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特開2024-78361動力付き移動体装着型風力・水力兼用発電機
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  • 特開-動力付き移動体装着型風力・水力兼用発電機 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078361
(43)【公開日】2024-06-10
(54)【発明の名称】動力付き移動体装着型風力・水力兼用発電機
(51)【国際特許分類】
   H02K 7/18 20060101AFI20240603BHJP
   F03D 9/32 20160101ALI20240603BHJP
   F03D 1/04 20060101ALI20240603BHJP
   F03D 1/06 20060101ALI20240603BHJP
   F03D 17/00 20160101ALI20240603BHJP
   F03B 3/04 20060101ALI20240603BHJP
   F03B 13/10 20060101ALI20240603BHJP
   F03B 13/26 20060101ALI20240603BHJP
   F03B 17/06 20060101ALI20240603BHJP
【FI】
H02K7/18 A
F03D9/32
F03D1/04 B
F03D1/06 Z
F03D17/00
F03B3/04
F03B13/10
F03B13/26
F03B17/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022201631
(22)【出願日】2022-11-29
(71)【出願人】
【識別番号】316006163
【氏名又は名称】平井 正昭
(74)【代理人】
【識別番号】230109210
【弁護士】
【氏名又は名称】下山田 聰明
(72)【発明者】
【氏名】平井 正昭
【テーマコード(参考)】
3H072
3H074
3H178
5H607
【Fターム(参考)】
3H072AA09
3H072BB08
3H072BB24
3H072CC11
3H072CC71
3H074AA12
3H074BB10
3H074CC17
3H178AA02
3H178AA18
3H178AA32
3H178AA43
3H178AA56
3H178BB07
3H178DD30X
3H178EE05
3H178EE16
3H178EE25
5H607AA12
5H607BB02
5H607CC05
5H607FF24
5H607FF25
5H607FF26
5H607FF27
(57)【要約】      (修正有)
【課題】風圧や水流を常に一定方向から取込み、内部のプロペラを回転させ発電する装置を提供する。
【解決手段】本発明品本体の形状は、基本的に円筒形をしており、風圧や水流を直接真正面方向から受ける先端のみ円錐形で、全体として先の尖ったクレヨンの様な形状となり、その先端に風や水流の取込み口1がある。その取り込み口には、カメラのシャッターと同様の絞りの仕組みが施されており、回転体(ドリル型スクリュープロペラ)2の軸部に装着した回転センサー3から送信される電気信号に従って、穴の大きさが段階的に変化する仕組みである。回転速度が一定数に達すると取り込み口の大きさが変化して、取込む風量や水量が自動的に調整され、回転スピードを安定させる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車、列車、飛行機、船舶、潜水艇など、陸上、空中、水面上、水中を移動する動力付き移動体に装着し、移動に伴って発生する風圧、水流を利用して発電する装置。
【請求項2】
風圧、水流取り込み口から流入する空気圧や水圧を利用して、発電機本体内部のプロペラを回転させ、発電する仕組みを有する装置。
【請求項3】
発電機本体内に格納されたプロペラの回転速度を検知するセンサーを有する装置。
【請求項4】
風圧、水流取り込み口の穴の大きさが、請求項3で示したセンサーから送信される電気信号によって、プロペラの回転が速くなればなるほど取り込み口の大きさが小さくなり、遅くなればなるほど取り込み口の大きさが大きくなるように段階的に自動調節する仕組みを有する装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車、列車、飛行機、船舶、潜水艇などの動力付き移動体の進行方向に向けて装着することで、風圧や水流を常に一定方向から取込み、内部のプロペラを回転させ発電する装置に関するものである。また、空気や水流を取込む際、プロペラの回転数を検知するセンサーによって、空気・水流取込み口となる穴の大きさが自動的に調整されることで、過度な風量・水量の流入による内部プロペラの破損やモーターの焼き切れ等を防止し、継続的で効率的な発電を促進する機能を有するのが特徴となる。
【背景技術】
【0002】
本発明に関連する既存の発電技術として、一般的な風力発電、及びダム建設が前提となる大規模水力発電、主に高低差や河川の水流を利用した小規模水力発電等が挙げられる。
【0003】
また、「非化石エネルギー源のうち、エネルギー源として永続的に利用することができるもの」と法律で定義されている「再生可能エネルギー」の範疇として、太陽光発電、風力発電、中小規模のマイクロ水力発電などが含まれるが、本発明もこの範疇に含まれる。
【0004】
さらに、「新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法」という法律で「非化石エネルギーのうち、経済性の面における制約から普及が十分でないものであって、なおかつその促進を図ることが非化石エネルギーの導入を図るため特に必要なもの」と定義されているものとして、▲1▼バイオマス(動植物に由来する有機物)を原材料とする燃料製造、▲2▼バイオマス(動植物に由来する有機物)熱利用、▲3▼太陽熱利用、▲4▼河川水などを熱源とする温度差熱利用、▲5▼雪氷熱利用、▲6▼バイオマス発電、▲7▼地熱発電(バイナリー発電)、▲8▼風力発電、▲9▼水力発電(出力1000Kw以下)、▲10▼太陽熱発電の10種類があり、本発明は上記のうち▲8▼と▲9▼に該当する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】
【特許文献2】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】
【非特許文献2】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の風力発電や水力発電においては、主に次の3点の課題がある。
(1)風圧、水流が得られないと発電しない。
(2)風向きや水流の方向を正確に捉えないと、プロペラが回転せず発電不可となる。
(3)風圧、水流が過度に得られた場合、プロペラの破損やモーターの焼き切れ等の危険性を孕む。
本発明では、上記3点の課題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)風圧、水流が得られないと発電しないという課題の解決手段
一般的な風力発電、及び水力発電は、自然現象である風圧と水流が得られないとそもそも発電現象は起こりえない。ところが本発明では、自動車、列車、飛行機、船舶、潜水艇などの動力付き移動体本体に取り付けて利用することが原則であり、当該動力付き移動体の速度に則した風圧、水流が自動的に得られるため、自然現象としての風圧、水流の発現に依存せずとも発電が可能となる。したがって、この課題は原理上自ずと解決される。
【0009】
(2)風向きや水流の方向を正確に捉えないと、プロペラが回転せず発電不可となるという課題の解決手段
一般的な風力発電、及び水力発電は、風向きや水流の方向をある程度正確に捉えないとプロペラ等の回転体の回転動力が得られず、発電しない。そこで一般的な風力発電の場合、風向きに合わせてプロペラの方向が移動する仕組みが施されており、また水力発電の場合では、高低差を利用して一方向に流れを導引するなどの措置が必要となる。ところが本発明では、動力付き移動体本体に、進行方向と同方向に装着して利用することが原則であるため、自然現象としての風向きの変化や水流の方向とは関係なく、動力付き移動体の進行方向に向かって、常に真正面から本体に向かって流れ込む風や水流を捉えるため、この課題は自ずと解決される。
【0010】
(3)風圧、水流が過度に得られた場合、プロペラの破損やモーターの焼き切れ等の危険性を孕む。という課題の解決手段
特に風力発電において、台風時など、突発的な暴風によるプロペラの破損事故や発電モーターの焼き切れ現象等が発生することがある。
本発明品本体の形状は、基本的に円筒形をしており、風圧や水流を直接真正面方向から受ける先端のみ円錐形で、全体としてクレヨンの様な形状となる。その先端に、風や水流の取込み口がある。その取り込み口には、カメラのシャッターと同様の絞りの仕組みが施されており、回転体(ドリル型スクリュープロペラ)の軸部に装着したセンサーから送信される電気信号に従って、穴の大きさが段階的に変化する仕組みである。回転速度が一定数に達すると取り込み口の大きさが変化して、取込む風量や水量が自動的に調整され、回転スピードを安定させる。この機能により、過度な風量、水量の取込による回転体(本体内部に格納されたドリル型スクリュープロペラ)の破損や高回転摩擦による発熱、または、それに伴うモーターの焼き切れなどを防止できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の効果は以下の通りである。
(1)《発電時間》本発明による発電機は動力付き移動体に装着するものとなり、原則として移動体が移動している間は継続的に発電する。
【0012】
(2)《発電電力量》本発明における発電量は、使用する発電機の発電能力や装置の大きさに依拠する。
【0013】
(3)《活用範囲》本発明による発電機は、水上、水中、陸上、空中で移動する動力付き移動体であればいかなる種類、形態のものであっても装着、発電が可能である。※ただし、移動体の大きさによっては装着不可となる場合もある。
【0014】
(4)《活用用途》本発明による発電電力は、装着する移動体の蓄電池に蓄電することが可能で、移動体の電子機器の利用時間や無給電移動距離の延長に寄与し得る。
【0015】
(5)《環境に負荷を与えない》本発明による発電工程において、いかなる燃料も必要とせず、いかなる排気物、廃棄物も発生しないクリーンエネルギー発電機である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】空気・水流取込み口(1)真横から見たイメージ 本発明品本体の形状は、基本的に円筒形をしており、風圧や水流を直接真正面方向から受ける先端のみ円錐形で、全体としてクレヨンの様な形状となる。その先端に、風や水流の取込み口があり、その開口部の大きさがプロペラの回転数によって変化する。(1)風・水流取込み口が最大のとき (2)風・水流取込み口が最小のとき
図2】空気・水流取込み口(2)正面(先端側)から見たイメージ (1)風・水流取込み口が最大のとき (2)風・水流取込み口が最小のとき
図3】発電機本体内部の全体構造 (1)「空気・水流取込み口」から流入する空気および水流が(2)「ドリル型スクリュープロペラ」を回転させ、その回転を(4)「増速機」で増幅し、(5)「発電機」に伝え、発電機内のモーターで回転を電気エネルギーに変えるのが、本発明による全体的な発電の仕組みとなる。風や水流の取込口には、カメラのシャッターの絞りの構造と似た仕組みが施されており、回転体(スクリュープロペラ)の軸部に装着した(3)「回転センサー」から送信される電気信号に従って、穴の大きさが段階的に変化する。回転速度が一定数に達するごとに取込み口の大きさが変化して、取込む風量や水量が自動的に調整され、回転スピードを安定させるのが本発明の最大の特徴となる。空気または水流の流れについては矢印で示した通りである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明による発電機は、動力付き移動体に装着して使用することを基本とする。従って、発電機自体の基本的な構造と形態はすべてに共通するが、装着する移動体の種類や取り付け部分の形状、素材や格納空間の大きさ等の構造によって取り付け方はそれぞれ異なる。
【実施例
例えば自動車に取り付ける場合、ボンネット部に本発明品を格納し、前方から取込まれる風を利用して発電する等が考えられる。
【0018】
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明の産業上の利用範囲としては、自動車、バイク、列車、飛行機、船舶、潜水艇などの乗り物だけでなく、高層ビルのエレベーターや、ドローンなど、あらゆる動力付き移動体の補助電源として広く活用できる。また、将来的に自動運転の電気自動車が実用化された際、本発明品を搭載することにより、「走る発電所」としての役目を担う可能性も十分に考えられる。
【符号の説明】
【0020】
(1)空気・水流取込み口
(2)ドリル型スクリュープロペラ
(3)回転センサー
(4)増速機
(5)発電機
図1
図2
図3