(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078430
(43)【公開日】2024-06-10
(54)【発明の名称】衣服用弾性バンドおよび弾性バンドを用いた衣服
(51)【国際特許分類】
A41C 1/00 20060101AFI20240603BHJP
A41D 27/00 20060101ALI20240603BHJP
A41B 9/02 20060101ALI20240603BHJP
A41B 9/04 20060101ALI20240603BHJP
A41B 11/14 20060101ALI20240603BHJP
A41C 3/00 20060101ALI20240603BHJP
A41C 3/12 20060101ALI20240603BHJP
【FI】
A41C1/00 G
A41D27/00 C
A41B9/02 J
A41B9/04 B
A41B11/14 D
A41C3/00 A
A41C3/12 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023197780
(22)【出願日】2023-11-22
(31)【優先権主張番号】202223170941.9
(32)【優先日】2022-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523275743
【氏名又は名称】広東智行制衣科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Guangdong Zhixing Garment Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】3-4 Floors, No. 18, Zhongfan Road, Torch Development Zone, Zhongshan, Guangdong Province, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001298
【氏名又は名称】弁理士法人森本国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】陳 徳芳
(72)【発明者】
【氏名】蔡 修挺
【テーマコード(参考)】
3B018
3B035
3B128
3B131
【Fターム(参考)】
3B018HA02
3B018HB01
3B035AB05
3B035AC08
3B035AC10
3B128EA02
3B128EB23
3B128EB26
3B128EC12
3B128FC04
3B131AB06
3B131AB11
3B131BA21
3B131DA10
(57)【要約】
【課題】衣服用の弾性バンドの形態が不変であることを確保するとともに、その弾性力を2倍にし、下着などの衣服に確実に固定し、縫合を必要とせず、縫合ヘの依存を不要とし、完全なフィット感を実現して、衣服の着用感および清潔さを向上させる。
【解決手段】衣服用弾性バンド1であって、バンド本体10を含む。バンド本体10は、弾性バンド1の長さ方向わたるバンド中央部に沿って横断面U字形に折り畳まれ、横断面U字形に折り畳まれたバンド本体10が衣服6の生地の端縁7に被せられた状態で、端縁7に接着されることができるものである。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣服用弾性バンド(1)であって、バンド本体(10)を含み、前記バンド本体(10)は、弾性バンド(1)の長さ方向わたるバンド中央部に沿って横断面U字形に折り畳まれ、前記横断面U字形に折り畳まれたバンド本体(10)が衣服(6)の生地の端縁(7)に被せられた状態で、前記端縁(7)に接着されることができるものであることを特徴とする衣服用弾性バンド。
【請求項2】
0
バンド本体(10)は、このバンド本体(10)を構成する帯状体の一端部と他端部とが接続されて、その接続箇所に接続構造(12)が設けられたリング状に接続されていることを特徴とする請求項1記載の衣服用弾性バンド。
【請求項3】
接続構造(12)は、芯のない縫合構造を含むことを特徴とする請求項2記載の衣服用弾性バンド。
【請求項4】
接続構造(12)は、バンド本体(10)の外側部分に設けられた接続布を含み、前記接続布は、バンド本体(10)の一端部と他端部との接続箇所に接着されていることを特徴とする請求項2記載の衣服用弾性バンド。
【請求項5】
バンド本体(10)は、弾性体と、この弾性体の弾性変形に追従する伸縮性生地との一体成形構造を有することを特徴とする請求項1記載の衣服用弾性バンド。
【請求項6】
バンド本体(10)の外側の面に標識パターンが設けられていることを特徴とする請求項1記載の衣服用弾性バンド。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の衣服用弾性バンド(1)のバンド本体(10)が、この衣服用弾性バンド(1)の長さ方向わたるバンド中央部に沿って横断面U字形に折り畳まれ、前記横断面U字形に折り畳まれたバンド本体(10)が、衣服(6)の生地の端縁(7)に被せられた状態で、前記端縁(7)に接着されていることを特徴とする衣服。
【請求項8】
下着であることを特徴とする請求項7記載の衣服。
【請求項9】
下着が、パンティーと、スポーツブラジャーと、バックホック型ブラジャーと、フロントホック型ブラジャーとのいずれかであることを特徴とする請求項8記載の衣服。
【請求項10】
ヨガパンツであることを特徴とする請求項7記載の衣服。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は衣服用弾性バンドおよび弾性バンドを用いた衣服に関する。このような衣服としては、たとえば、パンティー、スポーツブラジャー、バックホック型ブラジャー、フロントホック型ブラジャーなどの下着や、ヨガパンツなどが挙げられる。
【背景技術】
【0002】
パンティーは、下半身にぴったりとフィットする下着の一種であり、男性用と女性用の2種類に分けられ、性差によって、デザインもますます多くなっている。女性にとってブラジャーは欠かせない日用品であり、胸を寄せたり、胸の垂れを防止したりする機能があり、女性に自信をもたらす。既存のシームレスパンティー、ブラジャーの一部は、主に弾性バンドをブラジャー/パンティーに縫製により取り付けている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2018-526539号公報(段落0003)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在、弾性バンドとパンティー/ブラジャーとの接続方式は主に単層構造によって接続されている。その場合は、全体的な弾性力が不足しており、長期間使用すると、弾性バンドは変形が生じやすく、弾性バンドの弾性力が大幅に低下して、パンティー/ブラジャーを支持・固定できなくなる。
【0005】
本発明は、衣服用の弾性バンドの形態が不変であることを確保するとともに、その弾性力を2倍にし、下着などの衣服に確実に固定し、縫合を必要とせず、縫合ヘの依存を不要とし、完全なフィット感を実現して、衣服の着用感および清潔さを向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の技術的な課題解決手段によって実現される。すなわち本発明の衣服用弾性バンドは、バンド本体を含み、このバンド本体は、弾性バンドの長さ方向わたるバンド中央部に沿って横断面U字形に折り畳まれ、この横断面U字形に折り畳まれたバンド本体が衣服の生地の端縁に被せられた状態で、この生地の端縁に接着されることができるものであることを特徴とする。
【0007】
本発明の衣服用弾性バンドによれば、バンド本体は、このバンド本体を構成する帯状体の一端部と他端部とが接続されて、その接続箇所に接続構造が設けられたリング状に接続されていることが好適である。
【0008】
本発明の衣服用弾性バンドによれば、接続構造は、芯のない縫合構造を含むことが好適である。あるいは、接続構造は、バンド本体の外側部分に設けられた接続布を含み、この接続布は、バンド本体の一端部と他端部との接続箇所に接着されていることが好適である。
【0009】
本発明の衣服用弾性バンドによれば、バンド本体は、弾性体と、この弾性体の弾性変形に追従する伸縮性生地との一体成形構造を有することが好適である。
【0010】
本発明の衣服用弾性バンドによれば、バンド本体の外側の面に標識パターンが設けられていることが好適である。
【0011】
本発明の衣服は、上述の衣服用弾性バンドのバンド本体が、この衣服用弾性バンドの長さ方向わたるバンド中央部に沿って横断面U字形に折り畳まれ、この横断面U字形に折り畳まれたバンド本体が、衣服の生地の端縁に被せられた状態で、この端縁に接着されていることを特徴とする。
【0012】
本発明の衣服は、下着であることが好適である。この下着は、パンティーと、スポーツブラジャーと、バックホック型ブラジャーと、フロントホック型ブラジャーとのいずれかであることが好適である。
あるいは、本発明の衣服は、ヨガパンツであることが好適である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の衣服用弾性バンドおよびこの弾性バンドを用いた衣服によれば、従来技術と比較して、以下の利点を有する。すなわち、本発明の衣服用弾性バンドによれば、バンド本体が、弾性バンドの長さ方向わたるバンド中央部に沿って横断面U字形に折り畳まれ、この横断面U字形に折り畳まれたバンド本体が下着などの衣服の生地の端縁に被せられた状態で、この端縁に接着されることができるものであることで、従来の単層構造のものと比べて2層構造を形成し、このため弾性力が2倍になる。しかも、衣服に接着するものであることで、縫合を必要としない。したがって、縫合加工への依存性を低減し、完全なフィット感を実現して、下着などの衣服の着用時の体感および清潔さを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施の形態の衣服用弾性バンドの全体図である。
【
図2】
図1の衣服用弾性バンドをループ状に構成した状態を示す図である。
【
図3】
図2のループ状の衣服用弾性バンドの断面図である。
【
図4】同衣服用弾性バンドを衣服としての下着に取り付けた状態を示す横断面図である。
【
図5】粘着層を有する衣服用弾性バンドの横断面図である。
【
図6】本発明の実施の形態のパンティーの一例を示す図である。
【
図7】本発明の実施の形態のパンティーの他の例を示す図である。
【
図8】本発明の実施の形態のスポーツブラジャーを示す図である。
【
図9】本発明の実施の形態のバックホック型ブラジャーを示す図である。
【
図10】本発明の実施の形態のフロントホック型ブラジャーを示す図である。
【
図11】本発明の実施の形態のヨガパンツを示す図である。
【
図12】本発明の実施の形態の衣服用弾性バンドの二重生地への適用例を示す図である。
【
図13】本発明の実施の形態の衣服用弾性バンドの二重生地への他の適用例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の技術的課題の解決手段をより明確に説明するために、上述の図面を参照する。しかし、上述の図面は本発明のいくつかの実施の形態を示すに過ぎない。当業者であれば、進歩性に値する創作を行わないことを前提として、これらの図面に基づいて他の構成を採用することができる。
【0016】
本発明が解決しようとする技術的課題と、技術的解決手段と、有益な効果とをより明確にするために、以下、図面を参照しながら、本発明をさらに詳しく説明する。以下で説明される具体的な実施の形態は、本発明を限定するものではなく、単に本発明を解釈するためのものである。
【0017】
図1に示すように、本発明の実施の形態の衣服用弾性バンド1は、バンド本体10を含む。バンド本体10は、
図3~
図5に示すように、バンド1の長さ方向わたるバンド中央部に沿って横断面U字形に折り畳まれる。
図5に示される例では、U字形に折り畳まれたバンド本体10の内面側に粘着層11が設けられている。
図2には、U字形に折り畳まれる前の、ループ状に形成された弾性バンド1の一方の面に粘着層11が設けられていることが示されている。弾性バンド1がループ状に形成されるのは、弾性バンド1の利用の態様の一例である。
【0018】
図4および
図5には、バンド本体10がU字形に折り畳まれた状態の衣服用弾性バンド1が衣服としての下着6の生地の端縁7に被せられた状態が描かれている。これにより、バンド本体10は、U字の開口側から下着6の生地の端縁7に被せられ、たとえば熱圧着によって端縁に接着される。これによって、下着6の生地の端縁7の一方の面に沿ってバント本体10の幅方向の一部分が接着されるとともに、下着6の生地の端縁7の他方の面に沿ってバント本体10の幅方向の他の部分が接着される。換言すると、衣服用弾性バンド1における弾性を有したバンド本体10は、下着6の生地の端縁7に二層すなわち二重に重ねられることになる。これにより、一層だけの場合と比べて、弾性力が二倍になり、耐久性も二倍になる。また身体への下着6の着用時にバンド本体10に弾性的な伸びが生じても、その回復力に優れており、したがって衣服用弾性バンド1の幅寸法に変化をきたすことはない。
【0019】
すなわち、たとえば従来のシームレスパンティー/ブラジャーでは、主に幅の広い弾性バンドを使用して下着に縫合しているが、このような弾性バンドの縫合方式では、弾性バンドが単層構造になっている。このため、一定期間使用すると、弾性バンドは塑性変形が生じやすく、その弾性が大幅に低下して、着用が不安定になりやすい。このため、弾性バンドの幅が不変であることを確保することが望ましい。本実施の形態では、バンド本体10は、バンド1の長さ方向わたるバンド中央部に沿って折り畳まれ、その折り畳まれた状態で、衣服としての下着6の端縁7に被さることで、すなわち下着6の端縁7に外嵌することで、2層構造を形成する。その結果、弾性力を2倍にする。また下着6に接着することで、縫合を必要とせず、縫製加工への依存を低減する。それにより、完全なフィット感を実現して、製品の着用時の体感および清潔さを向上させる。
【0020】
図2に示すように、弾性バンド1は、その利用の態様の一例として、帯状体の一端部と他端部とが接続されて、その接続箇所には接続構造12が設けられる。これにより、弾性バンド1はリング状になるように接続される。その結果、バンド本体10は無端状となり、衣服としての下着に取り付けられたときに、下着の着用時の摩耗による弾性バンド1の構造のゆるみが防止される。すなわち、着用時における弾性バンド1の収縮性によって、弾性バンド1は接続構造12における前記した一端部と他端部とがリングの収縮方向へ引っ張られる。このため、前記した一端部および他端部と下着6との間に脱離が生じることが回避され、下着6の全体の完全性を確保して、下着6の着用時の体感を向上させるとともに、下着6の耐用年数を延ばす。
【0021】
接続構造12は、芯のない縫合構造、またはバンド本体10の外側部分に設けられた接続布を含む。この接続布は、熱圧着や接着剤を用いた接着によって、バンド本体10の一端部と他端部との接続箇所に接着され、シームレス接続となる。これにより、接続の安定性を確保するとともに、製品の着用時の体感を向上させる。このためユーザーは、着用時に、より快適となりフィット感が増す。
【0022】
バンド本体10は、弾性体と、この弾性体の弾性変形に追従する伸縮性生地との一体成形構造を有する。弾性体は、バンド本体10の内部に配置されるのが好適であって、弾性ゴムや他の弾性構造体によって構成され、連続的な構造であり、継ぎ目や破損がない。このため、弾性力によって引っ張られる際、その全体的な完全性、および構造の安定性が高い。
【0023】
バンド本体10を構成する伸縮性生地としては、たとえばスパンデックスなどが挙げられる。
【0024】
弾性バンド1を下着6の端縁7に接着させるための粘着層11は、この粘着層11自身が粘着性すなわち接着性を有したものであっても構わないし、あるいは熱接着機能を有するものであっても構わない。自身が接着性を有する粘着層11はたとえばシリコン系接着剤によって形成することができる。熱接着により接着性を発揮する粘着層11は、たとえば、一般的なホットメルト接着剤や、PUR(ポリウレタン・リアクティブ・ホットメルト接着剤)や、フィルム接着剤などによって形成することができる。
【0025】
あるいは、弾性バンド1は、粘着層11を有さずに、バンド本体10自体が熱接着性を有する材料にて形成されていても構わない。
【0026】
熱接着を含む接着作用により弾性バンド1が接着される下着6、特にその端縁7は、たとえば弾性バンド1と同様の伸縮性を有するナイロンやコットンなどによって形成されていることが、接着性の観点から好ましい。
【0027】
バンド本体10の外側の面、つまり粘着層11とは反対側の面には、標識部が設けられても良い。この標識部の態様として、縫合、熱圧着貼付、塗装などの多種の方式で設置される標識パターンを選択してもよい。その標識パターンとしては、ブランド名、ロゴ、他の装飾的なパターンなどを選択することができる。標識部の標識パターンは、主に他の製品と区別し、または消費者を惹きつける作用を発揮し、製品の認知度を向上させる。
【0028】
衣服である下着6としては、パンティー、ブラジャー、ヨガパンツなど、任意のものを挙げることができる。以下、本発明の衣服用弾性バンドを、パンティーに適用した形態と、ブラジャーに適用した形態とについて、詳細に説明する。
【0029】
図6は、男性用パンティーに弾性バンド1を適用した例を示す。このパンティーは、パンティー身頃2と、弾性バンド1とを含む。弾性バンド1は、
図2に示すように、この弾性バンド1がリング状となるように帯状体の一端部と他端部とが接続されて、その接続箇所には接続構造12が設けられる。弾性バンド1は、下着6であるパンティーのパンティー身頃2の上端の端縁、すなわち着用者の腹部に該当する部分に接着される。接着の態様は、
図4や
図5に示すとおりである。
【0030】
図7は、女性用パンティーに弾性バンド1を適用した例を示す。この女性用パンティーは、男性用パンティーと同様に、パンティー身頃2と、弾性バンド1とを含む。弾性バンド1およびこの弾性バンド1のパンティー身頃2への接着の態様は、
図6に示したものと同様である。
【0031】
図8は、スポーツブラジャーに弾性バンド1を適用した例を示す。このスポーツブラジャーは、ブラジャー身頃すなわちブラジャー本体3と、弾性バンド1とを含む。弾性バンド1は、同様に、
図2に示すように、この弾性バンド1がリング状となるように帯状体の一端部と他端部とが接続されて、その接続箇所には接続構造12が設けられる。弾性バンド1は、下着6であるスポーツブラジャーのブラジャー本体3の下端の端縁に接着される。接着の態様は、
図4や
図5に示すとおりである。
【0032】
図9は、バックホック型ブラジャーに弾性バンド1を適用した例を示す。このバックホック型ブラジャーは、ブラジャー本体4と、弾性バンド1とを含む。バックホック型ブラジャーのブラジャー本体4は、着用者の背中側においてホックの部分を解放することができる。このため、弾性バンド1は、ホックの部分が解放可能なブラジャー本体4に適合するように、上述のような無端のリング状ではなく、一端部と他端部とを有した構成で、ブラジャー本体4に接着される。それ以外の構成は、
図8に示したスポーツブラジャーの場合と同様である。
【0033】
図10は、フロントホック型ブラジャーに弾性バンド1を適用した例を示す。このフロントホック型ブラジャーは、ブラジャー本体5と、弾性バンド1とを含む。フロントホック型ブラジャーのブラジャー本体5は、着用者の胸側においてホックの部分を解放することができる。このため、弾性バンド1は、
図9に示したバックホック型ブラジャーに適用した弾性バンド1の場合と同様に、無端のリング状ではなく、一端部と他端部とを有した構成で、ブラジャー本体4に接着される。
【0034】
図11は、ヨガパンツに弾性バンド1を適用した例を示す。このヨガパンツは、パンツ本体8と、弾性バンド1とを含む。弾性バンド1は、パンツ本体8のウエストの部分に接着される。
【0035】
繰り返しになるが、衣服用弾性バンド1は、上記において例示した男性用パンティー、女性用パンティー、スポーツブラジャー、バックホック型ブラジャー、フロントホック型ブラジャーに限定されず、他の下着すなわち他の衣服にも問題無く適用することができる。またヨガパンツに限定されず、他の衣服にも問題無く適用することができる。
【0036】
下着などの衣服として、生地を二重に積層したものが知られている。
図12は、このように生地15a、15bを二重に積層した下着などの衣服16に弾性バンド1を適用した例を示す。生地15a、15bどうしは、接着剤層17によって互いに接着されて一体化されている。弾性バンド1は、
図4や
図5に示す場合と同様に、二重生地の構造の衣服16の端縁7に被せられて端縁7に接着されている。
【0037】
図13に示すように、衣服16を構成する一対の生地15a、15bのうちの一方の生地15aだけに弾性バンド1を被せて接着することもできる。この場合には、他方の生地15bは、一方の生地15aから離れた状態で、接着剤層17によって弾性バンド1のバンド本体10の外面に接着されて一体化される。
【0038】
衣服用弾性バント1によれば、以下のような有益な効果を有する。すなわち、前述のように従来のシームレスパンティー/ブラジャーは主に幅広の弾性バンドを使用して下着に縫合しているが、このような弾性バンドの縫合方式は、単層構造であり、一定期間使用すると、弾性バンドは塑性変形が生じやすく、それによりバンドの弾性が大幅に低下して、着用時の不安定さを招致する。これに対し、衣服用弾性バント1によれば、バンド本体10の幅が不変であることを確保するとともに、バンド1の長さ方向わたるバンド中央部に沿って横断面U字形に折り畳まれて下着6の生地の端縁7に被せられて接着されるため、2層構造を形成し、その弾性力を2倍にし、接着することで縫合を必要とせず、縫合加工への依存性を低減し、また完全なフィット感を実現して、製品の着用時の体感および清潔さを高くすることができる。
【0039】
以上は、具体的な内容を結合して提供される1つまたは複数の実施形態を説明したものである。しかし、本発明の具体的な実施形態は上記の内容に限定されるものではない。本発明の方法、構造などと類似または同一のもの、あるいは、本発明の構想を前提としてなされたいくつかの技術的演繹または技術的置換は、いずれも本発明の保護範囲とみなされるべきである。
【符号の説明】
【0040】
1 衣服用弾性バンド
6 下着
7 端縁
10 バンド本体
11 粘着層
12 接続構造