(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078285
(43)【公開日】2024-06-10
(54)【発明の名称】工業用ミシン及び情報端末
(51)【国際特許分類】
D05B 19/00 20060101AFI20240603BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20240603BHJP
H04M 1/72415 20210101ALI20240603BHJP
G06F 15/00 20060101ALI20240603BHJP
H04L 67/02 20220101ALI20240603BHJP
【FI】
D05B19/00
H04Q9/00 301Z
H04M1/72415
G06F15/00 410Z
H04L67/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022190731
(22)【出願日】2022-11-29
(71)【出願人】
【識別番号】000003399
【氏名又は名称】JUKI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡村 正美
(72)【発明者】
【氏名】阿部 優太
(72)【発明者】
【氏名】粟野 元一郎
【テーマコード(参考)】
3B150
5K048
5K127
【Fターム(参考)】
3B150LA92
3B150NA78
5K048BA01
5K048EB02
5K048FB10
5K048FB15
5K048HA01
5K048HA02
5K127AA36
5K127BA03
5K127BB22
5K127BB33
5K127CA08
5K127CB22
5K127FA07
5K127GA14
5K127GD16
(57)【要約】
【課題】多数のアプリを情報端末にインストールしなくても、情報端末を通じて工業用ミシンを操作すること。
【解決手段】工業用ミシンは、情報端末に導入されているWebブラウザからのリクエストに基づいて、操作パネルを模擬した操作画面をWebブラウザに提供し、操作画面が操作されることにより生成された操作データを受信するWebサーバと、操作データに基づいて、ミシン動作部を制御するミシン制御部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報端末に導入されているWebブラウザからのリクエストに基づいて、操作パネルを模擬した操作画面を前記Webブラウザに提供し、前記操作画面が操作されることにより生成された操作データを受信するWebサーバと、
前記操作データに基づいて、ミシン動作部を制御するミシン制御部と、を備える、
工業用ミシン。
【請求項2】
前記操作データは、前記情報端末から前記Webサーバを介して前記ミシン制御部に送信される、
請求項1に記載の工業用ミシン。
【請求項3】
前記操作データを受信する通信機を備える、
請求項2に記載の工業用ミシン。
【請求項4】
前記通信機がケーブルを介して前記操作データを受信した場合、前記ミシン制御部から前記ミシン動作部を動作させる制御指令が出力され、
前記通信機が無線で前記操作データを受信した場合、前記ミシン動作部の動作が禁止される、
請求項3に記載の工業用ミシン。
【請求項5】
前記Webサーバは、縫製品を生産するための工程に基づいて、前記操作画面を提供する、
請求項1に記載の工業用ミシン。
【請求項6】
前記Webサーバは、縫製品を生産するための複数の工程から特定の工程を選択させるためのログイン画面を前記Webブラウザに提供し、前記ログイン画面が操作されることにより生成されたリクエストに基づいて、前記操作画面を提供する、
請求項5に記載の工業用ミシン。
【請求項7】
前記Webサーバは、縫製品を生産するための工程に基づいて、前記操作画面をカスタマイズする、
請求項1に記載の工業用ミシン。
【請求項8】
前記Webサーバは、ユーザに係るユーザデータに基づいて、前記操作画面をカスタマイズする、
請求項1に記載の工業用ミシン。
【請求項9】
前記操作画面が操作されることにより前記操作画面をカスタマイズするカスタマイズデータが生成され、
前記カスタマイズデータを記憶する記憶部を備える、
請求項7又は請求項8に記載の工業用ミシン。
【請求項10】
縫製工場において共有される外部サーバからユーザに係るユーザデータを取得する、
請求項1に記載の工業用ミシン。
【請求項11】
入力装置と、
表示装置と、
前記入力装置からの識別データに基づいてWebサーバにリクエストを送信し、ミシンの操作パネルを模擬した操作画面を前記Webサーバから受信するWebブラウザを記憶する記憶部と、
前記操作画面を表示装置に表示させる表示制御部と、を備え、
前記Webブラウザは、前記操作画面が操作されることにより生成された操作データを前記Webサーバに送信する、
情報端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示する技術は、工業用ミシン及び情報端末に関する。
【背景技術】
【0002】
情報端末を通じて家電機器を操作したり家電機器の状態をモニタしたりする技術が知られている。特許文献1には、電気便座一体型便器の使用回数などを、携帯端末を通じてモニタする技術が開示されている。特許文献1において、ユーザは、専用のアプリケーションプログラム(所謂アプリ)がインストールされた携帯端末を用いてサーバへアクセスするにより、電気便座一体型便器の使用回数などを、携帯端末を通じてモニタすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
情報端末を通じて工業用ミシンを操作することが検討されている。工業用ミシンは、用途に応じて複数種類存在する。1つの縫製工場に複数種類の工業用ミシンが複数台設置される場合が多い。アプリがインストールされた情報端末を通じて工業用ミシンを操作する場合、工業用ミシンの種類の数だけアプリを情報端末にインストールする必要が生じる可能性がある。複数種類の工業用ミシンを操作できるアプリを開発すれば情報端末にインストールするアプリの数を削減できるが、複数種類の工業用ミシンを操作できるアプリの開発には多大な労力及び費用を要する可能性がある。
【0005】
本明細書で開示する技術は、多数のアプリを情報端末にインストールしなくても、情報端末を通じて工業用ミシンを操作することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書は、工業用ミシンを開示する。工業用ミシンは、情報端末に導入されているWebブラウザからのリクエストに基づいて、操作パネルを模擬した操作画面をWebブラウザに提供し、操作画面が操作されることにより生成された操作データを受信するWebサーバと、操作データに基づいて、ミシン動作部を制御するミシン制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本明細書で開示する技術によれば、多数のアプリを情報端末にインストールしなくても、情報端末を通じて工業用ミシンを操作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る工業用ミシンが設置される縫製工場を模式的に示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る工業用ミシン及び情報端末を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る工業用ミシンの動作を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、実施形態に係るログイン画面を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る操作画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明は実施形態に限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0010】
[工業用ミシン]
図1は、実施形態に係る工業用ミシン2が設置される縫製工場1を模式的に示す図である。工業用ミシン2は、縫製工場1に設置される。複数の工業用ミシン2が縫製工場1に設置される。工業用ミシン2は、縫製工場において稼働する。工業用ミシン2により糸で生地が縫合されることにより、縫製品が生産される。縫製品として、衣服が例示される。縫製工場1においては、複数の工業用ミシン2により縫製品が生産される。縫製工場1には、用途に応じた複数種類の工業用ミシン2が設置される。縫製工場1において、工業用ミシン2は、縫製品を生産するための複数の工程のそれぞれに対応するように複数種類設置される。工業用ミシン2の種類として、身頃を縫い合わせるための本縫いミシン、身頃にボタンを付けるためのボタン付け用ミシン、及び身頃にポケットを付けるためのポケット付け用ミシンが例示される。1つの縫製工場1には、多種類且つ多数の工業用ミシン2が設置される。なお、説明を簡単にするため、
図1には3つの工業用ミシン2が示されている。縫製工場1には、1つの種類の工業用ミシン2が複数台設置されてもよい。
【0011】
縫製工場1において、管理者及びオペレータが勤務する。管理者は、オペレータ及び工業用ミシン2を管理する。オペレータは、工業用ミシン2を操作して縫製処理を実施する。管理者及びオペレータは、工業用ミシン2のユーザである。管理者は、1人でもよいし複数人でもよい。
図1に示す例において、管理者は、管理者Aと管理者Bとを含む。オペレータは、複数人でもよいし1人でもよい。
図1に示す例において、オペレータは、オペレータAとオペレータBとオペレータCとを含む。
【0012】
図1に示すように、工業用ミシン2は、ルータ3と外部サーバ4と情報端末5とにより、縫製工場1においてネットワークを構築する。
【0013】
ルータ3は、工業用ミシン2と外部サーバ4と情報端末5の通信を中継する通信装置である。ルータ3は、工業用ミシン2が設置された施設と同一の施設に設置される。すなわち、ルータ3は、縫製工場1に設置される。ルータ3として、無線ローカルエリアネットワーク(LAN:Local Area Network)ルータが例示される。
【0014】
外部サーバ4は、縫製工場1において複数の工業用ミシン2に共用される。外部サーバ4は、情報端末5を操作するユーザに係るユーザデータを記憶する。ユーザデータは、工業用ミシン2を操作するオペレータに係るオペレータデータ、及び情報端末5の表示装置に表示される表示画面の設定に係るカスタマイズデータ、及びユーザの操作履歴を示す操作ログデータを含む。
【0015】
外部サーバ4は、工業用ミシン2が設置された施設と同一の施設に設置される。すなわち、外部サーバ4は、縫製工場1に設置される。なお、外部サーバ4は、クラウドコンピューティングの形態でサービスを提供するクラウドサーバでもよい。工業用ミシン2及び情報端末5のそれぞれは、ルータ3を介して外部サーバ4と通信する。工業用ミシン2及び情報端末5のそれぞれは、外部サーバ4からユーザデータを取得することができる。
【0016】
情報端末5は、管理者及びオペレータのそれぞれに所持される。情報端末5は、縫製工場1から管理者及びオペレータのそれぞれに貸し出される。情報端末5は、スマートフォン又はタブレット型パーソナルコンピュータのような携帯型電子機器である。なお、情報端末5は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような設置型電子機器でもよい。
【0017】
情報端末5には、Webブラウザが導入されている。ユーザは、情報端末5に導入されているWebブラウザを介してWebサーバへアクセスする。Webサーバは、Webブラウザからのリクエストに基づいて、Webページ画面をWebブラウザに提供する。実施形態において、WebサーバからWebブラウザに提供されるWebページ画面は、工業用ミシン2の操作パネルを模擬した操作画面を含む。情報端末5の表示装置に操作画面が表示される。オペレータは、情報端末5の表示装置に表示された操作画面を操作することにより、工業用ミシン2を操作することができる。
【0018】
図2は、実施形態に係る工業用ミシン2及び情報端末5を示すブロック図である。
図2に示すように、情報端末5は、入力装置6と、表示装置7と、端末制御装置8と、通信機9とを有する。入力装置6は、ユーザに操作されることにより入力データを生成する。入力装置6において生成された入力データは、端末制御装置8に入力される。入力装置6として、タッチパネルが例示される。なお、入力装置6は、2次元バーコードを読取可能なカメラを含んでもよい。表示装置7は、表示画面を表示する。表示装置7として、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)又は有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electroluminescence Display)のようなフラットパネルディスプレイが例示される。端末制御装置8は、コンピュータシステムを含む。端末制御装置8は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサと、ROM(Read Only Memory)のような不揮発性メモリ及びRAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリを含むメインメモリと、ストレージと、入出力回路を含むインターフェースとを有する。通信機9は、工業用ミシン2と通信する。
【0019】
工業用ミシン2は、処理装置13と、ミシン制御装置14と、通信機15とを有する。処理装置13及びミシン制御装置14のそれぞれは、コンピュータシステムを含む。処理装置13及びミシン制御装置14のそれぞれは、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサと、ROM(Read Only Memory)のような不揮発性メモリ及びRAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリを含むメインメモリと、ストレージと、入出力回路を含むインターフェースとを有する。通信機15は、情報端末5と通信する。
【0020】
端末制御装置8は、記憶部10と、入力データ取得部11と、表示制御部12とを有する。記憶部10は、Webブラウザ60(Webブラウザアプリケーション)を記憶する。入力データ取得部11は、入力装置6からの入力データを取得する。表示制御部12は、表示画面を表示装置7に表示させる。
【0021】
処理装置13は、Webサーバ70を含む。Webサーバ70は、情報端末5に導入されているWebブラウザ60からのリクエストに基づいて、工業用ミシン2の操作パネルを模擬した操作画面をWebブラウザ60に提供するコンピュータプログラム又はコンピュータシステムである。また、Webサーバ70は、情報端末5において操作画面が操作されることにより生成された操作データを受信する。
【0022】
ミシン制御装置14は、ミシン制御部16と、モニタ部17と、記憶部18とを有する。ミシン制御部16は、Webサーバ70からの操作データに基づいて、工業用ミシン2を制御する制御指令を出力する。ミシン制御部16は、操作データに基づいて、ミシン動作部を制御する。ミシン動作部として、工業用ミシン2が有するモータ、及びモータが発生する動力により動作する針棒及び天秤が例示される。モニタ部17は、工業用ミシン2の作動条件をモニタする。工業用ミシン2の作動条件として、糸張力、生地の押さえ圧、及び生地に形成される縫い目の形状(縫い形状)が例示される。工業用ミシン2には、工業用ミシン2の作動条件を検出するセンサが設けられる。センサとして、糸張力を検出する張力センサ、及び生地の押さえ圧を検出する押さえ圧センサが例示される。モニタ部17は、センサの検出データを取得することにより、工業用ミシン2の作動条件をモニタすることができる。また、工業用ミシン2には、針棒及び天秤を動作させるためのモータが設けられる。モニタ部17は、モータの駆動信号を取得することにより、工業用ミシン2の作動条件をモニタすることができる。記憶部18は、モニタ部17によりモニタされた工業用ミシン2の作動条件を記憶する。記憶部18に記憶される工業用ミシン2の作動条件は、現況作動条件及び履歴作動条件を含む。現況作動条件は、工業用ミシン2の現在の作動条件を示す。履歴作動条件は、工業用ミシン2の過去の作動条件を示す。
【0023】
工業用ミシン2と情報端末5とは、通信機15及び通信機9により通信する。工業用ミシン2の通信機15は、情報端末5から操作データを受信する。工業用ミシン2と情報端末5とは、無線により通信してもよいし、ケーブルを介して通信してもよい。ケーブルとして、ユニバーサル・シリアル・バス(USB:Universal Serial Bus)ケーブルが例示される。ケーブルの一端部は、工業用ミシン2に設けられたUSB端子のような接続端子に接続される。ケーブルの他端部は、情報端末5に設けられたUSB端子のような接続端子に接続される。工業用ミシン2の通信機15がケーブルを介して情報端末5から操作データを受信した場合、ミシン制御部16からミシン動作部を動作させる制御指令が出力される。工業用ミシン2の通信機15が無線で情報端末5から操作データを受信した場合、ミシン制御部16から制御指令は出力されずミシン動作部の動作が禁止される。
【0024】
Webサーバ70は、ミシン制御部16が保持する作動条件を示すパラメータを、ルータ3又は情報端末5に送信する。情報端末5は、ルータ3又は情報端末5に接続されたUSBケーブルを介して、Webサーバ70に操作データを送信する。Webサーバ70は、情報端末5から受信した操作データをミシン制御部16に伝達する。工業用ミシン2を操作するための操作データは、工業用ミシン2のモータ制御命令、パラメータ変更命令、及びミシン動作モード変更命令を含む。
【0025】
[動作]
図3は、実施形態に係る工業用ミシン2の動作を示すフローチャートである。
図3は、オペレータが情報端末5を通じて工業用ミシン2を操作する手順を示す。
【0026】
オペレータは、情報端末5を通じて工業用ミシン2を操作するために、操作しようとする工業用ミシン2の識別データを、入力装置6を介して端末制御装置8に入力する。
図1に示すように、工業用ミシン2の識別データとして、相互に異なるIPアドレス50が複数の工業用ミシン2のそれぞれに付されている場合、オペレータは、IPアドレス50を入力装置6(タッチパネル)で入力する。工業用ミシン2の識別データとして、相互に異なる2次元バーコードが複数の工業用ミシン2のそれぞれに付されている場合、オペレータは、2次元バーコードを入力装置6(カメラ)で読み取る。なお、情報端末5と工業用ミシン2とがUSBケーブルで接続され、工業用ミシン2の識別データがUSBケーブルを介して情報端末5に送信されてもよい。端末制御装置8の入力データ取得部11は、入力装置6から工業用ミシン2の識別データを取得する(ステップSA1)。Webブラウザ60は、入力装置6からの識別データに基づいて、Webサーバ70にリクエストを送信する。Webブラウザ60は、ログイン画面の提供をWebサーバ70にリクエストする(ステップSA2)。
【0027】
Webサーバ70は、Webブラウザ60からのリクエストに基づいて、ログイン画面をWebブラウザ60に提供する(ステップSB1)。
【0028】
図4は、実施形態に係るログイン画面100を示す図である。上述のように、縫製工場1において、工業用ミシン2は、縫製品を生産するための複数の工程のそれぞれに対応するように複数設けられる。縫製工場1に設けられる工業用ミシン2として、身頃を縫い合わせるための本縫いミシン、身頃にボタンを付けるためのボタン付け用ミシン、及び身頃にポケットを付けるためのポケット付け用ミシンが例示される。Webサーバ70は、複数の工程から特定の工程を選択させるためのログイン画面100をWebブラウザ60に提供する。表示制御部12は、Webブラウザ60に提供されたログイン画面100を表示装置7に表示させる(ステップSA3)。
【0029】
図4に示すように、ログイン画面100は、ログインIDの入力スペース19と、ログインボタン20と、第1の工程である工程Aを示す第1シンボル21と、第2の工程である工程Bを示す第2シンボル22と、第3の工程である点検を示す第3シンボル23と、第4の工程である調整を示す第4シンボル24とを含む。
【0030】
オペレータは、入力装置6を操作して、第1,第2,第3,第4の工程から、工業用ミシン2を用いて実施しようとする工程を選択する。例えば第1の工程である工程Aを選択した場合、オペレータは、工程Aに対応するログインIDを入力スペース19に入力した後、ログインボタン20をタップする。これにより、入力データとして、工程Aにログインするためのログインデータが生成される。端末制御装置8の入力データ取得部11は、ログイン画面100が操作されることにより生成されたログインデータを入力装置6から取得する(ステップSA4)。Webブラウザ60は、入力装置6からのログインデータに基づいて、Webサーバ70にリクエストを送信する。Webブラウザ60は、操作画面の提供をWebサーバ70にリクエストする(ステップSA5)。
【0031】
Webサーバ70は、ログイン画面100が操作されることにより生成されたWebブラウザ60からのリクエストに基づいて、操作画面200をWebブラウザ60に提供する。Webサーバ70は、工程Aに基づいて、操作画面200をWebブラウザ60に提供する(ステップSB2)。
【0032】
図5は、実施形態に係る操作画面200を示す図である。Webサーバ70は、工業用ミシン2の操作パネルを模擬した操作画面200をWebブラウザ60に提供する。Webブラウザ60は、操作画面200をWebサーバ70から受信する。表示制御部12は、Webブラウザ60に提供された操作画面200を表示装置7に表示させる(ステップSA6)。
【0033】
図5に示すように、操作画面200は、工程Aを特定するためのシンボル29と、可動画面30と、固定画面40とを含む。可動画面30は、画面移動ボタン37又は画面移動ボタン38が操作されることによりめくられる。可動画面30は、パターン一覧シンボル31と、ミシン針の往復回数を示す計数シンボル32と、選択された縫い形状を示す縫い形状シンボル33と、始め返し縫い機能を有効化又は無効化する選択ボタン34と、終り返し縫い機能を有効化又は無効化する選択ボタン35と、縫いピッチを選択するための縫いピッチボタン36とを含む。固定画面40は、糸切り回数を示す糸切りシンボル41と、ボビンの交換回数を示すボビンシンボル42とを含む。
【0034】
オペレータは、入力装置6を操作して、工業用ミシン2の作動条件を選択する。端末制御装置8の入力データ取得部11は、操作画面200が操作されることにより生成された操作データを入力装置6から取得する(ステップSA7)。Webブラウザ60は、操作画面200が操作されることにより生成された入力装置6からの操作データをWebサーバ70に送信する(ステップSA8)。
【0035】
Webサーバ70は、情報端末5のWebブラウザ60からの操作データをミシン制御装置14に送信する。操作データは、情報端末5からWebサーバ70を介してミシン制御部16に送信される。ミシン制御部16は、操作データに基づいて工業用ミシン2を制御する(ステップSB3)。
【0036】
[操作画面のカスタマイズ]
Webサーバ70は、縫製品を生産するための工程に基づいて、操作画面200をカスタマイズすることができる。Webサーバ70は、例えば工程Aに適した操作画面200、工程Bに適した操作画面200、点検に適した操作画面200、及び調整に適した操作画面200を提供することができる。
【0037】
また、Webサーバ70は、ユーザに係るユーザデータに基づいて、操作画面200をカスタマイズすることができる。Webサーバ70は、例えばオペレータAに係るオペレータデータに基づいて操作画面200を提供することができる。また、オペレータAは、入力装置6を操作して、操作画面200をカスタマイズすることができる。
【0038】
また、表示装置7に表示された操作画面200がユーザに操作されることにより、操作画面200がカスタマイズされてもよい。操作画面200が操作れることにより、Webサーバ70は、操作画面200をカスタマイズするカスタマイズデータを生成する。カスタマイズデータは、記憶部18に記憶されてもよいし外部サーバ7に記憶されてもよい。
【0039】
[効果]
以上説明したように、実施形態に係る工業用ミシン2は、情報端末5に導入されているWebブラウザ60からのリクエストに基づいて、工業用ミシン2の操作パネルを模擬した操作画面200をWebブラウザ60に提供し、操作画面200が操作されることにより生成された操作データを受信するWebサーバ70と、Webサーバ70に受信された操作データに基づいて、工業用ミシン2のミシン動作部を制御するミシン制御部16と、を備える。実施形態によれば、多数のアプリを情報端末5にインストールしなくても、情報端末5及びWebサーバ70を通じて工業用ミシン2を操作することができる。
【0040】
[その他の実施形態]
上述の実施形態において、ユーザデータは、外部サーバ4に記憶されることした。外部サーバ4は、省略されてもよい。ユーザデータは、複数の工業用ミシン2のそれぞれが有する記憶部18に記憶されてもよい。
【符号の説明】
【0041】
1…縫製工場、2…工業用ミシン、3…ルータ、4…外部サーバ、5…情報端末、6…入力装置、7…表示装置、8…端末制御装置、9…通信機、10…記憶部、11…入力データ取得部、12…表示制御部、13…処理装置、14…ミシン制御装置、15…通信機、16…ミシン制御部、17…モニタ部、18…記憶部、19…入力スペース、20…ログインボタン、21…第1シンボル、22…第2シンボル、23…第3シンボル、24…第4シンボル、29…シンボル、30…可動画面、31…パターン一覧シンボル、32…計数シンボル、33…縫い形状シンボル、34…選択ボタン、35…選択ボタン、36…縫いピッチボタン、37…画面移動ボタン、38…画面移動ボタン、40…固定画面、41…糸切りシンボル、42…ボビンシンボル、50…IPアドレス、60…Webブラウザ、70…Webサーバ、100…ログイン画面、200…操作画面。