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特開2024-78438土工工事現場における場所固有の竣工時性能値の決定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078438
(43)【公開日】2024-06-10
(54)【発明の名称】土工工事現場における場所固有の竣工時性能値の決定方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/08 20120101AFI20240603BHJP
   E02F 9/22 20060101ALI20240603BHJP
【FI】
G06Q50/08
E02F9/22 Z
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023199628
(22)【出願日】2023-11-27
(31)【優先権主張番号】20226060
(32)【優先日】2022-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(71)【出願人】
【識別番号】520391778
【氏名又は名称】ノバトロン オサケ ユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100168871
【弁理士】
【氏名又は名称】岩上 健
(72)【発明者】
【氏名】ペトリ モイシオ
(72)【発明者】
【氏名】ペッテリ パルヴィアイネン
(72)【発明者】
【氏名】ミッコ ヴェサネン
(72)【発明者】
【氏名】アンティ コル
【テーマコード(参考)】
2D003
【Fターム(参考)】
2D003AA01
2D003BA08
2D003BB13
(57)【要約】
【課題】土工工事現場における場所固有の竣工時性能値を決定する新規方法を提供する。
【解決手段】土工工事現場における場所固有の竣工時性能値を決定する方法が、土工工事現場の土工情報モデルを決定することと、土工工事現場及び土工情報モデルにおける土工機械のツールの位置をそれぞれ決定することと、土工情報モデルから、工事現場における土工機械の作業タスクを決定することと、土工情報モデルにおける土工機械のツールの位置に少なくとも部分的に基づいて、工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分を決定することと、土工機械から、工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分に関連する排出量、エネルギー消費量又は経過時間のうちの少なくとも1つを場所固有の竣工時性能値として取得することと、を含む。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
土工工事現場における土工情報モデルベースの場所固有の竣工時性能値を決定する方法であって、
前記土工工事現場の土工情報モデルを決定することと、
前記土工工事現場及び前記土工情報モデルにおける土工機械のツールの位置をそれぞれ決定することと、
前記土工情報モデルから、前記工事現場における前記土工機械の作業タスクを決定することと、
前記土工情報モデルにおける前記土工機械の前記ツールの位置に少なくとも部分的に基づいて、前記工事現場における前記決定された作業タスクの場所固有の部分を決定することと、
前記土工機械から、前記工事現場における前記決定された作業タスクの前記場所固有の部分に関連する排出量、エネルギー消費量又は経過時間のうちの少なくとも1つを場所固有の竣工時性能値として取得することと、
を含む方法。
【請求項2】
前記土工機械の前記ツールの向きを少なくとも1つの自由度で決定することをさらに含み、
前記工事現場における前記決定された作業タスクの前記場所固有の部分を決定することは、さらに、前記土工機械の前記ツールの前記少なくとも1つの自由度に少なくとも部分的に基づく、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記土工機械の前記ツールの位置を決定することは、前記ツールの3次元位置及び向きを決定することを含み、前記工事現場における前記決定された作業タスクの前記場所固有の部分を決定することは、前記土工機械の前記ツールの前記3次元位置及び向きに少なくとも部分的に基づく、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記土工工事現場の前記土工情報モデルは、表面モデル又は幾何モデルの少なくとも一方を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記土工情報モデルは、地理空間情報システム(GIS)、ビルディングインフォメーションモデリング(BIM)、インフラ又はインフラストラクチャビルディングインフォメーションモデリング(I-BIM)、シビルインフォメーションモデル(CIM)、プロジェクトインフォメーションモデル(PIM)、又はスマートシティプラットフォームのうちの少なくとも1つに基づく、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記土工機械の前記ツールの少なくとも1つの特徴を決定することをさらに含み、前記土工機械の前記ツールの前記少なくとも1つの特徴は、重量、幅、高さ、最大長さ/伸び、容量、体積、振幅、直径、摩耗量、耐用年数、製造材料、又は所定の耐用年数のうちの少なくとも1つである、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記土工機械の少なくとも1つの特徴を決定することをさらに含み、前記土工機械の前記少なくとも1つの特徴は、重量、幅、高さ、トルク、最大出力、機械の本質的摩耗部品の摩耗量、機械の本質的摩耗部品の耐用年数、機械の本質的摩耗部品の製造材料、機械の所定の耐用年数、少なくとも1つのブームパーツの長さ、軌道モデル、軌道摩耗量、車輪モデル、又は車輪摩耗量のうちの少なくとも1つである、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記方法は、
前記土工機械から、前記工事現場における前記決定された作業タスクの前記場所固有の部分に関連する排出量、エネルギー消費量又は経過時間のうちの少なくとも1つを複数取得することと、
前記土工機械から取得された、前記工事現場における前記決定された作業タスクの前記場所固有の部分に関連する排出量、エネルギー消費量又は経過時間のうちの少なくとも1つの前記複数のものの総量を決定することと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記土工機械が、前記工事現場における前記決定された作業タスクの前記場所固有の部分を完成させることと、
前記工事現場における前記決定された作業タスクの前記場所固有の部分を完成させるための、前記工事現場における前記決定された作業タスクの前記場所固有の部分に関連する排出量、エネルギー消費量又は経過時間のうちの前記取得された少なくとも1つのもの全てから、前記工事現場における前記決定された作業タスクの前記完成した場所固有の部分に関連する排出量、エネルギー消費量又は経過時間のうちの少なくとも1つの量を決定することと、
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記工事現場における前記決定された作業タスクの場所固有の部分を完成させるための排出量、エネルギー消費量又は経過時間のうちの少なくとも1つのデフォルト量をそれぞれ決定することと、
前記工事現場における前記決定された作業タスクの前記完成した場所固有の部分に関連する排出量、エネルギー消費量又は経過時間のうちの少なくとも1つの量を、前記工事現場における前記決定された作業タスクの前記場所固有の部分を完成させるための排出量、エネルギー消費量又は経過時間のうちの少なくとも1つのデフォルト量と比較することにより、前記工事現場における前記決定された作業タスクの前記場所固有の部分の全体的効率性を決定することと、
をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記土工情報モデルから、前記工事現場における前記決定された作業タスクの前記場所固有の部分を完成させるために移動させるべき質量体積を決定することと、
前記工事現場における前記決定された作業タスクの前記場所固有の部分を完成させるために移動させるべき前記質量体積を、前記工事現場における前記決定された作業タスクの前記完成した場所固有の部分に関連する排出量、エネルギー消費量又は経過時間のうちの少なくとも1つの量と比較することにより、前記工事現場における前記決定された作業タスクの前記場所固有の部分の質量効率を決定することと、
をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記工事現場における前記決定された作業タスクの複数の場所固有の部分を完成させることと、
前記土工情報モデルから、前記工事現場における前記決定された作業タスクの前記複数の場所固有の部分の各々について移動させるべき質量体積を決定することと、
前記工事現場における前記決定された作業タスクの前記複数の完成した場所固有の部分に関する移動された総質量体積を、前記工事現場における前記決定された作業タスクの全ての場所固有の部分を完成させるために移動させるべき質量体積と比較することにより、前記工事現場における前記決定された作業タスクの完成度を決定することと、
をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記土工機械は第1の土工機械であり、前記方法は、
前記第1の土工機械の前記工事現場における前記決定された作業タスクの前記場所固有の部分に関連する排出量、エネルギー消費量又は経過時間のうちの少なくとも1つを、少なくとも1つの第2の土工機械からそれぞれ取得することをさらに含む、
請求項1から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つの第2の土工機械は土工運搬機械であり、前記第2の土工機械に関する前記第1の土工機械の前記工事現場における前記決定された作業タスクの前記場所固有の部分に関連する排出量、エネルギー消費量又は経過時間のうちの少なくとも1つは、運搬された材料に関する排出量、エネルギー消費量又は経過時間のうちの少なくとも1つをそれぞれさらに含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記土工機械の前記ツールの移動に関連する前記土工機械の少なくとも1つの部分を決定することと、
前記工事現場における前記決定された作業タスクの前記場所固有の部分についての前記土工機械の前記少なくとも1つの部分の移動の加速度データ又は角速度データのうちの少なくとも一方を決定することと、
前記工事現場における前記決定された作業タスクの前記場所固有の部分についての加速度データ又は角速度データの少なくとも一方の移動差分値を計算することと、
前記移動差分値から、前記工事現場における前記決定された作業タスクの前記場所固有の部分に対する性能係数を決定することと、
をさらに含む、請求項1から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記土工機械は掘削機であり、前記少なくとも1つの部分は、ブームパーツ、ブーム構造の継手、前記掘削機の上部キャリッジ、又は前記掘削機のアンダーキャリッジのうちの少なくとも1つである、
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記作業タスクは、前記工事現場又は該工事現場内の作業対象エリア、前記工事現場内の前記作業対象エリア内のエリア単位、又はこれらの少なくともいずれかの層の完成を進めるために前記土工機械が前記土工工事現場において実行すべき動作又は一連の動作である、
請求項1から12のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土工工事現場(earthworks construction site)における場所固有の竣工時性能値(location specific as-built performance value)の決定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
異なる種類の土工工事現場では、例えば土壌又は岩石材料を1つの場所から別の場所に移動させ、或いは土壌又は岩石材料を均し又は押し固めるために異なるタイプの土工機械を利用することができる。この種の土工工事現場の例としては、例えば道路工事現場、並びに建物の基礎構造建設現場又は駐車場建設現場が挙げられる。土工工事現場で使用される作業機械には、例えば掘削機(excavators)、ダンプカー(dumpers)、又はその他の土工運搬機械(earthworks transport machines)、及びドラムローラ(drum rollers)がある。
【0003】
土工工事現場も含む全ての経済分野での排出物の最小化を求める声が高まり続けていることで、土工工事現場の排出物を最小化するための土工工事現場の効率的施工も求められるようになっている。このような展開が進めば、土工工事現場の請負業者の選択が、土工工事現場を完成させるのに必要な予測排出量及び測定排出量にも依存するという状況になる。請負業者は、計画されたプロジェクトによって生じる排出量を知るために、土工工事現場を完成させるのに必要な作業フェーズの排出量を知っていなければならない。この先、請負業者は、土工工事現場契約の競争入札に勝利するために、土工工事プロジェクトを実施するための効率的な低排出方法を見出さなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
土工工事現場の効率的施工を達成するには、土工工事現場を完成させるのに必要な作業フェーズを実行するための適用可能な効率的作業方法を適用すべきである。しかしながら、土工工事現場はこのように多様で異なり、土工工事現場の施工に関する内部活動及びタスクも異なり、さらには土工工事現場の外部で実行される活動ではあるがやはり土工工事現場の施工効率に相関する活動と土工工事現場との相互作用が異なることによって土工工事現場外の活動も異なるため、適用すべき適用可能な効率的作業方法を確実に選択することが課題である。これらの活動は、例えば土工工事現場で使用すべき材料の製造及び運搬を含む。従って、異なる作業方法の効率性を確実に決定するために利用できる解決策が必要とされている。異なる作業方法が使用されてきた様々な土工工事現場からの情報又はデータ又は知識を、特定の土工工事現場を効率的に施工するために適用すべき作業方法の選択に使用することにより、プロジェクト当たりの排出量を競合他社よりも抑えることができる請負業者を選択することができる。
【0005】
本発明の目的は、土工工事現場における場所固有の竣工時性能値を決定する新規方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、独立請求項の特徴を特徴とする。
【0007】
本発明は、土工工事現場における土工情報モデルベースの場所固有の竣工時性能値を決定するというアイディアであって、土工工事現場の土工情報モデルを決定することと、土工工事現場及び土工情報モデルにおける土工機械のツールの位置をそれぞれ決定することと、土工情報モデルから、工事現場における土工機械の作業タスクを決定することと、土工情報モデルにおける土工機械のツールの位置に少なくとも部分的に基づいて、工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分を決定することと、土工機械から、工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分に関連する排出量、エネルギー消費量又は経過時間のうちの少なくとも1つを場所固有の竣工時性能値として取得することと、を含むアイディアに基づいている。
【0008】
本発明の利点は、決定された作業タスクの特定の場所固有の部分に関する排出量、エネルギー消費量又は経過時間のうちの少なくとも1つに関する工事現場における場所固有の竣工時性能値を正確に決定できる点である。これにより、異なる作業方法の効率性に関する情報を正確に決定することができ、後で別の土工工事現場を効率的に施工するために適用すべき作業方法を選択するためにこの情報を使用できるようになる。また、土工工事現場における場所固有の竣工時性能値にとって十分な尺度を提供する場合には、排出量、エネルギー消費量又は経過時間のうちの1つのみ、或いはこれらの組み合わせを現場毎に、決定された作業タスクの1又は2以上の場所固有の部分に関して測定することもできる。
【0009】
従属請求項には、本発明のいくつかの実施形態を開示する。
【0010】
本方法の実施形態によれば、本方法は、土工工事現場の土工情報モデルを決定することと、土工工事現場及び土工情報モデルにおける土工機械のツールの位置をそれぞれ決定することと、土工情報モデルから、工事現場における土工機械の作業タスクを決定することと、土工情報モデルにおける土工機械のツールの位置に少なくとも部分的に基づいて、工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分を決定することと、土工機械から、工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分に関連する排出量、エネルギー消費量又は経過時間のうちの少なくとも1つを場所固有の竣工時性能値として取得することと、を含む。
【0011】
本方法の実施形態によれば、本方法は、土工機械のツールの向きを少なくとも1つの自由度で決定することをさらに含み、工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分を決定することは、さらに、土工機械のツールの少なくとも1つの自由度に少なくとも部分的に基づく。
【0012】
本方法の実施形態によれば、土工機械のツールの位置を決定することは、ツールの3次元位置及び向きを決定することを含み、工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分を決定することは、土工機械のツールの3次元位置及び向きに少なくとも部分的に基づく。
【0013】
本方法の実施形態によれば、土工工事現場の土工情報モデルは、表面モデル又は幾何モデルの少なくとも一方を含む。
【0014】
本方法の実施形態によれば、土工情報モデルは、地理空間情報システム(GIS)、ビルディングインフォメーションモデリング(BIM)、インフラ又はインフラストラクチャビルディングインフォメーションモデリング(I-BIM)、シビルインフォメーションモデル(CIM)、プロジェクトインフォメーションモデル(PIM)、又はスマートシティプラットフォームのうちの少なくとも1つに基づく。
【0015】
本方法の実施形態によれば、本方法は、土工機械のツールの少なくとも1つの特徴を決定することをさらに含み、土工機械のツールの少なくとも1つの特徴は、重量、幅、高さ、最大長さ/伸び、容量、体積、振幅、直径、摩耗量、耐用年数、製造材料、又は所定の耐用年数のうちの少なくとも1つである。
【0016】
本方法の実施形態によれば、本方法は、土工機械の少なくとも1つの特徴を決定することをさらに含み、土工機械の少なくとも1つの特徴は、重量、幅、高さ、トルク、最大出力、機械の本質的摩耗部品の摩耗量、機械の本質的摩耗部品の耐用年数、機械の本質的摩耗部品の製造材料、機械の所定の耐用年数、少なくとも1つのブームパーツの長さ、軌道モデル、軌道摩耗量、車輪モデル、又は車輪摩耗量のうちの少なくとも1つである。
【0017】
本方法の実施形態によれば、本方法は、土工機械から、工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分に関連する排出量、エネルギー消費量又は経過時間のうちの少なくとも1つを複数取得することと、土工機械から取得された、工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分に関連する排出量、エネルギー消費量又は経過時間のうちの少なくとも1つの複数のものの総量を決定することと、を含む。
【0018】
本方法の実施形態によれば、本方法は、土工機械が、工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分を完成させることと、工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分を完成させるための、工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分に関連する排出量、エネルギー消費量又は経過時間のうちの取得された少なくとも1つのもの全てから、工事現場における決定された作業タスクの完成した場所固有の部分に関連する排出量、エネルギー消費量又は経過時間のうちの少なくとも1つの量を決定することと、をさらに含む。
【0019】
本方法の実施形態によれば、本方法は、工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分を完成させるための排出量、エネルギー消費量又は経過時間のうちの少なくとも1つのデフォルト量をそれぞれ決定することと、工事現場における決定された作業タスクの完成した場所固有の部分に関連する排出量、エネルギー消費量又は経過時間のうちの少なくとも1つの量を、工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分を完成させるための排出量、エネルギー消費量又は経過時間のうちの少なくとも1つのデフォルト量と比較することにより、工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分の全体的効率性を決定することと、をさらに含む。
【0020】
本方法の実施形態によれば、工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分を完成させるための排出量、エネルギー消費量又は経過時間のうちの少なくとも1つのデフォルト量は、同様の土工機械又は異なる土工機械の少なくとも一方による同じ作業タスクの平均量である。
【0021】
本方法の実施形態によれば、本方法は、土工情報モデルから、工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分を完成させるために移動させるべき質量体積を決定することと、工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分を完成させるために移動させるべき質量体積を、工事現場における決定された作業タスクの完成した場所固有の部分に関連する排出量、エネルギー消費量又は経過時間のうちの少なくとも1つの量と比較することにより、工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分の質量効率を決定することと、をさらに含む。
【0022】
本方法の実施形態によれば、本方法は、工事現場における決定された作業タスクの複数の場所固有の部分を完成させることと、土工情報モデルから、工事現場における決定された作業タスクの複数の場所固有の部分の各々について移動させるべき質量体積を決定することと、工事現場における決定された作業タスクの複数の完成した場所固有の部分に関する移動された総質量体積を、工事現場における決定された作業タスクの全ての場所固有の部分を完成させるために移動させるべき質量体積と比較することにより、工事現場における決定された作業タスクの完成度を決定することと、をさらに含む。
【0023】
本方法の実施形態によれば、土工機械は第1の土工機械であり、本方法は、第1の土工機械の工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分に関連する排出量、エネルギー消費量又は経過時間のうちの少なくとも1つを少なくとも1つの第2の土工機械からそれぞれ取得することをさらに含む。
【0024】
本方法の実施形態によれば、少なくとも1つの第2の土工機械は土工運搬機械であり、第2の土工機械に関する第1の土工機械の工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分に関連する排出量、エネルギー消費量又は経過時間のうちの少なくとも1つは、運搬された材料に関する排出量、エネルギー消費量又は経過時間のうちの少なくとも1つをそれぞれさらに含む。
【0025】
本方法の実施形態によれば、本方法は、土工機械のツールの移動に関連する土工機械の少なくとも1つの部分を決定することと、工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分についての土工機械の少なくとも1つの部分の移動の加速度データ又は角速度データのうちの少なくとも一方を決定することと、工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分についての加速度データ又は角速度データの少なくとも一方の移動差分値を計算することと、移動差分値から、工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分に対する性能係数を決定することと、をさらに含む。
【0026】
本方法の実施形態によれば、土工機械は掘削機であり、少なくとも1つの部分は、ブームパーツ、ブーム構造の継手、掘削機の上部キャリッジ、又は掘削機のアンダーキャリッジのうちの少なくとも1つである。
【0027】
ある実施形態によれば、作業タスクは、工事現場又は工事現場内の作業対象エリア(area to be worked on)、工事現場内の作業対象エリア内のエリア単位、又はこれらの少なくともいずれかの層の完成を進めるために土工機械が土工工事現場において実行すべき動作又は一連の動作である。
【0028】
以下では、添付図面を参照しながら、好ましい実施形態によって本発明をさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】土工工事現場における掘削機の概略的側面図である。
図2】土工工事現場の概略的上面図である。
図3図2の土工工事現場における作業エリアの概略的上面図である。
図4】作業エリアの概略的断面図である。
図5】いくつかの土工情報モデルの概略図である。
図6】土工工事現場における場所固有の竣工時性能値の決定方法の概略図である。
図7】土工工事現場における場所固有の竣工時性能値の決定例の概略図である。
図8】土工工事現場における場所固有の竣工時性能値の決定において適用される情報フローシステムの例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
明確にするために、図には本発明のいくつかの実施形態を単純化した形で示す。図では同様の要素を同様の参照符号によって識別する。
【0031】
図1は、掘削機2が動作するように意図された土工工事現場1上の掘削機2の概略的側面図である。掘削機2は、本明細書で説明する解決策の利用に関連する土工機械の一例にすぎず、説明する解決策は、ブルドーザ、ホイールローダ、モータグレーダ、転圧機、杭打ち機、深部安定化機械、地表面掘削機、運送機、運送トラック、ダンプカー、岩石破砕機、舗装機械、バックホーローダ、土工運搬機、又は何らかの時点で土工工事現場1での作業に参加する他の土工機械などの他のいずれかの土工機械に関連して適用することもできる。
【0032】
掘削機2は、アンダーキャリッジ3a、すなわち下部キャリッジ3aと、上部キャリッジ3bとを含む移動台車(movable carriage)3を含む。下部キャリッジ3aはキャタピラバンド(caterpillar bands)を含むが、例えば車輪を備えることもできる。上部キャリッジ3bは、上部キャリッジ3bの回転車軸4によって下部キャリッジ3aに接続される。上部キャリッジ3bは、両方向矢印Rで概略的に示すように回転軸5を中心に下部キャリッジ3aに対して回転することができる。回転軸5は、回転車軸4の中心軸に一致する。
【0033】
掘削機2は、上部キャリッジ3bに接続されて上部キャリッジ3bと共に旋回するように構成されたブーム6をさらに備える。ブーム6は、少なくとも第1のブームパーツ6aを含むことができる。ブーム6は、第2のブームパーツ6bなどのさらなるブームパーツを含むこともできる。ブーム6は、両方向矢印Lで概略的に示すように上部キャリッジ3bに対して上昇及び下降することができる。
【0034】
第2のブームパーツ6bは、両方向矢印T7で概略的に示すように第2のブームパーツ6bが第1のブームパーツ6aに対して旋回することを可能にする継手7によって第1のブームパーツ6aに接続することができる。第2のブームパーツ6bの遠位端には、この事例ではバケット8である掘削機2のツールが存在し、バケット8と第2のブームパーツ6bとの間には、両方向矢印T9で概略的に示すようにバケット8が第2のブームパーツ6bに対して旋回することを可能にする継手9が存在することができる。継手9に関連して、例えばバケットが横方向に傾くことを可能にする他の継手又は機構が存在することもできる。
【0035】
キャリッジ3上には、掘削機2のオペレータ11のための操縦室(control cabin)10が存在することができる。操縦室10は、例えば操縦室10の垂直位置がキャリッジ3に対して調整されることを可能にする移動構成を有することができる。同様に、掘削機2は、操縦室を含まない遠隔操作できるもの、又は自律的なものであることもできる。
【0036】
掘削機2は、受け取った制御操作(control actions)に応答してキャリッジ3、ブーム6及びバケット8の動作などの掘削機2の動作を制御するように構成された少なくとも1つの制御ユニット12をさらに含む。制御ユニット12は、掘削機2の制御システムの少なくとも一部を形成する。アンダーキャリッジ3a、上部キャリッジ3b、ブーム6及びそのパーツ6a、6b、バケット8、又はこれらの部分又はパーツのいずれか1つに接続された継手などの、掘削機の少なくとも1つの部分又はパーツには、掘削機2のそれぞれの部分又はパーツの動きの加速度データ又は角速度データを測定する少なくとも1つのセンサを設けることができる。
【0037】
掘削機2、及び作業現場において場所固有の土工を実行する他のいずれかの土工機械は、土工工事現場1における土工機械のツールの位置を決定する必要がある。これらの土工機械では、この決定を様々な方法で行うことができる。ある選択肢によれば、土工工事現場1における土工機械のツールの位置が直接決定され、或いは別の選択肢によれば、土工工事現場1における土工機械の位置が決定され、その機械に対して土工機械のツールの位置が決定される。掘削機2のような土工機械は、全地球的航法衛星システム(GNSS)のような一種の衛星ベースの測位システムを利用できるように意図されている場合、1又は2以上のアンテナ13などの複数の衛星受信装置を含むことができる。例えば、1又は2以上のアンテナ13は上部キャリッジ3b上に配置することができる。衛星ベースの測位システムGNSSは、土工工事現場1における掘削機2の位置及び向きを決定するために利用することができ、その後に例えば掘削機2の制御ユニット12などの制御システムによって掘削機2のツールの位置が決定される。これに加えて又は代えて、土工工事現場1における掘削機2のような土工機械のツールの位置及び向きを決定するために、土工工事現場1における掘削機2のような土工機械の位置及び向きを単独で又は少なくとも1つの他の装置と組み合わせて追跡できる1又は2以上の追跡装置14を利用することもできる。この種の装置の例には、カメラ、立体カメラ、ライダー、レーダー及びタキメータなどがある。このような(単複の)装置は、掘削機2上又は土工工事現場1上に設定することができる。追跡装置は、掘削機2のような土工機械の位置を追跡するために工事現場内の位置に関する情報をさらに必要とする。追跡装置の位置を決定する方法には、工事現場内又は工事現場付近の基準位置、及び衛星ベースの測位のような様々なものがある。一般に、追跡装置の位置を決定することは当業者に周知であり、従って本明細書ではこれ以上詳細に検討しない。
【0038】
運搬材料の位置は、運搬材料の山を広範囲に均して材料をどこに均すかの決定を行う土工機械によって変化することがほとんどであるため、ダンプカー又はローリーなどの運搬車両は、土工機械が正確な場所固有の土工を行わない例である。運搬車両は、材料の山を降ろした場所を依然として正確に知っている。また、降ろされた材料の位置を他の土工機械が変更しないように、運搬車両が正確な場所固有の土工を実施又は実行する場合もある。以下、低速走行によって材料の山を降ろすことに関する1つのこのような事例を説明する。この種の材料運搬土工機械に欠かせない点は、運搬材料がどこから来たものであるか、及び材料を準備して運搬車両に積み込むための排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間などの、運搬材料に関連する排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間、並びに運搬材料に関する運搬車両の排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間がどのようなものであるかを知っていなければならない点である。例えば材料の山を運搬車両が掘削機2に運搬すると、掘削機2は、材料の山の排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間、及び材料の山の質量体積に関するデータを何らかの手段によって受け取る。例えば、運搬車両は、山の位置、山の質量体積、及び山に関連する排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間を、掘削機に直接、又は土工工事現場1のサーバを介して知らせることができる。その後、掘削機2はデータの受信又は検索を行って、自機の排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間をそれぞれのエリア又はエリア単位に関連付ける際に、材料に関する排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間を作業対象エリア、又は作業対象エリア内のエリア単位、或いは作業対象の各エリア又は各エリア単位に関連付けることができる。運搬車両による材料の山の運搬先の場所に関する位置データは、いずれかの既知の方法によって収集することができる。例えば、位置決定設備を有する運搬車両は、プラットフォームの後端の位置、及び場合によっては方位又は方角を認識することができ、プラットフォームの後端は、運搬車両のツール先端とみなすことができる。従って、材料の山が降ろされると、プラットフォームの後端の位置、及び場合によっては向き又は方位が検出され、降ろされた材料の山の位置を決定する際にこれらを使用することができる。なお、この位置は、山の中心を決定する点位置、又は円半径データ(circle radius data)を伴う点位置であることができる。多くの場合、材料が基本的に同じ場所に降ろされる場合にはこれで十分である。或いは、運搬車両のオペレータが、材料の山がどこに降ろされたかを決定するために、降ろされた材料の山の位置を点位置、及び場合によっては円半径データを伴う点位置、又は表面積の位置のいずれかとして決定するための、例えばハンドツールなどの好適な設備を有することもできる。
【0039】
一方で、材料を降ろしながら同時に運搬車両を低速で走行させる場合、この位置は表面積であることができる。この場合、プラットフォームの後端の幅も既知であることができる。降ろされた材料の位置が表面積である場合、この位置は、作業対象エリア又は作業対象エリア内のエリア単位、或いは作業対象の1又は2以上のエリア又はエリア単位をカバーすることができ、また必ずしも掘削機2が材料に関するデータを受け取る必要はなく、作業対象エリア又は作業対象エリア内のエリア単位、或いは作業対象の1又は2以上のエリア又はエリア単位の位置、材料に関する排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間及び材料の質量体積、並びに作業対象の1又は2以上のエリア又はエリア単位間でどのように材料が分配されたかに関するデータを運搬車両又はそのオペレータが土工工事現場1のサーバに通知することもできる。
【0040】
また、山の位置を決定するこれらの各代替案では、位置情報が、対象エリアのどの層のために材料の山が運搬されたかに関する情報をさらに含むことができる。この層データは、例えば実施された又は完了した作業タスクの完了時刻すなわちタイムスタンプと、材料の山の荷降ろしに関する時刻すなわちタイムスタンプ、又は材料の山の荷降ろしが行われたことについての通知時刻すなわちタイムスタンプとを比較することにより、土工工事現場のその場所における完成度(completion rate)に関するデータから導出することができる。層については、例えば後で図4に関してさらに詳細に説明する。或いは、材料の山を均すために使用される掘削機2が降ろされた材料の山の近くに存在する場合、掘削機2は、運搬車両による材料の山の位置の決定及び対象の層の決定を支援することができ、運搬車両は、山の質量体積、並びに山に関連する排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間を掘削機2に直接、又は土工工事現場1のサーバを介して提供することができる。
【0041】
図2は、土工工事現場1の概略的上面図である。以下では工事現場1と省略することもある土工工事現場1は、図2では道路工事現場の形態を有する。図2の道路工事現場は、道路の長手方向において横線で複数の連続エリアに分割されている。通常、これらの連続エリアは杭割り(pile spacings)と呼ばれ、道路の位置を示すために使用される。1つの杭割りの長さは、例えば約10メートルであることができるが、例えば地盤のタイプ又は工法に応じて異なることができる。道路の形状は、道路の境界線が中心線から一定距離にあるように道路の中心線に縛られる。
【0042】
通常、各杭割りはそれぞれの作業対象エリアを形成し、従って工事現場1の進捗及び完成を進めるために特定の作業タスクが行われる限られたサイズのエリアを有する。作業タスクは、作業タスクに関するそれぞれの作業対象エリア、又は作業タスクに関する作業対象エリアの一部、すなわち作業対象エリア内のエリア単位の進捗を進めるためにそれぞれの作業対象エリアにおいて土工機械が実行又は実施すべき動作又は一連の動作である。各作業対象エリアは、そのエリアにおいて適用される作業方法の1又は複数の効率性を表すデータが関連付けられたエリアを形成し、前記1又は複数の効率性は場所固有の竣工時性能値によって表すことができる。作業対象エリアの実際のサイズは、決定すべき場所固有の竣工時性能値の所望の精度に依存する。
【0043】
図2の例には、道路工事現場1のいくつかの作業対象エリアを参照符号AW1、AW2、AW3及びAW4で概略的に示しており、参照符号AW1は第1の作業対象エリアを示し、参照符号AW2は第2の作業対象エリアを示し、参照符号AW3は第3の作業対象エリアを示し、参照符号AW4は第4の作業対象エリアを示す。以降、本明細書では、一般にいずれか1つの作業対象エリア、或いは2又は3以上の作業対象エリアを示すために参照符号AWを使用することができる。図2の工事現場1の目標進行方向は、矢印DOPで概略的に示す。
【0044】
図3は、図2の工事現場1の第1の作業対象エリアAW1の概略的上面図である。第1の作業対象エリアAW1は、複数のエリア単位、すなわち作業対象エリア単位にさらに分割されている。図3の実施形態では、全部で9つのエリア単位AU1、AU2、AU3、AU4、AU5、AU6、AU7、AU8及びAU9が存在し、これらは共に工事現場1の水平方向に第1の作業対象エリアAW1を形成する。以降、本明細書では、一般にいずれか1つのエリア単位又は2又は3以上のエリア単位を示すために参照符号AUを使用することができる。
【0045】
一般に、作業対象エリアAWは、それ自体が単一のエリア単位AUであることもでき、又は作業対象エリアAWを例えば2つ、3つ、4つ、6つ、8つ、12個のエリア単位AUに分割することもでき、或いは例えば道路の幅に応じて杭割り当たり50個のエリア単位AUをはるかに上回る数の平方メートルエリア単位AUに分割することもできる。他の作業対象エリアも、それ自体がエリア単位AUであることも、或いは複数のエリア単位AUにそれぞれ分割することもできる。作業対象エリアを小さな表面積の複数のエリア単位AUに分割することで、決定すべき場所固有の竣工時性能値の決定の場所固有の精度が改善され、従って工事現場における場所固有の効率性の精度も改善される。図3の例では、第1の作業対象エリアAW1から小さな表面積の複数のエリア単位AU1~AU9への分割を進行方向DOP及びその横方向の両方に行っているが、一般に作業対象エリアAWから小さな表面積の複数のエリア単位AUへの分割は、これらの方向のうちの一方のみに行うこともできる。
【0046】
図4は、図2の第1の作業対象エリアAW1の概略的断面図である。図4には、複数の異なる材料の層、より正確には第1の層又は最下層BLと、第2の層又は中間層MLと、第3の層又は最上層TLとを示しており、これらは共に工事現場1の垂直方向に第1の作業対象エリアAW1を形成する。図4は、道路に沿った道路工事作業の進捗を表す。道路工事作業は段階的に、すなわち少しずつ進行する。異なる層は、それぞれの作業対象エリアAW1、又はそれぞれの作業対象エリアAW1の特定のエリア単位AU1~AU9に関する場所固有の竣工時性能値を表すデータに関連することができる。明確にするために、図4の異なる層の断面ハッチング(cross-sectional hatching)は省略している。土工工事現場1及びその1又は2以上の作業対象エリア、並びに各作業対象エリアのエリア単位及び作業対象エリアの異なる層は、土工情報モデル内で設計又は決定しておくことができる。土工情報モデルは、目標とする出来上がった、すなわち完成した工事現場1を表すデジタル設計図又はモデルである。土工情報モデルは、例えば工事現場1の特定のエリア内の特定の層に適用すべき材料、工事現場1の特定のエリア内の特定の層の目標寸法、工事現場1の特定のエリア内の特定の層の目標定格荷重、及び場合によっては工事現場1の各特定のエリア内の特定の層を完成させるために適用すべき特定の作業方法を表すことができる。土工情報モデルは、工事現場又はその何らかの特定の層又は特定のエリアを完成させるために実行する必要がある具体的な所定の作業タスクを含むこともできる。土工情報モデルは更新することもでき、土工工事現場が実際にどのように構築されたかを表す竣工時データなどのさらなる情報を工事中に追加することもできる。作業タスクも、排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間に関して工事中に更新することができる。
【0047】
土工情報モデルは、例えば表面モデル及び幾何モデルの少なくとも一方を含む。表面モデルは、単一の表面の形状を例えば工事現場1上の3Dメッシュとして表す。表面は、例えば舗装されたアスファルトの最上層の形状を表す。幾何モデルは、工事現場1の様々なエリア内の層、表面、2D及び3D位置、線及びメッシュなどの異なるモデル内要素の幾何学的関係を表す。これらの要素は、例えば道路の中心線、排水管の位置、電柱の位置などを表す。
【0048】
本明細書に開示する解決策において適用できる土工情報モデルは、例えば地理空間情報システム(Geospatial Information System:GIS)、ビルディングインフォメーションモデリング(Building Information Modelling:BIM)、インフラ又はインフラストラクチャビルディングインフォメーションモデリング(Infra or Infrastructure Building Information Modelling:I-BIM)、シビルインフォメーションモデル(Civil information Model:CIM)、プロジェクトインフォメーションモデル(Project Information Model:PIM)、及びスマートシティプラットフォーム(SmartCity Platform)といったモデルのうちの少なくとも1つに基づくことができ、これらは図5に概略的に示す。一般に、これらの土工情報モデルは当業者に周知であり、従って本明細書ではこれ以上詳細に検討しない。
【0049】
異なる作業タスクを実行するために適用すべき効率的な作業方法の確実な選択を可能にし、さらには異なる種類の工事現場を完成させるための情報を提供するには、土工工事現場において適用される異なる作業方法又は手段の効率性を決定するために適用できる方法が存在すべきである。これらの方法又は手段は、将来的な土工工事現場を効率的に施工するために適用すべき効率的な作業方法又は手段の選択のために利用することができる。ある土工工事現場のために計画された土工情報モデルにおいて決定された異なる作業タスクに対する様々な作業方法からの情報を組み合わせることにより、計画された土工工事現場を完成させるのに必要な各作業タスク又は作業フェーズのための作業方法を選択し、その後に例えば計画される将来的な土工工事現場に関連する各作業タスク又は作業フェーズの排出量をより具体的に予測することができる。土工工事現場における様々な作業方法に関連する排出量又はその他の因子に関するデータ又は情報又は知識を提供するための解決策は、土工工事現場における場所固有の竣工時性能値を決定する方法である。場所固有の竣工時性能値は、工事現場内の場所が分かっている特定のエリアにおいて適用される1又は複数の作業方法の効率性を示す。土工工事現場における場所固有の竣工時性能値を決定する必要な又は任意の動作は、例えば土工機械の制御ユニットにおいて実行することができる。方法は、
- 土工工事現場の土工情報モデルを決定することと、
- 土工工事現場又は土工情報モデルにおける土工機械のツールの位置を決定することと、
- 土工情報モデルから、工事現場における土工機械の作業タスクを決定することと、
- 土工情報モデルにおける土工機械のツールの位置に少なくとも部分的に基づいて、工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分を決定することと、
- 土工機械から、工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分に関連する排出量、エネルギー消費量又は経過時間のうちの少なくとも1つを場所固有の竣工時性能値として取得することと、
を含む。
【0050】
図6に概略的に示す本開示の方法では、土工工事現場の土工情報モデルを決定することにより、土工工事現場のために設計された少なくとも1つの土工情報モデルを使用のために選択する。少なくとも1つの土工情報モデルは、例えば上述したモデルのうちの1つに基づくことができる。
【0051】
また、土工工事現場における土工機械のツールの位置も決定する。土工機械のツールの位置は、例えば上述したような衛星ベースの測位システム及び/又は少なくとも1つの追跡装置を利用することによって決定することができる。さらに、土工情報モデルにおける土工機械のツールの位置も決定する。決定された土工情報モデルにおける土工機械の位置は、工事現場におけるツールの実際の位置に関する指示を提供することにより、土工情報モデルにおける土工機械の位置を示す1つの位置情報を提供する。
【0052】
この方法では、工事現場における土工機械の作業タスクも決定する。作業タスクは、土工情報モデルから決定される。作業タスクは、例えば土工機械のオペレータが決定することができる。或いは、作業タスクは、例えばオペレータの監督者又は作業管理者がオペレータのために決定することもできる。土工機械の位置が既知であるため、作業タスクは、土工工事現場のサーバが決定することもでき、また土工工事現場から収集された土工工事現場のその場所の完成度に関するデータから、その場所で次に作業すべき作業タスクを検索することもできる。或いは、それぞれの土工機械が付近で実行できる全ての作業タスクをサーバが提案し、次に作業すべき土工機械の作業タスクとしてどの作業タスクを選択するかをオペレータ、監督者又は作業管理者が決定するようにして作業タスクを決定することもできる。
【0053】
上述したように、作業タスクは、工事現場の完成を進めるために工事現場の特定の場所で土工機械が実行又は実施すべき動作又は一連の動作である。この動作は、例えば作業対象エリアから離れた工事現場から除去すべき土のすくい上げ、又は作業対象エリアの工事現場に敷き詰めるべき砂利のすくい上げなどの、作業対象エリアに配置される又は配置すべき材料に従うべき特定の処理を含むことができる。土工機械の作業タスクが決定されると、例えば決定された作業タスク及び土工機械の現在位置に基づいて作業対象エリアを決定することができる。決定された作業タスクは、1又は2以上の作業対象エリア、或いは作業対象エリア内の1又は2以上のエリア単位、或いは作業対象エリア内の1又は2以上の層をカバーし、そこで実行すべき1又は2以上の動作を表す。作業対象エリア又は作業対象エリア内のエリア単位は、決定された作業タスクの1又は2以上の場所固有の部分を作業タスクに応じて表す。
【0054】
決定された作業タスクは、土工工事現場の土工情報モデル内で決定された作業タスクである。従って、土工情報モデルは、工事現場又はその何らかの特定の層又はエリアを完成させるために実行する必要がある特定の作業タスクを有するように、すなわち含むように構成される。土工機械は、工事現場又はその何らかの特定の層又はエリアを完成させるために工事現場で動作する限り、土工情報モデル内で決定された作業計画に従うように意図される。上述したように、工事現場1では土工機械のツールの位置が既知であるため、土工情報モデル内で土工機械のツールの位置を決定することができる。土工情報モデル内の土工機械の位置に少なくとも部分的に基づいて、工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分をさらに決定する。本明細書における決定された作業タスクの場所固有の部分は、決定された作業タスクに関連する特定の場所においてその特定の場所のために実行すべき少なくとも1つの動作を意味する。或いは、特定の場所は、作業タスクの記述の精度、及び/又は場所固有の竣工時性能値の意図される場所固有の精度に応じて、特定の作業対象エリア、特定の作業対象エリア内の特定のエリア単位、特定の作業対象エリア内の特定の層、又は特定の作業対象エリアの特定のエリア単位内の特定の層を意味することもできる。
【0055】
決定された作業タスクの場所固有の部分を正確に決定する方法に関しては複数の方法が存在する。オペレータは、何らかの入力装置又は入力構成を使用してエリア又はエリア単位を指し示すことによって制御ユニット12などの制御システムに教えることができる。制御ユニット12などの制御システムに教えること又は自動的に作業フェーズを発見することによって作業フェーズを発見することにより、作業すべき決定された作業タスクの場所固有の部分、すなわちエリア又はエリア単位を決定することができる。土工機械によって実行される作業タスクは既知であるため、作業対象エリアも既知である。ある作業フェーズにおいて土工機械のツールが作業対象エリアの外部エリアに移動する場合、この外部への移動における作業フェーズは、決定された作業タスクに関する質量体積の廃棄又は質量体積の獲得のいずれかであり、それ以外の作業フェーズは、決定された作業タスクの場所固有の部分に関する。場所固有の部分、すなわちエリア又はエリア単位を決定するために、他の何らかの既知の技術又はこれらの技術の組み合わせが存在することもできる。
【0056】
さらに、工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分に関連する排出量、エネルギー消費量又は経過時間のうちの少なくとも1つを場所固有の竣工時性能値として土工機械から取得する。ここでは、工事現場内の特定の場所における決定された作業タスクの前記場所固有の部分に関連する動作を実行することに関する排出量及び/又はエネルギー消費量及び/又は経過時間が決定される。決定された土工機械のツールの位置に対応する特定の場所が既知であり、決定された作業タスクの場所固有の部分のこの特定の場所に関連する実現された排出量及び/又はエネルギー消費量及び/又は経過時間が既知である場合、場所固有の竣工時性能値を取得することができる。
【0057】
ある実施形態によれば、センサ配列から受け取られた情報、及び土工機械の制御ユニット12によって実行される制御コマンドに基づいて、実行される作業タスクの作業フェーズを識別することができ、土工工事現場における土工機械のツールの位置、識別された作業フェーズ、及び工事現場又は何らかの特定の層又は何らかの特定の層の何らかの特定のエリアを完成させるために実行する必要がある作業動作に基づいて、作業対象エリアを決定することができる。本明細書で説明するセンサ配列は、例えばツールを支持する機械部品の位置、向き及び/又は動きを示すために土工機械において適用される圧力センサ、慣性測定ユニット及びその他のセンサを意味する。
【0058】
従って、排出量、エネルギー消費量又は経過時間のうちの少なくとも1つに関する、土工機械から取得される決定された作業タスクの場所固有の部分のデータは、土工情報モデル内の決定された作業タスクの場所固有の部分に関連することができる。
【0059】
決定された作業タスクの場所固有の部分に関連する、排出ガス及び/又はエネルギー消費量及び/又は経過時間に関する場所固有の竣工時性能値は、工事現場内の特定の場所に関連する決定された作業タスクの場所固有の部分を実行するために適用される(単複の)作業方法又は(単複の)作業手段の効率性に関する尺度又は値又は指示を提供する。実現された排出量及び/又はエネルギー消費量及び/又は経過時間が小さければ小さいほど、決定された作業タスクの場所固有の部分に適用される(単複の)作業方法又は(単複の)作業手段の効率性は高い。例えば、場所固有の竣工時性能値は、決定された作業タスクの場所固有の部分に関連する排出量、エネルギー消費量又は経過時間のうちの実現された少なくとも1つと、例えば処理された材料の質量体積又は完成したエリアの表面積との間の関係又は他の何らかの依存性を、決定された作業タスクの場所固有の部分に関して表す数値であることができる。
【0060】
ある実施形態によれば、決定された作業タスクの場所固有の部分に関連する実現された排出量及び/又はエネルギー消費量及び/又は経過時間は、1つ、2つ又は3つの独立した場所固有の竣工時性能値、或いは単一の組み合わさった場所固有の竣工時性能値として提示することができる。単一の場所固有の竣工時性能値は、何らかの種類の実現された排出量及び/又はエネルギー消費量及び/又は経過時間の直接的な又は重み付きの組み合わせであることができる。
【0061】
重み付きの組み合わせを使用できる例は、経過時間及び排出量の重み付けである。決定された作業タスクの場所固有の部分を実行するために、大型掘削機が何らかの特定の時間及び何らかの特定の排出量を使用する場合、小型掘削機を使用して行った時には、決定された作業タスクの同じ場所固有の部分が、例えば2倍の時間及び70%の排出量で実行されるであろう。そうすると、将来的な作業の計画を立てる際にどちらの掘削機を選択すべきかが問題となる。工事現場作業のスケジュールを計画する際にその作業が重要であると判定されれば、大型掘削機を選択することが有用な場合もあり、工事現場作業のスケジュールを計画する際にその作業が重要でないと判定されれば、経過時間は2倍になるが排出量が少ない小型掘削機を選択することもできる。それでもやはり、どちらの選択肢を選ぶべきかについての結果は、作業タスク、及び作業タスクにおける排出量に対して経過時間にどのように重み付けするかに依存する。現実的には、何らかの理由で小型掘削機が利用できず、又はあまりに遠方に存在するため、作業タスクを実行するために大型掘削機を選択した方が低コストであるという状況も考えられる。計画の変更に関して言えば、予測された排出量と測定された排出量との間には相違があると思われ、予測された経過時間と測定された経過時間との間にも相違があると思われる。さらに、小型の掘削機が電動式であり、大型の掘削機がディーゼル式である場合には、エネルギー消費量についても考慮し、これにも排出量及び経過時間に対して何らかの重み付けを行うことが賢明である。さらに、土工工事現場の契約書が排出量制限及び時間制限を含む場合、作業タスクがスケジュールに関して重要でない場合には排出量の重みが最も高いと考えられ、従って作業タスクを実行するために電動式の小型掘削機を選択することが最も合理的であることができる。
【0062】
ある実施形態によれば、排出量は、例えば二酸化炭素排出量又は窒素排出量、或いはこれらの両方を意味する。土工機械1台当たりの使用燃料当たり排出量は、予め排気ガスから測定した後に土工機械1台当たりの使用燃料量から測定することができる。契約内に要件を有するこのような排出量は、何らかの手段によって測定することができる。場合によっては、例えば使用される軽油又は電力などのエネルギー消費量から何らかの排出量を予測することも必要となり得る。
【0063】
ある実施形態によれば、エネルギー消費量は、測定された土工機械の電気エネルギー及び/又は燃料消費量、或いは土工機械によって使用される電力に基づいて計算される土工機械の電気エネルギー及び/又は燃料消費量を意味することができる。
【0064】
ある実施形態によれば、経過時間は、例えば土工機械の運転時間メータ又は稼動時間メータによって測定される、使用済み作業時間を意味することができる。これに代えて又は加えて、決定された作業タスクの各場所固有の部分に関する経過時間は、土工機械の作業サイクル、及び土工機械の稼動時間内の作業サイクルのそれぞれの部分におけるツールの位置から推論することもできる。
【0065】
土工工事現場における土工機械のツールの位置の決定は、作業サイクルを決定することのみならず様々な方法で実行することができる。
【0066】
工事現場及び土工情報モデルにおけるツールの位置を決定する実施形態によれば、土工機械のオペレータは、作業の実行中に適用される土工情報モデルにおいて、例えばそれぞれの特定の作業対象エリア、作業対象エリア内のそれぞれのエリア単位、又はこれらの少なくともいずれか一方における特定の層にツールが接触することによってツールが特定の位置に存在することを指定することができる。
【0067】
工事現場におけるツールの位置を決定する実施形態によれば、工事現場における土工機械の位置及び向きが、例えば工事現場座標系CSCSにおいて決定され、さらに機械座標系MCSにおける土工機械のツールの位置が決定される。工事現場座標系CSCSは、工事現場内の何らかの静止した動かない物体に固定することができる。機械座標系MCSは、土工機械内の何らかの特定の地点に固定することができる。現場座標系CSCS及び機械座標系MCSは、図1に概略的に示している。機械座標系MCSにおいてツールの位置が既知である場合、工事現場におけるツールの位置は、工事現場座標系CSCSと機械座標系MCSとの間の依存性に基づいて既知であり、このためツールの位置は、工事現場における特定の作業対象エリア、作業対象エリアにおける特定のエリア単位、又はこれらの少なくとも一方における特定の層に関連することができる。工事現場におけるツールの位置は、土工情報モデル内のツールの位置を示す。同様に、工事現場におけるツールの位置が既知である場合には、オペレータが機械に作業サイクルを教えることで、作業サイクル内で何らかの手段によって作業すべき位置を入力することができる。これらの入力手段は、ボタン、ボイスコマンド、土工情報モデル又はいずれかの種類のマップ内の工事現場表現におけるそれぞれのエリアへの接触であることができる。
【0068】
ある実施形態によれば、衛星ベースの測位システムGNSS(全地球的航法衛星システム)を利用することによって工事現場における土工機械の位置及び向きを決定することができる。
【0069】
ある実施形態によれば、工事現場1における土工機械の位置及び向きを単独で又は少なくとも1つの他の装置と組み合わせて追跡できる、工事現場座標系CSCS内の工事現場1における既知の又は導出可能な位置を有する少なくとも1つの装置によって工事現場における土工機械の位置及び向きを決定することもできる。この種の装置の例は、カメラ、立体カメラ、ライダー、レーダー及びタキメータである。このような装置の位置を把握又は導出するには、例えば衛星ベースの測位、及び/又は工事現場座標系CSCS内で既知の検出可能なマーカを使用することができる。
【0070】
ある実施形態によれば、工事現場における土工機械の位置及び向きが決定された後に、例えばツールを支持する機械部品の位置及び向きを示すセンサ配列が機械座標系MCSにおける土工機械のツールの位置を決定することによって土工機械のツールの位置を決定することができる。
【0071】
工事現場におけるツールの位置を決定する実施形態によれば、工事現場座標系CSCS内の工事現場1における既知の位置を有するとともに、工事現場1における土工機械のツールの位置を単独で又は少なくとも1つの他の装置と組み合わせて追跡するように構成された少なくとも1つの装置によって、工事現場におけるツールの位置が決定される。或いは、土工機械のツールの位置は、工事現場1における土工機械の位置を追跡した後に、ツールを支持する機械部品の位置及び向きを示すセンサ配列を使用して決定される。その後、工事現場1における決定された土工機械の位置を、工事現場1及び土工情報モデルにおける特定の作業エリア、特定のエリア単位、又はこれらの少なくともいずれかにおける特定の層に関連付けることができる。
【0072】
ある実施形態によれば、方法は、土工機械のツールの向きを少なくとも1つの自由度で決定することをさらに含み、工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分を決定することは、土工機械のツールの少なくとも1つの自由度に少なくとも部分的に基づく。
【0073】
従って、この実施形態によれば、工事現場1におけるツールの向きは少なくとも1つの自由度で決定され、各ツールに関してどの自由度を使用するかの選択は、例えば作業サイクル及び/又は工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分の決定に役立つ自由度などの、対象の作業タスクにとって最も有用な1つの自由度になる。例えば、掘削機又はホイールローダのバケット8のピッチ角の変化を利用して、これらの土工機械が材料を運搬できるか否かを判定することができる。より高度な掘削機などのいくつかの土工機械は、バケット8を旋回させる3つの異なる自由度を有することにより、バケット8がロール、ピッチ及びヨーなどの3つの可能な異なる配向方向を有することができる。一方で、ドラムローラのドラムなどのいくつかのツールは、向きを1方向にしか変化させることができない場合もある。
【0074】
土工機械のツールの向きの決定は、例えば土工機械によって実行される作業タスクが行われる作業対象エリア、作業対象エリアのエリア単位、又はこれらの少なくともいずれか一方における何らかの特定の層を決定するための決定的要因がツールの向きとなるように、決定されるツールの位置の精度をさらに高めることができる。例えば、ツールの位置が作業対象エリアの何らかのエリア単位内に存在すると判定された場合でも、ツールの向きを知ることで、実際には作業対象エリアの別のエリア単位で作業タスクが実行されると判定することができる。さらに、例えばバケット8では、実際に作業しているツールのエリアはツールの先端である場合も、又はバケット8の底部全体である場合も、又はバケットの側面である場合もあるため、ツールの向きは、ツールのどのエリアが実際に作業しているかを決定できるようにツールの位置を決定するのに役立つ。従って、工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分の決定は、土工機械のツールの少なくとも1つの自由度に少なくとも部分的にさらに基づく。
【0075】
ある実施形態によれば、土工機械のツールの位置の決定は、ツールの3次元位置及び向きを決定すること、すなわちツールの位置及び向きを6自由度(6DOF)で決定することを含み、工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分を決定することは、土工機械のツールの3次元位置及び向きに少なくとも部分的に基づく。この実施形態によれば、工事現場1におけるツールの位置及び向きが3次元で決定されることにより、ツールの位置及び向きが、水平方向と、垂直方向と、水平方向及び垂直方向の両方に直角な方向とで決定され、従って工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分の決定は、土工機械のツールの3次元位置及び向きに少なくとも部分的に基づく。この結果、例えば水平方向では、土工機械の位置を工事現場1内の特定の作業対象エリアの特定のエリア単位に関連付けることができ、垂直方向では、土工機械の位置を工事現場1内の特定の作業対象エリアの上述した特定のエリア単位における特定の層に関連付けることができるようになることで、決定される土工機械の位置及び向きの精度が改善される。
【0076】
土工機械のツールの位置を前記3次元、すなわち6自由度で決定する場合、その位置を決定すべきツールの点、線又はエリアは、土工機械のオペレータによって選択可能とすることも、或いはツール固有の予め決まったツール内の点、線又はエリアとすることもできる。掘削機及びホイールローダでは、前記点は、例えばバケット8の先端の中心点であることができ、前記線はバケットの先端の位置に対応することができ、前記エリアはバケット8の底部のエリアに対応することができる。ダンプカーなどの土工運搬機では、前記点はプラットフォームの後端部の先端の中心点であることができ、前記線はプラットフォームの後端部に対応することができる。ドラムローラでは、前記点はドラムの中心点であることができ、又は前記線は、ドラムの幅を有してドラムの最下部に対応する線であることができる。土壌圧縮プレートなどの平面圧縮装置を使用して土を押し固める際には、ツールの前記エリアは圧縮プレートのエリアであることができる。表面ドリルリグ(surface drill rig)では、前記点はドリルビット(drill bit)の端部先端であることができる。
【0077】
ある実施形態によれば、方法は、土工機械のツールの少なくとも1つの特徴を決定することをさらに含み、土工機械のツールの少なくとも1つの特徴は、重量、幅、高さ、最大長さ/伸び、容量、体積、振幅、直径、摩耗量、耐用年数、製造材料、又は所定の耐用年数のうちの少なくとも1つである。従って、この実施形態によれば、列挙した土工機械のツールの特徴のうちの1つの特徴のみ、或いは列挙した土工機械のツールの特徴のうちの2又は3以上の特徴が決定される。どの1つ、2つ又は3以上の特徴が決定されるかについては状況次第であり、従って臨機応変に選択することができる。土工機械のツールの前記少なくとも1つの特徴は、作業対象エリアに関連する排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間に関するデータを評価する際に利用することができる。さらに、このデータを他のそれぞれのデータと比較することもできる。他のそれぞれのデータは、例えば同じ特徴又は異なる特徴を有する他の何らかのオペレータによって行われた同様の作業タスクであることができる。同様に、このデータは、異なる特徴の土工機械、すなわち小型の土工機械、又は大型の土工機械、及び/又は異なるエネルギー源を有する土工機械による同じオペレータによる同様の作業タスクと比較することもできる。
【0078】
土工機械のツールの重量、幅、高さ、最大長さ/伸び、容量、体積、振幅及び直径は土工機械のツールの異なる寸法に関連し、これらの特徴は、生じる排出量又はエネルギー消費量、又は意図される(単複の)動作を実行するために使用される経過時間の観点から土工機械のツールの効率性を決定するための直接的尺度を提供する。例えば、掘削機が大型であって掘削対象エリアが広い場合には、掘削機のバケットのサイズが大きければ大きいほど、掘削動作を完成させるために使用される経過時間は短くなるが、1回のバケット移動の排出量又はエネルギー消費量は高くなる。列挙した特徴は、意図される動作を実行することに関する排出量、エネルギー消費量又は経過時間のうちの少なくとも1つを直接測定又は計算する他の手段が利用可能でない場合に、これらの排出量、エネルギー消費量又は経過時間のうちの少なくとも1つの推定値を決定するために使用することもできる。また、ここでは特定の作業タスクを実行するための特定のツールの使用に関する履歴データを適用することもできる。なお、作業方法を選択して推定を行う観点からすれば、比較すべき他のそれぞれのデータが多ければ多いほど良好な結果を達成することができる。
【0079】
土工機械のツールの摩耗量、耐用年数、製造材料及び所定の耐用年数は、土工機械のツールの効率性に少なくとも間接的に関連する、土工機械のツールの異なる特性に関連する。摩耗量又は既に使用された耐用年数が高ければ高いほど、或いは依然として利用可能な所定の耐用年数が低ければ低いほど、使用されるツールの予想される効率性は低くなる。さらに、ツールの製造材料は、ツールの摩耗量又はツールの予想寿命を増加又は減少させる効果を有することができるとともに、例えばドリルビットの製造材料の問題である場合には、排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間を増加又は減少させる効果を有することもできる。
【0080】
ある実施形態によれば、方法は、土工機械の少なくとも1つの特徴を決定することをさらに含み、土工機械の少なくとも1つの特徴は、重量、幅、高さ、トルク、最大出力、機械の本質的摩耗部品の摩耗量、機械の本質的摩耗部品の耐用年数、機械の本質的摩耗部品の製造材料、機械の所定の耐用年数、少なくとも1つのブームパーツの長さ、軌道モデル、軌道摩耗量、車輪モデル、又は車輪摩耗量のうちの少なくとも1つである。従って、この実施形態によれば、列挙した土工機械の特徴のうちの1つの特徴のみ、或いは列挙した土工機械の特徴のうちの2つ又は3つ以上の特徴が決定される。どの1つ、2つ又は3以上の特徴が決定されるかについては状況次第であり、従って臨機応変に選択することができる。土工機械の前記少なくとも1つの特徴は、作業対象エリアに関連する排出量、エネルギー消費量又は経過時間に関するデータを評価する際に利用することができる。さらに、このデータを他のそれぞれのデータと比較することもできる。他のそれぞれのデータは、例えば同じ特徴又は異なる特徴を有する他の何らかのオペレータによって行われた同様の作業タスクであることができる。同様に、このデータは、上述したような土工機械の異なる特徴のツールによる同じオペレータによる同様の作業タスクと比較することもできる。
【0081】
重量、幅、高さ、トルク、最大出力、軌道モデル、軌道摩耗量、車輪モデル又は車輪摩耗量は、土工機械の異なる寸法、又は意図される工事現場における土工機械の操縦性に関連する当該工事現場での土工機械の使い勝手に関連し、前記列挙した特徴は、生じる排出量又はエネルギー消費量、又は意図される(単複の)動作を実行するために使用される経過時間の観点から土工機械の効率性を決定するための直接的尺度を提供する。例えば、付近の障害物によって作業対象エリアが非常に狭く、選択された土工機械が大型である場合には、大型の土工機械で対処しようと試みると、より多くの排出量、エネルギー量及び経過時間が必要になる場合もある。これらの列挙した特徴は、意図される動作を実行することに関する排出量、エネルギー消費量又は経過時間のうちの少なくとも1つを直接測定又は計算する他の手段が利用可能でない場合に、これらの排出量、エネルギー消費量又は経過時間のうちの少なくとも1つの推定値を決定するために使用することもできる。また、ここでは特定の作業タスクを実行するための特定の土工機械の使用に関する履歴データを適用することもできる。なお、作業方法を選択して推定を行う観点からすれば、比較すべき他のそれぞれのデータが多ければ多いほど良好な結果を達成することができる。
【0082】
機械の本質的摩耗部品の摩耗量、機械の本質的摩耗部品の耐用年数、機械の本質的摩耗部品の製造材料、機械の所定の耐用年数及び少なくとも1つのブームパーツの長さは、土工機械の動作効率に少なくとも間接的に関連する、土工機械の異なる特性に関連する。本質的摩耗部品の例はプラットフォーム構造であり、最も本質的には地表に力を伝える構造、すなわち車輪又は軌道である。軌道が摩耗すると機械がスリップしやすくなり、従って作業中に移動するために機械が過度の燃料及び時間を費やすことになる。本質的摩耗部品の別の例は、ブーム構造の継手である。本質的摩耗部品の製造材料の例は、このような摩耗部品において使用される鋼の品質である。例えば、鋼の品質は、摩耗部品の耐用年数及び摩耗量に関して最も重要である。鋼の品質が悪ければ悪いほど、機械の次の修理タイミングも早くなる。摩耗量又は既に使用済みの耐用年数が高ければ高いほど、或いは依然として利用可能な所定の耐用年数が低ければ低いほど、土工機械自体の予想される動作効率は低くなる。さらに、機械の本質的摩耗部品の製造材料は、機械の本質的摩耗部品の摩耗量、又は機械の本質的摩耗部品の予想耐用年数を増加又は減少させる効果を有することができる。
【0083】
ある実施形態によれば、方法は、土工機械から、工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分に関連する排出量、エネルギー消費量又は経過時間のうちの少なくとも1つを複数取得することと、土工機械から取得された、工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分に関連する排出量、エネルギー消費量又は経過時間のうちの少なくとも1つの複数のものの総量を決定することと、を含む。
【0084】
この実施形態によれば、排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間に関する複数の個別に決定された測定値又は値又は他の指示が、決定された作業タスクの場所固有の部分に関連付けられる。このため、これらの測定値又は値又は指示は、作業タスクを実行するために動作が必要とされて土工機械から測定値又は値又は指示が取得されたエリア、エリア単位、又は少なくともいずれかにおける特定の層に関連する。さらに、決定された作業タスクの場所固有の部分に関連する排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間の複数の個別に決定された測定値又は値又はその他の指示に基づいて、複数の排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間の総量が決定され、決定された作業タスクの場所固有の部分に関連付けられる。換言すれば、この実施形態では、土工機械が作業を行った決定された作業タスクの場所固有の部分に関連する排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間の総量のデータ又は情報がその単一の土工機械から取得される。
【0085】
ある実施形態によれば、方法は、土工機械が、工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分を完成させることと、工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分を完成させるための、工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分に関連する排出量、エネルギー消費量又は経過時間のうちの取得された少なくとも1つのもの全てから、工事現場における決定された作業タスクの完成した場所固有の部分に関連する排出量、エネルギー消費量又は経過時間のうちの少なくとも1つの量を決定することと、をさらに含む。
【0086】
この実施形態によれば、工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分が完成した後に、工事現場における決定された作業タスクの完成した場所固有の部分に関連する排出量、エネルギー消費量又は経過時間のうちの少なくとも1つの量、或いは換言すれば、工事現場における決定された作業タスクの完成した場所固有の部分に関連する排出量、エネルギー消費量又は経過時間のうちの少なくとも1つの完成量が決定される。この決定は、工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分を完成させるのに必要な、工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分に関連する排出量、エネルギー消費量又は経過時間のうちの取得された少なくとも1つのもの全てに基づき、これことにより、決定された作業タスクの場所固有の部分に関連する排出量、エネルギー消費量又は経過時間のうちの少なくとも1つが、決定された作業の場所固有の部分を完成させるために関与した全ての土工機械から収集される。
【0087】
ある実施形態によれば、方法は、工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分を完成させるための排出量、エネルギー消費量又は経過時間のうちの少なくとも1つのデフォルト量をそれぞれ決定することと、工事現場における決定された作業タスクの完成した場所固有の部分に関連する排出量、エネルギー消費量又は経過時間のうちの少なくとも1つの量を、工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分を完成させるための排出量、エネルギー消費量又は経過時間のうちの少なくとも1つのデフォルト量と比較することにより、工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分の全体的効率性を決定することと、をさらに含む。
【0088】
この実施形態によれば、工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分を完成させるための、すなわちこの作業タスク又はこの作業タスクの一部に関連する特定の作業対象エリア、作業対象エリア内の特定のエリア単位、又はこれらの少なくともいずれかにおける特定の層を完成させるための排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間のデフォルト量が決定される。その後、作業対象エリア、作業対象エリアの特定のエリア単位、又はこれらの少なくともいずれか一方における層を完成させるために、工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分に含まれる動作、すなわち決定された作業タスクの前記場所固有の部分又は前記作業タスクの一部に関連する、作業対象エリア、作業対象エリアのエリア単位、又はこれらの少なくともいずれかにおける層を完成させるために必要な動作が土工機械によって実行される。その後、工事現場における決定された作業タスクの完成した場所固有の部分に関連する排出量、エネルギー消費量又は経過時間のうちの少なくとも1つを排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間のデフォルト量と比較することにより、作業対象エリア、作業対象エリアの特定のエリア単位、又はこれらの少なくともいずれか一方に関連する決定された作業タスクの場所固有の部分について排出量、エネルギー消費量、経過時間の全体的効率性を決定する。この実施形態では、土工工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分の全体的効率性が、決定された作業タスクの場所固有の部分の排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間の決定されたデフォルト量に基づく。ある実施形態によれば、工事現場における決定された作業タスクの完成した場所固有の部分に関連する排出量、エネルギー消費量又は経過時間のうちの少なくとも1つのデフォルト量は、例えば決定された作業タスクの場所固有の部分を完成させるために処理及び/又は移動させるべき材料の質量体積に基づく推定値であることができる。或いは、デフォルト量は、例えば同じツール及び同じ土工機械を有する、又は異なる特徴のツール及び/又は異なる特徴の土工機械を有する同じ又は他のオペレータによって実行された以前の同様の作業タスク、或いは全ての同様の作業タスクの平均値から取得しておくこともできる。
【0089】
ある実施形態によれば、工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分を完成させるための排出量、エネルギー消費量又は経過時間のうちの少なくとも1つのデフォルト量は、同様の土工機械又は異なる土工機械のうちの少なくとも1つによる同じ作業タスクの平均量である。
【0090】
この実施形態によれば、決定された作業タスクの場所固有の部分を完成させるための排出量、エネルギー消費量又は経過時間のデフォルト量は、1又は2以上の以前の作業対象エリア、1又は複数の作業対象エリアの1又は2以上の以前のエリア単位、或いはこれらの少なくともいずれかにおける1又は2以上の以前の層を完成させるために以前に使用された土工機械によって実行された実質的に同様の動作を含む複数の作業タスクの収集された履歴データに基づく。1又は2以上の以前の作業タスクは、1つの同じ土工機械又は異なる土工機械によって実行されたものであることができる。
【0091】
前記平均量は、前記排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間に関連する以前の作業タスクを完了するために関与した土工機械の類似性又は相違性を考慮しない排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間の直線平均(straight average)を意味することができる。或いは、平均量は、以前の作業タスクを完了するために関与した土工機械の特性又は特徴の相違を考慮した排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間の加重平均であることもできる。この種の実施形態は、以前のディーゼル式機械と比較した新たな電動式土工機械、又は以前のツールと比較した新たなツールなどの新たな解決策からより効率的な作業方法を発見しようと試みる際に有用である。
【0092】
決定された作業タスクの場所固有の部分に関連する排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間の前記平均量を決定する場合、前記平均量の決定のための決定因子は、前記平均量の決定において考慮すべき異なる作業タスク間の土壌条件及び/又は支配的気象条件などの環境条件の相違を考慮しない、関連する作業タスクを完了するために実行された動作の類似性又は相違性であることもできる。或いは、排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間の平均量の決定において考慮すべきより正確な作業タスクの分割を適用することにより、同様の土壌条件及び/又は環境条件で実行された作業タスクのみを前記平均量の決定において考慮することもできる。
【0093】
ある実施形態によれば、方法は、土工情報モデルから、工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分を完成させるために移動させるべき質量体積を決定することと、工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分を完成させるために移動させるべき質量体積を、工事現場における決定された作業タスクの完成した場所固有の部分に関連する排出量、エネルギー消費量又は経過時間のうちの少なくとも1つの量と比較することにより、工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分の質量効率を決定することとを含む。
【0094】
この実施形態によれば、決定された作業タスクにおいて、各作業対象エリアAW又は各作業対象エリアAWのエリア単位AU当たりの移動させるべき質量体積が定められる。作業対象エリアAW又は作業対象エリアAWのエリア単位AU当たりの移動させるべき質量体積は、作業対象エリアAW又はそのエリア単位AUから移動させるべき材料質量体積、或いは作業対象エリアAW又はそのエリア単位AUに移動させるべき材料質量体積のいずれかを状況に応じて意味することができる。各作業対象エリアAW、又は各作業対象エリアAWの各エリア単位AU、或いはこれらの少なくともいずれかにおける各層は、決定された作業タスクのそれぞれの場所固有の部分を表すことができ、このため工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分を完成させるために移動させるべき質量体積を、決定された作業タスクの完成した場所固有の部分に関連する排出量、エネルギー消費量又は経過時間のうちの少なくとも1つの量と比較することにより、質量効率、すなわち材料移動の効率を決定することができる。
【0095】
ある実施形態によれば、方法は、工事現場における決定された作業タスクの複数の場所固有の部分を完成させることと、土工情報モデルから、工事現場における決定された作業タスクの複数の場所固有の部分の各々について移動させるべき質量体積を決定することと、工事現場における決定された作業タスクの複数の完成した場所固有の部分に関する移動された総質量体積を、工事現場における作業タスクの全ての場所固有の部分を完成させるために移動させるべき質量体積と比較することにより、工事現場における決定された作業タスクの完成度を決定することと、をさらに含む。
【0096】
従って、この実施形態では、作業タスクを完了するために、すなわち決定された作業タスクの複数の場所固有の部分の各々について移動させるべき質量体積が、工事現場における決定された作業タスクの複数の場所固有の部分の各々について土工情報モデルから決定される。決定される移動させるべき質量体積は、工事現場、又は作業タスクに関連する少なくとも特定の作業対象エリア、又は作業対象エリアの特定のエリア単位から除去される質量、或いは作業タスクに関連する特定の作業対象エリア、又は作業対象エリアの特定のエリア単位へ移動される質量、或いはこれらの両方を意味することができる。作業タスクを完了するために移動させるべき質量体積は、工事現場の進行中に現場で決定することもできる。このことは、何らかの理由で計画の変更が行われる場合に適することができる。移動された正しい質量体積を検証する方法が存在し、その量が以前に決定された量と異なる場合には、決定された質量体積を作業の進行につれて再決定することができる。さらに、代替方法によれば、作業タスクを完了するために移動させるべき質量体積は、以前に完成した工事現場で実行された対応する作業タスクに基づいて決定されるデフォルト値として決定することもできる。この代替方法は、工事現場から土を除去する場合のような、土工情報モデルが特定の厚みを指定しないような作業タスク又はその一部に適することができる。
【0097】
さらに、この実施形態は、決定された作業タスクの完成した場所固有の部分に関する移動された総質量体積を決定することにより、土工機械によって移動された総質量体積を決定することを含む。土工機械は、決定された作業タスクの完成した場所固有の部分に対応する個々の完成した作業対象エリア又はその中のエリア単位に関する移動された質量体積の記録を保持する。決定された作業タスクの個々の完成した場所固有の部分に関する移動された総質量に基づいて、土工機械によって移動された総質量を決定することができる。土工機械によって移動された総質量が決定されたことに応答して、工事現場における決定された作業タスクの複数の完成した場所特定の部分に関する移動された総質量を、工事現場における決定された作業タスクの全ての場所特定の部分を完成させるために移動させるべき質量体積と比較することにより、工事現場における決定された作業タスクの準備度合いを示す、決定された作業タスクが土工機械によって完了した割合を決定することができる。
【0098】
ある実施形態によれば、土工機械は第1の土工機械であり、方法は、第1の土工機械の工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分に関連する排出量、エネルギー消費量又は経過時間のうちの少なくとも1つを少なくとも1つの第2の土工機械からそれぞれ取得することをさらに含む。
【0099】
この実施形態によれば、第1の土工機械の決定された作業タスクの場所固有の部分に関する作業タスクを完了するのに必要な動作、すなわち第1の土工機械が動作する作業対象エリア又は作業対象エリア内のエリア単位に関する作業タスクを完了するのに必要な動作を実行するために参加する少なくとも2つの土工機械、すなわち第1の土工機械及び第2の土工機械が存在する。この実施形態では、第1の土工機械の動作に関する決定された作業タスクの場所固有の部分に関連する排出量、エネルギー消費量又は経過時間が決定される。また、作業タスクを完了するのに必要な動作を実行するために参加する少なくとも1つの別の土工機械の(単複の)動作に関連する決定された作業タスクの同じ場所固有の部分に関連する排出量、エネルギー消費量又は経過時間もそれぞれ決定される。少なくとも1つの第2の土工機械の例は、土工運搬機械、作業対象エリア又はその中の何らかのエリア単位から運搬すべき材料を土工運搬機械に積み込むために、又は作業対象エリア又はその中の何らかのエリア単位に運搬すべき材料を土工運搬機械に積み込むために使用される機械、或いは作業対象エリア又はその中の何らかのエリア単位に運搬すべき材料を採石及び/又は粉砕するために使用される機械である。第2の土工機械が、第1の土工機械が掘削してこの第2の土工機械に積み込んだ材料を運搬する土工運搬機械である例では、第1の土工機械が、材料が掘削された場所固有のエリアから各積み込みまでを追跡する。第2の土工機械が前記材料を運搬する作業サイクルを実行すると、作業サイクルのそれぞれの排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間が第2の土工機械から取得され、第1の土工機械の決定された作業タスクの(単複の)正しい場所固有の部分に関連付けられる。
【0100】
上述したような実施形態のさらなる実施形態によれば、少なくとも1つの第2の土工機械は土工運搬機械であり、第2の土工機械に関する第1の土工機械の工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分に関連する排出量、エネルギー消費量又は経過時間のうちの少なくとも1つは、運搬された材料に関する排出量、エネルギー消費量又は経過時間のうちの少なくとも1つをそれぞれさらに含む。
【0101】
この実施形態によれば、少なくとも1つの第2の土工機械は土工運搬機械であり、第2の土工機械に関連する排出量、エネルギー消費量又は経過時間のそれぞれの少なくとも1つは、運搬材料に関する排出量、エネルギー消費量又は経過時間のそれぞれの少なくとも1つをさらに含む。この実施形態によれば、決定された作業タスクの場所固有の部分に関連するそれぞれの排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間を決定する際に、土工運搬機械によって運搬される材料に関連するそれぞれの排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間も考慮される。このことは、例えば採石及び/又は破砕などの製造に使用されるそれぞれの排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間、並びに前記材料を土工運搬機械に積み込むために使用される排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間が、土工運搬機械が運搬すべき前記材料に関連することを意味する。前記材料の運搬に応答して、前記材料に関連していた排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間は、土工運搬機械に関連する排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間に含まれるようになり、これらの排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間は、前記材料が作業対象エリア又はその中の何らかの特定のエリア単位に運搬されることによって生じたものである。前記材料が作業対象エリア又はその中の何らかの特定のエリア単位に運搬されたことに応答して、この時点で前記材料の製造及び積み込みに関する排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間も含む、土工運搬機械に関連する排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間は、前記作業対象エリア又はその中の何らかの特定のエリア単位において動作する土工機械に関連する排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間に関連付けることができ、最終的には前記作業対象エリア又はその中の何らかの特定のエリア単位に関連する排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間にさらに関連付けることができる。この時点で、前記作業対象エリア又はその中の何らかの特定のエリア単位に関連する排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間は、決定された作業タスクの場所固有の部分に関するエリアの範囲に応じて、前記作業対象エリア又はその中の何らかの特定のエリア単位について第1の土工機械によって実行された作業タスクに関する行われた作業の総排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間を表す。同様に、作業対象エリア又はその中の何らかの特定のエリア単位に運搬された材料を使用する第1の土工機械は、運搬材料が行き着く(単複の)場所特定のエリアを追跡し、その後、運搬材料に関する土工運搬機械から取得されたそれぞれの排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間のための(単複の)正しい場所特定のエリアが、(単複の)正しい作業対象エリア又はその中の(単複の)単位に関連付けられる。
【0102】
上記の例では、作業対象エリアに新たな材料が運搬される場合の作業対象エリアに関する総排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間の決定について説明した。作業対象エリアから何らかの材料が除去される場合、この作業対象エリアに関する総排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間の決定には少なくとも2つの選択肢が存在することができる。除去される材料を他の何らかの作業対象エリアで再使用する場合には、作業対象エリアから除去される材料に関連する排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間を、この材料が除去される作業対象エリアに関する、すなわち決定された作業タスクのそれぞれの場所固有の部分に関する総排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間から削除し、前記材料を受け取る作業対象エリアに関する、すなわち決定された作業タスクのそれぞれの場所固有の部分に関する総排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間に含めることができる。除去される材料が再使用に適しておらず、破棄又は排除しなければならない場合には、作業対象エリアから除去される材料に関連する排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間を、この材料が除去される作業対象エリアに関する、すなわち決定された作業タスクのそれぞれの場所固有の部分に関する総排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間に含めることができる。
【0103】
ある実施形態によれば、方法は、土工機械のツールの移動に関連する土工機械の少なくとも1つの部分を決定することと、工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分についての土工機械の少なくとも1つの部分の移動の加速度データ又は角速度データのうちの少なくとも一方を決定することと、工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分についての加速度データ又は角速度データの少なくとも一方の移動差分値を計算することと、この移動差分値から、工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分に対する性能係数を決定することと、をさらに含む。
【0104】
この実施形態では、決定された作業タスクの場所固有の部分に関する作業対象エリア又はその中のエリア単位の進捗を進める動作を土工機械が実行している時に、土工機械のツールの移動に関連する土工機械の少なくとも1つの部分が決定又は選択され、特にこの土工機械の少なくとも1つの部分の加速度データ又は角速度データの少なくとも一方が決定される。決定された作業タスクの場所固有の部分に関連する排出量、エネルギー消費量又は経過時間のうちの少なくとも1つに照らして、決定された作業タスクの場所固有の部分についての加速度データ又は角速度データの少なくとも一方に関する移動差分値が計算されることにより、土工機械の動作方法と、決定された作業タスクの場所固有の部分に関連するそれぞれの排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間との間の依存性を表す移動差分値に基づく性能係数を決定することができる。性能係数は、土工機械の動作方法が場所固有の竣工時性能値に及ぼす影響を表す情報又はデータを提供し、排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間に照らして土工機械のオペレータをより効率的に土工機械を操作するようにさらに導くために利用することができる。
【0105】
上述したような実施形態のさらなる実施形態によれば、土工機械は掘削機であり、土工機械のツールの移動に関連する土工機械の少なくとも1つの部分は、ブームパーツ、ブーム構造の継手、掘削機の上部キャリッジ、又は掘削機のアンダーキャリッジのうちの少なくとも1つである。掘削機の少なくとも1つの前記部分の加速度データ又は角速度データの少なくとも一方を検査することにより、工事現場における決定された作業タスクの場所固有の部分に対する性能係数を決定することができる。より多くの部分を検査すればするほど結果はより正確なものになるが、設置コストも高くなる。従って、最適な部分及び好適な数の検査部分を臨機応変に選択することができる。
【0106】
図7に、土工工事現場における場所固有の効率性を決定する例を概略的に示す。図7には、土工工事現場1、及びその中の作業対象エリアAWを概略的に示す。図7の例では、工事現場1を完成させるために全部で3台の土工機械が異なる動作を実行しており、これらの土工機械は、作業対象エリアAWに何らかの材料を運搬するローリー、作業対象エリアAW上に材料を均す掘削機、及び作業対象エリアAWを押し固めるドラムローラである。
【0107】
図7の例では、一定質量を有する材料の山をローリーが作業対象エリアAWに運搬する。材料は、ローリーに積み込まれた時点で、ローリーへの材料の積み込みに起因する排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間に関連付けられている。材料を採石及び/又は破砕などの何らかの特別な方法で製造しなければならなかった場合には、この材料の製造に起因する排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間も材料の排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間に関連付けられ、すなわちこれらは、ローリーへの材料の積み込みに起因して生じる排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間と合算される。ローリーから作業対象エリアに材料の山が降ろされることに応答して、材料の運搬及び荷降ろしによって生じる排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間、すなわちローリーによって生じる排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間も、以前に定められた材料の排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間に含められ、これによって前記材料の山の製造、積み込み、運搬及び荷降ろしに関連する排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間を含む材料の総排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間を、作業対象エリアにおける既知の質量体積を有する材料の山に関連付けることができるようになる。従って、材料の山の製造、積み込み、運搬及び荷降ろしに関連する排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間は、各材料の山当たりの1立方メートルの材料毎に均等に分散共有される。
【0108】
掘削機は、既知の質量体積を有する材料の山を均すために使用され、すなわち掘削機のツールの位置が既知であるため、作業対象のエリア又はエリア単位、或いは各エリア又は各エリア単位も既知であり、エリア又はエリア単位、或いは各エリア又は各エリア単位への材料の流れも既知である。掘削機の制御ユニット12などの制御システムは、材料の前記質量体積に関する総排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間を、掘削機が材料の山を均す作業対象のエリア又はエリア単位、或いは各エリア又は各エリア単位に分配する。作業対象のエリア又はエリア単位、或いは各エリア又は各エリア単位上に材料の山を均すことによっても、何らかの排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間が生じる。掘削機によって生じるそれぞれの排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間も、掘削機のツールが材料の山を均すエリア又はエリア単位、或いは各エリア又は各エリア単位に同様に分配され、これらは、工事現場1における決定された作業タスクの場所固有の部分に関連する排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間を表す。
【0109】
或いは、材料の山を均す前に、材料の山に関する排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間を、その材料の山を均すことに起因して生じる掘削機の排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間に含めることもできる。その後、材料の山の排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間と、掘削機に関する、材料の山を均すことによって生じた排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間との合計量を材料の山の質量体積に均等に分配した後に、材料の山の質量体積が均された作業対象のエリア又はエリア単位、或いは各エリア又は各エリア単位に均等に分配する。換言すれば、エリア単位AU1がX立方メートルの材料を必要とし、エリア単位AU2が2*X立方メートルの材料を必要としていた場合、制御ユニット12などの制御システムは、エリア単位AU1と比べて2倍の排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間をエリア単位AU2に分配する。
【0110】
ドラムローラは、作業対象エリア上に材料の山が均された後に作業対象エリアを押し固め、その後に少なくともこの工事現場1の作業対象エリアAWを均して押し固めることを含む作業フェーズが完了したとみなすことができる。この時点で、ドラムローラによって生じる排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間は作業対象エリアAWに含まれる。ドラムローラの押し固め作業については、排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間が平方メートルに関して共有される。ツール、すなわちドラムローラの圧縮装置の位置が既知であるので、ドラムローラの排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間を作業対象のエリア又はエリア単位、或いは各エリア又は各エリア単位に分配することができる。換言すれば、ドラムローラの場合には材料の質量体積は問題ではなく、表面積、並びに作業対象のエリア又はエリア単位、或いは各エリア又は各エリア単位に関するドラムローラの排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間が問題であることにより、ドラムローラによって生じる排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間は、この時点で均されて押し固められている作業対象のエリアAW又はエリア単位、あるいは各エリア又は各エリア単位に関連付けられ、工事現場1におけるドラムローラの決定された作業タスクの場所固有の部分に関連する排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間を表す。
【0111】
作業対象エリアAWを均して押し固めることを含む上述した作業フェーズを完了するための排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間の総量に関するデータは、例えば工事現場1のサーバ又は工事現場1のクラウドサービスに収集することができる。説明したように、作業対象エリアAWはエリア単位に分割することができ、運搬材料は、1つの作業対象エリアAWのみに均すのではなく別の作業対象エリアAWに均すこともでき、運搬材料を均す土工機械は、運搬材料が均される作業対象エリア内に運搬された材料に関する排出量、消費電力量及び/又は経過時間を共有する機械である。ドラムローラは、それ自体の排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間のみを追跡する土工機械の例であり、従ってその制御システムがその排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間を作業対象のエリア又はエリア単位、或いは各エリア又は各エリア単位に場所固有に分配することは容易である。
【0112】
図8に、土工工事現場における場所固有の竣工時性能値の決定において適用できる情報フローシステムの例を概略的に示す。
【0113】
図8には、ベンダーXの機械制御システムMCSを備えた第1の機械、すなわち「機械1」を示す。図7の例を参照すると、例えば第1の機械はドラムローラであることができる。第1の機械の機械制御システムは、同じベンダーXによって提供されるクラウドサービスに接続することができ、これによって第1の機械のそれぞれの機械制御システムMCSは、第1の機械及び/又は第1の機械によって実行される動作に関連するドラムローラの圧縮装置などのツールの排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間及び位置情報などの必要な情報を、ここでは例えば工事現場1に関連するデータを記憶するサーバ又はクラウドサービスを提供するベンダーXのクラウドサービスに送信することができる。
【0114】
図8には、ベンダーYの機械制御システムMCSを備えた第2の機械、すなわち「機械2」をさらに示す。図7の例を参照すると、例えば第2の機械はローリーであることができる。第2の機械の機械制御システムは、同じベンダーYによって提供されるクラウドサービスに接続することができ、これによって第2の機械のそれぞれの機械制御システムMCSは、第2の機械及び/又は第2の機械によって実行される動作に関連するローリー内のプラットフォームなどのツールの排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間及び位置情報などの必要な情報をベンダーYのクラウドサービスに送信し、その後に例えば工事現場1に関連するデータを記憶するサーバ又はクラウドサービスに送信することができる。
【0115】
図8には、例えば図7の例を参照すると掘削機であることができる第3の機械、すなわち「機械3」をさらに示す。第3の機械は、第3の機械のメーカーによって提供されるOEMクラウドサービスに接続することができ、これによって第3の機械及び/又は第3の機械によって実行される動作に関連する掘削機のバケットなどのツールの排出量、エネルギー消費量及び/又は経過時間及び位置情報などの必要な情報を第3の機械のメーカーのクラウドサービスに直接送信し、その後に例えば工事現場1に関連するデータを記憶するサーバ又はクラウドサービスに送信することができる。
【0116】
図8の例では、ベンダーYのクラウドサービス及び第3の機械のメーカーのOEMクラウドサービスに収集されたデータ又は情報が、例えばそれぞれの土工工事現場における場所固有の竣工時性能値、すなわち図7の例に示す作業対象エリアAWに関する効率性などを決定するために、ベンダーXのクラウドサービス、すなわち工事現場1に関連するデータを記憶するサーバ又はクラウドサービスにさらに送信される。
【0117】
当業者には、技術が進歩するとともに本発明の概念を様々な形で実施できることが明らかであろう。本発明及びその実施形態は上述した実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲内で変化することができる。
【符号の説明】
【0118】
1 土工工事現場
2 掘削機
3 移動台車
3a アンダーキャリッジ(下部キャリッジ)
3b 上部キャリッジ
4 回転車軸
5 回転軸
6 ブーム
6a 第1のブームパーツ
6b 第2のブームパーツ
7 継手
8 バケット
10 操縦室
11 オペレータ
12 制御ユニット
13 アンテナ
14 追跡装置
AW1 第1の作業対象エリア
AW2 第2の作業対象エリア
AW3 第3の作業対象エリア
AW4 第4の作業対象エリア
AU1~AU9 エリア単位
DOP 進行方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8