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特開2024-78447光線を動的に調整するための装置および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078447
(43)【公開日】2024-06-10
(54)【発明の名称】光線を動的に調整するための装置および方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/00 20210101AFI20240603BHJP
   G02B 26/08 20060101ALI20240603BHJP
【FI】
G02B7/00 A
G02B26/08 D
G02B7/00 B
G02B7/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023200587
(22)【出願日】2023-11-28
(31)【優先権主張番号】10 2022 212 740.4
(32)【優先日】2022-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】506151659
【氏名又は名称】カール ツァイス マイクロスコピー ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】CARL ZEISS MICROSCOPY GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ アイヒホルン
【テーマコード(参考)】
2H043
2H141
【Fターム(参考)】
2H043AA02
2H043AA21
2H043AA23
2H043AB04
2H043AB05
2H043AB08
2H043AB14
2H043AD02
2H043AD11
2H043AD19
2H141MA12
2H141MB39
2H141MD13
2H141MD20
(57)【要約】
【課題】顕微鏡のビーム経路内の光線を調整するための装置を提供する。
【解決手段】装置は、ビーム経路内に配置され、かつ調整されるべき光線(13)の波長範囲に対して透過性があるプレート(3)と、ビーム経路に対して直交する第1の軸(7)を中心としたプレートの傾斜運動を生成するための第1の駆動装置(5)と、ビーム経路に対して直交し、かつ第1の軸に対して直交する第2の軸(9)を中心としたプレートの傾斜運動を生成するための第2の駆動装置(8)とを含む。第1および第2の軸は、プレートの中心を通るように向けられている。第1の駆動装置によって生じる作動力がレバー(10)によってプレートに伝達され、第1および第2の駆動装置は、ビーム経路の光軸(2)の周囲に180°の角度範囲内に配置され、プレートは、軸の各々を中心にゼロ位置に対して最大70°の絶対角度値だけ傾斜させ得る。本発明は、光線を調整する方法にも関する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顕微鏡(0)のビーム経路内の光線(13)を調整するための装置(1)であって、
前記ビーム経路内に配置され、かつ調整されるべき前記光線(13)の波長範囲に対して透過性があるプレート(3)と、
前記ビーム経路に対して直交する方向に向けられた第1の軸(7)を中心とした前記プレート(3)の傾斜運動を生成するための第1の駆動装置(5)と、
前記ビーム経路に対して直交する方向に向けられ、かつ前記第1の軸(7)に対して直交する方向に向けられた第2の軸(9)を中心とした前記プレート(3)の傾斜運動を生成するための生成するための第2の駆動装置(8)と、を備えた装置において、
前記第1の軸(7)および前記第2の軸(9)は、前記プレート(3)の中心を通るように向けられており、
前記第1の駆動装置(5)によって生じる作動力が、レバー(10)によって前記プレート(3)に伝達され、
前記第1の駆動装置(5)および前記第2の駆動装置(8)は、前記ビーム経路の光軸(2)の周囲に180°の角度範囲内に配置されており、
前記プレート(3)は、軸(7、9)の各々を中心に、ゼロ位置に対して最大70°の絶対角度値だけ傾斜させることができることを特徴とする、装置(1)。
【請求項2】
前記プレート(3)は、前記第1の軸(7)を中心に、かつ前記第2の軸(9)を中心に、ゼロ位置に対して最大45°の個別の設定可能な傾斜角を有することを特徴とする、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項3】
前記第1の駆動装置(5)は固定されて配置されており、前記第2の駆動装置(8)は、前記レバー(10)上に取り付けられ、かつ傾斜運動時には前記第1の軸(7)を中心に旋回することを特徴とする、請求項1または2に記載の装置(1)。
【請求項4】
前記第1の駆動装置(5)および前記第2の駆動装置(8)は固定されて配置されており、前記軸(7、9)の少なくとも1つを中心とした前記プレート(3)の傾斜運動を生成するための前記作動力が、関連する駆動装置(5、8)から歯車機構によって前記プレート(3)に伝達されることを特徴とする、請求項1または2に記載の装置(1)。
【請求項5】
前記プレート(3)の側面が、互いに平行に延在することを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項6】
前記プレート(3)の側面が、互いに対してある角度で延在することを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項7】
前記プレート(3)が、少なくとも1つの波長範囲に対して非透過性であることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の装置(1)を使用して顕微鏡(0)のビーム経路内の光線(13)を調整する方法であって、
前記プレート(3)のいくつかの異なる空間的配置が、
ステップ1:前記第1の軸(7)に対する前記プレート(3)のアライメントを設定するために、前記第1の駆動装置(5)が制御されて、前記プレート(3)が前記第1の軸(7)を中心に傾斜され、
ステップ2:前記第2の軸(9)に対する前記プレート(3)のアライメントを設定するために、前記第2の駆動装置(8)が制御されて、前記プレート(3)が前記第2の軸(9)を中心に傾斜され、
ステップ1および2が、n個のアラインメントの所定の時系列順序に従って繰り返される、ことによって設定される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、独立請求項および代替的な独立請求項のプリアンブルにそれぞれ特定されるような、光線を動的に調整するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光学系で頻繁に見られる要件は、光線または光線の束(ビーム)をビーム経路に沿って案内し、必要な場合にこれらの光線またはビームを制御可能に偏向させることである。これは、特に、光学系の一部の光学部品が可動であり、かつ/または交換可能である場合に当てはまる。
【0003】
光線を偏向するための既知の技術的な選択肢は、段差ミラーとして知られているものの使用によって与えられる。一次近似では互いに対向して平行であり、かつそれらの角度に関して調整可能である2つのミラーは、入射光線と対応する出射光線との間の空間オフセットを生じさせ、かつ反射の結果として生じる角度誤差を補正する。そのような光学機械アセンブリによって導入される空間オフセットは、大きく、かつ設置空間および光学設計に特定の要求を課す。さらに、二重反射のために感度が高く、個々の自由度が大きいことは、モータベースの調整が非常に複雑になることを意味する。
【0004】
光学系で位置を調整するためのさらなる選択肢は、平行平面ガラスプレートの使用によって提供され、平行平面ガラスプレートは、透過において使用され、かつ標的を絞る様式で傾斜され得る。この場合、入射光線と出射光線との間の空間オフセットは、屈折率、材料の強度および現在の傾斜角に依存する。透過で動作するこれらのアセンブリの感度が低いため、反射に基づく解決策の場合よりも電動化を実施することが容易である。
【0005】
従来技術から知られている解決策では、2枚の透過ガラスプレート(「ウォブルプレート」と呼ばれることもある)がビーム経路内に連続して配置される。プレートの各々は、モータ制御下で軸を中心に傾斜させることができ、傾斜軸は通常互いに垂直である。不所望の反射はプレートの各界面の遷移で発生し、これらは、特に検出システムにおいて、検出器に入射する光量に悪影響を及ぼす。さらに、直列構造のため、ビーム経路において要求される設置空間の量は大きく、これは、特に、小型化システムおよび高い機能密度を有するシステムにおいて不利になる。
【0006】
透過において1つのガラスプレートのみが使用される場合、従来技術から知られている解決策は、大きな設置空間を必要とする(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2018/0217349号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、従来技術から知られている欠点が低減される、光線を調整するための選択肢を提案するという目的に基づく。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、主請求項および代替的な独立請求項の主題によって達成される。有利な発展形態は従属請求項に記載されている。
装置は、顕微鏡のビーム経路内の光線またはビームを調整する、特に動的に調整する役割を持つ。以下では、説明を簡単にするために、光線について言及する。装置は、ビーム経路内に配置され、かつ調整されるべき光線の波長範囲に対して透過性があるプレートを備える。第1の駆動装置は、ビーム経路に対して直交する方向に向けられた第1の軸を中心としたプレートの傾斜運動を生成させる役割を持つ。第2の駆動装置は、ビーム経路に対して直交する方向に向けられ、かつ第1の軸に対して直交する方向に向けられた第2の軸を中心としたプレートの傾斜運動を生成する役割を持つ。
【0010】
本発明による装置の特徴は、第1の軸および第2の軸が、プレートの中心を通るように向けられていることにある。第1の駆動装置によって生じる作動力は、レバーによってプレートに伝達される。さらに、第1の駆動装置および第2の駆動装置は、ビーム経路の周囲に180°の角度範囲内、有利には120°の角度範囲内、好ましくは90°の角度範囲内に配置されている。さらに、プレートは、各軸を中心に、ゼロ位置に対して最大70°の絶対角度値だけ傾斜させることができる。
【0011】
装置のさらなる可能な実施形態において、プレートは、第1の軸を中心に、かつ第2の軸を中心に、ゼロ位置に対して最大45°の個別の設定可能な傾斜角度範囲を有する。
本発明は、有利なことに、(ウォブル)プレートの界面の遷移の数の最小化が可能となる。同時に、駆動装置がビーム経路の片側のみに省スペース方式で配置され、装置の動作中であっても限られた空間要件しか必要としないため、装置のコンパクト性が向上する。
【0012】
本質的に、本発明による装置は、2つの構成原理の適用によって実現することができる。第1の駆動装置は、第1の実施形態において、固定されて配置される。第1の駆動装置の位置決め運動は、レバーによってプレートに伝達される。この場合、第1の軸は、実質的にプレートの中心を通って延び、その結果、プレートは、第1の軸を中心とする回転または傾斜運動中もビーム経路内に留まる。第2の駆動装置は、レバーに固定されるとともに、第1の駆動装置によって生じる傾斜運動の場合に第1の軸を中心に枢動される。第2の軸もまた、プレートの中心を通って延びる。
【0013】
第2の構造上の選択肢では、第1の駆動装置および第2の駆動装置は固定されて配置されている。少なくとも1つの軸を中心としたプレートの傾斜運動を生成するための作動力は、関連する駆動装置から歯車機構によってプレートに伝達される。この実施形態では、第1の軸および第2の軸もプレートの中心を通るように向けられており、その結果、プレートの中心の位置は、一方の軸または両方の軸を中心としたプレートの偏向にもかかわらず、一定に維持される。例えば、歯車機構はカルダン歯車機構とすることができる。
【0014】
例えば、プレートは、ガラス製または適切なプラスチック製であり得る。用途、所望の偏向の程度、およびビーム経路の設計に応じて、プレートの側面は、互いに平行に(平坦に)、または互いにある角度で(くさび形に)延在し得る。
【0015】
さらに、プレートは、少なくとも1つの波長範囲に対して非透過性とすることができ、例えば、フィルタでコーティングされか、またはフィルタによって覆われるようにすることができる。このようにして、検出器によって検出されることが意図されていない波長は、例えば、検出器の上流で有利にフィルタリングされ得る。例えば、この手段は、受信された測定信号の信号対雑音比を高めるために有利に働く。
【0016】
本発明の目的は、本発明による装置が使用される方法であって、顕微鏡のビーム経路内の光線を調整する、特に動的に調整する方法によっても達成される。動的調整という用語は、段階的な調整も含む。
【0017】
この方法では、ステップ1において、第1の軸に対するプレートのアライメントを設定するために、第1の駆動装置が制御されて、プレートが第1の軸を中心に傾斜されることによって、プレートのいくつかの異なる空間アライメントが設定される。ステップ2において、第2の軸に対するプレートのアライメントを設定するために、第2の駆動装置が制御されて、プレートが第2の軸を中心に傾斜される。ステップ1および2は、例えば光線が既知の方法で空間的および/または時間的に調整されるべきである場合、n個のアライメントの所定の時系列順序に従って繰り返される。
【0018】
最初のアライメントで影響を受けた光線による計測信号が、光線の調整を行うために取得される。測定信号が評価され、駆動装置に対する後続の制御コマンドが生成され、かつ実行される。一例として、測定信号は、現在行われている光線の偏向を特定する。例えば光線を連続的にまたは動的に調整するために、n個のアライメントが連続して設定される場合、少なくとも1つの先行する(n-1)番目のアライメントの測定信号が取得されて評価され、駆動装置に対する後続の制御コマンドが生成されて実行される。
本発明は、例示的な実施形態および図面に基づいて以下により詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明による装置の第1の例示的な実施形態の概略図である。
図2】本発明による装置の第2の例示的な実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下の実施形態は、本発明を説明するための必須の技術要素のみを示すものである。さらなる機械部品および/または光学部品が任意選択的に存在し得る。
顕微鏡0(詳細には図示せず)の一部である本発明による装置1の第1の実施形態の選択肢では、平行平面プレート3および検出器4がビーム経路の光軸2に沿って配置される。プレート3は、その主面が光軸2に直交する方向に延在し、かつ光軸2に沿って入射する光線12の波長に対して透過性がある。例示的な実施形態では、検出器4は、光線13によってトリガされる少なくとも1つの測定信号を取得する役割を持ち、出射する光線13は、プレート3の効果によって屈折され、光軸2に沿ったその元の進路から偏向される。
【0021】
プレート3は、レバー10を介して第1の駆動装置5に接続されており、第1の駆動装置5によって第1の軸7を中心に回転させることができる。この場合、第1の軸7は、プレート3の中心を通り、かつ光軸2に対して垂直に向けられている。第1の駆動装置5は、顕微鏡0の本体6またはハウジング6に固定されている。第2の駆動装置8が第1の駆動装置5とプレート3との間のレバー10上に配置されており、第2の駆動装置8によって、プレート3が第2の軸9を中心に回転可能である。第2の軸9は、光軸2および第1の軸7の両方に対して垂直に向けられ、かつプレート3の中心を通るように向けられている。プレート3は、回転可能に取り付けられたホルダまたはフレーム(ここでは図示せず)内に配置され得る。
【0022】
結果として、先行技術では分離されていた、連続して配置された2枚のガラスプレートの機能は、単一のジンバル式(kardanisch:gimballed)プレート3に統合されている。カルダン継手の回転中心にプレート3が懸架される結果、界面の遷移の数が半減し、これは、特に低照度用途において有利である。
【0023】
この原理は、図2に示される第2の例示的な実施形態でも踏襲される。この実施形態では、第1の駆動装置5および第2の駆動装置8の両方が本体6に固定されている。2つの駆動装置5、8は、個別のレバー10を介してプレート3に接続されており、第1の駆動装置5に接続されたレバー10は、第1の軸7を中心としたプレート3の回転を与え、第2の駆動装置8に接続されたレバー10は、第2の軸9を中心とした回転を与える。この場合も、軸7および9は、プレート3の中心を通るように向けられており、その結果、プレート3は常に光軸2上に位置する。
【0024】
両方の例示的な実施形態において、駆動装置5、8および検出器4は、データの伝送に適した方法でコントローラ11に接続される。前記コントローラは、検出器4によって取得され提供される測定信号を評価して、任意選択的に制御コマンドを生成し、これら制御コマンドを駆動装置5および/または駆動装置8に出力するように構成される。
【0025】
プレート3のアライメントは、駆動装置5、8によって実行される制御コマンドによって設定することができる。第1の軸7および第2の軸9に対する相対な位置に応じて、例えば光軸2に沿って入射する光線12は、プレート3の境界での屈折により偏向され、出射光線13として検出器4に入射する。
【0026】
第1の軸7を中心とするプレート3の回転の結果として、例示的に描かれたy軸の方向の偏向が生じ、一方、第2の軸9を中心とする回転は、例示的に描かれたx軸の方向の偏向を生じさせる。
【0027】
出射光線13の2つの異なる経路が図1および図2に示されている。その結果、異なる空間情報を有する個別の測定信号が、有利には空間分解検出器(2D検出器)である検出器4において取得される。コントローラ11によって、出射光線13の現在の入射点の空間情報を、所望の入射点の空間情報および2つの軸7、9に対するプレート13の現在のアライメントと比較して、制御コマンドを任意選択的に生成することが可能であり、制御コマンドにより、プレート3の異なるアライメントおよび出射光線13の所望の入射点への入射がもたらされる。
【符号の説明】
【0028】
0…顕微鏡
1…装置
2…光軸
3…プレート
4…検出器
5…第1の駆動装置
6…本体/ハウジング
7…第1の軸
8…第2の駆動装置
9…第2の軸
10…レバー
11…コントローラ
12…入射光線
13…出射光線
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2024-01-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顕微鏡(0)のビーム経路内の光線(13)を調整するための装置(1)であって、
前記ビーム経路内に配置され、かつ調整されるべき前記光線(13)の波長範囲に対して透過性があるプレート(3)と、
前記ビーム経路に対して直交する方向に向けられた第1の軸(7)を中心とした前記プレート(3)の傾斜運動を生成するための第1の駆動装置(5)と、
前記ビーム経路に対して直交する方向に向けられ、かつ前記第1の軸(7)に対して直交する方向に向けられた第2の軸(9)を中心とした前記プレート(3)の傾斜運動を生成するための第2の駆動装置(8)と、を備えた装置において、
前記第1の軸(7)および前記第2の軸(9)は、前記プレート(3)の中心を通るように向けられており、
前記第1の駆動装置(5)によって生じる作動力が、レバー(10)によって前記プレート(3)に伝達され、
前記第1の駆動装置(5)および前記第2の駆動装置(8)は、前記ビーム経路の光軸(2)の周囲に180°の角度範囲内に配置されており、
前記プレート(3)は、軸(7、9)の各々を中心に、ゼロ位置に対して最大70°の絶対角度値だけ傾斜させることができることを特徴とする、装置(1)。
【請求項2】
前記プレート(3)は、前記第1の軸(7)を中心に、かつ前記第2の軸(9)を中心に、ゼロ位置に対して最大45°の個別の設定可能な傾斜角を有することを特徴とする、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項3】
前記第1の駆動装置(5)は固定されて配置されており、前記第2の駆動装置(8)は、前記レバー(10)上に取り付けられ、かつ傾斜運動時には前記第1の軸(7)を中心に旋回することを特徴とする、請求項1または2に記載の装置(1)。
【請求項4】
前記第1の駆動装置(5)および前記第2の駆動装置(8)は固定されて配置されており、前記軸(7、9)の少なくとも1つを中心とした前記プレート(3)の傾斜運動を生成するための前記作動力が、関連する駆動装置(5、8)から歯車機構によって前記プレート(3)に伝達されることを特徴とする、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項5】
前記プレート(3)の側面が、互いに平行に延在することを特徴とする、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項6】
前記プレート(3)の側面が、互いに対してある角度で延在することを特徴とする、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項7】
前記プレート(3)が、少なくとも1つの波長範囲に対して非透過性であることを特徴とする、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項8】
請求項1に記載の装置(1)を使用して顕微鏡(0)のビーム経路内の光線(13)を調整する方法であって、
前記プレート(3)のいくつかの異なる空間的配置が、
ステップ1:前記第1の軸(7)に対する前記プレート(3)のアライメントを設定するために、前記第1の駆動装置(5)が制御されて、前記プレート(3)が前記第1の軸(7)を中心に傾斜され、
ステップ2:前記第2の軸(9)に対する前記プレート(3)のアライメントを設定するために、前記第2の駆動装置(8)が制御されて、前記プレート(3)が前記第2の軸(9)を中心に傾斜され、
ステップ1および2が、n個のアラインメントの所定の時系列順序に従って繰り返される、ことによって設定される、方法。
【外国語明細書】