(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024000784
(43)【公開日】2024-01-09
(54)【発明の名称】固定具および表示機
(51)【国際特許分類】
B60P 7/08 20060101AFI20231226BHJP
B60P 7/13 20060101ALI20231226BHJP
【FI】
B60P7/08
B60P7/13
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022099687
(22)【出願日】2022-06-21
(71)【出願人】
【識別番号】000103138
【氏名又は名称】エムケー精工株式会社
(72)【発明者】
【氏名】神戸 直樹
(72)【発明者】
【氏名】松本 貴行
(57)【要約】
【課題】積載物を簡易な方法でトラックの荷台に固定することができる固定具を提供する。
【解決手段】
台と、台に起立する第1ボードと、台に起立し第1ボードと直交する第2ボードとを有する台に積載する積載物を固定する固定具であって、固定具は、プレートと、プレートの第1方向に台と台と接する第1ボードとの間に挟まれる第一片部と、プレートの第1方向と直交する第2方向に台と台と接する第2ボードとの間に挟まれる第二片部とを有し、第1ボードが固定されると第一片部が第1方向に固定され、第2ボードが固定されると第二片部が第2方向に固定される、ことを特徴とする固定具。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
台と、前記台に起立する第1ボードと、前記台に起立し前記第1ボードと直交する第2ボードとを有する前記台に積載する積載物を固定する固定具であって、
前記固定具は、
プレートと、
前記プレートの第1方向に前記台と台と接する前記第1ボードとの間に挟まれる第一片部と、
前記プレートの前記第1方向と直交する第2方向に前記台と台と接する前記第2ボードとの間に挟まれる第二片部とを有し、
前記第1ボードが固定されると前記第一片部が第1方向に固定され、
前記第2ボードが固定されると前記第二片部が第2方向に固定される、
ことを特徴とする固定具。
【請求項2】
前記固定具は、
前記プレートと前記積載物とを固定する取付部を有し、
前記取付部は、孔を有す、
ことを特徴とする請求項1記載の固定具。
【請求項3】
前記固定具は、
前記第一片部と前記第二片部に前記プレートから下方向に折り曲げられる垂直部と、
前記垂直部から前記プレートの外側に向かって折り曲げられる平面部と、
前記平面部から下方に折り曲げられる突起部とを有す、
ことを特徴とする請求項1または2記載の固定具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラックの荷台に積載した積載物を固定するための固定具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、荷台に仮設トイレを積載した車両(以降トイレカーとする)が屋外のイベント会場や工事現場、災害時の避難所などで広く使用されている。トイレカーには仮設トイレと共に表示機が備えられることがある。この表示機は、例えば工事現場で使用されるとき、周辺を通行する車両のドライバーに向けて工事中であると報知し、イベント会場で使用されるとき、来場者にトイレの位置を報知する。
【0003】
このトイレカーは野外で使用されるため、強風や突風など環境の影響を受けやすい。そのため、通常は仮設トイレや表示機は転倒を防ぐようラッシングベルトなどでトラックの荷台に固定される。しかし、表示機をラッシングベルトで固定すると表示部にベルトが掛かってしまい、表示部が見にくくなってしまう。また、ラッシングベルトでは、輸送中に表示機が荷台上で動いてしまうことがある。輸送中に表示機が動くと後に表示機を再び固定しなおさなければならず、手間である。
【0004】
そこで、特開2021-95111号(以下、特許文献1という)には、ラッシングベルトを用いずトラックの荷台に積載物を固定可能な車両構造が記載されている。特許文献1の車両構造では、積載物にブラケット(固定具)を取り付け、ブラケットをトラックのあおりではさみ積載物を固定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載されているブラケットのような固定具は、積載物に複数のブラケットを取り付けなければならず、手間がかかってしまう。
【0007】
そこで本発明の一目的は、積載物を簡易な方法でトラックの荷台に固定することができる固定具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一解決手段に係わる固定具は、台と、台に起立する第1ボードと、台に起立する第1ボードと直交する第2ボードとを有する台に積載する積載物を固定し、固定具は、プレートと、プレートの第1方向に、台と台に接する第1ボードとの間に挟まれる第一片部と、プレートの第1方向と直交する第2方向に、台と台に接する第2ボードとの間に挟まれる第二片部とを有し、第1ボードが固定されると第一片部が第1方向に固定され、第2ボードが固定されると第二片部が第2方向に固定される。
【0009】
本発明の一解決手段に係わる固定具は、プレートと積載物とを固定する取付部を有し、取付部は、孔を有す。
【0010】
本発明の一解決手段に係わる固定具は、第一片部と第二片部にプレートから下方向に折り曲げられる垂直部と、垂直部からプレートの外側に向かって折り曲げられる平面部と、平面部から下方に折り曲げられる突起部とを有す。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一解決手段によれば、積載物を簡易な方法でトラックの荷台に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】本発明の一実施形態による固定具の設置状態を示す斜視図である。
【
図3】
図1の固定具の設置状態を示す固定具の周辺の拡大図である。
【
図10】
図1の固定具の上方向からの斜視図である。
【
図11】
図1の固定具の下方向からの斜視図である。
【
図12】
図1の固定具30の固定状態を示す固定具周辺の拡大図である。
【
図13】本発明の他の実施形態による固定具の正面図である。
【
図20】本発明の他の実施形態による固定具を積載物に取付けた状態を示す図である。
【
図21】積載物をトラックに積載した状態を示す図である。
【
図22】本発明の他の実施形態による固定具30Cの斜視図である。
【
図23】本発明の他の実施形態による固定具30Dの上面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明における実施形態では、必要な場合に複数のセクションなどに分けて説明するが、原則、それらはお互いに無関係ではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細などの関係にある。このため、全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0014】
また、構成要素の数(個数、数値、量、範囲などを含む)については、特に明示した場合や原理的に明らかに特定の数に限定される場合などを除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。また、構成要素などの形状に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうではないと考えられる場合などを除き、実質的にその形状などに近似または類似するものなどを含むものとする。
【0015】
以下、図面を用いて本発明の一実施形態について説明する。尚、図中のx軸はトラック20の車幅方向、y軸はトラック20の前後方向、z軸はトラック20の上下方向を示している。
【0016】
図1はトラック20のイメージ図である。
図2は、固定具30の設置状態を示す斜視図である。
【0017】
積載物50を載せるトラック20は、後部に荷台21を有している。荷台21の床面25は凸状のビード加工がされており、凸部27を有している。この凸状のビード加工はトラック20のメーカーにより、形状や幅などが異なって加工されている。
【0018】
荷台21にはあおり22が設けられている。ボード状に形成されているあおり22は、荷台21側面に設けられた側あおり23、23と、荷台21後部に設けられた後あおり24とで構成されている。あおり22は蝶番26で床面25に取り付けられており、蝶番26を軸に180°上下方向に回動することができる。あおり22は上方の回動限界位置にあるとき床面25上に起立する。あおり22は床面25上に起立しているとき、面28、29で床面25と接する。
【0019】
あおり22は、図示しないバネカン等のロック機構やエビ金ハンドル等のロック機構を有している。側あおり23に設けられたロック機構は、側あおり23、23を運転席や助手席などを有すトラック本体と固定する。また、後あおり24に設けられたロック機構は、後ろあおり24を側あおり23、23と固定している。あおり22はこのロック機構がロックされると、床面25上に起立した状態を保ち続ける。
【0020】
トラックの荷台21には積載物50が積載されている。本実施形態において、積載物50は、説明を容易にするため直方体で表す。この積載物50は上面、下面、前面、右側面51、左側面52、背面53を有している。
【0021】
図3は固定具30の設置状態を示す固定具30周辺の拡大図である。
図4は固定具30の正面図であり、
図5は固定具30の右測面図、
図6は、固定具30の左側面図、
図7は、固定具30の平面図、
図8は固定具30の背面図、
図9は固定具30の底面図、
図10は固定具30の上方向からの斜視図、
図11は固定具30の下方向からの斜視図である。
図12は、固定具30の固定状態を示す固定具30周辺の拡大図である。尚、
図3は説明を容易にするためトラック20を破線で表している。
【0022】
固定具30は、例えば略矩形状に形成されるプレート状の板状体31を具備し、板状体31に取付部32を有している。取付部32は固定具30を積載物50に取り付けるための面であり、孔41を有している。取付部32は、孔41に例えばボルト等を通し、積載物50に備えられたねじ受にボルトを締め付けることで積載物50と締結している。また、この孔41の形状は例えばz軸方向に長径を有す楕円形とすることが好ましい。積載物50を荷台に載せるときメーカーによって凸部27の高さが異なる。そのため、z軸方向に長径を有す楕円形の孔41は後述する平面部35、39が床面25に隙間なく設置できるよう高さ方向に調節するためのものである。
【0023】
固定具30は板状体31の長手方向(y軸方向)の一端に第一片部33を有している。第一片部33は、固定具30の使用時において積載物50をy軸方向つまりトラックの前後方向に固定する機能を有している。
【0024】
長手方向に設けられた第一片部33は、上方から下方に向かって(z軸方向)垂直に折り曲げられた垂直部34を有している。前述したように凸部27の高さや凸部27同士の間の幅などトラックのメーカーによってビード加工の形状は異なる。そのため、固定具30を設置したとき、垂直部34のz軸方向の長さ(高さ)が主要なメーカーの凸部27の高さと同じもしくは長くなるよう設けられている。長く設けることで、後述する平面部35が、床面25と隙間なく設置することができる。
【0025】
第一片部33は、平面部35を有している。平面部35は、垂直部34から板状体31の外側に向かって垂直に折り曲げられている。垂直部34のz軸方向の長さは凸部27の高さと同じもしくは長く設けられている。そのため、使用時に平面部35は床面25に隙間なく設置できるよう設けられている。
【0026】
平面部35のy軸方向における長さは、後あおり24の面29の幅(y軸方向の長さ)と同じか、もしくはそれより長くなるよう設けられている。後あおり24が蝶番26を軸に上方へ回動すると、面29は平面部35と接し、平面部35は床面25と後あおり24の面29とで挟まれる。また、後あおり24がロック機構により側あおり23と固定されると、床面25と面29に挟まれた平面部35も固定される。
【0027】
さらに、第一片部33は、平面部35から下方へ突起する突起部36を有している。
図3のように、後あおり24が下方へ吊り下がる状態のとき、突起部36は、後あおり24と床面25との隙間に差し込まれる。突起部36は、後あおり24が蝶番26を軸に上方へ回動すると、荷台21の後面に沿って下方向へ突出するよう設けられている。
【0028】
後ろあおり24がロック機構により床面25に起立して固定されると、第一片部33も固定される。しかしながら、トラック20による積載物50の輸送中は、道路の凸凹などにより後ろあおり24が蝶番26の厚み分、床面25から跳ねあがってしまう恐れがある。そこで、突起部36のz軸方向における長さを床面25と後あおり24の下面29との隙間(後ろあおりが跳ね上がる高さ)より長くなるよう設けている。これにより、道路の凸凹等により後あおり24が床面25から跳ねあがっても、突起部36は後あおり24と下面29との間から抜けにくくしている。
【0029】
また、固定具30は、板状体31の長手に第二片部37を有している。第二片部37は、第一片部33と直交するよう且つy軸方向と平行に設けられ、積載物50をトラックの幅方向(x軸方向)に固定する機能を有している。
【0030】
第二片部37は、第一片部33と同様に板状体31から下方に向かって垂直部38を有している。固定部30を床面25に設置した時、垂直部38のz軸方向の長さは、床面25の凸部27の高さより長く設けられている。
【0031】
第二片部37は、固定具30の使用時において床面25と接する平面部39を有している。平面部39は、垂直部38から板状体31の外側に向かって垂直に折り曲げられ、床面25と接するよう設けられている。平面部39のx軸方向における長さは、側あおり23の面28の幅(x軸方向における長さ)と同じかそれより長くなるよう設けられている。側あおり23が蝶番26を軸に上方へ回動すると側あおり23の面28は平面部39の上面と接し、平面部39は床面25と側あおり23に挟まれる。側あおり23のロック機構により、側あおり23がトラック20の本体と固定されると床面と側あおり23に挟まれる平面部39も固定される。
【0032】
第二片部37は、突起部40を有している。
図3のように、側あおり23が下方へ吊り下がる状態のとき、突起部40は、側あおり23と床面25との隙間に差し込まれる。また、側あおり23が上方へ回動し荷台21上にあるとき、突起部40は荷台21の側面に沿って下向きに突出する。突起部40のz軸方向における長さは、前述する突起部36と同様に、床面25と側あおり23の面28との隙間より長くなるよう設けられている。そのため、例え積載物50の輸送中などに、側あおり23が床面25から跳ね上がってしまっても、床面25と側あおり23の下面28との隙間から突起部40が抜けにくいよう設けられている。
【0033】
床面25はメーカーによって異なる高さの凸部27を有している。そのため、凸部27上に積載物50を積載したときの床面25からねじ受までの高さは、載置するメーカーによって異なる。前述したように取付部32の孔41は楕円形としているため、取付部32の高さを孔41の長径分z軸方向に調節することができる。それにより、平面部35、39を床面と隙間なく設置することができる。
【0034】
このようにあおり22がロック機構により固定されると、固定具30は、床面25とあおり22との面28、29に挟まれ固定される。また、突起部36は、トラック20の前後方向に対してストッパーとなる機能を有し、突起部40は、幅方向に対してストッパーとなる機能を有している。つまり、直交する後あおり24と側あおり23がロック機構により固定されると、固定具30は、第一片部33と第二片部37により固定される。それにより、固定具30は、取付部32を介して締結される積載物50を固定することができる。
【0035】
以下、固定具30のトラック20への取り付け方法について説明する。固定具30の取り付けは、トラック20のあおり22を下方へ吊り下げた状態で行うことが好ましい。
【0036】
まず、積載物50をトラック20の荷台21に載せ、固定具30をトラックの床面25の後方左側に設置する。この時、固定具30の第一片部33の突起部36と第二片部37の突起部40が床面25とあおり22との隙間に挿入されるよう固定具30を設置する。本発明の実施形態では固定具30はトラック20の片側のみに設置すればよい。
【0037】
固定具30を設置したら、吊り下がる状態の側あおり23を上方へ回動し起立させ、ロック機構により側あおり23をトラック20の本体へと固定する。側あおり23が固定されると、平面部39は、床面25と側あおり23の面28に挟まれて固定される。固定具30はトラック20の幅方向に固定される。
【0038】
次に、つり下がる状態の後ろあおり24を上方へ回動し起立させ、ロック機構により後ろあおり24を側あおり23と固定する。後ろあおり24が固定されると、平面部35は、床面25と後ろあおり24の面29に挟まれて固定される。これにより、固定具30はトラック20の前後方向に固定される。
【0039】
ロック機構により直交する側あおり23と後ろあおり24が固定されると、固定具30はトラック20の前後方向と幅方向に固定される。固定具30が固定された後は、固定具30の取付部32を積載物50の左側面52に取り付ければよい。
【0040】
床面25はメーカーにより異なる幅と高さの凸部27を有している。そのため、凸部27上に載せられた積載物50の床面25からねじ受までの高さは、取付部32の床面25から孔41までの高さとずれてしまう。そこで、取付部32の孔41はz軸方向に長径を有す楕円形を有している。そのため、積載物50のねじ受の高さに合わせて孔41にボルトなどを挿入すればよい。そうすることで、メーカーによって異なる高さの凸部27に積載された積載物50の床面25からネジ受けまでの高さに対応することができる。
それにより、平面部35、39を床面25と隙間なく設置することができる。
【0041】
固定具30により積載物50を荷台21へ固定したら、トラック20を運転して積載物50を輸送することができる。輸送中は、道路の凸凹などにより荷台21が振動する。するとあおり22もトラック10の振動により床面25から跳ねあがってしまう恐れがある。この際、一時的に面28、29が床面25から離れてしまい、面28、29による平面部35、39の押さえつけが一時的に解除される場合がある。そのような場合にも、突起部36、40はトラックの前後方向と幅方向に固定しているため、積載物50を荷台21上に固定したまま輸送することができる。
【0042】
このように固定具30は、第一片部33と第二片部37とが同時にトラック10の幅方向と前後方向(x軸方向とy軸方向)とに積載物50を固定することができる。また、積載物50の片側のみに取り付けるだけで積載物50を荷台21に固定することができる。
固定具30は、積載物50を目的地に輸送した後もあおり22がロック機構により固定された状態である限り積載物50を固定し続けることができる。また、ロック機構を解除しあおり22を下方へ回動すれば、固定具30の固定を簡単に解除することもできる。
【0043】
本発明の他の実施形態について、図面をもとに説明する。
図13は本発明の他の実施形態による固定具30Aの正面図である。
図14は同右側面図、
図15は同左側面図、
図16は同平面図、
図17は同背面図、
図18は同底面図、
図19は固定具30Aの上方向から斜視図である。本発明の固定具30Aは第一実施形態において説明した固定具30に垂直部34、38を設けない例を表している。
【0044】
固定具30Aは、凸部27を有さない荷台21の床面25やゴムシートなどを敷いてフラット状となった床面25に固定可能なように、第一片部33Aと第二片部37Aを有している。第一片部33Aは、プレート状の板状体31Aの長手方向に平面部35Aが設けられている。固定具30の場合と同様に、後あおり24が上方に起立しロック機構により固定されると平面部35Aは、床面25と面29に挟まれて固定される。第二片部37Aは、板状体31Aの長手に平面部39Aを有している。側あおり23が上方に起立しロック機構により固定されると平面部39Aは、床面25と面28に挟まれて固定される。また、固定具30Aは、板状体31Aに楕円の孔41Aを有す取付部32Aを具備している。取付部32Aは積載物50のネジ受けにボルト等で締結し、固定具30Aを積載物50に取り付けている。このようにトラックの前後方向に固定する第一片部33Aと、トラック20の幅方向に固定する第二片部37Aとにより固定具30Aは固定され、この固定具30Aの取付部32Aを介して締結される積載物50も荷台21に固定される。
【0045】
図20は、他の実施形態の固定具30Bの使用例を表している。
図20のAは積載物50Aに固定具30Bを取り付けた図であり、Bは積載物50Aの左側面図であり、Cは積載物50Aに取り付けた固定具30B周辺の拡大図である。
図21は積載物50Aを荷台21に積載した際のトラック20のイメージ図である。
【0046】
これまで積載物50は説明を容易にするため、直方体を例にして説明をした。本実施形態では、積載物50Aを表示機と想定して説明する。トラック20は、荷台21に簡易トイレ70と積載物50Aである表示機を積載している。
【0047】
積載物50Aは表示部を支持する脚54を有し、脚54は高さ方向に起立するよう架台55に支持されている。また、積載物50Aとしての表示機は表示部を昇降させるウインチハンドル56を有している。ウィンチハンドル56は表示器の本体から突出して設けられている。
【0048】
ここで、令和4年に道路交通法施工令の一部が改正され、積載物の幅や長さが車両の幅と長さより1.2倍まで積載可能となった。しかし、本実施形態のトイレカーは工事現場や野外のイベント会場などで使用されることがある。そのため、工事現場の作業員や、イベント会場の来場者などが、トラック20の車幅より突出した部材とぶつからないように、積載物50Aを荷台21の車幅内に納めて積載したい。
【0049】
本実施形態の固定具30Bは、固定具30Bの板状体31Bと平面部39Bとを合わせた幅(x方向の長さ)が、積載物50Aの脚の側面とウインチハンドル先端までの長さLとなるように設けることが望ましい。固定具30Bの板状体31Bと平面部39Bとを合わせた幅をLとすることで、ウィンチハンドル56をトラック20の車幅内に収めて積載することができる。
【0050】
以下、固定具30Bの取り付け方法を説明する。積載物50Bを荷台21に載せ、固定具30Bをあおり22のロック機構により固定させる。固定具30Bを固定させた後、積載物50Aを固定具30Bと締結する。固定具30Bの板状体31Bと平面部39Bとを合わせた幅はLとしているため。積載物50Aを固定具30Bに押しつけると、ウインチハンドル56が荷台21から突出しない位置に積載物50Aを積載できる。つまり、固定具30Bは、積載物50Aを固定するとともに、積載物50Aの突出するウィンチハンドル56が荷台21から突出しない位置を示す位置合わせのガイドとしても機能する。また、固定具30Bは、トラックの前後方向に固定する第一片部33Bとトラック20の幅方向に固定する第二片部37Bを有すため、積載物50Aの片側のみに取り付けるだけで積載物50Aを荷台21に固定することができる。
【0051】
本発明の固定具30、30A、30Bは積載物50、50Aの片側のみ取り付けて積載物50、50Aを固定すると記載したが、もちろんこれにこだわることはなく、積載物50、50Aの両側に設けてもよい。
また、固定具30、30A、30Bの設置位置をトラックの荷台の後方左側と説明したが、もちろんこれにこだわることはない。
【0052】
例えば、固定具の他の実施形態の例を
図22で紹介する。
図22の固定具30Cは、トラック20荷台21後方右側に取り付けて使用するものである。固定具30Cは、プレート状の板状体31Cに第一片部33Cを有している。第一片部33Cは、後ろあおり24がロック機構により固定されることで固定され、トラック20の前後方向に固定具30Cを固定する。また、固定部30Cは、第二片部37Cを有している。第二片部37Cは、トラックの側あおり23がロック機構により固定されると、トラックの幅方向に固定具30Cを固定する。固定具30Cは、取付部32Cを有している。取付部32Cは、例えばボルトを介して固定具30Cと積載物50を締結する。固定具30Cは、第一片部33Cと第二片部37Cが固定されることで積載物50をトラックの幅方向、前後方向に固定することができる。
【0053】
図23は、他の実施形態による固定具30Dの上面図である。本実施形態では、積載物50Bが曲面を有すものを想定している。固定具30Dは、プレート状の板状体31Dに第一片部33Dを有している。第一片部33Dは、後ろあおり24のロック機構により後ろあおり24が固定されることで第一片部33Dも固定され固定具30Dをトラック20の前後方向に固定する。また、固定具30Dは、第二片部37Dを有している。第二片部37Dは、トラックの側あおり23がロック機構により固定されることで第二片部37Dも固定され、固定具30Dをトラックの幅方向に固定する。固定具30Dの第一片部33Dと第二片部37Dはロック機構を有すあおり22が固定されることによって固定具30Dをトラックの幅方向、前後方向に固定することができる。また、固定具30Dは、取付部32Dを有している。取付部32Dは、積載物50Bの曲面に沿うよう湾曲して設けられている。取付部32Dは例えばボルトを介して固定具30Cと積載物を固定することができる。
【0054】
以上のように、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、形状や構成その要旨を逸脱しない範囲で変更可能としている。
【符号の説明】
【0055】
20 トラック
21 荷台
22 あおり(ボード)
23 側あおり
24 後あおり
28、29 面
30、30A、30B、30C、30D 固定具
31、31A、31B、31C、31D 板状体(プレート)
32、32A、32B、32C、32D 取付部
33、33A、33B、33C、33D 第一片部
34、38 垂直部
35、39 平面部
36、40 突起部
37、37A、37B、37C、37D 第二片部
41、41A、41B、41C、41D 孔
50、50A、50B 積載物
56 ウインチハンドル
70 簡易トイレ
【手続補正書】
【提出日】2022-08-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
台と、前記台に起立する第1ボードと、前記台に起立し前記第1ボードと直交する第2ボードとを有する前記台に積載する積載物を固定する固定具であって、
前記固定具は、
プレートと、
前記プレートの第1方向に前記台と台と接する前記第1ボードとの間に挟まれる第一片部と、
前記プレートの前記第1方向と直交する第2方向に前記台と台と接する前記第2ボードとの間に挟まれる第二片部とを有し、
前記第1ボードが固定されると前記第一片部が第1方向に固定され、
前記第2ボードが固定されると前記第二片部が第2方向に固定される、
ことを特徴とする固定具。
【請求項2】
前記固定具は、
前記プレートと前記積載物とを固定する取付部を有し、
前記取付部は、孔を有す、
ことを特徴とする請求項1記載の固定具。
【請求項3】
前記固定具は、
前記第一片部と前記第二片部に前記プレートから下方向に折り曲げられる垂直部と、
前記垂直部から前記プレートの外側に向かって折り曲げられる平面部と、
前記平面部から下方に折り曲げられる突起部とを有す、
ことを特徴とする請求項1または2記載の固定具。
【請求項4】
床面と、前記床面から起立可動な第1ボードと、前記第1ボードと直交するよう前記床面から起立可動な第2ボードを有する台に積載されるよう固定具を備える表示機であって、
前記固定具は、
前記床面と前記第1ボードとの間に挟まれる第一片部と、
前記床面と前記第2ボードとの間に挟まれる第二片部と、を有し、
前記第1片部と前記第2片部との間から前記床面の角が露出するよう、前記固定具が前記台に固定される、
ことを特徴とする表示機。