(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078477
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】防火シャッター
(51)【国際特許分類】
E06B 9/17 20060101AFI20240604BHJP
E06B 5/16 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
E06B9/17 M
E06B5/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022190879
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】307038540
【氏名又は名称】三和シヤッター工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103137
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 滋
(74)【代理人】
【識別番号】100145838
【弁理士】
【氏名又は名称】畑添 隆人
(72)【発明者】
【氏名】高島 健一
(72)【発明者】
【氏名】初見 空
【テーマコード(参考)】
2E239
【Fターム(参考)】
2E239CA02
2E239CA28
2E239CA32
2E239CA44
2E239CA66
(57)【要約】
【課題】
開口部全閉時にレールの側方部位を良好に塞ぐ。
【解決手段】
床面FLには、シャッターによって閉鎖される開口に略直交するようにレール6が敷設されており、シャッターカーテン2の座板4は、垂直状の板状部40を備え、板状部40には、レール6に対応して、下方に開口した凹部42が形成されており、床面FLには、レール6の側方に隣接して、一対の立ち上がり状の見付片50からなり、上端が開口状のガイド部5が設けてあり、開口部全閉時には、凹部42の側縁部400が、ガイド部5内に位置し、ガイド部5の見付片50がレール6の側方部位を塞ぐ。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャッターカーテンの幅方向両端部が、左右のガイドレールに案内されて下降して、ガイドレール間に形成された開口を閉鎖して防火区画を形成する防火シャッターにおいて、
床面には、前記開口に略直交するようにレールが敷設されており、
前記シャッターカーテンの下端の座板は、垂直状の板状部を備え、前記板状部には、前記レールに対応する幅方向の所定部位において、下方に開口した凹部が形成されており、
前記凹部は、一対の側縁と上縁とから囲まれた空間からなり、前記一対の側縁は、板状部の部分から形成された一対の側縁部によって規定されており、
前記床面には、前記レールの一側あるいは両側に隣接して、一対の立ち上がり状の見付片からなり、上端が開口状のガイド部が設けてあり、
開口部全閉時には、少なくとも一方の側縁部が、前記ガイド部内に位置するようになっており、前記ガイド部の前記見付片が前記レールの少なくとも一方の側方部位を塞ぐ、
防火シャッター。
【請求項2】
前記座板は、前記板状部と、前記板状部の下端に形成された水平部と、を備え、
前記側縁部の下端には、前記水平部は形成されていない、
請求項1に記載の防火シャッター。
【請求項3】
前記ガイド部は、前記一対の見付片と、底片と、から断面視コ字形状を備え、前記底片は、前記レールの側面に当接ないし近接している、
請求項1に記載の防火シャッター。
【請求項4】
前記側面の少なくとも一方には配管が突設されており、前記ガイド部は、前記側面において、前記配管の下方部位に隣接している、
請求項1に記載の防火シャッター。
【請求項5】
前記レールは、頭部と、底部と、前記頭部と前記底部を連結する立ち上がり状の腹部と、からなり、
前記ガイド部は、前記腹部の側面に隣接している、
請求項1に記載の防火シャッター。
【請求項6】
前記ガイド部は、前記レールの両側に隣接して設けてあり、
開口部全閉時には、各側縁部が、各ガイド部内に位置するようになっており、前記ガイド部の前記見付片が前記レールの両方の側方部位を塞いでいる、
請求項1~5いずれか1項に記載の防火シャッター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防火シャッターに係り、詳しくは、床面にレールが敷設された部位を区画する防火シャッターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
マテハンとは、「マテリアル・ハンドリング」の略称であり、「生産拠点や物流拠点内の原材料・仕掛品・完成品の全てのモノの移動に関わる取り扱い」のことを指す言葉であり、マテハンを最適化することは、工場全体の生産性を大きく向上させることに繋がる。マテハンの主要業務の一つは工場や倉庫内でモノを搬送する業務であり、マテハン設備には、床面に敷設されたレールが含まれる。
【0003】
工場や倉庫内において、床面にレールが敷設された開口をシャッターで閉鎖して防火区画を形成したい場合がある。防火区画を形成する場合には、閉鎖姿勢のシャッターの第1側空間と第2側空間との間で防火上不利な隙間が形成されないことが重要であるが、第1側空間と第2側空間の床面に亘ってレールが敷設されている場合には、シャッターの下方部位に隙間が形成されてしまうことになる。
【0004】
特許文献1には、シャッター本体の下部に、レールの周囲に対応して防火シートを設けたものが開示されているが、通常、レールの側部は、凸凹の断面形状となっていることから、開口部閉鎖時に上方から下降する要素で、レールの側部を隙間なく塞ぐことには課題が残る。また、レールには、側部に配管(所定の電線等を通す)が設けられたものもあり、この場合、レールの側部の形状がさらに複雑になり、レールの側部を隙間なく塞ぐことはさらに難しくなる。
【特許文献1】特開2011-219939
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、床面にレールが敷設された部位を区画する防火シャッターにおいて、開口部全閉時にレールの側方部位を良好に塞ぐことにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明が採用した技術手段は、
シャッターカーテンの幅方向両端部が、左右のガイドレールに案内されて下降して、ガイドレール間に形成された開口を閉鎖して防火区画を形成する防火シャッターにおいて、
床面には、前記開口に略直交するようにレールが敷設されており、
前記シャッターカーテンの下端の座板は、垂直状の板状部を備え、前記板状部には、前記レールに対応する幅方向の所定部位において、下方に開口した凹部が形成されており、
前記凹部は、一対の側縁と上縁とから囲まれた空間からなり、前記一対の側縁は、板状部の部分から形成された一対の側縁部によって規定されており、
前記床面には、前記レールの一側あるいは両側に隣接して、一対の立ち上がり状の見付片からなり、上端が開口状のガイド部が設けてあり、
開口部全閉時には、少なくとも一方の側縁部が、前記ガイド部内に位置するようになっており、前記ガイド部の前記見付片が前記レールの少なくとも一方の側方部位を塞ぐ、
防火シャッター、である。
【0007】
1つの態様では、前記座板は、前記板状部と、前記板状部の下端に形成された水平部と、を備え、
前記側縁部の下端には、前記水平部は形成されていない。
【0008】
1つの態様では、前記ガイド部は、前記一対の見付片と、底片と、から断面視コ字形状を備え、前記底片は、前記レールの側面に当接ないし近接している。
【0009】
1つの態様では、前記側面の少なくとも一方には配管が突設されており、前記ガイド部は、前記側面において、前記配管の下方部位に隣接している。
【0010】
1つの態様では、前記レールは、頭部と、底部と、前記頭部と前記底部を連結する立ち上がり状の腹部と、からなり、
前記ガイド部は、前記腹部の側面に隣接している。
【0011】
1つの態様では、前記ガイド部は、前記レールの両側に隣接して設けてあり、
開口部全閉時には、各側縁部が、各ガイド部内に位置するようになっており、前記ガイド部の前記見付片が前記レールの両方の側方部位を塞いでいる。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、シャッターカーテン下端の座板に、床面のレールに対応して、凹部を形成すると共に、床面には、レールの側部に隣接して側方部位を塞ぐようにガイド部を設け、開口部全閉時には、凹部がレールを受け入れた状態で、凹部の側縁を規定する側縁部(座板の板状部の部分)がガイド部の溝部内に位置しており、この時、レールの側方部位は、主として、ガイド部の見付片によって塞がれる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本実施形態に係るシャッター装置(全閉姿勢)の正面図である。
【
図2】本実施形態に係るシャッター装置(全閉姿勢となる少し前の状態)の正面図である。
【
図5】
図3の右側のレール及び対応する座板の部分拡大図、側面図、横断面図である。
【
図6】
図4の右側のレール及び対応する座板の部分拡大図、側面図である。
【
図9】他の実施形態に係るシャッター装置(全閉姿勢)の正面図である。
【
図10】他の実施形態に係るシャッター装置(全閉姿勢となる少し前の状態)の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1、
図2は、本実施形態に係るシャッター装置の正面図であって、
図1はシャッターの全閉状態、
図2はシャッターが全閉状態に近づいた状態を示している。シャッター装置は、開口部の左右のガイドレール1と、上端が開口部上方のシャッターケースC内に設けた巻取シャフト(図示せず)に連結されており、幅方向両端がガイドレール1の溝部内に案内されて開口部を開閉するシャッターカーテン2と、を備えている。シャッターカーテン2は、互いに揺動可能に連結された複数枚のスラット3と、複数枚のスラット3の最下位のスラット3に揺動可能に連結された座板4と、からなり、開口部全開時には、シャッターカーテン2は巻取シャフトに巻き取られるようになっている。通常の開閉時には、開閉機Мによって巻取シャフトを回転させることで、シャッターカーテン2を電動で昇降させて開口部を開閉する。火災時には、火災の煙感知に応じて、図示しない自動閉鎖装置が作動して、シャッターカーテン2が自重で降下して開口部を閉鎖するようになっている。
【0015】
本実施形態では、床面FLには、複数本のレール6A、レール6B(本明細書において、代表して「レール6」で表示する場合がある点に留意されたい)が平行して敷設されており、レール6の延びる方向は、左右のガイドレール1間の開口、すなわち、閉鎖姿勢のシャッターカーテン2が形成する垂直面に直交している。図示の態様では、便宜上、断面形状の異なる2本のレール6A、レール6Bが図示されているが、レール6の本数や種類は限定されない。
【0016】
図4、
図6、
図7に示すように、本実施形態に係るレール6は、頭部60と、底部61と、頭部60と底部61を連結する立ち上がり状の腹部62と、から断面視I型形状を備えている。図示の態様において、レール6Aがレール6Bよりも肉薄である点を除いて、基本的な構成は同じである。
【0017】
図7に示すように、レール6Bの頭部60は、水平状の上面600と、一対の垂直状の側面601と、一対の水平状の下面602と、を備え、底部61は、水平状の下面610と、一対の垂直状の側面611と、一対の水平状の上面612と、を備え、腹部62は、一対の垂直状の側面620を備えている。
【0018】
図6に示すように、レール6Bは、幅寸法W1、高さ寸法H1を備えている。本実施形態では、
図7に示すように、レール6Bの頭部60の各側面601と底部61の各側面611は、同一垂直面上に位置しており(すなわち、頭部60と底部61が同じ幅寸法W1を備えている)、頭部60の両側面601間の寸法(底部61の両側面611間の寸法)がレール6の幅寸法W1であり、頭部60の上面600と底部61の下面610間の寸法がレール6の高さ寸法H1である。なお、頭部60と底部61の幅寸法が異なっていてもよく、例えば、底部61の側面611が頭部60の側面601よりも内側に位置していてもよく、この場合、レール6の幅寸法W1は、頭部60の幅寸法によって決定される。
【0019】
レール6Bの腹部62の一方の側面620の上側部位には、頭部60の一方の下面602の下方に位置して、配管63が突設されている。配管63は、頭部60の一方の側面601の内側に位置しており、当該側面601よりも突出していない。レール6Aも、頭部60、底部61、腹部62の厚さ寸法が小さい点を除いて、基本的に同じ構成を備えている。図示の態様では、レール6A、6B共に配管63を備えているが、本発明は、配管63を備えていないレールにも適用され得る点に留意されたい。
【0020】
スラット3は、開口幅方向に延びる鋼製の長尺材であって、
図6に示すように、板状の本体30と、本体30の上側に一体形成された上側の係合部31と、本体30の下側に一体形成された下側の係合部32と、からなる。上下に隣接するスラット3において、上側のスラット3の下側の係合部32に下側のスラット3の上側の係合部31がインターロック連結するようになっている。
【0021】
座板4は、開口幅方向に延びる鋼製の長尺材であって、
図6に示すように、垂直状の板状部40と、板状部40の下端の水平部41と、から側面視L形状を有している。なお、座板4の側面視はL形状に限定されず、例えば、側面視逆T形状であってもよい。座板4は、板状部40の上端が、直上のスラット3の下側の係合部32に係止している。
図2、
図4に示すように、座板4は、幅方向の所定部位(レール6に対応する部位)において切り欠かれており、切り欠きによって、下方に開口した凹部42が形成されている。凹部42は、一対の垂直状の側縁420と、水平状の上縁421と、から囲まれた空間からなり、下端が開放している。
【0022】
図6に示すように、座板4の凹部42の幅寸法W2は、レール6の幅寸法W1よりも僅かに大きい寸法を備え、凹部42の高さ寸法(下方から上方に向かう深さ寸法)H2は、レール6の高さ寸法H1よりも僅かに大きい寸法を備えており、開口部全閉時に、レール6を受け入れるようになっている。図示の態様では、座板4の幅方向の所定部位に2つの凹部42が形成されており、シャッターカーテン2が下降して全閉姿勢となる時に、レール6Aが一方の凹部42に受け入れられ、レール6Bが他方の凹部42に受け入れられながら下降して、座板4の下端の水平部41が床面FLに着床するようになっている。
【0023】
座板4に形成された凹部42の一対の側縁420は、凹部42の空間を挟んで対向し、板状部40の部分から形成された一対の側縁部400によって規定されており、側縁部400の下端410には、水平部41は設けられていない(
図5の横断面図参照)。本実施形態では、座板4は、幅方向の所定部位において、板状部40及び水平部41が所定幅寸法W2で切り欠かれており、さらに、水平部41のみが所定幅寸法W2を越える所定幅寸法W3で切り欠かれており、各側縁部400の幅寸法W4は、[W3-W2]/2である(
図6参照)。
【0024】
床面FLには、レール6の両側に隣接して、上端が開口状のガイド部5が設けてあり、開口部全閉時に、左右の側縁部400が左右のガイド部5の溝部に受け入れられるようになっている。本実施形態では、レール6A、レール6Bにおいて、腹部62の一方の側面620には配管63が突設されており、レール6A、レール6Bにおいて、一方の側面620に隣接してガイド部5Aが設けられ、他方の側面620に隣接してガイド部5Bが設けられ、ガイド部5Aの高さ寸法は、ガイド部5Bの高さ寸法よりも低い。ガイド部5Aとガイド部5Bは高さ寸法を除いて、実質的に同じ構成を備えている。本明細書では、ガイド部5A、ガイド部5Bを代表してガイド部5で表す場合がある点に留意されたい。
【0025】
図8に示すように、ガイド部5Aは、離間対向する一対の見付片50と、底片51と、から断面視コ字形状を備えており、一対の見付片50間に、側縁部400を受け入れる溝部が形成されている。ガイド部5の一対の見付片50の下端には、互いに離間する方向に水平に延びる一対の下片52が形成されており、ガイド部5は、底片51をレール6の側部に隣接させた状態で、下片52を床面FLに固定することで設けられる。ガイド部5Aについての説明は、ガイド部5Bの説明に援用できる点に留意されたい。
【0026】
本実施形態では、一対の見付片50の上方部位は、上方に拡開状に延びる上部ガイド片500となっており、見付片50は垂直面からなる主面部と、主面部の上側に一体形成された上部ガイド片500と、からなる。ガイド部5の一対の見付片50の主面部間(溝部)の寸法(溝幅)は、座板4の板状部40の厚さ寸法よりも大きく、水平部41の短手方向の幅寸法(開口幅方向に対して直角方向の寸法)よりも小さい。本実施形態では、ガイド部5は一対の傾斜状の上部ガイド片500を備えているが、例えば、一方の見付片50の上端部位のみに傾斜状の上部ガイド片500を形成したものでもよい。
【0027】
ガイド部5の見付片50の上端は、水平状の上縁501によって規定されている。本実施形態では、見付片50は底片51の下端510よりも下方に延びており、見付片50の下方部位の底側は、水平状の下縁502(下端510と同じ高さ位置にある)と、下縁502から垂下する底側垂直片503と、によって規定されている。見付片50の下端部位の幅寸法は、下縁502の長さ寸法だけ幅狭となっており、この幅狭の寸法は、下片52の幅寸法と同じである。見付片50の先端縁(底片51から離間する側の縁)は、垂直状の側縁504によって規定されている。
【0028】
ガイド部5Aの高さ寸法は、床面FLから一方の側面620に突設した配管63の下面630(
図7参照)までの高さ寸法を備えている。ガイド部5Bの高さ寸法は、床面FLから頭部60の下面602までの高さ寸法を備えている。ガイド部5は、底片51をレール6の側面(腹部62の側面620)に当接させた状態で、下片52を床面FLに当接させてボルト53で固定されている。
【0029】
より具体的には、ガイド部5Aの底片51の高さ寸法(見付片50の底側部位の高さ寸法)は、レール6Bの底部61の上面612と配管63の下面630間の寸法に対応しており、ガイド部5Aの下縁502の幅寸法は、レール6Bの底部61の上面612の幅寸法に略一致しており、ガイド部5Aの底側垂直片503の高さ寸法は、レール6Bの底部61の側面611の高さ寸法に略一致している。レール6Bに隣接してガイド部5Aを設けた時に、ガイド部5Aの底片51がレール6Bの腹部62の一方の側面620(配管63の下側部位)に当接し、下縁502がレール6Bの底部61の上面612に当接し、底側垂直片503がレール6Bの底部61の側面611に当接しており、ガイド部5Aがレール6Bの一方の側部を塞ぐようになっている。
【0030】
ガイド部5Bの底片51の高さ寸法(見付片50の底側部位の高さ寸法)は、レール6Bの腹部62の他方の側面620の高さ寸法に略一致しており、ガイド部5Bの下縁502の幅寸法は、レール6Bの底部61の上面612の幅寸法に略一致しており、ガイド部5Bの底側垂直片503の高さ寸法は、レール6Bの底部61の側面611の高さ寸法に略一致している。レール6Bに隣接してガイド部5Bを設けた時に、ガイド部5Bの底片51がレール6Bの腹部62の他方の側面620に当接し、下縁502がレール6Bの底部61の上面612に当接し、底側垂直片503がレール6Bの底部61の側面611に当接しており、ガイド部5Bがレール6Bの他方の側部を塞ぐようになっている。
【0031】
図5、
図7に示すように、開口部全閉時には、凹部42内にレール6が受け入れられた状態で、各側縁部400が、ガイド部5の溝部に位置するようになっており、凹部42の上縁421がレール6の頭部60の上面600に近接ないし当接し、左右の側縁400の上端部位が、レール6の頭部60の側面601に近接ないし当接し、レール6において、頭部60の下側の側方部位(腰部62及び底部61の側方部位)は、ガイド部5A、5Bの見付片50によって塞がれるようになっている。
【0032】
図7等に示す態様では、配管63の周囲に若干の隙間があるが、全閉状態において、配管63に隣接部位、例えば、ガイドレール6Aの上方部位、あるいは/および、レール6の配管63に隣接する部位に熱膨張耐火部材を設けておき、火災時の熱で熱膨張耐火部材が発泡することで、上記隙間を塞ぐようにしてもよい。
【0033】
上記説明では、主として、レール6B及びレール6Bの両側に設けたガイド部5A、5Bについて説明したが、上記説明は、レール6A及びレール6Aの両側に設けたガイド部5A、5Bについて援用することができる。
【0034】
図9~
図12に基づいて、他の実施形態について説明する。上述の実施形態と異なる点は、レール6Bの腹部62の一方の側面620に突設した配管63の突出寸法が異なる点、及び、レール6Bを受け入れる凹部42の形状が異なる点であり、その他の構成は、実質的に同じであり、同じ参照番号が付された要素を含む他の実施形態に係る説明は、既述の実施形態の説明を援用することができる。
【0035】
図12に示すように、レール6Bの腹部62の一方の側面620に突設した配管63は、レール6Bの頭部60の側面601よりも突出している。より具体的には、配管63は、下面630と、上面631と、側面632と、を備え、上面631は、頭部60の一方の下面602に近接対向する部位と、頭部60の側面601からはみ出したはみ出し部位6310と、を備えており、側面632は、レール6Bの頭部60の側面601を通る垂直面に対して、外側(側面620から離間する側)に位置している。
【0036】
図12に示すように、レール6Bを受け入れる凹部42は、一対の垂直状の側縁420と、水平状の上縁421と、から囲まれた空間からなり、下端が開放しており、上縁421と一方の側縁420との角部は、上側垂直縁422と上側水平縁423を形成するように、空間側に出っ張っている。上側垂直縁422と他方の側縁420との間の寸法は、幅寸法W2であり、レール6Bの幅寸法W1よりも僅かに大きい。上側垂直縁422の高さ寸法は、レール6Bの頭部60の側面601の高さ寸法と略同じである。上側水平縁423の幅寸法は、頭部60の一方の側面601のはみ出し部位6310の幅寸法と略同じである。
【0037】
図11に示すように(
図12、
図7を合わせ読むと)、開口部全閉時には、凹部42内にレール6Bが受け入れられた状態で、各側縁部400が、ガイド部5の溝部に位置するようになっており、凹部42の上縁421がレール6Bの頭部60の上面600に近接ないし当接し、一方(右側)の側縁400の上端部位において、上側垂直縁422がレール6Bの頭部60の一方の側面601に近接し、上側水平縁423が配管63のはみ出した部位6310に近接し、レール6Bにおいて、レールの右側の側方部位(配管63の下側部位)は、ガイド部5Aの見付片50によって塞がれるようになっており、他方(左側)の側縁400の上端部位が、レール6の頭部60の側面601に近接ないし当接し、レール6Bにおいて、レールの左側の側方部位(頭部60の下側部位)は、ガイド部5Bの見付片50によって塞がれるようになっている。
【0038】
上記説明では、主として、レール6B及びレール6Bの両側に設けたガイド部5A、5Bについて説明したが、上記説明は、レール6A及びレール6Aの両側に設けたガイド部5A、5Bについて援用することができる。
【符号の説明】
【0039】
1 ガイドレール
2 シャッターカーテン
3 スラット
4 座板
40 板状部
400 側縁部
41 水平部
42 凹部
420 側縁
421 上縁
5(5A、5B) ガイド部
50 見付片
51 底片
6(6A、6B) レール
60 頭部
61 底部
62 腹部