(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078363
(43)【公開日】2024-06-10
(54)【発明の名称】加湿器
(51)【国際特許分類】
F24F 6/00 20060101AFI20240603BHJP
F24F 6/04 20060101ALI20240603BHJP
【FI】
F24F6/00 A
F24F6/00 B
F24F6/04
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023005411
(22)【出願日】2023-01-17
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-06
(31)【優先権主張番号】202211503518.8
(32)【優先日】2022-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】520066924
【氏名又は名称】▲蘇▼州▲貝▼昂智能科技股▲フン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】向 冰
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ ▲義▼▲剛▼
(72)【発明者】
【氏名】路 ▲堯▼▲遠▼
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 辰辰
(72)【発明者】
【氏名】章 ▲海▼芸
【テーマコード(参考)】
3L055
【Fターム(参考)】
3L055BA01
3L055DA01
3L055DA05
(57)【要約】
【課題】
本願は加湿装置技術分野に関し、特に加湿器に関する。
【解決手段】
加湿器は、本体部材と、本体部材の内部に設置される貯水容器と、を含み、本体部材の上端に注水コンポーネントが設置され、注水コンポーネントに注水室が形成され、注水室が貯水容器と連通し、本体部材にさらに導風路が形成され、注水室と導風路とが相互に隔絶されている。本願が提供する加湿器は、注水コンポーネントを設置することによって独立した注水用水路が画定され、これにより注水の最中に加湿装置が正常に風を出すことができ、注水と風の吹き出しとが互いに影響を及ぼさず、風が順調に吹き出し続けてしかも水滴が飛散せず、注水中の利便性が顕著に向上し、また水滴の飛散で周囲の物品が濡れることも回避できる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部材と、
前記本体部材の内部に設置される貯水容器と、を含み、
前記本体部材の上端に注水コンポーネントが設置され、前記注水コンポーネントに注水室が形成され、前記注水室が前記貯水容器と連通し、
前記本体部材にさらに導風路が形成され、前記注水室と前記導風路とが相互に隔絶されていることを特徴とする、加湿器。
【請求項2】
前記本体部材は、
第一ケーシングと、
前記第一ケーシングの外部に嵌設される第二ケーシングとを含み、
前記貯水容器は前記第一ケーシングの内部に設置されるか、または前記貯水容器は前記第一ケーシングの底部に設置されることを特徴とする、請求項1に記載の加湿器。
【請求項3】
前記加湿器はさらに導風コンポーネントを含み、前記第一ケーシングの高さは前記第二ケーシングより低く、前記導風コンポーネントは前記第二ケーシング内で前記第一ケーシング上に設置され、
前記導風コンポーネントは相互に係合可能な第一導風部材と第二導風部材とを含むことを特徴とする、請求項2に記載の加湿器。
【請求項4】
前記第一導風部材と前記第二導風部材とが共同して装着空間を画定し、前記装着空間内に導流コンポーネントが設置され、前記導流コンポーネントは、ファンと、モータカバーと、前記モータカバーに係止して設けられたモータカバーキャップとを含み、前記モータカバーと前記モータカバーキャップとの間にモータを収納するための固定室が形成され、
前記モータは駆動軸を有し、前記駆動軸の一端は前記モータカバーを貫通して前記ファンと接続され、
前記モータカバーキャップに複数の水流路が設置され、複数の水流路はそれぞれ前記注水室と連通し、前記第二導風部材には前記水流路と同数の導水路が設置され、前記水流路が各々、前記導水路のうち1つと連通することを特徴とする、請求項3に記載の加湿器。
【請求項5】
前記注水コンポーネントは前記第二ケーシングに設置され、前記注水コンポーネントは少なくとも1つの固定部材を含み、少なくとも1つの前記固定部材と前記モータカバーキャップが共同で前記注水室を画定し、前記注水室は前記水流路と連通することを特徴とする、請求項4に記載の加湿器。
【請求項6】
前記ファンの下方にフィルターが設置され、前記フィルターは前記貯水容器の上方に位置し、前記フィルターの中心位置に穴あき部が形成され、前記注水室は前記穴あき部によって前記貯水容器と連通し、
前記貯水容器の底部にポンプが設置され、前記ポンプは前記貯水容器内の水を前記フィルターに圧送することができることを特徴とする、請求項4に記載の加湿器。
【請求項7】
前記装着空間の内部に第一通風路が形成され、
前記第一ケーシングと前記第二ケーシングとの間に第二通風路が形成され、前記第二通風路、前記フィルター、および前記第一通風路はこの順に連通し、前記モータの駆動により前記ファンが起動すると、前記本体部材内に一方向気流が形成され、前記一方向気流は前記第二通風路、湿潤状態の前記フィルター、前記ファン、および前記第一通風路を順次経由した後、前記本体部材の外部へと流れることを特徴とする、請求項6に記載の加湿器。
【請求項8】
前記加湿器はさらに導水コンポーネントを含み、前記フィルターの上端に位置決め部が設置され、前記導水コンポーネントは前記位置決め部に設置され、
前記注水室内の水は、前記水流路、前記導水路を経て前記導水コンポーネントへと流れ、前記フィルターは環状構造を有し、前記導水コンポーネントの案内作用で、水は前記フィルターの内壁面に沿って前記貯水容器に流入することを特徴とする、請求項6に記載の加湿器。
【請求項9】
前記導水コンポーネントは、
前記第一ケーシングに設けられた装着部に設置された密封リングと、
一体構造を有する第一固定部、第一導水部、第二導水部を含む導水リングであり、前記第一固定部が前記装着部へ延伸し、前記密封リングが前記装着部と前記第一固定部との間に設置されて、前記導水リングと前記装着部との間の間隙を密封する、導水リングと、を含み、
前記第一導水部は前記第一固定部と前記第二導水部との間に位置し、前記第一導水部は傾斜して設置され、前記第二導水部は前記フィルターの内壁面へ延伸することを特徴とする、請求項8に記載の加湿器。
【請求項10】
上から下への方向に、前記フィルターの直径が次第に増大することを特徴とする、請求項6から9のいずれか1項に記載の加湿器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は加湿装置技術分野に関し、特に加湿器に関する。
【背景技術】
【0002】
目下、加湿器は、空気の湿度を調節するための装置であり、従来の気化式加湿器は通常、水でフィルターを湿潤させたうえで、フィルターを通過した気流を送風機によって室内に送入することで環境湿度を上昇させる。一般的な加湿器の注水方式は、加湿器内部の貯水容器に直接水を入れるタイプと、加湿器上部の注水口から直接水を入れるタイプとの2種類が主である。1種類目の加水方式は比較的煩雑で、機器を繰り返し着脱する必要があり、手早さに欠ける。2種類目の加水方式は操作が比較的簡便で、加湿器の新たなトレンドとなってきている。しかし、市販の加湿器で上部加水式を採用している製品では、水を加えるとき、吹き出す風の影響で水が外に飛散する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本願の目的は、上部加水式加湿器の加水時に吹き出す風の影響で水が周囲に飛散しやすいという従来技術中に存在する技術的問題を一定程度解決する加湿器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願が提供する加湿器は、本体部材と、
前記本体部材の内部に設置される貯水容器とを含み、
前記本体部材の上端に注水コンポーネントが設置され、前記注水コンポーネントに注水室が形成され、前記注水室が前記貯水容器と連通し、
前記本体部材にさらに導風路が形成され、前記注水室と前記導風路とが相互に隔絶されている。
【0005】
前記技術案において、さらに、前記本体部材は、
第一ケーシングと、
前記第一ケーシングの外部に嵌設される第二ケーシングとを含み、
前記貯水容器は前記第一ケーシングの内部に設置されるか、または前記貯水容器は前記第一ケーシングの底部に設置される。
【0006】
前記いずれかの技術案において、さらに、前記加湿器はまた導風コンポーネントを含み、前記第一ケーシングの高さは前記第二ケーシングより低く、前記導風コンポーネントは前記第二ケーシング内で前記第一ケーシング上に設置され、
前記導風コンポーネントは相互に係合可能な第一導風部材と第二導風部材とを含む。
【0007】
前記いずれかの技術案において、さらに、前記第一導風部材と前記第二導風部材とが共同して装着空間を画定し、前記装着空間内に導流コンポーネントが設置され、前記導流コンポーネントは、ファンと、モータカバーと、前記モータカバーに係止して設けられたモータカバーキャップとを含み、前記モータカバーと前記モータカバーキャップとの間にモータを収納するための固定室が形成され、
前記モータは駆動軸を有し、前記駆動軸の一端は前記モータカバーを貫通して前記ファンと接続され、
前記モータカバーキャップに複数の水流路が設置され、前記注水室は前記水流路と連通し、前記第二導風部材には前記水流路と同数の導水路が設置され、前記水流路が各々、前記導水路のうち1つと連通する。
【0008】
前記いずれかの技術案において、さらに、前記注水コンポーネントは前記第二ケーシングの上端開口に設置され、前記注水コンポーネントは少なくとも1つの固定部材を含み、少なくとも1つの前記固定部材と前記モータカバーキャップが共同で前記注水室を画定し、前記注水室は前記水流路と連通する。
【0009】
前記いずれかの技術案において、さらに、前記ファンの下方にフィルターが設置され、前記フィルターは前記貯水容器の上方に位置し、前記フィルターの中心位置に穴あき部が形成され、前記注水室は前記穴あき部によって前記貯水容器と連通し、
前記貯水容器の底部にポンプが設置され、前記ポンプは前記貯水容器内の水をフィルターに圧送することができる。
【0010】
前記いずれかの技術案において、さらに、前記装着空間の内部に第一通風路が形成され、
前記第一ケーシングと前記第二ケーシングとの間に第二通風路が形成され、前記第二通風路、前記フィルター、および前記第一通風路はこの順に連通し、前記モータの駆動により前記ファンが起動すると、前記本体部材内に一方向気流が形成され、前記定位気流は前記第二通風路、湿潤状態の前記フィルター、前記ファン、および前記第一通風路を順次経由した後、前記本体部材の外部へと流れる。
【0011】
前記いずれかの技術案において、さらに、前記加湿器はまた導水コンポーネントを含み、前記フィルターの上端に位置決め部が設置され、前記導水コンポーネントは前記位置決め部に設置され、
前記注水室内の水は、前記水流路、前記導水路を経て前記導水コンポーネントへと流れ、前記フィルターは環状構造を有し、前記導水コンポーネントの案内作用で、水は前記フィルターの内壁面に沿って前記貯水容器に流入する。
【0012】
前記いずれかの技術案において、さらに、前記導水コンポーネントは、
前記第一ケーシングに設けられた装着部に設置された密封リングと、
一体構造を有する第一固定部、第一導水部、第二導水部を含む導水リングであり、前記第一固定部が前記装着部へ延伸し、前記密封リングが前記装着部と前記第一固定部との間に設置されて、前記導水リングと前記装着部との間の間隙を密封する、導水リングとを含み、
前記第一導水部は前記第一固定部と前記第二導水部との間に位置し、前記第一導水部は傾斜して設置され、前記第二導水部は前記フィルターの内壁面へ延伸する。
【0013】
前記いずれかの技術案において、さらに、上から下への方向に、前記フィルターの直径が次第に増大する。
【発明の効果】
【0014】
従来技術と比較した本願の有利な効果は、
本願の提供する加湿器が、本体部材と、本体部材の内部に設置される貯水容器とを含み、本体部材の上端に注水コンポーネントが設置され、注水コンポーネントに注水室が形成され、注水室が貯水容器と連通し、本体部材にさらに導風路が形成され、注水室と導風路とが相互に隔絶されている点である。
【0015】
本願が提供する加湿器は、注水コンポーネントを設置することによって独立した注水用水路が画定され、注水の最中に加湿装置が正常に風を出すことができ、かつ、注水用水路と風の吹き出し経路とが互いに影響を及ぼさず、注水中も風が順調に吹き出し続けてしかも水滴が飛散しないことを確実に保証でき、注水中の利便性が顕著に向上し、また水滴の飛散で周囲の物品が濡れることも回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本願の具体的な実施形態または従来技術における技術案をより明確に説明するため、以下、具体的な実施形態または従来技術を描写するにあたり使用する必要がある図面について簡単に紹介する。以下の描写における図面は、本発明の実施形態の一部であり、当業者にとって、創造的な労働を伴わずにこれらの図面から他の図面を得ることができることは明白である。
【0017】
【
図1】本願の実施例によって提供される加湿器の気流経路の概略図である。
【
図2】本願の実施例によって提供される加湿器の注水経路の概略図である。
【
図3】
図2によって提供される加湿器のA部分の拡大構造の概略図である。
【
図4】本願の実施例によって提供される加湿器の部分構造の分解立体概略図である。
【
図5】本願の実施例によって提供される加湿器の部分構造概略図である。
【
図7】本願の実施例によって提供される加湿器のモータカバーキャップの構造概略図である。
【
図8】本願の実施例によって提供される加湿器の導風コンポーネントの構造概略図である。
【
図9】本願の実施例によって提供される加湿器の第二導風部材の構造概略図である。
【
図10】本願の実施例によって提供される加湿器の給気経路の概略図である。
【
図11】本願の実施例によって提供される加湿器の別の部分構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら本願の技術案につき明確かつ完全に描写する。当然のことながら、描写される実施例は本願の一部の実施例にすぎず、すべての実施例ではない。
通常、ここで図面中に描写され表示される本願実施例の構成要素は、様々な異なる配置で構成され設計されてもよい。したがって、図面中で提供される本出願実施例についての以下の詳細な描写は、保護を請求する本願の範囲を限定することを目的とするものではなく、本願の選択された実施例を示しているにすぎない。
本願の実施例に基づき当業者が創造的労働なしに得たその他すべての実施例も、本願の保護範囲内に属する。
【0019】
本願の描写において説明が必要なのは、「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「内」、「外」などの用語が示す方向または位置関係は、図面に示された方向または位置関係に基づいており、本願の描写の便宜上および描写の簡略化のためのものにすぎず、その装置または部品が特定の方向を有したり、特定の方向で構成・操作されたりしなければならないことを示す、または示唆するものではないので、これらを本発明を限定するものと解釈することはできないという点である。また、「第1」、「第2」、「第3」は、描写のために用いる用語にすぎず、相対的重要性を示す、または示唆するものと解釈することはできない。
【0020】
本願の描写において説明が必要なのは、別途明確な規定や限定がない限り、用語「装着」、「つながる」、「接続」は広義に解釈されるべきであるという点である。例えば、固定接続でも、取外し可能な接続でも、または一体として接続されていてもよく、機械的接続でも電気的接続でもよく、直接つながっても、中間媒体を介して間接的につながってもよく、2つの部品の内部の連通でもよい。当業者であれば、前記の用語の本願における具体的意味を、具体的状況から理解することができる。
【0021】
以下、
図1~
図11を参照して、本願の実施例に係る加湿器について説明する。
【0022】
図1~
図11に示すように、本願の実施例は加湿器を提供し、本加湿器は、貯水容器3と、第一ケーシング1および第二ケーシング2からなる本体部材とを含み、主体部材には、経路が異なり相互に独立して干渉しあわない注水路と導風路とが形成され、具体的には、第二ケーシング2は第一ケーシング1の外部に嵌設され、かつ両者は相互に固定され、第一ケーシング1の高さは第二ケーシング2より低く、貯水容器3は第一ケーシング1の底部に位置する。第二ケーシング2の上端開口箇所に注水コンポーネント8が設置され、前記注水コンポーネント8が注水路によって貯水容器3と連通し、これによって本加湿器の上部加水による注水方式が実現し、第二ケーシング2の内部において、本体部材の内部に導風路が形成され、かつ導風路は注水路および注水室100のいずれとも相互に隔離され、互いに影響を及ぼさない。ここからわかるとおり、本実施例が提供する加湿器は、2つの相互に独立した通路によって風の吹き出しと加水とが行われることで、加水時、加える水に導風路からの風が影響を及ぼして水が周囲に飛散することを効果的に回避する。
【0023】
具体的には、本体部材はさらに底部キャップを有し、第一ケーシング1の底部が外向きに延伸して固定縁部101が形成され、底部キャップは第一ケーシング1の下方に設けられ、第一ケーシング1は比較的高さのある筒状構造を有していてもよく、第一ケーシング1の底部は第二ケーシング2の底部に近接し、第二ケーシング2が第一ケーシング1の外部に嵌設されると、第二ケーシング2の底端部が第一ケーシング1の固定縁部101に固定され、第二ケーシング2と第一ケーシング1との間の固定方式は係止接続とすることができるが、もちろんこれに限定されない。
【0024】
第一ケーシング1は貯水容器3の外部に嵌設され、換言すれば、貯水容器3が第一ケーシング1の内部に設置され、貯水容器3内には給水路が設置され、貯水容器3の上端開口箇所にフィルター4が設置され、貯水容器3の上端開口の内壁面に第一係止接続部が設置され、フィルター4の形状は貯水容器3の開口形状と適合し、かつフィルター4の外面に、第一係止接続部と適合して係止接続可能な第二係止接続部が設置され、これによってフィルター4が貯水容器3に固定できるだけでなくフィルター4を貯水容器3中の液面から浮かせて設置でき、フィルター4が貯水容器3中の水に直接接触することが回避され、フィルター4が長期間水に浸かって細菌が繁殖しやすくなる問題が効果的に解決される。
【0025】
または、第一ケーシング1は比較的高さの低い環状構造を有していてもよい。そのような場合、第一ケーシング1は第二ケーシング2内に第二ケーシング2と同軸に配置され、かつ、第一ケーシング1が第二ケーシング2の中ほどの区間に位置し、このとき、貯水容器3は第一ケーシング1の下方に設置され、好ましくは第一ケーシング1が貯水容器3の上端開口に固定される。
なお、本願においては第一ケーシング1が筒状構造となっている実施例が好ましい。
【0026】
貯水容器3の底部にはポンプ5、好ましくは直流ブラシレスポンプが設置され、ポンプ5は貯水容器3内の水に圧力を提供することによって、水を給水路経由でフィルター4に少量ずつ複数回にわたり圧送できる。フィルター4は吸水能力を有し、充分に水分を吸収して湿潤を保つことができる。好ましくは、給水路のポンプ5から離れた一端に噴射口が設置されるとともに給水路の端部と噴射口とがフィルター4の上方まで延伸し、ポンプ5が水をフィルター4の上方まで牽引した後、水は噴射口を経て、シャワーヘッドからの噴射に類似した方式でフィルター4に噴射されてフィルター4を湿らせ、フィルター4はめいっぱいに水を含むとともに湿潤度が均一となり、空気は湿潤したフィルター4を通った後に風によって運び出され、これによって加湿作用を果たす。
【0027】
好ましくは、フィルター4は環状構造を有し、フィルター4の内縁壁面および外縁壁面のいずれにもフィルター4を支持できる支持具が設置され、環状構造の内縁が穴あき部を形成するとともに、フィルター4は貯水容器3の端部開口内部に設置され、換言すればフィルター4の外径は貯水容器3の内径より小さく、噴射口からフィルター4に噴射される水は落下時に貯水容器3の内壁に沿って流下でき、下に戻った水は再び循環に加わり、かつ下へ戻る過程でほとんど騒音が発生しない。
さらに好ましくは、
図11に示すように、上から下の方向に、フィルター4の直径が次第に増大するので、フィルター4の外面と垂直面との間に夾角αが形成され、αの大きさは3°~10°であり、好ましくは5°であり、フィルター4の構造が環状構造であるからフィルター4のうち含水作用を果たす部分も環状構造であり、本実施例において、フィルター4は上が細く下が太い構造を有し、横断面面積が比較的大きいため含水量が効果的に向上し、風がフィルター4を通るとき、風とフィルター4との接触面積も比較的大きく、これによって本加湿器の加湿効果が効果的に向上する。
【0028】
さらに、第一ケーシング1の高さが第二ケーシング2の高さより低いため、本体部材内部に導風コンポーネント6が設置され、好ましくは、導風コンポーネント6は第一ケーシング1の上方に設置されるか、または、導風コンポーネント6は第一ケーシング1と一体式構造を有して両者がひとつに融合され、導風コンポーネント6は第一導風部材601と第二導風部材602とを含み、第一導風部材601は環状構造を有し、第二導風部材602は椀状構造を有するとともに、第二導風部材602の上下両端がともに開口し、第二導風部材602の上端開口の直径は、第一導風部材601の下部開口直径とほぼ同一で、これにより第一導風部材601と第二導風部材602とが相互に係合可能となっており、第二導風部材602の底端の開口は、直径が相対的に小さい。第一導風部材601と第二導風部材602が相互に係合した状態において、第一導風部材601と第二導風部材602とに包まれた空間が、装着空間を形成する。
さらに、第二導風部材602の側壁には、複数の導水路6021が第二導風部材602の周方向に間隔をあけて設置され、導水路6021は垂直方向に延伸し、各導水路6021はいずれも第二導風部材602を貫いて設置され、導水路6021の上端は第二導風部材602の内壁面より突起し、導水路6021の下端は第二導風部材602の外壁面より突起し、好ましくは、導水路6021と第二導風部材602とが一体構造を有し、一体射出成型の方式で加工するとよい。
【0029】
さらに、本願実施例が提供する加湿器は導流コンポーネント7を含み、具体的には、導流コンポーネント7はモータカバー701と、モータカバーキャップ702と、モータ703と、ファン704とを含む。モータカバーキャップ702はモータカバー701に係止するように設けられて固定室300を形成し、固定室300内にモータ703が設置され、モータ703には駆動軸が設置され、駆動軸の一端はモータカバー701を貫通してモータカバー701の外部まで延伸し、駆動軸にファン704が接続され、これによってモータ703の駆動でファン704を動作させることができる。モータカバー701とモータカバーキャップ702とはモータ703の位置決めおよび固定をすることができ、モータ703およびモータ703に接続されたファン704の安定性を確保し、これによって、モータ703を起動すると、ファン704の運転が駆動され、風が発生する。
【0030】
ファン704はフィルター4の上方に位置し、かつファン704はフィルター4の近傍に設置され、固定室300の外壁面と装着空間の内壁面との間の部分に第一通風路400が形成され、第一ケーシング1と第二ケーシング2とに挟まれた間隙に第二通風路500が形成され、第一ケーシング1底部の固定縁部101はグリッド構造を有し、かつグリッド構造が吸気口となっており、第一通風路400の上端が排気口であり、好ましくは、排気口は環状口で、かつ排気口は注水コンポーネント8を囲繞するように設置される。
図1、
図2および
図6に示すように、下から上への方向に、第二通風路500、フィルター4、ファン704および第一通風路400がこの順に連通し、共同して導風路を形成し、ファン704が動作を始めると本体部材内部に一方向気流が形成され、一方向気流は下から上へ流れて、第二通風路500、含水したフィルター4、ファン704の羽根、および第一通風路400をこの順に通過した後、第一通風路400の吹き出し口から流出し、これによりフィルター4中の水分が本体部材外部の空気中に送られて加湿作用を果たす。
【0031】
なお、第一ケーシング1が環状構造を有する場合は、貯水容器3の外壁面と第二ケーシング2との間の空間および第一ケーシング1の外壁面と第二ケーシング2との間の空間が共同して第二通風路500を形成する。
好ましくは、モータカバー701とモータカバーキャップ702とが係合する接続位置に密封部材が設置されて、注水中に水が固定室300内に入ってモータ703の正常な動作に影響を及ぼすことを回避する。
【0032】
さらに、モータカバーキャップ702の周方向に、モータカバーキャップ702の側壁の外壁面に複数の水流路7021が間隔をあけて設置され、好ましくは、水流路7021は導水路6021と同数であり、いずれも好ましくは3つで、3つの水流路7021と3つの導水路6021とが1対1対応して連通し、各水流路7021はいずれも排水口を有し、排水口はモータカバーキャップ702側壁の底面近傍位置にあり、好ましくは、水流路7021の長さ、つまり高さは、下向きに延伸し、水流路7021の下端はモータカバーキャップ702の外壁面において下向きに延伸して第二導風部材602の導水路6021上端に至り、かつ水流路7021は導水路6021と密封的に接続し、これによって、注水口803から流下した水は、複数の水流路7021を経てそれぞれ複数の導水路6021へ流れ、第二導風部材602内部の他の部分に入ることはなく、すなわち、水が装着空間に入ることはなく、これによって、本体部材の中の一部空間内の気体と水流とが2つの経路に分かれることが実現され、相互影響が回避される。ここからわかるとおり、導流コンポーネント7はモータ703とファン704とを固定する作用を果たすだけでなく、それと同時に水を加える過程で水の流れを案内する作用も果たすことができる。
好ましくは、水流路7021の上端に流路カバープレート7022が設置され、流路カバープレート7022と水流路7021の上端開口とは相互に係合するか、または溶接方式で固定されて、水を加える時に水が水流路7021から飛び出すことを回避する。
【0033】
さらに、注水コンポーネント8は装着空間の上端開口に箇所に設置されてモータカバーキャップ702の上方に位置し、具体的には、注水コンポーネント8は少なくとも1つの固定部材固定部材を含み、好ましくは、本実施例において固定部材の数は2つであり、2つの固定部材はそれぞれ第一固定部材801と第二固定部材802であり、第一固定部材801と第二固定部材802とは相互に係合可能であり、第一固定部材801および第二固定部材802はいずれも環状構造を有し、第一固定部材801と第二固定部材802とを相互に係合させると、第一固定部材801の円形開口が注水口803となる。モータカバーキャップ702は槽構造を有し、第二固定部材802の形状はモータカバーキャップ702の形状と適合しているため、第二固定部材802をモータカバーキャップ702の槽構造内に配置できるとともに、第二固定部材802がモータカバーキャップ702と固定され、第一固定部材801と、第二固定部材802と、モータカバーキャップ702とが共同で囲む空間が注水室100であり、注水口803から水を加えると、水は注水室100に入る、すなわちモータカバーキャップ702の槽構造内に位置することになる。
【0034】
さらに、本願実施例が提供する加湿器はまた導水コンポーネント9を含み、導水コンポーネント9は密封リング902と環状構造を有する導水リング901とを含み、導水リング901はフィルター4と接続され、第二導風部材602の下端開口が導水リング901の内縁箇所に位置し、これによって、第二導風部材602の内部空間すなわち第一通風路400とフィルター4との連通が確保される。第二導風部材602との間の空間が導水室200を形成し、導水路6021から流下する水が導水室200に入り、水は導水リング901の案内作用で注水室100、導水室200をこの順で通って穴あき部へと流れ、穴あき部の内壁面に沿って流下し、最後に貯水容器3に流入し、注水の過程において、水が流れる経路は注水室100、導水室200、フィルター4の穴あき部、および貯水容器3で、これが前記の注水路であり、ここからわかるとおり、水はフィルター4環状構造の内壁面を経て貯水容器3へと流れるのであって、フィルター4の網部分を流れる風との干渉は起こらない。
【0035】
さらに、第一ケーシング1の上端開口に装着部が設けられ、密封リング902が装着部に設置されて導水リング901と第一ケーシング1との間に位置し、導水リング901と第一ケーシング1との間の間隙の密封のために用いられて、両者間の間隙からの水漏れを回避する。
【0036】
具体的には、第一ケーシング1の上端開口が内側に窄んで装着部が形成され、密封リング902の横断面はU字形であり、かつU字形は下向きに開口し、密封リング902は第一ケーシング1の内壁に密着して設置される。導水リング901は、一体構造を有する固定部9011と、第一導水部9012と、第二導水部9013とを含み、固定部9011は第一導水部9012よりも上へ延伸し密封リング902内に係止して設置され、第一導水部9012は環状構造を有し、第一導水部9012の外縁が固定部9011と接続し、第一導水部9012の内縁が第二導水部9013と接続し、第二導水部9013は同じく環形構造を有するとともに、第二導水部9013の軸方向が垂直方向に分布し、好ましくは、第二導水部9013の下端はフィルター4の内壁面に当接するまで延伸し、さらに好ましくは、第一導水部9012の外縁が内縁よりも高い位置に置かれることで第一導水部9012が傾斜つきで設置されてガイド作用を果たすとともに、導水路6021の下端開口が第一導水部9012に正対して設置され、これによって導水路6021から流出する水は、第一導水部9012に落ちた後、第一導水部9012と、第二導水部9013の表面と、フィルター4の内壁面とに沿って貯水容器3の中へと流れる。
【0037】
さらに、フィルター4の上端は支持具を有し、支持具に第一差込部が形成され、導水リング901には第一差込部と適合して接続可能な第二差込部が設置され、導水リング901とフィルター4との間の安定性を確保できる一方で、両方の間には相互差込みのリブ構造を有し、適合差込の方式によって、湿潤状態のフィルター4を通過していない空気(風)の第一通風路400への流入を遮断し、加湿の効果と効率に影響を与える。
【0038】
以上をまとめると、本願が提供する加湿器は、注水コンポーネントを設置することによって独立した注水用水路が画定され、注水の最中に加湿装置が正常に風を出すことができ、かつ、注水用水路と風の吹き出し経路とが互いに影響を及ぼさず、注水中も風が順調に吹き出し続けてしかも水滴が飛散しないことを確実に保証でき、注水中の利便性が顕著に向上し、また水滴の飛散で周囲の物品が濡れることも回避できる。
【0039】
このほか、本願実施例が提供する加湿器は、注水の過程で水流がファンと接触せずにフィルターの内壁面に沿って落下するため、水を加える時に水とファンの羽根が接触することによる耳障りな衝突音の発生を回避でき、また、水が高い位置から貯水容器に直接落下して大きなノイズを出すことも回避できる。
【0040】
最後に、上記の各実施例は本願の技術案を説明するためのものにすぎず、それを限定するものではないことを申し添える。前述の各実施例を参照しながら本願につき詳細な説明を行ったが、当業者であれば理解できるとおり、当業者にとって前述の各実施例に記載された技術案に変更を加えたり、または技術的特性の一部もしくは全部につき等価の置換をしたりすることが可能であるが、これらの変更または置換は、それぞれの技術案の本質を本願の各実施例の技術案の範囲から逸脱させるものではない。
【符号の説明】
【0041】
1 第一ケーシング
101 固定縁部
2 第二ケーシング
3 貯水容器
4 フィルター
5 ポンプ
6 導風コンポーネント
601 第一導風部材
602 第二導風部材
6021 導水路
7 導流コンポーネント
701 モータカバー
702 モータカバーキャップ
7021 水流路
7022 流路カバープレート
703 モータ
704 ファン
8 注水コンポーネント
801 第一固定部材
802 第二固定部材
803 注水口
9 導水コンポーネント
901 導水リング
9011 固定部
9012 第一導水部
9013 第二導水部
902 密封リング
100 注水室
200 導水室
300 固定室
400 第一通風路
500 第二通風路
【手続補正書】
【提出日】2023-07-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部材と、前記本体部材の内部に設置される貯水容器と、導風コンポーネントと、を含み、
前記本体部材の上端に注水コンポーネントが設置され、前記注水コンポーネントに注水室が形成され、前記注水室が前記貯水容器と連通し、
前記本体部材にさらに導風路が形成され、前記注水室と前記導風路とが相互に隔絶され、
前記導風コンポーネントは、ファンを含み、
前記ファンの下方にフィルターが設置され、前記フィルターは前記貯水容器の上方に位置し、前記フィルターの中心位置に穴あき部が形成され、前記注水室は前記穴あき部によって前記貯水容器と連通し、
前記貯水容器の底部にポンプが設置され、前記ポンプは前記貯水容器内の水を前記フィルターに圧送することができることを特徴とする、加湿器。
【請求項2】
前記本体部材は、
第一ケーシングと、
前記第一ケーシングの外部に嵌設される第二ケーシングとを含み、
前記貯水容器は前記第一ケーシングの内部に設置されるか、または前記貯水容器は前記第一ケーシングの底部に設置されることを特徴とする、請求項1に記載の加湿器。
【請求項3】
前記第一ケーシングの高さは前記第二ケーシングより低く、前記導風コンポーネントは前記第二ケーシング内で前記第一ケーシング上に設置され、
前記導風コンポーネントは相互に係合可能な第一導風部材と第二導風部材とを含むことを特徴とする、請求項2に記載の加湿器。
【請求項4】
前記第一導風部材と前記第二導風部材とが共同して装着空間を画定し、前記装着空間内に導流コンポーネントが設置され、
前記導流コンポーネントは、モータカバーと、前記モータカバーに係止して設けられたモータカバーキャップとを含み、前記モータカバーと前記モータカバーキャップとの間にモータを収納するための固定室が形成され、
前記モータは駆動軸を有し、前記駆動軸の一端は前記モータカバーを貫通して前記ファンと接続され、
前記モータカバーキャップに複数の水流路が設置され、複数の水流路はそれぞれ前記注水室と連通し、前記第二導風部材には前記水流路と同数の導水路が設置され、前記水流路が各々、前記導水路のうち1つと連通することを特徴とする、請求項3に記載の加湿器。
【請求項5】
前記注水コンポーネントは前記第二ケーシングに設置され、前記注水コンポーネントは少なくとも1つの固定部材を含み、少なくとも1つの前記固定部材と前記モータカバーキャップが共同で前記注水室を画定し、前記注水室は前記水流路と連通することを特徴とする、請求項4に記載の加湿器。
【請求項6】
前記装着空間の内部に第一通風路が形成され、
前記第一ケーシングと前記第二ケーシングとの間に第二通風路が形成され、前記第二通風路、前記フィルター、および前記第一通風路はこの順に連通し、前記モータの駆動により前記ファンが起動すると、前記本体部材内に一方向気流が形成され、前記一方向気流は前記第二通風路、湿潤状態の前記フィルター、前記ファン、および前記第一通風路を順次経由した後、前記本体部材の外部へと流れることを特徴とする、請求項5に記載の加湿器。
【請求項7】
前記加湿器はさらに導水コンポーネントを含み、前記フィルターの上端に位置決め部が設置され、前記導水コンポーネントは前記位置決め部に設置され、
前記注水室内の水は、前記水流路、前記導水路を経て前記導水コンポーネントへと流れ、前記フィルターは環状構造を有し、前記導水コンポーネントの案内作用で、水は前記フィルターの内壁面に沿って前記貯水容器に流入することを特徴とする、請求項5に記載の加湿器。
【請求項8】
前記導水コンポーネントは、
前記第一ケーシングに設けられた装着部に設置された密封リングと、
一体構造を有する第一固定部、第一導水部、第二導水部を含む導水リングであり、前記第一固定部が前記装着部へ延伸し、前記密封リングが前記装着部と前記第一固定部との間に設置されて、前記導水リングと前記装着部との間の間隙を密封する、導水リングと、を含み、
前記第一導水部は前記第一固定部と前記第二導水部との間に位置し、前記第一導水部は傾斜して設置され、前記第二導水部は前記フィルターの内壁面へ延伸することを特徴とする、請求項7に記載の加湿器。
【請求項9】
上から下への方向に、前記フィルターの直径が次第に増大することを特徴とする、請求項5から8のいずれか1項に記載の加湿器。