(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007788
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】オゾンガス発生システム
(51)【国際特許分類】
F24F 8/26 20210101AFI20240112BHJP
F24F 8/40 20210101ALI20240112BHJP
F24F 8/80 20210101ALI20240112BHJP
F24F 11/77 20180101ALI20240112BHJP
F24F 11/79 20180101ALI20240112BHJP
A61L 9/015 20060101ALI20240112BHJP
C01B 13/10 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
F24F8/26
F24F8/40
F24F8/80 310
F24F8/80 260
F24F11/77
F24F11/79
A61L9/015
C01B13/10 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022109115
(22)【出願日】2022-07-06
(71)【出願人】
【識別番号】397000160
【氏名又は名称】株式会社豊和
(72)【発明者】
【氏名】東堂 雅之
(72)【発明者】
【氏名】大西 隆
(72)【発明者】
【氏名】安藤 和明
【テーマコード(参考)】
3L260
4C180
4G042
【Fターム(参考)】
3L260AB20
3L260BA16
3L260CA17
3L260EA06
3L260FC04
3L260FC28
3L260GA24
4C180AA07
4C180CA01
4C180EA17X
4C180HH05
4C180KK02
4C180LL06
4C180LL11
4C180LL14
4G042CB26
4G042CD05
4G042CE04
(57)【要約】
【課題】 対象空間内のオゾンガス濃度を、設定された目標オゾンガス濃度にすることが可能なオゾンガス発生システムであって、簡素な手段で対象空間内のオゾンガス濃度のばらつきを少なくするオゾンガス発生システムを提供すること。
【解決手段】 本発明のオゾンガス発生システムは、
複数の前記オゾンガス発生装置及び複数の前記オゾンガス濃度測定センサーを無線ネットワーク通信により接続し、オゾンガス濃度測定センサーが測定したオゾンガス濃度をオゾンガス発生装置へフィードバックさせることにより、対象空間内のオゾンガス濃度が目標濃度となるようにオゾンガスの発生を制御するオゾンガス発生システムであって、
前記オゾンガス濃度測定センサーが測定したオゾンガス濃度値に応じて、前記オゾンガス測定センサーに対応付けられた前記オゾンガス発生装置のオゾンガス排出ファンの風量を制御する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象空間と、
前記対象空間内に設置された、オゾンガスを発生可能な複数のオゾンガス発生装置と、
前記対象空間内に設置された、オゾンガス濃度を測定可能な複数のオゾンガス濃度測定センサーと、
前記オゾンガス発生装置に内蔵された複数のオゾンガス排出ファンと、
前記オゾンガス発生装置に設けられた複数のオゾンガス排出口と、
前記オゾンガス発生装置を制御する制御部と、
複数の前記オゾンガス発生装置及び複数の前記オゾンガス濃度測定センサーを無線ネットワーク通信により接続し、オゾンガス濃度測定センサーが測定したオゾンガス濃度をオゾンガス発生装置へフィードバックさせることにより、対象空間内のオゾンガス濃度が目標濃度となるようにオゾンガスの発生を制御するオゾンガス発生システムであって、
前記オゾンガス濃度測定センサーが測定したオゾンガス濃度値に応じて、前記オゾンガス測定センサーに対応付けられた前記オゾンガス発生装置のオゾンガス排出ファンの風量を制御する
ことを特徴とするオゾンガス発生システム。
【請求項2】
1つまたは複数の前記オゾンガス排出ファンからのオゾンガス排出方向は、1つまたは複数の前記オゾンガス発生装置に対応付けられたオゾンガス濃度測定センサーの方向である
ことを特徴とする請求項1記載のオゾンガス発生システム。
【請求項3】
1つまたは複数の前記オゾンガス濃度測定センサーが測定したオゾンガス濃度値が低い場合、前記オゾンガス濃度測定センサーに対応付けられた前記オゾンガス発生装置の1つまたは複数のオゾンガス排出ファンの風量を上げる
ことを特徴とする請求項1又は2記載のオゾンガス発生システム。
【請求項4】
複数の前記オゾンガス濃度測定センサーが測定したオゾンガス濃度値が低い場合、最も低いオゾンガス濃度を測定した前記オゾンガス濃度測定センサーに対応付けられた前記オゾンガス発生装置のオゾンガス排出ファンの風量を最も上げる
ことを特徴とする請求項1または2記載のオゾンガス発生システム。
【請求項5】
前記オゾンガス発生装置に設けられた複数のオゾンガス排出ファンに、それぞれ対応付けられたオゾンガス濃度測定センサーが測定したオゾンガス測定濃度が下限値以下のものについては、測定したオゾンガス濃度が低いものに対応付けられたオゾンガス排出ファンで、測定された濃度値の低い順にオゾンガス排出センサーの風量を上げるように制御することを特徴とする請求項1または2に記載のオゾンガス発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象空間に浮遊する病原菌あるいはウイルス等を、除菌あるいは不活性化するオゾンガスを発生させるオゾンガス発生システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、オゾン発生器を備えた複数のオゾン殺菌装置本体と、オゾン濃度を監視するオゾンセンサと、オゾンセンサで検知されたオゾン濃度に基づいて、オゾン発生器やファンの稼働を制御するコントローラと、を備えたオゾン殺菌装置であって、送出側風向調整板をさらに備え、コントローラがオゾン濃度の薄い方向にオゾンを送出するよう送出側風向調整板を制御する殺菌装置が提案されている。これにより、空間内のオゾン濃度のばらつきを解消しようとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、特許文献1のものは、具体的にどのように風向調整板を制御するのか記載されていないため不明であるが、少なくとも風向調整板を稼働させるモータのような駆動源が必要であるし、自動的にオゾン濃度の薄い方向に風向調整板を向けるようにする(方向を向いた位置で止める)には、複雑なプログラミングが必要であり、大変面倒である。
【0005】
本発明は、かかる不都合を解決することを目的とするものであり、対象空間内のオゾンガス濃度を、設定された目標オゾンガス濃度にすることが可能なオゾンガス発生システムであって、簡素な手段で対象空間内のオゾンガス濃度のばらつきを少なくするオゾンガス発生システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前記不都合を解決するものである。本発明は、対象空間と、前記対象空間内に設置されたオゾンガスを発生可能な複数のオゾンガス発生装置と、前記対象空間内に設置されたオゾンガス濃度を測定可能な複数のオゾンガス濃度測定センサーと、前記オゾンガス発生装置に設けられた複数のオゾンガス排出ファンと、前記オゾンガス発生装置に設けられた複数の排出口と、前記オゾンガス発生装置を制御する制御部と、複数の前記オゾンガス発生装置及び複数の前記オゾンガス濃度測定センサーを無線ネットワーク通信により接続し、前記オゾンガス濃度測定センサーが測定したオゾンガス濃度を前記オゾンガス発生装置へフィードバックさせることにより、対象空間内のオゾンガス濃度が目標濃度となるようにオゾンガスの発生を制御するオゾンガス発生システムであって、前記オゾンガス排出ファンに対応付けられた前記オゾンガス濃度測定センサーが測定したオゾンガス濃度値に従って、前記複数のオゾンガス排出ファンの風量を制御することを特徴とするオゾンガス発生システム、である。
【0007】
対象空間内が25平方メートルで高さが2m(25平方メートル×2m=50立方メートル程度)のオフィスルームである場合、除菌中のオゾン濃度を消毒期間にわたって一定に維持することが困難であった。また、部屋の四隅、天井と床、オゾンガス発生器の近辺とその遠方など、除菌を行う部屋の中の位置に応じて、オゾンガスの濃度にばらつきが生じるという問題があったが、複数のオゾンガス排出ファンに対応付けられたオゾンガス濃度測定センサーが測定したオゾンガス濃度値に従って、前記複数のオゾンガス排出ファンの風量を制御することによって、対象空間内のオゾンガス濃度のばらつきをなくすことが可能になる。
【0008】
ここで、「対応付けられた」とは、1つのオゾンガス排出ファンと1つのオゾンガス濃度測定センサーとが、1対1の関係にあることを意味する。「オゾンガス排出ファン」とは、公知の電動ファンのことである。
【0009】
さらに本発明では、1つまたは複数のオゾンガス排出ファンの排出方向は、対応付けられたオゾンガス濃度測定センサーの方向であるオゾンガス発生システムである。
【0010】
オゾンガス排出ファンのオゾンガス排出方向が、対応付けられたオゾンガス測定センサーの方向なので、オゾンガス濃度測定センサーの測定したオゾンガス濃度値をオゾンガス排出ファンの風量の制御のために正確にオゾンガス発生装置にフィードバックできる。
【0011】
さらに本発明では、1つまたは複数のオゾンガス濃度測定センサーが測定したオゾンガス濃度値が低い場合、対応付けられた1つまたは複数のオゾンガス排出ファンの風量を上げるように制御するオゾンガス発生システムである。
【0012】
オゾンガス濃度が低い(薄い)箇所(低いオゾンガス濃度値を検出したオゾンガス濃度測定センサー)に対して、対応付けられたオゾンガス排出ファンの風量を上げるので、オゾンガス濃度が低い箇所のオゾンガス濃度を上げることができる。
【0013】
さらに本発明では、複数のオゾンガス濃度測定センサーが測定した濃度値が低い場合、最も低いオゾンガス濃度値を測定したオゾンガス測定センサーに対応付けられたオゾンガス排出ファンの風量を最も上げるように制御するオゾンガス発生システムである。
【0014】
オゾンガス濃度が最も低い(薄い)箇所(最も低いオゾンガス濃度値を検出したオゾンガス濃度測定センサー)に対して、対応付けられたオゾンガス排出ファンの風量を最も上げるので、オゾンガス濃度が最も低い箇所のオゾンガス濃度を最も上げることができる。
【0015】
さらに本発明では、複数のオゾンガス濃度測定センサーが測定したオゾンガス測定濃度が下限値以下のものについては、測定したオゾンガス濃度が低いものに対応付けられたオゾンガス排出ファンで、測定された濃度値の低い順にオゾンガス排出ファンの風量を上げるように制御するオゾンガス発生システムである。
【0016】
オゾンガス濃度が最も低い(薄い)箇所(最も低いオゾンガス濃度値を検出したオゾンガス濃度測定センサー)から、対応付けられたオゾンガス排出ファンの風量を順に上げるので、オゾンガス濃度を素早く均一化することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明のオゾンガス発生システムによれば、前述したように、対象空間内のオゾンガス濃度を、設定された目標オゾンガス濃度にすることが可能なオゾンガス発生システムであって、簡素な手段で対象空間内のオゾンガス濃度のばらつきを少なくすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明のオゾンガス発生システムの対象空間への適用を示す実施例を説明するための図である。
【
図2】本発明のオゾンガス発生装置の実施例の概要を示す図である。
【
図3】本発明のオゾンガス発生装置の実施例の内部の概要を示す図である。
【
図4】本発明のオゾンガス発生システムの実施例のフィードバック制御のための構成を説明するための図である。
【
図5】本発明のオゾンガス濃度測定センサーの実施例の概要を示す図である。
【
図6】本発明のオゾンガス発生システムのグルーピングの実施例を示す図である。
【
図7】本発明のオゾンガス発生システムの制御処理を示すフローチャートの実施例を示す図である。
【
図8】本発明のオゾンガス発生装置の複数のオゾンガス排出ファンの制御の実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明のオゾンガス発生システムの対象空間15への適用を、
図1を用いて説明する。例えば、オフィスビルの会議室(以下「室内15」という)を例に挙げると、中央に机、4つの椅子、4つの壁面の各下部に商用電源であるAC100ボルトの各2つのコンセント、四隅に4台のオゾン発生装置1、壁面の各下部の中央に4つのオゾンガス濃度測定センサー2がそれぞれ設置される。4台のオゾンガス発生装置1毎にグルーピングされた4つのオゾンガス濃度測定センサー2から測定されたオゾンガス濃度値は、無線ネットワーク通信により、4台のグルーピングされたオゾンガス発生装置1にフィードバックされ、4台のオゾンガス発生装置1に内蔵された、オゾンガス濃度測定センサー2に対応付けられたオゾンガス排出ファン7によって、測定された濃度値に応じてオゾンガス排出ファン7の風量を制御する。これらが本発明のオゾンガス発生システムの一実施形態の概要である。
【0020】
図2に示すオゾンガス発生装置1の基本構成は、外形は箱状であり、側面部に室内の空気を吸入するための複数の細孔からなる吸入口11が設けられ、室内15にいるユーザーから見える位置の側面部には、後述する各種のモードを設定するモードボタン10やエラーランプ9、各種モードの強・中・弱が表示されるモードランプ10が設けられている。
【0021】
天板にはオゾンガス発生器4から生じたオゾンガスの排出口12が4つ設けられており、ダクト状で斜め上を向いている。オゾンガスは排出口12の向いている方向に排出される。排出口12は可動であり、ユーザーが手動で、オゾンガス排出ファン7に対応付けられたオゾンガス濃度測定センサー2の方向に向ける。
【0022】
図3を見ると、内部には、オゾンガス発生器4が1台設けられており、その上部に4台のオゾンガス排出ファン7が4つの排出口12の位置に対応して設けられている。各オゾンガス排出ファン7は、それぞれ天板の内面に取り付けられている。
【0023】
オゾンガス発生装置1の基本的な構成は、前述したように装置本体と電源コード付きACアダプタとオゾンガス発生器4と4つのオゾンガス排出ファン7と4つのオゾンガスの排出口12と吸入口11及びマイクロコンピューターボード14等である。
【0024】
オゾンガス発生装置1の基本的な構成は前述したとおりであるが、より具体的には、マイクロコンピューターボード14内には、
図4に示す通り、CPU(Central Processing Unit)3aとオゾンガス発生器4からなるオゾンガス発生モジュール、送受信型無線モジュール5a、4つのファン7a、7b、7c、7dのオンオフ制御を行うCPU3bを備えている。これら2つのCPUが「特許請求の範囲」でいう「制御部」に相当する。以下、これら2つのCPUを「制御部3」という。
【0025】
また、
図4及び5に示すように、オゾンガス濃度測定センサー2は、複数の細孔からなる吸気口・排気口がセンサー本体の側面部にそれぞれ設けられている。また他の側面部には、オゾンガス濃度表示器が設けられている。センサー本体の内部には、回路からなるセンサーモジュール6と、送受信型無線モジュール5bを備えている。
【0026】
これらの構成により、オゾンガス濃度測定センサー2が測定したオゾンガス濃度値がオゾンガス発生装置1にフィードバックされ、オゾンガス発生器4やオゾンガス排出ファン7がオンオフ制御される。
【0027】
「グルーピング」とは、各オゾンガス発生装置1においてフィードバック制御を行うオゾンガス濃度測定センサー2を「関係」づけることである。具体的には、1台のオゾンガス発生装置1に、複数のオゾンガス濃度測定センサー2をグルーピングする。1台のオゾンガス発生装置1にオゾンガス発生器4は1つのみ設けられているので、オゾンガス発生器4には、上述した複数のオゾンガス濃度測定センサー2がグルーピングされる。
【0028】
また、2台以上のオゾンガス発生装置1に、ある1つのオゾンガス濃度測定センサー2を共有してグルーピングしてもよい。
【0029】
より具体的には、
図6が示す例でいえば、オゾンガス発生装置1aと2a及び2dのオゾンガス濃度測定センサーをグルーピングし、さらにオゾンガス発生装置1bに2a及び2bのオゾンガス濃度測定装置をグルーピングしてもよい。このようにして、オゾンガス発生装置1及びオゾンガス濃度測定センサー2を配置して、グルーピングすればよい。
【0030】
まず、
図1のオゾンガス発生システムの配置から、
図7に示すフローチャートをもとに、実際に運転させる場合について説明する。4台のオゾンガス発生装置1は、電源はAC100V電源に接続し使用する。オゾンガス濃度測定センサー2も電源はAC100V電源に接続し使用する。
【0031】
本発明のオゾンガス発生システムは、ネットワークを介して複数のオゾンガス発生装置1や複数のオゾンガス濃度測定センサー2を運転させるため、他のネットワークと干渉させないように、複数のオゾンガス発生装置1や複数のオゾンガス濃度測定センサー2にすべて同じネットワークID(アイデンティフィケーション、識別子)を使用する。ネットワーク内のオゾンガス発生装置1の内、1台を親機とする。使用前に複数のオゾンガス発生装置1や複数のオゾンガス濃度測定センサー2を、サービスマンが手動で公知のペアリング、つまりネットワーク参加作業を行う。
【0032】
次に、複数のオゾンガス発生装置1や複数のオゾンガス濃度測定センサー2のグルーピングを行う。例えば、
図6に示す例でいえば、オゾンガス発生装置1aとオゾンガス濃度測定センサー2a、2dとを関係づける。このグルーピングによって、オゾンガス発生装置1aに、オゾンガス濃度測定センサー2a、2dからの測定オゾンガス濃度値がフィードバックされる。フィードバックされたオゾンガス濃度値をもとに、制御部3からの指示により、オゾンガス発生器4と、オゾンガス濃度測定センサー2a、2dに対応付けられた2つのファン7が制御される。具体的には、オゾンガス発生装置1aとオゾンガス濃度測定センサー2a、2dとを関係づけた場合、2aからの測定濃度値が正常範囲内(0.1ppm未満)であっても、2dからの測定濃度が正常範囲を超えていた場合(0.1ppm以上)、正常範囲を超えていた測定オゾンガス濃度値をもとに、オゾンガス発生器4と2つのオゾン外排出ファン7の動作を停止させる。このようにすることによって、きめ細やかなオゾンガス濃度の調整ができ、人体への悪影響を防止することができる。
【0033】
グルーピングの設定について、以下に述べる。
各オゾンガス濃度測定センサー2の操作部(図示なし)にてアドレス設定ボタンにより数字でアドレスを設定し、オゾンガス発生装置1の操作部(図示なし)にて、各オゾンガス発生装置1に関係付けるオゾンガス濃度測定センサー2のアドレスを登録する。これにより、グルーピングが完成する。
【0034】
オゾンガス発生システムが通電状態になれば、オゾンガス発生装置1に設けられた弱・中・強・停止モードを切り替えるモードボタン8で切り替える。停止モードにすれば、オゾンガス発生器4とオゾンガス排出ファン7が停止する。弱・中・強のいずれかを選択すると選択されたモードでオゾンガス発生装置1が自動運転を開始する。弱モードは、目標オゾンガス濃度が、0.02ppmから0.04ppmに設定されている。中モードは、同じく0.03ppmから0.05ppmに設定されている。強モードは、同じく0.04ppmから0.06ppmに設定されている。各オゾンガス発生装置1は、グルーピングされた各オゾンガス濃度測定センサー2からオゾンガス濃度値を読み出す。
【0035】
オゾンガス発生装置1は、グルーピングされたいずれかのオゾンガス濃度測定センサー2との通信がタイムアウトするか、グルーピングされたいずれかのオゾンガス濃度測定センサー2からの濃度値が、0.1ppm以上の値を示した場合、オゾンガス発生器4と4つのオゾンガス排出ファン7が停止して、側面部のエラーランプ9が点灯する。
【0036】
オゾンガス発生システムを再開させる場合、ユーザーはモードボタン8を操作し一度停止モードに設定する。そして再度モードボタン8を操作することにより、弱・中・強のいずれかのモードに設定するとエラーランプ9が消灯し、設定されたモードで運転が再開される。再開されると自動運転となる。
【0037】
グルーピングされたいずれかのオゾンガス濃度測定センサー2との通信のタイムアウトもなく、グルーピングされたいずれものオゾンガス濃度測定センサー2からの測定濃度値が0.1ppm未満の値を示している場合、再度グルーピングされた各オゾンガス濃度測定センサー2の測定した濃度が各モードの下限値以下、具体的には弱モードの場合は0.02ppm以下、中モードの場合は0.03ppm以下、強モードの場合は0.04ppm以下、であればオゾンガス発生器4が運転を開始しオゾンガスが発生し、4つのファン7も運転を開始し、発生したオゾンガスが空間内に拡散する。
【0038】
逆に、再度グルーピングされたすべてのオゾンガス濃度測定センサー2の測定したオゾンガス濃度値が各モードの上限値以上、具体的には弱モードの場合は0.04ppm以上、中モードの場合は0.05ppm以上、強モードの場合は0.06ppm以上、であればオゾンガス発生器4が運転を停止し、すべてのオゾンガス排出ファン7も運転を停止する。
【0039】
例えば、オゾンガス発生装置1aとオゾンガス濃度測定センサー2a、2dとを関係づけるグルーピングによって、オゾンガス発生装置1aに、オゾンガス濃度測定センサー2a、2dからの測定オゾンガス濃度値がフィードバックされる場合であって、強モードの場合、いずれのオゾンガス濃度測定センサー2からも送信されるオゾンガス濃度値が0.03ppmであればオゾンガス発生器4が運転を開始し、それらのオゾンガス濃度測定センサーに対応付けられた2つのオゾンガス排出ファン7も運転を開始する。
【0040】
また、例えば、オゾンガス濃度測定センサー2a、2dからのオゾンガス濃度値がフィードバックされる場合であって、強モードの場合、オゾンガス濃度測定センサー2aからのオゾンガス濃度値が0.03ppm、オゾンガス濃度測定センサー2dからのオゾンガス濃度値が0.07ppmであればオゾンガス発生器4は運転を継続するが、オゾンガス濃度測定センサー2dに対応付けられたオゾンガス排出ファン7が運転を停止する。この場合、オゾンガス濃度測定センサー2aに対応付けられたオゾンガス排出ファン7は運転を継続する。
【0041】
つまり、目標オゾンガス濃度を保つために、ネットワークを介しての無線通信処理により、オゾンガス発生装置1にグルーピングされた複数のオゾンガス濃度測定センサー2から測定されたオゾンガス濃度を集め、各オゾンガス発生装置1に設定された各モード(弱・中・強)に応じてオゾンガス濃度の上下限の閾値がセットされる。各オゾンガス発生装置1はグルーピングされたオゾンガス濃度測定センサー2からの測定濃度値がすべて下限値以下であれば、オゾンガス発生器4からオゾンガスを発生し、オゾンガス排出ファン7が運転する。オゾンガス濃度測定センサーが測定した濃度値が1つでも上限値以上であれば、オゾンガス発生器4は運転を継続するが、上限値以上の濃度値を測定したオゾンガス濃度測定センサーと対応付けられたオゾンガス排出ファン7は停止する。この繰り返しを行う。
【0042】
また、グルーピングされたオゾンガス濃度測定センサー2のいずれかが、オゾンガス濃度0.1ppmを超えた場合、グルーピング内のオゾンガス発生装置1はエラーとして停止する。オゾンガス発生装置1は、そのグルーピングされたオゾンガス濃度センサー2のいずれかとの通信がタイムアウトした場合、エラーとして停止する。オゾンガス発生装置1がエラーとして停止した場合、ユーザーがモードボタン10を操作しない限り、エラーは解除されない。
【0043】
例えば、オゾンガス発生装置1a、1bが、オゾンガス濃度測定センサー2a、2dとそれぞれ対応付けられている場合、オゾンガス濃度測定センサー2aのみ通信がタイムアウトした場合、オゾンガス濃度測定センサー2aは、グルーピングでオゾンガス発生装置1a、1bが共有しているから、オゾンガス発生装置1a、1bが両方エラーとして停止する。
【0044】
次に、オゾンガス発生システムのオゾンガス排出ファン7の制御について説明する。オゾンガス発生システムが、例えば弱モードで運転される場合、オゾンガス発生装置1が関係付けられたある1つのオゾンガス濃度測定センサーが下限値以下の低い濃度(0.02ppm以下)を測定した場合、対応付けられたオゾンガス排出ファン7からの風量を上げるように制御される。例えば、弱モードでオゾンガス発生システムが運転している場合、
図6に示す、あるオゾンガス濃度測定センサー2が下限値以下の0.01ppm以下であることを検出し、オゾンガス発生装置1にフィードバックされた場合、そのオゾンガス濃度測定センサー2に対応付けられたオゾンガス排出ファン7の風量を上げるように制御する。
【0045】
具体的にオゾンガス排出ファン7の制御は、オゾンガス排出ファン7のモータのオンオフのスイッチング(パルス出力の変更)により電力を制御する。スイッチングのオンとオフの繰り返しを行い、出力される電力を制御する。風量を上げる場合は、オンの比率を上げる。モータの回転には慣性力が働くから、それにより、モータが高速で回転しファンも高速で回転するから、風量を上げる(風量を増す)ことができる。
【0046】
また、オゾンガス発生装置1に関係付けられたオゾンガス濃度測定センサー2は複数あるが、2つのオゾンガス濃度測定センサー2が下限値の0.02ppm以下であることを検出し、オゾンガス発生装置1にフィードバックされた場合、最も低いオゾンガス濃度を測定した、そのオゾンガス濃度測定センサー2に対応付けられたオゾンガス排出ファン7の風量を最も上げる(風量を最も増す)ように制御する。
【0047】
そのとき、各オゾンガス排出ファン7がダクト状の排出口12の下に位置しているため、排出口12の向いているオゾンガス濃度測定センサー2の方向に向かって、オゾンガス発生器4によって発生したオゾンガスが排出される。したがって、オゾンガス濃度値が正確にオゾンガス発生装置にフィードバックされるため、オゾンガス濃度値に応じたオゾンガス排出ファン7の風量制御が可能となる。
【0048】
さらに、オゾンガス発生装置1に関係付けられたオゾンガス濃度測定センサー2が複数あり、その内2つのオゾンガス濃度測定センサー2がそれぞれ、0.01ppmと0.02ppmであることを検出し、オゾンガス発生装置1にフィードバックされた場合、0.01ppmを検出したオゾンガス濃度測定センサー2と対応付けられたオゾンガス排出ファン7から風量を上げるように制御される。つまり、複数のオゾンガス濃度測定センサー2がそのモードのオゾンガス濃度値の下限値以下を検出した場合、検出されたオゾンガス濃度が低い順に、そのオゾンガス濃度値を測定したオゾンガス濃度測定センサー2と対応付けられたオゾンガス排出ファン7の風量を上げるように制御される。これにより、空間内のオゾンガス濃度が早く均一となる。
【0049】
また、
図8に示すように、さらに具体的な例で説明する。オゾンガス発生装置1には先述したように、1つのオゾンガス発生器4と4つのオゾンガス排出ファン7及び4つのオゾンガスの排出口12が備えられている。そして4つのオゾンガス濃度測定センサー2がオゾンガス発生器4と関係付けられ、4つのオゾンガス排出ファン7が1対1の関係でそれぞれオゾンガス濃度測定センサー2と対応付けられている。オゾンガスの排出口12は、排出口12の直下にあるオゾンガス排出ファン7と対応付けられているオゾンガス濃度測定センサー2の方向を向いているから、オゾンガス発生器4から発生したオゾンガスは、オゾンガス排出ファン7によって、その対応付けられたオゾンガス濃度測定センサー2の方向に排出される。
【0050】
そこで、オゾンガス発生システムが弱モードで運転している場合、オゾンガス濃度測定センサー2eが0.00ppm、2fが0.01ppm、2gが0.05ppm、2hが0.03ppmを検出したとすると、それぞれのオゾンガス濃度測定センサーに対応付けられたオゾンガス排出ファン7が、検出されたオゾンガス濃度値に従って制御される。
【0051】
オゾンガス濃度測定センサー2eが0.00ppm、2fが0.01ppm、2gが0.05ppm、2hが0.03ppmを検出しているから、オゾンガス濃度測定センサー2eに対応するオゾンガス排出ファン7qは風量を最も上げるように制御され、オゾンガスの量も最も増大する。7rは風量が増大するよう制御されるが、風量は7qよりも少ない。7sは対応するオゾンガス濃度センサー2gが弱モードの上限値を超えている濃度値を測定しているため、停止する。7tは、オゾン発生器4の出力を制御しない場合、発生するオゾンガスの量は同じなので、なるべく7rからのオゾンガス排出量を確保するため、風量を小さくするように制御する。
【0052】
また、オゾンガス濃度測定センサー2eと2fがそれぞれ0.00ppm、0.01ppmと弱モードの下限値以下の濃度値を測定しているため、対応付けられるオゾンガス排出ファン7qと7rは順に風量を制御される。具体的には、一番低いオゾンガス濃度を測定したオゾンガス濃度測定センサー2eに対応付けられたオゾンガス排出ファン7qを、最初に風量を上げるように制御し、次にオゾンガス濃度測定センサー2fと対応付けられたオゾンガス排出ファン7rの風量を上げるように制御する。
【0053】
この場合、下限値ではないが0.03ppmを検出したオゾンガス濃度測定センサー2hに対応付けられたオゾンガス排出ファン7tの風量を下げる制御と、上限値を超える0.05ppmを検出したオゾンガス濃度測定センサー2gに対応付けられたオゾンガス排出ファン7sを止める制御を、オゾンガス排出ファン7qと7rの制御の前に行っておくことが好ましい。そうすることにより、先にオゾンガス量を必要としないかあまり必要としない箇所への風量を止めるあるいは下げることにより、オゾンガス量を必要とする箇所へのオゾンガス量を十分確保することができる。
【0054】
(その他の実施形態)
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0055】
1、1a~1d オゾンガス発生装置
2、2a~2h オゾンガス濃度測定センサー
3 制御部
3a、3b CPU
4 オゾンガス発生器
5、5a、5b 送受信無線モジュール
6 センサーモジュール
7 7q~7t オゾンガス排出ファン
8 モードボタン
9 エラーランプ
10 モードランプ
11 吸入口(オゾン発生装置)
12 排出口(オゾン発生装置)
14 マイクロコンピューターボード
15 対象空間(室内)