(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078100
(43)【公開日】2024-06-10
(54)【発明の名称】遠隔制御を用いた共有型仮想デスクトップインフラストラクチャ(VDI)サービス方法
(51)【国際特許分類】
G06F 9/455 20180101AFI20240603BHJP
G06F 15/00 20060101ALI20240603BHJP
G06F 21/44 20130101ALI20240603BHJP
【FI】
G06F9/455
G06F15/00 410B
G06F21/44
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022190458
(22)【出願日】2022-11-29
(71)【出願人】
【識別番号】515049512
【氏名又は名称】RSUPPORT株式会社
【氏名又は名称原語表記】RSUPPORT CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】F15, 10 Wiryeseong-daero, Songpa-gu Seoul 05544 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソ ヒョン ス
(57)【要約】
【課題】遠隔制御を用いた共有型仮想デスクトップインフラストラクチャ(VDI)サービス方法を提供する。
【解決手段】本発明は、仮想デスクトップインフラストラクチャ(VDI:Virtual Desktop Infrastructure)サービスに係り、多数の供与コンピューター10と受容コンピューター30がインターネットを介して中継サーバー20と結ばれ、中継サーバー20には、認証データベース22と供与情報データベース23が接続されて、供与コンピューター10が供与時間情報を中継サーバー20に登録した後、受容コンピューター30が中継サーバー20の中継に伴い供与コンピューター10を遠隔制御して仮想デスクトップコンピューターとして活用するものである。
本発明によれば、VDIサービスの構築コストを画期的に節減することができ、これにより、VDIサービスの普及を広げ、関連産業を活性化させることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターネット接続が可能な多数の供与コンピューター(10)と、インターネットを介して前記供与コンピューター(10)と結ばれ、認証データベース(22)と供与情報データベース(23)が構築された中継サーバー(20)と、中継サーバー(20)によって運用されるウェブページ(21)と、インターネット接続が可能な受容コンピューター(30)と、が構成されて、
供与コンピューター(10)が識別情報と供与時間情報を中継サーバー(20)に伝送し、中継サーバー(20)が識別情報を確認して供与コンピューター(10)と中継サーバー(20)との間の通信路を開設し、識別情報と供与時間情報を供与情報データベース(23)に収録する登録ステップ(S10)と、
受容コンピューター(30)がウェブページ(21)に接続して認証情報及び受容時間情報を入力し、中継サーバー(20)が認証情報をもって認証データベース(22)を照会するアクセスステップ(S21)と、
認証情報が有効であれば、中継サーバー(20)が受容時間情報をもって供与情報データベース(23)を照会して、対応する供与時間情報及び識別情報を取り出す照会ステップ(S22)と、
中継サーバー(20)が前記通信路を活用して供与コンピューター(10)に呼出し情報を伝送し、応答情報を受信した後、ウェブページ(21)を経由して受容コンピューター(30)に受諾情報を伝送する受諾ステップ(S23)と、
受容コンピューター(30)がウェブページ(21)及び中継サーバー(20)を経由して供与コンピューター(10)に遠隔制御信号を伝送し、供与コンピューター(10)が画面情報を含む出力情報を中継サーバー(20)及びウェブページ(21)を経由して受容コンピューター(30)に伝送する遠隔制御ステップ(S30)と、
を含むことを特徴とする遠隔制御を用いた共有型仮想デスクトップインフラストラクチャ(VDI)サービス方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想デスクトップインフラストラクチャ(VDI:Virtual Desktop Infrastructure)サービスに係り、多数の供与コンピューター10と受容コンピューター30がインターネットを介して中継サーバー20と結ばれ、中継サーバー20には、認証データベース22と供与情報データベース23が接続されて、供与コンピューター10が供与時間情報を中継サーバー20に登録した後、受容コンピューター30が中継サーバー20の中継に伴い供与コンピューター10を遠隔制御して仮想デスクトップコンピューターとして活用するものである。
【背景技術】
【0002】
最近の無線網及び携帯型情報機器の普及の広がりと在宅勤務やテレワークなどの非対面での仕事環境へのニーズの増大には目を見張るものがあり、これに伴い、多種多様なVDIサービスが開発されかつ普及されており、関連する従来の技術としては、例えば、下記の特許文献1及び2などが挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】大韓民国公開特許第2022-129884号公報
【特許文献2】大韓民国公開特許第2022-147439号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1(大韓民国公開特許第2022-129884号公報)及び特許文献2(大韓民国公開特許第2022-147439号公報)をはじめとする従来のVDIサービスの基本的な仕組みは、ユーザーのコンピューターにもまた同一のユーザーが所持している遠隔地の別の情報機器が通信網を経由して接続された後、ユーザーコンピューターの電算資源を遠隔地の別の情報機器が活用するということである。
【0005】
かような従来のVDIサービスの実際の活用方式の例として、事務室に所在しているユーザーのコンピューターに当該ユーザーの自宅に所在している別の情報機器が接続して在宅勤務やテレワークを行う場面、あるいは、事務室または自宅に所在しているユーザーのコンピューターに主張もしくは外勤中の当該ユーザーが所持しているスマートフォンなどの携帯型情報機器が接続してコンピューターに搭載されている特定のアプリケーションプログラムもしくは機能を活用する場面が挙げられる。
【0006】
したがって、従来のVDIサービスにおいては、電算資源を供給するコンピューターと、これを遠隔地において活用する情報機器とが両方とも同一のユーザーの所有物であって、遠隔地の情報機器は、ただ供給側のコンピューターにのみ搭載されたアプリケーションプログラムもしくは供給側のコンピューターにのみ保存された資料を活用するなどといった活用法しか採用できないものであって、同一のユーザーが2台以上のコンピューターを予め確保した状態でしか活用することができない。
【0007】
すなわち、従来のVDIサービスは、ユーザー自分が保有している2台以上のコンピューターの間に適用可能なものであって、サービスの活用のためのハードウェアの配備が求められ、これによるコストの高騰が招かれる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前述した事情に鑑みて案出されたものであって、多数のユーザーが保有している多数のコンピューターを供与コンピューター10として設定することにより、別途のハードウェアの付設なしにもVDIサービスが活用可能なように工夫されたものであって、インターネット接続が可能な多数の供与コンピューター10と、インターネットを介して前記供与コンピューター10と結ばれ、認証データベース22と供与情報データベース23が構築された中継サーバー20と、中継サーバー20によって運用されるウェブページ21と、インターネット接続が可能な需要コンピューター30と、が構成されて、供与コンピューター10が識別情報と供与時間情報を中継サーバー20に伝送し、中継サーバー20が識別情報を確認して供与コンピューター10と中継サーバー20との間の通信路を開設し、識別情報と供与時間情報を供与情報データベース23に収録する登録ステップ(S10)と、需要コンピューター30がウェブページ21に接続して認証情報及び需要時間情報を入力し、中継サーバー20が認証情報をもって認証データベース22を照会するアクセスステップ(S21)と、認証情報が有効であれば、中継サーバー20が需要時間情報をもって供与情報データベース23を照会して、対応する供与時間情報及び識別情報を取り出す照会ステップ(S22)と、中継サーバー20が前記通信路を活用して供与コンピューター10に呼出し情報を伝送し、応答情報を受信した後、ウェブページ21を経由して需要コンピューター30に受諾情報を伝送する受諾ステップ(S23)と、需要コンピューター30がウェブページ21及び中継サーバー20を経由して供与コンピューター10に遠隔制御信号を伝送し、供与コンピューター10が画面情報を含む出力情報を中継サーバー20及びウェブページ21を経由して需要コンピューター30に伝送する遠隔制御ステップ(S30)と、を含むことを特徴とする遠隔制御を用いた共有型VDIサービス方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、VDIサービスの構築コストを画期的に節減することができ、これにより、VDIサービスの普及を広げて関連産業を活性化させることができる。
【0010】
特に、個別のユーザーにとっては、ハードウェアのさらなる購買なしにもVDIサービスを活用することができ、多数のユーザーを雇った会社にとっては、多数のコンピューターを遊休時間の間に共有することができるという効果を得ることができて、在宅勤務やテレワークまたは外勤などVDIサービスの活用が必要とされるときにかかるコストを大幅に節減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図3】本発明の受容コンピューターの画面の例示図。
【
図4】スマートフォンが適用された本発明の一実施形態に係る受容コンピューターの画面の例示図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面に基づいて、本発明の構成の詳細及び遂行過程について説明する。
【0013】
まず、
図1は、本発明に係る方法を行うシステムの構成を例示するものであって、同図に示すように、本発明に係る方法は、インターネット接続が可能な多数の供与コンピューター10と、インターネットを介して前記供与コンピューター10と結ばれ、認証データベース22と供与情報データベース23が構築された中継サーバー20と、中継サーバー20により運用されるウェブページ21と、インターネット接続が可能な受容コンピューター30と、により行われる。
【0014】
ここで、供与コンピューター10と受容コンピューター30は、本発明に係る方法を行うことの特性からみて、特定の時点での状態を指し示すものであって、供与コンピューター10と受容コンピューター30がハードウェア上明確かつ固定不変の状態であると指定されるわけではなく、場面に応じて、受容コンピューター30と供与コンピューター10の地位が変動することもある。
【0015】
すなわち、ユーザーが別の供与コンピューター10の特定のアプリケーションプログラムまたは資料を必要とする場合、自分のコンピューターを受容コンピューター30として設定し、別の供与コンピューター10を活用していて、作業が終わって自分の受容コンピューター30が遊休状態になると、後述する登録ステップ(S10)を通じて受容コンピューター30を供与コンピューター10として登録することもできるのである。
【0016】
本発明を主導する構成要素は、
図1でのように、中継サーバー20であって、中継サーバー20には認証データベース22と供与情報データベース23が構築されるが、ここで、構築は、中継サーバー20の記憶装置にデータベースが直接的に収録される状態はもとより、別途のストレージなどにデータベースが構築され、通信網を介して中継サーバー20と結ばれる状態を網羅する。
【0017】
また、
図1でのように、本発明に係る方法を行うに当たって、全般的に、受容コンピューター30と中継サーバー20とは、ウェブページ21を介して互いに結ばれるが、これにより、受容コンピューター30と中継サーバー20とを互いに接続し、本発明に係る方法を行う間に各種のコマンド及び情報の送受信を行う別途の専用プログラムを搭載せずとも、通常の商用ブラウザーだけでも本発明に係る方法を円滑に行うことが可能である。
【0018】
特に、
図1には示されていないものの、受容コンピューター30と中継サーバー20との接続だけではなく、供与コンピューター10と中継サーバー20との接続もまたウェブページ21により行われることができるが、この場合、いうまでもなく、受容コンピューター30と中継サーバー20との接続用のウェブページ21と、供与コンピューター10と中継サーバー20との接続用のウェブページ21と、を別途のウェブ標準電子文書から構成することもできれば、同一のウェブ標準電子文書内の別途のオブジェクトまたは機能から構成することもできる。
【0019】
このようなシステムにより行われる本発明に係る方法は、
図2でのように、供与コンピューター10が識別情報と供与時間情報を中継サーバー20に伝送し、中継サーバー20が識別情報を確認して供与コンピューター10と中継サーバー20との間の通信路を開設し、識別情報と供与時間情報を供与情報データベース23に収録する登録ステップ(S10)から始まる。
【0020】
すなわち、供与コンピューター10が遊休状態に突入する場合、供与コンピューター10と中継サーバー20との間の通信路の開設に活用される識別情報と、予想される遊休時間を表示する供与時間情報と、を供与コンピューター10のユーザーが中継サーバー20に伝送するものであって、これは、上述したように、供与コンピューター10に搭載されたブラウザーを介して行われることができる。
【0021】
識別情報と供与時間情報を受信した中継サーバー20は、識別情報の有効性を確認し、有効である場合、受信された識別情報と供与時間情報を供与情報データベース23に収録するとともに、中継サーバー20と供与コンピューター10との間の通信路(session)を開設するが、このときに開設される通信路は、即時で活用されて後続する供与コンピューター10の電算資源の供与に活用され続けることもできるが、これは、供与時間情報など条件が一致する受容コンピューター30が即時で出現する異例的な状況下で可能なことであるため、登録ステップ(S10)における中継サーバー20と供与コンピューター10との間の通信路の開設は、今後、本格的な電算資源の供与に際して識別情報を活用した通信路の開設が可能であるか否かを確認するための試験用の通信路の開設であると言える。
【0022】
したがって、登録ステップ(S10)において最初に開設された通信路は、保持され続ける必要はなく、通信路の開設可能性が確認されてからは、暫定的に遮断されて通信負荷を軽減することになる。
【0023】
このような登録ステップ(S10)は、特定の供与コンピューター10において単発的に行われるものではなく、多数の供与コンピューター10において繰り返し行われ得るものであって、これにより、中継サーバー20に構築された供与情報データベース23には、様々な供与コンピューター10の通信路情報及びそれに伴う様々な供与時間情報が体系的に収録されて管理されることが可能になる。
【0024】
このように、登録ステップ(S10)が完了した後には、
図2でのように、受容コンピューター30がウェブページ21に接続して認証情報及び受容時間情報を入力し、中継サーバー20が認証情報をもって認証データベース22を照会するアクセスステップ(S21)と、認証情報が有効であれば、中継サーバー20が受容時間情報をもって供与情報データベース23を照会して、対応する供与時間情報及び識別情報を取り出す照会ステップ(S22)と、中継サーバー20が前記通信路を活用して供与コンピューター10に呼出し情報を伝送し、応答情報を受信した後、ウェブページ21を経由して受容コンピューター30に受諾情報を伝送する受諾ステップ(S23)と、がこの順に行われる。
【0025】
これらのアクセスステップ(S21)から受諾ステップ(S23)は、いうまでもなく、後述する遠隔制御ステップ(S30)においても、受容コンピューター30のユーザーは、受容コンピューター30に搭載された通常の商用ブラウザーを介して本発明のサービスの提供を受けることができ、その例として、受容コンピューター30の画面上のブラウザーの出力状態が
図3に示されている。
【0026】
図3でのように、本発明に係る方法は、通常の商用ブラウザーを介して行われることができるため、通信網に詳しくない一般のユーザーもまた、本発明のサービスを手軽に活用することができる。
【0027】
本発明のアクセスステップ(S21)において伝送される認証情報は、前述した登録ステップ(S10)の識別情報とは異なる情報であって、識別情報は、通信路の開設のための情報であるのに対し、認証情報は、受容コンピューター30の適格性の有無を判別するための情報である。
【0028】
いうまでもなく、登録ステップ(S10)における供与コンピューター10の識別情報にも自他の識別のための情報が盛り込まれてもよいが、供与コンピューター10の場合、自分の電算資源を能動的に提供もしくは提供約定するため、不正使用の可能性が極めて低いといえ、したがって、識別情報の主な機能は、通信路の開設であるといえるのに対し、アクセスステップ(S21)及び後続過程における受容コンピューター30は、サービス受恵者として適していない不適格者の無断使用の可能性が相存するため、認証情報を用いた認証過程が必要不可欠の過程であると言える。
【0029】
また、照会ステップ(S22)において、中継サーバー20は、受容コンピューター30が伝送した受容時間情報に基づいて、供与情報データベース23に既に収録されている供与時間情報を照会して適切な供与コンピューター10を選別することにより、後述する遠隔制御に基づくVDIサービスの円滑かつ安定的な遂行を図る。
【0030】
後続する受諾ステップ(S23)において、中継サーバー20は、前述した登録ステップ(S10)の通信路、すなわち、既に開設されて保持されている状態である、あるいは、一応開設されて保持の可能性が打診された後に一時的に閉鎖された状態である通信路を活用して、供与コンピューター10に呼出し情報を伝送し、応答情報を受信することになるが、通信路が保持されずに一時的に閉鎖された状態では、識別情報を活用して中継サーバー20と供与コンピューター10との間の通信路を再び開設した後、呼出し情報の送信及び応答を行うことになり、呼出し情報に対する供与コンピューター10の応答を中継サーバー20が確認してはじめて、中継サーバー20がウェブページ21を経由して受容コンピューター30に受諾情報を伝送することになる。
【0031】
これにより、受容コンピューター30と供与コンピューター10との間には、ウェブページ21と中継サーバー20を経由した通信路が開設され、次いで、受容コンピューター30がウェブページ21及び中継サーバー20を経由して供与コンピューター10に遠隔制御信号を伝送し、供与コンピューター10が画面情報を含む出力情報を中継サーバー20及びウェブページ21を経由して受容コンピューター30に伝送する遠隔制御ステップ(S30)が行われる。
【0032】
本発明の遠隔制御ステップ(S30)もまた、ブラウザーを介して行われ得るものであって、遠隔制御を通じて受容コンピューター30と供与コンピューター10との間の情報のやりとりが行われることにより、受容コンピューター30のユーザーは、まるで供与コンピューター10を自分のコンピューターであるかのように活用することが可能になる。
【0033】
一方、
図4は、スマートフォンが適用された本発明の一実施形態に係る受容コンピューター30の画面を例示するものであって、このように、本発明は、通常の商用ブラウザーが活用されるだけではなく、受容コンピューター30と中継サーバー20との間の通信に際してウェブページ21が媒介体として活用されるので、通常のデスクトップコンピューターだけではなく、無線網接続が可能なスマートフォンが適用されることにより、サービスの利用にあたって時間と空間の制約を緩和することができる。
【符号の説明】
【0034】
10:供与コンピューター
20:中継サーバー
21:ウェブページ
22:認証データベース
23:供与情報データベース
30:受容コンピューター
S10:登録ステップ
S21:アクセスステップ
S22:照会ステップ
S23:受諾ステップ
S30:遠隔制御ステップ