(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078035
(43)【公開日】2024-06-10
(54)【発明の名称】配信サーバ、配信サーバの制御方法、及び配信サーバの制御プログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 8/24 20090101AFI20240603BHJP
H04W 52/02 20090101ALI20240603BHJP
【FI】
H04W8/24
H04W52/02 111
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022190345
(22)【出願日】2022-11-29
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.SWIFT
(71)【出願人】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】根岸 宏明
(72)【発明者】
【氏名】仁見 裕保
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067AA43
5K067BB21
5K067DD24
5K067DD27
5K067DD43
5K067DD45
5K067EE02
5K067EE16
5K067HH22
(57)【要約】
【課題】省電力状態の動作が設定された通信装置におけるFOTAを効率的に行うこと
【解決手段】本発明の一実施形態に係る、間欠的にデータを取得する省電力状態での動作が設定された通信装置に更新用ソフトウェアを配信する配信サーバは、省電力状態での動作についての設定を解除させる解除信号を生成する生成部と、解除信号と、更新用ソフトウェアを、通信装置に対して配信する配信部とを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
間欠的にデータを取得する省電力状態での動作が設定された通信装置に更新用ソフトウェアを配信する配信サーバであって、
前記省電力状態での動作についての設定を解除させる解除信号を生成する生成部と、
前記解除信号と、前記更新用ソフトウェアを、前記通信装置に対して配信する配信部と、
を備える配信サーバ。
【請求項2】
前記解除信号に対する前記通信装置からの応答信号を取得する取得部をさらに備え、
前記配信部は、前記応答信号が、前記省電力状態での動作についての設定が解除された旨を示す場合、前記更新用ソフトウェアを配信する、
請求項1に記載の配信サーバ。
【請求項3】
前記取得部は、前記通信装置に設定された前記省電力状態の設定内容を、前記解除信号の配信前に取得し、
前記配信部は、前記通信装置から、前記更新用ソフトウェアによる更新が完了した旨を示す完了報告を取得したことに応じて、前記設定内容と同一の省電力状態を設定させる設定信号を、前記通信装置へ配信する、
請求項2に記載の配信サーバ。
【請求項4】
前記配信部は、前記通信装置の製造元に関する情報の配信を要求する要求信号を前記通信装置に配信し、
前記生成部は、前記要求信号に応じて前記通信装置から配信された製造元に関する情報に基づいて、前記通信装置に対する前記設定信号を生成する、
請求項3に記載の配信サーバ。
【請求項5】
前記取得部は、前記通信装置から、当該通信装置の通信品質に関する通信品質情報を取得し、
前記配信部は、前記通信品質が所定の閾値以下の通信装置に対して、前記解除信号を配信する、
請求項2に記載の配信サーバ。
【請求項6】
前記生成部は、LwM2M(Lightweight M2M)プロトコルに基づいて、前記解除信号及び前記設定信号を生成する、
請求項4に記載の配信サーバ。
【請求項7】
間欠的にデータを取得する省電力状態での動作が設定された通信装置に更新用ソフトウェアを配信する配信サーバの制御方法であって、
配信サーバが、
前記省電力状態での動作についての設定を解除させる解除信号を生成するステップと、
前記解除信号と、前記更新用ソフトウェアを、前記通信装置に対して配信するステップと、
を含む、配信サーバの制御方法。
【請求項8】
間欠的にデータを取得する省電力状態での動作が設定された通信装置に更新用ソフトウェアを配信する配信サーバの制御プログラムであって、
配信サーバに、
前記省電力状態での動作についての設定を解除させる解除信号を生成する機能と、
前記解除信号と、前記更新用ソフトウェアを、前記通信装置に対して配信する機能と、
を実現させる、配信サーバの制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配信サーバ、配信サーバの制御方法、及び配信サーバの制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年広がりを見せるIoT(Internet of Things)デバイス向けの通信技術として、LPWA(Low Power Wide Area)が注目されている。LPWAは、低消費電力、長距離通信を実現する通信技術であり、屋内外の様々な場所に設置され、外部電源を備えず内蔵電池で駆動されるIoTデバイスに適している。LPWAに分類されるIoT向けの通信規格としては、例えば、LTEを拡張したカテゴリM(Category M)、カテゴリM1(Category M1)、NB-IoT(Narrow Band IoT)が挙げられる。また、その他のLPWAに分類される通信規格には、LoRaWAN(登録商標)、Sigfox(登録商標)、ZETA等がある。
【0003】
また、移動通信システムに関する標準仕様の策定を進める3GPP(Third Generation Partnership Project)(登録商標)は、IoTデバイスの低消費電力化の技術として、eDRX(extended Discontinuous Reception)やPSM(Power Saving Mode)を公開している。eDRXやPSMは、IoTデバイスが、省電力状態での動作として、下りリンクの信号を間欠的に受信し、受信しない間は無線通信機能を停止可能とする技術である。
【0004】
なお、従来、無線通信装置には、不具合の修正や機能の追加のために自装置のファームウェア(ソフトウェアプログラム)の更新を無線経由で行う、FOTA(Firmware Over The Air)と呼ばれる技術が知られている。例えば特許文献1には、NB-IoTに準拠するIoTデバイスに対してFOTAを行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
eDRXやPSMのような省電力状態での動作が設定されたIoTデバイスは、電波環境の悪化によりサーバとのデータの送受信が一定期間行われない等で、意図せずに省電力状態に遷移することがある。このような省電力状態に遷移してしまったIoTデバイスに対しては、FOTAを行うことができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る、間欠的にデータを取得する省電力状態での動作が設定された通信装置に更新用ソフトウェアを配信する配信サーバは、省電力状態での動作についての設定を解除させる解除信号を生成する生成部と、解除信号と、更新用ソフトウェアを、通信装置に対して配信する配信部と、を備える。
【0008】
本発明の一実施形態に係る配信サーバは、解除信号に対する通信装置からの応答信号を取得する取得部をさらに備え、配信部は、応答信号が、省電力状態での動作についての設定が解除された旨を示す場合、更新用ソフトウェアを配信してよい。
【0009】
本発明の一実施形態に係る配信サーバにおいて、配信部は、通信装置の製造元に関する情報の配信を要求する要求信号を通信装置に配信し、生成部は、要求信号に応じて通信装置から配信された製造元に関する情報に基づいて、通信装置に対する解除信号を生成してよい。
【0010】
本発明の一実施形態に係る配信サーバにおいて、取得部は、通信装置に設定された省電力状態の設定内容を、解除信号の配信前に取得し、配信部は、通信装置から、更新用ソフトウェアによる更新が完了した旨を示す完了報告を取得したことに応じて、設定内容と同一の省電力状態を設定させる再設定信号を、通信装置へ配信してよい。
【0011】
本発明の一実施形態に係る配信サーバにおいて、取得部は、通信装置から、当該通信装置の通信品質に関する通信品質情報を取得し、配信部は、通信品質が所定の閾値以下の通信装置に対して、解除信号を配信してよい。
【0012】
本発明の一実施形態に係る配信サーバにおいて、生成部は、LwM2M(Lightweight M2M)プロトコルに基づいて、解除信号及び再設定信号を生成してよい。
【0013】
本発明の一実施形態に係る、間欠的にデータを取得する省電力状態での動作が設定された通信装置に更新用ソフトウェアを配信する配信サーバの制御方法は、配信サーバが、省電力状態での動作についての設定を解除させる解除信号を生成するステップと、解除信号と、更新用ソフトウェアを、通信装置に対して配信するステップと、を含む。
【0014】
本発明の一実施形態に係る、間欠的にデータを取得する省電力状態での動作が設定された通信装置に更新用ソフトウェアを配信する配信サーバの制御プログラムは、配信サーバに、省電力状態での動作についての設定を解除させる解除信号を生成する機能と、解除信号と、更新用ソフトウェアを、通信装置に対して配信する機能と、を実現させる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る配信システムの構成を示す概略図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態に係る配信サーバおよび通信装置の概略構成図である。
【
図3】
図3(a)、(b)は、eDRX、PSMの概略説明図である。
【
図4】
図4は、本発明の一実施形態に係る通信装置及び配信サーバ間のシーケンス図の一例である。
【
図5】
図5は、本発明の一実施形態に係る通信装置及び配信サーバ間のシーケンス図の一例である。
【
図6】
図6は、本発明の一実施形態に係る通信装置及び配信サーバ間のシーケンス図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以降、図を用いて、本開示に係る発明(本発明ともいう)の一実施形態を説明する。なお、図は一例であって、本発明は図に示すものに限定されない。例えば、図示した配信サーバ(情報処理装置)、通信装置(IoTデバイス)の数、シーケンス図は一例であって、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0017】
<システム構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る配信システムの構成例を示す図である。配信システム600は、省電力状態で動作可能な通信装置200に対し、ファームウェアを更新するための更新用ソフトウェアを配信するシステムであってよい。
【0018】
配信システム600は、配信サーバ100と、管理サーバ101と、基地局300(300A,300B)と、複数の通信装置200と、移動通信ネットワーク500とを含んでよい。ここで、移動通信ネットワーク500は、基地局300と通信装置200とがデータをやり取りする無線アクセスネットワークと、コアネットワーク50とを含んでよい。なお、これ以降、基地局300A,300Bを特に区別する必要がない場合、単に基地局300として説明する。また、配信システム600は、図示しないデータベースサーバ400をさらに備え、データベースサーバ400は、本発明の一実施形態に係る配信システム600の機能の実現に必要な各種データを格納してもよい。
【0019】
通信装置200は、基地局300に接続され、各基地局300のセル内に存在(在圏)する各種IoTデバイスであってよい。なお、これ以降、通信装置200を、ガス(都市ガス、LPガス)、水道、電気等のスマートメータに設置され、メータの検針データ等を送信するIoTデバイスとして説明する。しかしながら、本発明はこれに限定されず、通信装置200としては、橋や道路等のインフラ監視に用いられるIoTセンサや、ウェアラブルデバイスなどであってよい。
【0020】
また、通信装置200は、LPWAに分類されるIoT向けの通信規格であって、例えば、NB-IoT,カテゴリM,カテゴリM1等に準拠するデバイスであってもよい。また、通信装置200は、移動通信ネットワーク500における通信ベアラ(通信経路)を、複数の通信規格間で切り替え可能であってよい。例えば、通信装置200は、通信ベアラを、NB-IoTとCategory M1とで切り替え可能であってよい。
【0021】
配信サーバ100は、基地局300に接続する各通信装置200のファームウェアのバージョンを管理し、必要に応じて、各通信装置200のファームウェアを更新するための更新用ソフトウェアを送信する機能(FOTAを実行するための機能)を有してよい。なお、更新用ソフトウェアを提供する事業者と、配信する事業者とは異なっていてもよい。例えば、更新用ソフトウェアは、各通信装置200の製造業者によって提供され、基地局300を管理する通信事業者によって、配信サーバ100を介して各通信装置200へ配信されてもよい。
【0022】
管理サーバ101は、各通信装置200から送信された各スマートメータの検針値等を処理し、スマートメータの管理者へ必要なデータを受け渡す、IoT-PF(プラットフォーム)として機能してよい。管理サーバ101は、移動通信ネットワーク500を介して、通信装置200を遠隔制御してもよく、管理サーバ101は、管理者が待機する図示しない集中監視センタに接続されてよい。なお、管理サーバ101と配信サーバ100とは、同一のサーバとして設けられてもよいし、さらに複数のサーバにその機能が分散されてもよい。なお、管理サーバ101、配信サーバ100は、各実施形態において記載する機能を実現できる情報処理装置であればどのような装置であってもよく、例えば、サーバ装置、コンピュータ(限定でなく例として、デスクトップ、ラップトップ、タブレット等)、コミュニケーションプラットホーム等を含んでもよい。
【0023】
コアネットワーク50は、図示しないMME(Mobility Management Entity:モビリティ管理エンティティ)、S-GW(Serving Gateway:サービング・ゲートウェイ)、P-GW(Packet Data Network Gateway:パケット・データ・ネットワーク・ゲートウェイ)、SCEF(Service Capability Exposure Function)等のノードを含んでよい。MMEは、通信装置200の位置管理、認証管理や、各ノード間のセッションの管理(すなわち、通信ベアラの管理)等を行う機能を有する。また、MMEは、通信装置200を呼び出す際に、基地局300へページングを送信する機能も有する。S-GWは、基地局300とコアネットワーク50との間で、ユーザパケットのルーティングや転送を行うゲートウェイとしての機能を有する。P-GWは、コアネットワーク50以降のIP通信網で使用可能な通信装置200のIP(Internet Protocol)アドレスを割り当て、そのIPアドレスによって、通信装置200と移動通信ネットワーク500の外部ネットワークとの通信を可能とするゲートウェイとしての機能を有する。なお、S-GWとP-GWとは、統合して1つのノードとして実現される場合もある。また、コアネットワーク50は、さらに、図示しないSCS(Service Capability Server)を含んでもよい。
【0024】
<通信装置>
図2に、本発明の一実施形態による通信装置200のブロック図の一例を示す。通信装置200は、制御部210、通信部220、入出力部230、及び記憶部270を備えてよい。通信装置200を構成する制御部210や通信部220は、プロセッサがメモリに格納されたプログラムを実行することによって処理が実行されるソフトウェアもしくはモジュールであってもよい。または、通信装置200を構成する制御部210や通信部220は、回路もしくはチップ等のハードウェアであってもよい。
【0025】
制御部210は、例えばMPU(Micro Processing Unit)等で構成され、記憶部270に記憶されているプログラムを実行することにより、通信装置200をNB-IoTやCategory M1に準拠して動作させるための処理を実現してよい。また、制御部210は、通信装置200に、間欠的にデータを受信する省電力状態の動作を実行させてよい。さらに、制御部210は、図示しないメータからの各種情報を取得する機能を有してよい。また、制御部210は、自装置の再起動を実行したり、移動通信ネットワーク500への接続や、移動通信ネットワーク500との接続を解除したりするための各種処理を実行してよい。さらに、制御部210は、FOTAを行うための更新用ソフトウェアをダウンロードし、ダウンロードした更新用ソフトウェアを用いて、自装置のファームウェアの更新を実行してよい。
【0026】
通信部220は、無線通信においてデータの送受信機能を実現するハードウェアや通信用ソフトウェア、及びこれらの組み合わせとして実装されてよい。通信部220は、所定の通信方式で基地局300との間で通信を行い、移動通信ネットワーク500を介して、配信サーバ100や管理サーバ101との間で各種データの送受信を行ってよい。所定の通信方式は、NB-IoT、Category M, Category M1等であってよい。
【0027】
記憶部270は、通信装置200が動作するうえで必要とする各種プログラムや各種データを記憶する。記憶部270は、例えば、半導体メモリ(磁気メモリ、フラッシュメモリ等)を含んでよい。また、記憶部270は、制御部110に対する作業領域を提供するメモリ(RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等)を含んでよい。また、本発明の一実施形態において、記憶部270は、eDRX動作を実行するための各種パラメータ、移動通信ネットワーク500に接続するための各種ネットワークパラメータ、通信装置200に固有の識別情報(デバイスID等)を記憶してもよい。
【0028】
入出力部230は、センサ等の外部装置とのインタフェースであって、例えば、Uバスインタフェース、UART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)インタフェース、SPI(Serial Peripheral Interface)インタフェース、I2Cインタフェース等を含んでよい。通信装置200は、入出力部230を介して接続されたセンサが検知したデータを、管理サーバ101等に送信してよい。
【0029】
<省電力状態での動作について>
ここでIoTデバイスの省電力状態での動作について、
図3を用いて概略を説明する。
図3(a)、(b)は、それぞれ、eDRX、PSMの概略説明図である。
【0030】
<eDRX>
図3(a)に例示するように、eDRXにおいて、通信装置200は、基地局300との間の無線セッションがある接続状態(RRC_CONNECTED)と、基地局300との間の無線セッションがないアイドル状態(RRC_IDLE)(待受け状態)との2つの状態を遷移する。なお、アイドル状態とは、接続状態よりも通信装置200の機能が制限された状態であってよい。例えば、通信装置200は、接続状態において、基地局300との間でデータの送受信が可能であるが、アイドル状態においては、データの受信のみが可能であってよい。具体的には、例えば、通信装置200は、アイドル状態において、基地局300との間では、ページングや、ブロードキャスト情報の受信のみが可能であってよい。アイドル状態の通信装置200は、ページングを受信した場合にアイドル状態を解除し、基地局300との間の無線セッションを確立し、接続状態へ遷移してよい。
【0031】
ここで、従来のIoTデバイス等の通信機器は、常にページングの受信を試みるため、アイドル状態においても待機電力を消費することとなっていた。これに対し、通信装置200は、アイドル状態において、eDRXによりページングの受信を制御してよい。例えば、通信装置200は、アイドル状態において、ページングの受信を間欠的に実行してよい。すなわち、通信装置200は、ページングの受信を試みない期間には、自装置の無線機能を停止させ、スリープ状態としてよい。具体的には、通信装置200は、ページングの受信を試みるタイミングで、無線機能をオンにし、それ以外の時間では、無線機能をオフにしてよい。つまり、通信装置200は、間欠的にデータを受信することにより消費電力を低減可能な省電力状態で動作してよい。なお、eDRX動作中の通信装置200がページングの受信を試みる区間を、PTW(Paging Time Window)という。そして、PTWの始期から次のPTWの始期までの期間が、eDRX周期となる。通信装置200において、PTWの長さと、次のPTWまでの周期(eDRX周期)とが設定されることにより、アイドル状態における通信装置200の消費電力量を制御することができる。eDRX周期は、NB-IoTの場合最大で174分、カテゴリM、カテゴリM1の場合最大で43分に設定することが可能である。また、例えば、eDRX周期が81.92秒、PTWが2.56秒の場合、スリープ状態の長さは、81.92-2.56=79.36秒以下となる。
【0032】
<PSM>
図3(b)を参照して、通信装置200の省電力モード(PSM)動作について説明する。PSMにある通信装置200では、無線通信機能がほぼ停止されるため、ページングに反応せず、消費電力を削減することができる。通信装置200におけるPSMへの遷移制御は、2つのタイマー値(T3324,T3412)を用いて行われてよい。
図3(b)に示すように、タイマー値T3324は、通信装置200がアイドル状態にとどまる時間を指定し、T3324のタイマーが満了するまで、通信装置200は、ページングに反応することができる。タイマー値T3412は、位置登録エリアの更新タイマーであり、T3412のタイマーが満了すると、通信装置200は、TAU(Tracking Area Update:位置登録エリアの更新)を実施してよい。すなわち、T3324のタイマーが満了すると、通信装置200はPSMへと遷移し、T3412のタイマーが満了するまで、PSMを継続する。なお、通信装置200は、T3412のタイマーが満了するか、アプリケーションレイヤからデータ送信要求があった場合に、PSMから復帰してよい。
【0033】
<配信サーバ>
次に、
図2を用いて、本発明の一実施形態に係る配信サーバ100のハードウェア構成、機能構成について説明する。
【0034】
(1)配信サーバのハードウェア構成
配信サーバ100は、制御部110、通信部120、入出力部130及び記憶部170を備えてよい。
【0035】
記憶部170は、典型的には、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等各種の記録媒体により実現され、配信サーバ100が動作するうえで必要とする各種プログラム及びデータを記憶する機能を有してよい。
【0036】
制御部110は、典型的にはプロセッサであって、中央処理装置(CPU)、MPU、GPU(Graphics Processing Unit)等によって実現されてよい。制御部110は、記憶部170に記憶されるプログラムを読み出し、読み出したプログラムに含まれるコード又は命令を実行することによって、各実施形態に示す機能、方法を実行してよい。制御部110は、集積回路(IC(Integrated Circuit)チップ、LSI(Large Scale Integration))等に形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路によって各実施形態に開示される各処理を実現してもよい。また、これらの回路は、1又は複数の集積回路により実現されてよく、各実施形態に示す複数の処理を1つの集積回路により実現されることとしてもよい。
【0037】
通信部120は、ネットワークアダプタ等のハードウェアや通信用ソフトウェア、及びこれらの組み合わせとして実装され、外部装置と各種データの送受信を行う。当該通信は、有線、無線のいずれで実行されてもよく、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。例えば、配信サーバ100と通信装置200とは、OMA(Open Mobile Alliance)によって策定されたIoT向けのプロトコルであるLwM2M(Lightweight M2M)、MQTT(Message Queue Telemetry Transport)、及びCoAP(Constrained Application Protocol)等を用いて、データの送受信を行ってよい。通信部120は、配信サーバ100と各通信装置200の間で確立された通信ベアラを用いて、各種データの送受信を行ってよい。
【0038】
入出力部130は、配信サーバ100に対する各種操作を入力する入力装置、及び、配信サーバ100で処理された処理結果を出力する出力装置を含んでよい。入力装置は、例えば、タッチパネル、タッチディスプレイ、キーボード等のハードウェアキーや、マウス等のポインティングデバイス、カメラ(画像を介した操作入力)、マイク(音声による操作入力)を含む。出力装置は、制御部110で処理された処理結果を出力し、例えば、タッチパネル、スピーカ等を含む。入力装置、出力装置は、図示しない集中監視センタに設置されて、監視者(管理者)からの操作を受け付けたり、監視者に対して各種情報を出力したりしてよい。
【0039】
(2)配信サーバの機能構成
配信サーバ100は、制御部110によって実現される機能として、取得部111、設定部112、配信部113、および生成部114を備えてよい。なお、
図2に記載の各機能部のうち、これ以降に説明する各実施形態において、必須でない機能部はなくともよい。また、各機能部の機能又は処理は、実現可能な範囲において、機械学習又はAIにより実現されてもよい。
【0040】
詳細は後述するが、各機能部について簡単に説明する。取得部111は、通信装置200に関する各種情報を取得してよい。例えば、取得部111は、配信サーバ100から通信装置200へ送信された各種信号に対する応答信号を、通信装置200から取得してよい。また、取得部111は、通信装置200に設定された省電力状態の設定内容や、通信装置200の通信品質に関する情報を取得してよい。
【0041】
設定部112は、複数の通信装置200のうち、省電力状態の設定を解除する通信装置200を設定(選択)してよい。配信部113は、通信装置200のファームウェアを更新するための更新用ソフトウェアを配信してよい。また、配信部113は、FOTAの実行にあたり、各種信号を通信装置200に対して配信(送信)してよい。例えば、配信部113は、省電力状態の設定を解除させる解除信号や、解除された省電力状態を再設定させる再設定信号等を、通信装置200へ配信してよい。生成部114は、通信装置200に送信される各種信号を生成してよい。例えば、生成部114は、通信装置200における省電力状態の設定を解除させる解除信号を生成してよい。また、生成部114は、通信装置200の製造元に関する情報の送信を要求する要求信号や、解除された省電力状態を再設定させる再設定信号等を生成してよい。
【0042】
<更新用ソフトウェアの配信処理>
これ以降、配信サーバ100の各機能部の説明とともに、本発明の一実施形態による更新用ソフトウェアの配信処理について、
図4~6も用いて説明する。ここで、
図4~6は、更新用ソフトウェアの配信処理(FOTA)の実行にあたる、配信サーバ100と通信装置200との間のシーケンス図である。なお、あらかじめ、通信装置200において自装置のファームウェアのバージョンチェックが実施され、これ以降に説明するファームウェアの更新処理は、ファームウェアの更新対象である通信装置200に対してのみ行われてよい。
【0043】
生成部114は、省電力状態の設定を解除させる解除信号を生成してよい(
図4のステップS11)。なお、通信装置200は、LwM2Mプロトコルを用いて、配信サーバ100との間でデータの送受信を行ってよい。LwM2Mでは、データの管理にリソースモデルという形式を用いているが、リソースモデルは、オブジェクト、オブジェクトインスタンス、リソースのツリー構造であり、各要素には番号が割り当てられる。本発明の一実施形態において、解除信号は、3GPP Technical Specification TS 27.007に規定されたATコマンドを用いて送信されてよく、ATコマンドに関するデバイスオブジェクト「10251」のリソース「0」に格納されてよい。したがって、配信サーバ100の生成部114は、解除信号を送信する際に、リソース「/10251/0/0」を指定する命令を生成してよい。なお、解除信号は、eDRXやPSMの上述した各周期等を設定可能なコマンドである「AT+CPSMS」が用いられてよい。なお、IoTデバイスの省電力状態の設定に関しては、3GPP Technical Specification TS 27.007に詳細が規定されている。解除信号は、配信サーバ100の通信部120から、通信装置200へ送信されてよい(ステップS12)。なお、解除信号は、通信装置200が省電力状態でないタイミングで通信装置200に対して送信されてよい。なお、eDRXやPSMにおいて、配信サーバ100は、通信装置200がアイドル状態であるか否かにかかわらず、各種信号を自装置から送信できる。しかしながら、通信装置200が省電力状態である場合は、各種信号は、コアネットワーク50において送信が待機され、通信装置200が接続状態となったタイミングで、通信装置200に対して送信される。
【0044】
通信装置200の制御部210は、解除信号に基づいて、自装置における省電力状態の設定を解除してよい(ステップS13)。そして、通信部220から、省電力状態を解除した旨を示す解除通知が、配信サーバ100へ送信されてよい(ステップS14)。
【0045】
配信部113は、通信装置200に対して更新用ソフトウェアを配信してよい。なお、更新用ソフトウェアの配信は、FOTAを実行する旨を示すFOTA指令が通信装置200に送信されることによって行われてよい(ステップS15)。生成部114は、更新用ソフトウェアのダウンロードにかかるリソースを生成してよい。FOTA指令には、更新用ソフトウェアのダウンロード先に関する情報(URL)が含まれてよく、通信装置200は、FOTA指令に対して応答し(ステップS16)、その後、ダウンロード先に接続して、更新用ソフトウェアのダウンロードを行ってよい(ステップS17)。
【0046】
通信装置200は、ダウンロードした更新用ソフトウェアを用いて、自装置のファームウェアを更新してよい(ステップS18)。通信装置200は、ファームウェアの更新が完了すると、FOTAが完了した旨を示す通知を配信サーバ100へ送信してよい(ステップS19)。
【0047】
このように、本発明の一実施形態によれば、FOTAを実行するにあたり、通信装置に設定された省電力状態を解除するコマンドが、通信装置に送信される。これにより、通信装置が省電力状態へ遷移することによる、FOTAの成功率の低下を防ぐことができる。また、本発明の一実施形態において、更新用ソフトウェアは、省電力状態の解除通知を受信した通信装置200に配信される。これにより、省電力状態へ遷移せずFOTAを完了させる可能性の高い通信装置に、FOTAを行わせることができる。
【0048】
なお、通信装置200は、ファームウェアの更新が完了したことに応じて、自装置に省電力状態を再設定してよい(
図4のステップS20)。また、省電力状態が設定された旨を示す再設定完了通知が、通信装置200から配信サーバ100へ送信されてよい(ステップS21)。
【0049】
なお、上述では、ファームウェアの更新が完了した後に、通信装置200によって、自装置の省電力状態が再設定される態様を説明した。しかしながら、通信装置200の省電力状態の再設定は、配信サーバ100によって行われてもよい。この場合のシーケンス図を、
図5に示す。
【0050】
配信サーバ100の生成部114は、省電力状態の設定内容を要求する要求信号を生成し、通信装置200へ送信してよい(ステップT09)。省電力状態の設定内容を要求する要求信号は、上述したデバイスオブジェクト「10251」のリソース「0」に格納されてよい。したがって、配信サーバ100の生成部114は、要求信号を送信する際に、リソース「/10251/0/0」を指定する命令を生成してよい。なお、要求信号を送信するためのATコマンドとしては、「AT+CPSMS」が用いられてよい。また、要求信号は、通信装置200が省電力状態でないタイミングで通信装置200に送信されてよい。
【0051】
通信装置200は、省電力状態の設定内容を要求する要求信号に応じて、自装置における省電力状態の設定内容を配信サーバ100へ送信してよい(ステップT10)。ここで、省電力状態の設定内容とは、上述したeDRXやPSMの各周期等であってよい。その後ステップT11~T19に示すように、省電力状態の解除信号の送信や、更新用ファームウェアの配信等が実行されてよい。なお、ステップT11~T19は、
図4のステップS11~S19と同様であるため説明を省略する。
【0052】
ステップT19でFOTAの完了通知を通信装置200から受信すると、配信サーバ100の生成部114は、通信装置200に省電力状態を再度設定する再設定信号を生成してよい(ステップT20)。なお、再設定信号によって設定される省電力状態は、ステップT10において通信装置200から取得した設定内容と同一であってよい。配信部113は、再設定信号を通信装置200へ配信してよい(ステップT21)。
【0053】
なお、通信装置200は、再設定信号を受信したことに応じて、自装置に省電力状態を再設定してよい(ステップT22)。また、省電力状態が設定された旨を示す再設定完了通知が、通信装置200から配信サーバ100へ送信されてよい(ステップT23)。
【0054】
このように、本発明の一実施形態によれば、FOTAの実施に際し解除された省電力状態と同一の内容で、通信装置200の省電力状態が、FOTAの完了後に再設定される。これにより、通信装置200の運用に影響を与えずに、FOTAを行うことができる。
【0055】
なお、通信装置200の製造元によって、上述した再設定信号に利用できるコマンドが異なる場合がある。本発明の一実施形態によれば、解除信号の生成前に、通信装置200に対し、製造元に関する情報の配信が要求されてよい。本発明の一実施形態において、通信装置200の製造元情報は、LwM2Mのデータフレームにおいて、オブジェクト「3」のリソース「0」に格納されてよい。したがって、配信サーバ100は、通信装置200に製造元情報の送信を要求する要求信号に、リソース「/3/0」を指定してよい。通信装置200は、配信サーバ100からリソース「/3/0」を指定する要求を受信すると、当該リソースに格納されている情報(製造元情報)を読み出し、配信サーバ100へ送信してよい。生成部114は、要求信号に応じて通信装置200から配信された製造元に関する情報に基づいて、通信装置200に対する再設定信号を生成してよい。例えば、通信装置200Aの製造元がAA、通信装置200Bの製造元がBBであった場合、通信装置200A,200Bそれぞれに対する再設定信号は異なってよい。
【0056】
このように、本発明の一実施形態によれば、通信装置200の製造元によらず、FOTA完了後の省電力状態の再設定が可能となる。したがって、通信装置200の製造業者の要求に応じて、ファームウェアを更新することができ、ユーザビリティの高いFOTAを実行することができる。
【0057】
なお、省電力状態の設定を解除する通信端末が、通信端末の状況に応じて選択されてよい。この場合のシーケンス図を、
図6に示す。
【0058】
配信サーバ100の取得部111は、通信装置200の通信品質に関する通信品質情報を通信装置200から取得してよい(ステップU10)。通信品質情報は、例えば、RSRP(Reference Signal Received Power)、RSRQ(Reference Signal Received Quality)、RSSI(Received Signal Strength Indicator)、SINR(Signal to Interference plus Noise Ratio)等であってよいが、これらに限定されない。なお、通信品質情報は、通信装置200から定期的に送信されてもよいし、配信サーバ100の要求に応じて送信されてもよい。
【0059】
配信サーバ100の設定部112は、通信品質に応じて、省電力状態の設定を解除する通信装置200を選択してよい。例えば、通信品質が所定の閾値以下の通信装置200が、省電力状態の設定を解除する通信装置200として選択されてよい。生成部114は、選択された通信装置200に対して、省電力状態の設定を解除する信号を生成してよい(ステップU11)。配信部113は、通信品質が所定の閾値以下の通信装置200に対して、生成された解除信号を配信してよい(ステップU12)。その後ステップU13~U19に示すように、省電力状態の解除信号の送信や、更新用ファームウェアの配信等が実行されてよい。なお、ステップU13~U19は、
図4のステップS11~S19と同様であるため説明を省略する。なお、省電力状態の再設定は、通信装置200によって行われてもよいし、配信サーバ100の指示によって行われてもよい。また、省電力状態の再設定に際し、あらかじめ取得した製造元の情報に基づいて、再設定信号が生成されてよい。
【0060】
このように、本発明の一実施形態によれば、通信装置200の通信品質に応じて、省電力状態の設定が解除される。したがって、通信装置200の通信環境の悪化により、省電力状態へ遷移する可能性の高い通信装置200を抽出し、通信装置200のFOTAの成功率を高めることができる。
【0061】
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段やステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。また、上記実施の形態に示す構成を適宜組み合わせることとしてもよい。例えば、配信サーバ100が備えるとして説明した各構成部は、複数のサーバによって分散されて実現されてもよい。また、配信サーバ100の機能として説明した処理は、通信装置200によって行われても良い。逆に、通信装置200によって行われるとした処理が、配信サーバ100によって行われてもよい。
【0062】
例えば、
図4~6のシーケンス図を用いて説明した更新処理は、適宜組み合わされてよい。
【0063】
また、配信サーバ200が通信装置200から取得するとして説明した各種情報は、管理サーバ101や、図示しないデータベースサーバ、あるいは、コアネットワーク50の各ノードから取得されてもよい。
【0064】
配信サーバ100又は通信装置200の各機能部は、集積回路(IC(Integrated Circuit)チップ、LSI(Large Scale Integration))等に形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。また、各機能部は、1又は複数の集積回路により実現されてよく、複数の機能部の機能を1つの集積回路により実現されることとしてもよい。
【0065】
本開示の各実施形態のプログラムは、情報処理装置に読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供されてもよい。記憶媒体は、「一時的でない有形の媒体」に、プログラムを記憶可能である。プログラムは、例えば、ソフトウェアプログラムや情報処理装置プログラムを含む。情報処理装置としての配信サーバ100の各機能部をソフトウェアにより実現する場合、配信サーバ100は、プロセッサがメモリ上にロードされたプログラムを実行することにより、取得部111、設定部112、配信部113、および生成部114として機能する。
【0066】
記憶媒体は適切な場合、1つ又は複数の半導体ベースの、又は他の集積回路(IC)(例えば、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、特定用途向けIC(ASIC)等)、ハード・ディスク・ドライブ(HDD)、ハイブリッド・ハード・ドライブ(HHD)、光ディスク、光ディスクドライブ(ODD)、光磁気ディスク、光磁気ドライブ、フロッピィ・ディスケット、フロッピィ・ディスク・ドライブ(FDD)、磁気テープ、固体ドライブ(SSD)、RAMドライブ、セキュア・デジタル・カードもしくはドライブ、任意の他の適切な記憶媒体、又はこれらの2つ以上の適切な組合せを含むことができる。記憶媒体は、適切な場合、揮発性、不揮発性、又は揮発性と不揮発性の組合せでよい。
【0067】
また、本開示のプログラムは、当該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して、配信サーバ100に提供されてもよい。
【0068】
また、本開示の各実施形態は、プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。なお、本開示のプログラムは、例えば、JavaScript(登録商標)、Python等のスクリプト言語、C言語、Go言語、Swift,Koltin、Java(登録商標)等を用いて実装されてよい。
【0069】
以上説明した本開示の各態様によれば、5G以降のネットワーク技術に向けたIoTデバイスの監視や保守に係る技術を提供することにより、持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」の達成に貢献できる。
【符号の説明】
【0070】
100 配信サーバ(情報処理装置)
110 制御部
111 取得部
112 設定部
113 配信部
114 生成部
120 通信部
130 入出力部
170 記憶部
101 管理サーバ
200 通信装置(IoTデバイス)
210 制御部
220 通信部
230 入出力部
270 記憶部
300 基地局
500 移動通信ネットワーク
50 コアネットワーク
600 配信システム
【手続補正書】
【提出日】2023-11-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
間欠的にデータを取得する省電力状態での動作が設定された通信装置に更新用ソフトウェアを配信する配信サーバであって、
前記省電力状態での動作についての設定を解除させる解除信号を生成する生成部と、
前記解除信号と、前記更新用ソフトウェアを、前記通信装置に対して配信する配信部と、
前記解除信号に対する前記通信装置からの応答信号を取得する取得部と、
を備え、
前記取得部は、前記通信装置に設定された前記省電力状態の設定内容を、前記解除信号の配信前に取得し、
前記配信部は、前記応答信号が、前記省電力状態での動作についての設定が解除された旨を示す場合、前記更新用ソフトウェアを配信し、前記通信装置から、前記更新用ソフトウェアによる更新が完了した旨を示す完了報告を取得したことに応じて、前記設定内容と同一の省電力状態を設定させる設定信号を、前記通信装置へ配信する、配信サーバ。
【請求項2】
間欠的にデータを取得する省電力状態での動作が設定された通信装置に更新用ソフトウェアを配信する配信サーバであって、
前記通信装置から、当該通信装置の通信品質に関する通信品質情報を取得する取得部と、
前記省電力状態での動作についての設定を解除させる解除信号を生成する生成部と、
前記解除信号を、前記通信品質が所定の閾値以下の通信装置に対して配信する配信部と、
を備え、
前記取得部は、前記解除信号に対する前記通信装置からの応答信号を取得し、
前記配信部は、前記応答信号が、前記省電力状態での動作についての設定が解除された旨を示す場合、前記更新用ソフトウェアを配信する、配信サーバ。
【請求項3】
間欠的にデータを取得する省電力状態での動作が設定され、所定の条件により前記省電力状態へ遷移する通信装置に更新用ソフトウェアを配信する配信サーバであって、
前記通信装置が前記省電力状態へ遷移することを停止させる解除信号を生成する生成部と、
前記解除信号を、前記通信装置が前記省電力状態でないタイミングで、前記通信装置に対して配信する配信部と、
前記解除信号に対する前記通信装置からの応答信号を取得する取得部と、
を備え、
前記配信部は、前記応答信号が、前記省電力状態へ遷移しないことを示す、前記省電力状態での動作についての設定が解除された旨を示す場合、前記更新用ソフトウェアを配信する、配信サーバ。
【請求項4】
前記配信部は、前記通信装置の製造元に関する情報の配信を要求する要求信号を前記通信装置に配信し、
前記生成部は、前記要求信号に応じて前記通信装置から配信された製造元に関する情報に基づいて、前記通信装置に対する前記設定信号を生成する、請求項1に記載の配信サーバ。
【請求項5】
前記生成部は、LwM2M(Lightweight M2M)プロトコルに基づいて、前記解除信号及び前記設定信号を生成する、請求項1に記載の配信サーバ。
【請求項6】
間欠的にデータを取得する省電力状態での動作が設定された通信装置に更新用ソフトウェアを配信する配信サーバの制御方法であって、
配信サーバが、
前記省電力状態での動作についての設定を解除させる解除信号を生成するステップと、
前記解除信号と、前記更新用ソフトウェアを、前記通信装置に対して配信するステップと、
前記解除信号に対する前記通信装置からの応答信号を取得するステップと、
を含み、
前記取得するステップにおいて、前記通信装置に設定された前記省電力状態の設定内容を、前記解除信号の配信前に取得し、
前記配信するステップにおいて、前記応答信号が、前記省電力状態での動作についての設定が解除された旨を示す場合、前記更新用ソフトウェアを配信し、前記通信装置から、前記更新用ソフトウェアによる更新が完了した旨を示す完了報告を取得したことに応じて、前記設定内容と同一の省電力状態を設定させる設定信号を、前記通信装置へ配信する、配信サーバの制御方法。
【請求項7】
間欠的にデータを取得する省電力状態での動作が設定された通信装置に更新用ソフトウェアを配信する配信サーバの制御プログラムであって、
配信サーバに、
前記省電力状態での動作についての設定を解除させる解除信号を生成する機能と、
前記解除信号と、前記更新用ソフトウェアを、前記通信装置に対して配信する機能と、
前記解除信号に対する前記通信装置からの応答信号を取得する機能と、を実現させ、
前記取得する機能は、前記通信装置に設定された前記省電力状態の設定内容を、前記解除信号の配信前に取得し、
前記配信する機能は、前記応答信号が、前記省電力状態での動作についての設定が解除された旨を示す場合、前記更新用ソフトウェアを配信し、前記通信装置から、前記更新用ソフトウェアによる更新が完了した旨を示す完了報告を取得したことに応じて、前記設定内容と同一の省電力状態を設定させる設定信号を、前記通信装置へ配信する、配信サーバの制御プログラム。
【請求項8】
間欠的にデータを取得する省電力状態での動作が設定された通信装置に更新用ソフトウェアを配信する配信サーバの制御方法であって、
配信サーバが、
前記通信装置から、当該通信装置の通信品質に関する通信品質情報を取得するステップと、
前記省電力状態での動作についての設定を解除させる解除信号を生成するステップと、
前記解除信号を、前記通信品質が所定の閾値以下の通信装置に対して配信するステップと、
を含み、
前記取得するステップにおいて、前記解除信号に対する前記通信装置からの応答信号を取得し、
前記配信するステップにおいて、前記応答信号が、前記省電力状態での動作についての設定が解除された旨を示す場合、前記更新用ソフトウェアを配信する、配信サーバの制御方法。
【請求項9】
間欠的にデータを取得する省電力状態での動作が設定された通信装置に更新用ソフトウェアを配信する配信サーバの制御プログラムであって、
配信サーバに、
前記通信装置から、当該通信装置の通信品質に関する通信品質情報を取得する機能と、
前記省電力状態での動作についての設定を解除させる解除信号を生成する機能と、
前記解除信号を、前記通信品質が所定の閾値以下の通信装置に対して配信する機能と、
を実現させ、
前記取得する機能は、前記解除信号に対する前記通信装置からの応答信号を取得し、
前記配信する機能は、前記応答信号が、前記省電力状態での動作についての設定が解除された旨を示す場合、前記更新用ソフトウェアを配信する、配信サーバの制御プログラム。
【請求項10】
間欠的にデータを取得する省電力状態での動作が設定され、所定の条件により前記省電力状態へ遷移する通信装置に更新用ソフトウェアを配信する配信サーバの制御方法であって、
配信サーバが、
前記通信装置が前記省電力状態へ遷移することを停止させる解除信号を生成するステップと、
前記解除信号を、前記通信装置が前記省電力状態でないタイミングで、前記通信装置に対して配信するステップと、
前記解除信号に対する前記通信装置からの応答信号を取得するステップと、
を含み、
前記配信するステップにおいて、前記応答信号が、前記省電力状態へ遷移しないことを示す、前記省電力状態での動作についての設定が解除された旨を示す場合、前記更新用ソフトウェアを配信する、配信サーバの制御方法。
【請求項11】
間欠的にデータを取得する省電力状態での動作が設定され、所定の条件により前記省電力状態へ遷移する通信装置に更新用ソフトウェアを配信する配信サーバの制御プログラムであって、
配信サーバに、
前記通信装置が前記省電力状態へ遷移することを停止させる解除信号を生成する機能と、
前記解除信号を、前記通信装置が前記省電力状態でないタイミングで、前記通信装置に対して配信する機能と、
前記解除信号に対する前記通信装置からの応答信号を取得する機能と、
を実現させ、
前記配信する機能は、前記応答信号が、前記省電力状態へ遷移しないことを示す、前記省電力状態での動作についての設定が解除された旨を示す場合、前記更新用ソフトウェアを配信する、配信サーバの制御プログラム。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
間欠的にデータを取得する省電力状態での動作が設定された通信装置に更新用ソフトウェアを配信する配信サーバであって、
前記省電力状態での動作についての設定を解除し、前記省電力状態へ遷移することを停止させる解除信号を生成する生成部と、
前記解除信号と、前記更新用ソフトウェアを、前記通信装置に対して配信する配信部と、
前記解除信号に対する前記通信装置からの応答信号を取得する取得部と、
を備え、
前記取得部は、前記通信装置に設定された前記省電力状態の設定内容を、前記解除信号の配信前に取得し、
前記配信部は、前記応答信号が、前記省電力状態での動作についての設定が解除された旨を示す場合、前記更新用ソフトウェアを配信し、前記通信装置から、前記更新用ソフトウェアによる更新が完了した旨を示す完了報告を取得したことに応じて、前記設定内容と同一の省電力状態を設定させる設定信号を、前記通信装置へ配信する、配信サーバ。
【請求項2】
間欠的にデータを取得する省電力状態での動作が設定された通信装置に更新用ソフトウェアを配信する配信サーバであって、
前記通信装置から、当該通信装置の通信品質に関する通信品質情報を取得する取得部と、
前記省電力状態での動作についての設定を解除し、前記省電力状態へ遷移することを停止させる解除信号を生成する生成部と、
前記解除信号を、前記通信品質が所定の閾値以下の通信装置に対して配信する配信部と、
を備え、
前記取得部は、前記解除信号に対する前記通信装置からの応答信号を取得し、
前記配信部は、前記応答信号が、前記省電力状態での動作についての設定が解除された旨を示す場合、前記更新用ソフトウェアを配信する、配信サーバ。
【請求項3】
間欠的にデータを取得する省電力状態での動作が設定され、所定の条件により前記省電力状態へ遷移する通信装置に更新用ソフトウェアを配信する配信サーバであって、
前記通信装置が前記省電力状態へ遷移することを停止させる解除信号を生成する生成部と、
前記解除信号を、前記通信装置が前記省電力状態でないタイミングで、前記通信装置に対して配信する配信部と、
前記解除信号に対する前記通信装置からの応答信号を取得する取得部と、
を備え、
前記配信部は、前記応答信号が、前記省電力状態へ遷移しないことを示す、前記省電力状態での動作についての設定が解除された旨を示す場合、前記更新用ソフトウェアを配信する、配信サーバ。
【請求項4】
前記配信部は、前記通信装置の製造元に関する情報の配信を要求する要求信号を前記通信装置に配信し、
前記生成部は、前記要求信号に応じて前記通信装置から配信された製造元に関する情報に基づいて、前記通信装置に対する前記設定信号を生成する、請求項1に記載の配信サーバ。
【請求項5】
前記生成部は、LwM2M(Lightweight M2M)プロトコルに基づいて、前記解除信号及び前記設定信号を生成する、請求項1に記載の配信サーバ。
【請求項6】
前記生成部は、LwM2M(Lightweight M2M)プロトコルに基づいて、前記通信装置を前記省電力状態で動作させる周期の設定により、前記通信装置が前記省電力状態へ遷移することを停止させる解除信号を生成する、請求項3に記載の配信サーバ。
【請求項7】
間欠的にデータを取得する省電力状態での動作が設定された通信装置に更新用ソフトウェアを配信する配信サーバの制御方法であって、
配信サーバが、
前記省電力状態での動作についての設定を解除し、前記省電力状態へ遷移することを停止させる解除信号を生成するステップと、
前記解除信号と、前記更新用ソフトウェアを、前記通信装置に対して配信するステップと、
前記解除信号に対する前記通信装置からの応答信号を取得するステップと、
を含み、
前記取得するステップにおいて、前記通信装置に設定された前記省電力状態の設定内容を、前記解除信号の配信前に取得し、
前記配信するステップにおいて、前記応答信号が、前記省電力状態での動作についての設定が解除された旨を示す場合、前記更新用ソフトウェアを配信し、前記通信装置から、前記更新用ソフトウェアによる更新が完了した旨を示す完了報告を取得したことに応じて、前記設定内容と同一の省電力状態を設定させる設定信号を、前記通信装置へ配信する、配信サーバの制御方法。
【請求項8】
間欠的にデータを取得する省電力状態での動作が設定された通信装置に更新用ソフトウェアを配信する配信サーバの制御プログラムであって、
配信サーバに、
前記省電力状態での動作についての設定を解除し、前記省電力状態へ遷移することを停止させる解除信号を生成する機能と、
前記解除信号と、前記更新用ソフトウェアを、前記通信装置に対して配信する機能と、
前記解除信号に対する前記通信装置からの応答信号を取得する機能と、を実現させ、
前記取得する機能は、前記通信装置に設定された前記省電力状態の設定内容を、前記解除信号の配信前に取得し、
前記配信する機能は、前記応答信号が、前記省電力状態での動作についての設定が解除された旨を示す場合、前記更新用ソフトウェアを配信し、前記通信装置から、前記更新用ソフトウェアによる更新が完了した旨を示す完了報告を取得したことに応じて、前記設定内容と同一の省電力状態を設定させる設定信号を、前記通信装置へ配信する、配信サーバの制御プログラム。
【請求項9】
間欠的にデータを取得する省電力状態での動作が設定された通信装置に更新用ソフトウェアを配信する配信サーバの制御方法であって、
配信サーバが、
前記通信装置から、当該通信装置の通信品質に関する通信品質情報を取得するステップと、
前記省電力状態での動作についての設定を解除し、前記省電力状態へ遷移することを停止させる解除信号を生成するステップと、
前記解除信号を、前記通信品質が所定の閾値以下の通信装置に対して配信するステップと、
を含み、
前記取得するステップにおいて、前記解除信号に対する前記通信装置からの応答信号を取得し、
前記配信するステップにおいて、前記応答信号が、前記省電力状態での動作についての設定が解除された旨を示す場合、前記更新用ソフトウェアを配信する、配信サーバの制御方法。
【請求項10】
間欠的にデータを取得する省電力状態での動作が設定された通信装置に更新用ソフトウェアを配信する配信サーバの制御プログラムであって、
配信サーバに、
前記通信装置から、当該通信装置の通信品質に関する通信品質情報を取得する機能と、
前記省電力状態での動作についての設定を解除し、前記省電力状態へ遷移することを停止させる解除信号を生成する機能と、
前記解除信号を、前記通信品質が所定の閾値以下の通信装置に対して配信する機能と、
を実現させ、
前記取得する機能は、前記解除信号に対する前記通信装置からの応答信号を取得し、
前記配信する機能は、前記応答信号が、前記省電力状態での動作についての設定が解除された旨を示す場合、前記更新用ソフトウェアを配信する、配信サーバの制御プログラム。
【請求項11】
間欠的にデータを取得する省電力状態での動作が設定され、所定の条件により前記省電力状態へ遷移する通信装置に更新用ソフトウェアを配信する配信サーバの制御方法であって、
配信サーバが、
前記通信装置が前記省電力状態へ遷移することを停止させる解除信号を生成するステップと、
前記解除信号を、前記通信装置が前記省電力状態でないタイミングで、前記通信装置に対して配信するステップと、
前記解除信号に対する前記通信装置からの応答信号を取得するステップと、
を含み、
前記配信するステップにおいて、前記応答信号が、前記省電力状態へ遷移しないことを示す、前記省電力状態での動作についての設定が解除された旨を示す場合、前記更新用ソフトウェアを配信する、配信サーバの制御方法。
【請求項12】
間欠的にデータを取得する省電力状態での動作が設定され、所定の条件により前記省電力状態へ遷移する通信装置に更新用ソフトウェアを配信する配信サーバの制御プログラムであって、
配信サーバに、
前記通信装置が前記省電力状態へ遷移することを停止させる解除信号を生成する機能と、
前記解除信号を、前記通信装置が前記省電力状態でないタイミングで、前記通信装置に対して配信する機能と、
前記解除信号に対する前記通信装置からの応答信号を取得する機能と、
を実現させ、
前記配信する機能は、前記応答信号が、前記省電力状態へ遷移しないことを示す、前記省電力状態での動作についての設定が解除された旨を示す場合、前記更新用ソフトウェアを配信する、配信サーバの制御プログラム。