(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078244
(43)【公開日】2024-06-10
(54)【発明の名称】プラスチック容器
(51)【国際特許分類】
B65D 1/26 20060101AFI20240603BHJP
B65D 75/58 20060101ALI20240603BHJP
【FI】
B65D1/26 120
B65D75/58
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022190665
(22)【出願日】2022-11-29
(71)【出願人】
【識別番号】502038989
【氏名又は名称】ベスパック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137589
【弁理士】
【氏名又は名称】右田 俊介
(72)【発明者】
【氏名】原 信治
(72)【発明者】
【氏名】砂田 緑
【テーマコード(参考)】
3E033
3E067
【Fターム(参考)】
3E033AA09
3E033BA13
3E033CA20
3E033DA08
3E033DC03
3E033DD01
3E033EA05
3E033FA04
3E067BA10A
3E067BB14A
3E067BC07A
3E067CA24
3E067EA06
3E067EA15
3E067EB11
3E067EB27
3E067EE59
3E067FA01
3E067FC01
3E067GD08
(57)【要約】
【課題】フィルム蓋をより容易にフランジ部から剥離することが可能な構造のプラスチック容器を提供する。
【解決手段】プラスチック容器100は、容器本体10と、フランジ部12と、フィルム蓋50を備え、フランジ部12の角部15のうちの1つ以上の角部15は摘まみ部70を構成しており、フィルム蓋50は摘まみ部70に覆い被さっており、摘まみ部70には、上面に開口する折り曲げ部90が、当該摘まみ部70の端から端まで横切って形成されており、平面視において、フィルム蓋50とフランジ部12との接合部55の外縁55aは、折り曲げ部90よりも内側に位置しており、折り曲げ部90に沿って摘まみ部70を折り曲げることにより、摘まみ部70における折り曲げ部90よりも外方の部位74を、外方に向けて下り傾斜させることが可能である。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧空成形又は真空成形により製造されたプラスチック容器であって、
上端が開口した箱型の容器本体と、
前記容器本体の上端から外周囲に張り出しているフランジ部と、
前記フランジ部に対して接合されることにより前記容器本体の上端の開口を塞いでいるフィルム蓋と、
を備え、
前記フランジ部の角部のうちの1つ以上の角部は摘まみ部を構成しており、
前記フィルム蓋は前記摘まみ部に覆い被さっており、
前記摘まみ部には、上面に開口する折り曲げ部が、当該摘まみ部の端から端まで横切って形成されており、
平面視において、前記フィルム蓋と前記フランジ部との接合部の外縁は、前記折り曲げ部よりも内側に位置しており、
前記折り曲げ部に沿って前記摘まみ部を折り曲げることにより、前記摘まみ部における前記折り曲げ部よりも外方の部位を、外方に向けて下り傾斜させることが可能であるプラスチック容器。
【請求項2】
前記摘まみ部を前記折り曲げ部に沿って折り曲げる前の状態では、前記摘まみ部は水平に形成されている請求項1に記載のプラスチック容器。
【請求項3】
前記折り曲げ部は溝である請求項1又は2に記載のプラスチック容器。
【請求項4】
前記折り曲げ部の延在方向に対して直交する面で切断した前記折り曲げ部の断面形状は、下方に向けて凸の弧状に湾曲した形状である請求項3に記載のプラスチック容器。
【請求項5】
前記折り曲げ部はミシン目である請求項1又は2に記載のプラスチック容器。
【請求項6】
前記摘まみ部と対応する前記フランジ部の角部は、他の角部と比べて、前記容器本体の中心側に向けて広い請求項1又は2に記載のプラスチック容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチック容器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、圧空成形又は真空成形により製造されたプラスチック容器(同文献には密閉容器と記載)であって、上端が開口した箱型の容器本体と、容器本体の上端から外周囲に張り出しているフランジ部と、フランジ部に対して接合されることにより容器本体の上端の開口を塞いでいるフィルム蓋(同文献には蓋と記載)と、を備え、フランジ部の4つの角部のうちの1つの角部は摘まみ部(同文献には下摘みと記載)を構成しているプラスチック容器が記載されている。
特許文献1に記載のプラスチック容器では、フィルム蓋をフランジ部から剥離する際には、使用者は、片方の手の指で摘まみ部を摘まみつつ、もう片方の手の指でフィルム蓋の角部(同文献には上摘みと記載)を摘まみフランジ部から引き剥がす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、本発明者等の検討によれば、特許文献1のプラスチック容器では、フィルム蓋をより容易にフランジ部から剥離するための構造について、改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、フィルム蓋をより容易にフランジ部から剥離することが可能な構造のプラスチック容器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、圧空成形又は真空成形により製造されたプラスチック容器であって、
上端が開口した箱型の容器本体と、
前記容器本体の上端から外周囲に張り出しているフランジ部と、
前記フランジ部に対して接合されることにより前記容器本体の上端の開口を塞いでいるフィルム蓋と、
を備え、
前記フランジ部の角部のうちの1つ以上の角部は摘まみ部を構成しており、
前記フィルム蓋は前記摘まみ部に覆い被さっており、
前記摘まみ部には、上面に開口する折り曲げ部が、当該摘まみ部の端から端まで横切って形成されており、
平面視において、前記フィルム蓋と前記フランジ部との接合部の外縁は、前記折り曲げ部よりも内側に位置しており、
前記折り曲げ部に沿って前記摘まみ部を折り曲げることにより、前記摘まみ部における前記折り曲げ部よりも外方の部位を、外方に向けて下り傾斜させることが可能であるプラスチック容器が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、フィルム蓋をより容易にフランジ部から剥離することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係るプラスチック容器の斜視図である。
【
図2】
図2(a)及び
図2(b)は実施形態に係るプラスチック容器の平面図であり、このうち
図2(a)はフィルム蓋がフランジ部に接合された状態を示し、
図2(b)はフィルム蓋がフランジ部に接合される前の状態を示す。
【
図3】実施形態に係るプラスチック容器の側面図である。
【
図4】
図4(a)は
図2(b)のA-A線に沿った断面図であり、
図4(b)は
図2(a)のA-A線に沿った断面図である。
【
図5】実施形態に係るプラスチック容器のフィルム蓋をフランジ部から剥離する際の動作の一例を説明するための模式図であり、摘まみ部を折り曲げ部に沿って折り曲げた状態を示す。
【
図6】実施形態の変形例1に係るプラスチック容器の平面図である。
【
図7】
図7(a)及び
図7(b)は
図6のA-A線に沿った断面図であり、このうち
図7(a)は摘まみ部を折り曲げ部に沿って折り曲げる前の状態を示し、
図7(b)は摘まみ部を折り曲げ部に沿って折り曲げた状態を示す。
【
図8】実施形態の変形例2に係るプラスチック容器の平面図である。
【
図9】
図9(a)及び
図9(b)は
図8のA-A線に沿った断面図であり、このうち
図9(a)は摘まみ部を折り曲げ部に沿って折り曲げる前の状態を示し、
図9(b)は摘まみ部を折り曲げ部に沿って折り曲げた状態を示す。
【
図10】実施形態の変形例2における摘まみ部及びその周辺構造を示す平面図である。
【
図11】
図11(a)は実施形態の変形例3における摘まみ部及びその周辺構造を示す平面図であり、
図11(b)は実施形態の変形例4における摘まみ部及びその周辺構造を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、
図1から
図5を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。なお、
図5は、プラスチック容器100を、
図2(a)に示すA-A線に相当する線に沿った断面図で図示している。また、
図2(a)において、フィルム蓋50の図示は省略している。また、
図2(b)から
図4(a)において、フィルム蓋50が接合される前の容器本体10を図示している。
【0010】
本実施形態に係るプラスチック容器100は、圧空成形又は真空成形により製造されたプラスチック容器である。
図1から
図5に示すように、プラスチック容器100は、上端が開口した箱型の容器本体10と、容器本体10の上端から外周囲に張り出しているフランジ部12と、フランジ部12に対して接合されることにより容器本体10の上端の開口13を塞いでいるフィルム蓋50を備えている。
フランジ部12の角部15のうちの1つ以上の角部15は摘まみ部70を構成しており、フィルム蓋50は摘まみ部70に覆い被さっている。
摘まみ部70には、上面に開口する折り曲げ部90が、当該摘まみ部70の端から端まで横切って形成されている。
平面視において、フィルム蓋50とフランジ部12との接合部55の外縁55aは、折り曲げ部90よりも内側に位置している。
折り曲げ部90に沿って摘まみ部70を折り曲げることにより、摘まみ部70における折り曲げ部90よりも外方の部位74を、外方に向けて下り傾斜させることが可能である(
図4(b)及び
図5参照)。
また、ここでいう「外方」とは、水平方向における、当該プラスチック容器100の中心側(内方)とは反対側の方向を意味している。すなわち、摘まみ部70は水平方向における外方に向けて下り傾斜している。
また、ここでいう「上面に開口する折り曲げ部90」とは、後述するように、フランジ部12の上面に開口する溝92、もしくは変形例2のミシン目を含む。折り曲げ部90がミシン目の場合は、フランジ部12を上下に貫通する、すなわちフランジ部12の上面に開口する切れ目96(
図10参照)を有する。
また、ここでいう「フィルム蓋50は摘まみ部70に覆い被さっている」とは、平面視において、フィルム蓋50が摘まみ部70の少なくとも一部分と重なっていることを意味している。なお、後述のように、本実施形態の場合、フィルム蓋50は、摘まみ部70に対して非接合となっている。
また、摘まみ部70を折り曲げる際には、折り曲げ部90を揺動軸として、折り曲げ部90の開口91の開口幅W1(
図4(b)参照)が広がる方向に摘まみ部70の外方の部位74を揺動させる。
【0011】
プラスチック容器100は、内容物の充填後、フィルム蓋50が容器本体10の上端の開口13を塞いでいる状態で流通する。そして、フィルム蓋50をフランジ部12から剥離することによって、プラスチック容器100を開封し内容物を取り出すことができる。
図5に示すように、フィルム蓋50をフランジ部12から剥離する際には、使用者は、片方の手の指で摘まみ部70を摘まみつつ、もう片方の手の指でフィルム蓋50における摘まみ部70と対応する部位(例えば、フィルム蓋角部51)を摘まみ水平方向の成分を含む方向に引っ張ることによって、フィルム蓋50をフランジ部12から引き剥がす。
【0012】
本実施形態によれば、折り曲げ部90に沿って摘まみ部70を折り曲げることにより、摘まみ部70における折り曲げ部90よりも外方の部位74を、外方に向けて下り傾斜させることが可能である。これにより、摘まみ部70とフィルム蓋50における当該摘まみ部70に覆い被さっている部位(例えば、フィルム蓋角部51)との間の隙間を十分に確保することができるので、摘まみ部70を手指300で安定して摘まむことができる。これにより、フィルム蓋50を容易にフランジ部12から剥離することが可能となる。
また、摘まみ部70は、水平方向の成分を含む方向における外方に向けて下り傾斜している。これにより、水平方向の成分を含む方向にフィルム蓋50を引き剥がす際に、摘まみ部70を手指300で摘まむことによって、引き剥がす方向とは反対方向に抗力が生じるようにできる。よって、フィルム蓋50とともに容器本体10も移動してしまうことを良好に規制できる。
【0013】
以下、プラスチック容器100について、より詳細に説明する。
なお、以下では、プラスチック容器100の各構成要素の位置関係などを説明するに際し、
図3における上側を、上側又は上方などと称し、その反対側を下側又は下方などと称する。しかし、これらの方向の規定は便宜的なものであり、プラスチック容器100の製造時や使用時の方向を限定するものではない。
また、
図2(a)及び
図2(b)における上下方向をX方向と称し、
図2(a)及び
図2(b)における左右方向をY方向と称する。X方向及びY方向は、水平方向であり、プラスチック容器100の深さ方向に対して直交している。また、上述のように、水平方向において、プラスチック容器100の中心側を内方(内側)と称し、内方とは反対側を外方(外側)と称する。
【0014】
図2(a)、
図2(b)及び
図3に示すように、本実施形態の場合、プラスチック容器100の概略形状は、扁平な(上下の深さ寸法が浅い)箱型形状となっている。プラスチック容器100の平面形状は、特に限定されないが、一例として、角丸の矩形状となっている。より詳細には、プラスチック容器100の平面形状は、略長方形状となっており、互いに平行な一対の長辺と、互いに平行な一対の短辺と、を含む。そして、長辺と短辺との間に円弧状の曲線が配置されており、これにより丸みを帯びた角部15が構成されている。ただし、例えば、長辺と短辺とが直に交差して直角の角部15を構成していてもよい。プラスチック容器100の平面形状は、例えば、当該プラスチック容器100の中心を基準として、回転対称に形成されている。なお、
図2(a)及び
図2(b)においては、プラスチック容器100の中心を基準とした左半分を図示しており、右半分の図示は省略している。
ただし、本発明において、プラスチック容器100の平面形状は、例えば、正方形状であってもよいし、四角形状以外の多角形状であってもよい。また、プラスチック容器100の平面形状が含む各辺は、例えば、内方又は外方に向けて凸の円弧状であってもよい。
また、平面視におけるプラスチック容器100の外縁100aは、摘まみ部70の角71を間に挟み且つ互いに交差する第1縁辺111と第2縁辺112とを含む。
第1縁辺111は、例えば、略長方形状のプラスチック容器100の短辺であり、第2縁辺112は、例えば、略長方形状のプラスチック容器100の長辺である。
第1縁辺111は、例えば、X方向に延在しており、第2縁辺112は、例えば、Y方向に延在している。
本実施形態の場合、摘まみ部70は、平面視でプラスチック容器100の矩形状の形状に内包されている。
より詳細には、摘まみ部70の全体が、例えば、平面視において、プラスチック容器100の上記4つの辺(一対の長辺及び一対の短辺)を含む仮想長方形210(
図2(a)及び
図2(b)参照)の内側に収まっている。仮想長方形210の横幅寸法(Y方向における寸法)は、プラスチック容器100の横幅寸法(Y方向における寸法)と同等であり、仮想長方形210の縦幅寸法(X方向における寸法)は、プラスチック容器100の縦幅寸法(X方向における寸法)と同等である。ここで、「内側に収まっている」とは、摘まみ部70の外形線(又はその一部分)と仮想長方形210の外形線とが互いに一致していてもよいし、摘まみ部70の外形線が仮想長方形210の外形線よりも内側に位置していてもよい。
このような構成によれば、例えば、プラスチック容器100を輸送する際や店頭に陳列する際に、複数のプラスチック容器100を隙間無く格子状に配置したとしても、隣り合うプラスチック容器100の摘まみ部70どうしが互いに干渉してしまうことを抑制できる。
【0015】
容器本体10の平面形状は、例えば、角丸の矩形状となっている。より詳細には、容器本体10の平面形状は、略長方形状となっている。
図1、
図2(a)及び
図2(b)に示すように、容器本体10は、上端が開口している胴体部11と、胴体部11の下端を閉塞している底面部14と、を備える。
胴体部11の平面形状は、特に限定されないが、本実施形態の場合、プラスチック容器100の長辺に対して平行な方向において長尺な略長方形状となっている。
図3に示すように、本実施形態の場合、胴体部11は、上方に向けて平面寸法が僅かに拡大するように傾斜している。
図1から
図3に示すように、胴体部11の側周壁(ただし、角部を除く)には複数のリブ46が形成されている。複数のリブ46の各々は、上下方向に延在している。複数のリブ46は、胴体部11の周方向において、互いに等間隔で配置されている。
底面部14の形状は、特に限定されないが、本実施形態の場合、プラスチック容器100の長辺に対して平行な方向において長尺な略長方形状となっている。
【0016】
図1に示すように、フランジ部12は、容器本体10の上端から、360度周回状に外方に張り出している。フランジ部12は、平面視において、角丸の略矩形環状に形成されており、4つの角部15を有する。
本実施形態の場合、フランジ部12の略全体が、略平坦に形成されている。
また、フィルム蓋50とフランジ部12との接合部55は、フランジ部12における、摘まみ部70の外方の部位74を除いた部位の上面の略全域に形成されている。
図2(a)及び
図4(b)に示すように、フィルム蓋50が接合されている状態においては、フランジ部12の全体が、例えば、フィルム蓋50の張力によって略水平に延在している。一方、
図2(b)及び
図4(a)に示すように、フィルム蓋50が接合されていない状態においては、フランジ部12の外周縁部は、例えば、外方に向けて僅かに下り傾斜している。
フィルム蓋50は、例えば、ヒートシールによってフランジ部12の上面に対して接合される。ただし、フィルム蓋50は、例えば、接着剤などによってフランジ部12の上面に対して接合されていてもよい。
なお、
図2(a)においては、接合部55の形成領域を左上がりのハッチングで示している。
【0017】
ここで、上述のように、フランジ部12の角部15のうちの1つ以上の角部15は摘まみ部70を構成している。本実施形態の場合、一例として、フランジ部12の4つの角部15のうち、
図2(a)及び
図2(b)における左後側の角部15と、対角線方向において当該角部15とは反対側に配置されている角部15と、の2つの角部15がそれぞれ摘まみ部70を構成している。2つの摘まみ部70は、例えば、プラスチック容器100の中心を基準として、互いに回転対称形状に形成されている。
平面視において、摘まみ部70は、プラスチック容器100の対角線方向の成分を含む方向における外方に向けて突出している。より詳細には、摘まみ部70は、例えば、平面視において摘まみ部70の角71を2等分する方向における外方に向けて突出している。なお、ここでいう摘まみ部70の角71とは、言い換えると摘まみ部70の突出方向における先端である。
ただし、本発明において、プラスチック容器100が有する摘まみ部70の数は特に限定されず、フランジ部12の角部15のうちの1つが摘まみ部70であってもよいし、3つ以上が摘まみ部70であってもよい。また、プラスチック容器100が複数の摘まみ部70を有する場合、複数の摘まみ部70は互いに異なる形状に形成されていてもよい。
【0018】
ここで、本実施形態の場合、摘まみ部70と対応するフランジ部12の角部15は、他の角部15と比べて、容器本体10の中心側に向けて広い。
これにより、摘まみ部70を構成するフランジ部12の角部15において、その構造的強度を十分に確保することができる。
より詳細には、
図2(a)及び
図2(b)に示すように、フランジ部12の内周縁部において、角部15と対応する部位は、その他の部位よりも容器本体10の中心側に向けて張り出しており、幅広となっている幅広部12cを構成している。
【0019】
また、
図4(b)に示すように、本実施形態の場合、摘まみ部70を折り曲げ部90に沿って折り曲げる前の状態では、摘まみ部70は水平に形成されている。
このような構成によれば、複数のプラスチック容器100を上下に積み重ねる際に、上側のプラスチック容器100の摘まみ部70が下側のプラスチック容器100の摘まみ部70に対して干渉してしまうことを抑制できる。
より詳細には、
図4(b)に示すように、摘まみ部70を折り曲げ部90に沿って折り曲げる前の状態では、当該摘まみ部70の外方の部位74は、摘まみ部70におけるその他の部位(ただし、折り曲げ部90を除く)と略面一となっている。
また、
図5に示すように、摘まみ部70を折り曲げ部90に沿って折り曲げた状態では、摘まみ部70は、例えば、略長方形状の容器本体10の対角線方向を主成分とする方向における外方に向けて下り傾斜している。より詳細には、摘まみ部70は、例えば、平面視において摘まみ部70の角71を2等分する方向における外方に向けて、下り傾斜している。
なお、本発明において、摘まみ部70を折り曲げ部90に沿って折り曲げる前の状態においても、摘まみ部70は、例えば、外方に向けて下り傾斜していてもよい。この場合、摘まみ部70の傾斜角度がより大きくなるように、当該摘まみ部70を折り曲げ部90に沿って折り曲げる。
また、摘まみ部70を折り曲げ部90に沿って折り曲げる前の状態において、摘まみ部70は、例えば、外方に向けて上り傾斜していてもよい。この場合、摘まみ部70が外方に向けて下り傾斜するように、当該摘まみ部70を折り曲げ部90に沿って折り曲げる。
【0020】
上述のように、摘まみ部70には、上面に開口する折り曲げ部90が、当該摘まみ部70の端から端まで横切って形成されている。
より詳細には、摘まみ部70は、摘まみ部70の縁部のうち第1縁辺111に沿う縁部である第1縁部72aと、摘まみ部の縁部のうち第2縁辺112に沿う縁部である第2縁部72bと、を含む。第1縁部72a及び第2縁部72bは、摘まみ部70の角71を間に挟み且つ互いに交差している。そして、折り曲げ部90は、第1縁部72aの端から第2縁部72bの端まで横切って直線状に形成されている。ただし、本発明において、後述する変形例3及び4のように、折り曲げ部90は、例えば、曲線状に形成されていてもよい。
平面視において、折り曲げ部90は、例えば、摘まみ部70の角71を2等分する方向に対して直交する方向に延在している。また、折り曲げ部90は、水平方向に延在している。
【0021】
ここで、本実施形態の場合、折り曲げ部90は溝92である。
これにより、折り曲げ部90に沿って摘まみ部70を折り曲げる際に、折り曲げ部90を揺動軸として、摘まみ部70の外方の部位74を下方に向けて揺動させることが容易となる。
【0022】
更に、
図4(a)及び
図4(b)に示すように、折り曲げ部90の延在方向に対して直交する面で切断した折り曲げ部90の断面形状は、下方に向けて凸の弧状に湾曲した形状である。
これにより、摘まみ部70を折り曲げる際に、折り曲げ部90を揺動軸として、摘まみ部70の外方の部位74を下方に向けて揺動させることがより容易となる。
より詳細には、摘まみ部70の下面において溝92と対応する部位は、当該溝92の窪みを反映した形状、且つ、フランジ部12の肉厚を当該下面側にオフセットした形状に湾曲している。
これにより、折り曲げ部90の肉厚を十分に確保することができるので、摘まみ部70の構造的強度を十分に確保することができる。
また、本実施形態の場合、溝92の深さは、フランジ部12の肉厚よりも大きい。
これにより、折り曲げ部90に沿って摘まみ部70を折り曲げる際に、外方の部位74を外方に向けて下り傾斜した形状に塑性変形させることが容易となる。
【0023】
上述のように、フィルム蓋50とフランジ部12との接合部55の外縁55aは、折り曲げ部90よりも内側に位置している。
より詳細には、本実施形態の場合、上述のように、フィルム蓋50とフランジ部12との接合部55は、フランジ部12における摘まみ部70の外方の部位74を除いた部位の上面の略全域に形成されている。
図2(a)に示すように、接合部55の外縁55aは、例えば、折り曲げ部90の内側縁90a上又は当該内側縁90aよりも内側に形成されている。よって、摘まみ部70における折り曲げ部90よりも外方の部位74の略全体が、フィルム蓋角部51に対して非接合となっている。
フィルム蓋50の平面形状は、略長方形状の容器本体10と略同一形状に形成されている。フィルム蓋50が有する4つのフィルム蓋角部51は、フランジ部12の各角部15に覆い被さっている。この4つのフィルム蓋角部51のうち、摘まみ部70と対応する位置に配置されているフィルム蓋角部51は、当該摘まみ部70の外方の部位74に対して非接合となっている。フィルム蓋50をフランジ部12から剥離する際には、摘まみ部70と対応するフィルム蓋角部51を片方の手の指で摘まんで引き剥がす。
【0024】
プラスチック容器100の内容物は、特に限定されないが、一例として、食品とすることができる。なお、プラスチック容器100の内容物は、特に限定されず、液体(流動体を含む)であってもよいし、固形物であってもよい。
【0025】
摘まみ部70の角71の曲率半径は、例えば、摘まみ部70を構成していない角部15の角の曲率半径よりも小さい。
より詳細には、摘まみ部70の角71の曲率半径は、2.0mm以上20.0mm以下であることが好ましく、より好ましくは、3.0mm以上15.0mm以下である。
また、摘まみ部70を構成していない角部15の角の曲率半径は、2.0mm以上20.0mm以下であることが好ましく、より好ましくは、3.0mm以上15.0mm以下である。
折り曲げ部90の長さ寸法L1(
図2(a)参照)は、例えば、10.0mm以上40.0mm以下であることが好ましく、より好ましくは、15.0mm以上25.0mm以下である。
折り曲げ部90を折り曲げる前の状態において、折り曲げ部90の開口91の開口幅W1(溝92のその延在方向に対して直交する方向における寸法)は、例えば、0.45mm以上1.5mm以下であることが好ましく、より好ましくは、0.7mm以上1.0mm以下である。
摘まみ部70の外方の部位74の突出長(摘まみ部70の突出方向における最大寸法)L2(
図2(a)参照)は、例えば、容器本体10の上下寸法の1/6以上1/2以下であることが好ましく、より好ましくは容器本体10の上下寸法の1/5以上1/3以下である。本変形例の場合、一例として、外方の部位74の突出長L2は、10.0mm以上40.0mm以下であることが好ましく、より好ましくは、15.0mm以上25.0mm以下である。
折り曲げ部90の延在方向に対して直交する面で切断した断面において、折り曲げ部90の曲率半径は、例えば、0.3mm以上3.0mm以下であることが好ましく、より好ましくは、0.5mm以上2.5mm以下である。
溝92の深さは、フランジ部12の肉厚の2倍以上12倍以下であることが好ましく、より好ましくは当該肉厚の6倍以上10倍以下である。本実施形態の場合、一例として、溝92の深さは、1.0mm以上6.0mm以下であることが好ましく、より好ましくは、3.0mm以上5.0mm以下である。
【0026】
以下、フィルム蓋50をフランジ部12から剥離する際の動作の一例を説明する。
フィルム蓋50をフランジ部12から剥離する際には、先ず、使用者は、
図5に示すように、折り曲げ部90に沿って摘まみ部70を折り曲げることにより、摘まみ部70における折り曲げ部90よりも外方の部位74を、外方に向けて下り傾斜させる。より詳細には、折り曲げ部90を揺動軸として、下方に向けて摘まみ部70の外方の部位74を揺動させる。これにより、摘まみ部70を折り曲げる前の状態と比較して、外方の部位74は、外方に向けてより下り傾斜した形状に塑性変形する。
続いて、使用者は、片方の手の指で容器本体10の摘まみ部70を把持する。また、フィルム蓋50の4つのフィルム蓋角部51のうち、把持している摘まみ部70と対応するフィルム蓋角部51を、もう片方の手の指で摘まむ。
この際、外方の部位74は、外方に向けてより下り傾斜した形状に塑性変形しているので、摘まみ部70と当該摘まみ部70と対応するフィルム蓋角部51との間の隙間を十分に確保することができる。よって、摘まみ部70を手指300で安定して摘まみ、フィルム蓋50を容易にフランジ部12から剥離することが可能となる。
より詳細には、
図5に示すように、例えば、親指310を摘まみ部70の上面に沿って配置するとともに、その他の指(例えば、人差し指320)を摘まみ部70の下面に沿って配置し、少なくとも2本の指で上下に摘まみ部70を摘まむ。ただし、親指310と人差し指320との位置は互いに入れ替えてもよい。また、親指310及び人差し指320以外の手指で摘まみ部70を摘まんでもよい。
そして、摘まんでいるフィルム蓋角部51を、略長方形状の容器本体10の対角線方向を主成分とする方向(例えば、
図5の矢印で示す方向)に引っ張り、フィルム蓋50をフランジ部12から引き剥がす。
【0027】
なお、摘まみ部70を折り曲げた状態における外方の部位74の傾斜角度R1(
図5参照)は、例えば、8度以上85度以下であることが好ましく、より好ましくは10度以上45度以下である。なお、ここでいう摘まみ部70の傾斜角度R1は、折り曲げ部90の延在方向に対して直交する面で切断した断面における、水平方向に延在する仮想線230に対する摘まみ部70の傾斜角度である。
これにより、フィルム蓋50を
図5の矢印の方向に引き剥がす際に、摘まみ部70を手指300で摘まむことによって、当該矢印の方向とは反対方向に抗力が生じるようにできる。よって、フィルム蓋50とともに容器本体10も矢印の方向に移動してしまうことを良好に規制できる。
【0028】
<変形例1>
次に、
図6から
図7(b)を用いて変形例1を説明する。なお、
図6においては、接合部55の形成領域を左上がりのハッチングで示している。また、
図6においては、フィルム蓋50の図示は省略している。また、
図6においては、プラスチック容器100の中心を基準とした左半分を図示しており、右半分の図示は省略している。
本変形例に係るプラスチック容器100は、以下に説明する点で、上記の実施形態に係るプラスチック容器100と相違しており、その他の点では、上記の実施形態に係るプラスチック容器100と同様に構成されている。
【0029】
図6、
図7(a)及び
図7(b)に示すように、実施形態と同様に、折り曲げ部90は、溝92であり、摘まみ部70の上面に開口している。ただし、本変形例の場合、折り曲げ部90の延在方向に対して直交する面で切断した断面(例えば、
図6に示すA-A線に沿った断面(
図7(a)及び
図7(b))において、摘まみ部70の下面における溝92と対応する部位は、略平坦となっている。すなわち、本変形例の場合、溝92の深さは、フランジ部12の肉厚よりも小さい。
このような構成によっても、摘まみ部70における折り曲げ部90よりも外方の部位74を、外方に向けて下り傾斜させることが容易となる。よって、摘まみ部70とフィルム蓋50における当該摘まみ部70に覆い被さっている部位(フィルム蓋角部51)との間の隙間を十分に確保することができるので、摘まみ部70を手指300で安定して摘まむことができる。
図7(a)に示すように、折り曲げ部90の延在方向に対して直交する面で切断した溝92の断面形状は、例えば、下方に向けて凸の円弧状に形成されている。
【0030】
本変形例の場合、折り曲げ部90の長さ寸法L1(
図6参照)は、例えば、10.0mm以上40.0mm以下であることが好ましく、より好ましくは、15.0mm以上25.0mm以下である。
折り曲げ部90を折り曲げる前の状態において、折り曲げ部90の開口91の開口幅(溝92のその延在方向に対して直交する方向における寸法)W1(
図7(a)参照)は、例えば、0.45mm以上1.5mm以下であることが好ましく、より好ましくは、0.7mm以上1.0mm以下である。
摘まみ部70の外方の部位74の突出長(摘まみ部70の突出方向における最大寸法)L2(
図6参照)は、例えば、容器本体10の上下寸法の1/6以上1/2以下であることが好ましく、より好ましくは容器本体10の上下寸法の1/5以上1/3以下である。本変形例の場合、一例として、外方の部位74の突出長L2は、10.0mm以上40.0mm以下であることが好ましく、より好ましくは、15.0mm以上25.0mm以下である。
摘まみ部70における溝92の形成領域の肉厚(残肉部の肉厚)T1(
図7(a)参照)は、フランジ部12の肉厚の10%以上50%以下であることが好ましく、より好ましくは当該肉厚の15%以上25%以下である。本実施形態の場合、一例として、肉厚T1は、0.05mm以上0.3mm以下であることが好ましく、より好ましくは、0.05mm以上0.2mm以下である。
【0031】
<変形例2>
次に、
図8から
図10を用いて変形例1を説明する。なお、
図8においては、接合部55の形成領域を左上がりのハッチングで示している。また、
図8においては、フィルム蓋50の図示は省略している。また、
図8においては、プラスチック容器100の中心を基準とした左半分を図示しており、右半分の図示は省略している。
本変形例に係るプラスチック容器100は、以下に説明する点で、上記の実施形態に係るプラスチック容器100と相違しており、その他の点では、上記の実施形態に係るプラスチック容器100と同様に構成されている。
【0032】
本変形例の場合、折り曲げ部90はミシン目である。
このような構成によっても、折り曲げ部90に沿って摘まみ部70を折り曲げる際に、折り曲げ部90を揺動軸として、摘まみ部70の外方の部位74を下方に向けて揺動させることが容易となる。
図8及び
図10に示すように、ミシン目の折り曲げ部90は、略直線状の切れ目96と、各切れ目96の間に位置するとともに切れ目96の非形成領域である非形成部97と、を当該折り曲げ部90の延在方向に交互に連続的に配置することにより形成されている。摘まみ部70における折り曲げ部90よりも外方の部位74と、当該外方の部位74よりも内方の部位とは、非形成部97を介して互いに接続されている。
各切れ目96は、折り曲げ部90の延在方向において、互いに等間隔且つ同一直線上に配置されている。
本変形例の場合、
図9(a)及び
図9(b)に示すように、切れ目96は、摘まみ部70を当該摘まみ部70の厚み方向に貫通している。なお、本変形例の場合、各切れ目96の開口幅は実質的に0であり、摘まみ部70において切れ目96を間に介して対向する部位どうしは互いに接触している。
ただし、本発明において、切れ目96は、例えば、当該摘まみ部70の上面に開口する溝部であってもよい。
本変形例の場合、
図10に示すように、折り曲げ部90の両端は、それぞれ切れ目96によって構成されている。より詳細には、複数の切れ目96のうち、折り曲げ部90の延在方向における一端側に最も近い切れ目96は、摘まみ部70の一端(第1縁部72aの端)まで延在しており、当該延在方向における他端側に最も近い切れ目96は、摘まみ部70の他端(第2縁部72bの端)まで延在している。
ただし、本発明において、例えば、複数の切れ目96のうち、折り曲げ部90の延在方向における一端側に最も近い切れ目96は、摘まみ部70の一端(同上)まで延在していなくてもよく、当該延在方向における他端側に最も近い切れ目96も、摘まみ部70の他端(同上)まで延在していなくてもよい。そして、折り曲げ部90の両端は、例えば、それぞれ非形成部97によって構成されていてもよい。この場合、複数の非形成部97のうち、折り曲げ部90の一端を構成する非形成部97及び他端を構成する非形成部97の各々の長さ寸法は、各切れ目96の長さ寸法以下である。
また、
図8に示すように、本変形例の場合、接合部55の外縁55aは、ミシン目の折り曲げ部90上又は当該折り曲げ部90よりも内側に形成されている。
【0033】
本変形例の場合、折り曲げ部90の長さ寸法L1(
図8参照)は、例えば、10.0mm以上40.0mm以下であることが好ましく、より好ましくは、15.0mm以上25.0mm以下である。
摘まみ部70の外方の部位74の突出長(摘まみ部70の突出方向における最大寸法)L2(
図8参照)は、例えば、容器本体10の上下寸法の1/6以上1/2以下であることが好ましく、より好ましくは容器本体10の上下寸法の1/5以上1/3以下である。本変形例の場合、一例として、外方の部位74の突出長L2は、10.0mm以上40.0mm以下であることが好ましく、より好ましくは、15.0mm以上25.0mm以下である。
各切れ目96の長さ寸法L3(
図10参照)は、例えば、1.0mm以上6.0mm以下であることが好ましく、より好ましくは、2.0mm以上5.0mm以下である。
ミシン目のピッチW2(
図10参照)は、例えば、1.0mm以上6.0mm以下であることが好ましく、より好ましくは、2.0mm以上5.0mm以下である。
【0034】
<変形例3及び4>
次に、
図11(a)及び
図11(b)を用いて変形例3及び4を説明する。
本変形例に係るプラスチック容器100は、以下に説明する点で、上記の実施形態の変形例2に係るプラスチック容器100と相違しており、その他の点では、上記の実施形態の変形例2に係るプラスチック容器100と同様に構成されている。
【0035】
変形例2では、ミシン目状の折り曲げ部90が直線状に形成されている例を説明したが、本発明において、
図11(a)及び
図11(b)に示すように、ミシン目状の折り曲げ部90は、平面視において曲線状に形成されていてもよい。
より詳細には、
図11(a)に示す変形例3のように、ミシン目状の折り曲げ部90は、例えば、平面視において、内方(摘まみ部70の突出方向における内方)に向けて凸の円弧状に形成されていてもよい。この場合、例えば、各切れ目96は、曲線状に形成されており、当該各切れ目96の集合体が、平面視において、内方に向けて凸の円弧状となるように配置されている。
このような構成によっても、折り曲げ部90に沿って摘まみ部70を折り曲げる際に、折り曲げ部90を揺動軸として、摘まみ部70の外方の部位74を下方に向けて揺動させることが容易となる。
なお、折り曲げ部90は、例えば、平面視において、外方(摘まみ部70の突出方向における外方)に向けて凸の円弧状に形成されていてもよい。この場合、各切れ目96は、曲線状に形成されており、各切れ目96の集合体が、平面視において、外方に向けて凸の円弧状となるように配置されている。
また、
図11(b)に示す変形例4のように、ミシン目状の折り曲げ部90は、例えば、平面視において、波線状に延在していてもよい。
このような構成によっても、折り曲げ部90に沿って摘まみ部70を折り曲げる際に、折り曲げ部90を揺動軸として、摘まみ部70の外方の部位74を下方に向けて揺動させることが容易となる。
より詳細には、例えば、各切れ目96は、波線状に形成されており、当該各切れ目96の集合体が、平面視波線状となるように配置されている。
なお、本発明において、上述の実施形態のように折り曲げ部90が溝92である場合も、折り曲げ部90(溝92)は、例えば、平面視において、円弧状や波線状といった曲線状に形成されていてもよい。
【0036】
以上、図面を参照して実施形態及び変形例1~4を説明したが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0037】
例えば、上記の実施形態及び変形例1~4においては、各摘まみ部70が互いに同一形状に形成されている例を説明したが、本発明において、プラスチック容器100が複数の摘まみ部70を有している場合、各摘まみ部70は、互いに異なる形状に形成されていてもよい。この場合、プラスチック容器100は、実施形態及び変形例1~4における各摘まみ部70のうち、いずれか2つ以上の摘まみ部70を有していてもよい。
【0038】
本実施形態は以下の技術思想を包含する。
(1)圧空成形又は真空成形により製造されたプラスチック容器であって、
上端が開口した箱型の容器本体と、
前記容器本体の上端から外周囲に張り出しているフランジ部と、
前記フランジ部に対して接合されることにより前記容器本体の上端の開口を塞いでいるフィルム蓋と、
を備え、
前記フランジ部の角部のうちの1つ以上の角部は摘まみ部を構成しており、
前記フィルム蓋は前記摘まみ部に覆い被さっており、
前記摘まみ部には、上面に開口する折り曲げ部が、当該摘まみ部の端から端まで横切って形成されており、
平面視において、前記フィルム蓋と前記フランジ部との接合部の外縁は、前記折り曲げ部よりも内側に位置しており、
前記折り曲げ部に沿って前記摘まみ部を折り曲げることにより、前記摘まみ部における前記折り曲げ部よりも外方の部位を、外方に向けて下り傾斜させることが可能であるプラスチック容器。
(2)前記摘まみ部を前記折り曲げ部に沿って折り曲げる前の状態では、前記摘まみ部は水平に形成されている(1)に記載のプラスチック容器。
(3)前記折り曲げ部は溝である(1)又は(2)に記載のプラスチック容器。
(4)前記折り曲げ部の延在方向に対して直交する面で切断した前記折り曲げ部の断面形状は、下方に向けて凸の弧状に湾曲した形状である(3)に記載のプラスチック容器。
(5)前記折り曲げ部はミシン目である(1)から(3)のいずれか一項に記載のプラスチック容器。
(6)前記摘まみ部と対応する前記フランジ部の角部は、他の角部と比べて、前記容器本体の中心側に向けて広い(1)から(5)のいずれか一項に記載のプラスチック容器。
【符号の説明】
【0039】
10 容器本体
11 胴体部
12 フランジ部
12c 幅広部
13 開口
14 底面部
15 角部
46 リブ
50 フィルム蓋
51 フィルム蓋角部
55 接合部
55a 外縁
70 摘まみ部
71 角
72a 第1縁部
72b 第2縁部
74 外方の部位
90 折り曲げ部
90a 内側縁
91 開口
92 溝
96 切れ目
97 非形成部
100 プラスチック容器
100a 外縁
111 第1縁辺
112 第2縁辺
210 仮想長方形
230 仮想線
300 手指
310 親指
320 人差し指
L1 折り曲げ部の長さ寸法
L2 突出長
L3 切れ目の長さ寸法
R1 傾斜角度
T1 肉厚
W1 開口幅
W2 ピッチ
【手続補正書】
【提出日】2024-03-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧空成形又は真空成形により製造されたプラスチック容器であって、
上端が開口した箱型の容器本体と、
前記容器本体の上端から外周囲に張り出しているフランジ部と、
前記フランジ部に対して接合されることにより前記容器本体の上端の開口を塞いでいるフィルム蓋と、
を備え、
前記フランジ部の角部のうちの1つ以上の角部は摘まみ部を構成しており、
前記フィルム蓋は前記摘まみ部に覆い被さっており、
前記摘まみ部には、上面に開口する折り曲げ部が、当該摘まみ部の端から端まで横切って形成されており、
平面視において、前記フィルム蓋と前記フランジ部との接合部の外縁は、前記折り曲げ部の内側縁上又は前記内側縁よりも内側に形成されており、前記摘まみ部における前記折り曲げ部よりも外方の部位の全体が、前記フィルム蓋に対して非接合となっており、
前記折り曲げ部に沿って前記摘まみ部を折り曲げることにより、前記摘まみ部における前記折り曲げ部よりも外方の部位を、外方に向けて下り傾斜させることが可能であり、
前記外方の部位は、前記折り曲げ部を揺動軸として、前記折り曲げ部の開口の開口幅が広がる方向に揺動可能に構成されており、
前記摘まみ部を前記折り曲げ部に沿って折り曲げる前の状態では、前記摘まみ部は水平に形成されているプラスチック容器。
【請求項2】
前記折り曲げ部は溝である請求項1に記載のプラスチック容器。
【請求項3】
前記折り曲げ部の延在方向に対して直交する面で切断した前記折り曲げ部の断面形状は、下方に向けて凸の弧状に湾曲した形状である請求項2に記載のプラスチック容器。
【請求項4】
前記折り曲げ部はミシン目である請求項1に記載のプラスチック容器。
【請求項5】
前記摘まみ部と対応する前記フランジ部の角部は、他の角部と比べて、前記容器本体の中心側に向けて広い請求項1に記載のプラスチック容器。