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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078399
(43)【公開日】2024-06-10
(54)【発明の名称】香料組成物、及び化粧品
(51)【国際特許分類】
   C11B 9/00 20060101AFI20240603BHJP
【FI】
C11B9/00 Z
C11B9/00 C
C11B9/00 J
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023156272
(22)【出願日】2023-09-21
(62)【分割の表示】P 2023148620の分割
【原出願日】2023-09-13
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-05-29
(31)【優先権主張番号】P 2022190596
(32)【優先日】2022-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社 資生堂
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】山田 俊一
【テーマコード(参考)】
4H059
【Fターム(参考)】
4H059BA12
4H059BA19
4H059BB55
4H059BC10
4H059CA51
4H059DA09
4H059EA36
(57)【要約】      (修正有)
【課題】生木のフレッシュな香りを与え得る香料組成物を提供する。
【解決手段】樹木様香気成分と、(A)成分及び(B)成分を含むモジュール成分と、を含有し、(A)成分は、下式(1)H-CH=CH-C-R(1)〔式中、Rは-OH、又は-O(CO)-R;Rは1~3のアルキル基〕で表される化合物又はその誘導体であり、(B)成分は、下式(2)

〔式中、Rは-R-CHO;Rは、単結合、炭素数1~3のアルキレン基、又は炭素数2~3のアルケニレン基〕で表される化合物又はその誘導体である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹木様香気成分と、
(A)成分としてシス-3-ヘキセノールと、
(B)成分としてベンズアルデヒド、及びシンナムアルデヒドの1以上と、
(C)成分としてリナロール、酢酸リナリル、及びシトロネリルイソブチレートの1以上と、
(D)成分として酢酸イソボルニル、及びボルネオールの1以上と、
(E)成分としてα-ターピネオール、及び酢酸ターピニルの1以上と、
を含有する香料組成物。
【請求項2】
樹木様香気成分がヒノキ様香気成分である、請求項1に記載の香料組成物。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の香料組成物を含む、化粧品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、香料組成物、及び化粧品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ヒノキ等の樹木の香り又はそれに類する香りは広い年齢層で人気が高く、そのような樹木様の香りを発する香料(樹木様香料)は、化粧料や衛生日用品の分野で広く利用されている。樹木様香料としては、天然の樹木又はその一部から抽出された成分、例えば精油がよく知られている。
【0003】
しかしながら、精油等の抽出された成分の香りだけでは物足りないと感じる使用者もいる。そのため、その樹木の香調を維持しつつも、精油のみでは得られない香りが求められることもある。これに対し、例えば、特許文献1には、ヒノキを特徴付ける香りを有しているが、ヒノキ精油には存在しない独特の清涼感(軽快な感じ)を有する香りが得られる香料水が記載されている。特許文献1に記載の香料水は、少なくともテルピネン-4-オ-ル及び/又はα-テルピネオ-ルを含む複数の単環式テルペンアルコ-ルが、水に含有されてなるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9-59670号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、都会の在住者であっても、森林浴体験等の自然体験が可能であり、天然の樹木の香りに触れる機会も増えている。それに伴い、樹木様香料の購入に際しても、単に樹木の香調が感じられればよいというだけでなく、生きている樹木(生木)のフレッシュな香りを求める使用者が増えている。
【0006】
上記に鑑みて、本開示の一態様は、生木のフレッシュな香りを与え得る香料組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示の一態様は、樹木様香気成分と、(A)成分と、(B)成分とを含有し、
前記(A)成分は、下式(1)
-CH=CH-C-R (1)
〔式中、Rは-OH、又は-O(CO)-Rであり、Rは1~3のアルキル基である〕で表される化合物又はその誘導体であり、
前記(B)成分は、下式(2)
【0008】
【化1】

〔式中、Rは-R-CHOであり、Rは、単結合、炭素数1~3のアルキレン基、又は炭素数2~3のアルケニレン基である〕で表される化合物又はその誘導体である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、生木のフレッシュな香りを与え得る香料組成物を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】例1-1~例1-6の詳細評価Iの結果を示すチャートである。
図2】例1-7~例1-11の詳細評価Iの結果を示すチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示による一形態は、樹木様香気成分と、所定の(A)成分及び(B)成分とを含有する香料組成物である。ここで、(A)成分及び(B)成分は、骨格成分である樹木様香気成分と組み合わせて用いるためのモジュール成分と言える。また、本開示による一形態は、骨格成分である樹木様香気成分と組み合わせて香料組成物を構成するためのモジュール成分であってよい。
【0012】
本明細書において「モジュール成分」とは、香料組成物の骨格成分、すなわち香料組成物の香りの系統(若しくは香調)を決定付ける成分に対して少量で、当該骨格成分と組み合わせて使用される成分であって、骨格成分が有する香りの系統(香調)を維持したまま、骨格成分とモジュール成分とを組み合わせて得られる香料組成物の香りに更なる特徴を付与したり、骨格成分が有する香りの特徴を増大又は減少させたりできる成分である。香りの系統若しくは香調は、ウッディ系、フローラル系、フルーティ系、シトラス系、グリーン系等の表現で表される香りの分類であってよい。なお、「モジュール成分」は、モジュール組成物、添加成分、添加組成物等と呼ぶ場合がある。
【0013】
本開示による一形態による香料組成物は、樹木様(ウッディ系若しくはウッド系)の香調が供されるものであってよい。さらに、この樹木様香料組成物の樹木様の香りの具体例は、ヒノキ、シダーウッド、サンダルウッド、サイプレス、スギ、マツ、ヒバ等の香り、或いはこれらの2以上が混合された香りを主として感じられるものであってよい。
【0014】
本形態による香料組成物の骨格成分である樹木様香気成分は、上述の樹木様の香調を供する香気成分であれば、特に限定されない。本形態における香気成分は、天然樹木から得られた香気成分であってよいし、化合物を調合して得られた樹木様香気を供する成分であってもよいし、その混合物であってもよい。また、樹木様香気成分は、少量でも十分な樹木様の香りを供することができること及び入手しやすいことから、天然樹木から得られた精油、又は精油を含む組成物であると好ましい。本形態では、ヒノキ精油、及びシダーウッド精油の1以上が好適に用いられる。これらの樹木様精油は、アロマ&ビューティ ネロリ(山本香料株式会社)等を通して入手できる。
【0015】
元来、樹木様香気成分の人気は高かったが、さらに近年では、天然の植物により近い香り、すなわち、生きている樹木(生木)のフレッシュな香りが求められる傾向がある。しかしながら、既存の通常の樹木様香気成分(例えば樹木精油)の香りは、天然の原料そのものの香りとはやや異なっており、生木の香りの特徴が弱くなっていたり失われていたりするものが多い。これは、成分を抽出する過程で組成が変化し得るためであると考えられる。そのため、既存の樹木様香気成分だけでは、物足りなさを感じる使用者もいる。
【0016】
これに対し、樹木様香気成分である骨格成分に、本開示の一形態による所定のモジュール成分を組み合わせることで、生木の特徴を有する香りを供することのできる樹木様香料組成物を提供できる。また、本開示の一形態は、樹木様香気成分である骨格成分と、所定のモジュール成分を組み合わせてなる、生木の特徴を有する香りを供することのできる樹木様香料組成物である。
【0017】
本形態において、骨格成分としてヒノキ様香気成分(例えば、ヒノキ精油)を用いた場合には、ヒノキの香りの特徴を維持しながら、生木の特徴が強められた香りを提供できる。一方、骨格成分としてヒノキ様香気成分以外の樹木様香気成分(例えば、ヒノキ以外の樹木の精油)を用いた場合にも、ヒノキの生木の特徴が強められた香りが提供される。すなわち、ヒノキ様香気成分が含まれていないにも関わらず、ヒノキの生木の特徴が強い香りを提供することができる。
【0018】
ヒノキの生木の香りの特徴とは、生きていているヒノキの幹を切った直後の香気、及び/又は生きているヒノキの枝葉を揉んだ際に香る香りである。このヒノキの生木の特徴の強さは、訓練を受けた専門パネルの官能評価によって評価できるし、実際のヒノキの生木との比較試験等によっても評価できる。また、さらに細かい項目について香りの官能評価を行い、それに基づき、ヒノキの生木の特徴を評価してもよい。例えば、本発明者らは、「柑橘様のさわやかな匂い」、「リーフィーグリーン様の匂い」、「フレッシュなフローラル様の匂い」、「アーモンド様の樹脂ヤニっぽい匂い」、「清涼感のあるクールな匂い」、「木材チップ様のさわやかな匂い」、及び「土臭いウッディな匂い」の7項目について、それぞれ評価した際に、「リーフィーグリーン様の匂い」、「フレッシュなフローラル様の匂い」、及び「アーモンド様の樹脂ヤニっぽい匂い」の3つ全てが強いことが、ヒノキの生木の特徴の強さに関係していることを見出した。よって、「リーフィーグリーン様の匂い」、「フレッシュなフローラル様の匂い」、及び「アーモンド様の樹脂ヤニっぽい匂い」の評価によって、ヒノキの生木の特徴の強さを客観的に評価することもできる。
【0019】
本形態による樹木様香料組成物は、上記のヒノキの生木の香りの特徴が強いことに加え、当該組成物を嗅いだ使用者に、実際に森林浴をしているかのようなリフレッシュ感(森林浴感ともいう)も与えることができる。ここで、リフレッシュ感とは、身体的及び/又は精神的にリフレッシュした感覚である。よって、本形態による香料組成物は、その香りを嗅いだ使用者に森林浴感を与えることができる。さらに、香りのみずみずしさ(森林浴をしている際に感じられる湿った潤いのある香りの特徴)も強く、樹木様香気のトップノートのインパクトも大きい。
【0020】
樹木様香料組成物を構成するために、骨格成分である樹木様香気成分に添加されるモジュール成分の量は、骨格成分である樹木様香気成分100部に対して、0.01質量部以上15質量部以下であってよく、好ましくは0.1質量部以上10質量部以下であってよい。上記範囲の量とすることで、骨格成分がヒノキ様香気成分である場合には、得られる樹木様香料組成物の香りを生木の香りにより一層近づけることができ、骨格成分がヒノキ以外の樹木の香気成分である場合には、得られる樹木様香料組成物の香りを、ヒノキの生木の香りにより一層近づけることができる。さらに、得られる香料組成物が使用者に森林浴感を提供できるという効果を一層向上できる。
【0021】
所定のモジュール成分は、以下に説明する(A)成分と(B)成分とを含有するものであってよい。(A)成分は、炭素数6の直鎖の飽和又は不飽和アルコール又はその誘導体であってよく、リーフィーグリーン様の香りを有するものが好ましい。例えば、(A)成分は、下式(1)
-CH=CH-C-R (1)
〔式中、Rは-OH、又は-O(CO)-Rであり、Rは1~3のアルキル基である〕で表される化合物又はその誘導体であってよい。上記Rは、メチル基であることが好ましい。さらに、式(1)は、下式(1a)
【0022】
【化2】
〔式中、Rは-OH、又は-O(CO)-Rであり、Rは1~3のアルキル基である〕で表されるようなシス構造であることが好ましい。上記化合物のうち、シス-3-ヘキセノールが好ましい。また、(A)成分として、上記化合物は、単独で又は2以上組み合わせて用いることができる。
【0023】
(B)成分は、芳香族アルデヒド化合物又はその誘導体であってよく、スパイシーな樹脂様の香りを有するものが好ましい。例えば、(B)成分は、下式(2)
【0024】
【化3】
〔式中、Rは-R-CHOであり、Rは、単結合、炭素数1~3のアルキレン基、又は炭素数2~3のアルケニレン基である〕で表される化合物又はその誘導体であってよい。上記Rは、単結合、-CH-、-C-、又は-C-であることが好ましい。さらに、上記化合物のうち、ベンズアルデヒド又はシンナムアルデヒドが好ましい。また、(B)成分として、上記化合物は、単独で又は2以上組み合わせて用いることができる。
【0025】
樹木様香料組成物を構成するために、骨格成分である樹木様香気成分に添加される(A)成分及び(B)成分の合計量は、骨格成分である樹木様香気成分100部に対して、0.01質量部以上15質量部以下であってよく、好ましくは0.1質量部以上10質量部以下、より好ましくは0.1質量部以上5質量部以下、さらに好ましくは0.2質量部以上3質量部以下であってよい。上記範囲の量とすることで、骨格成分がヒノキ様香気成分である場合には、得られる樹木様香料組成物の香りを生木の香りに近づけるという効果を向上でき、骨格成分がヒノキ以外の樹木の香気成分である場合には、得られる樹木様香料組成物の香りを、ヒノキの生木の香りに近づけるという効果を向上できる。
【0026】
また、モジュール成分は、(A)成分及び(B)成分の成分をさらに含有していてよい。例えば、モジュール成分は、(A)成分及び(B)成分に加えて、後述の(C)成分、(D)成分、及び(E)成分の1以上を含有していてよい。また、モジュール成分は、(A)成分及び(B)成分に加えて、(C)成分及び/又は(D)成分を含有していることが好ましく、さらに(E)成分を含有することが好ましい。この場合、モジュール成分の全量に対する(A)成分及び(B)成分の合計量は、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以であってよい。なお、モジュール成分は、(A)成分及び(B)成分からなっていてよい。
【0027】
(C)成分は、鎖状モノテルペンアルコール又はその誘導体であってよく、フレッシュフローラル様の香りを有するものが好ましい。例えば、(C)成分は、下式(3a)
【0028】
【化4】
〔式中、Rは-H、又は炭素数2~3のアルケニレン基であり、Rは-OH、又は-Rc1-O(CO)-Rc2であり、Rc1は、単結合、又は炭素数1~3のアルキレン基であり、Rc2は直鎖又は分岐の炭素数1~3のアルキル基である〕で表される化合物又はその誘導体であってよい。上記Rは、-H、又は-CH=CHであると好ましい。上記Rc1は、単結合、-CH-、又は-C-であると好ましい。また、上記Rc2は、メチル基、プロピル基、又はイソプロピル基であると好ましい。
【0029】
また、(C)成分は、下式(3b)
【0030】
【化5】
〔式中、R及びRはそれぞれ独立して-H、又は-OHであり、Rは炭素数1~3のアルキル基、又は炭素数2~3のアルケニレン基である〕で表される化合物又はその誘導体、の1以上であってよい。上記Rは、メチル基、又はビニル基であると好ましい。
【0031】
(C)成分の例として挙げた上記化合物のうち、リナロール、酢酸リナリル、及びシトロネリルイソブチレートの1以上が好ましく、リナロールがより好ましい。また、(C)成分として、上記の化合物は、単独で又は2以上組み合わせて用いることができる。
【0032】
モジュール成分が(C)成分を含有する場合、骨格成分である樹木様香気成分100質量部に対する(C)成分の量は、好ましくは0.1質量部以上3質量部以下、より好ましくは0.3質量部以上2質量部以下であってよい。(C)成分の量を上記範囲とすることで、骨格成分がヒノキ様香気成分である場合には、得られる樹木様香料組成物の香りを生木の香りに近づけるという効果を向上でき、骨格成分がヒノキ以外の樹木の香気成分である場合には、得られる香料組成物の香りをヒノキの生木の香りに近づけるという効果を一層向上できる。
【0033】
また、(A)成分及び(B)成分の合計量に対する(C)成分の量の質量比の値(C成分の質量/(A成分の質量+B成分の質量))は、好ましくは0.1以上5以下、より好ましくは0.5以上2.8以下であってよい。上記範囲とすることで、骨格成分がヒノキ様香気成分である場合には、得られる樹木様香料組成物の香りを生木の香りに近づけるという効果を向上でき、骨格成分がヒノキ以外の樹木の香気成分である場合には、得られる香料組成物の香りをヒノキの生木の香りに近づけるという効果を一層向上できる。
【0034】
(D)成分は、ノルボルナン骨格を有するアルコール又はエステルであってよく、清涼感のある樟脳様の香りを有するものが好ましい。例えば、(D)成分は、下式(4)
【0035】
【化6】
〔式中、R及びRはそれぞれ独立して-H、-OH、又は-C(CO)-Rであり、Rは炭素数1~3のアルキル基である〕で表される化合物又はその誘導体であってよい。上記Rはメチル基であると好ましい。さらに、上記化合物のうち、酢酸イソボルニル、及びボルネオールの1以上が特に好ましい。また、(D)成分として、上記化合物は、単独で又は2以上組み合わせて用いることができる。
【0036】
モジュール成分が(D)成分を含有する場合、骨格成分である樹木様香気成分100質量部に対する(D)成分の量は、好ましくは0.5質量部以上6質量部以下、より好ましくは1質量部以上5質量部以下であってよい。(D)成分の量を上記範囲とすることで、骨格成分がヒノキ様香気成分である場合には、得られる樹木様香料組成物の香りを生木の香りに近づけるという効果を向上でき、骨格成分がヒノキ以外の樹木の香気成分である場合には、得られる香料組成物の香りをヒノキの生木の香りに近付けるという効果を向上できる。
【0037】
また、(A)成分及び(B)成分の合計量に対する(D)成分の量の質量比の値(D成分の質量/(A成分の質量+B成分の質量))は、好ましくは0.5以上8以下、より好ましくは1以上5以下であってよい。上記範囲とすることで、骨格成分がヒノキ様香気成分である場合には、得られる樹木様香料組成物の香りを生木の香りに近づけるという効果を向上でき、骨格成分がヒノキ以外の樹木の香気成分である場合には、得られる香料組成物の香りをヒノキの生木の香りに近付けるという効果を向上できる。
【0038】
(E)成分は、置換若しくは非置換の単環式テルピネン、又はその誘導体であってよく、クールな清涼感のあるフローラル様の香りを有するものが好ましい。例えば、(E)成分は、下式(5)
【0039】
【化7】
〔式中、R10は-H、-OH、又は-O(CO)-Rであり、Rは炭素数1~3のアルキル基であり、R11は-H、又は炭素数1~3のアルキル基であり、R12は-H、又は-OHである〕で表される化合物又はその誘導体であってよい。上記R11は、-H、又はメチル基であると好ましい。上記Rは、メチル基であると好ましい。上記化合物のうち、α-ターピネオール(テルピネオール)、及び酢酸ターピニル(酢酸テルピニル)の1以上が特に好ましい。また、(E)成分として、上記化合物は、単独で又は2以上組み合わせて用いることができる。
【0040】
モジュール成分が(E)成分を含有する場合、骨格成分である樹木様香気成分100質量部に対する(E)成分の量は、好ましくは0.5質量部以上8質量部以下、より好ましくは1質量部以上5質量部以下であってよい。(E)成分の量を上記範囲とすることで、骨格成分がヒノキ様香気成分である場合には、得られる樹木様香料組成物の香りを生木の香りに近づけるという効果を向上でき、骨格成分がヒノキ以外の樹木の香気成分である場合には、得られる香料組成物の香りをヒノキの生木の香りに近付けるという効果を向上できる。
【0041】
また、(A)成分及び(B)成分の合計量に対する(E)成分の量の質量比の値(E成分の質量/(A成分の質量+B成分の質量))は、好ましくは1以上15以下、より好ましくは2以上10以下であってよい。上記範囲とすることで、骨格成分がヒノキ様香気成分である場合には、得られる樹木様香料組成物の香りを生木の香りに近づけるという効果を向上でき、骨格成分がヒノキ以外の樹木の香気成分である場合には、得られる香料組成物の香りをヒノキの生木の香りに近付けるという効果を向上できる。
【0042】
なお、モジュール成分が、上記の(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、及び(E)成分の全てを含有することで、これらの成分が相乗的に作用する。すなわち、骨格成分がヒノキ様香気成分である場合には、生木の香りの特徴を強めるという効果を特に向上でき、骨格成分がヒノキ以外の樹木の香気成分である場合には、ヒノキの生木の香りの特徴を強める効果を特に向上できる。
【0043】
さらに、本開示の一形態は、樹木様香気成分と組み合わせて香料組成物を得るためのモジュール成分であって、(A)成分としてシス-3-ヘキセノールと、(B)成分としてベンズアルデヒド、及びシンナムアルデヒドの1以上と、(C)成分としてリナロール、酢酸リナリル、及びシトロネリルイソブチレートの1以上と、(D)成分として酢酸イソボルニル、及びボルネオールの1以上と、(E)成分としてα-ターピネオール、及び酢酸ターピニルの1以上と、を含有するものであってよい。また、別の一形態は、樹木様香気成分と、(A)成分としてシス-3-ヘキセノールと、(B)成分としてベンズアルデヒド、及びシンナムアルデヒドの1以上と、(C)成分としてリナロール、酢酸リナリル、及びシトロネリルイソブチレートの1以上と、(D)成分として酢酸イソボルニル、及びボルネオールの1以上と、(E)成分としてα-ターピネオール、及び酢酸ターピニルの1以上と、を含有する香料組成物であってよい。
【0044】
モジュール成分は、(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、及び(E)成分以外の香気成分を含有していてもよい。また、香気成分でない成分、例えば、モジュール成分を安定的に保持するための成分等を含有していてもよい。そのような香気成分でない成分は、水中油型乳化組成物、油中水型乳化組成物、オイル製剤、粉末製剤において用いられる成分等であってよい。
【0045】
また、本形態による、樹木様香気成分である骨格成分と、モジュール成分とが配合されてなる香料組成物も、組成物の性状を安定化させるための成分、例えば、水中油型乳化組成物、油中水型乳化組成物、オイル製剤、粉末製剤において用いられる成分等を含有していてよい。
【0046】
本形態によって得られる香料組成物は、香水、オーデコロン、化粧品、パーソナルケア製品(トイレタリー製品)、ハウスホールド製品等のために用いることができる。化粧品の例としては、ファンデーション、白粉、チーク、アイシャドー、アイブロー、アイライナー、マスカラ等のメークアップ化粧品(仕上げ化粧品)、及び洗顔料、化粧水、乳液、クリーム、美容液等の基礎化粧品が挙げられる。パーソナルケア製品の例としては、石鹸、ボディシャンプー、ハンドクリーム、ハンドクリーム、ボディクリーム(ボディローション)等のボディケア用製品、及びシャンプー、リンス、コンディショナー、ヘアクリーム、ヘアワックス、ヘアスプレー等のヘアケア用製品が挙げられる。ハウスホールド製品としては、ルームスプレー、芳香剤、芳香消臭剤、ティッシュ、ウェットティッシュ、トイレットペーパー、洗剤、入浴剤等が挙げられる。
【実施例0047】
[実験例1]ヒノキ様香気成分を骨格成分として使用
骨格成分としてヒノキ精油を用いて、例1-1~例1-15の試料(香料組成物)を調製した。各例の成分を表1Aに示す。
【0048】
<概括評価I>
各例の試料について、実際にヒノキの生木の匂いを嗅いだ一般パネル4名による評価を行った。なお、評価においては、パネルに各試料約5μLを浸みこませた匂い紙を嗅がせ、評点を付けてもらった。本評価では、モジュール成分を含まず骨格成分(ヒノキ精油)のみからなる例1-7を対照試料として、以下の「ヒノキの生木の特徴」、「森林浴感」、「みずみずしさ」、及び「トップのインパクト」の観点で評価した。評価結果を表1Aに示す。表1Aに示す評点は、全パネルの評点を算術平均したものである。
【0049】
(ヒノキの生木の特徴)
ヒノキの生木の特徴の強さを評価した。ヒノキの生木の特徴とは、生きていているヒノキの幹を切った直後の香気、及び生きているヒノキの枝葉を揉んだ際に香る香気を共に含む香りの特徴である。評点の基準は以下の通りとした:
0:ない(対照試料と同等)
1:あるが、非常に弱い
2:あるが、かなり弱い
3:あるが、弱い
4:あるが、やや弱い
5:やや強い
6:強い
7:かなり強い
8:非常に強い(実際にヒノキの生木を嗅いだ時に感じられた香気と同等)。
【0050】
(森林浴感)
実際に森林浴をしているかのようなリフレッシュ感を評価した。評点の基準は以下の通りとした:
0:ない(対照試料と同等)
1:あるが、非常に弱い
2:あるが、かなり弱い
3:あるが、弱い
4:あるが、やや弱い
5:やや強い
6:強い
7:かなり強い
8:非常に強い(実際にヒノキの生木を嗅いだ時に感じられた森林浴感と同等)。
【0051】
(みずみずしさ)
森林浴をしている際に感じられる湿った潤いのある香りの特徴を評価した。評点の基準は以下の通りとした:
0:ない(対照試料と同等)
1:あるが、非常に弱い
2:あるが、かなり弱い
3:あるが、弱い
4:あるが、やや弱い
5:やや強い
6:強い
7:かなり強い
8:非常に強い(実際にヒノキの生木を嗅いだ時に感じられたみずみずしさと同等)。
【0052】
(トップのインパクト)
樹木様香気のトップノート(香りを嗅いだ直後に感じられる香り)の強さの印象を評価した。評点の基準は以下の通りとした:
0:ない(対照試料と同等)
1:あるが、非常に弱い
2:あるが、かなり弱い
3:あるが、弱い
4:あるが、やや弱い
5:やや強い
6:強い
7:かなり強い
8:非常に強い(実際にヒノキの生木を嗅いだ時に感じられたトップのインパクトと同等)。
【0053】
【表1A】
【0054】
表1Aに示すように、少なくとも(A)成分及び(B)成分を含有するモジュール成分をヒノキ様香気成分である骨格成分に組み合わせた場合に(例1-1~例1-6)、ヒノキ精油のみ(例1-7、対照試料)よりもヒノキの生木の特徴が強くなることが分かった。また、森林浴感、及びみずみずしさ、及び樹木様香気のトップのインパクトも強くなることが分かった。
【0055】
<概括評価II>
調製された上記試料の一部(例1-1、例1-2、及び例1-4~例1-10)及び新たに調製した試料(例1-16及び例1-17)について、専門パネル4名よる評価を行った。匂いの嗅がせ方は、一般パネルによる評価での方法と同様であった。本評価では、モジュール成分を含まない骨格成分(ヒノキ精油)のみからなる例1-7を陰性対照試料とし、上記の概括評価I(一般パネルによる評価)にて「ヒノキの生木の特徴」が最も強いと評価された例1-5を陽性対照試料として、「ヒノキの生木の特徴」、「森林浴感」、及び「みずみずしさ」の観点で評価した。
【0056】
いずれの観点の評価においても、評点の基準は以下の通りとした:
0:ない(陰性対照である例1-7と同等)
1:あるが、非常に弱い
2:あるが、かなり弱い
3:あるが、弱い
4:あるが、やや弱い
5:やや強い
6:強い
7:かなり強い
8:非常に強い(陽性対照である例1-5と同等)。
【0057】
評価結果を表1Bに示す(成分の割合は再掲)。表1Bに示す評点は、全パネルの評点を算術平均したものである。
【0058】
【表1B】
【0059】
表1Bに示すように、専門パネルによる評価においても、少なくとも(A)成分及び(B)成分を含有するモジュール成分をヒノキ様香気成分である骨格成分に組み合わせることで、ヒノキの生木の特徴を強めることができることが示された。
【0060】
<詳細評価I>
調製された上述の試料の一部(例1-1~例1-11)について、実際にヒノキの生木の匂いを嗅いだ専門パネル1名により、より詳細な評価を行った。匂いの嗅がせ方は、概括評価I及びIIでの方法と同様であった。本評価では、「a)柑橘様のさわやかな匂い」、「b)リーフィーグリーン様の匂い」、「c)フレッシュなフローラル様の匂い」、「d)アーモンド様の樹脂ヤニっぽい匂い」、「e)清涼感のあるクールな匂い」、「f)木材チップ様のさわやかな匂い」、「g)土臭いウッディな匂い」というより具体的な観点で評価を行った。評点の基準は以下の通りとした:
1:まったくあてはまらない
2:あてはまらない
3:あまりあてはまらない
4:どちらでもない
5:少しあてはまる
6:あてはまる
7:非常によくあてはまる。
【0061】
表2Aに結果を示す(試料の成分は再掲)。また、図1及び図2に、各試料の評価のチャートを示す。図1に例1-1~例1-6のチャートを、図2に例1-7~例1-11のチャートを示す。
【0062】
【表2A】
【0063】
<詳細評価II>
さらに、調製された試料の一部(例1-1、例1-2、例1-4~例1-11、例1-16及び例1-17)については、専門パネル4名よっても評価を行った。評価結果を表2Bに示す(試料の成分は再掲)。なお、表2Bに示す評点は、全パネルの評点を算術平均したものである。
【0064】
【表2B】
【0065】
表2A及び表2Bに示すように、少なくとも(A)成分及び(B)成分を含有するモジュール成分をヒノキ様香気成分である骨格成分に組み合わせた場合に(例1-1~例1-6、例1-16及び例1-17)、ヒノキの生木の特徴の指標となり得る、「b)リーフィーグリーン様の匂い」、「c)フレッシュなフローラル様の匂い」、及び「d)アーモンド様の樹脂ヤニっぽい匂い」という3つの項目の評点の合計が高かった。
【0066】
[実験例2]ヒノキ様香気成分以外の香気成分を骨格成分として使用
骨格成分としてセダーウッド精油(樹木様骨格成分)を使用する例2-0~例2-8、及び骨格成分としてラベンダー精油(花様骨格成分)を使用する例2-9~例2-13を、表3Aに示す成分を同表に示す割合で調製した。
【0067】
<概括評価I>
各例の試料について、実際にヒノキの生木の匂いを嗅いだ専門パネル1名による評価を行った。「実験例1」における<概括評価I(一般パネルによる評価)>と同様に、「ヒノキの生木の特徴」、「森林浴感」、「みずみずしさ」、及び「トップのインパクト」との観点で評価を行った。但し、例2-1~例2-8については、モジュール成分を含まない骨格成分(セダーウッド精油)のみからなる例2-0を対照試料とし、例2-10~例2-13については、モジュール成分を含まない骨格成分(ラベンダー精油)のみからなる例2-9を対照試料として、ヒノキ精油を用いない場合に、各例のモジュール成分が「ヒノキの生木の特徴感」、「森林浴感」、「みずみずしさ」、及び「トップのインパクト」を上昇させるか評価した。匂いの嗅がせ方、及び評点の基準は、「実験例1」の<詳細評価I>でのものと同様であった。評価結果を表3Aに示す。
【0068】
【表3A】
【0069】
表3Aに示すように、ヒノキ様香気成分以外の香気成分を骨格成分として使用した場合でも、骨格成分が樹木様香気成分であれば、少なくとも(A)成分及び(B)成分を含有するモジュール成分を骨格成分に組み合わせた場合に(例2-1~例2-4)、ヒノキの生木の特徴を強く有する香料組成物が得られることが分かった。また、森林浴感、及びみずみずしさ、及び樹木様香気のトップのインパクトも強くなることが分かった。なお、骨格成分が樹木様香気成分でない場合には(例2-10~例2-13)、(A)成分及び(B)成分を含有するモジュール成分を用いても、効果が得られなかった。
【0070】
<概括評価II>
さらに、調製された上記試料の一部(例2-1~例2-4、例2-6、及び例2-8)については、専門パネル4名よる評価も行った。匂いの嗅がせ方は、一般パネルによる評価での方法と同様であった。本評価では、モジュール成分を含まない骨格成分(セダーウッド精油)のみからなる例2-0を陰性対照試料とし、「実験例1」にて調製した例1-5(「ヒノキの生木の特徴」が最も強いと評価された例)を陽性対照試料として、「ヒノキの生木の特徴」、「森林浴感」、及び「みずみずしさ」の観点で評価した。但し、いずれの観点の評価においても、評点の基準は以下の通りとした:
0:ない(陰性対照である例2-0と同等)
1:あるが、非常に弱い
2:あるが、かなり弱い
3:あるが、弱い
4:あるが、やや弱い
5:やや強い
6:強い
7:かなり強い
8:非常に強い(陽性対照である例1-5と同等)。
【0071】
評価結果を表3Bに示す(成分の割合は再掲)。表3Bに示す評点は、全パネルの評点を算術平均したものである。
【0072】
【表3B】
【0073】
表3Bに示すように、専門パネルによる評価においても、ヒノキ様香気成分以外の香気成分を骨格成分として使用した場合でも、骨格成分が樹木様香気成分であれば、少なくとも(A)成分及び(B)成分を含有するモジュール成分を骨格成分に組み合わせた場合に(例2-1~例2-4)、ヒノキの生木の特徴を強く有する香料組成物が得られることが分かった。また、森林浴感、及びみずみずしさも強くなることが分かった。
【0074】
以上、本発明を具体的な実施形態及び実施例に基づいて説明したが、これらの実施形態及び実施例は例として提示したものにすぎず、本発明は上記実施形態及び実施例によって限定されるものではない。本発明の開示の範囲内において、様々な変更、修正、置換、削除、付加、及び組合せ等が可能である。
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2024-01-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セダーウッド様香気成分と、
(A)成分としてシス-3-ヘキセノールと、
(B)成分としてベンズアルデヒド、及びシンナムアルデヒドの1以上と、
(C)成分としてリナロール、酢酸リナリル、及びシトロネリルイソブチレートの1以上と、
(D)成分として酢酸イソボルニル、及びボルネオールの1以上と、
(E)成分としてα-ターピネオール、及び酢酸ターピニルの1以上と、
を含有する香料組成物。
【請求項2】
請求項に記載の香料組成物を含む、化粧品。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示の一態様は、
セダーウッド様香気成分と、
(A)成分としてシス-3-ヘキセノールと、
(B)成分としてベンズアルデヒド、及びシンナムアルデヒドの1以上と、
(C)成分としてリナロール、酢酸リナリル、及びシトロネリルイソブチレートの1以上と、
(D)成分として酢酸イソボルニル、及びボルネオールの1以上と、
(E)成分としてα-ターピネオール、及び酢酸ターピニルの1以上と、
を含有する香料組成物である
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
本開示による一形態による香料組成物は、樹木様(ウッディ系若しくはウッド系)の香調が供されるものであってよい。さらに、この樹木様香料組成物の樹木様の香りの具体例は、ヒノキ、ダーウッド、サンダルウッド、サイプレス、スギ、マツ、ヒバ等の香り、或いはこれらの2以上が混合された香りを主として感じられるものであってよい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
本形態による香料組成物の骨格成分である樹木様香気成分は、上述の樹木様の香調を供する香気成分であれば、特に限定されない。本形態における香気成分は、天然樹木から得られた香気成分であってよいし、化合物を調合して得られた樹木様香気を供する成分であってもよいし、その混合物であってもよい。また、樹木様香気成分は、少量でも十分な樹木様の香りを供することができること及び入手しやすいことから、天然樹木から得られた精油、又は精油を含む組成物であると好ましい。本形態では、ヒノキ精油、及びダーウッド精油の1以上が好適に用いられる。これらの樹木様精油は、アロマ&ビューティネロリ(山本香料株式会社)等を通して入手できる。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セダーウッド様香気成分と、
(A)成分としてシス-3-ヘキセノールと、
(B)成分としてベンズアルデヒド、及びシンナムアルデヒドの1以上と、
(C)成分としてリナロール、酢酸リナリル、及びシトロネリルイソブチレートの1以上と、
(D)成分として酢酸イソボルニル、及びボルネオールの1以上と、
(E)成分としてα-ターピネオール、及び酢酸ターピニルの1以上と、を含有し、
前記セダーウッド様香気成分100質量部に対する前記(A)成分及び前記(B)成分の合計量が0.01質量部以上15質量部以下であり、
前記セダーウッド様香気成分100質量部に対する前記(C)成分の量が0.1質量部以上3質量部以下であり、
前記セダーウッド様香気成分100質量部に対する前記(E)成分の量が0.5質量部以上8質量部以下である、ヒノキの生木の香りを与える香料組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の香料組成物を含む、化粧品。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示の一態様は、
セダーウッド様香気成分と、
(A)成分としてシス-3-ヘキセノールと、
(B)成分としてベンズアルデヒド、及びシンナムアルデヒドの1以上と、
(C)成分としてリナロール、酢酸リナリル、及びシトロネリルイソブチレートの1以上と、
(D)成分として酢酸イソボルニル、及びボルネオールの1以上と、
(E)成分としてα-ターピネオール、及び酢酸ターピニルの1以上と、
を含有し、
前記セダーウッド様香気成分100質量部に対する前記(A)成分及び前記(B)成分の合計量が0.01質量部以上15質量部以下であり、
前記セダーウッド様香気成分100質量部に対する前記(C)成分の量が0.1質量部以上3質量部以下であり、
前記セダーウッド様香気成分100質量部に対する前記(E)成分の量が0.5質量部以上8質量部以下である、ヒノキの生木の香りを与える香料組成物である。