(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078131
(43)【公開日】2024-06-10
(54)【発明の名称】手摺治具
(51)【国際特許分類】
E04F 11/18 20060101AFI20240603BHJP
E04F 21/00 20060101ALI20240603BHJP
E04F 21/26 20060101ALI20240603BHJP
【FI】
E04F11/18
E04F21/00 Z
E04F21/26 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022190515
(22)【出願日】2022-11-29
(71)【出願人】
【識別番号】000110479
【氏名又は名称】ナカ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 誠司
【テーマコード(参考)】
2E301
【Fターム(参考)】
2E301HH03
2E301HH06
2E301KK03
2E301PP00
(57)【要約】
【課題】笠木の施工時に芯材に被覆材を嵌め込む際に熟練の職人でなくても施工しやすい構造を提供する。
【解決手段】手摺治具10は、支点14を中心に相対的に揺動可能な第1部材11及び第2部材12と、第1部材11に設けられた第1握り部21と、第2部材12に設けられた第2握り部22と、第1部材11に設けられた第1挟み部31と、第2部材12に設けられ、第1部材11と第2部材12が支点14を中心として相対的に揺動したときに第1挟み部31に対して接離する第2挟み部32と、第1挟み部31に設けられ、被覆材6の外周6Cに当接可能な第1案内部41と、第2挟み部32に設けられ、第2挟み部32を第1挟み部31に接近させることで第1案内部41との間に被覆材6を挟むことが可能な第2案内部42とを有し、第1案内部41及び第2案内部42は、被覆材6の外周6Cに当接した状態で移動可能とされている。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手摺の笠木を組み立てる際に、外周の一部分が開口しその開口端に芯材に対する係合部がそれぞれ設けられた被覆材を前記芯材に嵌め込むために用いられる手摺治具であって、
互いの交差部分に設けられた支点で結合され、前記支点を中心に相対的に揺動可能な第1部材及び第2部材と、
前記第1部材における前記支点の一方側に設けられた第1握り部と、
前記第2部材における前記支点の一方側に設けられた第2握り部と、
前記第1部材における前記支点の他方側に設けられた第1挟み部と、
前記第2部材における前記支点の他方側に設けられ、前記第1部材と前記第2部材が前記支点を中心として相対的に揺動したときに前記第1挟み部に対して接離する第2挟み部と、
前記第1挟み部に設けられ、前記被覆材の前記外周に当接可能な第1案内部と、
前記第2挟み部に設けられ、前記第1握り部及び前記第2握り部を操作して前記第2挟み部を前記第1挟み部に接近させることで前記第1案内部との間に前記被覆材を挟むことが可能な第2案内部と、を有し、
前記第1案内部及び前記第2案内部は、前記被覆材の前記外周に当接した状態で移動可能とされている手摺治具。
【請求項2】
前記第1挟み部と前記第2挟み部は、一方の前記係合部が前記芯材に係合し他方の前記係合部が前記芯材に係合していない状態の前記被覆材を挟み、前記他方の前記係合部側の前記被覆材の前記外周に前記第1案内部又は前記第2案内部を当接させることが可能な請求項1に記載の手摺治具。
【請求項3】
前記第1挟み部の先端部に設けられ、前記被覆材の前記外周に当接可能であり、前記第1案内部と前記第2案内部とにより前記被覆材を挟んだときに前記第1挟み部と前記第2挟み部との間から前記被覆材が離脱することを抑制する先端側案内部を有する請求項1又は請求項2に記載の手摺治具。
【請求項4】
前記先端側案内部と対向する位置に、前記被覆材の前記外周に当接可能な支点側案内部を有する請求項3に記載の手摺治具。
【請求項5】
前記支点で結合された前記第1部材と前記第2部材の交差部分には、前記被覆材の前記外周に当接可能な支点側案内部が配置される請求項1又は請求項2に記載の手摺治具。
【請求項6】
前記第1案内部及び前記第2案内部は、それぞれ転動体である請求項1又は請求項2に記載の手摺治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手摺治具に関する。
【背景技術】
【0002】
樹脂カバーと金属リテーナからなる手摺において、樹脂カバーを金属リテーナに嵌め込むために使用される嵌込治具が開示されている(特許文献1参照)。この嵌込治具は、略半円形状の第1部材と第2部材とが蝶番を介して連結されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ビルの廊下や階段等に設置される連続手摺の笠木は、設置現場にて、逆U字状の金属製の芯材に半硬質塩化ビニル製の被覆材を被せて嵌め込むことにより構成される。
【0005】
手摺の使用中に被覆材が芯材から外れないよう、被覆材は常温である程度の硬度を有しており、梱包時に巻き癖も付いていることから、被覆材を芯材に被せる際に温めて軟化させて手で嵌め込むことが行われている。加温せずに常温で施工できる被覆材もあるが、このような被覆材でも巻き癖が付いたり、真冬の寒い時期に硬くなったりして施工しにくくなることがある。
【0006】
また、温めた被覆材が施工するうちに段々と冷めて硬くなってくると、芯材に嵌めにくくなる。被覆材が冷める前に該被覆材を芯材に取り付けるためには、手が熱くなるにもかかわらずスピードが要求されるので熟練を要する。しかしながら、近年はこのような手摺を施工できる職人が減少している。
【0007】
上記した従来例に係る嵌込治具を用いた場合には、作業者の手は熱くなり難い。それでも、被覆材が熱いうちだと嵌まるが、被覆材が徐々に冷めて硬くなってくると嵌めづらくなる。
【0008】
本発明は、笠木の施工時に芯材に被覆材を嵌め込む際に熟練の職人でなくても施工しやすい構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の態様に係る手摺治具は、手摺の笠木を組み立てる際に、外周の一部分が開口しその開口端に芯材に対する係合部がそれぞれ設けられた被覆材を前記芯材に嵌め込むために用いられる手摺治具であって、互いの交差部分に設けられた支点で結合され、前記支点を中心に相対的に揺動可能な第1部材及び第2部材と、前記第1部材における前記支点の一方側に設けられた第1握り部と、前記第2部材における前記支点の一方側に設けられた第2握り部と、前記第1部材における前記支点の他方側に設けられた第1挟み部と、前記第2部材における前記支点の他方側に設けられ、前記第1部材と前記第2部材が前記支点を中心として相対的に揺動したときに前記第1挟み部に対して接離する第2挟み部と、前記第1挟み部に設けられ、前記被覆材の前記外周に当接可能な第1案内部と、前記第2挟み部に設けられ、前記第1握り部及び前記第2握り部を操作して前記第2挟み部を前記第1挟み部に接近させることで前記第1案内部との間に前記被覆材を挟むことが可能な第2案内部と、を有し、前記第1案内部及び前記第2案内部は、前記被覆材の前記外周に当接した状態で移動可能とされている。
【0010】
この手摺治具は、手摺の笠木を組み立てる際に、被覆材を芯材に嵌め込むために用いられる。被覆材を芯材に被せ、被覆材の一方の係合部を芯材に係合させた仮組状態にする。第1挟み部と第2挟み部との間に被覆材が入るように、手摺治具を被覆材に掛けて、第1握り部及び第2握り部を握るように操作すると、被覆材が第1案内部と第2案内部により挟まれる。
【0011】
第1握り部及び第2握り部を握る力を強め、被覆材を一時的に変形させた状態で手摺治具を被覆材の外周に沿って回転させると、第1案内部及び第2案内部の移動に伴い、被覆材の変形位置が変化して行く。芯材に係合していない係合部付近を変形させると、該係合部が芯材の被係合部を乗り越えて係合する。このように、第1案内部と第2案内部により被覆材を挟んで変形させることで、被覆材を容易に芯材に嵌め込むことができる。
【0012】
第2の態様は、第1の態様に係る手摺治具において、前記第1挟み部と前記第2挟み部は、一方の前記係合部が前記芯材に係合し他方の前記係合部が前記芯材に係合していない状態の前記被覆材を挟み、前記他方の前記係合部側の前記被覆材の前記外周に前記第1案内部又は前記第2案内部を当接させることが可能とされている。
【0013】
この手摺治具では、一方の係合部が芯材に係合し他方の係合部が芯材に係合していない状態の被覆材を、第1挟み部と第2挟み部により挟むことができる。また、他方の係合部側の被覆材の外周に、第1案内部又は第2案内部を当接させることで、他方の係合部付近を変形させ、該係合部を芯材の被係合部に係合させることができる。具体的には、他方の係合部側の被覆材の外周に第1案内部又は第2案内部を当接させた状態で、当該案内部が他方の係合部に接近する方向に手摺治具を回転させることにより、当該係合部を芯材に係合させることができる。
【0014】
第3の態様は、第1の態様又は第2の態様に係る手摺治具において、前記第1挟み部の先端部に設けられ、前記被覆材の前記外周に当接可能であり、前記第1案内部と前記第2案内部とにより前記被覆材を挟んだときに前記第1挟み部と前記第2挟み部との間から前記被覆材が離脱することを抑制する先端側案内部を有する。
【0015】
この手摺治具では、先端側案内部により、第1挟み部と第2挟み部との間から被覆材が離脱することが抑制される。
【0016】
第4の態様は、第3の態様に係る手摺治具において、前記先端側案内部と対向する位置に、前記被覆材の前記外周に当接可能な支点側案内部を有する。
【0017】
この手摺治具では、先端側案内部と対向する位置に、被覆材の外周に当接可能な支点側案内部を有するので、施工時の被覆材に対する手摺治具の位置ずれが抑制される。また、第1案内部と第2案内部により被覆材を変形させた際における該被覆材の過度な変形が、先端側案内部と支点側案内部により抑制される。これにより、既に芯材に係合している係合部が芯材から外れることが抑制される。
【0018】
第5の態様は、第1~第3の態様の何れか1態様に係る手摺治具において、前記第1部材と前記第2部材の交差部分には、前記被覆材の前記外周に当接可能な支点側案内部が配置される。
【0019】
この手摺治具では、第1部材と第2部材の交差部分に支点側案内部が設けられているので、第1挟み部や第2挟み部が被覆材の外周に接触して該被覆材を傷付けることを防止することができる。
【0020】
第6の態様は、第1~第5の態様の何れか1態様に係る手摺治具において、前記第1案内部及び前記第2案内部は、それぞれ転動体である。
【0021】
この手摺治具では、第1案内部及び第2案内部がそれぞれ転動体であるので、これらの案内部と被覆材との摩擦を抑制し、被覆材を傷付けることなくより軽い力で被覆材を芯材に嵌め込むことができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、笠木の施工時に芯材に被覆材を嵌め込む際に熟練の職人でなくても施工しやすい構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】連続手摺における笠木の組立工程示す斜視図である。
【
図2】笠木の組立が完了した連続手摺を示す斜視図である。
【
図3】第1実施形態に係る手摺治具を示す斜視図である。
【
図4】第1実施形態に係る手摺治具を示す斜視図である。
【
図5】第1実施形態に係る手摺治具の第1挟み部を、被覆材に対して上から掛けた状態を示す部分破断正面図である。
【
図6】第1案内部と第2案内部で被覆材を挟んだ状態を示す部分破断正面図である。
【
図7】
図6の要部を示す部分破断拡大正面図である。
【
図8】
図6の状態から手摺治具を時計回りに回転させることで、被覆材の係合部のうち芯材に係合していない係合部が芯材の被係合部を乗り越えた状態を示す部分破断正面図である。
【
図10】
図8の状態から手摺治具を時計回りに回転させることで、被覆材の係合部のうち芯材に係合していなかった係合部が芯材の被係合部に係合した状態を示す部分破断正面図である。
【
図12】第1実施形態に係る手摺治具の第1挟み部を、被覆材に対して下から掛けた状態を示す部分破断正面図である。
【
図13】第1案内部と第2案内部で被覆材を挟んだ状態を示す部分破断正面図である。
【
図14】
図13の状態から手摺治具を反時計回りに回転させることで、被覆材の係合部のうち芯材に係合していない係合部が芯材の被係合部を乗り越えた状態を示す部分破断正面図である。
【
図15】
図14の状態から手摺治具を反時計回りに回転させることで、被覆材の係合部のうち芯材に係合していなかった係合部が芯材の被係合部に係合した状態を示す部分破断正面図である。
【
図16】第2実施形態に係る手摺治具の第1握り部と第2握り部を上にした状態で、第1案内部と第2案内部で被覆材を挟んだ状態を示す部分破断正面図である。
【
図17】第2実施形態に係る手摺治具の第1握り部と第2握り部を下にした状態で、第1案内部と第2案内部で被覆材を挟んだ状態を示す部分破断正面図である。
【
図18】第3実施形態に係る手摺治具の第1案内部と第2案内部で被覆材を挟んだ状態を示す部分破断正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づき説明する。各図面において同一の符号を用いて示される構成要素は、同一又は同様の構成要素であることを意味する。なお、以下に説明する実施形態において重複する説明及び符号については、省略する場合がある。また、以下の説明において用いられる図面は、いずれも模式的なものであり、図面に示される、各要素の寸法の関係、各要素の比率等は、現実のものとは必ずしも一致していない。また、複数の図面の相互間においても、各要素の寸法の関係、各要素の比率等は必ずしも一致していない。
【0025】
図1、
図2において、ビルの廊下や階段等に設置される手摺1(連続手摺)の笠木2は、例えば壁3にブラケット4を介して芯材5を取り付け、該芯材5の周囲に被覆材6を被せるように組み付けて構成される。各実施形態に係る手摺治具は、この組付け作業で用いられる工具である。
【0026】
図7に示されるように、芯材5は、例えば金属製の長尺部材であり、下方が開口した略逆U字状に形成されている。芯材5の両側面には、それぞれ凹部5Cが形成されている。被覆材6は、例えば樹脂製の長尺部材であり、外周6Cの一部分が開口しその開口端に芯材5に対する係合部6A,6Bがそれぞれ設けられている。芯材5の開口端には、被覆材6の係合部6Aと係合する被係合部5Aと、被覆材6の係合部6Bと係合する被係合部5Bとが形成されている。
【0027】
[第1実施形態]
図3から
図15において、本実施形態に係る手摺治具10は、手摺1の笠木2を組み立てる際に、被覆材6を芯材5に嵌め込むために用いられる(例えば、
図7、
図9、
図11参照)。
【0028】
手摺治具10は、支点14を中心に相対的に揺動可能な第1部材11及び第2部材12を有している。第1部材11は、支点14の一方側に設けられた第1握り部21と、支点14の他方側に設けられた第1挟み部31とを備えている。第2部材12は、支点14の一方側に設けられた第2握り部22と、支点14の他方側に設けられた第2挟み部32とを備えている。第1挟み部31には第1案内部41が設けられている。第2挟み部32には第2案内部42が設けられている。本実施形態では、第1挟み部31の先端部31Aに先端側案内部の一例としての第3案内部43が設けられ、第1挟み部31の他端部に支点側案内部の一例としての第4案内部44が設けられている。
【0029】
第1部材11及び第2部材12は、互いの交差部分に設けられた支点14で結合され、支点14を中心に相対的に揺動可能とされている。支点14は、第1部材11及び第2部材12を貫通するねじ17と、該ねじ17に螺合するナット18で構成されている。第1部材11及び第2部材12の交差部分では、例えば第2部材12の一対の側壁部22Aが、第1部材11における一対の第1挟み部31の外側に重なっている。換言すれば、第2部材12の一対の側壁部22Aの間に、一対の第1挟み部31が重なっている。この交差部分にねじ17が通され、ねじ17の先端側にナット18を締め付けることで、第1部材11と第2部材12とが互いに結合されている。
【0030】
第1握り部21は、第1部材11における支点14の一方側に設けられている。第1握り部21は、例えば一対の側壁部21Aと、側壁部21Aの端縁同士を連結する連結部21Bとを有し、例えば断面U字状に構成されている。一対の側壁部21Aは、手摺治具10の厚さ方向に互いに対向している。連結部21Bの表面側から裏面側には、ねじ51が貫通して取り付けられ、裏面側に突出している。この突出部分には、コイルばね16の一端が嵌められている(図示せず)。側壁部21Aは、連結部21Bの支点14側の端部より支点14まで延長されている。
【0031】
第2握り部22は、第2部材12における支点14の一方側に設けられている。第2握り部22は、例えば一対の側壁部22Aと、側壁部22Aの端縁同士を連結する連結部22Bとを有し、例えば断面U字状に構成されている。一対の側壁部22Aは、手摺治具10の厚さ方向に互いに対向している。連結部22Bの表面側から裏面側には、ねじ52が貫通して取り付けられ、裏面側に突出している。この突出部分には、コイルばね16の他端が嵌められている(図示せず)。第1握り部21及び第2握り部22は、コイルばね16により、互いに離間する方向に付勢されている。第2握り部22の側壁部22Aは、連結部22Bの支点14側の端部より支点14まで延長されている。
【0032】
第1挟み部31は、第1部材11における支点14の他方側に設けられた部位である。この第1挟み部31は、第1握り部21における一対の側壁部21Aにそれぞれ連なって形成された部位である。具体的には、第1挟み部31は、例えば手摺治具10の厚さ方向に互いに平行な一対のU字状の板状部である。第1挟み部31の先端部31Aは、第1握り部21の軸線近傍まで延設されており、例えば第1握り部21における連結部21Bのほぼ延長線上に位置している。
【0033】
第2挟み部32は、第2部材12における支点14の他方側に設けられ、第1部材11と第2部材12が支点14を中心として相対的に揺動したときに第1挟み部31に対して接離する部位である。この第2挟み部32は、例えば第2握り部22の側壁部22Aを支点14とは異なる方向に延長して構成された、手摺治具10の厚さ方向に互いに平行な一対の弧状の板状部である。側壁部22Aの延長部分は、連結部22Bの支点14側の端部から二股に分かれ、一方に延びた部分が支点14に結合され、他方に延びた部分が第2挟み部32を構成している。支点14と第2挟み部32の間の側壁部22Aの端面22Cは、被覆材6との干渉を抑制するために、例えば凹湾曲形状とされている。
【0034】
例えば
図6に示されるように、第1挟み部31と第2挟み部32は、一方の係合部6Aが芯材5に係合し他方の係合部6Bが芯材5に係合していない状態の被覆材6を挟み、他方の係合部6B側の被覆材6の外周6Cに第1案内部41又は第2案内部42を当接させることが可能である。
【0035】
第1握り部21及び第2握り部22は、作業者の手の力が主に作用する部分、つまり梃子の力点に相当する。支点14は梃子の支点に相当し、第1挟み部31及び第2挟み部32が梃子の作用点に相当する。
【0036】
第1案内部41は、第1挟み部31に設けられ、被覆材6の外周6Cに当接可能な、例えば転動体である。転動体としては、例えば図示される略円筒状のローラが用いられる。ローラである第1案内部41は、一対のU字状の板状部である第1挟み部31の間に配置され、例えばねじ26とナット28を用いて回転支持されている。第1案内部41の回転軸は、手摺治具10の幅方向である。
【0037】
第2案内部42は、第2挟み部32に設けられ、第1握り部21及び第2握り部22を操作して第2挟み部32を第1挟み部31に接近させることで第1案内部41との間に被覆材6を挟むことが可能な、例えば転動体である。転動体としては、例えば図示される略円筒状のローラが用いられる。ローラである第2案内部42は、一対の板状部である第2挟み部32の間に配置され、例えば第2挟み部32の外側からそれぞれ挿入される2本のねじ36を用いて回転支持されている。第2案内部42の回転軸は、手摺治具10の幅方向である。
【0038】
図3、
図4に示されるばね16の自然状態において、第2挟み部32は部分的に第1挟み部31の外側に重なり、第2案内部42は部分的に第1挟み部31の間に入り込むようになっている。つまり、第2案内部42の軸方向長さは、一対の第1挟み部31の間隔よりも狭く設定されている。また、第2案内部42が軸方向において一対の第1挟み部31の間の中央に位置するように、第2案内部42と一対の第1挟み部31の間には、それぞれスペーサ24(
図4)が設けられている。このスペーサ24は、ばね16の自然状態において、第1握り部21の側壁部21Aの端面に当接するようになっている。これにより、第1握り部21と第2握り部22とが相対的に開く範囲の上限が設定されている。つまり、スペーサ24が当接する側壁部21Aの端面が、該スペーサ24に対するストッパとなっている。
【0039】
第1案内部41及び第2案内部42は、被覆材6の外周6Cに当接した状態で移動可能とされている。第1案内部41が転動体である場合、第1案内部41は被覆材6の外周6Cに当接した状態で転動しながら移動可能とされている。第2案内部42についても同様である。
【0040】
第3案内部43は、第1挟み部31の先端部31Aに設けられ、被覆材6の外周6Cに当接可能な、例えば転動体である。この第3案内部43は、第1握り部21の略軸線上に配置されており、第1案内部41と第2案内部42とにより被覆材6を挟んだときに第1挟み部31と第2挟み部32との間から被覆材6が離脱することを抑制する。転動体としては、例えば図示される略円筒状のローラが用いられる。ローラである第3案内部43は、一対のU字状の板状部である第1挟み部31の先端部31Aの間に配置され、例えばねじ46とナット48を用いて回転支持されている。第3案内部43の回転軸は、手摺治具10の幅方向である。
【0041】
第4案内部44は、第3案内部43と対向する位置に設けられ、被覆材6の外周6Cに当接可能な、例えば転動体である。転動体としては、例えば図示される略円筒状のローラが用いられる。ローラである第4案内部44は、一対のU字状の板状部である第1挟み部31の間に配置され、例えば支点14の同軸上に回転支持されている。第4案内部44の回転軸は、手摺治具10の幅方向である。換言すれば、第4案内部44は、例えば支点14で結合された第1部材11と第2部材12の交差部分に配置されている。
【0042】
第1案内部41、第2案内部42、第3案内部43及び第4案内部44として用いられるローラの外周面は、屈曲又は湾曲した笠木2の被覆材6に面で接触するように、中心軸を含む断面において凸面となっている。なお、第1案内部41、第2案内部42、第3案内部43及び第4案内部44の転動体としては、それぞれローラだけでなく、図示しないボールローラを用いることもできる。ボールローラは、第1挟み部31や第2挟み部32においてボールを全方向に回転支持する。
【0043】
U字状の第1挟み部31において、先端部31Aに第3案内部43が設けられ、基端側の支点14の位置に第4案内部44が設けられ、第3案内部43と第4案内部44の略中間に第1案内部41が設けられている。
【0044】
(作用)
本実施形態は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。
図1において、本実施形態に係る手摺治具10、手摺の笠木2を組み立てる際に、被覆材6を芯材5に嵌め込むために用いられる。その手順について説明すると、まず被覆材6を芯材5に被せ、被覆材6の一方の係合部6Aを芯材5の被係合部5Aに係合させた仮組状態にする(
図7を参照)。このとき、
図5の左側に建物の壁3があるものとすると、壁3側に位置する係合部6Aが芯材5の被係合部5Aに係合し、壁3と反対側に位置する係合部6Bは芯材5の被係合部5Bに係合していない。なお、被覆材6を芯材5に嵌め込み易くするため、被覆材6を事前に温めておいてもよい。
【0045】
次に、
図5に示されるように、第1挟み部31を被覆材6と壁3の間に上側から差し込むと共に、第1挟み部31と第2挟み部32との間に被覆材6が入るように、手摺治具10を被覆材6に掛ける。このとき、手摺治具10は、第3案内部43が下側、第4案内部44が上側、第1案内部41が被覆材6と壁3の間に入るように、被覆材6に掛けられている。またこのとき、第1握り部21と第2握り部22は、被覆材6の斜め上方でかつ壁3と反対側に位置している。この状態で、作業者が第1握り部21及び第2握り部22を握るように操作すると、被覆材6が第1挟み部31と第2挟み部32により挟まれる。具体的には、被覆材6は、第1挟み部31の第1案内部41と、第2挟み部32の第2案内部42とにより挟まれる(
図6、
図7)。このとき、第1案内部41と第2案内部42は、概ね被覆材6の径方向に対向配置された状態となる。第1挟み部31と第2挟み部32との間から被覆材6が離脱することは、第3案内部43により抑制される。
【0046】
第1握り部21及び第2握り部22を握る力を強めると、芯材5に係合していない他方の係合部6B側の被覆材6の外周6Cが、第2案内部42により押圧されて一時的に変形する。被覆材6のうち芯材5の凹部5Cに対応する部分は、押圧により変形し易い。
【0047】
このように被覆材6を一時的に変形させた状態で、
図8、
図9に示されるように、手摺治具10を被覆材6の外周6Cに沿って第2案内部42が係合部6Bに接近する方向(紙面時計回り)に回転させると、第1案内部41及び第2案内部42の移動に伴い、被覆材6の変形位置が変化して行く。第2案内部42により芯材5に係合していない係合部6B付近を変形させると、該係合部6Bが芯材5の被係合部5Bを乗り越える。このとき、第1握り部21と第2握り部22は、概ね水平状態となる。そして、
図10、
図11に示されるように、更に第1握り部21及び第2握り部22が被覆材6の斜め下方でかつ壁3と反対側の位置に来るまで手摺治具10を回転させると、第2案内部42が被覆材6の開口端に至り、係合部6Bが芯材5の被係合部5Bに係合する。このように、第1挟み部31と第2挟み部32との間から被覆材6が離脱することを第3案内部43により抑制しながら、第1案内部41と第2案内部42により被覆材6を挟んで変形させることで、被覆材6を容易に芯材5に嵌め込むことができる。手摺治具10を仮組み状態の被覆材6の長手方向に少しずつ移動させながら、同様の手順で被覆材6を芯材5に嵌め込んで行くことより、笠木2の効率的な組立が可能である(
図2)。階段の踊り場等、笠木2が屈曲配置される隅部でも、被覆材6の芯材5への嵌め込みが容易である。
【0048】
また、第3案内部43と対向する位置に、被覆材6の外周6Cに当接可能な第4案内部44を有するので、施工時の被覆材6に対する手摺治具10の位置ずれが抑制される。また、第1案内部41と第2案内部42により被覆材6を変形させた際における該被覆材6の過度な変形が、第3案内部43と第4案内部44により抑制される。これにより、既に芯材5の被係合部5Aに係合している係合部6Aが芯材5から外れることが抑制される。
【0049】
第1案内部41及び第2案内部42がそれぞれ転動体である場合、これらの案内部と被覆材6との摩擦を抑制し、被覆材6を傷付けることなくより軽い力で被覆材6を芯材5に嵌め込むことができる。転動体がローラである場合、該ローラ(第1案内部41及び第2案内部42)で被覆材6を挟んだ状態で手摺治具10を被覆材6の外周6Cの周方向に沿って円滑に回転させることができる。また、転動体がボールである場合、該ボールで被覆材6を挟んだ状態で手摺治具10を被覆材6の外周6Cの周方向に沿って円滑に回転させることができるだけでなく、手摺治具10を被覆材6の長手方向に円滑に移動させることができる。
【0050】
このように本実施形態によれば、笠木2の施工時に芯材5に被覆材6を嵌め込む際に熟練の職人でなくても施工しやすい構造を提供することができる。
【0051】
(手摺治具の他の使用方法)
図12から
図15に示されるように、芯材5に対する被覆材6の仮組み状態において、壁3と反対側に位置する係合部6Bが芯材5の被係合部5Bに係合し、壁3側に位置する係合部6Aは芯材5の被係合部5Aに係合していない状態としてもよい。この場合、手摺治具10の第1挟み部31を被覆材6と壁3の間に下側から差し込む。
【0052】
図13に示されるように、このとき、手摺治具10は、第4案内部44が被覆材6の下側、第3案内部43が被覆材6の上側、第1案内部41が被覆材6と壁3の間に入るように、被覆材6に掛けられている。またこのとき、第1握り部21と第2握り部22は、被覆材6の斜め下方でかつ壁3と反対側に位置している。この状態で、作業者が第1握り部21及び第2握り部22を握るように操作すると、被覆材6が第1挟み部31と第2挟み部32により挟まれる。具体的には、被覆材6は、第1挟み部31の第1案内部41と、第2挟み部32の第2案内部42とにより挟まれる。第1挟み部31と第2挟み部32との間から被覆材6が離脱することは、第3案内部43により抑制される。
【0053】
第1握り部21及び第2握り部22を握る力を強め、被覆材6を一時的に変形させた状態で、
図14に示されるように、手摺治具10を被覆材6の外周6Cに沿って第1案内部41が係合部6Aに接近する方向(紙面半時計回り)に回転させると、第1案内部41及び第2案内部42の移動に伴い、被覆材6の変形位置が変化して行く。第1案内部41により芯材5に係合していない係合部6A付近を変形させると、該係合部6Aが芯材5の被係合部5Aを乗り越える。このとき、第1握り部21と第2握り部22は、概ね水平状態となる。そして、
図15に示されるように、更に第1握り部21及び第2握り部22が被覆材6の斜め上方でかつ壁3と反対側の位置に来るまで手摺治具10を回転させると、第1案内部41が被覆材6の開口端に至り、係合部6Aが芯材5の被係合部5Aに係合する。このように、仮組み時に壁3と反対側に位置する係合部6Bが芯材5の被係合部5Bに係合し、壁3側に位置する係合部6Aは芯材5の被係合部5Aに係合していなくても、被覆材6を容易に芯材5に嵌め込むことができる。
【0054】
[第2実施形態]
図16、
図17において、本実施形態に係る手摺治具20では、第1案内部41及び第2案内部42により被覆材6を略水平方向に挟んだ状態において、第1握り部21及び第2握り部22が、第3案内部43と第4案内部44を結ぶ方向と略平行となるように設けられている。
図16では、第1握り部21及び第2握り部22が被覆材6の上方向に延びている。
図17では、第1握り部21及び第2握り部22が被覆材6の下方向に延びている。第1挟み部31の先端部31Aは、第1握り部21の軸線近傍まで延設されている。
【0055】
図16では、壁3側に位置する係合部6Aが芯材5に係合し、壁3と反対側に位置する係合部6Bは芯材5に係合していない。また、第1案内部41が壁3と反対側、第2案内部42が壁3と被覆材6の間、第3案内部43が被覆材6の下側、第4案内部44が被覆材6の上側となっている。手摺治具10を外周6Cに沿って第1案内部41が係合部6Bに接近する方向(紙面時計回り)に回転させることで、第1案内部41により被覆材6の係合部6Bを芯材5に係合させることができる。
【0056】
図17では、壁3と反対側に位置する係合部6Bは芯材5に係合し、壁3側に位置する係合部6Aは芯材5に係合していない。また、第1案内部41が壁3と反対側、第2案内部42が壁3と被覆材6の間、第3案内部43が被覆材6の上側、第4案内部44が被覆材6の下側となっている。手摺治具10を外周6Cに沿って第2案内部42が係合部6Aに接近する方向(紙面反時計回り)に回転させることで、第2案内部42により被覆材6の係合部6Aを芯材5に係合させることができる。
【0057】
なお、
図16、
図17において、手摺治具20を図中左右反転させても、同様に使用することができる。
図16の手摺治具20を反転させて用いた場合、
図6~
図11と同様に、手摺治具20を第2案内部42が係合部6Bに接近する方向(紙面時計回り)に回転させることで、第2案内部42により被覆材6の係合部6Bを芯材5に係合させることができる。また、
図17において、手摺治具20を反転させて用いた場合、
図13~
図15と同様に、手摺治具20を第1案内部41が係合部6Aに接近する方向(紙面半時計回り)に回転させることで、第1案内部41により被覆材6の係合部6Aを芯材5に係合させることができる。
【0058】
したがって、施工現場で作業者が手摺治具20の向きを気にすることなく使用できるので、使い勝手がよい。
【0059】
なお、本実施形態では、第2部材12において、第2握り部22と第2挟み部32とが別部材で構成され、ねじ54で締結されているが、第1実施形態と同様に第2握り部22と第2挟み部32とが一体成形されていてもよい。
【0060】
他の部分については、第1実施形態と同様であるので、同一又は同様の部分には図面に同一の符号を付し、説明を省略する。
【0061】
[第3実施形態]
図18において、本実施形態に係る手摺治具30では、弧状の板状部である第1挟み部31の間に2つの第1案内部41A,41Bが設けられている。第2挟み部32は、例えばL字状に形成されている。本実施形態では、2つの第1案内部41A,41Bと1つの第2案内部42とにより被覆材6を三方向から挟む構造となっている。このとき、2つの第1案内部41と第2案内部42の各々の中心を結ぶと、例えば略正三角形となる。これに伴い、第1案内部41と第2案内部42とで被覆材6を挟んだときに、第1案内部41と第2案内部42とが被覆材6の径方向に対向配置されない状態となる。一方の第1案内部41は第1挟み部31の先端部31Aに設けられ、他方の第1案内部41は支点14と同軸上に設けられている。
【0062】
図18に示される例では、壁3側に位置する係合部6Aが芯材5に係合し、壁3と反対側に位置する係合部6Bは芯材5に係合していない。第1挟み部31を被覆材6と壁3の間に上側から差し込むと共に、第1挟み部31と第2挟み部32との間に被覆材6が入るように、手摺治具10を被覆材6に掛け、作業者が第1握り部21及び第2握り部22を握るように操作する。すると、被覆材6が2つの第1案内部41と1つの第2案内部42とにより挟まれる。このとき、第1挟み部31の先端部31Aに設けられた一方の第1案内部41が被覆材6の外周6Cにおける係合部6A付近に当接し、第2案内部42が被覆材6の外周6Cにおける係合部6B側の側部に当接し、支点14に設けられた他方の第1案内部41は、第1案内部41の上方で被覆材6の外周6Cに当接する。第1挟み部31の先端部31Aに設けられた一方の第1案内部41Aが第1実施形態及び第2実施形態における第3案内部43と同様に機能することで、第1挟み部31と第2挟み部32との間から被覆材6が離脱することが抑制される。第1挟み部31に設けられた他方の第1案内部41Bは、第1実施形態及び第2実施形態における第4案内部44と同様に機能することで、施工時の被覆材6に対する手摺治具30の位置ずれが抑制される。
【0063】
この実施形態で、手摺治具10を被覆材6の外周6Cに沿って第2案内部42が係合部6Bに接近する方向(紙面時計回り)に回転させることで、第2案内部42により被覆材6の係合部6Bを芯材5に係合させることができる。
【0064】
なお、
図13に示される例と同様に、壁3と反対側に位置する係合部6Bが芯材5の被係合部5Bに係合し、壁3側に位置する係合部6Aは芯材5の被係合部5Aに係合していない状態でも、本実施形態に係る手摺治具30の第1挟み部31を被覆材6と壁3との間に下側差し込み、被覆材6を挟んで手摺治具30を回転させることで、被覆材6の嵌め込みを行うことが可能である。
【0065】
他の部分については、第1実施形態と同様であるので、同一又は同様の部分には図面に同一の符号を付し、説明を省略する。
【0066】
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態の一例について説明したが、本発明の実施形態は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【0067】
第1実施形態及び第2実施形態では、手摺治具が第3案内部43及び第4案内部44を有するものとしたが、第1挟み部31や第2挟み部32により外周6Cを傷付けずに被覆材6を芯材5に嵌め込むことが可能であれば、第3案内部43及び第4案内部44の何れか一方又は双方を有しない構成であってもよい。手摺治具10が第3案内部43を有する構成とする場合には、第1挟み部31は、第1案内部41と第2案内部42の間に笠木2を挟んだ際に、第1挟み部31の先端部31Aが第2握り部22の軸線を越える位置まで延設されることが好ましい。手摺治具10が第3案内部43を有さない構成とする場合には、第1挟み部31の先端部31Aを第1案内部41の近傍まで延設させればよく、また手摺治具10がさらに第4案内部44を有する構成とすることが好ましい。この場合、第4案内部44を被覆材6の外周6Cに接触させながら手摺治具10を回転させることで、第1挟み部31と第2挟み部32との間から被覆材6が離脱することを抑制でき、また、第1挟み部31や第2挟み部32により被覆材6の外周6Cが傷付けずに済む。また、各案内部は、転動体に限られず、被覆材6の外周6Cに沿って手摺治具を回転させたときに、外周6Cに当接した状態で外周6Cを傷付けることなく移動可能であればよい。したがって、各案内部は、例えば摺動性の高い樹脂やゴムで形成された滑り部材であってもよい。なお、第1案内部41及び第2案内部42は、作業者の操作によって被覆材6を挟む部位であり、被覆材6に対する接触圧も高くなることから、転動体であることが望ましい。
【符号の説明】
【0068】
2 笠木
5 芯材
6 被覆材
6C 外周
10 手摺治具
11 第1部材
12 第2部材
14 支点
20 手摺治具
21 第1握り部
22 第2握り部
30 手摺治具
31 第1挟み部
31A 先端部
32 第2挟み部
41 第1案内部
41A 第1案内部(先端側案内部)
41B 第1案内部(支点側案内部)
42 第2案内部
43 第3案内部(先端側案内部)
44 第4案内部(支点側案内部)