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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078243
(43)【公開日】2024-06-10
(54)【発明の名称】プラスチック容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 1/26 20060101AFI20240603BHJP
   B65D 75/58 20060101ALI20240603BHJP
【FI】
B65D1/26 120
B65D75/58
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022190664
(22)【出願日】2022-11-29
(71)【出願人】
【識別番号】502038989
【氏名又は名称】ベスパック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137589
【弁理士】
【氏名又は名称】右田 俊介
(72)【発明者】
【氏名】原 信治
(72)【発明者】
【氏名】砂田 緑
【テーマコード(参考)】
3E033
3E067
【Fターム(参考)】
3E033AA09
3E033BA13
3E033CA20
3E033DA08
3E033DC03
3E033DD01
3E033EA05
3E033FA04
3E067BA10A
3E067BB14A
3E067BC07A
3E067CA24
3E067EA06
3E067EA15
3E067EB11
3E067EB27
3E067EE39
3E067EE59
3E067FA01
3E067FC01
3E067GD08
(57)【要約】
【課題】フィルム蓋を容易にフランジ部から剥離することが可能な構造のプラスチック容器を提供する。
【解決手段】プラスチック容器100は、容器本体10と、フランジ部12と、フランジ部12に対して接合されることにより容器本体10の上端の開口13を塞いでいるフィルム蓋50と、を備え、フランジ部12の周方向における1箇所が摘まみ部70を構成しており、摘まみ部70は、7度を超える傾斜角度で外方に向けて下り傾斜しており、フィルム蓋50は摘まみ部70に覆い被さっており、下り傾斜している摘まみ部70は、フランジ部12に外接する矩形に収まっており、かつ摘まみ部70を撓ませて水平にした状態では、矩形から外方に突出する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧空成形又は真空成形により製造されたプラスチック容器であって、
上端が開口した箱型の容器本体と、
前記容器本体の上端から外周囲に張り出しているフランジ部と、
前記フランジ部に対して接合されることにより前記容器本体の上端の開口を塞いでいるフィルム蓋と、
を備え、
前記フランジ部の周方向における1箇所以上が摘まみ部を構成しており、
前記摘まみ部は、7度を超える傾斜角度で外方に向けて下り傾斜しており、
前記フィルム蓋は前記摘まみ部に覆い被さっており、
下り傾斜している前記摘まみ部は平面視で前記フランジ部に外接する矩形に収まっており、かつ前記摘まみ部を撓ませて水平にした状態では、前記矩形から外方に突出するプラスチック容器。
【請求項2】
前記矩形は、平面視における前記フランジ部の中心を通り当該フランジ部の外周上の2点を繋ぐ線分のうち長さが最小の線分である最小長線分に対して平行な2辺と、当該フランジ部の外周上の2点を繋ぐ線分のうち前記最小長線分に対して直交する線分である直交線分に対して平行な2辺と、により構成される矩形である請求項1に記載のプラスチック容器。
【請求項3】
前記フィルム蓋と前記フランジ部との接合部の外縁は、前記摘まみ部よりも内側に位置している請求項1又は2に記載のプラスチック容器。
【請求項4】
前記摘まみ部は平板状である請求項1又は2に記載のプラスチック容器。
【請求項5】
前記摘まみ部の下面は、手指に対応する凹曲面形状に形成されている請求項1又は2に記載のプラスチック容器。
【請求項6】
前記摘まみ部は、外方に向けて階段状に下り傾斜している請求項5に記載のプラスチック容器。
【請求項7】
前記摘まみ部には、補強リブが形成されている請求項5に記載のプラスチック容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチック容器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、圧空成形又は真空成形により製造されたプラスチック容器(同文献には密封容器と記載)であって、上端が開口した箱型の容器本体と、容器本体の上端から外周囲に張り出しているフランジ部と、フランジ部に対して接合されることにより容器本体の上端の開口を塞いでいるフィルム蓋(同文献には蓋と記載)と、を備え、フランジ部の4つの角部のうちの1つの角部は摘まみ部(同文献には下摘みと記載)を構成しているプラスチック容器が記載されている。
特許文献1に記載のプラスチック容器では、フィルム蓋をフランジから剥離する際には、使用者は、片方の手の指で摘まみ部を摘まみつつ、もう片方の手の指でフィルム蓋の角部(同文献には上摘みと記載)を摘まみフランジ部から引き剥がす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-312732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、本発明者の検討によれば、特許文献1のプラスチック容器では、フィルム蓋をより容易にフランジ部から剥離するための構造について、改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、フィルム蓋をより容易にフランジ部から剥離することが可能な構造のプラスチック容器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、圧空成形又は真空成形により製造されたプラスチック容器であって、
上端が開口した箱型の容器本体と、
前記容器本体の上端から外周囲に張り出しているフランジ部と、
前記フランジ部に対して接合されることにより前記容器本体の上端の開口を塞いでいるフィルム蓋と、
を備え、
前記フランジ部の周方向における1箇所以上が摘まみ部を構成しており、
前記摘まみ部は、7度を超える傾斜角度で外方に向けて下り傾斜しており、
前記フィルム蓋は前記摘まみ部に覆い被さっており、
下り傾斜している前記摘まみ部は平面視で前記フランジ部に外接する矩形に収まっており、かつ前記摘まみ部を撓ませて水平にした状態では、前記矩形状の形状から外方に突出するプラスチック容器が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、フィルム蓋をより容易にフランジ部から剥離することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係るプラスチック容器の斜視図である。
図2】第1実施形態に係るプラスチック容器の平面図である。
図3】第1実施形態に係るプラスチック容器の側面図である。
図4図4(a)は第1実施形態における摘まみ部及びその周辺構造を示す平面図であり、図4(b)は図2のA-A線に沿った断面図である。
図5】第1実施形態における摘まみ部及びその周辺構造を示す斜視図である。
図6】第1実施形態に係るプラスチック容器のフィルム蓋をフランジ部から剥離する際の動作の一例を説明するための模式図である。
図7】第2実施形態に係るプラスチック容器の平面図である。
図8】第2実施形態に係るプラスチック容器の側面図である。
図9図9(a)は第2実施形態における摘まみ部及びその周辺構造を示す側面図であり、図9(b)は図7のA-A線に沿った断面図である。
図10】第2実施形態における摘まみ部及びその周辺構造を示す斜視図である。
図11】第2実施形態に係るプラスチック容器のフィルム蓋をフランジ部から剥離する際の動作の一例を説明するための模式図である。
図12図12(a)、図12(b)及び図12(c)は第3実施形態における摘まみ部及びその周辺構造を示す図であり、このうち図12(a)は斜視図、図12(b)は平面図、図12(c)は図12(b)のA-A線に沿った断面図である。
図13図13(a)、図13(b)及び図13(c)は第4実施形態における摘まみ部及びその周辺構造を示す図であり、このうち図13(a)は斜視図、図13(b)は平面図、図13(c)は図13(b)のA-A線に沿った断面図である。
図14図14(a)、図14(b)及び図14(c)は第4実施形態の変形例1における摘まみ部及びその周辺構造を示す図であり、このうち図14(a)は斜視図、図14(b)は平面図、図14(c)は図14(b)のA-A線に沿った断面図である。
図15図15(a)、図15(b)及び図15(c)は第4実施形態の変形例2における摘まみ部及びその周辺構造を示す図であり、このうち図15(a)は斜視図、図15(b)は平面図、図15(c)は図15(b)のA-A線に沿った断面図である。
図16】第5実施形態に係るプラスチック容器の平面図である。
図17図17(a)及び図17(b)は第5実施形態における摘まみ部及びその周辺構造を示す図であり、このうち図17(a)は平面図、図17(b)は図16のA-A線に沿った断面図である。
図18】第6実施形態に係るプラスチック容器の平面図である。
図19図18に示すA-A線に沿った断面図である。
図20】第7実施形態に係るプラスチック容器の平面図である。
図21図21(a)及び図21(b)は第7実施形態における摘まみ部及びその周辺構造を示す図であり、このうち図21(a)は斜視図、図17(b)は図20のA-A線に沿った断面図である。
図22】第8実施形態に係るプラスチック容器の平面図である。
図23図22に示すA-A線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の各実施形態について、図1から図23を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
【0010】
〔第1実施形態〕
先ず、図1から図6を用いて第1実施形態を説明する。なお、図6は、プラスチック容器100を、図2に示すA-A線に相当する線に沿った切断端面で図示している。
【0011】
本実施形態に係るプラスチック容器100は、圧空成形又は真空成形により製造されたプラスチック容器である。
図1から図6に示すように、プラスチック容器100は、上端が開口した箱型の容器本体10と、容器本体10の上端から外周囲に張り出しているフランジ部12と、フランジ部12に対して接合されることにより容器本体10の上端の開口13を塞いでいるフィルム蓋50を備えている。
フランジ部12の周方向における1箇所以上が摘まみ部70を構成しており、当該摘まみ部70は、7度を超える傾斜角度で外方に向けて下り傾斜しており、フィルム蓋50は摘まみ部70に覆い被さっている。
下り傾斜している摘まみ部70は、平面視でフランジ部12に外接する矩形に収まっており、かつ摘まみ部70を撓ませて水平にした状態(図4(b)参照)では、矩形(例えば、図2に示す矩形210)から外方に突出する。
なお、図2から図5においては、フィルム蓋50が接合される前の容器本体10を図示しており、当該フィルム蓋50の図示は省略している。また、図2においては、矩形210を二点鎖線で図示している。また、図4(b)においては、摘まみ部70を撓ませて水平にした状態を二点鎖線220で示している。
また、ここでいう「外方」とは、水平方向における、当該プラスチック容器100の中心側(内方)とは反対側の方向を意味している。すなわち、摘まみ部70は水平方向における外方に向けて下り傾斜している。
また、ここでいう「フィルム蓋50は摘まみ部70に覆い被さっている」とは、平面視において、フィルム蓋50が摘まみ部70の少なくとも一部分と重なっていることを意味している。なお、後述のように、本実施形態の場合、フィルム蓋50は、摘まみ部70に対して非接合となっている。
【0012】
プラスチック容器100は、内容物の充填後、フィルム蓋50が容器本体10の上端の開口13を塞いでいる状態で流通する。そして、フィルム蓋50をフランジ部12から剥離することによって、プラスチック容器100を開封し内容物を取り出すことができる。
図6に示すように、フィルム蓋50をフランジ部12から剥離する際には、使用者は、片方の手の指で摘まみ部70を摘まみつつ、もう片方の手の指でフィルム蓋50を摘まみ水平方向の成分を含む方向に引っ張ることによって、フィルム蓋50をフランジ部12から引き剥がす。
【0013】
本実施形態によれば、プラスチック容器100は、7度を超える傾斜角度で外方に向けて下り傾斜している摘まみ部70を備えている。摘まみ部70は、平面視において、摘まみ部70を撓ませて水平にした状態では、矩形210から外方に突出する。このため、摘まみ部70の突出長(傾斜方向における寸法)を十分に確保し、当該摘まみ部70を手指で安定して摘まむことができる。これにより、フィルム蓋50を容易にフランジ部12から剥離することが可能となる。
また、摘まみ部70は、水平方向における外方に向けて下り傾斜している。これにより、水平の成分を含む方向にフィルム蓋50を引き剥がす際に、摘まみ部70を手指300で摘まむことによって、引き剥がす方向とは反対方向に抗力が生じるようにできる。よって、フィルム蓋50とともに容器本体10も移動してしまうことを良好に規制できる。
更には、下り傾斜している摘まみ部70は、平面視でフランジ部12に外接する矩形210に収まっている。このため、例えば、プラスチック容器100を輸送する際や店頭に陳列する際に、複数のプラスチック容器100を隙間無く格子状に配置したとしても、隣り合うプラスチック容器100の摘まみ部70どうしが互いに干渉してしまうことを抑制できる。
【0014】
以下、プラスチック容器100について、より詳細に説明する。
なお、以下では、プラスチック容器100の各構成要素の位置関係などを説明するに際し、図3における上側を、上側又は上方などと称し、その反対側を下側又は下方などと称する。しかし、これらの方向の規定は便宜的なものであり、プラスチック容器100の製造時や使用時の方向を限定するものではない。
また、図2における上下方向をX方向と称し、図2における左右方向をY方向と称する。X方向及びY方向は、水平方向であり、プラスチック容器100の深さ方向に対して直交している。また、X方向及びY方向の双方に対して直交する方向をZ方向と称する。Z方向は、鉛直方向であり、プラスチック容器100の深さ方向に対して平行な方向である。また、水平方向において、プラスチック容器100の中心側を内方(内側)と称し、内方とは反対側を外方(外側)と称する。
【0015】
図2及び図3に示すように、本実施形態の場合、プラスチック容器100の概略形状は、扁平な(上下の深さ寸法が浅い)箱型形状となっている。プラスチック容器100の平面形状は、角丸の矩形状となっている。より詳細には、プラスチック容器100の平面形状は、略長方形状となっており、互いに平行な一対の長辺と、互いに平行な一対の短辺と、を含む。そして、長辺と短辺との間に円弧状の曲線が配置されており、これにより丸みを帯びた角部15が構成されている。ただし、例えば、長辺と短辺とが直に交差して直角の角部15を構成していてもよい。
また、平面視におけるプラスチック容器100の外縁100aは、摘まみ部70の角71を間に挟み且つ互いに交差する第1縁辺111と第2縁辺112とを含む。
第1縁辺111は、例えば、略長方形状のプラスチック容器100の短辺であり、第2縁辺112は、例えば、略長方形状のプラスチック容器100の長辺である。
第1縁辺111は、例えば、X方向に延在しており、第2縁辺112は、例えば、Y方向に延在している。
なお、本発明において、プラスチック容器100の平面形状は略長方形状に限定されず、例えば、正方形状などのその他の多角形状であってもよい。更には、後述するように、プラスチック容器100の平面形状は、例えば、内方又は外方に向けて凸の円弧状の辺を含む形状であってもよく、正円形状や楕円形状などであってもよい。
【0016】
上述のように、下り傾斜している摘まみ部70は平面視でフランジ部12に外接する矩形に収まっている。
より詳細には、本実施形態の場合、図2に示すように、矩形210は、平面視におけるフランジ部12の中心を通り当該フランジ部12の外周上の2点を繋ぐ線分のうち長さが最小の線分である最小長線分230に対して平行な2辺235と、当該フランジ部12の外周上の2点を繋ぐ線分のうち最小長線分230に対して直交する線分である直交線分240に対して平行な2辺245と、により構成される矩形である。矩形210の横幅寸法(Y方向における寸法)は、プラスチック容器100の横幅寸法(Y方向における寸法)と同等であり、矩形210の縦幅寸法(X方向における寸法)は、プラスチック容器100の縦幅寸法(X方向における寸法)と同等である。
本実施形態の場合、摘まみ部70の全体が、平面視において、矩形210の内側に収まっている。ここで、「内側に収まっている」とは、摘まみ部70の外形線(又はその一部分)と矩形210の外形線とが互いに一致していてもよいし、摘まみ部70の外形線が矩形210の外形線よりも内側に位置していてもよい。
一方、図4(b)に示すように、摘まみ部70を撓ませて水平にした状態では、当該摘まみ部70の角71は矩形210の角211よりも外方に突出する。なお、図4(b)においては、矩形210の角211の位置を二点鎖線で図示している。
より詳細には、摘まみ部70の中心軸が、自然状態よりも水平方向に近づくように撓ませた際に、当該摘まみ部70の角71が矩形210の角211よりも外方に突出する。
なお、本発明において、フィルム蓋50がフランジ部12に接合される前の状態又は接合された状態の少なくともいずれか一方において、摘まみ部70は、平面視で矩形210に内包されており、且つ、撓ませて水平にした状態では矩形210から外方に突出していればよく、好ましくは、フィルム蓋50がフランジ部12に接合される前の状態と接合された状態との両方において、摘まみ部70はこれら2つの条件を満たしている。
【0017】
容器本体10の平面形状は、例えば、角丸の矩形状となっている。より詳細には、容器本体10の平面形状は、略長方形状となっている。
図1に示すように、容器本体10は、上端が開口している胴体部11と、胴体部11の下端を閉塞している底面部14と、を備える。
胴体部11の平面形状は、プラスチック容器100の長辺に対して平行な方向において長尺な略八角形状となっている。
図3に示すように、胴体部11において、上端部16の下側の部分(以下、胴体本体部11a)は、上方に向けて平面寸法が僅かに拡大するように2段階に傾斜している。胴体部11における胴体本体部11aの上縁と上端部16の下縁との間には段差部17が形成されている。段差部17は、胴体本体部11aの上縁から径方向外方に向けてフランジ状に張り出している略矩形環状の部分であり、段差部17の外周縁は、上端部16の下縁に連接されている。換言すれば、段差部17は、上端部16の下縁から径方向内側に向けて内フランジ状に張り出している。
【0018】
なお、図2に示すように、段差部17における角部15の近傍に位置する部位は、当該段差部17におけるその他の部位よりも幅広な幅広部17aとなっている。
また、容器本体10の側周壁(胴体部11の側周壁)のうち、略長方形状の容器本体10の長辺にあたる部位の中央部は、当該長辺に当たる部位の両端部よりも、プラスチック容器100の内側にオフセットされている。このため、略長方形状の容器本体10の長辺にあたる部位の中央部と両端部との間には、それぞれ段差部が形成されている。
【0019】
底面部14の形状は、特に限定されないが、本実施形態の場合、底面部14の中央部14aの高さ位置が、底面部14の周縁部14bの高さ位置よりも高くなっている。
中央部14aの平面形状は、例えば、プラスチック容器100の長辺に対して平行な方向において長尺な略八角形状となっている。ただし、本発明において、中央部14aの平面形状は、長方形状、楕円形状ないしは長円形状であってもよい。
また、中央部14aには、例えば、複数の凹凸形状20が形成されている。ただし、本発明において、複数の凹凸形状20の形状は、図1及び図2に示す形状に限定されない。
【0020】
図1及び図2に示すように、フランジ部12は、容器本体10の上端から、360度周回状に外方に張り出している。フランジ部12は、平面視において、角丸の略矩形環状に形成されており、4つの角部15を有する。
より詳細には、フランジ部12は、例えば、容器本体10の上端の開口13から外周囲に張り出している主面部12aと、主面部12aから径方向外側に向けて階段状に下方に変位しているフランジ部段差部12bと、を含む。
主面部12aは、例えば、略平坦に形成されている。フィルム蓋50とフランジ部12との接合部55は、例えば、主面部12aの上面の略全域に形成されている。すなわち、フィルム蓋50は、主面部12aの上面に対して接合されている。
図6に示すように、フィルム蓋50が接合されている状態においては、主面部12aは、例えば、フィルム蓋50の張力によって略水平に延在している。一方、図4(b)に示すように、フィルム蓋50が接合されていない状態においては、主面部12aは、例えば、径方向外側に僅かに傾斜している。
フィルム蓋50は、例えば、ヒートシールによって主面部12aの上面に対して接合される。
なお、図2及び図4(a)においては、接合部55の形成領域を左上がりのハッチングで示している。
【0021】
ここで、本実施形態の場合、一例として、フランジ部12の4つの角部15のうちの1つ以上の角部15が摘まみ部70を構成している。すなわち、フランジ部12の周方向における2箇所以上が摘まみ部を構成している。より詳細には、例えば、図2における左後側の角部15と右前側の角部15との2つの角部15がそれぞれ摘まみ部70を構成している。2つの摘まみ部70は、例えば、プラスチック容器100の中心を基準として、互いに対称形状に形成されている。
ただし、本発明において、プラスチック容器100が有する摘まみ部70の数は特に限定されず、フランジ部12の周方向における1箇所が摘まみ部70であってもよいし、3箇所以上が摘まみ部70であってもよい。また、プラスチック容器100が複数の摘まみ部70を有する場合、複数の摘まみ部70は互いに異なる形状に形成されていてもよい。
【0022】
本実施形態の場合、図4(b)に示すように、摘まみ部70の下面70bは、手指300に対応する凹曲面形状に形成されている。
これにより、摘まみ部70を摘まむ際に、指が下面70bに対して良好にフィットするようにできるので、摘まみ部70を手指300でより安定して摘まむことができる。
なお、ここで「手指300に対応する凹曲面形状」とは、その凹曲面に指の少なくとも一部分が入り込むことが可能な形状を意味している。より詳細には、摘まみ部70の下面70b(凹曲面)には、指の腹が入り込んでもよいし、爪先が入り込んでもよい。
また、ここで「摘まみ部70の下面70bは、手指300に対応する凹曲面形状に形成されている」とは、摘まみ部70の下面70bの少なくとも一部分が、手指300に対応する凹曲面形状に形成されていればよく、摘まみ部70の下面70bの全面が、手指300に対応する凹曲面形状に形成されていてもよい。
【0023】
また、図4(a)、図4(b)及び図5に示すように、摘まみ部70は、例えば、外方に向けて階段状に下り傾斜している。
これにより、摘まみ部70を摘まむ際に、当該摘まみ部70の階段状の凹凸に対して手指300が適度に掛止されるので、摘まみ部70を手指300でより安定して摘まむことができる。
【0024】
摘まみ部70は、例えば、フランジ部段差部12bの外周縁から外方に向けて下り傾斜している。図4(a)に示すように、フランジ部段差部12bにおいて、摘まみ部70の内周縁との境界部は、フランジ部段差部12bにおけるその他の部位よりも幅狭となっている。
より詳細には、図2及び図4(b)に示すように、本実施形態の場合、摘まみ部70は、平面視において摘まみ部70の角71を2等分する方向における外方に向けて、下り傾斜している。
図4(a)、図4(b)及び図5に示すように、摘まみ部70は、例えば、複数の傾斜湾曲部81と、複数の水平部86と、を含む。そして、水平部86と傾斜湾曲部81とが外方且つ下方に向けて交互に一つずつ配置されており、これにより、摘まみ部70は、外方に向けて階段状に下り傾斜した形状に形成されている。
複数の傾斜湾曲部81の各々は、外方に向けて凸の曲面形状に形成されているとともに、外方に向けて下り傾斜している。また、複数の傾斜湾曲部81の各々は、平面視において、主面部12aの角部に沿う方向に延在した略円弧状に形成されている。複数の傾斜湾曲部81の下面(内周面)によって、摘まみ部70の下面70bは、手指300に対応する凹曲面形状に形成されている。
複数の水平部86の各々は、平板状に形成されており、その面方向は、水平方向を主成分としている。
摘まみ部70は、一例として、複数の傾斜湾曲部81として、第1傾斜湾曲部81a、第2傾斜湾曲部81b及び第3傾斜湾曲部81cとを含み、内方且つ上方からこの順に配置されている。
同様に、摘まみ部70は、一例として、複数の水平部86として、第1水平部86b、第2水平部86c及び第3水平部86dとを含み、内方且つ上方からこの順に配置されている。
第1傾斜湾曲部81aの内周縁は、フランジ部段差部12bの外周縁と接続されており、第1傾斜湾曲部81aの外周縁は、第1水平部86bの内周縁と接続されている。
第2傾斜湾曲部81bの内周縁は、第1水平部86bの外周縁と接続されており、第2傾斜湾曲部81bの外周縁は、第2水平部86cの内周縁と接続されている。
第3傾斜湾曲部81cの内周縁は、第2水平部86cの外周縁と接続されており、第3傾斜湾曲部81cの外周縁は、第3水平部86dの内周縁と接続されている。
【0025】
図2等に示すように、摘まみ部70は、先端(傾斜方向における先端)に向けて徐々に先細りした形状に形成されている。
より詳細には、複数の傾斜湾曲部81のうち、より外方に位置する傾斜湾曲部81ほどその長さ寸法(延在方向における寸法)が小さくなっている。すなわち、第3傾斜湾曲部81c、第2傾斜湾曲部81b、第1傾斜湾曲部81aの順にその長さ寸法が小さい。
同様に、複数の水平部86のうち、より外方に位置する水平部86ほどその長さ寸法(延在方向における寸法)が小さくなっている。すなわち、第3水平部86d、第2水平部86c、第1水平部86bの順にその長さ寸法が小さい。
また、複数の傾斜湾曲部81の曲率半径は、互いに同等の寸法に設定されている。ただし、本発明において、複数の傾斜湾曲部81の曲率半径は、例えば、互いに異なる寸法に設定されていてもよい。
【0026】
更に、摘まみ部70は、例えば、各傾斜湾曲部81の両端(延在方向における両端)からそれぞれ外方に向けて起立している傾斜起立部87を含む。以下の説明において、傾斜湾曲部81の延在方向における一端側の傾斜起立部87を単に一端側の傾斜起立部87と称し、傾斜湾曲部81の延在方向における他端側の傾斜起立部87を単に他端側の傾斜起立部87と称する。
各傾斜起立部87は、外方に向けて下り傾斜した平板状に形成されている。
各傾斜起立部87の各々の横幅寸法は、下方に向けて徐々に小さくなっている(徐々に幅狭となっている)。
本実施形態の場合、摘まみ部70は、傾斜起立部87として、第1傾斜湾曲部81aの両端側にそれぞれ形成されている第1傾斜起立部87aと、第2傾斜湾曲部81bの両端側にそれぞれ形成されている第2傾斜起立部87bと、第3傾斜湾曲部81cの両端側にそれぞれ形成されている第3傾斜起立部87cと、を含む。
各第1傾斜起立部87aの上縁は、例えば、それぞれフランジ部12のフランジ部段差部12bの一部分と接続されている。フランジ部段差部12bにおいて、対応する第1傾斜起立部87aとの境界部は、当該第1傾斜起立部87aに向けて徐々に幅広となっている。
一端側の第1傾斜起立部87aの下端(下縁)は、例えば、第1水平部86bの内周縁の一端と接続されており、他端側の第1傾斜起立部87aの下端(下縁)は、例えば、第1水平部86bの内周縁の他端と接続されている。
一端側の第2傾斜起立部87bの上縁は、例えば、第1水平部86bの外周縁の一端部と接続されており、他端側の第2傾斜起立部87bの上縁は、例えば、第1水平部86bの外周縁の他端部と接続されている。
一端側の第2傾斜起立部87bの下端(下縁)は、例えば、第2水平部86cの内周縁の一端と接続されており、他端側の第2傾斜起立部87bの下端(下縁)は、例えば、第2水平部86cの内周縁の他端と接続されている。
一端側の第3傾斜起立部87cの上縁は、例えば、第2水平部86cの外周縁の一端部と接続されており、他端側の第3傾斜起立部87cの上縁は、例えば、第2水平部86cの外周縁の他端部と接続されている。
一端側の第3傾斜起立部87cの下端(下縁)は、例えば、第3水平部86dの内周縁の一端と接続されており、他端側の第3傾斜起立部87cの下端(下縁)は、例えば、第3水平部86dの内周縁の他端と接続されている。
図4(a)に示すように、第1水平部86bの一端部の幅寸法(Y方向における寸法)は、例えば、一端側の第2傾斜起立部87bに向けて徐々に大きくなっており、当該一端部の平面形状は、略直角三角形状となっている。第1水平部86bの他端部の幅寸法(X方向における寸法)は、例えば、他端側の第2傾斜起立部87bに向けて徐々に大きくなっており、当該他端部の平面形状は、略直角三角形状となっている。
同様に、第2水平部86cの一端部の幅寸法(Y方向における寸法)は、例えば、一端側の第3傾斜起立部87cに向けて徐々に大きくなっており、当該一端部の平面形状は、略直角三角形状となっている。第2水平部86cの他端部の幅寸法(X方向における寸法)は、例えば、他端側の第3傾斜起立部87cに向けて徐々に大きくなっており、当該他端部の平面形状は、略直角三角形状となっている。
【0027】
本実施形態の場合、摘まみ部70の縁部70aのうち第1縁辺111に沿う縁部である第1縁部72aは、一端側の各傾斜起立部87と各水平部86の一端部とによって構成されている。したがって、第1縁部72aは、外方に向けて階段状に下り傾斜している。また、第1縁部72aの法線方向は、X、Y及びZ方向のうちY方向における成分がもっとも少ない。同様に、摘まみ部70の縁部70aのうち第2縁辺112に沿う縁部である第2縁部72bは、他端側の各傾斜起立部87と各水平部86の他端部とによって構成されている。したがって、第2縁部72bは、外方に向けて階段状に下り傾斜している。また、第2縁部72bの法線方向は、X、Y及びZ方向のうちX方向における成分がもっとも少ない。
より詳細には、平面視において、一端側の各傾斜起立部87の外側縁と各水平部86の一端部の外側縁とは、互いに同一直線状に配置されており、第1縁辺111の一部分を構成している。同様に、平面視において、他端側の各傾斜起立部87の外側縁と各水平部86の他端部の外側縁とは、互いに同一直線状に配置されており、第2縁辺112の一部分を構成している。
また、摘まみ部70における第1縁部72aと第2縁部72bとの間の部分である中間部73は、各水平部86の中間部(両端部を除く部分)と各傾斜湾曲部81とによって構成されている。
【0028】
図2に示すように、フィルム蓋50とフランジ部12との接合部55の外縁55aは、例えば、摘まみ部70よりも内側に位置している。
これにより、手指300でフィルム蓋50を摘まんで引き剥がす際に、摘まみ部70において、手で把持する部位を十分に確保することができる。
本実施形態の場合、上述のように、フィルム蓋50とフランジ部12との接合部55は、主面部12aの上面の略全域に形成されている。図4(a)に示すように、接合部55の外縁55aは、例えば、主面部12aの上面の外周縁上又は当該外周縁よりも内側に形成されている。よって、フィルム蓋角部51の全体が、摘まみ部70に対して非接合となっている。
ただし、本発明において、少なくともフィルム蓋角部51の一部分が摘まみ部70に対して非接合となっていればよく、接合部55の外縁55aは、例えば、摘まみ部70の基端上に形成されていてもよい。
フィルム蓋50の平面形状は、略長方形状の容器本体10と略同一形状に形成されている。フィルム蓋50が有する4つのフィルム蓋角部51は、フランジ部12の各角部15に覆い被さっている(平面視において重なっている)。この4つのフィルム蓋角部51のうち、摘まみ部70と対応する位置に配置されているフィルム蓋角部51は、当該摘まみ部70に対して非接合となっている。後述するように、フィルム蓋50をフランジ部12から剥離する際には、摘まみ部70と対応するフィルム蓋角部51を片方の手の指で摘まんで引き剥がす。
【0029】
プラスチック容器100の内容物は、特に限定されないが、一例として、食品とすることができる。なお、プラスチック容器100の内容物は、特に限定されず、液体(流動体を含む)であってもよいし、固形物であってもよい。
【0030】
摘まみ部70の傾斜角度R1(図6参照)は、例えば、7度超85度以下であることが好ましく、より好ましくは10度以上45度以下である。なお、ここでいう摘まみ部70の傾斜角度は、摘まみ部70の全体としての平均の傾斜角度を意味している。また、摘まみ部70の傾斜角度R1は、平面視において摘まみ部70の角71を2等分する線(例えば、図2に示すA-A線)に沿った断面における、水平方向に延在する仮想線250に対する摘まみ部70の傾斜角度である。
摘まみ部70における角71及びその近傍の部位の外形線の曲率半径は、例えば、摘まみ部70を構成していない角部15の外形線の曲率半径よりも小さい。
より詳細には、摘まみ部70における角71及びその近傍の部位の外形線の曲率半径は、2mm以上20mm以下であることが好ましく、より好ましくは、8mm以上12mm以下である。
また、摘まみ部70を構成していない角部15の外形線の曲率半径は、10mm以上50mm以下であることが好ましく、より好ましくは、30mm以上35mm以下である。
摘まみ部70の上下寸法H1(図4(b)参照)は、容器本体10の上下寸法の1/6以上1/2以下であることが好ましく、より好ましくは容器本体10の上下寸法の1/5以上1/3以下である。本実施形態の場合、一例として、摘まみ部70の上下寸法は、6mm以上15mm以下であることが好ましく、より好ましくは、7mm以上10mm以下である。
摘まみ部70の最大幅寸法W1(図4(a)参照)は、ヒトの平均的な太さの指の幅と対応する寸法であることが好ましい。
より詳細には、摘まみ部70の最大幅寸法W1は、例えば、10mm以上60mm以下であることが好ましく、より好ましくは、20mm以上40mm以下である。
各傾斜湾曲部81の下面(内周面)の曲率半径は、例えば、ヒトの平均的な太さの指の腹の曲面と対応する寸法であることが好ましい。
より詳細には、各傾斜湾曲部81の下面(内周面)の曲率半径は、例えば、1mm以上30mm以下であることが好ましく、より好ましくは、3mm以上20mm以下である。
各傾斜湾曲部81の上下寸法は、例えば、1.5mm以上5mm以下であることが好ましく、より好ましくは、2mm以上3mm以下である。
【0031】
以下、フィルム蓋50をフランジ部12から剥離する際の動作の一例を説明する。
フィルム蓋50をフランジ部12から剥離する際には、先ず、使用者は、片方の手の指で容器本体10の摘まみ部70を把持する。また、フィルム蓋50の4つのフィルム蓋角部51のうち、把持している摘まみ部70と対応するフィルム蓋角部51を、もう片方の手の指で摘まむ。
この際、図6に示すように、例えば、親指310を摘まみ部70の上面に沿って配置するとともに、その他の指(例えば、人差し指320)を摘まみ部70の下面70bに沿って配置し、少なくとも2本の指で上下に摘まみ部70を摘まむ。ただし、親指310と人差し指320との位置は互いに入れ替えてもよい。また、親指310及び人差し指320以外の手指で摘まみ部70を摘まんでもよい。
そして、摘まんでいるフィルム蓋角部51を、略長方形状の容器本体10の対角線方向を主成分とする方向(例えば、図6の矢印で示す方向)に引っ張り、フィルム蓋50をフランジ部12から引き剥がす。
ここで、上述のように、摘まみ部70は、7度を超える傾斜角度で外方に向けて下り傾斜している。これにより、フィルム蓋50を図6の矢印の方向に引き剥がす際に、摘まみ部70を手指300で摘まむことによって、当該矢印の方向とは反対方向に抗力が生じるようにできる。よって、フィルム蓋50とともに容器本体10も矢印の方向に移動してしまうことを良好に規制できる。
更には、摘まみ部70の下面70bは、手指300に対応する凹曲面形状に形成されている。これにより、摘まみ部70を手指で摘まむ際に、指の腹が下面70bに対して良好にフィットするようにできるので、より確実に、フィルム蓋50とともに容器本体10も矢印の方向に移動してしまうことを良好に規制できる。
【0032】
〔第2実施形態〕
次に、図7から図11を用いて第2実施形態を説明する。なお、図7においては、接合部55の形成領域を左上がりのハッチングで示している。また、図7から図10においては、フィルム蓋50が接合される前の容器本体10を図示しており、当該フィルム蓋50の図示は省略している。また、図11は、プラスチック容器100を、図7に示すA-A線に相当する線に沿った切断端面で図示している。
本実施形態に係るプラスチック容器100は、以下に説明する点で、上記の第1実施形態に係るプラスチック容器100と相違しており、その他の点では、上記の第1実施形態に係るプラスチック容器100と同様に構成されている。
【0033】
図9(a)、図9(b)及び図10に示すように、本実施形態の場合、摘まみ部70は平板状である。
このような構成によっても、摘まみ部70の突出長を十分に確保し、当該摘まみ部70を手指で安定して摘まむことができ、フィルム蓋50を容易にフランジ部12から剥がすことができる。
【0034】
より詳細には、図9(a)、図9(b)及び図10に示すように、摘まみ部70の全体は、例えば、外方且つ斜め上方に向けて凸の曲面形状に形成されているとともに、外方に向けて下り傾斜している。すなわち、摘まみ部70の下面70bの略全体が、手指300に対応する凹曲面形状に形成されている。
平面視において、摘まみ部70は、略直角三角形状に形成されている。略直角三角形状の摘まみ部70の直角が、当該摘まみ部70の角71を構成している。
【0035】
また、本実施形態の場合、第1実施形態とは異なり、フランジ部12は、フランジ部段差部12bを備えておらず、フランジ部12の略全体(ただし、摘まみ部70を除く)が、略平坦に形成されている。
図11に示すように、フィルム蓋50が接合されている状態においては、フランジ部12は、例えば、フィルム蓋50の張力によって略水平に延在している。一方、図9(b)に示すように、フィルム蓋50が接合されていない状態においては、フランジ部12は、例えば、径方向外側に僅かに傾斜している。
また、図7に示すように、フランジ部12の内周縁部において、摘まみ部70と対応する部位は、当該内周縁部におけるその他の部位よりも幅広となっている幅広部12cとなっている。
これにより、フランジ部12における摘まみ部70の近傍の部位を良好に補強することができる。
また、図8に示すように、本実施形態の場合、胴体部11は、上方に向けて平面寸法が僅かに拡大するように傾斜している。
図7及び図8に示すように、胴体部11の側周壁(ただし、角部を除く)には複数のリブ46が形成されている。複数のリブ46の各々は、上下方向に延在している。複数のリブ46は、胴体部11の周方向において、互いに等間隔で配置されている。
【0036】
本実施形態の場合、摘まみ部70の傾斜角度R1は、例えば、7度超85度以下であることが好ましく、より好ましくは10度以上45度以下である。
摘まみ部70における角71及びその近傍の部位の外形線の曲率半径は、1mm以上30mm以下であることが好ましく、より好ましくは、3mm以上20mm以下である。
また、摘まみ部70を構成していない角部15の外形線の曲率半径は、5mm以上40mm以下であることが好ましく、より好ましくは、10mm以上30mm以下である。
摘まみ部70の上下寸法H1(図9(b)参照)は、容器本体10の上下寸法の1/7以上1/2以下であることが好ましく、より好ましくは容器本体10の上下寸法の1/6以上1/3以下である。本実施形態の場合、一例として、摘まみ部70の上下寸法は、6mm以上15mm以下であることが好ましく、より好ましくは、7mm以上10mm以下である。
摘まみ部70の最大幅寸法W1(図7参照)は、ヒトの平均的な太さの指の幅と対応する寸法であることが好ましい。
摘まみ部70の最大幅寸法W1は、10mm以上35mm以下であることが好ましく、より好ましくは、10mm以上25mm以下である。
摘まみ部70の下面70b(内周面)の曲率半径は、例えば、ヒトの平均的な太さの指の腹の曲面と対応する寸法であることが好ましい。
より詳細には、摘まみ部70の下面70b(内周面)の曲率半径は、5mm以上40mm以下であることが好ましく、より好ましくは、10mm以上30mm以下である。
【0037】
〔第3実施形態〕
次に、図12(a)、図12(b)及び図12(c)を用いて第3実施形態を説明する。なお、図12(b)においては、接合部55の形成領域を左上がりのハッチングで示している。
本実施形態に係るプラスチック容器100は、以下に説明する点で、上記の第1、2実施形態に係るプラスチック容器100と相違しており、その他の点では、上記の第1,2実施形態に係るプラスチック容器100と同様に構成されている。
【0038】
図12(a)~図12(c)に示すように、本実施形態の場合、摘まみ部70は、外方且つ斜め上方に向けて凸の曲面形状に形成されているとともに、外方に向けて下り傾斜している曲面部76と、曲面部76の外周縁から外方に向けて起立している湾曲起立部79と、を含む。
図12(b)に示すように、曲面部76は平面視において、外方に向けて凸の円弧状に形成されている。また、曲面部76の下面は、摘まみ部70の下面70bの一部分を構成しているとともに、手指300に対応する凹曲面形状に形成されている。
湾曲起立部79は、曲面部76の外周縁に沿って緩やかに湾曲した平板状に形成されている。
湾曲起立部79が、摘まみ部70の縁部70aを構成している。また、曲面部76が、摘まみ部70の中間部73を構成している。
より詳細には、湾曲起立部79において、第1縁部72aを構成している部分の法線方向は、X方向を主成分としており、X、Y及びZ方向のうちY方向における成分がもっとも少ない。また、湾曲起立部79において、第2縁部72bを構成している部分の法線方向は、Y方向を主成分としており、X、Y及びZ方向のうちX方向における成分がもっとも少ない。
【0039】
また、本実施形態の場合、第1実施形態と同様に、フランジ部12は、例えば、容器本体10の開口13から外周囲に張り出している主面部12aと、主面部12aから径方向外側に向けて階段状に下方に変位しているフランジ部段差部12bと、を含む。
摘まみ部70は、主面部12aの外周縁の角部から外方に向けて下り傾斜している。
そして、湾曲起立部79の両端部(延在方向における両端部)は、それぞれフランジ部段差部12bに連続して形成されている。すなわち、プラスチック容器100の外縁100aは、フランジ部段差部12bと湾曲起立部79とによって構成されている。
また、図12(b)及び図12(c)に示すように、胴体部11の上端部16において、角部15と対応する部分には、外方に向けて突出している胴体部凸部31が形成されている。胴体部凸部31は、例えば、フランジ部12の角部の内周縁に沿う方向に延在している。また、胴体部凸部31の突出量は、下方に向けて徐々に増加している。
【0040】
〔第4実施形態〕
次に、図13(a)、図13(b)及び図13(c)を用いて第4実施形態を説明する。なお、図13(b)においては、接合部55の形成領域を左上がりのハッチングで示している。
第4実施形態に係るプラスチック容器100は、以下に説明する点で、上記の第3実施形態に係るプラスチック容器100と相違しており、その他の点では、上記の第3実施形態に係るプラスチック容器100と同様に構成されている。
【0041】
図13(a)、図13(b)及び図13(c)に示すように、本実施形態の場合、摘まみ部70には、補強リブ91が形成されている。
より詳細には、曲面部76には、例えば、外方に向けて突出している補強リブ91が形成されている。補強リブ91は、例えば、曲面部76の中央部に形成されている。平面視において、補強リブ91は、X方向及びY方向の双方に対して交差する方向に延在する略直線状に形成されている。
補強リブ91の突出量は、下方に向けて徐々に減少している。また、補強リブ91の上縁部は、平坦な水平面92となっている。曲面部76の下面において、補強リブ91の形成領域と対応する部位は、補強リブ91の突出方向に向けて凹んでいる。
このような構成によれば、摘まみ部70の構造的強度を十分に確保することができる。また、摘まみ部70を手指300で摘まむ際に、摘まみ部70の上面に沿って配置する指を補強リブ91に対して良好に掛止することができる。よって、摘まみ部70を手指300で安定的に摘まむことができる。
【0042】
補強リブ91の長さ寸法(延在方向における寸法)は、例えば、2mm以上15mm以下であることが好ましく、より好ましくは、2mm以上12mm以下である。
補強リブ91の幅寸法(延在方向に対して直交する方向における寸法)は、例えば、0.5mm以上10mm以下であることが好ましく、より好ましくは、0.5mm以上8mm以下である。
【0043】
<第4実施形態の変形例1~2>
次に、図14(a)から図15(c)を用いて第4実施形態の変形例1、2を説明する。なお、図14(b)及び図15(b)においては、接合部55の形成領域を左上がりのハッチングで示している。
第4実施形態の変形例1、2に係るプラスチック容器100は、以下に説明する点で、上記の第4実施形態に係るプラスチック容器100と相違しており、その他の点では、上記の第4実施形態に係るプラスチック容器100と同様に構成されている。
【0044】
図14(a)、図14(b)及び図14(c)に示すように、変形例1において、曲面部76には、第4実施形態と同様に、外方に向けて突出している補強リブ91が形成されている。更に、変形例1の場合、曲面部76の上端部77は、主面部12aから径方向外側に向けて階段状に下方に変位している。
【0045】
図15(a)、図15(b)及び図15(c)に示すように、変形例2において、曲面部76には、第3実施形態及び変形例1と同様に、外方に向けて突出している補強リブ91が形成されている。ただし、変形例2の場合、補強リブ91は、外方に向けて凸の丸みを帯びた形状に形成されている。
【0046】
〔第5実施形態〕
次に、図16から図17(b)を用いて第5実施形態を説明する。なお、図16及び図17(a)においては、接合部55の形成領域を左上がりのハッチングで示している。また、図16から図17(b)においては、フィルム蓋50が接合される前の容器本体10を図示しており、当該フィルム蓋50の図示は省略している。
本実施形態に係るプラスチック容器100は、以下に説明する点で、上記の第1~4実施形態及びその変形例に係るプラスチック容器100と相違しており、その他の点では、上記の第1~4実施形態及びその変形例に係るプラスチック容器100と同様に構成されている。
【0047】
図16図17(a)及び図17(b)に示すように、本実施形態の場合、摘まみ部70には、摘まみ部70の下面70b側に向けて窪んだ複数の溝部93が形成されている。
このような構成によれば、摘まみ部70の構造的強度を十分に確保することができる。また、摘まみ部70を手指300で摘まむ際に、摘まみ部70の上面に沿って配置する指の腹を溝部93に沿って配置することによって、摘まみ部70を安定的に摘まむことができる。
【0048】
より詳細には、図16図17(a)及び図17(b)に示すように、摘まみ部70は、一例として、複数の溝部93として、第1溝部93a、第2溝部93b及び第3溝部93cを含み、内方且つ上方からこの順に配置されている。
複数の溝部93の各々は、平面視において、主面部12aの角部に沿う方向に延在した略円弧状に形成されている。
複数の溝部93のうち、より外方に位置する溝部93ほどその長さ寸法(延在方向における寸法)が小さくなっている。すなわち、第3溝部93c、第2溝部93b、第1溝部93の順にその長さ寸法が小さい。
また、図17(b)に示すように、平面視において摘まみ部70の角71を2等分する線(例えば、図16に示すA-A線)に沿った断面における各溝部93の形状は、例えば、下面70b側に向けて凸の円弧状に形成されている。
また、本実施形態の場合も、摘まみ部70の下面70bは、手指300に対応する凹曲面形状に形成されている。
【0049】
〔第6実施形態〕
次に、図18及び図19を用いて第6実施形態を説明する。なお、図18においては、接合部55の形成領域を左上がりのハッチングで示している。また、図18及び図19においては、フィルム蓋50が接合される前の容器本体10を図示しており、当該フィルム蓋50の図示は省略している。
本実施形態に係るプラスチック容器100は、以下に説明する点で、上記の第1~5実施形態及びその変形例に係るプラスチック容器100と相違しており、その他の点では、上記の第1~5実施形態及びその変形例に係るプラスチック容器100と同様に構成されている。
【0050】
図18に示すように、本実施形態の場合も、第1~第5実施形態と同様に、プラスチック容器100の平面形状は、略長方形状となっている。ただし、本実施形態の場合、略長方形状のプラスチック容器100が含む一対の長辺と一対の短辺とは、それぞれ外方に向けて凸の円弧状に形成されている。より詳細には、プラスチック容器100が含む一対の長辺は、それぞれX方向における外方に向けて凸の円弧状に形成されており、当該プラスチック容器100が含む一対の短辺は、それぞれY方向における外方に向けて凸の円弧状に形成されている。
このような場合であっても、図18に示すように、摘まみ部70の全体は、平面視において、最小長線分230に対して平行な2辺235と、直交線分240に対して平行な2辺245と、により構成される矩形210に収まっている。
これにより、プラスチック容器100を輸送する際や店頭に陳列する際に、複数のプラスチック容器100を隙間無く格子状に配置したとしても、隣り合うプラスチック容器100の摘まみ部70どうしが互いに干渉してしまうことを抑制できる。
一方、摘まみ部70を撓ませて水平にした状態では、当該摘まみ部70は、矩形210から外方に突出する。
このため、摘まみ部70の突出長(傾斜方向における寸法)を十分に確保し、当該摘まみ部70を手指で安定して摘まむことができる。
【0051】
本実施形態の場合も、第1~第5実施形態と同様に、平面視において、摘まみ部70は、略直角三角形状に形成されている。ただし、本実施形態の場合、平面視において、摘まみ部70の中間部は僅かに括れた形状となっている。より詳細には、摘まみ部70の第1縁部72aは、当該摘まみ部70の中央に向けて凸の円弧状に形成されており、同様に摘まみ部70の第2縁部72bは、当該摘まみ部70の中央に向けて凸の円弧状に形成されている。
また、図18及び図19に示すように、本実施形態の場合、摘まみ部70には、複数(例えば、3つ)の凹部94が形成されている。複数の凹部94の各々は、例えば、下面70b側に向けて窪んでいる。また、図18に示すように、平面視において、複数の凹部94の各々は、摘まみ部70の突出方向に対して直交する方向に並んで配置されている。
また、図19に示すように、摘まみ部70において、その先端部74(突出方向における先端)を除いた部位は、外方且つ斜め上方に向けて凸の曲面形状に形成されているとともに、外方に向けて下り傾斜している曲面部76となっている。一方、摘まみ部70の先端部74は、平坦に形成されているとともに水平に配置されている。
【0052】
〔第7実施形態〕
次に、図20から図21(b)を用いて第7実施形態を説明する。なお、図20においては、接合部55の形成領域を左上がりのハッチングで示している。また、図20から図21(b)においては、フィルム蓋50が接合される前の容器本体10を図示しており、当該フィルム蓋50の図示は省略している。
本実施形態に係るプラスチック容器100は、以下に説明する点で、上記の第1~6実施形態及びその変形例に係るプラスチック容器100と相違しており、その他の点では、上記の第1~6実施形態及びその変形例に係るプラスチック容器100と同様に構成されている。
【0053】
図20に示すように、本実施形態の場合、プラスチック容器100の平面形状は、略楕円形状となっている。より詳細には、プラスチック容器100の平面形状は、例えば、Y方向において長尺な略楕円形状に形成されている。
このような場合であっても、図20に示すように、摘まみ部70の全体は、平面視において、最小長線分230(本実施形態の場合、プラスチック容器100の短軸)に対して平行な2辺235と、直交線分240(本実施形態の場合、プラスチック容器100の長軸)に対して平行な2辺245と、により構成される矩形210に収まっている。
これにより、プラスチック容器100を輸送する際や店頭に陳列する際に、複数のプラスチック容器100を隙間無く格子状に配置したとしても、隣り合うプラスチック容器100の摘まみ部70どうしが互いに干渉してしまうことを抑制できる。
一方、摘まみ部70を撓ませて水平にした状態では、当該摘まみ部70は、矩形210から外方に突出する。
このため、摘まみ部70の突出長(傾斜方向における寸法)を十分に確保し、当該摘まみ部70を手指で安定して摘まむことができる。
【0054】
より詳細には、図20に示すように、本実施形態の場合、フランジ部12の平面形状は、略楕円環形状となっている。
図20に示すように、本実施形態の場合、フランジ部12の周方向における2箇所が摘まみ部70を構成している。2つの摘まみ部70は、それぞれフランジ部12におけるその他の部位よりも容器本体10の径方向外側に張り出している。
図20に示すように、2つの摘まみ部70は、例えば、プラスチック容器100の中心を基準として、互いに対称形状に形成されている。ただし、2つの摘まみ部70のうちの一方の摘まみ部70は、プラスチック容器100の長軸よりもX方向(プラスチック容器100の短軸方向)における一方側に僅かにオフセットした位置に配置されており、他方の摘まみ部70は、当該長軸よりもX方向(同上)における他方側に僅かにオフセットした位置に配置されている。
図21(a)及び図21(b)に示すように、本実施形態の場合、第1実施形態と同様に、摘まみ部70は、外方に向けて階段状に下り傾斜した形状に形成されている。より詳細には、摘まみ部70は、例えば、複数の傾斜湾曲部81(第1傾斜湾曲部81a~第3傾斜湾曲部81c)と、複数の水平部86(第1水平部86b~第3水平部86d)と、を含む。そして、水平部86と傾斜湾曲部81とが外方且つ下方に向けて交互に一つずつ配置されている。
また、摘まみ部70は、例えば、各傾斜湾曲部81の両端(延在方向における両端)からそれぞれ外方に向けて起立している傾斜起立部87(第1傾斜起立部87a~第3傾斜起立部87c)を含む。そして、複数の傾斜湾曲部81の下面(内周面)によって、摘まみ部70の下面70bは、手指300に対応する凹曲面形状に形成されている。
ただし、第1実施形態とは異なり、本実施形態の場合、図20に示すように、平面視において、摘まみ部70の外形線は、外方に向けて凸の円弧状に形成されている。
【0055】
〔第8実施形態〕
次に、図22及び図23を用いて第8実施形態を説明する。なお、図22においては、接合部55の形成領域を左上がりのハッチングで示している。また、図22及び図23においては、フィルム蓋50が接合される前の容器本体10を図示しており、当該フィルム蓋50の図示は省略している。
本実施形態に係るプラスチック容器100は、以下に説明する点で、上記の第1~7実施形態及びその変形例に係るプラスチック容器100と相違しており、その他の点では、上記の第1~7実施形態及びその変形例に係るプラスチック容器100と同様に構成されている。
【0056】
図22に示すように、本実施形態の場合、プラスチック容器100の平面形状は、略正円形状となっている。
このような場合であっても、図22に示すように、摘まみ部70の全体は、平面視において、最小長線分230に対して平行な2辺235と、直交線分240に対して平行な2辺245と、により構成される矩形210(本実施形態の場合、平面視正方形状の矩形210)に収まっている。
これにより、プラスチック容器100を輸送する際や店頭に陳列する際に、複数のプラスチック容器100を隙間無く格子状に配置したとしても、隣り合うプラスチック容器100の摘まみ部70どうしが互いに干渉してしまうことを抑制できる。
一方、摘まみ部70を撓ませて水平にした状態では、当該摘まみ部70は、矩形210から外方に突出する。
このため、摘まみ部70の突出長(傾斜方向における寸法)を十分に確保し、当該摘まみ部70を手指で安定して摘まむことができる。
【0057】
より詳細には、プラスチック容器100の概略形状は、例えば、上下方向を軸方向とする有底の略円筒形状に形成されている。
容器本体10の胴体部11は、円筒状に形成されており、底面部14は、当該胴体部11の下端を閉塞している。
フランジ部12は、胴体部11の上端から径方向外側に向けてフランジ状に張り出しており、平面視円環状に形成されている。
【0058】
図22に示すように、本実施形態の場合、フランジ部12の周方向における1箇所が摘まみ部70を構成している。摘まみ部70は、フランジ部12におけるその他の部位よりも容器本体10の径方向外側に張り出している。
本実施形態の場合も、第1~第6実施形態と同様に、平面視において、摘まみ部70は、略直角三角形状に形成されている。
図22に示すように、摘まみ部70には、摘まみ部70の下面70b側に向けて窪んだ溝部93が形成されている。なお、図22では、摘まみ部70が有する溝部93の数は1つである例を示しているが、第5実施形態と同様に、摘まみ部70が有する溝部93の数は2以上であってもよい。
溝部93は、例えば、平面視において、フランジ部12の周方向に延在した曲線状に形成されている。また、図23に示すように、平面視において摘まみ部70の角71を2等分する線(例えば、図22に示すA-A線)に沿った断面における溝部93の形状は、下方に向けて窪んでおり、その底面は略平坦な水平面となっている。
また、第6実施形態と同様に、摘まみ部70において、その先端部74(突出方向における先端)を除いた部位は、外方且つ斜め上方に向けて凸の曲面形状に形成されているとともに、外方に向けて下り傾斜している曲面部76となっている。一方、摘まみ部70の先端部74は、平坦に形成されているとともに水平に配置されている。
【0059】
以上、図面を参照して各実施形態を説明したが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0060】
例えば、上記の第1~第4実施形態及び第4実施形態の変形例1、2においては、各摘まみ部70が互いに同一形状に形成されている例を説明したが、本発明において、プラスチック容器100が複数の摘まみ部70を有している場合、各摘まみ部70は、互いに異なる形状に形成されていてもよい。この場合、プラスチック容器100は、第1~第4実施形態及び第4実施形態の変形例1、2における各摘まみ部70のうち、いずれか2つ以上の摘まみ部70を有していてもよい。
【0061】
本実施形態は以下の技術思想を包含する。
(1)圧空成形又は真空成形により製造されたプラスチック容器であって、
上端が開口した箱型の容器本体と、
前記容器本体の上端から外周囲に張り出しているフランジ部と、
前記フランジ部に対して接合されることにより前記容器本体の上端の開口を塞いでいるフィルム蓋と、
を備え、
前記フランジ部の周方向における1箇所以上が摘まみ部を構成しており、
前記摘まみ部は、7度を超える傾斜角度で外方に向けて下り傾斜しており、
前記フィルム蓋は前記摘まみ部に覆い被さっており、
下り傾斜している前記摘まみ部は平面視で前記フランジ部に外接する矩形に収まっており、かつ前記摘まみ部を撓ませて水平にした状態では、前記矩形から外方に突出するプラスチック容器。
(2)前記矩形は、平面視における前記フランジ部の中心を通り当該フランジ部の外周上の2点を繋ぐ線分のうち長さが最小の線分である最小長線分に対して平行な2辺と、当該フランジ部の外周上の2点を繋ぐ線分のうち前記最小長線分に対して直交する線分である直交線分に対して平行な2辺と、により構成される矩形である(1)に記載のプラスチック容器。
(3)前記フィルム蓋と前記フランジ部との接合部の外縁は、前記摘まみ部よりも内側に位置している(1)又は(2)に記載のプラスチック容器。
(4)前記摘まみ部は平板状である(1)から(3)のいずれか一項に記載のプラスチック容器。
(5)前記摘まみ部の下面は、手指に対応する凹曲面形状に形成されている(1)から(4)のいずれか一項に記載のプラスチック容器。
(6)前記摘まみ部は、外方に向けて階段状に下り傾斜している(1)から(5)のいずれか一項に記載のプラスチック容器。
(7)前記摘まみ部には、補強リブが形成されている(1)から(6)のいずれか一項に記載のプラスチック容器。
【符号の説明】
【0062】
10 容器本体
11 胴体部
11a 胴体本体部
12 フランジ部
12a 主面部
12b フランジ部段差部
12c 幅広部
13 開口
14 底面部
14a 中央部
14b 周縁部
15 角部
16 上端部
17 段差部
17a 幅広部
20 凹凸形状
31 胴体部凸部
46 リブ
50 フィルム蓋
51 フィルム蓋角部
55 接合部
55a 外縁
70 摘まみ部
70a 縁部
70b 下面
71 角
72a 第1縁部
72b 第2縁部
73 中間部
74 先端部
76 曲面部
77 上端部
79 湾曲起立部
81 傾斜湾曲部
81a 第1傾斜湾曲部
81b 第2傾斜湾曲部
81c 第3傾斜湾曲部
86 水平部
86b 第1水平部
86c 第2水平部
86d 第3水平部
87 傾斜起立部
87a 第1傾斜起立部
87b 第2傾斜起立部
87c 第3傾斜起立部
91 補強リブ
92 水平面
93 溝部
93a 第1溝部
93b 第2溝部
93c 第3溝部
94 凹部
100 プラスチック容器
100a 外縁
111 第1縁辺
112 第2縁辺
210 矩形
211 角
220 二点鎖線
230 最小長線分
235 小長線分に対して平行な2辺
240 直交線分
245 直交線分に対して平行な2辺
250 仮想線
300 手指
310 親指
320 人差し指
H1 上下寸法
R1 傾斜角度
W1 最大幅寸法
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
【手続補正書】
【提出日】2024-03-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧空成形又は真空成形により製造されたプラスチック容器であって、
上端が開口した箱型の容器本体と、
前記容器本体の上端から外周囲に張り出しているフランジ部と、
前記フランジ部に対して接合されることにより前記容器本体の上端の開口を塞いでいるフィルム蓋と、
を備え、
前記フランジ部の周方向における1箇所以上が摘まみ部を構成しており、
前記摘まみ部は、前記フランジ部におけるその他の部位よりも水平方向における外方に向けて局所的に張り出しつつ下り傾斜しており、
前記摘まみ部の傾斜角度は、7度を超えており、
前記フィルム蓋は前記摘まみ部に覆い被さっており、
下り傾斜している前記摘まみ部は平面視で前記フランジ部に外接する矩形に収まっており、かつ前記摘まみ部を撓ませて水平にした状態では、前記矩形から外方に突出するプラスチック容器。
【請求項2】
前記矩形は、平面視における前記フランジ部の中心を通り当該フランジ部の外周上の2点を繋ぐ線分のうち長さが最小の線分である最小長線分に対して平行な2辺と、当該フランジ部の外周上の2点を繋ぐ線分のうち前記最小長線分に対して直交する線分である直交線分に対して平行な2辺と、により構成される矩形である請求項1に記載のプラスチック容器。
【請求項3】
前記摘まみ部は、平面視で前記矩形の角の少なくとも一部分と重なる位置において局所的に突出して形成されており、
前記摘まみ部を撓ませて水平にした状態では、前記摘まみ部の先端と前記矩形の前記角とを結ぶ直線の延在方向において、前記摘まみ部の前記先端は前記矩形の前記角の頂点よりも前記外方に突出する請求項1又は2に記載のプラスチック容器。
【請求項4】
前記摘まみ部は平板状である請求項1又は2に記載のプラスチック容器。
【請求項5】
前記摘まみ部の下面は、凹曲面形状に形成されている請求項1又は2に記載のプラスチック容器。
【請求項6】
前記摘まみ部は、外方に向けて階段状に下り傾斜している請求項5に記載のプラスチック容器。
【請求項7】
前記摘まみ部には、補強リブが形成されている請求項5に記載のプラスチック容器。