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▶ 株式会社サンセイアールアンドディの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077864
(43)【公開日】2024-06-10
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20240603BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022190069
(22)【出願日】2022-11-29
(71)【出願人】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】山本 健弘
【テーマコード(参考)】
2C333
【Fターム(参考)】
2C333AA11
2C333CA29
2C333CA51
2C333CA53
2C333FA05
2C333FA08
2C333FA17
(57)【要約】
【課題】遊技者の遊技意欲を向上させ得る遊技機を提供する。
【解決手段】パチンコ遊技機1は、遊技制御用マイコン61からの特図変動開始コマンドに基づく演出制御用マイコン101からの指示を受けた画像制御用CPU202による制御に基づいて、演出表示装置7に複数種類の演出が表示される。画像制御用CPU202は第1・第2操作演出において、十字ボタン6の操作に応じて移動する視点から視認される風景画像を、演出表示装置7に動的に表示させる。また、第1・第2操作演出において演出表示装置7に表示される風景画像の態様を、特図当たり判定の結果に基づいて変化させる。
【選択図】図30
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者の遊技に基づく判定が特定結果となったことに応じて遊技者に有利な状態を付与する遊技制御手段と、前記遊技制御手段の指示に基づいて演出に関する制御を実行する演出制御手段と、前記演出制御手段による制御に基づいて複数種類の演出を表示する演出表示手段と、前記演出表示手段に表示される演出の内容に変化を付与するための遊技者操作の対象となる演出操作手段とを備えた遊技機であって、
前記演出制御手段は、前記演出操作手段の操作に応じて移動する視点から視認される風景画像を前記演出表示手段に動的に表示させると共に、その風景画像の態様を前記判定の結果に基づいて変化させる
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記演出制御手段は、
仮想の移動対象領域上に位置する前記視点の位置情報を記憶する位置記憶手段と、
前記演出操作手段の操作に合わせて前記位置情報を更新する視点変位手段と、
前記移動対象領域上において前記視点が移動可能な移動経路を設定すると共に、該移動経路の態様を前記判定の結果に基づいて変更する領域設定手段とを備え、
前記領域設定手段によって前記移動経路の態様が変更された前記移動対象領域が、前記位置記憶手段に記憶される前記位置情報に対応する位置の前記視点から視認されることに応じた前記風景画像を、前記視点変位手段による前記位置情報の更新に応じて前記演出表示手段に動的表示させる請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記演出制御手段は、前記移動対象領域上の特定位置に前記視点を到達させることで前記判定の結果に関する示唆情報を付与する操作演出を制御可能であり、
前記領域設定手段は、前記特定位置に繋がる移動経路の態様を、前記判定が前記特定結果となった場合には通過可能な態様とする一方、前記特定結果とは異なる非特定結果となった場合には通過不可能または通過困難な態様とする請求項2記載の遊技機。
【請求項4】
前記演出制御手段は、前記視点を予め定めた期間内に前記移動対象領域上の特定位置まで到達させることができるか否かに応じて前記判定の結果を示唆する操作演出を制御可能であり、
前記領域設定手段は、前記判定の結果に応じて、前記特定位置に繋がる移動経路の長さを変化させる請求項2記載の遊技機。
【請求項5】
前記移動対象領域の前記移動経路は、前記演出操作手段の操作に応じた複数の進行態様で通過可能であり、かつその進行態様に応じて通過時間が相違するように設定され、
前記領域設定手段は、前記判定の結果が前記特定結果と異なる非特定結果となった場合における前記移動経路の長さを、前記演出操作手段の操作に応じた進行態様に基づいて、前記予め定めた期間内に前記特定位置まで到達し得ない長さに調整する請求項4に記載の遊技機。
【請求項6】
前記演出制御手段は、前記演出表示手段で実行する図柄変動表示の結果に応じて前記判定の結果を報知または示唆可能であり、該図柄変動表示で変動表示する図柄の背景を、前記演出操作手段の操作に応じて移動する視点から視認される前記風景画像として前記演出表示手段に表示可能である請求項1~5の何れか一項に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊技機としては例えば、遊技球を用いて遊技を行うパチンコ遊技機が知られている。このパチンコ遊技機は、機内部に配置されている遊技盤の前面側に遊技領域が形成されており、その遊技領域を機前方から視認できるように構成されている。遊技領域には複数種類の入球口が点在している。このため、遊技者のハンドル操作等によって遊技領域に打ち出された遊技球が当該遊技領域を流下する過程で、複数のうち何れかの入球口に入球したり、或いは入球せず遊技領域の下端まで流下してアウト口から排出されたりする。そして、遊技球が入球口に入球した場合、その入球口の種類に応じた賞球が遊技者に向けて付与される。すなわち、パチンコ遊技機で遊技を行う場合、遊技球が入球口に入球することに応じて利益を得ることができる(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-13042号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年ではパチンコ遊技機において、演出ボタンや演出レバー等を遊技者が操作することで演出内容を変化させる操作演出が行われている。しかしながら、遊技に応じて予め決定された抽選結果に応じた画像を演出中の遊技者操作のタイミングで表示するものに過ぎず、出来レース感が強くて遊技者に不信感を与え易い演出内容となっている。すなわち、従来の操作演出においては改善の余地がある。
【0005】
本発明は、従来における問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、遊技者の遊技意欲を向上させ得る遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため本発明に係る遊技機は、遊技者の遊技に基づく判定が特定結果となったことに応じて遊技者に有利な状態を付与する遊技制御手段と、前記遊技制御手段の指示に基づいて演出に関する制御を実行する演出制御手段と、前記演出制御手段による制御に基づいて複数種類の演出を表示する演出表示手段と、前記演出表示手段に表示される演出の内容に変化を付与するための遊技者操作の対象となる演出操作手段とを備えた遊技機であって、前記演出制御手段は、前記演出操作手段の操作に応じて移動する視点から視認される風景画像を前記演出表示手段に動的に表示させると共に、その風景画像の態様を前記判定の結果に基づいて変化させることを特徴とする。
【0007】
これによれば、遊技者の操作に応じて移動する視点に応じた風景画像を表示するので、遊技機での遊技中において、ロールプレイングゲームで得られるような操作感を実現できる。またこの場合に、遊技者の遊技に基づく判定の結果により、風景画像の態様を変化させるので、遊技者操作に応じて表示され得る風景画像の態様から判定の結果を推測させることが可能となる。すなわち、遊技者の遊技に基づく判定の結果に関する情報を、自身の操作に応じて表示される風景画像上から得ることができるので、出来レース感を抑えて遊技者の満足感を高め、遊技意欲を向上させ得る。
【発明の効果】
【0008】
前記構成を有する本発明に係る遊技機によれば、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態におけるパチンコ遊技機の正面図である。
図2】(a)は、図1における遊技領域のうち右下領域の拡大図であり、(b)は、図1における表示画面上に設けられる集合表示部の拡大図である。
図3】主制御基板及び周辺機器の電気的構成をブロックで示す説明図である。
図4】サブ制御基板及び周辺機器の電気的構成をブロックで示す説明図である。
図5】当否判定テーブルの説明図である。
図6】(a)は、第1特図用の大当たり種別判定テーブルの説明図であり、(b)は、第2特図用の大当たり種別判定テーブルの説明図である。
図7】小当たり種別判定テーブルの説明図である。
図8】リーチ判定テーブルの説明図である。
図9】(a)は、第1特図用の特図変動パターン選択テーブルの説明図、(b)は、第2特図用の特図変動パターン選択テーブルの説明図である。
図10】普通図柄当否判定テーブルの説明図である。
図11A】普図当たり種別判定テーブルの説明図である。
図11B】普図変動パターン選択テーブルの説明図である。
図12】メイン側主制御処理のフローチャートである。
図13】メイン側タイマ割込処理のフローチャートである。
図14】図柄用センサ検出処理のフローチャートである。
図15A】普通動作処理のフローチャートである。
図15B】普図条件確認処理のフローチャートである。
図16】特別図柄待機処理のフローチャートである。
図17】特図大当たり判定処理のフローチャートである。
図18】特図変動パターン選択処理のフローチャートである。
図19図18の続きのフローチャートである。
図20】特別図柄関連処理のフローチャートである。
図21】遊技状態管理処理のフローチャートである。
図22】特別電動役物処理(1種大当たり、V当たり)のフローチャートである。
図23】特別電動役物処理(小当たり)のフローチャートである。
図24】サブ側主制御処理のフローチャートである。
図25】1msタイマ割込処理のフローチャートである。
図26】10msタイマ割込処理のフローチャートである。
図27】受信コマンド解析処理のフローチャートである。
図28】変動演出制御処理のフローチャートである。
図29】遊技状態及び演出モードに関する説明図である。
図30】第1操作演出の風景画像として表示される移動対象領域を平面視した状態で示す概略構成図(マップ)である。
図31】(a)は、図30に示す視点x1から視認される移動対象領域の視界範囲であり、(b)は、(a)の視界範囲に対応して表示される風景画像である。
図32】(a)は、図30に示す視点x2から視認される移動対象領域の視界範囲であり、(b)は、(a)の視界範囲に対応して表示される風景画像である。
図33】(a)は、演出図柄の表示変化のタイミングとの関係でハズレ第1操作演出の演出内容を示した説明図であり、(b)は、演出図柄の表示変化のタイミングとの関係で当たり第1操作演出の演出内容を示した説明図である。
図34】移動対象領域の第1経路上に存在する2つの分岐点間の視点が移動するのにかかる時間と、第1経路上の分岐点から宝箱の出現ポイントまで視点が移動するのにかかる時間とを示している。
図35】第1操作演出での制限時間の開始時における視点位置から宝箱の出現ポイントに到達するまでの移動パターンとその移動パターンで移動した時に必要な移動時間とを示している。
図36図30に示す移動対象領域の一部拡大図であって、崩落エリアにおいて地面の崩落が生じた状態を示している。
図37】第2操作演出の風景画像として表示される第2の移動対象領域を平面視で示した説明図(マップ)である。
図38】第2の移動対象領域の移動経路のスタート地点(サーキットゲートの下)にある視点から視認される風景画像である。
図39】(a)は、第2の移動対象領域の移動経路上に存在するカーブ経路部分を通過するレーシングカー(視点)の適切な走行軌道を二点鎖線の矢印で示した説明図であり、(b)は、第2の移動対象領域の移動経路上に存在するカーブ経路部分を通過するレーシングカー(視点)の不適切な走行軌道を二点鎖線の矢印で示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態に係る遊技機について図を参照しつつ説明する。以下の説明では、本発明の実施形態に係る遊技機として、遊技球を用いて遊技を行うパチンコ遊技機を例に挙げる。なお、パチンコ遊技機の各部について方向や位置関係を説明する場合は、このパチンコ遊技機と対向して遊技を行う遊技者から見た状態での「左」「右」及び「上」「下」を基準とする。また、遊技者から見て近い側(手前側)を「前」とし、遠い側(奥側)を「後」とする。
【0011】
実施形態のパチンコ遊技機1は、図1に示すように、遊技機枠を備える。遊技機枠は、後述する遊技盤2を保持する内枠16と、この内枠16の前面を覆う扉状の前面枠18とを少なくとも含むように構成され、矩形枠状の外枠Wを介して遊技店内の設置島(図示せず)に設置される。前面枠18は、左サイドランプ23aと、右サイドランプ23bと、トップランプ23cとを備え、これらで囲まれる内側に窓18aが形成されている。この窓18aは、遊技盤2の盤面(前面)に形成される遊技領域3を視認可能とする開口であり、この窓18aを塞ぐように透明なガラス板が設けられるが、図1では省略している。また、前面枠18の左右の上端部(トップランプ23cを挟む左右両側)に、音楽、効果音及び報知音等の音を演出内容に応じて出力する音出力手段としてのスピーカ8が夫々設けられている。
【0012】
前面枠18は、左サイドランプ23a及び右サイドランプ23bを構成する両側部が透光性を有し、その透光性を有する部分の内側には複数のLEDが配置されている。各LEDは、それぞれ複数色を発光可能であり、演出内容に応じて点灯または点滅し、更に発光色を変化させる。
また、トップランプ23cは、内部(図示せず)にLEDおよび回転リフレクタを有する回転灯を構成している。LEDは、複数色を発光可能であり、演出内容や報知内容に応じて点灯または点滅し、更に発光色を変化させる。回転リフレクタは、可動体モータ23d(図4)の駆動に応じてLEDの周囲で回転し、LEDの光の反射方向を変化させる。
【0013】
また、前面枠18の下部には、ハンドル4と、打球供給皿(上皿ともいう)24と、余剰球受皿(下皿ともいう)25とが設けられている。打球供給皿24は、貸球払出装置80(図3)及び賞球払出装置400(図3)から払出された遊技球を貯留する、又は発射装置90(図3)に供給する遊技球を貯留するためのものである。余剰球受皿(下皿ともいう)25は、前面枠18のうち打球供給皿24の下方に設けられている。余剰球受皿25は、打球供給皿24の貯留可能数を超えた遊技球を貯留する。
【0014】
ハンドル4は、前面枠18のうち右下、つまり、パチンコ遊技機1と対向して遊技を行う遊技者が右手で握ることができる位置に設けられている。ハンドル4は、タッチスイッチ92(図3)と、発射レバー4aと、発射停止ボタン4bとを備えている。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力するものであり、ハンドル4を握った遊技者の右手が触れる部分に配置されている。発射レバー4aは、発射装置90(打撃槌)による遊技球の発射強度を調整するためのものであり、ハンドル4に回動可能に設けられている。発射停止ボタン4bは、遊技球が発射されているときに遊技球の発射を停止するためのものであり、ハンドル4を握った右手の親指により操作可能な位置に設けられている。
【0015】
前面枠18のうち打球供給皿24の上面に、演出ボタン5が設けられている。この演出ボタン5は、パチンコ遊技機1と対向する遊技者が片手で押下操作可能であるが、当該遊技者が片手のみでハンドル4と同時に操作することが不可能な位置に設けられている。また、演出ボタン5は、遊技者が片手のみで後述する十字ボタン6と同時に操作することが不可能な位置に設けられている。演出ボタン5にはバネ等の弾性部材(図示せず)が内蔵されており、演出ボタン5に対する押下操作状態が解除された際に、この弾性部材の復元力によって演出ボタン5が押下操作前の状態に復帰するようになっている。この演出ボタン5には、演出ボタン5に対する押下操作を検出する演出ボタン検出スイッチ5a(図4)と、演出ボタン5を振動させる演出ボタン振動モータ5b(図4)と、演出ボタン5を発光させる演出ボタンランプ5c(図4)とが内蔵されている。演出ボタン振動モータ5bは、例えば演出ボタン5の押下操作が有効な期間において所定のタイミングで振動する。本実施形態では、演出ボタン振動モータ5bの作動によって演出ボタン5を振動させたり、演出ボタンランプ5c(本実施形態ではLED)の発光によって透光性材料からなる演出ボタン5の表面を点灯または点滅させたりすることで、例えば演出ボタン5の操作に応じて大当たりの期待度が高い演出変化が生じる(生じている)ことを示唆または報知することがある。演出ボタン5の押下操作が有効な期間(検出有効期間)に遊技者が演出ボタン5を押下操作すると、その操作が演出ボタン検出スイッチ5aによって検出され、これを契機として演出内容に変化を付与する。以下、演出ボタン5の操作を契機として演出内容に変化を付与する演出のことを操作演出(ボタン演出)という。
【0016】
前面枠18のうち余剰球受皿25の左方(下側の左端寄り)に、十字ボタン6が設けられている。この十字ボタン6は、パチンコ遊技機1と対向する遊技者が片手で把持して操作可能であるが、当該遊技者が片手のみでハンドル4や演出ボタン5と同時に操作することが不可能な位置に設けられている。具体的には、十字ボタン6は、把持した手でボタン全体を下方へ押し込むように操作(決定操作)できる他、前後左右の各端部の何れかのみを下方へ押し込むように操作(方向選択操作)することも可能に構成されている。また、十字ボタン6に対応して、当該十字ボタン6の決定操作を検出する決定検出スイッチ6a(図4)と、十字ボタン6の右方向選択操作や左方向選択操作を検出する選択検出スイッチ6b(図4)と、十字ボタン6を振動させる十字ボタン振動モータ6c(図4)とが設けられている。本実施形態では、十字ボタン振動モータ6cの作動によって十字ボタン6を振動させることで、例えば十字ボタン6の操作に応じて大当たりの期待度が高い演出変化が生じる(生じている)ことを示唆または報知することがある。十字ボタン6の操作が有効な期間(検出有効期間)に遊技者が十字ボタン6を決定操作または方向選択操作すると、その操作が決定検出スイッチ6aや選択検出スイッチ6bによって検出され、これを契機として演出内容に変化を付与する。以下、十字ボタン6の操作を契機として演出内容に変化を付与する演出のことを操作演出(方向選択演出)という。
なお、以下の説明では、十字ボタン6の前端部を前ボタン、後端部を後ボタン、左端部を左ボタン、右端部を右ボタンと称することがある。
【0017】
[遊技盤2の構成]
遊技盤2は、その盤面(前面)が遊技者の顔と略正対する位置となるように内枠16に保持されている。この遊技盤2は、前面枠18の前述したガラス板により前方から覆われているが、その盤面は、ガラス板(窓18a)を介して遊技者側(前方)から透視可能となっている。なお、図1では、遊技盤2の盤面の外周側(正面視で窓18aよりも外側にある範囲)が確認できないが、遊技球が流下(転動)する領域である遊技領域3を内周側に区画形成する環状の遊技領域形成手段(レール部材17等)が配置されている。なお、遊技盤2の盤面左側部ではレール部材17が左右2列となっており、その内側を発射装置90(図3)による発射球が上昇移動して遊技領域3に至るようになっている。この場合に発射球は、レール部材17の前述した左右2列の部分のうち図1で確認できない左側の部分に案内されて遊技領域3の上部領域に到達する。
【0018】
また、図示省略するが、遊技盤2の盤面のうち遊技領域3の範囲には複数の遊技釘が打ち込まれている。このため、遊技領域3を流下する遊技球は遊技釘に接触してその挙動が変化する。遊技球は、遊技領域3を流下する過程で後述する入球口10a,11a,12a,14a,15aに入球するか、または入球せず遊技領域3を下端まで流下してアウト口19から遊技領域3外(内枠16側)へと排出される。アウト口19は遊技領域3に少なくとも一つ設けられており、複数ある場合はその一つが遊技領域3の下端に位置している。
【0019】
ここで、遊技盤2の盤面の中央側に、大型のセンター装飾体20が配置されて、レール部材17等の遊技領域形成手段から内側に離間している。このセンター装飾体20は環状あるいは枠状であり、遊技盤2の略中央に形成されている大型の開口(図示せず)の縁に沿って取り付けられている。そして、遊技盤2の背後に位置する演出表示装置7(演出表示手段)の画面(前面、例えば液晶パネル)の略全体が、センター装飾体20の内側開口を通じて盤面前側に露出し、パチンコ遊技機1の正面視では、センター装飾体20が演出表示装置7の画面の周囲を装飾するように位置している。センター装飾体20は透光性を有し、その内側には、演出内容に応じて点灯・点滅する複数のLEDが設けられている。
なお、遊技盤2には、前述したセンター装飾体20内を含む複数箇所に発光手段(LED)が設けられており、その発光により遊技盤2を装飾するように構成されている。このように遊技盤2に設けられる装飾用の発光手段のことを、以下では「盤ランプ2a」と称することとする(図4)。盤ランプ2aを構成する各LEDは、複数色を発光可能であり、演出内容に応じて点灯または点滅し、更に発光色を変化させる。
【0020】
センター装飾体20は、遊技盤2の盤面より前側に環状(枠状)に突出しているので、遊技領域3を流下する遊技球がセンター装飾体20の内周側(画面の前方空間)に移動することが防止される。そしてこのセンター装飾体20により、遊技領域3がその上部で左右に分岐するように区画されている。すなわち、遊技領域3は、センター装飾体20の左側を流下する遊技球の経路である左遊技領域(第1の球流下領域)3Lと、センター装飾体20の右側を流下する遊技球の経路である右遊技領域(第2の球流下領域)3Rとを含む領域である。
【0021】
センター装飾体20の上部中央に、時間表示部20yが設けられている。この時間表示部20yは、後述するストックタイムの時間(第2特図の変動時間)の経過を表示する表示部である。
【0022】
遊技盤2には、その厚み方向に貫通する装着口(図示せず)が複数形成されており、その各装着口に対応して、第1始動入賞装置10と、一般入賞部材11と、第2始動入賞装置12と、ゲート13と、第1大入賞装置14と、第2大入賞装置15とが配置されている。これらの構成は、遊技領域3を流下する遊技球が入球可能な入球口10a,11a,12a,13,14a,15aを有している。以下の説明では、遊技球の入球に対して賞球を
付与可能な入球口として定められているものを「入賞口」と称することがある。なお、入
賞口への遊技球の入球のことを「入賞」と表現してもよい。また、入球口(入賞口)の一種である「始動口」(または「契機口」)とは、遊技球の入球が後述する特別図柄の変動表示の契機となる入賞口のことである。この始動口への遊技球の入球のことを「始動入球(始動入賞)」と表現することができる。
【0023】
第1始動入賞装置10は、センター装飾体20の下方領域の中央部に、遊技盤2の盤面から前側(ガラス板側)に突出するように設けられている。この第1始動入賞装置10は、第1始動口10a及び第1始動口センサ10bを有する入賞装置(入賞部)である。第1始動口10aは、遊技領域3内で上方に向けて開口している。第1始動口センサ10b(図3)は、第1始動口10aに入球(始動入球)した遊技球を検出するセンサ(検出手段)であり、第1始動口10aに入球した遊技球を遊技盤2の後面側に導く入賞球通路(図示せず)の途中に配置されている。第1始動入賞装置10は、第1始動口10aを常に入球可能な状態に維持するように構成されており、第1始動口10aへの入球し易さや開口寸法を変化させるような部材は備えていない。
【0024】
一般入賞部材11は、センター装飾体20の下方領域のうち左寄りの位置に、遊技盤2の盤面から前側(ガラス板側)に突出するように設けられている。この一般入賞部材11は、一般入賞口11a及び一般入賞口センサ11bを有する入賞装置(入賞部)である。一般入賞口11aは、遊技領域3内で上方に向けて開口している。一般入賞口センサ11b(図3)は、一般入賞口11aに入球した遊技球を検出するセンサ(検出手段)であり、一般入賞口11aに入球した遊技球を遊技盤2の後面側に導く入賞球通路(図示せず)の途中に配置されている。一般入賞部材11は、一般入賞口11aを常に入球可能な状態に維持するように構成されており、一般入賞口11aへの入球し易さや開口寸法を変化させるような部材は備えていない。
【0025】
図2には、遊技領域3の右下部(右遊技領域3Rの下半部)を拡大して示してある。
この図2に示すように、ゲート13(作動口)は、センター装飾体20の右方領域に、遊技盤2の盤面から前側(ガラス板側)に突出するように設けられている。このゲート13には、通過する遊技球を検出するゲートセンサ13a(図3)が配置されている。なお、ゲート13は、遊技球が上下方向(上から下)に通過(入球)可能に構成されており、遊技球を遊技領域3外(遊技盤2の後面側)に導くような通路構造を有していない。
【0026】
第2始動入賞装置12は、図1及び図2に示すように、センター装飾体20の右下方に配置されている。この第2始動入賞装置12は、第2始動口12a、普通作動部材12b、第2始動口センサ12c(図2図3)及び普電ソレノイド12d(図3)を有する入賞装置(入賞部)であり、遊技盤2の盤面から前側(ガラス板側)に突出するように設けられている。第2始動口12aは、遊技領域3内で左上方に向けて開口している。第2始動口センサ12cは、第2始動口12aに入球(始動入球)した遊技球を検出するセンサ(検出手段)であり、第2始動口12aに続く入賞球通路(入球した遊技球を遊技盤2の後面側に導く球通路)の途中に配置されている。普通作動部材12bは、傾斜面状の上面を有する板状部材であり、後側の入球阻止姿勢(第1姿勢)と前側の入球許容姿勢(第2姿勢)との間で前後にスライド可能に構成されている。普電ソレノイド12dは、普通作動部材12bと連結されており、消磁状態(非作動状態)において普通作動部材12bを入球阻止姿勢に維持すると共に、励磁状態(作動状態)において普通作動部材12bを入球許容状態に維持する。そして、入球阻止姿勢の普通作動部材12bは、遊技盤2の盤面よりも後側に位置して上方(ゲート13側)からの遊技球を受けることなく下方へ通過させることで第2始動口12aへの遊技球の入球(始動入球)を阻止する。一方で、入球許容姿勢の普通作動部材12bは、遊技盤2の盤面よりも前側に位置して上方(ゲート13側)からの遊技球を受け、上面を傾斜に沿って転動させる状態となることで第2始動口12aへの入球(始動入球)を許容する。すなわち、第2始動入賞装置12に設けられる第
2始動口12aは、遊技球の入球し易さが姿勢に応じて変動する入賞口(可変入球口、可変始動口)である。
この第2始動口12aについて、実際には開口寸法が変化しているわけではないが、以下の説明では便宜上、普通作動部材12bが入球阻止姿勢となっていて遊技球が入球し得ない状態を「閉鎖状態」と表現し、当該閉鎖状態に変化することを「閉鎖する」と表現することがある。また、普通作動部材12bが入球許容姿勢となっていて遊技球が入球し得る状態を「開放状態」と表現し、当該開放状態に変化することを「開放する」と表現することがある。
【0027】
第1大入賞装置14は、図1及び図2に示すように、センター装飾体20の右下方領域(第2始動入賞装置12に対して下方)に、遊技盤2の盤面から前側(ガラス板側)に突出するように設けられている。この第1大入賞装置14は、第1大入賞口14a(特別入賞口、特別入球口)、第1特別作動部材14b、第1大入賞口センサ14c(図3)及び第1特電ソレノイド14d(図3)を有する入賞装置(入賞部)である。第1大入賞口14aは、遊技領域3内で上方に向けて開口している。第1大入賞口センサ14cは、第1大入賞口14aに入球した遊技球を検出するセンサ(検出手段)であり、第1大入賞口14aに入球した遊技球を遊技盤2の後面側に導く入賞球通路(図示せず)の途中に配置されている。第1特別作動部材14bは、傾斜面状の上面を有する板状部材であり、前側の入球阻止姿勢(第1姿勢)と後側の入球許容姿勢(第2姿勢)との間で前後にスライド可能に構成されている。第1特電ソレノイド14dは、第1特別作動部材14bと連結されており、消磁状態(非作動状態)において第1特別作動部材14bを入球阻止姿勢に維持すると共に、励磁状態(作動状態)において第1特別作動部材14bを入球許容状態に維持する。そして、入球阻止姿勢の第1特別作動部材14bは、遊技盤2の盤面よりも前側に位置して第1大入賞口14aを閉鎖することで第1大入賞口14aへの遊技球の入球を阻止し、遊技球を傾斜上の上面によって下流側(左下方)へと流下させる。一方で、入球許容姿勢の第1特別作動部材14bは、遊技盤2の盤面よりも後側に位置して第1大入賞口14aを開放し、第1大入賞口14aへの遊技球の入球を許容する。すなわち、第1大入賞装置14に設けられる第1大入賞口14aは、その開口寸法が変動する(遊技球の入球し易さが姿勢に応じて変動する)入賞口(可変入球口)である。
この第1大入賞口14aについて、以下の説明では、第1特別作動部材14bが入球阻止姿勢となっていて遊技球が入球し得ない状態を「閉鎖状態」と表現し、当該閉鎖状態に変化することを「閉鎖する」と表現することがある。また、第1特別作動部材14bが入球許容姿勢となっていて遊技球が入球し得る状態を「開放状態」と表現し、当該開放状態に変化することを「開放する」と表現することがある。
【0028】
第2大入賞装置15は、図1及び図2に示すように、センター装飾体20の右下方領域(第1大入賞装置14に対して左下方)に、センター装飾体20の下方領域のうち右寄りの位置に、遊技盤2の盤面から前側(ガラス板側)に突出するように設けられている。この第2大入賞装置15は、第2大入賞口15a(特別入賞口、特別入球口)、第2特別作動部材15b、第2大入賞口センサ15c(図2図3)及び第2特電ソレノイド15d(図3)を有する入賞装置(入賞部)である。第2大入賞口15aは、遊技領域3内で上方に向けて開口している。第2大入賞口センサ15cは、第2大入賞口15aに入球した遊技球を検出するセンサ(検出手段)であり、第2大入賞口15aに入球した遊技球を遊技盤2の後面側に導く入賞球通路(図示せず)の途中に配置されている。第2特別作動部材15bは、傾斜面状の上面を有する板状部材であり、前側の入球阻止姿勢(第1姿勢)と後側の入球許容姿勢(第2姿勢)との間で前後にスライド可能に構成されている。第2特電ソレノイド15dは、第2特別作動部材15bと連結されており、消磁状態(非作動状態)において第2特別作動部材15bを入球阻止姿勢に維持すると共に、励磁状態(作動状態)において第2特別作動部材15bを入球許容状態に維持する。そして、入球阻止姿勢の第2特別作動部材15bは、遊技盤2の盤面よりも前側に位置して第2大入賞口1
5aを閉鎖することで第2大入賞口15aへの遊技球の入球を阻止し、遊技球を傾斜上の上面によって下流側(左下方)へと流下させる。一方で、入球許容姿勢の第2特別作動部材15bは、遊技盤2の盤面よりも後側に位置して第2大入賞口15aを開放し、第2大入賞口15aへの遊技球の入球を許容する。すなわち、第2大入賞装置15に設けられる第2大入賞口15aは、その開口寸法が変動する(遊技球の入球し易さが姿勢に応じて変動する)入賞口(可変入球口)である。
この第2大入賞口15aについて、以下の説明では、第2特別作動部材15bが入球阻止姿勢となっていて遊技球が入球し得ない状態を「閉鎖状態」と表現し、当該閉鎖状態に変化することを「閉鎖する」と表現することがある。また、第2特別作動部材15bが入球許容姿勢となっていて遊技球が入球し得る状態を「開放状態」と表現し、当該開放状態に変化することを「開放する」と表現することがある。
【0029】
また、第2大入賞装置15の内部には、第2大入賞口15aに入球した遊技球が通過(入球)可能な特定領域及び非特定領域が形成されており、第2大入賞口15aに入球した遊技球は特定領域または非特定領域を介して遊技盤2の後面側に排出されるようになっている。そして、第2大入賞装置15には、特定領域を通過(入球)する遊技球を検出する特定領域センサ55a(図2図3)と、非特定領域を通過(入球)する遊技球を検出する非特定領域センサ55b(図2図3)とが設けられている。なお、第2大入賞装置15の内部の前述した入賞球通路は、特定領域センサ55aが配置された(特定領域を形成する)通路部分と、非特定領域センサ55bが配置された(非特定領域を形成する)通路部分とが下流側で接続され、その接続部分によって、特定領域を通過した遊技球と非特定領域を通過した遊技球とが合流する構成となっている。そして接続部分に、前述した第2大入賞口センサ15cが配置されている。
また、第2大入賞装置15の内部に振分部材56(図2)が設けられており、この振分部材56が振分部材ソレノイド55c(図3)のプランジャに連結されている。そして、振分部材ソレノイド55cの励磁・消磁の変化に応じて振分部材56が前後方向に進退するように構成されている。すなわち、振分部材56は、振分部材ソレノイド55cが消磁状態の時に前側の進出位置に位置して特定領域を塞ぐことで、第2大入賞口15aに入球した遊技球が非特定領域に誘導し、この非特定領域を通過する遊技球を非特定領域センサ55bによって検出するようになっている。また、振分部材56は、振分部材ソレノイド55cを励磁状態とすることで作動し、当該作動時に後側の退避位置に位置して特定領域を開放することで、第2大入賞口15aに入球した遊技球が特定領域を通過するのを許容し、この特定領域を通過する遊技球を特定領域センサ55aによって検出するようになっている。本実施形態では、後述の小当たり状態中の特定領域への遊技球の通過が、後述のV当たり状態への移行(後述の2種大当たり状態への発展)の契機となっている。
【0030】
ところで、パチンコ遊技機1は、前述したハンドル4の操作に応じて遊技球の発射強度を調節することが可能であるので、発射強度の調節によって遊技球を左遊技領域3Lと右遊技領域3Rとに打ち分けることができる。本実施形態では、前述の盤面構成により、左遊技領域3Lに向かって発射(以下「左打ち」という)した遊技球が、左遊技領域3Lに設けられる入球口(第1始動口10a、一般入賞口11a)に入球する可能性がある。一方、右遊技領域3Rに向かって発射(以下「右打ち」という)した遊技球は、右遊技領域3Rに設けられる入球口(ゲート13、第2始動口12a、第1大入賞口14a、第2大入賞口15a)に入球する可能性がある。
【0031】
[表示器類50の構成]
図1に示すように、遊技盤2の右下端部(遊技領域3の右下方)に、各種の遊技情報を表示する遊技情報表示手段である表示器類50が設けられている。この表示器類50は、図3に示すように、第1特別図柄(第1特図または特図1ともいう)を変動表示する第1特別図柄表示器51(特別図柄表示手段)と、第2特別図柄(第2特図または特図2とも
いう)を変動表示する第2特別図柄表示器52(特別図柄表示手段)と、普通図柄(普図ともいう)を変動表示する普通図柄表示器53(普通図柄表示手段)とを備える。更に、表示器類50は、第1特別図柄表示器51での第1特図の作動保留の記憶数を表示する第1特図保留表示器51aと、第2特別図柄表示器52での第2特図の作動保留の記憶数を表示する第2特図保留表示器52aと、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数を表示する普図保留表示器53aとを備える。以下、第1特図及び第2特図に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄または特図という。また、第1特別図柄表示器51及び第2特別図柄表示器52に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄表示器という。
【0032】
普通図柄表示器53は、例えば2個のLEDから構成されている。点灯したLED及び消灯したLEDが普通図柄を表しており、各LEDが交互に点灯する状態が普通図柄の変動表示を表している。また、遊技球がゲート13(ゲートセンサ13a)を通過すると、所定の入球口(本実施形態では第2始動口12a)を開放するか否かの判定(普図当たり判定)が実行され、普通図柄表示器53が普通図柄を変動表示する。そして、普通図柄表示器53は、普通図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、普図当たり判定(作動入球判定とも称する)の結果に対応する普通図柄を停止表示(確定表示)する。普通図柄表示器53が停止表示(確定表示)した普通図柄が、当たりを示す普通図柄であった場合は、第2始動入賞装置12の普通作動部材12bが入球許容姿勢となることで、第2始動口12aが開放して普図当たり状態(後述する補助遊技)が発生する。なお、本実施形態では、普図当たり判定が当たりの場合の普通図柄として2種類(有利当たり図柄、不利当たり図柄)が設けられており、当たりの普通図柄の種類毎に、普通作動部材12bが入球許容姿勢となる時間として異なる時間が対応付けられている。
【0033】
各特別図柄表示器51,52は、それぞれ複数のLEDにより構成されている。各特別図柄表示器51,52を構成する各LEDは、それぞれ所定の点灯パターンにて点灯し、点灯しているLED及び消灯しているLEDの組み合わせが特別図柄を表しており、点灯するLED及び消灯しているLEDの組み合わせが変化している状態が特別図柄の変動表示を表している。以下、特別図柄が変動表示を開始してから特別図柄が停止表示(確定表示)されるまでの特別図柄の変動パターンを特図変動パターンという。なお、特別図柄には、特図当たり判定(内部判定、大当たり判定、当否判定、始動入球判定等とも称する)が大当たりの判定結果となったことを示す大当たり図柄と、特図当たり判定(内部判定、小当たり判定、当否判定、始動入球判定等とも称する)が小当たりの判定結果となったことを示す小当たり図柄と、特図当たり判定がハズレの判定結果となったことを示すハズレ図柄とがある。なお、小当たりについては後述する。
【0034】
遊技球が第1始動口10aに入球すると、特図当たり判定が実行され、第1特別図柄表示器51が第1特図を変動表示する。そして、第1特別図柄表示器51は、第1特図の変動表示を開始してから所定の変動時間の経過後に、特図当たり判定の結果に対応する第1特図を停止表示(確定表示)する。第1特別図柄表示器51での新たな第1特図の変動表示の開始が禁止されているとき(第1特別図柄表示器51が第1特図を変動表示しているときや、大当たり遊技状態が発生しているとき)に、遊技球が第1始動口10aに入球した場合は、その入球を契機とする第1特別図柄表示器51での第1特図の変動表示が保留(作動保留)され、その作動保留の数が第1特図保留表示器51aによって表示される。以下、第1特別図柄表示器51の作動保留数を第1特図保留数という。
【0035】
また、遊技球が第2始動口12aに入球すると、特図当たり判定が実行され、第2特別図柄表示器52が第2特図を変動表示する。そして、第2特別図柄表示器52は、第2特図の変動表示を開始してから所定の変動時間の経過後に、特図当たり判定の結果に対応する第2特図を停止表示(確定表示)する。第2特別図柄表示器52での新たな第2特図の変動表示の開始が禁止されているとき(第2特別図柄表示器52が第2特図を変動表示し
ているときや、大当たり遊技状態が発生しているとき)に、遊技球が第2始動口12aに入球した場合は、その入球を契機とする第2特別図柄表示器52での第2特図の変動表示が保留(作動保留)され、その作動保留の数が第2特図保留表示器52aによって表示される。以下、第2特別図柄表示器52の作動保留数を第2特図保留数という。また、第1特図保留数及び第2特図保留数に共通の事項を説明する場合は、単に特図保留数という。
【0036】
以下、特別図柄表示器が特別図柄の変動表示を開始してから特別図柄を停止表示(確定表示)するまでを1回の特図変動(または特別図柄の1回の変動)という。また、特図変動の実行によって特図保留数が1個ずつ減少することを特図保留の消化という。パチンコ遊技機1では、特別図柄表示器の作動保留がその発生タイミングの時系列順に特別図柄の変動表示に用いられ、特図保留数が消化される。但し、第2特図保留数の消化が第1特図保留数の消化に優先して実行される(第2特図の変動表示が第1特図の変動表示よりも優先的に実行される)。なお、特別図柄表示器において特別図柄の変動表示が終了してから特図保留数の消化によって次の特別図柄の変動表示が開始されるまでの間に、所定の変動インターバル(特別図柄の停止時間)が設けられている。
【0037】
[演出表示装置7の表示領域]
次に、演出表示装置7について説明する。演出表示装置7は、動画像や静止画像による演出画像を遊技の状況に合わせて表示可能な画像表示装置(具体的には液晶表示装置)である。演出表示装置7は、演出画像として演出(装飾)図柄を変動表示する他、報知画像(異常報知画像や遊技方法報知画像)、宣伝画像(デモ画像)等の各種画像を表示する。以下の記載では、演出図柄の変動表示のことを「変動演出」と称して説明することがある。なお、演出表示装置7として、有機EL表示装置、ドットマトリクスLEDを使った表示装置等を用いることもできる。
【0038】
演出図柄は、算用数字(例えば、1~10)を表した図柄である。なお、演出図柄には、アルファベットや特別なキャラクタ等、数字以外を表した図柄を含めてもよいし、数字以外を表した図柄と組み合わせてもよい。演出表示装置7が演出図柄を変動表示する領域として、左から順に、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域、右演出図柄表示領域が設定されている。左演出図柄表示領域では左演出図柄7Lが、中演出図柄表示領域では中演出図柄7Cが、右演出図柄表示領域では右演出図柄7Rがそれぞれ変動表示される。なお、本実施形態では、左演出図柄7L、右演出図柄7R、中演出図柄7Cの夫々を、特別図柄に対応する図柄として表示する場合(通常の遊技状態中)と、普通図柄に対応する図柄として表示する場合(有利な遊技状態中)とがある。以下、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域及び右演出図柄表示領域に共通の事項を説明する場合は、単に演出図柄表示領域という。各演出図柄の変動態様としては例えば、演出図柄が表す数字が昇順となるように画面の上から下に移動する態様、つまり、縦方向にスクロールする態様がある。なお、他の変動態様として、演出図柄が画面の左右の一方から他方へ移動する横スクロール方式、演出図柄が同じ表示位置にて数字の昇順に順番に表示される切替方式等を用いることもできる。
【0039】
また、演出表示装置7は、演出画像として各演出図柄の背景に、パチンコ遊技機1の演出イメージに合わせた演出内容を表現する所定の背景を表示する。この背景を示す画像を「背景画像」と称する。この背景画像は一般には動画像であり、スクロール表示等で表示内容を変化させることで遊技者の退屈感を軽減している。この動画像は例えば、テレビドラマや映画等の動画像、その動画像をアニメ化した動画像、アニメーション、パチンコ遊技機メーカーオリジナルの動画像等を使用したものである。本実施形態では、演出表示装置7の表示画面に表示する演出図柄の背景画像として、所定のフィールドを表す移動対象領域SR(後述)を移動する所定のキャラクタの視点から視認される風景をスクロール表示するように設定されている。この背景画像で表示する風景は、後述する第1操作演出中
に表示する風景画像として映し出される風景(移動対象領域SRを所定の視点位置から視認した場合の風景)と共通になっている。
【0040】
なお、本実施形態では、演出表示装置7として、遊技者が特殊な眼鏡等を付けずに(裸眼で)視認可能な立体視画像(裸眼立体視画像、3D画像、立体画像)を表示することのできる表示装置(パララックスバリヤ方式)を採用している。この演出表示装置7は、左右両眼の示唆を利用して画像が表示画面よりも手前側に浮き出ているように見せることができる。より具体的には、演出表示装置7は、そのバックライトの前面側に配置された画像表示液晶層の前方に視差バリヤ液晶層が配置されている。この視差バリヤ液晶層は、画像表示液晶層に表示される画像を遮蔽する縞状の遮蔽部と、画像を遮蔽しない透過部とを交互に形成することが可能であり、この視差バリヤ液晶層での遮蔽部及び透過部の位置に対応させて右目用画像及び左目用画像を表示する(立体視画像を表示する)ことで、表示画面全体の画像または所定の画像が、透過部を通じて立体的に視認されることになる。なお、視差バリヤ液晶層は、全体を透過部として視差バリヤを全く機能させない状態とすることも可能である。
【0041】
演出表示装置7の演出図柄表示領域では、変動演出の結果として、左演出図柄7L、右演出図柄7R、中演出図柄7Cの夫々を停止させることで図柄組み合わせが表示される。ここで、通常の遊技状態では、第1特図用の特図当たり判定の結果に基づいて変動演出が実行され、最終的に、その第1特図用の特図当たり判定の結果に対応する図柄組み合わせが表示される。一方、有利な遊技状態では、普図当たり判定の結果に基づいて変動演出が実行され、最終的に、その普図当たり判定の結果に対応する図柄組み合わせが表示されるようになっている。すなわち、通常の遊技状態では、変動演出の結果により、大当たり遊技状態が生起するか否か(第1特図用の特図当たり判定の結果)が示される。これに対して、有利な遊技状態では、変動演出の結果により、第2始動口12aに遊技球が入球可能な状態(有利な補助遊技)になるか否かが示される。なお、通常の遊技状態において、第1特図用の特図当たり判定による当たり(大当たり)の結果に対応する図柄組み合わせとして、左演出図柄7L、右演出図柄7R、中演出図柄7Cが全て同じ特定の図柄組み合わせである大当たり図柄が表示される。同様に、有利な遊技状態において、普図当たり判定による当たりの結果に対応する図柄組み合わせとして、左演出図柄7L、右演出図柄7R、中演出図柄7Cが全て同じ特定の図柄組み合わせである大当たり図柄が表示される。
【0042】
また、変動演出中、左演出図柄7L及び右演出図柄7Rを同じ演出図柄(すなわち、大当たり図柄の一部を構成するリーチ図柄)として表示(仮停止表示、滞留表示)しつつ、中演出図柄7Cの変動(切替表示)を継続するリーチ状態が生じることがある。リーチ状態では、大当たりになることを期待させる期待演出としてのリーチ演出が実行される。リーチ演出を含んだ変動演出では基本的に、左演出図柄7L、中演出図柄7C、右演出図柄7Rの各図柄群が高速でスクロール(切替表示)する変動状態(高速変動状態)から、左演出図柄7L、右演出図柄7Rの順で各図柄群の変動速度が低下し、左演出図柄7Lと右演出図柄7Rとで同じ演出図柄(リーチ図柄)が仮停止表示されて、中演出図柄7Cが変動を継続する状態で、リーチ演出が開始される。そして、リーチ演出の終了に合わせて中演出図柄7Cが仮停止表示され、左演出図柄7L、中演出図柄7C、右演出図柄7Rによる図柄組み合わせが確定表示される。
【0043】
なお、本実施形態では、演出表示装置7の表示画面の下縁部に演出保留表示領域7Bが設けられている。この演出保留表示領域7Bは、通常の遊技状態(非時短遊技状態)には第1特図の作動保留数に応じた作動保留数が表示され、有利な遊技状態(時短遊技状態)には普通図柄の作動保留数に応じた作動保留数が表示される。
【0044】
また、パチンコ遊技機1では、変動演出の結果(演出図柄の停止表示)による特図当た
り判定の結果の報知に加えて、その変動演出の結果を示唆したりその結果表示までの過程を盛り上げたりする演出等を行う。このような演出は、演出表示装置7に表示される画像、スピーカ8から出力される音、遊技盤2や前面枠18のランプ(盤ランプ2a、左サイドランプ23a、右サイドランプ23b、トップランプ23c)の点灯等を複合的に用いて行われる。すなわち、パチンコ遊技機1に設けられる演出表示装置7、スピーカ8、ランプ2a,23a,23b,23cは、演出を実行する演出実行手段として機能する。
なお、演出表示装置7、スピーカ8、ランプ2a,23a,23b,23cは、パチンコ
遊技機1に生じた異常状態を報知するための異常報知手段としても機能する。
【0045】
ここで、本実施形態では、演出表示装置7の表示画面の右上角部の表示領域として、集合表示部20xが設けられている(図1参照)。この集合表示部20xは、複数種類の規則図柄(後述)等に関する情報を表示する表示部である。以下、集合表示部20xでの表示について説明する。
【0046】
[集合表示部20x]
集合表示部20xは、複数種類の図柄等に関する情報を表示する表示部であり、演出表示装置7の表示画面の一部の表示領域として、すなわち画像を表示可能な画像表示部として構成される(センター装飾体20の一部に、LED等を利用した発光表示部として設けてもよい)。この集合表示部20xは、複数の表示領域を有している(図2(b)参照)。具体的には、集合表示部20xは、第1規則図柄(後述)を表示する第1規則図柄表示領域211と、第2規則図柄(後述)を表示する第2規則図柄表示領域212と、第3規則図柄(後述)を表示する第3規則図柄表示領域213とを有している。また、集合表示部20xは、第1規則図柄の作動保留数を表示する第1規則保留表示領域211aと、第2規則図柄の作動保留数を表示する第2規則保留表示領域212aと、第3規則図柄の作動保留数を表示する第3規則保留表示領域213aとを有している。なお、図1図2(b)、図31A以降の図面では、集合表示部20xの表示に関し、画像表示によるランプの消灯を無色で示すと共に、点灯を有色で示している。
【0047】
第1規則図柄表示領域211は、前述した第1特別図柄表示器51と同様、第1始動口10aへの遊技球の入球を契機として実行される(第1特図用の)特図当たり判定(始動入球判定)の結果を表示する表示領域である。但し、第1特別図柄表示器51では停止表示(確定表示)する第1特図の種別に応じて特図当たり判定の判定結果(大当たり、ハズレ)を示すのに対し、第1規則図柄表示領域211では、第1特図よりも種類の多い図柄(以下「第1規則図柄」と称する)によって特図当たり判定の判定結果(大当たり、ハズレ)を示すようになっている。
第1規則図柄表示領域211は、第1特別図柄表示器51での第1特図の変動表示の開始タイミング及び終了タイミングと同期させて第1規則図柄の変動表示を開始及び終了する。第1特図が大当たり図柄として停止表示(確定表示)する場合は、第1規則図柄も大当たりを示す図柄で停止表示(確定表示)する。また、第1特図がハズレ図柄として停止表示(確定表示)する場合は、第1規則図柄もハズレを示す図柄で停止表示(確定表示)する。ここで、第1規則図柄は、左・中・右の3つの図柄の組み合わせからなり、これらの図柄は、第1特図用の特図当たり判定に基づく変動演出における前述した左演出図柄7L、右演出図柄7R、中演出図柄7Cの各状態に夫々同期して変動(スクロール)状態・仮停止状態・確定停止状態に切り替わるように表示制御される。なお、第1特図用の特図当たり判定に基づく変動演出のリーチ演出中は、演出図柄がリーチ演出の邪魔にならないように非表示或いは縮小表示になる場合でも、第1規則図柄はリーチ状態を示す表示を維持する(左右の第1規則図柄が停止状態で表示され、中央の第1規則図柄がスクロール状態で表示される)。
【0048】
第1特別図柄表示器51での第1特図の変動表示に作動保留が生じた場合は、第1規則
図柄表示領域211での第1規則図柄の変動表示の作動も保留される。すなわち、第1特図の変動表示の作動保留数(第1特図保留表示器51aに表示される第1特図保留数)と、第1規則図柄の作動保留数とは一致する。そしてこの第1規則図柄の作動保留数が、第1規則保留表示領域211aに表示される。なお、第1規則保留表示領域211aでは、画像表示による4つのランプの点灯・消灯によって第1規則図柄の作動保留数(0~4)を示すことができる。従って遊技者は、第1規則保留表示領域211aに表示される第1規則図柄の作動保留数により、第1特図保留数を知ることができる。
【0049】
第2規則図柄表示領域212は、前述した第2特別図柄表示器52と同様、第2始動口12aへの遊技球の入球を契機として実行される(第2特図用の)特図当たり判定(始動入球判定)の結果を表示する表示領域である。この第2特別図柄表示器52では、停止表示(確定表示)する第2特図の種別に応じて特図当たり判定の判定結果(大当たり、非大当たり(小当たり))を示すのに対応して当該特図当たり判定の判定結果(大当たり、小当たり)を示すようになっている。第2規則図柄表示領域212は、第2特別図柄表示器52での第2特図の変動表示の開始タイミング及び終了タイミングと同期させて第2規則図柄の変動表示を開始及び終了する。第2特図が大当たり図柄として停止表示(確定表示)する場合は、第2規則図柄も大当たりを示す図柄で停止表示(確定表示)する。また、第2特図が小当たり図柄として停止表示(確定表示)する場合は、第2規則図柄も小当たりを示す図柄で停止表示(確定表示)する。なお、第2規則図柄は例えば、第2特図の大当たり図柄に対応して、整数「1」を示す図柄が設けられており、第2特図の小当たり図柄に対応して、整数「2」を示す図柄が設けられている。従って遊技者は、第2規則図柄表示領域212に表示される第2規則図柄の種類により、第2特図が大当たり図柄及び小当たり図柄のどちらで表示されたかを知ることができる。
【0050】
第2特別図柄表示器52での第2特図の変動表示に作動保留が生じた場合は、第2規則図柄表示領域212での第2規則図柄の変動表示の作動も保留される。すなわち、第2特図の変動表示の作動保留数(第2特図保留表示器52aに表示される第2特図保留数)と、第2規則図柄の作動保留数とは一致する。そしてこの第2規則図柄の作動保留数が、第2規則保留表示領域212aに表示される。なお、第2規則保留表示領域212aでは、画像表示によるランプによって第2規則図柄の作動保留数(0~4)を示すことができる。例えばこの場合、消灯、点灯、点滅の3態様で表示可能なランプを2つ表示するようにし、各ランプの態様の組み合わせによって0~4の5種類の作動保留数を表示することが可能である。従って遊技者は、第2規則保留表示領域212aに表示される第2規則図柄の作動保留数により、第2特図保留数を知ることができる。
【0051】
第3規則図柄表示領域213は、前述した普通図柄表示器53と同様、ゲート13への遊技球の通過(入球)を契機として実行される普図当たり判定(作動入球判定)の結果を表示する表示領域である。但し、普通図柄表示器53では停止表示する普通図柄の種別に応じて普図当たり判定の判定結果(当たり、ハズレ)を示すのに対し、第3規則図柄表示領域213では、普通図柄と異なる態様の図柄(以下「第3規則図柄」と称する)によって普図当たり判定の判定結果(当たり、ハズレ)を示すようになっている。第3規則図柄表示領域213は、普通図柄表示器53での普通図柄の変動表示の開始タイミング及び終了タイミングと同期させて第3規則図柄の変動表示を開始及び終了する。普通図柄が普図当たりに対応する図柄として停止表示する場合は、第3規則図柄も普図当たりを示す図柄で停止表示する。また、普通図柄がハズレを示す図柄として停止表示する場合は、第3規則図柄もハズレを示す図柄で停止表示する。なお、後述するが、普図当たり判定の当たりは、第2始動口12aへの入球が容易とならない遊技者にとって不利な当たりと、第2始動口12aへの入球が容易となる遊技者にとって有利な当たりとがある。ここで、具体的な第3規則図柄として、「0」から「2」までの整数を示す3種類の図柄が設けられており、このうち「0」がハズレを示す図柄となっていると共に、「1」が不利な当たりを示
す図柄となっており、また「2」が有利な当たりを示す図柄となっている。従って遊技者は、第3規則図柄表示領域213に表示される第3規則図柄の種類により、普通図柄が有利な当たりを示す図柄で表示されたか否かを知ることができる。
【0052】
普通図柄表示器53での普通図柄の変動表示に作動保留が生じた場合は、第3規則図柄表示領域213での第3規則図柄の変動表示の作動も保留される。すなわち、普通図柄の変動表示の作動保留数(普図保留表示器53aに表示される普図保留数)と、第3規則図柄の作動保留数とは一致する。そしてこの第3規則図柄の作動保留数が、第3規則保留表示領域213aに表示される。なお、第3規則保留表示領域213aでは、画像表示によるランプによって第3規則図柄の作動保留数(0~4)を示すことができる。例えばこの場合、消灯、点灯の2態様で表示可能なランプを4つ表示するようにし、点灯態様のランプの数に応じて0~4の5種類の作動保留数を表示することが可能である。従って遊技者は、第3規則保留表示領域213aに表示される第3規則図柄の作動保留数により、普図保留数を知ることができる。
【0053】
[パチンコ遊技機1の主な電気的構成]
次に、図3及び図4を参照し、パチンコ遊技機1の主な電気的構成について説明する。
パチンコ遊技機1は、主制御基板60と、電源基板70と、払出制御基板73と、発射制御回路75と、音声制御基板78と、ランプ制御基板79と、貸球払出装置80と、発射装置90と、サブ制御基板100と、画像制御基板200とを備えている。
【0054】
図3に示すように、主制御基板60には、遊技に関する統括的な制御を実行する遊技制御手段としての遊技制御用ワンチップマイコン(以下、遊技制御用マイコンという)61が実装されている。遊技制御用マイコン61は、CPU62と、ROM63と、RAM64と、入出力回路65とを備えている。遊技制御用マイコン61は、大当たり乱数、大当たり種別乱数、小当たり種別乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、普図当たり乱数、普図当たり種別乱数、普図変動パターン乱数等、各種の判定(抽選)にて使用する乱数を発生する。CPU62は、入球の検出、特図当たり判定(大当たり判定、小当たり判定、大当たり種別判定、小当たり種別判定等を含む)、普図当たり判定(普通図柄の種別判定を含む)、各種乱数の更新等を実行する(入球口への遊技球の入球を契機として判定を行う判定手段として機能する)。ROM63には、CPU62が実行するコンピュータプログラム、当否判定テーブルT1、大当たり種別判定テーブルT2,T3、小当たり種別判定
テーブルT4、リーチ判定テーブルT5、特図変動パターン選択テーブルT7,T8、普
図当たり種別判定テーブルT10等の各種のテーブルが記憶されている。RAM64は、CPU62がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリ等として使用される。
【0055】
また、RAM64には、第1特図保留記憶部64a(第1保留記憶手段)と、第2特図保留記憶部64b(第2保留記憶手段)と、普図保留記憶部64cとが設けられている。
第1特図保留記憶部64aは、第1乃至第4記憶領域を備えている。つまり、記憶可能な第1特図保留数は最大4個である。各記憶領域には、遊技球が第1始動口10aに入球したことに起因して遊技制御用マイコン61(情報取得手段)が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、小当たり種別乱数、リーチ乱数及び変動パターン乱数等の値(始動入球情報または始動入賞情報と称する)が記憶される。例えば第1特別図柄表示器51が第1特図を変動表示しているときに遊技球が第1始動口10aに入球すると、その入球に基づく第1特図の変動表示の実行はその時点では待機状態とされる。この場合、当該入球を契機として取得された始動入球情報が第1特図保留記憶部64aに記憶され、その後に変動開始が可能となった時に、その始動入球情報に基づく第1特図の変動表示が開始される。すなわち、第1始動口10aへの入球を契機として始動入球情報が取得されたタイミングで特図変動表示を開始できない場合、その始動入球情報に基づく第1特図の変動表示の
実行は、変動開始条件(始動条件)が成立するまで保留(作動保留)される。
【0056】
第2特図保留記憶部64bは、第1乃至第4記憶領域を備えている。つまり、記憶可能な第2特図保留数は最大4個である。各記憶領域には、遊技球が第2始動口12aに入球したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、小当たり種別乱数、リーチ乱数及び変動パターン乱数等の値(始動入球情報)が記憶される。例えば第2特別図柄表示器52が第2特図を変動表示しているときに遊技球が第2始動口12aに入球すると、その入球に基づく第2特図の変動表示の実行はその時点では待機状態とされる。この場合、当該入球を契機として取得された始動入球情報が第2特図保留記憶部64bに記憶され、その後に変動開始が可能となった時に、その始動入球情報に基づく第2特図の変動表示が開始される。すなわち、第2始動口12aへの入球を契機として始動入球情報が取得されたタイミングで特図変動表示を開始できない場合、その始動入球情報に基づく第2特図の変動表示の実行は、変動開始条件(始動条件)が成立するまで保留(作動保留)される。
【0057】
大当たり乱数等の始動入球情報は、作動保留の発生順、つまり、遊技制御用マイコン61による取得順に第1特図保留記憶部64a及び第2特図保留記憶部64bの各第1記憶領域から順番に記憶される。このため例えば、第1特図保留記憶部64aにおいて始動入球情報が第1乃至第4記憶領域まで記憶されている場合は、第4記憶領域に記憶されている始動入球情報が時間的に最も新しい情報であり、第1記憶領域に記憶されている始動入球情報が時間的に最も古い情報である。また例えば、第2特図保留記憶部64bにおいて始動入球情報が第1乃至第4記憶領域まで記憶されている場合は、第4記憶領域に記憶されている始動入球情報が時間的に最も新しい情報であり、第1記憶領域に記憶されている始動入球情報が時間的に最も古い情報である。各記憶領域に記憶されている始動入球情報は、特別図柄の変動表示が1回終了する毎に、記憶の順番が古い方の記憶領域に1つずつシフトする。例えば、第2記憶領域に記憶されていた大当たり乱数等は第1記憶領域にシフトする。また、第1記憶領域に記憶されている始動入球情報に基づく特図当たり判定等の判定(抽選)は、特別図柄表示器による特別図柄の当該変動表示が終了し、次の変動表示の開始タイミングが到来した際(変動表示の始動条件が成立した際)に実行される。
【0058】
なお、パチンコ遊技機1では、前述したように第2特図保留数の消化が第1特図保留数の消化に優先して実行される。つまり、第1特図保留数と第2特図保留数とが何れも複数存在する場合、先ず第2特図保留数が順に消化され、次に第1特図保留数が順に消化される。例えば、第1特図保留記憶部64aの第1記憶領域と、第2特図保留記憶部64bの第1記憶領域とに始動入球情報が記憶されている状態で、特図の変動表示の開始タイミングが到来した場合は、第2特図保留記憶部64bの第1記憶領域に記憶されている始動入球情報が実行エリア(実行対象領域)にシフトし、この始動入球情報に基づく特図当たり判定等の判定が実行される。一方でこの時、第1特図保留記憶部64aでは第1記憶領域の始動入球情報はシフトされず、その後に第2特図保留数が0の状態での特図の変動表示の開始タイミング到来時になると実行エリア(実行対象領域)にシフトして、この始動入球情報に基づく特図当たり判定等の判定が実行される。
【0059】
普図保留記憶部64cは、遊技球がゲート13を通過したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した普通当たり乱数(普通図柄が当たりか否かを判定(抽選)するための乱数)等の作動入球情報が記憶される。普通図柄表示器53が普通図柄を変動表示しているときに遊技球がゲート13を通過したときは、その通過に起因する普通図柄表示器53の作動は一旦保留(作動保留)され、その通過に起因して取得された普通当たり乱数は普図保留記憶部64cに記憶される。普通図柄の保留された変動表示は、現在行われている普通図柄の変動表示が終了した次に行われる。パチンコ遊技機1では、普図保留記憶部64cは、計4個の保留を行うための記憶領域を有し、普通図柄表示器53の作動保留の
記憶数は最大4個である。普通当たり乱数等の作動入球情報は、作動保留の発生順、つまり、遊技制御用マイコン61による取得順に普図保留記憶部64cの第1記憶領域から順番に記憶される。このため、作動入球情報が第1乃至第4記憶領域まで記憶されている場合は、第4記憶領域に記憶されている作動入球情報が時間的に最も新しい情報であり、第1記憶領域に記憶されている作動入球情報が時間的に最も古い情報である。以下、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数を普図保留数という。
【0060】
また、主制御基板60には、RAMクリアスイッチ66が搭載されている。すなわち、RAMクリアスイッチ66は、パチンコ遊技機1の後側から押下可能となっている。パチンコ遊技機1は、RAMクリアスイッチ66が押下された状態で起動すると、RAM64及びサブ制御基板100のRAM120を初期化する。
【0061】
また、主制御基板60には、表示器類50が電気的に接続されている。更に、主制御基板60には、中継基板74を介して、第1始動口センサ10bと、一般入賞口センサ11bと、第2始動口センサ12cと、第1大入賞口センサ14cと、第2大入賞口センサ15cと、ゲートセンサ13aと、特定領域センサ55aと、非特定領域センサ55bとが電気的に接続されている。
【0062】
第1始動口センサ10bは、第1始動口10aに入球した遊技球を検出して検出信号を主制御基板60へ出力する。一般入賞口センサ11bは、一般入賞口11aに入球した遊技球を検出して検出信号を主制御基板60へ出力する。第2始動口センサ12cは、第2始動口12aに入球した遊技球を検出して検出信号を主制御基板60へ出力する。第1大入賞口センサ14cは、第1大入賞口14aに入球した遊技球を検出して検出信号を主制御基板60へ出力する。第2大入賞口センサ15cは、第2大入賞口15aに入球した遊技球を検出して検出信号を主制御基板60へ出力する。ゲートセンサ13aは、ゲート13に入球した(通過している)遊技球を検出して検出信号を主制御基板60へ出力する。遊技球が前述の各センサ10b,11b,12c,14c,15c,13aのうちゲートセン
サ13a以外のセンサによって検出されると、センサ毎に予め定めた個数の賞球の払出条件がそれぞれ成立する。
【0063】
ここで、本実施形態では、第1始動口センサ10bによる1回の検出(第1始動口10aへの入球1個)に対する賞球が「3個」と定められており、第2始動口センサ12cによる1回の検出(第2始動口12aへの入球1個)に対する賞球が「1個」と定められており、第1大入賞口センサ14cによる1回の検出(第1大入賞口14aへの入球1個)に対する賞球が「10個」と定められており、第2大入賞口センサ15cによる1回の検出(第2大入賞口15aへの入球1個)に対する賞球が「1個」と定められており、一般入賞口センサ11bによる1回の検出(一般入賞口11aへの入球1個)に対する賞球が「10個」と定められている。
【0064】
また、特定領域センサ55aは、第2大入賞装置15内部の特定領域を通過する遊技球を検出して検出信号を主制御基板60へ出力する。同様に、非特定領域センサ55bは、第2大入賞装置15内部の非特定領域を通過する遊技球を検出して検出信号を主制御基板60へ出力する。
【0065】
また、主制御基板60には、中継基板74を介して、普電ソレノイド12dと、第1特電ソレノイド14dと、第2特電ソレノイド15dと、振分部材ソレノイド55cとが電気的に接続されている。普電ソレノイド12dは、主制御基板60の制御に基づいて励磁され、普通作動部材12bを入球阻止姿勢から入球許容姿勢へと変更する。第1特電ソレノイド14dは、主制御基板60の制御に基づいて励磁され、第1特別作動部材14bを入球阻止姿勢から入球許容姿勢へと変更する。第2特電ソレノイド15dは、主制御基板
60の制御に基づいて励磁され、第2特別作動部材15bを入球阻止姿勢から入球許容姿勢へと変更する。振分部材ソレノイド55cは、主制御基板60の制御に基づいて第2入賞装置12の内部の振分部材56を駆動する。
【0066】
主制御基板60には、払出制御基板73を介してカードユニット76と、貸球払出装置80と、賞球払出装置400(賞球付与手段)とが電気的に接続されている。カードユニット76は、パチンコ遊技機1に隣接して設けられており、プリペイドカードに対して残高の読取りや書き込み等を行う。貸球払出装置80は、球貸モータ81と、球貸センサ82とを備えている。球貸モータ81は、貸球としての遊技球を払出す部材を駆動し、球貸センサ82は、その部材によって遊技球が払出されたことを示す信号を、払出制御基板73を介して主制御基板60へ出力する。遊技制御用マイコン61は、払出制御基板73から出力される信号に基づいて、貸球払出装置80が払出した貸球数を計数する。カードユニット76に挿入されたプリペイドカードに、払出可能な最小残高以上の残高が記録されているときに、球貸ボタン(図示せず)が操作されると、貸球払出装置80が作動し、最小単位個数の貸球が打球供給皿24に払出される。
【0067】
賞球払出装置400は、賞球モータ401と、賞球センサ402とを備えている。賞球モータ401は、賞球としての遊技球を払出す部材を駆動し、賞球センサ402は、その部材によって遊技球が払出されたことを示す信号を、払出制御基板73を介して主制御基板60へ出力する。遊技制御用マイコン61は、払出制御基板73から出力される信号に基づいて、賞球払出装置400が払出した賞球数を計数する。
【0068】
また、主制御基板60には、発射制御回路75を介して発射装置90が電気的に接続されている。発射装置90は、発射モータ91と、タッチスイッチ92と、発射ボリューム93とを備えている。発射モータ91は、遊技球を打撃して発射する打撃槌(図示せず)を駆動する。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力する。発射ボリューム93は、発射レバー4aの回転量に応じて、打撃槌が遊技球を打撃する強度を調節する。
【0069】
また、パチンコ遊技機1は、電源基板70を備えている。電源基板70は、主制御基板60及び払出制御基板73に電力を供給する。また、電源基板70は、払出制御基板73に電気的に接続された各装置に対して、払出制御基板73を介して電力を供給する。また、電源基板70は、中継基板74に電気的に接続された各センサ及びソレノイドに対して、主制御基板60から中継基板74を介して電力を供給する。また、電源基板70は、主制御基板60に電気的に接続された表示器類50に対して、主制御基板60を介して電力を供給する。
【0070】
電源基板70には、バックアップ電源回路71が設けられている。バックアップ電源回路71は、パチンコ遊技機1に対して外部から電力が供給されていない場合に、主制御基板60のRAM64等に対して情報の保持に必要な電力を供給する。電源基板70には、電源基板70へ電力を供給する主電源をオンオフするための電源スイッチ72が電気的に接続されている。
【0071】
主制御基板60は、サブ制御基板100(図4)に対して各種コマンドを送信する。主制御基板60は、コマンドをサブ制御基板100へ送信することはできるが、サブ制御基板100は、主制御基板60へコマンドを送信することができない。つまり、主制御基板60とサブ制御基板100との通信は、主制御基板60からサブ制御基板100へ送信することのみが可能な単方向通信となっている。
【0072】
図4に示すように、サブ制御基板100には、演出に関する制御を実行する演出制御手
段としての演出制御用ワンチップマイコン(以下、演出制御用マイコンという)101が実装されている。演出制御用マイコン101は、CPU102と、ROM110と、RAM120と、入出力回路103とを備えている。CPU102は、遊技に伴って演出を制御する。ROM110には、CPU102が演出を制御するためのコンピュータプログラムの他、各種のテーブルが記憶されている。RAM120は、CPU102がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。また、RAM120には、第1特図保留演出記憶部121と、第2特図保留演出記憶部122と、当該変動用演出記憶部123と、普図保留演出記憶部125と、が設けられている。
【0073】
第1特図保留演出記憶部121は、第1乃至第4記憶領域から成る4つの記憶領域を有し、各記憶領域は、主制御基板60から出力(送信)される第1始動入賞コマンドが示す始動入球情報(乱数値等)を記憶する。第1始動入賞コマンドは、遊技球が第1始動口10aに入球したことを契機として、遊技制御用マイコン61が取得した始動入球情報(大当たり乱数、大当たり種別乱数、変動パターン乱数及びリーチ乱数等の値)を含むコマンドである。
【0074】
一方、第2特図保留演出記憶部122は、第1乃至第4記憶領域から成る4つの記憶領域を有し、各記憶領域は、主制御基板60から出力(送信)される第2始動入賞コマンドが示す始動入球情報(乱数値等)を記憶する。第2始動入賞コマンドは、遊技球が第2始動口12aに入球したことを契機として、遊技制御用マイコン61が取得した始動入球情報(大当たり乱数、大当たり種別乱数、小当たり種別乱数、変動パターン乱数及びリーチ乱数等の値)を含むコマンドである。
【0075】
当該変動用演出記憶部123は、変動演出パターンの当該変動に用いる第1始動入賞コマンドまたは第2始動入賞コマンドが示す始動入球情報(乱数値等)を記憶する。入出力回路103は、サブ制御基板100に接続された各基板等との間でデータの送信または受信を行う。
【0076】
普図保留演出記憶部125は、第1乃至第4記憶領域から成る4つの記憶領域を有し、各記憶領域は、主制御基板60から出力(送信)される作動入球コマンドが示す作動入球情報(乱数値等)を記憶する。作動入球コマンドは、遊技球がゲート13を通過(入球)したことを契機として、遊技制御用マイコン61が取得した作動入球情報(普図当たり乱数、普図当たり種別乱数、普図変動パターン乱数等の値)を含むコマンドである。
【0077】
また、サブ制御基板100には、リアルタイムクロック(RTC)124が実装されている。RTC124は、現在(現時点)の日時(日付及び時刻)を計測するものである。RTC124は、例えば、外部の電源装置からパチンコ遊技機1へ電力が供給されているときには、その電力によって動作し、外部の電源装置から電力が供給されていないときには、電源基板70が備えるバックアップ電源回路71から供給される電力によって動作する。このため、RTC124は、パチンコ遊技機1の電源が投入されていないときや、RAM120の記憶内容がクリアされたときでも、現在の日時を計測することが可能である。なお、RTC124へ電力を供給するバックアップ電源回路をサブ制御基板100に設けてもよい。パチンコ遊技機1では、RTC124による計時の結果に基づいて特別な演出を実行することが可能となっている。
【0078】
サブ制御基板100には、画像制御基板200が電気的に接続されている。画像制御基板200には、VDP201(Video Display Processor)と、画像制御用CPU202と、制御用ROM203と、制御用RAM204と、CGROM(Character Generator Read Only Memory)205と、VRAM(Video Random Access Memory)206とが実装されている。画像制御用CPU202は、変動演出での演出図柄に関する画像、変動演出での演
出図柄の背景となる背景画像、変動演出でのリーチ演出や予告演出、操作演出等に関する画像等の演出画像を表示するよう演出表示装置7を制御する(演出を制御する演出制御手段として機能する)。制御用ROM203には、画像制御用CPU202が演出表示装置7を制御するためのコンピュータプログラムが記憶されている。なお、この制御用ROM203に記憶されるコンピュータプログラムには、後述する風景画像の表示制御に関する制御処理(例えば、後述する選択規制処理や経路延長処理)も含まれる。制御用RAM204は、画像制御用CPU202がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。この制御用RAM204には、例えば、演出図柄の背景画像や後述する第1・第2操作演出の風景画像に対応する視点の位置や向きを記憶する視点記憶部209(位置記憶手段、方向記憶手段)が設けられている。CGROM205には、演出表示装置7が演出画像を表示するための画像データが記憶されている。VDP201は、画像制御用CPU202によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM205から画像データを読み出し、その読み出した画像データをVRAM206内の展開領域に展開する。そして、VDP201は、VRAM206内に展開した画像データを合成し、その合成した画像データをVRAM206内のフレームバッファに記憶する。そして、VDP201は、VRAM206内のフレームバッファに記憶した画像データをRGB信号に変換して演出表示装置7に出力する。これにより、演出表示装置7は演出画像を表示する。
【0079】
サブ制御基板100には、ランプ制御基板79を介して盤ランプ2a、演出ボタンランプ5c、左サイドランプ23a、右サイドランプ23b、トップランプ23cおよび可動体モータ23dが電気的に接続されている。演出制御用マイコン101は、ROM110に記憶されているデータを用いて各ランプの発光態様を決める発光パターンデータを作成し、その発光パターンデータをランプ制御基板79に送信する。そして、ランプ制御基板79は、受信した発光パターンデータに従って各ランプの発光制御を行う。また、演出制御用マイコン101は、ROM110に記憶されているデータを用いて、トップランプ23c内の回転リフレクタの動作態様を決める回転動作パターンデータを作成し、その回転動作パターンデータをランプ制御基板79に送信する。そして、ランプ制御基板79は、受信した回転動作パターンデータに従って可動体モータ23dの駆動制御を行う。
【0080】
サブ制御基板100には、音声制御基板78を介して各スピーカ8が電気的に接続されている。音声制御基板78には、音声制御用CPU(図示せず)と、音声データROM(図示せず)と、音声合成回路(図示せず)と、アンプ(図示せず)とが搭載されている。音声データROMには、各スピーカ8が音楽や効果音等の音を出力するための音声データが記憶されている。音声制御用CPUは、サブ制御基板100から受信したコマンドに基づいて音声データROMから音声データを読み出し、その読み出した音声データを音声合成回路に出力する。音声合成回路は、入力した音声データを合成するとともに、その合成した合成音声データをアナログの音声信号に変換してアンプに出力する。アンプは、入力した音声信号を増幅して各スピーカ8に出力する。そして、各スピーカ8は、入力した音声信号により示される音を出力する。
【0081】
また、サブ制御基板100には、演出ボタン検出スイッチ5aと、決定検出スイッチ6aと、選択検出スイッチ6bと、演出ボタン振動モータ5bと、十字ボタン振動モータ6cとが電気的に接続されている。
【0082】
演出ボタン検出スイッチ5aは、演出ボタン5が押下操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。また、決定検出スイッチ6aは、十字ボタン6が決定操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。更に、選択検出スイッチ6bは、例えば複数(前後左右ボタンに対応する4つ)の検出スイッチからなり、十字ボタン6に対して前後左右の何れかの方向を選択する方向選択操作がなされたことを示す信号をサブ
制御基板100に出力する。これに対し、演出制御用マイコン101は、演出の一種である操作演出(ボタン演出)の期間中、演出ボタン検出スイッチ5aから入力した信号に基づき、操作演出の演出内容に変化を付与するための制御信号(画像変更信号)を画像制御基板200(画像制御用CPU202)に向けて出力する。また、演出制御用マイコン101は、演出の一種である操作演出(方向選択演出)の期間中、決定検出スイッチ6aや選択検出スイッチ6bから入力した信号に基づき、操作演出の演出内容に変化を付与するための制御信号(画像変更信号)を画像制御基板200(画像制御用CPU202)に向けて出力する。
【0083】
演出ボタン振動モータ5bは、演出ボタン5を振動させる部材であり、演出ボタン5の内部に収容されている。十字ボタン振動モータ6cは、十字ボタン6を振動させる部材であり、十字ボタン6と接する部位または十字ボタン6の内部に設けられている。ROM110には、演出ボタン振動モータ5bの動作パターンを決める動作パターンデータと、十字ボタン振動モータ6cの動作パターンを決める動作パターンデータとが記憶されている。演出制御用マイコン101は、演出ボタン5を振動させる演出タイミングになったときに、ROM110から動作パターンデータを読み出し、その読み出した動作パターンデータに基づいて演出ボタン振動モータ5bを駆動制御する。また、演出制御用マイコン101は、十字ボタン6を振動させる演出タイミングになったときに、ROM110から動作パターンデータを読み出し、その読出した動作パターンデータに基づいて十字ボタン振動モータ6cを駆動制御する。
【0084】
[遊技状態の説明]
次に、パチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。
【0085】
(大当たり遊技状態、小当たり状態)
本実施形態のパチンコ遊技機1は、従来において1種パチンコ機および2種パチンコ機と呼ばれていた各遊技機の遊技性を組み合わせた、いわゆる1種2種混合機と呼ばれる機種である。ここで、1種パチンコ機の遊技性とは、始動口への入球を契機とする特図当たり判定の大当たり判定(大当たり抽選)で当選となった場合に大当たり遊技状態を生じさせるものであり、2種パチンコ機の遊技性は、始動口への入球を契機とする特図当たり判定の小当たり判定(小当たり抽選)で当選となった場合に大入賞口を開放し、その開放中に入球した遊技球が当該大入賞口内部の特定領域を通過したことを契機として大当たり遊技状態へと発展させるものである。1種2種混合機である本実施形態のパチンコ遊技機1では、始動口への入球を契機とする特図当たり判定において大当りに当選した場合に大当たり遊技状態(以下「1種大当たり状態」ということがある)を生じさせる。また、始動口への入球を契機とする特図当たり判定において、大当たり判定がハズレかつ小当たり判定が当たりの結果となった場合(小当たりに当選した場合)には、大入賞口を開放する小当たり状態を生じさせ、この小当たり状態中に大入賞口に入球した遊技球が特定領域に入球した場合に限り、大当たり遊技状態(以下「2種大当たり状態」ということがある)へと発展させる。なお、2種大当たり状態は、前述の如く小当たり状態から発展するものであるので、小当たり状態を1ラウンドとみなし、特定領域への入球後に生じる開放(V当たり状態)については2ラウンド以降のラウンドとして計数する。すなわち、小当たり状態とその後のV当たり状態とによって2種大当たり状態が構成される。これに対し、V当たり状態のみを大当り遊技状態と捉えることも可能である。
【0086】
本実施形態では、特図当たり判定による大当たりの判定結果に基づく大当たり遊技状態(1種大当たり状態)の他、小当たり状態やV当たり状態(2種大当たり状態の2ラウンド以降)が生起する可能性がある。1種大当たり状態やV当たり状態では、第1大入賞口14aへの遊技球の入球を狙うことができる一方、小当たり状態では第2大入賞口15aの何れかへの遊技球の入球を狙うことができる。そして、小当たり状態中に第2大入賞口
15aに入球した遊技球が特定領域を通過した場合に、第1大入賞口14aを開放するV当たり状態を生起させる(2種大当たり状態へと発展させる)ようになっている。
【0087】
大当たり遊技状態は、オープニング期間、複数回のラウンド(遊技球の入球を狙うことのできる入球可能期間)が生じる連続作動期間、エンディング期間の順に状態が変化する。ラウンド中は、第1特電ソレノイド14dを駆動することにより第1特別作動部材14bを作動させて、第1大入賞口14aを開放する。ここで、2種大当たり状態の1ラウンド(小当たり状態)を除いた大当たり遊技状態の各ラウンドは、第1大入賞口14aに入球した遊技球の個数が予め定めた上限個数(例えば10球)に達するか、所定の開放時間(例えば30秒)が経過するかの何れか早い方のラウンド終了条件が成立することに応じて終了する。なお、大当たり遊技状態では、ラウンドとラウンドの間にインターバル時間(ラウンドインターバル)が設定されており、少なくともこのインターバル時間には第1大入賞口14aが閉鎖状態を維持するように設定(第1特電ソレノイド14dが非作動に制御)される。第1大入賞口14aへの入球1個に対する賞球が10個と定められているので、大当たり遊技状態(1種大当たり状態、V当たり状態)中、第1大入賞口14aへの入球に対する賞球によって遊技者の持ち球が大幅に増加する。
【0088】
一方で、小当たり状態は、それ以外のラウンドよりも短い時間(例えば1.8秒)だけ第2大入賞口15aが開放する(入球可能期間とする)か、第2大入賞口15aに入球した遊技球の個数が予め定めた上限個数(10球以下の所定個数)に達するかの何れか早い方のラウンド終了条件(基本的には開放時間の経過)が成立することに応じて終了する。なお、第2大入賞口15aへの入球1個に対する賞球は1個と定められているので、小当たり状態中、第2大入賞口15aへの入球に対する賞球によって遊技者の持ち球が増加することはない。
ここで、本実施形態では、全ての小当たり状態を、振分部材56(振分部材ソレノイド55c)を作動する期間中に第2大入賞口15aが開放し、第2大入賞口15aに入球した遊技球が特定領域を通過できる小当たり状態(有利小当たり状態)として生起する。これに対し、遊技球が特定領域を通過する有利小当たり状態と非特定領域を通過する(特定領域を通過しない)不利小当たり状態とを生起可能としてもよい。この場合の不利小当たり状態は、振分部材56の作動期間と第2大入賞口15aの開放期間とを異ならせることで実現し得る。
【0089】
(時短遊技状態、非時短遊技状態)
以下、一般的な時短遊技状態の各機能(特別図柄の変動時間短縮機能、普通図柄の変動短縮機能、第2始動口12aの開放時間延長機能、第2始動口12aの開放回数増加機能)について説明する。
なお、本実施形態のパチンコ遊技機1は、以下に説明する機能のうち、普通図柄の変動時間短縮機能と、第2始動口12aの開放時間延長機能とを有し、これらの機能を作動させることによって、非時短遊技状態(通常遊技状態、入球非容易状態)とは異なる時短遊技状態(入球容易状態)を生起させる。
【0090】
普通図柄表示器53での表示(普通図柄)の確率変動機能が作動する遊技状態を時短遊技状態とし、当該機能が作動しない遊技状態を非時短遊技状態とすることができる。この普通図柄の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して普図当たり判定の当たり確率が向上する。その結果、普通図柄の確率変動機能が作動する状態では、普通作動部材12bが作動して第2始動口12aが開放する頻度を高めることが可能である。
但し、本実施形態のパチンコ遊技機1(遊技制御用マイコン61)は、普通図柄の確率変動機能を有しない。これに対し、当該機能を有することとしてもよい。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1は、第1特別図柄表示器51及び第2特別図柄表示器52での各表示(特別図柄)についての確率変動機能(特図当たり判定の当たり確率
を向上させる機能)も備わっておらず、通常(低確率状態)よりも大当たり確率が高い遊技状態(所謂「確変遊技状態」)は存在しない。これに対し、特別図柄の確率変動機能を作動させる確変遊技状態を生起可能としてもよい。なおこの場合、確変遊技状態は時短遊技状態と同時に生起させてもよい。
【0091】
特別図柄の変動時間短縮機能が作動する遊技状態を時短遊技状態とし、当該機能が作動しない遊技状態を非時短遊技状態とすることができる。特別図柄の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して特別図柄の変動時間として短い変動時間が選択され易くなる。その結果、特別図柄の変動時間短縮機能が作動する状態では、例えば特図変動表示の結果が導出される頻度を高めることができ、大当たり遊技状態等が生起するまでの遊技時間を短縮することが可能である。また、特図保留の消化ペースが早いことで始動口への有効な入球(特図保留)が発生し易くなるため、スムーズな遊技進行を実現可能である。
但し、本実施形態のパチンコ遊技機1(遊技制御用マイコン61)は、特別図柄の変動時間短縮機能を有しない。これに対し、当該機能を有することとしてもよい。
また、普通図柄の変動時間短縮機能が作動する遊技状態を時短遊技状態とし、当該機能が作動しない遊技状態を非時短遊技状態とすることができる。普通図柄の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄の変動時間が短くなる。本実施形態のパチンコ遊技機1は当該機能を有しており、普通図柄の変動時間は、変動時間短縮機能が作動していない状態では30秒(30000ms)、変動時間短縮機能が作動している状
態では0.1秒(100ms)となるように設定されている。これに対し、普通図柄の変動時間
短縮機能を有しないようにしてもよい。
更に、第2始動口12aについての開放時間延長機能及び開放回数増加機能の少なくとも何れかが作動する遊技状態を時短遊技状態とし、当該機能が作動しない遊技状態を非時短遊技状態とすることができる。普通図柄が予め定めた普通図柄で停止表示(確定表示)された場合に、現在の遊技状態に応じた作動パターンにて第2始動口12aを開閉させる補助遊技が行われる。この補助遊技における第2始動口12aの開放時間が、開放時間延長機能によって非時短遊技状態の場合よりも長くなる。また、この補助遊技における第2始動口12aの開放回数が、開放回数増加機能によって非時短遊技状態の場合よりも多くなる。従って、開放時間延長機能や開放回数増加機能が作動する状況下では、第2始動口12aへの遊技球の入球頻度が高められる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合が高くなるため、遊技者は、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たり(又は小当たり)を狙うことができる。
【0092】
前述した特別図柄や普通図柄の変動時間短縮機能と、第2始動口12aの開放時間延長機能及び開放回数増加機能とは、第2始動口12aへの遊技球の入球頻度を高めるためのサポート機能である。これらのうち特に、普通作動部材12bの動作(普電ソレノイド12dの駆動)に関する開放時間延長機能及び開放回数増加機能について、その少なくとも1つの機能を作動させる制御のことを、「電サポ制御」ということがある。
【0093】
本実施形態のパチンコ遊技機1(遊技制御用マイコン61)は、上記機能のうち、普通図柄の変動時間短縮機能と、第2始動口12aの開放時間延長機能とを作動可能であり、遊技状態として、これら2つの機能が共に作動しない非時短遊技状態と、これら2つの機能が共に作動する時短遊技状態とを生起させ得るようになっている(複数種類の状態を生起させる生起手段として機能する)。但し、時短遊技状態は、少なくとも1つの機能を作動させる状態であればよく、例えば、上記2つの機能に加えてまたは少なくとも1つの機能に替えて、普通図柄の確率変動機能を作動する遊技状態としてもよい。
【0094】
なお、本実施形態における「時短遊技状態」は、(開放時間延長機能による)電サポ制御がなされる状態であり、発射球数に対する賞球数の割合が高くなるため、「高ベース状
態(有利遊技状態)」と言い換えることができる。一方で「非時短遊技状態」は、前述した高ベース状態に対して「低ベース状態(通常遊技状態)」と言い換えることができる。
【0095】
ここで、パチンコ遊技機1における時短遊技状態の付与条件としては例えば、予め定められた大当たり図柄(特別図柄)を決定したことに基づく大当たり遊技状態(1種大当たり状態)が終了すること、予め定められた小当たり図柄(特別図柄)を決定した場合の小当たり状態で遊技球が特定領域を通過したことに基づく大当たり遊技状態(2種大当たり状態)が終了すること、予め定められた時短図柄(特別図柄)を決定した際の特図当たり判定の結果に基づく特図変動表示が終了すること、等を設定することができる。本実施形態では、大当たり図柄や小当たり状態の決定に基づく大当たり遊技状態(1種大当たり状態、2種大当たり状態)の終了後に時短遊技状態が付与されることがある他、時短図柄の決定に基づいて時短遊技状態が付与されることがある。
また、パチンコ遊技機1における時短遊技状態の終了条件としては例えば、予め定められた回数の特図変動表示が実行されること、予め定められた回数の普図変動表示が実行されること、予め定められた回数の特図変動表示(または予め定められた回数の普図変動表示)が実行されるまでの間に大当たりが決定されて対応する特図変動表示が終了(大当たり遊技状態が開始)すること、予め定められた回数の特図変動表示(または予め定められた回数の普図変動表示)が実行されるまでの間に予め定められた回数目の小当たりが決定されて対応する特図変動表示が終了(小当たり状態が開始)すること、予め定められた回数の特図変動表示(普図変動表示)が実行されるまでの間に予め定められた小当たり図柄(特別図柄)が決定されて対応する特図変動表示が終了(小当たり状態が開始)すること、等を設定することができる。本実施形態では、予め定められた回数の特図変動表示が実行されることに応じて時短遊技状態が終了することがある他、予め定められた回数の普図変動表示が実行されることに応じて時短遊技状態が終了することがある。
【0096】
[主な判定テーブル]
次に、パチンコ遊技機1の遊技制御用マイコン61が参照する主な判定テーブルについて説明する。
【0097】
(当否判定テーブルT1)
図5に示す当否判定テーブルT1は、遊技制御用マイコン61が特図当たり判定(大当たり判定、小当たり判定)を実行する際に参照するテーブルである。当否判定テーブルT1は、特図当たり判定の種類(第1特図・第2特図のどちらに対応するか)と、大当たり乱数値とを対応付けて構成されている。大当たり乱数値は、大当たり乱数カウンタが発生させる値である。大当たり乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、大当たり乱数カウンタが動作して大当たり乱数値が発生する。大当たり乱数カウンタは、カウンタIC等の乱数生成回路を利用したものでもよい。パチンコ遊技機1の大当たり乱数カウンタは、0~65535の計65536個の値をカウントする。つまり、0~65535の計65536個の大当たり乱数値を発生させ得る。
【0098】
当否判定テーブルT1には、第1特図の特図当たり判定用の大当たり乱数値(0~65535)が、大当たり・ハズレの各判定結果に割り振られている。遊技制御用マイコン61は、大当たり乱数カウンタから取得した大当たり乱数値が0~327の範囲内の値であった場合は大当たりと判定し、0~65535のうち0~327以外(328~65535)であった場合は、大当たりではない、つまり、ハズレと判定する。
また、当否判定テーブルT1には、第2特図の特図当たり判定用の大当たり乱数値(0~65535)が、大当たり・小当たりの各判定結果に割り振られている。遊技制御用マイコン61は、取得した大当たり乱数値が0~327の範囲内の値であった場合は大当たりと判定し、0~65535のうち0~327以外(328~65535)であった場合
は、小当たりと判定する。つまり、大当たりではない値(ハズレ)の全てが、小当たりに割り振られている。すなわち、第1特図の当たり判定と第2特図の当たり判定とでは、大当たりと判定される確率は変わらないが、大当たりではないと判定された場合、第2特図の判定では小当たりと判定されることがあり、その当選確率は大当たりに比べて高い。また、本実施形態では、第1特図の当たり判定で小当たりと判定されることがないため、第2特図の判定では、第1特図の当たり判定に比して小当たりと判定される確率が非常に高い。
【0099】
(大当たり種別判定テーブルT2,T3)
図6(a)および図6(b)に示す大当たり種別判定テーブルT2,T3は、特図当たり判
定において、大当たり判定で大当たりと判定され、その大当たりの種別判定を遊技制御用マイコン61が実行する際に参照するテーブルである。大当たり種別判定テーブルは、大当たり種別(大当たり図柄種別)毎に所定個数の大当たり種別乱数値を対応付けて構成されている。大当たり種別乱数値は、大当たり種別乱数カウンタが発生させる値である。大当たり種別乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、大当たり種別乱数カウンタが動作して大当たり種別乱数値が発生する。大当たり種別乱数カウンタは、カウンタIC等の乱数生成回路を利用したものでもよい。本実施形態において大当たり種別乱数カウンタは、0~99の計100個の大当たり種別乱数をカウントする。つまり、0~99の計100個の大当たり種別乱数値を発生させ得る。
【0100】
ここで、特別図柄のうち第1特図として、大当たりしたこと(大当たり遊技状態が生起すること)を示す2種類の大当たり図柄1-1,1-2と、大当たりや小当たりではない
ことを示す少なくとも1種類のハズレ図柄とが設定されている。なお、第1特図については、小当たりしたこと(小当たり状態が生起すること)を示す小当たり図柄は設定されていない。第1特図の特図当たり判定で大当たりと判定した場合は、図6(a)に示す大当たり種別判定テーブルT2に基づいて、大当たり図柄(大当たり種別)が決定され、この大当たり図柄の決定により、大当たり遊技状態の種類やその後の遊技状態の種類が決定される。なお、各大当たり遊技状態では、各ラウンドでの第1大入賞口14aの開放時間の上限が30秒に設定されている。
【0101】
第1特図の特図当たり判定が大当たりの判定結果で、第1特図の大当たり種別を決定する際、大当たり種別乱数値が0~49の範囲内の値であれば(50パーセント)、大当たり図柄として「大当たり図柄1-1」が決定され、大当たり遊技状態の種類(ラウンド数)として、3ラウンド大当たりが決定され、大当たり遊技状態後の遊技状態を時短1とすることが決定される。この場合の時短遊技状態(時短1)は、大当たり遊技状態の生起が決定されるか、特図変動表示が10回実行されるか、または、普図変動表示が50回実行されることに応じて終了する。
一方で、第1特図の特図当たり判定が大当たりの判定結果で、第1特図の大当たり種別を決定する際、大当たり種別乱数値が50~99の範囲内の値であれば(50パーセント)、大当たり図柄として「大当たり図柄1-2」が決定され、大当たり遊技状態の種類(ラウンド数)として、3ラウンド大当たりが決定され、大当たり遊技状態後の遊技状態を時短2とすることが決定される。この場合の時短遊技状態(時短2)は、大当たり遊技状態の生起が決定されるか、特図変動表示が10回実行されるか、または、普図変動表示が100回実行されることに応じて終了する。
【0102】
また、特別図柄のうち第2特図としては、大当たりしたこと(大当たり遊技状態が生起すること)を示す1種類の大当たり図柄2-1と、小当たりしたこと(小当たり状態が生起すること)を示す2種類の小当たり図柄a,bとが設定されている。なお、第2特図に
ついては、大当たりや小当たりではないハズレを示すハズレ図柄は設定されていない。す
なわち、第2特図については第1特図と異なり、小当たり図柄が設定されていると共に、ハズレ図柄が設定されていない。
【0103】
第2特図の特図当たり判定で大当たりと判定した場合は、図6(b)に示す大当たり種別判定テーブルT2に基づいて、大当たり図柄(大当たり種別)が決定され、この大当たり図柄の決定により、大当たり遊技状態の種類やその後の遊技状態の種類が決定される。なお、大当たり遊技状態では、各ラウンドでの第1大入賞口14aの開放時間の上限が30秒に設定されている。本実施形態では、第2特図の特図当たり判定が大当たりの判定結果である場合に、大当たり種別乱数値が0~99の範囲内のどの値でも(100パーセント)、大当たり図柄として「大当たり図柄2-1」が決定され、大当たり遊技状態の種類(ラウンド数)として、10ラウンド大当たりが決定され、大当たり遊技状態後の遊技状態を時短2とすることが決定される。この場合の時短遊技状態(時短2)は、前述の通り、大当たり遊技状態の生起が決定されるか、特図変動表示が10回実行されるか、または、普図変動表示が100回実行されることに応じて終了する。
【0104】
(小当たり種別判定テーブル)
図7に示す小当たり種別判定テーブルT4は、第2特図用の特図当たり判定において、小当たり判定が小当たりと判定され、その小当たりの種別判定を遊技制御用マイコン61が実行する際に参照するテーブルである。小当たり種別判定テーブルT4は、小当たり種別(小当たり図柄種別)毎に所定個数の小当たり種別乱数値を対応付けて構成されている。小当たり種別乱数値は、小当たり種別乱数カウンタが発生する値である。小当たり種別乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、小当たり種別乱数カウンタが動作して小当たり種別乱数値を発生させる。小当たり種別乱数カウンタは、カウンタIC等の乱数生成回路を利用したものでもよい。本実施形態において小当たり種別乱数カウンタは、0~99の計100個の値をカウントする。つまり、0~99の計100個の小当たり種別乱数値を発生させ得る。本実施形態では前述のように、小当たり図柄として「小当たり図柄a」及び「小当たり図柄b」の2種類が設定されている。
本実施形態では、遊技制御用マイコン61による小当たり種別(小当たり図柄)の決定により、小当たり状態で遊技球が特定領域を通過した場合に生起する大当たり遊技状態(2種大当たり状態)のラウンド数が異なっている。具体的には、時短遊技状態中の特図当たり判定(小当たり判定)で小当たりの判定結果となり、かつ特別図柄が小当たり図柄aに決定された場合には、大当たり遊技状態(2種大当たり状態)として3ラウンド大当たりが設定されている。一方で、時短遊技状態中の特図当たり判定(小当たり判定)で小当たりの判定結果となり、かつ特別図柄が小当たり図柄bに決定された場合には、大当たり遊技状態(2種大当たり状態)として10ラウンド大当たりが設定されている。
なお、小当たり状態では、小当たり図柄の種類に関わらず、第2大入賞口15aが所定時間(1.8秒)開放して、振分部材56が作動し、第2大入賞口15aに入球した遊技球が特定領域に誘導される。遊技球が特定領域を通過すると、これを契機に小当たり状態から2種大当たり状態(大当たり遊技状態)に発展(V当たり状態に移行)する。この2種大当たり状態の各ラウンド(2ラウンド以降のV当たり状態)では、第1大入賞口14aが開放する。この開放時間の上限は、1種大当たり状態と同様に30秒に設定されている。
【0105】
遊技制御用マイコン61は、遊技状態が非時短遊技状態であるか時短遊技状態であるかに関わらず、第2特図の特図当たり判定において小当たりの判定結果が導出された場合、小当たり種別乱数値が0~49の範囲内であれば(50パーセント)、小当たり図柄として小当たり図柄aが決定される。また、小当たり種別乱数値が50~99の範囲内であれば(50パーセント)、小当たり図柄として小当たり図柄bが決定される。
小当たり状態から大当たり遊技状態(V当たり状態)へと発展(移行)した場合に、そ
の大当たり遊技状態(V当たり状態)の終了後に時短2が生起するが、この時短2の終了条件は前述の通りである。すなわち、大当たり遊技状態の生起が決定されるか、特図変動表示が10回実行されるか、または、普図変動表示が100回実行されることに応じて終了する。
【0106】
(リーチ判定テーブル)
図8に示すリーチ判定テーブルT5は、遊技制御用マイコン61による第1特図の変動表示に対応する特図変動パターンの決定に関し、リーチ(ハズレリーチ)が出現する特図変動パターン(ハズレリーチ変動パターン)とするか否かを決定する際に参照するテーブルである。リーチ判定テーブルT5は、リーチ乱数カウンタが発生させるリーチ乱数値と遊技状態とを対応付けて構成されている。本実施形態においてリーチ乱数カウンタは、0~255の計256個の値をカウントする。すなわち、リーチ乱数カウンタは、0~255の計256個のリーチ乱数値を発生させ得る。リーチ乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、リーチ乱数カウンタが動作してリーチ乱数値を発生させる。
【0107】
なお、リーチとは、演出表示装置7において変動表示される複数の演出図柄群(左演出図柄7L、中演出図柄7C、右演出図柄7R)のうち、特図当たり判定の結果を示す演出図柄の組み合わせのうち残り1つの演出図柄に対応する演出図柄群が停止表示(仮停止表示、停留表示)していない状態であって、その停止表示していない演出図柄が停止表示された時に、大当たりか否か等を示す演出図柄の組み合わせが構成されることになる。例えば、大当たり演出図柄の組み合わせの1つが「777」である場合に、左演出図柄表示領域において左演出図柄7Lとして「7」が停止表示されていると共に、右演出図柄表示領域において右演出図柄7Rとして「7」が停止表示されており、中演出図柄表示領域において中演出図柄7Cが停止表示(仮停止表示、停留表示)されていない状態(スクロール表示や切替表示がされている状態)は、リーチの状態である。
また、前述した「停止表示(仮停止表示、停留表示)」は、演出図柄が表示領域内に留まりつつも静止していない表示状態であり、演出図柄が揺れている状態の他、拡大と縮小を繰り返す状態等が概念的に含まれる。これに対し、演出図柄の「確定表示」は、停止表示された演出図柄の組み合わせを静止させて表示する状態であり、その変動表示が終了したことを示す。
【0108】
図8に示すように、第1特図の特図当たり判定が非時短遊技状態で行われてハズレの判定結果となった場合において、リーチ乱数値が0~27の範囲であれば、リーチ有り(すなわちハズレリーチ変動パターンとすること)を決定し、それ以外であれば、リーチ無し(すなわちリーチが出現しない通常変動パターンとすること)を決定する。なお、本実施形態では、時短遊技状態において普通図柄の変動表示に対応させて変動演出を行うため、特別図柄に関するリーチ判定は行われない。
【0109】
(特図変動パターン選択テーブル)
図9(a)に示す特図変動パターン選択テーブルT7は、遊技制御用マイコン61が第1特図の変動表示に関する特図変動パターンを決定する際に参照するテーブルである。また、図9(b)に示す特図変動パターン選択テーブルT8は、遊技制御用マイコン61が第2特図の変動表示に関する特図変動パターンを決定する際に参照するテーブルである。特図変動パターン選択テーブルT7,T8には、大当たり乱数値、小当たり乱数値及びリーチ
乱数値等の乱数値(大当たり判定、小当たり判定、リーチ判定の判定結果)と、変動パターン乱数値と、その特図当たり判定時の遊技状態や特図保留数と、の関係で、特図変動パターンの種類が振り分けられている。なお、特図変動パターンは、特図変動表示の変動時間や、変動演出の内容(変動演出パターン)等の情報を含んでいる。なお、特図変動パタ
ーン選択テーブルT7,T8に示す変動演出パターンは、特図変動パターンに対応して決
定される変動演出の大まかな種類(演出内容)であり、参考のために記載してある。
【0110】
変動パターン乱数値は、変動パターン乱数カウンタが発生する値である。変動パターン乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、変動パターン乱数カウンタが動作して変動パターン乱数値を発生させる。変動パターン乱数カウンタは、カウンタIC等の乱数生成回路を利用したものでもよい。本実施形態において変動パターン乱数カウンタは、0~255の計256個の値をカウントする。つまり、0~255の計256個の変動パターン乱数値を発生させ得る。なお、図9(a)及び図9(b)の特図変動パターン選択テーブルT7,T8中における「変動パターン乱数値」の項目には、各特図
変動パターンに対応する乱数値の範囲の他、括弧内に乱数値の合計数を示している。
【0111】
図9(a)に示すように、第1特図の特図当たり判定が非時短遊技状態で行われてハズレの判定結果となった場合であり、リーチ判定でリーチ無ハズレとなった場合には、左演出図柄7L及び右演出図柄7Rを異なる演出図柄で停止する演出内容を含んだパターン(非リーチパターン)が選択される。この場合に、特図保留数が0~2個であれば、変動時間が10秒(10,000ms)の特図変動パターンPh1が選択され、特図保留数が3,4個であ
れば、変動時間が5秒(5,000ms)の特図変動パターンPh2が選択される。特図変動パ
ターンPh1に対応する変動演出パターンには、通常ハズレ変動の演出内容が対応付けられている。特図変動パターンPh2に対応する変動演出パターンには、短縮ハズレ変動の演出内容が対応付けられている。
【0112】
また、第1特図の特図当たり判定が非時短遊技状態で行われてハズレの判定結果となった場合であり、かつリーチ判定でリーチ有ハズレとなった場合には、変動パターン乱数値が0~17の範囲内であれば特図変動パターンPh3が選択され、変動パターン乱数値が18~81の範囲内であれば特図変動パターンPh4が選択され、変動パターン乱数値が82~113の範囲内であれば特図変動パターンPh5が選択され、変動パターン乱数値が114~145の範囲内であれば特図変動パターンPh6が選択され、変動パターン乱数値が146~161の範囲内であれば特図変動パターンPh7が選択され、変動パターン乱数値が162~177の範囲内であれば特図変動パターンPh8が選択され、変動パターン乱数値が178~191の範囲内であれば特図変動パターンPh9が選択され、変動パターン乱数値が192~255の範囲内であれば特図変動パターンPh10が選択される。特図変動パターンPh3の変動時間は12秒(12,000ms)であり、特図変動パターンPh4の変動時間は30秒(30,000ms)であり、特図変動パターンPh5の変動時間は40秒(40,000ms)であり、特図変動パターンPh6の変動時間は50秒(50,000ms)であり、特図変動パターンPh7の変動時間は60秒(60,000ms)であり、特図変動パターンPh8の変動時間は70秒(70,000ms)であり、特図変動パターンPh9の変動時間は80秒(80,000ms)であり、特図変動パターンPh10の変動時間は90秒(90,000ms)である。特図変動パターンPh3~Ph10に対応する変動演出パターンは、左演出図柄7L及び右演出図柄7Rを同じ演出図柄で仮停止表示した状態で、大当たりになることを期待させるリーチ演出を行うが、結果的にハズレを示す態様で終了する演出内容(ハズレリーチ)である。具体的には、特図変動パターンPh3が、ハズレノーマルリーチに対応しており、特図変動パターンPh4が、ハズレSPリーチAに対応しており、特図変動パターンPh5が、ハズレSPリーチBに対応しており、特図変動パターンPh6が、ハズレSPリーチCに対応しており、特図変動パターンPh7が、ハズレSPリーチDに対応しており、特図変動パターンPh8が、ハズレSPリーチEに対応しており、特図変動パターンPh9が、ハズレSPリーチFに対応しており、特図変動パターンPh10が、ハズレSPリーチGに対応している。なお、特図変動パターンPh6に対応するSPリーチCや、特図変動パターンPh8に対応するSPリーチEについての演出内容に関しては、
後述する。
【0113】
更に、第1特図の特図当たり判定が非時短遊技状態で行われて大当たりの判定結果となった場合には、変動パターン乱数値が0~1の範囲内であれば特図変動パターンPa4が選択され、変動パターン乱数値が2~73の範囲内であれば特図変動パターンPa5が選択され、変動パターン乱数値が74~89の範囲内であれば特図変動パターンPa6が選択され、変動パターン乱数値が90~121の範囲内であれば特図変動パターンPa7が選択され、変動パターン乱数値が122~153の範囲内であれば特図変動パターンPa8が選択され、変動パターン乱数値が154~191の範囲内であれば特図変動パターンPa9が選択され、変動パターン乱数値が192~255の範囲内であれば特図変動パターンPa10が選択される。特図変動パターンPa4の変動時間は31秒(31,000ms)であり、特図変動パターンPa5の変動時間は41秒(41,000ms)であり、特図変動パターンPa6の変動時間は51秒(51,000ms)であり、特図変動パターンPa7の変動時間は61秒(61,000ms)であり、特図変動パターンPa8の変動時間は71秒(71,000ms)であり、特図変動パターンPa9の変動時間は81秒(81,000ms)であり、特図変動パターンPa10の変動時間は91秒(91,000ms)である。特図変動パターンPa4~Pa10に対応する変動演出パターンは、左演出図柄7L及び右演出図柄7Rを同じ演出図柄で仮停止表示した状態で、大当たりになることを期待させるリーチ演出を行い、結果的に大当たりを示す態様で終了する演出内容(当たりリーチ)である。具体的には、特図変動パターンPa4が、当たりSPリーチAに対応しており、特図変動パターンPa5が、当たりSPリーチBに対応しており、特図変動パターンPa6が、当たりSPリーチCに対応しており、特図変動パターンPa7が、当たりSPリーチDに対応しており、特図変動パターンPa8が、当たりSPリーチEに対応しており、特図変動パターンPa9が、当たりSPリーチFに対応しており、特図変動パターンPa10が、当たりSPリーチGに対応している。なお、特図変動パターンPa6に対応するSPリーチCや、特図変動パターンPa8に対応するSPリーチEについての演出内容に関しては、後述する。
【0114】
一方で、第1特図の特図当たり判定が時短遊技状態で行われてハズレの判定結果となった場合には、特図保留数に関係なく、変動パターン乱数値が0~255の範囲内のどの値であっても、特図変動パターンPh11が選択される。また、第1特図の特図当たり判定が時短遊技状態で行われて大当たりの判定結果となった場合も同様に、特図保留数に関係なく、変動パターン乱数値が0~255の範囲内のどの値であっても、特図変動パターンPa11が選択される。すなわち、時短遊技状態で行われた第1特図の特図当たり判定に基づいて特図変動パターンを決定する場合は、非常に短い特図変動パターンPh11,P
a11を決定する。これらの場合に、第1特図用の特図当たり判定に基づく変動演出は行われず、集合表示部20xに設けられる第1規則図柄表示領域211でのみ、第1特別図柄表示器51での0.1秒(100ms)の特図変動表示に合わせた第1規則図柄の変動表示が
実行される。
【0115】
図9(b)に示すように、第2特図の特図当たり判定が非時短遊技状態で行われて、大当たりの判定結果又は小当たりの判定結果となった場合には、特図保留数に関係なく、変動パターン乱数値が0~255の範囲内のどの値であっても、特図変動パターンPa12が選択される。なお、本実施形態では、特図変動パターンPa12の変動時間は、1.5秒(1500ms)に設定されている。但し、時短遊技状態の終了条件が成立した時点で第2特図保留が存在していることは基本的になく、非時短遊技状態で特図変動パターンPa12が選択される可能性は低い。
【0116】
本実施形態では、時短遊技状態中に第2特図の特図当たり判定が行われる場合には必ず大当たりまたは小当たりの判定結果となる。すなわち、時短遊技状態中に第2始動口12aへの入球が可能となることが確定した時点(普図当たり判定が後述する有利な当たりの
判定結果となった時点)で、遊技者の利益獲得が概ね確定する。従って、この際に、演出表示装置7において左演出図柄7L、中演出図柄7C及び右演出図柄7Rを同じ演出図柄で停止表示し、3つの演出図柄によるぞろ目を表示して変動演出を終了させる。そして、第2始動口12aへの遊技球の入球が可能となる期間に、実際に第2始動口12aへの遊技球が生じた場合は、その入球を契機とする第2特図用の特図当たり判定に基づいて行われる特図変動表示の期間に、特別な変動演出として、ストックタイムの時間を確保するための演出を行うか、または短時間のみの演出(直当たり演出)を行う。なお、ストックタイムの場合は、遊技球をゲート13に通過させて更なる第2始動口12aへの入球(第2特図保留の発生)を狙うことが可能となる。なお、ストックタイム中や直当たり演出中には、第2特図用の特図当たり判定に基づく変動演出は行われず、集合表示部20xに設けられる第2規則図柄表示領域212でのみ、第2特別図柄表示器52での特図変動表示に合わせた第2規則図柄の変動表示が実行される。
ここで、時短遊技状態中は、第2特図の特図当たり判定が行われる場合に必ず大当たり又は小当たりの判定結果となり、変動パターン乱数値に応じて特図変動パターンPa12,Pa13の何れかが選択される。この場合に、第2特図保留数が「0」の場合には、変
動パターン乱数値が0~191の範囲内であれば、直当たり演出に対応する特図変動パターンP11,P14が選択され、変動パターン乱数値が192~255の範囲内であれば
、ストックタイムに対応する特図変動パターンPa13が選択される。これに対し、第2特図保留数が「1」~「4」の何れかの場合には、変動パターン乱数値が0~255の範囲内のどの値であっても、ストックタイムに対応する特図変動パターンPa13が選択される。
【0117】
(普通図柄当否判定テーブル)
図10に示す普通図柄当否判定テーブルT9は、遊技制御用マイコン61が普図当たり判定を実行する際に参照するテーブルである。普通図柄当否判定テーブルT9は、普図当たり乱数値と普図当たり判定の判定結果とを対応付けて構成されている。普図当たり乱数値は、普図当たり乱数カウンタが発生させる値である。普図当たり乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、普図当たり乱数カウンタが動作して普図当たり乱数値が発生する。普図当たり乱数カウンタは、カウンタIC等の乱数生成回路を利用したものでもよい。パチンコ遊技機1の普図当たり乱数カウンタは、0~65535の計65536個の値をカウントする。つまり、0~65535の計65536個の普図当たり乱数値を発生させ得る。
【0118】
普通図柄当否判定テーブルT9には、普図当たり判定用の当たり乱数値として、0~891の値が設定されている。遊技制御用マイコン61は、普図当たり乱数カウンタから取得した普図当たり乱数値が0~891の範囲内の値であった場合は普図当たりと判定し、892~65535の範囲内の値であった場合は、普図当たりではない、つまり、ハズレと判定する。
【0119】
(普図当たり種別判定テーブル)
図11Aに示す普図当たり種別判定テーブルT10は、遊技制御用マイコン61が普通作動部材12bの作動パターンを決定する際に参照するテーブルである。普図当たり種別判定テーブルT10には、普通図柄の当たり図柄毎に普図当たり種別乱数値が振り分けられ、各当たり図柄には、その判定時における遊技状態(非時短遊技状態、時短1、時短2)との関係で、普通作動部材12bの作動パターン(普図作動パターン)が対応付けられている。なお、普通作動部材12bの作動パターンは、第2始動口12aの開放時間(普通作動部材12bの作動時間)の情報を含んでいる。
【0120】
普図当たり種別乱数値は、普図当たり種別乱数カウンタが発生する値である。普図当た
り種別乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、普図当たり種別乱数カウンタが動作して普図当たり種別乱数値を発生させる。普図当たり種別乱数カウンタは、カウンタIC等の乱数生成回路を利用したものでもよい。本実施形態において普図当たり種別乱数カウンタは、0~232の計233個の値をカウントする。つまり、0~232の計233個の普図当たり種別乱数値を発生させ得る。
【0121】
ここで、本実施形態のパチンコ遊技機1では、普通作動部材12bの作動パターンとして、第1普図作動パターンFS1及び第2普図作動パターンFS2の2種類が設定されている。このうち第1普図作動パターンFS1は、普電ソレノイド12dを0.07秒(70ms)だけ励磁状態とする(普通作動部材12bを作動して第2始動口12aを開放する)作動パターンである。この場合に、入球許容姿勢となった普通作動部材12bの上に遊技球が乗ったとしても、直ちに入球阻止姿勢に復帰するため第2始動口12aには達しない。これに対し、第2普図作動パターンFS2は、普電ソレノイド12dを2.7秒(2700ms)にわたって励磁状態とする作動パターンである。従って、入球許容姿勢となった普通作動部材12bの上に乗った遊技球が第2始動口12aまで転動して入球する可能性がある。
【0122】
図11Aに示すように、普図当たり判定が当たりの判定結果となった場合に、普図当たり種別乱数値が0~154の範囲内の値であれば、普通図柄の当たり図柄として図柄hz1が決定され、普図当たり種別乱数値が155~232の範囲内の値であれば、普通図柄の当たり図柄として図柄hz2が決定される。その普図当たり判定が行われた時点の遊技状態が非時短遊技状態である場合には、普通図柄の当たり図柄が図柄hz1及び図柄hz2の何れであっても、普通作動部材12bの作動パターンとして、第1普図作動パターンFS1が決定される。これに対し、普図当たり判定が行われた時点の遊技状態が時短1である場合には、普通図柄の当たり図柄が図柄hz1であれば普通作動部材12bの作動パターンとして第1普図作動パターンFS1が決定され、図柄hz2であれば普通作動部材12bの作動パターンとして第2普図作動パターンFS2が決定される。一方、普図当たり判定が行われた時点の遊技状態が時短2である場合には、普通図柄の当たり図柄が図柄hz1及び図柄hz2の何れであっても、普通作動部材12bの作動パターンとして、第2普図作動パターンFS2が決定される。
【0123】
以上のように、遊技制御用マイコン61は、非時短遊技状態と時短1と時短2とで異なる決定確率により普通作動部材12bの複数種類の作動パターンを決定する。ここで、遊技制御用マイコン61が時短遊技状態(時短1及び時短2)において非時短遊技状態よりも高い確率で第2始動口12aの開放時間が長い作動パターン(第2普図作動パターンFS2)を決定するように制御することが、前述した(開放時間延長機能による)電サポ制御に相当する。
また、遊技制御用マイコン61は、時短2において時短1よりも高い確率で第2始動口12aの開放時間が長い作動パターン(第2普図作動パターンFS2)を決定する。
【0124】
(普図変動パターン選択テーブルT11)
図11Bに示す普図変動パターン選択テーブルT11は、遊技制御用マイコン61が普通図柄の変動表示に関する変動パターン(普図変動パターン)を決定する際に参照するテーブルである。
ここで、本実施形態では、時短遊技状態中、特別図柄(第2特図)の変動が開始されるまでは、演出表示装置7の表示画面に表示される変動演出を、普図変動表示(普図当たり判定の結果)に対応させて行う。一方で、非時短遊技状態で行われた普図当たり判定については、普図変動パターンを決定するものの、演出表示装置7での変動演出には反映されない。
【0125】
普図変動パターン乱数値は、普図変動パターン乱数カウンタが発生する値である。普図変動パターン乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、普図変動パターン乱数カウンタが動作して普図変動パターン乱数値を発生させる。普図変動パターン乱数カウンタは、カウンタIC等の乱数生成回路を利用したものでもよい。本実施形態において普図変動パターン乱数カウンタは、0~99の計100個の値をカウントする。つまり、0~99の計100個の普図変動パターン乱数値を発生させ得る。
【0126】
遊技制御用マイコン61は、非時短遊技状態中の普図当たり判定が当たりの判定結果となり、普図変動パターン乱数値が0~49の範囲内である場合には、変動時間が111秒(111000ms)の普図変動パターンFP1を決定し、50~255の範囲内である場合には、変動時間が92秒(92000ms)の普図変動パターンFP2を決定する。また、遊技制御
用マイコン61は、非時短遊技状態中の普図当たり判定がハズレの判定結果となり、普図変動パターン乱数値が0~49の範囲内である場合には、変動時間が111秒(111000ms)の普図変動パターンFP3を決定し、50~255の範囲内である場合には、変動時間が92秒(92000ms)の普図変動パターンFP4を決定する。
なお、遊技制御用マイコン61が普図変動パターンFP1~4の何れかを決定した場合(非時短遊技状態)、演出制御用マイコン101はその普図変動パターンを演出表示装置7での変動演出には反映させず、集合表示部20xの第3規則図柄表示領域213での第3規則図柄の変動表示のみ実行させる。
【0127】
ここで、遊技制御用マイコン61は、時短遊技状態中の場合、その時短遊技状態が後述する2種類の時短遊技状態(時短1、時短2)の何れであるかにより、普図変動パターン乱数値に基づいて普図変動パターン選択テーブルT11を参照して普図変動パターンを決定する際の条件が異なっている。
具体的には、時短1中、遊技制御用マイコン61は、普図当たり判定が当たりの判定結果となり、かつ普通図柄の当たり図柄として図柄hz2が決定された時(普通作動部材12bの作動パターンとして第2普図作動パターンFS2が決定された時)には、すなわち、遊技球が第2始動口12aに入球可能な状態を生じさせる場合には、普図変動パターン乱数値が0~255の何れの値であっても、変動時間が3.5秒(3500ms)の普図変動パターンFP5を決定する。これに対し、普図当たり判定がハズレの判定結果となった時と、普図当たり判定が当たりの判定結果となり、かつ普通図柄の当たり図柄として図柄hz1が決定された時(普通作動部材12bの作動パターンとして第1普図作動パターンFS1が決定された時)とには、すなわち、遊技球が第2始動口12aに入球可能な状態を生じさせない場合は、普図変動パターン乱数値が0~219の範囲内であれば、変動時間が1.0秒(1000ms)の普図変動パターンFP6を決定し、220~255の範囲内であれば、変動時間が3.5秒(3500ms)の普図変動パターンFP7を決定する。
一方、時短2中は、普図当たり判定が当たりの判定結果となった時(すなわち、遊技球が第2始動口12aに入球可能な状態を生じさせる場合であって、普通図柄の当たり図柄として図柄hz1または図柄hz2が決定されており、普通作動部材12bの作動パターンとして第1普図作動パターンFS1または第2普図作動パターンFS2が決定されている)には、普図変動パターン乱数値が0~255の何れの値であっても、変動時間が2.5秒(2500ms)の普図変動パターンFP8を決定する。これに対し、普図当たり判定がハズレの判定結果となった時(すなわち、遊技球が第2始動口12aに入球可能な状態を生じさせない場合であって、普通図柄のハズレ図柄が決定されている)には、普図変動パターン乱数値が0~219の範囲内であれば、変動時間が1.0秒(1000ms)の普図変動パターンFP6を決定し、220~255の範囲内であれば、変動時間が2.5秒(2500ms)の普図変動パターンFP9を決定する。
なお、遊技制御用マイコン61が普図変動パターンFP5を決定した場合(時短1)、
演出制御用マイコン101は、演出表示装置7での変動演出の演出内容(演出パターン)として「当たりSPリーチH」を決定する。また、遊技制御用マイコン61が普図変動パターンFP6を決定した場合(時短1または時短2)、演出制御用マイコン101は、演出表示装置7での変動演出の演出内容(演出パターン)として「超短縮ハズレ」を決定する。更に、遊技制御用マイコン61が普図変動パターンFP7を決定した場合(時短1)、演出制御用マイコン101は、演出表示装置7での変動演出の演出内容(演出パターン)として「ハズレSPリーチH」を決定する。また、遊技制御用マイコン61が普図変動パターンFP8を決定した場合(時短2)、演出制御用マイコン101は、演出表示装置7での変動演出の演出内容(演出パターン)として「当たりSPリーチI」を決定する。更に、遊技制御用マイコン61が普図変動パターンFP9を決定した場合(時短2)、演出制御用マイコン101は、演出表示装置7での変動演出の演出内容(演出パターン)として「ハズレSPリーチI」を決定する。
【0128】
[遊技制御用マイコン61の主な処理]
次に、遊技制御用マイコン61が実行する主な処理について図を参照しつつ説明する。
【0129】
(メイン側主制御処理)
最初に、図12を参照し、メイン側主制御処理の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、パチンコ遊技機1の電源がONされると、ROM63からメイン側主制御処理のコンピュータプログラムを読み出して実行する。遊技制御用マイコン61は、最初に初期設定を行う(ステップ(以下、Sと略す)1)。この初期設定では、例えば、スタックの設定、定数の設定、割込時間の設定、CPU62の設定、SIO(System Input/Output)、PIO(Parallel Input/Output)、CTC(Counter/Timer Circuit:割込時間を管理するための回路)の設定、各種のフラグ、カウンタ及びタイマ等のリセ
ット等を行う。続いて、遊技制御用マイコン61は、割込禁止を実行し(S2)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を実行する(S3)。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理では、前述した大当たり乱数値、大当たり種別乱数値、小当たり種別乱数値、リーチ乱数値、変動パターン乱数値、普図当たり乱数値、普図当たり種別乱数値及び普図変動パターン乱数値を発生する各乱数カウンタの初期値をそれぞれ「1」加算して更新する。各乱数カウンタのカウント値は上限値に達すると「0」に戻って再び「1」加算される。なお、各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また、各乱数カウンタのカウント値にそれぞれ「2」以上の数値を加算して更新してもよい。また、各乱数は、カウンタIC等から成る公知の乱数生成回路を利用して生成される、いわゆるハードウェア乱数であってもよい。このハードウェア乱数を用いる場合は、ソフトウェアによる乱数の更新処理(S3)は必要ない。
【0130】
続いて、遊技制御用マイコン61は、割込許可を実行する(S4)。割込許可中は、メイン側タイマ割込処理(S5)の実行が可能となる。メイン側タイマ割込処理(S5)は例えば、4ms周期でCPU62に対して入力される割込パルスに基づいて実行される。つまり、4ms周期で実行される。そして、メイン側タイマ割込処理(S5)が終了してから、次にメイン側タイマ割込処理(S5)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)による各種カウンタの初期値更新処理が実行される。なお、割込禁止状態のときにCPU62に割込パルスが入力された場合は、メイン側タイマ割込処理(S5)は直ぐには開始されず、割込許可(S4)が実行されてから開始される。
【0131】
(メイン側タイマ割込処理)
次に、図13を参照し、メイン側タイマ割込処理(S5)について説明する。
遊技制御用マイコン61は、出力処理を実行する(S10)。この出力処理では、以下に説明する各処理において主制御基板60のRAM64に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等をサブ制御基板100や払出制御基板73等に出力する。続いて、遊
技制御用マイコン61は、入力処理を実行する(S11)。この入力処理では、主にパチンコ遊技機1に取付けられている各種センサ(第1始動口センサ10b、第2始動口センサ12c、ゲートセンサ13a、第1大入賞口センサ14c、第2大入賞口センサ15c、特定領域センサ55a、非特定領域センサ55b、一般入賞口センサ11b等)が検出した各検出信号を読み込む。続いて、遊技制御用マイコン61は、タイマ更新処理を実行する(S12)。このタイマ更新処理では、タイマとして作動している減算カウンタの更新(減算)を行う。続いて、遊技制御用マイコン61は、賞球制御処理を実行する(S13)。この賞球制御処理では、入力処理(S11)において読み込んだ各種センサの検出信号に基づいて、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払出コマンドをRAM64の出力バッファにセットする。払出コマンドは、払出制御基板73に対して出力されるコマンドである。続いて、遊技制御用マイコン61は、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を実行する(S14)。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理は、図12のメイン側主制御処理で実行する普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)と同じである。つまり、各乱数カウンタの初期値の更新処理は、メイン側タイマ割込処理(S5)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割込処理(S5)の終了後、次のメイン側タイマ割込処理(S5)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
【0132】
続いて、遊技制御用マイコン61は、後述するセンサ検出処理(S15)、普通動作処理(S16)、特別図柄待機処理(S17)、特別図柄関連処理(S18)を順に実行し、次にその他の処理(S19)を実行して、メイン側タイマ割込処理を終了する。その他の処理(S19)は、パチンコ遊技機1に異常状態が生じているかを判定する異常判定処理等である。例えば異常判定処理としては、不正入球を検出する不正入球検出処理、不正な磁気を検出する磁気検出処理、前面枠18や内枠の開放を検出する扉開放処理、不正な電波を検出する電波検出処理、衝撃(振動)を検出する衝撃検出処理等がある。また、その他の処理では、第1特図保留数に基づいて第1特図保留表示器51aをその数を示す表示態様に制御したり、第2特図保留数に基づいて第2特図保留表示器52aをその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次にCPU62に割込パルスが入力されるまではメイン側主制御処理のS2~S4の処理が繰り返し実行され、割込パルスが入力されると(約4ms後)、再びメイン側タイマ割込処理(S5)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割込処理の出力処理(S10)においては、前回のメイン側タイマ割込処理(S5)にてRAM64の出力バッファにセットされたコマンド等が所定の基板へ出力される。
【0133】
(図柄用センサ検出処理)
次に、図14を参照し、図柄用センサ検出処理(S15)について説明する。
遊技制御用マイコン61は、遊技球がゲート13を通過したか否かを判定する(S30)。遊技球がゲート13を通過したことはゲートセンサ13aによって検出される。遊技球がゲート13を通過したと判定した場合(S30:Yes)、遊技制御用マイコン61は、ゲート通過処理を実行する(S31)。このゲート通過処理では、普図保留数が4以上であるか否か判定し、普図保留数が4以上でなければ、普図保留数に「1」を加算し、普通図柄の抽選を行うための普図当たり乱数を取得して記憶する処理を行う。
【0134】
S31の終了後、又は遊技球がゲート13を通過していないと判定した場合(S30:No)、遊技制御用マイコン61は、遊技球が第2始動口12aに入球したか否かを判定する(S32)。遊技球が第2始動口12aに入球したことは第2始動口センサ12cによって検出される。遊技球が第2始動口12aに入球していない場合(S32:No)、S38に進むが、遊技球が第2始動口12aに入球したと判定した場合(S32:Yes)、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2が上限値である「4」に達しているか否か判定する(S33)。第2特図保留数U2が上限値である「4」に達している場合(S33:Yes)、S38に進むが、第2特図保留数U2が「4」に達していない場合
(S33:No)、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2に1を加算する(S34)。これにより、第2特図の変動保留条件が成立する。
【0135】
続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図関係乱数取得処理を実行する(S35)。この第2特図関係乱数取得処理では、大当たり乱数と、大当たり種別乱数と、小当たり種別乱数と、リーチ乱数と、変動パターン乱数とを取得し、それら取得した各乱数を第2特図保留記憶部64bのうち、現在の第2特図保留数に応じた記憶領域に格納する。例えば、現在の第2特図保留数が「3」であった場合は、各乱数を第4記憶領域に記憶する。
【0136】
続いて、遊技制御用マイコン61は、第2始動入賞コマンド作成処理を実行する(S36)。この第2始動入賞コマンド作成処理では、S35において取得した各乱数群に基づいて第2始動入賞コマンドを作成する。この第2始動入賞コマンドは、遊技球が第2始動口12aに入球したことを示すデータ、S35において取得した各乱数を示すデータ等により構成されている。続いて、遊技制御用マイコン61は、S36において作成した第2始動入賞コマンドをRAM64の出力バッファにセットする(S37)。このセットされた第2始動入賞コマンドは、出力処理(S10)においてサブ制御基板100に出力され、演出制御用マイコン101が第2始動入賞コマンドに含まれる各乱数に基づいて演出を実行する。
【0137】
続いて、遊技制御用マイコン61は、遊技球が第1始動口10aに入球したか否かを判定する(S38)。遊技球が第1始動口10aに入球したことは第1始動口センサ10bによって検出される。遊技球が第1始動口10aに入球していない場合(S38:No)、センサ検出処理を終了するが、第1始動口10aに入球したと判定した場合(S38:Yes)、遊技制御用マイコン61は、第1特図保留数U1が上限値の「4」に達しているか否か判定する(S39)。第1特図保留数U1が「4」に達している場合(S39:Yes)、センサ検出処理を終了するが、第1特図保留数U1が「4」に達していない場合(S39:No)、遊技制御用マイコン61は、第1特図保留数U1に1を加算する(S40)。これにより、第1特図の変動保留条件が成立する。
【0138】
続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図関係乱数取得処理を実行する(S41)。この第1特図関係乱数取得処理では、大当たり乱数と、大当たり種別乱数と、リーチ乱数と、変動パターン乱数とを取得し、それら取得した各乱数を第1特図保留記憶部64aのうち、現在の第1特図保留数に応じた記憶領域に格納する。例えば、現在の第1特図保留数が「3」であった場合は、各乱数を第4記憶領域に記憶する。
【0139】
続いて、遊技制御用マイコン61は、第1始動入賞コマンド作成処理を実行する(S42)。この第1始動入賞コマンド作成処理では、S41で第1特図保留記憶部64aに格納した各乱数群に基づいて第1始動入賞コマンドを作成する。この第1始動入賞コマンドは、遊技球が第1始動口10aに入球したことを示すデータ、S41で第1特図保留記憶部64aに格納した各乱数を示すデータ等により構成されている。続いて、遊技制御用マイコン61は、S42で作成した第1始動入賞コマンドをRAM64の出力バッファにセットする(S43)。このセットされた第1始動入賞コマンドは、出力処理(S10)においてサブ制御基板100に出力され、演出制御用マイコン101が第1始動入賞コマンドに含まれる各乱数に基づいて演出を実行する。
【0140】
(普通動作処理)
次に、図15A及び図15Bを参照し、普通動作処理(S16)について説明する。
遊技制御用マイコン61は、補助遊技中(普通作動部材12bの作動中)であるか否かを判定し(S50)、補助遊技中ではないと判定した場合は(S50:No)普通図柄の停止表示(確定表示)中か否かを判定する(S51)。ここで、遊技制御用マイコン61
は、普通図柄の停止表示中ではないと判定した場合は(S51:No)、普通図柄の変動表示中か否かを判定し(S52)、普通図柄の変動表示中ではないと判定した場合は(S52:No)、普通図柄の保留数Vが「0」であるか否かを判定する(S53)。ここで、遊技制御用マイコン61は、普通図柄の保留数Vが「0」であると判定した場合は(S53:Yes)、普通動作処理を終える。
【0141】
また、遊技制御用マイコン61は、S53において普通図柄の保留数Vが「0」ではないと判定した場合は(S53:No)、普図当たり判定処理を行う(S54-1)。この普図当たり判定処理(S54-1)では、取得した普図当たり乱数値と普通図柄当否判定テーブルT9との関係に基づいて普図当たり判定を行い、普図当たりか否か判定する。そして、この普図当たり判定が当たりの判定結果の場合、普図当たり種別乱数値と普図当たり種別判定テーブルT10との関係に基づいて普図決定処理(普図当たり種別決定処理を含む)を行い、普図当たり判定の結果(決定した普通図柄)に応じた普図停止図柄データをRAM64の所定の記憶領域にセットする(S54-2)。つまり、普図決定処理(S54-2)では、「ハズレ」であれば「普通ハズレ図柄」に応じたデータをセットし、「当たり」であれば、当たりの普通当たり図柄(普通図柄hz1または普通図柄hz2)を決定し、その決定した普通図柄に応じたデータをセットする。
【0142】
続いて、遊技制御用マイコン61は、取得した普図変動パターン乱数値と、普図変動パターン選択テーブルT11との関係に基づいて、普図変動時間(普図変動パターン)決定処理を行う(S54-3)。普図変動時間決定処理(S54-3)では、前述のように、遊技状態(非時短遊技状態、時短1、時短2)と、普図当たり判定の結果(当たりまたはハズレ)と、普通図柄の当たり図柄(図柄hz1、図柄hz2)と、普図変動パターン乱数値の値との関係により、普図変動パターンFP1~FP9の何れかを選択する。
【0143】
続いて、遊技制御用マイコン61は、普通図柄保留数Vを1減算し(S54-4)、普図保留記憶部64cにおける各普図保留の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、普図保留記憶部64cにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S54-5)。このようにして、普図保留が保留された順に消化されるようにしている。その後、遊技制御用マイコン61は、S54-3において選択した普図変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始する(S54-6)。なお、これに伴い、サブ制御基板100に普通図柄の変動開始と、その変動表示の結果(停止表示する普通図柄の種類)とを知らせるため、普図変動開始コマンドをセットする。この普図変動開始コマンドには、S54-1、S54-2及びS54-3において決定した普図当たり判定の当否、停止図柄及び普図変動時間が含まれている。
【0144】
また、遊技制御用マイコン61は、S52において、普通図柄の変動表示中であると判定した場合は(S52:Yes)、普通図柄の変動時間が終了したか否か判定し(S55-1)、終了していないと判定した場合は(S55-1:No)、普通動作処理を終える。一方、終了したと判定した場合は(S55-1:Yes)、普通図柄の変動表示を、普図当たり判定や普図当たり種別判定の結果に応じた表示結果(普通当たり図柄または普通ハズレ図柄)で停止させる(S55-2)。そして、サブ制御基板100に普通図柄の変動停止を知らせるための普図変動停止コマンド(普図用の変動停止コマンド)をセットするとともに(S55-3)、普通図柄の停止時間をセットし(S55-4)、普通動作処理を終える。
【0145】
また、遊技制御用マイコン61は、S51において、普通図柄の停止表示中であると判定した場合は(S51:Yes)、S56において普通図柄の停止時間が終了したか否か判定し、終了していないと判定した場合は(S56:No)、普通動作処理を終える。一
方、終了していると判定した場合は(S56:Yes)、普図条件確認処理を実行する(S57)。この普図条件確認処理は、時短遊技状態中における普図変動表示の終了タイミングで実行される処理であり、時短遊技状態中の普図変動表示の実行回数をカウントし、普図変動回数による時短遊技状態の終了条件が成立したか否かを確認する処理である。
【0146】
ここで一旦、図15Bを参照し、普図条件確認処理(図15AのS57)について説明する。遊技制御用マイコン61は、先ず、時短フラグがONであるか否かを判定し(S57-1)、時短フラグがOFF、すなわち非時短遊技状態である場合は(S57-1:No)、普通条件確認処理を終了する。これに対し、時短フラグがON、すなわち時短遊技状態中である場合は(S57-1:Yes)、大当たり遊技状態の終了時の遊技状態管理処理(図21、後述)で設定された普図変動数カウンタの値を1減算する(S57-2)。続いて、遊技制御用マイコン61は、普図変動数カウンタの値が0になったか否か、すなわち普図変動回数による時短遊技状態の終了条件が成立したか否かを判定する(S57-3)。そして、普図変動数カウンタの値が0と判定した場合には(S57-3:Yes)、時短フラグをOFFとし(S57-4)、S57-5に移行する。これに対し、普図変動数カウンタの値が1以上と判定した場合は(S57-3:No)、時短フラグをONに維持したまま、S57-5に移行する。
そして、遊技制御用マイコン61は、S57-5において、現在の遊技状態(非時短遊技状態、時短1または時短2)の情報を含む遊技状態指定コマンドをRAM64の出力バッファにセットし、普図条件確認処理を終了する。
なお、本実施形態において、遊技状態指定コマンドは、遊技状態の情報として、非時短遊技状態、時短遊技状態、大当たり遊技状態(1種大当たり状態、V当たり状態)、小当たり状態、の何れかを含んでいる。S57-5(普通図柄の変動表示の終了時点から所定の停止時間が経過した時点)でセットされ得る遊技状態指定コマンドは基本的に、非時短遊技状態、時短1または時短2の何れかの遊技状態の情報を含むコマンドである。RAM64の出力バッファにセットされた遊技状態指定コマンドは、メイン側タイマ割込処理の出力処理(S10)においてサブ制御基板100に出力される。
【0147】
図15Aに戻り、遊技制御用マイコン61は、普図条件確認処理(S57)の終了後、普通当たり図柄の普図停止図柄データがセットされているか否か、つまり、当たりか否かを判定し(S58-1)、当たりではないと判定した場合(S58-1:No)、普通動作処理を終える。一方、当たりと判定した場合は(S58-1:Yes)、時短遊技状態であるか否かを判定し(S58-2)、時短遊技状態であると判定した場合は(S58-2:Yes)、普通作動パターン決定処理(時短)を実行する(S58-3)。これに対し、当たりと判定し(S58-1:Yes)かつ非時短遊技状態であると判定した場合(S58-2:No)、普通作動パターン決定処理(非時短)を実行する(S58-4)。
【0148】
ここで、S58-3の普通作動パターン決定処理(時短)では、遊技制御用マイコン61は、普通作動部材12bの普通作動パターンを、前述した普図当たり種別判定テーブルT10(図11A)における「時短1」及び「時短2」のうち現在の時短遊技状態に対応する側の項目に基づいて決定する。そして、続くS58-5において作動パターンをセットし、補助遊技(普通作動部材12bの作動)を開始させる。これにより、普図当たり判定が当たりの判定結果となった場合、時短1中であれば第2始動口12aが0.07秒(70ms)または2.7秒(2700ms)開放され、時短2中であれば第2始動口12aが2.7秒(2700ms)開放される。そして、普通動作処理を終了する。
これに対し、S58-4の普通作動パターン決定処理(非時短)では、普通作動部材12bの普通作動パターンを、前述した普図当たり種別判定テーブルT10(図11A)における「非時短」の項目に基づいて決定する。そして、続くS58-5において作動パターンをセットし、補助遊技(普通作動部材12bの作動)を開始させる。これにより、非時短遊技状態中に普図当たり判定が当たりの判定結果となった場合、第2始動口12aが
0.07秒(70ms)開放される。そして、普通動作処理を終了する。
【0149】
また、遊技制御用マイコン61は、前述したS50において補助遊技中(普通作動部材12bの作動中)であると判定した場合は(S50:Yes)、補助遊技の終了条件(普通作動部材12bの作動終了条件)が満足されたか否かを判定する(S59-1)。ここで、作動終了条件とは、S58-3またはS58-4においてセットされた作動パターン毎の作動時間が終了したという作動時間終了条件、あるいは、第2始動口12aへの入球数が規定の入球数に達したという規定入球数条件である。
遊技制御用マイコン61は、作動終了条件が満足されていないと判定した場合は(S59-1:No)、普通動作処理を終える。一方、満足されたと判定した場合は(S59-1:Yes)、補助遊技(普通作動部材12bの作動)を終了させ(S59-2)、普通動作処理を終了する。
【0150】
(特別図柄待機処理)
次に、図16を参照し、特別図柄待機処理(S17)について説明する。
遊技制御用マイコン61は、特別図柄の変動時間および停止時間の何れかを計測中であるか否かを判定し(S60)、計測中であれば(S60:Yes)、特別図柄待機処理を終了する。一方で、特別図柄の変動時間および停止時間の何れも計測していなければ(S60:No)、S61に進む。遊技制御用マイコン61は、S61において、第2特図保留数U2が「0」であるか否かを判定する。そして、「0」ではないと判定した場合(S61:No)、すなわち、第2特図の変動表示についての始動条件が成立した場合に、遊技制御用マイコン61は、後述する第2特図当たり判定処理(S62)及び第2特図変動パターン選択処理(S63)を実行する。続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2から「1」を減算し(S64)、第2特図保留記憶部64bの各記憶領域に記憶されている各データを、記憶の順番が古い方の記憶領域、つまり読み出される側に1つずつシフトする(S65)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図変動開始処理を実行する(S66)。この第2特図変動開始処理では、特図変動開始コマンドをRAM64の出力バッファにセットし、第2特別図柄表示器52において第2特図の変動表示を開始する。RAM64の出力バッファにセットする特図変動開始コマンドには、後述する第2特図当たり判定処理(図17)においてセットされた特図停止図柄のデータや第2特図変動パターン選択処理(図18及び図19)においてセットされた第2特図変動パターンのデータが含まれている。S66の実行後、遊技制御用マイコン61は、特別図柄待機処理を終了する。
【0151】
また、遊技制御用マイコン61は、前述したS61において、第2特図保留数U2が「0」であると判定した場合(S61:Yes)、第1特図保留数U1が「0」であるか否かを判定する(S67)。「0」ではないと判定した場合(S67:No)、すなわち、第1特図の変動表示についての始動条件が成立した場合に、遊技制御用マイコン61は、後述する第1特図当たり判定処理(S68)及び第1特図変動パターン選択処理(S69)を実行する。続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図保留数U2から「1」を減算し(S70)、第1特図保留記憶部64aの各記憶領域に格納されている各データを、記憶の順番が古い方の記憶領域、つまり、読み出される側に1つずつシフトする(S71)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図変動開始処理を実行する(S72)。この第1特図変動開始処理では、特図変動開始コマンドをRAM64の出力バッファにセットし、第1特別図柄表示器51において第1特図の変動表示を開始する。RAM64の出力バッファにセットする特図変動開始コマンドには、後述する第1特図当たり判定処理(図17)においてセットされた特図停止図柄のデータや第1特図変動パターン選択処理(図18及び図19)においてセットされた第1特図変動パターンのデータが含まれている。S72の実行後、遊技制御用マイコン61は、特別図柄待機処理を終了する。
【0152】
一方、第1特図保留数U1が「0」であると判定した場合(S67:Yes)、遊技制御用マイコン61は、待機状態中か否かを判定する(S73)。待機状態は、大当たり遊技状態中でなく、特別図柄の変動中ではなく、かつ特図保留数が零である状態を指す。より詳しくは、待機状態は、前述の条件に加え、特別図柄(又は演出図柄)の停止表示(確定表示)後に、図柄が停止した状態が一定時間以上経過したことを契機に生起する状態である。ここで、待機状態中と判定した場合(S73:Yes)、遊技制御用マイコン61は、特別図柄待機処理を終了する。一方、待機状態中ではないと判定した場合(S73:No)、遊技制御用マイコン61は、待機画面設定処理を実行する(S74)。この待機画面設定処理では、所定の待機時間を計測し、この待機時間の経過を待って、待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをRAM64の出力バッファにセットする。その後、遊技制御用マイコン61は特別図柄待機処理を終了する。
このように、本実施形態では、第1特図の変動表示は第2特図保留数U2が「0」の場合(S61:Yes)に限って行われる。つまり、第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。
【0153】
(特図当たり判定処理)
次に、図17を参照し、第2特図当たり判定処理(S61)及び第1特図当たり判定処理(S67)について説明する。なお、第2特図当たり判定処理と第1特図当たり判定処理とは、処理の流れが同じであるため、まとめて説明する。
【0154】
遊技制御用マイコン61は、RAM64の特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている大当たり乱数を読み出し(S80)、当否判定テーブル(この例では当否判定テーブルT1)を参照する(S81)。続いて、遊技制御用マイコン61は、当否判定テーブルT1の大当たりに対応する乱数値(判定値)の範囲を参照し、S80で読み出した大当たり乱数値と同じ乱数値が存在するか否か、つまり、大当たりか否かの当否判定を行う(S82)。
【0155】
大当たりと判定した場合(S82:Yes)、遊技制御用マイコン61は、大当たりと判定したことを示す大当たりフラグをONにする(S83)。その後、遊技制御用マイコン61は、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている大当たり種別乱数を読み出し、複数の大当たりの種別が設定された大当たり種別判定テーブル(この例では大当たり種別判定テーブルT2,T3)を参照し、大当たりの種別を判定する(S84)。大当たり
の種別によって、特図の大当たり図柄、特図の停止図柄、振分率、最大ラウンド数及び大当たり演出図柄等が異なる。また、大当たりの種類によって時短遊技状態中の特図変動表示の上限回数についても決定される。その後、遊技制御用マイコン61は、S84で判定した大当たりの種別に応じた特図の大当たり図柄を停止表示(確定表示)するための特図停止図柄データをRAM64に設けた特図バッファにセットし(S88)、本処理を終了する。
【0156】
一方、大当たりと判定しなかった場合(S82:No)、遊技制御用マイコン61は、当否判定テーブルT1の小当たりに対応する乱数値の範囲を参照し、S80で読み出した大当たり乱数と同じ乱数があるか否か、すなわち小当たりか否かの判定を行う(S85)。前述したように、第1特図の抽選では小当たりに当選せず、第2特図の抽選で小当たりに当選する場合がある。小当たりと判定した場合(S85:Yes)、遊技制御用マイコン61は、小当たりと判定したことを示す小当たりフラグをONにする(S86)。その後、遊技制御用マイコン61は、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている小当たり種別乱数を読み出し、複数の小当たりの種別が設定された小当たり種別判定テーブルT4を参照し、小当たりの種別を判定する(S87)。小当たりの種別によって、特図の小当たり図柄、特図の停止図柄、振分率、小当たり演出図柄等が異なる。また、小当たりの種類によって、特定領域の通過による大当たり遊技状態の有無、時短遊技状態の継続、時
短遊技状態の終了等についても決定される。その後、遊技制御用マイコン61は、S87で判定した小当たりの種別に応じた特図の小当たり図柄を停止表示(確定表示)するための特図停止図柄データをRAM64に設けた特図バッファにセットし(S88)、本処理を終了する。
【0157】
一方、小当たりと判定しなかった場合(S85:No)、すなわちハズレと判定した場合には、遊技制御用マイコン61は、特図のハズレ図柄を停止表示(確定表示)するための特図停止図柄データを特図バッファにセットし(S88)、本処理を終了する。
【0158】
(特図変動パターン選択処理)
次に、図18及び図19を参照し、第2特図変動パターン選択処理(S62)及び第1特図変動パターン選択処理(S68)について説明する。なお、第2特図変動パターン選択処理と第1特図変動パターン選択処理とを共通の処理としてまとめて説明する。
【0159】
遊技制御用マイコン61は、時短遊技状態であることを示す時短フラグがOFFであるか否かを判定する(S90)。時短フラグがOFFであると判定した場合(S90:Yes)、遊技制御用マイコン61は、S91に移行する。時短フラグがOFFではないと判定した場合(S90:No)、遊技制御用マイコン61は、S99に移行する。
【0160】
S91,S99に移行した遊技制御用マイコン61は、大当たりフラグがONであるか
否かを判定する。大当たりフラグがONであると判定した場合(S91,S99:Yes
)、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルT7,T8のうち特別図
柄の種類に応じたテーブルを参照して大当たり用の特図変動パターンを選択する(S92,S100)。例えば、非時短遊技状態である場合、特図変動パターン選択テーブルT7
を参照して大当たり用の特図変動パターンを選択する(S92)。また、時短遊技状態である場合は、特図変動パターン選択テーブルT8を参照して大当たり用の特図変動パターンを選択する(S100)。特図変動パターンを選択した遊技制御用マイコン61は、その後、S98に移行する。
【0161】
また、大当たりフラグがONではないと判定した場合(S91,S99:No)、遊技
制御用マイコン61は、小当たりフラグがONであるか否かを判定する(S93,S10
1)。小当たりフラグがONであると判定した場合(S93,S101:Yes)、遊技
制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルT7,T8のうち特別図柄の種類
に応じたテーブルを参照して特図変動パターンを選択する(S94,S102)。前述し
たように本実施形態では、第1特図の抽選で小当たりに当選せず、第2特図の抽選で小当たりに当選する場合がある。第2特図の抽選で小当たりに当選した場合、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルT8を参照して、小当たり用の特図変動パターンを選択する。その後、遊技制御用マイコン61は、S98に移行する。
【0162】
一方で、小当たりフラグがOFFであると判定した場合(S93,S101:No)、
遊技制御用マイコン61は、S95,S103に移行する。ここで、時短遊技状態中の場合(S103)、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブルT7,T8
のうち特別図柄の種類に応じたテーブルを参照して、ハズレの特図変動パターンを選択し、S98に移行する(S98)。なお、本実施形態では、第1特図の抽選でハズレになることがある一方、第2特図の抽選ではハズレになることがない(大当たり又は小当たりの何れかのみ)。
【0163】
遊技制御用マイコン61は、S95において、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されているリーチ乱数値を取得し、その取得したリーチ乱数値が「リーチ有り」に対応する値であるか否かを判定する。遊技制御用マイコン61は、取得したリーチ乱数値が、リー
チ判定テーブルT5の「リーチ有り」に対応する値の中に存在するならば、特図変動パターン選択テーブルT7,T8のうち特別図柄の種類に応じたテーブルを参照して、「リー
チ有ハズレ」の特図変動パターンを選択する(S96)。特図変動パターンを選択した遊技制御用マイコン61は、その後、S98に移行する。
【0164】
一方、取得したリーチ乱数値が、リーチ判定テーブルT5の「リーチ有り」に対応しない値の中に存在する場合は、「リーチ無ハズレ」の特図変動パターンを選択する(S97)。そして、S98に移行する。
【0165】
S92,S94,S96,S97,S100,S102,S103の終了後、S98に移行した遊技制御用マイコン61は、選択した変動パターンを示す変動パターンデータをRAM64に設けた特図変動パターンバッファにセットし、特図変動パターン選択処理を終了する。S98で特図変動パターンバッファにセットした変動パターンデータは、前述した特別図柄待機処理のS66,S72でセットされる特図変動開始コマンドに含められ、メイン側タイマ割込処理の出力処理(S10)により、サブ制御基板100へ出力される。
【0166】
(特別図柄関連処理)
次に、図20を参照し、特別図柄関連処理(S18)について説明する。
遊技制御用マイコン61は先ず、特別図柄(第1特図、第2特図)の変動時間(S98でセットした特図変動パターンに応じた時間)の計測の終了タイミングであるか否かを判定する(S110)。そして、変動時間の終了タイミングであると判定した場合(S110:Yes)、遊技制御用マイコン61は、S88でセットした特図停止図柄データに応じた特別図柄の停止図柄を表示(特別図柄の変動表示を確定表示)する(S111-1)と共に、特図変動停止コマンド(特図用の変動停止コマンド)をRAM64に設けた出力バッファにセットする(S111-2)。また、特別図柄の停止時間の計測を開始する(S111-3)。そして、遊技制御用マイコン61は、S111-3の終了後、特別図柄関連処理を終了する。
【0167】
一方で、遊技制御用マイコン61は、前述したS110において特別図柄の変動時間の終了タイミングではないと判定した場合(S110:No)、前述したS111-3において開始した特別図柄の停止時間の計測の終了タイミングであるか否かを判定する(S112)。停止時間の終了タイミングであると判定した場合(S112:Yes)、遊技制御用マイコン61は、後述する遊技状態管理処理を実行する(S113)。その後、遊技制御用マイコン61は、大当たりフラグがONであるか否かを判定し(S114-1)、ONであると判定した場合(S114-1:Yes)、遊技状態リセット処理を実行する(S114-2)。この遊技状態リセット処理では、時短フラグがONであるか否かを判定し、ONになっていると判定した場合は、時短フラグをOFFにする。
【0168】
遊技制御用マイコン61は、前述したS112において特別図柄の停止時間の終了タイミングではないと判定した場合(S112:No)、遊技状態が大当たり遊技状態(1種大当たり状態またはV当たり状態)であるか否かを判定する(S115-1)。なお、遊技制御用マイコン61は例えば、大当たりフラグがONであり、かつ特別図柄の変動時間および停止時間の何れも計測していない場合に、大当たり遊技状態であると判定する。そしてこのS115-1において大当たり遊技状態であると判定した場合には(S115-1:Yes)、1種大当たり状態またはV当たり状態(2種大当たり状態の2ラウンド以降)に関する特別電動役物処理(後述)を実行する(S115-2)。そして、S115-2の終了後、特別図柄関連処理を終了する。
【0169】
一方で、遊技制御用マイコン61は、前述したS115-1において大当たり遊技状態
ではないと判定した場合(S115-1:No)、前述したS115-2を経由することなくS116-1に進み、遊技状態が小当たり状態であるか否かを判定する。なお、遊技制御用マイコン61は例えば、小当たりフラグがONであり、かつ特別図柄の変動時間および停止時間の何れも計測していない場合に、小当たり状態であると判定する。そしてこのS116-1において小当たり状態であると判定した場合には(S116-1:Yes)、小当たり状態に関する特別電動役物処理(後述)を実行する(S116-2)。そして、S116-2の終了後、特別図柄関連処理を終了する。
【0170】
(遊技状態管理処理)
次に、図21を参照し、遊技状態管理処理(S113)の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、時短遊技状態であるか否かを判定すべく、時短フラグがONであるか否かを判定する(S113-1)。時短フラグがOFFであると判定した場合(S113-1:No)、遊技制御用マイコン61は、後述するS113-7へと移行する。一方、時短フラグがONであると判定した場合(S113-1:Yes)、遊技制御用マイコン61は、時短遊技状態中の特図変動表示(第1特図、第2特図)の変動回数を計数するための特図変動数カウンタの値を1減算する(S113-2)。その後、遊技制御用マイコン61は、1減算後の特図変動数カウンタの値が「0」になったか否かを判定する(S113-3)。そして、遊技制御用マイコン61は、1減算後の特図変動数カウンタの値が「0」になったと判定した場合(S113-3:Yes)に、時短フラグをOFFにし(S113-4)、現在の遊技状態(非時短遊技状態)の情報を含む遊技状態指定コマンドをRAM64の出力バッファにセットして(S113-5)、遊技状態管理処理を終了する。一方で、遊技制御用マイコン61は、前述したS113-3において1減算後の特図変動数カウンタの値が「0」ではないと判定した場合(S113-3:No)、時短フラグをOFFにすることなく、現在の遊技状態(時短1または時短2)の情報を含む遊技状態指定コマンドをRAM64の出力バッファにセットして(S113-5)、遊技状態管理処理を終了する。
【0171】
なお、本実施形態において、遊技状態指定コマンドは、遊技状態の情報として、非時短遊技状態、時短遊技状態、大当たり遊技状態(1種大当たり状態、V当たり状態)、小当たり状態、の何れかを含んでいる。S113-5(特別図柄の変動表示の終了時点から所定の停止時間が経過した時点)でセットされ得る遊技状態指定コマンドは、非時短遊技状態、時短1、時短2、大当たり遊技状態(1種大当たり状態)、小当たり状態の何れかである。RAM64の出力バッファにセットされた遊技状態指定コマンドは、メイン側タイマ割込処理の出力処理(S10)においてサブ制御基板100に出力される。特図変動数カウンタの値は、特図変動が消化される度に1減算され、特図変動数カウンタの値が「0」になると、今回の図柄変動の終了を以て時短遊技状態が終了する。なお、本実施形態では、時短遊技状態の終了条件として、特図変動回数による終了条件の他に、普図変動回数による終了条件も設定されている。すなわち、時短遊技状態中、特図変動回数が終了条件となる回数(10回)に達するか、または普図変動回数が終了条件となる回数(50回または100回)に達した場合に、時短遊技状態が終了する。
【0172】
(特別電動役物処理(1種大当たり状態、V当たり状態))
次に、図22を参照し、1種大当たり状態またはV当たり状態に関する特別電動役物処理(S115-2)の内容について説明する。遊技制御用マイコン61は、特別図柄の変動表示中および停止表示中の何れでもなく、かつ大当たりフラグがONとなっている期間に、図22に示す特別電動役物処理を実行する。
【0173】
遊技制御用マイコン61は、特別電動役物処理(1種大当たり状態、V当たり状態)において、大当たりオープニング設定(S117-1)、大当たりラウンド設定(S117-2)、大当たりエンディング設定(S117-3)等を実行する。遊技制御用マイコン
61は、大当たりオープニング設定(S117-1)において、大当たり遊技状態(1種大当たり状態)のオープニング期間(大当たりオープニング)の開始タイミングや終了タイミングを示すコマンド(オープニングコマンド(大当たり開始コマンド)、オープニング終了コマンド)を、RAM64の出力バッファにセットする処理等を行う。また、遊技制御用マイコン61は、大当たりラウンド設定(S117-2)において、大当たり遊技状態(1種大当たり状態、V当たり状態)のラウンド期間(ラウンド演出)の開始タイミングや終了タイミングを示すコマンド(ラウンド開始コマンド(開放コマンド)、ラウンド終了コマンド(閉鎖コマンド))を、RAM64の出力バッファにセットする処理等を行う。更に、遊技制御用マイコン61は、大当たりエンディング設定(S117-3)において、大当たり遊技状態(1種大当たり状態、V当たり状態)のエンディング期間(大当たりエンディング)の開始タイミングや終了タイミングを示すコマンド(エンディングコマンド、エンディング終了コマンド(大当たり終了コマンド))を、RAM64の出力バッファにセットする処理等を行う。
【0174】
なお、遊技制御用マイコン61は、前述した大当たりオープニング設定や大当たりエンディング設定において、大当たりオープニングや大当たりエンディングの実行時間を所定のタイマにセットし、計測する。また、前述の大当たりラウンド設定において遊技制御用マイコン61は、大当たり遊技状態の種類に応じた作動パターンで第1大入賞口14aを開閉させる。そして、ラウンド遊技中、第1大入賞口14aに上限個数の遊技球が入球するか、あるいは所定時間が経過すると、遊技制御用マイコン61は第1大入賞口14aを閉状態としてラウンド遊技を終了する。遊技制御用マイコン61は、大当たり遊技状態の種別毎に定められたラウンド回数分、第1大入賞口14aを開閉する。また、遊技制御用マイコン61は、ラウンド遊技を開始させる度に特別電役作動有効カウンタの値を1減算し、特別電役作動有効カウンタの値が「0」となった場合のラウンド遊技の終了後に、大当たりエンディング設定においてエンディングコマンドをRAM64の出力バッファにセットし、出力する。
【0175】
続いて、遊技制御用マイコン61は、大当たり遊技状態の終了タイミング(大当たりエンディングの終了タイミング)であるか否かを判定する(S117-4)。そして、大当たり遊技状態の終了タイミングではないと判定した場合(S117-4:No)、特別電動役物処理(1種大当たり状態、V当たり状態)を終了する。一方で、遊技制御用マイコン61は、S117-4において大当たり遊技状態の終了タイミングであると判定した場合(S117-4:Yes)、S117-5~S117-8の処理を実行する。ここで、遊技制御用マイコン61は、S117-5において大当たりフラグをOFFにし、続くS117-6において時短フラグをONにして、更にS117-7において、時短遊技状態中の特図変動回数を計数するための特図変動数カウンタの値を10回にセットすると共に、時短遊技状態中の普図変動回数を計数するための普図変動数カウンタの値を50回(時短1の場合)または100回(時短2の場合)にセットする。そしてS117-8において、遊技状態指定コマンドをRAM64の出力バッファにセットし、特別電動役物処理(1種大当たり状態、V当たり状態)を終了する。
【0176】
そして、遊技制御用マイコン61は、特別電動役物処理(1種大当たり状態、V当たり状態)の終了により、特別図柄関連処理を終了する。
【0177】
(特別電動役物処理(小当たり状態))
次に、図23を参照し、小当たり状態に関する特別電動役物処理(S116-2)について説明する。遊技制御用マイコン61は、小当たり当選に基づいて第2大入賞口15aを開放させるために、図23に示す特別電動役物処理(小当たり)を実行する。なお、本実施形態における特別電動役物処理(小当たり状態)は第2特図に関連して実行されるため、第2特図を前提として説明する。
【0178】
遊技制御用マイコン61は、特別電動役物処理(小当たり状態)において、小当たりオープニング設定(S119-1)、小当たり開放設定(S119-2)、振分部材設定(S119-3)等を実行する。
遊技制御用マイコン61は、小当たりオープニング設定(S119-1)において、小当たり状態のオープニング期間(小当たりオープニング)の開始タイミングや終了タイミングを示すコマンド(オープニングコマンド(小当たり開始コマンド)、オープニング終了コマンド)を、RAM64の出力バッファにセットする処理等を行う。小当たりオープニングとは、小当たりの発生を祝う演出画像を演出表示装置7に表示したり、小当たりの発生を祝う楽曲を各スピーカ8から再生したりする演出のことである。小当たりオープニング設定では、小当たりオープニングの実行時間を所定のタイマにセットし、計測する。
【0179】
また、遊技制御用マイコン61は、小当たり開放設定(S119-2)において、既に決定されている第2特別作動部材15bの作動開始タイミング(または小当たり状態の開始タイミング)や第2特別作動部材15bの作動終了タイミング(または小当たり状態の終了タイミング)に合わせて、第2特電ソレノイド15dを駆動制御する。また、決定した作動開始タイミング・作動終了タイミングを示すコマンド(開放コマンド、閉鎖コマンド)を、RAM64の出力バッファにセットする処理等を行う。
【0180】
更に、遊技制御用マイコン61は、振分部材設定(S119-3)において、振分部材56の作動開始タイミング・作動終了タイミングとして小当たり状態の種類に関わらず共通のタイミングを決定し(例えば、小当たり状態の開始時点を作動開始タイミングとして決定すると共に、その作動開始から1.8秒経過時点を作動終了タイミングと決定し)、その決定した作動開始タイミング・作動終了タイミングに合わせて第2特電ソレノイド15dを駆動制御する。
【0181】
その後、遊技制御用マイコン61は、遊技球が特定領域を通過したか否かを判定する(S119-4)。特定領域を遊技球が通過したことは、特定領域センサ55aによって検出される。遊技球が特定領域を通過したと判定した場合(S119-4:Yes)、遊技制御用マイコン61は、大当たりフラグをONにする(S119-5)。そして次に、遊技状態の情報を含む遊技状態指定コマンドとして、V当たり状態とすることを示す情報を含む遊技状態指定コマンドを、RAM64の出力バッファにセットする(S119-6)。なお、この遊技状態指定コマンドは、メイン側タイマ割込処理の出力処理(S10)においてサブ制御基板100に出力される。これにより、パチンコ遊技機1では、第2大入賞口15aの開放中に遊技球が特定領域を通過した場合も、特図当たり判定で大当たりと判定された場合と同じように小当たり遊技状態を2種大当たり状態に発展させる(V当たり状態を開始させる)ための制御が実行可能となる。
【0182】
S119-4が否定判定の場合(S119-4:No)またはS119-6の終了後、遊技制御用マイコン61は、S119-7に移行する。このS119-7において遊技制御用マイコン61は、小当たり当選に基づく第2大入賞口15aの閉鎖条件が成立しているか否かを判定する。小当たり当選に基づく第2大入賞口15aの閉鎖条件は、第2大入賞口15aが開状態となってから上限個数の遊技球が入賞するか、あるいは当選した小当たりに応じた開放パターンに定められた開放時間が経過することである。そして、第2大入賞口15aの閉鎖条件が成立したと判定した場合(S119-7:Yes)、遊技制御用マイコン61は、小当たりフラグをOFFにし(S119-8)、特別電動役物処理(小当たり遊技状態)を終了する。一方、第2大入賞口15aの閉鎖条件が成立していないと判定した場合は(S119-7:No)、S119-8を経由することなく、特別電動役物処理(小当たり遊技状態)を終了する。
【0183】
以上のように、遊技制御用マイコン61は、第1始動口10aや第2始動口12aへの遊技球の入球を契機として、大当たり遊技状態や小当たり状態(第1大入賞口14aや第2大入賞口15aの入球可能期間)を生起させるか否かを決定可能な特図当たり判定(判定)を実行する「判定手段(第1の判定手段)」として機能している。なお、遊技制御用マイコン61(判定手段)は、時短遊技状態(入球容易状態)中の第2始動口12a(可変始動口)への遊技球の入球を契機として実行する特図当たり判定が必ず大当たり遊技状態や小当たり状態(入球可能期間)を生起させる結果となるように設定されている。
また、遊技制御用マイコン61は、ゲート13(作動口)への遊技球の通過(入球)を契機として、始動口の一種であって遊技球の入球可否が変化する形態の第2始動口12a(可変始動口)を遊技球が入球可能な長時間(2.7秒)の開放状態(特定状態)とするか否かを決定可能な普図当たり判定(作動入球判定)を実行する「判定手段(第2の判定手段)」として機能している。
また、遊技制御用マイコン61は、第2始動口12aにおける長時間(2.7秒)の開放状態(特定状態)が非時短遊技状態(通常遊技状態)よりも生じ易い時短遊技状態(入球容易状態)を生起する「生起手段」として機能している。なお、遊技制御用マイコン61(生起手段)は、時短遊技状態の終了条件としての普通図柄の変動表示回数が相違する複数種類の入球容易状態(時短1及び時短2)を生起可能である。また、遊技制御用マイコン61(生起手段)は、第2始動口12aにおける長時間(2.7秒)の開放状態(特定状態)が生起するように普通作動部材12bを作動させること(普通図柄の有利当たりへの当選)の決定確率が相違する複数種類の入球容易状態(時短1及び時短2)を生起可能である。
【0184】
[演出制御用マイコン101の主な処理]
次に、演出制御用マイコン101(図4)が実行する主な処理について図を参照しつつ説明する。
【0185】
(サブ側主制御処理)
先ず、図24を参照し、サブ側主制御処理について説明する。
最初に、演出制御用マイコン101は、初期設定を実行する(S160)。この初期設定では、例えば、スタックの設定、定数の設定、割込時間の設定、CPU102の設定、SIO(System Input/Output)、PIO(Parallel Input/Output)、CTC(Counter/Timer
Circuit:割込時間を管理するための回路)の設定、各種のフラグ、カウンタ及びタイマ
等のリセット等を行う。続いて、演出制御用マイコン101は、電源断信号がONしており、かつ、RAM120の内容が正常であるか否かを判定し(S161)、否定判定した場合(S161:No)、RAM120を初期化し(S162)、S163に進む。また、S161において肯定判定した場合(S161:Yes)、演出制御用マイコン101は、RAM120を初期化しないでS163に進む。つまり、電源断信号がONになっていない場合、または、電源断信号がONになっていてもRAM120の内容が正常でない場合には(S161:No)、演出制御用マイコン101は、RAM120を初期化するが、停電等で電源断信号がONとなったがRAM120の内容が正常に保たれている場合には(S161:Yes)、RAM120を初期化しない。なお、RAM120を初期化すれば、各種のフラグ、カウンタ及びタイマ等の値はリセットされる。また、このS160~S162は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
【0186】
続いて、演出制御用マイコン101は、割込禁止を行い(S163)、乱数更新処理を実行する(S164)。この乱数更新処理では、種々の演出決定用乱数カウンタの初期値を更新する。なお、演出決定用乱数には、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の遊技制御用マイコン61が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。続いて、演出制御用マイコン101は、コマンド送信処理を実行する(S165)。この
コマンド送信処理では、演出制御用マイコン101のRAM120内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板200、音声制御基板78及びランプ制御基板79等に送信する。続いて、演出制御用マイコン101は割込許可を実行する(S166)。以降、S163~S166を繰り返し実行する。また、割込許可中においては、受信割込処理(S167)、1msタイマ割込処理(S168)及び10msタイマ割込処理(S169)の実行が可能となる。
【0187】
(受信割込処理)
次に、受信割込処理(S167)について説明する。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から、演出制御用マイコン101の外部INT(割込)入力部に与えられるストローブ信号(STB信号)の信号レベルが変化したか否か、つまり、コマンドを受信するタイミングであるか否かを判定する。例えば、ストローブ信号の信号レベルがハイレベルからローレベルに変化したか否かを判定する。そして、受信するタイミングではないと判定した場合、演出制御用マイコン101は、本処理を終了する。一方、受信するタイミングであると判定した場合、演出制御用マイコン101は、主制御基板60から送信されてきた各種のコマンドを受信し、それら受信した各種のコマンドをRAM120の受信バッファに格納する。この受信割込処理は、他の割込処理(S168,S169)に優先して実行される処理である。
【0188】
(1msタイマ割込処理)
次に、図25を参照し、1msタイマ割込処理(S168)について説明する。
演出制御用マイコン101は、サブ制御基板100に1ms周期の割込パルスが入力される度に、この1msタイマ割込処理を実行する。演出制御用マイコン101は、入力処理を実行する(S170)。この入力処理では、演出制御用マイコン101が、決定検出スイッチ6a、選択検出スイッチ6b、及び演出ボタン検出スイッチ5aからの検出信号に基づいて、スイッチがONしたことを示すスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
【0189】
続いて、演出制御用マイコン101は、出力処理を実行する(S171)。この出力処理では、後述する変動演出制御処理においてRAM120の出力バッファにセットされる変動演出開始コマンドを画像制御基板200に出力する。また、演出表示装置7の表示に合わせて盤ランプ2a、左サイドランプ23a及び右サイドランプ23bを発光させるために、後述する10msタイマ割込処理におけるランプ処理(S183)等で作成したランプデータをランプ制御基板79に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ2a、左サイドランプ23a及び右サイドランプ23bを所定の発光態様で発光させる。また、演出表示装置7の表示に合わせて可動体モータ23dを駆動させるために、駆動データ(可動体モータ23dを駆動するためのデータ)を作成し、その作成した駆動データを出力する。つまり、駆動データにしたがって可動体モータ23dを所定の動作パターンで駆動させる。また、演出表示装置7の表示に合わせてスピーカ8から音声を出力させるために、後述する10msタイマ割込処理における音声制御処理(S184)等で作成した音声データを音声制御基板78に出力する。つまり、音声データに従ってスピーカ8から音声を出力させる。
【0190】
続いて、演出制御用マイコン101は、S171において変動演出開始コマンド(特図変動開始コマンドまたは普図変動開始コマンド)を出力したか否かを判定する(S172)。変動演出開始コマンドは、遊技制御用マイコン61から変動開始コマンドを入力した際に、画像制御基板200に向けて出力するコマンドである。なお、非時短遊技状態中は、特図変動開始コマンドの入力に伴って特図変動演出開始コマンドを画像制御基板200に向けて出力し、時短遊技状態中は、普図変動開始コマンドの入力に伴って普図変動演出開始コマンドを画像制御基板200に向けて出力する。ここで、演出制御用マイコン10
1は、変動演出開始コマンドを出力したと判定した場合(S172:Yes)、変動演出パターンの変動時間の計測を開始する(S173)。続いて、演出制御用マイコン101は、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S174)。S174の終了後、又は変動演出開始コマンドを出力していないと判定した場合(S172:No)、演出制御用マイコン101は、本処理を終了する。
【0191】
(10msタイマ割込処理)
次に、図26を参照し、10msタイマ割込処理(S169)について説明する。
演出制御用マイコン101は、サブ制御基板100に10ms周期の割込パルスが入力される度に、この10msタイマ割込処理を実行する。演出制御用マイコン101は、後述する受信コマンド解析処理(図27)を実行し(S180)、スイッチ状態取得処理を実行する(S181)。このスイッチ状態取得処理では、1msタイマ割込処理の入力処理(S170)において作成したスイッチデータを10msタイマ割込処理用のスイッチデータとしてRAM120に格納する。続いて、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて、演出表示装置7が表示する操作演出等の表示内容を設定するスイッチ処理を実行する(S182)。続いて、演出制御用マイコン101は、ランプ処理を実行する(S183)。このランプ処理では、演出表示装置7の表示に合わせて各ランプ(盤ランプ2a、左サイドランプ23a及び右サイドランプ23b等)の発光を制御するためのランプデータの作成や発光演出の時間管理等を行う。これにより、各ランプは、演出表示装置7の表示に合った発光演出を行う。
【0192】
続いて、演出制御用マイコン101は、音声制御処理を実行する(S184)。この音声制御処理では、音声データ(各スピーカ8からの音声の出力を制御するためのデータ)の作成、その作成した音声データの音声制御基板78への出力、音声演出の時間管理等を行う。これにより、演出表示装置7の表示に合わせて音声が各スピーカ8から出力される。続いて、演出制御用マイコン101は、その他の処理を実行し(S185)、本処理を終了する。
その他の処理(S185)では、変動演出パターン乱数、予告演出を決定するための予告演出乱数等を更新する等の処理を実行する。また、その他の処理(S185)では、遊技者に対して右打ちを促す右打ち演出を行うための右打ち演出処理や、遊技制御用マイコン61からの各種のコマンドの受信(S180)に応じて特定される遊技の状況に合わせて演出モード(後述)を設定するための演出モード設定処理等を実行する。
更に、その他の処理(S185)では、
【0193】
(受信コマンド解析処理)
次に、図27を参照し、受信コマンド解析処理(S330)について説明する。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から遊技状態指定コマンドを受信したか否かを判定し(S190-1)、受信したと判定した場合(S190-1:Yes)、サブ側遊技状態設定処理を実行する(S190-2)。遊技状態指定コマンドには、遊技状態(非時短遊技状態、時短遊技状態、1種大当たり状態、小当たり状態、V当たり状態の何れであるか)を示す情報などが含まれている。このサブ側遊技状態設定処理では、受信した遊技状態指定コマンドを解析し、遊技状態指定コマンドに含まれている情報に基づき、現時点で設定されている遊技状態を特定し、その遊技状態を示す遊技状態フラグを「1」にセットし、それ以外の遊技状態フラグを「0」にセットする。また、演出制御用マイコン101は、後述する変動演出終了処理(S196-2、特図変動停止コマンドの受信時)において計測を開始した(左中右の演出図柄7L,7C,7Rの)停止時間の計測を終了する。
演出制御用マイコン101は、S190-2の処理の終了後、または、S190-1において遊技状態指定コマンドを受信していないと判定した場合に(S190-1:No)、S191-1へ進む。
【0194】
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンドまたは第2始動入賞コマンド)を受信したか否かを判定し(S191-1)、受信したと判定した場合は(S191-1:Yes)、S191-2に進み、第1特図保留演出記憶部121または第2特図保留演出記憶部122に、S191-1で受信した始動入賞コマンドに含まれる始動入球情報を記憶する(記憶を更新する)。また、後述する集合表示部20xの表示(第1特図保留数または第2特図保留数に対応する保留数の表示)を更新する。
演出制御用マイコン101は、S191-2の処理の終了後、または、S191-1において始動入賞コマンドを受信していないと判定した場合に(S191-1:No)、S192-1へ進む。
【0195】
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から作動入球コマンド(普図当たり判定の判定結果等の情報)を受信したか否かを判定し(S192-1)、受信したと判定した場合は(S192-1:Yes)、S192-2に進み、普図保留演出記憶部125に、S192-1で受信した作動入球コマンドに含まれる作動入球情報を記憶する(記憶を更新する)。また、後述する集合表示部20xの表示(普図保留数に対応する保留数の表示)を更新する。
演出制御用マイコン101は、S192-2の処理の終了後、または、S192-1において作動入球コマンドを受信していないと判定した場合に(S192-1:No)、S193-1へ進む。
【0196】
演出制御用マイコン101は、主制御基板60からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S193-1)、受信したと判定した場合は(S193-1:Yes)、オープニング演出選択処理を実行する(S193-2)。このオープニング演出選択処理では、オープニングコマンドを解析し、その解析結果に基づいて、大当たり遊技状態のオープニングで実行するオープニング演出のパターン(内容)を選択する。詳しくは、オープニングコマンド毎にオープニング演出パターンが対応付けて設定されたオープニング演出パターン選択テーブル(図示せず)を参照し、受信したオープニングコマンドと対応付けられているオープニング演出パターンを選択する。そして、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。
演出制御用マイコン101は、S193-2の処理の終了後、または、S193-1においてオープニングコマンドを受信していないと判定した場合に(S193-1:No)、S194-1へ進む。
【0197】
演出制御用マイコン101は、主制御基板60からラウンド指定コマンドを受信したか否かを判定する(S194-1)。この処理においてラウンド指定コマンドを受信したと判定した場合は(S194-1:Yes)、ラウンド演出選択処理を実行する(S194-2)。ラウンド演出選択処理では、大当たり遊技状態の各ラウンドにおいて実行するラウンド演出の種類を選択すると共に、選択したラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。
演出制御用マイコン101は、S194-2の処理の終了後、または、S194-1においてラウンド指定コマンドを受信していないと判定した場合に(S194-1:No)、S195-1へ進む。
【0198】
演出制御用マイコン101は、主制御基板60からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S195-1)、受信したと判定した場合は(S195-1:Yes)、エンディング演出選択処理を実行する(S195-2)。このエンディング演出選択処理では、エンディングコマンドを解析し、その解析結果に基づいて、大当たり遊技状態のエン
ディングで実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する。詳しくは、エンディングコマンド毎にエンディング演出パターンが対応付けて設定されたエンディング演出パターン選択テーブル(図示せず)を参照し、受信したエンディングコマンドと対応付けられているエンディング演出パターンを選択する。そして、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。
演出制御用マイコン101は、S195-2の処理の終了後、または、S195-1においてエンディングコマンドを受信していないと判定した場合に(S195-1:No)、S196-1へ進む。
【0199】
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から(特図)変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S196-1)、受信したと判定した場合は(S196-1:Yes)、S196-2に進み、第1特図保留演出記憶部121または第2特図保留演出記憶部122における記憶内容を当該変動用演出記憶部123にシフトするなどの処理を行うと共に、後述する集合表示部20xの表示(第1特図保留数または第2特図保留数に対応する保留数の表示や、第1特図または第2特図に対応する規則図柄の表示)を更新する。
演出制御用マイコン101は、S196-2の処理の終了後、または、S196-1において変動開始コマンドを受信していないと判定した場合に(S196-1:No)、S197-1へ進む。
【0200】
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から特図変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S197-1)、受信したと判定した場合は(S197-1:Yes)、S197-2に進み、後述する集合表示部20xの表示(第1特図または第2特図に対応する規則図柄の表示)を更新する。
演出制御用マイコン101は、S197-2の処理の終了後、または、S197-1において特図変動停止コマンドを受信していないと判定した場合に(S197-1:No)、S198-1へ進む。
【0201】
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から普図変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S198-1)、受信したと判定した場合は(S198-1:Yes)、S198-2に進み、普図保留演出記憶部125における記憶内容をシフトするなどの処理を行うと共に、後述する集合表示部20xの表示(普図保留数に対応する保留数の表示や、普図に対応する規則図柄の表示)を更新する。
演出制御用マイコン101は、S198-2の処理の終了後、または、S198-1において普図変動開始コマンドを受信していないと判定した場合に(S198-1:No)、S199へ進む。
【0202】
ここで、演出制御用マイコン101は、S199において、演出表示装置7の表示画面で実行される変動演出に関する変動演出制御処理を実行する。この変動演出制御処理については後述する。そして、演出制御用マイコン101は、上記のコマンド以外のコマンドの受信に関する処理を行って(S197)、受信コマンド解析処理を終える。
【0203】
(変動演出制御処理)
次に、図28を参照し、変動演出制御処理(S199)について説明する。
前述したように、本実施形態のパチンコ遊技機1は、演出制御用マイコン101の制御により、非時短遊技状態中は演出表示装置7での変動演出が第1特図用の特図当たり判定の結果に基づいて実行され、時短遊技状態(時短1、時短2)中は演出表示装置7での変動演出が普図当たり判定の結果に基づいて実行されるようになっている。このため、演出制御用マイコン101は、変動演出制御処理において、時短フラグの状態に応じて異なる処理を実行する。具体的には先ず、時短フラグがOFFであるか否かを判定する(S21
1)。そして、時短フラグがOFFの場合、すなわち非時短遊技状態であれば(S211:Yes)、S212-1に移行して、第1特図の変動開始コマンドを前述したS196-1で受信したか否かを判定する。そして、このS212-1が否定判定(S212-1:No)であれば、後述するS213に移行する。一方、S212-1が肯定判定(S212-1:Yes)であれば、受信した特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンPh1~Ph10,Pa1~Pa10に基づいて、非時短遊技状態中に実行する演出図柄の
変動演出についての変動演出パターンを決定し(S212-2)、RAM120の出力バッファに特図変動演出開始コマンドをセットすると共に、変動演出の制御を開始する(S212-3)。
【0204】
続いて、演出制御用マイコン101は、非時短遊技状態中に開始する変動演出で実行可能な各種の予告演出について、当該時点で開始する変動演出中に実行するか否かを所定の予告演出乱数の値に基づいて決定するための予告演出可否判定処理を実行する(S212-4)。
【0205】
演出制御用マイコン101は、S212-4の処理の終了後、または前述したS212-1が否定判定の場合に、S213に移行し、第1始動入賞コマンドを前述したS191-1で受信したか否かを判定する。そして、このS213が肯定判定(S213:Yes)であれば、第1の先読み演出関連処理を実行する(S214)。この処理では、演出制御用マイコン101が、前述したS191-1で第1始動入賞コマンドを受信したその直後に、その第1始動入賞コマンド(始動入球情報)が示す特図変動パターンが予め定めた種類であった場合に、特図当たり判定の判定結果(当否)に応じた確率で先読み演出を実行するか否かを決定する(先読み抽選)。そして、その時点から先読み抽選の契機となった始動入球情報に基づく変動演出が終了するまでの間に、その変動演出の最終的な表示態様(大当たりか否か)を示唆するための先読み演出が演出表示装置7で行われるように制御する(先読み制御)。そして、S214の終了後、本処理(変動演出制御処理)を終了する。一方で、S213が否定判定(S213:No)であれば、そのまま本処理(変動演出制御処理)を終了する。
【0206】
演出制御用マイコン101は、前述したS211の処理において時短フラグがONと判定した場合、すなわち時短遊技状態であれば(S211:No)、S215-1に移行して、普図変動開始コマンドを前述したS198-1で受信したか否かを判定する。そして、このS215-1が否定判定(S215-1:No)であれば、後述するS216に移行する。一方、S215-1が肯定判定(S215-1:Yes)であれば、受信した普図変動開始コマンドが示す普図変動パターンFP5~FP7に基づいて、時短遊技状態中に実行する演出図柄の変動演出についての変動演出パターンを決定し(S215-2)、RAM120の出力バッファに普図変動演出開始コマンドをセットすると共に、変動演出の制御を開始する(S215-3)。
【0207】
演出制御用マイコン101は、S215-3の処理の終了後、または前述したS215-1が否定判定の場合に、S216に移行し、作動入球コマンドを前述したS192-1で受信したか否かを判定する。そして、このS216が肯定判定(S216:Yes)であれば、第2の先読み演出関連処理を実行する(S217)。この処理では、演出制御用マイコン101が、前述したS192-1で作動入球コマンドを受信したその直後に、その作動入球コマンド(作動入球情報)が示す普図変動パターンが予め定めた種類であった場合に、普図当たり判定の判定結果(当否)に応じた確率で先読み演出を実行するか否かを決定する(先読み抽選)。そして、その時点から先読み抽選の契機となった作動入球情報に基づく変動演出が終了するまでの間に、その変動演出の最終的な表示態様(普図当たりか否か)を示唆するための先読み演出が演出表示装置7で行われるように制御する(先読み制御)。そして、S217の終了後、本処理(変動演出制御処理)を終了する。一方
で、S216が否定判定(S216:No)であれば、そのまま本処理(変動演出制御処理)を終了する。
【0208】
[遊技の流れと演出モード]
ここで、図29等を参照し、遊技内容(遊技状態)と演出内容(演出モード)との関係について説明する。
【0209】
本実施形態のパチンコ遊技機1は、遊技制御用マイコン61からのコマンドに基づいて演出制御用マイコン101が遊技の状況(例えば遊技状態の変化等)を特定し、その状況の変化に合わせて複数種類の演出モードの何れかを設定するように演出制御用マイコン101が制御を行う。各演出モードは、互いに演出内容や演出の実行頻度が異なっており、その演出モードの違いを遊技者が識別することができる。そして、演出モードが遊技の状況の変化に応じて変化することにより、遊技者はその遊技の状況の変化(遊技者にとっての有利度の変化)を認識することができる。すなわち、演出モードを変化させることに応じて、遊技者の期待感にメリハリを設けたり、または遊技者による遊技内容の理解を補助したりすることができる。各演出モードでは例えば、演出表示装置7の画面上の表示情報(背景画像や演出図柄、文字によるメッセージ等)の表示態様や、スピーカ8から出力される音声(BGM)の態様や、盤ランプ2a等の発光手段の発光態様を、互いに異ならせている。
【0210】
前述した演出モードとして、「通常モード」及び「CZ(チャンスゾーン)モード」の2種類が主に設けられている(大当たり遊技状態に対応して設定される演出モードについては説明を省略する)。「通常モード」は、非時短遊技状態に対応して設定される演出モードである。「CZモード」は、時短遊技状態に対応して設定される演出モードである。
【0211】
遊技状態の種類について簡単に触れると、パチンコ遊技機1(遊技制御用マイコン61)は、図29に示すように、非時短遊技状態、時短遊技状態及び大当たり遊技状態を生起可能であり、このうち時短遊技状態は、非時短遊技状態よりも遊技球を第2始動口12aに入球させ易く、遊技者が右遊技領域3Rを狙って遊技球を発射することが遊技操作方法として適した遊技状態である一方、非時短遊技状態は、遊技者が左遊技領域3Lを狙って遊技球を発射することが遊技操作方法として適した遊技状態である。非時短遊技状態及び時短遊技状態の相互間での第2始動口12aに対する遊技球の入球させ易さは、各遊技状態で選択する普通作動部材12bの作動パターンの違いに応じて相違する(図11A)。なお、時短遊技状態として、選択する普通作動部材12bの作動パターンの違いに応じて2種類(時短1、時短2)が設けられている。本実施形態では、共通の演出モード「CZモード」とするが、各時短遊技状態では第2始動口12aに遊技球が入球する可能性が異なるので、時短2を時短1よりも遊技者に有利な演出モードに設定してもよい。
【0212】
また、パチンコ遊技機1(遊技制御用マイコン61)は、大当たり遊技状態として、1種大当たり状態と2種大当たり状態とを生起可能である。これらの大当たり遊技状態は、第1大入賞装置14及び第2大入賞装置15が右遊技領域3Rに存在していることから、右遊技領域3Rを狙って遊技球を発射することが遊技操作方法として適した遊技状態である。1種大当たり状態は、特図当たり判定(大当たり判定)による大当たりの判定結果に対応して生起する大当たり遊技状態である。これに対し、2種大当たり状態は、特図当たり判定(小当たり判定)による小当たりの判定結果に対応して生起する小当たり状態と、この小当たり状態で遊技球が特定領域を通過した場合に生起するV当たり状態とからなる大当たり遊技状態である。本実施形態では、第2特図用の特図当たり判定でのみ、小当たりの判定結果が導出される。ここで、本実施形態では小当たり状態が、小当たりの判定結果が導出された場合に決定される小当たり図柄の種類に関わらず、特定領域への遊技球の通過が可能な状態で第2大入賞口15aを開放する状態として生起することとなる。
【0213】
ところで、パチンコ遊技機1の電源投入に伴ってRAM64の初期化を行う場合には、遊技制御用マイコン61によって非時短遊技状態が設定される。また遊技者は基本的に、自身にとって不利な非時短遊技状態で遊技を終了し、次の遊技者が非時短遊技状態から遊技を開始することになる。従って、遊技者が遊技を開始する際の遊技状態は、基本的には非時短遊技状態となる。この非時短遊技状態では、演出制御用マイコン101によって「通常モード」が設定される。「通常モード」では、第2始動口12aへの入球が困難であり、また遊技者が左遊技領域3Lに遊技球を打ち込んで(左打ちで)遊技を行うため、左遊技領域3Lに設けられている第1始動口10aへの遊技球の入球を契機として第1特図用の特図当たり判定が実行される。一方、右遊技領域3Rに設けられている第2始動口12aへの入球は基本的に生じない。第1特図用の特図当たり判定では、大当たりの判定結果となる可能性がある一方で、小当たりの判定結果となることはない。従って「通常モード」中は、1種大当たり状態の発生を期待して遊技者が遊技を行うことになる。
【0214】
遊技制御用マイコン61は、非時短遊技状態(「通常モード」)中に遊技球が第1始動口10aに入球したことを契機として、第1特図用の特図当たり判定を実行する。「通常モード」は、第1特図用の特図当たり判定の結果に基づく各特図変動表示に対応させて演出図柄の変動演出を実行する演出モードとなっている。図29に示すように、非時短遊技状態中の第1特図用の特図当たり判定(大当たり判定)が大当たりの判定結果(大当たり当選)になると、その大当たりの判定結果に対応する特図変動表示(大当たり変動)の終了後に、遊技制御用マイコン61が大当たり遊技状態(具体的には、1種大当たり状態、3ラウンド大当たり)を生起させ、その終了後に遊技状態を時短遊技状態(「CZモード」)に移行させる。「CZモード」は、普図当たり判定(普通図柄の決定を含む)の結果に基づく各普図変動表示に対応させて演出図柄の変動演出を実行する演出モードとなっている。なお、「CZモード」での変動演出は、ハズレまたは不利な当たり(第2始動口12aを短時間だけ入球可能とする当たり)が決定された場合は、変動演出が大当たり以外の図柄組み合わせを確定表示して終了し、有利な当たり(第2始動口12aを長時間入球可能とする当たり)が決定された場合は、変動演出が大当たりの図柄組み合わせを確定表示して終了する。すなわち、「CZモード」中の変動演出で大当たりの図柄組み合わせが表示された時点で、大当たり遊技状態が生起することは決定していないが、その後に第2始動口12aが入球可能となって遊技球が入球すると第2特図用の特図当たり判定で大当たり又は小当たりが決定することになるため、結果的には大当たり遊技状態の生起が決定されることになる。
【0215】
演出制御用マイコン101は、時短遊技状態中(「CZモード」中)に実行する普図当たり判定が当たりの場合、決定される普通図柄に応じた作動時間(70ms又は2700ms)にわたって普電ソレノイド12dを駆動して普通作動部材12bを入球許容姿勢とし、第2始動口12aを開放する。この際に遊技球が第2始動口12aに入球すると、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターンにより定められる1.5秒(1500ms)または150秒(150000ms)の変動時間の経過後に、第2特図の変動表示(大当たり変動または小当たり変動)を終了して、大当たり遊技状態(1種大当たり状態)または小当たり状態(2種大当たり状態)を生起させる。ここで、演出制御用マイコン101は、第2特図の変動表示(大当たり変動または小当たり変動)の変動時間が1.5秒の場合には、変動演出の結果を祝福するような演出(直当たり演出)を短時間で行う。一方、第2特図の変動表示(大当たり変動または小当たり変動)の変動時間が150秒の場合には、第2特図保留数の増加を狙って遊技を行うことができる期間(以下「ストックタイム」と称する)を報知する演出を制御する。このストックタイムでは、「7」のぞろ目による大当たり演出図柄を、第2特図保留数に応じた数だけ表示画面に表示させる。
【0216】
演出制御用マイコン101は、前述した直当たり演出またはストックタイムの後、「C
Zモード」を終了して大当たり遊技状態に合わせた演出を行い、この大当たり遊技状態の終了後(時短1または時短2)に再び「CZモード」に復帰させる。
【0217】
また、演出制御用マイコン101は、時短遊技状態において大当たり以外の終了条件が成立した場合、遊技状態が非時短遊技状態に移行するのに伴って演出モードを「通常モード」に復帰させる。なお、時短1の場合の大当たり以外の終了条件は、普通変動回数が50回に達すること及び特図変動回数が10回に達することであり、時短2の場合の大当たり以外の終了条件は、普通変動回数が100回に達すること及び特図変動回数が10回に達することである。
【0218】
[第1操作演出(SPリーチC)について]
ここで、演出制御用マイコン101や画像制御用CPU202による制御に基づいて演出表示装置7で実行可能なリーチ演出の一種であるSPリーチC(以下「第1操作演出」と称する)について、図30図36を参照しながら説明する。
【0219】
第1操作演出は、変動演出中、左演出図柄7L及び右演出図柄7Rによるリーチ状態が成立した後の期間を利用して、遊技者に所定のミッション(目的・任務)を付与し、そのミッションを達成できるか否かに応じて、その変動演出の最終的な表示態様(大当たりか否か)を示唆する演出(リーチ演出かつ操作演出)である。本実施形態では、第1操作演出を行う場合、リーチ成立後の期間を選択検出スイッチ6bの検出有効期間に設定し、この検出有効期間中の選択検出スイッチ6bの検出に応じて演出内容に変化を付与する。すなわち、第1操作演出は、遊技者による十字ボタン6(演出操作手段)の操作(選択操作)に応じて演出内容に変化を付与する操作演出(方向選択演出)の一種である。
【0220】
第1操作演出は、図30に示す移動対象領域SR(所定の態様の土地を表すもの)上を所定のキャラクタが徒歩で移動し、制限時間(検出有効期間)内に「宝箱」まで到達して、その宝箱から財宝を獲得する、というミッションに挑戦する演出設定となっている。但し所定のキャラクタ自体は、その移動中の姿が非表示となっており、この所定のキャラクタの視点から視認されているという演出設定の風景を表す映像だけが動的に表示されるようになっている。遊技者は、第1選択演出の制限時間内では、十字ボタン6のうち左ボタンや右ボタンを操作(選択操作)することで、所定のキャラクタ(遊技者のアバター)の移動方向を変更(後述する移動経路を選択)可能である。すなわち、遊技者による左右ボタンの操作は、移動対象領域SR上に存在していると想定される所定のキャラクタの位置や向きを変化させる操作であり、その操作に応じて移動した所定のキャラクタの視点から視認される風景画像が表示される。前述のように風景画像には所定のキャラクタが表示されないので、以下の説明では便宜上、風景画像を視認する視点を持つ所定のキャラクタのことを「仮想オブジェクト」または「視点」と称する。なお、所定のキャラクタは、「宝箱」を開ける際の演出中には表示される。
【0221】
演出制御用マイコン101は、特図変動パターンPh6,Pa6に基づいて第1操作演
出の実行を決定し、画像制御用CPU202にその表示制御を指示する。ここで、第1操作演出に関し、遊技者操作の検出に応じた演出変化を実現するための具体的な制御は、先ず、特図変動パターンPh6,Pa6に基づいて演出制御用マイコン101が設定する検
出有効期間(後述、図33を参照)中に、十字ボタン6(左右ボタン)が操作されることに応じて選択検出スイッチ6bから検出信号が出力され、この検出信号(左ボタンの操作を示す検出信号または右ボタンの操作を示す検出信号)が演出制御用マイコン101に入力される。この場合に演出制御用マイコン101が、入力した検出信号に応じた画像変更信号を画像制御基板200に向けて送信することとなり、この画像変更信号を受信した画像制御基板200(画像制御用CPU202)が、視点記憶部209(図4を参照)に記憶されている移動対象領域SR上の仮想オブジェクト(視点)の位置及び向き(移動方向
)の記憶情報を更新すると共に、その更新した記憶情報が示す仮想オブジェクト(視点)の位置及び向きに合わせた風景画像情報を特定し、その特定した風景画像情報に応じた風景画像を演出表示装置7の表示画面に表示させる、という流れになっている。このように、第1操作演出中は、演出制御用マイコン101及び画像制御基板200(画像制御用CPU202)の制御に基づいて、演出表示装置7の表示画面に、移動対象領域SRを移動する仮想オブジェクトの視点から視認される風景画像が表示されるようになっている。
【0222】
図30は、仮想オブジェクト(視点)の移動対象となる移動対象領域SRを平面視で示すマップである。このマップに示すように、移動対象領域SRは、当該マップの正面視で左右方向に長い帯状の複数種類のブロック(領域A~領域F)から構成されるもので、領域A~領域Fをその短手方向(当該マップの上下方向)に向けて順番に繰り返し接続するようにして、仮想オブジェクト(視点)の移動対象となる土地(地面)を無端状に連ならせてある。なお、移動対象領域SRに関する以下の記載では、図30に示すように正面視した状態の上向き方向を「YF方向」、下向き方向を「YB方向」、右向き方向を「XR方向」、左向き方向を「XL方向」として説明する。すなわち、移動対象領域SRは、YF-YB方向に向けて終わりなく続く領域であり、例えば領域A上に位置している仮想オブジェクト(視点)が一様にYF方向に向けて移動する場合、領域A、領域B、領域C、領域D、領域E、領域F、領域A、領域B・・・の順に従って移動対象領域SRがスクロールすることになり、その仮想オブジェクトの視点の移動に合わせて変化する風景画像が演出表示装置7の表示画面に表示される。また、領域Aに位置している仮想オブジェクト(視点)が一様にYB方向に向けて移動する場合、領域A、領域F、領域E、領域D、領域C、領域B、領域A、領域F・・・の順に従って移動対象領域SRがスクロールすることになり、その仮想オブジェクトの視点の移動に合わせて変化する風景画像が演出表示装置7の表示画面に表示される。一方で、移動対象領域SRは、XR-XL方向には複数の領域が連なっておらず、領域A~領域Fの両端位置が仮想オブジェクト(視点)の移動限界位置となっている。すなわち、XR-XL方向への移動対象領域SRのスクロールは一定範囲に制限されている。
このように、第1操作演出で表示される風景画像の元になる移動対象領域SRは、仮想オブジェクト(視点)がYF-YB方向に向けて無限に移動可能な領域であると共に、XR-XL方向に向けて一定範囲で移動可能な領域となっている。
【0223】
図30に示すように、移動対象領域SRには、仮想オブジェクト(視点)が移動可能な移動経路R1~R3,BP1~BP4が網目状に設けられている。具体的には、移動経路
として、移動対象領域SRにおけるXR-XL方向の中央部をYF-YB方向に細かく蛇行しながら無端状に延在する第1経路R1と、この第1経路R1からXR方向に離間した位置をYF-YB方向に細かく蛇行しながら無端状に延在する第2経路R2と、第1経路R1からXL方向に離間した位置をYF-YB方向に細かく蛇行しながら無端状に延在する第3経路R3とが設けられている。また、他の移動経路として、第1経路R1及び第2経路R2を領域C,D上で接続する第1バイパス経路BP1と、第1経路R1及び第2経
路R2を領域F上で接続する第2バイパス経路BP2と、第1経路R1及び第3経路R3を領域A,B上で接続する第3バイパス経路BP3と、第1経路R1及び第3経路R3を
領域F上で接続する第4バイパス経路BP4とが設けられている。なお、第1経路R1において、第1バイパス経路BP1の分岐点を第1分岐点br1と称し、第2バイパス経路BP2の分岐点を第2分岐点br2と称し、第3バイパス経路BP3の分岐点を第3分岐点br3と称し、第4バイパス経路BP4の分岐点を第4分岐点br4と称する。
【0224】
ここで、移動対象領域SRは、仮想オブジェクト(視点)が移動経路R1~R3,BP
1~BP4以外の場所を移動し得ないようになっており、かつ、仮想オブジェクト(視点)が移動経路R1~R3,BP1~BP4を移動する際、その各経路の中心線上に沿って
仮想オブジェクト(視点)が移動し、その中心線に沿う進行方向に視点が向くものと設定
されている。この場合の仮想オブジェクト(視点)の位置に関して、画像制御用CPU202は、移動対象領域SR上における仮想オブジェクト(視点)の現在位置に関する情報(視点情報)を制御用RAM204の視点記憶部209に記憶し、第1操作演出中の仮想オブジェクト(視点)の移動に応じて視点情報を更新するように制御する。視点記憶部209に記憶される視点情報は、移動経路R1~R3,BP1~BP4の中心線上の現在位
置を示す位置情報であって、その現在位置での中心線の延在方向から視点の向きが定められる(視点の向きを示す方向情報でもある)。このため、画像制御用CPU202は、視点記憶部209に記憶されている視点情報に応じて風景画像を演出表示装置7に表示させることができる。なお、後述するように、図30に示す移動対象領域SRの一部拡大図において、符号x1に視点がある場合に対応する風景画像(図31(b)を参照)と、符号x2に視点がある場合に対応する風景画像(図32(b)を参照)とでは、視点の位置及び向きが異なることにより、その表示態様が異なることになる。
【0225】
このように、画像制御基板200の制御用RAM204(視点記憶部209)は、仮想の移動対象領域SR上に位置する視点の位置情報(を含む視点情報)を記憶する「位置記憶手段」として機能する。また、画像制御用CPU202(画像制御基板200)は、十字ボタン6(演出操作手段)の操作に合わせて視点記憶部209の視点情報(位置情報)を更新する「視点変位手段」として機能する。
【0226】
図31(a)は、移動対象領域SR上において仮想オブジェクト(視点)が第1経路R1における第3分岐点br3よりもややYB方向側の地点(図30中の一部拡大図に示す視点x1)に存在し、第3分岐点br3側に向かって移動しようとする場合の視界範囲を示しており、図31(b)は、視点x1から視認される風景を表す風景画像の一例である。また、図32(a)は、移動対象領域SR上において仮想オブジェクト(視点)が第1経路R1をYF方向に移動して第3分岐点br3を超えた地点(図30中の一部拡大図に示す視点x2)に到達した場合の視界範囲を示しており、図32(b)は、視点x2から視認される風景を表す風景画像の一例である。なお、実際の演出表示装置7の表示画面上には、演出保留表示領域7Bでの作動保留数の表示や集合表示部20xでの規則図柄の表示等が行われるが、図31(b)及び図32(b)では省略している。集合表示部20xにおける第1規則図柄表示領域211では第1操作演出中、第1規則図柄がリーチ態様で表示される。
【0227】
仮想オブジェクトの視点x1から視認される風景は、移動対象領域SRのうち、仮想オブジェクトの視点x1からその正面側(移動先側、YF方向)に向けて放射状に広がる視界範囲(図31(a)を参照)に応じた風景(図31(b)を参照)である。また、仮想オブジェクトの視点x2から視認される風景は、移動対象領域SRのうち、仮想オブジェクトの視点x2からその正面側(移動先側、YF方向及びXR方向の間の方向)に向けて放射状に広がる視界範囲(図32(a)を参照)に応じた風景(図32(b)を参照)である。図31(b)及び図32(b)の風景画像から明らかなように、移動対象領域SRは、XR-XL方向の両側を森に囲われており、森を縦方向に分断する帯状の草原のようなイメージの場所を表している。視点x1,x2による視界範囲は、その視点x1,x2から正面側(移動先側)に向けて所定距離だけ離間した位置(XR-XL方向の直線)が限界位置に設定されており、その限界位置よりも更に離間する領域は視界範囲外(視点x1,x2から視
認できない領域)となっている。従って、図31(a)及び図32(a)に示すように、視点x1,x2による視界範囲は、視点x1,x2を頂点とする三角形となる。なお、視界範囲が、移動対象領域SRに対するXR-XL方向の外側範囲に及ぶ場合には、例えば森の木々等の遮蔽物を表す遮蔽画像FGが表示されるようになっている。
このように図31及び図32において2つの視点x1,x2による風景画像の表示内容
を例示したが、その他の位置に仮想オブジェクトの視点が存在する場合についても同様であり、移動対象領域SR上の視点を基準として、その視点の正面側に広がる三角形の視界範囲に対応する風景画像が演出表示装置7の表示画面に表示される。
【0228】
ところで、第1操作演出中の風景画像として表示される移動対象領域SRの構成は、変動演出中または変動インターバル中(リーチ演出や待機画面等の特別な演出の非実行中)に演出図柄の背景画像として表示される風景の構成と共通になっている。すなわち、第1操作演出は、遊技者が当該パチンコ遊技機1で遊技を行えば必然的に長く視界に入ることになる演出図柄の背景画像(遊技者が見慣れた風景の表示)を利用して行われる。
【0229】
ここで、一般的な(例えば非時短遊技状態中の)変動演出中や変動インターバル中の演出図柄の背景となる背景画像と、第1操作演出の風景画像との違いについて具体的に説明すると、前述の背景画像は、移動対象領域SRの第1経路R1をYF方向に一定速度で移動する仮想オブジェクトの視点から視認される風景を表す動画像である。遊技者の操作に応じて表示内容を変化させることはできず、視点が他の移動経路R2,R3,BP1~BP4を移動する際の風景を含まないものとなっている。これに対し、第1操作演出は、その直前に動的表示されていた背景画像の位置から続けて風景画像を動的表示するようになっているが、遊技者による十字ボタン6(左右ボタン)の操作に応じて、第1経路R1以外の移動経路R2,R3,BP1~BP4を移動する仮想オブジェクトの視点から視認される風景を表示することが可能となっている(但し、第1操作演出の開始時の風景画像に対応する視点位置は、背景画像に対応して第1経路R1上の所定位置となる)。
なお、画像制御用CPU202(画像制御基板200)は、特図変動パターンph6,
Pa6に基づく変動演出の実行中、第1操作演出の変動演出パターンにより定められたタイミングで表示制御を実行する。表示制御では、先ずこの第1操作演出の開始時に通常の背景画像のスクロール表示に関する制御を停止し、移動対象領域SRと仮想オブジェクト(視点)の位置及び向きとの関係に基づく風景画像の表示制御を開始する。なお、画像制御用CPU202は、第1操作演出が行われていない期間中も、背景画像のスクロール位置に合わせて視点記憶部209に記憶される視点の位置や向きに関する情報(視点情報)を更新しており、この視点記憶部209に記憶されている視点情報に基づいて風景画像の表示制御を開始することで、第1操作演出の開始前後で表示される風景の動的表示を連続させる。
【0230】
第1操作演出中は、演出制御用マイコン101によって選択検出スイッチ6bの検出が有効な検出有効期間(図33を参照)が設定され、この検出有効期間中に選択検出スイッチ6bの検出が生じると、演出制御用マイコン101から画像制御用CPU202に向けて画像変更信号が出力される。画像制御用CPU202は、第1操作演出に関する表示制御中、仮想オブジェクト(視点)が第1経路R1上の分岐点(第1~第4分岐点br1~br4)を通過するタイミングで、その分岐方向に対応する方向選択操作(十字ボタン6の左ボタンまたは右ボタンの操作)を示す画像変更信号を入力した場合に、その分岐点br1~br4に対応するバイパス経路BP1~BP4へと仮想オブジェクト(の視点)を移動させる。これにより、第2経路R2や第3経路R3への更なる移動も可能となる。このようにして、移動経路R1~R3,BP1~BP4上の仮想オブジェクト(視点)の位
置に応じた風景画像が演出表示装置7の表示画面に表示されるようになっている。なお、画像制御用CPU202が、仮想オブジェクトが第1経路R1上の分岐点(第1~第4分岐点br1~br4)を通過する時にその分岐方向への操作を示す画像変更信号を入力しない場合には、仮想オブジェクト(視点)が当該分岐点をそのまま通過して第1経路R1の移動を継続するように風景画像が表示される。
【0231】
移動対象領域SR(図30図31図32を参照)には、「宝箱」が置かれている場所(以下「出現ポイント」と称する)p1,p2が2箇所設けられている。これらの出現
ポイントp1,p2(特定位置)は、茂みエリアTH1,TH2内にあり、その外側からは「宝箱」が視認できないようになっている。すなわち、仮想オブジェクト(視点)が茂みエリアTH1,TH2内の出現ポイントp1,p2に到達することで風景画像上に「宝箱」
が表示されることになり、仮想オブジェクト(視点)を茂みエリアTH1,TH2内に到
達させることへの遊技者の意欲が高められる。なお、本実施形態では、仮想オブジェクト(視点)が出現ポイントp1,p2に到達すると必ず「宝箱」が風景画像上に表示される
(出現ポイントp1,p2に必ず「宝箱」が存在する)ものとするが、出現ポイントp1,p2に「宝箱」が存在しないパターンを設けることもできる。
ここで、第1操作演出では、仮想オブジェクト(視点)が制限時間内に出現ポイントp1,p2に到達すると、風景画像上に「宝箱」が表示され、続いて仮想オブジェクトに対
応する所定のキャラクタを表示して、そのキャラクタが「宝箱」を開けて財宝を獲得する場面を表す成功演出が表示(示唆情報が付与)される。このように「宝箱」から財宝を獲得する様子により、変動演出の結果が当たりの図柄組み合わせ(大当たり)になることが示される。これに対し、仮想オブジェクト(視点)が制限時間内に「宝箱」の出現ポイントp1,p2まで到達できなければ、所定のキャラクタが「宝箱」の財宝を発見できなか
ったことに落胆している場面を表す失敗演出が表示される。このように「宝箱」を発見できずに悔しがる様子により、変動演出の結果がハズレの図柄組み合わせ(ハズレ)になることが示される。
【0232】
図33(a)及び図33(b)に示すように、第1操作演出は、ハズレの特図変動パターンPh6に基づく変動演出中に実行されるハズレ第1操作演出と、当たりの特図変動パターンPa6に基づく変動演出中に実行される当たり第1操作演出とがある。第1操作演出では、制限時間として設定される30秒(30000ms)の間に宝探し演出を行い、この宝探し
演出の実行期間中において十字ボタン6のうち左右ボタンの選択操作(選択検出スイッチ6bの検出)を有効として遊技者操作に応じた視点移動を可能とし、「宝箱」の出現ポイントp1,p2に到達するための移動経路R1~R3,BP1~BP4を選択させる。また、第1操作演出では、その宝探し演出の前に、操作説明の時間が確保されていると共に、宝探し演出の後には、その宝探しの結果を報知する結果演出の時間が確保されている。なお、宝探し演出の実行時間(制限時間)のうちで、「宝箱」の出現ポイントp1,p2に
到達した後の余り時間には、結果演出との繋ぎの演出(調整演出)が実行される。
【0233】
ハズレ第1操作演出を含む変動演出は、図33(a)に示すように、その変動開始から10秒(10000ms)後に右演出図柄7Rが左演出図柄7Lと同じ図柄で仮停止表示されて(
リーチ図柄が表示されて)リーチが成立し、そのリーチ成立時点から第1操作演出が開始される。この演出開始時点では、風景画像の動的表示が開始され、かつ演出図柄が非表示とされる。演出制御用マイコン101(画像制御用CPU202)は、第1操作演出の最初の5秒(5000ms)間、すなわち操作説明の時間には、直前までの演出図柄の背景画像の動的表示に続く流れで風景画像を表示させつつ、操作方法(十字ボタン6の左ボタン及び右ボタンを操作して移動経路を選択すること)等を説明する説明情報を表示する。また、操作説明が終了すると、演出制御用マイコン101は、続く宝探し演出の時間(制限時間)としての30秒(30000ms)間を、選択検出スイッチ6bの検出有効期間として設定す
る。更に、演出制御用マイコン101(画像制御用CPU202)は、宝探し演出の時間(制限時間)が終了してからの5秒(5000ms)間には、前述した結果演出(失敗演出)を演出表示装置7に表示させる。そして、失敗演出の終了に応じてハズレ第1操作演出が終了するタイミングで、演出図柄をハズレの図柄組み合わせで演出表示装置7に確定表示させる。
【0234】
当たり第1操作演出を含む変動演出も同様であって、図33(b)に示すように、その変動開始から10秒(10000ms)後にリーチが成立し、そのリーチ成立時点から第1操作演
出が開始される。この演出開始時点では、直前までの背景画像からの流れで風景画像が動的表示され、かつ演出図柄が非表示とされる。演出制御用マイコン101(画像制御用CPU202)は、第1操作演出の最初の5秒(5000ms)間、すなわち操作説明の時間には、直前までの演出図柄の背景画像の動的表示に続く流れで風景画像を表示させつつ、操作
方法(十字ボタン6の左ボタン及び右ボタンを操作して移動経路を選択すること)等を説明する説明情報を表示する。また、操作説明が終了すると、演出制御用マイコン101は、続く宝探し演出の時間(制限時間)としての30秒(30000ms)間を、選択検出スイッ
チ6bの検出有効期間として設定する。更に、演出制御用マイコン101(画像制御用CPU202)は、宝探し演出の時間(制限時間)が終了してからの6秒(6000ms)間には、前述した結果演出(成功演出)を演出表示装置7に表示させる。そして、成功演出の終了に応じて当たり第1操作演出が終了するタイミングで、演出図柄を大当たりの図柄組み合わせで演出表示装置7に確定表示させる。
【0235】
前述のように第1操作演出は、当たりの特図変動パターンPa6に基づいて実行される場合(当たり第1操作演出)には最終的な結果演出として成功演出が行われて大当たりの表示態様で終了するのに対し、ハズレの特図変動パターンPh6に基づいて実行される場合(ハズレ第1操作演出)には最終的な結果演出として失敗演出が行われてハズレの表示態様で終了する。しかしながら、宝探し演出で制限時間内に「宝箱」の出現ポイントp1,p2に到達できるか否かは、遊技者による十字ボタン6(左右ボタン)の選択操作の有
無や操作態様に応じて異なる。すなわち、ハズレ第1操作演出であるにも関わらず遊技者が十字ボタン6を適切に操作したことで制限時間内に仮想オブジェクト(視点)が「宝箱」の出現ポイントp1,p2に到達できたとすると、その後の結果演出(失敗演出)との
間で演出上の矛盾が生じ得る。また、当たり第1操作演出であるにも関わらず遊技者が十字ボタン6を操作しなかったり不適当な操作態様で操作したりする場合には、制限時間内に仮想オブジェクト(視点)が「宝箱」の出現ポイントp1,p2に到達できず、その後
の結果演出(成功演出)との間で演出上の矛盾が生じ得る。そこで、本実施形態の演出制御用マイコン101(画像制御用CPU202)は、第1操作演出を行う場合、宝探し演出の制限時間内において遊技者による十字ボタン6の操作(選択検出スイッチ6bの検出)を有効としつつ、その宝探し演出の結果(制限時間内に「宝箱」の出現ポイントp1,
p2に到達できるか否か)がその変動演出の最終的な表示態様(大当たり、ハズレ)に整合するように、演出内容を制御する。
すなわち、当たり第1操作演出であるにも関わらず制限時間内に仮想オブジェクト(視点)が出現ポイントp1,p2に到達できなかった場合には、例えば宝探し演出中の最終
的な移動位置において「宝箱」が発見されるといった演出(2演出)を前述した結果演出(成功演出)として行って、変動演出の最終的な表示態様に矛盾しない流れで演出が行われるように制御する。
また、ハズレ第1操作演出であるにも関わらず、制限時間内に仮想オブジェクト(視点)が出現ポイントp1,p2に到達できる可能性がある場合には、その移動経路を仮想オ
ブジェクト(視点)が通過できない状態に制御する(後述する選択規制処理)。
【0236】
この選択規制処理(仮想オブジェクト(視点)が通過する移動経路の選択を規制する制御処理)では、仮想オブジェクト(視点)が「宝箱」の出現ポイントp1,p2に到達す
るまでにかかる移動時間に基づいて制御が実行される。ここで、第1経路R1上の各分岐点br1~br4や出現ポイントp1,p2(第2経路R2や第3経路R3)についての
2点間の各移動時間は、例えば図34のように定められている。
具体的には、仮想オブジェクト(視点)が第1経路R1上における第1分岐点br1及び第4分岐点br4の一方から他方に移動する場合の移動時間は、16秒(16000ms)に
設定されている。また、仮想オブジェクト(視点)が第1経路R1上における第4分岐点br4及び第2分岐点br2の一方から他方に移動する場合の移動時間は、1秒(1000ms)に設定されている。また、仮想オブジェクト(視点)が第1経路R1上における第2分岐点br2及び第3分岐点br3の一方から他方に移動する場合の移動時間は、6秒(6000ms)に設定されている。また、仮想オブジェクト(視点)が第1経路R1上における第3分岐点br3及び第1分岐点br1の一方から他方に移動する場合の移動時間は、8秒(8000ms)に設定されている。
また、仮想オブジェクト(視点)が第1経路R1上における第1分岐点br1から第1バイパス経路BP1を経由して第2経路R2上の出現ポイントp1に到達するまでの移動時間は、10秒(10000ms)に設定されている。また、仮想オブジェクト(視点)が第1
経路R1上における第2分岐点br2から第2バイパス経路BP2を経由して第2経路R2上の出現ポイントp1に到達するまでの移動時間は、18秒(18000ms)に設定されて
いる。また、仮想オブジェクト(視点)が第1経路R1上における第3分岐点br3から第3バイパス経路BP3を経由して第3経路R3上の出現ポイントp2に到達するまでの移動時間は、20秒(20000ms)に設定されている。また、仮想オブジェクト(視点)が
第1経路R1上における第4分岐点br4から第4バイパス経路BP4を経由して第3経路R3上の出現ポイントp2に到達するまでの移動時間は、15秒(15000ms)に設定さ
れている。
【0237】
従って、第1操作演出における宝探し演出(制限時間)の開始時点での仮想オブジェクト(視点)の位置の違いにより、「宝箱」の出現ポイントp1,p2に到達するまでに必
要な移動時間は、例えば図35に示すようになる。なお、図35では、宝探し演出の開始時点での仮想オブジェクト(視点)の位置毎に、各バイパス経路BP1~BP4を通過して出現ポイントp1,p2に至るまでの移動パターンを、移動時間の短い順に並べてある
【0238】
宝探し演出(制限時間)の開始時点で仮想オブジェクト(視点)が、第1経路R1上における第3分岐点br3及び第1分岐点br1の間に位置する場合、出現ポイントp1,
p2までの移動パターンとして、バイパス経路BP1~BP4を経由する4パターンの何れかを遊技者が選択可能である。この4つの移動パターンの各々で出現ポイントp1,p
2に到達するまでの移動時間は、第1バイパス経路BP1を経由するパターン(第1分岐点br1、第1バイパス経路BP1、出現ポイントp1、の移動順)では、10秒(10000ms)~18秒(18000ms)となる。また、第2バイパス経路BP2を経由するパターン(第1分岐点br1、第4分岐点br4、第2分岐点br2、第2バイパス経路BP2、出現ポイントp1、の移動順)では、35秒(35000ms)~43秒(43000ms)となる。また、第3バイパス経路BP3を経由するパターン(第1分岐点br1、第4分岐点br4、第2分岐点br2、第3分岐点br3、第3バイパス経路BP3、出現ポイントp2、の移動順)では、42秒(42000ms)~59秒(59000ms)となる。また、第4バイパス経路BP4を経由するパターン(第1分岐点br1、第4分岐点br4、第4バイパス経路BP4、出現ポイントp2、の移動順)では、31秒(31000ms)~39秒(39000ms)となる。
【0239】
また、宝探し演出(制限時間)の開始時点で仮想オブジェクト(視点)が、第1経路R1上における第1分岐点br1及び第4分岐点br4の間に位置する場合、出現ポイントp1,p2までの移動パターンとして、バイパス経路BP1~BP4を経由する4パター
ンの何れかを遊技者が選択可能である。この4つの移動パターンの各々で出現ポイントp1,p2に到達するまでの移動時間は、第1バイパス経路BP1を経由するパターン(第
4分岐点br4、第2分岐点br2、第3分岐点br3、第1分岐点br1、第1バイパス経路BP1、出現ポイントp1、の移動順)では、25秒(25000ms)~41秒(41000ms)となる。また、第2バイパス経路BP2を経由するパターン(第4分岐点br4、第2分岐点br2、第2バイパス経路BP2、出現ポイントp1、の移動順)では、19秒(19000ms)~35秒(35000ms)となる。また、第3バイパス経路BP3を経由するパターン(第4分岐点br4、第2分岐点br2、第3分岐点br3、第3バイパス経路BP3、出現ポイントp2、の移動順)では、27秒(27000ms)~43秒(43000ms)となる。また、第4バイパス経路BP4を経由するパターン(第4分岐点br4、第4バイパス経路BP4、出現ポイントp2、の移動順)では、15秒(15000ms)~31秒(31000ms)となる。
【0240】
また、宝探し演出(制限時間)の開始時点で仮想オブジェクト(視点)が、第1経路R1上における第4分岐点br4及び第2分岐点br2の間に位置する場合、出現ポイントp1,p2までの移動パターンとして、バイパス経路BP1~BP4を経由する4パター
ンの何れかを遊技者が選択可能である。この4つの移動パターンの各々で出現ポイントp1,p2に到達するまでの移動時間は、第1バイパス経路BP1を経由するパターン(第
2分岐点br2、第3分岐点br3、第1分岐点br1、第1バイパス経路BP1、出現ポイントp1、の移動順)では、24秒(24000ms)~25秒(25000ms)となる。また、第2バイパス経路BP2を経由するパターン(第2分岐点br2、第2バイパス経路BP2、出現ポイントp1、の移動順)では、18秒(18000ms)~19秒(19000ms)となる。また、第3バイパス経路BP3を経由するパターン(第2分岐点br2、第3分岐点br3、第3バイパス経路BP3、出現ポイントp2、の移動順)では、26秒(26000ms
)~27秒(27000ms)となる。また、第4バイパス経路BP4を経由するパターン(第
2分岐点br2、第3分岐点br3、第1分岐点br1、第4分岐点br4、第4バイパス経路BP4、出現ポイントp2、の移動順)では、45秒(45000ms)~46秒(46000ms)となる。
【0241】
また、宝探し演出(制限時間)の開始時点で仮想オブジェクト(視点)が、第1経路R1上における第2分岐点br2及び第3分岐点br3の間に位置する場合、出現ポイントp1,p2までの移動パターンとして、バイパス経路BP1~BP4を経由する4パター
ンの何れかを遊技者が選択可能である。この4つの移動パターンの各々で出現ポイントp1,p2に到達するまでの移動時間は、第1バイパス経路BP1を経由するパターン(第
3分岐点br3、第1分岐点br1、第1バイパス経路BP1、出現ポイントp1、の移動順)では、18秒(18000ms)~24秒(24000ms)となる。また、第2バイパス経路BP2を経由するパターン(第3分岐点br3、第1分岐点br1、第2分岐点br2、第2バイパス経路BP2、出現ポイントp1、の移動順)では、42秒(42000ms)~48
秒(48000ms)となる。また、第3バイパス経路BP3を経由するパターン(第3分岐点
br3、第3分岐点br3、第3バイパス経路BP3、出現ポイントp2、の移動順)では、20秒(20000ms)~26秒(26000ms)となる。また、第4バイパス経路BP4を経由するパターン(第3分岐点br3、第1分岐点br1、第4分岐点br4、第4バイパス経路BP4、出現ポイントp2、の移動順)では、39秒(39000ms)~45秒(45000ms)となる。
【0242】
ここで、画像制御用CPU202(画像制御基板200)が実行する選択規制処理について、具体的に説明する。選択規制処理は、第1操作演出における宝探し演出中(制限時間中、すなわち選択検出スイッチ6bの検出有効期間)に実行される制御処理であり、移動対象領域SR上の仮想オブジェクト(視点)が、遊技者による十字ボタン6(左右ボタン)の操作に基づいて第1経路R1(分岐点br1~br4)から所定のバイパス経路BP1~BP4に移行するのを禁止する「第1の制御」と、その所定のバイパス経路BP1~BP4に移行できないことが表示内容から理解容易となるように移動対象領域SRの態様を変更し、これにより風景画像の態様を変化させる「第2の制御」と、を含んでいる。
「第1の制御」は、移動対象領域SRにおいて仮想オブジェクト(視点)が所定の移動範囲(第1経路R1上の所定の分岐点br1~br4)に位置する状態での選択検出スイッチ6bの検出を無効とする制御であり、これによって仮想オブジェクト(視点)は、所定の分岐点br1~br4で左右ボタンの操作が行われた場合も、その所定の分岐点br1~br4から分岐するバイパス経路BP1~BP4への移行ができず第1経路R1の移動を継続することになる。
また、「第2の制御」は、移動対象領域SRにおける所定のバイパス経路BP1~BP4の入口部分を含む領域(図30に示す崩落エリアHA1~HA4の何れか)の地面が崩落した状態に移動対象領域SRの構成を変更する制御であり、これによって仮想オブジェ
クト(視点)が所定のバイパス経路BP1~BP4を通過できないことが報知されることになる。なお、図36には、移動対象領域SRのマップ上における崩落エリアHA2,H
A3,HA4に地面の崩落が発生した状態を示してある。他の崩落エリアHA1も同様に
地面の崩落が生じるようになっている。
【0243】
画像制御用CPU202(画像制御基板200)は、選択規制処理(第1の制御、第2の制御)の対象とする分岐点br1~br4(崩落エリアHA1~HA4)を、特図当たり判定の結果(ハズレ第1操作演出であるか当たり第1操作演出であるか)と、その分岐点br1~br4から出現ポイントp1,p2までの移動時間(図35を参照)との関係
に基づいて決定する。この場合に、ハズレ第1操作演出を行う場合と当たり第1操作演出を行う場合とでは、選択規制処理(第1の制御、第2の制御)の対象とする分岐点br1~br4(崩落エリアHA1~HA4)を相違させる。
なお、選択規制処理(第1の制御、第2の制御)は、ハズレ第1操作演出での宝探し演出の結果をその変動演出の最終的な表示態様(ハズレ)に整合させるための制御処理であるので、当たり第1操作演出では当該処理を実行しなくても、宝探し演出の結果が変動演出の最終的な表示態様(大当たり)に整合しなくなることはない。しかし、当該処理をハズレ第1操作演出だけで行い、当たり第1操作演出で行わないようにすると、遊技者から見て、風景画像上での地面の崩落の発生有無だけによって変動演出の最終的な表示態様(大当たりかハズレか)が推測できてしまうことになり、興趣が低下する。このため本実施形態では、当たり第1操作演出中にも、仮想オブジェクト(視点)の出現ポイントp1,
p2到達が可能に維持される範囲で、少なくとも一箇所の崩落エリアHA1~HA4に地面の崩落を発生させ、経路移行の操作を規制する選択規制処理(第1の制御、第2の制御)が実行され得る。
【0244】
画像制御用CPU202(画像制御基板200)は、ハズレの特図変動パターンPh6に基づいて、変動演出中にハズレ第1操作演出を実行する場合に、先ず、当該ハズレ第1操作演出における宝探し演出(制限時間)の開始時点で、視点記憶部209の記憶されている移動対象領域SRにおける仮想オブジェクト(視点)の位置を特定し、その特定した仮想オブジェクト(視点)の位置に対応する4つの移動パターン(図35を参照)のうちで宝探し演出の制限時間(30秒)内に出現ポイントp1,p2まで到達可能な移動パタ
ーン(すなわち図35において移動時間が30000ms未満となっている移動パターン)に対
応する分岐点br1~br4及び崩落エリアHA1~HA4(経路上の崩落エリア)を、選択規制処理(第1の制御、第2の制御)の対象として決定する。
【0245】
具体的に説明すると、例えば、ハズレ第1操作演出における宝探し演出(制限時間)の開始時点での仮想オブジェクト(視点)の位置が、第1経路R1上における第3分岐点br3から第1分岐点br1までの間の位置である場合、図35に示すように、出現ポイントp1,p2までの移動時間は、第1バイパス経路BP1を通過する移動パターンでは最
短10秒(10000ms)、第4バイパス経路BP4を通過する移動パターンでは最短31秒
(31000ms)、第2バイパス経路BP2を通過する移動パターンでは最短35秒(35000ms)、第3バイパス経路BP3を通過する移動パターンでは最短42秒(42000ms)となり
、第1バイパス経路BP1を通過する移動パターンに沿って仮想オブジェクト(視点)が移動する時に、制限時間(30秒)内に出現ポイントp1に到達する可能性があって、変動演出の最終的な表示結果(ハズレ)と矛盾し得る。このため、演出制御用マイコン101は、当該状況において、第1分岐点br1及び崩落エリアHA1を選択規制処理(第1の制御、第2の制御)の対象として決定する。すなわち、仮想オブジェクト(視点)が第1経路R1上の第1分岐点br1に位置する状態での十字ボタン6の操作(選択検出スイッチ6bの検出)を無効とする(第1の制御)と共に、その仮想オブジェクト(視点)が第1経路R1上で第1分岐点br1に近づいたタイミングで、移動対象領域SR上の崩落エリアHA1を、地面が崩落した状態を示す態様に変更する。
【0246】
また、例えば、ハズレ第1操作演出における宝探し演出(制限時間)の開始時点での仮想オブジェクト(視点)の位置が、第1経路R1上における第1分岐点br1から第4分岐点br4までの間の位置である場合、図35に示すように、出現ポイントp1,p2ま
での移動時間は、第4バイパス経路BP4を通過する移動パターンでは最短15秒(15000ms)、第2バイパス経路BP2を通過する移動パターンでは最短19秒(19000ms)、第1バイパス経路BP1を通過する移動パターンでは最短25秒(25000ms)、第3バイパ
ス経路BP3を通過する移動パターンでは最短27秒(27000ms)となり、第1~第4バ
イパス経路BP1~BP4を通過する全ての移動パターンに沿って仮想オブジェクト(視点)が移動する時に、制限時間(30秒)内に出現ポイントp1,p2に到達する可能性
があって、変動演出の最終的な表示結果(ハズレ)と矛盾することになる。このため、画像制御用CPU202(画像制御基板200)は、当該状況において、第1分岐点br1~第4分岐点br4及び崩落エリアHA1~HA4を選択規制処理(第1の制御、第2の制御)の対象として決定する。すなわち、仮想オブジェクト(視点)が第1経路R1上の第1分岐点br1~第4分岐点br4の各々に位置する状態での十字ボタン6の操作(選択検出スイッチ6bの検出)を無効とする(第1の制御)と共に、その仮想オブジェクト(視点)が第1経路R1上で第4分岐点br4に近づいたタイミングで、移動対象領域SR上の崩落エリアHA4を、地面が崩落した状態を示す態様に変更し、第2分岐点br2に近づいたタイミングで、移動対象領域SR上の崩落エリアHA2を、地面が崩落した状態を示す態様に変更し、第3分岐点br3に近づいたタイミングで、移動対象領域SR上の崩落エリアHA3を、地面が崩落した状態を示す態様に変更し、第1分岐点br1に近づいたタイミングで、移動対象領域SR上の崩落エリアHA1を、地面が崩落した状態を示す態様に変更する。
【0247】
この他、ハズレ第1操作演出における宝探し演出(制限時間)の開始時点での仮想オブジェクト(視点)の位置が、第1経路R1上における第4分岐点br4から第2分岐点br2までの間の位置である場合、図35に示すように、出現ポイントp1,p2までの移
動時間は、第2バイパス経路BP2を通過する移動パターンでは最短18秒(18000ms)
、第1バイパス経路BP1を通過する移動パターンでは最短24秒(24000ms)、第3バ
イパス経路BP3を通過する移動パターンでは最短26秒(26000ms)、第4バイパス経
路BP4を通過する移動パターンでは最短45秒(45000ms)となり、第1~第3バイパ
ス経路BP1~BP3を通過する各移動パターンに沿って仮想オブジェクト(視点)が移動する時に、制限時間(30秒)内に出現ポイントp1,p2に到達する可能性があって
、変動演出の最終的な表示結果(ハズレ)と矛盾することになる。このため、画像制御用CPU202(画像制御基板200)は、当該状況において、第1分岐点br1~第3分岐点br3及び崩落エリアHA1~HA3を選択規制処理(第1の制御、第2の制御)の対象として決定する。
また、ハズレ第1操作演出における宝探し演出(制限時間)の開始時点での仮想オブジェクト(視点)の位置が、第1経路R1上における第2分岐点br2から第3分岐点br3までの間の位置である場合、図35に示すように、出現ポイントp1,p2までの移動
時間は、第1バイパス経路BP1を通過する移動パターンでは最短18秒(18000ms)、
第3バイパス経路BP3を通過する移動パターンでは最短20秒(20000ms)、第4バイ
パス経路BP4を通過する移動パターンでは最短39秒(39000ms)、第2バイパス経路
BP2を通過する移動パターンでは最短42秒(42000ms)となり、第1,第3バイパス経路BP1,BP3を通過する各移動パターンに沿って仮想オブジェクト(視点)が移動す
る時に、制限時間(30秒)内に出現ポイントp1,p2に到達する可能性があって、変
動演出の最終的な表示結果(ハズレ)と矛盾することになる。このため、画像制御用CPU202(画像制御基板200)は、当該状況において、第1分岐点br1、第3分岐点br3及び崩落エリアHA1,HA3を選択規制処理(第1の制御、第2の制御)の対象
として決定する。
【0248】
以上のように、ハズレ第1操作演出を実行する場合には、その宝探し演出(制限時間)の開始時点における仮想オブジェクト(視点)の位置に応じて、仮想オブジェクト(視点)が「宝箱」の出現ポイントp1,p2に到達することのできる移動時間に対応する移動
パターンを特定し、その特定した移動パターン上のバイパス経路BP1~BP4を遮断する(地面を崩落させる)ように移動対象領域SRにおける崩落エリアHA1~HA4の態様を変更する。また、その地面を崩落させた崩落エリアHA1~HA4を通るバイパス経路BP1~BP4への仮想オブジェクト(視点)の移動を禁止するため、そのバイパス経路BP1~BP4への分岐点br1~br4での十字ボタン6(左右ボタン)の操作を無効とする。これにより、ハズレ第1操作演出の宝探し演出(制限時間)中に仮想オブジェクト(視点)が「宝箱」の出現ポイントp1,p2に到達することがなくなり、その後の
結果演出(失敗演出)や当該変動演出の最終的な表示態様(ハズレ)との整合性に矛盾も生じない。
【0249】
画像制御用CPU202(画像制御基板200)は、当たりの特図変動パターンPa6に基づいて、変動演出中に当たり第1操作演出を実行する場合に、先ず、当該当たり第1操作演出における宝探し演出(制限時間)の開始時点で、移動対象領域SRにおける仮想オブジェクト(視点)の位置を特定し、その特定した仮想オブジェクト(視点)の位置に対応する4つの移動パターン(図35を参照)のうちで宝探し演出の制限時間(30秒)内に出現ポイントp1,p2まで到達可能な(すなわち図35において移動時間が30000ms未満となっている)移動パターンを少なくとも一つ残し、他の移動パターンに対応する分岐点br1~br4及び崩落エリアHA1~HA4(経路上の崩落エリア)を、選択規制処理(第1の制御、第2の制御)の対象として決定する。
【0250】
具体的に説明すると、例えば、当たり第1操作演出における宝探し演出(制限時間)の開始時点での仮想オブジェクト(視点)の位置が、第1経路R1上における第3分岐点br3から第1分岐点br1までの間の位置である場合、図35を参照して前述したように、第1バイパス経路BP1を通過する移動パターンに沿って仮想オブジェクト(視点)が移動する時だけが、制限時間(30秒)内に出現ポイントp1に到達する可能性がある。このため、第2~第4バイパス経路BP2~BP4の分岐点となる第2~第4分岐点br2~br4を第1の制御(選択規制処理)の対象として決定すると共に、第2~第4バイパス経路BP2~BP4が通過する崩落エリアHA2~HA4を第2の制御(選択規制処理)の対象として決定する。すなわち、仮想オブジェクト(視点)が第1経路R1上の第2分岐点br2~第4分岐点br4の各々に位置する状態での十字ボタン6の操作(選択検出スイッチ6bの検出)を無効とする(第1の制御)と共に、その仮想オブジェクト(視点)が第1経路R1上で第4分岐点br4に近づいたタイミングで、移動対象領域SR上の崩落エリアHA4を、地面が崩落した状態を示す態様に変更し、第2分岐点br2に近づいたタイミングで、移動対象領域SR上の崩落エリアHA2を、地面が崩落した状態を示す態様に変更し、第3分岐点br3に近づいたタイミングで、移動対象領域SR上の崩落エリアHA3を、地面が崩落した状態を示す態様に変更する。
すなわち、遊技者は、宝探し演出(制限時間)中、仮想オブジェクト(視点)が第1分岐点br1に位置するタイミングで十字ボタン6の右ボタンを操作することで、仮想オブジェクト(視点)が出現ポイントp1に到達する。従って、宝探し演出の後に実行される結果演出(成功演出)や、当該変動演出の最終的な表示態様(大当たりの図柄組み合わせ)との整合性を維持することができる。
なおこの場合に、遊技者が十字ボタン6の操作を行わなかったり、仮想オブジェクト(視点)の位置が第1分岐点br1と合致しないタイミングでのみ操作を行った場合等、出現ポイントp1,p2に仮想オブジェクト(視点)が到達しない場合がある。この場合に
は、前述のように、宝探し演出の後の結果演出において復活演出を行うことで、その変動演出の最終的な表示態様(大当たり)との矛盾が生じないようにする。
【0251】
また、例えば、当たり第1操作演出における宝探し演出(制限時間)の開始時点での仮想オブジェクト(視点)の位置が、第1経路R1上における第1分岐点br1から第4分岐点br4までの間の位置である場合、図35を参照して前述したように、第1~第4バイパス経路BP1~BP4を通過する全ての移動パターンに沿って仮想オブジェクト(視点)が移動する時に、制限時間(30秒)内に出現ポイントp1,p2に到達する可能性
がある。この場合に、少なくとも1つの移動パターンを残し、他の移動パターンに対応する分岐点br1~br4及び崩落エリアHA1~HA4を、選択規制処理(第1の制御、第2の制御)の対象として決定する。例えば、第2バイパス経路BP2・第3バイパス経路BP3の各々を通過する移動パターンに対応する分岐点br2,br3及び崩落エリア
HA2,HA3を、選択規制処理(第1の制御、第2の制御)の対象として決定する一方
、第4バイパス経路BP4・第1バイパス経路BP1の各々を通過する移動パターンは選択規制処理(第1の制御、第2の制御)の対象としないことを決定する。
すなわち、遊技者は、宝探し演出(制限時間)中、仮想オブジェクト(視点)が第4分岐点br4に位置するタイミングで十字ボタン6の左ボタンを操作するか、第1分岐点br1に位置するタイミングで十字ボタン6の右ボタンを操作することで、仮想オブジェクト(視点)が出現ポイントp1,p2に到達する。従って、宝探し演出の後に実行される
結果演出(成功演出)や、当該変動演出の最終的な表示態様(大当たりの図柄組み合わせ)との整合性を維持することができる。
なおこの場合に、遊技者が十字ボタン6の操作を行わなかったり、仮想オブジェクト(視点)の位置が第4分岐点br4や第1分岐点br1と合致しないタイミングでのみ操作を行ったり、或いは、演出開始時の仮想オブジェクト(視点)の位置が第4分岐点br4から大きく離間した位置(第1分岐点br1に近い位置)であった場合等、出現ポイントp1,p2に仮想オブジェクト(視点)が到達しない場合がある。この場合には、前述の
ように、宝探し演出の後の結果演出において復活演出を行うことで、その変動演出の最終的な表示態様(大当たり)との矛盾が生じないようにする。
【0252】
また、例えば、当たり第1操作演出における宝探し演出(制限時間)の開始時点での仮想オブジェクト(視点)の位置が、第1経路R1上における第4分岐点br4から第2分岐点br2までの間の位置である場合、図35を参照して前述したように、第1~第3バイパス経路BP1~BP3を通過する各移動パターンに沿って仮想オブジェクト(視点)が移動する時に、制限時間(30秒)内に出現ポイントp1,p2に到達する可能性があ
る。この場合に、少なくとも1つの移動パターンを残し、他の移動パターンに対応する分岐点br1~br4及び崩落エリアHA1~HA4を、選択規制処理(第1の制御、第2の制御)の対象として決定する。例えば、第1バイパス経路BP1を通過する移動パターンに対応する第1分岐点br1及び崩落エリアHA1を、選択規制処理(第1の制御、第2の制御)の対象として決定する一方、第4バイパス経路BP4・第2バイパス経路BP2・第1バイパス経路BP1の各々を通過する移動パターンは選択規制処理(第1の制御、第2の制御)の対象としないことを決定する。
すなわち、遊技者は、宝探し演出(制限時間)中、仮想オブジェクト(視点)が第1分岐点br1に位置するタイミングで十字ボタン6の右ボタンを操作することで、仮想オブジェクト(視点)が出現ポイントp1に到達する。従って、宝探し演出の後に実行される結果演出(成功演出)や、当該変動演出の最終的な表示態様(大当たりの図柄組み合わせ)との整合性を維持することができる。
なおこの場合に、遊技者が十字ボタン6の操作を行わなかったり、仮想オブジェクト(視点)の位置が第1分岐点br1と合致しないタイミングでのみ操作を行った場合等、出現ポイントp1,p2に仮想オブジェクト(視点)が到達しない場合がある。この場合に
は、前述のように、宝探し演出の後の結果演出において復活演出を行うことで、その変動演出の最終的な表示態様(大当たり)との矛盾が生じないようにする。
【0253】
また、例えば、当たり第1操作演出における宝探し演出(制限時間)の開始時点での仮想オブジェクト(視点)の位置が、第1経路R1上における第2分岐点br2から第3分岐点br3までの間の位置である場合、図35を参照して前述したように、第1,第3バ
イパス経路BP1,BP3を通過する各移動パターンに沿って仮想オブジェクト(視点)
が移動する時に、制限時間(30秒)内に出現ポイントp1,p3に到達する可能性があ
る。この場合に、少なくとも1つの移動パターンを残し、他の移動パターンに対応する分岐点br1~br4及び崩落エリアHA1~HA4を、選択規制処理(第1の制御、第2の制御)の対象として決定する。例えば、第1バイパス経路BP1を通過する移動パターンに対応する第1分岐点br1及び崩落エリアHA1を、選択規制処理(第1の制御、第2の制御)の対象として決定する一方、第3バイパス経路BP3・第4バイパス経路BP4・第2バイパス経路BP2の各々を通過する移動パターンは選択規制処理(第1の制御、第2の制御)の対象としないことを決定する。
すなわち、遊技者は、宝探し演出(制限時間)中、仮想オブジェクト(視点)が第1分岐点br1に位置するタイミングで十字ボタン6の右ボタンを操作することで、仮想オブジェクト(視点)が出現ポイントp1に到達する。従って、宝探し演出の後に実行される結果演出(成功演出)や、当該変動演出の最終的な表示態様(大当たりの図柄組み合わせ)との整合性を維持することができる。
なおこの場合に、遊技者が十字ボタン6の操作を行わなかったり、仮想オブジェクト(視点)の位置が第1分岐点br1と合致しないタイミングでのみ操作を行った場合等、出現ポイントp1,p2に仮想オブジェクト(視点)が到達しない場合がある。この場合に
は、前述のように、宝探し演出の後の結果演出において復活演出を行うことで、その変動演出の最終的な表示態様(大当たり)との矛盾が生じないようにする。
【0254】
以上のように、当たり第1操作演出を実行する場合には、その宝探し演出(制限時間)の開始時点における仮想オブジェクト(視点)の位置に応じて、仮想オブジェクト(視点)が「宝箱」の出現ポイントp1,p2に到達することのできる移動時間に対応する1種
類または複数種類の移動パターンを特定し、その特定した移動パターンの中で少なくとも1種類のバイパス経路BP1~BP4を遮断する(地面を崩落させる)ように移動対象領域SRにおける崩落エリアHA1~HA4の態様を変更する。また、その地面を崩落させた崩落エリアHA1~HA4を通るバイパス経路BP1~BP4への仮想オブジェクト(視点)の移動を禁止するため、そのバイパス経路BP1~BP4への分岐点br1~br4での十字ボタン6(左右ボタン)の操作を無効とする。これにより、当たり第1操作演出の宝探し演出(制限時間)中に仮想オブジェクト(視点)が「宝箱」の出現ポイントp1,p2に到達することが可能な状態としつつ、演出表示装置7の表示画面に表示される
風景画像の態様に変化(地面の崩落の発生)を付与することが可能となる。
【0255】
すなわち、画像制御用CPU202(画像制御基板200)は、移動対象領域SR上において仮想オブジェクト(視点)が移動可能な移動経路R1~R3,BP1~BP4を設
定すると共に、その移動経路R1~R3,BP1~BP4の態様を特図当たり判定の結果
に基づいて変更する「領域設定手段」として機能する。そして、画像制御用CPU202(画像制御基板200)は、視点記憶部209に記憶される視点情報(位置情報)に対応する位置及び向きの視点から、移動経路R1~R3,BP1~BP4の態様が変更された
移動対象領域SRが視認されることに応じた風景画像を、視点情報の更新に応じて演出表示装置7に動的表示させる。ここで、第1操作演出を実行する場合に、宝探し演出(制限時間)の開始時点における仮想オブジェクト(視点)の位置が同じであっても、その第1操作演出が特図変動パターンPh6及び特図変動パターンPa6の何れに基づくものか(ハズレ・当たりの何れの演出か)に応じて、「宝箱」の出現ポイントp1,p2に繋がる
バイパス経路BP1~BP4の態様(崩落の有無)を全く異ならせるようになっている。すなわち、第1操作演出は、遊技者による十字ボタン6(左右ボタン)の操作による演出変化(操作演出)の結果に、その変動演出の契機となった特図当たり判定の結果を反映さ
せる演出となっている。
【0256】
[第2操作演出(SPリーチE)について]
ここで、演出制御用マイコン101や画像制御用CPU202による制御に基づいて演出表示装置7で実行可能なリーチ演出の一種であるSPリーチE(以下「第2操作演出」と称する)について、図37図39を参照しながら説明する。
演出制御用マイコン101は、特図変動パターンPh8,Pa8に基づいて第2操作演
出(ハズレ第2操作演出、当たり第2操作演出)の実行を決定し、画像制御用CPU202にその表示制御を指示する。
【0257】
第2操作演出は、変動演出中、左演出図柄7L及び右演出図柄7Rによるリーチ状態が成立した後の期間を利用して行われる演出(リーチ演出)であり、レーシングカーRCの走行によるタイムトライアルの結果(走破時間)が制限時間以内であるか否かに応じて、その変動演出の最終的な表示態様(大当たりか否か)を示唆する。本実施形態では、第2操作演出を行う場合、リーチ成立後の期間を選択検出スイッチ6bの検出有効期間に設定し、この検出有効期間中の選択検出スイッチ6bの検出に応じて演出内容に変化を付与する。すなわち、第2操作演出は、遊技者による十字ボタン6(演出操作手段)の操作(選択操作)に応じて演出内容に変化を付与する操作演出(方向選択演出)の一種である。本実施形態の第2操作演出では、十字ボタン6の左右ボタンのみを使用可能とし、前後ボタンについては操作をしても演出内容に変化を付与しないようにする。但し、前後ボタンを使用してもよく、この場合は例えば、前ボタンを加速用、後ボタンを減速用の演出操作手段として用いることが考えられる。
なお、この第2操作演出における遊技者操作の検出に応じた演出変化を実現するための具体的な制御は、前述した第1選択演出と基本的に同じである。
【0258】
第2選択演出では、前述した第1操作演出と同様、最初に操作説明、最後に結果演出を行うようになっており、この操作説明(例えば5秒)及び結果演出(例えば5~6秒)の間に制限時間(例えば50秒)を設定してタイムトライアル演出を実行する。制限時間内にゴール(特定位置)に到達すれば、結果演出として成功演出が表示(示唆情報が付与)され、制限時間内にゴールに到達できなければ、その制限時間の経過時点で、結果演出として失敗演出が実行される。制限時間内にゴールに到達したことによる余り時間には、結果演出との繋ぎの演出(調整演出)が実行される。
【0259】
画像制御基板200の制御用RAM204に設けられる前述した視点記憶部209(位置記憶手段、方向記憶手段)には、第2の移動対象領域SR2上における仮想オブジェクト(視点)の位置及び向きが記憶されている。第2の移動対象領域SR2は、第2選択演出の舞台となるサーキットを表現したものである。図37に示すように、第2の移動対象領域SR2は、一本の環状の移動経路R4を備え、この移動経路R4の所定位置に、タイムトライアルのスタート地点及びゴール地点となるサーキットゲートGが配置されている。また、移動経路R4は、複数個所にカーブ経路部分が点在しており、またゴール(サーキットゲートG)直前の最終経路FLは、直線状になっている。このサーキットを、仮想オブジェクトとしての運転手(レーサー)が運転するレーシングカーRCが走行し、その際の仮想オブジェクトの視点から視認される風景画像(図38を参照)が演出表示装置7の表示画面に表示されるようになっている。なお、第2選択演出の風景画像は、変動演出で用いる演出図柄の背景画像として表示する風景とは無関係であり、第2選択演出(リーチ演出)特有の風景画像となっている。
【0260】
前述した第1選択演出の移動対象領域SRは、移動経路R1~R3,BP1~BP4の
中心線上を仮想オブジェクト(視点)が移動可能な領域であったのに対し、第2選択演出における第2の移動対象領域SR2は、移動経路R4の横幅方向に異なる位置を仮想オブ
ジェクト(視点)が通過可能(移動経路R4の同じ経路部分であっても複数の進行態様で通過することが可能)となっている。このため、仮想オブジェクト(視点)を乗せたレーシングカーRCが移動経路R4のカーブ経路部分を通過する場合は、例えば図39(a)に二点鎖線の矢印で示すように、その経路幅を有効に使って緩やかな曲線状の軌道を描いて移動(所謂アウト・イン・アウトの運転技術を活用)することができれば、そのカーブ経路部分を短時間で通過でき、全体の走破時間も短縮されてタイムトライアル演出中(制限時間内)にゴール地点のサーキットゲートGまで到達可能となる。これに対し、例えば図39(b)に二点鎖線の矢印で示すように、その経路幅を有効に使うことができなかったり、曲がるタイミングを誤ったりすると、その分だけカーブ経路部分を通過する時間がかかってしまい、全体の走破時間も長くなってタイムトライアル演出中(制限時間内)にサーキットゲートGまで到達できなくなる。
【0261】
ここで、画像制御用CPU202は、当たり第2操作演出であるにも関わらず制限時間内に仮想オブジェクト(視点)がサーキットゲートGに到達できなかった場合には、例えば、その次のタイムトライアルで記録的な走破時間によりゴールするといった演出を前述した結果演出(成功演出)として行って、変動演出の最終的な表示態様に矛盾しない流れで演出が行われるように制御する。
また、画像制御用CPU202は、ハズレ第2操作演出であるにも関わらず、タイムトライアル演出中(制限時間内)に仮想オブジェクト(視点)がサーキットゲートGに到達できる可能性がある場合には、第2の移動対象領域SR2における移動経路R4を、仮想オブジェクト(視点)が制限時間内にゴール(サーキットゲートG)まで到達できない状態となるように制御する(後述する経路延長処理)。
【0262】
第2の移動対象領域SR2における移動経路R4上には、経路延長処理に関連して、測定ラインMP(図37を参照)が設定されている。この測定ラインMPの位置は、移動経路R4における直線状の最終経路FLを挟んでサーキットゲートGと反対側の位置となっている。そして、画像制御用CPU202は、ハズレの特図変動パターンPh8に基づくハズレ第2操作演出の実行に際して、制限時間内において仮想オブジェクト(視点)が測定ラインMPを通過した時点を特定し、その時点が制限時間内に定められている所定時間の経過前であった場合に、経路延長処理を実行する。この経路延長処理において、画像制御用CPU202は、仮想オブジェクト(視点)が測定ラインMPを通過する時点で、移動経路R4における最終経路FLを通常よりも長く延ばすように、第2の移動対象領域SR2の態様を変更する。すなわち、最終経路FLを延長するように第2の移動対象領域SR2の態様を変更することで、遊技者が十字ボタン6を上手に操作したとしても制限時間内にゴール(サーキットゲートG)まで到達できない状態とする。
なお、仮想オブジェクト(視点)が測定ラインMPを通過する時点では、その視点から視認される風景として表示される風景画像上に最終経路FLの全体が表示されていない。このため、違和感なく(遊技者に認識させることなく)第2の移動対象領域SR2の態様が変更される。
【0263】
以上のように、ハズレ第2操作演出を実行する場合には、そのタイムトライアル演出中(制限時間内)に仮想オブジェクト(視点)が測定ラインMPを通過する時点で、その仮想オブジェクト(視点)が制限時間内にゴール(サーキットゲートG)まで到達し得るか否かを判定し、到達し得ると判断する場合には、移動経路R4(具体的には最終経路FL)を延長するように第2の移動対象領域SR2の態様を変更する。これにより、ハズレ第2操作演出のタイムトライアル演出中(制限時間内)に仮想オブジェクト(視点)がゴール(サーキットゲートG)に到達することがなくなり、その後の結果演出(失敗演出)や当該変動演出の最終的な表示態様(ハズレ)との整合性に矛盾も生じない。
【0264】
[実施形態の効果]
上述した実施形態のパチンコ遊技機1によれば、以下の作用効果を奏する。
(1)実施形態のパチンコ遊技機1は、遊技制御用マイコン61(遊技制御手段)の制御により、第1始動口10aへの遊技球の入球を契機とする特図当たり判定(遊技者の遊技に基づく判定)が大当たりの判定結果(特定結果)となったことに応じて大当たり遊技状態(遊技者に有利な状態)や時短遊技状態(遊技者に有利な状態)を付与する。また、遊技制御用マイコン61からの特図変動開始コマンド(遊技制御手段の指示)に基づく演出制御用マイコン101からの指示を受けた画像制御用CPU202(演出制御手段)が演出に関する表示制御を実行し、この画像制御用CPU202(演出制御手段)による制御に基づいて、演出表示装置7(演出表示手段)に複数種類の演出が表示される。また、パチンコ遊技機1には、演出表示装置7に表示される演出の内容に変化を付与するための遊技者操作(選択操作)の対象となる十字ボタン6(演出操作手段)が設けられており、画像制御用CPU202は第1操作演出や第2操作演出において、この十字ボタン6(左右ボタン)の操作に応じて移動する視点から視認される風景画像を、演出表示装置7に動的に表示させる。また、画像制御用CPU202は、第1操作演出や第2操作演出において演出表示装置7に表示される風景画像の態様を、特図当たり判定の結果(例えば第1操作演出であれば特図変動パターンph6,Pa6の何れに基づくものか、また第2操作演
出であれば特図変動パターンPh8に基づくものであること)に基づいて変化させる。
このように、遊技者による十字ボタン6の操作に応じて移動する視点に応じた風景画像を演出表示装置7に表示するので、パチンコ遊技機1において、ロールプレイングゲームで得られるような操作感を味わうことができる。またこの場合に、操作演出を含む変動演出の契機となった特図当たり判定の結果により、風景画像の態様を変化させるので、遊技者操作に応じて表示され得る風景画像の態様から判定の結果を推測させることが可能となる。すなわち、特図当たり判定の結果に関する情報を、自身の操作に応じて表示される風景画像上から得ることができるので、出来レース感を抑えて遊技者の満足感を高め、遊技意欲を向上させ得る。
(2)また、実施形態のパチンコ遊技機1は、画像制御用CPU202(演出制御手段)が、仮想オブジェクトの視点から視認される風景画像を表示制御する際に、十字ボタン6(演出操作手段)の操作に合わせて、視点記憶部209(位置記憶手段)に記憶されている視点情報(仮想の移動対象領域SR上に位置する視点の位置情報等)を更新する(視点変位手段)。第1操作演出に関して、画像制御用CPU202(演出制御手段)は、移動対象領域SR上において視点が移動可能な移動経路R1~R3,BP1~BP4を設定
すると共に、これらのうち何れかの移動経路R1~R3,BP1~BP4の態様を特図当
たり判定の結果に基づいて変更する(領域設定手段)。また、第2操作演出に関して、画像制御用CPU202(演出制御手段)は、第2の移動対象領域SR2上において視点が移動可能な移動経路R4を設定すると共に、この移動経路R4の態様を特図当たり判定の結果に基づいて変更する(領域設定手段)。これにより、視点記憶部209に記憶される視点情報に対応する位置の視点から、画像制御用CPU202(演出制御手段、領域設定手段)によって移動経路R1~R4,BP1~BP4の態様が変更された移動対象領域S
Rが視認されることに応じた風景画像が、画像制御用CPU202(演出制御手段、視点変位手段)による視点情報の更新に応じて演出表示装置7に動的表示される。
このようにすることで、視点の移動のしかた自体を変化させることができる。第1操作演出においては、視点の移動の変化に関連して風景画像上に明確な変化を生じさせることで、面白味を付与することができる。また、第2操作演出においては、風景画像上では認識し難い程度に視点の移動を変化させることで、演出の結果(ゴールに到達できるか否か)を変化させることができ、これにより面白味を付与することができる。
(3)また、実施形態のパチンコ遊技機1は、演出制御用マイコン101及び画像制御用CPU202(演出制御手段)が、移動対象領域SR上の「宝箱」の出現ポイントp1,p2(特定位置)に仮想オブジェクト(視点)を到達させることで特図当たり判定の結
果に関する示唆情報(成功演出)を付与する操作演出(ボタン演出)の一種としての第1操作演出を制御可能であり、画像制御用CPU202(演出制御手段、領域設定手段)は
、出現ポイントp1,p2に繋がる移動パターン上のバイパス経路BP1~BP4(移動
経路)の態様を、特図当たり判定が大当たりの判定結果(特定結果)となった場合には通過可能な態様とする一方、ハズレの判定結果(特定結果とは異なる非特定結果)となった場合には通過不可能な態様とする。
すなわち、移動対象領域SR上の「宝箱」の出現ポイントp1,p2への到達を目標と
して遊技者が操作を行うことができるようにすることで、遊技者の興味を向上できる。ここで、(第1操作演出を含む変動演出の契機となった)特図当たり判定の結果に基づいて、バイパス経路BP1~BP4を通過可能としたり通過不可能としたりすることで、操作演出としての第1操作演出の演出結果に特図当たり判定の判定結果を反映させることができる。
(4)また、実施形態のパチンコ遊技機1は、演出制御用マイコン101及び画像制御用CPU202(演出制御手段)が、レーシングカーRCを運転する運転手としての仮想オブジェクト(視点)をタイムトライアル演出の制限時間内(予め定めた期間内)に第2の移動対象領域SR2上のゴール地点であるサーキットゲートG(特定位置)まで到達させることができるか否かに応じて特図当たり判定の結果を示唆する第2操作演出を制御可能であり、画像制御用CPU202(演出制御手段、領域設定手段)は、特図当たり判定の結果に応じて、サーキットゲートGに繋がる移動経路R4(最終経路FL)の長さを変化させる。
すなわち、第2の移動対象領域SR2上のゴール(サーキットゲートG)への予め定められた期間内での到達を目標として遊技者が操作を行うことができ、遊技者の興味を向上できる。ここで、特図当たり判定の結果に基づいて移動経路R4(最終経路FL)の長さを変化させることで、当該移動経路R4(最終経路FL)を通過するために要する時間を変化させることができ、第2操作演出(タイムトライアル演出)の結果に特図当たり判定の結果を反映させることができる。
(5)また、実施形態のパチンコ遊技機1は、第2の移動対象領域SR2の移動経路R4が、(その同じ経路部分を)十字ボタン6の操作に応じた複数の進行態様で通過可能であり、かつその進行態様に応じて通過時間を相違させる。そして、画像制御用CPU202(演出制御手段、領域設定手段)は、特図当たり判定の結果がハズレ(特定結果と異なる非特定結果)となった場合における移動経路R4(最終経路FL)の長さを、十字ボタン6の操作に応じた進行態様に基づいて、タイムトライアル演出の制限時間内(予め定めた期間内)にゴールであるサーキットゲートG(特定位置)まで到達し得ない長さに調整する。
このように、遊技者の操作による移動経路R4での進行態様に応じて当該移動経路R4(最終経路FL)の長さを調整することにより、特図当たり判定の結果に対応する範囲で遊技者の操作技術を第2操作演出の結果に反映させることができる。
(6)また、実施形態のパチンコ遊技機1は、演出制御用マイコン101及び画像制御用CPU202(演出制御手段、図柄表示制御手段)が、演出表示装置7で実行する変動演出の最終的な表示態様(図柄変動表示の結果)に応じて特図当たり判定の結果を報知または示唆可能であり、この変動演出で変動表示する演出図柄(左演出図柄7L、中演出図柄7C及び右演出図柄7R)の背景(背景画像として表示する風景)を、十字ボタン6(演出操作手段)の操作に応じて移動する視点から視認される(第1操作演出の)風景画像として、演出表示装置7に表示する。
このように、変動演出での演出図柄の背景を、遊技者操作に応じた風景画像として表示することにより、遊技中に長く視界に入る(背景画像の)風景を変化させるという新たな面白味を付与することができる。
【0265】
<他の実施形態>
・前述した実施形態では、演出操作手段の操作に応じて移動する視点から視認される風景画像の態様を、第1始動口への入球を契機として遊技制御手段(遊技制御用マイコン)が特別図柄の変動開始時(変動演出の開始時)に実行する特図当たり判定の結果に基づい
て変化させるようにした。これに対し、第2始動口への入球を契機とする特図当たり判定の結果に基づいて風景画像の態様を変化させるようにしてもよいし、始動口への入球を契機として遊技制御手段(遊技制御用マイコン)が取得した始動入球情報の入力時に演出制御手段(演出制御用マイコン)が実行する特図当たり判定(先読み判定)の結果に基づいて風景画像の態様を変化させるようにしてもよいし、遊技球のゲート通過(作動口への入球)を契機とする普図当たり判定の結果に基づいて風景画像の態様を変化させるようにしてもよい。この他、大当たり遊技状態の種類や小当たり状態の種類等を決定するための当たり種別判定の結果に基づいて風景画像の態様を変化させるようにしてもよい。
・前述した実施形態では、遊技者操作に基づいて風景画像の態様を変化させることが可能な第1・第2操作演出を、図柄変動表示中(演出図柄の変動演出中)に実行するようにした。これに対し、例えば大当たり遊技状態中や、大当たり遊技状態の終了後の遊技状態(時短遊技状態)中の演出として実行するようにしてもよい。この場合には、第1・第2操作演出の結果により、当たり種別判定の結果(大当たり遊技状態の終了後の遊技状態が時短遊技状態や確変遊技状態であるか否か等)を示すようにすることができる。
・前述した実施形態では、第1選択演出において演出操作手段の操作に応じて移動する視点から視認される風景画像の態様を変化させる際に、視点が移動する移動対象領域に設けられる所定の移動経路を視点が通過不可能となるようにするための処理(選択規制処理)を実行した。これに対し、所定の移動経路を視点が通過困難となる(通過にかかる時間が増加する)ようにするための処理を行うようにしてもよい。
・前述した実施形態では、第2選択演出において演出操作手段の操作に応じて移動する視点から視認される風景画像の態様を変化させる際に、視点が移動する移動対象領域に設けられる移動経路を視点が通過困難となる(通過にかかる時間が増加する)ようにするための処理(経路延長処理)を実行した。これに対し、所定の移動経路を視点が通過不可能となるようにするための処理を行うようにしてもよい。
・前述した実施形態では、判定(特図当たり判定)の結果が非特定結果(ハズレ)の場合に対応するハズレ第1選択演出において、制限時間内に視点が特定位置(宝箱の出現ポイント)に到達するのを防ぐために、遊技者による移動経路の選択を規制する選択規制処理(所定のバイパス経路を含む地面の崩落を付加して表示を変化する制御と、その経路に移動するための遊技者操作を無効にする制御とを含む)を実行するようにし、更にこの選択規制処理を、判定(特図当たり判定)の結果が特定結果(大当たり)の場合に対応する当たり第1選択演出においても、少なくとも一つの移動経路を対象として実行するようにした。これは、遊技者に対して判定(特図当たり判定)の結果を容易に推測させないようにするためであるが、当たり第1選択演出を実行する際に選択規制処理が実行されないパターン(すなわち当たり確定パターン)を設けるようにしてもよい。
・前述した実施形態では、第1操作演出において演出操作手段(十字ボタン)の操作に応じて移動する視点から視認される風景(風景画像)として、図柄変動表示の図柄(演出図柄)の背景画像として表示する風景を演出表示手段(演出表示装置)に表示した。これに対し、図柄変動表示の背景画像として表示する風景とは異なる風景を風景画像として演出表示手段に表示するようにしてもよい。
・前述した実施形態では、第2操作演出において演出操作手段(十字ボタン)の操作に応じて移動する視点から視認される風景(風景画像)を、図柄変動表示の図柄(演出図柄)の背景画像として表示する風景とは異ならせた。これに対し、図柄変動表示の背景画像として表示する風景を風景画像として表示するようにしてもよい。
・前述した実施形態では、第1選択演出で表示する風景画像を、所定方向(YF-YB方向)に無端状に連続する移動対象領域上の視点位置に基づいて表示するようにしたが、移動対象領域に所定方向の端部(視点の移動限界位置)を定めてもよい。
・前述した実施形態では、第1・第2操作演出において遊技者が十字ボタンの左ボタン及び右ボタンのみを演出操作手段として用いるようにしたが、十字ボタンの前ボタンや後ボタン、演出レバー等を演出操作手段として用いるようにしてもよい。
・前述した実施形態では、画像制御基板の画像制御用CPUが、位置記憶手段(視点記
憶部)に記憶されている位置情報(視点情報)に応じて風景画像を演出表示手段(演出表示装置)に表示させると共に、有効期間内に演出操作手段の操作(選択検出スイッチの検出)があったことを示す演出制御用マイコンからの画像変更信号を受けて位置情報を更新するようにした。これに対し、演出制御用マイコンに位置記憶手段(視点記憶部)を備えるようにし、この位置記憶手段に記憶される位置情報(視点情報)に基づいて演出制御用マイコンが移動対象領域上の視点の位置を特定して、その視点の位置を示す情報を画像制御用CPUに出力するようにしてもよい。
この他にも適宜に、前述した実施形態で演出制御用マイコン(のCPU)が実行していた制御処理を画像制御用CPUの実行対象としたり、また逆に、前述した実施形態で画像制御用CPUが実行していた制御処理を演出制御用マイコン(CPU)の実行対象としたりすることが可能である。
・前述した実施形態では、時短遊技状態中、普図変動表示に対応して演出表示手段での変動表示(変動演出)を行う一方、当該演出表示手段での特図変動表示に対応する変動表示(変動演出)を行わないようにしたが、演出表示手段での変動表示(変動演出)を特図変動表示(特に第2特図変動表示)に対応して行うようにしてもよい。
・前述した実施形態では、第1特図、第2特図及び普通図柄に対応する各規則図柄(簡易図柄)を演出表示手段(演出表示装置)において常に表示するようにしたが、予め定められた期間中にのみ規則図柄を表示するようにしてもよいし、規則図柄の表示を行わないようにしてもよい。また、遊技状態に応じて、変動演出の演出図柄に対応する規則図柄だけを表示してもよい。例えば、非時短遊技状態中には第1特図に対応する第1規則図柄を表示し、時短遊技状態中には普通図柄に対応する第3規則図柄を表示することができる。
・前述した実施形態では、大当たり遊技状態で入球可能とする特別入賞口(第1大入賞口)と、小当たり状態で入球可能とする特別入賞口(第2大入賞口)とを異ならせたが、大当たり遊技状態と小当たり状態とで同じ特別入賞口を入球可能としてもよい。
・前述した実施形態では、第1特図の特図当たり判定において小当たりの判定結果が導出されないようにしたが、第1特図の特図当たり判定でも小当たりの判定結果が導出され得るようにしてもよい。この場合には、第1特図の特図当たり判定で小当たりの判定結果となる確率を第2特図の特図当たり判定における確率よりも低くするか、第1特図の特図当たり判定に基づく小当たり状態中に遊技球が特定領域を通過する確率を第2特図の特図当たり判定に基づく小当たり状態中よりも低くすることで、第1特図の特図当たり判定に基づく遊技よりも第2特図の特図当たり判定に基づく遊技の方が有利な遊技性とすることができる。また逆に、第2特図の特図当たり判定で小当たりの判定結果となる確率を第1特図の特図当たり判定における確率よりも低くするか、第2特図の特図当たり判定に基づく小当たり状態中に遊技球が特定領域を通過する確率を第1特図の特図当たり判定に基づく小当たり状態中よりも低くするようにしてもよく、この場合は、第2特図の特図当たり判定に基づく遊技よりも第1特図の特図当たり判定に基づく遊技の方が有利な遊技性とすることができる。
・前述した実施形態では、普図変動表示や補助遊技が行われている状態で作動口への遊技球の通過(入球)を契機として取得した作動入球情報を所定の上限数まで記憶可能な普図保留記憶部を設けるようにしたが、普図変動表示や補助遊技が行われていない状態で遊技球が作動口(ゲート)を通過した場合に限り、当該作動口への遊技球の通過を契機として制御手段(遊技制御用マイコン)が普図当たり判定を実行する(普通図柄の作動保留を記憶するための記憶部を設けない)ように構成してもよい。
【符号の説明】
【0266】
1…パチンコ遊技機、6…十字ボタン(演出操作手段)、7…演出表示装置(演出表示手段)、61…遊技制御用マイコン(遊技制御手段)、101…演出制御用マイコン(演出制御手段)、202…画像制御用CPU(演出制御手段、視点変位手段、領域設定手段)、209…視点記憶部(位置記憶手段)、BP1…第1バイパス経路(移動経路)、BP2…第2バイパス経路(移動経路)、BP3…第3バイパス経路(移動経路)、BP4…
第4バイパス経路(移動経路)、G…サーキットゲート(特定位置)、p1…出現ポイント(特定位置)、p2…出現ポイント(特定位置)、R1…第1経路(移動経路)、R2…第2経路(移動経路)、R3…第3経路(移動経路)、R4…移動経路、SR…移動対象領域、SR2…第2の移動対象領域(移動対象領域)。

図1
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