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特開2024-78436接点の温度を求めるための評価ユニットへの接続のための出力ユニットを有するコネクタ、およびコネクタの接点の温度を求めるための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078436
(43)【公開日】2024-06-10
(54)【発明の名称】接点の温度を求めるための評価ユニットへの接続のための出力ユニットを有するコネクタ、およびコネクタの接点の温度を求めるための方法
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/66 20060101AFI20240603BHJP
【FI】
H01R13/66
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023199530
(22)【出願日】2023-11-27
(31)【優先権主張番号】10 2022 131 544.4
(32)【優先日】2022-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】518345815
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ソリューソンズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(74)【代理人】
【識別番号】100229736
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 剛
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル ルートヴィッヒ
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル ライドナー
(72)【発明者】
【氏名】ヘルゲ シュミット
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン ベルガー
【テーマコード(参考)】
5E021
【Fターム(参考)】
5E021FA02
5E021FA08
5E021FA14
5E021FA16
5E021FC16
5E021MA12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】電気自動車のバッテリを高速に充電するコネクタにおいて、温度過上昇を迅速に検出すること及び温度過上昇を正確に求めること。
【解決手段】コネクタ100は、接点においてコネクタ100を相手側コネクタ200の相手側コネクタコンタクト要素と電気的に接触させるためのコネクタコンタクト要素を備える。さらに、コネクタ100は、コネクタコンタクト要素におけるコネクタ電位V1を取り出すためのコネクタタップと、相手側コネクタコンタクト要素の相手側コネクタ電位V2を求めるための相手側コネクタコンタクトプローブとを備える。評価ユニット300は、コネクタ電位V1と相手側コネクタ電位V2との間の電位差Uから接点の温度を求めるように構成されている。コネクタ100は、評価ユニット300への接続のための出力ユニットを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接点の温度(Tコンタクト)を求めるための評価ユニット(300)に接続するための出力ユニット(308)を有するコネクタ(100)であって、前記コネクタ(100)は、
前記接点において前記コネクタ(100)を相手側コネクタ(200)の相手側コネクタコンタクト要素(210)と電気的に接触させるためのコネクタコンタクト要素(110、110’)と、
前記コネクタコンタクト要素(110、110’)におけるコネクタ電位(V1)を取り出すためのコネクタタップ(160、160’)と、
前記相手側コネクタコンタクト要素(210)の相手側コネクタ電位(V2)を求めるための相手側コネクタコンタクトプローブ(170、170’)と
を備え、
前記評価ユニット(300)は、前記コネクタ電位(V1)と前記相手側コネクタ電位(V2)との間の電位差(U)から前記接点の前記温度(Tコンタクト)を求めるように構成されている、コネクタ(100)。
【請求項2】
前記相手側コネクタコンタクトプローブ(170、170’)は、前記相手側コネクタコンタクト要素(210)に解放可能に接触するためのヘッド部であって、前記相手側コネクタ電位(V2)を取り出すためのヘッド部を備える、請求項1に記載のコネクタ(100)。
【請求項3】
前記ヘッド部は、ばね部材(170’)、摺動部材(170)、ブラシ部材(171)、またはブレース部材を備える、請求項2に記載のコネクタ(100)。
【請求項4】
前記コネクタ電位(V1)と前記相手側コネクタ電位(V2)との間の前記電位差(U)を求めるための前記評価ユニット(300)をさらに備える、請求項1から3のいずれか一項に記載のコネクタ(100)。
【請求項5】
前記評価ユニット(300)は、前記コネクタコンタクト要素(110、110’)を通る電流レベル(I)、前記コネクタコンタクト要素(110、110’)におけるコネクタ温度(TS)、および/または前記相手側コネクタコンタクト要素(210)における相手側コネクタ温度(TG)の値を受信するための入力部(306)を備える、請求項4に記載のコネクタ(100)。
【請求項6】
コネクタ温度および/または相手側コネクタ温度を求めるための温度センサ(150、250)をさらに備える、請求項1から5のいずれか一項に記載のコネクタ(100)。
【請求項7】
信号を出力するための出力ユニット(308)をさらに備え、前記信号は、少なくとも、前記接点の前記温度、前記電位差(U)、前記コネクタ電位(V1)、前記相手側コネクタ電位(V2)、前記コネクタコンタクト要素(110、110’)におけるコネクタ温度(TS)、および前記相手側コネクタコンタクト要素(210)における相手側コネクタ温度(TG)に基づく、請求項1から6のいずれか一項に記載のコネクタ(100)。
【請求項8】
前記コネクタタップ(160、160’)は、前記コネクタコンタクト要素(110、110’)のコネクタ先端部(101)と前記接点との間に配され、および/または、
前記相手側コネクタコンタクトプローブ(170、170’)は、前記相手側コネクタコンタクト要素(210)の相手側コネクタ先端部(201)と前記接点との間に配されている、請求項1から7のいずれか一項に記載のコネクタ(100)。
【請求項9】
前記コネクタコンタクト要素(110)は、ピンを備え、前記コネクタタップ(160)は、前記ピンにおいて案内される、請求項1から8のいずれか一項に記載のコネクタ(100)。
【請求項10】
前記コネクタコンタクト要素(110’)は、ソケットを備え、前記相手側コネクタコンタクトプローブ(170’)は、前記ソケットにおける開口部(112’)を通過する、請求項1から8のいずれか一項に記載のコネクタ(100)。
【請求項11】
前記コネクタ電位(V1)を取り出し、前記相手側コネクタ電位(V2)を求めるための高電圧回路を低電圧回路からガルバニック分離するための電位分離部をさらに備え、前記低電圧回路は、前記電位差(U)を評価するためのものであり、特に、前記電位分離部は、絶縁増幅器(310)を備える、請求項1から10のいずれか一項に記載のコネクタ(100)。
【請求項12】
接点の温度を監視するための評価ユニット(300)に接続するための出力ユニット(308)を有するコネクタ(100)であって、前記コネクタ(100)は、
前記接点において前記コネクタ(100)を相手側コネクタ(200)の相手側コネクタコンタクト要素(210)と電気的に接触させるためのコネクタコンタクト要素(110)
を備え、
前記コネクタコンタクト要素(110、110’)におけるコネクタ電位(V1)を取り出すためのコネクタタップ(160、160’)であって、前記出力ユニット(308)は、前記コネクタ電位(V1)を前記評価ユニット(300)に出力するためのものであり、前記評価ユニット(300)は、前記コネクタ電位(V1)および前記相手側コネクタ(200)の相手側コネクタ電位(V2)から前記接点の前記温度を求めるためのものである、コネクタタップ(160、160’)、および/または、
前記相手側コネクタコンタクト要素(210)の相手側コネクタ電位(V2)を求めるための相手側コネクタコンタクトプローブ(170、170’)であって、前記出力ユニット(308)は、前記相手側コネクタ電位(V2)を前記評価ユニット(300)に出力するためのものであり、前記評価ユニット(300)は、前記相手側コネクタ電位(V2)および前記プラグ(100)のコネクタ電位(V1)から前記接点の前記温度を求めるためのものである、相手側コネクタコンタクトプローブ(170、170’)
をさらに備える、コネクタ(100)。
【請求項13】
コネクタ(100)の接点の温度を求める方法であって、前記コネクタ(100)は、前記接点においてコネクタコンタクト要素(110、110’)を相手側コネクタ(200)の相手側コネクタコンタクト要素(210)と電気的に接触させるためのものであり、前記方法は、
前記コネクタコンタクト要素(110、110’)のコネクタ電位(V1)をコネクタタップ(160、160’)から受信することと、
前記相手側コネクタコンタクト要素(210)の相手側コネクタ電位(V2)を相手側コネクタコンタクトプローブ(170、170’)から受信することと、
評価ユニット(300)が、前記コネクタ電位(V1)および前記相手側コネクタ電位(V2)に基づいて前記接点の前記温度を求めることと
を含む、方法。
【請求項14】
前記方法は、
前記コネクタコンタクト要素(110、110’)および/または前記相手側コネクタコンタクト要素(210)のオフセット温度(T1)を温度センサ(150、250)から受信すること
をさらに含み、
前記接点の前記温度は、電位差(U)および前記オフセット温度(T1)で求められる、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記方法は、
オフセット電圧(Uオフセット)を求めるための所定の値(Rコネクタ、Uオフセット)をメモリユニットから受信すること
をさらに含み、
前記接点の前記温度は、電位差(U)および前記オフセット電圧(Uオフセット)で求められ、
好ましくは、前記オフセット電圧(Uオフセット)は、所定の抵抗(Rコネクタ)および電流レベル(I)に基づき、前記電流レベル(I)は、制御デバイスから受信される、
請求項13または14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接点の温度を求めるための評価ユニットへの接続のための出力ユニットを有するコネクタ、およびコネクタの接点の温度を求めるための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高性能コネクタが、電力の伝送に用いられている。特に再生可能エネルギーおよびエレクトロモビリティの分野において、例えば電気自動車(EV)のバッテリを高速に充電する、EVのモータに高電力を供給する、またはエネルギー貯蔵デバイスをグリッドに迅速に接続するために、短時間に高電力を伝送することが必要とされている。特に、100Aを超える電流が伝送される適用例が存在する場合がある。
【0003】
コネクタは、プラグと相手側コネクタとの間の接点を有する。ここで、接点は、コネクタのコネクタコンタクト要素が相手側コネクタの相手側コネクタコンタクト要素と電気的に接触する領域である。この接触領域は、通常、コネクタコンタクト要素および相手側コネクタコンタクト要素の導体断面よりも小さい断面を有する。結果として、接点における抵抗が通常最も高い。これはまた、温度が通常接点において最も高いことを意味する。
【0004】
接点における温度は、例えば接点の近くに配置される温度センサにより、間接的に測定することができる。しかしながら、例えば相手側コネクタまたはコネクタにおける接点の劣化が接点を劣化させ、よって潜在的なエラー要因となり得るため、この間接的測定は不十分である。しかしながら、センサと接点との間の空間的距離に起因して、間接的温度測定は低速である。よって、温度過上昇が検出される前であっても、両方のコンタクト要素が接点において溶融する場合がある。
【0005】
電気自動車の充電部などの定期的に切断される接続の場合、両方のコンタクト相手に損傷が生じ、それがさらに伝搬する場合がある。換言すると、連鎖反応が生じ、劣化がコネクタから相手側コネクタに広がる。これは、特にEVに関して問題となる。これは、多数のEVが多数の充電ステーションにアクセスするためである。よって、1つの劣化が多数のEVおよび充電ステーションを急速に損傷させる場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、上記の難点を克服することである。本発明の課題は、温度過上昇を迅速に検出することである。さらに、温度過上昇を正確に求めることが課題である。さらに、コネクタまたは相手側コネクタのうちの一方における温度過上昇を求めるためのあらゆる手段を提供することが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題は、独立特許請求項の主題により解決される。有利なさらなる発展例が、従属特許請求項の対象である。
【0008】
特に、課題は、コネクタタップ(connector tap)および/または相手側コネクタコンタクトプローブにより解決され、それにより、コネクタコンタクト要素におけるコネクタ電位および/または相手側コネクタコンタクト要素の相手側コネクタ電位を求める(determine)ことができる。電位差から、接点における温度を直接求めることができる。よって、その結果、電位差の間の関係により、接点における温度を直接求めることができる。
【0009】
第1の例によれば、接点の温度を求めるために、コネクタは、コネクタを相手側コネクタの相手側コネクタコンタクト要素と電気的に接触させるためのコネクタコンタクト要素を備える。コネクタコンタクト要素および相手側コネクタコンタクト要素は、接点において電気的に接触する。
【0010】
本文書において、コネクタは、複数の電気ワイヤを分離および接続するための部品として理解される。コネクタは、相手側コネクタと相互作用する。それらの接続部品、すなわちコネクタおよび相手側コネクタは、形状ロック力(positive locking forces)により位置合わせすることができ、取り外し可能に固定することができる。
【0011】
電気プラグ接続部の場合、(外方に向くコンタクトピンを有する)オス型部品と(内方に向くコンタクト開口部を有する)メス型部品とを区別することができる。ここで、コンタクトピンおよびコンタクト開口部は、コンタクト要素と称される。特に、コネクタコンタクト要素は、例えば外方に向くコンタクトピンまたは内方に向くコンタクト開口部を含む、オス型部品またはメス型部品のいずれかであってよい。これに応じて、相手側コネクタコンタクト要素は、メス型部品またはオス型部品のいずれかであってよい。両性のコンタクト要素を有するコネクタも存在する。
【0012】
コネクタコンタクト要素および相手側コネクタコンタクト要素は、接点において差し込まれることにより電気的に接触する。接点には、いわゆる接触抵抗が広がる。接触抵抗は、特に集中抵抗および不純物抵抗の2つの成分の合計で構成される。
【0013】
集中抵抗は、コンタクト表面の微視的な不均一性により生じる。したがって、有効接触領域がより小さくなり、電流の流れが制限される。集中抵抗は、特に、用いられる材料の抵抗率、(例えば焼失により生じる)表面の不均一性、および有効接触領域の数に依存する。接点の大きさは、接触法線力および表面材料の硬度または強度によって決まる。
【0014】
腐食(例えば酸化)により、不純物層がコンタクト表面に形成され、これが抵抗を増大させ、すなわち不純物抵抗となる。これを回避するために、金、銀、パラジウムまたは白金などの貴金属が、多くの場合薄い層でのみ、用いられる。コネクタコンタクト要素および相手側コネクタコンタクト要素は、そのような耐腐食性被膜を有してもよい。
【0015】
例えば嵌合の繰り返しのような機械的応力、および時間により、接触抵抗が変化する場合がある。例えば、機械的応力に起因して、集中抵抗が変化する場合がある。さらに、耐腐食性層がなくなるまたは損傷を受ける場合があり、その結果、不純物抵抗が変化する。
【0016】
ここで、通電導体における電圧と温度との間には関連が存在する。コールラウシュおよびディーゼルホルストの関係は、等電位の表面が同時に一定温度の表面であり、熱電効果が生じないという仮定に基づく。この関係を、電気コンタクトに適用することができる。簡略化した場合(微小な粗さを無視し、コンタクト部品に不純物層がない)において、最大温度を以下の関係により求めることができる。
【0017】
式(1)
コンタクトはコンタクト表面の温度であり、Tはコンタクト部品における遠隔点の温度であり、Uはコンタクト表面とこの遠隔点との間の集中電圧であり、ρはコンタクト材料の抵抗率であり、λはコンタクト材料の熱伝導率である。
【0018】
この関係により、接触領域における温度を直接求めることを可能とすることができる。特に、第1の例によれば、コネクタは、接点の温度を求めるために、コネクタコンタクト要素におけるコネクタ電位を取り出す(tap)ためのコネクタタップを含んでよい。第1の例の代替例において、コネクタは、相手側コネクタコンタクト要素の相手側コネクタ電位を求めるための相手側コネクタコンタクトプローブを備えてよい。第1の例の変形例によれば、コネクタは、第1の例のコネクタタップおよび第1の例の代替例の相手側コネクタコンタクトプローブを備えてよい。
【0019】
コネクタタップおよび相手側コネクタコンタクトプローブは、その間で電圧が測定される2つの点を画定する。2つの点の間の電圧は、直接または間接的に測定されてよい。例えば、両方の点が電圧測定デバイスに直接接続されてよい。代替的に、両方の点における電位が、アースまたはグランドなどの基準電位に対して求められてもよい。このとき、相手部品の電位値を含む信号の伝送は、無線または有線であってよい。
【0020】
ここで、コネクタタップは、特に、電位の取り出しを可能とするコネクタコンタクト要素との電気的接触部として理解される。ここで、相手側コネクタコンタクトプローブは、特に、相手側コネクタコンタクト要素の電位を求めるための手段を意味するものとして理解される。例えば、この手段は、無線でまたはケーブルにより相手側コネクタ電位を受信する受信ユニットであってよい。
【0021】
これに続いて、少なくともコネクタ電位または相手側コネクタ電位が、出力ユニットにより評価ユニットに出力される。評価ユニットは、上記の式(1)を用いて、コネクタ電位と相手側コネクタ電位との間の電位差から接点の温度を求めるために用いられる。
【0022】
コネクタ電位または相手側コネクタ電位のみが出力される場合、コネクタ電位または相手側コネクタ電位は、基準電位に対して測定される。欠測値、すなわち相手側コネクタ電位またはコネクタ電位は、必ずしも測定される必要はなく、例えば、評価ユニットが取得可能なまたは評価ユニットにより受信される基準値または既定値であってよい。例えば、EVの場合、基準電位に対する充電電圧についての設定点(set point)の値が、プラグまたは相手側コネクタにおいて設定されてよい。この設定点は、次いで、接点における温度を算出するために用いられてよい。
【0023】
本明細書で用いる場合、出力ユニットは、信号またはデータ、この場合はコネクタ電位および/または相手側コネクタ電位をコネクタにより送信または出力することを可能とする、すなわちコネクタのその「外界」との通信/相互作用を可能とするユニットとして理解される。
【0024】
評価ユニットは、電位値を受信するための対応する入力部を備える。コネクタ電位または相手側コネクタ電位のみが受信される場合、評価ユニットは、例えば基準電位を提供してよい。
【0025】
第1の例の変形例と同様の第2の例によれば、コネクタは、コネクタコンタクト要素におけるコネクタ電位を取り出すためのコネクタタップと、相手側コネクタコンタクト要素の相手側コネクタ電位を求めるための相手側コネクタコンタクトプローブとを含む。
【0026】
よって、コネクタにおけるコネクタ電位と相手側コネクタ電位との間の電位差を求めることができる。さらに、求められた電位差から、接点の温度を求めることができる。よって、求められたまたは確認されたコネクタ電位および相手側コネクタ電位という2つの測定値が存在し、これらから接点の温度が求められる。この構成は、コネクタの両方の測定電位が求められ、よって電位差を特に正確に求めることができるので有利である。
【0027】
第3の例によれば、第1の例または第2の例に加えて、相手側コネクタコンタクトプローブは、相手側コネクタコンタクト要素に解放可能に接触するためのヘッド部であって、相手側コネクタ電位を取り出すためのヘッド部を備える。よって、基準電位なしで電位を直接比較することができるので、電位差を特に正確に求めることができる。さらに、ヘッド部により、電位差を求めるためにはコネクタを変更するのみで十分とすることが可能となる。相手側コネクタは、変更なしのままでよい。
【0028】
第4の例によれば、第3の例に加えて、ヘッド部は、ばね部材、摺動部材、ブラシ部材、またはブレース部材(bracing member)を備える。
【0029】
本明細書において、ばね部材は、実用において十分に弾性変形することが可能な要素、好ましくは金属構成要素である。ばねの弾性変形は通常、曲げまたはねじれである。よって、ばねは、解放することも可能な安定した接触を可能とする。
【0030】
ここで、摺動部材(摺動コンタクトとも称される)は、可動部品と接触するために用いられる要素を指す。銅/銅合金および黒鉛の組み合わせに加えて、貴金属またはカーボンブラシの組み合わせが用いられてよい。銅および黒鉛の組み合わせは高電圧に有利な場合があり、一方で、貴金属は非常に低い電力および信号の伝送に有利な場合がある。
【0031】
摺動部材の一形態は、例えばカーボンブラシを有するブラシ部材である。
【0032】
本明細書において、ばね荷重端子とも称されるブレース部材は、相手側端子に挿入される要素を指す。電気工学において、端子は、ワイヤ、コアおよびケーブルなどのブレース部材の取り外し可能な接続または接合に用いられる。クランプオン状態において、恒久的かつ安全な接触を確実にすることができる。
【0033】
第5の例によれば、第1の例~第4の例の各々に加えて、コネクタは、コネクタ電位と相手側コネクタ電位との間の電位差を求めるための評価ユニットをさらに備える。よって、電位差、温度、または導出値に対する1つの信号接続のみを設けることが必要なため、コネクタをより容易にEVまたは充電構造体などのインフラストラクチャに接続することができる。
【0034】
本明細書で用いる場合、評価ユニットは、例えば、電位差を求めるまたは検出するための電圧測定ユニットなどのアナログユニットを含む。また、評価ユニットは、例えば電位差から温度値を求めるデジタルユニット(プロセッサユニットとも称される)を備えてよい。この目的で、プロセッサユニットは、コンタクト材料の抵抗率ρおよび/またはコンタクト材料の熱伝導率λなどの所定の値を記憶する値メモリユニットに接続されてよい。さらに、プロセッサユニットは、式(1)などの温度を算出するための所定のルーチンを記憶するプログラムメモリユニットに接続されてよい。
【0035】
さらに、評価ユニットは、信号、例えばコネクタにおける電力伝送を低減させる指示を出力する出力ユニットを備えてよい。中断も低減の一形態である。
【0036】
第6の例によれば、第5の例に加えて、評価ユニットは、コネクタコンタクト要素におけるコネクタ温度、および/または相手側コネクタコンタクト要素における相手側コネクタ温度を受信するための温度入力部を有してよい。よって、例えば温度T1の温度測定値を容易に考慮することができる。
【0037】
第7の例によれば、第1の例~第6の例の各々に加えて、コネクタは、コネクタ温度を求めるための温度センサをさらに備える。温度センサは、温度の尺度としての電気信号を提供する電気的構成要素または電子的構成要素を備えてよい。温度センサは、コネクタコンタクト要素に直接配置されてもよく、またはコネクタに配置されてもよい。電気信号は、例えばコネクタにおける評価ユニットまたはコネクタの外部の評価ユニットにより受信されてよい。
【0038】
第8の例によれば、第1の例~第7の例の各々に加えて、コネクタは、信号を出力するための1つまたは複数の出力ユニットをさらに備える。そのため、信号は、接点の温度、電位差、コネクタ電位、相手側コネクタ電位、コネクタコンタクト要素におけるコネクタ温度、および相手側コネクタコンタクト要素における相手側コネクタ温度に基づく値を含んでよい。出力ユニットは、信号を有線または無線で出力してよい。例えば、出力された信号は、EVまたは充電インフラストラクチャにより受信されてよく、コネクタは、EVまたは充電インフラストラクチャに接続可能である。
【0039】
よって、接点における過大な温度を示す信号に基づいて、外部の評価ユニットが、電力伝送を中断するまたは電力を低減させることができる。
【0040】
第9の例によれば、第1の例~第8の例の各々に加えて、コネクタタップは、コネクタコンタクト要素のコネクタ先端部と接点との間に配される。よって、コネクタタップは、プラグが相手側コネクタに接続されたときに電流が流れない領域において、コネクタコンタクト要素に接触する。
【0041】
追加的にまたは代替的に、相手側コネクタコンタクトプローブは、相手側コネクタコンタクト要素の相手側コネクタ先端部と接点との間において相手側コネクタコンタクト要素に接触する。よって、相手側コネクタコンタクトプローブは、プラグが相手側コネクタに接続されたときに電流が流れない領域において、コネクタコンタクト要素に接触する。
【0042】
コネクタ先端部は、相手側コネクタコンタクト要素と接触するコネクタの端部である。相手側コネクタ先端部は、コネクタコンタクト要素と接触する相手側コネクタの端部である。
【0043】
そのような測定により、電位差をオフセットなしで測定可能とすることができる。そうでなければ、コネクタにおける伝送電流ならびにコネクタコンタクト要素および/または相手側コネクタコンタクト要素の抵抗に基づくオフセットを、温度の算出において算出する必要がある。
【0044】
第10の例によれば、第1の例~第9の例の各々に加えて、コネクタコンタクト要素は、ピンを備え、コネクタタップは、ピンにおいて案内される。これにより、コネクタタップの省スペースな配置が可能となる。さらに、この配置により、コネクタが相手側コネクタに接続されたときに電流が流れない領域においてコネクタ電位を測定することが可能となる。
【0045】
この配置は、測定を車両側で行う必要があり、ピンが車両側に設けられる場合に特に有利である。これは、ピンを車両側に配置することが必要な欧州連合および米国などの市場において特に有用である。
【0046】
第10の例の代替例によれば、第1の例~第9の例の各々に加えて、コネクタコンタクト要素は、ソケットを備え、相手側コネクタコンタクトプローブは、ソケットにおける開口部を通して案内される。これにより、相手側コネクタコンタクトプローブの省スペースな配置が可能となる。さらに、この配置により、コネクタが相手側コネクタに接続されたときに電流が流れない領域において相手側コネクタ電位を測定することが可能となる。
【0047】
この配置は、測定を車両側で行う必要があり、ソケットが車両側に設けられる場合に特に有利である。特にソケットを車両側に配置することを標準化している日本および中国などの市場において、適用例が生じる。
【0048】
第11の例によれば、第1の例~第10の例の各々に加えて、コネクタは、電位分離部をさらに備える。電位分離部は、高電圧回路を低電圧回路からガルバニック分離する(galvanically separate)ように機能する。高電圧回路では、コネクタ電位が取り出され、相手側コネクタ電位が求められる。低電圧回路では、電位差が評価される。電位分離(ガルバニックデカップリングまたはガルバニック絶縁とも)は、電力または信号が交換される2つの回路の間の電気伝導の阻止である。
【0049】
ガルバニック絶縁は通常、同時に非電気的結合を含む。絶縁増幅器、変圧器、キャパシタ、オプトカプラ、光ファイバまたはリレーなどの様々な構成要素が、電力または信号の伝送のために用いられてよい。
【0050】
特に、光電子工学の構成要素であるオプトカプラが用いられてよい。オプトカプラは通常、光送信機としての発光ダイオード(LED)またはレーザダイオード(LD)、および光受信機としてのフォトダイオードまたはフォトトランジスタからなる。送信機構成要素および受信機構成要素は、外部から不透明なハウジングにおいて互いに光学的に結合する。
【0051】
さらに、本発明は、コネクタの接点の温度を求めるための方法に関し、コネクタは、接点においてコネクタコンタクト要素を相手側コネクタの相手側コネクタコンタクト要素と電気的に接触させるためのものである。コネクタ、コネクタコンタクト要素、相手側コネクタコンタクト要素および接点の説明については、上記の説明が参照される。
【0052】
特に、これはコンピュータ実施プロセスであってよい。
【0053】
第1の例~第11の例のいずれかに係るコネクタが用いられ得る第12の例によれば、方法は、
コネクタコンタクト要素におけるコネクタ電位をコネクタタップから受信することと、
相手側コネクタコンタクト要素の相手側コネクタ電位を相手側コネクタコンタクトプローブから受信することと、
評価ユニットが、コネクタ電位および相手側コネクタ電位に基づいて接点の温度を求めることと
を含む。
【0054】
コネクタタップ、相手側コネクタコンタクトプローブ、および評価ユニットの説明については、上記の説明を参照されたい。
【0055】
第13の例によれば、第12の例に加えて、方法は、
評価ユニットが、接点の温度が限界温度よりも高いか否かを求めること
をさらに含んでよい。
【0056】
特に、評価ユニットは、既定または所定の温度である限界温度と接点の温度を比較することにより、過大な温度を求めることができる。
【0057】
第14の例によれば、第13の例に加えて、方法は、
接点の温度が限界温度よりも高い場合に、コネクタの電力伝送を低減させる指示
をさらに含んでよい。
【0058】
指示は、例えば評価ユニットにより与えられてよい。本明細書において、低減は、電力伝送の即時的なまたは時間的遅延を伴う中断を含んでもよい。
【0059】
第15の例によれば、第12の例~第14の例に加えて、方法は、
コネクタコンタクト要素および/または相手側コネクタコンタクト要素のオフセット温度を温度センサから受信することと、
電位差およびオフセット温度(offset temperature)に基づいて接点の温度を求めることと
をさらに含んでよい。
【0060】
よって、接点における温度を特に精度良く求めることができる。
【0061】
第16の例によれば、第12の例~第15の例に加えて、方法は、
オフセット電圧を求めるための所定の値をメモリユニットから受信すること
をさらに含んでよく、
接点の温度は、電位差およびオフセット電圧で求められる。
【0062】
よって、電位が通電領域において取り出される場合であっても、接点における温度を精度良く求めることができる。
【0063】
第17の例によれば、第16の例に加えて、オフセット電圧は、所定の抵抗および電流レベルに基づくものであってよく、電流レベルは、制御デバイスから受信される。
【0064】
よって、温度を特に正確に求めることができる。
【0065】
デバイス、すなわちコネクタ、および温度を求めるための方法は、互いに補完し合う。説明を円滑にするために、デバイスの説明において言及されている全ての特徴を方法の説明において繰り返しはしない。しかしながら、デバイスの特徴は方法を説明するものでもあり、その逆も然りであり、デバイスおよび方法をさらに説明するために用いられてよい。
【0066】
本発明のより良好な理解のために、以下の図面に示す実施形態の例に関して本発明をより詳細に説明する。これに関して、同一の部分には、同一の参照符号および同一の構成要素名称が付されている。さらに、図示および説明されている様々な実施形態におけるいくつかの特徴または特徴の組み合わせが、独立な発明的解決策または本発明に係る解決策に相当する場合もある。
【図面の簡単な説明】
【0067】
図1】コネクタの一例である。
図2】第1の例に係る相手側コネクタコンタクトプローブを有するコネクタの断面図である。
図3】第2の例に係る相手側コネクタコンタクトプローブを有するコネクタの断面図である。
図4】第1の例に対応するコネクタタップである。
図5】第1の例に係るコネクタタップおよび相手側コネクタコンタクトプローブの配置を有するコネクタの断面図である。
図6】第2の例に係るコネクタタップおよび相手側コネクタコンタクトプローブの配置を有するコネクタの断面図である。
図7】第3の例に係る相手側コネクタコンタクトプローブを有するコネクタの断面図である。
図8】第2の例に係るコネクタタップを有するコネクタの断面図である。
図9】第4の例に係る相手側コネクタコンタクトプローブを有するコネクタの断面図である。
図10】第5の例に係る相手側コネクタコンタクトプローブを有するコネクタの断面図である。
図11】評価ユニットのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0068】
ここで、図面を助けとして本発明を説明する。図1は、接点の温度を求めるためのコネクタ100を示す。コネクタは、相手側コネクタ200に接触するために用いられる。
【0069】
コネクタ100は、プラグ保護ハウジングにより覆われ得るコネクタコンタクト要素を備える。これとは離れて、コネクタ100は、コネクタコンタクト要素におけるコネクタ電位V1を取り出すためのコネクタタップを備えてよい。さらに、コネクタは、コネクタ温度TSを検出するための温度センサ150を備えてよい。温度センサ150は、コネクタ保護ハウジングまたはコネクタコンタクト要素に配されてよい。
【0070】
相手側コネクタ200は、相手側コネクタ保護ハウジングにより覆われ得る相手側コネクタコンタクト要素を備える。さらに、相手側コネクタ200は、相手側コネクタコンタクト要素の相手側コネクタ電位V2を求めるための相手側コネクタコンタクトプローブを含んでよい。さらに、相手側コネクタ200は、相手側コネクタ温度TGを求めるための温度センサ250を備えてよい。温度センサ250は、相手側コネクタ保護ハウジングまたは相手側コネクタコンタクト要素に配されてよい。
【0071】
さらに、コネクタ100は、コネクタ電位V1を出力するための出力ユニットと、コネクタ温度TSを出力するための出力ユニットとを備える。コネクタ100が、接点の温度、相手側コネクタ電位、または相手側コネクタ温度を出力するための出力ユニットをそれぞれ備え得ることは示されていない。
【0072】
さらに、相手側コネクタ200は、相手側コネクタ電位V2を出力するための出力ユニットと、相手側コネクタ温度TGを出力するための出力ユニットとを備える。示されていないが、相手側コネクタは、接点の温度、コネクタ電位、およびコネクタ温度のうちの少なくとも1つを出力するための出力ユニットを備えてよい。
【0073】
出力ユニットは、信号を評価ユニット300に出力する。ここで、評価ユニットは、コネクタ100の外部かつ相手側コネクタ200の外部に示されている。ただし、評価ユニット300は、例えばコネクタに配置されてもよい。
【0074】
評価ユニット300は、コネクタ電位V1と相手側コネクタ電位V2との間の電位差Uを求めることができる。電位差Uに基づいて、以下を式(1)に従って求めることができる。
【0075】
式(1)
接点の温度Tコンタクトを求めることができる。ここで、Tはコンタクト部品における遠隔点の温度、例えばTSまたはTGであり、Uはコンタクト表面とこの遠隔点との間の集中電圧、この場合はV1およびV2から求められる電位差であり、ρはコンタクト材料の抵抗率であり、λはコンタクト材料の熱伝導率である。したがって、電圧も取り出される箇所に少なくとも1つの温度センサが配置されると有利である。
【0076】
図2は、コネクタのコネクタコンタクト要素110を備えるコネクタおよび相手側コネクタ200の断面図を示す。
【0077】
コネクタコンタクト要素110は、ソケットの形態のメス型部品である相手側コネクタコンタクト要素210とプラグ接触するピンの形態のオス型部品である。特に、ここで、相手側コネクタコンタクト要素210は、コネクタコンタクト要素110に電気的に接触するためのばね部材220を備える。さらに、プラグコネクタおよび相手側コネクタの両方が、相手側コネクタハウジング230などのハウジングを有してよい。
【0078】
コネクタは、相手側コネクタコンタクト要素210の相手側コネクタ電位V2を求めるための相手側コネクタコンタクトプローブ170を含む。ここで、相手側コネクタコンタクトプローブ170は、コネクタコンタクト要素110に取り付けられ、相手側コネクタコンタクトプローブ170とコネクタコンタクト要素110との間には絶縁層180が設けられる。相手側コネクタコンタクトプローブ170は、出力ユニット、この場合は測定線190を介して、図2では不図示の評価ユニットに接続される。
【0079】
ここで、相手側コネクタコンタクトプローブ170は、そのヘッド部として、コネクタコンタクト要素110の少なくとも2つの対向する側において嵌合方向に垂直に突出する摺動コンタクトを有する。相手側コネクタコンタクトプローブ170がリング要素として形成されると有利である。
【0080】
図3は、図2と同様である。図2と比較すると、相手側コネクタコンタクトプローブ171の図3におけるヘッド部は、コネクタコンタクト要素の少なくとも2つの対向する側において嵌合方向に垂直に突出するブラシ部材である。相手側コネクタコンタクトプローブ171がリング要素として形成されると有利である。
【0081】
図2および図3は、相手側コネクタコンタクト要素に取り外し可能に接触するためのヘッド部を備える相手側コネクタコンタクトプローブの可能性を示す。このヘッド部は、相手側コネクタ電位を取り出すために用いられる。特に、不図示の実施形態において、ヘッド部は、ばね部材またはブレース部材を備えてもよい。
【0082】
図2および図3は、コネクタタップを示さない。コネクタ電位は、例えばピンにおいて外部から取り出されてよい。
【0083】
図4は、コネクタコンタクト要素110がピンとして形成され、コネクタタップがピンにおいて案内される(ピン内において案内されている、guided in the pin)、コネクタのコネクタコンタクト要素110を示す。特に、コネクタタップは、検知先端部160および検知リード線162を含み、検知リード線162とコネクタコンタクト要素110との間には絶縁体164が設けられる。
【0084】
図5は、コネクタ100から相手側コネクタ200への電流の流れ400、図2および図3において説明されているような相手側コネクタコンタクトプローブにより取り出される相手側コネクタ電位V2のタップの位置、ならびに図4において説明されているようなコネクタコンタクトプローブにより取り出されるコネクタ電位V1のタップの位置を示す。
【0085】
図2図5に示すように、コネクタ電位V1および相手側コネクタ電位V2は、電流がそれぞれコネクタコンタクト要素110および相手側コネクタコンタクト要素210において流れない領域において取り出される。特に、コネクタタップは、コネクタコンタクト要素のコネクタ先端部101と接点410との間に配置される。さらに、相手側コネクタコンタクトプローブは、相手側コネクタコンタクト要素の相手側コネクタ先端部201と接点410との間に配置される。コネクタ先端部101は、相手側コネクタ先端部201に挿入される。
【0086】
この配置により、式(1)に従って温度を算出することが可能となる。特に、コンタクト要素の通電領域が電圧への寄与を呈することを考慮する必要がない。
【0087】
図6図5と同様であり、特にコネクタタップの位置が図5とは異なる。特に、コネクタ電位V1は、コネクタコンタクト要素のプラグ端部102と接点410との間で取り出される。この領域において、電流Iは、コネクタコンタクト要素110を通して流れる。コネクタコンタクト要素が有限の抵抗Rプラグを有することを考慮した場合、これは、式(1)においてUオフセット-Rプラグ×Iに従って考えることができる。これは、以下の結果となる。
【0088】
式(2)
【0089】
ここで、電流レベルIを測定する、設定点から導出する、または既定の最大値を用いて推定することが可能である。
【0090】
よって、両方の例において、式(1)または式(2)を用いて、コネクタ電位V1と相手側コネクタ電位V2との間の電位差Uから接点の温度を求めることが可能である。
【0091】
さらに、図5および図6に示すように、コネクタ電位V1および相手側コネクタ電位V2は、絶縁増幅器310に出力される。絶縁増幅器310の前に増幅器がさらに設けられ得ることは示されていない。この増幅器に電力を供給するために、変圧器がさらに設けられてよい。
【0092】
絶縁増幅器は、コネクタ電位V1を取り出すための端子点1および相手側コネクタ電位V2を求めるための端子点2を有する高電圧回路の間のガルバニック電位分離部の一例である。ガルバニック電位分離部、ここでは絶縁増幅器310は、低電圧回路に接続される端子点3および端子点4を有する。低電圧回路は、電位差を評価するために用いられる。低電圧回路は、例えば電圧測定デバイス320を含んでよい。
【0093】
そのような絶縁増幅器またはバッファ増幅器の入力は、ここではコネクタ電位V1および相手側コネクタ電位V2、すなわち電位差Uであってよい。出力は、任意の信号f(U)、例えば、電圧、電流、周波数またはそれに類するものなどの導出量を提供してよい。オプトカプラは、絶縁増幅器の一例である。
【0094】
ガルバニック電位分離部は、コネクタ100にまたはコネクタ100の外部に設けられてよい。ガルバニック電位分離部は、評価ユニット300に一体化されてよい。一方で、ガルバニック電位分離部は、評価ユニット300とは別個に設けられてもよい。例えば、端子点3および端子点4は、評価ユニット300に接続可能な低電位出力ユニットであってよい。
【0095】
電圧測定デバイス320は、コネクタ100にまたはコネクタ100の外部に設けられてよい。電圧測定デバイス320は、評価ユニット300に一体化されてよい。一方で、電圧測定デバイスは、評価ユニット300とは別個に設けられてもよい。例えば、電圧測定デバイス320は、評価ユニット300に接続可能な電位差出力ユニットを備えてよい。
【0096】
図2図6は、コネクタ100のコネクタコンタクト要素110がピンである解決策を示す。図7図9は、コネクタ100’のコネクタコンタクト要素110’がソケットである解決策を示す。
【0097】
図7は、コネクタ100’のコネクタコンタクト要素110’および相手側コネクタの相手側コネクタコンタクト要素210’を備えるコネクタの断面図を示す。
【0098】
コネクタコンタクト要素110’は、ピンの形態のオス型部品である相手側コネクタコンタクト要素210’とプラグ接触するソケットの形態のメス型部品である。特に、ここで、オス型コネクタコンタクト要素110’は、オス型コネクタコンタクト要素210’に電気的に接触するためのばね部材120’を備える。さらに、コネクタおよび相手側コネクタの両方が、コネクタハウジング130’などのハウジングを含んでよい。
【0099】
コネクタは、相手側コネクタコンタクト要素210’の相手側コネクタ電位を求めるための相手側コネクタコンタクトプローブ170’を含む。ここで、相手側コネクタコンタクトプローブ170’は、コネクタコンタクト要素110’に取り付けられ、相手側コネクタコンタクトプローブ170’とコネクタコンタクト要素110’との間には絶縁層180’が設けられる。相手側コネクタコンタクトプローブ170’は、出力ユニット、この場合は測定線190’を介して、不図示の評価ユニットに接続される。
【0100】
ここで、相手側コネクタコンタクトプローブ170’は、そのヘッド部として、差込み方向に垂直にコネクタコンタクト要素110’の少なくとも1つの側において突出するばねコンタクトを有する。相手側コネクタコンタクトプローブ170’がスタンピングおよび曲げ加工された部品として製造されると有利である。
【0101】
図7と同様に、図8は、コネクタのコネクタコンタクト要素および相手側コネクタの相手側コネクタコンタクト要素を備えるコネクタの断面図を示す。
【0102】
図8は、測定先端部160’および測定リード線162’を含むコネクタタップを示す。特に、測定リード線162’とコネクタコンタクト要素110’との間には、絶縁体164’が設けられる。
【0103】
ここで、コネクタタップは、差込み方向に垂直にコネクタコンタクト要素110’の少なくとも1つの側において突出する測定先端部160’としてのばねコンタクトを有する。測定先端部160’がスタンピングおよび曲げ加工された部品として製造されると有利である。
【0104】
図7と同様に、図9は、コネクタ100’のコネクタコンタクト要素110’および相手側コネクタの相手側コネクタコンタクト要素210’を備えるコネクタの断面図を示す。
【0105】
ソケットの形態のコネクタコンタクト要素110’は、開口部112’を含む。開口部は、ソケットのプラグ端部102’と接点410との間に配される。プラグ端部102’は、コネクタ先端部101’に対向し、コネクタ先端部101’は、相手側コネクタ先端部201’を受け入れる。
【0106】
図7と同様に、図9のコネクタは、相手側コネクタコンタクト要素210’の相手側コネクタ電位を求めるための相手側コネクタコンタクトプローブ170’を含む。ここで、相手側コネクタコンタクトプローブ170’は、コネクタコンタクト要素110’に取り付けられ、相手側コネクタコンタクトプローブ170’とコネクタコンタクト要素110’との間には絶縁層180’が設けられる。相手側コネクタコンタクトプローブ170’は、出力ユニット、この場合は測定線190’を介して、不図示の評価ユニットに接続される。
【0107】
図7とは異なり、図9の相手側コネクタコンタクトプローブ170’は、ソケットにおける開口部112’を通して案内される。図7と同様に、図9の相手側コネクタコンタクトプローブ170’は、そのヘッド部として、差込み方向に垂直にコネクタコンタクト要素110’の少なくとも1つの側において突出するばねコンタクトを有する。相手側コネクタコンタクトプローブ170’がスタンピングされ曲げ加工された部品として製造されると有利である。相手側コネクタコンタクトプローブがブラシ部材、摺動要素またはブレース部材である実施形態は、ここでは示されていない。開口部により、電流の流れをオフセットなしで測定し、式(1)を適用することが可能となる。
【0108】
図10は、別の代替例を示す。コネクタタップは、図8に示すように、必ずしもばね部材を有する必要はない。コネクタタップは、取り外し不可能なコンタクト161’として設けられてもよい。この場合、解放(取り外し)不可能とは、ユーザがコネクタを破壊することなく解放する(取り外す)ことができない恒久的接続を意味する。フレキシブルな組み立てプロセスのために、ばねの使用が有利であり得る。取り外し不可能なコンタクト161’は、より安定であり得る。
【0109】
評価ユニット300を示すブロック図が、図11に示されている。評価ユニットは、コネクタ電位V1および相手側コネクタ電位V2を受信する。電位差は、接点における抵抗411に依存する。
【0110】
評価ユニット300は、アナログ構成要素302を含む。アナログ構成要素は、上述のガルバニック電位分離部310および電圧測定デバイス320を含んでよい。アナログ構成要素302は、電位差Uを出力するために用いられる。アナログ構成要素は、評価ユニット300の外部に、例えばコネクタに設けられてもよい。
【0111】
評価ユニット300は、デジタル構成要素304を含む。デジタル構成要素304は、マイクロプロセッサなどの計算ユニットを含んでよい。デジタル構成要素304は、電位差Uを受信し、例えば接点における温度を求める。デジタル構成要素304は、接点における温度に依存する信号を出力するために用いられる。例えば、信号は、接点における温度であってよい。追加的にまたは代替的に、信号は、伝送電力がコネクタにより低減されるような不図示の供給ユニットへの指示を含んでよい。デジタル構成要素302は、評価ユニット300の外部に、例えば車両または充電ステーションに設けられてもよい。
【0112】
評価ユニット300は、受信ユニット306をさらに備えてよい。受信ユニット306は、電流の流れIの実際の値または所望の値を示す値を受信するために用いられてよい。さらに、受信ユニット306は、コンタクト要素の温度TSまたはTGを示す温度センサからの温度値を受信してよい。アナログ構成要素が直接タップを介してコネクタ電位V1または相手側コネクタ電位V2を受信しない場合、受信ユニット306は、適切な値を受信し、アナログ構成要素のために電位を生成してよい。受信ユニット306は、評価ユニット300の外部に設けられてもよい。
【0113】
評価ユニット300は、出力ユニット308を含む。出力ユニット308は、デジタルユニット304により生成された信号および/またはアナログユニット302により求められた導出値、および/またはコネクタ電位V1、および/または相手側コネクタ電位V2、および/またはTS、TG、Iなどの受信ユニットの値を直接出力してよい。
【0114】
評価ユニット300により、コネクタの接点の温度を求めることが可能である。
【0115】
評価ユニットまたは評価ユニットの一部により実行される方法は、
コネクタコンタクト要素のコネクタ電位V1を、アナログユニット302を介してコネクタタップから受信することと、
相手側コネクタコンタクト要素の相手側コネクタ電位V2を、アナログユニット302を介して相手側コネクタコンタクトプローブから受信することと、
デジタルユニット304が、コネクタ電位および相手側コネクタ電位に基づいて接点の温度を求めることと
を含む。
【0116】
特に、方法は、
コネクタコンタクト要素のオフセット温度TSおよび/または相手側コネクタコンタクト要素のオフセット温度TGを、受信ユニット306を介して温度センサから受信することと、
デジタルユニット304が、電位差およびオフセット温度に基づいて接点の温度を求めることと
をさらに含んでよい。
【0117】
特に、方法は、
所定の値、例えばRコネクタまたはUオフセットをメモリユニットから受信して、オフセット電圧を求めることと、
デジタルユニット304が、電位差およびオフセット電圧に基づいて接点の温度を求めることと
をさらに含んでよい。
【0118】
さらに、方法は、
電流レベルIを受信ユニット306を介して受信することと、
所定の抵抗および受信された電流レベルIからオフセット電圧を求めることと
をさらに含んでよい。
【0119】
特に、方法は、
接点の温度を求めることを可能とする信号を、出力ユニット308を介して出力すること
をさらに含んでよい。
【符号の説明】
【0120】
100、100’ コネクタ
101、101’ コネクタ先端部
102’ プラグ端部
110、110’ コネクタコンタクト要素
112’ 開口部
120’ ばね部材
130’ プラグハウジング
150、250 温度センサ
160、160’、161’ コネクタタップ、測定先端部
162、162’ 測定線
164、164’ 絶縁体
170、171、170’ 相手側コネクタコンタクトプローブ
180、180’ 絶縁層
190、190’ 測定線
V1 コネクタ電位
TS コネクタ温度
200 相手側コネクタ
201 相手側コネクタ先端部
210、210’ 相手側コネクタコンタクト要素
220 ばね部材
230 相手側コネクタハウジング
V2 相手側コネクタ電位
TG 相手側コネクタ温度
U 電位差
300 評価ユニット
302 アナログ構成要素
304 デジタル構成要素
306 受信機ユニット
308 出力ユニット
310 絶縁増幅器
320 電圧計
400 電流の流れ
410 接点
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2024-01-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接点の温度(Tコンタクト)を求めるための評価ユニット(300)に接続するための出力ユニット(308)を有するコネクタ(100)であって、前記コネクタ(100)は、
前記接点において前記コネクタ(100)を相手側コネクタ(200)の相手側コネクタコンタクト要素(210)と電気的に接触させるためのコネクタコンタクト要素(110、110’)と、
前記コネクタコンタクト要素(110、110’)におけるコネクタ電位(V1)を取り出すためのコネクタタップ(160、160’)と、
前記相手側コネクタコンタクト要素(210)の相手側コネクタ電位(V2)を求めるための相手側コネクタコンタクトプローブ(170、170’)と
を備え、
前記評価ユニット(300)は、前記コネクタ電位(V1)と前記相手側コネクタ電位(V2)との間の電位差(U)から前記接点の前記温度(Tコンタクト)を求めるように構成されている、コネクタ(100)。
【請求項2】
前記相手側コネクタコンタクトプローブ(170、170’)は、前記相手側コネクタコンタクト要素(210)に解放可能に接触するためのヘッド部であって、前記相手側コネクタ電位(V2)を取り出すためのヘッド部を備える、請求項1に記載のコネクタ(100)。
【請求項3】
前記ヘッド部は、ばね部材(170’)、摺動部材(170)、ブラシ部材(171)、またはブレース部材を備える、請求項2に記載のコネクタ(100)。
【請求項4】
前記コネクタ電位(V1)と前記相手側コネクタ電位(V2)との間の前記電位差(U)を求めるための前記評価ユニット(300)をさらに備える、請求項1から3のいずれか一項に記載のコネクタ(100)。
【請求項5】
前記評価ユニット(300)は、前記コネクタコンタクト要素(110、110’)を通る電流レベル(I)、前記コネクタコンタクト要素(110、110’)におけるコネクタ温度(TS)、および/または前記相手側コネクタコンタクト要素(210)における相手側コネクタ温度(TG)の値を受信するための入力部(306)を備える、請求項4に記載のコネクタ(100)。
【請求項6】
コネクタ温度および/または相手側コネクタ温度を求めるための温度センサ(150、250)をさらに備える、請求項1から3のいずれか一項に記載のコネクタ(100)。
【請求項7】
信号を出力するための出力ユニット(308)をさらに備え、前記信号は、少なくとも、前記接点の前記温度、前記電位差(U)、前記コネクタ電位(V1)、前記相手側コネクタ電位(V2)、前記コネクタコンタクト要素(110、110’)におけるコネクタ温度(TS)、および前記相手側コネクタコンタクト要素(210)における相手側コネクタ温度(TG)に基づく、請求項1から3のいずれか一項記載のコネクタ(100)。
【請求項8】
前記コネクタタップ(160、160’)は、前記コネクタコンタクト要素(110、110’)のコネクタ先端部(101)と前記接点との間に配され、および/または、
前記相手側コネクタコンタクトプローブ(170、170’)は、前記相手側コネクタコンタクト要素(210)の相手側コネクタ先端部(201)と前記接点との間に配されている、請求項1から3のいずれか一項に記載のコネクタ(100)。
【請求項9】
前記コネクタコンタクト要素(110)は、ピンを備え、前記コネクタタップ(160)は、前記ピンにおいて案内される、請求項1から3のいずれか一項に記載のコネクタ(100)。
【請求項10】
前記コネクタコンタクト要素(110’)は、ソケットを備え、前記相手側コネクタコンタクトプローブ(170’)は、前記ソケットにおける開口部(112’)を通過する、請求項1から3のいずれか一項に記載のコネクタ(100)。
【請求項11】
前記コネクタ電位(V1)を取り出し、前記相手側コネクタ電位(V2)を求めるための高電圧回路を低電圧回路からガルバニック分離するための電位分離部をさらに備え、前記低電圧回路は、前記電位差(U)を評価するためのものである、請求項1から3のいずれか一項に記載のコネクタ(100)。
【請求項12】
前記電位分離部は、絶縁増幅器(310)を備える、請求項11に記載のコネクタ(100)。
【請求項13】
接点の温度を監視するための評価ユニット(300)に接続するための出力ユニット(308)を有するコネクタ(100)であって、前記コネクタ(100)は、
前記接点において前記コネクタ(100)を相手側コネクタ(200)の相手側コネクタコンタクト要素(210)と電気的に接触させるためのコネクタコンタクト要素(110)
を備え、
前記コネクタコンタクト要素(110、110’)におけるコネクタ電位(V1)を取り出すためのコネクタタップ(160、160’)であって、前記出力ユニット(308)は、前記コネクタ電位(V1)を前記評価ユニット(300)に出力するためのものであり、前記評価ユニット(300)は、前記コネクタ電位(V1)および前記相手側コネクタ(200)の相手側コネクタ電位(V2)から前記接点の前記温度を求めるためのものである、コネクタタップ(160、160’)、および/または、
前記相手側コネクタコンタクト要素(210)の相手側コネクタ電位(V2)を求めるための相手側コネクタコンタクトプローブ(170、170’)であって、前記出力ユニット(308)は、前記相手側コネクタ電位(V2)を前記評価ユニット(300)に出力するためのものであり、前記評価ユニット(300)は、前記相手側コネクタ電位(V2)および前記コネクタ(100)の前記コネクタ電位(V1)から前記接点の前記温度を求めるためのものである、相手側コネクタコンタクトプローブ(170、170’)
をさらに備える、コネクタ(100)。
【請求項14】
コネクタ(100)の接点の温度を求める方法であって、前記コネクタ(100)は、前記接点においてコネクタコンタクト要素(110、110’)を相手側コネクタ(200)の相手側コネクタコンタクト要素(210)と電気的に接触させるためのものであり、前記方法は、
前記コネクタコンタクト要素(110、110’)のコネクタ電位(V1)をコネクタタップ(160、160’)から受信することと、
前記相手側コネクタコンタクト要素(210)の相手側コネクタ電位(V2)を相手側コネクタコンタクトプローブ(170、170’)から受信することと、
評価ユニット(300)が、前記コネクタ電位(V1)および前記相手側コネクタ電位(V2)に基づいて前記接点の前記温度を求めることと
を含む、方法。
【請求項15】
前記方法は、
前記コネクタコンタクト要素(110、110’)および/または前記相手側コネクタコンタクト要素(210)のオフセット温度(T1)を温度センサ(150、250)から受信すること
をさらに含み、
前記接点の前記温度は、電位差(U)および前記オフセット温度(T1)で求められる、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記方法は、
オフセット電圧(Uオフセット)を求めるための所定の値(Rコネクタ、Uオフセット)をメモリユニットから受信すること
をさらに含み、
前記接点の前記温度は、電位差(U)および前記オフセット電圧(Uオフセット)で求められる、
求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
前記オフセット電圧(U オフセット )は、所定の抵抗(R コネクタ )および電流レベル(I)に基づき、前記電流レベル(I)は、制御デバイスから受信される、
請求項16に記載の方法。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
【数1】

コンタクトはコンタクト表面の温度であり、Tはコンタクト部品における遠隔点の
温度であり、Uはコンタクト表面とこの遠隔点との間の集中電圧であり、ρはコンタクト
材料の抵抗率であり、λはコンタクト材料の熱伝導率である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0075
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0075】
【数2】

接点の温度Tコンタクトを求めることができる。ここで、Tはコンタクト部品における遠隔点の温度、例えばTSまたはTGであり、Uはコンタクト表面とこの遠隔点との間
の集中電圧、この場合はV1およびV2から求められる電位差であり、ρはコンタクト材
料の抵抗率であり、λはコンタクト材料の熱伝導率である。したがって、電圧も取り出さ
れる箇所に少なくとも1つの温度センサが配置されると有利である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0088
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0088】
【数3】
【外国語明細書】