(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078300
(43)【公開日】2024-06-10
(54)【発明の名称】給湯装置
(51)【国際特許分類】
F24H 1/14 20220101AFI20240603BHJP
F24H 15/215 20220101ALI20240603BHJP
F24H 15/219 20220101ALI20240603BHJP
F24H 15/238 20220101ALI20240603BHJP
F24H 15/421 20220101ALI20240603BHJP
F24H 15/31 20220101ALI20240603BHJP
【FI】
F24H1/14 B
F24H15/215
F24H15/219
F24H15/238
F24H15/421
F24H15/31
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022190758
(22)【出願日】2022-11-29
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000305
【氏名又は名称】弁理士法人青莪
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 将寛
【テーマコード(参考)】
3L034
【Fターム(参考)】
3L034BA22
3L034BB03
3L034CA04
(57)【要約】
【課題】給湯用の熱交換器を加熱するバーナへのガス供給路に介設した比例弁を備える給湯装置であって、バーナの燃焼量と比例弁電流値との相関関係を表す比例弁特性線に基づいて、バーナの燃焼量が目標燃焼量になるように比例弁電流値をフィードフォワード制御するものにおいて、最低作動水量を補正することなく比例弁特性線のずれに対処できるようにする。
【解決手段】給湯温度が設定温度に到達する前のフィードフォワード制御実行中の給湯温度の上昇速度を検出し、バーナの燃焼量が目標燃焼量に一致しているときの給湯温度の上昇速度と検出された上昇速度との差から補正値を算出する。そして、この補正値に基づいて比例弁特性線を補正する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼筐と、燃焼筐内に設けられたバーナと、バーナでの燃焼により生ずる燃焼ガスで加熱される給湯用の熱交換器と、バーナへのガス供給路に介設された比例弁と、比例弁を制御する制御手段とを備える給湯装置であって、
制御手段は、比例弁への通電電流値を比例弁電流値として、バーナの燃焼量と比例弁電流値との相関関係を表す比例弁特性線に基づいて、バーナの燃焼量が、熱交換器への給水温度と給水量とから算出される、給湯温度を設定給湯温度にするのに必要な目標燃焼量になるように比例弁電流値をフィードフォワード制御すると共に、実際の給湯温度が設定給湯温度になるように比例弁電流値をフィードバック制御するように構成されるものにおいて、
制御手段は、給湯温度が設定給湯温度に到達する前のフィードフォワード制御実行中の給湯温度の上昇速度を検出し、バーナの燃焼量が目標燃焼量に一致しているときの給湯温度の上昇速度と検出された上昇速度との差から補正値を算出し、この補正値に基づいて比例弁特性線を補正する補正処理を実行するように構成されることを特徴とする給湯装置。
【請求項2】
前記フィードフォワード制御開始後、前記熱交換器への給水温度と給水量及び設定給湯温度の変化がない状態が一定時間継続したときに検出される給湯温度の上昇速度に基づいて前記補正値を決定することを特徴とする請求項1記載の給湯装置。
【請求項3】
前記補正処理は、前記目標燃焼量が前記バーナの最大燃焼量又は最小燃焼量であるときにのみ実行されることを特徴とする請求項1又は2記載の給湯装置。
【請求項4】
給湯装置の使用開始からの前記バーナの累積燃焼時間が経年劣化の影響を受けると想定される所定時間を超えた場合は、前記補正処理を実行しないことを特徴とする請求項1記載の給湯装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼筐と、燃焼筐内に設けられたバーナと、バーナでの燃焼により生ずる燃焼ガスで加熱される給湯用の熱交換器と、バーナへのガス供給路に介設された比例弁と、比例弁を制御する制御手段とを備える給湯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
元来、この種の給湯装置において、制御手段は、比例弁への通電電流値を比例弁電流値として、バーナの燃焼量と比例弁電流値との相関関係を表す比例弁特性線に基づいて、バーナの燃焼量が、熱交換器への給水温度と給水量とから算出される、給湯温度を設定給湯温度にするのに必要な目標燃焼量になるように比例弁電流値をフィードフォワード制御すると共に、実際の給湯温度が設定給湯温度になるように比例弁電流値をフィードバック制御するように構成されている。
【0003】
ところで、輸送時の振動等に伴う外力を受けることや、設置時の施工者による調圧のバラツキによって、実際の比例弁特性線が製造段階で設定した基準特性線からずれてしまうことがある。そして、このずれに起因して、比例弁電流値を最小値にしたときのバーナの燃焼量である最小燃焼量が大きくなった場合、熱交換器への給水量をバーナを燃焼可能な最低作動水量にしたときに、比例弁電流値を最小値にしても、給湯温度が高くなり過ぎて安全動作に移行し、燃焼が停止されてしまうことがある。そこで、従来、特許文献1により、上記事態を生じた場合、最低作動水量を増加補正して、給湯温度が高くなり過ぎることを防止した給湯装置が知られている。
【0004】
ところで、最近の湯水混合栓は、節水のために水量をできるだけ少量に絞ることができるようになっている。そのため、特許文献1に記載の如く最低作動水量を増加補正すると、水量を絞ったときに、湯側の水量が最低作動流量に届かなくて、お湯が出なくなってしまい、使用者に不便をかけてしまうことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上の点に鑑み、最低作動水量を補正することなく比例弁特性線のずれに対処できるようにした給湯装置を提供することをその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、燃焼筐と、燃焼筐内に設けられたバーナと、バーナでの燃焼により生ずる燃焼ガスで加熱される給湯用の熱交換器と、バーナへのガス供給路に介設された比例弁と、比例弁を制御する制御手段とを備える給湯装置であって、制御手段は、比例弁への通電電流値を比例弁電流値として、バーナの燃焼量と比例弁電流値との相関関係を表す比例弁特性線に基づいて、バーナの燃焼量が、熱交換器への給水温度と給水量とから算出される、給湯温度を設定給湯温度にするのに必要な目標燃焼量になるように比例弁電流値をフィードフォワード制御すると共に、実際の給湯温度が設定給湯温度になるように比例弁電流値をフィードバック制御するように構成されるものにおいて、制御手段は、給湯温度が設定給湯温度に到達する前のフィードフォワード制御実行中の給湯温度の上昇速度を検出し、バーナの燃焼量が目標燃焼量に一致しているときの給湯温度の上昇速度と検出された上昇速度との差から補正値を算出し、この補正値に基づいて比例弁特性線を補正する補正処理を実行するように構成されることを特徴とする。
【0008】
ここで、実際の比例弁特性線が基準特性線からずれた場合、比例弁電流値を基準特性線上で目標燃焼量に対応する電流値にしても、バーナの燃焼量が目標燃焼量にならない。この場合、給湯温度が設定給湯温度に到達する前のフィードフォワード制御実行中に検出される給湯温度の上昇速度とバーナの燃焼量が目標燃焼量に一致しているときの給湯温度の基準上昇速度との間に差を生ずる。従って、この差は、バーナの燃焼量が目標燃焼量からどのくらいずれているかを表すパラメータになる。
【0009】
そして、本発明によれば、上記差から算出される補正値に基づいて比例弁特性線を補正することにより、バーナの燃焼量を目標燃焼量にするのに必要な比例弁電流値を求めることができる。従って、最低作動水量を補正することなく比例弁特性線のずれに対処でき、使用者に不便をかけることがない。
【0010】
尚、給湯温度が設定給湯温度に到達する前のフィードフォワード制御実行中の給湯温度の上昇速度は、熱交換器への給水温度や給水量の変化、更には、設定給湯温度の変化による目標燃焼量の変化で変化してしまう。従って、本発明においては、フィードフォワード制御開始後、熱交換器への給水温度と給水量及び設定給湯温度の変化がない状態が一定時間継続したときに検出される給湯温度の上昇速度に基づいて上記補正値を算出することが望ましい。これによれば、目標燃焼量が一定している状態で検出される給湯温度の上昇速度に基づいて補正値が算出されることになり、比例弁特性線を正確に補正することができる。
【0011】
また、給湯装置の製造段階では、一般的に、比例弁電流値を所定の最大値と最小値にしたときに、バーナの燃焼量が所定の最大燃焼量と最小燃焼量になるように調整している。従って、本発明において、上記補正処理は、目標燃焼量がバーナの最大燃焼量又は最小燃焼量であるときにのみ実行されることが望ましい。これによれば、製造段階での調整時と同様の条件で、比例弁特性線を正確に補正することができる。
【0012】
ところで、経年劣化で比例弁特性線が基準特性線からずれたり、熱交換器にドレン生成物やスケールが堆積したりして、給湯温度の上昇速度が低下した場合は、上記補正処理とは別の処理やメンテナンスを行うことが好適である。そのため、本発明においては、給湯装置の使用開始からのバーナの累積燃焼時間が経年劣化の影響を受けると想定される所定時間を超えた場合は、上記補正処理を実行しないことが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施形態の給湯装置を模式的に示す図。
【
図3】実施形態の給湯装置の制御手段による比例弁特性線のずれに対処する制御の内容を示すフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1に示す本発明の実施形態の給湯装置は、ハウジング1内に収納した燃焼筐2を備えている。燃焼筐2内の下部にはバーナ3が設けられている。また、燃焼筐2内の上部には、バーナ3での燃焼により生ずる燃焼ガスにより加熱される熱交換器4が設けられている。燃焼筐2の上端には、燃焼筐2に連通する排気路21が接続されており、熱交換器4を通過した燃焼ガスが排気路21を介して外部に排出される。また、燃焼筐2の下端には、燃焼筐2内に燃焼用空気を供給する燃焼ファン5が接続されている。
【0015】
バーナ3へのガス供給路6には、元弁7と比例弁8とが介設されている。また、熱交換器4には、上流側の給水路9と、下流側の給湯路10とが接続されている。給水路9には、熱交換器4への給水量を検出する給水量センサ11と、熱交換器4への給水温度を検出する給水温センサ12と、水量サーボ13とが設けられ、給湯路10には、給湯温度を検出する給湯温センサ14が設けられている。また、ハウジング1内には、燃焼ファン5、元弁7、比例弁8、水量サーボ13等を制御する制御手段たるマイクロコンピュータから成るコントローラ15が設けられている。そして、コントローラ15に、給水量センサ11、給水温センサ12、給湯温センサ14の検出信号を入力している。
【0016】
給湯路10の下流端の湯水混合栓(図示せず)を開いて熱交換器4に通水すると、給水量センサ11で検出された給水量が所定の最低作動水量以上になったところで、コントローラ15は、元弁7を開弁させると共に図外のイグナイタを作動させて、バーナ3に点火させる。次に、コントローラ15は、給水量センサ11及び給水温センサ12で検出される給水量及び給水温度から給湯温度を図外のリモコンで設定される所定の設定給湯温度にするのに必要な目標燃焼量を算出する。そして、コントローラ15に記憶されている、バーナ3の燃焼量と比例弁電流値(比例弁8への通電電流値)との相関関係を表す
図2に示す比例弁特性線Lに基づいて、バーナ3の燃焼量が目標燃焼量になるように比例弁電流値をフィードフォワード制御する。具体的には、目標燃焼量が例えば
図2のQaであれば、比例弁特性線L上でQaに対応する
図2のIaになるように比例弁電流値をフィードフォワード制御する。更に、給湯温センサ14で検出される実際の給湯温度が設定給湯温度になるように比例弁電流値をフィードバック制御する。また、バーナ3で正常燃焼するように予め定められた比例弁電流値とファン回転数との相関関係を表す燃焼特性線に基づいてファン回転数を制御する。バーナ3の燃焼量を最大にしても、給湯温度が設定給湯温度まで上昇しないときは、給湯温度が設定給湯温度になるまで水量サーボ13により給水量を絞る。
【0017】
尚、
図2にLで示す比例弁特性線は、製造段階で設定した基準特性線である。この基準特性線L上でバーナ3の最小燃焼量Qminと最大燃焼量Qmaxに対応する比例弁電流値の最小値と最大値は、夫々IminとImaxになる。ところで、輸送時の振動等に伴う外力を受けることや、設置時の施工者による調圧のバラツキによって、実際の比例弁特性線が基準特性線Lと異なる例えば
図2でL´で示すものにずれてしまうことがある。このずれた比例弁特性線L´では、比例弁電流値を最小値Iminにしたときに、バーナ3の燃焼量が最小燃焼量Qminよりも大きなQmin´になり、比例弁電流値を最大値Imaxにしたときに、バーナ3の燃焼量が最大燃焼量Qmaxよりも大きなQmax´になる。そこで、本実施形態では、比例弁特性線のずれに対処するために、コントローラ15により
図3に示す制御を行うようにしている。以下、この制御について詳述する。
【0018】
この制御は、バーナ3に点火してフィードフォワード制御を開始すると同時に開始され、先ず、STEP1において、給湯装置の使用開始からのバーナ3の累積燃焼時間が経年劣化の影響を受けると想定される所定時間(例えば、300時間)以下か否かを判別する。累積燃焼時間が所定時間以下であれば、STEP2に進み、目標燃焼量がバーナ3の最小燃焼量Qmin又は最大燃焼量Qmaxであるが否かを判別する。そして、目標燃焼量が最小燃焼量Qmin又は最大燃焼量Qmaxであれば、STEP3に進み、給水量センサ11と給水温センサ12で検出される熱交換器4への給水量と給水温度及び設定給湯温度の変化がない状態が一定時間(例えば、15秒)継続している否かを判別し、継続しているときにSTEP4以下の補正処理を行う。
【0019】
補正処理では、先ず、STEP4において、給湯温センサ14で検出される給湯温度が設定給湯温度に到達する前のフィードフォワード制御中の給湯温度の上昇速度を検出する。尚、給湯温度が所定温度上昇するのに要する時間を給湯温度の上昇速度を表すパラメータとして検出してもよく、また、単位時間当たりの給湯温度の上昇量を給湯温度の上昇速度を表すパラメータとして検出してもよい。
【0020】
ここで、目標燃焼量がバーナ3の最小燃焼量Qmin又は最大燃焼量Qmaxである場合、フィードフォワード制御によって比例弁電流値はImin又はImaxになる。然し、実際の比例弁特性線が基準特性線Lよりも燃焼量が増加する側にずれた
図2のL´になると、比例弁電流値をImin又はImaxにすることで、バーナ3の燃焼量は最小燃焼量Qmin又は最大燃焼量Qmaxより大きなQmin´又はQmax´になる。この場合、STEP4で検出された給湯温度の上昇速度(検出上昇速度)は、バーナ3の燃焼量が最小燃焼量Qmin又は最大燃焼量Qmaxに一致しているときの給湯温度の上昇速度(基準上昇速度)よりも大きくなる。そして、基準上昇速度と検出上昇速度との差は、バーナ3の燃焼量が目標燃焼量からどのくらいずれているかを表すパラメータになる。尚、比例弁特性線が基準特性線Lよりも燃焼量が減少する側にずれた場合、検出上昇速度は基準上昇速度よりも小さくなる。
【0021】
給湯温度の上昇速度を検出するとSTEP5に進み、検出上昇速度が基準上昇速度を含む所定の許容範囲外であるか否か、即ち、基準上昇速度から比例弁特性線の補正が必要な程ずれているか否かを判別する。そして、検出上昇速度が許容範囲外であれば、STEP6に進み、補正値ΔIを算出する。具体的には、基準特性線L上で最小燃焼量Qmin又は最大燃焼量Qmaxに対応する比例弁電流値であるImin又はImaxと、ずれた比例弁特性線L´上で最小燃焼量Qmin又は最大燃焼量Qmaxに対応する比例弁電流値であるImin´又はImax´との差を表す補正値ΔIを、検出上昇速度と基準上昇速度との差に基づいて算出する。
【0022】
次に、STEP7において、給湯停止でバーナ3が消火されたか否かを判別し、消火されたときにSTEP8に進み、比例弁特性線を基準特性線Lに対し補正値ΔIだけ電流値がずれた線L´に補正し、一連の処理を終了する。また、STEP1で累積燃焼時間が所定時間を超えていると判別されたときや、STEP2で目標燃焼量がバーナ3の最小燃焼量Qminや最大燃焼量Qmax以外の燃焼量であると判別されたときや、STEP3で熱交換器4への給水温度と給水量及び設定給湯温度の変化がない状態が一定時間継続していないと判別されたときは、STEP4以下の補正処理を行わずに処理を終了し、また、STEP5で検出上昇速度が許容範囲内と判別されたときも、STEP5以下の処理を行わずに処理を終了する。
【0023】
上記制御によれば、実際の比例弁特性線が基準特性線Lからずれても、フィードフォワード制御に用いる比例弁特性線を実際の比例弁特性線L´に合致するように補正できる。そして、次のフィードフォワード制御に際し、バーナ3の燃焼量を目標燃焼量たる例えば
図2のQaにするのに必要な比例弁電流値である
図2のIa´を補正した比例弁特性線L´から求めることができる。従って、最低作動水量を補正することなく比例弁特性線のずれに対処でき、使用者に不便をかけることがない。
【0024】
また、給湯温度が設定給湯温度に到達する前のフィードフォワード制御実行中の給湯温度の上昇速度は、熱交換器4への給水温度や給水量の変化、更には、設定給湯温度の変化による目標燃焼量の変化で変化してしまう。本実施形態においては、これら給水温度と給水量及び設定給湯温度の変化がない状態が一定時間継続したときに検出される給湯温度の上昇速度に基づいて補正値ΔIを算出している。そのため、目標燃焼量が一定している状態で検出される給湯温度の上昇速度に基づいて補正値ΔIが決定されることになり、比例弁特性線を正確に補正することができる。
【0025】
また、給湯装置の製造段階では、一般的に、比例弁電流値を所定の最大値Imaxと最小値Iminにしたときに、バーナ3の燃焼量が所定の最大燃焼量Qmaxと最小燃焼量Qminになるように調整している。本実施形態において、STEP4以下の補正処理は、目標燃焼量がバーナ3の最大燃焼量Qmax又は最小燃焼量Qminであるときにのみ実行されるため、製造段階での調整時と同様の条件で、比例弁特性線を正確に補正することができる。
【0026】
ところで、経年劣化で比例弁特性線が基準特性線Lからずれたり、熱交換器にドレン生成物やスケールが堆積したりして、給湯温度の上昇速度が低下した場合は、上記補正処理とは別の処理やメンテナンスを行うことが好適である。そのため、本実施形態においては、給湯装置の使用開始からのバーナ3の累積燃焼時間が経年劣化の影響を受けると想定される所定時間を超えた場合は、上記補正処理を実行しないようにしている。
【0027】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、前回の給湯運転を停止してから左程時間が経過していないうちに再度給湯運転を開始した場合、バーナ3の燃焼量と給湯温度の上昇速度との相関に狂いを生ずる。従って、この場合、補正処理を行わないようにしてもよい。
【符号の説明】
【0028】
2…燃焼筐、3…バーナ、4…熱交換器、6…ガス供給路、8…比例弁、15…コントローラ(制御手段)。