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特開2024-78414多機能機器を動作させる自動制御システム及び方法、並びにその多機能機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078414
(43)【公開日】2024-06-10
(54)【発明の名称】多機能機器を動作させる自動制御システム及び方法、並びにその多機能機器
(51)【国際特許分類】
   A01B 69/00 20060101AFI20240603BHJP
【FI】
A01B69/00 303M
A01B69/00 303Z
【審査請求】有
【請求項の数】23
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023186784
(22)【出願日】2023-10-31
(31)【優先権主張番号】22465570
(32)【優先日】2022-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】322007626
【氏名又は名称】コンチネンタル・オートナマス・モビリティ・ジャーマニー・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(74)【代理人】
【識別番号】100191938
【弁理士】
【氏名又は名称】高原 昭典
(72)【発明者】
【氏名】チプリアン・スルサー
【テーマコード(参考)】
2B043
【Fターム(参考)】
2B043AA04
2B043AB01
2B043BA07
2B043BA08
2B043BB04
2B043BB07
2B043BB11
2B043BB12
2B043DC03
2B043EA23
2B043EB05
2B043EB07
2B043EB14
2B043EB17
2B043EB18
2B043EC15
2B043ED12
2B043ED25
(57)【要約】      (修正有)
【課題】多機能機器を動作させる自動制御システム及び方法、並びにその多機能機器を提供する。
【解決手段】自動運転制御ユニット(110)は、用具制御ユニット(120)に命令を送信したり、用具制御ユニット(120)から命令を受信したりして、いずれかの作動された特定の機能に直接応じて一般的な車両機能のいずれかを作動又は停止させる。複数の特定の支援機能のうちの特定の支援機能によって支援される少なくとも1つの動作を実行する命令を受信することと、実行すべき動作に応じて特定の支援機能を作動させること、作動された特定の支援機能に応じて一般的な車両機能を作動又は停止させること、一般的な車両機能及び特定の機能をそれぞれ実行可能な複数のアクチュエータを作動又は停止させること、動作を終了するまで動作の実行ステータスを定期的にチェックし、異常な事象及び動作の終了を通知する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多機能機器のための自動制御システムであって、前記制御システムが、
1つ以上の動作を含むタスクを実行する命令を受信するように、
且つ一般的な車両機能を作動又は停止させるように構成された自動運転制御ユニットと、
前記受信されたタスクの実行を可能にする特定の支援機能を作動又は停止させる命令を受信するように構成された用具制御ユニットと
を備え、
前記自動運転制御ユニットが、前記用具制御ユニットに命令を送信したり、前記用具制御ユニットから命令を受信したりして、いずれかの作動された特定の機能に直接応じて前記一般的な車両機能のいずれかを作動又は停止させることを特徴とする、自動制御システム。
【請求項2】
前記一般的な車両機能が、電子ブレーキ支援及びコリドー追従支援を含むことを特徴とする、請求項1に記載の自動制御システム。
【請求項3】
前記特定の支援機能が、植林支援、剪定支援、散布支援、草刈り支援、除雪支援、収穫支援、及び作物の健康支援を含むことを特徴とする、請求項1に記載の自動制御システム。
【請求項4】
前記植林支援が作動される場合に、前記電子ブレーキ支援が作動され、前記コリドー追従支援が停止されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の自動制御システム。
【請求項5】
前記剪定補助が作動される場合に、前記電子ブレーキ支援が作動され、前記コリドー追従支援が停止されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の自動制御システム。
【請求項6】
前記散布支援が作動される場合に、前記電子ブレーキが停止され、前記コリドー追従支援が作動されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の自動制御システム。
【請求項7】
前記草刈り支援が作動される場合に、前記電子ブレーキ支援が停止され、前記コリドー追従支援が作動されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の自動制御システム。
【請求項8】
前記除雪支援が作動される場合に、前記電子ブレーキ支援が停止され、前記コリドー追従支援が作動されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の自動制御システム。
【請求項9】
前記収穫支援が作動される場合に、前記電子ブレーキ支援が作動され、前記コリドー追従支援が停止されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の自動制御システム。
【請求項10】
前記作物の健康支援が作動される場合に、前記電子ブレーキ支援が作動され、前記コリドー追従支援が停止されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の自動制御システム。
【請求項11】
前記用具制御ユニットが、前記作動された特定の支援機能にしたがって特定のアクチュエータを使用可能にすることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の自動制御システム。
【請求項12】
自動制御システムによって多機能機器を動作させる自動制御方法であって、前記自動制御システムが、複数の特定の支援機能によって支援されるタスクを実行する命令を受信し、前記自動制御方法が、
前記受信された実行すべきタスクに応じて、特定の支援機能を作動させることと、
前記作動された特定の支援機能に応じて、一般的な車両機能を作動又は停止させることと、
前記自動制御システムによって、一般的な車両機能又は特定の支援機能をそれぞれ実行することができる複数のユニット又はアクチュエータを作動又は停止させることと、
前記作動された一般的な車両機能及び特定の機能にそれぞれ応じて動作コマンドを生成することと、
前記タスクの実行ステータスを定期的にチェックし、異常な事象を通知し、前記タスクが実行されていることを通知することと
を含む、自動制御方法。
【請求項13】
前記複数の特定の支援機能が、植林支援、剪定支援、散布支援、草刈り支援、除雪支援、収穫支援、及び作物の健康支援を含み、各支援機能が一連の特定のサブ動作を含むことを特徴とする、請求項12に記載の自動制御方法。
【請求項14】
前記植林支援機能が、
(400)コリドー追従支援を停止させ、電子ブレーキ支援を作動させることと、
(410)カメラ、レーダ、超音波及び/又はGPSセンサからのデータを含むセンサデータを取得することと、
(420)前記取得されたデータに基づいて、少なくとも1つの植林マーキングを探し、1つの植林マーキングが検出された場合、(430)特定のアクチュエータ、すなわちドリル及び植付アームを作動させることに進み、更に特定のコマンド、すなわち、(4310)前記ドリルを前記検出されたマーキングに移動させることと、(4320)孔を削孔することと、(4330)前記植付アームによって前記孔に前記樹木を植え付けることと、(4340)前記植付アームをホームポジションに移動させることとを生成することと、
(440)植林マーキングを更に探すことに進むことと、
(450)植林マーキングが検出されない場合に終了することと
を含むことを特徴とする、請求項12又は13に記載の自動制御方法。
【請求項15】
前記剪定支援機能が、
(500)コリドー追従支援を停止させ、電子ブレーキ支援を作動させることと、
(510)カメラ、レーダ、超音波及び/又はGPSセンサからのデータを含むセンサデータを取得することと、
(520)前記取得されたセンサデータに基づいて、剪定すべきとマークされた少なくとも1本の樹木を探すことと、
(530)前記マークを付けられた樹木を探して、剪定すべき枝を検出することと、
(540)少なくとも1つの剪定すべき枝が検出された場合、特定のアクチュエータ、すなわち剪定アーム及び鋏を作動させることに進み、更に特定のコマンド、すなわち、
(5410)前記アームを前記検出された枝に移動させることと、(5420)前記鋏を作動させることと、
(5430)枝を剪定することと、(5440)剪定すべき枝が検出されなくなるまで繰り返し、(5450)前記アームをホームポジションに移動させることと
を生成することと、
(550)マークを付けられた樹木を更に探すことに進むことと、
(560)マークを付けられた樹木が検出されない場合に終了することと
を含むことを特徴とする、請求項12又は13に記載の自動制御方法。
【請求項16】
前記散布支援(SA)機能が、
(600)コリドー追従支援を作動させ、電子ブレーキ支援を停止させることと、
(610)少なくともカメラ、レーダ、及びGPSセンサからのデータを含むセンサデータを取得することと、
(620)前記取得されたセンサデータに基づいて、少なくとも1つの樹木の列を探し、前記樹木の列に接する中心に向かうコリドーを探すことと、
(630)少なくとも1つの樹木の列及び前記コリドーが検出された場合、特定のアクチュエータ、すなわち散布器を作動させることに進み、更に特定のコマンド、すなわち、(6310)前記列の各樹木に肥料を施すことと、(6320)前記列にある樹木の次から次に前記コリドーを移動することと、(6330)前記列に樹木が検出されなくなるまで施肥及び移動を繰り返すこととを生成することと、
(640)樹木の列を更に探すことに進むことと、
樹木の列が検出されない場合、(650)前記散布器を停止させて終了することと
を含むことを特徴とする、請求項12又は13に記載の自動制御方法。
【請求項17】
前記草刈り支援(MA)機能が、(700)コリドー追従支援を作動させ、電子ブレーキ支援を停止させることと、
(710)少なくともカメラ、レーダ、及びGPSセンサからのデータを含むセンサデータを取得することと、
(720)前記取得されたセンサデータに基づいて、ドックから、刈られていない芝生領域に移動することと、
(730)特定のアクチュエータ、すなわち草刈り機を作動させることに進み、更に特定のコマンド、すなわち草刈りを開始することを生成することと、
(740)障害物が検出された場合、障害物のタイプ、すなわち静的障害物か動的障害物かを判定することと、
(7410)前記障害物が静的障害物である場合、(7411)前記障害物を避けることに進むことと、
(7420)前記障害物が動的障害物である場合、(7421)スタンバイすることに進むことと、
障害物が検出されない場合、(7510)グラスタンクが一杯に積み込まれるまで(750)切断を続けることと、(7520)通知を送信することと、(7530)スタンバイに進むことと、(7540)前記グラスタンクから荷降ろしすることと、
(760)前記芝生領域が仕上げられるまで刈り続けることと、(770)前記草刈り機を停止させる/草刈りを停止することと、(780)ドックに戻り、終了することと
を含むことを特徴とする、請求項12又は13に記載の自動制御方法。
【請求項18】
前記除雪支援機能が、
(800)コリドー追従支援を作動させ、電子ブレーキ支援を停止させることと、
(810)少なくともカメラ、レーダ、及びGPSセンサからのデータを含むセンサデータを取得することと、
(820)前記取得されたセンサデータに基づいて、周囲で雪に覆われた領域を探すことと、
(830)1つの雪に覆われた領域が検出された場合、雪の深さをチェックすることと、
(840)特定のアクチュエータ、すなわち除雪機を作動させることに進み、更に特定のコマンド、すなわち、(850)雪に覆われた領域が検出されなくなるまで雪を取り除くことを生成することと、
雪に覆われた領域が検出されない場合、(860)地面をチェックすることと、
(870)前記除雪機をホームポジションに戻して、終了することと
を含むことを特徴とする、請求項12又は13に記載の自動制御方法。
【請求項19】
前記収穫支援機能が、
(900)コリドー追従支援を停止させ、電子ブレーキ支援を作動させることと、
(910)少なくともカメラ、レーダ、及びGPSセンサからのデータを含むセンサデータを取得することと、
(920)前記取得されたセンサデータに基づいて、果房を検出するように探すことと、
(930)果房が検出された場合、
(940)熟した果房があるか否かを検出することに進むことと、
(950)熟した果房がある場合、特定のアクチュエータ、すなわち鋏を備えたアームを作動させ、鋏を作動させ、更に特定のコマンド、すなわち(960)果房を切ることを生成することと、
(970)熟した果房がない場合、次の果房に移動し、熟した果房が検出されなくなるまで繰り返すことと、
(980)次の果物の樹木に移動し、果房が検出されなくなるまで繰り返し、終了することと
を含むことを特徴とする、請求項12又は13に記載の自動制御方法。
【請求項20】
前記作物の健康支援機能が、
(1000)コリドー追従支援を停止させ、電子ブレーキ支援を作動させることと、
(1010)少なくともカメラ、レーダ、及びGPSセンサからのデータを含むセンサデータを取得することと、
(1020)前記取得されたセンサデータに基づいて、作物を検出するように探すことと、
(1030)作物が検出されない場合、最も近い領域を調べることと、
(1040)作物が検出された場合、前記検出された作物の葉を検出することに進むことと、
(1050)葉が検出された場合、特定のアクチュエータ、すなわちポロメータを備えたアームを作動させ、更に特定のコマンド、すなわち(1060)前記アームを前記葉に移動させることと、前記ポロメータを作動させることと、葉の含水量をチェックすることとを生成することと、
(1070)葉の色を検出することと、
(1080)所定の回数繰り返した後、(1090)終了することと
を含むことを特徴とする、請求項12又は13に記載の自動制御方法。
【請求項21】
前記複数のセンサから取得されたデータが、センサデータ、位置情報、及び動作データを含むことを特徴とする、請求項12~20のいずれか一項に記載の自動制御方法。
【請求項22】
自動制御システムの1つ以上のプロセッサに請求項12~20のいずれか一項に記載の自動制御方法を実行させる命令を格納する少なくとも1つのメモリ
を備える非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項23】
電源ユニット(12)を備えたモバイルプラットフォーム(11)と、
前記モバイルプラットフォーム(11)を支持する複数の車輪(13)と、
トラクション制御ユニット(14)と、
ブレーキシステム(15)及びステアリングシステム(16)であって、それぞれが前記車輪のうちの1つ以上に動作可能に結合される、ブレーキシステム(15)及びステアリングシステム(16)と、
前記多機能機器の周囲からデータを収集し、前記収集されたデータを処理し、センサデータを提供することができる複数のセンサ(17)と、
アームキャリッジシステム(18)と、
用具連結システム(20)と、
前記アームキャリッジシステム(18)上、又は前記用具連結システム(20)上に固定可能な複数の交換可能なアクチュエータ(19)と、
ユーザインターフェース(21)と
を備える、多機能機器(10)において、
前記多機能機器が、
前記トラクション制御ユニット(14)、前記ブレーキシステム(15)、前記ステアリングシステム(16)、前記用具連結システム(20)、及び前記アームキャリッジシステム(18)と通信する、請求項1に記載の自動制御システム(100)
を更に備え、
前記自動制御システムが、請求項12に記載の自動制御方法にしたがって動作コマンドを生成するように構成され、前記動作コマンドが、前記ユーザインターフェース(21)を介して操作者によって提供される所定のタスクに応答する、多機能機器(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農業用に設計された、多機能機器を動作させる自動制御システム及び方法、並びにその多機能機器に関する。
【背景技術】
【0002】
人口過剰は持続可能な農業にとって脅威であるため、最近導入されたアグリカルチャー4.0と呼ばれるパラダイムは、インダストリー4.0の先端技術を農業に統合する傾向にある。特許文献は、農業用ロボット(「アグロボット」)に関する発明を開示することにより、この傾向をよく示している。例えば、(特許文献1)は、自律モバイルプラットフォームに搭載されたセンサモジュールによって収集されたデータに基づいて、生育現場において植物を監視するための農業ロボットを開示している。(特許文献2)は、最小限の人間の介入により、複数種の植物に対して農業タスクを実行する半自律ロボットを調整する方法を説明している。複数のロボットが、それぞれの複数の農業タスクを実行するために配備され、各農業タスクは、それぞれの植物に関連付けられ、各植物を、農業タスクのうちの1つのターゲットとして事前に指定しておくことができる。所定のロボットが、この所定のロボットに割り当てられていたそれぞれの農業タスクに関連付けられた個々の植物に到達したとき、この所定のロボットとネットワーク通信するコンピューティングデバイスの出力コンポーネントに手動制御インターフェースが提供される。手動制御インターフェースは、それぞれの農業タスクを実行するように所定のロボットを手動で制御するように動作可能である。(特許文献3)は、軌道と移動可能な農薬散布装置とを備えるインテリジェント農業用大面積位置決め型農地農薬散布ロボットを開示している。多機能農業ロボットも(特許文献4)によって説明されている。言及されたロボットは、農地の表面から離れて概ね上方に延びるマストに結合された1つ以上の空中ナビゲーションセンサのデータ収集範囲の増大に少なくとも部分的に基づいて、植え付けられた作物の隣接する列間を自律的に移動しながら、農地で1つ以上の季節に合った管理タスクを実行するように構成される。
【0003】
しかしながら、特許文献に記載されている現在の解決策は、農業における様々な季節又は場所における大量の作業を考えると、更なる機器自動化の余地がある。
【0004】
解決すべき技術的課題は、多機能機器における複数の特定の機能に直接応じてどのように車両機能を動作させるかということである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2016116888A1号パンフレット
【特許文献2】米国特許出願公開第20220219329A1号明細書
【特許文献3】中国実用新案出願第216147097U号明細書
【特許文献4】欧州特許出願公開第3827654A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、車両機能と特定の機能とを組み合わせることができる自動制御システム及び自動制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的は、請求項1の特徴を有する自動制御システム及び請求項12の特徴を有する方法によって解決される。
【0008】
従属請求項は、以下で説明するような本原理の更なる有利な発展形態及び改良形態を含む。
【0009】
本発明の一態様によれば、自動制御システムが提供される。自動制御システムは、1つ以上の特定の動作を含むタスクを受信するように構成された自動運転制御ユニットであって、自動運転制御ユニットが一般的な車両機能を作動又は停止させるように構成される、自動運転制御ユニットと、タスクの実行を可能にする特定の支援機能を作動又は停止させるように構成された用具制御ユニットとを備え得る。自動運転制御ユニットは用具制御ユニットと双方向通信し、一般的な車両機能のいずれかを、いずれかの作動された特定の支援機能に応じて作動又は停止させる。
【0010】
本概念は、ADCUが様々な理由により任された車両機能を制御することができず、操作者がホスト機器を運転する必要がある場合でも、特定の機能は、依然として個別に自動化された仕方で実行可能とするような仕方で、「セントラルブレイン」(ADCU)と「専用ブレイン」(ICU)とを分ける。
【0011】
いくつかの実施形態によれば、一般的な車両機能は、電子ブレーキ支援及びコリドー追従支援を含むことができ、特定の支援機能は、植林支援、剪定支援、散布支援、草刈り支援、除雪支援、収穫支援、及び作物の健康支援を含むことができる。
【0012】
更なる実施形態は、植林支援が作動される場合に、電子ブレーキ支援が作動され、コリドー追従支援が停止されることを含む。同様に、剪定支援が作動される場合に、電子ブレーキ支援が作動され、コリドー追従支援が停止され、散布支援が作動される場合に、電子ブレーキ支援が停止され、コリドー追従支援が作動され、草刈り支援が作動される場合に、電子ブレーキ支援が停止され、コリドー追従支援が作動される。更に、他のいくつかの実施形態では、除雪支援が作動される場合に、電子ブレーキ支援が停止され、コリドー追従支援が作動され、収穫支援が作動される場合に、電子ブレーキ支援が作動され、コリドー追従支援が停止されることが提供される。更に、作物の健康支援が作動される場合に、電子ブレーキ支援が作動され、コリドー追従支援が停止される。
【0013】
本発明の更なる実施形態では、用具制御ユニットは、作動された特定の支援機能に応じて特定のアクチュエータを使用可能にし得る。
【0014】
本発明の更なる態様を以下に説明する。自動制御システムの実施形態の上記の特徴はまた、本発明の以下の態様と合わせて使用されてもよいし、またその逆であってもよいことが当業者には明らかであろう。
【0015】
本発明の別の態様によれば、自動制御方法が、自動制御システムによって多機能機器を動作させるために提供される。自動制御方法は、自動制御システムによって、複数の特定の支援機能のうちの特定の支援機能によって支援される少なくとも1つの動作を実行する命令を受信することと、実行すべき動作に応じて、特定の支援機能を作動させることと、作動された特定の支援機能に応じて、一般的な車両機能を作動又は停止させることと、自動制御システムによって、一般的な車両機能及び特定の支援機能をそれぞれ実行することができる複数のアクチュエータを作動又は停止させることと、各支援された動作に対応する動作コマンドを生成することと、動作を終了するまで、動作の実行ステータスを定期的にチェックし、異常な事象及び動作の終了を通知することとを含み得る。
【0016】
本発明の一実施形態では、本方法は、複数のセンサからデータを取得することを更に含む。データは、センサデータ、位置情報、及び動作データを含み得る。自動制御方法のいくつかの実施形態では、複数の特定の支援機能は、植林支援、剪定支援、散布支援、草刈り支援、除雪支援、収穫支援、及び作物の健康支援を含み得る。更なる実施形態では、各支援機能は、一連の特定のサブ動作を含み得る。
【0017】
本発明の更なる特徴は、図面と併せて以下の説明及び添付の特許請求の範囲から明らかになるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の例示的な実施形態による多機能機器を示すブロック図である。
図2】本発明の別の態様による、多機能機器によって組み込まれた自動制御システムを説明するブロック図である。
図3】本発明の一態様による、多機能機器を動作させる自動制御方法を説明するフローチャートである。
図4】本開示の一実施形態による植林支援機能を説明するフローチャートである。
図5】本開示の一実施形態による剪定支援機能を説明するフローチャートである。
図6】本開示の一実施形態による散布支援機能を説明するフローチャートである。
図7】本開示の一実施形態による草刈り支援機能を説明するフローチャートである。
図8】本開示の一実施形態による除雪支援機能を説明するフローチャートである。
図9】本開示の一実施形態による収穫支援機能を説明するフローチャートである。
図10】本開示の一実施形態による作物の健康支援機能を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の原理をより良く理解するために、本発明の実施形態について、図面を参照して以下でより詳細に説明する。図面では、同様の参照数字が同じ又は均等な要素に使用され、必ずしも図面ごとに繰り返し説明されない。本発明が例示した実施形態に限定されないこと、及び記載した特徴もまた、添付の特許請求の範囲で定義されるように本発明の保護の範囲から逸脱することなく組み合わされたり修正されたりしてもよいことを理解されたい。
【0020】
以下の説明では、「自動運転」という用語は、運転者の操作なしに、運転ユニット制御、トラクション制御、ブレーキ制御、及びステアリング角制御のすべてを自動的に行う運転を意味する。よって、自動運転では、運転ユニットの動作状態、トラクションユニットの動作状態、ブレーキ機構の動作状態、及び車輪のステアリング角が自動的に決定される。本発明に関連して、「機能」という用語は、コンピュータが単一の関連するアクション又は結果を返すために解釈し実行し得る一連の命令として理解されたい。累積されたアクション又は結果は、機器を操縦する際に操作者を支援し、したがって、支援機能は、例えば、樹木剪定支援機能(すなわち、樹木の剪定を実行することを目的とした自動化された手順)又は作物の健康支援機能(すなわち、作物の健康ステータスを検出することを目的とした自動化された手順)というタイトルで説明される。
【0021】
図1は、本発明の例示的な実施形態による多機能機器10を説明するブロック図である。多機能機器10(以下、「ホスト機器10」とも呼ばれる)は、電源ユニット12を設けられたモバイルプラットフォーム11(シャーシ)と、モバイルプラットフォーム11を支持する複数の車輪13と、トラクション制御ユニット14と、ブレーキシステム15と、ステアリングシステム16とを備える。トラクション制御ユニット14、ブレーキシステム15、及びステアリングシステム16はそれぞれ、車輪13のうちの1つ以上に動作可能に結合され、自動運転制御ユニット110によって自動的に監視及び制御される。土壌のステータスのタイプを含む、ホスト機器10の周囲を把握するための複数のセンサ17が設けられる。少なくとも1つのアームキャリッジシステム18がモバイルプラットフォーム11上に搭載されて、ドリル、植付アーム、剪定アーム、散布器、草刈り機、鋏などを含むがこれらに限定されない複数の相互交換可能な特定のアクチュエータ19を固定する。これらのアクチュエータは、工具用区画(言及又は図示せず)内に格納される。また、用具連結システム20がモバイルプラットフォーム11上に搭載されて、必ずしも完全に自動化された仕方ではない除雪機又は鋤などの用具を取り付ける。アームキャリッジシステム18は、用具連結システム20と同様に、用具制御ユニット120によって実施される特定の機能に応じて、例えば、土壌又は樹木に対するそれぞれの向きを決定し、適合させることができるコンピュータプログラムによって制御され、動作される。自動運転制御ユニット110と用具制御ユニット120とは両方とも、自動制御システム100全体の構成要素として双方向に協力するモジュールである。自動制御システム100は、ユーザインターフェース21を介して操作者によって提供されるタスクに応じて動作コマンドを生成するように構成され得る。操作者は、タスクを直接提供してもよいし、無線通信手段22、ユーザ機器23、及びユーザ機器23上で実行される専用アプリケーション2310を介して、リモートで提供してもよい。
【0022】
モバイルプラットフォーム11は、様々な構成要素(電源ユニット、アームキャリッジ、用具連結システム、アーム、及び特定のアクチュエータ)の重量だけでなく、乗り込んだ操作者の体重も考慮し、様々な気象条件や様々な土壌タイプにおいて安全性、安定性、及び機動性を提供することができるシャーシとして設計され得る。いくつかの実施形態では、モバイルプラットフォーム11は、ベース(図示せず)として回転テーブルを有する回転可能なものであってもよいし、アームキャリッジ18及び用具連結システム20並びに上述の構成要素(既に述べたものに限定されない)が取り付けられる古典的なトラクタシャーシであってもよい。また、操作者のためのキャビンがプラットフォームの上部に設けられてもよい。安定性を確保するため、サスペンションシステム(図示せず)が追加されてもよい。加えて、プラットフォーム上の様々なサブコンポーネント及びシステムの相対的な配置は変わり得る(例えば、機器の前方又は後方にある同じアクチュエータのセットに必ずしも対称的にサービス提供しない前方及び/又は後方アームキャリッジシステム)。簡単のため、図1はただ1つのアームキャリッジシステムを有する機器を単に示している。
【0023】
電源ユニット12は、エンジンに結合された発電機と、蓄電装置と、消費電流推定ユニットと、充放電電流設定ユニットと、発電電流設定ユニットと、発電電流コントローラ(それ自体は言及及び図示せず)とを備え得る。補助電源(言及及び図示せず)が、ホスト機器の推進以外に、特定の動作のためだけに電力を供給するために追加されてもよい。電源ユニット12に関する動作データが、電流センサ又は充電状態センサなどの特定の統合されたセンサによって収集され、更なる情報及び処理のために自動制御ユニット100に送信される。
【0024】
複数の車輪13は、厳しい気象条件、様々なタイプの土壌又は地形(荒れ地、岩場、草や雪に覆われた場所、ぬかるみなど)を克服することができる農業用に設計されたタイヤを備え得る。いくつかの好ましい実施形態では、ホスト機器10は、少なくとも3つの車輪13を備えることができ、それらのすべてが独立に操縦され得る。
【0025】
トラクション制御ユニット14、ブレーキシステム15、及びステアリングシステム16は、自動運転制御ユニット110の制御下で車輪13のうちの1つ以上に動作可能に結合される。好ましい実施形態では、ブレーキシステムは、ステアリングシステム(すなわち、ドライブ・バイ・ワイヤ)と同様に、完全に電子化される(すなわち、ブレーキ・バイ・ワイヤ)。
【0026】
複数のセンサ17は、物体(例えば、果房、葉、樹木、樹木上のマーキング、葉のパターン、樹木の列によって区切られたコリドー、雪又は草で覆われた領域など)を検出することができるカメラ、レーダ、超音波センサ、位置(GPS)センサなど、又は気温、日射量、気圧、周囲のガス濃度(O、CO、NOなど)、雨/霧/水分状態、湿度、土壌タイプ(砂地、岩場、ぬかるみなど)などの環境データを検出することができるセンサのいずれかを含み得る。本明細書では、このカテゴリのセンサによって提供されるデータを、「センサデータ」と呼ぶ。ここで特記事項として、ナビゲーションシステムによって提供される地図も「センサデータ」に同様に含まれると理解されたい。加えて、様々な車両構成要素の様々な動作パラメータ(本明細書では「動作データ」という)(例えば、タイヤの温度及び圧力、ステアリングホイールの角度及びトルク、車輪の速度、垂直方向、横方向、又は縦方向の加速度、ヨー角速度、ロール角速度、車両の傾き、振動、液位、グラスタンクの装荷の程度、電力貯蔵ユニットの電流及び充電状態など)を測定するための動作センサが提供される。
【0027】
図2は、本発明の第1の態様による自動制御システム100を更に説明するブロック図である。自動運転制御ユニット110は、電子ブレーキ支援EBA及び/又はコリドー追従支援CFAを作動させ得る。
【0028】
自動運転制御ユニットADCU110及び用具制御ユニットICU120の両方ともコンピュータ制御の電子回路であり、それぞれが少なくとも1つのプロセッサ及びメモリを備える。自動運転制御ユニット110は複数の運転支援機能を実行し、用具制御ユニット120は特定の農業支援機能を実行し、両方とも不揮発性記憶媒体1200に格納されたコンピュータプログラムとして動作して、多機能機器10を制御する。不揮発性コンピュータ可読記憶媒体1200は、少なくとも1つのメモリ1210を備え得る。
【0029】
自動運転制御ユニット110及び用具制御ユニット120の両方の機能が、以下の説明で詳述される。
【0030】
自動運転制御ユニット110に関連する運転機能は、例示的な実施形態では、電子ブレーキ支援EBA及びコリドー追従支援(CFA)であるが、これら2つの例に限定されるものではない。これらは公知であり、車両で使用されている。電子ブレーキ支援EBAは、緊急ブレーキアシストに由来し、基本的には、障害物が検知された場合に、検知された障害物までの距離及びホスト機器の速度に応じて、減速又は停止などの自動アクションが開始されることを意味する。コリドー追従支援CFAは、レーンクルージングアシストに由来し、コリドーが検出され、検出されたコリドーが空いている場合、コリドーに沿って等速で移動するなどの自動アクションがホスト機器によって開始されることを意味する。本明細書における説明では、このような機能を「一般的な車両機能」GVf、又は単に「車両機能」と呼ぶ。
【0031】
用具制御ユニット120によって制御される農業支援機能が存在する。本明細書における説明では、このような機能を「特定の支援機能」SAf、又は単に「特定の機能」と呼ぶ。特定の機能SAfとしては、限定されるものではないが、植林支援TPA、剪定支援PA、散布支援SA、草刈り支援MA、除雪支援PWA、収穫支援HA、及び作物の健康支援CHAが挙げられる。
【0032】
いくつかの実施形態は、表1に示すように、特定の農業機能に応じて作動/停止された一般的な車両機能の組み合わせに言及する。
【0033】
【表1】
【0034】
自動運転制御ユニット110は、ユーザインターフェース21を介して操作者から所定のタスクを受信するように構成され、ユーザインターフェース21は、例えば、ディスプレイとタッチ機能とを備えたヒューマンマシンインターフェースであってもよい。所定のタスクは、いくつかの実行すべき動作を含むことができ、各動作はコードによって識別され、自動制御システム110のメモリに格納される。より正確には、用具制御ユニット120は、自動運転制御ユニット110において受信された所定のタスクの実行を可能にする特定の支援機能SAfを作動又は停止させるように構成される。自動運転制御ユニット110は、特定の機能を作動又は停止させる命令を用具制御ユニット120に送信する。作動された特定の機能に基づいて、自動運転制御ユニット110は、格納された機能の定義、すなわち特定のステップを符号化したアルゴリズムにしたがって、且つ動作データ、センサデータ、及び位置情報データに基づいて、一般的な車両機能GVfのうちのいずれかを作動又は停止させる。
【0035】
例えば、操作者が「樹木剪定」のタスクを提供した場合、関連する支援機能-樹木剪定支援TPAが作動され、自動制御システム100の制御下でホスト機器10によって実行すべき一連の動作が開始され、現在作動されている樹木剪定支援機能にしたがって、上述の一般的な車両機能のうちのいずれかを作動又は停止させる動作コマンドで「移行」される、すなわち、電子ブレーキ支援EBAが作動され、コリドー追従支援CFAが停止される。
【0036】
更なる実施形態であるが、同様の仕方の更なる実施形態では、剪定支援PAが作動される場合に、電子ブレーキ支援EBAが作動され、コリドー追従支援CFAが停止される。更なる実施形態では、散布支援SAが作動される場合に、電子ブレーキ支援EBAが停止され、コリドー追従支援CFAが作動される。更なる実施形態では、草刈り支援MAが作動される場合に、電子ブレーキ支援EBAが停止され、コリドー追従支援CFAが作動される。別の実施形態では、除雪支援PWAが作動される場合に、電子ブレーキ支援EBAが停止され、コリドー追従支援CFAが作動される。別の実施形態では、収穫支援HAが作動される場合に、電子ブレーキ支援EBAが作動され、コリドー追従支援CFAが停止される。更に別の実施形態では、作物の健康支援CHAが作動される場合に、電子ブレーキ支援EBAが作動され、コリドー追従支援CFAが停止される。
【0037】
図3は、本発明の別の態様による、多機能機器10を動作させる自動制御方法を概説するフローチャートである。
【0038】
自動制御システムが、複数の特定の支援機能によって支援されたタスクを実行する命令を受信した場合、ステップ300~340、すなわち、
300 受信された実行すべきタスクに応じて、特定の支援機能SAf(以下の説明において詳述する)を作動させることと、
310 作動された特定の支援機能に応じて、一般的な車両機能を作動又は停止させることと、
320 自動制御システムによって、一般的な車両機能又は特定の支援機能をそれぞれ実行することができる複数のユニット又はアクチュエータを作動又は停止させることと、
330 作動された一般的な車両機能及び特定の機能にそれぞれ応じて特定の動作コマンドを生成することと、
340 タスクの実行ステータスを定期的にチェックし、異常な事象を通知し、タスクが実行されていることを通知することと
を含む自動制御方法が開始される。
【0039】
各支援機能は一連の特定のサブ動作を含み、一連の特定のサブ動作は以下の説明で詳述される。特定の動作、動作コマンド、入出力データなどを記載する、一般的な支援機能と特定の支援機能との両方の定義が、格納され、定期的に更新される。
【0040】
図4は、本開示の一実施形態による植林支援機能TPAを説明するフローチャートである。植林支援機能は、ステップ400~450、すなわち、
400 コリドー追従支援を停止させ、電子ブレーキ支援を作動させることと、
410 カメラ、レーダ、超音波及び/又はGPSセンサからのデータを含むセンサデータを取得することと、
420 取得されたセンサデータに基づいて、少なくとも1つの植林マーキングを探すことと、
1つの植林マーキングが検出された場合、430 特定のアクチュエータ、すなわちドリル及び植付アームを作動させることに進み、更に特定のコマンド、すなわち、
4310 ドリルを検出されたマーキングに移動させることと、
4320 孔を削孔することと、
4330 植付アームによって孔に樹木を植え付けることと、
4340 植付アームをホームポジションに移動させることと
を生成することと、
440 植林マーキングを更に探すことに進むことと、
450 植林マーキングが検出されない場合に終了することと
を含み得る。
【0041】
この特定の実施形態では、植林マーキングを検出することが、カメラセンサと、カメラセンサによって取得された画像内のマーキングを検出することができる既知の画像処理アルゴリズムを使用することによってなされ得る。マーキングの位置は、GPSを介して提供され、ホスト機器に取得/送信され得る。レーダ又は超音波センサも、地形上のマーキングの位置を検出し得る。
【0042】
図5は、本開示の一実施形態による剪定支援機能を説明するフローチャートである。樹木剪定支援は、ステップ500~560、すなわち、
500 コリドー追従支援を停止させ、電子ブレーキ支援を作動させることと、
510 カメラ、レーダ、超音波及び/又はGPSセンサからのデータを含むセンサデータを取得することと、
520 取得されたセンサデータに基づいて、剪定すべきとマークされた少なくとも1本の樹木を探すことと、
530 マークを付けられた樹木を探して、剪定すべき枝を検出することと、
540 少なくとも1つの剪定すべき枝が検出された場合、特定のアクチュエータ、すなわち剪定アーム及び鋏を作動させ、更に特定のコマンド、すなわち、
5410 アームを検出された枝に移動させることと、
5420 鋏を作動させることと、
5430 枝を剪定することと、
5440 剪定すべき枝が検出されなくなるまで繰り返すことと、
5450 アームをホームポジションに移動させることと、
5460 マークを付けられた樹木を更に探すことに進むことと
を生成することと、
560 枝が検出されない場合に終了することと
を含み得る。
【0043】
同様に、剪定すべき樹木を検出することが、カメラセンサと、カメラセンサによって取得された画像内の樹木及び樹木の枝を認識することができる既知の画像処理アルゴリズムを使用することによってなされ得る。樹木の位置は、GPSを介して提供され、ホスト機器に取得/送信され得る。レーダ又は超音波センサも、地形上の樹木の位置を検出し得る。画像ベースの樹木剪定アルゴリズムは、例えば、樹木の枝の位置、直径、長さ、及び向きを認識するように、また、これらのデータにしたがって、「近い2本の樹木の枝のうち、直径の小さい方を剪定する」、又は「近い2本の樹木の枝のうち、他方の枝と交差する枝を剪定する」などのルール及び条件を実行するように、用具制御ユニットにおいて樹木剪定支援機能に沿って実施され得る。
【0044】
図6は、本開示の一実施形態による散布支援機能を説明するフローチャートである。以下の特定の動作、すなわちステップ600~650、すなわち、
600 コリドー追従支援を作動させ、電子ブレーキ支援を停止させることと、
610 少なくともカメラ、レーダ、及びGPSセンサからのデータを含むセンサデータを取得することと、
620 取得されたセンサデータに基づいて、少なくとも1つの樹木の列を探し、樹木の列に接する中心に向かうコリドーを探すことと、
630 少なくとも1つの樹木の列及びコリドーが検出された場合、特定のアクチュエータ、すなわち散布器を作動させることに進み、更に特定のコマンド、すなわち、
6310 列の各樹木に肥料を施すことと、
6320 列にある樹木の次から次にコリドーを移動することと、
6330 列に樹木が検出されなくなるまで施肥及び移動を繰り返すことと
を生成することと、
640 樹木の列を更に探すことに進むことと、
650 樹木の列が検出されない場合、散布器を停止させて終了することと
が提示される。
【0045】
この場合も同様に、散布すべき樹木の列を検出することが、カメラセンサと、カメラセンサによって取得された画像内の樹木及び/又は樹木の列を認識することができる既知の画像処理アルゴリズムを使用することによってなされ得る。樹木の位置は、GPSを介して提供され、ホスト機器に取得/送信され得る。レーダ又は超音波センサも、樹木の並行な列間の横方向距離(コリドー幅)を含む地形上の樹木の位置を検出し得る。また、加えて、散布液の液位に関する動作データが、散布器に設けられた液位センサによって取得されてもよい。
【0046】
図7は、本開示の一実施形態による草刈り支援機能を説明するフローチャートである。以下の特定の動作700~780は、
700 コリドー追従支援を作動させ、電子ブレーキ支援を停止させることと、
710 少なくともカメラ、レーダ、及びGPSセンサからのデータを含むセンサデータを取得することと、
720 取得されたセンサデータに基づいて、ドックから、刈られていない芝生領域に移動することと、
730 特定のアクチュエータ、すなわち草刈り機を作動させることに進み、更に特定のコマンド、すなわち草刈りを開始することを生成することと、
740 障害物が検出された場合、障害物のタイプ、すなわち静的障害物か動的障害物かを判定することと、
7410 障害物が静的障害物である場合、7411 障害物を避けることに進むことと、
7420 障害物が動的障害物である場合、7421 スタンバイすることに進むことと、
障害物が検出されない場合、7510 グラスタンクが一杯に積み込まれるまで750 切断を続けることと、7520 通知を送信することと、7530 スタンバイに進むことと、7540 グラスタンクから荷降ろしすることと、
760 芝生領域が仕上げられるまで刈り続けることと、770 草刈り機を停止させる/草刈りを停止することと、780 ドックに戻り、終了することと
を含む。
【0047】
刈られていない芝生の位置及び向きは、地図を介して提供されてもよいし、テクスチャ及び色を解析することができ、また、この解析に基づいて刈られていない芝生領域があると判定することができる画像ベースのアルゴリズムによって認識されてもよい。別の可能性は、刈られていない芝生領域を区切るマーキングを使用することであり、これらのマーキングはレーダ又は超音波センサによって容易に検出される。更に、静的又は動的な障害物の存在、サイズ、及び向きを検出することも、画像又はレーダデータ解析に基づいて可能であり得る。ドックに戻る動作は、本質的には自動駐車手順と同様であり、開始位置(基本的に草刈りタスクが終了した時点でのホスト機器の位置)と終了位置(基本的にホスト機器が駐車しているドックの位置)とを入力データとして予め定義され得る。自動運転ユニット110は、ホスト機器がドックに戻る際の軌道を設計するだけでなく、この軌道を最適化することができる特定のアルゴリズムも含むようにプログラムされ得る。
【0048】
図8は、本開示の一実施形態による除雪支援機能を説明するフローチャートである。以下の特定の動作が、一連のステップ800~870、すなわち、
800 コリドー追従支援を作動させ、電子ブレーキ支援を停止させることと、
810 少なくともカメラ、レーダ、及びGPSセンサからのデータを含むセンサデータを取得することと、
820 取得されたセンサデータに基づいて、周囲で雪に覆われた領域を探すことと、
830 1つの雪に覆われた領域が検出された場合、雪の深さをチェックすることと、
840 特定のアクチュエータ、すなわち除雪機を作動させることに進むことと、
850 雪に覆われた領域が検出されなくなるまで雪を取り除くことと、
860 雪に覆われた領域が検出されない場合、地面をチェックすることと、
870 除雪機をホームポジションに戻して、終了することと
として提供される。
【0049】
図9は、本開示の一実施形態による収穫支援機能を説明するフローチャートである。以下の特定のサブ動作が、ステップ900~980、すなわち、
900 コリドー追従支援を停止させ、電子ブレーキ支援を作動させることと、
910 少なくともカメラ、レーダ、及びGPSセンサからのデータを含むセンサデータを取得することと、
920 取得されたセンサデータに基づいて、果房を検出するように探すことと、
930 果房が検出された場合、
940 熟した果房があるか否かを検出することに進むことと、
950 熟した果房がある場合、特定のアクチュエータ、すなわち鋏を備えたアームを作動させ、鋏を作動させ、更に特定のコマンド、960 すなわち果房を切ることを生成することと、
970 熟した果房がない場合、次の果房に移動し、熟した果房が検出されなくなるまで繰り返すことと、
980 次の果物の樹木に移動し、果房が検出されなくなるまで繰り返し、終了することと
において提供される。
【0050】
熟した果実を検出するための異なる技法が既に知られており、主に、ニューラルネットワーク、エッジ検出、カラーセグメンテーション、k平均法などを採用したAIベースの画像処理アルゴリズムによる技法が知られている。
【0051】
図10は、本開示の一実施形態による作物の健康支援機能を説明するフローチャートである。以下の特定の動作が、ステップ1000~1050、すなわち、
1000 コリドー追従支援を停止させ、電子ブレーキ支援を作動させることと、
1010 少なくともカメラ、レーダ、及びGPSセンサからのデータを含むセンサデータを取得することと、
1020 取得されたセンサデータに基づいて、作物を検出するように探すことと、
1030 作物が検出されない場合、最も近い領域を調べることと、
1040 作物が検出された場合、検出された作物の葉を検出することに進むことと、
1050 葉が検出された場合、特定のアクチュエータ、すなわちポロメータを備えたアームを作動させ、更に特定のコマンド、すなわち、1060 アームを葉に移動させることと、ポロメータを作動させることと、葉の含水量をチェックすることとを生成することと、
1070 葉の色を検出することと、
1080 所定の回数繰り返した後、1090 終了することと
において提供される。
【0052】
葉の含水量を測定するためにポロメータセンサを使用する他に、機械視覚ベースのアルゴリズムが使用されてもよい。このようなアルゴリズムは既に知られており、作物の健康ステータスを判定する非侵襲的技法として農業で使用されている。
【符号の説明】
【0053】
10 多機能機器
11 モバイルプラットフォーム
12 電源ユニット
13 車輪
14 トラクション制御ユニット
15 ブレーキシステム
16 ステアリングシステム
17 センサ
18 アームキャリッジシステム
19 特定のアクチュエータ
20 用具連結システム
21 ユーザインターフェース
22 無線通信手段
23 ユーザ機器
100 自動制御ユニット
110 自動運転制御ユニット
120 用具制御ユニット
300~340 自動制御方法のステップ
400~450 植林支援TPAの動作
500~560 剪定支援PAの動作
600~650 散布支援SAの動作
700~780 草刈り支援MAの動作
800~870 除雪支援SPAの動作
900~980 収穫支援HAの動作
1000~1090 作物の健康支援CHAの動作
1200 非一時的コンピュータ可読媒体
1210 メモリ
TPA 植林支援
PA 剪定支援
SA 散布支援
MA 草刈り支援
PWA 除雪支援
HA 収穫支援
CHA 作物の健康支援
CFA コリドー追従支援
EBA 電子ブレーキ支援
SAf 特定の支援機能
GVf 一般的な車両機能
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2023-10-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0052】
葉の含水量を測定するためにポロメータセンサを使用する他に、機械視覚ベースのアルゴリズムが使用されてもよい。このようなアルゴリズムは既に知られており、作物の健康ステータスを判定する非侵襲的技法として農業で使用されている。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の観点として以下も含む。
1.
多機能機器のための自動制御システムであって、前記制御システムが、
1つ以上の動作を含むタスクを実行する命令を受信するように、
且つ一般的な車両機能を作動又は停止させるように構成された自動運転制御ユニットと、
前記受信されたタスクの実行を可能にする特定の支援機能を作動又は停止させる命令を受信するように構成された用具制御ユニットと
を備え、
前記自動運転制御ユニットが、前記用具制御ユニットに命令を送信したり、前記用具制御ユニットから命令を受信したりして、いずれかの作動された特定の機能に直接応じて前記一般的な車両機能のいずれかを作動又は停止させることを特徴とする、自動制御システム。
2.
前記一般的な車両機能が、電子ブレーキ支援及びコリドー追従支援を含むことを特徴とする、上記1に記載の自動制御システム。
3.
前記特定の支援機能が、植林支援、剪定支援、散布支援、草刈り支援、除雪支援、収穫支援、及び作物の健康支援を含むことを特徴とする、上記1に記載の自動制御システム。
4.
前記植林支援が作動される場合に、前記電子ブレーキ支援が作動され、前記コリドー追従支援が停止されることを特徴とする、上記1~3のいずれか一つに記載の自動制御システム。
5.
前記剪定補助が作動される場合に、前記電子ブレーキ支援が作動され、前記コリドー追従支援が停止されることを特徴とする、上記1~3のいずれか一つに記載の自動制御システム。
6.
前記散布支援が作動される場合に、前記電子ブレーキが停止され、前記コリドー追従支援が作動されることを特徴とする、上記1~3のいずれか一つに記載の自動制御システム。
7.
前記草刈り支援が作動される場合に、前記電子ブレーキ支援が停止され、前記コリドー追従支援が作動されることを特徴とする、上記1~3のいずれか一つに記載の自動制御システム。
8.
前記除雪支援が作動される場合に、前記電子ブレーキ支援が停止され、前記コリドー追従支援が作動されることを特徴とする、上記1~3のいずれか一つに記載の自動制御システム。
9.
前記収穫支援が作動される場合に、前記電子ブレーキ支援が作動され、前記コリドー追従支援が停止されることを特徴とする、上記1~3のいずれか一つに記載の自動制御システム。
10.
前記作物の健康支援が作動される場合に、前記電子ブレーキ支援が作動され、前記コリドー追従支援が停止されることを特徴とする、上記1~3のいずれか一つに記載の自動制御システム。
11.
前記用具制御ユニットが、前記作動された特定の支援機能にしたがって特定のアクチュエータを使用可能にすることを特徴とする、上記1~10のいずれか一つに記載の自動制御システム。
12.
自動制御システムによって多機能機器を動作させる自動制御方法であって、前記自動制御システムが、複数の特定の支援機能によって支援されるタスクを実行する命令を受信し、前記自動制御方法が、
前記受信された実行すべきタスクに応じて、特定の支援機能を作動させることと、
前記作動された特定の支援機能に応じて、一般的な車両機能を作動又は停止させることと、
前記自動制御システムによって、一般的な車両機能又は特定の支援機能をそれぞれ実行することができる複数のユニット又はアクチュエータを作動又は停止させることと、
前記作動された一般的な車両機能及び特定の機能にそれぞれ応じて動作コマンドを生成することと、
前記タスクの実行ステータスを定期的にチェックし、異常な事象を通知し、前記タスクが実行されていることを通知することと
を含む、自動制御方法。
13.
前記複数の特定の支援機能が、植林支援、剪定支援、散布支援、草刈り支援、除雪支援、収穫支援、及び作物の健康支援を含み、各支援機能が一連の特定のサブ動作を含むことを特徴とする、上記12に記載の自動制御方法。
14.
前記植林支援機能が、
(400)コリドー追従支援を停止させ、電子ブレーキ支援を作動させることと、
(410)カメラ、レーダ、超音波及び/又はGPSセンサからのデータを含むセンサデータを取得することと、
(420)前記取得されたデータに基づいて、少なくとも1つの植林マーキングを探し、1つの植林マーキングが検出された場合、(430)特定のアクチュエータ、すなわちドリル及び植付アームを作動させることに進み、更に特定のコマンド、すなわち、(4310)前記ドリルを前記検出されたマーキングに移動させることと、(4320)孔を削孔することと、(4330)前記植付アームによって前記孔に前記樹木を植え付けることと、(4340)前記植付アームをホームポジションに移動させることとを生成することと、
(440)植林マーキングを更に探すことに進むことと、
(450)植林マーキングが検出されない場合に終了することと
を含むことを特徴とする、上記12又は13に記載の自動制御方法。
15.
前記剪定支援機能が、
(500)コリドー追従支援を停止させ、電子ブレーキ支援を作動させることと、
(510)カメラ、レーダ、超音波及び/又はGPSセンサからのデータを含むセンサデータを取得することと、
(520)前記取得されたセンサデータに基づいて、剪定すべきとマークされた少なくとも1本の樹木を探すことと、
(530)前記マークを付けられた樹木を探して、剪定すべき枝を検出することと、
(540)少なくとも1つの剪定すべき枝が検出された場合、特定のアクチュエータ、すなわち剪定アーム及び鋏を作動させることに進み、更に特定のコマンド、すなわち、
(5410)前記アームを前記検出された枝に移動させることと、(5420)前記鋏を作動させることと、
(5430)枝を剪定することと、(5440)剪定すべき枝が検出されなくなるまで繰り返し、(5450)前記アームをホームポジションに移動させることと
を生成することと、
(550)マークを付けられた樹木を更に探すことに進むことと、
(560)マークを付けられた樹木が検出されない場合に終了することと
を含むことを特徴とする、上記12又は13に記載の自動制御方法。
16.
前記散布支援(SA)機能が、
(600)コリドー追従支援を作動させ、電子ブレーキ支援を停止させることと、
(610)少なくともカメラ、レーダ、及びGPSセンサからのデータを含むセンサデータを取得することと、
(620)前記取得されたセンサデータに基づいて、少なくとも1つの樹木の列を探し、前記樹木の列に接する中心に向かうコリドーを探すことと、
(630)少なくとも1つの樹木の列及び前記コリドーが検出された場合、特定のアクチュエータ、すなわち散布器を作動させることに進み、更に特定のコマンド、すなわち、(6310)前記列の各樹木に肥料を施すことと、(6320)前記列にある樹木の次から次に前記コリドーを移動することと、(6330)前記列に樹木が検出されなくなるまで施肥及び移動を繰り返すこととを生成することと、
(640)樹木の列を更に探すことに進むことと、
樹木の列が検出されない場合、(650)前記散布器を停止させて終了することと
を含むことを特徴とする、上記12又は13に記載の自動制御方法。
17.
前記草刈り支援(MA)機能が、(700)コリドー追従支援を作動させ、電子ブレーキ支援を停止させることと、
(710)少なくともカメラ、レーダ、及びGPSセンサからのデータを含むセンサデータを取得することと、
(720)前記取得されたセンサデータに基づいて、ドックから、刈られていない芝生領域に移動することと、
(730)特定のアクチュエータ、すなわち草刈り機を作動させることに進み、更に特定のコマンド、すなわち草刈りを開始することを生成することと、
(740)障害物が検出された場合、障害物のタイプ、すなわち静的障害物か動的障害物かを判定することと、
(7410)前記障害物が静的障害物である場合、(7411)前記障害物を避けることに進むことと、
(7420)前記障害物が動的障害物である場合、(7421)スタンバイすることに進むことと、
障害物が検出されない場合、(7510)グラスタンクが一杯に積み込まれるまで(750)切断を続けることと、(7520)通知を送信することと、(7530)スタンバイに進むことと、(7540)前記グラスタンクから荷降ろしすることと、
(760)前記芝生領域が仕上げられるまで刈り続けることと、(770)前記草刈り機を停止させる/草刈りを停止することと、(780)ドックに戻り、終了することと
を含むことを特徴とする、上記12又は13に記載の自動制御方法。
18.
前記除雪支援機能が、
(800)コリドー追従支援を作動させ、電子ブレーキ支援を停止させることと、
(810)少なくともカメラ、レーダ、及びGPSセンサからのデータを含むセンサデータを取得することと、
(820)前記取得されたセンサデータに基づいて、周囲で雪に覆われた領域を探すことと、
(830)1つの雪に覆われた領域が検出された場合、雪の深さをチェックすることと、
(840)特定のアクチュエータ、すなわち除雪機を作動させることに進み、更に特定のコマンド、すなわち、(850)雪に覆われた領域が検出されなくなるまで雪を取り除くことを生成することと、
雪に覆われた領域が検出されない場合、(860)地面をチェックすることと、
(870)前記除雪機をホームポジションに戻して、終了することと
を含むことを特徴とする、上記12又は13に記載の自動制御方法。
19.
前記収穫支援機能が、
(900)コリドー追従支援を停止させ、電子ブレーキ支援を作動させることと、
(910)少なくともカメラ、レーダ、及びGPSセンサからのデータを含むセンサデータを取得することと、
(920)前記取得されたセンサデータに基づいて、果房を検出するように探すことと、
(930)果房が検出された場合、
(940)熟した果房があるか否かを検出することに進むことと、
(950)熟した果房がある場合、特定のアクチュエータ、すなわち鋏を備えたアームを作動させ、鋏を作動させ、更に特定のコマンド、すなわち(960)果房を切ることを生成することと、
(970)熟した果房がない場合、次の果房に移動し、熟した果房が検出されなくなるまで繰り返すことと、
(980)次の果物の樹木に移動し、果房が検出されなくなるまで繰り返し、終了することと
を含むことを特徴とする、上記12又は13に記載の自動制御方法。
20.
前記作物の健康支援機能が、
(1000)コリドー追従支援を停止させ、電子ブレーキ支援を作動させることと、
(1010)少なくともカメラ、レーダ、及びGPSセンサからのデータを含むセンサデータを取得することと、
(1020)前記取得されたセンサデータに基づいて、作物を検出するように探すことと、
(1030)作物が検出されない場合、最も近い領域を調べることと、
(1040)作物が検出された場合、前記検出された作物の葉を検出することに進むことと、
(1050)葉が検出された場合、特定のアクチュエータ、すなわちポロメータを備えたアームを作動させ、更に特定のコマンド、すなわち(1060)前記アームを前記葉に移動させることと、前記ポロメータを作動させることと、葉の含水量をチェックすることとを生成することと、
(1070)葉の色を検出することと、
(1080)所定の回数繰り返した後、(1090)終了することと
を含むことを特徴とする、上記12又は13に記載の自動制御方法。
21.
前記複数のセンサから取得されたデータが、センサデータ、位置情報、及び動作データを含むことを特徴とする、上記12~20のいずれか一つに記載の自動制御方法。
22.
自動制御システムの1つ以上のプロセッサに上記12~20のいずれか一つに記載の自動制御方法を実行させる命令を格納する少なくとも1つのメモリ
を備える非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
23.
電源ユニット(12)を備えたモバイルプラットフォーム(11)と、
前記モバイルプラットフォーム(11)を支持する複数の車輪(13)と、
トラクション制御ユニット(14)と、
ブレーキシステム(15)及びステアリングシステム(16)であって、それぞれが前記車輪のうちの1つ以上に動作可能に結合される、ブレーキシステム(15)及びステアリングシステム(16)と、
前記多機能機器の周囲からデータを収集し、前記収集されたデータを処理し、センサデータを提供することができる複数のセンサ(17)と、
アームキャリッジシステム(18)と、
用具連結システム(20)と、
前記アームキャリッジシステム(18)上、又は前記用具連結システム(20)上に固定可能な複数の交換可能なアクチュエータ(19)と、
ユーザインターフェース(21)と
を備える、多機能機器(10)において、
前記多機能機器が、
前記トラクション制御ユニット(14)、前記ブレーキシステム(15)、前記ステアリングシステム(16)、前記用具連結システム(20)、及び前記アームキャリッジシステム(18)と通信する、上記1に記載の自動制御システム(100)
を更に備え、
前記自動制御システムが、上記12に記載の自動制御方法にしたがって動作コマンドを生成するように構成され、前記動作コマンドが、前記ユーザインターフェース(21)を介して操作者によって提供される所定のタスクに応答する、多機能機器(10)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多機能機器のための自動制御システムであって、前記制御システムが、
1つ以上の動作を含むタスクを実行する命令を受信するように、
且つ一般的な車両機能を作動又は停止させるように構成された自動運転制御ユニットと、
前記受信されたタスクの実行を可能にする特定の支援機能を作動又は停止させる命令を受信するように構成された用具制御ユニットと
を備え、
前記自動運転制御ユニットが、前記用具制御ユニットに命令を送信したり、前記用具制御ユニットから命令を受信したりして、いずれかの作動された特定の機能に直接応じて前記一般的な車両機能のいずれかを作動又は停止させることを特徴とする、自動制御システム。
【請求項2】
前記一般的な車両機能が、電子ブレーキ支援及びコリドー追従支援を含むことを特徴とする、請求項1に記載の自動制御システム。
【請求項3】
前記特定の支援機能が、植林支援、剪定支援、散布支援、草刈り支援、除雪支援、収穫支援、及び作物の健康支援を含むことを特徴とする、請求項1に記載の自動制御システム。
【請求項4】
前記植林支援が作動される場合に、前記電子ブレーキ支援が作動され、前記コリドー追従支援が停止されることを特徴とする、請求項1に記載の自動制御システム。
【請求項5】
前記剪定補助が作動される場合に、前記電子ブレーキ支援が作動され、前記コリドー追従支援が停止されることを特徴とする、請求項1に記載の自動制御システム。
【請求項6】
前記散布支援が作動される場合に、前記電子ブレーキが停止され、前記コリドー追従支援が作動されることを特徴とする、請求項1に記載の自動制御システム。
【請求項7】
前記草刈り支援が作動される場合に、前記電子ブレーキ支援が停止され、前記コリドー追従支援が作動されることを特徴とする、請求項1に記載の自動制御システム。
【請求項8】
前記除雪支援が作動される場合に、前記電子ブレーキ支援が停止され、前記コリドー追従支援が作動されることを特徴とする、請求項1に記載の自動制御システム。
【請求項9】
前記収穫支援が作動される場合に、前記電子ブレーキ支援が作動され、前記コリドー追従支援が停止されることを特徴とする、請求項1に記載の自動制御システム。
【請求項10】
前記作物の健康支援が作動される場合に、前記電子ブレーキ支援が作動され、前記コリドー追従支援が停止されることを特徴とする、請求項1に記載の自動制御システム。
【請求項11】
前記用具制御ユニットが、前記作動された特定の支援機能にしたがって特定のアクチュエータを使用可能にすることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の自動制御システム。
【請求項12】
自動制御システムによって多機能機器を動作させる自動制御方法であって、前記自動制御システムが、複数の特定の支援機能によって支援されるタスクを実行する命令を受信し、前記自動制御方法が、
前記受信された実行すべきタスクに応じて、特定の支援機能を作動させることと、
前記作動された特定の支援機能に応じて、一般的な車両機能を作動又は停止させることと、
前記自動制御システムによって、一般的な車両機能又は特定の支援機能をそれぞれ実行することができる複数のユニット又はアクチュエータを作動又は停止させることと、
前記作動された一般的な車両機能及び特定の機能にそれぞれ応じて動作コマンドを生成することと、
前記タスクの実行ステータスを定期的にチェックし、異常な事象を通知し、前記タスクが実行されていることを通知することと
を含む、自動制御方法。
【請求項13】
前記複数の特定の支援機能が、植林支援、剪定支援、散布支援、草刈り支援、除雪支援、収穫支援、及び作物の健康支援を含み、各支援機能が一連の特定のサブ動作を含むことを特徴とする、請求項12に記載の自動制御方法。
【請求項14】
前記植林支援機能が、
(400)コリドー追従支援を停止させ、電子ブレーキ支援を作動させることと、
(410)カメラ、レーダ、超音波及び/又はGPSセンサからのデータを含むセンサデータを取得することと、
(420)前記取得されたデータに基づいて、少なくとも1つの植林マーキングを探し、1つの植林マーキングが検出された場合、(430)特定のアクチュエータ、すなわちドリル及び植付アームを作動させることに進み、更に特定のコマンド、すなわち、(4310)前記ドリルを前記検出されたマーキングに移動させることと、(4320)孔を削孔することと、(4330)前記植付アームによって前記孔に前記樹木を植え付けることと、(4340)前記植付アームをホームポジションに移動させることとを生成することと、
(440)植林マーキングを更に探すことに進むことと、
(450)植林マーキングが検出されない場合に終了することと
を含むことを特徴とする、請求項12に記載の自動制御方法。
【請求項15】
前記剪定支援機能が、
(500)コリドー追従支援を停止させ、電子ブレーキ支援を作動させることと、
(510)カメラ、レーダ、超音波及び/又はGPSセンサからのデータを含むセンサデータを取得することと、
(520)前記取得されたセンサデータに基づいて、剪定すべきとマークされた少なくとも1本の樹木を探すことと、
(530)前記マークを付けられた樹木を探して、剪定すべき枝を検出することと、
(540)少なくとも1つの剪定すべき枝が検出された場合、特定のアクチュエータ、すなわち剪定アーム及び鋏を作動させることに進み、更に特定のコマンド、すなわち、
(5410)前記アームを前記検出された枝に移動させることと、(5420)前記鋏を作動させることと、
(5430)枝を剪定することと、(5440)剪定すべき枝が検出されなくなるまで繰り返し、(5450)前記アームをホームポジションに移動させることと
を生成することと、
(550)マークを付けられた樹木を更に探すことに進むことと、
(560)マークを付けられた樹木が検出されない場合に終了することと
を含むことを特徴とする、請求項12に記載の自動制御方法。
【請求項16】
前記散布支援(SA)機能が、
(600)コリドー追従支援を作動させ、電子ブレーキ支援を停止させることと、
(610)少なくともカメラ、レーダ、及びGPSセンサからのデータを含むセンサデータを取得することと、
(620)前記取得されたセンサデータに基づいて、少なくとも1つの樹木の列を探し、前記樹木の列に接する中心に向かうコリドーを探すことと、
(630)少なくとも1つの樹木の列及び前記コリドーが検出された場合、特定のアクチュエータ、すなわち散布器を作動させることに進み、更に特定のコマンド、すなわち、(6310)前記列の各樹木に肥料を施すことと、(6320)前記列にある樹木の次から次に前記コリドーを移動することと、(6330)前記列に樹木が検出されなくなるまで施肥及び移動を繰り返すこととを生成することと、
(640)樹木の列を更に探すことに進むことと、
樹木の列が検出されない場合、(650)前記散布器を停止させて終了することと
を含むことを特徴とする、請求項12に記載の自動制御方法。
【請求項17】
前記草刈り支援(MA)機能が、(700)コリドー追従支援を作動させ、電子ブレーキ支援を停止させることと、
(710)少なくともカメラ、レーダ、及びGPSセンサからのデータを含むセンサデータを取得することと、
(720)前記取得されたセンサデータに基づいて、ドックから、刈られていない芝生領域に移動することと、
(730)特定のアクチュエータ、すなわち草刈り機を作動させることに進み、更に特定のコマンド、すなわち草刈りを開始することを生成することと、
(740)障害物が検出された場合、障害物のタイプ、すなわち静的障害物か動的障害物かを判定することと、
(7410)前記障害物が静的障害物である場合、(7411)前記障害物を避けることに進むことと、
(7420)前記障害物が動的障害物である場合、(7421)スタンバイすることに進むことと、
障害物が検出されない場合、(7510)グラスタンクが一杯に積み込まれるまで(750)切断を続けることと、(7520)通知を送信することと、(7530)スタンバイに進むことと、(7540)前記グラスタンクから荷降ろしすることと、
(760)前記芝生領域が仕上げられるまで刈り続けることと、(770)前記草刈り機を停止させる/草刈りを停止することと、(780)ドックに戻り、終了することと
を含むことを特徴とする、請求項12に記載の自動制御方法。
【請求項18】
前記除雪支援機能が、
(800)コリドー追従支援を作動させ、電子ブレーキ支援を停止させることと、
(810)少なくともカメラ、レーダ、及びGPSセンサからのデータを含むセンサデータを取得することと、
(820)前記取得されたセンサデータに基づいて、周囲で雪に覆われた領域を探すことと、
(830)1つの雪に覆われた領域が検出された場合、雪の深さをチェックすることと、
(840)特定のアクチュエータ、すなわち除雪機を作動させることに進み、更に特定のコマンド、すなわち、(850)雪に覆われた領域が検出されなくなるまで雪を取り除くことを生成することと、
雪に覆われた領域が検出されない場合、(860)地面をチェックすることと、
(870)前記除雪機をホームポジションに戻して、終了することと
を含むことを特徴とする、請求項12に記載の自動制御方法。
【請求項19】
前記収穫支援機能が、
(900)コリドー追従支援を停止させ、電子ブレーキ支援を作動させることと、
(910)少なくともカメラ、レーダ、及びGPSセンサからのデータを含むセンサデータを取得することと、
(920)前記取得されたセンサデータに基づいて、果房を検出するように探すことと、
(930)果房が検出された場合、
(940)熟した果房があるか否かを検出することに進むことと、
(950)熟した果房がある場合、特定のアクチュエータ、すなわち鋏を備えたアームを作動させ、鋏を作動させ、更に特定のコマンド、すなわち(960)果房を切ることを生成することと、
(970)熟した果房がない場合、次の果房に移動し、熟した果房が検出されなくなるまで繰り返すことと、
(980)次の果物の樹木に移動し、果房が検出されなくなるまで繰り返し、終了することと
を含むことを特徴とする、請求項12に記載の自動制御方法。
【請求項20】
前記作物の健康支援機能が、
(1000)コリドー追従支援を停止させ、電子ブレーキ支援を作動させることと、
(1010)少なくともカメラ、レーダ、及びGPSセンサからのデータを含むセンサデータを取得することと、
(1020)前記取得されたセンサデータに基づいて、作物を検出するように探すことと、
(1030)作物が検出されない場合、最も近い領域を調べることと、
(1040)作物が検出された場合、前記検出された作物の葉を検出することに進むことと、
(1050)葉が検出された場合、特定のアクチュエータ、すなわちポロメータを備えたアームを作動させ、更に特定のコマンド、すなわち(1060)前記アームを前記葉に移動させることと、前記ポロメータを作動させることと、葉の含水量をチェックすることとを生成することと、
(1070)葉の色を検出することと、
(1080)所定の回数繰り返した後、(1090)終了することと
を含むことを特徴とする、請求項12に記載の自動制御方法。
【請求項21】
前記複数のセンサから取得されたデータが、センサデータ、位置情報、及び動作データを含むことを特徴とする、請求項12~20のいずれか一項に記載の自動制御方法。
【請求項22】
自動制御システムの1つ以上のプロセッサに請求項12~20のいずれか一項に記載の自動制御方法を実行させる命令を格納する少なくとも1つのメモリ
を備える非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項23】
電源ユニット(12)を備えたモバイルプラットフォーム(11)と、
前記モバイルプラットフォーム(11)を支持する複数の車輪(13)と、
トラクション制御ユニット(14)と、
ブレーキシステム(15)及びステアリングシステム(16)であって、それぞれが前記車輪のうちの1つ以上に動作可能に結合される、ブレーキシステム(15)及びステアリングシステム(16)と、
前記多機能機器の周囲からデータを収集し、前記収集されたデータを処理し、センサデータを提供することができる複数のセンサ(17)と、
アームキャリッジシステム(18)と、
用具連結システム(20)と、
前記アームキャリッジシステム(18)上、又は前記用具連結システム(20)上に固定可能な複数の交換可能なアクチュエータ(19)と、
ユーザインターフェース(21)と
を備える、多機能機器(10)において、
前記多機能機器が、
前記トラクション制御ユニット(14)、前記ブレーキシステム(15)、前記ステアリングシステム(16)、前記用具連結システム(20)、及び前記アームキャリッジシステム(18)と通信する、請求項1に記載の自動制御システム(100)
を更に備え、
前記自動制御システムが、請求項12に記載の自動制御方法にしたがって動作コマンドを生成するように構成され、前記動作コマンドが、前記ユーザインターフェース(21)を介して操作者によって提供される所定のタスクに応答する、多機能機器(10)。
【外国語明細書】