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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078248
(43)【公開日】2024-06-10
(54)【発明の名称】膜屋根構造物
(51)【国際特許分類】
   E04H 15/20 20060101AFI20240603BHJP
   E04H 15/54 20060101ALI20240603BHJP
【FI】
E04H15/20 A
E04H15/20 B
E04H15/54
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022190671
(22)【出願日】2022-11-29
(71)【出願人】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森 唯人
【テーマコード(参考)】
2E141
【Fターム(参考)】
2E141BB05
2E141CC05
2E141EE07
2E141EE32
2E141FF01
2E141FF03
2E141GG11
2E141HH01
(57)【要約】
【課題】化石燃料を燃焼させることで外気を熱することなく、継続的に高温空気を膜屋根に供給して膜屋根を浮遊させる。
【解決手段】膜屋根構造物10は、袋状で排出孔36を有する膜屋根30と、一端側がアンカー55によって地盤Gに固定されると共に他端部が膜屋根に接続され他端部から膜屋根内30Aに供給する高温空気Kが通る中空のケーブル50と、地盤Gから高温蒸気Jを取り込み取り込んだ高温蒸気Jを乾燥させて高温空気Kとし中空のケーブル50内に送風する送風乾燥装置100と、を備えている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋状で排出孔を有する膜屋根と、
一端側がアンカーによって地盤に固定されると共に他端部が前記膜屋根に接続され、前記他端部から前記膜屋根内に供給する高温空気が通る中空のケーブルと、
前記地盤から高温蒸気を取り込み、取り込んだ前記高温蒸気を乾燥させて前記高温空気とし、中空の前記ケーブル内に送風する送風乾燥装置と、
を備えた膜屋根構造物。
【請求項2】
前記ケーブルの先端部に、前記高温蒸気を取り込む取込部が設けられている、
請求項1に記載の膜屋根構造物。
【請求項3】
前記送風乾燥装置は、前記アンカーに内蔵されている、
請求項2に記載の膜屋根構造物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、膜屋根構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、人や物の収納スペースを形成して覆うシート製の屋根体に関する技術が開示されている。この先行技術では、屋根体は、内部空間を介した上シートと下シートとの2重構造よりなり、収納スペースを下側に形成して覆う。そして、上シートと下シート間の内部空間に気体が圧入充填され、その気体の圧力により、上シートと下シートが、それぞれ拡開、膨張、展開される。上シートおよび下シートは、可撓性膜体よりなる。圧入充填される気体としては、空気が代表的であるが、暖気空気や水素、ヘリウム等を圧入充填すると、浮力が生じ、重量が軽減されると共に浮揚に寄与する。
【0003】
特許文献2には、浮遊式全天候型仮設屋根の構造に関する技術が開示されている。この先行技術では、仮設屋根は、薄膜、軽量の長尺チューブ内にヘリウムガスを充填して構成されている。
【0004】
特許文献3には、ヘリウムガスを充填し浮遊するように構成した膜状物からなる浮屋根に関する技術が開示されている。この先行技術では、浮屋根は、ヘリウムガスを充填する長尺内側チユーブと、少なくとも上部及び下部シート状物からなりチユーブを包む外被袋状体との2重構造で構成されている。外被袋状体は、その正面からみて上部シート状物の左右長が下部シート状物の左右長より長く上部シート状物方向に膨らむ弓形形状に構成され、かつ該袋状体の内部には、該袋状体の前後方向にならぶ長尺内側チユーブを挿入するための複数の区画域が設けられている。
【0005】
特許文献4には、インフレータブルルーフ(膨張性屋根)を備えた廃棄物処分施設に関する技術が開示されている。この先行技術では、廃棄物処分用構造物の屋根を気密性の二重の膜構造で構成し、該膜構造の膜と膜との間にガス体を充填して膨張させる。地面の中にコンクリート製の壁及び底面を有する函形の廃棄物処分用構造物を構築し、さらにこの上部にインフレータブルルーフを被覆する。このルーフは、ガス不透過性シートで構成された気密の膜構造で、この周囲端縁部にはロープが取着される。このロープは、構造物のつり上げ時及び固定時に使用される。ルーフの端縁部は固定器具により固定される。ルーフにはガス体注入口を設け、ヘリウムガスを注入し、膨張させてルーフを構成する。
【0006】
また、非特許文献1、非特許文献2及び非特許文献3には、その他関連する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2017-66801号公報
【特許文献2】特開平4-339966号公報
【特許文献3】特開平7-189497号公報
【特許文献4】特開平6-317043号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】大洋エヌピーエス株式会社 ヒートレスNPS、[online]、[2022年10月15日検索]、インターネット<URL:http://www.taiyo-nps.co.jp/products/nps.html>
【非特許文献2】ハイグロマスター株式会社 吸湿式(吸着式)圧縮空気除湿装置(エアドライヤー)の仕組み、[online]、[2022年10月15日検索]、インターネット<URL:https://www.hygro.co.jp/media/2020/03/02/18>
【非特許文献3】デシカント(ゼオライト)方式の除湿器、[online]、[2022年10月15日検索]、インターネット<URL:https://allabout.co.jp/gm/gc/2313/#2>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
高温空気を膜屋根内に充填して浮遊させる場合、膜屋根に充填した高温空気の温度が外気温によって低下すると浮力が低下する。よって、膜屋根を継続的に浮遊させるためには、高温空気を継続的に膜屋根に供給する必要がある。したがって、例えば、石油や石炭等の化石燃料を燃焼させて外気を熱し、高温空気を継続的に製造する必要がある。
【0010】
本発明は、上記事実を鑑み、化石燃料を燃焼させて外気を熱することなく、継続的に高温空気を膜屋根に供給して浮遊させることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
第一態様は、袋状で排出孔を有する膜屋根と、一端側がアンカーによって地盤に固定されると共に他端部が前記膜屋根に接続され、前記他端部から前記膜屋根内に供給する高温空気が通る中空のケーブルと、前記地盤から高温蒸気を取り込み、取り込んだ前記高温蒸気を乾燥させて前記高温空気とし、中空の前記ケーブル内に送風する送風乾燥装置と、を備えた膜屋根構造物である。
【0012】
第一態様の膜屋根構造物では、地盤の高温蒸気を乾燥させた高温空気を袋状の膜屋根に継続的に供給することで膜屋根が浮力を得て浮く。膜屋根はケーブルによって所定の高さの位置に浮いた状態が維持され、膜屋根の下に無柱の空間が作られる。このように、地盤の高温蒸気を利用することで、化石燃料を燃焼させて外気を熱することなく、継続的に高温空気を膜屋根に供給して浮遊させ、これにより膜屋根が構築される。
【0013】
第二態様は、前記ケーブルの先端部に、前記高温蒸気を取り込む取込部が設けられている、第一態様に記載の膜屋根構造物である。
【0014】
第二態様の膜屋根構造物では、ケーブルの先端部に、高温蒸気を取り込む取込部が設けられているので、別途取込部を設ける必要がなく、低コストである。
【0015】
第三態様は、前記送風乾燥装置は、前記アンカーに内蔵されている、第二態様に記載の膜屋根構造物である。
【0016】
第二態様の膜屋根構造物では、送風乾燥装置が地盤中のアンカーに内蔵されているので、送風乾燥装置を地上に設ける場合と比較し、意匠性に優れる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、化石燃料を燃焼させて外気を熱することなく、継続的に高温空気を膜屋根に供給して膜屋根を浮遊させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】膜屋根構造物の斜視図である。
図2】膜屋根構造物の鉛直方向に沿った断面図である。
図3】膜屋根の角部近傍の拡大断面図である。
図4】送風乾燥機の拡大断面図である。
図5】第一変形例の膜屋根構造物の鉛直方向に沿った断面図である。
図6】第二変形例の膜屋根構造物の鉛直方向に沿った断面図である。
図7図6の第二変形例の送風乾燥機の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<実施形態>
本発明の一実施形態の膜屋根構造物について説明する。
【0020】
[構造]
本実施形態の膜屋根構造物の構造について説明する。
【0021】
図1及び図2に示すように、地盤Gに膜屋根構造物10が設置されている。なお、図2に示すように、本実施形態の地盤Gは、温泉地等で地盤G中に地熱蒸気、つまり高温蒸気Jが豊富に含まれている。膜屋根構造物10は、膜屋根30とケーブル50と送風乾燥装置100と取込部70とを有して構成されている。本実施形態では、ケーブル50は中空とされ(図3参照)、四本有している。
【0022】
図1に示すように、膜屋根30は平面視で略矩形状で袋状とされ、図3に示すように、各角部32には膜屋根内30A(図2も参照)に後述する高温空気Kを供給するための供給口34が形成されている。また、図2に示すように、膜屋根30の下面30Lの中央部には、排出孔36が形成されている。
【0023】
図2に示すように、四本のケーブル50の一端側は、地盤Gをボーリングマシン等により掘削された穴(図示略)に挿入されている。また、各ケーブル50は、一端側が地盤G内に打ち込まれたアンカー55によって地盤Gに固定されている。各ケーブル50のアンカー55よりも先の先端部52には、地盤G中の高温蒸気Jを中空のケーブル50内に取り込む取込部70が設けられている。取込部70は、周面72の一部または全部が金属メッシュとなっており、金属メッシュからケーブル50内に地盤G中の高温蒸気Jが取り込まれる。
【0024】
各ケーブル50の他端部54は、膜屋根30の各角部32に接続されている(図1及び図3も参照)図3に示すように、中空のケーブル50は、内部に膜屋根内30Aに供給する高温空気Kが通り、各角部32の供給口34から高温空気が膜屋根内30Aに供給される。
【0025】
図1及び図2に示すように、各ケーブル50の地盤Gの上方近傍には送風乾燥装置100が設けられている。送風乾燥装置100は、地盤G中から高温蒸気Jを取り込み、取り込んだ高温蒸気Jを乾燥させて高温空気Kとし、中空のケーブル50内に送風し、膜屋根内30Aに供給する機能を有する。
【0026】
図4に示すように、送風乾燥装置100は、送風部120と乾燥部150とを有して構成されている。送風部120は、内部に複数のファン122を有している。なお、送風部120には、地上にある図示されていない電源装置から電源コード等を介して電気が供給され、これによってファン122が回転する。乾燥部150は、内部にシリカゲル等の吸湿材154が充填された円柱状の乾燥フィルター152が設けられている。乾燥フィルター152の軸方向の端部155は複数の孔が形成され、端部155から気体(空気)が通過するようになっている。
【0027】
送風部120の複数のファン122が回転することで、取込部70から地盤G中の高温蒸気Jが吸引されてケーブル50に取り込まれ、高温蒸気Jが乾燥部150に送られる。乾燥部150に送られた高温蒸気Jは、乾燥フィルター152の一方の端部155から乾燥フィルター152内に入り、吸湿材154に水分が吸着されて乾燥して高温空気Kとなり、他方の端部155から排出される。そして、高温空気Kは、図3に示すように、ケーブル50から膜屋根30の角部32の供給口34から膜屋根内30Aに供給される。
【0028】
図4に示す本実施形態の乾燥部150の乾燥フィルター152は、交換可能となっており、乾燥フィルター152を定期的に交換することで、乾燥部150の乾燥機能(除湿機能)が維持される。なお、乾燥フィルター152は、吸着した水分を乾燥させて取り除くことで再利用できる。
【0029】
[作用及び効果]
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
【0030】
本実施形態の膜屋根構造物10は、地盤Gの高温蒸気Jを乾燥させた高温空気Kを袋状の膜屋根内30Aに継続的に供給することで膜屋根30が浮力を得て浮く。膜屋根30はケーブル50によって所定の高さの位置に浮いた状態が維持され、膜屋根30の下に無柱の空間が作られる。つまり、地盤Gの高温蒸気Jを除湿して高温空気Kとして膜屋根30を浮遊させる。
【0031】
このように、地盤Gの高温蒸気Jを乾燥させて高温空気Kとすることで、石油や石炭等の化石燃料を燃焼させて外気を熱することなく、継続的に高温空気Kを膜屋根内30Aに供給されて膜屋根30が浮遊し続け、膜屋根が構築される。
【0032】
なお、膜屋根内30Aに供給された高温空気Kは、下面30Lの排出孔36から排出される。よって、膜屋根内30Aに高温空気Kを継続して供給できるので、膜屋根内30Aの充填された高温空気Kが外気で冷えて浮力が低下することが防止される。
【0033】
また、仮に膜屋根内30Aの高温空気Kが冷えて結露して膜屋根内30Aの底部に結露水が溜まったとしても排出孔36から排出される。なお、排出孔36から排出される結露水を地上に導く樋等を設けることが望ましい。
【0034】
また、高温空気は、ケーブル50内を通って膜屋根30に送られるので、別途、ダクトを設ける必要がなく意匠性に優れる。
【0035】
また、膜屋根構造物10は、ケーブル50の先端部52に、高温蒸気Jを取り込む取込部70が設けられているので、別途取込部を設ける必要がなく、低コストである。
【0036】
なお、乾燥した高温空気Kの相対湿度は、3%~5%程度である。高温空気Kの温度は、外気よりも高温且つ膜屋根30が浮く浮力を得られる温度以上である。高温蒸気Jの温度は、高温空気Kの温度以上である。高温蒸気Jの単位体積当たりの水分量は、特に限定されない。但し、乾燥部150は、高温蒸気Jの単位体積当たりの水分量が多くても、相対湿度が3%~5%程度にまで低減できる能力を有するように設定する。
【0037】
ここで、一例として、1辺が約10mの膜屋根30である場合の高温空気の温度を検討する。
【0038】
膜屋根内30Aの体積:約240m
膜屋根30の質量:約0.35kg/m
外気温:10℃
外気密度:1.2kg/m
とし、
外気圧と膜屋根30内の気圧が同じとすると、
【0039】
高温空気Kの温度が200℃であれば、高温空気Kの密度は0.718kg/mとなる。そして、膜屋根内30Aの体積分の外気の質量は288kgであり、膜屋根内30Aの体積分の高温空気Kの質量と膜屋根30の質量との和は256.32kgとなり、外気の質量よりも軽いので膜屋根30を浮遊させることができる。
【0040】
なお、上記のように、膜屋根30には高温空気Kが充填されるので、耐熱性及び耐水性に優れる材料、例えばETFE(テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体)等を用いることが望ましい。
【0041】
<変形例>
次に、本実施形態の変形例について説明する。
【0042】
[第一変形例]
図5(A)に示す第一変形例の膜屋根構造物11では、高温蒸気Jを採取する中空の採取用ケーブル51を備えている。膜屋根30の角部32に接続され、膜屋根30を支持するケーブル53の先端部にアンカー55が設けられている。採取用ケーブル51の一端部はケーブル53に接続されている。
【0043】
図5(B)に示すように、採取用ケーブル51の先端部はケーブル53に接続されている。ケーブル53における採取用ケーブル51との接続部位59から膜屋根30の角部32との接続部位までの間は中空である。そして、後述するように、採取用ケーブル51から送られた高温空気Kは、上記実施形態と同様に角部32の供給口34(図3参照)から膜屋根内30A(図2参照)に送られる。
【0044】
図5(A)に示すように、採取用ケーブル51の他端側は、地盤G中に埋設され、先端部に取込部70が設けられている。採取用ケーブル51には、送風乾燥装置100が設けられている。
【0045】
取込部70から地盤G中の高温蒸気Jが吸引されて採取用ケーブル51に取り込まれ送風乾燥装置100の乾燥フィルター152(図4参照)で水分が吸着されて乾燥し高温空気K(図4参照)となり、中空のケーブル53に送られる(図5(B)参照)。そして、前述したように、ケーブル53から膜屋根30の角部32の供給口34から膜屋根内30Aに供給される(図3参照)。
【0046】
[第二変形例]
図6に示す第二変形例の膜屋根構造物12では、アンカー55内に送風乾燥装置300が内蔵されている。つまり、アンカー55と送風乾燥装置300とが一体化している。
【0047】
図7に示すように、送風乾燥装置300は、送風部120と乾燥部330とを有している。乾燥フィルター350は、円柱状の吸湿部352とこの吸湿部352の周りの筒状の除湿部354とを有して構成されている。吸湿部352と除湿部354と境界は、破線で示している。吸湿部352及び除湿部354はシリカゲル等の吸湿材を主な材料として構成されている。
【0048】
乾燥部330の乾燥フィルター350の周囲には流路370が形成されている。高温蒸気Jの一部は流路370を通り、排出口364から地盤Gに排出される。中心部の吸湿部352と外側の除湿部354との間では、矢印Rで示すように、シリカゲル等の除湿剤が循環するように構成されている。前述したように、高温蒸気Jの一部は流路370を通り、排出口364から地盤Gに排出される。高温蒸気Jの一部は吸湿部352を通ることで乾燥し高温空気Kとなってケーブル50に送られる。吸湿部352で吸湿した除湿剤は除湿部354に送られ流路370を流れる高温蒸気Jの熱で乾燥され吸湿部352に戻る。この際に蒸発した水分Wは回収され、水分排出口362から地盤Gに放出される。この循環により、乾燥フィルター350の交換が不要となる。
【0049】
このように、送風乾燥装置300は地盤G中に設けるので、送風乾燥装置を地上に設ける場合と比較し、意匠性に優れる。
【0050】
なお、送風乾燥装置300は、上記実施形態及び第一変形例の送風乾燥装置100に替えて使用してもよい。
【0051】
<その他>
尚、本発明は上記実施形態に限定されない。
【0052】
例えば、上記実施形態の送風乾燥装置100では、乾燥部150は乾燥フィルター152が交換式になっていたが、これに限定されるものではない。乾燥部150は、高温蒸気Jの温度をできるだけ下げないで湿度を下げる機能を有する装置であればよい。例えば、非特許文献1、非特許文献2及び非特許文献3等の除湿装置を応用することができる。なお、この場合、送風乾燥装置は、乾燥フィルターの交換が不要又は長期にわたって不要になるので、アンカー55に内蔵して一体化、あるいは地盤G中に埋設することができる。
【0053】
また、高温蒸気Jを取り込みやすくするために、取込部70の周囲に空間を形成してもよい。取込部70の周囲に空間を形成する場合、取込部70の直上の地盤G上から掘削して空間を形成したのち、空間以外を埋め戻してもよい。
【0054】
更に、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得る。また、実施形態及び変形例等は、適宜、組み合わされて実施可能である。
【符号の説明】
【0055】
10 膜屋根構造物
11 膜屋根構造物
12 膜屋根構造物
30 膜屋根
30A 膜屋根内
34 供給口
36 排出孔
50 ケーブル
70 取込部
100 送風乾燥装置
300 送風乾燥装置
G 地盤
J 高温蒸気
K 高温空気
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7