(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078139
(43)【公開日】2024-06-10
(54)【発明の名称】配送可能時間制御装置、無人飛行体監視システム、及び配送可能時間制御方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/083 20240101AFI20240603BHJP
【FI】
G06Q10/083
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022190523
(22)【出願日】2022-11-29
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-12-20
(71)【出願人】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天グループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】弁理士法人インテクト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100120189
【弁理士】
【氏名又は名称】奥 和幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135518
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 隆
(72)【発明者】
【氏名】松本 麻希
(72)【発明者】
【氏名】井沼 孝慈
(72)【発明者】
【氏名】梶原 晋吾
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA03
5L010AA16
5L049AA03
5L049AA16
5L049CC51
(57)【要約】 (修正有)
【課題】オペレータの監視スケジュール及び無人飛行体の要監視タイミングに応じて配送依頼者が選択できる配送可能時間を制限する配送可能時間制御装置、配送可能時間制御システム及び配送可能時間制御方法を提供する。
【解決手段】注文処理サーバ、監視タスク管理サーバ及び複数のオペレータ端末が、それぞれ通信ネットワークに接続されている配送管理システムにおいて、監視タスク管理サーバは、特定のオペレータが監視タスクを実行可能な時間帯を含む監視スケジュールを取得するとともに複数のUAV(Unmanned Aerial Vehicle)の要監視タイミングを取得し、商品の注文者に対して特定のUAVによる商品の配送可能時間を選択可能に提示する際に、特定のオペレータの監視スケジュール及び特定のUAVの要監視タイミングに基づいて、配送可能時間のうち一部の配送可能時間を注文者が選択できないように制御する。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品の配送に利用される無人飛行体を監視するための監視タスクを実行するオペレータの監視スケジュールであって、前記オペレータが前記監視タスクを実行可能な時間帯を含む前記監視スケジュールを取得する第1取得部と、
前記無人飛行体の監視を要する要監視タイミングを取得する第2取得部と、
前記物品の配送依頼者に対して前記無人飛行体による前記物品の配送可能時間を選択可能に提示することを制御する提示制御部であって、前記監視スケジュール及び前記要監視タイミングに基づいて前記配送可能時間のうち一部の配送可能時間を前記配送依頼者が選択できないように制御する前記提示制御部と、
を備えることを特徴とする配送可能時間制御装置。
【請求項2】
前記提示制御部は、前記要監視タイミングにおいて前記オペレータが前記監視タスクを実行不能となる前記要監視タイミングに対応する前記配送可能時間を前記配送依頼者が選択できないように制御することを特徴とする請求項1に記載の配送可能時間制御装置。
【請求項3】
前記第1取得部は、複数の前記オペレータのそれぞれの前記監視スケジュールを取得し、
前記提示制御部は、前記要監視タイミングにおいて複数の前記オペレータの全てが前記監視タスクを実行不能となる前記要監視タイミングに対応する前記配送可能時間を前記配送依頼者が選択できないように制御することを特徴とする請求項1に記載の配送可能時間制御装置。
【請求項4】
前記第2取得部は、複数の前記要監視タイミングを取得し、
前記提示制御部は、前記オペレータが前記監視タスクを実行不能となる前記複数の前記要監視タイミングに対応する前記配送可能時間を前記配送依頼者が選択できないように制御することを特徴とする請求項1に記載の配送可能時間制御装置。
【請求項5】
前記提示制御部は、前記オペレータの監視スケジュールにおいて当該オペレータが前記監視タスクを実行可能な時間帯に、前記要監視タイミングで実行されるべき前記監視タスクを割り当てるための割当処理を行い、当該割当処理の結果に基づいて、前記オペレータが前記監視タスクを実行不能となる前記要監視タイミングに対応する前記配送可能時間を前記一部の配送可能時間として特定することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の配送可能時間制御装置。
【請求項6】
前記監視スケジュールには、前記無人飛行体の拠点とは異なる拠点に配備される他の無人飛行体を監視するための監視タスクが既に割り当てられていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の配送可能時間制御装置。
【請求項7】
前記要監視タイミングの到来に応じて、当該要監視タイミングで実行されるべき前記監視タスクを前記オペレータに実行させるための情報を当該オペレータが使用する端末に送信する送信部を更に備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の配送可能時間制御装置。
【請求項8】
前記要監視タイミングは、前記無人飛行体による1配送に係る配送スケジュールにおいて時間を隔てた複数のタイミングのうち少なくとも1つのタイミングであることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の配送可能時間制御装置。
【請求項9】
物品の配送に利用される無人飛行体を監視するための監視タスクを実行するオペレータの監視スケジュールであって、前記オペレータが前記監視タスクを実行可能な時間帯を含む前記監視スケジュールを取得する第1取得部と、
前記無人飛行体の監視を要する要監視タイミングを取得する第2取得部と、
前記物品の配送依頼者に対して前記無人飛行体による前記物品の配送可能時間を選択可能に提示することを制御する提示制御部であって、前記監視スケジュール及び前記要監視タイミングに基づいて前記配送可能時間のうち一部の配送可能時間を前記配送依頼者が選択できないように制御する前記提示制御部と、
を備えることを特徴とする無人飛行体監視システム。
【請求項10】
コンピュータにより実行される配送可能時間制御方法であって、
物品の配送に利用される無人飛行体を監視するための監視タスクを実行するオペレータの監視スケジュールであって、前記オペレータが前記監視タスクを実行可能な時間帯を含む前記監視スケジュールを取得するステップと、
前記無人飛行体の監視を要する要監視タイミングを取得するステップと、
前記物品の配送依頼者に対して前記無人飛行体による前記物品の配送可能時間を選択可能に提示することを制御するステップであって、前記監視スケジュール及び前記要監視タイミングに基づいて前記配送可能時間のうち一部の配送可能時間を前記配送依頼者が選択できないように制御するステップと、
を含むことを特徴とする配送可能時間制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の配送に利用される無人飛行体を監視するためのシステム等の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に開示されるように、無人航空機(無人飛行体の一例)とは離れた場所に配置された複数のオペレータが、コンピューティングデバイスを介して、飛行中の複数の無人航空機を監視及び制御する技術が知られている。特許文献1の技術によれば、一人のオペレータにより多くの無人航空機を監視及び制御することができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
ところで、一人のオペレータが複数の無人航空機を同時に監視することは安全面等の観点から望ましくない。今後、複数の拠点から複数の無人航空機により物品の配送が行われる場合、オペレータの監視スケジュールにおいて、複数の無人航空機のそれぞれの監視を要する要監視タイミングが被らないように調整することが望ましい。さらに、このような要監視タイミングは、配送依頼者により選択される配送可能時間に応じて変動するため、上記調整にあたり、該配送可能時間をも考慮する必要がある。
【0005】
そこで、本発明は、オペレータの監視スケジュール及び無人飛行体の要監視タイミングに応じて配送依頼者が選択できる配送可能時間を制限することが可能な配送可能時間制御装置、配送可能時間制御システム、及び配送可能時間制御方法を提供することを課題の一例とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(適用例1)上記課題を解決するために、本適用例に係る配送可能時間制御装置は、物品の配送に利用される無人飛行体を監視するための監視タスクを実行するオペレータの監視スケジュールであって、前記オペレータが前記監視タスクを実行可能な時間帯を含む前記監視スケジュールを取得する第1取得部と、前記無人飛行体の監視を要する要監視タイミングを取得する第2取得部と、前記物品の配送依頼者に対して前記無人飛行体による前記物品の配送可能時間を選択可能に提示することを制御する提示制御部であって、前記監視スケジュール及び前記要監視タイミングに基づいて前記配送可能時間のうち一部の配送可能時間を前記配送依頼者が選択できないように制御する前記提示制御部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
(適用例2)本適用例に係る無人飛行体監視システムは、物品の配送に利用される無人飛行体を監視するための監視タスクを実行するオペレータの監視スケジュールであって、前記オペレータが前記監視タスクを実行可能な時間帯を含む前記監視スケジュールを取得する第1取得部と、前記無人飛行体の監視を要する要監視タイミングを取得する第2取得部と、前記物品の配送依頼者に対して前記無人飛行体による前記物品の配送可能時間を選択可能に提示することを制御する提示制御部であって、前記監視スケジュール及び前記要監視タイミングに基づいて前記配送可能時間のうち一部の配送可能時間を前記配送依頼者が選択できないように制御する前記提示制御部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
(適用例3)本適用例に係る配送可能時間制御方法は、コンピュータにより実行される配送可能時間制御方法であって、物品の配送に利用される無人飛行体を監視するための監視タスクを実行するオペレータの監視スケジュールであって、前記オペレータが前記監視タスクを実行可能な時間帯を含む前記監視スケジュールを取得するステップと、前記無人飛行体の監視を要する要監視タイミングを取得するステップと、前記物品の配送依頼者に対して前記無人飛行体による前記物品の配送可能時間を選択可能に提示することを制御するステップであって、前記監視スケジュール及び前記要監視タイミングに基づいて前記配送可能時間のうち一部の配送可能時間を前記配送依頼者が選択できないように制御するステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、オペレータの監視スケジュール及び無人飛行体の要監視タイミングに応じて配送依頼者が選択できる配送可能時間を制限することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】配送管理システムSの概要構成例を示す図である。
【
図2】UAV1が商品を配送先へ配送する様子を示す概念図である。
【
図3】監視タスク管理サーバMSの概要構成例を示す図である。
【
図4】要監視タイミング算出用テーブルの一例を示す図である。
【
図5】監視計画管理データベース126の内容の一例を示す図である。
【
図6】制御部13における機能ブロック例を示す図である。
【
図7】オペレータO1,O2のそれぞれの監視スケジュールSC1,SC2と、要監視タイミング群TG1~TG3との時間的関係を示す概念図である。
【
図8】監視タスクを実行するオペレータOnがタスク種別ごとに固定された場合の監視計画管理データベース126の内容の一例を示す図である。
【
図9】注文者端末UTに表示された配送可能時間選択画面の一例を示す図である。
【
図10】オペレータ端末OT1に表示された監視タスク実行画面の一例を示す図である。
【
図11】UAV2の要監視タイミングで実行されるべき監視タスクがオペレータO1の監視スケジュールからオペレータO4の監視スケジュールに付け替えられる例を示す概念図である。
【
図12】監視タスク管理サーバMSにおける制御部13の監視計画決定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図13】監視タスク管理サーバMSにおける制御部13の監視タスク情報送信処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。以下の実施形態は、ドローンなどの無人航空機(以下、「UAV(Unmanned Aerial Vehicle)」という)による物品の配送を管理する配送管理システムに対して本発明を適用した場合の実施形態である。UAVは、無人飛行体の一例である。なお、以下の実施形態では、店舗で販売される商品(物品の一例)を注文者(配送依頼者の一例)が使用する端末(以下、「注文者端末」という)から注文処理サーバに対して注文することで該商品が配送先へ配送されるケースを例にとって説明する。
【0012】
[
1.配送管理システムSの構成及び動作概要]
先ず、
図1及び
図2を参照して、本実施形態に係る配送管理システムSの構成及び動作概要について説明する。
図1は、配送管理システムSの概要構成例を示す図である。
図1に示すように、配送管理システムSは、注文処理サーバPS、監視タスク管理サーバMS、及び複数のオペレータ端末OTn(n=1,2・・・)等を含んで構成される。ここで、監視タスク管理サーバMSは、本発明の配送可能時間制御装置の一例である。監視タスク管理サーバMS、及び複数のオペレータ端末OTnは、本発明の無人飛行体監視システムを構成することができる。また、監視タスク管理サーバMSは、注文処理サーバPSと一体的に構成されてもよい。オペレータ端末OTnは、オペレータOn(n=1,2・・・)により使用される。例えば、オペレータ端末OT1は、オペレータO1により使用され、オペレータ端末OT2は、オペレータO2により使用される。注文処理サーバPS、監視タスク管理サーバMS、及びオペレータ端末OTnは、それぞれ、通信ネットワークNWに接続される。通信ネットワークNWは、例えば、インターネット、移動体通信ネットワーク及びその無線基地局等から構成される。
【0013】
図2は、UAV1が商品を配送先へ配送する様子を示す概念図である。
図2の例では、商品の配送に利用される複数のUAVm(m=1,2,3・・・)は、それぞれ、異なる拠点Pm(m=1,2,3・・・)に配備されるようになっている。商品は店舗Fo(o=1,2,3・・・)で販売されるため、UAVmは拠点Pmから店舗Foに商品を取りに行くようになっている。例えば、
図2に示すように、商品の注文が確定した後、UAV1は、拠点P1から該商品を販売する店舗F1へ飛行し、該商品を店舗F1で積載して配送先へ飛行する。なお、1つの拠点Pmには複数のUAVmが配備されてもよい。例えば、拠点P1にUAV1とUAV2とが配備されてもよい。また、拠点Pmと店舗Foとは同じ場所にあってもよい。例えば、拠点P1内に店舗F1が設置されてもよい。この場合、UAV1は、拠点P1から店舗F1へ飛行しなくてもよい。
【0014】
注文処理サーバPSは、通信ネットワークNWを介してアクセスしてきた注文者端末UT(例えば、スマートフォン等の携帯端末)からの注文を受け付けて処理するサーバであり、受け付けられた注文に関する情報を監視タスク管理サーバMSへ送信する。ここで、注文に関する情報には、例えば、注文ID(注文の識別情報)、注文者のユーザID(注文者の識別情報)、注文者により注文された商品の商品ID(商品の識別情報)、商品名、商品を販売する店舗ID(店舗Foの識別情報)、及び配送先の位置情報(例えば、緯度及び経度)などが含まれる。なお、商品に関する情報(例えば、商品名、商品の写真画像)は、注文処理サーバPSから注文者に対して選択可能に提示される(つまり、注文者端末UTに表示される)。
【0015】
また、注文処理サーバPSは、注文者に対して商品の配送可能時間(例えば、異なる複数の配送可能時間)を選択可能に提示する(つまり、注文者端末UTに表示させる)。かかる配送可能時間は、監視タスク管理サーバMSから提供される。注文者に対して提示された配送可能時間から該注文者により任意の配送可能時間が選択されることで商品の注文が確定する。ここで、配送可能時間とは、配送先に商品を配達できる時間帯である。換言すると、配送可能時間とは、商品を積載したUAVmが配送先に到着する予定時間帯である。或いは、配送可能時間は、配送先に到着したUAVmが地面等に着陸し、UAVmから受取人が商品を受け取り可能となる予定時間帯であってもよい。なお、配送可能時間は、時刻(例えば、12:00)であってもよいが、ある程度の余裕を考慮して時間帯(例えば、12:00~12:15)であることが望ましい。
【0016】
監視タスク管理サーバMSは、商品の配送に利用されるUAVmを監視するための監視タスクに関する情報を管理するサーバである。監視タスクとは、例えば、UAVmの状態やUAVmの周辺状況を監視する作業(仕事)ということができる。監視タスクは、UAVmの監視を要する要監視タイミング(UAVmの要監視タイミング)でオペレータOnによりオペレータ端末OTnを介して実行される。監視タスクには、状況に応じてUAVmの飛行制御(例えば、移動制御、ホバリング制御)を行うための端末操作(つまり、オペレータ端末OTnの操作)が含まれてもよい。また、監視タスクは、オペレータOnの監視スケジュールにおいて監視タスクを実行可能な時間帯に割り当てられる。
【0017】
本実施形態では、例えば監視拠点にいるオペレータO1が、異なる拠点Pmにて配送を実施する複数のUAVmのそれぞれについて監視タスクを実行する場面を想定している。安全な配送を行うために、各UAVmの店舗Fo上空到着時や着陸時など、オペレータO1による監視タスクが必要なタイミングにおいて、オペレータO1が使用するオペレータ端末OT1にUAVmに関する情報が表示される。つまり、例えば、拠点P1を出発したUAV1が店舗F1上空に到着していても、同じタイミングで店舗F2にてUAV2の配送準備が完了しており、その監視タスクをオペレータO1が実行中の場合、UAV1についての監視タスクは実行不可ということになる。
【0018】
なお、本実施形態における監視には、オペレータOnが視覚を通じて注視する(注意して見る)ことが含まれる。したがって、要監視タイミングとは、注視(要注視)タイミングともいうことができる。また、要監視タイミングは、監視対象となるUAVmによる1配送に係る配送スケジュールにおいて時間を隔てた複数のタイミングであることが望ましい。これにより、1配送に係る配送スケジュールにおいて、UAVmの要監視タイミングで実行されるべき監視タスクをオペレータOnに効率良く実行させることができる。ただし、要監視タイミングは、監視対象となるUAVmによる1配送に係る配送スケジュールにおいて1つのタイミングであっても構わない。ここで、タイミングは、時点(換言すると、時刻)であってもよいし、時間帯であってもよい(つまり、ある程度の時間幅を有してもよい)。配送スケジュールは、例えば、UAVmが拠点Pmから離陸し、店舗Foを経由して配送先に着陸するまで(或いは、配送先から離陸するまで)のスケジュールである。
【0019】
また、監視タスク管理サーバMSは、UAVmに関するUAV情報をUAVmから通信ネットワークNWを介して定期的または不定期で受信するようになっている。ここで、UAV情報には、例えば、UAVmの各種センサにより検知された位置、状態、及びバッテリ残量などが含まれる。また、UAV情報には、UAVmのカメラにより撮影されたUAV映像が含まれてもよい。UAV映像には、例えば、UAVmの離着陸の障害になりうる障害物が含まれることもある。また、監視タスク管理サーバMSは、UAVmの周辺状況に関するUAV周辺情報を店舗Foや拠点Pmに設置された各種センサから通信ネットワークNWを介して定期的または不定期で受信してもよい。UAV周辺情報には、店舗Foや拠点Pmに設置された気象センサにより検知された風向き、風速、及び降雨量が含まれる。また、UAV周辺情報には、店舗Foや拠点Pmに設置されたカメラにより撮影されたUAVmの周辺映像が含まれてもよい。周辺映像には、例えば、UAVmの離着陸の障害になりうる障害物が含まれることもある。また、監視タスク管理サーバMSは、天候管理サーバから、UAVmが位置する地域の天候をUAV周辺情報として通信ネットワークNWを介して定期的または不定期で受信してもよい。
【0020】
[
1-1.監視タスク管理サーバMSの構成及び機能]
次に、
図3を参照して、監視タスク管理サーバMSの構成及び機能について説明する。
図3は、監視タスク管理サーバMSの概要構成例を示す図である。
図3に示すように、監視タスク管理サーバMSは、通信部11、記憶部12、及び制御部13等を備える。通信部11は、通信ネットワークNWを介して行われる通信の制御を担う。通信部11は、注文に関する情報を注文処理サーバPSから受信する。また、通信部11は、UAV情報とUAV周辺情報とのうち少なくとも何れか一方をUAVm等から受信する。記憶部12は、例えば、ハードディスクドライブ等から構成され、オペレーティングシステム、及びアプリケーションを含む各種プログラム等を記憶する。ここで、アプリケーションには、配送可能時間制御方法を実行するためのプログラムが含まれる。また、記憶部12は、UAVmから受信されたUAV情報とUAV周辺情報とのうち少なくとも何れか一方をUAVmの機体ID(UAVmの識別情報)に対応付けてUAVmごとに逐次更新しつつ蓄積するバッファメモリを有する。
【0021】
また、記憶部12は、要監視タイミング算出用テーブルを記憶する。
図4は、要監視タイミング算出用テーブルの一例を示す図である。
図4に示すように、要監視タイミング算出用テーブルには、要監視タイミング、基準時間、及びタスク所要時間が対応付けられて登録されている。ここで、基準時間は、これに対応付けられた要監視タイミングを算出するための時間である。タスク所要時間は、これに対応付けられた要監視タイミングでの監視タスクの実行に要する時間長である。
図4の例では、要監視タイミングの例として、運航判断時、拠点離陸時、店舗着陸時、店舗離陸時、配送先飛行時、及び配送先着陸時が示されている(7つ)。ここで、“時”は“直前”であってもよい。それぞれの要監視タイミングで実行されるべき監視タスクのタスク種別は互いに異なる。なお、タスク種別は、
図4に示す数(7つ)よりも少なくてもよいし、多くてもよい。また、拠点Pmと店舗Foとが同じ場所にある場合、拠点離陸時、店舗着陸時、及び店舗離陸時は、店舗離陸時に纏めることができる。
【0022】
ここで、店舗離陸時は、例えば、商品を積載したUAVmが配送のために店舗Foから離陸(これを「配送開始」ともいう)するタイミングを示す。このタイミングは、これに対応付けられた基準時間が参照されることで、配送開始時間T(時点)または配送開始時間Tを基準とする時間帯に設定される。かかる時間帯の長さは、要監視タイミングでの監視タスクの実行に要するタスク所要時間と等しい時間長であるとよい(他の要監視タイミングについても同様)。なお、要監視タイミング算出用テーブルにおいて、配送開始時間Tは、基準となるため、例えば、“0:00”として登録されている。店舗着陸時は、例えば、拠点Pmから離陸したUAVmが店舗上空に到着し着陸(例えば、店舗Foの架台に着陸)するタイミングを示す。このタイミングは、これに対応付けられた基準時間が参照されることで、配送開始時間Tから“ta”分(例えば、10分)前の時点または該時点を基準とする時間帯に設定される。
【0023】
拠点離陸時は、例えば、UAVmが拠点Pmから離陸するタイミングを示す。このタイミングは、これに対応付けられた基準時間が参照されることで、配送開始時間Tから“tb”分前の時点または該時点を基準とする時間帯に設定される。“tb”分は、“ta”分と、拠点Pmから店舗Foまでの所要時間“tx”分との和になる。所要時間“tx”分は、拠点Pmから店舗Foまでの飛行距離とUAVmの飛行速度(予定速度)とから算出される。運航判断時は、UAVmの運航(飛行)可否が判断されるタイミングを示す。このタイミングは、これに対応付けられた基準時間が参照されることで、配送開始時間Tから“tc”分前の時点または該時点を基準とする時間帯に設定される。“tc”分は、“tb”分と、運航判断に要する時間を含む余裕時間“ty”分との和になる。
【0024】
配送先飛行時は、例えば、店舗Foから離陸したUAVmが配送途中位置に到達するタイミングを示す。このタイミングは、これに対応付けられた基準時間が参照されることで、配送開始時間Tから“te”分後の時点または該時点を基準とする時間帯に設定される。“te”分は、店舗Foから配送途中位置までの所要時間(飛行継続時間)になり、店舗Poから配送途中位置までの飛行距離とUAVmの飛行速度とから算出される。なお、配送途中位置とは、店舗Foから配送先までの飛行経路のうちの所定割合(例えば、50%)の位置である。配送先着陸時は、例えば、店舗Foから離陸したUAVmが配送先上空に到着し着陸するタイミングを示す。このタイミングは、これに対応付けられた基準時間が参照されることで、配送開始時間Tから“tf”分後の時点または該時点を基準とする時間帯に設定される。“tf”分は、店舗Foから配送先までの所要時間(飛行継続時間)であり、店舗Poから配送先までの飛行距離とUAVmの飛行速度とから算出される。配送開始時間Tから“tf”分後の時点は、上述した配送可能時間に対応する(例えば、一致する、または、含まれる)。
【0025】
以上のように、監視タスクは、異なる複数のタスク種別に区別することができる。例えば、運航判断時の監視タスクと、拠点離陸時の監視タスクと、店舗着陸時の監視タスクと、店舗離陸時の監視タスクと、配送先飛行時の監視タスクと、配送先着陸時の監視タスクとは、タスク種別が互いに異なる。ただし、タスク種別が異なる監視タスクであっても、監視タスクの内容(例えば、何を注視するか)は同一の場合もあるし異なる場合もある。
【0026】
さらに、記憶部12には、店舗管理データベース(DB)121、機体管理データベース(DB)122、ユーザ管理データベース(DB)123、オペレータ管理データベース(DB)124、配送計画管理データベース(DB)125、及び監視計画管理データベース(DB)126等が構築される。店舗管理データベース121は、商品を販売する店舗Foに関する情報を管理するためのデータベースである。店舗管理データベース121には、例えば、店舗ID、及び店舗Foの位置情報(例えば、緯度及び経度)等が店舗Foごとに対応付けられて格納(登録)される。
【0027】
機体管理データベース122は、商品の配送に利用されるUAVmに関する情報を管理するためのデータベースである。機体管理データベース122には、例えば、UAVmの機体ID、稼働状況、利用可能時間帯、及びUAVmが配備された拠点Pmの位置情報等がUAVmごとに対応付けられて格納される。稼働状況は、稼働中(例えば、配送準備のために移動中、配送に利用中、帰還中)、使用不可、または待機中を示し、適宜更新される。利用可能時間帯は、UAVmを配送に利用可能な年月日及び時間帯を示す。
【0028】
ユーザ管理データベース123は、配送サービスの利用会員としてのアカウントが作成されたユーザに関する情報を管理するためのデータベースである。ここで、アカウントが作成されたユーザは、注文者として注文者端末UTを介して商品の注文を注文処理サーバPSに行うことができる。ユーザ管理データベース123には、ユーザID、氏名、住所、メールアドレス、及び電話番号がユーザごとに対応付けられて格納される。なお、ユーザ管理データベース123には、商品の配送先の住所または位置情報が事前登録されてもよい。
【0029】
オペレータ管理データベース124は、オペレータOnに関する情報を管理するためのデータベースである。オペレータ管理データベース124には、例えば、オペレータOnのオペレータID(オペレータOnの識別情報)、オペレータOnの監視スケジュール、オペレータOnが使用するオペレータ端末OTnのアクセス情報(例えば、IPアドレス)等がオペレータOnごとに対応付けられて格納される。オペレータOnの監視スケジュールには、例えば、オペレータOnが監視タスクを実行可能な時間帯(年月日及び時間帯)と実行不能な時間帯(年月日及び時間帯)との少なくとも何れか一方が含まれる。監視タスクを実行不能な時間帯には、例えば、他のUAVmを監視するための監視タスクが既に割り当てられている時間帯(つまり、監視タスクが既に入っている時間帯)や休憩時間帯などが含まれる。
【0030】
配送計画管理データベース125は、配送計画に関する情報を管理するためのデータベースである。配送計画管理データベース125には、注文ID、及び決定された配送計画等が注文(配送)ごとに対応付けられて格納される。配送計画には、例えば、配送対象となる商品の商品ID、該商品を配送するUAVmの機体ID、及びUAVmの配送スケジュール等が含まれる。配送計画中に示されるUAVmは、配送への利用が決定されたUAVmである。配送スケジュールには、配送可能時間及び配送開始時間等が含まれる。なお、1配送は、1つの注文IDと、1つのUAVmに対応している。例えば、注文ID“d0001”で識別される注文に係る商品はUAV1により配送され、注文ID“d0002”で識別される注文に係る商品はUAV2により配送される。
【0031】
監視計画管理データベース126は、監視計画に関する情報を管理するためのデータベースである。監視計画管理データベース126には、注文ID、及び決定された監視計画等が注文ごとに対応付けられて格納される。ここで、監視計画とは、どのオペレータOnがどの要監視タイミングでどのUAVmについて監視タスクを実行するかを示す計画(換言すると、監視タスクの実行計画)である。
図5は、監視計画管理データベース126の内容の一例を示す図である。
図5に示すように、注文ID“d0001”に対応付けられた監視計画では、タスク種別ごとに、監視タスクを実行するオペレータOnのオペレータIDが対応付けられている。また、監視計画において、要監視タイミングでの監視を要するUAVmの機体IDがオペレータIDに対応付けられているとよい。なお、
図5の例では、要監視タイミングは時間帯(便宜上、年月日を省略)で表されており、この時間帯(要監視タイミングに係る時間帯)において監視タスクが実行されることになる。
【0032】
制御部13は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)等を備える。
図6は、制御部13における機能ブロック例を示す図である。制御部13は、例えばROMまたは記憶部12に記憶されたプログラム(プログラムコード群)に従って、
図6に示すように、配送可能時間抽出部131、監視スケジュール取得部132(第1取得部の一例)、要監視タイミング取得部133(第2取得部の一例)、監視計画生成部134、提示制御部135、監視タスク情報送信部136(送信部の一例)、及び遅延制御部137等として機能する。
【0033】
配送可能時間抽出部131は、例えば注文に関する情報が受信されたときに、該注文に係る商品の配送に要する推定時間等に基づいて、該注文に係る商品の配送可能時間を所定数(例えば、3つ以上)抽出する。ここで、商品の配送に要する推定時間は、該商品のピックアップ及び積載などの準備時間、及びUAVmが配送先に到達するまでの所要時間から推定される。かかる所要時間は、例えば、UAVmが待機する拠点Pmの位置情報、店舗Foの位置情報、及び配送先の位置情報から特定される飛行距離と、UAVmの飛行速度とから算出される。なお、配送可能時間の抽出にあたり、適宜、機体管理データベース122で管理されているUAVmの利用可能時間帯等が参照されてもよい。
【0034】
配送可能時間は、例えば、“12:00(始点)~12:15(終点)”、“12:15~12:30”、“12:30~12:45”、“12:45~13:00”、“13:00~13:15”・・・、というように複数抽出される。このような複数の配送可能時間のそれぞれに係る時間帯の一部が重複してもよい。この場合、配送可能時間は、例えば、“12:00~12:15”、“12:10~12:25”、“12:20~12:35”というように複数抽出される。この例では、時間帯の長さは15分としているが特に限定されるものではない。なお、抽出された配送可能時間には、注文ID、及び配送可能時間に配送先で商品を受け渡し可能なUAVm(機体ID)が対応付けられる。
【0035】
監視スケジュール取得部132は、例えば注文に関する情報が受信されたときに、複数のオペレータOnのそれぞれの監視スケジュールをオペレータ管理データベース124から取得する。要監視タイミング取得部133は、UAVmの監視を要する要監視タイミングを取得する。例えば、要監視タイミング取得部133は、配送可能時間抽出部131により抽出された配送可能時間と、記憶部12に記憶されている要監視タイミング算出用テーブルとに基づいて、該配送可能時間に対応付けられたUAVmの監視を要する各要監視タイミング(複数の要監視タイミング)を取得する。ここで、1配送における各要監視タイミングを、以下、「要監視タイミング群」ともいう。
【0036】
より具体的には、配送可能時間抽出部131により抽出された配送可能時間の始点(例えば、12:00)と、店舗Foから配送先までの所要時間(例えば、40分)とから配送開始時間T(例えば、11:20)が算出される(つまり、逆算される)。算出された配送開始時間Tには、注文ID及び配送可能時間が対応付けられる。そして、算出された配送開始時間Tが要監視タイミング算出用テーブルに当てはめられることで、要監視タイミング群が取得される。例えば、
図4に示す要監視タイミング算出用テーブル中の配送開始時間T”を11:20とし(換言すると、デフォルトの0:00から、11:20に更新)、各基準時間が特定されることで、要監視タイミング群が算出される。なお、配送可能時間抽出部131により複数の配送可能時間が抽出された場合、それぞれの配送可能時間に対応する要監視タイミング群が取得される。
【0037】
監視計画生成部134は、監視スケジュール取得部132により取得された監視スケジュール、及び要監視タイミング取得部133により取得された要監視タイミング(例えば、要監視タイミング群)に基づいて、配送可能時間に対応付けられたUAVmの監視計画を生成する。例えば、監視計画生成部134は、オペレータO1,O2のそれぞれの監視スケジュール(つまり、複数の監視スケジュール)及び配送可能時間に対応する要監視タイミング群に基づいて、複数の監視スケジュールのうち何れか1の監視スケジュールにおいて複数のオペレータO1,O2のうち何れか1のオペレータO1が監視タスクを実行可能な時間帯に、例えばUAV1の要監視タイミング群内の要監視タイミングのそれぞれで実行されるべき監視タスクを割り当てることで監視計画を生成する。これにより、1つのUAV1の要監視タイミング群内の要監視タイミングのそれぞれで実行されるべき監視タスクを1人のオペレータO1(オペレータID“o0001”)に一気通貫でより効率良く実行させることができる(例えば、
図5に示す注文ID“d0001”参照)。
【0038】
上記のように、監視計画を生成するための処理は、配送可能時間抽出部131により抽出された配送可能時間ごとに行われる。そして、監視計画が生成された場合には、該監視計画が注文ID及び配送可能時間に対応付けられる。なお、例えばオペレータO1の監視スケジュールには、例えばUAV1の拠点P1とは異なる拠点P2に配備される他のUAV2を監視するための監視タスクが既に割り当てられている場合もある。これにより、複数の拠点Pmのそれぞれに配備されるUAVmの要監視タイミングで実行されるべき監視タスクを1人のオペレータO1に効率良く実行させることができる。
【0039】
図7は、オペレータO1,O2のそれぞれの監視スケジュールSC1,SC2と、要監視タイミング群TG1~TG3との時間的関係を示す概念図である。要監視タイミング群TG1~TG3は、それぞれ、配送可能時間PT1~PT3に対応する。なお、説明の便宜上、要監視タイミング群TG1~TG3は、それぞれ、3つの要監視タイミングTBD(例えば、運航判断時、店舗離陸時、及び配送先着陸時)から構成されている。また、監視スケジュールSC1,SC2のそれぞれには、オペレータO1,O2のそれぞれが監視タスクを実行可能な時間帯TOKと実行不能な時間帯TNGとが示されている。この例では、要監視タイミング群TG3内の3つの要監視タイミングTBDのそれぞれで実行されるべき監視タスクが、オペレータO1により実行可能な時間帯TOKに割り当てられる。これにより、配送可能時間PT3に対応する監視計画が生成される。
【0040】
なお、
図7において、配送可能時間PT1に対応する要監視タイミング群TG1内の3つの要監視タイミングTBDのうち少なくとも1つが、オペレータO1により実行不能な時間帯TNGと一部重複する。同様に、要監視タイミング群TG1内の3つの要監視タイミングTBDのうち少なくとも1つが、オペレータO2により実行不能な時間帯TNGと一部重複する。そのため、配送可能時間PT1に対応する監視計画は生成されない。一方、配送可能時間抽出部131により抽出された配送可能時間のうち配送可能時間PT1以外にも、監視タスクを実行可能な時間帯TOKに要監視タイミングTBDのそれぞれで実行されるべき監視タスクを割り当て可能な配送可能時間がある場合、該配送可能時間に対応する監視計画も生成される。つまり、1つの注文で、複数の配送可能時間のそれぞれに対応する監視計画が生成される場合もある。この場合、注文者により選択された1つの配送可能時間に対応する監視計画が決定されることになる。
【0041】
別の例として、監視計画生成部134は、オペレータO1の監視スケジュールにおいてオペレータO1が監視タスクを実行可能な時間帯に、要監視タイミング群内の第1の要監視タイミングで実行されるべき監視タスクを割り当て、オペレータO2の監視スケジュールにおいてオペレータO2が監視タスクを実行可能な時間帯に、該要監視タイミング群内の第2の要監視タイミングで実行されるべき監視タスクを割り当てることで監視計画を生成してもよい。これにより、1つのUAVmの要監視タイミング群内の要監視タイミングのそれぞれで実行されるべき監視タスクの実行負担を複数のオペレータOnに分散することができる。この場合、
図7において、配送可能時間PT2に対応する要監視タイミング群TG2内の3つの要監視タイミングTBDのうちの1つ(
図7の例では、右のTBD)で実行されるべき監視タスクがオペレータO1により実行可能な時間帯TOKに割り当てられ、残りの2つ(
図7の例では、左及び中央のTBD)で実行されるべき監視タスクがオペレータO2により実行可能な時間帯TOKに割り当てられる。これにより、配送可能時間PT2に対応する監視計画が生成される。
【0042】
或いは、別の例として、監視タスクを実行するオペレータOnがタスク種別ごとに固定されてもよい(つまり、タスク種別ごとの完全分業)。これにより、複数のUAVmのそれぞれの要監視タイミングで実行されるべき監視タスクをタスク種別ごとに複数のオペレータOnに分業させることができる。そのため、タスク種別ごとの監視タスクの専門性を高めることが可能となり、該監視タスクをオペレータOnに、より適切に実行させることができる。この場合、監視計画生成部134は、例えば、オペレータO1の監視スケジュールにおいてオペレータO1が監視タスクを実行可能な時間帯に、UAV1の要監視タイミングで実行されるべき第1のタスク種別の監視タスク(例えば、店舗着陸時の監視タスク)と、UAV2の要監視タイミングで実行されるべき第1のタスク種別の監視タスクとを割り当て、オペレータO2の監視スケジュールにおいてオペレータO2が監視タスクを実行可能な時間帯に、UAV1の要監視タイミングで実行されるべき第2のタスク種別の監視タスク(例えば、店舗離陸時の監視タスク)と、UAV2の要監視タイミングで実行されるべき第2のタスク種別の監視タスクとを割り当てることで監視計画を生成する。
【0043】
図8は、監視タスクを実行するオペレータOnがタスク種別ごとに固定された場合の監視計画管理データベース126の内容の一例を示す図である。
図8の例では、店舗着陸時の監視タスクはオペレータO1(オペレータID“o0001”)により実行されるように割り当てられている。また、運航判断時の監視タスク及び店舗離陸時の監視タスクはオペレータO2(オペレータID“o0002”)により実行されるように割り当てられている。また、拠点離陸時の監視タスク、配送先飛行時の監視タスク、及び配送先着陸時の監視タスクは、オペレータO3(オペレータID“o0003”)により実行されるように割り当てられている。
【0044】
提示制御部135は、商品の注文者に対してUAVmによる該商品の配送可能時間を選択可能に提示(つまり、注文者の注文者端末UTに表示)することを制御する。かかる配送可能時間の提示は、注文処理サーバPSが提示制御部135により提供された配送可能時間を示す情報を注文者端末UTへ送信することで行われる。このとき、提示制御部135は、上述した監視スケジュール及び要監視タイミングに基づいて、配送可能時間のうち一部の配送可能時間を注文者が選択できないように制御する。これにより、オペレータOnが監視タスクを実行不能となることを適切に防ぐことができる。また、オペレータOnの監視スケジュール及びUAVmの要監視タイミングに応じて注文者が選択できる配送可能時間を制限することができる。そのため、UAVmの監視を要する要監視タイミングで実行されるべき監視タスクをオペレータOnに適切に実行させることができる。
【0045】
例えば、提示制御部135は、上記一部の配送可能時間を、注文処理サーバPSへ提供する情報に含めないように制御する。或いは、提示制御部135は、注文処理サーバPSへ提供する情報に上記一部の配送可能時間及び該配送可能時間の選択不可を示す情報を含めるように制御してもよい。なお、提示制御部135は、配送可能時間を示す情報を、注文処理サーバPSを介さずに監視タスク管理サーバMSから注文者端末UTへ直接送信するように制御してもよい。ここで、上記一部の配送可能時間とは、例えば、配送可能時間抽出部131により抽出された複数の配送可能時間のうち、オペレータOn(例えば、複数のオペレータOnの全て)が監視タスクを実行不能となる要監視タイミング(例えば、要監視タイミング群)に対応する配送可能時間である。これにより、複数のオペレータOnのうち1人でも監視タスクを実行可能な要監視タイミングであれば、そのような要監視タイミングに対応する配送可能時間を注文者に提示することができる。そのため、UAVmの要監視タイミングで実行されるべき監視タスクをオペレータOnに効率良く実行させることができる。
【0046】
なお、提示制御部135は、監視計画生成部134による監視計画の生成処理とは別に、オペレータOnの監視スケジュール及び上記抽出された配送可能時間に対応する要監視タイミング群に基づいて、オペレータOnが監視タスクを実行可能な時間帯に、該要監視タイミング群内の要監視タイミングのそれぞれで実行されるべき監視タスクを割り当てるための割当処理を行ってもよい。かかる割当処理は、上記抽出された複数の配送可能時間ごとに行われる。そして、提示制御部135は、当該割当処理の結果に基づいて、上記抽出された複数の配送可能時間のうち、オペレータOnが監視タスクを実行不能となる要監視タイミングに対応する配送可能時間を上記一部の配送可能時間として特定することになる。これにより、注文者に対する提示を制限する配送可能時間を迅速に特定することができる。
【0047】
図9は、注文者端末UTに表示された配送可能時間選択画面の一例を示す図である。
図9に示す配送可能時間選択画面には、配送可能時間として、“12:45~13:00”、“13:00~13:15”、“13:15~13:30”が表示されている。このうち、“13:00~13:15”、及び“13:15~13:30”は、選択可能に提示された配送可能時間である。例えば、“13:00~13:15”に対応付けられた“選択する”ボタンBが注文者により指定されると、ボタンBの表示内容が“選択中”に変わる。そして、選択された配送可能時間を示す情報(例えば、注文IDを含む)が注文者端末UTから注文処理サーバPSを介して監視タスク管理サーバMSへ送信される。これにより、選択された配送可能時間に対応する監視計画が決定されるとともに、注文に係る配送計画が決定される。なお、
図9の例では、上記一部の配送可能時間が配送可能時間選択画面には表示されていないが、該一部の配送可能時間を配送可能時間選択画面に表示するとともに、該一部の配送可能時間を選択できないように“選択する”ボタンの表示内容をグレーアウトさせてもよい。
【0048】
監視タスク情報送信部136は、監視対象となるUAVmの要監視タイミングの到来に応じて、該要監視タイミングで実行されるべき監視タスクをオペレータOnに実行させるための情報(以下、「監視タスク情報」という)を該オペレータOnが使用するオペレータ端末OTnに送信(例えば、プッシュ配信)する。これにより、UAVmの要監視タイミングで実行されるべき監視タスクをオペレータOnに迅速且つ適切に実行させることができる。なお、「要監視タイミングの到来に応じて」には、現在時刻が要監視タイミングに係る時間帯の始点になった場合、または現在時刻が該始点の数秒前になった場合を意味する。監視タスク情報には、オペレータOnに監視タスクの実行を促すメッセージが含まれるとよい。かかるメッセージには、監視タスクの内容を示す情報が含まれてもよい。また、監視タスク情報には、オペレータ端末OTnに監視タスク実行画面を表示(例えば、ポップアップ)させる制御指令が含まれてもよい。
【0049】
図10は、オペレータ端末OT1に表示された監視タスク実行画面の一例を示す図である。
図10に示す監視タスク実行画面には、監視対象となるUAV1に関するUAV情報及びUAV1の周辺状況に関するUAV周辺情報が表示されているとともに、オペレータO1に監視タスクの実行を促すメッセージMが表示されている。UAV情報及びUAV周辺情報は、監視タスク管理サーバMSから逐次受信される。
図10に示すように、UAV位置表示領域51には、UAV1の位置が表示される。UAV状態表示領域52には、UAV1の状態が表示される。UAVバッテリ表示領域53には、UAV1のバッテリ残量が表示される。なお、タスク種別ごとに異なる監視タスク実行画面を表示させてもよい。
【0050】
風向き&風速表示領域54には、UAV1が位置している店舗Foまたは拠点P1に設置された気象センサにより検知された風向き及び風速が表示される。降雨量表示領域55には、UAV1が位置している店舗Foまたは拠点P1に設置された気象センサにより検知された降雨量が表示される。天候表示領域56には、UAV1が位置する地域の天候が表示される。UAVカメラ映像表示領域57には、UAV1のカメラにより撮影されたUAV映像が表示される。周辺カメラ映像表示領域58には、UAV1が位置している店舗Foや拠点P1に設置されたカメラにより撮影されたUAV1の周辺映像が表示される。オペレータO1は、監視タスク実行画面に表示された情報を見ながら監視タスクを実行することになる。
【0051】
ところで、配送スケジュールが決定された例えばUAV1の状態や周辺状況等により、該配送スケジュールに遅延が発生する場合、遅延制御部137は、UAV1の要監視タイミングを遅延させる。つまり、遅延制御部137は、監視計画管理データベース126に登録された監視計画においてUAV1の要監視タイミングを、UAV1の配送スケジュールの遅延時間に応じて遅らせるように更新(変更)する。さらに、遅延制御部137は、変更された要監視タイミングで監視タスクを実行するオペレータO1の監視スケジュールにおいて該監視タスクが割り当てられている時間帯をUAV1の配送スケジュールの遅延時間に応じて遅らせるように更新(変更)する。
【0052】
このようにUAV1の要監視タイミングが遅延された場合において、オペレータO1の監視スケジュールにUAV1以外の例えばUAV2を監視するための監視タスクが割り当てられている場合、遅延制御部137は、UAV1の遅延後の要監視タイミングとUAV2の要監視タイミングの少なくとも一部が重複するか否かを判定する。そして、UAV1の遅延後の要監視タイミングとUAV2の要監視タイミングの少なくとも一部が重複する場合、遅延制御部137は、オペレータO1以外の他のオペレータOnの監視スケジュールにおいて監視タスクを実行可能な時間帯に、UAV2の要監視タイミングで実行されるべき監視タスクを割り当てることで監視計画を変更する。つまり、UAV2の要監視タイミングで実行されるべき監視タスクがオペレータO1から他のオペレータOn(つまり、オペレータOnの監視スケジュール)に付け替えられる。これにより、UAV1の配送スケジュールに遅延が発生することでUAV1の遅延後の要監視タイミングとUAV2の要監視タイミングの少なくとも一部が重複するようになった場合であっても、UAV1及びUAV2のそれぞれの要監視タイミングで実行されるべき監視タスクをオペレータO1及び他のオペレータOnに適切に実行させることができる。
【0053】
図11は、UAV2の要監視タイミングで実行されるべき監視タスクがオペレータO1の監視スケジュールからオペレータO4の監視スケジュールに付け替えられる例を示す概念図である。
図11の例では、UAV1の決定された配送スケジュールに遅延が発生することにより、運航判断時に対応する要監視タイミング“11:20~11:40”が“11:40~12:00”に変更され、配送先着陸時に対応する要監視タイミング“12:55~13:05”が“13:15~13:25”に変更されている。このため、UAV1の遅延後の要監視タイミングとUAV2の要監視タイミングの少なくとも一部が重複するので、UAV2の要監視タイミングで実行されるべき監視タスクがオペレータO1の監視スケジュールからオペレータO4の監視スケジュールに付け替えられることになる。
【0054】
なお、UAV2の要監視タイミングで実行されるべき監視タスクを付け替え可能なオペレータOnがいない場合、遅延制御部137は、注文者に対して配送キャンセルを示すメッセージを通知してもよい。かかるメッセージの通知は、注文者のメールアドレス宛に該メッセージが記述された電子メールが送信されることで行われてもよいし、注文者の電話番号宛てに該メッセージがSMSにより送信されることで行われてもよい。或いは、メッセージの通知は、注文者の注文者端末UTにおいて常駐している通知用アプリケーションに該メッセージがプッシュ配信されることで行われてもよい。
【0055】
[
2.配送管理システムSの動作]
次に、
図12及び
図13を参照して、配送管理システムSの動作について説明する。
図12は、監視タスク管理サーバMSにおける制御部13の監視計画決定処理の一例を示すフローチャートである。
図13は、監視タスク管理サーバMSにおける制御部13の監視タスク情報送信処理の一例を示すフローチャートである。
【0056】
(2-1.監視計画決定処理)
先ず、
図12に示す処理の前提として、注文処理サーバPSにより注文者端末UTからの注文が受け付けられたものとする。
図12に示す処理は、例えば、注文処理サーバPSから注文に関する情報が監視タスク管理サーバMSにより受信された場合に開始される。
【0057】
図12に示す処理が開始されると、制御部13は、受信された注文に関する情報に基づいて、上述したように、該注文に係る商品の配送に要する推定時間を推定する(ステップS1)。
【0058】
次いで、制御部13は、ステップS1で推定された推定時間等に基づいて、注文に係る商品の配送可能時間を、上述したように配送可能時間抽出部131により複数(例えば、3つ)抽出する(ステップS2)。
【0059】
次いで、制御部13は、機体管理データベース122を参照(つまり、各UAVmの利用可能時間帯等を参照)して、ステップS2で抽出された配送可能時間ごとに、該配送可能時間に配送先で商品を受け渡し可能なUAVmを1つ特定する(ステップS3)。こうして特定されたUAVm(機体ID)には、注文に関する情報に含まれる注文ID、及びステップS2で抽出された配送可能時間が対応付けられる。
【0060】
次いで、制御部13は、複数のオペレータOnのそれぞれの監視スケジュールを、監視スケジュール取得部132によりオペレータ管理データベース124から取得する(ステップS4)。次いで、制御部13は、ステップS2で抽出された配送可能時間と、記憶部12に記憶されている要監視タイミング算出用テーブルとに基づいて、該配送可能時間に対応付けられたUAVmの監視を要する要監視タイミング群を、上述したように要監視タイミング取得部133により該配送可能時間ごとに取得する(ステップS5)。
【0061】
次いで、制御部13は、ステップS4で取得された監視スケジュール、及びステップS5で取得された要監視タイミング群に基づいて、ステップS2で抽出された配送可能時間に対応付けられたUAVmの監視計画を、上述したように監視計画生成部134により生成する(ステップS6)。こうして生成された監視計画には、配送可能時間が対応付けられる。なお、ステップS2で抽出された複数の配送可能時間のうち、監視計画が生成されない配送可能時間もある。
【0062】
次いで、制御部13は、ステップS2で抽出された配送可能時間を示す情報を、提示制御部135により注文者の注文者端末UTへ送信させる(ステップS7)。これにより、注文者端末UTに配送可能時間が選択可能に表示される。つまり、注文者に対して配送可能時間が選択可能に提示される。このとき、提示制御部135は、上述したように、オペレータOnが監視タスクを実行不能となる要監視タイミングに対応する配送可能時間(換言すると、監視計画が生成されなかった配送可能時間)を注文者が選択できないように制御する。なお、注文者端末UTに表示させる配送可能時間は、監視計画が生成された配送可能時間のみとしてもよいが、これに限定されるものではない。例えば、注文者端末UTに、配送可能時間とも関係のない単なるタイムテーブルのようなものを表示させ、そのうち、監視計画が生成された配送可能時間に対応する部分だけ選択できるように構成してもよい。
【0063】
そして、注文者端末UTに表示された配送可能時間のうち何れか1つの配送可能時間が注文者により選択されると、該選択された配送可能時間を示す情報(例えば、注文IDを含む)が注文者端末UTから注文処理サーバPSを介して監視タスク管理サーバMSへ送信される。これにより、受け付けられた注文が確定する。
【0064】
次いで、制御部13は、注文者により選択された配送可能時間を示す情報を受信すると(ステップS8)、選択された配送可能時間に対応付けられた監視計画を、該配送可能時間に対応付けられたUAVmの監視計画として決定する(ステップS9)。こうして決定された監視計画は、確定した注文の注文IDに対応付けられて監視計画管理データベース126に格納される。次いで、制御部13は、上記選択された配送可能時間に対応付けられたUAVmの配送スケジュールを含む配送計画を決定し(ステップS10)、
図12に示す処理を終了する。こうして決定された配送計画は、確定した注文の注文IDに対応付けられて配送計画管理データベース125に格納される。
【0065】
(2-2.監視タスク情報送信処理)
次に、
図13に示す処理の前提として、監視計画管理データベース126に格納されている監視計画のうち、現在時刻から所定時間(例えば、24時間)内に到来する要監視タイミングを含む監視計画を登録するための監視リストが用いられるものとする。
図13に示す処理は、例えば、所定周期(例えば、数秒間隔)で開始される。
【0066】
図13に示す処理が開始されると、制御部13は、監視リストに登録されている監視計画のうち、要監視タイミングが到来(例えば、要監視タイミングの始点が現在時刻を経過した)監視計画があるか否かを判定する(ステップS21)。要監視タイミングの到来した監視計画があると判定された場合(ステップS21:YES)、処理はステップS22へ進む。一方、要監視タイミングの到来した監視計画がないと判定された場合(ステップS21:NO)、処理は終了する。
【0067】
ステップS22では、制御部13は、要監視タイミングの到来した監視計画に含まれる該要監視タイミングに対応付けられた例えばオペレータO1が使用するオペレータ端末OT1のアクセス情報、及び該要監視タイミングでの監視を要する例えばUAV1の機体IDを取得する。次いで、制御部13は、ステップS22で取得された機体IDにより特定されるUAV1のUAV情報及びUAV周辺情報をバッファメモリから取得する(ステップS23)。
【0068】
次いで、制御部13は、ステップS22で取得されたアクセス情報にしたがって、通信ネットワークNWを介して、オペレータ端末OT1とのアクセスを確立し、上述した監視タスク情報、並びにステップS23で取得されたUAV情報及びUAV周辺情報を、監視タスク情報送信部136によりオペレータ端末OT1へ送信する(ステップS24)。なお、制御部13は、オペレータ端末OT1とのアクセスが確立している間、UAV1のUAV情報及びUAV周辺情報を、オペレータ端末OT1へ逐次送信するように制御する。
【0069】
そして、オペレータ端末OT1は、監視タスク情報、UAV情報及びUAV周辺情報を受信すると、例えば、
図10に示すように、オペレータO1に監視タスクの実行を促すメッセージMとともに、UAV1のUAV情報及びUAV周辺情報を監視タスク実行画面に表示する。これにより、オペレータO1は、UAV1を監視するための監視タスクを実行することになる。
【0070】
以上説明したように、上記実施形態によれば、監視タスク管理サーバMSは、オペレータOnが監視タスクを実行可能な時間帯を含む監視スケジュールを取得するとともにUAVmの要監視タイミングを取得し、商品の注文者に対してUAVmによる商品の配送可能時間を選択可能に提示する際に、オペレータOnの監視スケジュール及びUAVmの要監視タイミングに基づいて、配送可能時間のうち一部の配送可能時間を注文者が選択できないように制御するように構成したので、オペレータOnの監視スケジュール及びUAVmの要監視タイミングに応じて注文者が選択できる配送可能時間を制限することができる。そのため、UAVmの要監視タイミングで実行されるべき監視タスクをオペレータOnに適切に実行させることができる。
【0071】
なお、上記実施形態は本発明の一実施形態であり、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態から種々構成等に変更を加えてもよく、その場合も本発明の技術的範囲に含まれる。上記実施形態においては店舗Foで販売される商品を注文者が注文する場合を例にとって説明したが、本発明は商品以外の物品を配送する場合にも適用可能である。かかる場合の例として、配送依頼者により要求された救援物資や支援物資が避難場所などに配送される場合が挙げられる。また、上記実施形態においては、無人飛行体としてUAVを例にとって説明したが、無人飛行体の例として飛行ロボットなどに対しても本発明は適用可能である。
【0072】
<付記>
[1]本開示に係る配送可能時間制御装置は、物品の配送に利用される無人飛行体を監視するための監視タスクを実行するオペレータの監視スケジュールであって、前記オペレータが前記監視タスクを実行可能な時間帯を含む前記監視スケジュールを取得する第1取得部と、前記無人飛行体の監視を要する要監視タイミングを取得する第2取得部と、前記物品の配送依頼者に対して前記無人飛行体による前記物品の配送可能時間を選択可能に提示することを制御する提示制御部であって、前記監視スケジュール及び前記要監視タイミングに基づいて前記配送可能時間のうち一部の配送可能時間を前記配送依頼者が選択できないように制御する前記提示制御部と、を備えることを特徴とする。これにより、オペレータの監視スケジュール及び無人飛行体の要監視タイミングに応じて配送依頼者が選択できる配送可能時間を制限することができる。そのため、無人飛行体の監視を要する要監視タイミングで実行されるべき監視タスクをオペレータに適切に実行させることができる。
【0073】
[2]上記[1]に記載の配送可能時間制御装置において、前記提示制御部は、前記要監視タイミングにおいて前記オペレータが前記監視タスクを実行不能となる前記要監視タイミングに対応する前記配送可能時間を前記配送依頼者が選択できないように制御することを特徴とする。これにより、オペレータが監視タスクを実行不能となることを適切に防ぐことができる。
【0074】
[3]上記[1]または[2]に記載の配送可能時間制御装置において、前記第1取得部は、複数の前記オペレータのそれぞれの前記監視スケジュールを取得し、前記提示制御部は、前記要監視タイミングにおいて複数の前記オペレータの全てが前記監視タスクを実行不能となる前記要監視タイミングに対応する前記配送可能時間を前記配送依頼者が選択できないように制御することを特徴とする。これにより、複数のオペレータのうち1人でも監視タスクを実行可能な要監視タイミングであれば、そのような要監視タイミングに対応する配送可能時間を配送依頼者に提示することができる。そのため、無人飛行体の要監視タイミングで実行されるべき監視タスクをオペレータに効率良く実行させることができる。
【0075】
[4]上記[1]乃至[3]の何れか一つに記載の配送可能時間制御装置において、前記第2取得部は、複数の前記要監視タイミングを取得し、前記提示制御部は、前記オペレータが前記監視タスクを実行不能となる前記複数の前記要監視タイミングに対応する前記配送可能時間を前記配送依頼者が選択できないように制御することを特徴とする。これにより、1つの無人飛行体の複数の要監視タイミングのそれぞれで実行されるべき監視タスクをオペレータに適切に実行させることができる。
【0076】
[5]上記[1]乃至[4]の何れか一つに記載の配送可能時間制御装置において、前記提示制御部は、前記オペレータの監視スケジュールにおいて当該オペレータが前記監視タスクを実行可能な時間帯に、前記要監視タイミングで実行されるべき前記監視タスクを割り当てるための割当処理を行い、当該割当処理の結果に基づいて、前記オペレータが前記監視タスクを実行不能となる前記要監視タイミングに対応する前記配送可能時間を前記一部の配送可能時間として特定することを特徴とする。これにより、配送依頼者に対する提示を制限する配送可能時間を迅速に特定することができる。
【0077】
[6]上記[1]乃至[5]の何れか一つに記載の配送可能時間制御装置において、前記監視スケジュールには、前記無人飛行体の拠点とは異なる拠点に配備される他の無人飛行体を監視するための監視タスクが既に割り当てられていることを特徴とする。これにより、複数の拠点に配備される各無人飛行体の監視を要する要監視タイミングで実行されるべき監視タスクをオペレータに効率良く実行させることができる。
【0078】
[7]上記[1]乃至[6]の何れか一つに記載の配送可能時間制御装置において、前記要監視タイミングの到来に応じて、当該要監視タイミングで実行されるべき前記監視タスクを前記オペレータに実行させるための情報を当該オペレータが使用する端末に送信する送信部を更に備えることを特徴とする。これにより、無人飛行体の要監視タイミングで実行されるべき監視タスクをオペレータに迅速且つ適切に実行させることができる。
【0079】
[8]上記[1]乃至[7]の何れか一つに記載の配送可能時間制御装置において、前記要監視タイミングは、前記無人飛行体による1配送に係る配送スケジュールにおいて時間を隔てた複数のタイミングのうち少なくとも1つのタイミングであることを特徴とする。これにより、1配送に係る配送スケジュールにおいて、無人飛行体の要監視タイミングで実行されるべき監視タスクをオペレータに効率良く実行させることができる。
【0080】
[9]本開示に係る無人飛行体監視システムは、物品の配送に利用される無人飛行体を監視するための監視タスクを実行するオペレータの監視スケジュールであって、前記オペレータが前記監視タスクを実行可能な時間帯を含む前記監視スケジュールを取得する第1取得部と、前記無人飛行体の監視を要する要監視タイミングを取得する第2取得部と、前記物品の配送依頼者に対して前記無人飛行体による前記物品の配送可能時間を選択可能に提示することを制御する提示制御部であって、前記監視スケジュール及び前記要監視タイミングに基づいて前記配送可能時間のうち一部の配送可能時間を前記配送依頼者が選択できないように制御する前記提示制御部と、を備えることを特徴とする。
【0081】
[10]本開示に係る配送可能時間制御方法は、コンピュータにより実行される配送可能時間制御方法であって、物品の配送に利用される無人飛行体を監視するための監視タスクを実行するオペレータの監視スケジュールであって、前記オペレータが前記監視タスクを実行可能な時間帯を含む前記監視スケジュールを取得するステップと、前記無人飛行体の監視を要する要監視タイミングを取得するステップと、前記物品の配送依頼者に対して前記無人飛行体による前記物品の配送可能時間を選択可能に提示することを制御するステップであって、前記監視スケジュール及び前記要監視タイミングに基づいて前記配送可能時間のうち一部の配送可能時間を前記配送依頼者が選択できないように制御するステップと、を含むことを特徴とする。
【符号の説明】
【0082】
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 配送可能時間抽出部
132 監視スケジュール取得部
133 要監視タイミング取得部
134 監視計画生成部
135 提示制御部
136 監視タスク情報送信部
137 遅延制御部
PS 注文処理サーバ
MS 監視タスク管理サーバ
OTn オペレータ端末
UT 注文者端末
S 配送管理システム
NW 通信ネットワーク