(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078408
(43)【公開日】2024-06-10
(54)【発明の名称】積層セラミックキャパシタ及び積層セラミックキャパシタの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01G 4/30 20060101AFI20240603BHJP
【FI】
H01G4/30 512
H01G4/30 201N
H01G4/30 517
H01G4/30 311Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023182482
(22)【出願日】2023-10-24
(31)【優先権主張番号】10-2022-0162354
(32)【優先日】2022-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】洪 赫辰
(72)【発明者】
【氏名】宋 永訓
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB03
5E001AD02
5E001AD03
5E001AH01
5E001AJ02
5E082AA01
5E082AB03
5E082BC38
5E082BC40
5E082EE04
5E082FF05
5E082FG04
5E082FG26
5E082FG46
5E082HH26
5E082HH43
5E082HH47
5E082LL03
(57)【要約】
【課題】積層セラミックキャパシタ及び積層セラミックキャパシタの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタは、少なくとも一つの第1内部電極と少なくとも一つの第2内部電極が少なくとも一つの誘電体層を挟んで第1方向に交互に積層された容量領域を含む本体と、第1方向と異なる第2方向に容量領域を挟んで互いに離隔して本体に配置され、少なくとも一つの第1内部電極と少なくとも一つの第2内部電極にそれぞれ連結される第1外部電極及び第2外部電極とを含み、本体は、第1方向及び第2方向と異なる第3方向に容量領域を挟んで配置される複数のマージン領域をさらに含み、複数のマージン領域のそれぞれは、第2マージン領域と、第2マージン領域と上記容量領域の間に配置された第1マージン領域とを含み、第2マージン領域の結晶粒の大きさは、第1マージン領域の結晶粒の大きさよりさらに大きくてよい。
【選択図】
図2a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの第1内部電極と少なくとも一つの第2内部電極が少なくとも一つの誘電体層を挟んで第1方向に交互に積層された容量領域を含む本体と、
前記第1方向と異なる第2方向に前記容量領域を挟んで互いに離隔して前記本体に配置され、前記少なくとも一つの第1内部電極と少なくとも一つの第2内部電極にそれぞれ連結される第1外部電極及び第2外部電極とを含み、
前記本体は、前記第1方向及び第2方向と異なる第3方向に前記容量領域を挟んで配置される複数のマージン領域をさらに含み、
前記複数のマージン領域のそれぞれは、第2マージン領域と、前記第2マージン領域と前記容量領域の間に配置された第1マージン領域とを含み、
前記第2マージン領域の結晶粒の大きさは、前記第1マージン領域の結晶粒の大きさよりさらに大きい、積層セラミックキャパシタ。
【請求項2】
前記第2マージン領域において前記本体の中心から前記第3方向に重なる複数の結晶粒の大きさの平均値は、前記第1マージン領域において前記本体の中心から前記第3方向に重なる複数の結晶粒の大きさの平均値より大きい、請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項3】
前記第2マージン領域の結晶粒の半径は、前記第1マージン領域の結晶粒の半径の2倍以上である、請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項4】
前記第2マージン領域の結晶粒の大きさは、前記少なくとも一つの誘電体層の結晶粒の大きさよりさらに大きく、
前記第2マージン領域の結晶粒の大きさと前記第1マージン領域の結晶粒の大きさ間の差異は、前記第1マージン領域の結晶粒の大きさと前記少なくとも一つの誘電体層の結晶粒の大きさ間の差異より大きい、請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項5】
前記第2マージン領域の体積は、前記第1マージン領域の体積よりさらに大きい、請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項6】
前記第1マージン領域は、前記本体に埋め込まれ、
前記第2マージン領域は、前記少なくとも一つの第1内部電極と少なくとも一つの第2内部電極から離隔し、前記本体の外部に露出する、請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項7】
前記少なくとも一つの誘電体層と前記第1マージン領域と前記第2マージン領域のそれぞれは、強誘電体を含有する、請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項8】
前記本体は、前記第1方向に前記容量領域を挟んで配置される複数のカバー層をさらに含み、
前記第1マージン領域及び第2マージン領域は、前記第1方向に前記複数のカバー層に重なる、請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項9】
前記第2マージン領域は、複数の第3マージン領域と複数の第4マージン領域が前記第1方向に交互に配置された構造を有し、
前記複数の第4マージン領域の結晶粒の大きさは、前記複数の第3マージン領域の結晶粒の大きさよりさらに大きい、請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項10】
それぞれ複数の内部電極パターンが一面に配置された複数のセラミックグリーンシートのそれぞれの前記一面上で前記複数の内部電極パターンの間に酸化チタン系材料を印刷する段階と、
前記複数のセラミックグリーンシートが第1方向に積層された構造において、前記複数の内部電極パターンの間を前記第1方向に切断する段階とを含む、積層セラミックキャパシタの製造方法。
【請求項11】
前記切断する段階以後に前記複数のセラミックグリーンシートが第1方向に積層された構造を焼成する段階をさらに含む、請求項10に記載の積層セラミックキャパシタの製造方法。
【請求項12】
前記印刷する段階は、グラビア方式で前記複数の内部電極パターンと前記酸化チタン系材料を印刷することを含む、請求項10に記載の積層セラミックキャパシタの製造方法。
【請求項13】
前記印刷する段階は、前記酸化チタン系材料が前記複数の内部電極パターンから離隔して前記酸化チタン系材料を印刷することを含む、請求項10に記載の積層セラミックキャパシタの製造方法。
【請求項14】
前記印刷する段階は、前記酸化チタン系材料の少なくとも一部分が前記複数のセラミックグリーンシートのそれぞれに挿入されるように前記酸化チタン系材料を印刷することを含む、請求項10に記載の積層セラミックキャパシタの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層セラミックキャパシタ及び積層セラミックキャパシタの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
積層セラミックキャパシタは、小型でありながらも高容量が保障され実装が容易であるという長所により、コンピュータ、PDA、携帯電話などの電子機器の部品として広く使用されており、高信頼性、高強度特性を有するため、電気機器(車両含む)の部品としても広く使用されている。
【0003】
積層セラミックキャパシタが電子機器に使用される場合、積層セラミックキャパシタは、小型化されることができ、積層セラミックキャパシタの体積に比べて大きい静電容量がさらに重要になる。これにより、体積に比べて大きい静電容量を形成するのに有利な構造の積層セラミックキャパシタに対する強度の向上やクラック(crack)発生率の低下の重要度が高くなる可能性がある。
【0004】
積層セラミックキャパシタが電気機器に使用される場合、積層セラミックキャパシタは、劣悪な環境(例:高電圧、高温、外部衝撃の可能性)に晒される可能性があるため、強度の向上やクラック(crack)発生率の低下は、劣悪な環境で信頼性を確保するために重要になることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国登録特許第10-1952871号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、強度を効率的に向上させるか、クラック発生率を効率的に低下させることができる積層セラミックキャパシタ及び積層セラミックキャパシタの製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタは、少なくとも一つの第1内部電極と少なくとも一つの第2内部電極が少なくとも一つの誘電体層を挟んで第1方向に交互に積層された容量領域を含む本体と、上記第1方向と異なる第2方向に上記容量領域を挟んで互いに離隔して上記本体に配置され、上記少なくとも一つの第1内部電極と少なくとも一つの第2内部電極にそれぞれ連結される第1外部電極及び第2外部電極とを含み、上記本体は、上記第1方向及び第2方向と異なる第3方向に上記容量領域を挟んで配置される複数のマージン領域をさらに含み、上記複数のマージン領域のそれぞれは、第2マージン領域と、上記第2マージン領域と上記容量領域の間に配置された第1マージン領域とを含み、上記第2マージン領域の結晶粒の大きさは、上記第1マージン領域の結晶粒の大きさよりさらに大きくてよい。
【0008】
本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタの製造方法は、それぞれ複数の内部電極パターンが一面に配置された複数のセラミックグリーンシートのそれぞれの上記一面上で上記複数の内部電極パターンの間に酸化チタン系材料を印刷する段階と、上記複数のセラミックグリーンシートが第1方向に積層された構造において、上記複数の内部電極パターンの間を上記第1方向に切断する段階とを含むことができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、積層セラミックキャパシタのさらに強い強度や減少したクラック不良率を効率的に得ることができる。または、積層セラミックキャパシタ内の逆圧電(または電歪)現象による内部応力が積層セラミックキャパシタの不良につながる可能性も低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタを示した斜視図である。
【
図2a】
図1のI-I’を示し、マージン領域内の結晶粒大きさの差異を示した断面図である。
【
図2b】
図1のI-I’を示し、マージン領域内の結晶粒大きさの差異を示した断面図である。
【
図3a】
図1のII-II’を示した断面図である。
【
図3b】本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタの外部電極を示した断面図である。
【
図4a】本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタの製造方法の印刷する段階を示した斜視図である。
【
図5】本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタの製造方法の切断する段階を示した図面である。
【
図6】本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタの製造方法の焼成する段階を示した図面である。
【
図7a】本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタの第2マージン領域の断面を示した写真である。
【
図7b】本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタの第1マージン領域と誘電体層の断面を示した写真である。
【
図8】本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタの第1マージン領域及び第2マージン領域の結晶粒大きさの差異の有無によるマージン領域全体の破壊靭性の差異を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態は、様々な異なる形態に変形されることができ、本発明の範囲が以下で説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は、当業界で平均的な知識を有する者に本発明をさらに完全に説明するために提供されるものである。よって、図面における要素の形状及び大きさなどは、より明確な説明のために拡大縮小表示(又は強調表示や簡略化表示)がされることがあり、図面上の同一の符号で示される要素は同一の要素である。
【0012】
そして、図面において本発明を明確に説明するために、説明と関係のない部分は省略し、様々な層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示し、同一の思想の範囲内の機能が同一の構成要素は、同一の参照符号を用いて説明する。
【0013】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」というとき、これは特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0014】
本発明の実施形態を明確に説明するために六面体の方向を定義すると、図面上で示されたL、W及びTは、それぞれ長さ方向、幅方向及び厚さ方向を示す。ここで、厚さ方向は、誘電体層が積層される積層方向(または第1方向)と同一の概念で使用されることができる。
【0015】
図1、
図2a及び
図3aを参照すると、本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタ100、100aは、本体110、第1外部電極131及び第2外部電極132を含むことができる.
【0016】
本体110は、少なくとも一つの第1内部電極121と少なくとも一つの第2内部電極122が少なくとも一つの誘電体層111を挟んで第1方向(例:T方向)に交互に積層された容量領域116を含むことができる。
【0017】
例えば、本体110は、容量領域116の焼成によりセラミック本体で構成されることができる。ここで、本体110に配置された少なくとも一つの誘電体層111は、焼結された状態であり、隣接する誘電体層間の境界は、走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を利用せずには確認し難い程度に一体化されることができる。
【0018】
例えば、本体110は、長さ方向Lの両側面、幅方向Wの両側面及び厚さ方向Tの両側面を有する六面体で形成されることができ、上記六面体の角及び/またはコーナーは、研磨されることで丸い形態であることができる。但し、本体110の形状、寸法及び誘電体層111の積層数が本実施形態の図示に限定されるものではない。
【0019】
少なくとも一つの誘電体層111は、その厚さを積層セラミックキャパシタ100、100aの容量設計に合わせて任意に変更することができ、高誘電率を有するセラミック粉末、例えばチタン酸バリウム(BaTiO3)系粉末を含むことができるが、本発明がこれに限定されるものではない。また、積層セラミックキャパシタ100、100aの要求規格に応じて、セラミック粉末に多様なセラミック添加剤(例:MgO、Al2O3、SiO2、ZnO)、有機溶剤、可塑剤、結合剤、分散剤などが添加されることができる。
【0020】
少なくとも一つの誘電体層111の形成に使用されるセラミック粉末の平均粒径は、特に制限されず、積層セラミックキャパシタ100、100aの要求規格(例:電子機器用キャパシタのように小型化及び/または高容量が要求されるか、電気機器用キャパシタのように高い耐電圧特性及び/または強い強度が要求されるなど)に応じて調節されることができるが、例えば、400nm以下に調節されることができる。
【0021】
例えば、少なくとも一つの誘電体層111は、チタン酸バリウム(BaTiO3)などのパウダーを含んで形成されたスラリーをキャリアフィルム(carrier film)上に塗布及び乾燥して複数個のセラミックシートを設けることにより形成されることができる。上記セラミックシートは、セラミック粉末、バインダー、溶剤を混合してスラリーを製造し、上記スラリーをドクターブレード法で数μmの厚さを有するシート型で製作することにより形成されることができるが、これに限定されない。
【0022】
少なくとも一つの第1内部電極121と少なくとも一つの第2内部電極122は、導電性金属を含む導電性ペーストを印刷して誘電体層の積層方向(例:T方向)に沿って本体110の長さ方向Lの一側面と他側面に交互に露出するように形成されることができ、中間に配置された誘電体層によって互いに電気的に絶縁されることができる。
【0023】
例えば、少なくとも一つの第1内部電極121と少なくとも一つの第2内部電極122のそれぞれは、粒子平均大きさが0.1~0.2μmであり40~50重量%の導電性金属粉末を含む内部電極用導電性ペーストによって形成されることができるが、これに限定されない。上記導電性ペーストは、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、鉛(Pb)または白金(Pt)などの単独またはこれらの合金であることができるが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0024】
例えば、上記セラミックシート上に上記内部電極用導電性ペーストを印刷工法などで塗布して内部電極パターンを形成することができる。上記導電性ペーストの印刷方法は、スクリーン印刷法、グラビア印刷法及びインクジェット印刷法などを使用することができるが、本発明がこれに限定されるものではない。例えば、上記内部電極パターンが印刷されたセラミックシートを200~300層積層し、圧着、焼成することで、本体110を製作することができる。
【0025】
積層セラミックキャパシタ100、100aの静電容量は、少なくとも一つの第1内部電極121と少なくとも一つの第2内部電極122間の積層方向(例:T方向)の重なり面積に比例し、少なくとも一つの第1内部電極121と少なくとも一つの第2内部電極122の総積層数に比例し、少なくとも一つの第1内部電極121と少なくとも一つの第2内部電極122間の間隔に反比例することができる。上記内部電極間隔は、少なくとも一つの誘電体層111のそれぞれの厚さと実質的に同一であることができる。
【0026】
積層セラミックキャパシタ100、100aは、少なくとも一つの第1内部電極121と少なくとも一つの第2内部電極122間の間隔が短いほど厚さに比べてより大きい静電容量を有することができる。一方、積層セラミックキャパシタ100、100aの耐電圧は、上記内部電極間隔が長いほど高いことができる。よって、上記内部電極の間隔は、積層セラミックキャパシタ100、100aの要求規格(例:電子機器用キャパシタのように小型化及び/または高容量が要求されるか、電気機器用キャパシタのように高い耐電圧特性及び/または強い強度が要求されるなど)に応じて調節されることができる。少なくとも一つの第1内部電極121と少なくとも一つの第2内部電極122のそれぞれの厚さも、上記内部電極間隔の影響を受け得る。
【0027】
例えば、積層セラミックキャパシタ100、100aは、高い耐電圧特性及び/または強い強度が要求される場合に、少なくとも一つの第1内部電極121と少なくとも一つの第2内部電極122間の間隔がそれぞれの厚さの2倍を超えるように設計されることができる。例えば、積層セラミックキャパシタ100、100aは、小型化及び/または高容量が要求される場合に、少なくとも一つの第1内部電極121と少なくとも一つの第2内部電極122のそれぞれの厚さが0.4μm以下であり、総積層数が400層以上となるように設計されることができる。
【0028】
第1外部電極及び第2外部電極131、132は、第1方向(例:T方向)と異なる第2方向(例:L方向)に容量領域116を挟んで互いに離隔して本体110に配置され、少なくとも一つの第1内部電極121と少なくとも一つの第2内部電極122にそれぞれ連結されることができる。
【0029】
例えば、第1外部電極及び第2外部電極131、132のそれぞれは、金属成分が含まれたペーストにディッピング(dipping)する方法、導電性ペーストを印刷する方法、シート(Sheet)転写、パッド(Pad)転写方法、スパッタめっきまたは電解めっきなどで形成されることができる。例えば、第1外部電極及び第2外部電極131、132は、上記ペーストが焼成されることで形成された焼成層と、上記焼成層の外面に形成されためっき層とを含むことができ、上記焼成層と上記めっき層との間に導電性樹脂層をさらに含むことができる。例えば、上記導電性樹脂層は、エポキシのような熱硬化性樹脂に導電性粒子が含有されることにより形成されることができる。上記金属成分は、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、鉛(Pb)、スズ(Sn)などの単独またはこれらの合金であることができるが、これに限定されない。
【0030】
積層セラミックキャパシタ100、100aは、外部基板(例:印刷回路基板)に実装または組み込まれることができ、第1外部電極及び第2外部電極131、132を通じて上記外部基板の配線、ランド、半田及びバンプのうち少なくとも一つに連結されることで、上記外部基板に電気的に連結された回路(例:集積回路、プロセッサ)に電気的に連結されることができる。
【0031】
図1、
図2a及び
図3aを参照すると、本体110は、複数のカバー層112、113及び複数のマージン領域114のうち少なくとも一つを含むことができる。コア領域115は、容量領域116と複数のマージン領域114を含むことができる。
【0032】
複数のカバー層112、113は、第1方向(例:T方向)に容量領域を挟んで配置されることができる。複数のカバー層112、113のそれぞれは、少なくとも一つの誘電体層111のそれぞれよりさらに厚いことができ、本体110の上面及び下面を提供することができる。第1外部電極及び第2外部電極131、132のそれぞれの一部分は、本体110の下面及び/または上面に配置されることができる。
【0033】
複数のカバー層112、113は、外部環境要素(例:水分、めっき液、異物)が容量領域に浸透することを防ぐことができ、本体110を外部衝撃から保護することができ、本体110の曲げ強度も向上させることができる。例えば、複数のカバー層112、113は、少なくとも一つの誘電体層111と同一の材料や他の材料(例:エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂)を含むことができる。
【0034】
複数のマージン領域114は、第1方向及び第2方向(例:T方向及びL方向)と異なる第3方向(例:W方向)に容量領域を挟んで配置されることができる。複数のマージン領域114は、少なくとも一つの第1内部電極121と少なくとも一つの第2内部電極122が本体110で第3方向(例:W方向)の表面に露出することを防ぐことができるため、外部環境要素(例:水分、めっき液、異物)が上記第3方向表面を通じて少なくとも一つの第1内部電極121と少なくとも一つの第2内部電極122に浸透することを防止することができ、積層セラミックキャパシタ100、100aの信頼性及び寿命を向上させることができる。また、少なくとも一つの第1内部電極121と少なくとも一つの第2内部電極122は、複数のマージン領域114によって第3方向に効率的に拡張して形成されることができるため、複数のマージン領域114は、少なくとも一つの第1内部電極121と少なくとも一つの第2内部電極122の重なり面積を広げて積層セラミックキャパシタ100、100aの静電容量の向上にも寄与することができる。
【0035】
図2a及び
図2bを参照すると、本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタ100a、100dの複数のマージン領域114のそれぞれは、第2マージン領域114bと、第2マージン領域114bと容量領域116の間に配置された第1マージン領域114aとを含むことができる。第2マージン領域114bの結晶粒GRAIN2の大きさ(半径R2に対応する)は、第1マージン領域114aの結晶粒GRAIN1の大きさ(半径R1に対応する)よりさらに大きくてよい。
【0036】
大きい結晶粒GRAIN2を有する第2マージン領域114bは、本体110の外部からの衝撃に対してさらに強い強度を有することができる。第1マージン領域及び第2マージン領域114a、114b間の結晶粒大きさの差異は、第1マージン領域及び第2マージン領域114a、114bの間における密度をさらに向上させることができるため、複数のマージン領域114の全般的な強度を効率的に向上させることができる。
【0037】
また、積層セラミックキャパシタ100a、100dの単位サイズに対する静電容量は、少なくとも一つの誘電体層111の誘電率が高いほど大きくすることができるため、少なくとも一つの誘電体層111は、チタン酸バリウム(BaTiO3)のような強誘電体を含むことができる。チタン酸バリウム(BaTiO3)のような強誘電体は、圧電性も有することができるため、積層セラミックキャパシタ100a、100dに電圧が印加されることによる逆圧電(または電歪)現象による内部応力も形成することができる。第1マージン領域及び第2マージン領域114a、114b間の結晶粒大きさの差異により、複数のマージン領域114は、上記内部応力を効率的に減らすことができる。よって、本体110のクラック(crack)発生可能性は低くなることができ、本体110は、電気的なボトルネックポイント(例:空隙、不安定な内部電極境界など)を減らすことができるため、耐電圧も高めることができる。
【0038】
例えば、第2マージン領域114bの結晶粒GRAIN2の半径R2は、第1マージン領域114aの結晶粒GRAIN1の半径R1の2倍以上であることができる。例えば、半径R2は、500μm以上であってよく、半径R1は、250μm未満であってよい。
【0039】
図8を参照すると、第1マージン領域及び第2マージン領域114a、114b間の結晶粒大きさの差異(例:R2はR1の2倍~3倍)がある場合の複数のマージン領域114の破壊靭性は、約1.33PA・m
1/2であることができ、第1マージン領域及び第2マージン領域間の結晶粒大きさの差異がない場合の複数のマージン領域の破壊靭性は、約1.0PA・m
1/2であることができる。上記破壊靭性は、強度に対応することができる。
【0040】
図2aを参照すると、第2マージン領域114bの結晶粒GRAIN2の大きさ(半径R2に対応する)は、少なくとも一つの誘電体層111の結晶粒GRAIN3の大きさ(半径R3に対応する)よりさらに大きいことができ、第2マージン領域114bの結晶粒GRAIN2の大きさ(半径R2に対応する)と第1マージン領域114aの結晶粒GRAIN1の大きさ(半径R1に対応する)間の差異は、第1マージン領域114aの結晶粒GRAIN1の大きさ(半径R1に対応する)と少なくとも一つの誘電体層111の結晶粒GRAIN3の大きさ(半径R3に対応する)間の差異より大きくてよい。これにより、第2マージン領域114bの結晶粒GRAIN2の大きさ(半径R2に対応する)と第1マージン領域114aの結晶粒GRAIN1の大きさ(半径R1に対応する)間の差異が積層セラミックキャパシタ100a、100dに電圧が印加されることによる逆圧電(または電歪)現象による不良誘発可能性を減らす効率性はさらに高くなることができる。
【0041】
結晶粒GRAIN1、GRAIN2、GRAIN3の大きさと半径R1、R2、R3は、積層セラミックキャパシタをL方向に研磨して形成される積層セラミックキャパシタのWT断面において、R1、R2、R3に該当する部分の平均値で測定されることができる。例えば、WT断面は、TEM(Transmission Electron Microscopy)、AFM(Atomic Force Microscope)、SEM(Scanning Electron Microscope)、光学顕微鏡及び表面プロファイラ(surface profiler)のうち少なくとも一つを使用した分析に適用されることができ、R1、R2、R3は、上記分析によって獲得されるイメージに対する目視確認またはイメージ処理(例:ピクセルの色相や明度に基づいたピクセルの識別、ピクセル識別効率のためのピクセル値のフィルタリング、識別されたピクセル間の距離積分など)によって測定されることができる。
【0042】
または、WT断面において結晶粒GRAIN1、GRAIN2、GRAIN3の個数が多過ぎる場合は、第2マージン領域114bにおいて本体110の中心から第3方向(例:W方向)に重なる複数の結晶粒の大きさの平均値は、第1マージン領域114aにおいて本体110の中心から第3方向(例:W方向)に重なる複数の結晶粒の大きさの平均値より大きくてよいため、本体110の中心をW方向に通る直線に重なる複数の結晶粒のみが測定される可能性もある。
【0043】
図7aの4個のSEM写真は、本体の中心からW方向に通る直線に沿って順次に示した第2マージン領域の断面図である。マージン(Margin)端は、本体の表面に最も近い部分であり、区間1は本体の表面に2番目に近い部分であり、区間2は本体の表面に3番目に近い部分であり、区間3は本体の表面に4番目に近い部分である。
【0044】
図7bの3個のSEM写真は、本体110の中心からW方向に通る直線に沿って順次に示した第1マージン領域の断面図である。内部電極は、内部電極に最も近い部分であり、区間5は内部電極に2番目に近い部分であり、区間4は内部電極に3番目に近い部分である。
【0045】
図7aの結晶粒の全般的な大きさは、
図7bの結晶粒の全般的な大きさより大きくてよい。
図7aのSEM写真の個数(4個)が
図7bのSEM写真の個数(3個)より多いため、第2マージン領域の体積は第1マージン領域の体積よりさらに大きくてよいが、これに限定されない。
【0046】
図4a及び
図4bを参照すると、本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタの製造方法は、それぞれ複数の内部電極パターン121pが一面(例:上面)に配置された複数のセラミックグリーンシート111pのそれぞれの一面(例:上面)上で複数の内部電極パターン121pの間に酸化チタン系材料114pを印刷する段階(100p-1)を含むことができる。
【0047】
酸化チタン系材料114pは、焼成工程によって隣接したセラミックグリーンシート111pに拡散することがあり、酸化チタン系材料114pの結晶粒は、相対的に過成長することがある。よって、酸化チタン系材料114pが印刷された部分は、
図2a及び
図2bの第2マージン領域114bに対応することができ、酸化チタン系材料114pが印刷されていない部分は、
図2a及び
図2bの第1マージン領域114aに対応することができる。酸化チタン系材料114pは、酸化チタン(TiO
2)を含むことができる。
【0048】
酸化チタン系材料114pの印刷面(または方向)と複数の内部電極パターン121pの印刷面(または方向)が互いに同一であることができるため、酸化チタン系材料114pは、設計された位置に正確に印刷するのに有利であることができる。よって、
図2a及び
図2bの第2マージン領域114bの設計構造と実際形成された構造の間の差異(工程散布)は小さくなることができ、積層セラミックキャパシタの強度確保の安定性は、さらに向上されることができる。
【0049】
図5を参照すると、本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタの製造方法は、複数のセラミックグリーンシート111pが第1方向(例:T方向)に積層された構造で複数の内部電極パターン121p、122pの間を第1方向(例:T方向)に切断する段階(100p-2)を含むことができる。切断線CUT1、CUT2、CUT3は、第1方向(例:T方向)に延長することができる。
【0050】
酸化チタン系材料114pの印刷は、複数のセラミックグリーンシート111pが切断される前に行われることができるため、多数の積層セラミックキャパシタのそれぞれの第2マージン領域は効率的に形成されることができる。
【0051】
図6を参照すると、本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタの製造方法は、切断する段階(100p-2)以後に複数のセラミックグリーンシート111pが第1方向(例:T方向)に積層された構造を焼成する段階(100p-3)を含むことができる。これにより、酸化チタン系材料が印刷された部分114bpの結晶粒は、酸化チタン系材料が印刷されていない部分114apの結晶粒に比べて相対的に過成長することがある。
【0052】
酸化チタン系材料が印刷されていない部分114apと酸化チタン系材料が印刷された部分114bpのそれぞれの少なくとも一部分は、複数のセラミックグリーンシート111pの一部分に基づいて形成されることができる。
図2a及び
図2bを参照すると、少なくとも一つの誘電体層111と第1マージン領域114aと第2マージン領域114bのそれぞれは、強誘電体(ferroelectrics)を含有することができる。強誘電体は、チタン酸バリウムであることができるが、これに限定されない。
【0053】
図4aを参照すると、印刷する段階(100p-1)は、グラビア(gravure)方式で複数の内部電極パターン121pと酸化チタン系材料114pを印刷することを含むことができる。グラビア方式は、回転するロールの表面に金属材料を添加した状態で、セラミックグリーンシート111pが水平方向に移送されながら上記ロールが回転して上記金属材料をセラミックグリーンシート111pの一面に印刷することである。
【0054】
第1ロール21は、複数の内部電極パターン121pをセラミックグリーンシート111pの一面上に印刷することができ、第2ロール14は、セラミックグリーンシート111pの一面上に酸化チタン系材料114pを印刷することができる。
【0055】
移送ロール17の回転により、移送板11は移送されることができる。セラミックグリーンシート111pは、移送板11上に配置されることができ、移送板11と共に移送されることができる。
【0056】
第1探知機18は、複数の内部電極パターン121pが実際印刷された位置と設計された位置間の差異を探知することができ、探知結果に基づいて移送ロール17の位置を制御することができる。
【0057】
第2探知機19は、酸化チタン系材料114pが実際印刷された位置と設計された位置間の差異を探知することができ、探知結果に基づいて第2ロール14の回転角を制御することができる。
【0058】
図4bを参照すると、印刷する段階(100p-1)は、酸化チタン系材料114pが複数の内部電極パターン121pから離隔するように酸化チタン系材料114pを印刷することを含むことができる。
図2a及び
図2bの第1マージン領域及び第2マージン領域114a、114b間の体積(または厚さ)関係は、印刷する段階(100p-1)によって適切に調節されることができる。
【0059】
図5を参照すると、カバー層形成用セラミックグリーンシート112p、113pは、複数のセラミックグリーンシート111pが切断される前にさらに積層されることができ、複数のセラミックグリーンシート111pが切断される時に共に切断されることができる。但し、カバー層形成用セラミックグリーンシート112p、113pの追加積層は、
図1~
図3bの複数のカバー層112、113の設計によって省略されてもよい。例えば、複数のカバー層112、113がエポキシ樹脂のようにセラミックグリーンシートに基づかない材料を含有する場合、カバー層形成用セラミックグリーンシート112p、113pは省略されてよい。
【0060】
図6を参照すると、酸化チタン系材料が印刷されていない部分114apと酸化チタン系材料が印刷された部分114bpのそれぞれは、第1方向(例:T方向)にカバー層形成用セラミックグリーンシート112p、113pに重なることができる。
図2a及び
図2bを参照すると、第1マージン領域及び第2マージン領域114a、114bは、第1方向(例:T方向)に複数のカバー層112、113に重なることができる.
【0061】
図5を参照すると、切断線CUT1、CUT2、CUT3は、酸化チタン系材料114pを通り過ぎることができる。よって、
図6を参照すると、酸化チタン系材料が印刷された部分114bpは外部に露出してよく、酸化チタン系材料が印刷されていない部分114apは外部に露出しなくてよい。
図2a及び
図2bを参照すると、第1マージン領域114aは本体110に埋め込まれ、第2マージン領域114bは少なくとも一つの第1内部電極121と少なくとも一つの第2内部電極122から離隔し、本体110の外部に露出することができる。
【0062】
図2bを参照すると、本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタ100dの第2マージン領域114bは、複数の第3マージン領域114cと複数の第4マージン領域114dが第1方向(例:T方向)に交互に配置された構造を有し、複数の第4マージン領域114dの結晶粒の大きさは、複数の第3マージン領域114cの結晶粒の大きさよりさらに大きくてよい。
【0063】
図4bを参照すると、印刷する段階(100p-1)は、酸化チタン系材料114pの少なくとも一部分が複数のセラミックグリーンシート111pのそれぞれに挿入されるように酸化チタン系材料114pを印刷することを含むことができる。
図2bの第3マージン領域及び第4マージン領域114c、114d間の体積(または厚さ)関係は、酸化チタン系材料114pが複数のセラミックグリーンシート111pにどれほど深く挿入するかを調節することで調節されることができる。
【0064】
図3bを参照すると、第1外部電極及び第2外部電極131、132のうち少なくとも一つは、樹脂を含有する導電性樹脂層131b、132bと、導電性樹脂層131b、132bと本体110の間に配置され、導電性樹脂層131b、132bよりさらに高い伝導性を有するベース電極層131a、132aと、第1外部電極及び第2外部電極131、132のうち一つの外面を提供するめっき層131c、132cのうち少なくとも一つを含むことができる。本体110の表面(例:上面、下面)の一部分は、コーティング層150によってカバーされることができる。
【0065】
例えば、ベース電極層131a、132aは、本体110の一部分が金属材料及び/またはガラスフリット(frit)が含まれたペーストにディッピングされるか、本体110の一部分に上記ペーストが印刷された状態で焼成されることによって形成されることができ、シート(Sheet)転写、パッド(Pad)転写方式によって形成されてもよい。上記金属材料は、本体110に対する電気的連結性を向上させるために、銅(Cu)であることができるが、これに限定されない。例えば、上記金属材料は、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)及び鉛(Pb)のうち少なくとも一つを含むことができ、本体110内の内部電極の金属材料によって変わってもよい。
【0066】
例えば、めっき層131c、132cは、スパッタまたは電解めっき(Electric Deposition)によって形成されることができるが、これに限定されない。例えば、めっき層131c、132cは、ニッケル(Ni)を含有する内側めっき層とスズ(Sn)を含む外側めっき層を含むことができる。
【0067】
例えば、導電性樹脂層131b、132bは、エポキシ(epoxy)のような熱硬化性樹脂と複数の導電性粒子(例:ベース電極層の金属材料と同一)を含むことができる。但し、上記熱硬化性樹脂に限定されず、導電性樹脂層131b、132bは、ビスフェノールA樹脂、グリコールエポキシ樹脂、ノボラックエポキシ樹脂またはこれらの誘導体のうち分子量が小さく常温で液状である樹脂を含んでもよい。
【0068】
導電性樹脂層131b、132bは、第1外部電極及び第2外部電極131、132の外部衝撃に対する耐久性を向上させるか、外部からの水分やめっき液が本体110に浸透することを防ぐことができる。よって、導電性樹脂層131b、132bは、第1外部電極及び第2外部電極131、132が劣悪な環境に晒されても第1外部電極及び第2外部電極131、132の信頼性が低下する速度を減らすことができる。
【0069】
コーティング層150は、上部カバー層及び下部カバー層112、113の外面をカバーすることができ、設計によって第1外部電極及び第2外部電極131、132の一部分及び/またはサイドマージン部の外面をさらにカバーすることができる。例えば、コーティング層150は、本体110の耐湿信頼性を向上させるためにSiを含む有機/無機系化合物で構成されることができ、フッ素(F)を含む有機/無機物及びポリマー成分で構成されることができる。例えば、コーティング層150は、撥水性能を有するようにシランカップリング剤、シリコン樹脂として実現されることができる。
【0070】
以上で本発明の実施形態について詳しく説明したが、本発明は、上述した実施形態及び添付の図面によって限定されるものではなく、添付の請求の範囲によって限定する。
【0071】
したがって、請求の範囲に記載された本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で当技術分野の通常の知識を有する者によって多様な形態の置換、変形及び変更が可能であり、これも本発明の範囲に属するといえる。
【符号の説明】
【0072】
100、100a:積層セラミックキャパシタ
110:本体(body)
111:誘電体層
112、113:複数のカバー層
114:複数のマージン領域
114a:第1マージン領域
114b:第2マージン領域
114c:第3マージン領域
114d:第4マージン領域
115:コア領域
116:容量領域
121:第1内部電極
122:第2内部電極
131:第1外部電極
132:第2外部電極
GRAIN1:第1マージン領域の結晶粒
GRAIN2:第2マージン領域の結晶粒
GRAIN3:誘電体層の結晶粒
R1:第1マージン領域の結晶粒の半径
R2:第2マージン領域の結晶粒の半径