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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078258
(43)【公開日】2024-06-10
(54)【発明の名称】吐出容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/00 20060101AFI20240603BHJP
   B65D 83/20 20060101ALI20240603BHJP
   B65D 83/22 20060101ALI20240603BHJP
   F04B 9/14 20060101ALI20240603BHJP
【FI】
B65D83/00 K
B65D83/20 100
B65D83/22
F04B9/14 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022190690
(22)【出願日】2022-11-29
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100154003
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】篠▲崎▼ 和樹
【テーマコード(参考)】
3E014
3H075
【Fターム(参考)】
3E014PA01
3E014PD01
3E014PD11
3E014PE14
3E014PE15
3E014PE30
3E014PF09
3H075AA01
3H075BB03
3H075CC36
3H075DA04
3H075DB13
3H075DB14
3H075DB22
(57)【要約】
【課題】操作部のための使い勝手の良いストッパを有する吐出容器を提供する。
【解決手段】容器本体2と、容器本体2に取り付けられる保持部3と、保持部3によって回動可能に保持される操作部4と、容器本体2に対して進退動作可能に設けられ、保持部3に対する操作部4の回動により操作部4によって前進側へ押圧されることで容器本体2内の内容物を吐出する吐出ヘッド5と、保持部3によって規制位置と許容位置との間で回動可能に保持されるストッパ6とを有し、ストッパ6は、規制位置では前進側への操作部4の回動を操作部4への接触によって規制し、許容位置では前進側への操作部4の回動を許容する、吐出容器1。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体と、
前記容器本体に取り付けられる保持部と、
前記保持部によって回動可能に保持される操作部と、
前記容器本体に対して進退動作可能に設けられ、前記保持部に対する前記操作部の回動により前記操作部によって前進側へ押圧されることで前記容器本体内の内容物を吐出する吐出ヘッドと、
前記保持部によって規制位置と許容位置との間で回動可能に保持されるストッパとを有し、
前記ストッパは、前記規制位置では前記前進側への前記操作部の回動を前記操作部への接触によって規制し、前記許容位置では前記前進側への前記操作部の回動を許容する、吐出容器。
【請求項2】
前記ストッパは、前記吐出ヘッドを挟む2箇所に設けられ前記保持部に連なる回動中心部と、前記規制位置において前記操作部の前進側の面に接触する接触部とを有し、
前記接触部は、前記規制位置において前記回動中心部よりも後退側に配置され、前記許容位置において前記回動中心部よりも前記前進側に配置される、請求項1に記載の吐出容器。
【請求項3】
前記操作部は、前記規制位置の前記ストッパの前記接触部に対して前記吐出ヘッドに関する背面側から接触する背面側規制部を有し、
前記保持部は、前記規制位置の前記ストッパに対して前記吐出ヘッドに関する正面側から接触する正面側規制部と、前記ストッパが前記規制位置にある状態で前記操作部に対して前記後退側から接触する後退側規制部を有する、請求項2に記載の吐出容器。
【請求項4】
前記ストッパは、前記規制位置において前記後退側に向けて前記正面側に傾斜して延在する傾斜部と、前記回動中心部から前記傾斜部に向けて前記正面側に曲がる曲がり部と、を有する、請求項3に記載の吐出容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は吐出容器に関する。
【背景技術】
【0002】
容器本体と、容器本体に取り付けられる保持部と、保持部によって回動可能に保持される操作部と、容器本体に対して進退動作可能に設けられ、保持部に対する操作部の回動により操作部によって押圧されることで容器本体内の内容物を吐出する吐出ヘッドとを有する吐出容器が知られている(例えば特許文献1~2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-297083号公報
【特許文献2】特開2016-13838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような吐出容器は、操作部に不意の外力が加わって内容物が吐出されることを抑制できるストッパを設けることが望ましい。
【0005】
そこで本発明の目的は、操作部のための使い勝手の良いストッパを有する吐出容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は以下のとおりである。
【0007】
[1]
容器本体と、
前記容器本体に取り付けられる保持部と、
前記保持部によって回動可能に保持される操作部と、
前記容器本体に対して進退動作可能に設けられ、前記保持部に対する前記操作部の回動により前記操作部によって前進側へ押圧されることで前記容器本体内の内容物を吐出する吐出ヘッドと、
前記保持部によって規制位置と許容位置との間で回動可能に保持されるストッパとを有し、
前記ストッパは、前記規制位置では前記前進側への前記操作部の回動を前記操作部への接触によって規制し、前記許容位置では前記前進側への前記操作部の回動を許容する、吐出容器。
【0008】
[2]
前記ストッパは、前記吐出ヘッドを挟む2箇所に設けられ前記保持部に連なる回動中心部と、前記規制位置において前記操作部の前進側の面に接触する接触部とを有し、
前記接触部は、前記規制位置において前記回動中心部よりも後退側に配置され、前記許容位置において前記回動中心部よりも前記前進側に配置される、[1]に記載の吐出容器。
【0009】
[3]
前記操作部は、前記規制位置の前記ストッパの前記接触部に対して前記吐出ヘッドに関する背面側から接触する背面側規制部を有し、
前記保持部は、前記規制位置の前記ストッパに対して前記吐出ヘッドに関する正面側から接触する正面側規制部と、前記ストッパが前記規制位置にある状態で前記操作部に対して前記後退側から接触する後退側規制部を有する、[2]に記載の吐出容器。
【0010】
[4]
前記ストッパは、前記規制位置において前記後退側に向けて前記正面側に傾斜して延在する傾斜部と、前記回動中心部から前記傾斜部に向けて前記正面側に曲がる曲がり部と、を有する、[3]に記載の吐出容器。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、操作部のための使い勝手の良いストッパを有する吐出容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態の吐出容器を規制状態で示す斜視図である。
図2図1に示す状態の吐出容器の正面図である。
図3図1に示す状態の吐出容器の側面図である。
図4図1に示す状態の吐出容器の背面図である。
図5図1に示す吐出容器の一部を示す分解図である。
図6図1に示す吐出容器の操作部の上面図である。
図7図6に示す操作部の下面図である。
図8図1に示す吐出容器を吐出時の状態で示す正面図である。
図9図8に示す状態の吐出容器の側面図である。
図10図9に示す状態の吐出容器の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を例示説明する。
【0014】
図1図10に示すように、本発明の一実施形態において吐出容器1は、容器本体2と、容器本体2に取り付けられる保持部3と、保持部3によって回動可能に保持される操作部4と、容器本体2に対して進退動作可能に設けられ、保持部3に対する操作部4の回動により操作部4によって前進側(下側)へ押圧されることで容器本体2内の内容物を吐出する吐出ヘッド5と、保持部3によって規制位置と許容位置との間で回動可能に保持されるストッパ6とを有する。またストッパ6は、規制位置では前進側への操作部4の回動を操作部4への接触によって規制し、許容位置では前進側への操作部4の回動を許容する。
【0015】
このような構成によれば、不使用時にはストッパ6が規制位置にある規制状態としておくことで、前進側への操作部4の回動をストッパ6によって規制できるので、操作部4に不意の外力が加わったとしても、吐出ヘッド5から内容物が吐出されることを抑制できる。また、使用時にはストッパ6を規制位置から許容位置へと回動させる簡単な操作により、ストッパ6が許容位置にあることによって操作部4への上方からの押圧操作で吐出ヘッド5から内容物を吐出できる許容状態とすることができる。さらに、使用終了時にはストッパ6を許容位置から規制位置へと回動させる簡単な操作により、再び規制状態にすることができる。
【0016】
なお本実施形態において、説明の便宜上、吐出ヘッド5の進退動作方向における前進側を下側ともいい、後退側を上側ともいう。
【0017】
ストッパ6は、吐出ヘッド5を挟む2箇所に設けられ保持部3に連なる第1回動中心部6aと、規制位置において操作部4の前進側の面(下面)に接触する接触部6bとを有し、接触部6bは、規制位置において第1回動中心部6aよりも後退側(上側)に配置され、許容位置において第1回動中心部6aよりも前進側(下側)に配置される。
【0018】
このような構成によれば、規制状態においても許容状態においてもストッパ6が邪魔にならない収まりの良いストッパ6の配置を実現できる。しかし吐出容器1はこのような構成に限らない。
【0019】
操作部4は、規制位置のストッパ6の接触部6bに対して吐出ヘッド5に関する背面側から接触する背面側規制部4aを有し、保持部3は、規制位置のストッパ6に対して吐出ヘッド5に関する正面側から接触する正面側規制部3aと、ストッパ6が規制位置にある状態で操作部4に対して後退側から接触する後退側規制部3bを有する。
【0020】
このような構成によれば、外力によりストッパ6が規制位置から不意にずれることを背面側規制部4a、正面側規制部3a及び後退側規制部3bによって抑制できるので、安定したストッパ機能を実現できる。しかし吐出容器1はこのような構成に限らず、例えば、背面側規制部4a、正面側規制部3a及び後退側規制部3bの何れか1つ又は2つを有する構成としてもよい。
【0021】
ストッパ6は、規制位置において後退側に向けて正面側に傾斜して延在する傾斜部6cと、第1回動中心部6aから傾斜部6cに向けて正面側に曲がる曲がり部6dと、を有する。
【0022】
このような構成によれば、より一層収まりの良いストッパ6の配置を実現できる。しかし吐出容器1はこのような構成に限らない。
【0023】
正面側規制部3aは、規制位置のストッパ6の傾斜部6cに対して正面側から接触する。このような構成によれば、より一層安定したストッパ機能を実現できる。しかし吐出容器1はこのような構成に限らない。
【0024】
以下に吐出容器1の詳細構成について説明するが、吐出容器1はこのような構成に限らない。
【0025】
容器本体2は、口部、胴部及び底部を有する。容器本体2内に収容される内容物は特に限定されず、例えば液体である。吐出ヘッド5による吐出の形態も特に限定されず、例えば霧状、泡状、直流状などである。
【0026】
保持部3は、装着キャップ7とカバー部材8で構成される。カバー部材8は装着キャップ7と吐出ヘッド5を部分的に覆う。容器本体2の口部に装着キャップ7とカバー部材8とがそれぞれ取り付けられる構成としてもよい、容器本体2の口部に取り付けられる装着キャップ7にカバー部材8が取り付けられる構成としてもよいし、容器本体2の口部に取り付けられるカバー部材8に装着キャップ7が取り付けられる構成としてもよい。
【0027】
カバー部材8は、吐出ヘッド5の一方側の側面を覆う一方側の側壁部8aと、吐出ヘッド5の他方側の側面を覆う他方側の側壁部8aとを有する。
【0028】
操作部4は、板状のレバー部4bとレバー部4bから下方に突出する押圧凸部4cとを有する。押圧凸部4cはレバー部4bに対して垂直に突出するリブ状をなす。なお押圧凸部4cの形状はリブ状に限らない。レバー部4bの形状も板状に限らない。
【0029】
操作部4は、レバー部4bの前面側の端部に、操作部4の回動中心となる第2回動中心部4dを有する。第2回動中心部4dは、カバー部材8の2つの側壁部8aの正面側かつ後退側(上側)の端部に、第2回動軸線O2の周りに回動可能に連なる。
【0030】
規制状態において操作部4の押圧凸部4cは吐出ヘッド5の上面に接触する。許容状態においてレバー部4bの上面に押し下げ操作を受けることにより、押圧凸部4cは下側へのレバー部4bの回動に伴って吐出ヘッド5の上面を押し下げる。
【0031】
レバー部4bの下面には、凸状の背面側規制部4aが設けられる。なお背面側規制部4aの形状は凸状に限らない。
【0032】
カバー部材8の2つの側壁部8aの後退側(上側)の端部には、後退側規制部3bが設けられる。後退側規制部3bは、レバー部4bの両側面にそれぞれ設けられる凸部4eに上側から接触することでレバー部4bが上側に回動することを規制する段差部によって形成される。
【0033】
カバー部材8の2つの側壁部8aの背面側の端面における上側部分は、正面側規制部3aを構成する。正面側規制部3aは、規制位置にあるストッパ6の曲がり部6dから傾斜部6cに亘る全体に沿う形状をなす。なお正面側規制部3aの形状はこれに限らない。
【0034】
カバー部材8の2つの側壁部8aの背面側の端面における下側部分は、許容位置にあるストッパ6の曲がり部6dから傾斜部6cに亘る全体に沿う形状の受け面3cを構成する。なお受け面3cの形状はこれに限らない。
【0035】
ストッパ6は、規制位置において下側に向けて二股に分かれる二股部6eを有する板状をなす。二股部6eの先端部は、ストッパ6の回動中心となる第1回動中心部6aを構成する。第1回動中心部6aは、カバー部材8の2つの側壁部8aの背面側の端部に、第1回動軸線O1の周りに回動可能に連なる。ストッパ6の規制位置での上端部は、接触部6bと、接触部6bの両側部において規制位置においても許容位置においてもカバー部材8から外側に突出する指掛け部6fとを有する。なおストッパ6は指掛け部6fを有する構成に限らない。
【0036】
吐出ヘッド5は前面側に吐出口5aを有し、容器本体2に対する進退動作により、シリンダとピストンで構成されるポンプ機構(不図示)を介して内容物を吐出口5aから吐出する。なお、内容物を吐出するための機構は、ポンプ機構に限らず例えば、噴射剤を用いるエアゾール式の噴射機構であってもよい。
【0037】
本発明は前述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0038】
したがって、前述した実施形態の吐出容器1は、容器本体2と、容器本体2に取り付けられる保持部3と、保持部3によって回動可能に保持される操作部4と、容器本体2に対して進退動作可能に設けられ、保持部3に対する操作部4の回動により操作部4によって前進側へ押圧されることで容器本体2内の内容物を吐出する吐出ヘッド5と、保持部3によって規制位置と許容位置との間で回動可能に保持されるストッパ6とを有し、ストッパ6は、規制位置では前進側への操作部4の回動を操作部4への接触によって規制し、許容位置では前進側への操作部4の回動を許容する、吐出容器1である限り変更可能である。
【符号の説明】
【0039】
1 吐出容器
2 容器本体
3 保持部
3a 正面側規制部
3b 後退側規制部
3c 受け面
4 操作部
4a 背面側規制部
4b レバー部
4c 押圧凸部
4d 第2回動中心部
4e 凸部
5 吐出ヘッド
5a 吐出口
6 ストッパ
6a 第1回動中心部
6b 接触部
6c 傾斜部
6d 曲がり部
6e 二股部
6f 指掛け部
7 装着キャップ
8 カバー部材
8a 側壁部
O1 第1回動軸線
O2 第2回動軸線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10