(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024077973
(43)【公開日】2024-06-10
(54)【発明の名称】刀剣鑑賞システム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/04845 20220101AFI20240603BHJP
G06T 19/00 20110101ALI20240603BHJP
【FI】
G06F3/04845
G06T19/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022190243
(22)【出願日】2022-11-29
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100116012
【弁理士】
【氏名又は名称】宮坂 徹
(72)【発明者】
【氏名】中里 香名子
(72)【発明者】
【氏名】宮▲崎▼ 遥
(72)【発明者】
【氏名】石川 克則
【テーマコード(参考)】
5B050
5E555
【Fターム(参考)】
5B050AA03
5B050BA09
5B050BA20
5B050CA07
5B050CA08
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5B050FA13
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5E555FA00
(57)【要約】 (修正有)
【課題】入力装置の共有を回避可能な刀剣鑑賞システムを提供する。
【解決手段】刀剣鑑賞システム1において、サーバ装置3が、端末装置23のWebブラウザで実行されるウェブアプリケーションは、刀剣表示装置2に対する操作を受け付ける画面を表示させ、受け付けた操作の操作データをサーバ装置3に送信させるウェブアプリケーションを端末装置23に提供する。また、サーバ装置3は、ウェブアプリケーションを介して端末装置23から送信された操作データを取得し、取得した操作データを刀剣表示装置2に送信する。さらに、刀剣表示装置2は、サーバ装置3から送信された操作データを取得し、取得した操作データに基づき、仮想空間内において仮想刀剣モデル、仮想光源及び仮想カメラの少なくとも何れかを動かす。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバ装置と、
前記サーバ装置と通信ネットワークを介して通信可能な刀剣表示装置と、を備え、
前記サーバ装置は、
端末装置のWebブラウザで実行されるウェブアプリケーションであって、前記刀剣表示装置に対する操作を受け付ける画面を表示させ、受け付けた操作の操作データを前記サーバ装置に送信させるウェブアプリケーションを端末装置に提供するアプリ提供部と、
前記ウェブアプリケーションを介して前記端末装置から送信された前記操作データを取得し、取得した前記操作データを前記刀剣表示装置に送信するデータ送信部と、を有し、
前記刀剣表示装置は、
仮想刀剣モデル、仮想光源及び仮想カメラが配置された仮想空間において、前記仮想カメラで前記仮想刀剣モデルを撮影した場合に得られる仮想画像を生成する画像生成部と、
前記画像生成部が生成した前記仮想画像をディスプレイに表示させる表示部と、
前記サーバ装置から送信された前記操作データを取得するデータ取得部と、
前記データ取得部が取得した前記操作データに基づき、前記仮想空間内において前記仮想刀剣モデル、前記仮想光源及び前記仮想カメラの少なくとも何れかを動かす動作制御部と、を有する
刀剣鑑賞システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、刀剣鑑賞システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、実在の刀剣の3次元CGを大型のタッチパネルディスプレイに表示させ、ユーザに鑑賞させる刀剣鑑賞システムが知られている(例えば、非特許文献1参照)。非特許文献1に記載の刀剣鑑賞システムでは、鑑賞者がタッチパネルディスプレイにタッチ操作を行うことで、表示されている3次元CGの回転・拡大・縮小等が可能となっている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】https://www.city.setouchi.lg.jp/site/token/109319.html
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、非特許文献1に記載の刀剣鑑賞システムでは、同じ入力装置(タッチパネルディスプレイ)を他人と共有するため、ウイルスの感染防止等の点からは好ましくない。
本発明は、上記課題に鑑み、入力装置の共有を回避可能な刀剣鑑賞システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、(a)サーバ装置と、(b)サーバ装置と通信ネットワークを介して通信可能な刀剣表示装置と、を備え、サーバ装置は、(c)端末装置のWebブラウザで実行されるウェブアプリケーションであって、刀剣表示装置に対する操作を受け付ける画面を表示させ、受け付けた操作の操作データをサーバ装置に送信させるウェブアプリケーションを端末装置に提供するアプリ提供部と、(d)ウェブアプリケーションを介して端末装置から送信された操作データを取得し、取得した操作データを刀剣表示装置に送信するデータ送信部と、を有し、刀剣表示装置は、(e)仮想刀剣モデル、仮想光源及び仮想カメラが配置された仮想空間において、仮想カメラで仮想刀剣モデルを撮影した場合に得られる仮想画像を生成する画像生成部と、(f)画像生成部が生成した仮想画像をディスプレイに表示させる表示部と、(g)サーバ装置から送信された操作データを取得するデータ取得部と、(h)データ取得部が取得した操作データに基づき、仮想空間内において仮想刀剣モデル、仮想光源及び仮想カメラの少なくとも何れかを動かす動作制御部と、を有することを要旨とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一態様によれば、鑑賞者が携帯するスマートフォン等を入力装置とすることができるため、入力装置の共有を回避可能な刀剣鑑賞システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1の実施形態に係る刀剣鑑賞システムの一構成例を示す図である。
【
図2】刀剣表示装置の本体装置の構成を示す図である。
【
図3】仮想刀剣モデル、仮想カメラ及び仮想光源が配置された仮想空間を示す図である。
【
図6】端末装置に表示される画面を示す図であり、(A)は第1画面を示す図、(B)は第2画面を示す図である。
【
図7】鑑賞者がピンチアウトの操作を行った場合を示す図である。
【
図8】鑑賞者が1本指のスワイプの操作を行った場合を示す図である。
【
図9】鑑賞者が2本指のスワイプの操作を行った場合を示す図である。
【
図10】鑑賞者が反転ボタンのタップの操作を行った場合を示す図である。
【
図11】鑑賞者が端末操作を傾ける操作を行った場合を示す図である。
【
図12】鑑賞者が反転ボタンのタップの操作を行った場合を示す図である。
【
図13】刀剣鑑賞システム及び端末装置が行う処理の流れを示す図である。
【
図14】変形例に係る刀剣鑑賞システムの一構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
本発明の実施形態は、以下の順序で説明する。
1.第1の実施形態
1.1 刀剣鑑賞システムの構成
1.2 刀剣表示装置の構成
1.3 サーバ装置の構成
1.4 端末装置の構成
1.5 刀剣表示装置の表示内容の更新
1.6 変形例
【0009】
[1.第1の実施形態]
[1.1 刀剣鑑賞システムの構成]
以下、第1の実施形態に係る刀剣鑑賞システムの構成を、図面を参照して説明する。
図1は、刀剣鑑賞システム1の一構成例を示す図である。
図1に示した刀剣鑑賞システム1は、博物館等において、鑑賞者である来館者に、仮想刀剣モデル、仮想カメラ及び仮想光源が配置された仮想空間の画像を視認させ、仮想刀剣の回転、仮想カメラや仮想光源の移動を行わせることで、仮想刀剣モデルの自由な鑑賞を可能とするためのシステムである。
図1に示すように、刀剣鑑賞システム1は、刀剣表示装置2と、サーバ装置3とを備えている。刀剣表示装置2とサーバ装置3とは、通信ネットワークNWを介して通信可能に接続されている。通信ネットワークNWとしては、例えばインターネットが挙げられる。
【0010】
[1.2 刀剣表示装置の構成]
刀剣表示装置2は、博物館等に設置され、本体装置4と、ディスプレイ5とを有している。本体装置4は、
図2に示すように、通信部6と、記憶部7と、制御部8とを有している。通信部6は、通信ネットワークNWを介してサーバ装置3と通信を行う。通信部6は、例えば、汎用の通信用IC等で実現される。記憶部7は、本体装置4の各構成要素を実現するためのプログラム、プログラムを実行する際に用いられる変数、及び各種の情報を記憶する。記憶部7は、例えば、HDDやフラッシュメモリ等の記憶装置で実現される。
【0011】
制御部8は、本体装置4が備えるハードウェアとしてのCPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッシングユニットが記憶部7に記憶されたプログラムを実行することにより、制御部8の機能が実現される。制御部8は、画像生成部9と、表示部10と、データ取得部11と、動作制御部12とを有している。
画像生成部9は、
図3に示すように、仮想空間13内に、仮想刀剣モデル14、仮想光源15及び仮想カメラ16を配置する。仮想刀剣モデル14は、鑑賞対象となる実在の日本刀等の刀剣を模した高精度の3次元モデルである。例えば、実物の刀剣を撮像して生成した高精細な画像データを基に作成される。また、画像生成部9は、仮想空間13において、仮想カメラ16で仮想刀剣モデル14を撮影した場合に得られる仮想画像を生成する。表示部10は、画像生成部9で生成された仮想画像をディスプレイ5に表示させる。
【0012】
また、データ取得部11は、通信部6を介して、サーバ装置3から送信される操作データを取得する。操作データは、端末装置23で生成されるデータであって、仮想刀剣モデル14、仮想光源15又は仮想カメラ16を動かす操作に関するデータである。動作制御部12は、データ取得部11が取得した操作データに基づき、仮想空間13内において仮想刀剣モデル14、仮想光源15及び仮想カメラ16の少なくとも何れかを動かす。これにより、画像生成部9及び表示部10は、操作データに応じて仮想刀剣モデル14等が動かされた仮想空間13で仮想画像を再度生成してディスプレイ5の表示内容を更新する。このような表示内容の更新は、所定時間(例えば10msec.)ごとに繰り返される。仮想刀剣モデル14等の動かし方の詳しい具体例については後述する(
図7~
図12参照)。
【0013】
[1.3 サーバ装置の構成]
サーバ装置3は、
図4に示すように、通信部17と、記憶部18と、制御部19とを有している。通信部17は、例えば、通信用IC等であり、通信ネットワークNWを介して本体装置4や端末装置23と通信を行う。記憶部18は、例えば、HDD等の記憶装置であり、サーバ装置3の各構成要素を実現するためのプログラム、プログラムを実行する際に用いられる変数、及び各種の情報(後述するWebアプリ22を含む)を記憶する。
制御部19は、サーバ装置3が備えるハードウェアとしてのCPU等のプロセッシングユニットが記憶部18に記憶されたプログラムを実行することにより、制御部19の機能が実現される。制御部19は、アプリ提供部20と、データ送信部21とを有している。
【0014】
アプリ提供部20は、端末装置23によるWebアプリ22を介した刀剣表示装置2の操作を可能とするウェブサイト(以下、「操作用サイト」とも呼ぶ)を提供する。また、アプリ提供部20は、端末装置23のWebブラウザ32で実行されるウェブアプリケーション(以下、「Webアプリ22」とも呼ぶ)を端末装置23に提供する。Webアプリ22は、刀剣表示装置2に対する操作を受け付ける画面を表示させ、受け付けた操作の操作データをサーバ装置3に送信させるウェブアプリケーションである。Webアプリ22の一例としては、操作用サイトのHTMLファイルの中に組み込まれたJava(登録商標)プログラム(Java Script(登録商標))が用いられる。Java(登録商標)プログラムが用いられた場合、アプリ提供部20は、JSP(Java Server Pages)技術を利用することで、操作用サイトにアクセスした端末装置23にWebアプリ22を提供できる。
【0015】
また、データ取得部11は、通信部17経由で、Webアプリ22を介して端末装置23から送信された操作データを取得し、取得した操作データを刀剣表示装置2に送信する。これにより、端末装置23のWebアプリ22で受け付けた、鑑賞者が行った操作の操作データが刀剣表示装置2に逐次転送され、刀剣表示装置2の表示内容が逐次更新される。このような操作データの転送は、所定時間(例えば10msec.)ごとに繰り返される。
また、アプリ提供部20及びデータ取得部11は、ある端末装置23が操作用サイトにアクセスしているときに、他の端末装置23が操作用サイトにアクセス(つまり、操作用サイトを提供するサーバ装置3にアクセス)した場合には、先にアクセスしていた端末装置23とサーバ装置3とのコネクションを強制的に切断し、後からアクセスしてきた端末装置23とサーバ装置3とのコネクションを確立する。これにより、最後にサーバ装置3にアクセスしてきた端末装置23(ユーザ)をアクティブユーザとすることができる。
【0016】
[1.4 端末装置の構成]
また、刀剣鑑賞システム1には、通信ネットワークNWを介して端末装置23が接続される。端末装置23は、例えば、博物館等において、刀剣表示装置2のディスプレイ5の前に立っている来館者(鑑賞者)が携帯しているスマートフォンやタブレット等である。
端末装置23は、
図5に示すように、イメージセンサ24と、タッチパネルディスプレイ25と、加速度センサ26と、ジャイロセンサ27と、通信部28と、記憶部29と、制御部30とを有している。通信部28は、例えば、通信用IC等であり、通信ネットワークNWを介して端末装置23と通信を行う。記憶部29は、例えば、HDD等の記憶装置であり、端末装置23の各構成要素を実現するためのプログラム、プログラムを実行する際に用いられる変数、及び各種の情報を記憶する。
【0017】
制御部30は、端末装置23が備えるハードウェアとしてのCPU等のプロセッシングユニットが記憶部29に記憶されたプログラムを実行することにより、制御部30の機能が実現される。制御部30は、装置制御部31と、Webブラウザ32とを有している。
装置制御部31は、端末装置23を統合的に制御する。例えば、装置制御部31は、ユーザ(鑑賞者)が操作用サイトのURL等の接続先情報を含む二次元コードQをイメージセンサ24で撮像した場合、撮像によって得た画像データから接続先情報を取得して、Webブラウザ32に操作用サイトへのアクセスを行わせる。その際、端末装置23とサーバ装置3とのTCPのコネクションを確立する。また、操作用サイトへのアクセスに用いる二次元コードQは、例えば、刀剣表示装置2のディスプレイ5の一部に表示させておく構成としてもよいし(
図7~
図12参照)、別の装置のディスプレイに表示させておく構成としてもよい(
図14参照)。
図14では、ディスプレイ5とは別の装置である入力装置41(例えば、タブレット)に二次元コードQを表示させた場合を例示している。
【0018】
また、二次元コードQをディスプレイ5等に表示させておく構成とする場合には、操作用サイトへのアクセスがあった後、所定時間(例えば、3分間)は、二次元コードQの表示を停止する構成としてもよい。これにより、例えば、ある鑑賞者が端末装置23で操作用サイトにアクセスしているときに、アクセス開始から所定時間が経過するまでは、他の鑑賞者が操作用サイトにアクセスすることを抑制でき、先にアクセスしていた鑑賞者の端末装置23とサーバ装置3とのコネクションが強制的に切断されることを抑制できる。
また、装置制御部31は、加速度センサ26及びジャイロセンサ27の検出信号に基づき、端末装置23の姿勢を表す姿勢データを算出する。姿勢データとしては、例えば、鉛直方向に対して、端末装置23の上下方向がなす傾き角度や、端末装置23の中心を通って端末装置23の上下方向に延びている軸回りの回転角度を示すデータが挙げられる。
【0019】
Webブラウザ32は、操作用サイトにアクセスすることによって、サーバ装置3から操作用サイトのWebアプリ22を受信する。Webアプリ22は、例えば、操作用サイトのHTMLファイルの中に組み込まれて提供される。Webブラウザ32は、受信したHTMLファイル及びWebアプリ22により、刀剣表示装置2に対する操作を受け付ける画面をタッチパネルディスプレイ25に表示させる。操作を受け付ける画面としては、例えば、端末装置23の動作モードがタッチパッドモードである場合には第1画面36(
図6(A)参照)を表示させ、ジャイロモードである場合には第2画面39(
図6(B)参照)を表示させる。第1画面36は、
図6(A)に示すように、タッチパッド33、反転ボタン34及び切替ボタン35を示す画面である。また、第2画面39は、
図6(B)に示すように、反転ボタン37及び切替ボタン38を示す画面である。タッチパッドモード(第1画面36)とジャイロモード(第2画面39)との切り替えは切替ボタン35、38のタップ操作で行う。Webブラウザ32は、Webアプリ22を介して、表示した画面(第1画面36、第2画面39)に対してユーザ(鑑賞者)が行った操作の内容や、端末装置23の姿勢を表す姿勢データを操作データとしてサーバ装置3に送信する。サーバ装置3に送信された操作データは、サーバ装置3から刀剣表示装置2に転送される。
【0020】
例えば、
図7に示すように、第1画面36が表示されているときに、ユーザ(鑑賞者)によってタッチパッド33にピンチアウト・ピンチインの操作が行われると、Webブラウザ32は、Webアプリ22を介して、ピンチアウト・ピンチインの操作データをサーバ装置3に送信する。また、刀剣表示装置2は、サーバ装置3からピンチアウト・ピンチインの操作データが転送されると、仮想カメラ16の位置を仮想刀剣モデル14に接近・離反させることで、ディスプレイ5の仮想刀剣モデル14の拡大・縮小を行う。
図7では、ピンチアウトの操作を行って仮想刀剣モデル14の拡大を行った場合を例示している。
【0021】
また、例えば
図8に示すように、第1画面36が表示されているときに、ユーザ(鑑賞者)によってタッチパッド33に1本指のスワイプの操作が行われると、Webブラウザ32は、Webアプリ22を介して、スワイプの操作データをサーバ装置3に送信する。また、刀剣表示装置2は、サーバ装置3から1本指のスワイプの操作データが転送されると、仮想カメラ16の位置を仮想刀剣モデル14の長手方向に沿って移動させることで、ディスプレイ5の仮想刀剣モデル14をスワイプ方向に移動させる。
図8では右方向へのスワイプの操作を行って仮想刀剣モデル14を右方向に移動させた場合を例示している。
【0022】
また、例えば
図9に示すように、第1画面36が表示されているときに、ユーザ(鑑賞者)によってタッチパッド33に2本指のスワイプの操作が行われると、Webブラウザ32は、Webアプリ22を介して、スワイプの操作データをサーバ装置3に送信する。また、刀剣表示装置2は、サーバ装置3から2本指のスワイプの操作データが転送されると、仮想光源15の位置を仮想刀剣モデル14の長手方向に沿って移動させることで、ディスプレイ5の仮想刀剣モデル14において仮想光源15の光が当たる箇所40をスワイプ方向に移動させる。
図9では、右方向へのスワイプの操作を行って仮想刀剣モデル14において仮想光源15の光が当たる箇所40を右方向に移動させた場合を例示している。
【0023】
また、例えば、
図10に示すように、第1画面36が表示されているときに、ユーザ(鑑賞者)によって反転ボタン34のタップの操作が行われると、Webブラウザ32は、Webアプリ22を介して、反転ボタン34のタップの操作データをサーバ装置3に送信する。また、刀剣表示装置2は、サーバ装置3から反転ボタン34のタップの操作データが転送されると、仮想刀剣モデル14を長手方向の軸回りに180°回転させることで、ディスプレイ5の仮想刀剣モデル14を反転させる。
【0024】
また、例えば、
図11に示すように、第2画面39が表示されているときには、Webブラウザ32は、Webアプリ22を介して、端末装置23の姿勢を表す姿勢データを操作データとしてサーバ装置3に送信する。また、刀剣表示装置2は、サーバ装置3から端末装置23の姿勢データが転送されると、仮想刀剣モデル14上の所定点を中心として仮想刀剣モデル14を回転させることで、ディスプレイ5の仮想刀剣モデル14を端末装置23と同じ姿勢とする。例えば、ディスプレイ5の上下方向に対して仮想刀剣モデル14の上下方向がなす傾き角度を、鉛直方向に対して端末装置23の上下方向がなす傾き角度と同一とする。また、例えば、端末装置23の中心を通って端末装置23の上下方向に延びている軸回りに端末装置23が回転された場合には、ディスプレイ5に表示されている仮想刀剣モデル14の長手方向軸回りの回転角度を、端末装置23の回転角度と同一とする。
【0025】
また、例えば、
図12に示すように、第2画面39が表示されているときに、ユーザ(鑑賞者)によって反転ボタン37のタップの操作が行われると、Webブラウザ32は、Webアプリ22を介して、反転ボタン37のタップの操作データを送信する。また、刀剣表示装置2は、サーバ装置3から反転ボタン37のタップの操作データが転送されると、仮想刀剣モデル14を長手方向の軸回りに180°回転させることで、ディスプレイ5に表示されている仮想刀剣モデル14を長手方向の軸回りに180°回転させる。ここで、例えば、反転ボタン37がない場合、仮想刀剣モデル14を裏返すためには、端末装置23を長手方向の軸回りに180°回転させることになる。それゆえ、ユーザ(鑑賞者)から端末装置23の第2画面39が見えなくなり、第2画面39に対する操作をユーザ(鑑賞者)が行うことが困難となる。これに対し、第1の実施形態では、反転ボタン37を有しているため、反転ボタン37をタップすることで、仮想刀剣モデル14を裏返すことができ、端末装置23を長手方向の軸回りに回転させる必要がない。それゆえ、仮想刀剣モデル14を裏返した後も、ユーザ(鑑賞者)から端末装置23の第2画面39が見えているため、第2画面39に対する操作をユーザ(鑑賞者)が容易に行うことができる。
【0026】
[1.5 刀剣表示装置の表示内容の更新]
次に、刀剣表示装置2の表示内容の更新を行う処理の流れについて説明する。
図13は、刀剣鑑賞システム1及び端末装置23が行う処理の流れを示す図である。
ステップS1:博物館等において、鑑賞者が、自身が携帯する端末装置23を操作し、端末装置23で二次元コードQを撮像する。
ステップS2:端末装置23が、撮像によって得た画像データから操作用サイトの接続先情報を取得し、Webブラウザ32に操作用サイトへのアクセスを行わせる。これにより、端末装置23が、サーバ装置3が有するWebアプリ22にアクセスする。Webアプリ22の一例としては、例えば、操作用サイトのHTMLファイルの中に組み込まれたJava(登録商標)プログラム(Java Script(登録商標))が用いられる。
ステップS3:端末装置23が、刀剣表示装置2に対する操作の受付画面を表示する。
【0027】
ステップS4:鑑賞者が、端末装置23のWebブラウザ32を介して、表示した受付画面(
図6(A)に示した第1画面36、又は
図6(B)に示した第2画面39)に対して操作を行う。第1画面36は、端末装置23の動作モードがタッチパッドモードである場合に表示される受付画面である。また、第2画面39は、端末装置23の動作モードがジャイロモードである場合に表示される受付画面である。
ステップS5:端末装置23が、Webアプリ22を介して、表示した受付画面に対して鑑賞者が行った操作の内容等を操作データとしてサーバ装置3に送信する。
ステップS6:サーバ装置23が、Webアプリ22を介して端末装置23から送信された操作データを取得し、取得した操作データを刀剣表示装置2に送信する。
ステップS7:刀剣表示装置2が、サーバ装置3から送信された操作データを取得し、取得した操作データに基づき、仮想空間13内において仮想刀剣モデル14、仮想光源15及び仮想カメラ16等を動かす。これにより、仮想刀剣モデル14等が動かされた仮想空間13で仮想画像を生成し、刀剣表示装置2のディスプレイ5の表示内容を更新する。
【0028】
ここで、例えば、刀剣表示装置2を、鑑賞者からの操作を受け付けず、単に仮想刀剣モデル14の画像の動画を表示する一方向のサイネージ機能のみの装置とした場合、鑑賞者に対して仮想刀剣モデル14の画像への没入感を与えることは難しい。また、例えば、没入感を高めるために、刀剣表示装置2を鑑賞者からの操作を受け付ける双方向な装置とする場合、仮想刀剣モデル14の表示を行うディスプレイ5としてタッチパネルディスプレイを用いる構成とすると、同じ入力装置(タッチパネルディスプレイ)を他人と共有するため、ウイルスの感染防止等の点からは好ましくない。また、ディスプレイ5の仮想刀剣モデル14が見え難くなるため、仮想刀剣モデル14の鑑賞の妨げとなる可能性がある。
【0029】
これに対し、第1の実施形態に係る刀剣鑑賞システム1では、サーバ装置3が、端末装置23のWebブラウザ32で実行されるWebアプリ22であって、刀剣表示装置2に対する操作を受け付ける画面(第1画面36、第2画面39)を表示させ、受け付けた操作の操作データをサーバ装置3に送信させるWebアプリ22を端末装置23に提供する構成とした。また、サーバ装置3が、Webアプリ22を介して端末装置23から送信された操作データを取得し、取得した操作データを刀剣表示装置2に送信する構成とした。さらに、刀剣表示装置2が、サーバ装置3から送信された操作データを取得し、取得した操作データに基づき、仮想空間13内において仮想刀剣モデル14、仮想光源15及び仮想カメラ16の少なくとも何れかを動かす構成とした。それゆえ、鑑賞者が携帯するスマートフォン等を上記の端末装置23、つまり、刀剣表示装置2の入力装置とすることができるため、入力装置の共有を回避できる。そのため、ウイルスの感染防止等の点で好ましい。また、鑑賞者による操作が、仮想刀剣モデル14の鑑賞の妨げとならずに済む。
【0030】
また、第1の実施形態に係る刀剣鑑賞システム1では、端末装置23が、Webアプリ22を介して、端末装置23の姿勢を表す姿勢データを操作データとしてサーバ装置3に送信する構成とした(
図11、
図12参照)。また、刀剣表示装置2が、サーバ装置3から姿勢データを取得すると、仮想刀剣モデル14上の所定点を中心として仮想刀剣モデル14を回転させることで、ディスプレイ5の仮想刀剣モデル14を端末装置23と同じ姿勢とする構成とした。それゆえ、鑑賞者が端末装置23の入力画面(タッチパネルディスプレイ25)を見ずに操作できるため、仮想刀剣モデル14の画像への没入感を向上できる。
【0031】
[1.6 変形例]
(1)なお、第1の実施形態では、刀剣鑑賞システム1を、刀剣表示装置2及びサーバ装置3を有する構成とする例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、
図14に示すように、刀剣表示装置2の本体装置4に直接接続されて本体装置4と通信を行う入力装置41を有する構成としてもよい。この場合、入力装置41は、刀剣表示装置2に対する操作を受け付ける画面を表示し、受け付けた操作の操作データを本体装置4に送信する。また、本体装置4は、データ取得部11が、入力装置41から送信された操作データを取得し、動作制御部12が、取得した操作データに基づき、仮想空間13内において仮想刀剣モデル14、仮想光源15及び仮想カメラ16の少なくとも何れかを動かす。これにより、スマートフォンを持たない鑑賞者も仮想刀剣モデル14を操作できる。また、通信ネットワークNWに接続できない環境においても仮想刀剣モデル14を操作できる。
【0032】
(2)また、第1の実施形態では、仮想刀剣モデル14として、実在の日本刀等の刀剣を模した高精度の3次元モデルを用いる例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、仮想刀剣モデル14として、厚さの情報が省略され、刀剣の平面形状を模した平板状の3次元モデルであって、その3次元モデルの表面及び裏面それぞれに実物の刀剣の表面及び裏面の画像データがテクスチャ画像として貼り付けられた3次元モデルを用いる構成としてもよい。この場合、3次元モデルの陰影の計算は、法線マップを用いて行う。
【符号の説明】
【0033】
1…刀剣鑑賞システム、2…刀剣表示装置、3…サーバ装置、4…本体装置、5…ディスプレイ、6…通信部、7…記憶部、8…制御部、9…画像生成部、10…表示部、11…データ取得部、12…動作制御部、13…仮想空間、14…仮想刀剣モデル、15…仮想光源、16…仮想カメラ、17…通信部、18…記憶部、19…制御部、20…アプリ提供部、21…データ送信部、22…Webアプリ、23…端末装置、24…イメージセンサ、25…タッチパネルディスプレイ、26…加速度センサ、27…ジャイロセンサ、28…通信部、29…記憶部、30…制御部、31…装置制御部、32…Webブラウザ、33…タッチパッド、34…反転ボタン、35…切替ボタン、36…第1画面、37…反転ボタン、38…切替ボタン、39…第2画面、40…仮想光源の光が当たる箇所、41…入力装置