(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077837
(43)【公開日】2024-06-10
(54)【発明の名称】キャンピングトレーラー
(51)【国際特許分類】
B60P 3/325 20060101AFI20240603BHJP
B60P 3/33 20060101ALI20240603BHJP
B60R 7/08 20060101ALI20240603BHJP
【FI】
B60P3/325
B60P3/33
B60R7/08 Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022190025
(22)【出願日】2022-11-29
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-06-01
(71)【出願人】
【識別番号】597116252
【氏名又は名称】村山 哲夫
(72)【発明者】
【氏名】村山 哲夫
【テーマコード(参考)】
3D022
【Fターム(参考)】
3D022CB05
3D022CC01
3D022CC02
3D022CC04
3D022CC11
3D022CC18
3D022CC21
3D022CD05
(57)【要約】 (修正有)
【課題】既存のユースドカーを利用することで前輪タイヤハウス部の有効利用と車内空間の拡張を図る共に低価格を実現することができるキャンピングトレーラーの提供を図る。
【解決手段】車体ボディと車体フレームと後輪タイヤと緩衝装置と制動装置と指示灯装置と、連結牽引装置と、接地固定装置と、から成り、車体ボディの前方部に装着されている自走に必要な機能ならびに装備を取り外して前方部を開放し、その開放された前方部に既存のユースドカーの全高・全幅・全長内において車体フレームの床面から垂直に立ち上がって車内空間を拡張する形状に形成すると共に前面天井部を半ドーム状に形成したフロントボディカバーを一体に形成して成り、車体ボディの前方両側面に形成されている前輪タイヤハウス部には、底部を塞ぐ底板と、丁番と、略半円形のドア形状に形成されるタイヤハウスカバーを装着して外部から直接物品の出し入れができる部品収納庫を設けて成る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
既存のユースドカーの車体ボディと車体フレームと後輪タイヤと緩衝装置と制動装置と指示灯装置と、連結牽引装置と、接地固定装置と、で構成されるキャンピングトレーラーであって、
前記車体ボディの前方部に装着されているフロントガラス部と、ボンネット部と、ヘッドランプ部と、ワイパー部を取り外して前方部を開放し、その開放された前方部に車内空間を拡張する形状に形成されるフロントボディカバーを装着すると共に、前記車体ボディの前方両側面に形成されているタイヤハウスの側面に開閉可能なタイヤハウスカバーを装着し、
前記車体フレームの前側下方中央部には前記連結牽引装置を連結すると共に、前側下方両側には前記接地固定装置を備えて成ることを特徴とするキャンピングトレーラー。
【請求項2】
既存のユースドカーの車体ボディと車体フレームと前後輪タイヤと緩衝装置と制動装置と指示灯装置と、連結牽引装置と、接地固定装置と、で構成されるキャンピングトレーラーであって、
前記車体ボディの前方部に装着されているフロントガラス部と、ボンネット部と、ヘッドランプ部と、ワイパー部を取り外して前方部を開放し、その開放された前方部に車内空間を拡張する形状に形成されるフロントボディカバーを装着し、
前記車体フレームの前側下方中央部には前記連結牽引装置を連結すると共に、前側下方両側には前記接地固定装置を備えて成ることを特徴とするキャンピングトレーラー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既存のユースドカーを利用することで低価格を実現すると共に、コンパクト性、軽量性、運転性、外装デザイン性、多様性、堅牢性、防水性、防音性、耐久性、耐候性、安全性、利便性、修理部品の調達性などの車体設計性能に優れたキャンピングトレーラーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来におけるキャンピングトレーラーは、走行中に乗車することができないという運行条件の規制はあるが、その特徴的な構造としては「牽引車とトレーラーが連結器でつながっている」ということに尽きる。つまり、牽引車とトレーラーを切り離してしまえば、牽引車(自家用車)だけで何処へでも自由気ままに単独行動することができるものである。
従って、従来における自走式の大型キャンピングトレーラーとは異なり小回りが利くので、現地での観光や買い物などが容易くできることによって、旅行の自由度ならびに満喫度が格段と高まると共に、トレーラー内の座席の形状や配置を自由にレイアウトすることができ、さらに、車体の大きさや内装仕様においてもユーザー嗜好を多様に反映させることができることから、近年におけるドライブ宿泊旅行の交通手段の一つとしてその需要が益々増加している。
【0003】
そのような多様なユーザー嗜好を反映して多種多様のキャンピングカーが開発されている。例えば、収容空間を大きく広げることができ、しかも遮熱性に優れた「キャンピングカー用ボックスおよびキャンピングカー」(特許文献-1)が提案されている。
【0004】
しかしながら、係る「キャンピングカー用ボックスおよびキャンピングカー」の提案は、既存の車両に収容空間を大きく拡張することができるキャンピングカー用ボックスを載置した提案であることから、ベース車両が荷物車両に限定されるものであり、また乗り心地の面で長時間のドライブ走行には不向きであり、さらにキャンピングカー用ボックス自体がオリジナル製作となるため車両購入価格が高騰になると同時に、キャンピングカーの中に大人の人が就寝する長さを有するキャンパー仕様とするには、さらに身長方向に対してひと回り大きい大型のキャンピングカーに取り付けなければならないといった問題があるものだった。
【0005】
また、キャスターを装着したキャビンをキャンピングカーの後方荷台にスライド可能に出し入れ収納することができる「キャンピングカー」(特許文献-2)が提案されている。
【0006】
しかしながら、係る「キャンピングカー」の提案は、キャンピングカーの後方荷台にキャビンを収納する手段を採用していることから、キャビンがキャンピングカーの収納空間より小型にする必要があると共に、キャンピングカーならびにキャビンがオリジナル製作となるため車両製作価格ならびに車両購入価格が高騰になるといった問題があった。
【0007】
また、自己所有車をキャンピングカーへと改造して形成される居住空間を可及的に拡大形成することができる「キャンピングカー改造用キット及びこのキットを用いた改造方法」(特許文献-3)が提案されている。
【0008】
しかしながら、係る「キャンピングカー改造用キット及びこのキットを用いた改造方法」の提案は、改造用キットがベースとなる車両の運転席後方の荷台に取り付けられる構造から、キャビン自体をキャンピングカーの収納空間より小型にする必要があることで居住空間が狭くなりがちになることから就寝スペースが十分に確保できないと共に、キャビンがオリジナル製作となるため車両製作価格ならびに車両購入価格が高騰になるといった問題があった。
【0009】
また、従来におけるキャンピングトレーラーの提案としては、例えば、所望の場所で役務の出張サービス を提供することができるとともに、開業資金が障害となっている人達に対して、ビジネスチャンスを付与することができる被牽引車を提供すること、及び、該被牽引車とともに役務を提供することができる「・・・牽引自動車又は牽引自動車に提供される役務提供方法」(特許文献-4)が提案されている。
【0010】
しかしながら、係る「・・・牽引自動車又は牽引自動車に提供される役務提供方法」の提案は、被牽引車の内部のレイアウト構造に関する提案であることから、従来のキャンピングトレーラーと比して特に大きな構造的特徴があるものではなかった。
【0011】
従来におけるキャンピングカーならびにキャンピングトレーラーの製作手段は、主に手作業で一台一台仕上げるハンドメイド生産に頼っていることから、車両価格が高い、納期がかかる、修理部品の調達ができない、修理期間がかかる、修理単価が高いなどの問題点があると同時に、既存のユースドカーと比して、コンパクト性、軽量性、運転性、外装デザイン性、多様性、堅牢性、防水性、防音性、耐久性、耐候性、安全性、利便性を備えているものではなかった。
また、従来におけるキャンピングカーならびにキャンピングトレーラーは、就寝ベッド、ソファ、キャンピング用品、キッチン、トイレ・シャワー、娯楽用品等を備えて車内を立ち歩きできる大型仕様になり勝ちになり、その結果、購入価格が高い、大型で運転が難しい、大きな駐車スペースが必要であるなどと日本特有の住宅事情とあいまって、これまでに広く一般的に普及してこなかった要因となっていた。
【0012】
本出願人は、上記の問題点を鑑みてなされたもので、従来の広く普及している大型且つ豪華装備の高価格帯のキャンピングトレーラーと比べて、低価格であると共にコンパクトで運転性に優れたキャンピングトレーラーの提供ができないものかという構想の下、既存のユースドカーを利用することで低価格を実現すると共に、コンパクト性、軽量性、運転性、外装デザイン性、多様性、堅牢性、防水性、防音性、耐久性、耐候性、安全性、利便性、修理部品の調達性などの車体設計性能に優れたキャンピングトレーラーを開発し、本発明における「キャンピングトレーラー」の提案に至るものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2010-105432号公報
【特許文献2】特開2000-52845号公報
【特許文献3】特開2019-34649号公報
【特許文献4】特開2002-225756号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は上記問題点を鑑みてなされるもので、既存のユースドカーを利用することで低価格を実現すると共に、コンパクト性、軽量性、運転性、外装デザイン性、多様性、堅牢性、防水性、防音性、耐久性、耐候性、安全性、利便性、修理部品の調達性などの車体設計性能に優れたキャンピングトレーラーの提供を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明におけるキャンピングトレーラーは、既存のユースドカーの車体ボディと車体フレームと後輪タイヤと緩衝装置と制動装置と指示灯装置と、連結牽引装置と、接地固定装置と、で構成されるキャンピングトレーラーであって、前記車体ボディの前方部に装着されているフロントガラス部と、ボンネット部と、ヘッドランプ部と、ワイパー部を取り外して前方部を開放し、その開放された前方部に車内空間を拡張する形状に形成されるフロントボディカバーを装着すると共に、前記車体ボディの前方両側面に形成されているタイヤハウスの側面に開閉可能なタイヤハウスカバーを装着し、前記車体フレームの前側下方中央部には前記連結牽引装置を連結すると共に、前側下方両側には前記接地固定装置を備えて成る手段を採る。
【0016】
また、本発明におけるキャンピングトレーラーは、既存のユースドカーの車体ボディと車体フレームと前後輪タイヤと緩衝装置と制動装置と指示灯装置と、連結牽引装置と、接地固定装置と、で構成されるキャンピングトレーラーであって、前記車体ボディの前方部に装着されているフロントガラス部と、ボンネット部と、ヘッドランプ部と、ワイパー部を取り外して前方部を開放し、その開放された前方部に車内空間を拡張する形状に形成されるフロントボディカバーを装着し、前記車体フレームの前側下方中央部には前記連結牽引装置を連結すると共に、前側下方両側には前記接地固定装置を備えて成る手段を採る。
【発明の効果】
【0017】
本発明におけるキャンピングトレーラーによれば、キャンピングトレーラーのベース車両に中古車、不動車、スクラップ車、廃車、事故車等のユースドカーを利用することによって、従来にない極めて低価格帯のキャンピングトレーラーの提供ができる、といった優れた効果を奏する。
【0018】
また、本発明におけるキャンピングトレーラーによれば、車体ボディが既存の車メーカーの車装デザイン(車体設計)を流用するため、コンパクト性、軽量性、運転性、外装デザイン性、多様性、堅牢性、防水性、防音性、耐久性、耐候性、安全性、利便性、修理部品の調達性などの車体設計性能に優れたキャンピングトレーラーの提供ができる、といった優れた効果を奏する。
【0019】
また、本発明におけるキャンピングトレーラーによれば、牽引車から容易に切り離して保管できることから、自宅での駐車時においては、子供の勉強部屋としてや秘密基地として使用することができると共に、大人の利用時においては、趣味の部屋(映画・音楽鑑賞、読書、ゲーム、囲碁、将棋、麻雀、絵画、楽器演奏など)、書斎、テレワークルーム、リラックスルームとして利用することができる、といった優れた効果を奏する。
【0020】
また、本発明におけるキャンピングトレーラーによれば、製造時において既存のユースドカーのフロントガラス部と、ボンネット部と、ヘッドランプ部と、ワイパー部を取り外して一部加工する作業に留まることから、従来のハンドメイド製のキャンピングトレーラーと比して製作コストならびに製作日数及び製作工程が大幅に低減される、といった優れた効果を奏する。
【0021】
また、本発明におけるキャンピングトレーラーによれば、車幅灯、方向指示灯、ストップランプ、室内灯、ナンバープレート照明灯、ハザードランプ、バッテリー、施錠キー、オートドアロック装置、ドアガラス昇降装置、盗難防止警告装置、ラジオ、シュガーライター等は、既存のユースドカーに備えられている装置を流用して再利用することができることから防犯性ならびに利便性に優れたキャンピングトレーラーが提供できる、といった優れた効果を奏する。
【0022】
また、本発明におけるキャンピングトレーラーによれば、既存のユースドカーの窓ガラス部に遮蔽フィルムを貼付することによって、完全なプライバシー空間の確保ができる、といった優れた効果を奏する。
【0023】
また、本発明におけるキャンピングトレーラーによれば、ベース車両に中古車、不動車、スクラップ車、廃車、事故車等の車両価値が下がったユースドカーを利用することによって、スクラップ処理される車両資源の有効活用が図られる、といった優れた効果を奏する。
【0024】
また、本発明におけるキャンピングトレーラーによれば、牽引車は日常時においては通勤や買い物などの普通乗用車として利用できると共に、行楽先においては、トレーラーハウスを切り離して普段乗り馴れている乗用車として利用することができることで、疲労運転がなくなり行楽先での観光や買い物などの行動範囲が広くとれる、といった優れた効果を奏する。
【0025】
また、本発明におけるキャンピングトレーラーによれば、車内の床面が全面フラットに開放されているため、使用目的(ベッド、ソファ、自転車、バイク、テント、サーフィン、パラグライダー、スキューバダイビング、登山用品、スポーツ用品、キャンプ用品、寝具等を収納する)に合った空間スペースを提供することができる、といった優れた効果を奏する。
【0026】
また、本発明におけるキャンピングトレーラーによれば、低価格であると共に各車メーカーの多様なカーデザインが施されたトレーラーハウスのラインアップが図られることによってキャンピングユーザーの購買意欲を増すことができるため、事前に生産しておける在庫展示販売が可能になる、といった優れた効果を奏する。
【0027】
また、本発明におけるキャンピングトレーラーによれば、基本的にトレーラーハウス単体で販売されるため、購入ユーザーは個人の嗜好や、購入予算に合わせて従来にない個性的且つ低価格帯のキャンピングトレーラーを購入することができる、といった優れた効果を奏する。
【0028】
また、本発明におけるキャンピングトレーラーによれば、トレーラーハウスの大きさが軽バンタイプからワンボックスタイプの比較的コンパクトな小型車両で形成されていることによって、駐車スペースを広くとらないことや、牽引運行長さが従来のキャンピングトレーラーと比して短いことから女性や運転経験の浅いドライバーでも容易に運転することができる、といった優れた効果を奏する。
【0029】
また、本発明におけるキャンピングトレーラーによれば、従来のキャンピングトレーラーは大家族を対象として室内が豪華且つ大型に仕上げられているのが主流であったが、本発明におけるキャンピングトレーラーは、どちらかといえば少人数(夫婦や恋人同士や趣味仲間)ならびに趣味を追求する若者(車中泊独身者)等をターゲットとしたコンパクト且つオートキャンプに必要な最低限の装備を備えたキャンピングトレーラーであることから、従来のキャンピングトレーラーのファミリー的な需要層とは異なった新たな需要層の掘り起こしができる、といった優れた効果を奏する。
【0030】
また、本発明におけるキャンピングトレーラーによれば、フロントボディカバーの素材がFRP、鉄板、アルミ板、合成樹脂材等を使用していることによって、形状デザインをユーザーの嗜好や年式に合わせて多様且つ斬新なカーデザインを要して提供することができる、といった優れた効果を奏する。
【0031】
また、本発明におけるキャンピングトレーラーによれば、小型軽量で使い勝手が良く低料金の貸し出しができるようになることから、ご当地の駅前や観光案内所、レンタカー営業所等で新しい宿泊ビジネス「レンタル車中泊の旅」の旅行プラン等を提唱することで、宿泊施設が十分に整っていない市町村においても新たな観光客を呼び込むことができる、といった優れた効果を奏する。
【0032】
また、本発明におけるキャンピングトレーラーによれば、野外テント付きのキャンピングトレーラーを風光明媚なキャンプ場に複数台配置して自治体が管理する「キャンピングトレーラー村」を運営することによって、通常時は、観光収入源として予算の財源を確保し、非常災害時は、移動可能な臨時避難所として使用することができると共に、地方自治体が開催する大掛かりな祭典の観光客の宿泊施設が提供できる、といった優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本発明のキャンピングトレーラーの実施形態を示す説明図である。 (実施例1)
【
図2】本発明のキャンピングトレーラーの使用状態を示す説明図である。
【
図3】本発明のキャンピングトレーラーの改造状態を示す断面説明図である。
【
図4】本発明のキャンピングトレーラーのその他の使用状態を示す断面説明図である。
【
図5】本発明のキャンピングトレーラーの別の実施形態を示す説明図である。(実施例2)
【
図6】本発明のキャンピングトレーラーの別の使用状態を示す説明図である。
【
図7】本発明のキャンピングトレーラーの別の改造状態を示す断面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明におけるキャンピングトレーラー10は、後方に開閉ドアを備える既存のユースドカーUを改造したキャンピングトレーラー10であって、該キャンピングトレーラー10は、既存のユースドカーUの車体ボディ11と車体フレーム12と後輪タイヤ13bと緩衝装置と制動装置と指示灯装置16と、連結牽引装置17と、接地固定装置18と、タイヤハウスカバー24で構成されて成る手段を採ったことを最大の特徴とする。以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0035】
尚、本発明のキャンピングトレーラー10は、以下に述べる実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内、すなわち同一の作用効果を発揮できる形状及び寸法の範囲内で、適宜変更することができる。
【実施例0036】
図1は、本発明のキャンピングトレーラーの実施形態を示す説明図である。
図1(a)は本発明のキャンピングトレーラー10の構成を示す全体側面図である。
図1(b)は本発明のキャンピングトレーラー10の構成を示す断面説明図である。
本発明におけるキャンピングトレーラー10は、ユースドカーUの車体ボディ11の前方部に装着されているフロントガラス部19と、ボンネット部20と、ヘッドランプ部21と、ワイパー部25を取り外して前方部を開放し、その開放された前方部に車内空間Rを拡張する形状に形成されるフロントボディカバー22を装着すると共に、車体ボディ11の前方両側面に形成されているタイヤハウス23の側面に開閉可能なタイヤハウスカバー24を装着し、車体フレーム12の前側下方中央部には連結牽引装置17を連結すると共に、前側下方両側には接地固定装置18を備えて成るものである。
【0037】
ユースドカーUは、本発明のキャンピングトレーラー10のベース車(被牽引車)となるもので、後方に開閉ドアを備える既存の中古車、不動車、スクラップ車、廃車、事故車等を利用し、車内のエンジン駆動関係、ハンドル操舵関係、座席シート関係、ドライブシャフト、排気マフラー等を取り外した車両を利用する。
具体的な車種としては、ワンボックスカー、ワゴン車、商業車バン、軽ワゴン・バン車、ハイルーフ車などの後方に開閉ドアを備えるユースドカーUが好適である。
【0038】
車体ボディ11は、ユースドカーUの車体ボディ11の前方部に装着されているフロントガラス部19と、ボンネット部20と、ヘッドランプ部21、ワイパー部25、バックミラー等を取り外す一方、既存のユースドカーUの車体ボディ11に内蔵されている車幅灯、方向指示灯、ストップランプ、室内灯、ナンバープレート照明灯、ハザードランプ、バッテリー、施錠キー、オートドアロック装置、ドアガラス昇降装置、盗難防止警告装置、ラジオ、シュガーライター等は再利用される。
【0039】
フラット床パネル14は、床カーペットで覆われる組み立て式の床板材が使用され、バイクや自転車仕様においてはアルミ板製の足場材が使用され、防水仕様おいてはゴムマット等が組み合わせ自在に装備される。
【0040】
既存のユースドカーUのフロントガラス部19と、ボンネット部20と、ヘッドランプ部21と、ワイパー部25は、取り外されて廃棄されるが、フロントガラス部19は外周縁を加工してフロントボディカバー22の前方のぞき窓として再利用することもできる。
【0041】
車体フレーム12は、既存のユースドカーUの車体フレーム12を再利用する。
【0042】
後輪タイヤ13bは、既存のユースドカーUの後輪タイヤ13bを再利用する。
【0043】
緩衝装置は、既存のユースドカーUの後輪タイヤ13bのサスペンションを再利用する。
(図示省略)
【0044】
制動装置は、既存のユースドカーUのブレーキ装置を再利用する。(図示省略)
例えば、パーキングブレーキは、フットペダル式のパーキングブレーキは車内の任意の箇所に取り付けられ、ハンドル式のパーキングブレーキは車内の任意の箇所または連結牽引装置17の走行補助タイヤに連動させて取り付けられる。
また、電磁ディスクブレーキは、既存のユースドカーUの電磁ディスクブレーキを再利用し、後輪タイヤ13bに連動して取り付けられる。
【0045】
指示灯装置16は、既存のユースドカーUの車幅灯、方向指示灯、ストップランプ、ナンバープレート照明灯、ハザードランプを再利用するもので配線コネクターを介して牽引車C(自家用車)と連動させて接続される。
【0046】
連結牽引装置17は、所謂ヒッチメンバーとも呼ばれ、牽引車C(自家用車)の車体フレームの後側下方中央部とキャンピングトレーラー10の車体フレーム12の前側下方中央部にボールマウントとレシーバーとで連結されるもので、走行補助タイヤ付トレーラージャッキ、パーキングブレーキ、安全連結チェーン、配線コネクター、送風ダクトホース等が付属される。
【0047】
接地固定装置18は、例えば、キャンピングトレーラー10の車体フレーム12の前側下方両側に備えられるもので、走行時は内側に折り畳まれて格納され、接地固定時は折り畳んだ状態から外側に開放し、ハンドル部を回転させて設置固定足を接地させて固定状態とするものである。
また、設置固定足をストッパー付補助輪タイヤとすることでキャンピングトレーラー10を設置した状態で移動させることもできる。
【0048】
フロントボディカバー22は、既存のユースドカーUの車体ボディ11の前方部に装着されているフロントガラス部19と、ボンネット部20と、ヘッドランプ部21と、ワイパー部25を取り外して前方部を開放し、その開放された前方部に車内空間Rを拡張する形状に形成され取り付けられる。
形状としては、例えば、前方の空気抵抗を減少させる流線形に形成し、ユースドカーUから取り外されたフロントガラス部19の外周縁を加工して前方のぞき窓として形成することができる。
【0049】
また、フロントボディカバー22の形状は、中型車仕上げと小型車仕上げに分け、取り付け時においてフロントグリルとヘッドランプ部21に接する部分は既存のユースドカーUの形状に合わせてハンドメイド作業で加工することでフロントボディカバー22の定番化ならびに量産化を可能とするもので、特にその形状は特定されない。
【0050】
さらに、フロントボディカバー22の素材が、例えば、FRP、鉄板、アルミ板、合成樹脂材等を採用している場合は、形状デザインをユーザーの嗜好や年式に合わせて多様な車体設計デザインを施して提供することができる。
【0051】
タイヤハウスカバー24は、既存のユースドカーUの前方両側面に形成されているタイヤハウス23を開閉自在に塞ぐ略半円形のドア形状に形成され、タイヤハウス23の底部を底板で塞ぎ、該底板に丁番等で開閉自在に取り付けることによって、タイヤハウス23をチェーン、駐車ブロック、牽引ロープ、キャンプ道具、テント設営アンカーなど比較的汚れやすい備品を収納する収納庫として利用することができる。
また、素材としては、例えば、FRP、鉄板、アルミ板、合成樹脂材等が使用される。
【0052】
牽引車C(自家用車)は、ユーザーが普段日常的に使用している乗用車を利用するものであり、運行時は車両の後方に連結牽引装置17を取り付けて本発明のキャンピングトレーラー10を牽引する。
【0053】
車内空間Rは、既存のユースドカーUのフロントガラス部19と、ボンネット部20と、ヘッドランプ部21が装着されていた空間を拡張する形状に形成されるもので、前方にはキッチンキャビネット、冷蔵庫、発電機、給水貯留タンク、ガスボンベ、ポータブルトイレ等を収納し、さらに組み立て式床下収納機能付きの就寝平坦ベッド32(室内チェアを兼ねる)、テーブル、テレビ、AC電源コンセント、USB差込口等を設置して、料理、娯楽、就寝など多目的に利用することができる。
【0054】
本発明のキャンピングトレーラー10に使用されるユースドカーUが軽自動車キャンパー仕様であっても、大人が足を延ばした状態で就寝することができる十分な車内空間Rを確保して形成される。
【0055】
その他装着される装備品としては、ルーフキャリア31、背面キャリア、ポップアップ式ルーフテント30、ルーフボックス、野外拡張テント29、二段式ハンモック26などをオプションとして装備することができる。
【0056】
また、既存のユースドカーUに標準装備されているラジオ、ナビゲーション、盗難防止警告装置、シュガーライター、車内照明灯、座席シート(ユーザー仕様によって採用)等は再利用される。
【0057】
牽引車C(自家用車)に標準装備されている冷暖房装置は、切り替え機能付き送風ダクトホースによって牽引車C(自家用車)からキャンピングトレーラー10に送風することができる。(操作機能は牽引車C(自家用車)と連動させて既存のユースドカーUから操作する仕様とすることもできる。)
また、発電機からAC電源を確保することで家庭用やポータブル式の冷暖房装置を使用することもできる。
【0058】
また、キャンピングトレーラー10の前方中央下部にサスペンション付きの走行タイヤ(連結牽引装置17の幅広・重量タイヤとした走行補助タイヤを兼用することもできる)を装着して三輪仕様とすることによって、走行性ならび操舵性を高めると共に、駐車時の安定性も同時に確保することができる。
【0059】
ガソリンタンクは、キッチンシンクから排水される不用水を一時的に貯留し、排水可能な場所でタンクの外側に備えられた排水コックを開いて排水できる構造に改造することができる。
【0060】
図2は、本発明のキャンピングトレーラーの使用状態を示す説明図である。
図2(a)は本発明のキャンピングトレーラー10の全体斜視図である。
図2(b)は本発明のキャンピングトレーラー10の走行状態図である。
本発明におけるキャンピングトレーラー10は、後方に開閉ドアを備える既存のユースドカーUを改造したキャンピングトレーラー10であって、該キャンピングトレーラー10は、既存のユースドカーUの車体ボディ11と車体フレーム12と後輪タイヤ13bと緩衝装置と制動装置と指示灯装置16と、連結牽引装置17と、接地固定装置18と、で構成され、牽引車C(自家用車)に連結されて使用される。
尚、図示では、軽自動車を改造したキャンピングトレーラー10を軽自動車の牽引車Cで牽引している実施例を記載しているが、牽引車Cならびにキャンピングトレーラー10は普通車と軽自動車が夫々交互に入れ替わった状態で使用することもできる。
【0061】
図3は、本発明のキャンピングトレーラーの改造状態を示す断面説明図である。
既存のユースドカーUの車内のエンジン駆動関係、ハンドル操舵関係、座席シート関係、ドライブシャフト、排気マフラー等を取り外すと共に、車体ボディ11の前方部に装着されているフロントガラス部19と、ボンネット部20と、ヘッドランプ部21と、ワイパー部25、前輪タイヤ13a、バックミラー、座席シート、ハンドル部、チェンジレバー類、グローブボックスやメータ―類を含むインストルメントパネル全体が取り外される。
一方、車体ボディ11に内蔵されている車幅灯、方向指示灯、ストップランプ、室内灯、ナンバープレート照明灯、ハザードランプ、施錠キー、オートドアロック装置、ガラス窓開閉装置等及び後輪タイヤ13bは再利用される。
【0062】
新しく取り付けられる部品としては、改造されたフロントボディカバー22を装着し、車体フレーム12の前側下方中央部には連結牽引装置17を連結すると共に、前側下方両側には接地固定装置18を備え、車体ボディ11の前方両側面に形成されているタイヤハウス23の側面に開閉可能なタイヤハウスカバー24が装着される。
【0063】
従来のキャンピングトレーラーと本発明のキャンピングトレーラー10の相違点を挙げると、
(1)キャンピングトレーラーの車体フレームとユースドカーUの車体フレーム12が共通化しているため車体剛性が高い。
(2)車両ボディ11の天井高さが立ち歩き仕様ではなく、座り歩き仕様であるためキャンピングトレーラー10の軽量化ならびにコンパクト化が図れる。
(3)従来のオリジナルのハンドメイド製造ではなく、既存のユースドカーUを利用した改造製造であるため大幅な製造コストの低廉化が図れる。
(4)車両デザインが前方部を除いて既存のユースドカーUのボディデザインを流用するため多種多様のデザインのキャンピングトレーラー10の提供を可能にする。
(5)既存のユースドカーUの車体ボディ11に内蔵されている車幅灯、方向指示灯、ストップランプ、室内灯、ナンバープレート照明灯、ハザードランプ、施錠キー、オートドアロック装置、ガラス窓開閉装置などを再利用することができる。
(6)既存のユースドカーUの高度な車体設計性能を利用することができる。
(7)二輪走行仕様のタイヤハウス23の有効利用が図られる。
(8)ユースドカーUが後輪牽引走行となることで、車両空間Rのフラット化が図られ、さらに、車体高さの低重心化が図られる。
【0064】
以上で構成される本発明のキャンピングトレーラー10は、既存のユースドカーUの車体ボディ11と車体フレーム12と後輪タイヤ13bと緩衝装置と制動装置と指示灯装置16と、連結牽引装置17と、接地固定装置18と、タイヤハウスカバー24で構成されることから、既存のユースドカーUを利用することで低価格を実現すると共に、コンパクト性、軽量性、運転性、外装デザイン性、多様性、堅牢性、防水性、防音性、耐久性、耐候性、安全性、利便性、修理部品の調達性などの車体設計性能に優れたキャンピングトレーラー10の提供を可能とする。
【0065】
図4は、本発明のキャンピングトレーラーのその他の使用状態を示す断面説明図である。
図4(a)は、就寝平坦ベッド32を使用している状態図である。
就寝平坦ベッド32を使用した場合は、軽自動車仕様であっても大人が足を伸ばした状態で就寝することができる。
また、車内空間Rに二段式ハンモック26を設けて就寝することもできる。
【0066】
図4(b)は、キッチンキャビネット27を使用している状態図である。
キッチンキャビネット27(シンク・ガスコンロ)を使用した場合は、搭乗者が就寝平坦ベッド32の一端に腰掛けた状態で料理することができる。
【0067】
図4(c)は、ダインニングテーブル28を使用している状態図である。
食事ならびに団らん時にダインニングテーブル28を使用した場合は、就寝平坦ベッド32を組み替えて座った状態で食事ならびに団らんをとることができる。
【0068】
図4(d)は、野外拡張テント29を使用している状態図である。
車両に直結することができる野外拡張テント29を使用した場合は、野外テーブル、野外チェア、バーベキューセットなどを置くことができると共に、キャンピングトレーラー10の周辺に野外就寝用のシェラフを使って宿泊を行うことで、小型のトレーラーハウスでありながら牽引車C(自家用車)の定員一杯の人員が利用できるキャンピングトレーラー10が提供できる。
その他、キャンピングトレーラー10のハッチ型バッグドアを開放して野外拡張テント29を張ることでポータブルトイレ33を利用したトイレとしてや貯留タンクをルーフキャリア31上にセットしてシャワー室として利用することもできる。
さらに、本発明のキャンピングトレーラー10の車体ボディ11上のルーフキャリア31にポップアップ式ルーフテント30を載置して就寝用スペースを確保することもできる。
【0069】
本発明のキャンピングトレーラー10の実施例2の説明は、実施例1と同部品ならびに同様な構造については、その説明を省略している。
ユースドカーUは、本発明のキャンピングトレーラー10のベース車(被牽引車)となるもので、後方に開閉ドアを備える既存の中古車、不動車、スクラップ車、廃車、事故車のエンジン駆動関係、ハンドル操舵関係、座席シート関係、ドライブシャフト、排気マフラー等が取り外された車両を再利用する。
具体的な適合車としては、ワンボックスカー、ワゴン車、商業車バン、軽ワゴン・バン車、ハイルーフ車などの後方に開閉ドアを備えるユースドカーUが好適である。
前後輪タイヤ13(13a、13b)は、ベース車となるユースドカーUの前後輪タイヤ13(13a、13b)をそのまま再利用するもので、四輪タイヤ仕様とすることで、駐車時のキャンピングトレーラー10の安定性とクッション性とが維持され、さらに設置移動時の調整作業が容易に得られる。
尚、牽引運転時の操舵性を上げるために、サスペンション調整やタイヤ径を変えることで前輪タイヤ13aを走行時において接地面から浮かす構造とすることもできる。
ユースドカーUの車体ボディ11の前方部にフロントボディカバー22を装着し、車体フレーム12の前側下方中央部には連結牽引装置17を連結すると共に、前側下方両側には接地固定装置18を備えて改造される。
以上で構成される本発明のキャンピングトレーラー10は、既存のユースドカーUの車体ボディ11と車体フレーム12と前後輪タイヤ13(13a、13b)と緩衝装置と制動装置と指示灯装置16と、連結牽引装置17と、接地固定装置18と、で構成されることから、既存のユースドカーUを利用することで低価格を実現すると共に、コンパクト性、軽量性、運転性、外装デザイン性、多様性、堅牢性、防水性、防音性、耐久性、耐候性、安全性、利便性、修理部品の調達性などの車体設計性能に優れたキャンピングトレーラー10の提供を可能とする。