IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルジー ハウスホールド アンド ヘルスケア リミテッドの特許一覧 ▶ モアケム・カンパニー・リミテッドの特許一覧

特開2024-78458ビーポーレン由来エクソソームを含む化粧料組成物
<>
  • 特開-ビーポーレン由来エクソソームを含む化粧料組成物 図1
  • 特開-ビーポーレン由来エクソソームを含む化粧料組成物 図2
  • 特開-ビーポーレン由来エクソソームを含む化粧料組成物 図3
  • 特開-ビーポーレン由来エクソソームを含む化粧料組成物 図4
  • 特開-ビーポーレン由来エクソソームを含む化粧料組成物 図5
  • 特開-ビーポーレン由来エクソソームを含む化粧料組成物 図6
  • 特開-ビーポーレン由来エクソソームを含む化粧料組成物 図7
  • 特開-ビーポーレン由来エクソソームを含む化粧料組成物 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078458
(43)【公開日】2024-06-10
(54)【発明の名称】ビーポーレン由来エクソソームを含む化粧料組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/98 20060101AFI20240603BHJP
   A61Q 19/02 20060101ALI20240603BHJP
   A61K 35/64 20150101ALI20240603BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20240603BHJP
   A61P 17/16 20060101ALI20240603BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20240603BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240603BHJP
   A23L 33/10 20160101ALI20240603BHJP
【FI】
A61K8/98
A61Q19/02
A61K35/64
A61P17/00
A61P17/16
A61P29/00
A61P43/00 107
A23L33/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023201813
(22)【出願日】2023-11-29
(31)【優先権主張番号】10-2022-0163348
(32)【優先日】2022-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0158409
(32)【優先日】2023-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】514112488
【氏名又は名称】エルジー ハウスホールド アンド ヘルスケア リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】523451772
【氏名又は名称】モアケム・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ヨンジュン・イ
(72)【発明者】
【氏名】テホ・ジ
(72)【発明者】
【氏名】ナ・ユン・キム
(72)【発明者】
【氏名】イル・ウ・ジュ
(72)【発明者】
【氏名】ジ・アン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ダ・ジョン・キム
【テーマコード(参考)】
4B018
4C083
4C087
【Fターム(参考)】
4B018LB01
4B018LB02
4B018LB06
4B018LB08
4B018MD76
4B018MD77
4B018ME14
4B018MF01
4C083AA071
4C083AA072
4C083AC022
4C083AC122
4C083AC422
4C083AC542
4C083AD042
4C083AD092
4C083CC04
4C083CC05
4C083DD23
4C083DD27
4C083DD31
4C083EE12
4C083EE13
4C083EE16
4C083FF01
4C087AA01
4C087AA02
4C087AA03
4C087BB22
4C087CA03
4C087MA52
4C087MA63
4C087NA14
4C087ZA89
4C087ZB11
4C087ZB22
4C087ZC52
(57)【要約】
【課題】本発明は、ビーポーレンエクソソームを含む化粧料組成物に関し、より具体的には、前記ビーポーレンエクソソームを有効成分として含む皮膚美白、肌の弾力増進、シワ改善、皮膚保湿、皮膚再生、皮膚の鎮静、肌の輝きの改善または抗炎などの優れた効果を有する化粧料組成物に関する。
【解決手段】本発明は、ビーポーレンエクソソームを含む機能性食品組成物及び医薬部外品組成物に関する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビーポーレンエクソソーム(Bee pollen exosome)を有効成分として含む化粧料組成物。
【請求項2】
前記組成物は、皮膚美白用、肌の弾力増進またはシワ改善用、皮膚保湿用、皮膚再生用、皮膚の鎮静用、肌の輝きの改善用または抗炎症用である、請求項1に記載の化粧料組成物。
【請求項3】
前記ビーポーレンエクソソームは、組成物総重量に対して0.0000001~1重量%で含む、請求項1に記載の化粧料組成物。
【請求項4】
前記組成物は、花粉抽出物、ビーポーレン抽出物または植物エクソソームが含まれた組成物に比べて下記のi)~iv)から選択された一つ以上の効果を有する、請求項1に記載の化粧料組成物:
i)メラニン生成抑制、
ii)NO生成抑制、
iii)細胞活性増加;及び
iv)コラーゲン合成増加。
【請求項5】
ビーポーレンエクソソームを有効成分として含む機能性食品組成物。
【請求項6】
ビーポーレンエクソソームを有効成分として含む医薬部外品組成物。
【請求項7】
前記組成物は、皮膚美白用、肌の弾力増進またはシワ改善用、皮膚保湿用、皮膚再生用、皮膚の鎮静用、肌の輝きの改善用または抗炎症用である、請求項5又は6に記載の組成物。
【請求項8】
ビーポーレンを低温抽出する段階;及び
前記抽出物からエクソソームを分離する段階;を含むビーポーレンエクソソームの製造方法。
【請求項9】
請求項8に記載の製造方法で製造されたビーポーレンエクソソーム。
【請求項10】
請求項9に記載のビーポーレンエクソソームを含む組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビーポーレンエクソソームを含む化粧料組成物に関し、より具体的には、前記ビーポーレンエクソソームを有効成分として含む皮膚美白、肌の弾力増進、シワ改善、皮膚保湿、皮膚再生、皮膚の鎮静、肌の輝きの改善または抗炎などの優れた効果を有する化粧料組成物に関する。また、本発明は、ビーポーレンエクソソームを含む機能性食品組成物及び医薬部外品組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚の老化には種々の原因があるが、特に、紫外線と呼吸を通じて生成される活性酸素は、皮膚の老化に最も重要な原因として挙げられる。活性酸素は、皮膚細胞及び組織損傷を主導する。正常の場合、非正常的な、老化した細胞を死滅させてバランスを作るが、過度に発生した場合、皮膚抗酸化防御網を破壊し、脂質過酸化、タンパク質酸化、細胞間質成分を破壊、コラーゲンとエラスチンなど皮膚タンパク質を破壊し、その結果、弾力減少、シワ、色素沈着など皮膚の老化につながる。最近、タンパク質摂取と皮膚水分の増加に正の相関関係を立証する研究結果があり、栄養学的な側面で良質のタンパク質摂取が皮膚健康に密接な関連があると類推することができる。しかし、食品を通じたタンパク質摂取が皮膚に及ぼす影響は微々たる水準に過ぎない。
【0003】
抗酸化、抗老化などの特定薬理作用を有する植物抽出物は、国内に約500種以上が知られているが、大部分皮膚に及ぼす効果が検証されていない状態であり、植物抽出物の中には数多くの成分が多様な割合で存在しているため、ある効果を有する有効物質を見つけることは難しい過程である。また、植物成分中、効果を示す有効物質が一つの成分として単独で作用することもあるが、種々の成分の相互作用を通じてのみその効果が現れることもある。さらに、既存の多様な植物抽出物は、皮膚バリア通過が困難であり、単にこれを皮膚に塗るだけでは効果が制限的であることが知られている。
【0004】
これにより、副作用は最小化しながらも、皮膚美白、酸化防止、皮膚再生、皮膚の鎮静、肌の輝きの改善、抗炎及びシワ防止効果を全部最大化できる物質の開発が求められている。また、皮膚刺激、細胞毒性などの危険要素が少なく、含量の制限なしに使用できる化粧料組成物に対する要求も増加している。
【0005】
一方、エクソソームは、細胞膜の構造と同一の二重リン脂質膜からなる数十~数百ナノメートルの大きさの小胞体で、細胞が分泌する細胞間信号伝達メディエーターであり、これを通じて伝達された多様な細胞信号は、標的細胞の活性化、成長、移動、分化、脱分化、アポトーシス(apoptosis)、壊死(necrosis)を含む細胞の行動を調節することが知られている。
【0006】
エクソソームは、由来した細胞の性質及び状態により特異的な遺伝物質と生体活性因子が含まれているが、動物の幹細胞から分離されるエクソソームは、含まれた因子が目的以外の効果を示すことがあり、エクソソームの分離において幹細胞が含まれ得るという点で安定性の問題がある。しかし、動物細胞由来のエクソソームの安定性問題は、植物細胞のエクソソームを利用することにより解決できる。これに対し、植物細胞のエクソソームに関する研究が活発に進められているが、まだ不十分な状態である。
【0007】
特に、花粉抽出物の効能は、主に、抗真菌、抗菌、抗ウイルス効果があることが知られており、ビーポーレンにはエクソソーム成分が存在するが、まだビーポーレン由来エクソソーム成分は、化粧品成分として使われたことがなく、肌のアンチエイジングに関する研究もほとんどない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】KR 10-2021-0135138 A
【特許文献2】KR 10-2022-0104655 A
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の主な目的は、ビーポーレンエクソソームを有効成分として含む化粧料組成物を提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、ビーポーレンエクソソームを有効成分として含む機能性食品組成物を提供することにある。
【0011】
本発明のまた他の目的は、ビーポーレンエクソソームを有効成分として含む医薬部外品組成物を提供することにある。
【0012】
本発明のまた他の目的は、ビーポーレンエクソソームを製造する方法を提供することにある。
【0013】
本発明のまた他の目的は、ビーポーレンエクソソームを製造する方法で製造されたビーポーレンエクソソームを提供することにある。
【0014】
本発明のまた他の目的は、ビーポーレンエクソソームを含む組成物を提供することにある。
【0015】
本発明のまた他の目的は、ビーポーレンエクソソームを有効成分として含む組成物を個体の皮膚に塗布する段階を含む皮膚改善方法を提供することにある。
【0016】
本発明のまた他の目的は、ビーポーレンエクソソーム、またはこれを含む組成物の皮膚改善用途を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
これを具体的に説明すると、次の通りである。一方、本発明で開示されたそれぞれの説明及び実施形態は、それぞれの他の説明及び実施形態にも適用することができる。即ち、本発明で開示された多様な要素のすべての組合が本発明の範疇に属する。また、下記の具体的な記述により本発明の範疇が制限されるとは見られない。
【0018】
前記目的を達成するための、本発明の一態様は、ビーポーレンエクソソームを有効成分として含む化粧料組成物を提供する。
【0019】
本発明で使用される用語「ビーポーレン(Bee pollen)」は、働き蜂が花蜜(nectar)と花粉を収集する時、花粉と花蜜、唾液などが混合されたものであり、働き蜂は、これを後足に付着させて巣箱に運搬して餌として用いる。前記ビーポーレンは、20種余りのアミノ酸、フラボノイド、16種類の天然ビタミン、ミネラル成分などを含んでおり、疲労回復、免疫力アップ、アンチエイジング、抗酸化に効果があり、最近多くの関心を集めている。
【0020】
本発明で使用される用語「エクソソーム(exosome)」とは、多様な細胞から分泌される膜構造の小胞を意味し、細胞外小胞体(Extracellular Vesicles,EVs)の一種類と定義される。遺伝物質であるmRNAとmiRNA、タンパク質、脂肪、代謝物質のような多様な生物学的情報を含有しており、このような物質をターゲット細胞に伝達して細胞機能の調節に寄与する。細胞は、特定のメッセージをエクソソーム形態で分泌し、エクソソームの表面Markerや大きさなどにより特定細胞のものと識別することが知られており、既存の他の種類の粒子より高い生体適合性と体内安定性を有する。エクソソームは、多くのヒトを含む哺乳類の血液、小便、唾液及び細胞培養液を含むすべての生物学的流体から発見されただけでなく、植物もエクソソーム(微小小胞)を生成することが知られている。
【0021】
本発明で使用される用語「ビーポーレンエクソソーム(Bee pollen exosome)」は、植物由来エクソソームの一つであり、植物由来エクソソームは、植物細胞自体が分泌する生理活性及び信号伝達物質が入っており、細胞間の移動と吸収に役立つ天然のナノ粒子であり、植物から精製したエクソソームは、哺乳類由来エクソソームに比べて毒性がないことが知られている。具体的には、本発明のビーポーレンエクソソームは、ビーポーレンに由来したエクソソームを意味することであってもよい。前記用語は、ビーポーレン小胞と混用され得る。
【0022】
本発明では、前記ビーポーレンエクソソームに、精製水、ブチレングリコール、1,2-ヘキサンジオール、エチルヘキシルグリセリンなどのような溶媒を投入して原料化したものをビーポーレンエクソソーム原料と命名した。
【0023】
本発明の組成物に、ビーポーレンエクソソーム原料の体積(v/v) %は0.001~20%、0.001~15%、または0.001~10%の体積%で含まれ得るが、これに制限されない。
【0024】
また、本発明のビーポーレンエクソソーム原料内のビーポーレンエクソソームは、1X10 particle/ml~1X1012 particle/ml、具体的には1X10 particle/ml~1X1011 particle/ml、さらに具体的に1X10 particle/ml~1X1010 particle/mlの濃度で含まれ得るが、これに制限されない。
【0025】
また、本発明の組成物内のビーポーレンエクソソームの重量(w/w)%は0.0000001%~1%、0.0000001%~0.1%、0.0000001%~0.01%、または0.0000001%~0.001%であってもよいが、これに制限されない。
【0026】
本発明において前記化粧料組成物は、皮膚美白、肌の弾力増進及びシワ改善、皮膚保湿、皮膚再生、皮膚の鎮静、肌の輝きの改善または抗炎症などの効果を有することができるが、これに制限されない。
【0027】
具体的には、本発明の化粧料組成物は、花粉抽出物、ビーポーレン抽出物または植物エクソソームが含まれた組成物に比べてメラニン生成抑制効果が増加するものであってもよい。
【0028】
本発明の化粧料組成物は、花粉抽出物、ビーポーレン抽出物または植物エクソソームが含まれた組成物に比べてNO生成抑制効果が増加するものであってもよい。
【0029】
本発明の化粧料組成物は、花粉抽出物、ビーポーレン抽出物または植物エクソソームが含まれた組成物に比べて細胞活性効果が増加するものであってもよい。
【0030】
本発明の化粧料組成物は、花粉抽出物、ビーポーレン抽出物または植物エクソソームが含まれた組成物に比べてコラーゲン合成効果が増加するものであってもよい。
【0031】
本発明の用語「花粉抽出物」とは、花粉を多様な溶媒に浸漬した後、常温、低温または加温状態で一定時間抽出して得られた液状成分、前記液状成分から溶媒を除去して得られた固形分などの結果物を意味する。花粉は、種子を作る維管束植物の生殖器官で、雄性配偶体を保護するために堅固な皮で囲まれている構造であり、花粉とも呼ばれ、主に風や昆虫により運搬されて受精後、種子を形成する。花粉は、昆虫により媒介される虫媒花粉と風により媒介される風媒花粉がある。
【0032】
本発明の用語「ビーポーレン抽出物」とは、働き蜂が花蜜(nectar)と花粉を収集する時、花粉と花蜜、唾液などが混合されたビーポーレンを多様な溶媒に浸漬した後、常温、低温または加温状態で一定時間抽出して得られた液状成分、前記液状成分から溶媒を除去して得られた固形分などの結果物を意味する。
【0033】
本発明の用語「植物エクソソーム」は、植物から抽出された50~200nm程度の大きさを有するエクソソームあるいはエクソソーム様細胞外小胞体を通称する。植物由来エクソソームは、哺乳類細胞から分泌されるエクソソームに比べて低い毒性と免疫原性を有し、コレステロールの含量が非常に少なく体内安定性及び生体適合性が非常に高いことが知られている。それだけでなく、植物由来の抗酸化成分あるいはタンパク質成分により植物由来エクソソームは、創傷治療及び皮膚再生などに効能があることが知られている。
【0034】
本発明における「皮膚美白」とは、メラニン色素の合成を阻害することにより皮膚のトーンを明るくするだけでなく、紫外線、ホルモンまたは遺伝に起因したシミやソバカスなどの皮膚の過色素沈着を改善することをいう。
【0035】
また、本発明の化粧料組成物は、花粉抽出物、ビーポーレン抽出物または植物エクソソームが含まれた組成物に比べてメラニン生成抑制効果が増加するものであってもよい。
【0036】
本発明における「肌の弾力増進」とは、皮膚がたるむ程度を緩和させることであり、エラスチンで構成された弾力繊維がコラーゲン(collagen)という膠原線維とともに存在するが、エラスチンとコラーゲンが十分に存在する状態で皮膚弾力が維持されることをいう。
【0037】
前記用語「増進」とは、皮膚の弾力の効果がより良くなったり、促進されたり、改善されることを全て意味し得るが、これに制限されない。また、本発明の肌の弾力増進は、本発明の組成物がビーポーレンエクソソームが含まれていない対照群に比べてコラーゲン合成効果が少なくとも0.5倍以上上がったことを意味し得るが、これに制限されない。
【0038】
本発明において、「シワ改善」とは、皮膚にシワが生成されることを抑制または阻害したり、既に生成されたシワを緩和させることをいう。
【0039】
また、本発明の化粧料組成物は、花粉抽出物、ビーポーレン抽出物または植物エクソソームが含まれた組成物に比べてコラーゲン合成効果が増加するものであってもよい。
【0040】
本発明における「皮膚保湿」とは、皮膚に水分感を増加させ、しっとりとした状態を維持させることを意味する。
【0041】
本発明における「皮膚再生」とは、損傷した皮膚部位に存在するwound healing関与遺伝子及び細胞増殖関与遺伝子の発現量を増加させ、皮膚を再生させることを意味する。
【0042】
また、本発明の化粧料組成物は、花粉抽出物、ビーポーレン抽出物または植物エクソソームが含まれた組成物に比べて細胞活性効果が増加するものであってもよい。
【0043】
本発明における「皮膚の鎮静」は、皮膚に爽快感を与えること、皮膚温度を強化させること、皮膚に清涼感を与えること、または皮膚に冷感を与えることなどを意味することであるが、これに制限されない。
【0044】
本発明における「肌の輝き(radiance)の改善」は、皮膚の色をより明るくし、皮膚にツヤを与えることをすべて含む。皮膚の色の輝きは、多数の外部または内部因子により影響を受けることができる。外部因子としては、太陽光への露出、温度及び湿度変化への露出、または汚染物への露出が挙げられる。皮膚の色の輝きに影響を及ぼす内部因子は、ストレス、疲労、ホルモン変化、上皮の脱水または皮膚のバリア機能の損傷、またはさらには老化が挙げられる。このような外部及び内部因子は、皮膚の色をくすむようにして均一でなく、つやがなく、青白くしたり、さらには虚弱に見えるようにする傾向があり、皮膚欠陥の存在を増進させたりまたはさらには悪化させる傾向がある。本発明の化粧料組成物は、肌の輝きを改善させるものであってもよい。
【0045】
前記用語「改善」は、本発明のビーポーレンエクソソームを有効成分として含む化粧料組成物が症状の程度を少なくとも減少させるか、効果を最大化させるあらゆる行為を意味する。一例として、本発明の組成物がビーポーレンエクソソームが含まれていない対照群に比べてメラニン生成が抑制、NO生成抑制、細胞活性効果が増加、コラーゲン合成効果が増加することを全て意味することができるが、これに制限されない。
【0046】
本発明における「抗炎症」は、炎症を抑制する作用を意味することであり、炎症反応の調節は非常に複雑であると知られているが、これは、生体内復旧体系の増強及び損傷を減少させるためであると知られている。しかし、繰り返される組織の損傷や再生により炎症反応が持続すると、炎症関連細胞においてROSとRNSが過多生成され、その結果として永久的な遺伝子の変形が惹起される。このようにROSとRNSは、生体内における種々の細胞の作用を調節する炎症反応と深く関連している。炎症過程中には、多量の炎症誘導サイトカイン(proinflammatory cytokines)、亜硝酸(nitric oxide,NO)、そしてプロスタグランジン(prostaglandin E2,PGE2)が誘導性一酸化窒素合成酵素(inducible nitric oxide synthase,iNOS)とシクロオキシゲナーゼ(cyclooxygenase-2,COX-2)により生成される。炎症は、多様な炎症性疾患を誘発する原因であり、本発明のビーポーレンエクソソームを含む組成物は、抗炎症作用を通じて多様な炎症性疾患に対する予防及び改善効果を有することができる。
【0047】
本発明の化粧料組成物は、花粉抽出物、ビーポーレン抽出物または植物エクソソームが含まれた組成物に比べてNO生成抑制効果が増加するものであってもよい。
【0048】
本発明による化粧料組成物は、溶液、外用軟膏、クリーム、フォーム、柔軟化粧水(栄養乳液)、収斂化粧水、栄養化粧水、アイクリーム、セラム、栄養クリーム、クレンジングクリーム、クレジングローション、クレンジングフォーム、クレンジングウォーター、マッサージクリーム、パウダー、エッセンス、パック、皮膚接着用パッチ、皮膚接着用ゲル、パウダー、軟膏、サスペンション、エマルジョン、ヘアトニック、ヘアートリートメント、シャンプーまたはリンス、パック、柔軟水、乳液、メイクアップベース、エッセンス、石鹸、液体洗浄料、入浴剤、サンスクリーンクリーム、サンオイル、懸濁液、乳濁液、ペースト、ゲル、ローション、石鹸、界面活性剤含有クレンジング、オイル、粉末ファンデーション、乳濁液ファンデーション、ワックスファンデーション、及びスプレーで構成された群から選択される剤形に製造することができるが、これに制限されるものではない。
【0049】
また、本発明の化粧料組成物は、一般の皮膚化粧料に配合される化粧品学的に許容可能な担体を1種以上さらに含んでもよく、通常の成分として、例えば、油分、水、界面活性剤、保湿剤、低級アルコール、増粘剤、キレート剤、色素、防腐剤、香料などを適切に配合してもよいが、これに制限されるものではない。
【0050】
本発明の化粧料組成物に含まれる化粧品学的に許容可能な担体は、剤形によって多様である。
【0051】
本発明の剤形が軟膏、ペースト、クリームまたはゲルである場合には、担体成分として動物性油、植物性油、ワックス、パラフィン、澱粉、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコン、ベントナイト、シリカ、タルク、酸化亜鉛またはこれらの混合物が利用され得る。
【0052】
本発明の剤形がパウダーまたはスプレーである場合には、担体成分としてラクトース、タルク、シリカ、アルミニウムヒドロキシド、ケイ酸カルシウム、ポリアミドパウダーまたはこれらの混合物が用いられ、特に、スプレーである場合には、さらにクロロフルオロヒドロカーボン、プロパン/ブタンまたはジメチルエーテルのような推進剤を含むことができる。
【0053】
本発明の剤形が溶液または乳濁液である場合には、担体成分として溶媒、可溶化剤または乳化剤が用いられ、例えば、水、エタノール、イソプロパノール、エチルカルボナート、エチルアセテート、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾエート、プロピレングリコール、1,3-ブチルグリコールオイルが用いられ、特に、綿実油、ピーナッツオイル、トウモロコシ胚芽油、オリーブオイル、ヒマシ油及びゴマ油、グリセロール脂肪族エステル、ポリエチレングリコールまたはソルビタンの脂肪酸エステルが用いられる。
【0054】
本発明の剤形が懸濁液である場合には、担体成分として水、エタノールまたはプロピレングリコールのような液状の希釈剤、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールエステル及びポリオキシエチレンソルビタンエステルのような懸濁剤、微小結晶性セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、アガーまたはトラガカントなどが用いられる。
【0055】
本発明の剤形が石鹸である場合には、担体成分として脂肪酸のアルカリ金属塩、脂肪酸ヘミエステル塩、脂肪酸タンパク質ハイドロリセート、イセチオネート、ラノリン誘導体、脂肪族アルコール、植物性油脂、グリセロール、糖などが用いられる。
【0056】
本発明の化粧料組成物は、前記化粧料組成物に通常用いられる補助剤、例えば、親水性または親脂性ゲル化剤、親水性または親脂性活性剤、保存剤、抗酸化剤、溶媒、芳香剤、充填剤、遮断剤、顔料、吸臭剤及び染料などを含有することができる。
【0057】
前記の目的を達成するためのもう一つの様態として、本発明は、ビーポーレンエクソソームを有効成分として含む機能性食品組成物を提供する。
【0058】
本発明において前記機能性食品組成物は、皮膚美白、肌の弾力増進及びシワ改善、皮膚保湿、皮膚再生、皮膚の鎮静、肌の輝きの改善または抗炎症などの効果を有することができるが、これに制限されない。
【0059】
前記機能性食品組成物は、健康機能食品の形態として用いられるが、これに制限されるものではない。
【0060】
前記組成物は、有効成分以外に食品学的に許容可能な食品補助添加剤を含むことができる。
【0061】
本発明において、「食品補助添加剤」とは、食品に補助的に添加される構成要素を意味し、各剤形の健康機能食品を製造するのに添加されるものとして当業者が適切に選択して使用することができる。食品補助添加剤の例としては、種々の栄養剤、ビタミン、鉱物(電解質)、合成風味剤及び天然風味剤などの風味剤、着色剤及び充填剤、ペクチン酸及びその塩、アルギン酸及びその塩、有機酸、保護性コロイド増粘剤、pH調節剤、安定化剤、防腐剤、グリセリン、アルコール、炭酸飲料に使用される炭酸化剤などが含まれるが、前記例により本発明の食品補助添加剤の種類が制限されるものではない。
【0062】
本発明の機能性食品組成物には健康機能食品が含まれ得る。本発明において、「健康機能食品」とは、人体に有用な機能性を有する原料や成分を用いて錠剤、カプセル、粉末、顆粒、液状及び丸剤などの形態に製造及び加工した食品をいう。ここで「機能性」とは、人体の構造及び機能に対して栄養素を調節したり生理学的作用などのような保健用途に有用な効果を得ることを意味する。本発明の健康機能食品は、当業界において通常用いる方法により製造可能であり、前記製造時には、当業界において通常添加する原料及び成分を添加して製造することができる。また、前記健康機能食品の剤形も健康機能食品として認められる剤形であれば、制限なく製造することができる。本発明の食品組成物は、多様な形態の剤形に製造することができ、一般薬品とは異なって食品を原料として薬品の長期服用時に発生し得る副作用などがない長所があり、携帯性に優れ、本発明の健康機能食品は、皮膚美白、肌の弾力増進またはシワ改善、または皮膚保湿、皮膚再生、皮膚の鎮静、肌の輝きの改善または抗炎症効果を増進させるための補助剤として摂取が可能である。
【0063】
本発明の健康機能食品が取られる形態には制限がなく、通常の意味の食品をすべて含むことができ、機能性食品など当業界に知られている用語と混用可能である。併せて、本発明の健康機能食品は、当業者の選択により食品に含まれ得る適切なその他の補助成分と公知の添加剤を混合して製造することができる。添加し得る食品の例としては、肉類、ソーセージ、パン、チョコレート、キャンディ類、スナック類、菓子類、ピザ、ラーメン、その他麺類、ガム類、アイスクリーム類を含む酪農製品、各種スープ、飲料水、茶、ドリンク剤、アルコール飲料及びビタミン複合剤などがあり。また、動物のための飼料として用いられる食品も含む。
【0064】
前記の目的を達成するためのもう一つの様態として、本発明は、ビーポーレンエクソソームを有効成分として含む医薬部外品組成物を提供する。
【0065】
本発明において前記医薬部外品組成物は、皮膚美白、肌の弾力増進及びシワ改善、皮膚保湿、皮膚再生、皮膚の鎮静、肌の輝きの改善または抗炎症などの効果を有し得るが、これに制限されない。
【0066】
本発明の医薬部外品組成物には、前記成分以外に必要に応じて薬学的に許容可能な担体、賦形剤または希釈剤をさらに含むことができる。前記薬学的に許容可能な担体、賦形剤または希釈剤は、本発明の効果を損なわない限り制限されず、例えば、充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、界面活性剤、潤滑剤、甘味剤、芳香剤、保存剤などを含むことができる。
【0067】
本発明の薬学的に許容可能な担体、賦形剤または希釈剤の代表的な例としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、マルチトール、澱粉、ゼラチン、グリセリン、アカシアゴム、アルギネート、カルシウムホスフェート、カルシウムカルボネート、カルシウムシリケート、セルロース、メチルセルロース、微晶質セルロース、ポリビニルピロリドン、水、ヒドロキシ安息香酸メチル、ヒドロキシ安息香酸プロピル、タルク、マグネシウムステアレート、鉱油、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物性油、注射可能なエステル、ウィテプゾール、マクロゴール、ツイン61、カカオ脂、ラウリン脂などが挙げられる。
【0068】
また、本発明のビーポーレンエクソソームを有効成分として含む組成物を医薬部外品として用いる場合、さらに同一または類似の機能を示す有効成分を1種以上含有することができる。例えば、公知の皮膚美白、弾力増進、シワ改善、皮膚再生、保湿成分、皮膚の鎮静、肌の輝きの改善及び抗炎成分を含むことができる。追加的な皮膚美白、弾力増進、シワ改善、皮膚再生、保湿成分、皮膚の鎮静、肌の輝きの改善及び抗炎成分を含むことになると、本発明の組成物の皮膚美白、弾力増進、シワ改善、皮膚再生、保湿效果、皮膚の鎮静、肌の輝きの改善及び抗炎効果はさらに増加するはずである。前記成分の追加時には、複合使用による皮膚安全性、剤形化の容易性、有効成分の安定性を考慮することができる。前記医薬部外品組成物は、当業界において公知となった美白成分として、コウジ酸(Kojic acid)、アルブチン(Arbutin)などのようなチロシナーゼ酵素活性を抑制する物質、ヒドロキノン(Hydroquinone)、ビタミン-C(L-Ascorbic acid);当業界において公知となった皮膚弾力、シワ改善または保湿成分として、レチノイン酸、TGF、動物胎盤由来のタンパク質、ベツリン酸及びクロレラ抽出物;及びこれらの誘導体と各種植物抽出物で構成される群から選択される1種または2種以上の成分をさらに含むことができる。追加の成分は、全組成物重量に対して0.0001重量%~10重量%で含まれてもよく、前記含量の範囲は、皮膚安全性、容易性などの要件に応じて調節できるものである。
【0069】
本発明の医薬部外品組成物は、手指消毒剤、シャワーフォーム、軟膏液、ウェットティッシュ、コーティング剤などを例示できるが、これに制限されるものではなく、医薬部外品の製剤化方法、用量、利用方法、構成成分などは、技術分野において公知となった通常の技術から適切に選択することができる。
【0070】
また、本発明の前記ビーポーレンエクソソームを有効成分として含む医薬部外品組成物は、個体の皮膚に塗布する段階を含む、皮膚美白用、肌の弾力増進またはシワ改善用、または皮膚保湿方法に用いられる。前記個体は、ラット、家畜、ヒトなどを含む哺乳動物を制限なく含む。
【0071】
前記の目的を達成するためのもう一つの様態として、本発明は、ビーポーレンを低温抽出する段階;及び前記抽出物からエクソソームを分離する段階;を含むビーポーレンエクソソームの製造方法を提供する。
【0072】
具体的には、ビーポーレンを低温抽出する段階において低温は4℃~25℃、4℃~20℃、または4℃~15℃であってもよいが、これに制限されない。また、前記段階において低温抽出段階前にビーポーレンの有効成分の破壊を最小化するために、石臼工法で粉砕することができるが、一般に使用される粉砕方法であれば、これに制限されない。
【0073】
また、前記抽出物からエクソソームを分離する段階は、遠心分離を用いて沈殿物を除去することができる。それ後に、濾過装置を用いて精製することができるが、当該分野において公知となった適した分離または精製方法であれば、制限なく行われ得る。
【0074】
前記の目的を達成するためのもう一つの様態として、本発明は、ビーポーレンエクソソームを有効成分として含む組成物を個体の皮膚に塗布する段階を含む皮膚改善方法を提供する。
【0075】
前記用語「ビーポーレンエクソソーム」は、前述の通りである。前記皮膚改善方法は、本発明のビーポーレンエクソソームを含む組成物が花粉抽出物、ビーポーレン抽出物または植物エクソソームを含む組成物に比べてi)メラニン生成抑制、ii)NO生成抑制、iii)細胞活性増加;及び/又はiv)コラーゲン合成増加のような効果を有することを確認し、皮膚美白、肌の弾力増進、シワ改善、皮膚保湿、皮膚再生、皮膚の鎮静、肌の輝きの改善または抗炎を改善する方法を提供することであるが、これに制限されない。
【0076】
前記の目的を達成するためのもう一つの様態として、本発明は、前記方法により製造されたビーポーレンエクソソームを提供する。
【0077】
前記の目的を達成するためのもう一つの様態として、本発明は、ビーポーレンエクソソームを含む組成物を提供する。
【0078】
前記の目的を達成するためのもう一つの様態として、本発明は、ビーポーレンエクソソーム、またはこれを含む組成物の皮膚改善用途を提供する。
【0079】
前記用語「ビーポーレンエクソソーム」は、前述の通りである。本発明の皮膚改善用途は、皮膚美白用、肌の弾力増進またはシワ改善用、皮膚保湿用、皮膚再生用、皮膚の鎮静用、肌の輝きの改善用または抗炎症用であることを意味し得るが、これに制限されない。
【発明の効果】
【0080】
本発明のビーポーレンエクソソームを有効成分として含む化粧料組成物は、皮膚美白、弾力増進またはシワ改善、皮膚保湿、皮膚再生、皮膚の鎮静、肌の輝きの改善及び抗炎効果に優れる。具体的には、本発明のビーポーレンエクソソームを含む組成物は、花粉抽出物、ビーポーレン抽出物または植物エクソソームを含む組成物に比べてメラニン生成抑制効果、NO生成抑制効果、細胞活性効果及びコラーゲン合成効果に優れるため、皮膚美白用、弾力増進用またはシワ改善用、皮膚保湿用、皮膚再生用、皮膚の鎮静用、肌の輝きの改善用及び抗炎症用化粧料組成物としての活用度が高い。
【図面の簡単な説明】
【0081】
図1】ビーポーレンエクソソーム原料製造工程図を示したものである。
図2】ビーポーレンエクソソームのMMP-1阻害効能を示したグラフである。
図3】ビーポーレンエクソソーム5%を含有したセラムの弾力リング改善評価を示したものである。
図4】ビーポーレンエクソソーム5%を含有したセラムの目の下、ほうれい線、あごの下、または首のしわの改善程度を示したものである。
図5】ビーポーレンエクソソーム5%を含有したセラム剤形の多角度輝き評価結果を示したものである。
図6】ビーポーレンエクソソーム5%を含有したセラム+ビーポーレンエクソソーム3%を含有したクリーム並行使用時に多角度輝き評価結果を示したものである。
図7】ビーポーレンエクソソーム5%を含有したセラムV.S. ビーポーレンエクソソーム5%を含有したセラム&ビーポーレンエクソソーム3%を含有したクリーム並行使用時に多角度輝き評価結果を示したものである。
図8】ビーポーレンエクソソーム5%を含有したセラムV.S. ビーポーレンエクソソーム5%を含有したセラム&ビーポーレンエクソソーム3%を含有したクリーム並行使用時に多角度輝き評価変化量を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0082】
以下、本発明を下記例により詳細に説明する。ただし、下記例は、本発明を例示するためのものに過ぎず、下記例により本発明の範囲が制限されるものではない。
【0083】
製造例1:ビーポーレンエクソソームの製造
本発明のビーポーレンエクソソームを製造するために、雪岳山で花が咲く時期(3月~5月頃)に蜜蜂により採集されたビーポーレンを用いた。具体的には、前記ビーポーレンを有効成分の破壊を最小化するために、伝統方式の石臼工法で粉砕して細胞壁を破砕した後、低温で24~72時間精製水で抽出した。前記低温は4℃~25℃であり、具体的には、4℃~15℃であってもよい。その後、8,000rpmまたは5,000xgで遠心分離をして沈殿物を除去し、上澄液を取った後、0.2~5.0μmの孔隙サイズを有するフィルターに濾過してエクソソームが含まれた濾液を得、100kDaフィルターを用いるTFF装備(タンジェント流濾過装置)を用いて分子量Cut-off及び洗浄して精製されたエクソソームを分離した(図1のstep1~step5)。
【0084】
製造例2:ビーポーレンエクソソーム原料の製造
質量%を基準として製造例1から得られたビーポーレンエクソソーム0.00003%にブチレングリコール10%、1,2-ヘキサンジオール2%、エチルヘキシルグリセリン0.05%及び精製水(to 100%)を投入して原料化したものを「ビーポーレンエクソソーム原料」と命名した(図1のstep6~step8)。前記ビーポーレンエクソソーム原料の密度は、1.004g/mlであってもよい。
【0085】
実施例1:メラニン生成抑制効能の確認
製造例2で製造されたビーポーレンエクソソーム原料の美白効果を確認するために、次の通りメラニン生成抑制効果を測定した。
【0086】
具体的には、前記ビーポーレンエクソソーム原料の美白効能は、melanocyte内に存在するメラニン色素の量が減少する程度を測定して評価した。前記ビーポーレンエクソソーム原料を0.01%、0.1%濃度(v/v%)に希釈してB16f10 melanocyteに処理し、72時間培養した後、メラニンを定量して美白効能を評価した。メラニン含量は、総タンパク質量比で計算した後、DMSO対照群基準メラニン生成阻害率を%で求めた。陽性対照群としてArbutin 200ppmを処理した。
【0087】
また、ビーポーレンエクソソーム原料のメラニン生成抑制効果が対照群であるビーポーレン抽出物原料、花粉抽出物原料、植物由来エクソソーム原料より優れるかを確認することにした。具体的には、ビーポーレン抽出物原料は、ビーポーレンエクソソーム製造時と同一のビーポーレンを同量を用いて同様の方法で粉砕し、同一の温度条件(4℃~25℃)で24-72時間精製水で抽出を進める一般的な低温抽出法で抽出し、エクソソーム収得に必要な遠心分離段階からは進めず、即時ビーポーレンエクソソーム原料と同一の組成になるように溶媒を追加(質量%を基準としてブチレングリコール10%、1,2-ヘキサンジオール2%、エチルヘキシルグリセリン0.05%及び精製水(to 100%))して原料化したものである。花粉抽出物の原料は、一般の市中で購入した花粉(乾燥ノイバラの花雜花花粉製品)を同様な条件(粉砕、4℃~25℃で24-72時間精製水で抽出)で低温抽出進行後に同一組成で溶媒を追加(質量%を基準としてブチレングリコール10%、1,2-ヘキサンジオール2%、エチルヘキシルグリセリン0.05%及び精製水(to 100%))して原料化したものである。また、植物エクソソーム原料は、ビーポーレンの代わりに他の植物(ニンジン)を用いて同様の工法でエクソソーム抽出(ビーポーレンの代わりにニンジンを用いて図面1のstep5まで進行)し、同一の溶媒(質量%を基準としてブチレングリコール10%、1,2-ヘキサンジオール2%、エチルヘキシルグリセリン0.05%及び精製水(to 100%))を追加して原料化したものである。
【0088】
【表1】
【0089】
その結果、表1に示した通り、ビーポーレンエクソソーム原料を処理した群でメラニン生成抑制率(%)が最も優れることを確認した。陽性対照群(Arbutin 200ppm)の場合、38.06%のメラニン合成阻害を示した。
【0090】
実施例2:皮膚の鎮静及び抗炎効果の確認
製造例2で製造されたビーポーレンエクソソーム原料の皮膚の鎮静及び抗炎効果を確認するために、NO生成抑制効果を次の通り測定して対照群である花粉抽出物原料、ビーポーレン抽出物原料、植物由来エクソソーム原料と比較することにした。
【0091】
具体的には、Raw264.7cellを用いて前記試料のNO生成抑制効果を測定した。陽性対照群としては20mg/ml L-NMMA1(NOS抑制剤)を用い、前記試料を0.01%、0.1%濃度(v/v%)に希釈して30分間前処理した後、1μg/ml LPSを処理し、24時間培養した後、NO定量Kitを用いてNO生成抑制能を下記のように評価した。すべての結果値は、3回以上の独立した実験を経て平均±標準偏差(SD)で示した。
【0092】
【数1】
【0093】
【表2】
【0094】
その結果、表2に示した通り、ビーポーレンエクソソーム原料を処理した群でNO生成抑制率(%)が最も優れることを確認した。陽性対照群(20mg/ml L-NMMA1)の場合、59.17%抑制能があった。これを通じて、ビーポーレンエクソソーム原料を処理した群で皮膚の鎮静及び抗炎効果が最も優れることが分かる。
【0095】
実施例3:細胞活性効果の確認
製造例2で製造されたビーポーレンエクソソーム原料の細胞増殖効果を確認するために、次の通り細胞活性効果を測定した。
【0096】
具体的には、HDF(Human Dermal Fibroblasts)細胞を96wellプレートに1x10cells/wellずつ同一にhemacytometerを用いて計数した後、分注した。24時間培養したHDF細胞に花粉エクソソーム原料を各wellに入れ、serum free DMEM培地100ulで37℃、5% CO2incubatorで24時間培養した。CCK-8試薬を各wellに10ulずつ入れて1時間培養した後、450nmで吸光度を測定した。何も処理していない無処理対照群を基準として百分率(%)で増加した細胞活性を表示した。陽性対照群としてFBS 5%を用いた。
【0097】
また、花粉抽出物原料、ビーポーレン抽出物原料、植物由来エクソソーム原料に比べてビーポーレンエクソソーム原料の細胞活性効果が対照群より優れるかを確認することにした。前記試料は、いずれも0.01%、0.1%濃度(v/v%)に希釈して評価した。
【0098】
【表3】
【0099】
その結果、表3に示した通り、ビーポーレンエクソソーム原料処理時に他の抽出物処理時に比較して遥かに細胞活性効果が高く示されることが分かる。陽性対照群としてFBS 5%処理時に細胞活性が34.77%増加した。
【0100】
実施例4:コラーゲン合成効能の評価
製造例2で製造されたビーポーレンエクソソーム原料のコラーゲン合成効果を確認するために、次の通り測定した。
【0101】
具体的には、HDF(Human Dermal Fibroblasts)細胞を用いてコラーゲン合成効果を評価した。ビーポーレンエクソソーム原料試料を細胞に48時間前処理した後、human procollagen typeIC-peptide(PIP)EIA kitを用いてコラーゲン合成効能を測定した。試料のコラーゲン合成効能は、無処理対照群に比べて増加した数値を百分率(%)で計算して結果を表で示した。陽性対照群はTGF-b 10ng/mlを用いた。
【0102】
また、ビーポーレンエクソソーム原料のコラーゲン合成効果が対照群である花粉抽出物原料、ビーポーレン抽出物原料、植物由来エクソソーム原料より優れるかを確認することにした。前記試料は、いずれも0.01%、0.1%濃度(v/v%)に希釈して評価した。
【0103】
【表4】
【0104】
その結果、表4に示した通り、ビーポーレンエクソソーム原料処理時に他の抽出物処理時に比較して遥かにコラーゲン合成効果が高く示されることが分かる。陽性対照群TGF-b処理の結果、無処理群に比べて29.87%コラーゲン合成が増加した。
【0105】
実施例5:抗老化効能評価(MMP-1阻害効能の確認)
製造例2で製造されたビーポーレンエクソソーム原料の抗老化効果を確認するために、次の通りMMP-1阻害効能を評価した。
【0106】
具体的には、HDF(Human Dermal Fibroblasts)細胞を用いてUV照射時に増加するMMP-1の阻害効能を評価した。6well plateにHDF細胞をseedinした後、24時間後にUVBを25mJ/cm照射し、花粉エクソソーム原料試料を細胞に処理した後、24時間培養してMMP-1 DuoSet ELISA kitを用いてMMP-1発現量を測定した。前記ビーポーレンエクソソーム原料試料のMMP-1効能は、無処理対照群比で計算して数値を測定して結果をグラフで示した。陽性対照群は、RA(Retinoic acid 0.3ppm)を用いた。
【0107】
その結果、図2に示した通り、無処理対照群に比べてビーポーレンエクソソーム原料を処理した群でMMP-1発現量が31%減少し、MMP-1阻害効能に優れることを確認することができた。
【0108】
製造例3:ビーポーレンエクソソーム含有セラム及びクリームの製造
ビーポーレンエクソソーム原料が含まれたセラム及びクリームを下記表5及び表6のような組成で製造した。
【0109】
【表5】
【0110】
【表6】
【0111】
実施例6:ビーポーレンエクソソーム原料5%を含有したセラムの弾力リング改善評価
Cutiscan CS 100を用いて顔面部の同一の部位の皮膚弾力を測定し、装置内部に提供された一定の負圧ですべての方向に均一に皮膚を数秒間引っ張った後、数秒間再び加えられた圧力を放出する。吸入及び収縮時間中、プローブの内部に照明があるカメラは、オプティカルフローアルゴリズムにより各ピクセルの変位をモニタリングし、測定単位はPixelである。V1、V2、V3値が算出され、0°(360°)、45°、90°、135°、180°、228°、270°、315°、360°(0°)の平均値を用いた。V1は吸入した時の皮膚の硬さを評価し、V2は収縮した時の皮膚の回復能力を評価し、V3はV1とV2の比率の曲線を%で示す。弾力を示すパラメーターはV2値とV3値であり、V1値とV2値を用いて弾力を示すV3値を用いる。弾力を示すV3値(単位%)をY軸にして弾力改善結果を図3のグラフで示した。3Dグラフイメージは、0°~360°の吸入と収縮を視角化した円筒状の「リング」形態を呈しており、当該試験では「弾力リング」と見なして試験を進めた。評価は、試験製品使用前(0週)、製品使用2週後、製品使用4週後でV3値が増加するほど弾力が改善されることを意味する。
【0112】
その結果、図3に示した通り、ビーポーレンエクソソーム原料5%を含有したセラムを用いた結果、製品使用2週後には38.95%が改善され、製品使用4週後には66.01%が改善されることを確認した。
【0113】
実施例7:ビーポーレンエクソソーム原料5%を含有したセラムの目の下、ほうれい線、あごの下、首のしわ改善の確認
製造例2で製造されたビーポーレンエクソソーム原料が含まれたセラム及びクリームのシワ改善効果を確認するために、目の下、ほうれい線、あごの下、首のしわ改善効能を評価した。
【0114】
その結果、図4に示した通り、左右の目の下のリフティング、左右のほうれい線部位のリフティング、顎の下のたるみ部位のリフティング、首シワ部位のリフティングは、3D皮膚撮影装置であるAntera 3D CS(Miravex Ltd.,Ireland)で試験製品の使用前後に被験者の同一の左右側の目の下、左右側のほうれい線、二重あご、首部位を撮影し、撮影したイメージをDepressions-Medium modeで分析した。パラメーターは、Volume(mm)値であり、分析値が増加するほど左右の目の下のリフティング、左右のほうれい線部位のリフティング、顎の下のたるみ部位のリフティング、首シワ部位のリフティングに効果があることを意味する。
【0115】
目の下のリフティング(左、右)の評価結果、使用前と比較して使用2週後、使用4週後に統計的に有意に改善され、製品使用前(0週)に比べて製品使用2週後(左:16.820%、右:14.029%)、製品使用4週後(左:19.021%、右:20.911%)の改善率を確認した。
【0116】
ほうれい線部位のリフティング(左、右)の評価結果、使用前と比較して使用2週後、使用4週後に統計的に有意に改善され、製品使用前(0週)に比べて製品使用2週後(左:17.490%、右:22.121%)、製品使用4週後(左:29.504%、右:34.324%)の改善率を確認した。
【0117】
顎の下のたるみ部位のリフティングの評価結果、使用前と比較して使用2週後、使用4週後に統計的に有意に改善され、製品使用前(0週)に比べて対比製品使用2週後24.617%、製品使用4週後43.938%の改善率を確認した。
【0118】
首シワ部位のリフティングの評価結果、使用前と比較して使用2週後、使用4週後に統計的に有意に改善され、製品使用前(0週)に比べて製品使用2週後14.364%、製品使用4週後28.432%の改善率を確認した
【0119】
実施例8:ビーポーレンエクソソームを含有したセラム及びクリームの多角度輝きの評価
Skin-Glossymeter GL200WLを用いて試験部位(顔面部)の輝き(G.U)を測定した。Skin-Glossymeter GL200WLは、皮膚の表面に送られた光の反射により輝き値を測定する。評価は、製品使用前、製品使用直後の輝きの変化を比較分析し、測定値が増加するほど皮膚の輝きが改善されたことを意味する。測定単位は、DSC(Diffuse Scattering Correction,G.U)である。多角度輝きの評価は、製品使用前、製品使用直後の変化を比較評価した。
【0120】
イメージ撮影は、Mark-Vu(PSI Plus)を用いて顔面部位を撮影した。顔全面部位の同一の位置を製品使用前、製品使用直後を撮影し、光沢光(SL)を用いた。
【0121】
8-1. ビーポーレンエクソソーム原料5%を含有したセラム剤形の多角度輝きの評価
その結果、図5に示した通り、ビーポーレンエクソソーム原料5%を含有したセラムを用いた結果、製品使用前に比べて製品使用直後に右側額226.67%、右側の目じり184.91%、右側頬187.69%の改善率を示した。
【0122】
8-2. ビーポーレンエクソソーム原料5%を含有したセラム&ビーポーレンエクソソーム原料3%を含有したクリーム並行使用時に多角度輝きの評価
その結果、図6に示した通り、ビーポーレンエクソソーム原料5%を含有したセラム+ビーポーレンエクソソーム原料3%を含有したクリームを並行使用した結果、製品使用前に比べて製品使用直後に右側額273.95%、左側の目じり259.87%、左側頬283.22%の改善率を示した。
【0123】
8-3. ビーポーレンエクソソーム原料5%を含有したセラムV.S. ビーポーレンエクソソーム原料5%を含有したセラム&ビーポーレンエクソソーム原料3%を含有したクリーム並行使用時に多角度輝きの評価
その結果、図7に示した通り、ビーポーレンエクソソーム原料5%を含有したセラムとビーポーレンエクソソーム原料5%を含有したセラム+ビーポーレンエクソソーム原料3%含有したクリームを並行使用した結果、単独使用及び並行使用の両方で統計的に有意な水準の輝きの増加を示した。また、図8に示した通り、それぞれの多角度輝き評価の変化量は、ビーポーレンエクソソーム原料5%を含有したセラム単独よりビーポーレンエクソソーム原料5%を含有したセラム&ビーポーレンエクソソーム原料3%を含有したクリームの並行使用の時、さらに高いことが分かる。
【0124】
以上の説明から、本発明が属する技術分野の当業者であれば、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更することなく、他の具体的な形態で実施されうることが理解できるだろう。これに関連し、以上で記述した実施例はすべてのメンで例示的なものであり、限定的なものでないことを理解すべきである。本発明の範囲は前記詳細な説明よりは、後述する特許請求の範囲の意味及び範囲、そしてその等価概念から導かれるあらゆる変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれるものと解釈すべきである。


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8