(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078005
(43)【公開日】2024-06-10
(54)【発明の名称】換気部材用役物部材及び換気部材の施工方法
(51)【国際特許分類】
E04D 13/152 20060101AFI20240603BHJP
E04D 13/16 20060101ALI20240603BHJP
【FI】
E04D13/152 Z
E04D13/16 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022190286
(22)【出願日】2022-11-29
(71)【出願人】
【識別番号】595133736
【氏名又は名称】株式会社トーコー
(74)【代理人】
【識別番号】100098545
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100189717
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 貴章
(72)【発明者】
【氏名】飯田 祥希
(57)【要約】
【課題】施工部位や屋根勾配に関わらず、水下側の出隅だけでなく水上側の出隅に対して、右側用役物部材と左側用役物部材の2種類の役物部材によって施工現場で対応できる換気部材用役物部材、また、それを用いた換気部材の施工方法を提供すること。
【解決手段】役物部材1が本体接合部10と、形状可変部20とからなり、役物部材1として、形状可変部右側用役物部材1Rと、形状可変部左側用役物部材1Lとを用い、本体接合部10は、本体接合部下地当接面11と、前面側本体接合部側壁面12fと、本体接合部底面13とを有し、形状可変部20は、形状可変部底面21と、形状可変部形状可変部側面22と、形状可変部形状可変部前面23fと、形状可変部形状可変部背面23bと、形状可変部形状可変部形状可変部前面延出部24とを有し、形状可変部側面22は、形状可変部底面21に対して角度を変更することで勾配部材Sの勾配に応じた角度に変更できる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平部材及び勾配部材に換気部材を施工する際に、前記水平部材と前記勾配部材との取り合いを納める換気部材用役物部材であって、
役物部材が
前記換気部材の端部を接合する本体接合部と、
前記本体接合部に接合される形状可変部と
からなり、
前記役物部材として、
一方に前記本体接合部を配置し他方に前記形状可変部を配置する右側用役物部材と、
一方に前記形状可変部を配置し他方に前記本体接合部を配置する左側用役物部材と
を用い、
前記本体接合部は、
前記水平部材又は前記勾配部材の下面に当接させる本体接合部下地当接面と、
前記本体接合部下地当接面から下方に垂下させる前面側本体接合部側壁面と、
前記前面側本体接合部側壁面の下端に配置される本体接合部底面と
を有し、
前記形状可変部は、
前記本体接合部底面と平行に配置されて前記本体接合部側を一方端部とする形状可変部底面と、
前記形状可変部底面の他方端部から立ち上げる形状可変部側面と、
前記形状可変部底面の前記一方端部と前記他方端部との間で、一方の辺から立ち上げる形状可変部前面と、
前記形状可変部底面の前記一方端部と前記他方端部との間で、他方の辺から立ち上げる形状可変部背面と、
前記形状可変部前面と平行に前記形状可変部前面から更に延出させる形状可変部前面延出部と
を有し、
前記形状可変部側面は、前記形状可変部底面に対して角度を変更することで前記勾配部材の勾配に応じた前記角度に変更できる
ことを特徴とする換気部材用役物部材。
【請求項2】
前記形状可変部側面を前記勾配部材の前記勾配に応じた前記角度に変更する際には前記形状可変部側面の上部を前記勾配に応じて切り取ることができる
ことを特徴とする請求項1に記載の換気部材用役物部材。
【請求項3】
前記形状可変部側面が前記形状可変部底面に対して前記角度を90度として用いる際には、前記形状可変部前面延出部を切り取って用いる
ことを特徴とする請求項1に記載の換気部材用役物部材。
【請求項4】
前記形状可変部側面が前記形状可変部底面に対して前記角度を90度より大きく変更して用いる際には、前記形状可変部前面延出部は、前記形状可変部側面より先端側に延出する部分を切り取って用いる
ことを特徴とする請求項1に記載の換気部材用役物部材。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の換気部材用役物部材を用いた換気部材の施工方法であって、前記水平部材を施工した後に、前記勾配部材を施工する
ことを特徴とする換気部材の施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水平部材及び勾配部材に換気部材を施工する際に用いる換気部材用役物部材、及びこの換気部材用役物部材を用いた換気部材の施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
軒の出の少ない住宅に用いる換気部材を、水下水平部材(水下側水平部材)だけでなく勾配部材(ケラバ側勾配部材)や水上水平部材(水上側水平部材)にも施工する場合には、水平部材と勾配部材の取り合いを納める役物部材が必要になる。
特に勾配部材は、住宅の屋根勾配によって傾きが変化するため、従来は各勾配ごとにジャストフィットするように設計された役物部材が必要となり、膨大な種類の役物部材を用意する必要がある。
なお、水下側の出隅に対しては、屋根勾配に応じて設置できる換気部材用役物部材が提案されている(特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1で提案されている換気部材用役物部材は、水下側の出隅に対しては設置できるが、水上側の出隅に対しては用いることができない。
【0005】
そこで本発明は、施工部位や屋根勾配に関わらず、水下側の出隅だけでなく水上側の出隅に対して、右側用役物部材と左側用役物部材の2種類の役物部材によって施工現場で対応できる換気部材用役物部材を提供することを目的とする。
また、本発明は、この換気部材用役物部材を用いた換気部材の施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の本発明の換気部材用役物部材は、水平部材H及び勾配部材Sに換気部材2を施工する際に、前記水平部材Hと前記勾配部材Sとの取り合いを納める換気部材用役物部材であって、役物部材1が前記換気部材2の端部を接合する本体接合部10と、前記本体接合部10に接合される形状可変部20とからなり、前記役物部材1として、一方に前記本体接合部10を配置し他方に前記形状可変部20を配置する右側用役物部材1Rと、一方に前記形状可変部20を配置し他方に前記本体接合部10を配置する左側用役物部材1Lとを用い、前記本体接合部10は、前記水平部材H又は前記勾配部材Sの下面に当接させる本体接合部下地当接面11と、前記本体接合部下地当接面11から下方に垂下させる前面側本体接合部側壁面12fと、前記前面側本体接合部側壁面12fの下端に配置される本体接合部底面13とを有し、前記形状可変部20は、前記本体接合部底面13と平行に配置されて前記本体接合部10側を一方端部とする形状可変部底面21と、前記形状可変部底面21の他方端部から立ち上げる形状可変部側面22と、前記形状可変部底面21の前記一方端部と前記他方端部との間で、一方の辺から立ち上げる形状可変部前面23fと、前記形状可変部底面21の前記一方端部と前記他方端部との間で、他方の辺から立ち上げる形状可変部背面23bと、前記形状可変部前面23fと平行に前記形状可変部前面23fから更に延出させる形状可変部前面延出部24とを有し、前記形状可変部側面22は、前記形状可変部底面21に対して角度を変更することで前記勾配部材Sの勾配に応じた前記角度に変更できることを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の換気部材用役物部材において、前記形状可変部側面22を前記勾配部材Sの前記勾配に応じた前記角度に変更する際には前記形状可変部側面22の上部22zを前記勾配に応じて切り取ることができることを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項1に記載の換気部材用役物部材において、前記形状可変部側面22が前記形状可変部底面21に対して前記角度を90度として用いる際には、前記形状可変部前面延出部24を切り取って用いることを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項1に記載の換気部材用役物部材において、前記形状可変部側面22が前記形状可変部底面21に対して前記角度を90度より大きく変更して用いる際には、前記形状可変部前面延出部24は、前記形状可変部側面22より先端側に延出する部分24Zを切り取って用いることを特徴とする。
請求項5記載の本発明の換気部材2の施工方法は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の換気部材用役物部材を用いた換気部材2の施工方法であって、前記水平部材Hを施工した後に、前記勾配部材Sを施工することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、施工部位や屋根勾配に関わらず、右側用役物部材と左側用役物部材の2種類の役物部材によって換気部材を施工することができ、全周役物部材の種類を減らすことで、生産性が向上し、在庫量を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施例による換気部材用役物部材の斜視図
【
図2】同換気部材用役物部材の施工部位を示す建物の斜視図
【
図3】
図2に示す施工部位に実施例による水平部材に用いる換気部材用役物部材を用いる場合の施工方法を示す斜視図
【
図4】
図2に示す施工部位に実施例による勾配部材に用いる換気部材用役物部材を用いる場合の施工方法を示す斜視図
【
図5】同換気部材用役物部材の施工部位を示す建物の斜視図
【
図6】
図5に示す施工部位に実施例による水平部材に用いる役物部材換気部材用役物部材を用いる場合の施工方法を示す斜視図
【
図7】
図5に示す施工部位に実施例による勾配部材に用いる役物部材換気部材用役物部材を用いる場合の施工方法を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の第1の実施の形態による換気部材用役物部材は、役物部材が換気部材の端部を接合する本体接合部と、本体接合部に接合される形状可変部とからなり、役物部材として、一方に本体接合部を配置し他方に形状可変部を配置する右側用役物部材と、一方に形状可変部を配置し他方に本体接合部を配置する左側用役物部材とを用い、本体接合部は、水平部材又は勾配部材の下面に当接させる本体接合部下地当接面と、本体接合部下地当接面から下方に垂下させる前面側本体接合部側壁面と、前面側本体接合部側壁面の下端に配置される本体接合部底面とを有し、形状可変部は、本体接合部底面と平行に配置されて本体接合部側を一方端部とする形状可変部底面と、形状可変部底面の他方端部から立ち上げる形状可変部側面と、形状可変部底面の一方端部と他方端部との間で、一方の辺から立ち上げる形状可変部前面と、形状可変部底面の一方端部と他方端部との間で、他方の辺から立ち上げる形状可変部背面と、形状可変部前面と平行に形状可変部前面から更に延出させる形状可変部前面延出部とを有し、形状可変部側面は、形状可変部底面に対して角度を変更することで勾配部材の勾配に応じた角度に変更できるものである。本実施の形態によれば、施工部位や屋根勾配に関わらず、右側用役物部材と左側用役物部材の2種類の役物部材によって換気部材を施工することができ、全周役物部材の種類を減らすことで、生産性が向上し、在庫量を削減できる。
【0010】
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態による換気部材用役物部材であって、形状可変部側面を勾配部材の勾配に応じた角度に変更する際には形状可変部側面の上部を勾配に応じて切り取ることができるものである。本実施の形態によれば、形状可変部側面の上部を勾配に応じて切り取ることによって勾配に関わらず隙間を無くすことができる。
【0011】
本発明の第3の実施の形態は、第1の実施の形態による換気部材用役物部材であって、形状可変部側面が形状可変部底面に対して角度を90度として用いる際には、形状可変部前面延出部を切り取って用いるものである。本実施の形態によれば、水平部材に取り付ける役物部材については形状可変部前面延出部を切り取ることで、勾配部材に取り付ける役物部材との干渉を無くすことができる。
【0012】
本発明の第4の実施の形態は、第1の実施の形態による換気部材用役物部材であって、形状可変部側面が形状可変部底面に対して角度を90度より大きく変更して用いる際には、形状可変部前面延出部は、形状可変部側面より先端側に延出する部分を切り取って用いるものである。本実施の形態によれば、水上側水平部材を水平部材とし、ケラバ側勾配部材を勾配部材として施工する際に、ケラバ側勾配部材に取り付ける役物部材について、形状可変部側面より先端側に延出する部分を切り取ることで、水上側水平部材に取り付ける役物部材との干渉を無くすことができる。
【0013】
本発明の第5の実施の形態による換気部材の施工方法は、第1から第4のいずれかの実施の形態による換気部材用役物部材を用いた換気部材の施工方法であって、水平部材を施工した後に、勾配部材を施工するものである。本実施の形態によれば、右側用役物部材と左側用役物部材の2種類の役物部材によって、建物の水下側水平部材だけでなくケラバ側勾配部材に対しても、屋根勾配に関わらずに換気部材の施工を行うことができる。
【実施例0014】
以下本発明の一実施例による換気部材用役物部材について説明する。
図1は本実施例による換気部材用役物部材の斜視図であり、
図1(a)は右側用役物部材の斜視図、
図1(b)は左側用役物部材の斜視図である。
本実施例による換気部材用役物部材は、水平部材H(
図2から
図7参照)及び勾配部材S(
図2から
図7参照)に換気部材2(
図4、
図7参照)を施工する際に、水平部材Hと勾配部材Sとの取り合いを納めるもので、役物部材1として、右側用役物部材1Rと左側用役物部材1Lとを用いる。
【0015】
役物部材1は、換気部材2の端部を接合する本体接合部10と、本体接合部10に接合される形状可変部20とからなる。
図1(a)に示す右側用役物部材1Rは、一方に本体接合部10を配置し他方に形状可変部20を配置している。
図1(b)に示す左側用役物部材1Lは、一方に形状可変部20を配置し他方に本体接合部10を配置している。
【0016】
本体接合部10は、水平部材H又は勾配部材Sの下面に当接させる本体接合部下地当接面11と、本体接合部下地当接面11から下方に垂下させる前面側本体接合部側壁面12fと、前面側本体接合部側壁面12fの下端に配置される本体接合部底面13と、前面側本体接合部側壁面12fに対向する位置に前面側本体接合部側壁面12fに平行に本体接合部底面13から立ち上げる背面側本体接合部側壁面12bとを有している。
前面側本体接合部側壁面12fは建物に施工された状態で屋外側に配置され、背面側本体接合部側壁面12bは建物に施工された状態で屋内側に配置される。
また、本体接合部10は、換気部材2の端部の上端側を規制する換気部材押え面14x、14yを有していることが好ましい。
本体接合部下地当接面11は、前面側本体接合部側壁面12fの上端から前面側に延出し、換気部材押え面14x、14yは、背面側本体接合部側壁面12bの上端から前面側に延出している。
本実施例では、換気部材押え面14xは、本体接合部下地当接面11と同一平面に配置することで、換気部材押え面14xを水平部材H又は勾配部材Sの下面に当接させている。
本体接合部下地当接面11には、取付孔15を形成している。役物部材1は、取付孔15に締結具(図示しない)を挿通することで水平部材H又は勾配部材Sに取り付けられる。
【0017】
形状可変部20は、本体接合部底面13と平行に配置されて本体接合部10側を一方端部とする形状可変部底面21と、形状可変部底面21の他方端部から立ち上げる形状可変部側面22と、形状可変部底面21の一方端部と他方端部との間で、一方の辺から立ち上げる形状可変部前面23fと、形状可変部底面21の一方端部と他方端部との間で、他方の辺から立ち上げる形状可変部背面23bと、形状可変部前面23fと平行に形状可変部前面23fから更に延出させる形状可変部前面延出部24とを有している。
形状可変部底面21は本体接合部底面13と同一平面上に配置し、形状可変部前面23fは形状可変部前面延出部24と同一平面上に配置している。
形状可変部前面23fの上端と形状可変部前面延出部24の上端とは、同一高さであり、本体接合部下地当接面11及び換気部材押え面14xより高い位置としている。
形状可変部側面22の上端は、形状可変部前面23fの上端及び形状可変部前面延出部24の上端より高い位置としている。
【0018】
本体接合部10には、本体接合部底面13の形状可変部底面21側の端部から立ち上げた本体接合部端面16を有し、形状可変部20には、形状可変部底面21の本体接合部10側となる一方端部から立ち上げた形状可変部端面25を有している。
本体接合部端面16と形状可変部端面25とを接合することで、本体接合部10と形状可変部20とは一体化されている。
【0019】
図2は本実施例による換気部材用役物部材の施工部位を示す建物の斜視図であり、
図2(a)は建物全体の斜視図、
図2(b)は施工部位の斜視図である。
図2では、水下側水平部材H1を水平部材Hとし、ケラバ側勾配部材S1を勾配部材Sとして換気部材2を施工する場合を示している。
本実施例では、水下側水平部材H1は鼻隠し下地材であり、ケラバ側勾配部材S1は破風下地材である。
【0020】
図3及び
図4は、
図2に示す施工部位に実施例による換気部材用役物部材を用いる場合の施工方法を示す斜視図であり、
図3は水平部材Hに用いる役物部材を示し、
図4は勾配部材Sに用いる役物部材を示している。
図3に示すように、水平部材Hに対しては左側用役物部材1Lを用いる。
左側用役物部材1Lの本体接合部10には、換気部材2の端部を接合する。
左側用役物部材1Lは、形状可変部側面22を形状可変部底面21に対して角度を90度として用いる。このように、形状可変部側面22を形状可変部底面21に対して角度を90度として用いる際には、形状可変部前面延出部24を形状可変部前面23fから切り取って用いる。
図4に示すように、勾配部材Sに対しては右側用役物部材1Rを用いる。
右側用役物部材1Rの本体接合部10には、換気部材2の端部を接合する。
右側用役物部材1Rは、形状可変部側面22を勾配部材Sの勾配に応じた角度α1に変更して用いる。このように、形状可変部側面22を勾配部材Sの勾配に応じた角度α1に変更して用いる際には形状可変部側面22の上部22zを勾配に応じて切り取って用いる。
【0021】
このように、形状可変部側面22は、形状可変部底面21に対して角度を変更することで勾配部材Sの勾配に応じた角度に変更することができ、施工部位や屋根勾配に関わらず、右側用役物部材1Rと左側用役物部材1Lの2種類の役物部材1によって換気部材2を施工することができ、全周役物部材の種類を減らすことで、生産性が向上し、在庫量を削減できる。
そして、形状可変部側面22の上部22zを勾配に応じて切り取ることによって勾配に関わらず隙間を無くすことができる。
また、形状可変部側面22を形状可変部底面21に対して角度を90度として用いる際には、水平部材Hに取り付ける役物部材1については形状可変部前面延出部24を切り取ることで、勾配部材Sに取り付ける役物部材1との干渉を無くすことができる。
以上のように、右側用役物部材1Rと左側用役物部材1Lの2種類の役物部材1によって、建物の水下側水平部材H1だけでなくケラバ側勾配部材S1に対しても、屋根勾配に関わらずに換気部材2の施工を行うことができる。
【0022】
図5は本実施例による換気部材用役物部材の施工部位を示す建物の斜視図であり、
図5(a)は建物全体の斜視図、
図5(b)は施工部位の斜視図である。
図5では、水上側水平部材H2を水平部材Hとし、ケラバ側勾配部材S2を勾配部材Sとして換気部材2を施工する場合を示している。
本実施例では、水上側水平部材H2は鼻隠し下地材であり、ケラバ側勾配部材S2は破風下地材である。
【0023】
図6及び
図7は、
図5に示す施工部位に実施例による換気部材用役物部材を用いる場合の施工方法を示す斜視図であり、
図6は水平部材Hに用いる役物部材1を示し、
図7は勾配部材Sに用いる役物部材1を示している。
図6に示すように、水平部材Hに対しては右側用役物部材1Rを用いる。
右側用役物部材1Rの本体接合部10には、換気部材2の端部を接合する。
右側用役物部材1Rは、形状可変部側面22を形状可変部底面21に対して角度を90度として用いる。このように、形状可変部側面22を形状可変部底面21に対して角度を90度として用いる際には、形状可変部前面延出部24及び形状可変部前面23fの上部23fzを形状可変部前面23fから切り取って用いる。
図7に示すように、勾配部材Sに対しては左側用役物部材1Lを用いる。
左側用役物部材1Lの本体接合部10には、換気部材2の端部を接合する。
左側用役物部材1Lは、形状可変部側面22を勾配部材Sの勾配に応じた角度α2に変更して用いる。このように、形状可変部側面22を勾配部材Sの勾配に応じた角度α2に変更して用いる際には形状可変部側面22の上部22zを勾配に応じて切り取って用いる。また、角度α2>90度である場合、すなわち、形状可変部側面22が形状可変部底面21に対して角度を90度より大きく変更して用いる際には、形状可変部前面延出部24は、形状可変部側面22より先端側に延出する部分24Zを切り取って用いる。
【0024】
このように、形状可変部側面22は、形状可変部底面21に対して角度を変更することで勾配部材Sの勾配に応じた角度に変更することができ、施工部位や屋根勾配に関わらず、右側用役物部材1Rと左側用役物部材1Lの2種類の役物部材1によって換気部材2を施工することができ、全周役物部材の種類を減らすことで、生産性が向上し、在庫量を削減できる。
また、形状可変部側面22が形状可変部底面21に対して角度を90度より大きく変更して用いる際には、勾配部材Sに取り付ける役物部材1の形状可変部前面延出部24は、形状可変部側面22より先端側に延出する部分24Zを切り取ることで、水平部材Hに取り付ける役物部材1との干渉を無くすことができる。
そして、形状可変部側面22の上部22zを勾配に応じて切り取ることによって勾配に関わらず隙間を無くすことができる。
また、形状可変部側面22を形状可変部底面21に対して角度を90度として用いる際には、水平部材Hに取り付ける役物部材1については形状可変部前面延出部24を切り取ることで、勾配部材Sに取り付ける役物部材1との干渉を無くすことができる。
以上のように、右側用役物部材1Rと左側用役物部材1Lの2種類の役物部材1によって、建物の水上側水平部材H2だけでなくケラバ側勾配部材S2に対しても、屋根勾配に関わらずに換気部材2の施工を行うことができる。