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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078167
(43)【公開日】2024-06-10
(54)【発明の名称】試験器具
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/12 20200101AFI20240603BHJP
   H02G 1/02 20060101ALI20240603BHJP
   G01R 1/04 20060101ALI20240603BHJP
   G01R 19/155 20060101ALN20240603BHJP
【FI】
G01R31/12 Z
H02G1/02
G01R1/04 G
G01R19/155
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022190562
(22)【出願日】2022-11-29
(71)【出願人】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】岡田 悟
【テーマコード(参考)】
2G015
2G035
5G352
【Fターム(参考)】
2G015AA27
2G015CA06
2G035AB04
2G035AC13
2G035AD38
5G352AE05
(57)【要約】
【課題】絶縁操作棒の耐電圧試験をスムーズに行うことができる試験器具を提供する。
【解決手段】先端工具を着脱可能な絶縁操作棒Aの耐電圧試験のための試験器具1であって、絶縁操作棒Aは、作業者が把持する絶縁性の把持部と、先端工具が着脱可能な導電性の工具着脱部A2と、を有し、先端工具は、工具着脱部A2に取り付けられた状態で、工具着脱部A2に電気的に接続する電気接続部を有し、工具着脱部A2及び/又は工具着脱部A2に取り付けられた先端工具の電気接続部に取り付け可能な棒側取付部3と、絶縁操作棒Aに試験電圧を印加するための印加手段に取り付け可能な印加側取付部2と、を備え、棒側取付部3と印加側取付部2とは、電気的に接続している。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端工具を着脱可能な絶縁操作棒の耐電圧試験のための試験器具であって、
前記絶縁操作棒は、作業者が把持する絶縁性の把持部と、前記先端工具を着脱可能な導電性の工具着脱部と、を有し、
前記先端工具は、前記工具着脱部に取り付けられた状態で、該工具着脱部に電気的に接続する電気接続部を有し、
前記工具着脱部及び/又は前記工具着脱部に取り付けられた前記先端工具の前記電気接続部に取り付け可能な棒側取付部と、
前記絶縁操作棒に試験電圧を印加するための印加手段に取り付け可能な印加側取付部と、を備え、
前記棒側取付部と前記印加側取付部とは、電気的に接続している、試験器具。
【請求項2】
前記印加側取付部は、前記棒側取付部を取り付けた前記絶縁操作棒の軸方向に沿う高さ方向に延設される印加延設部と、該印加延設部の前記高さ方向における先端部に設けられ、前記印加手段に導通接触するように取り付けられる印加取付本体部と、を備え、
前記印加取付本体部は、前記高さ方向で前記印加手段に取り付けられる、請求項1に記載の試験器具。
【請求項3】
前記印加延設部は、前記印加取付本体部の前記印加手段への取り付けをガイドする印加ガイド部として機能する、請求項2に記載の試験器具。
【請求項4】
前記棒側取付部は、前記絶縁操作棒の径方向に沿って前記工具着脱部及び/又は前記電気接続部に対して取り付け可能に構成される棒取付本体部を有し、
前記印加側取付部は、前記棒取付本体部を取り付けた前記絶縁操作棒の軸方向に沿う高さ方向で前記印加手段に対して取り付け可能に構成される印加取付本体部を備える、請求項1に記載の試験器具。
【請求項5】
前記棒側取付部は、前記高さ方向に直交する平面に沿って延設される棒延設部を備え、
前記棒取付本体部は、前記棒延設部の延設先端部に配置され、
前記棒延設部は、前記棒取付本体部の前記工具着脱部及び/又は前記電気接続部への取り付けをガイドする棒ガイド部として機能する、請求項4に記載の試験器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁操作棒の耐電圧試験に用いられる試験器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、絶縁操作棒の例として、特許文献1に記載の間接活線作業で使用される間接活線工具の共用操作棒が公知である。前記間接活線作業は、前記間接活線工具を用いて通電状態のままで作業を行うものであり、前記間接活線工具は、前記共用操作棒の先端に各種の先端工具を取り付けるようになったものである。このような間接活線作業においては、通電状態で作業を行うため、電線などの通電物に作業者が近づきすぎると感電するおそれがある。このため、前記共用操作棒には先端から所定長離れた位置に安全限界ツバが設けられ、前記作業者が前記安全限界ツバよりも先端側を握るのを防止するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-74631号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記間接活線作業中に作業者が前記共用操作棒を介して感電しないことを確認するため、前記共用操作棒に対しては、耐電圧試験(絶縁耐力試験とも称する)が行われる。この試験は、試験電圧を印加可能な電圧印加部に前記共用操作棒を鉄線で巻き付け固定し、前記電圧印加部を介して、前記共用操作棒に試験電圧を印加することにより行われる。
【0005】
しかしながら、このような従来の耐電圧試験においては、前記鉄線の巻き付け作業に時間を要し、前記共用操作棒の固定に手間がかかる、という問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、絶縁操作棒の耐電圧試験をスムーズに行うことができる試験器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、先端工具を着脱可能な絶縁操作棒の耐電圧試験のための試験器具であって、前記絶縁操作棒は、作業者が把持する絶縁性の把持部と、前記先端工具を着脱可能な導電性の工具着脱部と、を有し、前記先端工具は、前記工具着脱部に取り付けられた状態で、該工具着脱部に電気的に接続する電気接続部を有し、前記工具着脱部及び/又は前記工具着脱部に取り付けられた前記先端工具の前記電気接続部に取り付け可能な棒側取付部と、前記絶縁操作棒に試験電圧を印加するための印加手段に取り付け可能な印加側取付部と、を備え、前記棒側取付部と前記印加側取付部とは、電気的に接続している、試験器具である。
【0008】
前記構成によれば、前記棒側取付部を前記絶縁操作棒の前記工具着脱部及び/又は該工具着脱部に取り付けられた前記先端工具の前記電気接続部に取り付け、前記印加側取付部を前記印加手段に取り付けることで、前記絶縁操作棒を前記印加手段に電気的に接続することができ、前記印加手段から前記絶縁操作棒に試験電圧を印加して耐電圧試験を行うことができる。
【0009】
また、本発明では、前記印加側取付部は、前記棒側取付部を取り付けた前記絶縁操作棒の軸方向に沿う高さ方向に延設される印加延設部と、該印加延設部の前記高さ方向における先端部に設けられ、前記印加手段に導通接触するように取り付けられる印加取付本体部と、を備え、前記印加取付本体部は、前記高さ方向で前記印加手段に取り付けられていてもよい。
【0010】
前記構成によれば、前記棒側取付部を前記工具着脱部及び/又は前記電気接続部に取り付けた際には、前記絶縁操作棒の前記軸方向の延長上に前記印加取付本体部を配置でき、前記絶縁操作棒を前記軸方向に操作することにより、前記印加取付本体部を前記印加手段に取り付けることができるため、前記絶縁操作棒を前記印加手段に電気的に接続しやすい。
【0011】
また、本発明では、前記印加延設部は、前記印加取付本体部の前記印加手段への取り付けをガイドする印加ガイド部として機能してもよい。
【0012】
前記構成によれば、前記印加ガイド部によって前記印加取付本体部の前記印加手段への取り付けをガイドできるため、前記印加手段に対して前記印加取付本体部を簡単に取り付けることができる。
【0013】
また、本発明では、前記棒側取付部は、前記絶縁操作棒の径方向に沿って前記工具着脱部及び/又は前記電気接続部に対して取り付け可能に構成される棒取付本体部を有し、前記印加側取付部は、前記棒取付本体部を取り付けた前記絶縁操作棒の軸方向に沿う高さ方向で前記印加手段に対して取り付け可能に構成される印加取付本体部を備えていてもよい。
【0014】
前記構成によれば、前記絶縁操作棒に対しては、前記径方向で前記棒取付本体部を取り付けることができ、前記印加手段に対しては、前記高さ方向で前記印加取付本体部を取り付けることができるので、前記試験器具を用いて前記絶縁操作棒を前記印加手段へ取り付けやすくなる。
【0015】
また、本発明では、前記棒側取付部は、前記高さ方向に直交する平面に沿って延設される棒延設部を備え、前記棒取付本体部は、前記棒延設部の延設先端部に配置され、前記棒延設部は、前記棒取付本体部の前記工具着脱部及び/又は前記電気接続部への取り付けをガイドする棒ガイド部として機能してもよい。
【0016】
前記構成によれば、前記棒ガイド部によって前記棒取付本体部の前記工具着脱部及び/又は前記電気接続部への取り付けをガイドできるため、前記工具着脱部及び/又は前記電気接続部に対して前記棒取付本体部を簡単に取り付けることができる。
【発明の効果】
【0017】
以上、本発明によれば、前記棒側取付部を前記絶縁操作棒の前記工具着脱部及び/又は該工具着脱部に取り付けられた前記先端工具の前記電気接続部に取り付け、前記印加側取付部を前記印加手段に取り付けることで、前記絶縁操作棒を前記印加手段に電気的に接続することができ、前記印加手段から前記絶縁操作棒に試験電圧を印加して耐電圧試験を行うことができるため、前記絶縁操作棒の耐電圧試験をスムーズに行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る試験器具の正面図を示す。
図2図2は、同実施形態に係る試験器具の平面図を示す。
図3図3は、絶縁操作棒の正面図を示す。
図4図4は、絶縁操作棒の工具着脱部と先端工具を示す図である。
図5図5は、絶縁操作棒に取り付けられた試験器具の正面図を示す。
図6図6は、絶縁操作棒に取り付けられた試験器具の平面図を示す。
図7a図7aは、他の形態に係る試験器具を示す正面図である。
図7b図7bは、他の形態に係る試験器具を示す平面図である。
図8a図8aは、別の形態に係る試験器具を示す正面図である。
図8b図8bは、別の形態に係る試験器具を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態に係る試験器具1について説明する。
【0020】
以下の説明において、試験器具1の高さの方向を「高さ方向X」と規定し、試験器具1の幅の方向を「幅方向Y」と規定し、試験器具1の厚さの方向を「厚さ方向Z」と規定する。説明の便宜上、高さ方向Xの一方側X1を図1における上側とし、高さ方向Xの他方側X2を図1における下側とする。また、幅方向Yの一方側Y1を図1における左側とし、幅方向Yの他方側Y2を図1における右側とする。さらに、厚さ方向Zの一方側Z1を図2における上側とし、厚さ方向Zの他方側Z2を図2における下側とする。高さ方向Xと幅方向Yと厚さ方向Zとは直交している。
【0021】
また、試験器具1におけるそれぞれの方向とは別に、絶縁操作棒Aや先端工具Bを説明するに際して、それぞれの長さの方向を「軸方向x」と規定し、それぞれの径の方向を「径方向y」と規定する。本実施形態では、軸方向xと径方向yとは直交している。説明の便宜上、軸方向xの一方側x1を図3の上側とし、軸方向xの他方側x2を図3の下側とする。
【0022】
試験器具1は、絶縁操作棒Aに対する耐電圧試験のためのものである。具体的には、図5に示すように、試験器具1は、印加手段Wに対して絶縁操作棒Aを接続する際に利用される。印加手段Wは、絶縁操作棒Aに対して試験電圧を印加するためのものである。印加手段Wとしては、例えば、鉄棒や電線が該当する。そのため、印加手段Wは、導電性を有する。
【0023】
説明の便宜上、まず、図3,4を用いて、絶縁操作棒Aについて説明する。
【0024】
絶縁操作棒Aは、作業者が電線などの帯電箇所に直接触れることなく、遠隔位置から帯電箇所に対して作業を行う間接活線作業の際に用いられる。なお、帯電箇所には、印加手段Wが含まれているものとする。図3に示すように、絶縁操作棒Aは、操作棒本体A1と、工具着脱部A2とを備える。
【0025】
操作棒本体A1は、軸方向xに延びる筒状(具体的には、円筒状)に形成されている。操作棒本体A1は、絶縁性を有する。操作棒本体A1は、作業者が把持する把持部A10と、該把持部A10と後述する工具着脱部A2とを軸方向xで離隔するための離隔部A12とを備える。
【0026】
把持部A10は、絶縁操作棒Aを持つ際に、作業者が手で握るための部分である。把持部A10は、軸方向xに延びる筒状(具体的には、円筒状)に形成されている。把持部A10は、外面が電気絶縁材(例えば、FPR)により構成されている。そのため、把持部A10は、絶縁性を有する。本実施形態の把持部A10には、円錐台形状の鍔部A11が設けられている。この鍔部A11は、軸方向xにおいて、該鍔部A11よりも一方側x1を握ってはいけないことを作業者に示すためのものである。鍔部A11は、把持部A10の軸方向xにおける一方側x1の先端部に配置されている。
【0027】
離隔部A12は、軸方向xに延びる筒状(具体的には、円筒状)に構成されている。離隔部A12は、絶縁性を有する。離隔部A12は、把持部A10よりも軸方向xの一方側x1に配置されている。本実施形態の離隔部A12は、軸方向xにおいて把持部A10に連設している。離隔部A12は、軸方向xにおいて把持部A10よりも長い。離隔部A12の軸方向xにおける一方側x1の先端には、ヘッド部A13が形成されている。なお、このヘッド部A13は、離隔部A12よりも大径に構成されている。
【0028】
工具着脱部A2は、絶縁操作棒Aに先端工具Bを取り付ける際に利用される。この工具着脱部A2は、導電性を有する。本実施形態の工具着脱部A2は、金属により構成されている。工具着脱部A2は、軸方向xに延びる。
【0029】
図3,4に示すように、工具着脱部A2は、操作棒本体A1の軸方向xの一方側x1の先端に設けられている。本実施形態の工具着脱部A2は、ヘッド部A13に設けられている。そのため、工具着脱部A2は、絶縁操作棒Aの軸方向xにおける一方側x1の先端部を構成している。よって、工具着脱部A2は、絶縁操作棒Aにおいて把持部A10よりも軸方向xの一方側x1に配置されている。工具着脱部A2は、土台部A20と、工具固定部A23と、軸方向xにおいて土台部A20と工具固定部A23とを連結する連結部A26とを備える。
【0030】
土台部A20は、工具着脱部A2の軸方向xにおける基端部である。土台部A20は、軸方向xに延びる棒状に構成されている。本実施形態の土台部A20は、棒状の小径土台部A21と、該小径土台部A21よりも大径である棒状の大径土台部A22とを備える。
【0031】
小径土台部A21は、軸方向xにおいてヘッド部A13に連設している。本実施形態の小径土台部A21は、ヘッド部A13よりも小径である。よって、ヘッド部A13の軸方向Xの先端部は、小径土台部A21に対して径外側に段付き形成されている。
【0032】
大径土台部A22は、軸方向xにおいて、小径土台部A21の一方側x1に配置されている。具体的に、大径土台部A22は、軸方向xにおいて小径土台部A21に連設している。そのため、工具着脱部A2の軸方向xにおける基端部としての土台部A20において、大径土台部A22が軸方向xにおける一方側x1の端部(先端部)として構成され、小径土台部A21が軸方向xにおける他方側x2の端部(基端部)として構成されている。大径土台部A22の軸方向xの基端部は、小径土台部A21に対して径外側に段付き形成されている。本実施形態の大径土台部A22において、軸方向xにおける基端面A220は、径方向yに沿う平面状に構成されている。本実施形態の大径土台部A22において、軸方向xにおける先端面A221も径方向yに沿う平面状である。なお、本実施形態の大径土台部A22は、軸方向xにおいて小径土台部A21よりも長い。
【0033】
工具固定部A23は、絶縁操作棒Aに後述する先端工具Bを固定するための部分である。工具固定部A23は、工具着脱部A2の軸方向xにおける先端部である。本実施形態の工具固定部A23は、ねじ固定部A24と、ねじ固定部A24よりも大径に構成される筒状(具体的には、円筒状)の固定補強部A25とを備える。
【0034】
ねじ固定部A24は、工具固定部A23において、後述する先端工具Bを固定可能な部分である。ねじ固定部A24は、導電性を有する。ねじ固定部A24は、軸方向xに延びる棒状(具体的には、円形の棒状)に構成される。また、本実施形態のねじ固定部A24は、雄ねじとして構成されている。そのため、ねじ固定部A24が後述する雌ねじB20と螺合することにより、絶縁操作棒Aに後述する先端工具Bが取り付けられる。よって、絶縁操作棒A(具体的には、工具着脱部A2)は、先端工具Bを着脱可能である。
【0035】
固定補強部A25は、導電性を有する。固定補強部A25は、外面がねじ固定部A24よりも大径の筒状(具体的には、円筒状に)に構成される。固定補強部A25は、内面上に雌ねじが形成され、雄ねじとして構成されるねじ固定部A24に螺合している。具体的に、図3に示すように、ねじ固定部A24に螺合する固定補強部A25は、ねじ固定部A24の軸方向xにおける一方側x1の端部(先端部)よりも他方側x2に配置されている。なお、本実施形態の固定補強部A25の外面には、ローレット加工(具体的には、平目状のローレット加工)がなされている。
【0036】
工具着脱部A2の軸方向xにおける先端部としての工具固定部A23において、ねじ固定部A24が軸方向xにおける一方側x1の端部(先端部)として構成され、固定補強部A25が軸方向xにおける他方側x2の端部(基端部)として構成されている。なお、本実施形態の固定補強部A25では、軸方向xにおける基端面A250が径方向yに沿う平面状に構成されている。よって、固定補強部A25の軸方向xにおける基端面A250は、大径土台部A22の軸方向xにおける先端面A221に対して、軸方向xで対向配置している。本実施形態の固定補強部A25において、軸方向xにおける先端面A251も径方向yに沿う平面状である。
【0037】
連結部A26は、軸方向xに延びる棒状(具体的には、円形の棒状)に構成される。図3,4に示すように、連結部A26は、土台部A20(具体的には、大径土台部A22)及び工具固定部A23(具体的には、固定補強部A25)よりも小径である。連結部A26は、軸方向xにおいて、工具固定部A23及び土台部A20に連設している。具体的に、本実施形態の連結部A26は、大径土台部A22の軸方向xにおける先端面A221に連設し、且つ固定補強部A25の軸方向xにおける基端面A250に連設している。そのため、大径土台部A22の軸方向xにおける先端面A221及び固定補強部A25の軸方向xにおける基端面A250は、連結部A26に対して径外側に段付き形成されている。よって、工具着脱部A2には、軸方向xの基端部及び先端部との間に、大径土台部A22の軸方向xにおける先端面A221と、固定補強部A25の軸方向xにおける基端面A250と、連結部A26とにより構成され、径方向yに凹設する凹部A27が設けられている。この凹部A27は、工具着脱部A2における軸方向xの基端部及び先端部よりも小径である。なお、本実施形態の連結部A26は、軸方向xにおいて、工具固定部A23及び土台部A20よりも短い。そのため、本実施形態の凹部A27は、工具着脱部A2における軸方向xの基端部及び先端部より軸方向xで短い。
【0038】
次に、図4を用いて、先端工具Bについて説明する。
【0039】
先端工具Bは、絶縁操作棒Aに取り付けられて利用される。先端工具Bは、間接活線作業のために用いられる工具であり、例えば、バインド打ち器や検電器やクランプが該当する。図4に示すように、本実施形態の先端工具Bは、検電器(具体的には、22kv用検電器)である。先端工具Bは、工具本体B1と、操作棒取付部B2とを備える。
【0040】
本実施形態の工具本体B1は、帯電箇所に接触可能に構成に構成される接触部B10と、帯電箇所が帯電しているか否かを確認する検電部B11とを備える。
【0041】
接触部B10は、導電性を有する。本実施形態の接触部B10は、金属の棒状体により構成されている。接触部B10は、軸方向xに延びる。検電部B11は、接触部B10の軸方向xにおける他方側x2に連設している。検電部B11の外面には、帯電箇所が帯電していることを報知する報知手段B12(例えば、音を発するスピーカーや発光するLEDランプ)が設けられている。検電部B11は、接触部B10と電気的に接続している。
【0042】
操作棒取付部B2は、先端工具Bを絶縁操作棒Aに取り付ける際に利用される。操作棒取付部B2は、導電性を有する。本実施形態の操作棒取付部B2には、雄ねじとして構成されるねじ固定部A24と螺合可能な雌ねじB20が設けられている。そのため、先端工具Bは、絶縁操作棒A(具体的には、工具着脱部A2)に対して着脱可能に構成される。操作棒取付部B2は、軸方向xにおいて、工具本体B1の他方側x2に配置されている。本実施形態の操作棒取付部B2は、工具本体B1(具体的には、検電部B11)の軸方向xにおける基端面(採番しない)に設けられている。そのため、操作棒取付部B2は、検電部B11の軸方向xにおける基端面において軸方向xに延びる。本実施形態において、操作棒取付部B2の軸方向xにおける基端面(採番しない)は、径方向yに沿う平面状である。そのため、操作棒取付部B2に設けられる雌ねじB20と、雄ねじとして構成されるねじ固定部A24とを螺合させ、先端工具Bが絶縁操作棒Aに取り付けられた際には、操作棒取付部B2の軸方向xにおける基端面は、固定補強部A25の軸方向xにおける先端面A251に接触する。なお、図4に示すように、本実施形態において、操作棒取付部B2に設けられる雌ねじB20は、軸方向xにおいて検電部B11に亘るように設けられている。本実施形態の操作棒取付部B2は、検電部B11及び固定補強部A25よりも小径である。
【0043】
上述の通り、ねじ固定部A24は、導電性を有する。そのため、操作棒取付部B2に設けられる雌ねじB20と、雄ねじとして構成されるねじ固定部A24とを螺合させ、先端工具Bと絶縁操作棒Aとが取り付けられた状態では、操作棒取付部B2と工具着脱部A2とは電気的に接続される。したがって、本実施形態では、操作棒取付部B2が、工具着脱部A2に取り付けられた状態で、工具着脱部A2に電気的に接続する電気接続部として構成される。
【0044】
操作棒取付部B2に設けられる雌ねじB20と、雄ねじとして構成されるねじ固定部A24とを螺合させることにより、操作棒取付部B2の軸方向xにおける基端面と先端面A251とが当接する。よって、先端工具Bと絶縁操作棒Aとが取り付けられた状態では、工具本体B1(具体的には、検電部B11)の軸方向xにおける基端面と操作棒取付部B2と先端面A251とにより、径方向yに凹設する凹部B21が構成される。
【0045】
続いて、図1,2,5を用いて、試験器具1について説明する。試験器具1は、印加側取付部2と、棒側取付部3とを備える。
【0046】
印加側取付部2は、試験器具1を印加手段Wに対して接続する際に利用されるものである。本実施形態の印加側取付部2は、金属製の棒状体により構成される。そのため、印加側取付部2は、導電性を有する。図1に示すように、本実施形態の印加側取付部2は、印加取付本体部20と、印加延設部21とを備える。
【0047】
印加取付本体部20は、印加手段Wに対して導通接触するように取り付けられる部分である。図1,2に示すように、印加取付本体部20は、幅方向Yに延びる。本実施形態の印加取付本体部20は、高さ方向Xの他方側X2が開口するように、高さ方向Xの一方側X1に向かって凸となるように構成されている。具体的に、本実施形態の印加取付本体部20は、高さ方向Xの一方側X1に湾曲している。そのため、湾曲している印加取付本体部20により形成される開口部分20aは、高さ方向Xの他方側X2に向けて開口するように形成されている。また、本実施形態の印加取付本体部20では、高さ方向Xにおける他方側X2の端部(基端部)の幅方向Yの長さが最も長く、高さ方向Xにおける一方側X1の端部(先端部)における幅方向Yの長さが最も短く構成される。加えて、印加取付本体部20は、高さ方向Xと幅方向Yとに広がる平面に配置される。さらに、印加取付本体部20では、高さ方向Xにおける基端部の幅方向Yの長さが、印加手段Wの幅方向Yの長さよりも長い。そのため、開口部分20aは、幅方向Yの長さが印加手段Wよりも長い。よって、本実施形態の印加取付本体部20は、印加手段Wに対して引掛けることにより取り付け可能に構成される。したがって、印加側取付部2は、印加手段Wに対して取り付け可能である。なお、本実施形態の印加取付本体部20において、幅方向Yの一方側Y1の端部には、ゴムにより構成されるキャップK1が取り付けられている。
【0048】
印加延設部21は、印加取付本体部20の印加手段Wへの取り付けをガイドするためのものである。そのため、印加延設部21は、印加ガイド部として機能する。また、印加延設部21は、印加側取付部2に対して後述する棒側取付部3を接続する際の接続部として機能する。印加延設部21は、高さ方向Xに延びる棒状に構成されている。図1に示すように、本実施形態の印加延設部21は、高さ方向Xに沿って真っすぐ延びる。印加延設部21は、印加取付本体部20よりも高さ方向Xの他方側X2に配置されている。本実施形態の印加延設部21は、印加取付本体部20の高さ方向Xにおける基端部に連設している。換言すると、印加取付本体部20は、印加延設部21の高さ方向Xにおける一方側X1の端部(先端部)に設けられている。即ち、印加延設部21は、湾曲している印加取付本体部20により形成される開口部分20aから高さ方向Xの他方側X2に延設している。さらに、本実施形態の印加延設部21は、印加取付本体部20の幅方向Yの他方側Y2に連設している。なお、本実施形態において、印加延設部21の高さ方向Xにおける他方側X2の基端部には、ゴムにより構成されるキャップK2が取り付けられている。
【0049】
本実施形態では、金属製の棒状体(具体的には、円形状の棒状体)を曲げ加工することにより、印加延設部21と印加取付本体部20とが構成されている。また、図1に示すように、本実施形態の印加側取付部2は、高さ方向Xと幅方向Yとに広がる平面に配置されている。
【0050】
棒側取付部3は、試験器具1を絶縁操作棒A及び/又は絶縁操作棒Aに取り付けられた先端工具Bに取り付ける際に利用される。本実施形態の棒側取付部3は、金属製の棒状体により構成される。そのため、棒側取付部3は、導電性を有する。また、本実施形態の棒側取付部3は、印加側取付部2を構成する棒状体よりも小径の棒状体により構成されている。本実施形態の棒側取付部3は、棒取付本体部30と、棒延設部31とを備える。
【0051】
棒取付本体部30は、工具着脱部A2及び/又は電気接続部に対して取り付けるためのものである。本実施形態の棒取付本体部30は、幅方向Yの一方側Y1に向けて開口する環状に構成されている。また、図2に示すように、本実施形態の棒取付本体部30は、幅方向Yと厚さ方向Zとに広がる平面に配置される。
【0052】
環状の棒取付本体部30によって開口部分30aが形成される。この開口部分30aは、幅方向Yの一方側Y1に向けて開口するように構成されている。開口部分30aは、幅方向Y及び厚さ方向Zの長さが、連結部A26及び操作棒取付部B2の径方向yの長さよりも長い。そのため、本実施形態の棒取付本体部30は、工具着脱部A2及び/又は電気接続部を取り付け可能に構成される。その一方で、開口部分30aは、幅方向Y及び厚さ方向Zの長さが、大径土台部A22、固定補強部A25及び工具本体B1(具体的には、検電部B11)の径方向yの長さよりも短い。なお、本実施形態の開口部分30aは、幅方向Yにおける一方側Y1の端部(基端部)の厚さ方向Zにおける長さが最も短く、幅方向Yにおける他方側Y2に向かって厚さ方向Zにおける長さが長くなるように構成されている。
【0053】
棒延設部31は、棒取付本体部30の工具着脱部A2及び/又は電気接続部への取り付けをガイドするためのものである。そのため、棒延設部31は、棒ガイド部として機能する。棒延設部31は、高さ方向Xに直交する幅方向Y及び厚さ方向Zにより構成される平面に沿って延びる。本実施形態の棒延設部31は、延設本体部310と、ガイド延設部311と、接続延設部312とを備える。
【0054】
延設本体部310は、高さ方向Xに直交する方向に延びる。本実施形態の延設本体部310は、幅方向Yに延びる。また、本実施形態の延設本体部310は、幅方向Yの一方側Y1から他方側Y2に進むほど、厚さ方向Zの他方側Z2に傾斜している。本実施形態の延設本体部310は、幅方向Yの長さが、棒取付本体部30の幅方向Yの長さよりも長い。延設本体部310は、棒取付本体部30よりも幅方向Yの一方側Y1に配置されている。本実施形態の延設本体部310は、幅方向Yにおいて棒取付本体部30に連設している。
【0055】
ガイド延設部311は、延設本体部310の延びる方向と同一の方向に延びる。そのため、本実施形態のガイド延設部311は、幅方向Yに延びる。また、ガイド延設部311は、延設本体部310の延びる方向と直交する方向で延設本体部310と対向するように配置されている。そのため、本実施形態のガイド延設部311は、厚さ方向Zにおいて延設本体部310と対向している。本実施形態のガイド延設部311は、延設本体部310よりも厚さ方向Zの他方側Z2に配置されている。具体的に、ガイド延設部311は、棒取付本体部30に連設している。よって、本実施形態の棒延設部31は、棒取付本体部30よりも幅方向Yの一方側Y1に配置されている。
【0056】
本実施形態のガイド延設部311は、幅方向Yの長さが延設本体部310の幅方向Yの長さと略同一である。加えて、本実施形態のガイド延設部311は、幅方向Yの一方側Y1から他方側Y2に進むほど、厚さ方向Zの一方側Z1に傾斜している。そのため、本実施形態の棒側取付部3には、延設本体部310とガイド延設部311とにより構成される領域31aが設けられている。ここで、本実施形態の延設本体部310とガイド延設部311との厚さ方向Zにおける距離は、幅方向Yの一方側Y1の先端が最も長く、幅方向Yの一方側Y1から他方側Y2に進むほど徐々に短くなり、幅方向Yの他方側Y2の基端が最も短い。よって、領域31aは、幅方向Yの一方側Y1が最も長く、幅方向Yの一方側Y1から他方側Y2に進むほど、厚さ方向Zにおいて徐々に短くなるように構成される。また、この領域31aは、幅方向Yの一方側Y1に向かって開口しており、幅方向Yの他方側Y2が開口部分30aに連通している。さらに、領域31aの厚さ方向Zにおける長さは、連結部A26及び操作棒取付部B2の径方向Yの長さよりも長い。本実施形態では、領域31aのうち、幅方向Yの他方側Y2の基端における厚さ方向Zの長さは、開口部分30aの厚さ方向Zの長さよりも短い。なお、本実施形態では、領域31aの幅方向Yの長さは、開口部分30aの幅方向Yの長さよりも短い。
【0057】
本実施形態の延設本体部310とガイド延設部311とは、幅方向Yにおいて、棒取付本体部30よりも一方側Y1に配置されている。よって、本実施形態の延設本体部310とガイド延設部311とは、幅方向Yの一方側Y1に向けて開口する開口部分30aから幅方向Yの一方側Y1に延設される。延設本体部310及びガイド延設部311における幅方向Yの他方側Y2の端部(延設先端部)が、棒取付本体部30と連設している。換言すると、棒取付本体部30は、棒延設部31(具体的には、延設本体部310とガイド延設部311)の延設先端部に配置されている。
【0058】
ガイド延設部311には、ガイド延設部311が延びる方向と直交する方向に延びる延設軸部313が設けられている。本実施形態の延設軸部313は、厚さ方向Zに延びる。具体的に、延設軸部313は、ガイド延設部311の幅方向Yにおける一方側Y1の端部(先端部)に設けられ、且つガイド延設部311から厚さ方向Zの他方側Z2に延びる。
【0059】
接続延設部312は、延設本体部310が延びる方向と直交する方向に延びる。本実施形態の接続延設部312は、厚さ方向Zに延びる。接続延設部312は、延設本体部310に設けられている。具体的に、本実施形態の接続延設部312は、延設本体部310の幅方向Yにおける一方側Y1の端部(先端部)から厚さ方向Zの一方側Z1に延設されている。なお、本実施形態の接続延設部312は、厚さ方向Zにおける長さが延設本体部310の幅方向Yにおける長さよりも短い。
【0060】
本実施形態では、金属製の棒状体(具体的には、円形状の棒状体)を曲げ加工することにより、棒側取付部3と棒延設部31とが構成されている。また、図2に示すように、本実施形態の棒側取付部3は、幅方向Yと厚さ方向Zに広がる平面に配置されている。
【0061】
印加側取付部2と棒側取付部3とは取り付けられている。本実施形態では、高さ方向Xと幅方向Yとに広がる平面に配置される印加側取付部2と、幅方向Yと厚さ方向Zに広がる平面に配置される棒側取付部3とが取り付けられている。具体的には、棒延設部31と接続部としての印加延設部21とが取り付けられている。なお、図1に示すように、本実施形態の棒延設部31は、印加延設部21の高さ方向Xにおける基端部及び先端部の間に取り付けられている。
【0062】
図2に示すように、本実施形態では、厚さ方向Zの他方側Z2から延設本体部310を印加延設部21に当接させ、且つ幅方向Yの一方側Y1から接続延設部312を印加延設部21に当接させる。また、本実施形態では、ハンダにより延設本体部310と接続延設部312とを印加延設部21に固定している。なお、本実施形態では、棒延設部31と印加延設部21とには銅線Cが巻き付けられている。このように、棒側取付部3と印加側取付部2とが取り付けられることにより、試験器具1が構成される。よって、導電性を有する棒側取付部3及び印加側取付部2は、電気的に接続している。
【0063】
図2に示すように、棒側取付部3と印加側取付部2とが取り付けられて試験器具1が構成された状態において、本実施形態の棒取付本体部30は、印加側取付部2よりも厚さ方向Zの他方側Z2に配置されている。また、本実施形態の棒取付本体部30は、印加側取付部2よりも幅方向Yの他方側Y2に配置されている。さらに、本実施形態の棒取付本体部30は、印加取付本体部20よりも高さ方向Xの他方側X2に配置されている。そのため、本実施形態の棒取付本体部30は、幅方向Yで印加取付本体部20に向いて開口し、且つ印加取付本体部20よりも下側に配置されている。したがって、本実施形態の棒側取付部3は、印加取付本体部20よりも高さ方向Xの他方側X2に配置されている。
【0064】
以上が、本実施形態に係る試験器具1の構成についての説明である。続いて、絶縁操作棒Aの耐電圧試験のために、本実施形態の試験器具1を用いて絶縁操作棒Aを印加手段Wに接続する接続方法について説明する。この接続方法では、絶縁操作棒A又は絶縁操作棒Aに取り付けられた先端工具Bに対して試験器具1を接続する絶縁接続工程と、印加手段Wに対して試験器具1を接続する印加接続工程とを行うことにより、絶縁操作棒Aが印加手段Wに接続される。よって、この接続方法は、絶縁接続工程と印加接続工程とを備える。
【0065】
はじめに、絶縁接続工程について説明する。最初に、絶縁接続工程として、絶縁操作棒Aに対して試験器具1を接続する場合を説明する。なお、この場合には、絶縁操作棒Aに対して先端工具Bが取り付けられていてもよいし、取り付けられていなくてもよい。絶縁操作棒Aに対して試験器具1を電気的に接続する場合、まず、高さ方向Xを軸方向xに合わせ、且つ幅方向Yと厚さ方向Zとを径方向yに合わせる。具体的には、高さ方向Xの一方側X1を軸方向xの一方側x1に合わせ、高さ方向Xの他方側X2を軸方向xの他方側x2に合わせる。
【0066】
続いて、工具着脱部A2に棒側取付部3を取り付ける。本実施形態では、凹部A27に対して棒取付本体部30を掛ける。ここで、領域31aの厚さ方向Zにおける長さは、連結部A26の径方向yの長さよりも長い。また、開口部分30aは、幅方向Y及び厚さ方向Zの長さが、連結部A26の径方向yの長さよりも長い。さらに、領域31aは、幅方向Yの一方側Y1に向かって開口しており、幅方向Yの他方側Y2が開口部分30aに連通している。そのため、工具着脱部A2に対して棒側取付部3を幅方向Yの他方側Y2から一方側Y1に動かすことにより、連結部A26は、領域31aを介して開口部分30aに通される。特に、本実施形態の領域31aは、幅方向Yの一方側Y1が最も長い。そのため、連結部A26を領域31aに通しやすい。
【0067】
また、開口部分30aは、幅方向Y及び厚さ方向Zの長さが、大径土台部A22と固定補強部A25の径方向yの長さよりも短い。そのため、連結部A26が開口部分30aに通された状態では、棒取付本体部30は、軸方向xにおいて大径土台部A22と固定補強部A25に当接するように配置される。よって、大径土台部A22と固定補強部A25とにより、軸方向xで棒取付本体部30が凹部A27から抜けることを防止できる。このように、棒取付本体部30が幅方向Yで凹部A27に掛けられることにより、棒側取付部3が工具着脱部A2に取り付けられる。したがって、試験器具1が絶縁操作棒Aに接続される。また、工具着脱部A2に取り付けられた棒側取付部3が、導電性を有する工具着脱部A2に当接することにより、棒側取付部3と工具着脱部A2とが電気的に接続する。
【0068】
ここで、本実施形態の棒延設部31は、棒取付本体部30よりも幅方向Yの一方側Y1に配置されている。具体的には、本実施形態の棒延設部31において、厚さ方向Zで対向する延設本体部310とガイド延設部311とが幅方向Yに延びる。そのため、連結部A26が領域31aを介して開口部分30aに通される際には、連結部A26は、厚さ方向Zの一方側Z1及び他方側Z2において、延設本体部310とガイド延設部311それぞれにより幅方向Yにガイドされる。よって、棒ガイド部として機能する棒延設部31は、棒取付本体部30の工具着脱部A2への取り付けをガイドする。特に、本実施形態では、ガイド延設部311が、厚さ方向Zの他方側Z2から連結部A26を幅方向Yにガイドすることにより、延設本体部310による幅方向Yのガイドを補強している。また、上述の通り、本実施形態では、延設本体部310とガイド延設部311とが厚さ方向Zにおいて対向している。よって、連結部A26が領域31aを介して開口部分30aに通される際には、厚さ方向Zにおいて、連結部A26が領域31aから抜けることを防止できる。
【0069】
上述の通り、絶縁接続工程では、棒側取付部3が工具着脱部A2に取り付けられることにより、試験器具1が絶縁操作棒Aに接続される。ここで、絶縁操作棒Aにおいて、工具着脱部A2は把持部A10よりも軸方向xの一方側x1に配置されている。そのため、絶縁操作棒Aに接続された試験器具1は、把持部A10よりも軸方向xの一方側x1に配置される。
【0070】
また、上述の通り、印加側取付部2と棒側取付部3とは取り付けられている。そのため、絶縁操作棒Aに接続された試験器具1において、印加側取付部2は、軸方向xの先端部に配置される。具体的に、印加取付本体部20が印加延設部21の高さ方向Xにおける一方側X1の端部(先端部)に設けられ、印加延設部21が印加取付本体部20の高さ方向Xにおける基端部に連設している。そのため、印加取付本体部20は、軸方向xの先端に配置され、印加延設部21が軸方向xの先端部において軸方向xに延びる。
【0071】
次に、絶縁接続工程として、絶縁操作棒Aに取り付けられた先端工具Bに対して試験器具1を接続する場合を説明する。この場合も上記と同様に、まず、高さ方向Xを軸方向xに合わせ、且つ幅方向Yと厚さ方向Zとを径方向yに合わせる。
【0072】
続いて、電気接続部として構成される操作棒取付部B2に棒側取付部3を取り付ける。本実施形態では、凹部B21に対して棒取付本体部30を掛ける。ここで、領域31aの厚さ方向Zにおける長さは、操作棒取付部B2の径方向yの長さよりも長い。また、開口部分30aは、幅方向Y及び厚さ方向Zの長さが、操作棒取付部B2の径方向yの長さよりも長い。さらに、領域31aは、幅方向Yの一方側Y1に向かって開口しており、幅方向Yの他方側Y2が開口部分30aに連通している。そのため、操作棒取付部B2に対して棒側取付部3を幅方向Yの他方側Y2から一方側Y1に動かすことにより、操作棒取付部B2は、領域31aを介して開口部分30aに通される。
【0073】
また、開口部分30aは、幅方向Y及び厚さ方向Zの長さが、固定補強部A25及び工具本体B1(具体的には、検電部B11)の径方向yの長さよりも短い。そのため、操作棒取付部B2が開口部分30aに通された状態では、棒取付本体部30は、軸方向xにおいて固定補強部A25と工具本体B1に当接するように配置される。よって、固定補強部A25と工具本体B1とにより、軸方向xで棒取付本体部30が凹部B21から抜けることが防止される。このように、棒取付本体部30が幅方向Yで凹部B21に掛けられることにより、棒側取付部3が操作棒取付部B2に取り付けられる。したがって、試験器具1が絶縁操作棒Aに取り付けられた先端工具Bに取り付けられる。また、操作棒取付部B2に取り付けられた棒側取付部3が、導電性を有する操作棒取付部B2に電気的に接続されることにより、棒側取付部3と操作棒取付部B2とが電気的に接続される。
【0074】
操作棒取付部B2が領域31aを介して開口部分30aに通される際には、操作棒取付部B2は、厚さ方向Zの一方側Z1及び他方側Z2において、延設本体部310とガイド延設部311それぞれにより幅方向Yにガイドされる。よって、棒ガイド部として機能する棒延設部31は、棒取付本体部30の操作棒取付部B2への取り付けをガイドする。
【0075】
次に、印加接続工程について説明する。この印加接続工程は、絶縁接続工程の後に行われる。そのため、印加接続工程では、絶縁接続工程によって絶縁操作棒A又は絶縁操作棒Aに取り付けられた先端工具Bに対して取り付けられた試験器具1を印加手段Wに接続する。なお、本実施形態では、試験器具1を印加手段Wに接続する前の段階において印加手段Wには試験電圧が印加されていないものとする。
【0076】
印加接続工程では、印加手段Wに対して印加側取付部2を取り付ける。具体的には、高さ方向Xの一方側Xから印加取付本体部20を印加手段Wに引掛ける。ここで、開口部分20aは、高さ方向Xの他方側X2に向けて開口するように形成されている。また、この開口部分20aは、幅方向Yの長さが印加手段Wよりも長い。そのため、印加手段Wに対して印加側取付部2を高さ方向Xの一方側X1から他方側X2に動かすことにより、印加取付本体部20は、高さ方向Xの一方側X1から他方側X2に移動して印加手段Wに取り付けられる。よって、印加手段Wが開口部分20aに通されることにより、印加取付本体部20は、高さ方向Xの一方側X1から印加手段Wに接近して取り付けられる。したがって、印加取付本体部20は、高さ方向Xの一方側X1から印加手段Wに当接して引掛けられる。また、印加取付本体部20が印加手段Wに当接することにより、試験器具1と印加手段Wとが電気的に接続する。よって、絶縁操作棒Aと印加手段Wとが電気的に接続する。
【0077】
本実施形態において、印加取付本体部20よりも高さ方向Xの他方側X2に配置される印加延設部21は、高さ方向Xに沿って真っすぐ延びる。そのため、印加手段Wが開口部分20aに通される際には、印加延設部21が印加手段Wにガイドされながら、印加側取付部2は高さ方向Xの一方側X1から他方側X2に動く。よって、印加ガイド部として機能する印加延設部21は、印加側取付部2の高さ方向Xでの移動をガイドすることにより、印加取付本体部20の印加手段Wへの取り付けをガイドする。
【0078】
印加取付本体部20が高さ方向Xの一方側X1から印加手段Wに引掛けられることにより、試験器具1は高さ方向Xにおいて印加手段Wに接続される。その一方で、試験器具1が接続される絶縁操作棒Aは、該絶縁操作棒Aの自重により、試験器具1に対して高さ方向Xの他方側X2に動く。そのため、先端面A251が棒側取付部3に当接する。よって、絶縁操作棒Aと試験器具1とが電気的に接続される。したがって、絶縁操作棒Aと印加手段Wとが電気的に接続される。
【0079】
また、先端工具Bが取り付けられた絶縁操作棒Aの場合、絶縁操作棒Aが試験器具1に対して高さ方向Xの他方側X2に動くことで、工具本体B1(具体的には、検電部B11)の軸方向xにおける基端面が棒側取付部3に当接する。よって、先端工具Bを介して、絶縁操作棒Aと試験器具1とが電気的に接続される。したがって、絶縁操作棒Aと印加手段Wとが電気的に接続される。
【0080】
上述の通り、印加接続工程により、絶縁操作棒Aと印加手段Wとが電気的に接続される。続いて、絶縁操作棒Aに対して耐電圧試験を実施する。耐電圧試験では、まず、印加手段Wに対して試験電圧を印加する。印加手段Wに対して試験電圧を印加されると、試験器具1を介して絶縁操作棒Aに電気が流れることにより、絶縁操作棒Aに試験電圧が印加される。
【0081】
その後、作業者が試験電圧の印加された絶縁操作棒Aにおける把持部A10を把持する。ここで、把持部A10は、外面が電気絶縁材(例えば、FPR)により構成されることにより、絶縁性を有する。よって、作業者が把持部A10を把持しても、作業者は感電しない。
【0082】
以上、本実施形態によれば、印加取付本体部20は、高さ方向Xの他方側X2が開口するように、高さ方向Xの一方側X1に向かって凸となるように構成されている。そして、開口部分20aは、幅方向Yの長さが印加手段Wよりも長い。よって、印加取付本体部20を印加手段Wに対して引掛けることにより、印加取付本体部20を印加手段Wに対して取り付けることができるため、取り付けやすい。また、印加取付本体部20は、印加手段Wに対する取り外しもしやすい。
【0083】
また、本実施形態の印加取付本体部20は、高さ方向Xの他方側X2が開口するように、高さ方向Xの一方側X1に向かって凸となるように構成されている。そのため、図5に示すように、印加取付本体部20を印加手段Wに引掛けた状態において、例えば、印加取付本体部20が幅方向Yに動いたとしても、印加取付本体部20が印加手段Wから脱落するといったことを防止できる。
【0084】
また、本実施形態の印加延設部21は、高さ方向Xに沿って真っすぐ延びる。そして、本実施形態の印加延設部21は、印加取付本体部20の高さ方向Xにおける基端部に連設している。そのため、印加接続工程において、印加手段Wが開口部分20aに通される際には、印加延設部21が印加手段Wにガイドされながら、印加側取付部2は高さ方向Xの一方側X1から他方側X2に動く。よって、印加ガイド部として機能する印加延設部21は、印加側取付部2の高さ方向Xでの移動をガイドすることにより、印加取付本体部20の印加手段Wへの取り付けをガイドする。したがって、印加手段Wに対して印加取付本体部20を簡単に取り付けることができる。
【0085】
また、本実施形態の印加取付本体部20において、幅方向Yの一方側Y1の端部には、ゴムにより構成されるキャップK1が取り付けられている。さらに、印加延設部21の高さ方向Xにおける他方側X2の端部には、ゴムにより構成されるキャップK2が取り付けられている。そのため、印加取付本体部20における幅方向Yの一方側Y1の端部又は印加延設部21の高さ方向Xにおける他方側X2の端部が作業者に当たって、作業者にケガを負わせるといったことを防止できる。
【0086】
また、本実施形態の棒取付本体部30は、幅方向Yの一方側Y1に向けて開口する環状に構成されている。さらに、本実施形態の印加取付本体部20は、高さ方向Xの他方側X2が開口するように、高さ方向Xの一方側X1に向かって凸となるように構成されている。そのため、開口部分30aは、幅方向Yの一方側Y1に向けて開口するように形成され、開口部分20aは、高さ方向Xの他方側X2に向けて開口するように形成されている。よって、絶縁接続工程においては、棒取付本体部30が径方向yで凹部A27又は凹部B21に掛けられ、印加接続工程において、印加取付本体部20が高さ方向Xで印加手段Wに引掛けられる。したがって、試験器具1を用いて絶縁操作棒Aを印加手段Wに接続しやすい。
【0087】
また、本実施形態では、ガイド延設部311が、厚さ方向Zの他方側Z2から連結部A26を幅方向Yにガイドすることにより、延設本体部310による幅方向Yのガイドを補強している。よって、絶縁接続工程において、連結部A26が領域31aを介して開口部分30aに通される際には、厚さ方向Zにおいて連結部A26が延設本体部310から離れることを防止できると共に、連結部A26が領域31aから抜けることが防止できる。なお、絶縁接続工程として、絶縁操作棒Aに取り付けられた先端工具Bに対して試験器具1を接続する場合においては、操作棒取付部B2が延設本体部310から離れることを防止でき、且つ操作棒取付部B2が領域31aから抜けることが防止できる。
【0088】
また、本実施形態の棒取付本体部30は、幅方向Yで印加取付本体部20に向いて開口し、且つ印加取付本体部20よりも下側に配置されている。そのため、試験器具1により、印加手段Wに対して絶縁操作棒Aを接続した際には、絶縁操作棒Aの自重により、印加取付本体部20が上向きに開口するため、絶縁操作棒Aが落ちにくい。
【0089】
また、本実施形態では、領域31aのうち、幅方向Yの他方側Y2の基端における厚さ方向Zの長さは、開口部分30aの厚さ方向Zの長さよりも短い。そのため、例えば、領域31aを介して開口部分30aに通される連結部A26が、開口部分30aに対して厚さ方向Zに対応する径方向yで動くことにより、連結部A26が開口部分30aから抜けることを抑制できる。
【0090】
また、本実施形態の棒取付本体部30は、印加取付本体部20よりも高さ方向Xの他方側X2に配置されている。よって、絶縁接続工程における絶縁操作棒Aに対する試験器具1の取り付けと、印加接続工程における印加手段Wに対する試験器具1の取り付けを高さ方向Xの異なる位置で行うことができる。したがって、絶縁操作棒Aに対する試験器具1の取り付けと、印加手段Wに対する試験器具1の取り付けとを行いやすい。
【0091】
また、本実施形態の棒取付本体部30は、印加側取付部2よりも幅方向Yの他方側Y2に配置されている。そのため、絶縁接続工程により絶縁操作棒Aに対して試験器具1が取り付けられた状態において、絶縁操作棒Aは、印加側取付部2よりも幅方向Yの他方側Y2に配置される。よって、印加接続工程において、絶縁操作棒Aが印加手段Wに対する試験器具1の取り付けの妨げになることを防止できる。
【0092】
また、本実施形態では、棒側取付部3を構成する棒状体は、印加側取付部2を構成する棒状体よりも小径である。そのため、例えば、作業者が誤って印加側取付部2を工具着脱部A2に取り付け、棒側取付部3を印加手段Wに取り付けるといったことを防止できる。
【0093】
また、本実施形態の延設軸部313は、ガイド延設部311幅方向Yにおける先端部に設けられ、且つガイド延設部311から厚さ方向Zの他方側Z2に延びる。そのため、絶縁接続工程において、連結部A26又は操作棒取付部B2を領域31aに通す際に、例えば、延設軸部313が連結部A26又は操作棒取付部B2に当接することにより、絶縁操作棒A又は先端工具Bに対する試験器具1の取り付けの失敗を抑制できる。
【0094】
また、本実施形態では、高さ方向Xに延びる印加延設部21に対して、厚さ方向Zの他方側Z2から延設本体部310が当接し、且つ幅方向Yの一方側Y1から接続延設部312が当接する。よって、棒延設部31が印加延設部21に対して二点で接触するため、棒延設部31の印加延設部21に対する接触面積を増やすことができ、安定して、棒側取付部3と印加側取付部2とを取り付けることができる。
【0095】
また、絶縁操作棒の耐電圧試験のために、棒側取付部3と印加側取付部2とが電気的に接続している試験器具1を用いて絶縁操作棒Aを印加手段Wに接続する接続方法であって、絶縁操作棒Aに対して試験器具1を電気的に接続する絶縁接続工程と、印加手段Wに対して試験器具1を電気的に接続する印加接続工程とを備え、絶縁接続工程では、棒側取付部3を工具着脱部A2及び/又は電気接続部に取り付け、印加接続工程では、印加側取付部2を印加手段Wに取り付ける。よって、絶縁接続工程では、棒側取付部3を工具着脱部A2及び/又は電気接続部に取り付け、印加接続工程では、印加側取付部2を印加手段Wに取り付けることにより、絶縁操作棒Aを印加手段Wに電気的に接続でき、印加手段Wから絶縁操作棒Aに対して試験電圧を印加することにより耐電圧試験を行うことができる。
【0096】
また、絶縁接続工程では、凹部A27及び/又は凹部B21に対して棒取付本体部30を掛けることにより、棒側取付部3を工具着脱部A2及び/又は電気接続部に取り付ける。そのため、絶縁接続工程では、棒側取付部3を工具着脱部A2及び/又は電気接続部に取り付けやすく、試験器具1と絶縁操作棒Aとを接続しやすい。
【0097】
また、絶縁接続工程では、棒ガイド部として機能する棒延設部31が棒取付本体部30の工具着脱部A2及び/又は電気接続部への取り付けをガイドする。そのため、工具着脱部A2及び/又は電気接続部に対して棒取付本体部30を簡単に取り付けることができる。
【0098】
また、印加接続工程では、印加取付本体部20が、高さ方向Xの一方側X1から印加手段Wに引掛けられることにより、印加側取付部2を印加手段Wに取り付ける。よって、印加接続工程では、印加側取付部2を印加手段Wに取り付けやすく、試験器具1と印加手段Wとを接続しやすい。
【0099】
また、印加接続工程では、印加ガイド部として機能する印加延設部21が印加取付本体部20の印加手段Wへの取り付けをガイドする。そのため、印加手段Wに対して印加取付本体部20を簡単に取り付けることができる。
【0100】
また、印加接続工程は、絶縁接続工程の後に行われる。そのため、絶縁接続工程で試験器具1と絶縁操作棒Aとを接続してから、印加接続工程で試験器具1と印加手段Wとを接続できるため、絶縁操作棒Aを印加手段Wに接続できる。
【0101】
なお、本発明は、上記一実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。
【0102】
例えば、図7a,7bに示すように、上記一実施形態とは異なるように構成された、他の実施形態に係る試験器具1であってもよい。他の実施形態に係る試験器具1では、印加手段Wを挟持することにより、印加側取付部2を印加手段Wに取り付ける点で、上記一実施形態とは異なる。図7aに示すように、他の実施形態に係る印加側取付部2は、一対の印加取付本体部20,20を備える。
【0103】
一方の印加取付本体部20は、幅方向Yに延びる。一方の印加取付本体部20は、印加挟持部200と、印加把持部201と、印加連結部202とを備える。印加挟持部200は、幅方向Yに延びる。印加挟持部200は、幅方向Yの一方側Y1から他方側Y2に進むほど、高さ方向Xの一方側X1に傾斜している。印加把持部201は、印加挟持部200の幅方向Yの他方側Y2に連設している。印加把持部201は、幅方向Yの一方側Y1から他方側Y2に進むほど、高さ方向Xの一方側X1に傾斜している。印加連結部202は、印加挟持部200から高さ方向Xの他方側X2に突出している。この印加連結部202は、印加挟持部200の幅方向Yの先端部に設けられている。
【0104】
他方の印加取付本体部20は、一方の印加取付本体部20と同様に、印加挟持部200と、印加把持部201と、印加連結部202とを備える。図7aに示すように、印加挟持部200は、幅方向Yの一方側Y1から他方側Y2に進むほど、高さ方向Xの他方側X2に傾斜している。また、印加挟持部200の幅方向Yの他方側Y2に連設している印加把持部201は、幅方向Yの一方側Y1から他方側Y2に進むほど、高さ方向Xの他方側X2に傾斜している。印加挟持部200の幅方向Yの先端部に設けられている印加連結部202は、印加挟持部200から高さ方向Xの一方側X1に突出している。
【0105】
一対の印加取付本体部20,20は、高さ方向Xで対向している。具体的には、幅方向Yの一方側Y1において印加挟持部200,200が高さ方向Xで対向し、幅方向Yの他方側Y2において印加把持部201,201が高さ方向Xで対向している。また、他の実施形態では、高さ方向Xで対向する印加挟持部200,200により、開口部分20aが形成される。さらに、一対の印加取付本体部20,20では、幅方向Yの一方側Y1から他方側Y2に進むにつれて、高さ方向Xで離間する距離が長くなっている。よって、高さ方向Xで対向している一対の印加取付本体部20,20において、印加把持部201,201の高さ方向Xの距離が、印加挟持部200,200の高さ方向Xの距離よりも長い。なお、図7aに示すように、幅方向Yの一方側Y1において、印加挟持部200,200が高さ方向Xで当接している。
【0106】
印加連結部202,202が厚さ方向Zで重なっている。また、印加連結部202,202には、厚さ方向Zに延びる軸部203が挿通されている。よって、一対の印加取付本体部20,20では、印加把持部201,201が高さ方向Xで接離可能に構成されると共に、印加挟持部200,200が高さ方向Xで接離可能に構成される。したがって、高さ方向Xにおいて、印加把持部201,201を高さ方向Xで近付けることにより、印加挟持部200,200が高さ方向Xで離れ、印加把持部201,201を高さ方向Xで離すことにより、印加挟持部200,200が高さ方向Xで近付くように構成されている。また、本実施形態では、印加挟持部200,200が高さ方向Xで離れるより、開口部分20aは幅方向Yの一方側Y1に向かって開口するように形成される。
【0107】
図7bに示すように、他の実施形態に係る棒側取付部3は、一対の棒取付本体部30,30を備える。一方の棒取付本体部30は、棒挟持部300と、棒把持部301と、棒連結部302とを備える。棒挟持部300は、幅方向Yに延びる。棒挟持部300は、幅方向Yの他方側Y2から一方側Y1に進むほど、厚さ方向Zの一方側Z1に傾斜している。棒把持部301は、棒挟持部300の幅方向Yの一方側Y1に連設している。棒把持部301は、幅方向Yの他方側Y2から一方側Y1に進むほど、厚さ方向Zの一方側Z1に傾斜している。棒連結部302は、棒挟持部300から厚さ方向Zの他方側Z2に突出している。この棒連結部302は、棒挟持部300の幅方向Yの基端部に設けられている。
【0108】
他方の棒取付本体部30は、一方の棒取付本体部30と同様に、棒挟持部300と、棒把持部301と、棒連結部302とを備える。棒挟持部300は、幅方向Yの他方側Y2から一方側Y1に進むほど、厚さ方向Zの他方側Z2に傾斜している。また、棒挟持部300の幅方向Yの一方側Y1に連設している棒把持部301は、幅方向Yの他方側Y2から一方側Y1に進むほど、厚さ方向Zの他方側Z2に傾斜している。棒挟持部300の幅方向Yの基端部に設けられている棒連結部302は、棒挟持部300から厚さ方向Xの一方側Z1に突出している。
【0109】
一対の棒取付本体部30,30は、厚さ方向Yで対向している。具体的には、幅方向Yの他方側Y2において棒挟持部300,300が厚さ方向Zで対向し、幅方向Yの一方側Y1において棒把持部301,301が厚さ方向Zで対向している。また、他の実施形態では、厚さ方向Zで対向する棒挟持部300,300により、開口部分30aが形成される。さらに、一対の棒取付本体部30,30では、幅方向Yの他方側Y2から一方側Y1に進むにつれて、厚さ方向Zで離間する距離が長くなっている。よって、厚さ方向Zで対向している一対の棒取付本体部30,30において、棒把持部301,301の厚さ方向Zの距離が、棒挟持部300,300の厚さ方向Zの距離よりも長い。なお、図7に示すように、幅方向Yの他方側Y2において、棒挟持部300,300が厚さ方向Zで当接している。
【0110】
棒連結部302,302が高さ方向Xで重なっている。また、棒連結部302,302には、高さ方向Xに延びる軸部303が挿通されている。よって、一対の棒取付本体部30,30では、棒把持部301,301が厚さ方向Zで接離可能に構成されると共に、棒挟持部300,300が厚さ方向Zで接離可能に構成される。したがって、厚さ方向Zにおいて、棒把持部301,301を厚さ方向Zで近付けることにより、棒挟持部300,300が厚さ方向Zで離れ、棒把持部301,301を厚さ方向Zで離すことにより、棒挟持部300,300が厚さ方向Zで近付くように構成されている。また、本実施形態では、棒挟持部300,300が厚さ方向Zで離れるより、開口部分30aは幅方向Yの他方側Y2に向かって開口するように形成される。
【0111】
他方の印加取付本体部20と一方の棒取付本体部30とが取り付けられている。具体的には、図7aに示すように、印加把持部201の高さ方向Xの他方側X2の端面と棒把持部301の高さ方向Xの一方側X1の端面とが取り付けられている。そのため、棒側取付部3は、印加側取付部2よりも高さ方向Xの他方側Xに配置されている。
【0112】
他の実施形態の印加側取付部2では、印加把持部201,201を高さ方向Xで近付け、印加挟持部200,200を高さ方向Xで離すことより、開口部分20aを幅方向Yの一方側Y1に向かって開口させる。よって、幅方向Yの他方側Y2から開口部分20aに印加手段Wを通し、印加挟持部200,200を高さ方向Xで近づけることにより、印加挟持部200,200で印加手段Wを挟持する。したがって、印加挟持部200,200で印加手段Wを挟持することにより、印加側取付部2を印加手段Wに取り付ける。
【0113】
また、棒側取付部3では、棒把持部301,301を厚さ方向Zで近付け、棒挟持部300,300を厚さ方向Zで離すことにより、開口部分30aを幅方向Yの他方側Y2に向かって開口させる。よって、幅方向Yの一方側Y1から開口部分30aに連結部A26又は操作棒取付部B2を通し、棒挟持部300,300を厚さ方向Zで近付けることにより、棒挟持部300,300で連結部A26又は操作棒取付部B2を挟持する。したがって、棒挟持部300,300で連結部A26又は操作棒取付部B2を挟持することにより、棒側取付部3を工具着脱部A2又は電気接続部に取り付ける。
【0114】
以上、他の実施形態によれば、印加側取付部2は、印加手段Wを挟持する一対の印加挟持部200,200を備え、一対の印加挟持部200,200で印加手段Wを挟持することにより、印加側取付部2が印加手段Wに取り付けられる。よって、他の実施形態では、一対の印加挟持部200,200が高さ方向Xの両側X1,X2から印加手段Wを挟持することにより、試験器具1と印加手段Wとを接続できる。
【0115】
また、一対の印加挟持部200,200が印加手段Wを挟持することにより、印加取付本体部20を印加手段Wに対してしっかりと固定でき、試験器具1と印加手段Wとが外れることを防止できる。
【0116】
また、棒側取付部3は、連結部A26又は操作棒取付部B2を挟持する一対の棒挟持部300,300を備え、一対の棒挟持部300,300で連結部A26又は操作棒取付部B2を挟持することにより、棒側取付部3が工具着脱部A2及び/又は電気接続部に対して取り付けられる。よって、他の実施形態では、一対の棒挟持部300,300で厚さ方向Zの両側Z1,Z2から連結部A26又は操作棒取付部B2を挟持することにより、試験器具1と絶縁操作棒Aとを接続できる。
【0117】
また、一対の棒挟持部300,300で連結部A26又は操作棒取付部B2を挟持することにより、棒取付本体部30を工具着脱部A2及び/又は電気接続部に対してしっかりと固定でき、試験器具1と絶縁操作棒Aとが外れることを防止できる。
【0118】
また、他の実施形態では、一対の印加挟持部200,200が印加手段Wを挟持し、一対の棒挟持部300,300で連結部A26又は操作棒取付部B2を挟持することにより、絶縁操作棒Aと印加手段Wとが接続される。よって、絶縁操作棒Aと印加手段Wとをしっかりと固定することができる。
【0119】
また、例えば、図8a,8bに示すように、上記一実施形態及び他の実施形態とは異なる別の実施形態に係る試験器具1であってもよい。以下では、別の実施形態に係る試験器具1について説明する。なお、別の実施形態に係る試験器具1を説明するに際して、一実施形態及び他の実施形態と同一の構成及び作用については説明を省略する。
【0120】
別の実施形態に係る試験器具1では、印加側取付部2は印加取付本体部20のみを備える。印加取付本体部20は、印加載置部204と、脱落防止部205とを備える。
【0121】
印加載置部204は、印加手段Wに対して載置される部分である。図8bに示すように、印加載置部204は、幅方向Yに沿って延びる。具体的には、印加載置部204は、幅方向Yと厚さ方向Zとに沿って延びるように構成される。加えて、図8aに示すように、本実施形態の印加載置部204は、高さ方向Xに延びる。また、本実施形態の印加載置部204では、幅方向Yの長さが厚さ方向Z及び高さ方向Xの長さよりも長い。さらに、本実施形態の印加載置部204は、幅方向Yの長さが印加手段Wよりも長い。なお、本実施形態の印加載置部204では、高さ方向Xにおける他方側X2の端面(基端面)が幅方向Yと厚さ方向Zとに沿って広がる。
【0122】
脱落防止部205は、印加手段Wから印加載置部204が脱落することを防止するためのものである。具体的に、幅方向Yの一方側Y1から印加手段Wに当接可能に構成されている。具体的に、脱落防止部205は、印加載置部204の幅方向Yの一方側Y1に設けられている。また、脱落防止部205は、印加載置部204から高さ方向Xの他方側X2に突出している。脱落防止部205は、幅方向Yにおいて印加載置部204よりも短い。本実施形態の脱落防止部205は、高さ方向Xにおいて印加載置部204よりも長い。また、本実施形態の脱落防止部205は、厚さ方向Zにおいて印加載置部204と略同一の長さとして構成されている。
【0123】
また、別の実施形態に係る試験器具1では、棒側取付部3は棒取付本体部30のみを備える。図8bに示すように、別の実施形態の棒取付本体部30は、幅方向Yの他方側Y2に向けて開口する環状に構成されている。そのため、別の実施形態において、開口部分30aは、幅方向Yの他方側Y2に向けて開口している。また、別の実施形態の棒取付本体部30は、印加取付本体部20よりも幅方向Yの他方側Y2に配置されている。具体的に、別の実施形態の棒取付本体部30は、印加取付本体部20に取り付けられている。さらに、別の実施形態の棒取付本体部30は、高さ方向Xにおいて印加取付本体部20と略同一の位置に配置されている。加えて、図8bに示すように、棒取付本体部30は、厚さ方向Zにおいて印加取付本体部20よりも長い。一方で、図8aに示すように、棒取付本体部30は、幅方向Yにおいて印加取付本体部20よりも短い。
【0124】
別の実施形態の棒取付本体部30は、幅方向Yの他方側Y2に向けて開口する環状に構成されている。そのため、工具着脱部A2に対して棒側取付部3を幅方向Yの一方側Y1から他方側Y2に動かすことにより、連結部A26は、開口部分30aに通される。よって、棒取付本体部30が幅方向Yの一方側Y1から凹部A27に掛けられることにより、棒側取付部3が工具着脱部A2に取り付けられる。なお、操作棒取付部B2に対して棒側取付部3を取り付ける場合にも、棒側取付部3を幅方向Yの一方側Y1から他方側Y2に動かして、操作棒取付部B2を開口部分30aに通す。
【0125】
別の実施形態によれば、印加側取付部2は、印加手段Wに載置される印加載置部204を備える。そのため、印加載置部204を印加手段Wに対して載置することにより、印加手段Wに対して印加側取付部2を取り付けることができ、試験器具1を印加手段Wに接続しやすい。よって、絶縁操作棒Aに取り付けられた試験器具1を印加手段Wに接続することにより、絶縁操作棒Aを印加手段Wに接続できる。
【0126】
また、印加載置部204は、幅方向Yと厚さ方向Zとに沿って延びるように構成される。そのため、高さ方向Xにおける他方側X2の端面(基端面)が幅方向Yと厚さ方向Zとに沿って広がる。よって、印加載置部204における高さ方向Xの基端面が高さ方向Xの一方側X1から印加手段Wに載置される。したがって、印加手段Wに対して安定して印加側取付部2を取り付けることができる。
【0127】
印加側取付部2は、印加載置部204から高さ方向Xの他方側X2に突出している脱落防止部205を備え、この脱落防止部205は、印加載置部204を印加手段Wに載置した状態において、幅方向Yの一方側から印加手段Wに当接可能である。そのため、印加載置部204を印加手段Wに対して載置した場合において、印加取付本体部20が幅方向Yの他方側Y2に動いたとしても、脱落防止部205が幅方向Yの一方側Y1から印加手段Wに当接する。したがって、印加取付本体部20が印加手段Wから脱落することを防止できる。
【0128】
上記一実施形態では、操作棒取付部B2が電気接続部として構成されている場合について説明した。しかし、これに限らず、例えば、先端工具Bにおける間接活線作業を行う部位、例えば、バインド打ち器の先端フック部やクランプの挟持部などのように、操作棒取付部B2と電気的に接続している部分を電気接続部とすることもできる。
【0129】
また、例えば、先端工具Bの全体が金属で構成され、工具本体B1と操作棒取付部B2とが電気的に接続している場合には、操作棒取付部B2と工具着脱部A2とが電気的に接続されることにより、工具本体B1も工具着脱部A2と電気的に接続されてもよい。
【0130】
上記実施形態では、図1に示すように、印加延設部21が高さ方向Xに沿って真っすぐ延びる場合について説明したが、例えば、印加延設部21は、高さ方向Xの一方側X1に進むにつれて、幅方向Yの一方側Y1又は他方側Y2に傾斜するように構成されていてもよい。
【0131】
また、上記実施形態では、印加側取付部2と棒側取付部3とが取り付けられることにより、棒側取付部3及び印加側取付部2は電気的に接続していた。しかし、棒側取付部3及び印加側取付部2が電気的に接続していればよく、例えば、棒側取付部3と印加側取付部2とが連結部分を介して離れて連結されることにより、棒側取付部3及び印加側取付部2が電気的に接続していてもよい。
【0132】
上記一実施形態の棒取付本体部30は、幅方向Yと厚さ方向Zとに広がる平面に配置されていた。しかし、これに限らず、例えば、棒取付本体部30は、高さ方向Xと幅方向Y又は厚さ方向Zに広がる平面に配置されていてもよい。この場合、棒取付本体部30は、例えば、厚さ方向Zの一方側Z1又は他方側Z2に向けて開口する環状に構成されていてもよい。
【0133】
また、例えば、印加取付本体部20が印加手段Wに磁着することにより、印加側取付部2が印加手段Wに取り付けられてもよい。
【0134】
上記一実施形態では、棒側取付部3を工具着脱部A2又は電気接続部としての操作棒取付部B2に取り付ける場合について説明した。しかし、これに限らず、例えば、棒側取付部3を工具着脱部A2及び電気接続部としての操作棒取付部B2に取り付けてもよい。
【符号の説明】
【0135】
1:試験器具、2:印加側取付部、20:印加取付本体部、20a:開口部分、200:印加挟持部、201:印加把持部、202:印加連結部、21:印加延設部、3:棒側取付部、30:棒取付本体部、30a:開口部分、300:棒挟持部、301:棒把持部、302:棒連結部、31:棒延設部、310:延設本体部、311:ガイド延設部、312:接続延設部、313:延設軸部、A:絶縁操作棒、A1:操作棒本体、A10:把持部、A11:鍔部、A12:離隔部、A13:ヘッド部、A2:工具着脱部、A20:土台部、A21:小径土台部、A22:大径土台部、A220:基端面、A221:先端面、A23:工具固定部、A24:ねじ固定部、A25:固定補強部、A250:基端面、A251:先端面、A26:連結部、A27:凹部、B:先端工具、B1:工具本体、B10:接触部、B11:検電部、B12:報知手段、B2:操作棒取付部、B20:雌ねじ、C:銅線、K1:キャップ、K2:キャップ、W:印加手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図8a
図8b