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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078465
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】計測装置、およびアンテナセット
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/029 20060101AFI20240604BHJP
   A61B 5/0507 20210101ALI20240604BHJP
   H01Q 13/08 20060101ALI20240604BHJP
   H01Q 7/00 20060101ALI20240604BHJP
   H01Q 21/06 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
A61B5/029
A61B5/0507
H01Q13/08
H01Q7/00
H01Q21/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021057919
(22)【出願日】2021-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000109543
【氏名又は名称】テルモ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】本田 圭
(72)【発明者】
【氏名】曽根 淳
(72)【発明者】
【氏名】須田 信一郎
(72)【発明者】
【氏名】矢部 滝太郎
(72)【発明者】
【氏名】西木戸 友昭
【テーマコード(参考)】
4C017
4C127
5J021
5J045
【Fターム(参考)】
4C017AA03
4C017AB04
4C017AC40
4C017EE01
4C017FF05
4C127AA10
5J021AA05
5J021AA09
5J021AB04
5J021AB06
5J021JA10
5J045DA10
(57)【要約】
【課題】心臓を透過した電磁波以外の電磁波の受信を抑制できる計測装置、およびアンテナセットを提供する。
【解決手段】心拍出量計測センサ100は、送信アンテナ12および受信アンテナ21を有するアンテナセットと、算出部32とを備える。送信アンテナ12は、被検者90の胸部側および背部側の一方に心臓91に対向して設置される。受信アンテナ21は、患者の胸部側および背部側の他方に心臓に対向して設置され、送信アンテナから放射された電磁波が被検者の生体を透過した透過波を受信する。算出部は、透過波に基づいて、血液量を算出する。送信アンテナおよび受信アンテナはそれぞれ、アンテナ素子を含むアンテナ面が配置された基板と、該基板上のアンテナ面と反対側にグランド面とを有し、アンテナセットのうち患者の背部側に設置される背部側アンテナのグランド面の面積は、患者の胸部側に設置される胸部アンテナのグランド面の面積よりも大きい。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検者の心臓によって送り出される血液量を非観血的に計測する計測装置であって、
前記被検者の胸部側および背部側の一方に前記心臓に対向して設置された送信アンテナと、前記被検者の胸部側および背部側の他方に前記心臓に対向して設置され、前記送信アンテナから放射された電磁波が前記被検者の生体を透過した透過波を受信する受信アンテナと、を有するアンテナセットと、
前記透過波に基づいて、前記血液量を算出する算出部と、を備え、
前記送信アンテナおよび前記受信アンテナはそれぞれ、アンテナ素子を含むアンテナ面が配置された基板と、該基板上の前記アンテナ面と反対側にグランド面とを有し、
前記アンテナセットのうち前記被検者の前記背部側に設置される背部側アンテナの前記グランド面の面積は、前記被検者の前記胸部側に設置される胸部側アンテナの前記グランド面の面積よりも大きい、計測装置。
【請求項2】
前記胸部側アンテナは、前記被検者の前記胸部側に配置した際の前記アンテナ面に平行な方向の位置変化に対して、アンテナ特性の変動が所定の第1の範囲内となり、かつ、前記被検者の前記胸部側に配置した際の前記アンテナ面に垂直な方向の位置変化に対して、前記アンテナ特性の変動が所定の第2の範囲内となるように構成されており、
前記背部側アンテナは、前記被検者の前記背部側に配置した際の前記アンテナ面に平行な方向の位置変化に対して、前記アンテナ特性の変動が所定の前記第1の範囲内となるように構成されている、請求項1に記載の計測装置。
【請求項3】
前記アンテナ特性は、インピーダンス特性、および放射特性の少なくともいずれかを含む、請求項2に記載の計測装置。
【請求項4】
前記胸部側アンテナは、前記アンテナ特性であるVSWRの値が、前記被検者の胸部表面中央を中心とする100mm×100mmの平面と該平面から-5mmから50mmの高さの空間内において2.0以下であり、
前記背部側アンテナは、前記アンテナ特性であるVSWRの値が、前記被検者の背部表面中央を中心とする80mm×80mmの平面内において2.0以下である、請求項3に記載の計測装置。
【請求項5】
前記受信アンテナの前記グランド面は、平均的な体格の前記被検者の胸部、または背部を全体的に覆う面積を有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の計測装置。
【請求項6】
前記受信アンテナの前記グランド面は、矩形状であり、短手方向の長さは、前記被検者の肩幅よりも短い、請求項5に記載の計測装置。
【請求項7】
前記短手方向の長さは、200mm~300mmの範囲内の長さである、請求項6に記載の計測装置。
【請求項8】
前記送信アンテナおよび受信アンテナのいずれか一方のアンテナは、前記アンテナ素子を1つのみ含む第1アンテナであり、他方のアンテナは、前記アンテナ素子を複数含むアレイ構造を前記アンテナ面に有する第2アンテナである、請求項1~7のいずれか1項に記載の計測装置。
【請求項9】
前記第2アンテナは、複数の微小ループアンテナ素子を含む前記アレイ構造を前記アンテナ面に有する、請求項8に記載の計測装置。
【請求項10】
前記第2アンテナの前記グランド面は、前記アンテナ面に対して離間して配置されている、請求項9に記載の計測装置。
【請求項11】
前記第2アンテナは、前記アレイ構造として前記アンテナ素子が格子状に複数配列された格子型アレイ構造を前記アンテナ面に有し、前記アンテナ面に隣接する前記基板上に前記格子型アレイ構造を取り囲むように配置された複数のダミーアンテナ素子を有する、請求項8~10のいずれか1項に記載の計測装置。
【請求項12】
前記送信アンテナは、前記アンテナ素子としてパッチアンテナを含む前記第1アンテナであり、
前記送信アンテナの前記アンテナ面および前記グランド面は、略短冊状であり、
前記受信アンテナの前記グランド面の面積は、前記送信アンテナの前記アンテナ面の面積よりも大きい、請求項8~11のいずれか1項に記載の計測装置。
【請求項13】
前記送信アンテナは、前記アンテナ素子として微小ループアンテナを含む前記第1アンテナであり、
前記送信アンテナの前記グランド面は、略短冊状であり、
前記受信アンテナの前記グランド面の面積は、前記送信アンテナの前記アンテナ面の面積よりも大きい、請求項8~11のいずれか1項に記載の計測装置。
【請求項14】
前記受信アンテナは、前記アンテナ面に前記アンテナ素子が格子状に複数配列された略正方形の格子型アレイ構造と、250mm角以上の前記グランド面を有し、
前記送信アンテナの前記アンテナ素子の短手方向の幅は、前記格子型アレイ構造の幅より小さい、請求項12または13に記載の計測装置。
【請求項15】
前記送信アンテナは、前記アンテナ素子として微小ループアンテナを複数含む前記アレイ構造を前記アンテナ面に有する前記第2アンテナであり、
前記受信アンテナは、前記アンテナ素子としてパッチアンテナを含む前記第1アンテナであり、
前記受信アンテナの前記グランド面の面積は、前記送信アンテナの前記アンテナ面の面積よりも大きい、請求項8~11のいずれか1項に記載の計測装置。
【請求項16】
前記アンテナセットは、前記送信アンテナを胸部側アンテナとして、前記受信アンテナを前記背部側アンテナとして有する、請求項1~15のいずれか1項に記載の計測装置。
【請求項17】
被検者の心臓によって送り出される血液量を非観血的に計測する計測装置のアンテナセットであって、
前記アンテナセットは、前記被検者の胸部側および背部側の一方に前記心臓に対向して設置された送信アンテナと、前記被検者の胸部側および背部側の他方に前記心臓に対向して設置され、前記送信アンテナから放射された電磁波が前記被検者の生体を透過した透過波を受信する受信アンテナを有し、
前記送信アンテナおよび受信アンテナはそれぞれ、アンテナ素子を含むアンテナ面が配置された基板と、該基板上の前記アンテナ面と反対側にグランド面とを有し、
前記受信アンテナの前記グランド面の面積は、前記送信アンテナの前記グランド面の面積よりも大きい、アンテナセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計測装置、およびアンテナセットに関する。
【背景技術】
【0002】
被検者の心臓によって送り出される血液量である心拍出量は、医師が被検者を診療する上で重要な生体パラメーターである。近年、心拍出量を非侵襲的に計測する方法として、マイクロ波等の電磁波を用いた計測技術の開発が進められている(例えば、下記特許文献1)。特許文献1には、送信アンテナと、受信アンテナと、推定部と、を備えた装置が開示されている。この装置では、送信アンテナは患者の胸部にマイクロ波等の電磁波を送信し、受信アンテナは送信アンテナから送信された電磁波を受信し、推定部は、受信アンテナが受信した電磁波の位相または振幅強度に基づいて、測定対象者の心拍出量を検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2018/194093号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、受信アンテナには被検者の心臓またはその近傍を透過した電磁波以外の電磁波も到来しうる。例えば、心臓以外の臓器を透過した電磁波や、体内を透過せずに体表面近傍を回折した回折波や、体表面で反射した後に周囲の物体で再反射された反射波等を、受信アンテナが受信した場合、推定部において心拍出量の計測誤差が発生する可能性がある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、心臓を透過した電磁波以外の電磁波の受信を抑制できる計測装置、およびアンテナセットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0007】
上記目的を達成するため本発明の計測装置は、被検者の心臓によって送り出される血液量を非観血的に計測する。計測装置は、前記被検者の胸部側および背部側の一方に前記心臓に対向して設置された送信アンテナと、前記被検者の胸部側および背部側の他方に前記心臓に対向して設置され、前記送信アンテナから放射された電磁波が前記被検者の生体を透過した透過波を受信する受信アンテナと、を有するアンテナセットと、前記透過波に基づいて、前記血液量を算出する算出部と、を備え、前記送信アンテナおよび前記受信アンテナはそれぞれ、アンテナ素子を含むアンテナ面が配置された基板と、該基板上の前記アンテナ面と反対側にグランド面とを有し、前記アンテナセットのうち前記被検者の前記背部側に設置される背部側アンテナの前記グランド面の面積は、前記被検者の前記胸部側に設置される胸部アンテナの前記グランド面の面積よりも大きい。
【0008】
また、上記目的を達成するため本発明のアンテナセットは、前記被検者の胸部側および背部側の一方に前記心臓に対向して設置された送信アンテナと、前記被検者の胸部側および背部側の他方に前記心臓に対向して設置され、前記送信アンテナから放射された電磁波が前記被検者の生体を透過した透過波を受信するおよび受信アンテナを有し、前記送信アンテナおよび受信アンテナはそれぞれ、アンテナ素子を含むアンテナ面が配置された基板と、該基板上の前記アンテナ面と反対側にグランド面とを有し、前記受信アンテナの前記グランド面の面積は、前記送信アンテナの前記グランド面の面積よりも大きい。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る計測装置、およびアンテナセットによれば、アンテナセットのうち被検者の背部側に設置される背部側アンテナのグランド面の面積は、被検者の胸部側に設置される胸部アンテナのグランド面の面積よりも大きいので、被検者の心臓またはその近傍を透過した電磁波以外の電磁波の受信を抑制し、心臓もしくはその近傍を透過する電磁波の送信、および/または心臓もしくはその近傍を透過した電磁波の受信を増大できる。その結果、計測装置は、心拍出量の計測精度の低下を防止または抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1の実施形態に係る心拍出量計測センサ全体を示す概略図である。
図2図1に示す心拍出量計測センサ全体を示す概略ブロック図である。
図3A図2に示す送信アンテナを例示する模式図である。
図3B図3Aに示す送信アンテナを-X方向から視た模式図である。
図3C図3Aの送信アンテナのアンテナ素子を部分的に拡大した模式図である。
図3D】ダミーのアンテナ素子の配置を例示する模式図である。
図4】送信アンテナのX方向およびY方向におけるVSWR特性の測定結果の一部を例示する図である。
図5】送信アンテナのZ方向におけるVSWR特性の測定結果の一部を例示する図である。
図6】送信アンテナの放射特性を例示する図である。
図7A図2に示す受信アンテナを例示する模式図である。
図7B図7Aに示す受信アンテナをX方向から視た模式図である。
図8図7Aに示す受信アンテナのX方向およびY方向におけるVSWR特性の測定結果の一部を例示する図である。
図9図7Aに示す受信アンテナのZ方向におけるVSWR特性の測定結果の一部を例示する図である。
図10】受信アンテナの放射特性を例示する図である。
図11】電磁波シールドの設置を例示する模式図である。
図12A図7Aに示す受信アンテナのグランド面の大きさと透過マイクロ波の大きさとの関係を説明する模式図である。
図12B】比較例として、受信アンテナのグランド面を小さくした場合を例示する模式図である。
図13】第2の実施形態の心拍出量計測センサ全体を示す概略ブロック図である。
図14A図13に示す送信アンテナを例示する模式図である。
図14B図14Aに示す送信アンテナを-X方向に沿って視た模式図である。
図15A図14Aに示す送信アンテナの放射強度のシミュレーション結果を例示する図である。
図15B】比較例として、幅広のアンテナ素子を有する送信アンテナの放射強度のシミュレーション結果を例示する図である。
図16A図13に示す受信アンテナを例示する模式図である。
図16B図16Aに示す受信アンテナをX方向に沿って視た模式図である。
図17A】第3の実施形態の送信アンテナを例示する模式図である。
図17B図17Aに示す送信アンテナを-X方向に沿って視た模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0012】
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係る心拍出量計測センサ100全体を示す概略図であり、図2図1に示す心拍出量計測センサ100の構成を示すブロック図である。
【0013】
図1では、X-Y平面に対して水平に設置されたベッド95上に被検者90(患者ともいう)が横たわっている状態(仰臥位)を示している。心拍出量計測センサ100は、計測装置として機能し、被検者90の心拍出量等の心臓から拍出される血液量を測定(推定)する。例えば、心拍出量計測センサ100は、心不全の検査、心臓手術後の経過観察、心臓病の投薬効果・副作用等の検証、等で用いられる。
【0014】
測定時には、看護師、医師等のユーザーにより、送信アンテナ12と受信アンテナ21の中心を結ぶ線が、心臓91に対応するように、両アンテナユニット(以下、単に「送受信アンテナ」ともいう)は、心臓91を挟んで互いに対向するように配置される。なお、外部電磁波による影響を減少させるために、測定中は、布製の電磁波シールド等の電磁波を反射可能なものや(後述)、電波吸収体等の電磁波を吸収可能なもので、被検者90の胸部および送受信アンテナ全体を覆うようにしてもよい。例えば、受信アンテナ21は、被検者90の下に配置され、送信アンテナ12は、被検者90の上方に配置される。具体的には、受信アンテナ21はベッド95の上に配置され、その受信アンテナ21の上に被検者90が仰向けに寝る。上方の送信アンテナ12は、側面視でコの字型の移動式の固定台(図示せず)に取り付けられる。この固定台は、手動で送信アンテナ12の水平方向(X方向およびY方向)、および高さ(Z方向)を調整可能である。送信アンテナ12は、固定台により、被検者90からわずかに離間した状態で、被検者90の上方に配置される。離間させるのは、被検者90の呼吸動作を妨げないことと、被検者90との接触による、意図しない送信アンテナ12の移動を防止するためである。なお、送受信アンテナの配置は、図1等の配置に限定されない。例えば、上下を逆にし、送信アンテナ12を被検者90の下方(背部側)に配置し、受信アンテナ21を被検者90の上方側(胸部側)に配置してもよい。送信アンテナ12および受信アンテナ21は、アンテナセットを構成する。
【0015】
図2に示すように、心拍出量計測センサ100は、送信部10、受信部20、および装置本体30を有する。装置本体30は、移動式の架台(図示せず)に載せられてベッド95の脇に配置される。装置本体30は、内蔵バッテリまたは、商用電源から供給された電力により動作する。また、送信部10および受信部20は、信号ケーブル13を通じて、装置本体30と接続されており、この信号ケーブル13を通じて、データ信号の送受信および電力供給が行われる。送信部10および受信部20の詳細については後述する。
【0016】
(装置本体30)
装置本体30は、送受信コントローラー31、制御部32、記憶部33、入出力I/F(インターフェース)34、および通信I/F35を備える。
【0017】
(送受信コントローラー31)
送受信コントローラー31は、信号ケーブル13を介して、送信部10および受信部20と電気的に接続する。制御部32の制御の下で、送受信コントローラー31は、送信部10および受信部20の送受信のタイミングを制御したり、受信部20からの計測値(受信信号)を取得したりする。
【0018】
(制御部32)
制御部32は、CPU、RAM、ROM、等を含みROMまたは記憶部33に記憶されたプログラムにしたがって、装置本体30内の各部の制御を行う。制御部32は、プログラムを実行することにより、受信部20が受信したマイクロ波に対応する受信信号を、送受信コントローラー31から受信し、受信信号の振幅や位相を解析し、被検者90の心拍出量、すなわち心臓91から拍出される血液量を推定(算出)する。制御部32は、算出部として機能する。算出部は、心拍出量から、さらに心係数を算出するように構成されてもよい。心係数は、心拍出量を被検者90の体表面積当たりに換算した指標である。算出部は、心拍出量から、さらに1回拍出量を算出するように構成されてもよい。1回拍出量は、心拍出量を被検者90の心拍数当たりに換算した指標である。また、算出部は、1回拍出量を先に算出し、そこから心拍数を用いて心拍出量に換算するように構成されてもよい。本明細書では、心拍出量は、心係数や1回拍出量を含む、心臓91から拍出される血液量を表すパラメーターとして定義される。
【0019】
(記憶部33)
記憶部33は、予め各種プログラムや各種データを格納しておく半導体メモリや、ハードディスク等の磁気メモリから構成される。また記憶部33には、点データ、および波形データ等が記憶される。
【0020】
(入出力I/F34)
入出力I/F34は、入出力部として機能し、USB、DVIの規格等に準拠した入出力端子を備え、キーボード、マウス、マイク等の入力装置およびディスプレイ、スピーカ、プリンタ等の出力装置と接続するインターでフェースである。図1図2に示す例では、入出力I/F34には、タッチパネル41が接続されている。タッチパネル41は、液晶パネルおよびこれに重畳させたタッチパッドで構成され、これを介して、ユーザーからアンテナ素子決定処理、および心拍出量測定の開始指示を受け付ける。なお、タッチパネル41等の入出力装置を、装置本体30の構成に含めてもよい。
【0021】
(通信I/F35)
通信I/F24は、PC(パーソナルコンピュータ)、タブレット端末、等の外部の端末装置とネットワーク経由、またはピアツーピアで、有線または無線通信によるデータの送受信を行うインターフェースである。有線通信では、イーサネット(登録商標)、SATA、PCI Express、IEEE1394、等の規格によるネットワークインターフェースを用いてもよく、無線通信では、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11、4G等の無線通信インターフェースを用いてもよい。図1図2に示す例では、通信I/F35には、PC51が接続されている。
【0022】
(送信部10)
送信部10は、送信回路11および送信アンテナ12を含む。送信部10は、電磁波を被検者90に対して放射する。電磁波の周波数は、生体の心臓91を電離作用なく透過することができれば特に限定されない。例えば、周波数300MHz~30GHzのマイクロ波が好ましく、より好ましくは400M~1.0GHzのマイクロ波である。以下、電磁波がマイクロ波である場合を例示して説明する。マイクロ波は、生体透過性と、心臓91の収縮/拡張における誘電率変化による感度(電界強度の変化率)が高いため、心拍出量の測定に好適である。生成するマイクロ波の電力は、受信アンテナ21において十分な電力が検出できれば特に限定されないが、例えば、数mW~数十mWとしてもよい。また、生成するマイクロ波は、連続波、パルス波、または位相変調、もしくは周波数変調を施したマイクロ波のいずれでもよい。
【0023】
送信回路11は、図示しない発振器によって、マイクロ波に対応する高周波信号を生成し、送信アンテナ12へ供給する。より具体的には、本実施形態では、以下で説明するように、送信アンテナ12が複数のアンテナ素子を有するため、図示しないスイッチング回路により、複数のアンテナ素子のいずれかを選択し、選択されたアンテナ素子に高周波信号を供給する。なお、選択されていないアンテナ素子は終端され、マイクロ波送信に関与しない状態となる。
【0024】
図3A図2に示す送信アンテナ12を例示する模式図であり、図3B図3Aに示す送信アンテナ12を-X方向(X方向と反対の方向)から視た模式図である。
【0025】
送信アンテナ12は、被検者90の胸部側アンテナとして機能する。送信アンテナ12は、基板120、アンテナアレイ121、およびグランド板122を含む。アンテナアレイ121は、各辺が数十mm~二百mm、全体が矩形板状の基板120上に形成される。
【0026】
アンテナアレイ121は、複数のアンテナ素子t1~tx(以下、これらを総称して、「アンテナ素子t」ともいう)で構成され、これらは平面状の基板120の表面に、同一平面(X-Y平面)上で格子状に配置される。アンテナアレイ121は、例えば、略正方形の格子型アレイ構造を有する。アンテナアレイ121の表面を送信アンテナ12のアンテナ面と称する。
【0027】
また、基板120上のアンテナ面と反対側には、基板120の全面または一部にグランド板122が形成されている。グランド板122の表面を送信アンテナ12のグランド面と称する。グランド板122は、例えば、基板120の厚みに相当する距離だけアンテナ面から離間して形成されており、グランド板122とアンテナ面との間隔(図3BのA2で示す)は、好ましくは5mm程度である。これにより、心臓91またはその近傍を透過したマイクロ波(以下、「透過マイクロ波(透過波)」という)を増大させ、送信アンテナ12の出力を向上させる効果がある。
【0028】
本実施形態においては、各アンテナ素子tとして、微小ループアンテナ、またはダイポール形式の線状アンテナを適用できる。図3A図3Bに示す例では、アンテナ素子tそれぞれは、一辺がa1の略矩形の微小ループアンテナ素子である。微小ループアンテナ素子のサイズは心臓91のサイズ(例えば、110mm)に対して小さく、一辺a1は、例えば、20mm以内、好ましくは12mm以内である。このような構成とすることにより、透過マイクロ波を増大させる効果がある。
【0029】
アンテナアレイ121全体のサイズとしては、被検者90の背面側から視たときの心臓91のサイズと同程度、またはそれよりも大きいサイズに設定されている。アンテナアレイ121は、例えば、一辺A1が数十mm~百数十mmの矩形形状でありうる。
【0030】
また、アンテナ素子tの総数は、好ましくは4個以上150個以下である。図3Aに示す例では、アンテナアレイ121は、縦横7個ずつの総数49個のアンテナ素子t1~t49で構成される。
【0031】
例えば、図3Cに示すように、本実施形態では、アンテナ素子tそれぞれは、一周の合計の長さ(実効長)Lがλg/10の微小ループアンテナ素子でありうる。ここで、λgは、自由空間における周波数fのマイクロ波の1波長の長さλを、誘電体としての基板120により波長短縮した1波長の長さであり、基板120の実効誘電率をεとすると、次の数式(1)で表される。
【0032】
【数1】
【0033】
また、隣接するアンテナ素子t同士は、密着することなく配置されている。隣接するアンテナ素子t同士の間隔は、例えば、2mm程度でありうる。
【0034】
また、図3Dに示すように、アンテナアレイ121の外郭に沿った近傍に、ダミーのアンテナ素子dが複数配置されるように構成してもよい。すなわち、送信アンテナ12は、アンテナ面に隣接する基板120上にアンテナアレイ121を取り囲むように配置された複数のダミーアンテナ素子dを有する。これにより、アンテナアレイ121の最も外側のアンテナ素子と内側のアンテナ素子との間において、隣接するアンテナ素子の存在によるアンテナ素子の周辺環境(条件)を同等にすることができる。
さらに、アンテナ面の全体を覆うように薄厚の樹脂層を設置し、計測時に被検者90にアンテナ素子が直接接触せず、樹脂層が接触する構成としてもよい。このような構成とすることで、計測後に被検者90と接触した箇所を清拭用アルコール等で簡便に清拭することができると共に、計測時にアンテナ素子が損傷することを抑制することができる。なお、樹脂としては一般的な樹脂を用いることができ、例えばABSを用いることができる。また厚みは、例えば1mm程度でありうる。
【0035】
このように、アンテナ素子tを格子状に配置し、計測に適したアンテナ素子tを選択可能な構成とすることにより、アンテナの位置決め操作を簡略化できる。アンテナ素子tは、例えば、心臓91またはその近傍を透過するマイクロ波の量が最大となる素子が送信部10によって選択される。本発明者は、上述のように格子状に配置されたアンテナ素子tの中から、計測に最適なアンテナ素子tを選択可能とするためには、心臓91のサイズを考慮してアンテナ素子tを配置することが有効であることを見出した。
【0036】
<送信アンテナ12の設計例>
例えば、周波数f=430MHz、基板120の実効誘電率ε=4.3とした場合、上記数式(1)により、アンテナ素子tの一辺a1は約10.8mmと計算できる。また、隣接するアンテナ素子t同士の間隔を1.7mmとすると、アンテナアレイ121全体のサイズは約100mm角と計算できる。
【0037】
また、アンテナ素子tの一辺a1を10.8mmよりも小さくし、アンテナアレイ121のアンテナ素子tの総数を多くすることもできる。例えば、アンテナ素子tの一辺a1を6.7mmとし、縦横11個ずつの総数121個のアンテナ素子t1~t121でアンテナアレイ121を構成することもできる。
【0038】
<送信アンテナ12のアンテナ特性>
アンテナ特性は、インピーダンス特性、および放射特性の少なくともいずれかを含む。図4は送信アンテナ12のX方向およびY方向におけるVSWR特性の測定結果の一部を例示する図であり、図5は送信アンテナ12のZ方向におけるVSWR特性の測定結果の一部を例示する図である。また、図6は、送信アンテナの放射特性を例示する図である。同図において、測定の基準は-60dBである。
【0039】
本発明者は、設計した送信アンテナ12のアンテナ特性としてインピーダンス特性(VSWR特性)を測定した。より具体的には、被検者90の胸部表面の中心を原点として、X方向、Y方向、およびZ方向の位置変化に対するVSWR特性を測定した。VSWR値は、ネットワークアナライザを用いて測定した。
【0040】
図4には、X-Y座標系における第二象限、すなわちX座標が0および負値(-20mm~-100mm)、Y座標が0および正値(20mm~100mm)の領域の測定結果が例示されている。また、図5には、Z方向の距離、すなわち送信アンテナ12と被検者90の体表との距離が0mm~50mmの測定結果が例示されている。
【0041】
図4図5に示すように、VSWRの値は、被検者90の胸部表面中央を中心とする100mm×100mmの平面と該平面から-5mmから50mmの高さの空間内において2.0以下であり、X方向、Y方向、およびZ方向の位置変化に対する変動は小さい。
【0042】
なお、X-Y座標系における第一象限、第三象限、および第四象限については、測定結果を図示していないが、VSWRの値は、2.0以下である。また、Z方向における-5mmの場合については図示していないが、VSWRの値は、2.0以下である。例えばVSWRが2.0以下であれば約90%の効率で伝送できていることになる。
【0043】
このように、送信アンテナ12は、アンテナ面に平行な方向の位置変化に対して、VSWR値の変動が所定の第1の範囲(例えば、2.0)内となり、かつ、アンテナ面に垂直なZ方向の位置変化に対して、VSWR値の変動が所定の第2の範囲(例えば、2.0)内となるように構成されている。
【0044】
また、図5に示すように、ミスマッチロス(リターンロス)についても、送信アンテナ12と被検者90の体表との距離が0mm~50mmで0.5未満であり、Z方向の位置変化に対する変動は小さい。
【0045】
さらに、図6に示すように、アンテナ特性としての放射特性については、送信アンテナ12と被検者90の体表との間の距離が10mm以下の場合、利得、および外部の漏れの変動は小さい。Z方向の利得の変動は、概ね10dB程度である。しかし、距離が10mmを超える場合、特に、X-Y座標系における第一象限の水平偏波の利得が低下している。
【0046】
(受信部20)
図2に示すように、受信部20は、受信アンテナ21および受信回路22を有する。受信アンテナ21は、被検者90の背部側アンテナとして機能し、送信アンテナ12から放射されたマイクロ波が心臓91またはその近傍を透過した透過マイクロ波を受信する。受信回路22は、不図示の復調部を有し、復調部において、例えば包絡線検波(振幅検波)、または位相検波によって、受信アンテナ21が受信したマイクロ波信号を復調する。また、受信回路22は、周波数解析によって特定の周波数成分を取り出してマイクロ波信号の復調を行ってもよい。受信回路22は、復調したマイクロ波信号を受信信号として送受信コントローラー31に出力する。
【0047】
図7A図2に示す受信アンテナ21を例示する模式図であり、図7B図7Aに示す受信アンテナをX方向から視た模式図である。
【0048】
受信アンテナ21は、基板210、アンテナ素子211、給電部212、およびグランド板213を含む。基板210は、各辺B1が数十mm~二百mmの全体が矩形板状の部材であり、この基板210上の一面(X-Y平面)に単一のアンテナ素子211が配置されている。アンテナ素子211の表面を受信アンテナ21のアンテナ面と称する。アンテナ素子211として、一辺AL1が数十mm~百数十mmのパッチアンテナ(マイクロストリップアンテナ)、ダイポール形式の線状アンテナ、またはループアンテナを適用できる。例えば、アンテナ素子211は、アンテナ長がAL1のパッチアンテナである。パッチアンテナのアンテナ長AL1は、下記の数式(2)により求められる。
【0049】
【数2】
【0050】
ここで、λgは、自由空間における周波数fのマイクロ波の1波長の長さλを、誘電体としての基板120により波長短縮した1波長の長さである。また、アンテナ素子211の全体形状は、パッチアンテナのサイズ、給電部212、インピーダンスマッチング(50Ω)等を考慮して決定される。給電部212は、単一のアンテナ素子211から高周波信号を受信回路22に伝送するための導電部材であり、アンテナ素子211と受信回路22とを接続している。
【0051】
また、基板210上のアンテナ面と反対側には、基板210の全面または一部にグランド板213が形成されている。グランド板213の表面をグランド面と称する。グランド板213は、例えば、基板210の厚みに相当する距離だけアンテナ面から離れて形成されており、グランド板213とアンテナ面との間隔(図7BのB2で示す)は、好ましくは2mm程度である。また、グランド面は、平均的な体格の被検者90の背部を全体的に覆う面積を有する。グランド面は、矩形状であり、一辺の長さは、被検者90の肩幅よりも短い。例えば、一辺の長さは、200~300mmの範囲内の長さでありうる。一辺の長さは、好適には、250mmでありうる。これにより、透過マイクロ波を増大させ、受信アンテナ21の入力を増大させる効果がある。
【0052】
<受信アンテナ21の設計例>
例えば、周波数f=430MHz、基板210の実効誘電率ε=4.3とした場合、上記数式(2)により、受信アンテナ21のアンテナ長AL1は、130mmと計算できる。
【0053】
<受信アンテナ21のアンテナ特性>
アンテナ特性は、インピーダンス特性、および放射特性の少なくともいずれかを含む。図8は受信アンテナ21のX方向およびY方向の位置変化に対するVSWR特性の測定結果の一部を例示する図であり、図9は受信アンテナ21のZ方向の位置変化に対するVSWR特性の測定結果の一部を例示する図である。図10は、受信アンテナ21の放射特性を例示する図である。同図において、測定の基準は-40dBである。
【0054】
本発明者は、設計した受信アンテナ21のアンテナ特性としてインピーダンス特性(VSWR特性)を測定した。より具体的には、被検者90の胸部表面の中心を原点として、X方向、Y方向、およびZ方向の位置変化に対するVSWR特性を測定した。図8には、X-Y座標系におけるX座標が0mm、40mm,および80mm、Y座標が-40mm,0mm,40mmの領域の測定結果が例示されている。また、図9には、Z方向の距離、すなわち受信アンテナ21と被検者90の体表との距離が0mm~50mmの測定結果が例示されている。
【0055】
図8に示すように、VSWRの値は、被検者90の背部表面中央を中心とする80mm×80mmの平面内において2.0以下であり、X方向およびY方向の位置変化に対する変動は小さい。なお、X座標が負値の場合については、測定結果を図示していないが、VSWRの値は、2.0以下である。
【0056】
このように、受信アンテナ21は、アンテナ面に平行な方向の位置変化に対して、VSWR値の変動が所定の第1の範囲(例えば、2.0)内となるように構成されている。
【0057】
一方、図9に示すように、アンテナ面に垂直なZ方向の位置変化に対しては、VSWRの値およびミスマッチロスは、受信アンテナ21と被検者90の体表との距離が大きくなるにつれて大きくなる。
【0058】
さらに、図10に示すように、アンテナ特性としての放射特性については、受信アンテナ21と被検者90の体表との間の距離が5mm以下の場合、利得、および外部の漏れは小さい。一方、距離が5mmを超える場合、利得、および外部の漏れが増大する。ミスマッチロスが増大するにもかかわらず、利得が増大するのは、受信アンテナ21のグランド面よりも被検者90の身体がグランドとして機能しているためと考えられる。
【0059】
したがって、受信アンテナ21に、より大きなグランド面を設置することにより、受信アンテナ21の放射特性が改善すると考えられる。また、VSWRの値(ミスマッチロス)、外部の漏れの増大の抑制には、以下で説明する電磁波シールドも有効である。
【0060】
<電磁波シールド>
図11は、電磁波シールドの設置を例示する模式図である。電磁波シールド14は、例えば、被検者90の胸部および送受信アンテナ全体を覆うように配置される第1の電磁波シールド14aと、ベッド95と受信アンテナ21との間に配置される第2の電磁波シールド14bとからなる。すなわち、被検者90の胸部側から背部側へ、第1の電磁波シールド14a、送信アンテナ12、被検者90の身体、受信アンテナ21、および第2の電磁波シールド14bの順にベッド95上に配置されている。
【0061】
電磁波シールド14は、マイクロ波を遮蔽する機能を有し、被検者90の身体の外側を回り込んで受信アンテナ21へ向かう、透過マイクロ波以外のマイクロ波(以下、「非透過マイクロ波」という)の進行を遮断する。被検者90の胸部側だけではなく、被検者90の背部側、すなわち受信アンテナ21の患者の身体と接触していない方に電磁波シールド14を設置することにより、非透過マイクロ波を遮断する効果が向上する。
【0062】
また、電磁波シールド14に加えて、マイクロ波を吸収する電波吸収体(不図示)を配置することもできる。この場合、被検者90の胸部側から背部側へ、第1の電磁波シールド14a、電波吸収体、送信アンテナ12、被検者90の身体、受信アンテナ21、電波吸収体、および第2の電磁波シールド14bの順にベッド95上に配置される。電波吸収体を配置することにより、非透過マイクロ波を含む、心拍出量の算出に不要な電磁波が電波吸収体によって吸収され、受信アンテナ21へ到達し難くなる。これにより、受信アンテナ21による非透過マイクロ波の受信をさらに抑制できる。
【0063】
なお、電波吸収体は、例えば、受信アンテナ21のケーシングの材料として使用されうる。しかし、電波吸収体によって不要な電磁波を十分に吸収するには、電波吸収体にある程度の厚みが必要であり、電波吸収体のみにより非透過マイクロ波を十分に抑制する効果を得ることは現実的ではない。したがって、電磁波シールド14、および電波吸収体をケーシングの材料として併用することにより、ケーシングの厚みを抑制しつつ、非透過マイクロ波を十分に抑制できる。
【0064】
<グランド面による透過マイクロ波の増大>
図12Aは、図7Aに示す受信アンテナ21のグランド面の大きさと透過マイクロ波の大きさとの関係を説明する模式図であり、図12Bは比較例として、受信アンテナ21のグランド面を小さくした場合を例示する模式図である。なお、図12A図12Bにおいては、説明の都合上、受信アンテナ21と被検者90の身体との間が空いてあるが、実際は受信アンテナ21のパッチアンテナと被検者90の身体とは密着している。
【0065】
受信アンテナ21を被検者90の身体に密着させて使用する場合、可能な限りグランド面を大きくすることが好ましい。図12Aに示すように、本実施形態では、受信アンテナ21のグランド面の面積は、少なくとも送信アンテナ12のグランド面の面積よりも大きい。
【0066】
本発明者は、送信アンテナ12および、受信アンテナ21のグランド面をこのように構成することにより、送信部10によって放射されたマイクロ波のうち、非透過マイクロ波の受信を抑制できることを見出した。これは、受信アンテナ21のグランド面の面積が、送信アンテナ12のグランド面の面積よりも大きいことにより、受信アンテナ21が透過マイクロ波を送受信する能力W1Aが、非透過マイクロ波を送受信する能力W2Aよりも大きくなるためである。
【0067】
なお、例えば、透過マイクロ波について、受信アンテナ21が送信する能力と受信する能力は概ね等しいため、図12Aにおいては、上向き矢印で送受信する能力W1Aを例示している。非透過マイクロ波を送受信する能力W2Aについても同様である。非透過マイクロ波には、例えば、被検者90の心臓91またはその近傍以外の臓器を透過したマイクロ波、被検者90の体内を透過せずに体表面近傍を回折した回折波、体表面で反射した後に周囲の物体で再反射された反射波等が含まれる。
【0068】
一方、図12Bに示すように、比較例では、受信アンテナ23のグランド板233の表面積が小さいため、グランド板233よりも、被検者90の身体がグランドとしての機能を果たすようになる。このため、非透過マイクロ波を送受信する能力W2Bが透過マイクロ波を送受信する能力W1Bを上回り、受信アンテナ23が受信する非透過マイクロ波が増大する。その結果、比較例では、受信部20が出力する受信信号のノイズ成分が増加したり、基線レベルが変動したりして、心拍出量の計測精度が低下する。例えば、心臓91またはその近傍以外の臓器を透過したマイクロ波を受信アンテナ23が受信することにより、被検者90の体動や呼吸に起因する、心拍出量の計測誤差が発生する可能性がある。また、回折波や反射波を受信アンテナ23が受信することにより、計測者等の周囲の動きに起因する、心拍出量の計測誤差が発生する可能性もある。
【0069】
したがって、本実施形態では、非透過マイクロ波を抑制し、受信部20の受信信号への影響を軽減するため、受信アンテナ21のグランド面を可能な限り大きくすることが好ましい。
【0070】
その一方で、本発明者は、受信アンテナ21のグランド面を、被検者90の身体からはみ出るほど大きくした場合、アンテナ面のはみ出した箇所に直接、非透過マイクロ波が到達するため、受信信号に含まれる非透過マイクロ波が増大することを見出した。この場合についても、非透過マイクロ波が増大するので、心拍出量の計測精度は低下しうる。したがって、受信部20の受信信号への影響を軽減するために、受信アンテナ21のグランド面は、被検者90の身体からはみ出ない範囲内で大きくすることが好ましい。
【0071】
本発明者は、被検者90が平均的な体格の成人であり、受信周波数が430MHzである場合について、グランド板213のサイズを、被検者の身体からはみ出ない250mm角として実測した結果、非透過マイクロ波を抑制できる効果が得られることを確認した。また、グランド板213のサイズを、被検者90の頭から足の方向を長手方向として縦長となる、250mm×320mmとして実測した結果、非透過マイクロ波をさらに抑制できる効果が得られることを確認した。このように、グランド板213を縦長の構成とすることにより、被検者の身体からはみ出ることなく、受信アンテナ21のグランド面をさらに大きくできる。
【0072】
以上で説明した本実施形態の計測装置、およびアンテナセットによれば、下記の効果を奏する。
【0073】
アンテナセットのうち被検者90の背部側に設置される受信アンテナ21のグランド面の面積は、被検者90の胸部側に設置される送信アンテナ12のグランド面の面積よりも大きいので、非透過マイクロ波の受信を抑制し、透過マイクロ波の送信、および/または透過マイクロ波の受信を増大できる。その結果、心拍出量計測センサ100は、心拍出量の計測精度の低下を防止または抑制できる。
【0074】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、複数のアンテナ素子を有する送信アンテナ(第2アンテナ)と、単一のアンテナ素子を有する受信アンテナ(第1アンテナ)とから構成されるアンテナセットを使用する場合について説明した。第2の実施形態では、単一のアンテナ素子を有する送信アンテナ(第1アンテナ)と、複数のアンテナ素子を有する受信アンテナ(第2アンテナ)とから構成されるアンテナセットを使用する場合について説明する。なお、説明の重複を避けるため、第1の実施形態と同一の構成については詳細な説明を省略する。
【0075】
図13は、第2の実施形態の心拍出量計測センサ100全体を示す概略ブロック図である。また、図14A図13に示す送信アンテナ62を例示する模式図であり、図14B図14Aに示す送信アンテナ62を-X方向に沿って視た模式図である。
【0076】
(送信部60)
図13に示すように、送信部60は、送信回路61および送信アンテナ62を有する。本実施形態の送信部60の機能は、第1の実施形態の送信部10と基本的に同じであるが、送信回路61は、単一のアンテナ素子を有する送信アンテナ62に高周波信号を供給するように構成されている。
【0077】
送信アンテナ62は、被検者90の胸部側アンテナとして機能する。図14A図14Bに示すように、送信アンテナ62は、基板620、アンテナ素子621、給電部622、およびグランド板623を含む。アンテナ素子621および給電部622は、例えば、短辺C1が40mm~80mm、長辺C2が100mm~300mm、全体が矩形板状の基板620上に形成される。
【0078】
アンテナ素子621は、X方向に沿って細幅(短冊状)のパッチアンテナである。アンテナ素子621の表面を送信アンテナ62のアンテナ面と称する。給電部622は、送信回路61からアンテナ素子621に高周波信号を供給するための導電部材であり、アンテナ素子621と送信回路61とを接続している。給電部622は、アンテナ素子621よりもさらに細い幅でアンテナ素子621と一体的に形成されている。
【0079】
また、基板620上のアンテナ面と反対側には、基板620の全面または一部にグランド板623が形成されている。グランド板623の表面をグランド面と称する。グランド板623は、例えば、基板610の厚みに相当する距離だけアンテナ面から離れて形成されており、グランド板623とアンテナ面との間隔(図14BのC3で示す)は、好ましくは2mm程度である。
【0080】
<送信アンテナ62の設計例>
例えば、周波数f=430MHz、基板620の実効誘電率ε=4.3とした場合、アンテナ長AL2=λg/2により、受信アンテナ21のアンテナ長AL2は、130mmと計算できる。また、幅方向の長さAL3は、例えば、20mm~40mm(例えば、30mm)でありうる。
【0081】
本発明者は、アンテナ素子621をX方向に沿って細幅の構成とすることにより、アンテナ利得(すなわち、送信出力)を損なうことなく、非透過マイクロ波を低減し、心臓またはその近傍を透過した透過マイクロ波を増大させる効果があることを見出した。
【0082】
送信アンテナ62は、被検者90の胸部の中心付近に配置されることが好ましい。送信アンテナ62は、X方向に細幅の形状であるので、被検者90の胸部の胸の形状、特に乳房の有無や乳房の形状にかかわらず、受信アンテナ71に対して平行に維持された状態で、心臓91に近い体表近傍に設置されうる。
【0083】
<送信アンテナ62の放射特性>
図15A図14Aに示す送信アンテナ62の放射強度のシミュレーション結果を例示する図であり、図15Bは比較例として、幅広のアンテナ素子を有する送信アンテナの放射強度のシミュレーション結果を例示する図である。図15A図15Bにおいて、マイクロ波の強度が強い部分は濃いグレーで示され、強度が弱い部分は薄いグレーで示されている。
【0084】
図15Aに示すように、本実施形態では、マイクロ波は、送信アンテナ62から放射状に拡がり、心臓91またはその近傍を透過している。心臓またはその近傍を透過した透過マイクロ波は、強度が十分に保たれたまま、被検者90の背部に設置された受信アンテナ71によって受信されている。
【0085】
一方、図15Bに示すように、比較例では、送信アンテナ62よりも幅広のアンテナ素子を有する送信アンテナ63から放射されたマイクロ波は、体内の心臓またはその近傍以外の箇所にも拡散しており、心臓またはその近傍に到達するマイクロ波の強度が低下すると共に、受信アンテナ71に到達するまでに強度が大幅に低下している。
【0086】
(受信部70)
図13に示すように、受信部70は、受信アンテナ71および受信回路72を有する。図16A図13に示す受信アンテナ71を例示する模式図であり、図16B図16Aに示す受信アンテナをX方向に沿って視た模式図である。
【0087】
受信アンテナ71は、被検者90の背部側アンテナとして機能する。受信アンテナ71は、基板710、アンテナアレイ711、およびグランド板712を含む。アンテナアレイ721は、各辺D1が200mm~250mm、全体が矩形板状の基板710上に形成される。
【0088】
アンテナアレイ711は、複数のアンテナ素子r1~rx(以下、これらを総称して、「アンテナ素子r」ともいう)で構成され、これらは平面状の基板710の表面に、同一平面(X-Y平面)上で格子状に配置される。アンテナアレイ711は、例えば、略正方形の格子型アレイ構造を有する。アンテナアレイ711の表面を受信アンテナ71のアンテナ面と称する。
【0089】
また、基板710上のアンテナ面と反対側には、基板710の全面または一部にグランド板712が形成されている。グランド板712の表面を受信アンテナ71のグランド面と称する。受信アンテナ71のグランド面は、平均的な体格の被検者90の背部を全体的に覆う面積を有しうる。グランド面は、矩形状であり、一辺の長さは、被検者90の肩幅よりも短い。例えば、一辺の長さは、200~300mmの範囲内の長さでありうる。受信アンテナ71のグランド面の面積は、被検者90の胸部側に設置される送信アンテナ62のグランド面の面積よりも大きいので、非透過マイクロ波の受信を抑制できる。
【0090】
また、グランド板712は、例えば、基板710の厚みに相当する距離だけアンテナ面から離れて形成されており、グランド板712とアンテナ面との間隔(図16BのD2で示す)は、好ましくは5mm程度である。これにより、透過マイクロ波を増大させ、受信アンテナ71の入力を向させる効果がある。
【0091】
本実施形態においては、各アンテナ素子rとして、微小ループアンテナ素子、またはダイポール形式の線状アンテナを適用できる。図16A図16Bに示す例では、アンテナ素子rそれぞれは、略矩形の微小ループアンテナ素子である。アンテナ素子rのサイズは、心臓91のサイズよりも小さく、アンテナ素子rの各辺は、例えば、20mm以内、好ましくは12mm以内である。このような構成とすることにより、透過マイクロ波を増大させる効果がある。アンテナアレイ711全体のサイズとしては、被検者90の背面側から視たときの心臓91のサイズと同程度かそれ以上のサイズに設定している。例えば、一辺E1が100~150mmの矩形形状である。
【0092】
また、アンテナ素子rの総数は、好ましくは4個以上150個以下である。例えば図16Aに示す例では、アンテナアレイ711は、縦横7個ずつの総数49個のアンテナ素子r1~r49で構成される。
【0093】
このように、アンテナ素子rを格子状に配置し、計測に適したアンテナ素子rを選択可能な構成とすることで、アンテナの位置決め操作を簡略化できる。アンテナ素子rは、心臓91またはその近傍を透過したマイクロ波の強度が最大となる素子が受信部70によって選択される。本発明者は、上述のように、格子状に配置されたアンテナ素子rの中から、計測に最適なアンテナ素子rを選択可能とするためには、心臓91のサイズを考慮してアンテナ素子rを配置することが有効であることを見出した。
【0094】
また、本実施形態では、第1の実施形態と異なり、送信アンテナではなく、受信アンテナ側をアレイ状とする構成とした。この様な構成とすることで、送信アンテナの被検者90に対する相対位置が固定されるため、計測時の体内におけるマイクロ波の透過状態(強度分布)を一定とすることができ、より精度良く透過マイクロ波を受信可能となった。また、受信アンテナをアレイ状とすることで、アンテナの位置決め操作の簡略化も同時に達成できることを見出した。
【0095】
例えば図16Aに示す例では、アンテナ素子rそれぞれは、一辺がa1の略矩形の微小ループアンテナ素子であり、アンテナアレイ711は、縦横7個ずつの総数49個のアンテナ素子r1~r49で構成される。
【0096】
また、アンテナアレイ711の外郭に沿った近傍に、ダミーのアンテナ素子を配置するように構成してもよい。すなわち、受信アンテナ71は、アンテナ面に隣接する基板710上にアンテナアレイ711を取り囲むように配置された複数のダミーアンテナ素子dを有する。これにより、アンテナアレイ711の最も外側のアンテナ素子と内側のアンテナ素子との間において、隣接するアンテナ素子の存在によるアンテナ素子の周辺環境(条件)を同等にすることができる。
【0097】
受信回路72は、受信アンテナ71が受信したマイクロ波信号を復調する。本実施形態では、受信アンテナ71が複数のアンテナ素子を有するため、図示しないスイッチング回路により、複数のアンテナ素子のいずれかを選択し、選択されたアンテナ素子でマイクロ波信号を受信する。なお、選択されていないアンテナ素子は、グランドに接続される。
【0098】
<受信アンテナ71の設計例>
例えば、周波数f=430MHz、基板710の実効誘電率ε=4.3とした場合、アンテナ素子rの一周の合計の長さ(実効長)は、λg/10となる。これにより、アンテナ素子rの一辺は、約10.8mmと計算できる。また、隣接するアンテナ素子r同士の間隔を1.7mmとすると、アンテナアレイ711全体のサイズは約100mm角と計算できる。
【0099】
なお、上述の例では、基板710の各辺D1が200mm~250mmである場合を例示したが、このような場合に限定されず、基板710およびグランド板712は、被検者90の頭から足の方向を長手方向として縦長の形状でありうる。グランド板712の短手方向の長さは、被検者90の肩幅よりも短い。例えば、短手方向の長さは、200mm~300mmの範囲内の長さでありうる。また、長手方向の長さは、200mm~320mmの範囲内の長さでありうる。基板710およびグランド板712は、例えば250mm×320mmのサイズとすることができる。さらに、アンテナアレイ711は、縦横9個ずつの総数81個のアンテナ素子r1~r81で構成されるようにすることもできる。
【0100】
(第3の実施形態)
第2の実施形態では、単一のパッチアンテナ素子を有する送信アンテナ(第1アンテナ)と、複数の微小ループアンテナ素子を有する受信アンテナ(第2アンテナ)とから構成されるアンテナセットを使用する場合について説明した。第3の実施形態では、単一の微小ループアンテナ素子を有する送信アンテナ(第1アンテナ)と、複数の微小ループアンテナ素子を有する受信アンテナ(第2アンテナ)とから構成されるアンテナセットを使用する場合について説明する。第3の実施形態は、送信アンテナの構成を除いて、第2の実施形態と同一の構成を有する。説明の重複を避けるため、第2の実施形態と同一の構成については詳細な説明を省略する。
【0101】
図17Aは第3の実施形態の送信アンテナを例示する模式図であり、図17B図17Aに示す送信アンテナを-X方向に沿って視た模式図である。
【0102】
送信アンテナ82は、基板820、アンテナ素子821、およびグランド板822を含む。送信アンテナ82は、被検者90の胸部側アンテナとして機能する。アンテナ素子821は、特に限定されるものではないが、好ましくは、短辺F1が90mm~110mm、長辺C2が180mm~200mm、全体が矩形板状の基板820上に形成される。
【0103】
アンテナ素子821は、一辺がa1の略矩形の微小ループアンテナ素子である。微小ループアンテナ素子のサイズは心臓91のサイズに対して小さく、一辺a1は、例えば、20mm以内、好ましくは12mm以内である。アンテナ素子821の表面を送信アンテナ82のアンテナ面と称する。
【0104】
また、基板820上におけるアンテナ素子821の配置は、特に限定されるものではないが、例えば、アンテナ素子821は、基板820の短手方向について、基板820の概ね中央に配置されうる。例えば、F1が100mmである場合、b1は50mm程度に設定されうる。また、アンテナ素子821は、基板820の長手方向について、基板820の端部以外の位置に配置されることが好ましい。
【0105】
また、基板820上のアンテナ面と反対側には、基板820の全面または一部に略短冊状のグランド板822が形成されている。グランド板822の表面をグランド面と称する。送信アンテナ82のグランド面の面積は、被検者90の背部側に設置される受信アンテナのグランド面の面積よりも小さい。すなわち、被検者90の背部側アンテナのグランド面の面積は、胸部側アンテナのグランド面の面積よりも大きいので、非透過マイクロ波の受信を抑制できる。
【0106】
またグランド板822は、例えば、基板820の厚みに相当する距離だけアンテナ面から離れて形成されており、グランド板822とアンテナ面との間隔(図17BのF3で示す)は、好ましくは2mm程度である。
【0107】
なお、上述の例では、微小ループアンテナ素子を1つ有する送信アンテナ82を被検者90の胸部側に配置する場合について説明したが、送信アンテナ82を被検者90の背部側に配置することもできる。この場合、送信アンテナ82のグランド面の面積が、胸部側の受信アンテナのグランド面の面積よりも大きくなるように設計する。
【0108】
以上のように、実施形態において、本発明の計測装置、アンテナセットについて説明した。しかしながら、本発明は、その技術思想の範囲内において当業者が適宜に追加、変形、および省略することができることはいうまでもない。
【0109】
例えば、上述の実施形態では、アンテナセットの一方がアンテナアレイであり、他方がパッチアンテナである場合について説明した。しかしながら、本発明はこのような場合に限定されず、例えば、アンテナセットの双方がループアンテナである場合や、パッチアンテナである場合ついても適用できる。
【符号の説明】
【0110】
10 送信部、
11 送信回路、
12 送信アンテナ、
121 アンテナアレイ、
122 グランド板、
13 信号ケーブル、
14 電磁波シールド、
20 受信部、
21 受信アンテナ、
211 アンテナ素子、
212 給電部、
213 グランド板、
22 受信回路、
30 装置本体、
31 送受信コントローラー、
32 制御部、
33 記憶部、
34 入出力I/F、
35 通信I/F、
41 タッチパネル、
51 PC、
60 送信部、
61 送信回路、
62 送信アンテナ、
621 アンテナ素子、
622 給電部、
623 グランド板、
70 受信部、
71 受信アンテナ、
711 アンテナアレイ、
712 グランド板、
72 受信回路、
95 ベッド、
100 心拍出量計測センサ。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図13
図14A
図14B
図15A
図15B
図16A
図16B
図17A
図17B