル部の詳細な構成を模式的に示した断面図である。
【
図8】第1の実施形態に係る半導体記憶装置のコンタクトを含む領域の詳細な構成を模式的に示した断面図である。
【
図9】第1の実施形態に係る半導体記憶装置のコンタクトを含む領域の詳細な構成を模式的に示した断面図である。
【
図10A】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の第1の製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【
図10B】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の第1の製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【
図10C】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の第1の製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【
図10D】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の第1の製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【
図10E】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の第1の製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【
図10F】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の第1の製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【
図10G】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の第1の製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【
図10H】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の第1の製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【
図10I】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の第1の製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【
図10J】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の第1の製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【
図10K】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の第1の製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【
図10L】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の第1の製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【
図10M】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の第1の製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【
図10N】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の第1の製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【
図10O】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の第1の製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【
図10P】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の第1の製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【
図11】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の第1の製造方法によって得られる階段領域の構成を模式的に示した平面パターン図である。
【
図12A】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の第2の製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【
図12B】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の第2の製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【
図12C】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の第2の製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【
図12D】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の第2の製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【
図12E】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の第2の製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【
図12F】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の第2の製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【
図12G】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の第2の製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【
図12H】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の第2の製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【
図12I】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の第2の製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【
図12J】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の第2の製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【
図12K】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の第2の製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【
図12L】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の第2の製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【
図12M】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の第2の製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【
図12N】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の第2の製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【
図12O】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の第2の製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【
図12P】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の第2の製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【
図13A】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の第3の製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【
図13B】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の第3の製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【
図13C】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の第3の製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【
図13D】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の第3の製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【
図13E】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の第3の製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【
図13F】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の第3の製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【
図13G】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の第3の製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【
図13H】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の第3の製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【
図13I】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の第3の製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【
図13J】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の第3の製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【
図13K】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の第3の製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【
図13L】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の第3の製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【
図13M】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の第3の製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【
図13N】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の第3の製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【
図13O】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の第3の製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【
図13P】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の第3の製造方法の一部を模式的に示した断面図である。
【
図14】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の変形例における階段領域の構成を模式的に示した平面パターン図である。
【
図15】第2の実施形態に係る半導体記憶装置の全体的な配置構成を模式的に示した図である。
【
図16】第2の実施形態に係る半導体記憶装置の階段領域の構成を模式的に示した平面パターン図である。
【
図17】第2の実施形態に係る半導体記憶装置の階段領域の構成を模式的に示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
【0008】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る不揮発性の半導体記憶装置の全体的な配置構成を模式的に示した図である。なお、図に示したX方向、Y方向及びZ方向は、互いに交差する方向である。具体的には、X方向、Y方向及びZ方向は、互いに直交する方向である。
【0009】
図1に示した半導体記憶装置はメモリ領域100及び階段領域200を含んでおり、メモリ領域100及び階段領域200は同一の半導体基板上に設けられている。
【0010】
メモリ領域100には、3次元構造を有するNAND型の不揮発性メモリセルアレイが設けられている。具体的には、半導体基板上に複数のNANDストリングが設けられている。各NANDストリングは、半導体基板に対して垂直な方向(Z方向)に配列された複数のメモリセル及び複数の選択トランジスタによって構成されている。
【0011】
階段領域200は、メモリ領域100に隣接して設けられている。後述するように、階段領域200には、メモリ領域100に信号を供給するための複数のコンタクトが設けられている。
【0012】
図2はメモリ領域100の構成を模式的に示した平面パターン図であり、
図3はメモリ領域100の構成を模式的に示した断面図である。
図4は階段領域200の構成を模式的に示した平面パターン図であり、
図5は階段領域200の構成を模式的に示した断面図である。
【0013】
メモリ領域100及び階段領域200では、半導体基板10上に、積層体20、複数のピラー構造30a、複数のピラー構造30b、複数の区画構造40a、複数の区画構造40b、絶縁領域50、並びに複数のコンタクト61及び62が設けられている。
【0014】
積層体20は、第1の積層部分20aと、第2の積層部分20bと、中間部分20cとを含んでいる。
【0015】
第1の積層部分20aは、Z方向に互いに離間して積層された複数の導電層21aを含んでいる。具体的には、第1の積層部分20aは、Z方向に交互に積層された複数の導電層21a及び複数の絶縁層22aを含んでいる。
【0016】
第2の積層部分20bは、第1の積層部分20aの上層側に設けられ、Z方向に互いに離間して積層された複数の導電層21bを含んでいる。具体的には、第2の積層部分20bは、Z方向に交互に積層された複数の導電層21b及び複数の絶縁層22bを含んでいる。
【0017】
なお、以下の説明では、導電層21a及び導電層21bを単に導電層21と呼ぶこともあり、絶縁層22a及び絶縁層22bを単に絶縁層22と呼ぶこともある。
【0018】
各導電層21は、NANDストリングに対するワード線又は選択ゲート線として機能する。各絶縁層22は、隣接する導電層21間を絶縁する機能を有している。導電層21はタングステン等の金属材料で形成されており、絶縁層22はシリコン酸化物等の絶縁材料で形成されている。
【0019】
複数の導電層21aのうち、最下層の導電層21aを含む下層側の1以上の導電層21aは下部選択ゲート線として機能し、上層側に設けられた複数の導電層21aはワード線として機能する。また、複数の導電層21bのうち、最上層の導電層21bを含む上層側の1以上の導電層21bは上部選択ゲート線として機能し、下層側に設けられた複数の導電層21bはワード線として機能する。
【0020】
中間部分20cは、第1の積層部分20aと第2の積層部分20bとの間に位置し、絶縁材料で形成されている。
【0021】
第1の積層部分20aは、階段状の第1の端部を有する第1の階段部分20asを含んでいる。階段状の第1の端部は、複数の立ち上がり部20arと、最上の立ち上がり部を除いた複数の立ち上がり部20arの上端からXY平面(Z方向に対して垂直な平面)に対して略平行に延伸する複数のテラス部20atとによって規定される。第1の階段部分20asは、第1の積層部分20aのうち階段状の第1の端部の直下に位置する部分に対応する。
【0022】
第2の積層部分20bは、第1の階段部分20asの上方に位置し且つ階段状の第2の端部を有する第2の階段部分20bsを含んでいる。階段状の第2の端部は、複数の立ち上がり部20brと、最上の立ち上がり部を除いた複数の立ち上がり部20brの上端からXY平面(Z方向に対して垂直な平面)に対して略平行に延伸する複数のテラス部20btとによって規定される。第2の階段部分20bsは、第2の積層部分20bのうち階段状の第2の端部の直下に位置する部分に対応する。
【0023】
Z方向から見て、第1の階段部分20asのパターンと第2の階段部分20bsのパターンとは互いにずれている。すなわち、Z方向から見て、複数の立ち上がり部20arの位置と複数の立ち上がり部20brの位置とはX方向で互いにずれている。立ち上がり部20arのX方向のピッチと立ち上がり部20brのX方向のピッチとは互いに略等しく、立ち上がり部20arの位置と立ち上がり部20brの位置とはX方向で略半ピッチずれている。
【0024】
なお、本明細書では、テラス部(テラス面)20at及びテラス部(テラス面)20btが向いた方向を上方向と規定する。
【0025】
複数のピラー構造30aは、メモリ領域100に設けられている。ピラー構造30aのそれぞれは、積層体20内をZ方向に延伸し、Z方向に延伸する半導体層及び半導体層の側面を囲む電荷蓄積層を含んでいる。
【0026】
ピラー構造30aは複数の導電層21及び複数の絶縁層22に囲まれており、ピラー構造30aとピラー構造30aを囲む複数の導電層21とによってNANDストリングが形成される。より具体的には、ワード線として機能する導電層21と、ピラー構造30aのワード線として機能する導電層21に囲まれた部分とによってメモリセルが形成される。また、選択ゲート線として機能する導電層21と、ピラー構造30aの選択ゲート線として機能する導電層21に囲まれた部分とによって選択トランジスタが形成される。
【0027】
図6及び
図7は、導電層21とピラー構造30aとによって形成されるメモリセル部の詳細な構成を模式的に示した断面図である。
図6はZ方向に対して平行な方向の断面図であり、
図7はZ方向に対して垂直な方向の断面図である。
【0028】
ピラー構造30aは、半導体層31、トンネル絶縁層32、電荷蓄積層33、ブロック絶縁層34及びコア絶縁層35を含んでいる。半導体層31、トンネル絶縁層32、電荷蓄積層33及びブロック絶縁層34はいずれも円筒状の形状を有し、コア絶縁層35は円柱状の形状を有している。具体的には、半導体層31がコア絶縁層35の側面を囲み、トンネル絶縁層32が半導体層31の側面を囲み、電荷蓄積層33がトンネル絶縁層32の側面を囲み、ブロック絶縁層34が電荷蓄積層33の側面を囲んでいる。
【0029】
例えば、半導体層31はシリコンで形成され、トンネル絶縁層32はシリコン酸化物で形成され、電荷蓄積層33はシリコン窒化物で形成され、ブロック絶縁層34はシリコン酸化物で形成され、コア絶縁層35はシリコン酸化物で形成されている。
【0030】
複数のピラー構造30bは、階段領域200に設けられている。ピラー構造30bのそれぞれは、積層体20及び積層体20を覆う絶縁領域50内をZ方向に延伸している。ピラー構造30bの基本的な構造は、
図6及び
図7に示したピラー構造30aの構造と同じである。ピラー構造30bは、後述するリプレース処理の際に、階段領域200の積層体20を支える機能を有している。なお、ピラー構造30bは、円柱状のシリコン酸化物の単体で形成することも可能である。
【0031】
複数の区画構造40aは、メモリ領域100に設けられている。区画構造40aのそれぞれは積層体20内をX方向及びZ方向に延伸しており、複数の区画構造40aによって積層体20がY方向で複数の部分に分断されている。区画構造40aによって分断された積層体20の各部分は、例えば、データの消去単位となる1つのブロックを形成する。
【0032】
複数の区画構造40bは、階段領域200に設けられている。区画構造40bのそれぞれは、メモリ領域100に設けられた対応する区画構造40aから延伸しており、区画構造40bそれぞれの基本的な構造は、メモリ領域100に設けられた区画構造40aの構造と同じである。すなわち、区画構造40bのそれぞれは、積層体20内をX方向及びZ方向に延伸している。
【0033】
絶縁領域50は、シリコン酸化物及びシリコン窒化物等の絶縁材料で形成され、積層体20を覆っている。
【0034】
複数のコンタクト61は、導電材料で形成され、第1の積層部分20aに含まれる複数の導電層21aに接続されている。最下層の導電層21aに接続されたコンタクト61を除く複数のコンタクト61は、第2の階段部分20bsを貫通して、最下層の導電層21aを除く複数の導電層21aに接続されている。また、最上層の導電層21aに接続されたコンタクト61を除く複数のコンタクト61は、導電層21aの第1の階段部分20asに含まれる部分に接続されている。したがって、最下層の導電層21aに接続されたコンタクト61及び最上層の導電層21aに接続されたコンタクト61を除く複数のコンタクト61は、第2の階段部分20bsを貫通して、導電層21aの第1の階段部分20asに含まれる部分に接続されている。
【0035】
複数のコンタクト62は、導電材料で形成され、第2の積層部分20bに含まれる複数の導電層21bに接続されている。最上層の導電層21bに接続されたコンタクト62を除く複数のコンタクト62は、導電層21bの第2の階段部分20bsに含まれる部分に接続されている。
【0036】
図4及び
図5に示すように、コンタクト61は、最上層の導電層21bを除いて、コンタクト62が接続された導電層21bを貫通している。すなわち、コンタクト61は、最上のテラス部20btを除いて、コンタクト62が接続されたテラス部20btを貫通している。また、Z方向から見て、コンタクト61及びコンタクト62はX方向に延伸する同一ライン上に交互に配置されている。
【0037】
すでに述べたように、階段領域200には複数のピラー構造30bも設けられている。ピラー構造30bは、第1の階段部分20as及び第2の階段部分20bsを貫通している。
図4に示すように、複数のピラー構造30bは、コンタクト61及びコンタクト62が配列された中央のライン上に加えて、コンタクト61及び62が配列されていない2つのライン(中央のラインを挟む2つのライン)上に配列されている。
【0038】
図8及び
図9は、コンタクト61を含む領域の詳細な構成を模式的に示した断面図である。
図8はZ方向に対して平行な方向の断面図であり、
図9はZ方向に対して垂直な方向の断面図である。
【0039】
コンタクト61は、第2の積層部分20bに含まれる導電層21bとは電気的に絶縁される。そのため、導電材料で形成されたコンタクト61の側面を囲むように絶縁材料で形成された絶縁部分63が設けられている。絶縁部分63によって、コンタクト61と導電層21bとが電気的に絶縁される。
【0040】
以上のように、本実施形態では、第1の階段部分20asの上方に第2の階段部分20bsが設けられており、コンタクト61が第2の階段部分20bsを貫通して第1の階段部分20asの導電層21aに接続されている。そのため、階段領域200の面積を減少させることが可能である。
【0041】
また、コンタクト62が第2の階段部分20bsの導電層21bに接続されており、コンタクト62が接続された導電層21bをコンタクト61が貫通しているため、効果的に階段領域200の面積を減少させることが可能となる。
【0042】
また、本実施形態では、Z方向から見て、第1の階段部分20asのパターンと第2の階段部分20bsのパターンとがX方向で互いにずれている。したがって、X方向のずれ量を調整することで、テラス部20atの中央(X方向の中央)にコンタクト61を位置させ、テラス部20btの中央(X方向の中央)にコンタクト62を位置させることも可能である。
【0043】
次に、本実施形態に係る不揮発性の半導体記憶装置の製造方法を説明する。
【0044】
図10A~
図10Pは、本実施形態の第1の製造方法を模式的に示した断面図である。また、
図11は、本実施形態の第1の製造方法によって得られる階段領域の構成を模式的に示した平面パターン図である。
【0045】
まず、
図10Aに示すように、階段状の端部を含んで絶縁層22a及び犠牲層23aが交互に積層された予備的な第1の積層部分20apを形成する。絶縁層22aにはシリコン酸化物が用いられ、犠牲層23aにはシリコン窒化物が用いられる。続いて、予備的な第1の積層部分20apを覆うように、dTEOSシリコン酸化物を用いた絶縁領域50を形成する。なお、絶縁領域50には
図5に示した中間部分20cも含まれているものとする。
【0046】
次に、
図10Bに示すように、絶縁領域50、絶縁層22a及び犠牲層23aを貫通する下層ピラー構造30Lを形成する。
【0047】
なお、
図10Bでは、便宜上、1つの下層ピラー構造30Lのみを図示しているが、実際には複数の下層ピラー構造30Lが形成される。また、
図10C以降の図では、ピラー構造の図示は省略されている。後述する第2の製造方法及び第3の製造方法についても同様である。
【0048】
次に、
図10Cの工程を行う。なお、
図10C以降の工程では、
図10Bの破線から左側の領域を図示する。
図10Cの工程では、リプレース処理を行う。具体的には、犠牲層23aを除去して空隙を形成した後、空隙をタングステン等の金属材料で埋めて導電層21aを形成する。これにより、導電層21a及び絶縁層22aが交互に積層された第1の積層部分20aが形成される。
【0049】
次に、
図10Dに示すように、絶縁領域50上にマスクパターン71を形成する。
【0050】
次に、
図10Eに示すように、マスクパターン71をマスクとして用いて絶縁領域50をエッチングし、導電層21aに達するホール72を形成する。さらに、マスクパターン71を除去する。
【0051】
次に、
図10Fに示すように、ホール72をタングステン等の金属材料で埋めてコンタクト61の下部分61Lを形成する。
【0052】
次に、
図10Gに示すように、
図10Fの工程で得られた構造上に、階段状の端部を含んで絶縁層22b及び犠牲層23bが交互に積層された予備的な第2の積層部分20bpを形成する。絶縁層22bにはシリコン酸化物が用いられ、犠牲層23bにはシリコン窒化物が用いられる。続いて、予備的な第2の積層部分20bpを覆うように、dTEOSシリコン酸化物を用いた絶縁領域50を形成する。
【0053】
次に、
図10Hに示すように、絶縁領域50上にマスクパターン73を形成する。
【0054】
次に、
図10Iに示すように、マスクパターン73をマスクとして用いて、絶縁層22b、犠牲層23b、絶縁領域50をエッチングし、コンタクト61の下部分61Lに達するホール74を形成する。
【0055】
次に、
図10Jに示すように、ホール74をシリコン酸化物等の絶縁材料で埋めて絶縁材料層75を形成する。
【0056】
なお、
図10H~
図10Jの工程は、
図10Bの下層ピラー構造30Lに接続される上層ピラー構造の形成プロセスと統合することも可能である。
【0057】
次に、
図10Kに示すように、リプレース処理を行う。具体的には、犠牲層23bを除去して空隙を形成した後、空隙をタングステン等の金属材料で埋めて導電層21bを形成する。これにより、導電層21b及び絶縁層22bが交互に積層された第2の積層部分20bが形成される。
【0058】
次に、
図10Lに示すように、
図10Kの工程で得られた構造上にマスクパターン76を形成する。
【0059】
次に、
図10Mに示すように、マスクパターン76をマスクとして用いて、絶縁領域50及び絶縁材料層75をエッチングする。これにより、コンタクトの下部分61Lに達するホール77a及び導電層21bに達するホール77bが形成される。さらに、マスクパターン76を除去する。
【0060】
次に、
図10Nに示すように、
図10Mの工程で得られた構造上に、シリコン酸化物等の絶縁材料を用いた絶縁材料層78を形成する。
【0061】
次に、
図10Oに示すように、RIEによって絶縁材料層78を部分的に除去する。これにより、コンタクトの下部分61Lの上面の一部が露出し、導電層21bの上面の一部が露出する。その結果、ホール77aの内側面に沿って、絶縁材料層75及び絶縁材料層78で形成された絶縁部分63が得られる。また、ホール77bの内側面に沿って、絶縁材料層78で形成された絶縁部分64が得られる。
【0062】
次に、
図10Pに示すように、
図10Oの工程で得られたホール77a及び77bをタングステン等の金属材料で埋める。これにより、
図10Oの工程で得られたホール77a内にコンタクト61の上部分61Uが形成され、
図10Oの工程で得られたホール77b内にコンタクト62が形成される。このようにして、コンタクト61の下部分61L及び上部分61Uを含むコンタクト61が得られる。
【0063】
本製造方法で得られた構造では、コンタクト61が下部分61L及び上部分61Uを含んでいる。下部分61Lと上部分61Uとは別々の工程で形成されるため、上部分61の側面と下部分61Lの側面との境界には段差が存在する。また、上部分61Uを下部分61L上に確実に形成するため、Z方向から見て、上部分61Uのパターンが下部分61Lのパターンの内側に位置しており、上部分61UのXY平面での面積が下部分61LのXY平面での面積よりも小さくなっている。より具体的には、上部分61Uと下部分61Lとの境界面において、上部分61Uのパターンが下部分61Lのパターンの内側に位置しており、上部分61Uの面積が下部分61Lの面積よりも小さくなっている。
【0064】
本製造方法で得られた構造も、基本的な構造は上述した実施形態の構造と同様であり、コンタクト61は第2の階段部分20bsを貫通して第1の階段部分20asの導電層21aに接続され、コンタクト62は第2の階段部分20bsの導電層21bに接続されている。したがって、上述した実施形態と同様に、階段領域200の面積を減少させることが可能である。
【0065】
なお、上述した製造方法によって得られた構造では、
図11の平面パターン図に示されるように、Z方向から見て、複数の立ち上がり部20arの位置と複数の立ち上がり部20brの位置とはX方向で略一致している。すなわち、Z方向から見て、第1の階段部分20asのパターンと第2の階段部分20bsのパターンとは略一致している。
【0066】
このように、複数の立ち上がり部20arの位置と複数の立ち上がり部20brの位置とがX方向で略一致している場合にも、上述した実施形態と同様に、階段領域200の面積を減少させることが可能である。
【0067】
なお、上述した製造方法と同様の製造方法によって、
図4及び
図5に示すように、Z方向から見て、複数の立ち上がり部20arの位置と複数の立ち上がり部20brの位置とがX方向で互いにずれている構造を形成することも可能である。
【0068】
【0069】
図12Aの工程は、
図10Aの工程と同様であり、絶縁層22a及び犠牲層23aが交互に積層された予備的な第1の積層部分20apを形成し、予備的な第1の積層部分20apを覆うように絶縁領域50を形成する。
【0070】
図12Bの工程は、
図10Bの工程と同様であり、絶縁領域50、絶縁層22a及び犠牲層23aを貫通する下層ピラー構造30Lを形成する。
【0071】
次に、
図12Cの工程を行う。なお、
図12C以降の工程では、
図12Bの破線から左側の領域を図示する。
図12Cの工程では、絶縁領域50上にマスクパターン81を形成する。
【0072】
次に、
図12Dに示すように、マスクパターン81をマスクとして用いて絶縁領域50をエッチングし、第1の積層部分20apの階段状の端部には到達しない絶縁領域50内の任意の深さまでホール82を形成する。さらに、マスクパターン81を除去する。
【0073】
次に、
図12Eに示すように、ホール82をアモルファスシリコン等の犠牲材料で埋めて犠牲部分83を形成する。
【0074】
次に、
図12Fの工程を行う。
図12Fの基本的な工程は、
図10Gの工程と同様であり、
図12Eの工程で得られた構造上に、絶縁層22b及び犠牲層23bが交互に積層された予備的な第2の積層部分20bpを形成し、予備的な第2の積層部分20bpを覆うように絶縁領域50を形成する。
【0075】
次に、
図12Gに示すように、絶縁領域50上にマスクパターン84を形成する。
【0076】
次に、
図12Hに示すように、マスクパターン84をマスクとして用いて、絶縁層22b、犠牲層23b及び絶縁領域50をエッチングし、犠牲部分83に達するホール85aを形成する。さらに、マスクパターン84を除去する。
【0077】
次に、
図12Iに示すように、犠牲部分83を除去して、ホール85bを形成する。
【0078】
次に、
図12Jに示すように、ホール85bをシリコン酸化物等の絶縁材料で埋めて絶縁材料層86を形成する。
【0079】
なお、
図12G~
図12Jの工程は、
図12Bの下層ピラー構造30Lに接続される上層ピラー構造の形成プロセスと統合することも可能である。また、
図12Bの下層ピラー構造30Lをアモルファスシリコン等の犠牲材料で形成しておけば、例えば、
図12Iの工程で犠牲材料が除去され、
図12Jの工程でシリコン酸化物等の絶縁材料で埋め戻される。これにより、シリコン酸化物等の単体の上下ピラー構造を得ることも可能である。
【0080】
次に、
図12Kに示すように、リプレース処理を行う。これにより、導電層21a及び絶縁層22aが交互に積層された第1の積層部分20aと、導電層21b及び絶縁層22bが交互に積層された第2の積層部分20bが形成される。
【0081】
次に、
図12Lに示すように、
図12Kの工程で得られた構造上にマスクパターン87を形成する。
【0082】
次に、
図12Mに示すように、マスクパターン87をマスクとして用いて、絶縁領域50及び絶縁材料層86をエッチングする。これにより、導電層21aに達するホール88a及び導電層21bに達するホール88bが形成される。さらに、マスクパターン87を除去する。
【0083】
次に、
図12Nに示すように、
図12Mの工程で得られた構造上に、シリコン酸化物等の絶縁材料を用いた絶縁材料層89を形成する。
【0084】
次に、
図12Oに示すように、RIEによって絶縁材料層89を部分的に除去する。これにより、導電層21aの上面の一部が露出し、導電層21bの上面の一部が露出する。その結果、ホール88aの内側面に沿って、絶縁材料層86及び絶縁材料層89で形成された絶縁部分63が得られる。また、ホール88bの内側面に沿って、絶縁材料層89で形成された絶縁部分64が得られる。
【0085】
次に、
図12Pに示すように、
図12Oの工程で得られたホール88a及び88bをタングステン等の金属材料で埋める。これにより、
図12Oの工程で得られたホール88a内にコンタクト61が形成され、
図12Oの工程で得られたホール88b内にコンタクト62が形成される。
【0086】
本製造方法では、
図12Mの工程で、絶縁領域50の上面から導電層21aに達するホール88aが形成される。そのため、コンタクト61の側面には段差が形成されず、コンタクト61の側面は連続的に形成されている。
【0087】
本製造方法で得られた構造も、基本的な構造は上述した実施形態の構造と同様であり、上述した実施形態と同様に階段領域200の面積を減少させることが可能である。
【0088】
なお、本製造方法で得られた構造でも、
図11に示した平面パターン図と同様に、Z方向から見て、複数の立ち上がり部20arの位置と複数の立ち上がり部20brの位置とがX方向で略一致しているが、本製造方法と同様の製造方法によって、
図4及び
図5に示すように、Z方向から見て、複数の立ち上がり部20arの位置と複数の立ち上がり部20brの位置とがX方向で互いにずれている構造を形成することも可能である。
【0089】
【0090】
図13Aの工程は、
図10Aの工程と同様であり、絶縁層22a及び犠牲層23aが交互に積層された予備的な第1の積層部分20apを形成し、予備的な第1の積層部分20apを覆うように絶縁領域50を形成する。
【0091】
図13Bの工程は、
図10Bの工程と同様であり、絶縁領域50、絶縁層22a及び犠牲層23aを貫通する下層ピラー構造30Lを形成する。
【0092】
次に、
図13Cの工程を行う。なお、
図13C以降の工程では、
図13Bの破線から左側の領域を図示する。
図13Cの工程では、絶縁領域50上にマスクパターン91を形成する。
【0093】
次に、
図13Dに示すように、マスクパターン91をマスクとして用いて絶縁領域50をエッチングし、犠牲層23aに達するホール92を形成する。さらに、マスクパターン91を除去する。
【0094】
次に、
図13Eに示すように、ホール92をアモルファスシリコン等の犠牲材料で埋めて犠牲部分93を形成する。
【0095】
次に、
図13Fの工程を行う。
図13Fの基本的な工程は、
図10Gの工程と同様であり、
図13Eの工程で得られた構造上に、絶縁層22b及び犠牲層23bが交互に積層された予備的な第2の積層部分20bpを形成し、予備的な第2の積層部分20bpを覆うように絶縁領域50を形成する。
【0096】
次に、
図13Gに示すように、絶縁領域50上にマスクパターン94を形成する。
【0097】
次に、
図13Hに示すように、マスクパターン94をマスクとして用いて、絶縁層22b、犠牲層23b及び絶縁領域50をエッチングし、犠牲部分93に達するホール95を形成する。さらに、マスクパターン94を除去する。
【0098】
次に、
図13Iに示すように、ホール95をシリコン酸化物等の絶縁材料で埋めて絶縁材料層96を形成する。
【0099】
なお、
図13G~
図13Iの工程は、
図13Bの下層ピラー構造30Lに接続される上層ピラー構造の形成プロセスと統合することも可能である。
【0100】
次に、
図13Jに示すように、リプレース処理を行う。これにより、導電層21a及び絶縁層22aが交互に積層された第1の積層部分20aと、導電層21b及び絶縁層22bが交互に積層された第2の積層部分20bが形成される。
【0101】
次に、
図13Kに示すように、
図13Jの工程で得られた構造上にマスクパターン97を形成する。
【0102】
次に、
図13Lに示すように、マスクパターン97をマスクとして用いて、絶縁領域50及び絶縁材料層96をエッチングする。これにより、犠牲部分93に達するホール98a及び導電層21bに達するホール98bが形成される。さらに、マスクパターン97を除去する。
【0103】
次に、
図13Mに示すように、犠牲部分93を除去する。これにより、導電層21aに達するホール98cが形成される。
【0104】
次に、
図13Nに示すように、
図13Mの工程で得られた構造上に、シリコン酸化物等の絶縁材料を用いた絶縁材料層99を形成する。
【0105】
次に、
図13Oに示すように、RIEによって絶縁材料層99を部分的に除去する。これにより、導電層21aの上面の一部が露出し、導電層21bの上面の一部が露出する。その結果、ホール98cの内側面に沿って、絶縁材料層96及び絶縁材料層99で形成された絶縁部分63が得られる。また、ホール98bの内側面に沿って、絶縁材料層99で形成された絶縁部分64が得られる。
【0106】
次に、
図13Pに示すように、
図13Oの工程で得られたホール98c及び98bをタングステン等の金属材料で埋める。これにより、
図13Oの工程で得られたホール98c内にコンタクト61が形成され、
図13Oの工程で得られたホール98b内にコンタクト62が形成される。
【0107】
本製造方法で得られた構造では、コンタクト61が下部分61L及び上部分61Uを含んでいる。下部分61Lは犠牲部分93に対応した位置に形成され、上部分61Uは絶縁材料層96(
図13Iの絶縁材料層96)に対応した位置に形成される。犠牲部分93と絶縁材料層96とは別々の工程で形成されるため、下部分61Lの側面と上部分61Uの側面との境界には段差が存在する。また、上部分61Uを下部分61L上に確実に形成するため、Z方向から見て、上部分61Uのパターンが下部分61Lのパターンの内側に位置しており、上部分61UのXY平面での面積が下部分61LのXY平面での面積よりも小さくなっている。より具体的には、上部分61Uと下部分61Lとの境界面において、上部分61Uのパターンが下部分61Lのパターンの内側に位置しており、上部分61Uの面積が下部分61Lの面積よりも小さくなっている。
【0108】
本製造方法で得られた構造も、基本的な構造は上述した実施形態の構造と同様であり、上述した実施形態と同様に階段領域200の面積を減少させることが可能である。
【0109】
なお、本製造方法で得られた構造でも、
図11に示した平面パターン図と同様に、Z方向から見て、複数の立ち上がり部20arの位置と複数の立ち上がり部20brの位置とがX方向で略一致しているが、本製造方法と同様の製造方法によって、
図4及び
図5に示すように、Z方向から見て、複数の立ち上がり部20arの位置と複数の立ち上がり部20brの位置とがX方向で互いにずれている構造を形成することも可能である。
【0110】
次に、本実施形態の変形例について説明する。
【0111】
本変形例の基本的な構成は、上述した実施形態の構成と同様である。すなわち、コンタクト61は、第2の階段部分20bsを貫通して第1の階段部分20asの導電層21aに接続され、コンタクト62は、第2の階段部分20bsの導電層21bに接続されている。
【0112】
図14は、本実施形態の変形例における階段領域200の構成を模式的に示した平面パターン図である。
【0113】
上述した実施形態では、
図4に示すように、Z方向から見て、コンタクト61及びコンタクト62はX方向に延伸する1つのライン上に配置されていた。本変形例では、
図14に示すように、Z方向から見て、コンタクト61及びコンタクト62が、X方向に延伸し且つY方向で隣接する2つのライン上に配置されている。Z方向から見て、コンタクト61及びコンタクト62は、各ライン上で交互に配置されている。
【0114】
また、本変形例では、第1の階段部分20asの立ち上がり部20arと第2の階段部分20bsの立ち上がり部20brとのX方向のずれ量が調整され、その結果、Z方向から見て、第1の階段部分20asのテラス部20atの中央(X方向の中央)にコンタクト61が配置され、第2の階段部分20bsのテラス部20btの中央(X方向の中央)にコンタクト62が配置されている。
【0115】
このように、本変形例では、コンタクト61及びコンタクト62がY方向で隣接する2つライン上に配置されている。そのため、Y方向から見て、コンタクト61のパターンとコンタクト62のパターンとが互いにオーバーラップし、コンタクト61のパターンとピラー構造30bのパターンとが互いにオーバーラップし、コンタクト62のパターンとピラー構造30bのパターンとが互いにオーバーラップするように、コンタクト61、コンタクト62及びピラー構造30bを配置させることができる。したがって、コンタクト61及びコンタクト62が配置された2つのラインをトータルで見た場合、コンタクト61のX方向のピッチ及びコンタクト62のX方向のピッチを小さくすることができる。したがって、階段領域200のX方向の長さをより短くすることができ、階段領域200の面積をより減少させることも可能である。
【0116】
また、本変形例では、第1の階段部分20asのテラス部20atの中央(X方向の中央)にコンタクト61が配置され、第2の階段部分20bsのテラス部20btの中央(X方向の中央)にコンタクト62が配置されている。そのため、コンタクト61をテラス部20at上で確実に導電層21aに接続することが可能であり、コンタクト62をテラス部20bt上で確実に導電層21bに接続することが可能である。
【0117】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る不揮発性の半導体記憶装置について説明する。なお、基本的な事項は第1の実施形態と同様であり、第1の実施形態で説明した事項の説明は省略する。
【0118】
図15は、第2の実施形態に係る不揮発性の半導体記憶装置の全体的な配置構成を模式的に示した図である。
【0119】
図15に示すように、本実施形態では、メモリ領域100の両側に階段領域210及び220が設けられている。
【0120】
図16は階段領域210及び220の構成を模式的に示した平面パターン図であり、
図17は階段領域210及び220の構成を模式的に示した断面図である。
【0121】
階段領域210には第1の階段部分20as及び第2の階段部分20bsが含まれ、階段領域220には第3の階段部分20cs及び第3の階段部分20csの上方に位置する第4の階段部分20dsが含まれている。別の観点から見ると、第1の積層部分20aには、X方向の両側に第1の階段部分20as及び第3の階段部分20csが含まれ、第2の積層部分20bには、X方向の両側に第2の階段部分20bs及び第4の階段部分20dsが含まれている。第1の階段部分20as及び第2の階段部分20bsと同様に、第3の階段部分20cs及び第4の階段部分20dsはそれぞれ、階段状の端部を有している。
【0122】
本実施形態では、第1の階段部分20asの導電層21aにコンタクト61が接続されており、第4の階段部分20dsの導電層21bにコンタクト62が接続されている。すなわち、コンタクト61は、第2の階段部分20bsを貫通して、第1の階段部分20asの導電層21aに接続されている。
【0123】
また、本実施形態では、Z方向から見て、第1の階段部分20asのパターンと第2の階段部分20bsのパターンとは互いに略一致しており、第3の階段部分20csのパターンと第4の階段部分20dsのパターンとは互いに略一致している。すなわち、Z方向から見て、階段領域210及び階段領域220のいずれにおいても、第1の積層部分20aで階段状の端部を形成している複数の立ち上がり部20arの位置と、第2の積層部分20bで階段状の端部を形成している複数の立ち上がり部20brの位置とは、互いに略一致している。
【0124】
また、本実施形態では、Z方向から見て、コンタクト61はテラス部20atの中央(X方向の中央)に配置され、コンタクト62はテラス部20btの中央(X方向の中央)に配置されている。
【0125】
以上のように、本実施形態でも、第1の実施形態と同様に、第1の階段部分20asの上方に第2の階段部分20bsが設けられており、コンタクト61が第2の階段部分20bsを貫通して第1の階段部分20asの導電層21aに接続されている。また、コンタクト62は、第1の階段部分20as及び第2の階段部分20bsを含む階段領域210とは異なる階段領域220に含まれる第4の階段部分20dsに接続されている。したがって、本実施形態では、階段領域210及び階段領域220それぞれの面積を減少させることが可能である。
【0126】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0127】
10…半導体基板 20…積層体
20a…第1の積層部分 20ap…予備的な第1の積層部分
20b…第2の積層部分 20bp…予備的な第2の積層部分
20c…中間部分
20as…第1の階段部分 20bs…第2の階段部分
20cs…第3の階段部分 20ds…第4の階段部分
20ar、20br…立ち上がり部 20at、20bt…テラス部
21a…導電層(第1の導電層) 21b…導電層(第2の導電層)
22a、22b…絶縁層 23a、23b…犠牲層
30a、30b…ピラー構造 30L…下層ピラー構造
31…半導体層 32…トンネル絶縁層 33…電荷蓄積層
34…ブロック絶縁層 35…コア絶縁層
40a、40b…区画構造 50…絶縁領域
61…コンタクト(第1のコンタクト)
61L…コンタクトの下部分 61U…コンタクトの上部分
62…コンタクト(第2のコンタクト) 63、64…絶縁部分
71、73、76…マスクパターン 72、74、77a、77b…ホール
75、78…絶縁材料層
81、84、87…マスクパターン
82、85a、85b、88a、88b…ホール
83…犠牲部分 86、89…絶縁材料層
91、94、97…マスクパターン 92、95、98a、98b、98c…ホール
93…犠牲部分 96、99…絶縁材料層
100…メモリ領域 200、210、220…階段領域