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特開2024-78445フリップチップレーザーボンディング装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078445
(43)【公開日】2024-06-10
(54)【発明の名称】フリップチップレーザーボンディング装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20240603BHJP
【FI】
H01L21/60 311T
【審査請求】有
【請求項の数】28
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023200405
(22)【出願日】2023-11-28
(31)【優先権主張番号】10-2022-0162451
(32)【優先日】2022-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】504115688
【氏名又は名称】プロテック カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】PROTEC CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コ ヨン スン
(72)【発明者】
【氏名】アン グンシク
【テーマコード(参考)】
5F044
【Fターム(参考)】
5F044PP16
5F044PP17
5F044PP19
5F044QQ03
5F044RR12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】曲がっている或いは反っている半導体チップ、又は温度上昇によって曲がる或いは反る可能性のあるフリップチップ型の半導体チップを半田バンプの接触不良なしに高品質で迅速に基板にボンディングするフリップチップレーザーボンディング装置及び方法を提供する。
【解決手段】本発明のフリップチップレーザーボンディング装置は、基板10の下面を吸着して固定し支持する基板支持部材100と、半導体チップ20の上面を固定して支持するチップ支持部材200と、前記基板に対して前記半導体チップの位置を整列させるように前記基板支持部材に対して前記チップ支持部材を移送するチップ移送ユニット300と、前記基板支持部材に支持される前記基板の下面にレーザー光を照射して前記半導体チップを前記基板に対してボンディングするレーザーヘッド400と、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザーを用いてフリップチップ型の半導体チップを基板にボンディングするフリップチップレーザーボンディング装置であって、
前記基板の下面を吸着して固定し支持する基板支持部材と、
前記半導体チップの上面を固定して支持するチップ支持部材と、
前記基板に対して前記半導体チップの位置を整列させるように前記基板支持部材に対して前記チップ支持部材を移送するチップ移送ユニットと、
前記基板支持部材に支持される前記基板の下面にレーザー光を照射して前記半導体チップを前記基板に対してボンディングするレーザーヘッドと、
を含む、フリップチップレーザーボンディング装置。
【請求項2】
前記基板支持部材は、前記レーザーヘッドから照射されたレーザー光を前記基板に伝達することができるように透明材質で形成された透過部を含む、請求項1に記載のフリップチップレーザーボンディング装置。
【請求項3】
前記基板支持部材の透過部がクオーツで形成される、請求項2に記載のフリップチップレーザーボンディング装置。
【請求項4】
前記基板支持部材の透過部が多孔性樹脂で形成される、請求項2に記載のフリップチップレーザーボンディング装置。
【請求項5】
前記チップ支持部材は、前記半導体チップの上面を吸着して前記半導体チップを固定し支持する、請求項1に記載のフリップチップレーザーボンディング装置。
【請求項6】
前記チップ支持部材は、前記半導体チップの上面に接触して前記半導体チップの上面傾斜に合わせて傾きながら前記半導体チップを吸着支持するチルティングユニットを含む、請求項5に記載のフリップチップレーザーボンディング装置。
【請求項7】
前記チップ支持部材は、前記チルティングユニットによって前記半導体チップの上面傾斜に合わせて傾いた角度を維持した状態で前記半導体チップを支持し、
前記チップ移送ユニットは、前記チップ支持部材によって前記半導体チップの傾いた角度を維持した状態で前記チップ支持部材を移送する、請求項6に記載のフリップチップレーザーボンディング装置。
【請求項8】
前記チップ支持部材のチルティングユニットは、前記半導体チップの上面に接触して支持する接触部と、前記接触部をチルティング可能に支持する固定部とを含み、前記固定部と前記接触部は、互いに対向する面が曲面で形成されて相対的な傾きが可能となるように形成され、空気圧によって前記固定部に対する前記接触部の角度を維持する、請求項7に記載のフリップチップレーザーボンディング装置。
【請求項9】
前記半導体チップは、半田ボールと銅ピラーのいずれかを半田バンプとして用いて前記基板にボンディングされる、請求項1に記載のフリップチップレーザーボンディング装置。
【請求項10】
前記基板支持部材、チップ支持部材、チップ移送ユニット及びレーザーヘッドの作動を制御する制御部をさらに含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のフリップチップレーザーボンディング装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記チップ移送ユニットを制御して前記チップ支持部材の高さを調節する、請求項10に記載のフリップチップレーザーボンディング装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記レーザーヘッドによってレーザーを照射した状態で前記チップ移送ユニットによって前記チップ支持部材を下降させる、請求項11に記載のフリップチップレーザーボンディング装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記レーザーヘッドによってレーザーを照射した状態で前記チップ移送ユニットによって前記チップ支持部材の高さを維持する、請求項11に記載のフリップチップレーザーボンディング装置。
【請求項14】
前記基板支持部材に据え置かれた前記基板の上面を撮影する基板カメラと、
前記チップ支持部材に支持された前記半導体チップの下面を撮影するチップカメラと、をさらに含み、
前記制御部は、前記基板カメラと前記チップカメラによって撮影された画像を用いて前記基板に対する前記半導体チップの位置と方向を調節するように前記チップ移送ユニットを作動させる、請求項11に記載のフリップチップレーザーボンディング装置。
【請求項15】
レーザーを用いてフリップチップ型の半導体チップを基板にボンディングするフリップチップレーザーボンディング方法であって、
(a)基板支持部材によって前記基板の下面を吸着して固定し支持するステップと、
(b)チップ支持部材によって前記半導体チップの上面を固定して支持するステップと、
(c)チップ移送ユニットによって前記基板に対して前記半導体チップの位置を整列させるように前記基板支持部材に対して前記チップ支持部材を移送し、前記半導体チップを前記基板に接触させるステップと、
(d)レーザーヘッドによって、前記基板支持部材に支持される前記基板の下面にレーザー光を照射して、前記半導体チップを前記基板に対してボンディングするステップと、
を含む、フリップチップレーザーボンディング方法。
【請求項16】
前記(a)ステップは、前記(d)ステップによって前記レーザーヘッドから照射されたレーザー光を前記基板に伝達することができるように透明材質で形成された透過部を備える前記基板支持部材を用いて行う、請求項15に記載のフリップチップレーザーボンディング方法。
【請求項17】
前記(a)ステップは、クオーツで形成された前記透過部を備える前記基板支持部材を用いて行う、請求項16に記載のフリップチップレーザーボンディング方法。
【請求項18】
前記(a)ステップは、多孔性樹脂で形成される前記透過部を備える前記基板支持部材を用いて行う、請求項16に記載のフリップチップレーザーボンディング方法。
【請求項19】
前記(b)ステップは、前記チップ支持部材によって前記半導体チップの上面を吸着して前記半導体チップを固定し支持する、請求項15に記載のフリップチップレーザーボンディング方法。
【請求項20】
前記(b)ステップは、前記半導体チップの上面に接触して前記半導体チップの上面傾斜に合わせて傾きながら前記半導体チップを吸着支持するチルティングユニットを備える前記チップ支持部材を用いて行う、請求項19に記載のフリップチップレーザーボンディング方法。
【請求項21】
前記(b)ステップは、前記チルティングユニットによって前記半導体チップの上面傾斜に合わせて傾いた角度を維持した状態で前記半導体チップを支持し、
前記(c)ステップは、前記(b)ステップによって前記半導体チップの傾いた角度を維持した状態で前記チップ支持部材を移送する、請求項20に記載のフリップチップレーザーボンディング方法。
【請求項22】
前記(b)ステップは、前記半導体チップの上面に接触して支持する接触部と、前記接触部をチルティング可能に支持する固定部と、を含み、前記固定部と前記接触部は、互いに対向する面が曲面で形成されて相対的な傾きができるように形成され、空気圧によって前記固定部に対する前記接触部の角度を維持する前記チルティングユニットを備える前記チップ支持部材を用いて行う、請求項21に記載のフリップチップレーザーボンディング方法。
【請求項23】
前記半導体チップは、半田ボールと銅ピラーのいずれかを半田バンプとして用いて前記基板にボンディングされる、請求項15に記載のフリップチップレーザーボンディング方法。
【請求項24】
前記(a)ステップと前記(b)ステップと前記(c)ステップと前記(d)ステップは、それぞれ、前記基板支持部材と前記チップ支持部材と前記チップ移送ユニットと前記レーザーヘッドの作動を制御する制御部を用いて行う、請求項15~23のいずれか一項に記載のフリップチップレーザーボンディング法。
【請求項25】
前記(c)ステップは、前記制御部が前記チップ移送ユニットを制御して前記チップ支持部材の高さを調節する過程を含む、請求項24に記載のフリップチップレーザーボンディング方法。
【請求項26】
前記(c)ステップは、前記(d)ステップを行う間、前記制御部が前記チップ移送ユニットを作動させて前記チップ支持部材を下降させる過程を含む、請求項25に記載のフリップチップレーザーボンディング方法。
【請求項27】
前記(c)ステップは、前記(d)ステップを行う間に、前記制御部が前記チップ移送ユニットを作動させて前記チップ移送ユニットの高さを維持する過程を含む、請求項25に記載のフリップチップレーザーボンディング方法。
【請求項28】
(e)基板カメラによって、前記基板支持部材に据え置かれた前記基板の上面を撮影するステップと、
(f)チップカメラによって、前記チップ支持部材に支持された前記半導体チップの下面を撮影するステップと、をさらに含み、
前記(c)ステップは、前記(e)ステップ及び前記(f)ステップによって撮影された画像を用いて前記基板に対する前記半導体チップの位置と方向を調節する、請求項25に記載のフリップチップレーザーボンディング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フリップチップレーザーボンディング装置及び方法に関し、より詳細には、フリップチップ型の半導体チップをレーザー光を用いて基板にボンディングするフリップチップレーザーボンディング装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子製品の小型化に伴い、ワイヤーボンディングを使用しないフリップチップ型の半導体チップが広く用いられている。フリップチップ型の半導体チップは、半導体チップの下面に半田バンプ型の多数の電極が形成され、やはり基板に形成された半田バンプに対応する位置にボンディングする方式で基板に実装される。
【0003】
このようにフリップチップ方式で半導体チップを基板に実装する方法は、リフロー方式とレーザーボンディング方式に大別される。リフロー方式は、半田バンプにフラックスが塗布された半導体チップを基板上に配置した状態で高温のリフローを経由するようにすることにより、半導体チップを基板にボンディングする方式である。レーザーボンディング方式は、リフロー方式と同様に、半田バンプにフラックスが塗布された半導体チップを基板上に配置した状態で半導体チップにレーザービームを照射してエネルギーを伝達することにより、瞬間的に半田バンプが溶融してから固まりながら半導体チップが基板にボンディングされるようにする方式である。
【0004】
最近使用されているフリップチップ型の半導体チップは、厚さが数十マイクロメートル以下に薄くなる傾向にある。このように半導体チップが薄い場合には、半導体チップ自体の内部応力により半導体チップが微細に曲がっている或いは反って(warped)いる場合が多い。このように半導体チップが変形している場合、半導体チップの半田バンプのうち、基板の対応する半田バンプと接触していない状態でボンディングされることが発生しうる。このような状況は、半導体チップボンディング工程の不良を招く。また、半導体チップを基板にボンディングするために半導体チップ及び基板の温度が上昇する場合、資材内部材質の熱膨張係数の差により、半導体チップ又は基板が部分的に曲がる或いは反る現象が発生する可能性がある。このような現象も、半導体チップボンディング工程の不良を招く。
【0005】
リフロー方式は、半導体チップを高温に長時間露出させて半導体チップが曲がるという問題点があり、半導体チップを冷却するのに時間がかかって生産性が低下するという問題点がある。
【0006】
TCボンダー(Thermal Compression Bonder)の場合、ヒーティングブロックで半導体チップを加熱してボンディングする方式である。この場合、熱伝導による加熱方式を用いるため、半田を加熱するのに時間がかかり、半導体チップの温度を不要に上昇させて半導体チップにダメージ(damage)を与えるという問題点がある。
【0007】
したがって、迅速に半導体チップボンディング工程を行いながらも半導体チップの温度を高めない方式のフリップチップボンディング装置又はフリップチップボンディング方法が求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述したような必要性を満たすために考案されたもので、その目的は、曲がっている或いは反っている半導体チップ、又は温度上昇によって曲がる或いは反る可能性のあるフリップチップ型の半導体チップを半田バンプの接触不良なしに高品質で迅速に基板にボンディングすることができるフリップチップレーザーボンディング装置及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述したような必要性を満たすために、本発明のフリップチップレーザーボンディング装置は、レーザーを用いてフリップチップ型の半導体チップを基板にボンディングするフリップチップレーザーボンディング装置であって、前記基板の下面を吸着して固定し支持する基板支持部材と、前記半導体チップの上面を固定して支持するチップ支持部材と、前記基板に対して前記半導体チップの位置を整列させるように前記基板支持部材に対して前記チップ支持部材を移送するチップ移送ユニットと、前記基板支持部材に支持される前記基板の下面にレーザー光を照射して前記半導体チップを前記基板に対してボンディングするレーザーヘッドと、を含むことに特徴がある。
【0010】
また、本発明によるフリップチップレーザーボンディング方法は、レーザーを用いてフリップチップ型の半導体チップを基板にボンディングするフリップチップレーザーボンディング方法であって、(a)基板支持部材によって前記基板の下面を吸着して固定し支持するステップと、(b)チップ支持部材によって前記半導体チップの上面を固定して支持するステップと、(c)チップ移送ユニットによって前記基板に対して前記半導体チップの位置を整列させるように前記基板支持部材に対して前記チップ支持部材を移送し、前記半導体チップを前記基板に接触させるステップと、(d)レーザーヘッドによって前記基板支持部材に支持される前記基板の下面にレーザー光を照射して前記半導体チップを前記基板に対してボンディングするステップと、を含むことに特徴がある。
【発明の効果】
【0011】
本発明によるフリップチップレーザーボンディング装置及び方法は、曲がっているか曲がる可能性のあるフリップチップ型の半導体チップを半田バンプの接触不良なしに高品質で迅速に基板にボンディングすることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態によるフリップチップレーザーボンディング装置の概略図である。
図2図1に示されたフリップチップレーザーボンディング装置の作動を説明するための概略図である。
図3図1に示されたフリップチップレーザーボンディング装置の作動を説明するための概略図である。
図4図1に示されたフリップチップレーザーボンディング装置の作動を説明するための概略図である。
図5】本発明の一実施形態によるフリップチップレーザーボンディング方法を実施する順序図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明によるフリップチップレーザーボンディング装置を添付図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
本発明のフリップチップレーザーボンディング装置によって基板にボンディングされる半導体チップは、個別素子だけでなく、基板にボンディングされる様々な形態のフリップチップ型半導体部品を全て含む概念である。個別素子がパッケージングされた状態の部品、又はマルチチップモジュール(MCM;Multi Chip Module)型の部品も、本発明によるフリップチップレーザーボンディング装置によって基板にボンディングされる半導体チップに該当することができる。このような半導体チップと基板は、それぞれに形成された電極を半田ボールや銅ピラー(copper pillar)などの半田バンプ(solder bump)によって電気的に接続することにより互いにボンディングされる。基板と半導体チップのうち、いずれか一方に半田ボール又は銅ピラーがボンディングされた状態で供給され、予め塗布されたフラックスと半田バンプを加熱する方法で半田ボール又は銅ピラーを他の一方にボンディングする。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態によるフリップチップレーザーボンディング装置の概略図である。
【0016】
上述したように、基板10と半導体チップ20とを接続する要素として、半田ボールや銅ピラーなどの半田バンプ21が用いられる。本実施形態では、銅ピラーを半田バンプ21として用いる場合を例として説明する。また、銅ピラー21は、半導体チップ20に予めボンディングされた状態であってもよく、基板10に予めボンディングされた状態であってもよいが、本実施形態では、半導体チップ20の下面に銅ピラー21が予めボンディングされ、基板10にはフラックスが塗布された状態で供給を受け、半導体チップ20を基板10にボンディングする場合を例として説明する。
【0017】
図1及び図2を参照すると、本実施形態のフリップチップレーザーボンディング装置は、基板支持部材100、チップ支持部材200、チップ移送ユニット300及びレーザーヘッド400を含んでなる。
【0018】
基板支持部材100は、基板10の下面を吸着して固定し支持する。基板支持部材は、透明材質で形成された透過部110を備える。透過部110は、基板10の少なくとも一部の領域と対応する位置を占めるように形成され、基板10の下面と接触するように配置される。透過部110は、クオーツ(quartz)材質で形成されてもよく、多孔性樹脂の形態で形成されてもよい。レーザーヘッド400から発生したレーザー光は、このような透過部110を介して基板10の下面に照射される。
【0019】
基板支持部材100は、真空吸着方式によって基板10の下面を吸着して固定する。真空負圧を伝達することが可能な孔を透過部110に形成するか、或いは透過部110と隣接する周囲に配置して基板10の下面を吸着する。別個の基板移送ユニットを設けて基板10を基板支持部材100に供給し、半導体チップ20がボンディングされた状態の基板10を外部へ排出するようにすることができる。
【0020】
チップ支持部材200は、基板10にボンディングする半導体チップ20の上面を固定し支持する。本実施形態の場合、チップ支持部材200は、基板支持部材100と同様に、吸着方法によって半導体チップ20の上面を吸着して固定する。必要に応じて、チップ支持部材200は、吸着方法ではなく、他の様々な方法によって半導体チップ20をクランプし支持することができる。
【0021】
チップ移送ユニット300は、基板10に対する半導体チップ20の位置を整列させることができるように、基板支持部材100に対してチップ支持部材200を移送する。チップ移送ユニット300は、チップ支持部材200を前後左右に水平移送し、上下に昇降する。また、チップ移送ユニット300は、上下方向の垂直軸に対してチップ支持部材200を所定の角度範囲内で回転させることができるように構成される。このような構造によって、チップ移送ユニット300は、チップ支持部材200に吸着された半導体チップ20の位置と方向を調整して、基板支持部材100に支持された状態の基板10に対して整列させる。
【0022】
レーザーヘッド400は、基板支持部材100に支持された状態の基板10の下面にレーザー光を照射する。レーザーヘッド400から照射されたレーザー光は、透過部110を介して基板10の下面に照射される。基板10に照射されたレーザー光は、基板10と半導体チップ20の電極を接続する半田バンプ21(半田ボール又は銅ピラー(copper pillar))とその周囲に塗布された半田を加熱して、半導体チップ20を基板10にボンディングする。本実施形態の場合、レーザーヘッド400は、基板支持部材100の下側に配置され、上側に向かってレーザー光を照射する。場合によっては、レーザーヘッド400が基板支持部材100の直下方ではなく側方向又は他の方向に配置されてもよい。この場合、レンズやプリズムなどの光学系を用いて、レーザー光が基板支持部材100の透過部110を介して基板10の下面に照射されるようにレーザーヘッドを構成することもできる。このようにレーザー光を発生させるレーザーヘッド400は、公知の様々な形態の光源が使用できる。レーザー光を発生させる光源として、ビクセル素子で構成されたレーザーヘッド400を用いることも可能である。
【0023】
一方、本実施形態によるフリップチップレーザーボンディング装置は、半導体チップ20と基板10の相対位置と方向を正確に整列させるために、基板カメラ510とチップカメラ520を用いてそれぞれ基板10と半導体チップ20を撮影する。基板カメラ510は、基板支持部材100に据え置かれた基板10の上面を撮影する。チップカメラ520は、チップ支持部材200に支持された半導体チップ20の下面を撮影する。基板カメラ510とチップカメラ520は、固定されて設置されてもよく、基板カメラ510又はチップカメラ520は、移送する別途の移送ユニットに設置され、動きながら対象を撮影することができる。本実施形態の場合、基板カメラ510は、チップ移送ユニット300に設置され、基板10に対して動きながら基板10の位置と方向を撮影する。また、基板カメラ510は、基板支持部材100の側方向に固定された状態で設置される。チップカメラ520は、チップ移送ユニット300によって動く半導体チップ20を下側から撮影してチップの位置と方向を撮影する。
【0024】
基板カメラ510とチップカメラ520で撮影された画像は、制御部600へ伝達される。制御部600は、基板カメラ510とチップカメラ520で撮影されたイメージを用いて、基板10と半導体チップ20の正確な相対位置を把握する。制御部600は、基板支持部材100、チップ支持部材200、チップ移送ユニット300及びレーザーヘッド400の作動を制御する。制御部600は、基板10と半導体チップ20の位置と方向に基づいてチップ移送ユニット300を作動させて基板10に対して半導体チップ20の位置と方向を整列させる。量産した半導体チップ20又は基板10の場合でも、微細に位置と方向が異なり得るが、本発明の場合、このようにそれぞれの基板10と半導体チップ20の位置と方向を毎回把握して整列させた後にボンディングするので、品質を向上させることができる。
【0025】
一方、チップ支持部材200はチルティングユニット210を含む。チップ移送ユニット300によってチップ支持部材200を下降させて半導体チップ20に接触させ、半導体チップ20をクランプするとき、図2に示すように、チルティングユニット210は、半導体チップ20の上面傾斜に合わせて傾きながら半導体チップ20に接触し始める。チルティングユニット210が半導体チップ20の上面に完全に接触すると、チップ支持部材200は、半導体チップ20を吸着支持するように作動する。
【0026】
本実施形態のチルティングユニット210は、固定部211と接触部212を備える。固定部211は、チップ支持部材200のボディに固定され、接触部212は、固定部211に対して傾く回転運動ができるように設置される。固定部211と接触部212の対向する面は、曲面で形成され、互いに相対的な傾きを許容するように構成される。本実施形態の場合、固定部211は、膨らんだ半球状に形成され、これと向き合う接触部212の面は、凹んだ半球状に形成される。それにより、接触部212は、固定部211に対して接触面の曲面に沿って所定の角度範囲内で傾くことが可能である。接触部212が半導体チップ20の上面傾斜に合わせて固定部211に対して傾くと、チルティングユニット210は、真空吸着方式によって固定部211に対する接触部212の傾斜角度を維持する。このようなチルティングユニット210は、一般に「エアジャイロ」又は「模倣装置(copying Apparatus)」と呼ばれる機械部品が使用される。このようなチルティングユニット210の接触部212は、半導体チップ20の上面に接触して半導体チップ20の上面を吸着固定し、チップ移送ユニット300によって半導体チップ20を加圧するか或いは半導体チップ20の高さを調節するときにも、チルティングユニット210は半導体チップ20の上面傾斜を維持する。
【0027】
マルチチップモジュール型の半導体チップ20の場合は、複数のチップが組み合わせられてパッケージングされているため、半導体チップ20の上面が水平でないことがある。また、マルチチップモジュールのような半導体チップ20の内部構成が均一でない場合、温度変化による熱膨張の差が発生して半導体チップ20の上面が完璧な六面体ではないことが多い。つまり、ボンディング過程で半導体チップ20が加熱される場合、半導体チップ20の上面が微細に傾いた形態になることもできる。本実施形態によるフリップチップレーザーボンディング装置の場合、半導体チップ20の上面傾斜に対応する角度でチルティングユニット210が接触してその傾斜角度を維持した状態で半導体チップ20の位置、方向及び高さを調整し均一に加圧するため、半導体チップ20の位置が一定に維持され、半導体チップ20の加圧力も比較的均一に伝達され得るという利点がある。すなわち、半導体チップ20の上面とチップ支持部材200の接触面とが互いに平行でない場合、半導体チップ20を加圧するときに半導体チップ20が側方向に動くこともできるが、上述したようなチルティングユニット210を用いて加圧する場合には、半導体チップ20の位置を維持することが可能である。
【0028】
以下、上述したように構成された本実施形態によるフリップチップレーザーボンディング装置を用いて、本発明によるフリップチップレーザーボンディング方法の一例を実施する過程を図2図5を参照して説明する。図2図4は、説明のために、半導体チップ20の上面が傾いている状態を実際よりも誇張して示したものである。
【0029】
個別素子がパッケージングされた状態の部品やマルチチップモジュール(MCM;Multi Chip Module)型の部品などの半導体チップ20は、微細に半導体チップ20の上面が傾く場合がしばしば発生する。また、半導体チップ20の内部材料が均一ではないため、熱膨張係数の差によって温度に応じて半導体チップ20の形状変化が起こると、半導体チップ20の上面が傾いている場合が発生する。本実施形態のフリップチップレーザーボンディング装置及び方法は、このような半導体チップ20の上面傾斜まで考慮して半導体チップ20の位置と方向を整列させることにより、フリップチップボンディング工程の品質を飛躍的に向上させることができる。
【0030】
通常、基板10と半導体チップ20は、フラックスが塗布されて仮積層された状態で供給される。このような状態で、基板支持部材100は、外部から供給された基板10の下面を吸着して固定し支持する((a)ステップ;S100)。このとき、基板10上には半導体チップ20が配置された状態である。
【0031】
このような状態で、チップ支持部材200は、基板10上に配置された半導体チップ20の上面を吸着して固定し支持する((b)ステップ;S200)。このとき、図2に示すように、チルティングユニット210の作動によってチルティングユニット210の接触部212が固定部211に対して傾き、半導体チップ20の上面傾斜に合わせて傾きながら、チップ支持部材200が半導体チップ20を吸着する。
【0032】
このような状態で、図3に示すように、チップ移送ユニット300は、チップ支持部材200を上昇させて基板10上の半導体チップ20を持ち上げる。チルティングユニット210によって半導体チップ20の上面傾斜が維持された状態で、半導体チップ20は持ち上げられる。
【0033】
チップ移送ユニット300が基板カメラ510を前後左右に移送すると、基板カメラ510は、チップ支持部材200と共に動きながら、基板支持部材100に据え置かれた基板10の上面を撮影する((e)ステップ:S300)。基板カメラ510で撮影された画像は、制御部600へ伝達される。
【0034】
次に、チップ移送ユニット300がチップ支持部材200を前後左右に移送すると、チップカメラ520は、チップ支持部材200に支持された半導体チップ20の下面を撮影する((f)ステップ;S400)。チップカメラ520で撮影された画像は、制御部600へ伝達される。上述したようにチルティングユニット210によって半導体チップ20の上面傾斜が維持された状態で、チップカメラ520は、半導体チップ20の下面を撮影するため、実際基板10に接触するときの傾斜角度で半導体チップ20を撮影する。したがって、チップカメラ520は、より正確に半導体チップ20の位置を撮影することができる。
【0035】
制御部600は、基板カメラ510とチップカメラ520で撮影されたイメージを分析して、基板10とチップの相対位置と方向の差を計算する。
【0036】
制御部600は、このような計算結果を用いてチップ移送ユニット300を作動させる。チップ移送ユニット300は、基板支持部材100に対してチップ支持部材200を移送して、基板10に対する半導体チップ20の位置と方向を整列させる。上述したように、チップ移送ユニット300は、半導体チップ20を垂直回転軸に対して回転させる機能を持っているので、チップ移送ユニット300は、半導体チップ20の位置だけでなく、方向まで整列させて基板10に対する整列を完了する。
【0037】
このような状態で、チップ移送ユニット300は、チップ支持部材200を下降させる((c)ステップ;S500)。図4に示すように、半導体チップ20は、下降して銅ピラー21が基板10の電極に接触する。この時も、上述したようにチルティングユニット210は、半導体チップ20の上面傾斜を維持した状態で半導体チップ20を吸着しており、チップ移送ユニット300は、チップ支持部材200を下降させて半導体チップ20を基板10に対して加圧する。チップ移送ユニット300は、チップ支持部材200を下降させて加圧するときにその加圧力をセンシングし、調節することができるように構成される。
【0038】
このように(c)ステップによって半導体チップ20が基板10に接触した状態で、制御部600は、レーザーヘッド400を作動させて基板10の下面にレーザー光を照射することで半導体チップ20を基板10に対してボンディングする((d)ステップ;S600)。
【0039】
上述したように、基板支持部材100は、透明材質で形成された透過部110を備えるので、レーザーヘッド400から発生したレーザー光は、透過部110を透過して基板10の下面に効果的にエネルギーを伝達する。
【0040】
従来のTCボンダー(Thermal Compression Bonder)の場合、伝導による熱伝達方式を使用するため、半田バンプを加熱するのに時間がかかり、そのような過程で不必要に半導体チップ20の温度を上昇させて半導体チップ20にダメージ(damage)を与えるという問題点がある。このようなTCボンダーとは異なり、本発明によるフリップチップレーザーボンディング装置及び方法は、レーザー光を用いて瞬間的に半田バンプを溶融させてボンディングする。したがって、本発明は、レーザーによるボンディング過程で半導体チップ20自体の温度を大きく上昇させないという利点がある。また、本発明は、ボンディングが完了した直後にレーザー光を遮断することにより、半導体チップ20の温度上昇を防止し、迅速に冷却することができるという利点がある。それにより、本発明は、半導体チップ20ボンディング工程の品質を向上させ、かつ作業速度も非常に速くするという利点がある。
【0041】
また、本実施形態によるフリップチップレーザーボンディング装置は、上述したように(d)ステップを介してレーザー光を照射する間、チップ移送ユニット300を用いて半導体チップ20に対する加圧力と半導体チップ20の高さを調節する。レーザーヘッド400がレーザー光を用いてボンディングを行う間、TCボンダー程度のレベルではないが、基板10と半導体チップ20の温度がある程度上昇することがある。この時、素材の熱膨張係数の差により、基板10又は半導体チップ20に反り(warpage)変形が生じることがある。この時、チップ移送ユニット300は、適切な加圧力で半導体チップ20を加圧する力を維持することにより、半導体チップ20と基板10の変形によるボンディング不良を防止することができる。基板支持部材100とチップ支持部材200がそれぞれ基板10と半導体チップ20を吸着して真空圧力を広い面に維持することにより、基板10と半導体チップ20の反り変形を防止する役割をさらに果たす。一方、上述したチルティング部材も、半導体チップ20の上面傾斜に対応する傾斜で傾き、その傾斜角度を維持したまま半導体チップ20の上面を全体的に加圧することにより、半導体チップ20の反り変形を防止する役割を果たす。
【0042】
一方、半導体チップ20と基板10との間に配置される銅ピラー21の特性に応じて、制御部600は、チップ移送ユニット300によって半導体チップ20の高さを多様に制御することができる。
【0043】
第一に、制御部600は、レーザーヘッド400を発光させた状態で半導体チップ20に対する加圧力を一定に維持するようにチップ移送ユニット300を作動させることができる。レーザー光により半田バンプ21が溶融しながら、半導体チップ20が微細に下降することができるが、制御部600は、このような半導体チップ20の下降を考慮して、引き続きチップ支持部材200を下降させながら半導体チップ20に対する加圧力を維持するようにすることができる。このような方式によって、半導体チップ20又は基板10の反り変形を防止しながら、正確に半導体チップ20がボンディングされるようにすることが可能である。
【0044】
第二に、制御部600は、レーザーヘッド400を発光させた状態で半導体チップ20の高さを一定に維持するようにチップ移送ユニット300を作動させることができる。半田又は銅ピラー21の特性に応じて、過度な加圧力により基板10に対する半導体チップ20の位置が変わる場合が発生することもある。このような場合に備えて、レーザー光が照射され始めると、半導体チップ20をもはや下降させずに最初の高さに維持した状態で基板10上の半田が溶融するようにすることもできる。特に、前述及び図示した場合とは異なり、銅ピラー21の代わりに導電性ボール(半田ボール)を用いて基板10に半導体チップ20をボンディングする場合、半導体チップ20の高さを一定に維持することがさらに高いボンディング品質を達成する方法であり得る。溶融した半田は、毛細管現象と表面張力によって銅ピラー又は半田ボールを基板10と半導体チップ20の電極の位置に維持した状態でボンディングすることにより、高品質で迅速にボンディングすることができる。
【0045】
第三に、制御部600は、レーザーヘッド400を発光させた状態で半導体チップ20の高さを所定の高さまで微細に下降させた後、その高さに一定に維持するようにチップ移送ユニット300を作動させることもできる。基板10、半導体チップ20、半田、銅ピラー21又は半田ボールの特性に応じて、レーザーヘッド400によって照射されるレーザー光の温度や照射時間に応じて半導体チップ20の高さを適宜変更又は維持しながら最適な品質を達成することができるように、制御部600は、チップ移送ユニット300の昇降運動を除去する。すなわち、制御部600は、予め設定された適切なプロファイルに応じてチップ支持部材200の高さを変更又は維持するようにチップ移送ユニット300を制御することができる。
【0046】
上述した様々な方式でフリップチップ型の半導体チップ20をレーザーボンディングすることにより、電極の直接度が非常に高く且つ半田ボール又は銅ピラー21の大きさが非常に小さい場合でも、不良の発生を防止しながら、高品質で迅速にフリップチップ型の半導体チップ20をボンディングすることが可能である。
【0047】
特に、本発明のフリップチップレーザーボンディング装置は、レーザー光を半導体チップ20の上面に照射するのではなく、透過部110を介して基板10の下面に照射するため、半導体チップ20の破損又は熱変形を最小限に抑えながら、高品質で半導体チップ20をボンディングすることが可能である。最近では、マルチチップモジュールのように半導体チップ20が高度に集積され、互いに異なる種類の半導体素子を1つのパッケージに組み合わせて半導体チップ20を構成することが多いため、半導体チップ20の上面にレーザー光を照射する場合、半導体チップ20を透過するレーザー光の強度が位置に応じて均一でなくなる。したがって、このような場合には、レーザーボンディング工程の品質を向上させることが困難である。ところが、本発明のように基板10の下面を介してレーザー光を照射する場合、半導体チップ20に比べて相対的に均一な厚さと材質で構成された基板10は、レーザー光を均一に透過させて半田の効果的な溶融を実現することができる。また、このような場合には、比較的薄い基板10の厚さにより相対的に低いエネルギーレベルのレーザー光のみでボンディング工程を行うことができる。また、この場合、半導体チップ20に伝達されるレーザー光のエネルギーレベルが他の場合に比べて飛躍的に低いので、ボンディング作業中に半導体チップ20が損傷又は破損するのを効果的に防止することができるという利点がある。
【0048】
また、本発明のフリップチップレーザーボンディング装置及び方法は、レーザー光をエネルギー源として用いるため、短時間で半田ボール又は半田を加熱することができ、レーザー光源を遮断するだけで迅速に常温に冷却が行われる。よって、従来、TCボンダーなどにおいてヒーティングブロックを用いて半導体チップ20を加熱する場合に比べて、飛躍的に速い速度で半導体チップ20を基板10にボンディングすることができるという利点がある。同時に、半導体チップ20が常温よりも高い温度に露出する時間を最小限に抑えることができるので、半導体チップ20の破損や損傷の可能性を最小限に抑えながら半導体チップ20をボンディングすることができるという利点がある。
【0049】
また、本発明のフリップチップレーザーボンディング装置及び方法は、半導体チップ20の上面が傾いている場合を考慮して、チルティングユニット210によって半導体チップ20が基板10に接触した状態の傾斜角度を維持した状態で半導体チップ20が撮影されるようにし、半導体チップ20の位置と方向を整列させ、半導体チップ20を基板10に対して加圧するため、さらに正確なフリップチップボンディング工程を行うことができる。
【0050】
以上、本発明について好適な例を挙げて説明及び図示したが、本発明の範囲は前述及び図示した形態に限定されるものではない。
【0051】
例えば、チップ支持部材200は、チルティングユニット210を含んで構成されるものと説明したが、場合によっては、チルティングユニット210を含まないフリップチップレーザーボンディング装置を構成することも可能である。この場合、チップ支持部材は、半導体チップ20の上面に沿って傾かず、水平に形成された接触面で半導体チップ20を吸着し加圧する。また、チップ支持部材200がチルティングユニット210を備える場合でも、チップ支持部材200が前述及び図示した形態以外に、他の様々な構造及び形態で構成されたチルティングユニットを使用することが可能である。
【0052】
また、銅ピラー21が半導体チップ20の下面に予めボンディングされた状態で供給を受け、これを基板10にボンディングする方式を例として前述したが、逆に、基板に半田バンプが予めボンディングされた状態で供給を受けてそのような基板10に半導体チップ20をボンディングする場合でも、本発明のフリップチップレーザーボンディング装置及び方法を使用することが可能である。また、銅ピラー21だけでなく、導電性ボール(半田ボール)又はこれに類似した構造を半田バンプとして用いて半導体チップ20と基板10の電極を半田によって接続するボンディング工程に本発明を適用することが可能である。
【0053】
また、基板カメラ510とチップカメラ520を備える構造のフリップチップレーザーボンディング装置を例として前述したが、このような基板カメラ510又はチップカメラ520を備えない構造のフリップチップレーザーボンディング装置を構成することも可能である。この場合、カメラ又は他の装置を用いて予め基板10と半導体チップ20の位置を測定し、その測定値の入力を制御部が受けて基板10と半導体チップ20を整列させるようにチップ移送ユニット300を作動させることができる。また、基板カメラ510とチップカメラ520を備えるフリップチップレーザーボンディング装置の場合でも、基板カメラ及びチップカメラの設置構造及び移送構造を必要に応じて多様に変形させたフリップチップレーザーボンディング装置を構成することが可能である。
【0054】
また、基板10に1つの半導体チップ20をボンディングする場合を例として前述及び図示したが、これは、説明の便宜のために示したものである。大部分の場合、1つの基板10に複数の半導体チップ20をボンディングする方式で、本発明によるフリップチップレーザーボンディング装置とフリップチップレーザーボンディング方法を行う。この場合、1つの基板10に複数の半導体チップ20を1つずつ順次ボンディングする方式で本発明のフリップチップレーザーボンディング装置及び方法を行うことができる。また、場合によっては、チップ支持部材で一度に2つ以上の半導体チップ20を吸着して基板10に対する位置を整列させた後、基板10に対してボンディングするように本発明のフリップチップレーザーボンディング装置及び方法を構成することも可能である。
【0055】
また、基板支持部材100は、透明材質で形成された透過部110を備えるものと前述したが、場合によって、透過部110を備えずに半透明材質で基板10の下面を支持するように基板支持部材を構成することも可能である。この場合も、レーザー光の一部分が基板10の下面を透過して半田を加熱しながらボンディングを行うようにすることができる。
【符号の説明】
【0056】
10 基板
20 半導体チップ
21 半田バンプ
100 基板支持部材
110 透過部
200 チップ支持部材
210 チルティングユニット
211 固定部
212 接触部
300 チップ移送ユニット
400 レーザーヘッド
510 基板カメラ
520 チップカメラ
600 制御部
図1
図2
図3
図4
図5