(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077904
(43)【公開日】2024-06-10
(54)【発明の名称】情報処理端末装置および情報処理システム
(51)【国際特許分類】
A61B 5/00 20060101AFI20240603BHJP
【FI】
A61B5/00 102A
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022190135
(22)【出願日】2022-11-29
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-09-07
(71)【出願人】
【識別番号】518185772
【氏名又は名称】ロステーカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100185270
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 貴史
(74)【代理人】
【識別番号】100225347
【弁理士】
【氏名又は名称】鬼澤 正徳
(72)【発明者】
【氏名】鵜澤 安寿
(72)【発明者】
【氏名】池田 智子
(72)【発明者】
【氏名】赤堀 賢一
(72)【発明者】
【氏名】池上 清一
【テーマコード(参考)】
4C117
【Fターム(参考)】
4C117XA03
4C117XB02
4C117XC04
4C117XC11
4C117XE02
4C117XE23
4C117XE26
4C117XE27
4C117XE30
4C117XE53
4C117XG12
4C117XG34
4C117XH16
4C117XJ45
4C117XR02
(57)【要約】
【課題】 本開示により、排泄物などの対応に関する介護者の負担を軽減し、要介護者の生活行動パターンを予測することができる情報処理端末装置および情報処理システムを提供することである。
【解決手段】 本開示の一実施の形態における情報処理端末装置110は、記憶部112と、通信部113と、センサ部116とを備える排泄物を検知する情報処理端末装置110である。またセンサ部116は、湿度計測手段と、位置情報計測手段とを備え、かつ、情報処理端末装置110の空間における位置情報を把握する。記憶部112は、センサ部116で検知した排泄物および位置情報に関する情報が記憶され、通信部113は、記憶部112に記憶されている排泄物および位置情報に関する情報を送信する情報処理端末装置である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と、通信部と、センサ部とを備え、排泄物を検知する情報処理端末装置であって、
前記センサ部は、湿度計測手段と、位置情報計測手段とを備え、かつ、情報処理端末装置の空間における位置情報を把握し、
前記記憶部は、前記センサ部で検知した前記排泄物および前記位置情報に関する情報が記憶され、
前記通信部は、前記記憶部に記憶されている前記排泄物および前記位置情報に関する情報を送信する情報処理端末装置。
【請求項2】
前記センサ部は、前記湿度計測手段として温湿度計を備え、
前記位置情報計測手段として、3軸加速度計と、3軸ジャイロスコープと、大気圧計とを備える請求項1に記載の情報処理端末装置。
【請求項3】
前記通信部は、干渉を避けるために複数の変調方式と、複数の周波数と、キャリアセンスの仕組みを備える請求項1または請求項2に記載の情報処理端末装置。
【請求項4】
排泄物を吸収する吸収剤を含むおむつに装着された情報処理端末装置と、
1または複数の情報処理端末装置から排泄物および位置情報に関する情報を受信する情報処理装置とからなる情報処理システムであって、
前記情報処理端末装置は、記憶部と、通信部と、センサ部とを備え、排泄物を検知し、
前記センサ部は、湿度計測手段と、位置情報計測手段とを備え、かつ、情報処理端末装置の空間における位置情報を把握し、
前記記憶部は、前記センサ部で検知した前記排泄物および前記位置情報に関する情報を保持し、
前記通信部は、前記記憶部が保持した前記排泄物および前記位置情報に関する情報を送信し、
前記情報処理装置は、受信した排泄物および位置情報に関する情報を表示部に表示させる情報処理システム。
【請求項5】
さらにトイレットペーパーの芯に情報処理端末装置を備えた請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
受信した排泄物および位置情報に関する情報を学習し、要介護者の生活行動パターンを予測する請求項4または請求項5に記載の情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理端末装置および情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来からおむつにセンサを取り付け、要介護者が用を足したことを知らせる技術は知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、「吸収性物品を着用する着用者に装着される無線識別装置と、前記着用者を介護する介護者が用いる、前記無線識別装置の電波を検知すると、前記着用者の介護に関する情報を出力する介護者用端末と、を備える、情報処理システム。」と記載されている。
しかし、特許文献1は、要介護者のいる場所(位置)や姿勢を検出するものではない。また、要介護者の転倒を検出するものでもない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一実施形態である情報処理端末装置は、記憶部と、通信部と、センサ部とを備え、排泄物を検知する情報処理端末装置であって、前記センサ部は、湿度計測手段と、位置情報計測手段とを備え、かつ、情報処理端末装置の空間における位置情報を把握し、前記記憶部は、前記センサ部で検知した前記排泄物および前記位置情報に関する情報が記憶され、前記通信部は、前記記憶部が保持した前記排泄物および前記位置情報に関する情報を送信する情報処理端末装置である。
【発明の効果】
【0006】
本開示の一実施形態である情報処理端末装置および情報処理システムによれば、排泄物などの対応に関する介護者の負担を軽減し、要介護者の生活行動パターンを予測することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本開示の一実施形態における情報処理システム1の機能構成図である。
【
図2】本開示の一実施形態における情報処理システム1の構成図である。
【
図3】本開示の一実施形態における情報処理装置100のブロック図である。
【
図4】本開示の一実施形態における情報処理端末装置110のブロック図である。
【
図5】本開示の一実施形態における情報処理端末装置110の通信部103のブロック図である。
【
図6】本開示の一実施形態における情報処理端末装置110のセンサ部116のブロック図である。
【
図7】本開示の一実施形態における情報処理端末装置110のデータ構造図である。
【
図8】本開示の一実施形態における情報処理システム1のアラーム構造図である。
【
図9】本開示の一実施形態における情報処理システム1のフローチャート(前半)である。
【
図10】本開示の一実施形態における情報処理システム1のフローチャート(後半)である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示を実施するための形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本開示に係る発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。また、実施の形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0009】
[1.構成]
本開示の一実施形態である情情報処理端末装置110は、記憶部112と、通信部113と、センサ部116とを備え、排泄物を検知する情報処理端末装置110である。また、センサ部116は、湿度計測手段と、位置情報計測手段とを備え、かつ、情報処理端末装置110の空間における位置情報を把握する。また、記憶部112は、センサ部116で検知した排泄物および位置情報に関する情報が記憶され、通信部113は、記憶部112に記憶されている排泄物および位置情報に関する情報を送信する情報処理端末装置である。
【0010】
図1は、本開示の一実施形態における情報処理システムに関する機能構成図である。
本開示にかかる発明である情報処理端末装置を備えたおむつと、情報処理装置と、情報処理端末装置を備えたトイレットペーパーの芯とを備えている。情報処理端末装置を備えたおむつは、センサ部と通信部とバッテリ部などを備え、情報処理端末装置が収集した情報を受信装置に送る。
情報処理装置の通信部は、おむつやトイレットペーパーの芯から送られてくる情報を受信する。
情報処理端末装置を備えたトイレットペーパーの芯は、センサ部と通信部とバッテリ部とを備え、各情報処理端末装置が収集した情報を情報処理装置に送る。
【0011】
図2は、本開示の一実施形態における情報処理システム1の構成図である。
情報処理システム1は、情報処理装置100と、情報処理端末装置110A~110J(おむつ)と、情報処理端末装置120a~120j(トイレットペーパーの芯)と、通信ネットワーク130とを備えている。
なお、情報処理端末装置110A~110Jは、おむつに備え付けられる情報処理端末装置であり、情報処理端末装置120a~120jは、トイレットペーパーの芯に備え付けられる情報処理端末装置であり、原則として、同一の機能を有する。
【0012】
本開示の一実施形態における情報処理端末装置110は、おむつに取り付けることが可能な小型の情報処理端末装置である。
本開示にかかる情報処理端末装置120は、トイレットペーパーの芯に取り付けることが可能な小型の情報処理端末装置である。
【0013】
通信ネットワーク130は、イントラネット、無線LAN、及び4Gや5G携帯電話システムネットワーク等より構成される。
【0014】
図3は、本開示の一実施形態における情報処理装置100のブロックである。
図3に示されているように、情報処理装置100は、制御部101と、記憶部102と、通信部103と、表示部104と、操作部105とを備えている。
情報処理装置100は、一般的なPC装置でもようし、タブレットでもよいし、スマホであってもよい。情報処理装置100の使用場所は、特に限定されず、自宅であってもよいし、介護施設の介護者スタッフルームであってもよい。
【0015】
制御部101は、主にCPUである。制御部101は、情報処理装置100にインストールされたアプリケーション(ソフトウェアプログラム)を実行して、情報処理装置100を統括制御する。
制御部101は、記憶部102に格納された情報を読み込み、読み込んだ情報を表示部104に表示する命令などを行う。
本開示においては、主に情報処理端末装置110などから送られてきたデータの処理、アラームの発報の処理などを行う。
【0016】
記憶部102は、表示部104に表示する文字情報、画像情報、動画情報等のデータを格納する。記憶部102には、一時記憶としてメモリがあり、永久記憶としてHDDやSSDがある。
メモリは、制御部101が処理を行う際のワークエリアとして機能するものである。メモリは、例えば、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)及び静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)などである。
【0017】
通信部103は、情報処理装置100が情報処理装置100の外部と情報のやり取りを行うものである。具体的には、通信部103は、LPWA(LowPowerWideArea)、無線LAN等で情報処理装置100の外部と接続される。
通信部103は、主に情報処理端末装置110から送信された情報を受信するために使用される。通信部103は、複数の周波数を使用するため、それぞれの周波数に対応するアンテナを備えている。通信部103は、FSK変調方式、またはLoRa変調方式をデコードする。
【0018】
表示部104は、記憶部102に格納されたテキストデータ、画像データ、動画データを出力する。表示部104は、ディスプレイ等である。
本開示においては、主に情報処理端末装置110から送信された情報に基づいて、おむつ交換の有無、要介護者の位置情報、アラーム発報の確認などに用いられる。
【0019】
操作部105は、情報の入出力のための操作である。具体的には、キーボードや、マウスや、タッチパネルなどである。
【0020】
図4は、本開示の一実施の形態における情報処理端末装置110のブロック構成図である。情報処理端末装置110は、制御部111と、記憶部112と、通信部113と、表示部114と、操作部115と、センサ部116と、バッテリ部117とを備えている。
情報処理端末装置110は、おむつに取り付けることが可能な小型の情報処理端末装置である。具体的には、おむつ内部にポケットを設けて、ポケットの中に入れる。または、排泄物を吸収する吸収体を張り付け、所定の位置に装着される。
【0021】
制御部111は、主にCPUである。制御部111は、情報処理端末装置110にインストールされたアプリケーション(ソフトウェアプログラム)を実行して、情報処理端末装置110を統括制御する。
【0022】
記憶部112は、表示部114に表示する文字情報、画像情報、動画情報等のデータを格納する。記憶部112には、一時記憶としてメモリがあり、永久記憶としてHDDや王サブSSDがある。
メモリは、制御部111が処理を行う際のワークエリアとして機能するものである。メモリは、例えば、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)及び静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)などである。
【0023】
通信部113は、情報処理端末装置110が情報処理端末装置110の外部と情報のやり取りを行うものである。具体的には、通信部113は、LPWA(LowPowerWideArea)、無線LANなどで情報処理端末装置110の外部と接続される。
通信部113は、主に情報処理端末装置110から情報を送信するために使用される。通信部113は、複数の周波数を使用するため、それぞれの周波数に対応するアンテナを備えている。
【0024】
表示部114は、記憶部112に格納された操作情報、テキストデータ、画像データなどを出力する。表示部114は、液晶ディスプレイ等である。
【0025】
操作部115は、情報処理端末装置110に対する情報の入出力のための操作である。具体的には、物理的なボタンスイッチや液晶ディスプレイに表示されたアイコンなどである。
【0026】
センサ部116は、排泄物の情報を検知するための温湿度計と、位置情報を取得するための3軸加速度計と、3軸ジャイロスコープと、および大気圧計とを備えている。
温湿度計と、3軸加速度計と、3軸ジャイロスコープと、および大気圧計との計測の順番は、特に限定されない。
計測するタイミングは、1ミリ秒毎でもよいし、1秒毎でもよいし、10秒毎でもよいし、1分毎でもよい。
位置情報は、空間における絶対的な位置でもよいし、初期状態の位置から移動した相対的な位置でもよい。
【0027】
バッテリ部117は、情報処理端末装置110を駆動するための電力源である。バッテリ部117は、具体的には、ボタン電池などである。
なお、外部からUSBケーブルなどで充電してもよい。
【0028】
図5は、本開示の一実施の形態における通信部103と通信部113の概念を示した構成図である。
通信部103と通信部113は、FSK(FrequencyShiftKeying)変調方式とLoRa(LongRange)変調方式を備えている。電波環境によりFSKとLoRaを使い分けることが可能である。
なお、LoRaは、チャープスペクトラム拡散と呼ばれる独自の変調方式を採用することで、低消費電力ながら長い距離を通信することが可能なIoT(InternetofThings)向けの省電力広域無線通信(LPWA:LowPowerWideArea)の技術規格の一つ通信規格である。
【0029】
通信部103と通信部113は、900MHz帯の周波数と400MHz帯の周波数を備えている。電波環境により900MHz帯の周波数と400MHz帯の周波数を使い分けることが可能である。
【0030】
キャリアセンスとは、データ送信を開始する前に他の無線局がデータ送信を開始しようとする無線リソースを使用していないか確認し、他無線機が同じ無線リソースを使用中であれば、同一周波数での送信を行わないことで干渉を回避する仕組みである。
【0031】
本開示では、900MHz帯の周波数または400MHz帯の周波数のいずれか一方の周波数帯域内において、キャリアセンスを行う。
FSK変調方式の場合には、データ送信をしようとする無線リソースが他の無線局によって使用されている場合には、他の周波数の無線リソースを使用するように移動する。一方、LoRa通信方式には、広帯域のためFSK変調方式に移行する。
【0032】
図6は、本開示の一実施の形態におけるセンサ部116の概念を示した構成図である。
センサ部116は、湿度計測手段、および位置情報計測手段を備えている。
湿度計測手段は、温湿度計116Aを備えている。また、位置情報計測手段は、3軸加速度計116Bと、3軸ジャイロスコープ116Cと、大気圧計116Dとを備えている。
【0033】
温湿度計116Aは、温湿度計の周辺の温度と湿度を計測するものである。情報処理端末装置110は、おむつの内側に設置されているため、排泄物がおむつ内にある場合と、排泄物がおむつ内にない場合とでは、おむつ内の温度および湿度は、大きく異なる。
一般的に、排泄物が出された直後は、おむつ内の温度湿度が急激に上昇する。その後、しばらくすると温度が低下するが、湿度は高いままである。
湿度計には、いくつかの方式があるが、半導体など用いた電気式湿度計を採用する。気式湿度計は、公共的な気象観測に用いられる容量性及び抵抗性の高分子膜を用いる。
なお、湿度は相対湿度空気中の水蒸気量の割合を表したものである。
【0034】
3軸加速度計116Bは、X方向、Y方向、およびZ方向の加速度を測定するセンサである。3軸加速度計116Bは、加速度を測定し信号処理をすることでおむつの動き、振動、衝撃を検知することが可能である。
具体的には、3軸加速度計116Bで測定した加速度を処理することによって、ベッドで寝ている状態から立ち上がる状態への変化、トイレに移動する際の動き、転倒してしまった場合の動きなどを検知することが可能である。
【0035】
3軸ジャイロスコープ116Cは、回転方向の検出をすることができるセンサである。3軸ジャイロスコープ116Cは、コリオリの力による信号を同期検波し、X方向、Y方向、およびZ方向の角速度を求めることで回転を検出する。
具体的には、3軸ジャイロスコープ116Cで測定した角速度を処理することによって、転倒時の回転などを検出することが可能である。
【0036】
大気圧計116Dは、高低差を検出するセンサである。具体的には、大気圧計116Dで測定した気圧を処理することによって、トイレで座ったり立ち上がったりする際の動き、転倒してしまった場合の動きなどを検知することが可能である。
また、大気圧により体調や健康状態が変わる場合があるため、大気圧を計測しておく意義がある。
【0037】
情報処理端末装置120は、トイレットペーパーの芯に取り付ける情報処理端末装置である。
要介護者は、おむつをしていてもトイレに行き、用を足す。その際、トイレットペーパーを使用する。トイレットペーパーの芯の回転に起因して、情報処理端末装置120が回転する。どの要介護者(情報処理端末装置110)がトイレに行っているかを検知することできる。
なお、要介護者は自宅にいてよいし、介護施設にいてもよい。
【0038】
図7は、情報処理端末装置110から情報処理装置100へ送信される情報のデータ構造140の一例である。
制御部111は、センサ部116で取得したデータを記憶部112に格納する。データ構造140は、記憶部112部に格納されたデータの構造である。データの形式は、テキスト形式でもcsv形式でも、XML形式でもよい。
データ構造140の最初に情報を検知した時刻が記録される。次にどの情報処理端末装置110の情報なのかを判断するため、情報処理端末装置110に割り当てられた端末IDが記録される。次に温度、および湿度の方法が記録される。次にX方向、Y方向、およびZ方向の加速度が記録される。次にX方向、Y方向、およびZ方向の角速度が記録される。最後に大気圧が記録される。
【0039】
情報処理装置100の通信部103は、情報処理端末装置110の通信部113から送信されたデータを受信する。データの正常性の確認として、CRC16を用いてもよい。データを正常に受信できなかった場合、またはデータを受信できなかった場合には、情報処理装置100は、情報処理端末装置110に対して、データの再送要求をしてもよい。
また、通信部113は、送信データは暗号化してもよい。暗号により個人情報を含むデータを傍受されたり、改ざんされたりすることを排除する。通信部103は、受信する際に、復号する。暗号方式は、例えば、AES128である。
なお、送信データは、圧縮してもよい。
【0040】
通信部103がデータを受信後、制御部101は、データを記憶部102に格納する。
制御部101は、予め決められた移動平均に従って、位置情報を算出する。寝ている状態か、立っている状態か、座っている状態かを判断する。この際、対象者の身長、健康状態(歩行可、車椅子、松葉杖やギプスなど)などを参酌してもよい。
【0041】
情報処理装置100は、記憶部102に格納されたデータを機械学習することが可能である。インターネットを通じて、ディープラーニングなどのAI技術を利用することによって、情報処理端末装置110の生活行動パターンを学習することが可能である。
すなわち、情報処理装置100は、排泄物情報、位置情報、日時などを教師データをとして機械学習することにより、情報処理端末装置110が何時頃に何処で排泄物などをするかを予想することができる。
より具体的には、例えば、介護者は「要介護者が毎日〇〇時〇〇分頃にトイレに行き、用を足す」などの生活行動パターンを把握することができる。
【0042】
情報処理装置100は、アラームを発報してもよい。
例えば、位置情報(X、Y、Z)の処理から移動していない(X、Yの変化が少ない)のに高さ情報(Z)が50cm下がっている場合には、転倒している可能性が考えられる。このような場合には、即座に駆け付ける必要がある。そのため、情報処理装置100は、アラームを発報して、表示部104に表示してもよい。また、アラーム音を発して、情報処理装置100の周辺にいる者へ注意を促してもよい。
なお、おむつの交換時には、情報処理端末装置の電源をOFFにしておいてもよい。
【0043】
温湿度については、一定の温度閾値、および一定の湿度閾値を超えた場合に、おむつ交換時期として、アラームを発報してもよい。例えば、温度閾値として30℃など、湿度閾値として80%などである。
一定の閾値を超えるという条件に変えて、湿度の変化率が所定の数値を超えた場合に、おむつ交換時期として、アラームを発報してもよい。
【0044】
図8は、情報処理装置100が発報するアラームのデータ構造150の一例である。
最初に事象が起きた時刻を表示する。次にどの情報処理端末装置110の情報なのかを判断するため、情報処理端末装置110に割り当てられた端末IDが記録される。
次にアラームの重要度である。すべてのアラームが同じ重要度・緊急度を有するのではない。事象ごとに違う重要度・緊急度なのが普通である。例えば、最重要を転倒、赤色とし、重要をおむつ交換、黄色などにすることが可能である。
【0045】
アラームIDは、アラームを特定するための識別子である。アラーム詳細は、アラームの詳細情報である。次にそのアラームに対する対処法である。アラームの対処法としては、おむつの交換、すぐに駆け付けるなどである。確認ボックスは、アラームの対処法を実施したか否かのフラグである。介護補助者が複数いる場合に、誰がいつやったのかを明確にしておく必要がある。対応者に紐づいて管理されてもよい。対応完了時刻は、対応が完了して、アラームが解除された時刻である。
【0046】
図9は、本開示の一実施の形態における情報処理端末装置110のフローチャートである。
情報処理端末装置110の電源がONにされると、制御部111が初期プログラムを起動し、排泄物、位置情報、およびトイレ情報を検知できる状態に移行する(S10)。
なお、トイレ情報とは、トイレットペーパーの使用に基づき、患者がトレイを使用している情報をいう。
【0047】
センサ部116は、制御部111の指令を受けて、所定の間隔で排泄物情報(S20)、位置情報(S21)、およびトイレ情報(S22)を検知する。
【0048】
排泄物情報は、温湿度計116Aで計測される。湿度は、相対湿度である(S20)。位置情報は、3軸加速度計、3軸ジャイロスコープ、および大気圧計により計測される(S21)。トイレ情報は、3軸ジャイロスコープにより計測される。計測された情報は、データ構造140で記憶部112に格納される。
【0049】
一定期間において情報が記憶部112に格納された後、通信部113は、制御部111の指令を受けて、データを情報処理装置100へ送信するための準備に入る。
先ず、周波数、すなわち400MHz帯、または900MHz帯のいずれかを選択する(S30)。
次に変調方式、すなわちFSK、またはLoRaのいずれかを選択する(S40)。
【0050】
次にキャリアセンスにより、データを送信するための無線リソースが空いているか否かを確認する(S50)。
無線リソースが空いていれば、その無線リソースを割り当て(S60)、そのままデータを送信する(S70)。
無線リソースが空いていなければ、周波数の選択にもどり、変調方式の選択を行い、他の無線リソースを探して、割り当てる。
【0051】
情報処理装置100の通信部103は、情報処理端末装置110からのデータを受信する(S80)。
情報処理装置100の記憶部102は、制御部101の指令を受けて、受信したデータを記憶する(S90)。
【0052】
制御部101は、予め決められた移動平均に従って、データを処理して、排泄物情報、位置情報、およびトイレ情報を算出する(S100)。
【0053】
制御部101は、排泄物情報に基づき、おむつの交換が必要な場合には、重要アラームを発報して、表示部104に表示もよい(S110)。
位置情報により、患者が転倒していると判断された場合には、制御部101は、最重要アラームを発報して、表示部104に表示もよい。また、情報処理装置100からアラーム音を発して周囲に注意を促してもよい。
【0054】
[2.効果]
本開示の一実施形態である情報処理端末装置および情報処理システムによれば、排泄物などの対応に関する介護者の負担を軽減し、介護者の生活行動パターンを予測することができるという効果を有する。
要介護者のいる場所(位置)を把握することができ、要介護者の転倒の際に迅速に対応することができるという効果を有する。
【符号の説明】
【0055】
1 情報処理システム
100 情報処理装置
110 情報処理端末装置(おむつ)
111 制御部
112 記憶部
113 通信部
114 表示部
115 操作部
116A 温湿度計
116B 3軸加速度計
116C 3軸ジャイロスコープ
116D 大気圧計
117 バッテリ部
120 情報処理端末装置(トイレットペーパーの芯)
130 通信ネットワーク
140 データ構造
150 アラームのデータ構造
【手続補正書】
【提出日】2023-03-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と、通信部と、センサ部とを備え、排泄物を検知する情報処理端末装置であって、
前記センサ部は、湿度計測手段と、位置情報計測手段とを備え、かつ、情報処理端末装置の空間における位置情報を把握し、
前記記憶部は、前記センサ部で検知した前記排泄物および前記位置情報に関する情報が記憶され、
前記通信部は、前記記憶部に記憶されている前記排泄物および前記位置情報に関する情報を送信し、
前記センサ部は、前記湿度計測手段として温湿度計を備え、
前記位置情報計測手段として、3軸加速度計と、3軸ジャイロスコープと、大気圧計とを備え、
前記通信部は、干渉を避けるために複数の変調方式と、複数の周波数と、キャリアセンスの仕組みを備える情報処理端末装置。
【請求項2】
排泄物を吸収する吸収剤を含むおむつに装着された情報処理端末装置と、
1または複数の情報処理端末装置から排泄物および位置情報に関する情報を受信する情報処理装置とからなる情報処理システムであって、
前記情報処理端末装置は、記憶部と、通信部と、センサ部とを備え、排泄物を検知し、
前記センサ部は、湿度計測手段と、位置情報計測手段とを備え、かつ、情報処理端末装置の空間における位置情報を把握し、
前記記憶部は、前記センサ部で検知した前記排泄物および前記位置情報に関する情報を保持し、
前記通信部は、前記記憶部が保持した前記排泄物および前記位置情報に関する情報を送信し、
前記情報処理装置は、受信した前記排泄物および前記位置情報に関する情報を表示部に表示させ、かつ、前記位置情報が所定の条件を超えた場合にアラームを前記表示部に表示させる情報処理システム。
【請求項3】
要介護者が使用するトイレにおいて、トイレットペーパーの芯に情報処理端末装置をさらに備える請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
受信した前記排泄物、前記位置情報、および時刻情報に関する情報を学習し、前記要介護者の生活行動パターンを予測する前記情報処理装置を備える請求項3に記載の情報処理システム。
【手続補正書】
【提出日】2023-03-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と、通信部と、センサ部とを備え、排泄物を検知する情報処理端末装置であって、
前記センサ部は、湿度計測手段と、位置情報計測手段とを備え、かつ、情報処理端末装置の空間における位置情報を把握し、
前記記憶部は、前記センサ部で検知した前記排泄物および前記位置情報に関する情報が記憶され、
前記通信部は、前記記憶部に記憶されている前記排泄物および前記位置情報に関する情報を送信し、
前記センサ部は、前記湿度計測手段として温湿度計を備え、
前記位置情報計測手段として、3軸加速度計と、3軸ジャイロスコープと、大気圧計とを備え、
前記通信部は、干渉を避けるために複数の変調方式と、複数の周波数と、キャリアセンスの仕組みを備える情報処理端末装置。
【請求項2】
排泄物を吸収する吸収剤を含むおむつに装着された情報処理端末装置と、
1または複数の情報処理端末装置から排泄物および位置情報に関する情報を受信する情報処理装置とからなる情報処理システムであって、
前記情報処理端末装置は、記憶部と、通信部と、センサ部とを備え、排泄物を検知し、
前記センサ部は、湿度計測手段と、位置情報計測手段とを備え、かつ、情報処理端末装置の空間における位置情報を把握し、
前記記憶部は、前記センサ部
で検知した前記排泄物および前記位置情報に関する情報を保持し、
前記通信部は、前記記憶部が保持した前記排泄物および前記位置情報に関する情報を送信し、
前記情報処理装置は、受信した前記排泄物および前記位置情報に関する情報を表示部に表示させ、かつ、前記位置情報が所定の条件を超えた場合にアラームを前記表示部に表示させる情報処理システム。
【請求項3】
記憶部と、通信部と、センサ部とを備える情報処理端末装置であって、
前記センサ部は少なくとも3軸加速度計と、3軸ジャイロスコープとを備え、
要介護者が使用するトイレにおいて、トイレットペーパーの芯に前記情報処理端末装置をさらに備える請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
受信した前記排泄物、前記位置情報、および時刻情報に関する情報を学習し、前記要介護者の生活行動パターンを予測する前記情報処理装置を備える請求項3に記載の情報処理システム。
【手続補正書】
【提出日】2023-06-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
排泄物を吸収する吸収剤を含むおむつに装着された第1の情報処理端末装置と、
前記第1の情報処理端末装置から排泄物情報および位置情報を受信する情報処理装置とからなる情報処理システムであって、
前記第1の情報処理端末装置は、第1の記憶部と、第1の通信部と、第1のセンサ部とを備え、
前記第1のセンサ部は、湿度計測手段と、第1の位置情報計測手段とを備え、
前記湿度計測手段は排泄物を検知し、
前記第1の位置情報計測手段は、前記第1の情報処理端末装置の空間における第1の位置情報を計測し、
前記第1の記憶部は、前記第1のセンサ部で検知した前記排泄物情報および前記第1の位置情報を保持し、
前記第1の通信部は、前記第1の記憶部が保持した前記排泄物情報および前記第1の位置情報を前記情報処理装置に送信し、
前記情報処理装置は、受信した前記排泄物情報および前記第1の位置情報を表示部に表示させ、かつ、要介護者が転倒したと判断した場合にアラームを前記表示部に表示させ、
前記要介護者が使用するトイレにおいて、トイレットペーパーの芯に第2の情報処理端末装置をさらに備え、
前記第2の情報処理端末装置は、第2の記憶部と、第2の通信部と、第2のセンサ部とを備え、
前記第2のセンサ部は、第2の位置情報計測手段とを備え、
前記第2の位置情報計測手段は、前記第2の情報処理端末装置の空間における第2の位置情報および回転情報を把握し、
前記第2の記憶部は、前記第2のセンサ部で検知した前記第2の位置情報および前記回転情報を保持し、
前記第2の通信部は、前記第2の記憶部が保持した前記第2の位置情報および前記回転情報を前記情報処理装置に送信し、
前記情報処理装置は、前記第1の位置情報および第2の位置情報および前記回転情報を学習し、前記要介護者の生活行動パターンを予測する情報処理システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
図2は、本開示の一実施形態における情報処理システム1の構成図である。
情報処理システム1は、情報処理装置100と、情報処理端末装置110A~110J(おむつ
、第1の情報処理端末装置)と、情報処理端末装置120a~120j(トイレットペーパーの芯
、第2の情報処理端末装置)と、通信ネットワーク130とを備えている。
なお、
第1の情報処理端末装置110A~110Jは、おむつに備え付けられる情報処理端末装置であり、
第2の情報処理端末装置120a~120jは、トイレットペーパーの芯に備え付けられる情報処理端末装置であり、原則として、同一の機能を有する。