(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078383
(43)【公開日】2024-06-10
(54)【発明の名称】画像読取装置、画像読取方法、プログラム、および情報処理システム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/32 20060101AFI20240603BHJP
【FI】
H04N1/32
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023105398
(22)【出願日】2023-06-27
(31)【優先権主張番号】P 2022190805
(32)【優先日】2022-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】横山 聖
(57)【要約】
【課題】原稿の誤送信を抑制することができる画像読取装置、画像読取方法、プログラム、および情報処理システムを提供する。
【解決手段】本発明は、原稿の画像を読み取る読取部と、読み取った前記画像を所定の宛先に送信する送信部と、読み取った前記画像に基づいて、前記原稿の種類を判別する判別部と、判別された前記種類の前記画像を前記所定の宛先に送信された頻度に基づき、宛先の確認を行うか否かを判断する判断部と、宛先の確認が必要と判断された場合には、宛先の確認を行う表示画面を表示部に表示する表示制御部と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿の画像を読み取る読取部と、
読み取った前記画像を所定の宛先に送信する送信部と、
読み取った前記画像に基づいて、前記原稿の種類を判別する判別部と、
判別された前記種類の前記画像を前記所定の宛先に送信された頻度に基づき、宛先の確認を行うか否かを判断する判断部と、
宛先の確認が必要と判断された場合には、宛先の確認を行う表示画面を表示部に表示する表示制御部と、
を備える画像読取装置。
【請求項2】
前記画像読取装置の外部のアドレス帳サーバを用いて、前記画像読取装置を使用しているユーザを識別するユーザ識別部と、
前記画像読取装置の外部の履歴管理サーバを用いて、前記ユーザ識別部により識別された前記ユーザが過去に前記画像を送信した宛先を含む送信履歴を記録する記録機能部と、をさらに備え、
前記判断部は、前記記録機能部により記録される前記送信履歴に基づいて、前記所定の宛先が前記ユーザにとって初めて使う宛先かどうかを判断し、その判断結果を含む前記頻度に応じて、宛先の確認を行うか否かを判断する、請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記判断部は、判別された前記種類の前記画像を前記所定の宛先に送信するのが初めての場合、宛先の確認が必要と判断する、請求項1または2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記判断部は、判別された前記種類の前記画像を前記所定の宛先に送信したのが所定期間以上前である場合、宛先の確認が必要と判断する、請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記判別部は、文字認識技術によって、前記種類を判別する、請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記判別部は、ユーザにより入力される種類に基づいて、前記種類を判別する、請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項7】
画像読取装置で実行される画像読取方法であって、
原稿の画像を読み取るステップと、
読み取った前記画像を所定の宛先に送信するステップと、
読み取った前記画像に基づいて、前記原稿の種類を判別するステップと、
判別された前記種類の前記画像を前記所定の宛先に送信された頻度に基づき、宛先の確認を行うか否かを判断するステップと、
宛先の確認が必要と判断された場合には、宛先の確認を行う表示画面を表示部に表示するステップと、
を含む画像読取方法。
【請求項8】
コンピュータを、
読取部により原稿から読み取った画像を所定の宛先に送信する送信部と、
読み取った前記画像に基づいて、前記原稿の種類を判別する判別部と、
判別された前記種類の前記画像を前記所定の宛先に送信された頻度に基づき、宛先の確認を行うか否かを判断する判断部と、
宛先の確認が必要と判断された場合には、宛先の確認を行う表示画面を表示部に表示する表示制御部と、
して機能させるためのプログラム。
【請求項9】
画像読取装置と、サーバと、を有する情報処理システムであって、
前記画像読取装置は、
原稿の画像を読み取る読取部と、
読み取った前記画像を所定の宛先に送信する送信部と、
宛先の確認を行う表示画面を表示部に表示する表示制御部と、を備え、
前記サーバは、
前記画像読取装置の読取部が読み取った前記画像に基づいて、前記原稿の種類を判別する判別部と、
判別された前記種類の前記画像を前記所定の宛先に送信された頻度に基づき、宛先の確認を行うか否かを判断する判断部と、を備え、
前記表示制御部は、宛先の確認が必要と判断された場合には、前記表示画面を前記表示部に表示する、情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置、画像読取方法、プログラム、および情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ファクスの誤送信を防止するために、ユーザが入力したファクス番号をWeb検索してそのファクス番号が実在するかを確認し、その確認結果をユーザに表示する誤送信防止技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記の誤送信防止技術では、ファクス番号が実在するが間違った宛先にファクスを送ってしまうことは防ぐことができない場合がある。
【0004】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、原稿の誤送信を抑制することができる画像読取装置、画像読取方法、プログラム、および情報処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、原稿の画像を読み取る読取部と、読み取った前記画像を所定の宛先に送信する送信部と、読み取った前記画像に基づいて、前記原稿の種類を判別する判別部と、判別された前記種類の前記画像を前記所定の宛先に送信された頻度に基づき、宛先の確認を行うか否かを判断する判断部と、宛先の確認が必要と判断された場合には、宛先の確認を行う表示画面を表示部に表示する表示制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、原稿の誤送信を抑制することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1の実施の形態にかかる画像読取装置の一例であるMFPのハードウェア構成図である。
【
図2】
図2は、第1の実施の形態にかかるMFPの機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、第1の実施の形態にかかるMFPにおける誤送信の防止処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図4】
図4は、第1の実施の形態にかかるMFPにおける原稿の種類の判別処理の一例を説明するための図である。
【
図5】
図5は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムにおける原稿の種類の判別処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムにおける書類の種類の判別に用いるキーワードの一例を説明するための図である。
【
図7A】
図7Aは、第1の実施の形態にかかる情報処理システムにおいて記憶する送信履歴の一例を説明するための図である。
【
図7B】
図7Bは、第1の実施の形態にかかる情報処理システムにおいて記憶する送信履歴の一例を説明するための図である。
【
図8】
図8は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムにおいて表示される確認メッセージの一例を説明するための図である。
【
図9】
図9は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムにおいて表示される確認メッセージの他の例を説明するための図である。
【
図10】
図10は、第2の実施の形態にかかるMFPにおいて表示される選択画面の一例を説明するための図である。
【
図11】
図11は、第2の実施の形態にかかるMFPにおける誤送信の防止処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図12】
図12は、第3の実施の形態にかかる情報処理システムの機能構成の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、第3の実施の形態にかかる情報処理システムが有する第1,2サーバ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、第4の実施の形態にかかる情報処理システムの機能構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に添付図面を参照して、画像読取装置、画像読取方法、プログラム、および情報処理システムの実施の形態を詳細に説明する。
【0009】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態にかかる画像読取装置の一例であるMFPのハードウェア構成図である。
図1に示されているように、MFP(Multi-Function Peripheral/Product/Printer)9は、コントローラ910、近距離通信回路920、エンジン制御部930、操作パネル940、ネットワークI/F950を備えている。
【0010】
これらのうち、コントローラ910は、コンピュータの主要部であるCPU901、システムメモリ(MEM-P)902、ノースブリッジ(NB)903、サウスブリッジ(SB)904、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)906、記憶部であるローカルメモリ(MEM-C)907、HDDコントローラ908、および、記憶部であるHD909を有し、NB903とASIC906との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス921で接続した構成となっている。
【0011】
これらのうち、CPU901は、MFP9の全体制御を行う制御部である。NB903は、CPU901と、MEM-P902、SB904、およびAGPバス921とを接続するためのブリッジであり、MEM-P902に対する読み書き等を制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタおよびAGPターゲットとを有する。
【0012】
MEM-P902は、コントローラ910の各機能を実現させるプログラム(OS(Operating System)、アプリケーション等)およびデータの格納用メモリであるROM902a、プログラムおよびデータの展開、およびメモリ印刷時の描画用メモリなどとして用いるRAM902bとからなる。なお、ROM902aに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0013】
SB904は、NB903とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。ASIC906は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス921、PCIバス922、HDDコントローラ908およびMEM-C907をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC906は、PCIターゲットおよびAGPマスタ、ASIC906の中核をなすアービタ(ARB)、MEM-C907を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジック等により画像データの回転等を行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部931およびプリンタ部932との間でPCIバス922を介したデータ転送を行うPCIユニットとからなる。なお、ASIC906には、USB(Universal Serial Bus)のインターフェース、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインターフェースを接続するようにしてもよい。
【0014】
MEM-C907は、コピー用画像バッファおよび符号バッファとして用いるローカルメモリである。HD909は、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。また、HD909は、機器の設定値、ユーザ情報、アドレス帳、送信履歴等を記憶する。また、HD909は、CPU901の制御にしたがってHD909に対するデータの読出または書込を制御する。AGPバス921は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースであり、MEM-P902に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にすることができる。
【0015】
また、近距離通信回路920には、近距離通信回路920aが備わっている。近距離通信回路920は、NFC(Near Field Communication)、Bluetooth(登録商標)等の通信回路である。更に、エンジン制御部930は、スキャナ部931およびプリンタ部932によって構成されている。また、操作パネル940は、現在の設定値および選択画面等を表示させ、操作者からの入力を受け付けるタッチパネル等のパネル表示部940a、並びに、濃度の設定条件等の画像形成に関する条件の設定値を受け付けるテンキーおよびコピー開始指示を受け付けるスタートキー等からなる操作パネル940bを備えている。すなわち、操作パネル940は、OSおよびアプリケーション等がユーザに対して何かを表示したり、ユーザから何か指示を受け取ったりする際に用いられる。コントローラ910は、MFP9全体の制御を行い、例えば、描画、通信、操作パネル940からの入力等を制御する。スキャナ部931またはプリンタ部932には、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれている。ここで、スキャナ部931は、紙原稿等の原稿を読み取る読取部の一例である。プリンタ部932は、読み取った紙原稿またはPC(Personal Computer)等から送られた電子画像を転写紙に印刷するデバイスである。本実施の形態にかかる画像読取装置の一例であるMFP9では、プリンタ部932が設けられているが、必須の構成ではない。すなわち、本実施の形態にかかる画像読取装置は、MFPではなく、単体スキャナ装置等であっても良い。
【0016】
なお、MFP9は、操作パネル940のアプリケーション切り替えキーにより、ドキュメントボックス機能、コピー機能、プリンタ機能、およびファクシミリ機能を順次に切り替えて選択することが可能となる。ドキュメントボックス機能の選択時にはドキュメントボックスモードとなり、コピー機能の選択時にはコピーモードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリンタモードとなり、ファクシミリモードの選択時にはファクシミリモードとなる。
【0017】
また、ネットワークI/F950は、通信ネットワーク100を利用して他の装置とデータ通信をするためのインターフェースである。すなわち、ネットワークI/F950は、Ethernet(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、モデム等のネットワーク通信手段である。近距離通信回路920およびネットワークI/F950は、PCIバス922を介して、ASIC906に電気的に接続されている。
【0018】
図2は、第1の実施の形態にかかるMFPの機能構成の一例を示すブロック図である。本実施の形態にかかるMFP9は、CPU901が、RAM902bを作業領域として、ROM902aに記憶されるスキャナアプリケーション(以下、スキャナアプリという)200(
図3参照)等のプログラムを実行することにより、
図2に示すように、送信アプリ201、操作パネル制御サービス202、メモリ管理サービス203、読み取り制御サービス204、および通信制御サービス205を実現する。つまり、スキャナアプリ200は、送信アプリ201、操作パネル制御サービス202、メモリ管理サービス203、読み取り制御サービス204、および通信制御サービス205を有する。また、本実施の形態にかかるMFP9は、HD909等の記憶媒体により、アドレス帳データベース206、および送信履歴データベース207を実現する。
【0019】
アドレス帳データベース206は、ファクス番号、メールアドレス、フォルダパス等の送信の宛先と、MFP9等の機器を利用するユーザと、そのID(ユーザID)と、を登録しておくデータベースである。
【0020】
送信履歴データベース207は、送信したユーザのユーザID、画像を送信した宛先、画像を送信した書類(原稿)の種類毎に、送信した回数と最後に送信した日付とを記録しておくデータベースである。
【0021】
送信アプリ201は、ファクス送信、メールまたはフォルダ送信等の機能を実現する。具体的には、送信アプリ201は、スキャナ部931により読み取った画像を所定の宛先に送信する送信部の一例である。ここで、所定の宛先への送信には、FAX送信、メール送信、所定の保管先(フォルダ)へ送信等が含まれる。
【0022】
また、送信アプリ201は、アドレス帳データベース206を用いて、MFP9を使用しているユーザを識別するユーザ識別部の一例である。送信アプリ201は、送信履歴データベース207を用いて、識別されたユーザが過去に画像を送信した宛先を含む送信履歴を記録する記録機能部の一例である。
【0023】
送信アプリ201は、スキャナ部931により読み取った原稿の種類の画像が所定の宛先に送信された頻度である送信頻度に基づいて、宛先の確認を行うか否かを判断する判断部の一例である。具体的には、送信アプリ201は、記録される送信履歴に基づいて、所定の宛先がユーザにとって初めて使う宛先か、それともよく使う宛先かを判断し、その判断結果を含む送信頻度に応じて、宛先の確認を行うか否かを判断する。ここで、送信頻度とは、送信履歴に基づいて算出される、送信回数(0回を含む)、前回の送信から今回の送信までの期間等であっても良い。
【0024】
また、送信アプリ201は、判別された種類の画像を所定の宛先に送信するのが初めての場合、宛先の確認が必要と判断する。これにより、ユーザが指定した宛先に送信するのが初めての場合、過去の送信履歴がないため、自動的に、宛先の確認が必要か否かを判断できないが、ユーザに宛先を確認させることで画像の誤送信の可能性を低減できる。
【0025】
また、送信アプリ201は、判別された種類の画像を所定の宛先に送信したのが所定期間(例えば、5か月)以上前である場合、宛先の確認が必要と判断する。これにより、何ヶ月も前の実績であると、組織変更等により現時点では正しい宛先でなくなっている可能性があるため、ユーザに宛先を確認させることで画像の誤送信の可能性を低減できる。
【0026】
操作パネル制御サービス202は、送信アプリ201からの指示により、操作パネル940の画面上に送信アプリ201を利用するためのUIを表示する。また、操作パネル制御サービス202は、タッチパネルおよびボタン等が操作されたときに送信アプリ201に対して通知を行う。具体的には、操作パネル制御サービス202は、スキャナ部931により読み取った画像を送信する宛先の確認が必要と判断された場合に、当該宛先の確認を行う確認メッセージを含む表示画面を操作パネル940等の表示部に表示する表示制御部の一例である。これにより、原稿の宛先の確認が必要と判断された場合に、ユーザが宛先を確認することができるので、原稿の誤送信を抑制することができる。ここで、アプリとは、ユーザに提供する機能(例えば、原稿を読み取りメール送信する機能、原稿を読み取り印刷する機能)を実現するプログラムである。また、ここで、サービスとは、アプリで共通で必要となる機能(例えば、アプリからの指示でスキャナ部931を制御して原稿を読み取る機能、アプリからの指示で操作パネル940に画面を表示する機能)を提供するプログラムである。
【0027】
メモリ管理サービス203は、読み取った画像データをRAM902bに一時的に保持しておく責務を持つ。
【0028】
読み取り制御サービス204は、送信アプリ201からの指示によってスキャナ部931を動作させて紙の原稿を読み取り、メモリ管理サービス203が管理するRAM902bに画像データとして書き込む。また、読み取り制御サービス204は、スキャナ部931により読み取った画像に基づいて、原稿の種類を判別する判別部の一例である。また、読み取り制御サービス204は、文字認識技術の一例であるOCR技術(光学的文字認識)によって、原稿の種類を判別しても良い。これにより、原稿の種類を自動的に判別することでユーザの手間を省くことができる。
【0029】
通信制御サービス205は、Ethernet(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、モデム等のネットワーク通信を行うためのデバイスを制御する。
【0030】
図3は、第1の実施の形態にかかるMFPにおける誤送信の防止処理の流れの一例を示すシーケンス図である。ユーザは、MFP9に対してログインする。例えば、MFP9に対してログインする方法としては、ユーザ名とパスワードを入力する方法、ユーザ毎に配布されたICカードをカードリーダにかざす等の方法がある。
【0031】
MFP9に対してユーザがログインすると、スキャナアプリ200が有する送信アプリ201は、アドレス帳データベース206から、アドレス帳を取得する(ステップS301)。次いで、スキャナアプリ200が有する操作パネル制御サービス202が、取得したアドレス帳を操作パネル940に表示する(ステップS302)。
【0032】
次に、ユーザは、スキャナアプリ200が有する操作パネル制御サービス202により表示される画面に示されているアドレス帳一覧から宛先(所定の宛先の一例)を選択(または、宛先のメールアドレス等を直接入力)する(ステップS303)。次いで、操作パネル940から、宛先が選択されたことが通知されると(ステップS304)、スキャナアプリ200が有する送信アプリ201は、その宛先を一時的に記憶しておく(ステップS305)。
【0033】
ユーザが原稿をセットして、読み取りスタートボタンを押下すると(ステップS306)、操作パネル940は、読み取りスタートボタンが押下されたことをスキャナアプリ200が有する操作パネル制御サービス202に通知する(ステップS307)。スキャナアプリ200が有する読み取り制御サービス204は、スキャナ部931に対して読み取りを指示する(ステップS308)。スキャナ部931は、原稿を読み取って(ステップS309)、RAM902bに画像データを保存し(ステップS310)、スキャナアプリ200が有する読み取り制御サービス204に対して読み取り完了を通知する(ステップS311)。
【0034】
スキャナアプリ200が有する読み取り制御サービス204は、RAM902bに保存された画像データを参照してOCR(Optical Character Reader)等の文字認識を行い、書類(原稿)の種類を推測(判別)する(ステップS312)。本実施の形態では、OCRにより書類の種類を判別しているが、OCR以外の手段で自動的に判断する場合も、このシーケンスとほぼ同様である。
【0035】
そして、スキャナアプリ200が有する送信アプリ201は、ログインしたユーザが、選択された宛先に、判別した種類の書類を送信した回数が何回あるかを、送信履歴データベース207に記憶されている送信履歴を検索して調べる(ステップS313)。ここで、もし1回も送信したことがなければ、スキャナアプリ200が有する操作パネル制御サービス202は、「指定された宛先にはこの種類の書類を初めて送信します。宛先は正しいですか?」といった確認メッセージを操作パネル940に表示する(ステップS314)。そして、ユーザが「はい」ボタンを押下すれば(ステップS315)、操作パネル940が、「はい」ボタンが押下されたことを、スキャナアプリ200が有する操作パネル制御サービス202に通知する(ステップS316)。一方、ユーザが「いいえ」ボタンを押下したときは、スキャナアプリ200が有する送信アプリ201は、ジョブをキャンセルして処理を終了する。
【0036】
スキャナプリ200が有する送信アプリ201は、ユーザが「はい」ボタンを押した場合、または以前にも送信したことがあれば、次の処理として、ユーザが選択した宛先に対して当該判別した種類の書類を送信した回数を1だけ増やして、送信履歴データベース207に記憶される送信履歴を更新する(ステップS317)。その後、スキャナアプリ200が有する送信アプリ201は、RAM902bから画像を読み出して、ネットワークI/F950を介して宛先に画像ファイルを送信する(ステップS318)。
【0037】
図4は、第1の実施の形態にかかるMFPにおける原稿の種類の判別処理の一例を説明するための図である。例えば、読み取り制御サービス204は、
図4に示すような書類(原稿の一例)の画像をOCRすると、書類の上のほうから順に「請求書」「○○株式会社御中」「No」「1234」といった文字列が得られる。読み取り制御サービス204は、これらの文字列の中から、予め定義またはユーザが登録しておいた書類の種類を表すキーワード群に含まれるものがあるか調べる。そして、読み取り制御サービス204は、
図4に示すように、「請求書」の文字列が見つかった場合、この書類の種類が請求書であると判別する。
【0038】
図5は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムにおける原稿の種類の判別処理の流れの一例を示すフローチャートである。書類(原稿)の種類を示す文字列は文書の上部にあることが多い。そのため、読み取り制御サービス204は、書類の上部の方から所定の行数(例えば、数行程度)のOCR結果を取り出し、取り出したOCR結果について、以下の処理を繰り返す。
【0039】
まず、読み取り制御サービス204は、OCR結果を取り出した行の中に含まれるキーワード群の中から、キーワード毎に、書類の種類を表すキーワードがあるか否かを判断する(ステップS501)。書類の種類を表すキーワードを見つけると(ステップS501:Yes)、読み取り制御サービス204は、当該キーワードに基づいて書類の種類を判別し(ステップS502)、書類の種類を確定する。
【0040】
一方、書類の種類のキーワードが見つからない場合(ステップS501:No)、読み取り制御サービス204は、キーワード群の中から、次のキーワードについて書類の種類の表すキーワードであるか否かを判断する。また、所定の行数のOCR結果に含まれるキーワード群の中から、書類の種類を表すキーワードが見つからなかった場合、読み取り制御サービス204は、書類の種類は不明と判断する(ステップS503)。
【0041】
図6は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムにおける書類の種類の判別に用いるキーワードの一例を説明するための図である。書類の種類として「請求書」「納品書」「交通費精算関連書類」「会議資料」等がある場合、読み取り制御サービス204は、書類の種類のそれぞれを表すキーワードの文字列を予め定義(設定)する。キーワードは、予め定義されていてユーザが変更できない形態でも良いし、ユーザが任意に変更または登録できるようになっていても良い。
【0042】
キーワードは、複数保持することが可能である。本実施の形態では、キーワードは、最大4つ存在するが、もっと多くても少なくても良い。請求書の例では、「請求書」「勘定書」「計算書」「INVOICE」といったキーワードが存在する。OCRした際に書類の上部にそれらのキーワードに合致する文字列が出てくれば、読み取り制御サービス204は、その書類の種類を請求書と判別することになる。
【0043】
図7Aおよび
図7Bは、第1の実施の形態にかかる情報処理システムにおいて記憶する送信履歴の一例を説明するための図である。送信履歴の例について説明する。送信履歴データベース207に記憶される送信履歴には、
図7Aおよび
図7Bに示すように、ユーザID、書類を送信した宛先、送信した書類の種類、書類を送信した回数、最後に書類を送信した日付が記録されている。
【0044】
送信アプリ201は、例えば、ユーザAが宛先「keiri@xyz.com」に対して請求書を読み取って送信する場合、送信前は、
図7Aに示すように、ユーザAの宛先「keiri@xyz.com」に対する送信履歴が存在しない。そのため、操作パネル制御サービス202は、「指定された宛先にはこの種類の書類を初めて送信します。宛先は正しいですか?」メッセージを表示することになる。そして、ユーザが「はい」を選択して送信した後、送信アプリ201は、
図7Bに示すように、ユーザAが宛先「keiri@xyz.com」に請求書を送信した送信履歴が送信履歴データベース207に記憶される。
【0045】
別の例で、ユーザBが宛先「doc@xyz.com」に対して納品書を読み取って送信する場合、送信履歴データベース207に記憶される送信履歴には、ユーザBが宛先「doc@xyz.com」に最後に送信した日付として現時点(例えば、2022/9/14)から5ヶ月以上前の日付が記憶されている。そのため、操作パネル制御サービス202は、ユーザに対して「指定された宛先にこの種類の書類を送信するのは5ヶ月ぶりです。宛先は正しいですか?」というメッセージを表示する。
【0046】
図8は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムにおいて表示される確認メッセージの一例を説明するための図である。ユーザにより指定された宛先へ1回も送信したことがない場合、操作パネル制御サービス202は、
図8に示すように、「指定された宛先にはこの種類の書類を初めて送信します。宛先は正しいですか?」という確認メッセージの下に、ユーザが指定した宛先と、OCRによって推測(判別)した書類の種類と、を含む画面を表示する。これにより、ユーザが確認メッセージを確認しやすいようにする。OCRによって推測した書類の種類が間違っていた場合は、ユーザは、MFP9が推測した書類の種類の判別結果が間違っていることがわかるので、「はい」ボタンを選択することができる。
【0047】
また、ここでは、ユーザにより指定された宛先が初めての宛先の場合の例を示したが、過去に1回しか送信したことがない宛先または書類の種類だった場合、操作パネル制御サービス202は、「指定された宛先にこの種類の書類を送信するのは2回目です。宛先は正しいですか?」のような確認メッセージを表示して、頻度が低いが宛先が正しいか確認を促しても良い。なお、確認を要する送信頻度(例えば、送信回数)は、システム側で予め設定しても良いし、ユーザが任意の回数に変更できるようにしても良い。
【0048】
図9は、第1の実施の形態にかかる情報処理システムにおいて表示される確認メッセージの他の例を説明するための図である。ユーザが最後に原稿を送信してから久しぶりに(例えば、5か月経過後)に送信する宛先が指定された場合、操作パネル制御サービス202は、「指定された宛先にこの種類の書類を送信するのは5ヶ月ぶりです。宛先は正しいですか?」という確認メッセージの下に、ユーザが指定した宛先と、OCRによって推測した書類の種類と、を表示する。これにより、ユーザが確認メッセージを確認しやすいようにする。
【0049】
図9に示す「5ヶ月ぶり」の箇所は可変であり、「1年ぶり」「3週間ぶり」など、最後の送信した日付からの日数によって変わる。確認を要する送信頻度(例えば、期間)は、固定で1ヶ月等の期間を決めてあっても良いし、ユーザが初期設定で予め任意の日数に変更できるようにしても良い。
【0050】
このように、第1の実施の形態にかかる情報処理システムによれば、所定の原稿の種類が所定の宛先に送信された送信頻度から、原稿の宛先の確認が必要と判断された場合に、ユーザが宛先を確認することができるので、原稿の誤送信を抑制することができる。特に、原稿の種類毎に適切な宛先がある場合に、誤った宛先に適切でない種類の原稿を送信するような誤送信を抑制することが可能である。
【0051】
(第2の実施の形態)
本実施の形態は、ユーザにより入力される原稿の種類に基づいて、原稿の種類を判別する例である。以下の説明では、第1の実施の形態と同様の構成については説明を省略する。
【0052】
本実施の形態では、読み取り制御サービス204は、ユーザにより入力される原稿の種類に基づいて、原稿の種類を判別しても良い。これにより、OCRを利用できない環境(画像読み取り装置または画像読み取りシステム)でも、ユーザが手動で原稿の種類を指定することで、画像の誤送信の可能性を低減できる。
【0053】
図10は、第2の実施の形態にかかるMFPにおいて表示される選択画面の一例を説明するための図である。原稿の種類をユーザが指定する場合、操作パネル制御サービス202は、「請求書」、「納品書」、「交通費精算関連書類」、「会議資料」、「その他」の5つの中から、書類の種類を選択可能な選択画面を表示する。「その他」以外は、
図6で示した書類の種類である。これらの選択肢は、5つより多くても少なくても良い。また、これらの選択肢は、予め機器のプログラムで定義されたものであっても良いし、機器の初期設定画面等でユーザが任意に登録することができても良い。また、「その他」として、書類の種類がどれにも当てはまらない選択肢も用意しておくと良い。
【0054】
図11は、第2の実施の形態にかかるMFPにおける誤送信の防止処理の流れの一例を示すシーケンス図である。以下の説明では
図3と同様の処理について説明を省略する。本実施の形態では、ユーザが読み取りスタートボタンを押下する前に、操作パネル940は、スキャナアプリ200が有する操作パネル制御サービス202により制御され、選択画面を表示する。そして、選択画面においてユーザが書類の種類を選択すると(ステップS1101)、操作パネル940は、選択された書類の種類を、スキャナアプリ200が有する読み取り制御サービス204に通知する(ステップS1102)。スキャナアプリ200が有する読み取り制御サービス204は、選択された書類の種類を一時的に記憶する(ステップS1103)。
【0055】
その後、読み取りスタートボタンが押下されたことが、スキャナアプリ200が有する読み取り制御サービス204に通知されると(ステップS307)、スキャナアプリ200が有する送信アプリ201は、送信履歴データベース207に記憶される送信履歴を参照して、ユーザが選択した宛先に、選択した種類の書類を送信した回数が何回あるかを調べる(ステップS313)。本実施の形態では、スキャナアプリ200が有する読み取り制御サービス204は、RAM902bに保存された画像データを参照してOCRを行わない。なお、ユーザが宛先を選択する処理と、書類の種類を選択する処理と、の順序は逆でも良い。
【0056】
このように、第2の実施の形態にかかる情報処理システムによれば、OCRを利用できない環境(画像読み取り装置または画像読み取りシステム)でも、ユーザが手動で原稿の種類を指定することで、画像の誤送信の可能性を低減できる。
【0057】
(第3の実施の形態)
本実施の形態は、MFPの外部の第1,2サーバ装置に、アドレス帳データベースと、送信履歴データベースとが存在している例である。以下の説明では、上述の実施の形態と同様の構成については説明を省略する。
【0058】
図12は、第3の実施の形態にかかる情報処理システムの機能構成の一例を示す図である。本実施の形態にかかる情報処理システムは、
図12に示すように、画像読取装置の一例であるMFP1201と、第1サーバ装置1202と、第2サーバ装置1203と、を有する。そして、
図2に示す情報処理システムでは、MFP9内部に、アドレス帳データベース206と、送信履歴データベース207とが存在したが、本実施の形態では、
図12に示すように、MFP1201の外部の第1,2サーバ装置1202,1203に、アドレス帳データベース206と、送信履歴データベース207とが存在している。
【0059】
具体的には、第1サーバ装置1202は、MFP1201の外部に設けられ、アドレス帳データベース206を記憶するアドレス帳サーバの一例として機能する。第2サーバ装置1203は、MFP1201の外部に設けられ、送信履歴データベース207を記憶する履歴管理サーバの一例として機能する。
【0060】
この場合も、情報処理システムにおける誤送信の防止処理の流れは、
図3または
図11に示すシーケンスとは大きくは変わらない。ただし、送信アプリ201は、アドレス帳データベース206および送信履歴データベース207の各データベースにアクセスする場合、通信制御サービス205を介してアクセスするという点において異なる。
【0061】
図13は、第3の実施の形態にかかる情報処理システムが有する第1,2サーバ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。ここでは、第1サーバ装置1202のハードウェア構成について説明する。
【0062】
図13に示されているように、第1サーバ装置1202は、コンピュータによって構築されており、
図13に示されているように、CPU501、ROM502、RAM503、HD504、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F(Interface)508、ネットワークI/F509、データバス510、キーボード511、ポインティングデバイス512、DVD-RW(Digital Versatile Disk ReWritable)ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
【0063】
これらのうち、CPU501は、第1サーバ装置1202全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出しまたは書き込みを制御する。ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、または画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリおよびプリンタ等である。ネットワークI/F509は、通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン(データバス)510は、
図13に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスおよびデータバス等である。
【0064】
また、キーボード511は、文字、数値、各種指示等の入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択および実行、処理対象の選択、カーソルの移動等を行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出しまたは書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出しまたは書き込み(記憶)を制御する。
【0065】
このように、第3の実施の形態にかかる情報処理システムによれば、アドレス帳データベース206および送信履歴データベース207が、MFP1201の外部に存在する場合も、第1,2の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。また、アドレス帳データベース206および送信履歴データベース207を記憶する記憶装置をMFP1201内部に持たなくても良いのでMFP1201のサイズおよびコストを小さくできる。
【0066】
(第4の実施の形態)
本実施の形態は、第2サーバ装置において、原稿の種類を判定する処理、および宛先の確認を行うか否かを判断する処理を実行する例である。以下の説明では、第3の実施の形態と同様の構成については説明を省略する。
【0067】
図14は、第4の実施の形態にかかる情報処理システムの機能構成の一例を示す図である。本実施の形態では、第2サーバ装置1203は、送信履歴データベース207に加えて、種類判別部1401、および宛先確認判断部1402を有する。
【0068】
本実施の形態では、種類判別部1401は、OCR技術等によって、MFP9のスキャナ部931により読み取った画像に基づいて、原稿の種類を判別する判別部の一例として機能する。
【0069】
本実施の形態では、宛先確認判断部1402は、種類判別部1401により判別された種類の画像が所定の宛先に送信された送信頻度に基づいて、宛先の確認を行うか否かを判断する判断部の一例として機能する。
【0070】
このように、第4の実施の形態にかかる情報処理システムによれば、第2サーバ装置1203において、原稿の種類を判定する処理、および宛先の確認を行うか否かを判断する処理を実行する場合でも、上述の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0071】
上記で説明した実施の形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0072】
本実施の形態に記載された装置群は、本明細書に開示された実施の形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。ある実施の形態では、MFP1201は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。同様に、第1,2サーバ装置1202,1203は、互いに通信するように構成された複数のコンピューティングデバイスを含むことができる。同様に、MFP1201の機能は、第1,2サーバ装置1202,1203によって実行することができる。また、MFP1201と、第1,2サーバ装置1202,1203の各要素は、1つのサーバ装置にまとめられていても良いし、複数の装置に分けられていても良い。
【0073】
なお、本実施の形態のMFP9,1201で実行されるプログラムは、ROM902a等に予め組み込まれて提供される。本実施の形態のMFP9で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0074】
さらに、本実施の形態のMFP9,1201で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施の形態のMFP9,1201で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0075】
本実施の形態のMFP9,1201で実行されるプログラムは、上述した各部(送信アプリ201、操作パネル制御サービス202、メモリ管理サービス203、読み取り制御サービス204、および通信制御サービス205)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU901等のプロセッサが上記ROM902aからプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、送信アプリ201、操作パネル制御サービス202、メモリ管理サービス203、読み取り制御サービス204、および通信制御サービス205が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0076】
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 原稿の画像を読み取る読取部と、
読み取った前記画像を所定の宛先に送信する送信部と、
読み取った前記画像に基づいて、前記原稿の種類を判別する判別部と、
判別された前記種類の前記画像を前記所定の宛先に送信された頻度に基づき、宛先の確認を行うか否かを判断する判断部と、
宛先の確認が必要と判断された場合には、宛先の確認を行う表示画面を表示部に表示する表示制御部と、
を備える画像読取装置。
【0077】
<2> 前記画像読取装置の外部のアドレス帳サーバを用いて、前記画像読取装置を使用しているユーザを識別するユーザ識別部と、
前記画像読取装置の外部の履歴管理サーバを用いて、前記ユーザ識別部により識別された前記ユーザが過去に前記画像を送信した宛先を含む送信履歴を記録する記録機能部と、をさらに備え、
前記判断部は、前記記録機能部により記録される前記送信履歴に基づいて、前記所定の宛先が前記ユーザにとって初めて使う宛先かどうかを判断し、その判断結果を含む前記頻度に応じて、宛先の確認を行うか否かを判断する、<1>に記載の画像読取装置。
【0078】
<3> 前記判断部は、判別された前記種類の前記画像を前記所定の宛先に送信するのが初めての場合、宛先の確認が必要と判断する、<1>または<2>に記載の画像読取装置。
【0079】
<4> 前記判断部は、判別された前記種類の前記画像を前記所定の宛先に送信したのが所定期間以上前である場合、宛先の確認が必要と判断する、<1>から<3>のいずれか一に記載の画像読取装置。
【0080】
<5> 前記判別部は、文字認識技術によって、前記種類を判別する、<1>から<4>のいずれか一に記載の画像読取装置。
【0081】
<6> 前記判別部は、ユーザにより入力される種類に基づいて、前記種類を判別する、<1>から<5>のいずれか一に記載の画像読取装置。
【0082】
<7> 画像読取装置で実行される画像読取方法であって、
原稿の画像を読み取るステップと、
読み取った前記画像を所定の宛先に送信するステップと、
読み取った前記画像に基づいて、前記原稿の種類を判別するステップと、
判別された前記種類の前記画像を前記所定の宛先に送信された頻度に基づき、宛先の確認を行うか否かを判断するステップと、
宛先の確認が必要と判断された場合には、宛先の確認を行う表示画面を表示部に表示するステップと、
を含む画像読取方法。
【0083】
<8> コンピュータを、
読取部により原稿から読み取った画像を所定の宛先に送信する送信部と、
読み取った前記画像に基づいて、前記原稿の種類を判別する判別部と、
判別された前記種類の前記画像を前記所定の宛先に送信された頻度に基づき、宛先の確認を行うか否かを判断する判断部と、
宛先の確認が必要と判断された場合には、宛先の確認を行う表示画面を表示部に表示する表示制御部と、
して機能させるためのプログラム。
【0084】
<9> 画像読取装置と、サーバと、を有する情報処理システムであって、
前記画像読取装置は、
原稿の画像を読み取る読取部と、
読み取った前記画像を所定の宛先に送信する送信部と、
宛先の確認を行う表示画面を表示部に表示する表示制御部と、を備え、
前記サーバは、
前記画像読取装置の読取部が読み取った前記画像に基づいて、前記原稿の種類を判別する判別部と、
判別された前記種類の前記画像を前記所定の宛先に送信された頻度に基づき、宛先の確認を行うか否かを判断する判断部と、を備え、
前記表示制御部は、宛先の確認が必要と判断された場合には、前記表示画面を前記表示部に表示する、情報処理システム。
【符号の説明】
【0085】
9,1201 MFP
201 送信アプリ
202 操作パネル制御サービス
203 メモリ管理サービス
204 読み取り制御サービス
205 通信制御サービス
206 アドレス帳データベース
207 送信履歴データベース
901 CPU
902a ROM
902b RAM
908 HDDコントローラ
909 HD
910 コントローラ
931 スキャナ部
940 操作パネル
1202 第1サーバ装置
1203 第2サーバ装置
1401 種類判別部
1402 宛先確認判断部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0086】