(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077907
(43)【公開日】2024-06-10
(54)【発明の名称】カーテン装置及びカーテン湾曲変形手段並びにカーテンのウエーブ形成用止着部材の取り付け位置変更方法
(51)【国際特許分類】
A47H 13/16 20060101AFI20240603BHJP
【FI】
A47H13/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022190141
(22)【出願日】2022-11-29
(71)【出願人】
【識別番号】000130824
【氏名又は名称】株式会社サンゲツ
(71)【出願人】
【識別番号】591248441
【氏名又は名称】中部インテリア株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】392026833
【氏名又は名称】株式会社米澤物産
(74)【代理人】
【識別番号】100085246
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 清一郎
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 文生
(72)【発明者】
【氏名】竹内 正樹
(72)【発明者】
【氏名】酒井 宗蔵
【テーマコード(参考)】
2E182
【Fターム(参考)】
2E182AA01
2E182AB03
2E182AC01
2E182BB04
2E182BB14
2E182DG04
2E182DH01
2E182DH17
2E182DJ19
(57)【要約】
【課題】カーテンに磁石等の他物を後付けすることなく、カーテンの召合わせ側や、カーテンの側縁部分と窓開口部の側部等との間に隙間が発生するのを抑制する。
【解決手段】両開きカーテン3,3の召合わせ側の側縁部分の上端側の部分11に、カーテン湾曲変形手段12を介してU字状弾性変形部13を形成する。カーテン湾曲変形手段12は、前記上端側の部分11を、カーテン表側に向け平面視でU字状に屈曲した状態に弾性変形させることによってU字状弾性変形部13を形成する。カーテン湾曲変形手段12は、前記上端側の部分11に所要間隔を置いて取着された左右隣り合う前記吊下フック5,5と、該吊下フック5,5相互を連結する間隔保持部材15とを備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーテンレールを摺動するランナーに吊下フックを介して吊下されるカーテンを備え、
前記カーテンの両側縁部分の少なくとも一方の側縁部分が、その上下全長に亘ってカーテン表側に向け、平面視でU字状に屈曲した突出状態に変形するように、該側縁部分の上端側の部分に、カーテン湾曲変形手段を介してU字状弾性変形部が形成されており、
該カーテン湾曲変形手段は、前記上端側の部分を、カーテン表側に向け平面視でU字状に屈曲した状態に弾性変形させることによって、上下方向に延長する前記U字状弾性変形部を形成するように構成されており、
又該カーテン湾曲変形手段は、前記上端側の部分に所要間隔を置いて取着された左右隣り合う前記吊下フックと、該吊下フック相互を連結する間隔保持部材とを備え、該間隔保持部材が該吊下フック相互間の最大距離を規制することによって前記U字状弾性変形部を形成することを特徴とするカーテン装置。
【請求項2】
同一のカーテンレールに開閉可能に吊下された両開きの左右のカーテンを備え、
前記カーテンの夫々は、吊下フックを介して、カーテンレールを摺動するランナーに吊下されており、
各カーテンの召合わせ側の側縁部分が、その上下全長に亘ってカーテン表側に向け、平面視でU字状に屈曲した突出状態に変形するように、該側縁部分の上端側の部分に、カーテン湾曲変形手段を介してU字状弾性変形部が形成されており、
該カーテン湾曲変形手段は、前記上端側の部分を、カーテン表側に向け平面視でU字状に屈曲した状態に弾性変形させることによって、上下方向に延長する前記U字状弾性変形部を形成するように構成されており、
又該カーテン湾曲変形手段は、前記上端側の部分に所要間隔を置いて取着された左右隣り合う前記吊下フックと、該吊下フック相互を連結する間隔保持部材とを備え、該間隔保持部材が該吊下フック相互間の最大距離を規制することによって前記U字状弾性変形部を形成することを特徴とするカーテン装置。
【請求項3】
同一のカーテンレールに開閉可能に吊下された左右のカーテンを備え、
前記カーテンの夫々は、山部と谷部が交互に連なったウエーブが形成されており、該ウエーブを構成する該山部と該谷部との接続部で、吊下フックを介して、カーテンレールを摺動するランナーに吊下されており、
各カーテンの召合わせ側の側縁部分が、その上下全長に亘ってカーテン表側に向け、平面視でU字状に屈曲した突出状態に変形するように、該側縁部分の上端側の部分に、カーテン湾曲変形手段を介してU字状弾性変形部が形成されており、
該カーテン湾曲変形手段は、前記上端側の部分を、カーテン表側に向け平面視でU字状に屈曲した状態に弾性変形させることによって、上下方向に延長する前記U字状弾性変形部を形成するように構成されており、
又該カーテン湾曲変形手段は、前記上端側の部分に所要間隔を置いて取着された左右隣り合う前記吊下フックと、該吊下フック相互を連結する間隔保持部材とを備え、該間隔保持部材が該吊下フック相互間の最大距離を規制することによって前記U字状弾性変形部を形成することを特徴とするカーテン装置。
【請求項4】
同一のカーテンレールに開閉可能に吊下された左右のカーテンを備え、
前記カーテンの夫々は、山部と谷部が交互に連なったウエーブが形成されており、該ウエーブを構成する該山部と該谷部との接続部で、吊下フックを介して、カーテンレールを摺動するランナーに吊下されており、
各カーテンの召合わせ側の側縁部分が、その上下全長に亘ってカーテン表側に向け、平面視でU字状に屈曲した突出状態に変形するように、該側縁部分の上端側の部分に、カーテン湾曲変形手段を介してU字状弾性変形部が形成されており、
該カーテン湾曲変形手段は、前記上端側の部分を、カーテン表側に向け平面視でU字状に屈曲した状態に弾性変形させることによって、上下方向に延長する前記U字状弾性変形部を形成するように構成されており、
又該カーテン湾曲変形手段は、前記上端側の部分に所要間隔を置いて取着された左右隣り合う前記吊下フックと、該吊下フック相互を連結する間隔保持部材とを備え、該間隔保持部材が該吊下フック相互間の最大距離を規制することによって前記U字状弾性変形部を形成し、
又、前記カーテンの上部分の裏面部において該上部分の延長方向に配置されるウエーブピッチ保持部材に所要間隔で装着されている止着部材の夫々が、対応する前記谷部の谷部先端部の裏面側に止着されることによって前記ウエーブが形成されていることを特徴とするカーテン装置。
【請求項5】
同一のカーテンレールに開閉可能に吊下された左右のカーテンを備え、
前記カーテンの夫々は、山部と谷部が交互に連なったウエーブが形成されており、
該ウエーブを構成する該山部と該谷部との接続部で、吊下フックを介して、カーテンレールを摺動するランナーに吊下されており、該カーテンの左右方向両端部分は、端部に位置する前記接続部から、前記ウエーブの略1/4波長部分がカーテン裏側に向けて延長されており、
各カーテンの召合わせ側の側縁部分が、その上下全長に亘ってカーテン表側に向け、平面視でU字状に屈曲した突出状態に変形するように、該側縁部分の上端側の部分に、カーテン湾曲変形手段を介してU字状弾性変形部が形成されており、
該カーテン湾曲変形手段は、前記上端側の部分を、カーテン表側に向け平面視でU字状に屈曲した状態に弾性変形させることによって、上下方向に延長する前記U字状弾性変形部を形成するように構成されており、
又該カーテン湾曲変形手段は、前記上端側の部分に所要間隔を置いて取着された左右隣り合う前記吊下フックと、該吊下フック相互を連結する間隔保持部材とを備え、該間隔保持部材が該吊下フック相互間の最大距離を規制することによって前記U字状弾性変形部を形成し、
前記カーテンの上部分の裏面部において該上部分の延長方向に配置される可撓性を有するウエーブピッチ保持部材に所要間隔で装着されている止着部材の夫々が、対応する前記谷部の谷部先端部の裏面側に止着されており、
並設された前記谷部の内の、前記召合わせ側とは反対側に存する端部の谷部の前記裏面側と、並設された前記接続部の内の、該反対側に存する端部の接続部の近傍部位とが、隣り合う前記谷部先端部間の長さの略3/4の長さを有する3/4ピッチ保持部材部で連結されていることを特徴とするカーテン装置。
【請求項6】
前記間隔保持部材は、非伸縮性の可撓性部材であり、その両端部が、隣り合う前記吊下フックに連結されていることを特徴とする請求項1~5の何れかに記載のカーテン装置。
【請求項7】
前記間隔保持部材は、非可撓性部材であり、その両端部が、隣り合う前記吊下フックに連結されていることを特徴とする請求項1~5の何れかに記載のカーテン装置。
【請求項8】
前記ウエーブピッチ保持部材は、紐状片乃至テープ状片からなる可撓性線状部材に、その長さ方向に長いスリット部が所要間隔で並設されており、該スリット部の所要のものに前記止着部材の基部が係着により取り付けられており、該止着部材は、その先側部分が前記谷部先端部の前記裏面側に止着されていることを特徴とする請求項5記載のカーテン装置。
【請求項9】
前記ウエーブピッチ保持部材は、紐状片乃至テープ状片からなる可撓性線状部材に、その長さ方向に長いスリット部が所要間隔で並設されており、該スリット部の所要のものに前記止着部材の基部が係着により取り付けられており、該基部には、該スリット部を拡開して形成した開口部の開口縁部を嵌め入れ可能の係止溝部乃至係止凹部が設けられていることを特徴とする請求項5記載のカーテン装置。
【請求項10】
隣り合う前記スリット部の中心間の間隔は、隣り合う前記谷部先端部間の長さの略1/4に設定されていることを特徴とする請求項8又は9記載のカーテン装置。
【請求項11】
前記止着部材は、合成樹脂製であり、前記基部の両側部で対向状態に係止脚片が突設されており、両該係止脚片は向き合う方向に弾性的に窄め変形可能となされ、両該係止脚片の先側部分が前記谷部先端部の前記裏面側に止着可能とされていることを特徴とする請求項8記載のカーテン装置。
【請求項12】
前記止着部材は、合成樹脂製であり、前記基部の両側部で対向状態に係止脚片が突設されており、該係止脚片の基端部分と前記基部との間に、前記スリット部を拡開して形成した前記開口部の前記開口縁部を嵌め入れる係止溝部乃至係止凹部が設けられており、該両係止脚片は向き合う方向に弾性的に窄め変形可能となされ、両該係止脚片の先側部分が前記谷部先端部の前記裏面側に止着可能とされていることを特徴とする請求項9記載のカーテン装置。
【請求項13】
カーテンレールを摺動するランナーに吊下フックを介して吊下されるカーテンの両側縁部分の少なくとも一方の側縁部分の上下全長に亘って、カーテン表側に向け、平面視でU字状に屈曲した突出状態に変形するように、該側縁部分の上端側の部分にU字状弾性変形部を形成するカーテン湾曲変形手段であって、
前記上端側の部分を、カーテン表側に向け平面視でU字状に屈曲した状態に弾性変形させることによって、上下方向に延長する前記U字状弾性変形部を形成するように構成されており、
前記上端側の部分に所要間隔を置いて取着される左右隣り合う前記吊下フックと、該吊下フック相互を連結する間隔保持部材とを備え、該間隔保持部材が該吊下フック相互間の最大距離を規制することによって前記U字状弾性変形部を形成することを特徴とするカーテン湾曲変形手段。
【請求項14】
請求項11又は12記載のカーテン装置を構成する前記可撓性線状部材に並設されている前記スリット部に、隣り合う前記谷部先端部間の長さのピッチで前記止着部材が取り付けられており、該止着部材間に複数の前記スリット部が設けられている場合において、
前記スリット部に係着により取り付けられている前記止着部材を、両前記係止脚片を弾性的に窄め変形することによって該スリット部から取り外し、その後、該スリット部に隣接する前記スリット部に、該止着部材の基部が係着により取付けられた状態のままで、両前記係止脚片を弾性的に窄め変形させつつ両該係止脚片を、該スリット部を拡開して形成した前記開口部の上端を通して下方向に挿入させ、或いは、前記開口部の下端を通して上方向に挿入させ、該止着部材の基部を、前記隣接する前記スリット部に係着させることを特徴とするカーテンのウエーブ形成用止着部材の取り付け位置変更方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーテンの召合わせ部等に隙間が生じにくいカーテン装置及び該カーテン装置に好適に用いることのできるカーテン湾曲変形手段に関し、又、該カーテン装置を構成するに際して好適に採用し得るカーテンのウエーブ形成用止着部材の取り付け位置変更方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カーテンレールを摺動するランナーに吊下フックを介して吊下されたカーテンを閉めた状態における該カーテンの側縁部分と窓開口部の側部等との間や、同一のカーテンレールに開閉可能に吊下された左右のカーテンを閉めたときの召合わせ部には隙間が生じ易い。その原因の一つは、カーテンの側縁部分が1枚のカーテン生地の縁部分として形成されているために、該カーテンの側縁部分と窓開口部の側部等との間や、カーテンの召合わせ側の側縁部分同志の接触が不良となり易いためと考えられる。
【0003】
このように、カーテンの側縁部分と窓開口部の側部等との間や召合わせ側に隙間が生ずると、カーテンを閉めた状態におけるカーテンの美観が損なわれる他、該隙間から光が進入してカーテンの遮光効果が悪くなったり、或いは、該隙間から光が漏れて視線が気になるという問題があった。
【0004】
かかる問題点を解決せんとして、例えば、左右のカーテンの召合わせ側の側縁部分に磁石を取り付け、該磁石同士の吸着によって前記隙間の発生を防止せんとする技術が特許文献1、2、3等で提案されている。
【0005】
しかし、前記カーテンの召合わせ側の側縁部分に磁石を取り付ける場合は、両カーテンの相対向する部位に磁石を位置合わせして取り付ける必要があって、その取り付けが面倒であった。又、該磁石を、該側縁部分を挟持片間で強く挟持するクリップで取り付けることが多く行われているが、カーテンを洗濯をするたびに前記側縁部分からの磁石の取り外しとその取り付けを繰り返すことになるため、カーテン生地を損傷する恐れがあった。又、該磁石の吸着による前記隙間の発生防止は部分的であり、例えば該磁石を上下に配置した場合は、該上下の磁石間で隙間が発生し易い問題があった。更には、カーテンの召合わせ側の側縁部分における磁石の取り付け部が露出してカーテンの美観を損なう問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第3090382号公報
【特許文献2】実開昭58-3882号公報
【特許文献3】実開昭55-2984号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は前記従来の問題点に鑑みて開発されたものであり、カーテンに磁石等の他物を後付けすることなく、カーテンの召合わせ側や、カーテンの側縁部分と窓開口部の側部等との間に隙間が発生するのを抑制し得るカーテン装置の提供を課題するものである。又、該隙間の発生を抑制し得る構造簡素なカーテン湾曲変形手段の提供を課題とするものである。更に、カーテンに形成されたウエーブの見栄え向上を図り得るカーテン装置、及び、該カーテン装置の形成を容易化し得るカーテンのウエーブ形成用止着部材の取り付け位置変更方法の提供を課題するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため本発明は以下の手段を採用する。
即ち、本発明に係るカーテン装置の第1の態様は、カーテンレールを摺動するランナーに吊下フックを介して吊下されるカーテンを備え、前記カーテンの両側縁部分の少なくとも一方の側縁部分が、その上下全長に亘ってカーテン表側に向け、平面視でU字状に屈曲した突出状態に変形するように、該側縁部分の上端側の部分に、カーテン湾曲変形手段を介してU字状弾性変形部が形成されている。
該カーテン湾曲変形手段は、前記上端側の部分を、カーテン表側に向け平面視でU字状に屈曲した状態に弾性変形させることによって、上下方向に延長する前記U字状弾性変形部を形成するように構成されている。又該カーテン湾曲変形手段は、前記上端側の部分に所要間隔を置いて取着された左右隣り合う前記吊下フックと、該吊下フック相互を連結する間隔保持部材とを備え、該間隔保持部材が該吊下フック相互間の最大距離を規制することによって前記U字状弾性変形部を形成することを特徴とするものである。
【0009】
本態様には、両開きのカーテンを有するカーテン装置と、片開きのカーテンを備えるカーテン装置が含まれ、これらのカーテンにウエーブが形成されているか否かは問わない。
【0010】
本発明に係るカーテン装置の第2の態様は、同一のカーテンレールに開閉可能に吊下された両開きの左右のカーテンを備え、該カーテンの夫々は、吊下フックを介して、カーテンレールを摺動するランナーに吊下されており、各カーテンの召合わせ側の側縁部分が、その上下全長に亘ってカーテン表側に向け、平面視でU字状に屈曲した突出状態に変形するように、該側縁部分の上端側の部分に、カーテン湾曲変形手段を介してU字状弾性変形部が形成されている。該カーテン湾曲変形手段は、前記上端側の部分を、カーテン表側に向け平面視でU字状に屈曲した状態に弾性変形させることによって、上下方向に延長する前記U字状弾性変形部を形成するように構成されている。又該カーテン湾曲変形手段は、前記上端側の部分に所要間隔を置いて取着された左右隣り合う前記吊下フックと、該吊下フック相互を連結する間隔保持部材とを備え、該間隔保持部材が該吊下フック相互間の最大距離を規制することによって前記U字状弾性変形部を形成することを特徴とするものである。
【0011】
本発明に係るカーテン装置の第3の態様は、同一のカーテンレールに開閉可能に吊下された左右のカーテンを備え、該カーテンの夫々は、山部と谷部が交互に連なったウエーブが形成されており、該ウエーブを構成する該山部と該谷部との接続部で、吊下フックを介して、カーテンレールを摺動するランナーに吊下されており、各カーテンの召合わせ側の側縁部分が、その上下全長に亘ってカーテン表側に向け、平面視でU字状に屈曲した突出状態に変形するように、該側縁部分の上端側の部分に、カーテン湾曲変形手段を介してU字状弾性変形部が形成されている。該カーテン湾曲変形手段は、前記上端側の部分を、カーテン表側に向け平面視でU字状に屈曲した状態に弾性変形させることによって、上下方向に延長する前記U字状弾性変形部を形成するように構成されている。又該カーテン湾曲変形手段は、前記上端側の部分に所要間隔を置いて取着された左右隣り合う前記吊下フックと、該吊下フック相互を連結する間隔保持部材とを備え、該間隔保持部材が該吊下フック相互間の最大距離を規制することによって前記U字状弾性変形部を形成することを特徴とするものである。
【0012】
本発明に係るカーテン装置の第4の態様は、同一のカーテンレールに開閉可能に吊下された左右のカーテンを備え、前記カーテンの夫々は、山部と谷部が交互に連なったウエーブが形成されており、該ウエーブを構成する該山部と該谷部との接続部で、吊下フックを介して、カーテンレールを摺動するランナーに吊下されている。各カーテンの召合わせ側の側縁部分が、その上下全長に亘ってカーテン表側に向け、平面視でU字状に屈曲した突出状態に変形するように、該側縁部分の上端側の部分に、カーテン湾曲変形手段を介してU字状弾性変形部が形成されている。該カーテン湾曲変形手段は、前記上端側の部分を、カーテン表側に向け平面視でU字状に屈曲した状態に弾性変形させることによって、上下方向に延長する前記U字状弾性変形部を形成するように構成されている。又該カーテン湾曲変形手段は、前記上端側の部分に所要間隔を置いて取着された左右隣り合う前記吊下フックと、該吊下フック相互を連結する間隔保持部材とを備え、該間隔保持部材が該吊下フック相互間の最大距離を規制することによって前記U字状弾性変形部を形成する。又、前記カーテンの上部分の裏面部において該上部分の延長方向に配置されるウエーブピッチ保持部材に所要間隔で装着されている止着部材の夫々が、対応する前記谷部の谷部先端部の裏面側に止着されることによって前記ウエーブが形成されていることを特徴とするものである。
【0013】
本発明に係るカーテン装置の第5の態様は、同一のカーテンレールに開閉可能に吊下された左右のカーテンを備え、前記カーテンの夫々は、山部と谷部が交互に連なったウエーブが形成されており、該ウエーブを構成する該山部と該谷部との接続部で、吊下フックを介して、カーテンレールを摺動するランナーに吊下されており、該カーテンの左右方向両端部分は、端部に位置する前記接続部から、前記ウエーブの略1/4波長部分がカーテン裏側に向けて延長されている。各カーテンの召合わせ側の側縁部分が、その上下全長に亘ってカーテン表側に向け、平面視でU字状に屈曲した突出状態に変形するように、該側縁部分の上端側の部分に、カーテン湾曲変形手段を介してU字状弾性変形部が形成されている。該カーテン湾曲変形手段は、前記上端側の部分を、カーテン表側に向け平面視でU字状に屈曲した状態に弾性変形させることによって、上下方向に延長する前記U字状弾性変形部を形成するように構成されている。又該カーテン湾曲変形手段は、前記上端側の部分に所要間隔を置いて取着された左右隣り合う前記吊下フックと、該吊下フック相互を連結する間隔保持部材とを備え、該間隔保持部材が該吊下フック相互間の最大距離を規制することによって前記U字状弾性変形部を形成する。前記カーテンの上部分の裏面部において該上部分の延長方向に配置される可撓性を有するウエーブピッチ保持部材に所要間隔で装着されている止着部材の夫々が、対応する前記谷部の谷部先端部の裏面側に止着されている。並設された前記谷部の内の、前記召合わせ側とは反対側に存する端部の谷部の前記裏面側と、並設された前記接続部の内の、該反対側に存する端部の接続部の近傍部位とが、隣り合う前記谷部先端部間の長さの略3/4の長さを有する3/4ピッチ保持部材部で連結されていることを特徴とするものである。
【0014】
本発明に係るカーテン装置の第6の態様は、前記第1~5の態様の何れかにおいて、前記間隔保持部材は、非伸縮性の可撓性部材として構成されており、その両端部が、隣り合う前記吊下フックに連結されていることを特徴とするものである。
【0015】
本発明に係るカーテン装置の第7の態様は、前記第1~5の態様の何れかにおいて、前記間隔保持部材は、非可撓性部材として構成されており、その両端部が、隣り合う前記吊下フックに連結されていることを特徴とするものである。
【0016】
本発明に係るカーテン装置の第8の態様は、前記第5の態様において、前記ウエーブピッチ保持部材は、紐状片乃至テープ状片からなる可撓性線状部材に、その長さ方向に長いスリット部が所要間隔で並設されており、該スリット部の所要のものに前記止着部材の基部が係着により取り付けられており、該止着部材は、その先側部分が前記谷部先端部の前記裏面側に止着されていることを特徴とするものである。
【0017】
本発明に係るカーテン装置の第9の態様は、前記第5の態様において、前記ウエーブピッチ保持部材は、紐状片乃至テープ状片からなる可撓性線状部材に、その長さ方向に長いスリット部が所要間隔で並設されており、該スリット部の所要のものに前記止着部材の基部が係着により取り付けられており、該基部には、該スリット部を拡開して形成した開口部の開口縁部を嵌め入れ可能の係止溝部乃至係止凹部が設けられていることを特徴とするものである。
【0018】
本発明に係るカーテン装置の第10の態様は、前記第8又は9の態様において、隣り合う前記スリット部の中心間の間隔は、隣り合う前記谷部先端部間の長さの略1/4に設定されていることを特徴とするものである。
【0019】
本発明に係るカーテン装置の第11の態様は、前記第8の態様において、前記止着部材は、合成樹脂製であり、前記基部の両側部で対向状態に係止脚片が突設されており、両該係止脚片は向き合う方向に弾性的に窄め変形可能となされ、両該係止脚片の先側部分が前記谷部先端部の前記裏面側に止着可能とされていることを特徴とするものである。
【0020】
本発明に係るカーテン装置の第12の態様は、前記第9の態様において、前記止着部材は、合成樹脂製であり、前記基部の両側部で対向状態に係止脚片が突設されており、該係止脚片の基端部分と前記基部との間に、前記スリット部を拡開して形成した前記開口部の前記開口縁部を嵌め入れる係止溝部乃至係止凹部が設けられており、該両係止脚片は向き合う方向に弾性的に窄め変形可能となされ、両該係止脚片の先側部分が前記谷部先端部の前記裏面側に止着可能とされていることを特徴とするものである。
【0021】
本発明に係るカーテン湾曲変形手段は、カーテンレールを摺動するランナーに吊下フックを介して吊下されるカーテンの両側縁部分の少なくとも一方の側縁部分の上下全長に亘って、カーテン表側に向け、平面視でU字状に屈曲した突出状態に変形するように、該側縁部分の上端側の部分にU字状弾性変形部を形成するカーテン湾曲変形手段であって、前記上端側の部分を、カーテン表側に向け平面視でU字状に屈曲した状態に弾性変形させることによって、上下方向に延長する前記U字状弾性変形部を形成するように構成されている。そして、前記上端側の部分に所要間隔を置いて取着される左右隣り合う前記吊下フックと、該吊下フック相互を連結する間隔保持部材とを備え、該間隔保持部材が該吊下フック相互間の最大距離を規制することによって前記U字状弾性変形部を形成することを特徴とするものである。
【0022】
本発明に係るカーテンのウエーブ形成用止着部材の取り付け位置変更方法は、前記11又は12の態様に係るカーテン装置を構成する前記可撓性線状部材に並設されている前記スリット部に、隣り合う前記谷部先端部間の長さのピッチで前記止着部材が取り付けられており、該止着部材間に複数のスリット部が設けられている場合において、前記スリット部に係着により取り付けられている前記止着部材を、前記両係止脚片を弾性的に窄め変形することによって該スリット部から取り外し、その後、該スリット部に隣接する前記スリット部に、該止着部材の基部が係着により取り付けられた状態のままで、両前記係止脚片を弾性的に窄め変形させつつ両該係止脚片を、該スリット部を拡開して形成した前記開口部の上端を通して下方向に挿入させ、或いは、前記開口部の下端を通して上方向に挿入させ、該止着部材の基部を、前記隣接する前記スリット部に係着させることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0023】
本発明によるときは、カーテンに磁石等の他物を後付けすることなく、カーテンの召合わせ側や、カーテンの側縁部分と窓開口部の側部等との間に隙間が発生するのを抑制し得るカーテン装置を提供できる。又、該隙間の発生を抑制し得る構造簡素なカーテン湾曲変形手段を提供できる。又、カーテンに形成されたウエーブの見栄え向上を図り得るカーテン装置、及び、該カーテン装置の形成を容易化し得るカーテンのウエーブ形成用止着部材の取り付け位置変更方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明に係るカーテン装置を、両開きのカーテンを用いて構成した場合について説明する正面図である。
【
図3】ウエーブピッチ保持部材を用いてウエーブが形成されているカーテンを説明する斜視図である。
【
図4】両開きカーテンの召合せ側の側縁部分の構成を斜め上方から見た斜視図である。
【
図5】両開きカーテンの召合せ側とは反対側におけるウエーブの形成要領を説明する説明図である。
【
図6】ウエーブピッチ保持部材の構成と、可撓性線状部材に設けられているスリット部に止着部材を止着する要領を説明する説明図である。
【
図7】ウエーブピッチ保持部材の止着部材をウエーブの谷部先端部の裏面側に止着した状態を示す正面図である。
【
図9】本発明に係るカーテンのウエーブ形成用止着部材の取り付け位置変更方法を説明する説明図である。
【
図10】カーテン湾曲変形手段を説明する斜視図である。
【
図11】吊下フック相互を連結する間隔保持部材と、その端部を吊下フックに連結する要領を説明する説明図である。
【
図12】ウエーブピッチ保持部材を用いてカーテンのウエーブの谷部先端部相互を連結する他の態様を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例0025】
〔全体構成〕
図1~4において本発明に係るカーテン装置1は、両開きのカーテンに応用されており、同一のカーテンレール2に開閉可能に吊下された左右のカーテン3,3を備え、該カーテン3,3の夫々は、吊下フック5(
図3~4)を介して、該カーテンレール2を摺動するランナー6に吊下されている。そして、各カーテン3,3の召合わせ側7(
図1~2、
図4)の側縁部分9,9が、その上下全長に亘ってカーテン表側10に向け、平面視でU字状に屈曲した突出状態に変形するように、該側縁部分9,9の上端側の部分11,11に、カーテン湾曲変形手段12を介してU字状弾性変形部13、13が形成されている。該カーテン湾曲変形手段12は、該上端側の部分11を、前記カーテン表側10に向け平面視でU字状に屈曲した状態に弾性変形させることによって、上下方向に延長する前記U字状弾性変形部13を形成するように構成されている。又該カーテン湾曲変形手段12は、前記上端側の部分11に所要間隔を置いて取着された左右隣り合う前記吊下フック5,5と、該吊下フック5,5相互を連結する間隔保持部材15とを備え、該間隔保持部材15が該吊下フック5,5相互間の最大距離を規制することによって前記U字状弾性変形部13を形成する。以下、これを具体的に説明する。
【0026】
〔左右のカーテンの構成〕
本実施例において、前記左右のカーテン3,3は共に、フラットカーテン16(
図3)用いて構成されており、該フラットカーテン16に
図1~5に示すように、山部17と谷部19が交互に連なったウエーブ20が形成されている。該ウエーブ20は、
図3に示すウエーブピッチ保持部材21を用いて所要形態のものとして形成されている。そして該カーテン3は、該ウエーブ20を構成する該山部17と該谷部19との接続部(該ウエーブ20の振幅の略中央部)22(
図3~5)で、吊下フック5を介して、前記カーテンレール2を摺動する前記ランナー6に吊下されている。該カーテン3、3は、その召し合わせ側7とは反対側59(
図5)の端部分3aにおいては、前記ウエーブ20の略1/4波長部分23(
図5)が形成されているのみで前記谷部19の全体は形成されていないが、本発明においては、該カーテン3の該反対側59の端部分3aに存する「ウエーブ20の振幅の略中央部22A」も前記の接続部22に該当するものとする。
【0027】
前記フラットカーテン16は、
図3に示すようにカーテン本体25の上縁側の部分26の裏面側部27に、止着テープ29を当接させ、該止着テープ29の上下縁部30,31を該上縁部26に縫着することによって構成されている。このように縫着された該止着テープ29は、前記上端側の部分11の剛性を向上させて前記ウエーブ20の形態安定性をより向上させ、又、前記U字状弾性変形部13(
図4)の形態安定性をより向上させるために寄与する。
【0028】
該止着テープ29は、
図3に示すように、等幅の織物テープや編物テープ等として形成されたテープ基材32の表面33の上下縁側34,35に、上下対向する状態で、前記吊下フック5の軸状部36の上下の端部分37,39を挿入させて前記吊下フック5を前記接続部22に固定させるための上下の挿入部40,41の組が、該テープ基材32の延長方向に並設されている。
【0029】
該上下の挿入部40,41は、本実施例においては
図3に示すように、挿入部形成用テープ42を、その長さ方向に10~20mmの間隔で該テープ基材32に製織や編成、溶着、縫製等により一体化し、上下対向する仕切り縁43,43を形成する。これによって、隣り合う仕切り縁43,43と前記テープ基材32と該挿入部形成用テープ42との間で前記上下の挿入部40,41を形成できる。
【0030】
又本実施例においては、該上下の挿入部40,41の中間部位に、後述する止着部材45の両係止脚片46,46を弾性的に窄め変形させつつ下向きに挿通させて該止着部材45を止着するための止着挿入部47が、該テープ基材32の延長方向に並設されている。
【0031】
該止着挿入部47は、本実施例においては
図3に示すように、該止着挿入部形成用テープ49を、その長さ方向に10~20mmの間隔で該テープ基材32に製織や編成、溶着、縫製等により一体化して形成され、仕切り縁50,50が形成されている。これによって、該仕切り縁50,50と前記テープ基材32と該止着挿入部形成用テープ49との間で該止着挿入部47(
図3、
図7)が形成されている。
【0032】
そして本実施例においては、前記山部17と前記谷部19が交互に連なったウエーブ20を前記フラットカーテン16に形成するために、
図6に示す前記ウエーブピッチ保持部材21を用いている。該ウエーブピッチ保持部材21は、
図3、
図6に示すように、前記カーテン3の上部分44(
図3)の前記裏面部48(
図3)で、該上部分44の延長方向(左右方向)に配置される可撓性線状部材52に、前記谷部19の谷部先端部53の裏面側55に止着される止着部材45を所要ピッチで取り付けて構成されている。該止着は、
図7に示すように、前記止着挿入部47(
図3、
図7)において行われる。
【0033】
前記可撓性線状部材52は、
図6(A)に示すように、可撓性を有する例えば紐状片乃至テープ状片を以て構成されており、該紐状片乃至該テープ状片に、その長さ方向に長いスリット部56が所要間隔で並設されており、
図6~7に示すように、該スリット部56の所要のものに前記止着部材45の基部57が係着により取り付けられている。
【0034】
該可撓性線状部材52の、隣り合う前記スリット部56,56の中心56a,56a間の間隔L1(
図6(A))は、隣り合う前記谷部先端部53,53(
図5)間の長さL2の略1/4に設定されている。該スリット部56の長さは、前記止着部材45の前記基部57を該スリット部56に係着できるように設定されており、本実施例においては10mm程度に設定されている。
【0035】
前記止着部材45は合成樹脂を以て一体に成形され、
図8に示すように、横長の前記基部57の両側部位で対向状態に係止脚片46,46が突設されている。両該係止脚片46,46は、
図8に矢印で示すように向き合う方向に弾性的に窄め変形可能となされ、両係止脚片46,46の先端部60,60は細く形成され、該両係止脚片46,46の外側面の先側部位には、例えば半円板状の係止突部61,61が突設されている。又
図8に示すように、両該係止脚片46,46の夫々の前記外側面の基端部62と前記基部57との間に係止溝部63が設けられている。
【0036】
かかる構成を有する止着部材45を、前記可撓性線状部材52(
図6)に装着するには、
図8に矢印で示すように、前記両係止脚片46,46を弾性的に窄め変形させつつ両該係止脚片46,46を、その先端部60,60から、前記スリット部56を拡開して形成した開口部65(
図6(B))の上端66を通して下方向に挿入させ、
図6(C)に示すように、該開口部65の開口縁部67の対向部68,68を前記係止溝部63,63に嵌め入れる。これによって、
図6(C)に示すように、前記止着部材45が前記可撓性線状部材52に係着され、前記ウエーブピッチ保持部材21が構成される。
【0037】
図3、
図5は、該ウエーブピッチ保持部材21を用いて所要のウエーブ20が形成されてなる前記カーテン3を示すものであり、前記可撓性線状部材52に係着されている前記止着部材45が前記谷部先端部53の前記裏面側55に止着されている。本実施例においては、該止着に際し前記止着部材45の前記両係止脚片46,46を弾性的に窄め変形させつつ前記止着挿入部47(
図7)に例えば下向きに挿通させる。これにより、両該係止脚片46,46の前記係止突部61,61が、該止着挿入部47の該挿通の方向で見た先側縁部69(
図7)に係合して、該止着部材45の抜け方向(該挿通の方向とは逆方向)への移動が阻止される。
【0038】
かかる構成を有する前記カーテン3は、
図3に示すように、前記ウエーブ20を形成する前記山部17と前記谷部19との前記接続部22で、前記吊下フック5を介して前記ランナー6に吊下されるのであるが、本実施例においては
図5に示すように、前記カーテン3の前記反対側59の端部分3aにおいて、前記ウエーブ20の略1/4波長部分23(
図5に太線で表されている)が、後記端部に位置する接続部22Aから延長されている。そして前記のように、隣り合う谷部19,19相互が、前記ウエーブピッチ保持部材21で連結されている。
【0039】
ところで、前記召合わせ側7においては前記U字状弾性変形部13が形成されているために、該召合わせ側7ではカーテン形態の崩れはないが、該召合わせ側7と反対側59においては、カーテン形態が崩れ易い。
【0040】
そこで本実施例においては、
図5に示すように、並設された前記谷部19の内の前記召合わせ側7と反対側59に存する端部の谷部19aの前記谷部先端部53の前記裏面側55と、並設された前記接続部22の内の端部の接続部22Aの近傍部位とを、隣り合う前記谷部先端部53,53間の長さ(前記ウエーブピッチであり、たとえば160mm)の略3/4の長さを有する3/4ピッチ保持部材部70で連結している。これによって前記カーテン3は、その閉めた状態で、前記召合わせ側7とは該反対側59の端部分3aに、形態が安定して見栄えのよい3/4のウエーブ71が形成された状態となるので、カーテンを閉めた状態でのウエーブ20の見栄えがよいものとなり、カーテン外観が良好となる。
【0041】
ところで、前記3/4ピッチ保持部材部70を特別に作成することはコスト上昇を招く。そこで本発明に係るカーテン装置1では、長尺の前記可撓性線状部材52に前記スリット部56が所要間隔で並設されてなる前記ウエーブピッチ保持部材21(
図6(A))を、前記カーテン3の左右幅に合わせた所要長さに切断し、該切断された所要長さのウエーブピッチ保持部材を用いて前記カーテン3に所要のウエーブ20を形成する。この場合、該ウエーブピッチ保持部材21の一端側で、1ウエーブの長さを前記3/4のウエーブの長さに変更するための簡易な方法を説明する。
【0042】
図9は、前記カーテン3の左右幅に合わせた長さに設定された元ウエーブピッチ保持部材72である。該元ウエーブピッチ保持部材72には、10mm程度の長さの前記スリット部56が該元ウエーブピッチ保持材72の長さ方向に並設されており、
図6(A)に基づいて説明したように、隣り合う該スリット部56,56の中心56a,56a間の間隔(例えば40mm)は、隣り合う前記谷部先端部間の長さL2(
図5)の略1/4の長さに設定されている。そして、前記ウエーブ20のピッチに対応させて選択された各スリット部56に前記止着部材45の前記基部57が係着されている。1ウエーブの長さを前記略3/4ウエーブの長さに変更するためには、該元ウエーブピッチ保持部材72の一方の端部に係着されている前記止着部材45aを、該スリット部56aに該止着部材45aの基部57が係着により取り付けられた状態のままで、該スリット部56a(
図9)に隣接するスリット部56b(
図9)に係着すればよい。
【0043】
具体的には、
図9に一点鎖線の矢印で示すように、前記端部のスリット部56aに係着されている前記止着部材45aを、該スリット部56aに前記該止着部材45の基部57が係着された状態のままで、該スリット部56aに隣接する前記スリット部56bに、両前記係止脚片46,46を弾性的に窄め変形させつつ該係止脚片46,46を、該スリット部56bを拡開して形成した前記開口部65(
図6(B))の上端66(
図6(B))を通して下方向に挿入させる。そして該挿入により、
図7に基づいて説明したように、前記係止突部61,61を前記先端縁部69に係合させ、該止着部材45の抜け方向への移動阻止を図る。
【0044】
このような方法で前記止着部材45の位置変更を容易に行うことができるため、前記ウエーブピッチ保持部材21の使用上の汎用性を向上できる。
【0045】
〔カーテン湾曲変形手段の構成〕
前記カーテン湾曲変形手段12は、本実施例においては前記のように(
図4参照)、左右のカーテン3,3の夫々の召合わせ側7の側縁部分9,9に設けられており、該側縁部分9,9が、その上下全長に亘ってカーテン表側に向け、平面視でU字状に屈曲した状態に変形するように、該側縁部分9,9の上端側の部分11,11を弾性変形させることによって、カーテン表側10に向け平面視でU字状に屈曲し且つ上下方向に延長するU字状弾性変形部13,13を形成するものである。
【0046】
該カーテン湾曲変形手段12は、より具体的には
図4、
図10に示すように、前記カーテンの召合わせ側7の前記側縁部分9,9(
図1~2)の夫々の上端側の部分11,11に所要間隔を置いて取着された左右隣り合う前記吊下フック5,5と、該吊下フック5,5相互を連結する間隔保持部材15とを備え、該間隔保持部材15が該吊下フック5,5相互間の最大距離を規制することによって、前記U字状弾性変形部13を形成する。該最大距離は、例えば20~40mmであり、本実施例においては20~30mmに設定されている。
【0047】
所要間隔を置いて左右隣り合う該吊下フック5,5は、本実施例においては
図4に示すように、並設された前記接続部22の内の端部の接続部22aに取り付けられている前記吊下フック5aと、これに隣接する接続部22bに取り付けられている前記吊下フック5bである。
【0048】
両吊下フック5a,5bの夫々の例えば上部73(
図10)が、前記間隔保持部材15の端部75を止着するための係止部76とされている。該端部75を止着するための該係止部76は、好ましくは
図11(C)に示すように、入口77に抜け止め79が設けられた保持溝80として構成するのがよい。該係止部76は、前記U字状弾性変形部13を形成できる限り、両該吊下フック5,5の上下方向の所要部位に設定してよい。
【0049】
前記間隔保持部材15は、本実施例においては非伸縮性の可撓性部材であり、例えば
図11(A)に示す紐状体81を以て構成されている。該紐状体81の両端部分には、該紐状体81の長さ方向に長いスリット状取付け部82が設けられている。
図11(C)は、前記上部73(前記係止部76)が、該スリット状取付け部82を開いて形成されたループ状部83(
図11(B))に挿通された状態を示し、これによって、前記間隔保持部材15の端部75が該ループ状部83を介して前記係止部76に止着状態となされている。なお、このように止着状態とするには、該ループ状部83に前記吊下フック5を、その下端85(
図10)から挿入させ且つ該ループ状部83を前記係止部76にまで移動させ、該ループ状部83の縁部分を前記保持溝80に嵌め入れる。これによって該縁部分は、前記抜け止め79で抜け止めされる。前記係止部76は、前記保持溝80としての他、前記ループ状部83を保持する突部等として構成することもできる。
【0050】
〔カーテンの召合わせ部における隙間抑制の作用〕
本発明に係るカーテン装置1によるときは、
図1~2、
図4に示すように、左右の前記カーテン3,3の夫々の召合わせ側の側縁部分9,9の上端側の部分11,11に、カーテン表側10に向け、平面視でU字状に屈曲し且つ上下方向に延長する前記U字状弾性変形部13が形成されるため、該U字状弾性変形部13のU字状の弾性屈曲作用が前記側縁部分9の下側にまで及び、該側縁部分9が、その上下全長に亘って該カーテン表側10に向け、平面視でU字状に屈曲した突出状態を呈するように変形することとなる。
【0051】
このように、左右の前記カーテン3,3の召合わせ側7の前記側縁部分9,9の表裏方向F1(
図4)及び左右方向F2(
図4)での厚みが増しているため、前記左右のカーテン3,3を
図1に示すように閉じた状態においては、厚みが増した左右の該側縁部分9,9の当接が良好に行われることとなり、カーテンの召合わせ側7に隙間が発生するのを抑制できる。
本発明は、前記実施例で示したものに限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内で種々の設計変更が可能であることはいうまでもない。その一例を挙げれば次のようである。
(1) 本発明は、前記両開きのカーテン3,3を備える前記実施例で示したカーテン装置として構成されることの他、片開きのカーテン3を備えるカーテン装置として構成されることもある。この場合は、該カーテン3の両側縁部分の少なくとも一方の側縁部分が、その上下全長に亘ってカーテン表側に向け、平面視でU字状に屈曲した突出状態に変形するように、該側縁部分の上端側の部分に、カーテン湾曲変形手段12を介してU字状弾性変形部13が形成される。
このように構成する場合、該カーテン湾曲変形手段12の構成、前記ウエーブピッチ保持部材21の構成、これを用いて行うウエーブ20の形成要領、前記3/4ピッチ保持部材部70を用いて行うウエーブ20の見栄え向上の要領、前記3/4ピッチ保持部材部70に係る前記「カーテンのウエーブ形成用止着部材の取り付け位置変更方法」の応用については、前記両開きのカーテンを備える前記カーテン装置1におけると同様に採用し得る。
(2) 本発明に係る前記左右のカーテン3,3は共に、ウエーブが形成されているか否かは問わず、フラットカーテンであってもよい。そして、ウエーブが形成されている場合であっても、該ウエーブは前記ウエーブピッチ保持部材21を用いて形成されているものには限らず、プリーツ加工によって形成されているものであってもよい。なお、該ウエーブのピッチは各種に設定でき、又該ピッチは、カーテンの幅方向で見て均一とは限らない。
(4) 前記U字状弾性変形部13を形成するための前記間隔保持部材15は、所要間隔を置いて左右隣り合う前記吊下フック5,5相互間の最大距離を規制するものであるが、該最大距離を規制する機能を有する限り、該間隔保持部材15は、前記紐状を呈するものには特定されない。該間隔保持部材15が、非伸縮性の可撓性部材である場合の他の態様としてはチエーン状を呈するもの等を例示できる。
又、該間隔保持部材15が非可撓性部材である場合の態様としては、例えば、左右隣り合う前記吊下フック5,5相互間を連結するプラスチック製や金属製等の連結部材を例示でき、又、左右隣り合う前記吊下フック5,5を掛止させる係止孔が隣り合わせて設けられた前記ランナー6の下端係止部を例示できる。又、隣り合う前記吊下フック5,5を共に掛止させることのできるように該係止孔の径が大きく形成されている場合は、該係止孔を有する前記ランナー6の下端係止部を例示できる。
(8) 本発明は、前記カーテンレールが棒状カーテンレールとして構成され、該リング状のランナーが該棒状カーテンレールをその軸線方向で摺動するように構成され、該リング状のランナーに前記フックの掛着部が設けられたものとして構成されることもある。