(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078096
(43)【公開日】2024-06-10
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 27/00 20060101AFI20240603BHJP
【FI】
F25D27/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022190450
(22)【出願日】2022-11-29
(71)【出願人】
【識別番号】307036856
【氏名又は名称】アクア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147913
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 義敬
(74)【代理人】
【識別番号】100165423
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 雅久
(74)【代理人】
【識別番号】100091605
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100197284
【弁理士】
【氏名又は名称】下茂 力
(72)【発明者】
【氏名】石田 貴志
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 喜憲
【テーマコード(参考)】
3L045
【Fターム(参考)】
3L045AA05
3L045BA01
3L045CA02
3L045DA02
3L045EA01
3L045KA00
3L045PA04
(57)【要約】
【課題】貯蔵室を全体的に照明できる冷蔵庫を提供する。
【解決手段】冷蔵庫10は、断熱箱体11と、断熱箱体11の内部に形成された貯蔵室と、貯蔵室の内部を照明する照明部30と、を具備する。照明部30は、貯蔵室の後面に沿って配設された略板状の第1照明部31と、貯蔵室の上面に沿って配設された略板状の第2照明部32と、第1照明部31の上端部近傍であり、且つ、第2照明部32の後端部近傍に配設された第3照明部33と、を有する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
断熱箱体と、
前記断熱箱体の内部に形成された貯蔵室と、
前記貯蔵室の内部を照明する照明部と、を具備し、
前記照明部は、
前記貯蔵室の後面に沿って配設された略板状の第1照明部と、
前記貯蔵室の上面に沿って配設された略板状の第2照明部と、
前記第1照明部の上端部近傍であり、且つ、前記第2照明部の後端部近傍に配設された第3照明部と、を有することを特徴とする冷蔵庫。
【請求項2】
前記第3照明部は、
発光部と、
前記発光部が実装された発光基板と、
前記発光部および前記発光基板を被覆する第1被覆部と、
前記第1被覆部を外側から覆う第2被覆部と、を有することを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記第2被覆部は、係合爪部を有し、
前記第3照明部の近傍には、本体側係合部が配設され、
前記第2被覆部の前記係合爪部が、前記本体側係合部と係合することで、前記第3照明部が固定され、
前記第2被覆部の前記係合爪部は、前記発光基板の上面よりも下方側に配置されることを特徴とする請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記第2被覆部は、後側下方に向かって湾曲しつつ伸びる湾曲部を有することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の冷蔵庫では、貯蔵室に照明部を備えていた。当該照明部は、扉が貯蔵室を閉鎖している閉状態の間はOFF状態となっている。一方、当該照明部は、ユーザが扉を開くことで開状態となっている間はON状態となり、貯蔵室の庫内を上方から照らし出す。これにより、ユーザは、貯蔵室に収納された食品等の貯蔵物を、容易に目視確認できる。
【0003】
近年、貯蔵室の上面部に加え、奥面側にも照明部を備え、従来よりも貯蔵室の内部を明るく照らし出す冷蔵庫が登場している。この種類の冷蔵庫では、ユーザが扉を開くことで開状態となっている間に、上方および奥側から貯蔵室を照明するため、貯蔵室の内部における視認性を、更に向上できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述した背景技術に係る冷蔵庫では、貯蔵室全体を照明する観点から、改善の余地があった。
【0006】
具体的には、貯蔵室の上面に上面照明部を設け、貯蔵室の後面に後面照明部を設け、ユーザが扉を開状態にした際に、上面照明部および後面照明部から照明することで、貯蔵室全体を照明できると考えられていた。
【0007】
ところが、実際に後面照明部および上面照明部により貯蔵室内を照明してみると、貯蔵室の上方後端部において、照明が不足することが判明した。また、後面照明部および上面照明部の照度を大きくしただけでは、貯蔵室の上方後端部における照明不足を解消することは難しいことも判明した。
【0008】
本発明は、前述の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、貯蔵室を全体的に照明できる冷蔵庫を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の冷蔵庫は、断熱箱体と、前記断熱箱体の内部に形成された貯蔵室と、前記貯蔵室の内部を照明する照明部と、を具備し、前記照明部は、前記貯蔵室の後面に沿って配設された略板状の第1照明部と、前記貯蔵室の上面に沿って配設された略板状の第2照明部と、前記第1照明部の上端部近傍であり、且つ、前記第2照明部の後端部近傍に配設された第3照明部と、を有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の冷蔵庫では、前記第3照明部は、発光部と、前記発光部が実装された発光基板と、前記発光部および前記発光基板を被覆する第1被覆部と、前記第1被覆部を外側から覆う第2被覆部と、を有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の冷蔵庫では、前記第2被覆部は、係合爪部を有し、前記第3照明部の近傍には、本体側係合部が配設され、前記第2被覆部の前記係合爪部が前記本体側係合部と係合することで、前記第3照明部が固定され、前記第2被覆部の前記係合爪部は、前記発光基板の上面よりも下方側に配置されることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の冷蔵庫では、前記第2被覆部は、後側下方に向かって湾曲しつつ伸びる湾曲部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の冷蔵庫によれば、第1照明部の上端部近傍であり、且つ、第2照明部の後端部近傍に配設された第3照明部が発光することで、貯蔵室の上方後端部を好適に照明できる。
【0014】
本発明の冷蔵庫によれば、第1被覆部および第2被覆部により発光部を覆うことにより、発光部から発生される光線を、第1被覆部および第2被覆部により高度に拡散することが出来る。
【0015】
本発明の冷蔵庫によれば、発光部から発光された光線が、本体側係合部に遮られてしまうことを抑制できる。
【0016】
本発明の冷蔵庫によれば、発光部から発せられた光が湾曲部により好適に導光されることから、貯蔵室の上方後端部を好適に照明できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施形態に係る冷蔵庫の外観を示す斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る冷蔵庫の内部構成を示す側方断面図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る冷蔵庫を示す図であり、冷蔵室の上方後端部を示す側方断面図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る冷蔵庫を示す図であり、第3照明部の近傍を示す側方断面図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る冷蔵庫を示す図であり、第3照明部の構成を示す側方断面図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る冷蔵庫を示す図であり、第3照明部の取付構造を示す側方断面図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る冷蔵庫を示す図であり、左図は後面モジュールを示す前面図であり、右図は後面モジュールを示す断面図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る冷蔵庫を示す図であり、後面モジュールにおける第3照明部を詳細に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態に係る冷蔵庫10を図面に基づき詳細に説明する。以下の説明では、同一の部材には原則的に同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略する。更に、以下の説明では、上下前後左右の各方向を適宜用いるが、左右とは冷蔵庫10を前方から見た場合の左右を示している。
【0019】
【0020】
冷蔵庫10は、断熱箱体11と、断熱箱体11の内部に形成された貯蔵室とを有する。貯蔵室として、上方側から、冷蔵室121、冷凍室122および野菜室123を有する。
【0021】
冷蔵室121の前方開口は、扉18で閉鎖される。扉18は、第1扉181ないし第5扉185を有する。
【0022】
冷蔵室121の前面開口は、第1扉181および第2扉182により閉鎖される。第1扉181および第2扉182は、回転式の扉であり、左右方向外側端部を回転中心として回転する。即ち、冷蔵庫10は、観音開き型の第1扉181および第2扉182を有する。
【0023】
冷凍室122の前面開口は、第3扉183、第4扉184により閉鎖される。第3扉183は、冷凍室122の前面開口の上側部分を閉鎖する。第4扉184は、冷凍室122の前面開口の下方部分を閉鎖する。第3扉183および第4扉184は、前後方向に沿って引出自在とされる扉である。
【0024】
野菜室123の前面開口は、引出式の第5扉185により閉鎖される。
【0025】
図2の側方断面図を参照して、冷蔵庫10の断面構成を説明する。
図2では、冷蔵庫10の内部に於ける照明を点線の矢印で示す。
【0026】
断熱箱体11は、所定形状に曲折加工された鋼板からなる外箱111と、外箱111と離間した内側に配置された合成樹脂板から成る内箱112と、外箱111と内箱112との間に充填された断熱材113とから構成される。断熱材113としては、例えば、発泡ウレタンまたは真空断熱材が採用される。
【0027】
断熱箱体11の内部の貯蔵室は、前述したように、上方から冷蔵室121、冷凍室122および野菜室123に区画される。冷蔵室121と冷凍室122とは、断熱壁27で区画される。冷凍室122と野菜室123とは、断熱壁19により区画される。
【0028】
冷蔵室121の内部は、複数の棚部15により上下方向に区画される。具体的には、棚部15として、上方から、棚部151、棚部152および棚部153が配設される。棚部15は、略板状の透明ガラスまたは透明合成樹脂等から成る部材であり、前後方向に引き出し可能な状態で、内箱112の内部に配設される。
【0029】
冷凍室122の奥側には、冷却室115が形成されており、冷凍室122と冷却室115とは仕切壁28で区画される。冷却室115の内部には、冷却器である蒸発器116が配設される。冷蔵庫10の下端側後方には機械室14が区画形成され、機械室14には圧縮機22が配置される。蒸発器116および圧縮機22は、ここでは図示しない凝縮器および膨張手段と共に、蒸気圧縮冷凍サイクルを形成する。蒸気圧縮冷凍サイクルを運転することで蒸発器116により冷却室115の内部の冷気を冷却し、この冷気を各貯蔵室に送風することで、各貯蔵室の庫内温度を、所定の冷却温度帯域とする。
【0030】
冷却室115の内部において、蒸発器116の上方側には送風機29が配置される。送風機29は、軸流送風機または遠心送風機であり、蒸発器116が冷却した蒸発器116の内部の冷気を、冷蔵室121、冷凍室122および野菜室123に向けて送風する。
【0031】
冷却室115から上方に向かって送風路118が形成される。送風路118には、冷気を冷蔵室121に吹き出すための開口である側方吹出口23が形成される。側方吹出口23からは側方に向かって冷気が吹き出される。これにより、冷蔵室121は、所定の冷蔵温度帯域に冷却される。
【0032】
送風機29で送風された冷気の一部は、仕切壁28に形成した開口を介して、冷凍室122に送風される。冷凍室122の内部を冷却した冷気は、冷却室115に帰還する。これにより、冷凍室122は所定の冷凍温度帯域に冷却される。また、送風機29で送風された冷気の一部は野菜室123にも送風され、これにより野菜室123は所定の冷蔵温度帯域に冷却される。
【0033】
本実施形態では、冷蔵室121に、庫内を照明する照明部30を有する。
【0034】
照明部30は、第1照明部31と、第2照明部32と、第3照明部33と、を有する。
【0035】
第1照明部31は、冷蔵室121の後面に沿って配設され、略板状を呈する照明部である。ここでは、第1照明部31は、冷蔵室121の後面に於いて、上方部分に配設される。第1照明部31は、後述するように、送風路118を構成する部材と共に、モジュールを構成する。第1照明部31は、冷蔵室121の後面において全面的に配置されても良いし、部分的に配置されても良い。ここでは、第1照明部31は、冷蔵室121の後面に於いて、棚部153よりも上方側部分に配設される。棚部153の下方には、例えば、チルド室が配設される。当該チルド室は、例えば、引き出し可能な容器により形成される。ここで、第1照明部31の上端は、第2照明部32よりも下方であり、且つ、後方側に配設される。第1照明部31は、冷蔵室121の内部に収納された食料等の貯蔵物に対して、後方から照明を行う。
【0036】
第2照明部32は、冷蔵室121の上面に沿って配設された略板状の照明部である。第2照明部32は、冷蔵室121の上面において略全面に配設される。第2照明部32の後端は、第1照明部31よりも前方側に配設される。第2照明部32は、冷蔵室121の内部に収納された食料等の貯蔵物に対して、上方から照明を行う。
【0037】
第3照明部33は、冷蔵室121の内部に於いて、上方後端部13に配設される。上方後端部13は、第1照明部31の上端部近傍であり、且つ、第2照明部32の後端部近傍の領域である。第3照明部33は、第1照明部31よりも後方側および第2照明部32よりも下方側に配置され、上方に向かって照明することで、冷蔵室121の上方後端部13を照らし出し、上方後端部13が薄暗くなることを抑制する。
【0038】
照明部30の動作を説明する。第1扉181および第2扉182が、冷蔵室121の前面開口を閉鎖している間は、照明部30はOFF状態である。一方、ユーザが、冷蔵室121に対する貯蔵物の出し入れを行うべく、第1扉181または第2扉182を開くと、ここでは図示しないセンサにより、第1扉181または第2扉182が、開状態であることを検知する。その後、ここでは図示しない演算制御部が、当該検知に基づき、照明部30をON状態とする。即ち、第1照明部31、第2照明部32および第3照明部33が、冷蔵室121を照明する。第1照明部31および第2照明部32は、冷蔵室121を全体的に照明する。これにより、ユーザは、冷蔵室121に収納された食品等の貯蔵物を明確に視認できる。更に、第1照明部31および第2照明部32が面的に照明することにより、冷蔵室121の内部における高級感を醸し出すことができる。また、第3照明部33が、冷蔵室121の上方後端部13を照明することで、上方後端部13が暗くなることがない。よって、冷蔵室121の内部における高級感を更に向上できる。
【0039】
図3は、冷蔵室121の上方後端部13を示す側方断面図である。
【0040】
第1照明部31は、冷蔵室121の後面から若干離れた前方側に配置される。第1照明部31の具体的構成は、
図4を参照して、後述する。後述するように、第1照明部31は、後面モジュール35の一部として冷蔵室121の後面に組み付けられる。
【0041】
第2照明部32は、冷蔵室121の上面から若干離れた下方側に配置される。第2照明部32は、導光板321と、導光板321の側面に配置された不図示の発光部と、を有する。導光板321は、例えば、光を拡散させるための加工が施されたアクリル板等から成る。ここでは図示しない発光部から発生された光が、導光板321の内部で拡散することにより、導光板321は全体的に下方に向かって発光する。また、第2照明部32は、複数のブラケット等から成る照明固定部322により、冷蔵室121の上面に固定される。
【0042】
第3照明部33は、第1照明部31の上端部後方に配置される。前述したように、第3照明部33は、上方後端部13を照明する。第3照明部33の具体的構成は後述する。後述するように、第3照明部33は、後面モジュール35の一部として冷蔵室121の後面に組み付けられる。第1照明部31の上端部近傍であり、且つ、第2照明部32の後端部近傍に配設された第3照明部33が発光することで、貯蔵室の上方後端部13を好適に照明できる。よって、第1照明部31、第2照明部32およびにより、貯蔵室を全体的に照明することができる。このことから、貯蔵室の内部における高級感を醸し出すことができ、更に、貯蔵室の内部における視認性を向上できる。
【0043】
図4は、第1照明部31の上端および第3照明部33の近傍を示す側方断面図である。
【0044】
第1照明部31は、発光部311と、導光板312と、を主要に有する。発光部311は、下方に向けて発光するLED(light emitting diode)である。発光部311は、左右方向に沿って略等間隔に複数が配置される。導光板312は、略平坦な板状部材であり、前後方向を向く最大面を有し、光を拡散させるための加工が施されたアクリル板等から成る。発光部311から発生された光が、導光板312の内部で拡散することにより、導光板312は全体的に前方に向かって発光する。第1照明部31は、ここでは図示しないブラケット等を介して、後述する後面モジュール35に固定される。
【0045】
装飾部材313は、導光板312の上端に配設される。装飾部材313は、導光板312の上端部を装飾し、その奥側の機械構成を前方から覆う部材である。装飾部材313の上端は、第3照明部33の上方側に配置される。
【0046】
第3照明部33は、発光部331と、発光基板332と、第1被覆部333と、第2被覆部334と、を有する。
【0047】
発光部331は、LEDであり、上方に向かって光線を発光する。発光部311は、左右方向に沿って複数が配置される。
【0048】
発光基板332は、発光部331が実装される略板状の基板である。照明固定部322は、左右方向に沿って伸びる長尺部材である。
【0049】
第1被覆部333は、発光部311および第2照明部32を囲む部材である。第1被覆部333は、発光基板332と略同等の長さを有する長尺部材である。第1被覆部333は、導光板312等と同様に、発光部331が発生する光線を拡散する半透明部材から成る。
【0050】
第2被覆部334は、第1被覆部333を上方から覆う部材である。第2被覆部334は、第1被覆部333と略同等の長さを有する長尺部材である。第2被覆部334は、第1被覆部333等と同様に、発光部331が照射する光線を拡散する半透明部材から成る。このようにすることで、第1被覆部333および第2被覆部334により発光部331を覆うことにより、発光部331から発生される光線を、第1被覆部333および第2被覆部334により導光することが出来る。よって、発光部331から発生される光線により、貯蔵室の上方後端部13をソフトに照明できる。
【0051】
係合爪部335は、第2被覆部334の下端側を、後方に向かって突出させた爪状の部位である。係合爪部335は、上方を向く当接面を有する爪部である。
【0052】
本体側係合部34は、本体側である後面モジュール35に固定された部材であり、前後方向に沿って伸びる部材である。本体側係合部34の前端を部分的に上方に向かって突出させることで係合爪部341が形成される。係合爪部341は、下方を向く当接面を有する爪部である。本体側係合部34の係合爪部341が、上方から、第3照明部33の係合爪部335に係合することで、第3照明部33が所定位置に固定される。後述するように、本体側係合部34は、後面モジュール35に対して、左右方向に沿って離間して複数が取り付けられる。
【0053】
図5は、第3照明部33の構成を示す側方断面図である。
図5に於いて、左図は第1被覆部333に第2被覆部334を組み込む構成を示し、右図は組み込みが終了した第3照明部33を示す。
【0054】
図5の左図を参照して、発光部331、発光基板332および第1被覆部333は、一体製品として市場を流通している。本実施形態では、この一体製品に、上方から第2被覆部334を被せることで、発光部331から上方に向かって発せられる直線状の光を、周囲に向かってソフトに拡散している。また、後述するように、第2被覆部334は、第3照明部33を後面モジュール35に組み付けるための、組付部材としても機能する。
【0055】
第2被覆部334は、前述したように、左右方向に沿って伸びる長尺部材である。第2被覆部334は、射出成形された合成樹脂から成る。第2被覆部334は、平坦部337、湾曲部336および係合爪部335を有する。平坦部337は、前後方向を向く最大面を有する板状部位である。湾曲部336は、平坦部337の上端部から、後側下方に向かって湾曲しつつ伸びる。湾曲部336が係る構成を有することで、導光された光により貯蔵室の上方後端部13を好適に照明できる。係合爪部335は、上記したように、湾曲部336の下端から、後方に向かって爪状に伸びる部位である。
【0056】
図5の右図を参照して、第1被覆部333に対して第2被覆部334を上方から被せることで、第1被覆部333と第2被覆部334とが一体化した部品となる。第1被覆部333と第2被覆部334とは、この状態で、後述する後面モジュール35に組み込まれる。
【0057】
また、発光基板332から、下方に端子部36が伸びている。端子部36を経由して、発光部331を発光させるための電力が供給される。
【0058】
図5の右図を更に参照して、係合爪部335の上面は、発光基板332の上面よりも下方側に配置されている。
図5の右図では、発光基板332の上面の延長面を点線で示す。このようにすることで、
図4を参照して、係合爪部335と係合する、本体側係合部34および係合爪部341を下方側に配置できる。よって、発光部331から発生されて第1被覆部333および第2被覆部334により拡散される拡散光の進行が、本体側係合部34により遮られることを抑制できる。よって、
図3を参照して、上方後端部13の近傍の内箱112に、第2被覆部334の影が映り込むことを抑制できる。
【0059】
図6は、第3照明部33の取付構造を示す側方断面図である。
【0060】
前述したように、第3照明部33は、第1被覆部333に第2被覆部334を上方から被せた複合部品である。ここでは、複合部品である第3照明部33を、後面モジュール35に上方から組み込む。そのようにすると、第3照明部33の係合爪部335が、本体側係合部34の係合爪部341に係合する。このようにすることで、第3照明部33が後面モジュール35の所定箇所に位置決めされる。組み込まれた後の構成は、
図5に示した通りである。
【0061】
図7は、左図は後面モジュール35を示す前面図であり、右図は後面モジュール35を示す断面図である。
図7の右図は、
図7の左図のA-A切断面線における断面図である。
【0062】
図7を参照して、後面モジュール35は、所定形状を呈する合成樹脂板の内部にウレタン等の断熱材を充填することで形成される。また、後面モジュール35は、第1照明部31および送風路118が形成されたモジュールである。即ち、後面モジュール35の前面上方側には、第1照明部31が組み込まれる。一方、後面モジュール35の後面側には、冷蔵室121に冷気を供給するための、送風路118およびダンパ16等が組み込まれる。更に、後面モジュール35の内部に充填されたウレタンは、送風路118と内箱112を断熱する。
【0063】
図8は、後面モジュール35における第3照明部33を詳細に示す斜視図である。
【0064】
後面モジュール35の右方側面および左方側面には、複数の側方吹出口23が形成される。側方吹出口23からは、前述した送風路118を経由して送風される空気が、前述した冷蔵室121に吹き出される。また、後面モジュール35の上面には、複数の上方吹出口20が形成される。上方吹出口20からも、前述した送風路118を経由して送風される空気が、前述した冷蔵室121に吹き出される。
【0065】
前述した本体側係合部34は、左右方向に於いて、後面モジュール35の上端に沿って複数が形成される。即ち、複数の本体側係合部34により、第3照明部33を強固に後面モジュール35に組み付けている。
【0066】
上記が、冷蔵庫10に関する説明である。
【0067】
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更実施が可能である。また、前述した各形態は相互に組み合わせることが可能である。
【0068】
例えば、
図2を参照して、本実施形態では、冷蔵室121に照明部30を配設したが、冷凍室122または野菜室123に照明部30を配設することもできる。
【符号の説明】
【0069】
10 冷蔵庫
11 断熱箱体
111 外箱
112 内箱
113 断熱材
115 冷却室
116 蒸発器
118 送風路
121 冷蔵室
122 冷凍室
123 野菜室
13 上方後端部
14 機械室
15 棚部
151 棚部
152 棚部
153 棚部
18 扉
181 第1扉
182 第2扉
183 第3扉
184 第4扉
185 第5扉
19 断熱壁
20 上方吹出口
22 圧縮機
23 側方吹出口
27 断熱壁
28 仕切壁
29 送風機
30 照明部
31 第1照明部
311 発光部
312 導光板
313 装飾部材
32 第2照明部
321 導光板
322 照明固定部
33 第3照明部
331 発光部
332 発光基板
333 第1被覆部
334 第2被覆部
335 係合爪部
336 湾曲部
337 平坦部
34 本体側係合部
341 係合爪部
35 後面モジュール
36 端子部