(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077855
(43)【公開日】2024-06-10
(54)【発明の名称】ドアノブ
(51)【国際特許分類】
E05B 47/00 20060101AFI20240603BHJP
E05B 49/00 20060101ALI20240603BHJP
E05B 49/04 20060101ALI20240603BHJP
E05B 1/00 20060101ALI20240603BHJP
【FI】
E05B47/00 R
E05B49/00 S
E05B49/04
E05B1/00 311H
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022190053
(22)【出願日】2022-11-29
(71)【出願人】
【識別番号】000147442
【氏名又は名称】株式会社WEST inx
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 隆
(72)【発明者】
【氏名】西 康雄
(72)【発明者】
【氏名】坂 一樹
【テーマコード(参考)】
2E250
【Fターム(参考)】
2E250AA01
2E250CC11
2E250DD09
2E250FF03
(57)【要約】
【課題】認証を経て解錠可能となる新たな施解錠構造を提供することを課題とする
【解決手段】係合芯2を有し、ラッチを備えた錠に前記係合芯2を係合させた状態で扉に取り付けられるドアノブ1であって、所定の操作によって認証を行う認証手段8と、手動操作部材3と、当該手動操作部材3と前記係合芯2を係合・離脱させるクラッチ部材30と、前記認証手段8の信号によって動作し前記クラッチ部材30を動作させる駆動部材13を有し、前記認証手段8の信号によって前記駆動部材を動作させて前記クラッチ部材を介して前記手動操作部材と前記係合芯を係合させ、その状態で前記手動操作部材を操作して前記係合芯を回動させることが可能であるドアノブ1。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
係合芯を有し、ラッチを備えた錠に前記係合芯を係合させた状態で扉に取り付けられるドアノブであって、
所定の操作によって認証を行う認証手段と、手動操作部材と、当該手動操作部材と前記係合芯を係合・離脱させるクラッチ部材と、前記認証手段の信号によって動作し前記クラッチ部材を動作させる駆動部材を有し、
前記認証手段の信号によって前記駆動部材を動作させて前記クラッチ部材を介して前記手動操作部材と前記係合芯を係合させ、その状態で前記手動操作部材を操作して前記係合芯を回動させることが可能であることを特徴とするドアノブ。
【請求項2】
前記手動操作部材として機能する本体部を有し、当該本体部は回動するものであって、前記本体部に前記認証手段の操作部があることを特徴とする請求項1に記載のドアノブ。
【請求項3】
前記本体部の中に前記認証手段の電子機器と、電源と、駆動部材が内蔵されていることを特徴とする請求項2に記載のドアノブ。
【請求項4】
前記手動操作部材として機能する本体部を有し、前記本体部に係合芯保持部があり、前記係合芯は一端側が前記係合芯保持部に保持された状態で他の部位が前記本体部から突出し、前記係合芯保持部内に本体側クラッチ片があり、前記係合芯の一端に芯側クラッチ片があり、前記本体側クラッチ片が前記駆動部材によって軸方向に移動して芯側クラッチ片と係合・離脱することを特徴とする請求項1に記載のドアノブ。
【請求項5】
前記駆動部材は、一定時間の間動作して前記クラッチ部材を介して前記手動操作部材と前記係合芯を係合させ、一定時間が経過すると前記手動操作部材と前記係合芯の係合が解除されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のドアノブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、錠と共に扉に取り付けられて使用者が操作するドアノブであって、錠のラッチを後退させたり、ラッチを反転可能な状態とするドアノブに関するものである。
【背景技術】
【0002】
扉には、錠とドアノブが取り付けられる。錠は、例えば箱状やチューブ状の本体と、ラッチを有するものであり、本体には角芯が挿通されるハブと、ラッチを後退させたり、ラッチの反転を許容する機構を有している。また施錠機能を備えた錠はデッドボルトと、デッドボルトを出没させる機構を備えている。
ドアノブは、台座部と、手動操作部材と、角芯と称される係合芯によって構成されている。手動操作部材は、レバーハンドルや握り玉と称されるものであり、台座部に回動可能に取り付けられている。角芯は、手動操作部材から突出している。
ドアノブは、多くの場合、台座部を介して扉の表面に取り付けられ、手動操作部材は扉に対して回動可能である。
また扉の内部には、錠が配される。そしてドアノブの角芯が錠のハブに挿通されている。
【0003】
使用者が扉を開かんとする際には、手動操作部材を手で保持して当該手動操作部材を回動する。その結果、角芯が回動してハブを回動し、ラッチが錠に引き入れられる。また反転ラッチと称される構造の錠であれば、ハブを回動することによってラッチが反転可能な状態となり、扉を開くことよってラッチの姿勢が変化し、扉の動きに伴ってラッチが錠側に沈む。
【0004】
施錠する機能を備えた錠は、ドアノブとは別にサムターンやシリンダー等の施錠部材が扉に取り付けられる。
施錠する場合は、シリンダーに鍵を挿通し、鍵を回動させてデッドボルトを突出させる。解錠する際にはシリンダーに鍵を挿通して、鍵を回動してデッドボルトを錠側に没入させる。
【0005】
またラッチやその付属品の移動軌跡上に障害物を移動させ、ラッチの後退を阻止して扉か開くことを阻止する構造の錠もある。またハブの回動軌跡に障害物を移動させてハブの回動を阻止し、扉か開くことを防ぐ阻止する構造の錠もある。
これらに対応するドアノブは、手で保持して回動する手動操作部材とは別に、施錠機構を持つ。
施錠機構の多くは台座に操作摘み等があり、当該操作摘みに動作軸が設けられている。動作軸は、錠の一部と係合している。操作摘みを回動させると動作軸が回動し、例えばラッチやその付属品の移動軌跡上に障害物を移動させ、ラッチの後退を阻止して扉か開くことを阻止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
旧来の錠は、鍵を使用して施解錠するものであったが、鍵に代わって暗証番号やカード等による認証を経て解錠することができる状態となるものが知られている。また顔認証や網膜認証等よる認証によって解錠するものもある。
本発明は、認証を経て解錠可能となる新たな施解錠構造を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した課題を解決するための態様は、係合芯を有し、ラッチを備えた錠に前記係合芯を係合させた状態で扉に取り付けられるドアノブであって、所定の操作によって認証を行う認証手段と、手動操作部材と、当該手動操作部材と前記係合芯を係合・離脱させるクラッチ部材と、前記認証手段の信号によって動作し前記クラッチ部材を動作させる駆動部材とを有し、前記認証手段の信号によって前記駆動部材を動作させて前記クラッチ部材を介して前記手動操作部材と前記係合芯を係合させ、その状態で前記手動操作部材を操作して前記係合芯を回動させることが可能であることを特徴とするドアノブである。
【0009】
本態様のドアノブは、ラッチを備えた錠と組み合わされて使用されるものである。
本態様のドアノブは、クラッチ部材を有し、クラッチ部材を介して手動操作部材と係合芯が係合する。クラッチ部材によって手動操作部材と係合芯が係合している状態の場合であれば、手動操作部材を操作することによって、ラッチを後退させたり、ラッチの反転を許容することができる。即ちクラッチ部材によって手動操作部材と係合芯が係合している状態の場合であれば、扉を開くことができる。即ち、解錠状態となる。
これに対して、クラッチ部材が切れていて手動操作部材と係合芯が係合していない状態であれば、手動操作部材を操作しても係合軸は回転せず、扉を開くことはできない。即ち、解錠状態にはならない。
本態様のドアノブは、認証手段を有し、当該認証手段の信号によって駆動部材を動作させてクラッチ部材を動作させるものであるから、認証を経て錠が解錠可能となる。
【0010】
上記した態様において、前記手動操作部材として機能する本体部を有し、当該本体部は回動するものであって、前記本体部に前記認証手段の操作部があることが望ましい。
【0011】
本態様のドアノブでは、本体部を回動させることによって係合芯を回動させる。
【0012】
上記した態様において、前記本体部の中に前記認証手段の電子機器と、電源と、駆動部材が内蔵されていることが望ましい。
【0013】
本態様によると、主要な部材が本体部の中に収容されているので、外部配線等が少なく、扉への組付けが簡単である。
【0014】
上記した態様において、前記手動操作部材として機能する本体部を有し、前記本体部に係合芯保持部があり、前記係合芯は一端側が前記係合芯保持部に保持された状態で他の部位が前記本体部から突出し、前記係合芯保持部内に本体側クラッチ片があり、前記係合芯の一端に芯側クラッチ片があり、前記本体側クラッチ片が前記駆動部材によって軸方向に移動して芯側クラッチ片と係合・離脱することが望ましい。
【0015】
本態様は、ドアノブの望ましい構造である。
【0016】
上記した態様において、前記駆動部材は、一定時間の間動作して前記クラッチ部材を介して前記手動操作部材と前記係合芯を係合させ、一定時間が経過すると前記手動操作部材と前記係合芯の係合が解除されることが望ましい。
【0017】
本態様によると、一定時間が経過すると解錠できない状態に復帰するので、防犯性が高い。一定時間は任意であるが例えば数秒である。
【発明の効果】
【0018】
本発明のドアノブによると、認証を経て錠が解錠可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施形態のドアノブを錠と組み合わせた状態における斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態のドアノブを、錠から外した状態を示す分解斜視図である。
【
図3】
図1のドアノブの断面図であり、(a)は、クラッチが外れている状態を示し、(b)は、クラッチが繋がっている状態を示す。
【
図4】(a)は、
図1のドアノブのクラッチ部分を一方側から見た斜視図であり、(b)は、反対側から見た斜視図である。
【
図5】
図1のドアノブの本体部の端部の斜視図であり、(a)は、本体側クラッチ片が仕切壁の開口に没入している状態を示し、(b)は、本体側クラッチ片が仕切壁の開口から突出している状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態のドアノブ1について説明する。
本実施形態のドアノブ1は、
図1、
図2の様に、錠100と組み合わされて使用されるものである。錠100は、四角形の箱部材101を有し、当該箱部材101の側面からラッチ102が出没するものである。
図2の様に、錠100の表裏面には、ラッチ102を引き入れるためのハブがあり、当該ハブにドアノブ1の角芯(係合芯)2を挿通させる係合孔103がある。
【0021】
本実施形態のドアノブ1は、
図1、
図2、
図3の様に、回動する軸状の本体部3と、本体部3に取り付けられた角芯2によって構成されている。
本体部3は、手動操作部材として機能するものである。本体部3は、外郭部材20を有し、その一端側の端面に指紋認証装置8の操作部5があり、他端側に係合芯保持部6がある。角芯(係合芯)2は係合芯保持部6に片持ち状に保持されていて本体部3から突出している。角芯2の基端側には芯側クラッチ片7が一体的に形成されている。
操作部5は使用者が認証のために指で触れる部位であり、指紋を検知する検知面である。
【0022】
本体部3内には、指紋認証装置8の電子機器10と、電池(電源)11と、本体側クラッチ片12及び駆動部材13が内蔵されている。
本実施形態のドアノブ1では、常時、本体側クラッチ片12と芯側クラッチ片7とが非係合状態であり、本体部3を回動しても角芯(係合芯)2は回動しない。
一方、本体部3の指紋認証装置8の操作部5で指紋を認証すると、駆動部材13が駆動して一定時間(例えば数秒)の間だけ本体側クラッチ片12と芯側クラッチ片7が係合する。
この状態で本体部3を回動すると角芯2が回動して、ラッチ102が引き入れられる。一方、指紋の認証が行われていなければ、本体側クラッチ片12と芯側クラッチ片7は係合しておらず、本体部3を回動しても当該本体部3が空回りし、角芯2は回動せず、ラッチ102は動かない。
以下、各部材について説明する。
【0023】
本体部3は、中空の外郭部材(手動操作部材)20を有している。外郭部材20は、大径の機器内蔵部21と、小径の係合芯保持部6が一体化されたものである。
機器内蔵部21は、円筒形であって、円形の頂面22と、周面23を有している。頂面22の中心には開口26が設けられている。機器内蔵部21の周面23には、滑り止めとなる突条25が軸方向に複数条、設けられている。
【0024】
本体部3の機器内蔵部21には、指紋認証装置8の電子機器10と、電池(電源)11が内蔵されている。指紋認証装置8の操作部5は、機器内蔵部21の頂面22の開口26に臨む位置にある。
【0025】
係合芯保持部6は、機器内蔵部21から突出した小径の部分であり、角芯2の基端側が支持されている。機器内蔵部21の内部には
図3、
図5の様に仕切壁40があり、当該仕切壁40には六角形の開口41が設けられている。
また本実施形態では、本体部3の機器内蔵部21から係合芯保持部6にかけての部分にクラッチ30が内蔵されている。クラッチ30は、芯側クラッチ片7と、本体側クラッチ片12と駆動部材13によって構成されている。
芯側クラッチ片7は、角芯2の端部に設けられており、
図4の様に、円柱状の保持部31と、六角形の係合凹部32を有している。即ち芯側クラッチ片7は、角芯2の本体部分の端部に設けられた円柱状の保持部31と、当該円柱状の保持部31の端面に彫り込まれた六角形の係合凹部32によって構成されている。
【0026】
本体側クラッチ片12は、六角形の係合突起35を有している。
係合芯保持部6には前記した様に仕切壁40があり、当該仕切壁40には六角形の開口41が設けられている。そして前記した六角形の開口41に、本体側クラッチ片12の六角形の係合突起35がはめ込まれている。
本体側クラッチ片12の係合突起35は、仕切壁40の開口41に対して軸方向に移動可能であるが回動方向には一体的に姿勢変更する。本実施形態では、仕切壁40の開口41が本体側クラッチ片12を軸方向にのみ移動させるガイド孔として機能する。
駆動部材13は、機器内蔵部21であって係合芯保持部6の近傍に配されている。駆動部材13はソレノイドであり、軸42が出没する。駆動部材13の軸41は、本体側クラッチ片12に接続されている。駆動部材13の軸42が突出すると、本体側クラッチ片12の係合突起35の一部が、仕切壁40の開口41から突出する。
【0027】
角芯2は、軸受け36を介して係合芯保持部6に回動可能に保持されている。
角芯2の芯側クラッチ片7は、係合芯保持部6の中であって端部側の位置に収容されている。本体側クラッチ片12は、係合芯保持部6の中の機器内蔵部21側であって、芯側クラッチ片7と対向する位置に配されている。
本体側クラッチ片12は、六角形の係合突起35が、仕切壁40の六角形の開口41と係合しており本体側クラッチ片12と本体部3は回動方向には一体である。
【0028】
また本体側クラッチ片12の六角形の係合突起35は、係合芯保持部6の六角形の開口41の内周面と接しており、本体側クラッチ片12は軸方向にのみ自由度を持つ。また前記した様に本体側クラッチ片12は駆動部材13と接続されており、駆動部材13によっては、係合芯保持部6内を軸方向に移動する。
図3(b)の様に、本体側クラッチ片12が駆動部材13によって芯側クラッチ片7側に移動すると、本体側クラッチ片12の係合突起35が、芯側クラッチ片7の係合凹部32と係合し、クラッチ30が繋がった状態となる。そのため本体部3を回動すると、角芯2も回動する。
駆動部材13は、指紋認証装置8によって認証されると、その信号によって図示しないリレーが繋がり、電池(電源)11から通電されて一定の時間だけ突出状態となる。
即ち、指紋認証装置8によって認証されると、駆動部材13が突出状態となって本体側クラッチ片12が芯側クラッチ片7側に移動し、クラッチ30が繋がった状態となり、本体部3と角芯2が回動方向に繋がる。そのため本体部3を回動すると、角芯2も回動する。
【0029】
ドアノブ1は、角芯2を錠100の係合孔103に挿通した状態で図示しない扉に取り付けられる。また角芯2の自由端側にはハンドル等の他のドアノブ110が取り付けられる。なお実際には、台座を介してドアノブ1を扉に取り付けるが、作図の関係上、台座を省略している。
【0030】
次に、ドアノブ1の機能について説明する。本実施形態のドアノブ1は、
図3(a)の様に、常時、クラッチ30が切れた状態となっている。そのため本体部3を回動しても本体部3は空転し、角芯2は回動しない。そのため本体部3を回動してもラッチは引き込まれず、扉を開くことができない。即ち、実質的に施錠状態となっている。
【0031】
本実施形態のドアノブ1は、指紋認証装置8による認証を経て、本体部3を手動で回動し、扉を開くことができる。
本実施形態のドアノブ1は、指紋認証装置8による認証がなされると、これらの解除信号によって駆動部材13が一定時間だけ突出状態となり、クラッチ30が繋がる。
この状態で本体部3を手で掴んで回動すると、角芯2が回動し、錠100のハブが回動してラッチが引き込まれ、ドアを開くことができる状態となる。即ち、実質的に解錠される。
【0032】
本実施形態のドアノブ1は、主要な部材が本体部3の中に収容されているので、外部配線等が少なく、扉への組付けが簡単である。また既存のドアノブと取り換えることによって施錠できる扉にすることもできる。
【0033】
本実施形態では、係合芯保持部6内の仕切壁40に角型の開口41を設け、当該開口41に本体側クラッチ片12の係合突起35を係合させることによって本体側クラッチ片12の、本体部3に対する相対的な回動を阻止している。
即ち本体側クラッチ片12を出没させる駆動部材13は、ソレノイドであり、その軸42は回動する。そのため、軸42に接続された本体側クラッチ片12の回動を防ぐための構造が必要となる。本実施形態では、本体側クラッチ片12の係合突起35を仕切壁40に角型の開口41と係合させることによって、本体側クラッチ片12の本体部3に対する相対的な回動を阻止している。
本実施形態では、本体側クラッチ片12の回動が阻止されるので、駆動部材13には回動力が負荷されない。そのため、ドアノブ1を強い力で回動しても当該回動力は駆動部材13に掛からず、駆動部材13を傷つけない。
上記した本体側クラッチ片12の回動を阻止する構造は、推奨されるものではあるが、本発明はこの構成に限定されるものではない。例えば、係合突起35の形状は六角形に限定されるものではなく、他の多角形や、楕円形等であってもよい。
また係合突起35以外の部分を他の部材と係合させて本体側クラッチ片12の回動を阻止してもよい。
【0034】
以上説明した実施形態では、円筒形の本体部3が手動操作部材として機能し、使用者は本体部3を掴んで回して解錠等を行う。
円筒形の本体部3は握り易く、推奨される形状であるが、本発明はこの形状に限定されるものではない。例えば握り玉の様な球形に近いものであってもよい。またレバーハンドルの様な棒状の部分があってもよい。
【0035】
上記した実施形態では、認証手段として指紋認証装置8を例示したが、認証手段はこれに限定されるものではなく、顔認証や音声認証あるいは網膜膜認証等であってもよい。即ち身体的特徴による認証手段を採用可能である。またカード認証等の様な特有の持ち物を使用する認証手段であってもよい。暗証番号を入力するものであってもよい。
【符号の説明】
【0036】
1 ドアノブ
2 角芯(係合芯)
3 本体部(手動操作部材
5 操作部
6 係合芯保持部
7 芯側クラッチ片
8 指紋認証装置
10 電子機器
12 本体側クラッチ片
13 駆動部材
20 外郭部材
21 機器内蔵部
30 クラッチ
100 錠
102 ラッチ