(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078145
(43)【公開日】2024-06-10
(54)【発明の名称】鉄道駅設置ロボット、鉄道駅設置ロボットシステム、対話方法および対話プログラム
(51)【国際特許分類】
B61L 25/04 20060101AFI20240603BHJP
G06Q 50/40 20240101ALI20240603BHJP
G10L 15/22 20060101ALI20240603BHJP
G10L 13/00 20060101ALI20240603BHJP
【FI】
B61L25/04
G06Q50/30
G10L15/22 300Z
G10L13/00 100M
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022190533
(22)【出願日】2022-11-29
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129012
【弁理士】
【氏名又は名称】元山 雅史
(72)【発明者】
【氏名】相澤 知禎
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC43
5L050CC43
(57)【要約】
【課題】鉄道を利用する旅客に対して非常事態に応じた情報を自発的に発信して、非常事態が発生した際の駅係員の業務の一部をサポートすることが可能な鉄道駅設置ロボット、鉄道駅設置ロボットシステム、対話方法および対話プログラムを提供することにある。
【解決手段】鉄道駅設置ロボット10は、鉄道駅に設置されており、鉄道駅や鉄道駅の間の路線上において非常事態が発生した際に、鉄道を利用する旅客に対して非常事態に応じた情報を発信するロボットであって、入力受付部16と、設定部18と、発信部19と、を備えている。入力受付部16は、非常事態の種別と、非常事態が発生した事由と、を含む非常事態発生情報の入力を受け付ける。設定部18は、入力受付部16が入力を受け付けた非常事態発生情報から旅客に発信する臨時発話内容を設定する。発信部19は、設定部18において設定された臨時発話内容を旅客に対して発信する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄道駅に設置されており、前記鉄道駅や前記鉄道駅の間の路線上において非常事態が発生した際に、鉄道を利用する旅客に対して前記非常事態に応じた情報を発信する鉄道駅設置ロボットであって、
前記非常事態の種別と、前記非常事態が発生した事由と、を含む非常事態発生情報の入力を受け付ける入力受付部と、
前記入力受付部が入力を受け付けた前記非常事態発生情報から前記旅客に発信する臨時発話内容を設定する設定部と、
前記設定部において設定された前記臨時発話内容を前記旅客に対して発信する発信部と、
を備えている鉄道駅設置ロボット。
【請求項2】
前記鉄道駅で前記非常事態が発生していない通常時には、前記旅客からの質問に反応して対話し、前記鉄道駅で前記非常事態が発生している場合には、自発的に発話する、
請求項1に記載の鉄道駅設置ロボット。
【請求項3】
前記鉄道駅が前記通常時である場合に前記旅客から受け付けた質問内容に対して個別に回答する通常対話モードと、前記非常事態発生情報に応じた前記臨時発話内容を自発的に発信する自動発話モードと、を切り替えるモード切換部を、さらに備えている、
請求項1または2に記載の鉄道駅設置ロボット。
【請求項4】
前記入力受付部は、前記自動発話モードの開始を示す開始指令の入力を受け付ける、
請求項3に記載の鉄道駅設置ロボット。
【請求項5】
前記入力受付部は、前記自動発話モードの終了を示す終了指令または前記臨時発話内容の発信を終了する終了時刻の入力を受け付ける、
請求項3記載の鉄道駅設置ロボット。
【請求項6】
前記入力受付部は、前記自動発話モード時に発信される前記臨時発話内容の発信時間の間隔を示す臨時発話時間間隔の入力を受け付ける、
請求項3記載の鉄道駅設置ロボット。
【請求項7】
前記モード切換部は、前記終了指令または前記終了時刻に基づいて、前記自動発話モードを終了する、
請求項5記載の鉄道駅設置ロボット。
【請求項8】
前記非常事態発生情報は、前記非常事態に関係する駅の情報と、前記非常事態により変更された列車の運転時刻と、を含む、
請求項1または2に記載の鉄道駅設置ロボット。
【請求項9】
前記旅客からの質問への回答を準備するための情報処理を行う対話エンジンと接続されている、
請求項1または2に記載の鉄道駅設置ロボット。
【請求項10】
前記発信部は、前記入力受付部が前記非常事態発生情報の入力を受け付けると、前記臨時発話内容を繰り返し発信する、
請求項1または2に記載の鉄道駅設置ロボット。
【請求項11】
前記入力受付部が前記非常事態発生情報の入力を受け付けると、
前記発信部は、前記臨時発話内容の発信を優先し、
前記入力受付部は、前記旅客からの質問を受け付けない、
請求項2に記載の鉄道駅設置ロボット。
【請求項12】
前記臨時発話内容を保存する臨時発話データベースを、さらに備えている、
請求項1または2に記載の鉄道駅設置ロボット。
【請求項13】
前記非常事態には、列車遅延と、運転見合わせと、のうち少なくともいずれかを含む、
請求項1に記載の鉄道駅設置ロボット。
【請求項14】
請求項1または2に記載の鉄道駅設置ロボットと、
前記臨時発話内容を発信するための情報を設定する臨時自動発話設定装置と、
を備えている鉄道駅設置ロボットシステム。
【請求項15】
前記臨時自動発話設定装置は、前記非常事態の種別と、前記非常事態が発生した事由と、前記非常事態に関係する駅の情報と、前記非常事態により変更された列車の運転時刻と、を設定する情報設定部を、さらに備えている、
請求項14に記載の鉄道駅設置ロボットシステム。
【請求項16】
前記情報設定部は、前記非常事態の種別と、前記非常事態が発生した事由と、前記非常事態に関係する駅の情報と、前記非常事態により変更された前記列車の前記運転時刻と、を鉄道会社や前記鉄道駅から一括で設定する、
請求項15に記載の鉄道駅設置ロボットシステム。
【請求項17】
鉄道駅に設置されており、前記鉄道駅や前記鉄道駅の間の路線上において非常事態が発生した際に、鉄道を利用する旅客に対して前記非常事態に応じた情報を発信する鉄道駅設置ロボットによって実施される対話方法であって、
前記鉄道駅設置ロボットの入力受付部が、前記非常事態の種別と、前記非常事態が発生した事由と、を含む非常事態発生情報の入力を受け付ける入力受付ステップと、
前記鉄道駅設置ロボットの発話内容特定部が、前記入力受付ステップが入力を受け付けた前記非常事態発生情報から前記旅客に発信する臨時発話内容を設定する設定ステップと、
前記鉄道駅設置ロボットの発信部が、前記設定ステップにおいて設定された前記臨時発話内容を前記旅客に対して発信する発信ステップと、
を備えている対話方法。
【請求項18】
鉄道駅に設置されており、前記鉄道駅や前記鉄道駅の間の路線上において非常事態が発生した際に、鉄道を利用する旅客に対して前記非常事態に応じた情報を発信する鉄道駅設置ロボットを制御する対話プログラムであって、
前記鉄道駅設置ロボットの入力受付部が、前記非常事態の種別と、前記非常事態が発生した事由と、を含む非常事態発生情報の入力を受け付ける入力受付ステップと、
前記鉄道駅設置ロボットの発話内容特定部が、前記入力受付ステップが入力を受け付けた前記非常事態発生情報から前記旅客に発信する臨時発話内容を設定する設定ステップと、
前記鉄道駅設置ロボットの発信部が、前記設定ステップにおいて設定された前記臨時発話内容を前記旅客に対して発信する発信ステップと、
を備えている対話方法をコンピュータに実行させる対話プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道を利用する旅客に対して情報を発信する鉄道駅設置ロボット、鉄道駅設置ロボットシステム、対話方法および対話プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザの発話に対する回答を音声で出力する対話ロボットが知られている。
例えば、特許文献1には、サーバと接続された対話ロボットが開示されている。ユーザが対話ロボットに向けて話しかけると、サーバは、その意味内容を解析し、応答文データベースを参照して意味内容に対応する応答文を選択し、応答文を音声データの形式で対話ロボットに送信する。対話ロボットは、ユーザに向けて応答文を音声で出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような対話ロボットは、ユーザの質問に対して回答するという案内サービスの提供にも好適に適用される。
例えば、一鉄道事業者が運営する複数の鉄道駅に、対話ロボットが設置されれば、駅員の省力化と、案内サービスの維持または向上と、を両立することができる。
しかし、前述した従来の対話ロボットがそのまま各鉄道駅に設置されると、鉄道駅や鉄道駅の間の路線上において非常事態が発生している場合であっても、対話ロボットは、通常時と同様に、旅客からの問いかけに対して対話することしかできないため、ユーザに対して非常事態に応じた情報を自発的に発信することができない。
【0005】
本発明の課題は、鉄道を利用する旅客に対して非常事態に応じた情報を自発的に発信して、非常事態が発生した際の駅係員の業務の一部をサポートすることが可能な鉄道駅設置ロボット、鉄道駅設置ロボットシステム、対話方法および対話プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明に係る鉄道駅設置ロボットは、鉄道駅に設置されており、鉄道駅や鉄道駅の間の路線上において非常事態が発生した際に、鉄道を利用する旅客に対して非常事態に応じた情報を発信する鉄道駅設置ロボットであって、入力受付部と、設定部と、発信部と、を備えている。入力受付部は、非常事態の種別と、非常事態が発生した事由と、を含む非常事態発生情報の入力を受け付ける。設定部は、入力受付部が入力を受け付けた非常事態発生情報から旅客に発信する臨時発話内容を設定する。発信部は、設定部において設定された臨時発話内容を旅客に対して発信する。
【0007】
ここでは、鉄道駅や鉄道駅の間の路線上において非常事態が発生した際に、非常事態の種別と事由を含む非常事態発生情報に基づいて臨時発話内容を設定し、鉄道を利用する旅客に対して臨時発話内容を発信する。
ここで、非常事態は、事故や車両故障、信号機故障、倒木等によって列車が通常通りに運行されていない状況であり、例えば、列車遅延や運転見合わせを含む。
【0008】
非常事態発生情報は、例えば、非常事態の種別と、非常事態が発生した事由と、非常事態に関係する駅の情報と、非常事態により変更された列車の運転時刻と、を含む。
臨時発話内容は、鉄道駅や鉄道駅の間の路線上において非常事態が発生した際に、不特定多数の鉄道を利用する旅客に対して非常事態の詳細内容を自発的にアナウンスするための発話内容である。
【0009】
これにより、非常事態が発生した際に、非常事態発生情報に基づいて臨時発話内容を設定することで、鉄道を利用する不特定多数の旅客に対して非常事態に応じた臨時発話内容を発信することができる。
この結果、鉄道を利用する旅客に対して非常事態に応じた情報を自発的に発信することで、非常事態が発生した際の駅係員の業務の一部をサポートすることができる。
【0010】
第2の発明に係る鉄道駅設置ロボットは、第1の発明に係る鉄道駅設置ロボットであって、鉄道駅で非常事態が発生していない通常時には、旅客からの質問に反応して対話し、鉄道駅で非常事態が発生している場合には、自発的に発話する。
これにより、鉄道駅や鉄道駅の間の路線上における非常事態の発生の有無に応じて、鉄道を利用する旅客からの質問に対して回答する、もしくは、臨時発話内容を自発的に発話する、というように変更することで、列車の運行状況等に応じて適切に応答することができる。
【0011】
第3の発明に係る鉄道駅設置ロボットは、第1または第2の発明に係る鉄道駅設置ロボットであって、鉄道駅が通常時である場合に旅客から受け付けた質問内容に対して個別に回答する通常対話モードと、非常事態発生情報に応じた臨時発話内容を自発的に発信する自動発話モードと、を切り換えるモード切換部を、さらに備えている。
ここで、通常対話モードは、例えば、鉄道を利用する旅客からの質問に対して個別に回答する対話形式である。
【0012】
自動発話モードは、例えば、鉄道を利用する旅客からの質問に応答せずに自発的に臨時発話内容を発話する発話形式である。
これにより、鉄道駅や鉄道駅の間の路線上における非常事態の発生の有無に応じて、通常対話モードと自動発話モードとを切り換えることで、列車の運行状況等に応じて適切に応答することができる。
【0013】
第4の発明に係る鉄道駅設置ロボットは、第3の発明に係る鉄道駅設置ロボットであって、入力受付部は、自動発話モードの開始を示す開始指令の入力を受け付ける。
これにより、例えば、非常事態が発生した際には、通常対話モード時に駅係員等が入力した自動発話モードの開始指令を受け付けることで、通常対話モードから自動発話モードに切り換わるため、鉄道を利用する旅客に対して非常事態に応じた情報を自発的に発信することができる。
【0014】
第5の発明に係る鉄道駅設置ロボットは、第3の発明に係る鉄道駅設置ロボットであって、入力受付部は、自動発話モードの終了を示す終了指令または臨時発話内容の発信を終了する終了時刻の入力を受け付ける。
これにより、例えば、非常事態の解消が確認された後、自動発話モード時に、駅係員等が入力した自動発話モードの終了指令を受け付けることで、また、自動発話モード時に臨時発話内容の発信を終了する終了時刻の入力を受け付けることで、適切なタイミングで自動発話モードから通常対話モードに切り換わることができる。
【0015】
第6の発明に係る鉄道駅設置ロボットは、第3の発明に係る鉄道駅設置ロボットであって、入力受付部は、自動発話モード時に発信される臨時発話内容の発信時間の間隔を示す臨時発話時間間隔の入力を受け付ける。
これにより、例えば、通常対話モード時に、自動発話モードの開始指令を受け付けると同時に臨時発話内容の臨時発話時間間隔の入力を受け付けることで、非常事態の緊急性が高い場合等に、鉄道を利用する旅客に対して短い時間間隔で臨時発話内容を発信することができる。
【0016】
第7の発明に係る鉄道駅設置ロボットは、第5の発明に係る鉄道駅設置ロボットであって、モード切換部は、終了指令または終了時刻に基づいて、自動発話モードを終了する。
これにより、自動発話モード時に自動発話モードの終了指令や臨時発話内容の発信を終了する終了時刻の入力を受け付けることで、自動発話モードから通常対話モードに切り換わるため、鉄道を利用する旅客からの質問に対して個別に回答することができる。
【0017】
第8の発明に係る鉄道駅設置ロボットは、第1または第2の発明に係る鉄道駅設置ロボットであって、非常事態発生情報は、非常事態に関係する駅の情報と、非常事態により変更された列車の運転時刻と、を含む。
これにより、非常事態に関係する駅の情報と、非常事態により変更された列車の運転時刻が含まれる非常事態発生情報と、に基づいて臨時発話内容を設定することで、鉄道を利用する旅客に対して非常事態に応じたより詳細な情報を発信することができる。
【0018】
第9の発明に係る鉄道駅設置ロボットは、第1または第2の発明に係る鉄道駅設置ロボットであって、旅客からの質問への回答を準備するための情報処理を行う対話エンジンと、接続されている。
ここで、対話エンジンは、例えば、鉄道を利用する旅客から受け付けた質問に対して、質問の意味内容を解析して応答文を選択する情報処理を行うエンジンである。
これにより、鉄道駅設置ロボットと対話エンジンとが接続されていることで、鉄道を利用する旅客から受け付けた質問に対して的確な回答をすることができる。
【0019】
第10の発明に係る鉄道駅設置ロボットは、第1または第2の発明に係る鉄道駅設置ロボットであって、発信部は、入力受付部が非常事態発生情報の入力を受け付けると、臨時発話内容を繰り返し発信する。
これにより、例えば、鉄道駅で非常事態が発生している間、臨時発話内容を繰り返し発信することで、繰り返しアナウンスが必要な非常事態における駅係員の業務負荷を軽減するとともに、鉄道を利用する旅客は、非常事態の発生状況を聞き漏らすことなく把握することができる。
【0020】
第11の発明に係る鉄道駅設置ロボットは、第2の発明に係る鉄道駅設置ロボットであって、入力受付部が非常事態発生情報の入力を受け付けると、発信部は臨時発話内容の発信を優先し、入力受付部は旅客からの質問を受け付けない。
これにより、例えば、鉄道駅で非常事態が発生している間、鉄道を利用する旅客からの質問を受け付けずに臨時発話内容の発信を優先することで、旅客との対話によって非常事態を伝えられないといった事態を防ぐことができる。
【0021】
第12の発明に係る鉄道駅設置ロボットは、第1または第2の発明に係る鉄道駅設置ロボットであって、臨時発話内容を保存する臨時発話データベースを、さらに備えている。
これにより、臨時発話データベースを参照することで、鉄道を利用する旅客に対して非常事態に応じた情報を自発的に発信することができる。また、例えば、予め臨時発話内容を保存しておくことで、臨時発話内容を発信するための詳細情報を入力する駅係員の労力を削減することができる。
【0022】
第13の発明に係る鉄道駅設置ロボットは、第1の発明に係る鉄道駅設置ロボットであって、非常事態には、列車遅延と、運転見合わせと、のうち少なくともいずれかを含む。
これにより、例えば、非常事態が事故や車両故障、信号機故障、倒木等に起因する列車遅延や運転見合わせである場合に、鉄道を利用する旅客に対して列車遅延や運転見合わせに関する情報を自発的に発信することができる。
【0023】
第14の発明に係る鉄道駅設置ロボットシステムは、第1または第2の発明に係る鉄道駅設置ロボットと、臨時発話内容を発信するための情報を設定する臨時自動発話設定装置と、を備えている。
ここで、臨時自動発話設定装置は、臨時発話内容を発信するための情報を設定する装置であり、例えば、各鉄道駅に設置されている駅務室内PC(Personal Computer)や、各鉄道駅の係員が所持するタブレット、スマートフォン等に搭載されている。
【0024】
臨時発話内容を発信するための情報は、例えば、非常事態発生情報や臨時発話内容の発信を終了する時刻や臨時発話時間間隔を含む情報である。
これにより、例えば、臨時自動発話設定装置において設定された非常事態発生情報に基づく臨時発話内容を用いて、鉄道駅設置ロボットは、鉄道を利用する旅客に対して非常事態に応じた情報を自発的に発信することができる。
【0025】
第15の発明に係る鉄道駅設置ロボットシステムは、第14の発明に係る鉄道駅設置ロボットシステムであって、臨時自動発話設定装置は、非常事態の種別と、非常事態が発生した事由と、非常事態に関係する駅の情報と、非常事態により変更された列車の運転時刻と、を設定する情報設定部を、さらに備えている。
これにより、上記項目が設定されることで、鉄道を利用する旅客に対して非常事態に応じた正確な情報を自発的に発信することが可能な鉄道駅設置ロボットを含むシステムを構築することができる。
【0026】
第16の発明に係る鉄道駅設置ロボットシステムは、第15の発明に係る鉄道駅設置ロボットシステムであって、情報設定部は、非常事態の種別と、非常事態が発生した事由と、非常事態に関係する駅の情報と、非常事態により変更された列車の運転時刻と、を、鉄道駅を含む鉄道路線を管理する鉄道会社や鉄道駅から一括で設定する。
これにより、上記項目が鉄道会社や鉄道駅から一括で設定されることで、臨時発話内容を発信するための詳細情報を入力する各駅の駅係員の労力を削減することができる。
【0027】
第17の発明に係る対話方法は、鉄道駅に設置されており、鉄道駅や鉄道駅の間の路線上において非常事態が発生した際に、鉄道を利用する旅客に対して非常事態に応じた情報を発信する鉄道駅設置ロボットによって実施される対話方法であって、入力受付ステップと、設定ステップと、発信ステップと、を備えている。入力受付ステップは、鉄道駅設置ロボットの入力受付部が、非常事態の種別と、非常事態が発生した事由と、を含む非常事態発生情報の入力を受け付ける。設定ステップは、鉄道駅設置ロボットの設定部が、入力受付ステップが入力を受け付けた非常事態発生情報から旅客に発信する臨時発話内容を設定する。発信ステップは、鉄道駅設置ロボットの発信部が、設定ステップにおいて設定された臨時発話内容を旅客に対して発信する。
【0028】
ここでは、鉄道駅や鉄道駅の間の路線上において非常事態が発生した際に、非常事態の種別と事由を含む非常事態発生情報に基づいて臨時発話内容を設定し、鉄道を利用する旅客に対して臨時発話内容を発信する。
ここで、非常事態は、事故や車両故障、信号機故障、倒木等によって列車が通常通りに運行されていない状況であり、例えば、列車遅延や運転見合わせを含む。
【0029】
非常事態発生情報は、例えば、非常事態の種別と、非常事態が発生した事由と、非常事態に関係する駅の情報と、非常事態により変更された列車の運転時刻と、を含む。
臨時発話内容は、鉄道駅や鉄道駅の間の路線上において非常事態が発生した際に、不特定多数の鉄道を利用する旅客に対して非常事態の詳細内容を自発的にアナウンスするための発話内容である。
【0030】
これにより、非常事態が発生した際に、非常事態発生情報に基づいて臨時発話内容を設定することで、鉄道を利用する不特定多数の旅客に対して非常事態に応じた臨時発話内容を発信することができる。
この結果、鉄道を利用する旅客に対して非常事態に応じた情報を自発的に発信することで、非常事態が発生した際の駅係員の業務の一部をサポートすることができる。
【0031】
第18の発明に係る対話プログラムは、鉄道駅に設置されており、鉄道駅や鉄道駅の間の路線上において非常事態が発生した際に、鉄道を利用する旅客に対して非常事態に応じた情報を発信する鉄道駅設置ロボットを制御する対話プログラムであって、入力受付ステップと、設定ステップと、発信ステップと、を備えている。入力受付ステップは、鉄道駅設置ロボットの入力受付部が、非常事態の種別と、非常事態が発生した事由と、を含む非常事態発生情報の入力を受け付ける。設定ステップは、鉄道駅設置ロボットの設定部が、入力受付ステップが入力を受け付けた非常事態発生情報から旅客に発信する臨時発話内容を設定する。発信ステップは、鉄道駅設置ロボットの発信部が、設定ステップにおいて設定された臨時発話内容を旅客に対して発信する。
【0032】
ここでは、鉄道駅や鉄道駅の間の路線上において非常事態が発生した際に、非常事態の種別と事由を含む非常事態発生情報に基づいて臨時発話内容を設定し、鉄道を利用する旅客に対して臨時発話内容を発信する。
ここで、非常事態は、事故や車両故障、信号機故障、倒木等によって列車が通常通りに運行されていない状況であり、例えば、列車遅延や運転見合わせを含む。
【0033】
非常事態発生情報は、例えば、非常事態の種別と、非常事態が発生した事由と、非常事態に関係する駅の情報と、非常事態により変更された列車の運転時刻と、を含む。
臨時発話内容は、鉄道駅や鉄道駅の間の路線上において非常事態が発生した際に、不特定多数の鉄道を利用する旅客に対して非常事態の詳細内容を自発的にアナウンスするための発話内容である。
【0034】
これにより、非常事態が発生した際に、非常事態発生情報に基づいて臨時発話内容を設定することで、鉄道を利用する不特定多数の旅客に対して非常事態に応じた臨時発話内容を発信することができる。
この結果、鉄道を利用する旅客に対して非常事態に応じた情報を自発的に発信することで、非常事態が発生した際の駅係員の業務の一部をサポートすることができる。
【発明の効果】
【0035】
本発明に係る鉄道駅設置ロボットによれば、鉄道を利用する旅客に対して非常事態に応じた情報を自発的に発信して、非常事態が発生した際の駅係員の業務の一部をサポートすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】本発明の一実施形態に係る鉄道駅設置ロボットを含む鉄道駅設置ロボットシステムの構成を示すシステム構成図。
【
図2】(a)は、
図1の鉄道駅設置ロボットシステムに含まれる臨時自動発話設定装置が備える表示部に表示される非常事態発生情報の設定画面を示す図。(b)は、
図1の鉄道駅設置ロボットシステムに含まれる臨時自動発話設定装置が備える表示部に表示される非常事態発生情報の種別を含むプルダウン項目を示す図。(c)は、
図1の鉄道駅設置ロボットシステムに含まれる臨時自動発話設定装置が備える表示部に表示される非常事態発生情報の事由を含むプルダウン項目を示す図。
【
図3】(a)および(b)は、
図2の臨時自動発話設定装置の表示部に表示される臨時発話内容のサンプル文の編集画面の一例を示す図。
【
図4】
図1の対話エンジンに含まれる対話データベースの一例を示す図。
【
図5】
図1の鉄道駅設置ロボットに含まれる回答データベースの一例を示す図。
【
図6】
図1の鉄道駅設置ロボットに含まれる臨時発話データベースの一例を示す図。
【
図7】
図1の鉄道駅設置ロボットによって実施される自動発話モード時における対話方法の処理の流れを示すフローチャート。
【
図8】
図1の鉄道駅設置ロボットによって実施される通常対話モード時における質問回答方法の処理の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明の一実施形態に係る鉄道駅設置ロボット10を含む鉄道駅設置ロボットシステム1および対話方法について、
図1~
図8を用いて説明すれば以下の通りである。
なお、本実施形態では、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
また、出願人は、当業者が本発明を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0038】
(1)鉄道駅設置ロボットシステム1の構成
本実施形態に係る鉄道駅設置ロボットシステム1は、鉄道駅や鉄道駅の間の路線上において非常事態が発生した際に、鉄道を利用する旅客に対して非常事態に応じた情報を発信する鉄道駅設置ロボット10を含むシステムであって、
図1に示すように、通信ネットワーク9を介して接続された鉄道駅設置ロボット10と、駅務室内PC(臨時自動発話設定装置)3と、対話エンジン5と、外部アプリケーション7と、を備えている。
【0039】
鉄道駅設置ロボット10は、鉄道駅で非常事態が発生した際に、非常事態の種別と事由を含む非常事態発生情報に基づいて臨時発話内容を設定し、鉄道を利用する旅客に対して臨時発話内容を発信する。なお、鉄道駅設置ロボット10の詳細な構成については、後段にて詳述する。
ここで、臨時発話内容は、鉄道駅や鉄道駅の間の路線上において非常事態が発生した際に、不特定多数の鉄道を利用する旅客に対して非常事態の詳細内容を自発的にアナウンスするための発話内容である。
【0040】
非常事態は、事故や車両故障、信号機故障、倒木等によって列車が通常通りに運行されていない状況であり、例えば、列車遅延や運転見合わせを含む。
これにより、例えば、非常事態が事故や車両故障、信号機故障、倒木等に起因する列車遅延や運転見合わせである場合に、鉄道駅設置ロボット10は、鉄道を利用する旅客に対して列車遅延や運転見合わせに関する情報を自発的に発信することができる。
【0041】
非常事態発生情報は、例えば、非常事態の種別と、非常事態が発生した事由と、非常事態に関係する駅の情報と、非常事態により変更された列車の運転時刻と、を含む。
これにより、非常事態に関係する駅の情報と、非常事態により変更された列車の運転時刻が含まれる非常事態発生情報と、に基づいて臨時発話内容を設定することで、鉄道駅設置ロボット10は、鉄道を利用する旅客に対して非常事態に応じたより詳細な情報を発信することができる。
【0042】
駅務室内PC(臨時自動発話設定装置)3は、
図1に示すように、表示部31と、情報設定部32と、情報発信部33と、を備えている。
ここで、臨時自動発話設定装置は、臨時発話内容を発信するための情報を設定する装置であり、例えば、各鉄道駅に設置されている駅務室内PC(Personal Computer)3や、各鉄道駅の係員が所持するタブレット、スマートフォン等に搭載されている。
【0043】
また、臨時発話内容を発信するための情報は、例えば、非常事態発生情報や臨時発話内容の発信を終了する時刻や臨時発話時間間隔を含む情報である。
表示部31は、例えば、
図2(a)に示す非常事態発生情報の設定画面31a、
図2(b)に示す非常事態の種別を含むプルダウン項目31b、
図2(c)に示す非常事態の事由を含むプルダウン項目31cを表示する。また、表示部31は、例えば、
図3(a)および(b)の臨時発話内容のサンプル文の編集画面31dを表示する。
【0044】
情報設定部32は、非常事態の種別と、非常事態が発生した事由と、非常事態に関係する駅の情報と、非常事態により変更された列車の運転時刻と、を設定する。また、設定された上記内容は、通信ネットワーク9を介して鉄道駅設置ロボット10に含まれる入力受付部16に送信される。
ここでは、情報設定部32は、例えば、表示部31が表示した
図2(a)に示す設定画面31aを参照して鉄道駅の駅係員等が選択した非常事態発生情報の種別、事由、臨時発話終了時刻、臨時発話間隔等を設定する。また、
図2(a)に示す設定画面31aには、
図3(a)および(b)に示すように、種別や事由に対応する臨時発話内容のサンプル文の編集画面31dが表示部31によって表示される。このとき、
図3(a)および(b)に示す編集画面31dに表示される臨時発話内容のサンプル文に含まれる駅名や列車の運転再開時刻は、鉄道駅の駅係員によって編集される。
【0045】
また、情報設定部32は、例えば、表示部31が表示した
図2(b)に示す非常事態の種別を含むプルダウン項目31bを参照して鉄道駅の駅係員等が選択した列車遅延、運転見合わせ、その他(自由入力)等の非常事態発生情報の種別を設定する。
さらに、情報設定部32は、例えば、表示部31が表示した
図2(c)に示す非常事態の事由を含むプルダウン項目31cを参照して鉄道駅の駅係員等が選択した車内点検、車内迷惑行為、お客様同士のトラブル、車両点検、信号トラブル、線路内立ち入り、お客様と電車が接触、お客様ご案内、急病人救護、強風、大雨、大雪、落雷、その他(自由入力)等の非常事態発生情報の事由を設定する。
【0046】
ここで、
図2(a)に示す設定画面31aに表示される臨時発話内容のサンプル文の編集画面31dは、
図3(a)に示すように、例えば、種別を「列車遅延」として設定した場合には、「現在、○○駅で発生した『事由』により、○○駅から○○駅の間で列車が遅延しています。」というように表示される。このとき、事由を「車内点検」として設定した場合には、「現在、○○駅で発生した車内点検により、○○駅から○○駅の間で列車が遅延しています。」というように表示される。
【0047】
また、
図3(b)に示すように、例えば、種別を「運転見合わせ」として設定した場合には、「現在、○○駅で発生した『事由』により、○○駅から○○駅の間で運転を見合わせております。運転再開見込みはXX:XXです。」というように表示される。このとき、事由を「社内迷惑行為」として設定することで編集画面31dに表示された臨時発話内容のサンプル文に含まれる事由が発生した駅名をA駅、運転を見合わせている鉄道駅の区間をB駅からC駅、運転再開見込み時刻を12:00として鉄道駅の駅係員等によって編集された場合には、「現在、A駅で発生した社内迷惑行為により、B駅からC駅の間で運転を見合わせております。運転再開見込みは12:00です。」というように表示される。すなわち、鉄道駅の駅係員等によって編集画面31dに表示された臨時発話内容のサンプル文が編集されることで、非常事態発生情報に含まれる非常事態が発生した駅名と、非常事態により変更された列車の運転時刻が設定される。
【0048】
情報設定部32は、通常対話モードを終了し自動発話モードを開始するための開始指令を設定する。
また、情報設定部32は、自動発話モード時に発信される臨時発話内容の発信時間の間隔を示す臨時発話時間間隔を設定する。
さらに、情報設定部32は、自動発話モードを終了し通常対話モードを開始するための終了指令を設定する。
【0049】
さらにまた、情報設定部32は、自動発話モードを終了するための終了時刻を設定する。
ここで、通常対話モードは、例えば、鉄道駅設置ロボット10が鉄道を利用する旅客からの質問に対して個別に回答する対話形式である。
自動発話モードは、例えば、鉄道駅設置ロボット10が鉄道を利用する旅客からの質問に応答せずに自発的に臨時発話内容を発話する発話形式である。
【0050】
これにより、上記項目が設定されることで、通常対話モード時には、鉄道を利用する旅客からの質問に個別に回答し、自動発話モード時には、鉄道を利用する旅客に対して非常事態に応じた正確な情報を自発的に発信することが可能な鉄道駅設置ロボット10を含むシステムが構築される。
情報設定部32は、非常事態が発生した鉄道駅における非常事態の種別と、非常事態が発生した事由と、非常事態に関係する駅の情報と、非常事態により変更された列車の運転時刻と、を、鉄道駅を含む鉄道路線を管理する鉄道会社や鉄道駅から一括で設定する。
【0051】
このとき、情報設定部32は、例えば、鉄道駅を含む鉄道路線を管理する鉄道会社の本社や各鉄道駅に設置されているPC(Personal Computer)に含まれており、上記項目を一括で設定する。
ここで、例えば、特に、上記項目のうち非常事態の種別や事由、および、非常事態が発生した駅名に関する項目は、非常事態が発生している鉄道駅の区間内で共通化できる場合が多いと考えられる。
【0052】
これにより、共通化できる可能性のある上記項目が鉄道会社や鉄道駅から一括で設定されることで、臨時発話内容を発信するための詳細情報を入力する各駅の駅係員の労力を削減することができる。
情報発信部33は、情報設定部32によって設定された上記各種情報(種別、事由、駅名、運転時刻、開始指令、終了指令、終了時刻、臨時発話時間間隔等)を、通信ネットワーク9を介して、鉄道駅設置ロボット10に含まれる入力受付部16に発信する。
【0053】
対話エンジン5は、旅客からの質問への回答を準備するための情報処理を行う。具体的には、対話エンジン5は、例えば、鉄道を利用する旅客から受け付けた質問に対して、質問の意味内容を解析して応答文を選択する情報処理を行う。
また、対話エンジン5は、
図1に示すように、問合せ受領部51と、音声データ解析部52と、質問内容特定部53と、回答識別子決定部54と、返答部55と、対話データベース56と、を備えている。
【0054】
問合せ受領部51は、鉄道駅設置ロボット10に含まれる後述するマイク11が集音した鉄道を利用する旅客からの質問の音声データを、鉄道駅設置ロボット10に含まれる後述する問合せ部20から通信ネットワーク9を介して受信する。
音声データ解析部52は、問合せ受領部51が受信した音声データに基づき、鉄道を利用する旅客が質問した言語を識別するとともに、音声データから変換されたテキストデータを取得する。ここで、言語の識別および音声データからテキストデータへの変換には、例えば、ニューラルネットワークを利用した公知の自動言語識別アルゴリズムおよびデータ変換アルゴリズムが適用される。このとき、問合せ受領部51が受信した音声データが外国語であると識別された場合には、例えば、外部アプリケーション7における音声認識アプリケーションおよび翻訳アプリケーションを用いて、外国語の音声データは日本語のテキストデータに変換される。
【0055】
質問内容特定部53は、例えば、音声データ解析部52によって日本語のテキストデータに変換された質問内容を「子供の切符について」であると特定する。
回答識別子決定部54は、例えば、
図4に示す対話データベース56に従って、質問内容特定部53によって特定された「子供の切符について」という質問内容に対応する回答識別子は「Q1」であると決定する。同様に、回答識別子決定部54は、特定された質問内容が「切符の有効期限について」である場合には、回答識別子は「Q2」であると決定する。このとき、質問内容特定部53が、質問内容を特定することができなかった場合には、回答識別子決定部54は、その旨を示す回答識別子「Q8」であると決定する。
【0056】
返答部55は、鉄道駅設置ロボット10に含まれる後述する回答識別子受領部21に、通信ネットワーク9を介して、回答識別子決定部54によって決定された回答識別子を返答する。
対話データベース56は、回答識別子との対応が定義された質問内容を保存する。
図4に示す対話データベース56において、例えば、7項目の質問内容が互いに異なる回答識別子と1対1で対応している。ここで、鉄道駅設置ロボット10は、対話データベース56において予め設定された7項目の質問内容に対応する回答情報を、後述する回答データベース14に従って鉄道を利用する旅客に回答する。このとき、質問内容を特定できなかった場合の措置のため、対話データベース56には、特定不可と対応する回答識別子も記録されている(最下行「No.8」を参照)。
【0057】
これにより、鉄道駅設置ロボット10と対話エンジン5とが接続されていることで、鉄道駅設置ロボット10は、鉄道を利用する旅客から受け付けた質問に対して的確に回答することができる。
外部アプリケーション7は、ウェブサーバ上で対話エンジン5が行う情報処理のうち、旅客からの質問への回答内容を補足する情報端末であり、例えば、音声データを識別する音声認識アプリケーション、鉄道駅の周辺地図や乗換時刻等の情報が含まれる乗換案内アプリケーション、外国語を日本語に変換する翻訳アプリケーション等である。
ここでは、外部アプリケーション7は、対話エンジン5からの要請に応じて、通信ネットワーク9を介して各種補足情報を提供する。
【0058】
(2)鉄道駅設置ロボット10の構成
本実施形態に係る鉄道駅設置ロボット10は、鉄道駅で非常事態が発生した際に、非常事態の種別と事由を含む非常事態発生情報に基づいて臨時発話内容を設定し、鉄道を利用する旅客に対して臨時発話内容を発信する。
【0059】
また、鉄道駅設置ロボット10は、鉄道駅で非常事態が発生していない通常時には、旅客からの質問に反応して対話し、鉄道駅で非常事態が発生している場合には、自発的に発話する。
これにより、鉄道駅や鉄道駅の間の路線上における非常事態の発生の有無に応じて、鉄道を利用する旅客からの質問に対して回答する、もしくは、臨時発話内容を自発的に発話する、というように変更することで、鉄道駅設置ロボット10が列車の運行状況等に応じて複数の役割を果たすことができる。
【0060】
そして、本実施形態の鉄道駅設置ロボット10は、
図1に示すように、マイク11と、スピーカ12と、ディスプレイ13と、回答データベース14と、臨時発話データベース15と、入力受付部16と、モード切換部17と、設定部18と、発信部19と、問合せ部20と、回答識別子受領部21と、回答情報決定部22と、を備えている。
マイク11は、例えば、鉄道を利用する旅客が、「子供の切符の運賃はいくら?」と、鉄道駅設置ロボット10に話しかけた場合に、上記旅客からの質問を集音する。
【0061】
スピーカ12は、例えば、鉄道を利用する旅客が、「子供の切符の運賃はいくら?」と、鉄道駅設置ロボット10に話しかけた場合に、回答情報決定部22によって決定された「お子さまの切符の運賃ですね」という回答情報を上記旅客に対して音声の形式で出力する。
ディスプレイ13は、例えば、鉄道を利用する旅客が、「子供の切符の運賃はいくら?」と、鉄道駅設置ロボット10に話しかけた場合に、回答情報決定部22によって決定された「お子さまの切符の運賃ですね」という回答情報を上記旅客に対して文字情報を含む画像の形式で出力する。
【0062】
回答データベース14は、回答識別子との対応が定義された回答情報を保存する。
図5に示す回答データベース14において、例えば、回答データベース14に規定される「お子さまの切符の運賃ですね」という回答情報に対応する回答識別子は「Q1」である。また、
図4に示す対話データベース56に規定される「子供の切符について」という質問内容に対応する回答識別子は「Q1」である。すなわち、回答データベース14における回答情報と、対話データベース56における質問内容と、は回答識別子「Q1」を介して対応している。同様に、鉄道を利用する旅客からの質問内容が「切符の有効期限について」であった場合には、回答識別子はQ2となるため、回答情報は「切符の有効期限についてですね」となる。
【0063】
これにより、鉄道駅設置ロボット10は、対話データベース56において予め設定された質問内容に対応する回答情報を、回答データベース14に従って鉄道を利用する旅客に回答することができる。
臨時発話データベース15は、駅務室内PC(臨時自動発話設定装置)3に含まれる情報発信部33から通信ネットワーク9を介して入力受付部16が入力を受け付けた非常事態発生情報を、臨時発話内容として保存する。
【0064】
図6に示す臨時発話データベース15において、例えば、非常事態の種別、非常事態が発生した事由、「現在、○○駅で発生した『事由』により、○○駅から○○駅の間で『種別』。」という臨時発話内容が保存される。ここで、種別が「列車遅延」、事由が「車内点検」、駅務室内PC(臨時自動発話設定装置)3において鉄道の駅係員が臨時発話内容のサンプル文を編集することで設定した駅名が「A駅」、種別が適用される鉄道駅の区間が「B駅からC駅」である場合には、臨時発話内容は「現在、A駅で発生した車内点検により、B駅からC駅の間で列車が遅延しています。」として保存される。
【0065】
また、種別が「運転見合わせ」、事由が「社内迷惑行為」、臨時発話内容のサンプル文の編集により設定された事由が発生した駅名が「A駅」、種別が適用される鉄道駅の区間が「B駅からC駅」、列車の運転再開見込み時刻が「12:00」である場合には、臨時発話内容は、「現在、A駅で発生した社内迷惑行為により、B駅からC駅の間で運転を見合わせております。運転再開見込みは12:00です。」として保存される。
【0066】
さらに、種別が「列車遅延」、事由が「大雪」、臨時発話内容のサンプル文を編集することで設定された上記事由が発生した駅名が「D駅」、種別が適用される鉄道駅の区間が「E駅からF駅」、列車の到着見込み時刻が「15:00」である場合には、臨時発話内容は、「現在、D駅で発生した大雪により、E駅からF駅の間で列車が遅延しています。列車の到着見込みは15:00です。」となってもよい。
【0067】
なお、臨時発話内容は、予め臨時発話データベース15に保存されていてもよい。
これにより、鉄道駅設置ロボット10は、臨時発話データベース15を参照することで、鉄道を利用する旅客に対して非常事態に応じた情報を自発的に発信することができる。また、例えば、予め臨時発話内容を保存しておくことで、臨時発話内容を発信するための詳細情報を入力する駅係員の労力を削減することができる。
【0068】
入力受付部16は、駅務室内PC(臨時自動発話設定装置)33に含まれる情報発信部33から通信ネットワーク9を介して、通常対話モード時から自動発話モードに切り換わるための開始指令の入力を受け付ける。
これにより、例えば、非常事態が発生した際には、通常対話モード時に駅係員等が入力した自動発話モードの開始指令を受け付けることで、通常対話モードから自動発話モードに切り換わるため、鉄道駅設置ロボット10は、鉄道を利用する旅客に対して非常事態に応じた情報を自発的に発信することができる。
【0069】
入力受付部16は、駅務室内PC(臨時自動発話設定装置)3に含まれる情報発信部33から通信ネットワーク9を介して、自動発話モード時から通常対話モードに切り換わるための終了指令または終了時刻の入力を受け付ける。
これにより、例えば、非常事態の解消が確認された後、自動発話モード時に、駅係員等が入力した自動発話モードの終了指令を受け付けることで、また、自動発話モード時に臨時発話内容の発信を終了する終了時刻の入力を受け付けることで、鉄道駅設置ロボット10は、適切なタイミングで自動発話モードから通常対話モードに切り換えられる。
【0070】
入力受付部16は、駅務室内PC(臨時自動発話設定装置)3に含まれる情報発信部33から通信ネットワーク9を介して、自動発話モード時に発信される臨時発話内容の発信時間の間隔を示す臨時発話時間間隔の入力を受け付ける。
ここで、
図2(a)に示す表示部31が表示した非常事態発生情報の設定画面31aにおいて、発話時間間隔は30秒と設定されているため、鉄道駅設置ロボット10は、臨時発話内容を30秒ごとに鉄道を利用する旅客に対して発信する。
【0071】
これにより、例えば、通常対話モード時に、自動発話モードの開始指令を受け付けると同時に臨時発話内容の臨時発話時間間隔の入力を受け付けることで、非常事態の緊急性が高い場合等に、鉄道駅設置ロボット10は、鉄道を利用する旅客に対して短い時間間隔で臨時発話内容を発信することができる。
入力受付部16は、駅務室内PC(臨時自動発話設定装置)3に含まれる情報発信部33から通信ネットワーク9を介して、非常事態発生情報の入力を受け付けると、旅客からの質問を受け付けない。
【0072】
これにより、例えば、鉄道駅で非常事態が発生している間、鉄道駅設置ロボット10が鉄道を利用する旅客からの質問を受け付けずに臨時発話内容の発信を優先することで、旅客との対話によって非常事態を伝えられないといった事態を防ぐことができる。
モード切換部17は、入力受付部16が自動発話モードの開始指令の入力を受け付けると、鉄道駅が通常時である場合に旅客から受け付けた質問内容に対して個別に回答する通常対話モードから非常事態発生情報に応じた臨時発話内容を自発的に発信する自動発話モードに切り換える。
【0073】
これにより、鉄道駅や鉄道駅の間の路線上における非常事態の発生の有無に応じて、通常対話モードと自動発話モードとを切り換えることで、鉄道駅設置ロボット10は、列車の運行状況等に応じて適切に応答することができる。
モード切換部17は、入力受付部16が自動発話モード時から通常対話モードに切り換わるための終了指令の入力を受け付けると、自動発話モードを終了する。また、モード切換部17は、入力受付部16が自動発話モード時から通常対話モードに切り換わるための終了時刻の入力を受け付けると、上記終了時刻になった時点で自動発話モードを終了する。
【0074】
これにより、自動発話モード時に自動発話モードの終了指令や臨時発話内容の発信を終了する終了時刻の入力を受け付けることで、自動発話モードから通常対話モードに切り換わるため、非常事態が解消された後は、鉄道駅設置ロボット10は、鉄道を利用する旅客からの質問に対して個別に回答することができる。
設定部18は、入力受付部16が入力を受け付けて臨時発話データベース15に保存された非常事態発生情報から鉄道を利用する旅客に対して発信するための臨時発話内容を設定する。
【0075】
これにより、臨時発話データベース15を参照して臨時発話内容が設定されることで、鉄道駅設置ロボット10は、鉄道を利用する旅客に対して非常事態に応じた情報を自発的に発信することができる。
発信部19は、設定部18によって設定された臨時発話内容を、鉄道を利用する旅客に対して発信する。
【0076】
これにより、設定部18が設定した臨時発話内容に基づいて、鉄道駅設置ロボット10は、鉄道を利用する旅客に対して非常事態に応じた情報を自発的に発信することができる。
発信部19は、入力受付部16が非常事態発生情報の入力を受け付けると、設定部18によって設定された臨時発話内容を繰り返し発信する。
【0077】
これにより、例えば、鉄道駅で非常事態が発生している間、鉄道駅設置ロボット10が臨時発話内容を繰り返し発信することで、繰り返しアナウンスが必要な非常事態における駅係員の業務負荷を軽減するとともに、鉄道を利用する旅客は、非常事態の発生状況を聞き漏らすことなく把握することができる。
発信部19は、入力受付部16が非常事態発生情報の入力を受け付けると、設定部18によって設定された臨時発話内容の発信を優先する。
【0078】
これにより、例えば、鉄道駅で非常事態が発生している間、鉄道駅設置ロボット10が鉄道を利用する旅客からの質問を受け付けずに臨時発話内容の発信を優先することで、旅客と鉄道駅設置ロボット10との対話によって非常事態を伝えられないといった事態を防ぐことができる。
問合せ部20は、マイク11が集音した鉄道を利用する旅客からの質問の音声データを、通信ネットワーク9を介して対話エンジン5に含まれる問合せ受領部51に問い合わせる。
【0079】
回答識別子受領部21は、対話エンジン5に含まれる返答部55が返答した回答識別子を受信する。
回答情報決定部22は、回答データベース14に従って、回答識別子受領部21が受信した回答識別子と対応する回答情報を決定する。
【0080】
<対話方法>
本実施形態の鉄道駅設置ロボット10は、
図7に示すフローチャートに従って、自動発話モード時の対話方法を実行する。
すなわち、本実施形態の対話方法では、
図7に示すように、ステップS1において、例えば、入力受付部16が、通信ネットワーク9を介して、駅務室内PC(臨時自動発話設定装置)3に含まれる情報発信部33によって発信された非常事態発生情報の入力を受け付ける(入力受付ステップ)。
次に、ステップS2では、入力受付部16が、通信ネットワーク9を介して、駅務室内PC(臨時自動発話設定装置)3に含まれる情報発信部33から自動発話モードの開始指令の入力を受け付ける(入力受付ステップ)。
【0081】
次に、ステップS3では、入力受付部16が自動発話モードの開始指令の入力を受け付けると、モード切換部17が、通常対話モードから自動発話モードに切り換える。
次に、ステップS4では、設定部18が、入力受付部16が入力を受け付けて臨時発話データベース15に保存された非常事態発生情報から鉄道を利用する旅客に対して発信するための臨時発話内容を設定する(設定ステップ)。
【0082】
次に、ステップS5では、発信部19が、設定部18によって設定された臨時発話内容を、鉄道を利用する旅客に対して発信する(発信ステップ)。
次に、ステップS6では、入力受付部16が、駅務室内PC(臨時自動発話設定装置)3に含まれる情報発信部33から通信ネットワーク9を介して、自動発話モード時から通常対話モードに切り換わるための終了指令または終了時刻の入力を受け付ける。
【0083】
次に、ステップS7では、モード切換部17が、入力受付部16が自動発話モードの終了指令または臨時発話内容の発信を終了する時刻の入力を受け付けると、自動発話モードから通常対話モードに切り換える。
また、通常対話モード質問回答方法について、
図8のフローチャートを用いて説明する。
【0084】
すなわち、
図8に示すように、ステップS11では、マイク11が、鉄道を利用する旅客からの質問を集音する。
次に、ステップS12では、問合せ受領部51が、マイク11が集音した質問の音声データを、鉄道駅設置ロボット10に含まれる問合せ部20から通信ネットワーク9を介して受信する。
【0085】
次に、ステップS13では、音声データ解析部52が、問合せ受領部51が受信した音声データに基づき、鉄道を利用する旅客が質問した言語を識別するとともに、音声データから変換されたテキストデータを取得する。
このとき、例えば、問合せ受領部51が受信した音声データが外国語であると識別された場合には、外部アプリケーション7における音声認識アプリケーションおよび翻訳アプリケーションを用いて、外国語の音声データは日本語のテキストデータに変換されてもよい。
【0086】
次に、ステップS14では、質問内容特定部53が、音声データ解析部52によって日本語のテキストデータに変換された質問内容を特定する。
次に、ステップS15では、回答識別子決定部54が、対話データベース56に従って、質問内容特定部53によって特定された質問内容に対応する回答識別子を決定する。
次に、ステップS16では、返答部55が、鉄道駅設置ロボット10に含まれる回答識別子受領部21に、通信ネットワーク9を介して、回答識別子決定部54によって決定された回答識別子を返答する。
【0087】
次に、ステップS17では、回答識別子受領部21が、対話エンジン5に含まれる返答部55が返答した回答識別子を受信する。
次に、ステップS18では、回答情報決定部22が、回答データベース14に従って、回答識別子受領部21が受信した回答識別子と対応する回答情報を決定する。
次に、ステップS19では、鉄道駅設置ロボット10が、スピーカ12、ディスプレイ13を用いて、鉄道を利用する旅客からの質問に回答する。
このとき、スピーカ12は、上記回答を音声の形式で出力する。また、ディスプレイ13は、上記回答を、文字情報が含まれる画像の形式で出力する。
【0088】
<主な特徴>
本実施形態の鉄道駅設置ロボット10は、以上のように、鉄道駅に設置されており、鉄道駅や鉄道駅の間の路線上において非常事態が発生した際に、鉄道を利用する旅客に対して非常事態に応じた情報を発信するロボットであって、入力受付部16と、設定部18と、発信部19と、を備えている。入力受付部16は、非常事態の種別と、非常事態が発生した事由と、を含む非常事態発生情報の入力を受け付ける。設定部18は、入力受付部16が入力を受け付けた非常事態発生情報から旅客に発信する臨時発話内容を設定する。発信部19は、設定部18において設定された臨時発話内容を旅客に対して発信する。
【0089】
これにより、非常事態が発生した際に、非常事態発生情報に基づいて臨時発話内容を設定することで、鉄道を利用する不特定多数の旅客に対して非常事態に応じた臨時発話内容を発信することができる。
この結果、鉄道を利用する旅客に対して非常事態に応じた情報を自発的に発信することで、非常事態が発生した際の駅係員の業務の一部をサポートすることができる。
【0090】
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施形態では、鉄道駅設置ロボットおよび対話方法として、本発明を実現した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0091】
例えば、上述した対話方法をコンピュータに実行させる対話プログラムとして本発明を実現してもよい。
この対話プログラムは、鉄道駅設置ロボットに搭載されたメモリ(記憶部)に保存されており、CPUがメモリに保存された対話プログラムを読み込んで、ハードウェアに各ステップを実行させる。より具体的には、CPUが対話プログラムを読み込んで、上述した入力受付ステップと、設定ステップと、発信ステップと、を実行することで、上記と同様の効果を得ることができる。
また、本発明は、対話プログラムを保存した記録媒体として実現されてもよい。
【0092】
(B)
上記実施形態では、非常事態発生情報は、非常事態の種別、非常事態が発生した事由、非常事態に関係する駅の情報、非常事態により変更された列車の運転時刻等を含む例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、非常事態発生情報に非常事態の種別と事由が含まれていれば、鉄道を利用する旅客は非常事態が発生していることを把握できるため、非常事態発生情報には駅名や運転時刻に関する情報が含まれていなくてもよい。
【0093】
(C)
上記実施形態では、対話エンジン5が、鉄道駅設置ロボット10の外部に設けられており、通信ネットワーク9を介して鉄道駅設置ロボット10と接続されている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、鉄道駅設置ロボットは、鉄道駅設置ロボットの内部に対話エンジンを備えている構成であってもよい。
【0094】
(D)
上記実施形態では、外部アプリケーション7は、音声認識アプリケーションおよび翻訳アプリケーションを用いて、外国語の音声データを日本語のテキストデータに変換する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、外部アプリケーションは、対話エンジンからの要請に応じて、乗換案内アプリケーション等を用いて、乗換案内や鉄道駅の周辺地図に関する情報を提供してもよい。
これにより、鉄道駅設置ロボットは、例えば、ディスプレイに乗換時刻や鉄道駅の周辺地図を表示することができる。
【0095】
(E)
上記実施形態では、駅務室内PC(臨時自動発話設定装置)3に含まれる情報発信部33が発信した非常事態発生情報は、通信ネットワーク9を介して、鉄道駅設置ロボット10の入力受付部16に入力される例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0096】
例えば、臨時自動発話設定装置に含まれる情報発信部は、非常事態発生情報をクラウドストレージに発信してもよい。
これにより、鉄道駅設置ロボットは、任意のタイミングで非常事態発生情報を参照することができる。
【0097】
(F)
上記実施形態では、非常事態として、列車遅延または運転見合わせを例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、非常事態としては、列車遅延または運転見合わせ以外に、年末年始やイベント等に伴う臨時列車運行等の他の非常事態であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明の鉄道駅設置ロボットは、鉄道を利用する旅客に対して非常事態に応じた情報を自発的に発信して、非常事態が発生した際の駅係員の業務の一部をサポートすることができるという効果を奏することから、鉄道駅を含む鉄道路線を管理する鉄道会社が鉄道を利用する旅客に対して情報を提供する各種装置等に対して広く適用可能である。
【符号の説明】
【0099】
1 鉄道駅設置ロボットシステム
3 駅務室内PC(臨時自動発話設定装置)
5 対話エンジン
7 外部アプリケーション
9 通信ネットワーク
10 鉄道駅設置ロボット
11 マイク
12 スピーカ
13 ディスプレイ
14 回答データベース
15 臨時発話データベース
16 入力受付部
17 モード切換部
18 設定部
19 発信部
20 問合せ部
21 回答識別子受領部
22 回答情報決定部
31 表示部
31a 設定画面
31b プルダウン項目
31c プルダウン項目
31d 編集画面
32 情報設定部
33 情報発信部
51 問合せ受領部
52 音声データ解析部
53 質問内容特定部
54 回答識別子決定部
55 返答部
56 対話データベース