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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078098
(43)【公開日】2024-06-10
(54)【発明の名称】歩行型斜面草刈機
(51)【国際特許分類】
   A01D 34/90 20060101AFI20240603BHJP
   A01D 34/86 20060101ALI20240603BHJP
   F16H 3/02 20060101ALI20240603BHJP
【FI】
A01D34/90 Z
A01D34/86
F16H3/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022190452
(22)【出願日】2022-11-29
(71)【出願人】
【識別番号】000144980
【氏名又は名称】株式会社アテックス
(72)【発明者】
【氏名】八塚 英樹
(72)【発明者】
【氏名】井上 正典
(72)【発明者】
【氏名】村上 昌大
【テーマコード(参考)】
2B083
3J528
【Fターム(参考)】
2B083AA01
2B083BA02
2B083CA09
2B083CA28
2B083DA02
2B083EA15
2B083HA23
2B083HA29
2B083HA52
3J528EA18
3J528EB62
3J528EB72
3J528FB06
3J528FB14
3J528FC33
3J528FC42
3J528GA12
3J528HA18
3J528HA25
(57)【要約】
【課題】スロットルレバーから手を放すと略同時に走行を停止させるとともに、走行車輪をフリー回転させない安全な歩行型草刈機を提供することを課題とする。
【解決手段】走行車輪5への伝動状態と、走行車輪5がフリー回転可能となるニュートラル状態と、該走行車輪5のフリー回転をロック状態とに切替え可能の車輪ロック機構Lを設け、スロットルレバー9を握ると遠心クラッチ4が接続しギヤボックスGへの伝動を開始するとともに、車輪ロック機構Lの走行車輪5ロック状態を解除し、ニュートラル状態を経て走行車輪5を伝動状態とし、スロットルレバー9から手を放すと略同時に走行車輪5への伝動状態を解除し、ニュートラル状態を経て直ちに走行車輪5をロック状態に切替え可能に構成した歩行型草刈機とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体(1)に設けた刈取装置(2)と、原動機(3)の回転数により駆動力の伝動を入り切り可能の遠心クラッチ機構(4)と、該遠心クラッチ(4)を介して刈取装置(2)、及び、走行車輪(5)へ伝動する伝動部(6)と、該伝動部(6)の一部、又は、全部を内装するギヤボックス(G)と、前記機体(1)から後方へ向け延設し、旋回、及び、上下回動、伸縮が可能なハンドル杆(7)と、該ハンドル杆(7)先端の操作部(8)に原動機(3)の回転数を増減可能のスロットルレバー(9)を備えた歩行型草刈機において、走行車輪(5)への伝動状態と、走行車輪(5)への伝動状態を解除し走行車輪(5)がフリー回転可能となるニュートラル状態と、該走行車輪(5)のフリー回転をロック状態とに切替え可能の車輪ロック機構(L)を設け、前記スロットルレバー(9)を握ると遠心クラッチ(4)が接続しギヤボックス(G)への伝動を開始するとともに、車輪ロック機構(L)の走行車輪(5)のロック状態を解除し、ニュートラル状態を経て走行車輪(5)を伝動状態とし、スロットルレバー(9)から手を放すと略同時に走行車輪(5)への伝動状態を解除し、ニュートラル状態を経て直ちに走行車輪(5)をロック状態に切替えるとともに、遠心クラッチ(4)の接続を解除可能に構成したことを特徴とする歩行型草刈機。
【請求項2】
原動機(3)停止時のスロットルレバー(9)を握る際に、車輪ロック機構(L)をニュートラル状態に保持可能のレバーストッパ(10)を設けたことを特徴とする請求項1に記載の歩行型草刈機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歩行型草刈機に関するもので、詳しくは走行車輪を伝動状態とニュートラル状態、及び、ロック状態とに切替ることのできる構成に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ハンドル杆のアクセルレバーを握ると走行輪と刈刃を駆動できる歩行型草刈機が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-45832号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来より、スロットルレバー(アクセルレバー)操作により原動機の回転数を所定回転数以上に上げると遠心クラッチが接続し、走行車輪や刈刃への伝動が開始される歩行型草刈機が知られている。これらの草刈機は、スロットルレバーから手を放す(スロットルレバーが元の位置に戻る)と原動機の回転数が下がり、遠心クラッチの接続が解除され、走行車輪への伝動が遮断され停止する構成だが、スロットルレバーから手を放しても遠心クラッチの接続が解除されるまでの間は走行車輪への伝動が継続し、すぐには停止できず惰性で走行してしまうという不都合がある。又、スロットルレバーから手を放すことで走行車輪への伝動を遮断すべく、伝動系路の走行クラッチを切り状態にすると走行車輪がフリー回転状態となり、作業者が意図しない状態で不用意に機体が傾斜面谷側へ下るという危険性もある。本発明は、スロットルレバーから手を放すと略同時に走行を停止させるとともに、走行車輪をフリー回転させない安全な歩行型草刈機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
機体1に設けた刈取装置2と、原動機3の回転数により駆動力の伝動を入り切り可能の遠心クラッチ機構4と、該遠心クラッチ4を介して刈取装置2、及び、走行車輪5へ伝動する伝動部6と、該伝動部6の一部、又は、全部を内装するギヤボックスGと、前記機体1から後方へ向け延設し、旋回、及び、上下回動、伸縮が可能なハンドル杆7と、該ハンドル杆7先端の操作部8に原動機3の回転数を増減可能のスロットルレバー9を備えた歩行型草刈機において、走行車輪5への伝動状態と、走行車輪5への伝動状態を解除し走行車輪5がフリー回転可能となるニュートラル状態と、該走行車輪5のフリー回転をロック状態とに切替え可能の車輪ロック機構Lを設け、前記スロットルレバー9を握ると遠心クラッチ4が接続しギヤボックスGへの伝動を開始するとともに、車輪ロック機構Lの走行車輪5のロック状態を解除し、ニュートラル状態を経て走行車輪5を伝動状態とし、スロットルレバー9から手を放すと略同時に走行車輪5への伝動状態を解除し、ニュートラル状態を経て直ちに走行車輪5をロック状態に切替えるとともに、遠心クラッチ4の接続を解除可能に構成した歩行型草刈機とする。
【0006】
又、原動機3停止時のスロットルレバー9を握る際に、車輪ロック機構Lをニュートラル状態に保持可能のレバーストッパ10を設けた歩行型草刈機の構成とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載の発明は、走行車輪5への伝動状態と、走行車輪5への伝動状態を解除し走行車輪5がフリー回転可能となるニュートラル状態と、該走行車輪5のフリー回転をロック状態とに切替え可能の車輪ロック機構Lを設け、前記スロットルレバー9を握ると遠心クラッチ4が接続しギヤボックスGへの伝動を開始するとともに、車輪ロック機構Lの走行車輪5のロック状態を解除し、ニュートラル状態を経て走行車輪5を伝動状態とし、スロットルレバー9から手を放すと、直ちに走行車輪5への伝動状態を解除し、ニュートラル状態を経て走行車輪5をロック状態に切替えるとともに、遠心クラッチ4の接続を解除可能に構成しているので、作業者がスロットルレバー9から手を放すと略同時に走行車輪5への伝動が解除され、原動機3の回転数が下がり遠心クラッチ4の接続が解除されるまでの伝動がまだ遮断されていない状態であっても機体1が惰性走行することがなく、機体1を停止させたい位置で確実に停止させることができ、惰性走行による壁や障害物への衝突事故を防止することができる。又、走行車輪5への伝動が解除された後は、ニュートラル状態を経て直ちに走行車輪5がロック状態となり、停止後に機体1が傾斜面谷側へ下ることがないので安全である。
【0008】
請求項2に記載の発明は、原動機3停止時のスロットルレバー9を握る際に、車輪ロック機構Lをニュートラル状態に保持可能のレバーストッパ10を設けているので、レバーストッパ10を起立させた状態でスロットルレバー9を握り、スロットルレバー9をレバーストッパ10に当接させることにより、走行車輪5がフリー回転状態となるニュートラル状態に保持することが可能で、作業者がスロットルレバー9を握った状態で機体1を容易に押し引き移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】機体部を示す一部断平面図。
図2】ギヤボックスの断面図。
図3】車輪ロック機構の作動図。
図4】操作部の側面図。
図5】全体側面図。
図6】ハンドル伸長時の全体側面図。
図7】ハンドル旋回状態を示す平面図。
図8】機体部の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施の形態について図面を参照に説明する。本発明の歩行型草刈機は機体1の前後に左右一対の前輪5aと後輪5bを設け、前輪5a,5a間を前輪駆動軸14で連結し、後輪5b,5bの左右中間部に、上部に原動機3を搭載したギヤボックスGを設け、該ギヤボックスGの駆動軸15,15に後輪5b,5bを取着してある。ギヤボックスGの上側には原動機3を取着し、原動機3の前部には燃料タンク16を配置し、排気ガスは排出口Hから機体1左側へ向け排出Jさせている。
【0011】
ギヤボックスG前側には、横方向の刈刃軸17を枢支するハンマーナイフ形式の刈取装置2を設け、これら刈取装置2とギヤボックスG及び原動機3は、駆動軸15,15を中心に一体的に揺動可能に構成してある。駆動軸15と前輪駆動軸14との間の機体1左側は側面視門型形状のフレームパイプ18で連結し、右側は内部にチェーン19を備えた側面視門型形状の伝動ケース20で連結している。原動機3前方には、フレームパイプ18と伝動ケース20との間を左右に連結する連結ベース21を設け、該連結べース21中央部から上方へ向けハンドルベース22を立設し、ハンドルベース22上端部には、機体1後方上方へ向け延設するハンドル杆7を設けてある。ハンドル杆7は、図5図7に示すように、適宜の角度で上下回動が可能で、又、平面視機体1後方向きから左右各々に約120度(計240度)の旋回が可能、且つ、図6に示す通り伸縮させることによる長さ調整が可能で、使用状態に応じてハンドル杆7を任意の位置と長さに回動、旋回、伸縮調整することができる。
【0012】
ギヤボックスG前部から右側に向け突設する刈刃伝動軸23先端に伝動プーリ24を取着し、該刈刃伝動軸23と平行に配置した刈刃軸17右側先端に取着した刈刃プーリ25と、前記伝動プーリ24との間をVベルト26で伝動している。図1図8に示す通り、Vベルト26は、伝動プーリ24と刈刃プーリ25との間に設けたテンションプーリ27をVベルト26の内側から回動させて、Vベルト26を張る、又は緩めることによって刈刃伝動軸23から刈刃軸17への伝動を入り、切りすることができる。
【0013】
刈刃軸17は刈刃カバー28の左右の側板28sに枢支し、刈刃軸17に設けた複数の刈刃ベース29に刈刃Kを取着している。刈取装置2の刈刃カバー28の前側、及び、後側には刈草や石礫等が飛散するのを防止する飛散カバー30を設けている。本実施例の歩行型斜面草刈機では、前後走行方向に係わらず、刈刃Kの回転域前側がアッパー方向に回転するよう構成しているが、前進走行時は刈刃Kの回転域前側をアッパー方向へ回転させ、後進走行時には、刈刃Kの回転域後側をアッパー方向に逆回転させるよう構成しても良い。
【0014】
ハンドル杆7の先端部には操作部8を設け、作業者が手元で刈高さの変更やハンドル杆7の上下、旋回調整、ハンドル杆7の伸縮調整、前後進切替え、走行速度変更、刈刃クラッチの入り、切り、原動機3のスロットル操作等を行うことができる。31はハンドルレバーで、握り込むとハンドル杆7の上下回動、及び、旋回のロックが解除され、作業者が自由にハンドル杆7操作部8の高さ、及び、旋回位置を調整することができる。32はハンドル杆7の伸縮レバーで、握り込むとハンドル杆7を伸縮して長さ調整をすることができる。33は前後進切替えレバーで、中央はニュートラル位置、操作部8の後方から見て、右側へ向け操作すると前進に、左側へ向け操作すると後進に走行するようギヤボックスG内の前後進シフト33sを回動させ走行方向を前進、後進に切替えできる。
【0015】
38は刈取装置2を昇降させて草の刈高さを調整できる刈高さ調整レバー、34は走行速度を変速できる主変速レバー、36は走行速度の副変速レバーで、どちらも前後方向に操作することで走行速度を切り替えることができる。35は刈刃Kへの伝動を入り、切りする刈刃クラッチレバーで、この刈刃クラッチレバー35を前後方向に操作することでケーブル、テンションアームを介してテンションプーリ27を回動させてVベルト26を張る、又は、緩めることによって刈刃伝動軸23から刈刃軸17への伝動を入り、切りすることができる。スロットルレバー9をグリップ7g側へ向け握り込み回動させると原動機3の回転数が上がり、所定回転数以上に上昇すると遠心クラッチ4が接続され、原動機3の駆動がギヤボックスG内の伝動系路へ伝達される。
【0016】
左右駆動軸15,15の先端部に後輪5b,5bを設け、駆動軸15と平行に設けた前輪駆動軸14の左右先端部に前輪5a,5aを設けてある。駆動軸15と前輪駆動軸14との間には、側面視刈取装置2上方を覆う門型形状の伝動ケース20を設け、伝動ケース20内のチェーン19を介して駆動軸15から前輪駆動軸14への伝動を行う4輪駆動形態の走行方式である。
【0017】
走行車輪5には、各々の走行車輪5に、所定以上の過大トルクが加わると走行車輪5と駆動軸15、又は、前輪駆動軸14とのトルク伝達を遮断する第一トルクリミッタT1を設けている。第1図に示す第一トルクリミッタT1はボール式のもので、駆動している各々の走行車輪5に設定トルク以上の過大なトルクが加わると遮断できる構成である。更に、ギヤボックスG内の駆動軸15には、摩擦版式の第二トルクリミッタT2を設け、全走行車輪5に掛かるトルクの総和が第二トルクリミッタT2の設定トルク以上になると第二トルクリミッタT2が作動し、走行車輪5への伝動を一括で遮断できるよう構成してある。
【0018】
本実施例において、第一トルクリミッタT1の作動トルクは7kg/mに設定してあり、第二トルクリミッタT2の作動トルクは18kg/mに設定してある。すなわち各々の走行車輪5に設けた第一トルクリミッタT1の作動トルクよりも第二トルクリミッタT2の作動トルクを高く設定し、各々の走行車輪5に加わる負荷が7kg/m未満、且つ、各々の走行車輪5に加わる負荷の総和が18kg/m以上になると第二トルクリミッタT2が作動し、走行車輪5への伝動を一括で遮断できる構成である。各々の走行車輪5の第一トルクリミッタT1の作動トルクが7kg/mで、第二トルクリミッタT2を有さない場合、各々の走行車輪5に加わるトルクの最大値は7kg/m未満であり、伝動系路に掛かるトルクの総和は約28kg/mにもなり、少なくともギヤボックスG内の伝動系路はこの最大トルクに耐えうる強度を有さなければならなくなる。又、伝動ケース20内のチェーン19が切れ、伝動ケース20内でスプロケットSがロック状態になると、原動機3からの過大な出力トルクが伝動系路に直接掛かり、伝動系路が破損するという不都合がある。又、第二トルクリミッタT2の作動トルクを18kg/mに設定し、第一トルクリミッタT1を有さない場合には、一旦第二トルクリミッタT2が作動すると全ての走行車輪5の伝動が遮断され走行不能になることから走破性が悪くなるという不都合がある。従って、第一トルクリミッタT1と第二トルクリミッタT2の両方を設けていることで、どちらの不都合も解決できるものである。
【0019】
原動機3から走行車輪5への伝動部6は図2に示す通り、原動機3の出力軸40から遠心クラッチ4を介して入力軸41に伝わり、入力軸41のベベルギヤ41gに嵌合する分岐軸42のベベルギヤ42gに伝達され、分岐軸42からの駆動は刈刃伝動軸23と副変速軸43に分岐される。副変速軸43からは、カウンタ軸44と変速軸45を介して車輪ロック機構Lのロック軸46に枢支するギヤ46gに伝達される。ロック軸46からの駆動は、ギヤ47から第二トルクリミッタT2のトルクギヤ48に伝達され、第二トルクリミッタT2を介して駆動軸15に伝達される。駆動軸15の駆動は、第一トルクリミッタT1を介して左右の後輪5b,5bを駆動する。又、右側の駆動軸15の中間部にはスプロケットSを設けてあり、前輪駆動軸14に設けたスプロケットSとの間のチェーン19により右駆動軸15からの駆動力を前輪駆動軸14へ伝達し、第一トルクリミッタT1を介して左右の前輪5aを駆動している。
【0020】
ロック軸46の右端部には固定爪51tを有する固定板51を右側ギヤケースGRに取着し、ギヤ46gにはギヤ爪52を設け、該固定爪51t又はギヤ爪52に嵌合する爪501,502を有する爪クラッチ50を左右に摺動させることにより、走行車輪5への伝動状態と走行車輪5のロック状態とに切替えることができる。又、爪クラッチ50の摺動には、爪クラッチ50の左右に設けた爪501,502が固定爪51t及びギヤ爪52のどちらにも嵌合しないニュートラル状態を設けていて、原動機3停止時の移動時には走行車輪5をフリー回転状態にして作業者が機体1を押し引き移動させることができる。
【0021】
図2図3に示す通り、ハンドル杆7の操作部8に設けた前後進切替えレバー33を操作することにより、ケーブルを介して前後進シフト33sを前進、又は後進に切替ることができ、主変速レバー34、副変速レバー36を操作することにより、ケーブルを介して主変速シフト34s、副変速シフト36sを高速、又は低速に切替え走行速度を変更できる。又、スロットルレバー9は車輪ロック機構Lと連動しており、スロットルレバー9を握ると原動機3の回転数が上がり、所定回転数に達すると遠心クラッチ4が接続されギヤボックスGへの伝動を開始するとともに、ロックケーブル53を介してスプリング54の付勢力に抗してシフトアーム55及びロックシフト9sが回動することで、爪クラッチ50を左に向け摺動させて爪クラッチ50の爪501と固定爪51tとの嵌合を解除し走行車輪5を非ロック状態にする。この状態は爪クラッチ50の爪501,502が固定爪51にもギヤ爪52にも嵌合していないニュートラル状態であり、スロットルレバー9を更に握り込むと爪クラッチ50の爪502がギヤ爪51tに嵌合して走行車輪5を伝動状態とする。この状態でスロットルレバー9から手を放すと略同時に爪クラッチ50が右に向け摺動し、爪クラッチ50の爪502がギヤ爪と嵌合している状態から解除され、ニュートラル状態を経て爪クラッチ50の爪501が固定爪51tに嵌合し、走行車輪5をロック状態にすることができる。
【0022】
図4に示す通り、ハンドル杆7のグリップ7gには、軸60に枢支するレバーストッパ10を設け、このレバーストッパ10を起立させ、スロットルレバー9をグリップ7g側へ向け握るとスロットルレバー9がレバーストッパ10に当接する。この位置は、車輪ロック機構Lの爪クラッチ50左右に設けた爪501,502が固定爪51t及びギヤ爪52の両方に嵌合していないニュートラル状態であり、作業者がスロットルレバー9を握り、起立させたレバーストッパ10に当接させることで、走行車輪5がフリー回転する状態に容易に保持することが可能である。尚、本実施例においては、レバーストッパ10にスロットルレバー9を当接させてニュートラル状態に保持できるよう構成しているが、レバーストッパ10は操作部8側に設けることに限定するものではなく、スロットルレバー9のロックケーブル53を介して回動するシフトアーム55側に備える構成でも良い。
【符号の説明】
【0023】
1 機体
2 刈取装置
3 原動機
4 遠心クラッチ
5 走行車輪
6 伝動部
7 ハンドル杆
8 操作部
9 スロットルレバー
10 レバーストッパ
G ギヤボックス
L 車輪ロック機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8