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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078499
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】プロペラシャフトの空転を止める工具
(51)【国際特許分類】
   B63B 73/60 20200101AFI20240604BHJP
   B25B 13/00 20060101ALI20240604BHJP
   B63B 73/20 20200101ALI20240604BHJP
   B63H 23/34 20060101ALI20240604BHJP
   B63H 23/35 20060101ALI20240604BHJP
   B60K 17/22 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
B63B73/60
B25B13/00 C
B63B73/20
B63H23/34 A
B63H23/35
B60K17/22 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022190910
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】596114691
【氏名又は名称】河上船舶機器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114731
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 重男
(72)【発明者】
【氏名】川野 隆博
【テーマコード(参考)】
3D042
【Fターム(参考)】
3D042AA06
3D042DA12
(57)【要約】
【課題】床面に設置して手に持つことを防止したプロペラシャフトの空転を止める工具により構成される。
【解決手段】基部は直線的に長いものであり、第1先端部に第1貫通穴が開口され、中間の上面には盛上部にアングルが被覆されており、アングルは盛上部に軸支されており、上端部はアングルに嵌合されており、上端部は中間から第2先端部まで直線的に基部と同様に揃えられており、上端部は第2先端部に第2貫通穴が開口されており、上端部が軸支を以って上方に開いてから、カップリングのフランジの1個のボルト穴に、上端部の第2先端部の第2貫通穴に合わせ、そこから第2ボルトを第2貫通穴と1個のボルト穴に挿通され、カップリングのフランジの他の1個のボルト穴に、基部の第1先端部の第1貫通穴に合わせ、第1ボルトを第1貫通穴と他の1個のボルト穴に挿通され、基部は床面に設置することを特徴としている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カップリングの前後方向の軸穴が開口され、プロペラシャフトの先端に雄螺子が構成され、上記プロペラシャフトの先端部が上記軸穴に挿通され、上記カップリングの前側から上記雄螺子に六角ナットが螺子込まれ、上記カップリングの上記軸穴と上記プロペラシャフトにキーが嵌合され、上記カップリングのフランジにボルト穴が複数形成されたプロペラシャフトの空転を止める工具において、
基部は直線的に左右方向に長いものであり、第1先端部に前後方向に第1貫通穴が開口されており、中間の上面には盛上部に、コ字状のアングルが上記盛上部に被覆されており、上記アングルは上記盛上部の前サイド部及び後サイド部の両右側は上記盛上部に軸支されており、
上端部は上記中間の上記盛上部の上記アングルの下側に嵌合されており、上記上端部は上記中間から上記第1先端部と同一位置の第2先端部まで直線的に左右方向に上記基部と同様に揃えられており、上記上端部は上記第2先端部に前後方向に第2貫通穴が開口されており、
上記上端部と上記アングルは上記盛上部に対して、上記軸支されることで上記基部に対して開閉自在に設けられており、
上記基部は上記カップリングの上記フランジの後方又は前方において、床面に左右方向に載置された状態で、上記基部に対して上記上端部と上記アングルが軸支された軸を以って上方に開いてから、上記カップリングの上記フランジの1個のボルト穴に、上記上端部の上記第2先端部の上記第2貫通穴に合わせ、そこから第2ボルトを上記第2貫通穴と上記1個のボルト穴に挿通され、
上記カップリングの上記フランジの他の1個のボルト穴に、上記基部の上記第1先端部の上記第1貫通穴に合わせ、そこから第1ボルトを上記第1貫通穴と上記他の1個のボルト穴に挿通され、上記基部は上記床面に設置することを特徴とするプロペラシャフトの空転を止める工具。
【請求項2】
上記第1ボルトと上記第2ボルトの各前端部又は各後端部に各ナットを各々螺子込まれたものである請求項1記載のプロペラシャフトの空転を止める工具。
【請求項3】
上記軸穴は、テーパ加工されており、後側の径が大きく、前側の径が小さくなるように上記軸穴が形成されており、
上記プロペラシャフトの上記先端部のテーパ部は、テーパ加工されており、後側の径が大きく、前側の径が小さくなるように上記テーパ部がテーパ加工されており、
上記軸穴と、上記プロペラシャフトの上記テーパ部は、嵌合するように構成されている請求項1又は2記載のプロペラシャフトの空転を止める工具。
【請求項4】
上記アングルの上面には、螺子が、上記上端部の上面に螺子込まれているものである請求項1又は2に記載のプロペラシャフトの空転を止める工具。
【請求項5】
上記基部の上記盛上部の上記前サイド部及び上記後サイド部の上記両右側は、第3貫通穴が前後方向に貫通されており、
上記アングルは上記盛上部の上記前サイド部と上記後サイド部の上記両右側は両半円形部が形成されており、上記第3貫通穴の位置に、上記前サイド部側において上記半円形部に第4貫通穴が、上記後サイド部側において上記半円形部に第4貫通穴が前後方向に貫通されており、
そこに軸支ボルトが上記両第4貫通穴と上記第3貫通穴に挿通されており、上記軸支ボルトの後端部又は前端部にナットが螺子込まれ、
これにより上記軸支ボルトが軸支され、上記アングルと上記上端部が上記軸支ボルトにより軸支され、上記上端部が上記基部に対して開閉自在に構成されたものである請求項1又は2に記載のプロペラシャフトの空転を止める工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶用のエンジンに取り付けるカップリングとプロペラシャフトの空転を止める工具を提供することを目的とする。
【背景技術】
【0002】
従来、船舶用ではないが(自動車用である、特許文献1)、一端に螺刻部を有する回転軸を設け、この上記螺刻部にピニオンフランジを設け、上記ピニオンフランジのフランジ部に、廻り止め穴22-1,22-1を穿設し、上記フランジ部の外周には波形廻り止め部24を設け、特許文献1の第4図に示すピン治具26(廻り止め穴22-1,22-1に係合する係合突起28,28)と、特許文献1の第5図に示す波形治具30(波形廻り止め部24に係合する波形係合部32)とが設けられ、ピン治具26の係合突起28,28を回り止め穴22-1,22-1に挿入するか、波形治具30の波形係合部32を波形廻り止め部24に係合するか、何れか一方に選択できることを特徴とする回転軸にピニオンフランジを固定する際の廻り止め構造が知られている(特許文献1)。
【0003】
また、船舶用ではないが(自動車用である、特許文献2)、プロペラシャフト200のフランジヨーク10のフランジ30に切欠部33,33を設け(特許文献2の図3図4参照)、一方、特許文献2の図5の工具400のU字形を有するアーム411と、上記アーム411の先端部に形成した突起部412,412を形成しており、工具400の突起部412,412を上記フランジ30の切欠部33,33に係合することにより、上記フランジヨーク10の上記フランジ30が回り止めされ、非回転となる(特許文献2)。
【0004】
或いは、船舶用には、エンジンとプロペラをつなぐために、プロペラシャフトとカップリングを使用する。その際に、まずプロペラシャフトとカップリングをしっかりと固定するために、プロペラシャフトの前側軸端に加工した雄螺子と雌螺子の六角ナットをしっかりと締め付ける必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平2-62426号公報
【特許文献2】特開2013-221577号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1は、ピン治具26を挿入するか、波形治具30に係合するか、何れも、上記ピン治具26及び上記波形治具30を、手で持っていなくてはならず、特許文献2は、工具400で、ハンドル420を手で持っていなくてはならず、これでは、何れも、ピン治具26(特許文献1)、或いは、波形治具30(特許文献1)、工具400(特許文献2)を手で持っていなくてはならず、これでは、手で持つのは疲れるし、作業性が悪い。
【0007】
従来は、船舶用には、その締め付け作業の際に、プロペラシャフトの空転を止めるために、プロペラシャフトの後側に装着したプロペラと地面の間に、木材等を挟んでプロペラを止めて、プロペラシャフトの空転を止める作業を行っていた。その作業は、作業効率が悪く、作業性が悪い、という問題があった。
【0008】
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、床に設置して、手に持つことを防止したプロペラシャフトの空転を止める工具により構成される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するため本発明は、
第1に、カップリングの前後方向の軸穴が開口され、プロペラシャフトの先端に雄螺子が構成され、上記プロペラシャフトの先端部が上記軸穴に挿通され、上記カップリングの前側から上記雄螺子に六角ナットが螺子込まれ、上記カップリングの上記軸穴と上記プロペラシャフトにキーが嵌合され、上記カップリングのフランジにボルト穴が複数形成されたプロペラシャフトの空転を止める工具において、基部は直線的に左右方向に長いものであり、第1先端部に前後方向に第1貫通穴が開口されており、中間の上面には盛上部に、コ字状のアングルが上記盛上部に被覆されており、上記アングルは上記盛上部の前サイド部及び後サイド部の両右側は上記盛上部に軸支されており、上端部は上記中間の上記盛上部の上記アングルの下側に嵌合されており、上記上端部は上記中間から上記第1先端部と同一位置の第2先端部まで直線的に左右方向に上記基部と同様に揃えられており、上記上端部は上記第2先端部に前後方向に第2貫通穴が開口されており、上記上端部と上記アングルは上記盛上部に対して、上記軸支されることで上記基部に対して開閉自在に設けられており、上記基部は上記カップリングの上記フランジの後方又は前方において、床面に左右方向に載置された状態で、上記基部に対して上記上端部と上記アングルが軸支された軸を以って上方に開いてから、上記カップリングの上記フランジの1個のボルト穴に、上記上端部の上記第2先端部の上記第2貫通穴に合わせ、そこから第2ボルトを上記第2貫通穴と上記1個のボルト穴に挿通され、上記カップリングの上記フランジの他の1個のボルト穴に、上記基部の上記第1先端部の上記第1貫通穴に合わせ、そこから第1ボルトを上記第1貫通穴と上記他の1個の上記ボルト穴に挿通され、上記基部は上記床面に設置することを特徴とするプロペラシャフトの空転を止める工具により構成される。
【0010】
上記1個のボルト穴は、ボルト穴(11(11a))であり、上記他の1個のボルト穴は、ボルト穴(11(11b))である。プロペラシャフトの空転を止める工具により、上記基部を床面に左右方向に設置された状態で、上記上端部を上方に開いてから、上記上端部が上記第2先端部に上記第2貫通穴を、カップリングのフランジの1個のボルト穴(11(11a))に、第2貫通穴を合わせ、第2ボルトを上記第2貫通穴と上記1個のボルト穴(11(11a))に挿通し、上記基部の上記第1先端部の第1貫通穴に他の1個のボルト穴(11(11b))に、第1貫通穴を合わせ、第1ボルトを上記第1貫通穴と上記他の1個のボルト穴(11(11b))に挿通し、これにより上記カップリングと上記プロペラシャフトを固定する。また、上記基部が上記床面に設置する。その後、上記六角ナットが上記雄螺子に螺子込まれ、六角レンチの六角先端部を上記六角ナットに嵌合し、矢印方向に回転し、上記六角ナットを締め付ける、又は、上記六角ナットを緩める。これにより、プロペラシャフトの空転を止める工具により、上記カップリングと上記プロペラシャフトがしっかりと固定される。プロペラシャフトの空転を止める工具により、上記基部を床面に設置し、手に持つことを防止することができた。
【0011】
第2に、上記第1ボルトと上記第2ボルトの各前端部又は各後端部に各ナットを各々螺子込まれたものである上記第1記載のプロペラシャフトの空転を止める工具により構成される。
【0012】
上記1個のボルト穴(11(11a))と上記他の1個のボルト穴(11(11b))に、上記第2ボルトと上記第1ボルトの各前端部又は各後端部に上記各ナットを螺子込まれたものであり、上記第2ボルトと上記第1ボルトが固定されるので、上記カップリングと上記プロペラシャフトの回転(空転)を止めることができる。
【0013】
第3に、上記軸穴は、テーパ加工されており、後側の径が大きく、前側の径が小さくなるように上記軸穴が形成されており、上記プロペラシャフトの上記先端部のテーパ部は、テーパ加工されており、後側の径が大きく、前側の径が小さくなるように上記テーパ部がテーパ加工されており、上記軸穴と、上記プロペラシャフトの上記テーパ部は、嵌合するように構成されている上記第1又は2記載のプロペラシャフトの空転を止める工具により構成される。
【0014】
上記カップリングの上記軸穴はテーパ加工されており、上記プロペラシャフトの上記先端部の上記テーパ部はテーパ加工されており、上記軸穴と上記プロペラシャフトの上記テーパ部は、嵌合するように構成されたものであり、これによりプロペラシャフトの空転を止める工具により、上記軸穴と上記プロペラシャフトの上記先端部はしっかりと固定されたものである。
【0015】
第4に、上記アングルの上面には、螺子が、上記上端部の上面に螺子込まれているものである上記第1又は2に記載のプロペラシャフトの空転を止める工具により構成される。
【0016】
上記アングルの上記上面は、上記螺子が上記上端部の上記上面に螺子込まれており、上記アングルと上記上端部は決して外れることはない。
【0017】
第5に、上記基部の上記盛上部の上記前サイド部及び上記後サイド部の上記両右側は、第3貫通穴が前後方向に貫通されており、上記アングルは上記盛上部の上記前サイド部と上記後サイド部の上記両右側は両半円形部が形成されており、上記第3貫通穴の位置に、上記前サイド部側において上記半円形部に第4貫通穴が、上記後サイド部側において上記半円形部に第4貫通穴が前後方向に貫通されており、そこに軸支ボルトが上記両第4貫通穴と上記第3貫通穴に挿通されており、上記軸支ボルトの後端部又は前端部にナットが螺子込まれ、これにより上記軸支ボルトが軸支され、上記アングルと上記上端部が上記軸支ボルトにより軸支され、上記上端部が上記基部に対して開閉自在に構成されたものである上記第1又は2に記載のプロペラシャフトの空転を止める工具により構成される。
【0018】
このように構成すると、上記軸支ボルトが軸支され、上記アングルと上記上端部が上記軸支ボルトにより軸支され、上記基部に対して、上記アングルと上記上端部が、開閉自在に構成されたものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明は上述のように、プロペラシャフトの空転を止める工具により、上記基部を床面に設置された状態で、上記上端部を上方に開いてから、上記上端部が上記第2先端部に上記第2貫通穴を、カップリングのフランジの1個のボルト穴に、第2貫通穴を合わせ、第2ボルトを上記第2貫通穴と上記1個のボルト穴に挿通し、上記基部の上記第1先端部の第1貫通穴に他の1個のボルト穴に、第1貫通穴を合わせ、第1ボルトを上記第1貫通穴と上記他の1個のボルト穴に挿通し、これにより上記カップリングとプロペラシャフトを固定する。また、上記基部が上記底面に設置する。その後、六角ナットが雄螺子に螺子込まれ、六角レンチの六角先端部を上記六角ナットに嵌合し、矢印方向に回転し、上記六角ナットを締め付ける、又は、上記六角ナットを緩める。これにより、プロペラシャフトの空転を止める工具により、カップリングとプロペラシャフトがしっかりと固定される。プロペラシャフトの空転を止める工具により、上記基部を床面に設置し、手に持つことを防止することができた。
【0020】
上記1個のボルト穴と上記他の1個のボルト穴に、上記第2ボルトと上記第1ボルトの各前端部又は各後端部に上記各ナットを螺子込まれたものであり、上記第2ボルトと上記第1ボルトが固定されるので、上記カップリングと上記プロペラシャフトの回転(空転)を止めることができる。
【0021】
上記カップリングの上記軸穴はテーパ加工されており、上記プロペラシャフトの上記先端部はテーパ加工されており、上記軸穴と上記プロペラシャフトの上記テーパ部は、嵌合するように構成されたものであり、これによりプロペラシャフトの空転を止める工具により、上記軸穴と上記テーパ部はしっかりと固定されたものである。
【0022】
また、上記軸支ボルトが軸支され、上記アングルと上記上端部が上記軸支ボルトにより軸支され、上記基部に対して、上記アングルと上記上端部が、開閉自在に構成されたものである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明に係るプロペラシャフトの空転を止める工具の(a)は平面図、(b)は側面図である。
図2】同上プロペラシャフトの空転を止める工具の(a)は正面図、(b)は背面図である。
図3】同上プロペラシャフトの空転を止める工具の図1(b)のX-X断面図である。
図4】同上プロペラシャフトの空転を止める工具の上端部を開口した状態の側面図である。
図5】同上プロペラシャフト空転を止める工具のフランジにボルトで2か所を止める工具の斜視図(正面斜視図)である。
図6】同上プロペラシャフトの空転を止める工具の斜視図(後面斜視図)である。
図7】同上プロペラシャフトの空転を止める工具のボルトに差し込まれた六角レンチの斜視図(正面斜視図)である。
図8】同上プロペラシャフトの空転を止める工具のプロペラシャフトのフランジに六角レンチの斜視図(背面斜視図)である。
図9】同上プロペラシャフトの空転を止める工具のボルトを拡大した側面図である。
図10】同上プロペラシャフトの空転を止める工具のカップリングとプロペラシャフトの断面図である。
図11】同上プロペラシャフトの空転を止める工具の船舶用のプロペラシャフトとエンジンの側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係るプロペラシャフトの空転を止める工具1について説明する。
【0025】
図1は、本発明に係るプロペラシャフトの空転を止める工具1について説明する。その前に、船舶用のプロペラシャフトについて図11に基づいて説明する。図11は、プロペラシャフト2を船舶用に用いたものであり、エンジン3と上記プロペラシャフト2とを、ギアボックス4を介して接続している。上記ギアボックス4を上記プロペラシャフト2に接続するのは、カップリング5,6である。上記カップリング5は上記ギアボックス4に直接つながれている。
【0026】
上記カップリング5は、フランジ5aと本体5bにより構成されており、上記カップリング6は、フランジ6aと本体6bにより構成されている。上記フランジ5aと上記フランジ6aが複数のボルト(例えば8個)により接続されている。尚、上記プロペラシャフト2は、後端に、船体9から出たところに、プロペラ8が接続されている。Gは船体の床面である。
【0027】
上記カップリング6及びプロペラシャフト2は、以下のように構成されている(図10参照)。図10において、図面に向かって右側が「後側」、「後」、左側が「前側」、「前」、図面に向かって前後方向を「左右方向」、「左右」と定義する。上記本体6bはテーパ加工された軸穴6c(円形)が中央に開口されており(後側6fの径が大きく、前側6f’の径が小さく)、その先端に円形の深い開口部6dが開口されており、上記フランジ6aには、さらに直径の広い円形の浅い開口部6eが形成されている。上記カップリング6は、上記開口部6e、上記開口部6d、テーパ加工された軸穴6cが前後に貫通している。上記軸穴6cと上記開口部6dと上記開口部6eは、何れも中心軸はPである。
【0028】
また、キー10が回り止めに接続されている。上記キー10は直方体形状であり、上記本体6bと別体に形成されている。凸部スリット6g,6gは、上記カップリング6の上記軸穴6cに前後方向に凸設されており(上記凸部スリット6g,6gの左右幅は、上記キー10の左右幅より若干広い)、上記プロペラシャフト2は、凹部スリット6g’が形成されており、上記キー10の前後幅と左右幅は、上記凹部スリット6g’に嵌合しており、下端部10aが上記プロペラシャフト2より出っ張っている。上記キー10が上記凹部スリット6g’に嵌合しており、そのまま上記カップリング6の上記凸部スリット6g,6gに、上記プロペラシャフト2の上記キー10の下端部10aの位置を合わせ、上記カップリング6の上記軸穴6cと上記プロペラシャフト2を、上記キー10の下端部10aが、上記凸部スリット6g,6gの前後方向の中間まで来るまで嵌合(挿入)する(上記プロペラシャフト2と上記カップリング6の上記軸穴6cに例えば金槌で挿入する)。これで、上記プロペラシャフト2と上記カップリング6(上記軸穴6c)は固定される。よって、上記プロペラシャフト2と上記カップリング6は一体として回転する。尚、11,11は複数のボルト穴(例えば8個)である。
【0029】
また、上記プロペラシャフト2の先端部2a’は、テーパ加工された軸穴6cと同一(若干小さい)のテーパ加工されたテーパ部2a(後側2dの径が大きく、前側2d’の径が小さく)と、上記テーパ部2aの先端に雄螺子加工された雄螺子2bが設けられている(上記プロペラシャフト2(上記テーパ部2aと、上記雄螺子2b)の中心は、上記中心軸Pである)。また、雄螺子加工された上記雄螺子2bは、上記開口部6dの中心(中心軸P)に位置している。そこに、六角ナット12(雌螺子)が、上記雄螺子2bに螺子込まれている。上記六角ナット12を締め付けると、上記六角ナット12の周縁部12aが、上記開口部6dの段部6d’に当接し、しかも上記プロペラシャフト2の上記テーパ部2aがテーパ加工された軸穴6cと嵌合するので、上記六角ナット12を締め付けると、上記カップリング6と上記プロペラシャフト2が回転(空転)する。
【0030】
上記カップリング6と上記プロペラシャフト2は、上記六角ナット12を締め付けると(緩める際も同様である)、同時に回転(空転)する。緩める際も同様である。本発明は、上記六角ナット12を締め付け、又は、緩める際に、プロペラシャフト2(カップリング6)の空転を止める工具1の発明である。
【0031】
図1に戻って、プロペラシャフトの空転を止める工具1について説明する。図1(a)(b)、図3図4に向かって、左方向が「左側」、「左」、右方向が「右側」、「右」、図1(a)、図3の上方向を「後側」、「後」、下方向を「前側」、「前」、図2(a)の左方向を「後側」、「後」、図2(a)の右方向を「前側」、「前」、図2(b)の左方向を「前側」、「前」、図2(b)の右方向を「後側」、「後」と定義する。図5図7の斜視図では、手前方向を「前側」、「前」、後方向を「後側」、「後」、左方向を「左側」、「左」、右方向を「右側」、「右」と定義する。図6の斜視図では、手前方向を「後側」、「後」、後方向を「前側」、「前」、左方向を「右側」、「右」、右方向を「左側」、「左」と定義する。図9の左方向を「前側」、「前」、右方向を「後側」、「後」と定義する。
【0032】
図1(a)は平面図、図1(b)は側面図、図2(a)は正面図、図2(b)は背面図である。1aは床面Gに設置する一定幅の直線的な基部であり(上記基部1aは金属製)、上記基部1aは第1先端部1dに前後方向に第1貫通穴19が貫通形成されている(図1(b)、図2(a)参照)。上記基部1aの中間部の上面1a’は、左側が半円形部1b’の盛上部1bに、上記半円形部1b’の第3貫通穴13aが前後方向に開口されている(図1(a)、図3参照)。上記盛上部1bには、「コ」字状のアングル14が被覆されており(図2(a)(b)参照)、前サイド部14aと後サイド部14aの両右側には、半円形の半円形部14b,14bが形成されている。上記アングル14は金属製である(図1(a)(b)、図2(b)参照)。
【0033】
上記半円形部14b,14bには、上記第3貫通穴13aの位置に、上記前サイド部14aの上記半円形部14bに、第4貫通穴15aが、上記第3貫通孔13aの位置に、上記後サイド部14aの上記半円形部14bに、第4貫通穴15aが、前後方向に開口されている(図1(a)、図3参照)。上端部1cは上記中間(上記中間部)から、上記第1先端部1dと同一位置の第2先端部1eまで、直線的に左右方向に上記基部1aと同様に揃えられている。上記基部1aと上記上端部1cは同一幅であり、上記第1先端部1dと上記第2先端部1eは同一位置である。
【0034】
さらに、「コ」字状の上記アングル14の内側(上記前サイド部14aと上記後サイド部14a)には、上記基部1aの上記中間(上記中間部)から左側に、上記基部1aと同一の一定幅の直線的な上記上端部1cが嵌合形成されており、上記アングル14の上面14cの螺子16,16により、上記上端部1cの上面1c’に螺子込まれており、上記上端部1cと上記アングル14は決して外れない。上記上端部1cは金属製である。
【0035】
上記第3貫通穴13aと上記第4貫通穴15a,15aには、軸支ボルト17が前後方向に挿通されており、上記軸支ボルト17の後端部にはナット17aが螺子込まれており(図1図3参照)、これにより、上記上端部1cは上記アングル14と共に、上記軸支ボルト17を中心軸として、矢印A方向(上方に)に開口される(図4参照)。また、上記上端部1cは上記基部1a方向に、上記軸支ボルト17を軸として、矢印B方向に閉鎖されている。尚、上記上端部1cは上記アングル14と共に、上記軸支ボルト17を中心軸として、上記基部1aに対して、開閉自在に軸支されている(開閉自在に設けられている。矢印A方向、矢印B方向、図4参照)。上記上端部1cの上記第2先端部1eには、第2貫通穴20が前後方向に貫通形成されている(図1(a)、(b)、図2(a)参照)。
【0036】
上記カップリング6の上記フランジ6aには、複数のボルト穴11(例えば8個)が開口されており、上記上端部1cを矢印A方向に開口すると、複数のボルト穴(例えば8個)の中心線r(図5参照)に、上記基部1aの上記第1貫通穴19と、上記上端部1cの上記第2貫通穴20が、上記中心線rに一致する(図5図6参照)。
【0037】
図5図6図9に示すように、上記カップリング6の上記フランジ6aの上記1個のボルト穴11(11a)、上記他の1個のボルト穴11(11b)に、上記第1先端部1d、上記第2先端部1eを上記フランジ6aの後方に載置して、上記基部1aが左右方向に来るように、プロペラシャフトの空転を止める工具1を、上記床面Gに載置する。
【0038】
矢印A方向に上記基部1aから、上記上端部1cを開いたら(上記軸支ボルト17を中心として、上方に開いてから)、上記第2先端部1eの上記第2貫通穴20に第2ボルト21を挿通し、さらに上記第2ボルト21を、上記1個のボルト穴11(11a)に挿通し、上記フランジ6aの上記1個のボルト穴11(11a)の後側から挿通する。尚、上記第2ボルト21の前端部に、前側からナット21aを螺子込む。24,24はワッシャである(図5図9参照)。
【0039】
さらに、図5図6に示すように、上記基部1aの上記第1先端部1dの上記第1貫通穴19に、第1ボルト22を挿通し、上記フランジ6aの上記ボルト穴11の一つ置きに(下方の他の1個のボルト穴11(11b)に)、上記第1ボルト22を上記他の1個のボルト穴11(11b)に後側から挿通する(図6参照)。尚、上記第1ボルト22の前端部に、前側からナット22aを螺子込む(図5参照)。24,24はワッシャである(図6参照)。これにより、上記プロペラシャフト2と上記カップリング6の空転を止める工具1が完成した。プロペラシャフトの空転を止める工具1について作用を説明する。
【0040】
図5図6図9に示すように、上記カップリング6の上記フランジ6aの後側に、工具1の上記基部1aを上記床面Gに左右方向に設置し、上記上端部1cを矢印A方向に開いて、上記カップリング6の上記フランジ6aのボルト穴11の一つ置きに、上記1個のボルト穴11(11a)の後方から、上記上端部1cの上記第2先端部1eの上記第2貫通穴20を合わせ、上記ワッシャ24,24を介して、上記第2ボルト21を後方から上記第2貫通穴20、上記1個のボルト穴11(11a)に挿通する。尚、上記第2ボルト21の前端部に、前側から上記ナット21aを螺子込む。これにより、上記第2ボルト21は固定される(図5参照)。
【0041】
また、図5図6に示すように、上記カップリング6の上記フランジ6aの後側に、上記工具1の上記基部1aを上記床面Gに左右方向に設置し、上記他の1個のボルト穴11(11b)の後方から、上記基部1aの上記第1先端部1dの上記第1貫通穴19を合わせ、上記ワッシャ24,24を介して、上記第1ボルト22を、上記他の1個のボルト穴11(11b)を後方から上記第1貫通穴19、上記他の1個のボルト穴11(11b)に挿通する。尚、上記第1ボルト22の前端部に、前側から上記ナット22aを螺子込む(図5参照)。これにより、上記第1ボルト22は固定される。
【0042】
そうすると、上記プロペラシャフト2と上記カップリング6は、上記キー10を介して一体的に回転するので、上記工具1が上記カップリング6は、上記フランジ6aの2か所の上記1個のボルト穴11(11a)、上記他の1個のボルト穴11(11b)に、上記第2ボルト21、上記第1ボルト22にて固定されているので、上記カップリング6と上記プロペラシャフト2は回転(空転)しない。
【0043】
そして、図7図8に示すように、上記六角レンチ23の上記六角先端部23aを、上記六角ナット12に挿入嵌合し、上記六角レンチ23を矢印C方向に回転する。そうすると、上記プロペラシャフト2と上記カップリング6は、上記工具1にて固定されているので、上記六角レンチ23を矢印C方向に回転しても、上記プロペラシャフト2と上記カップリング6は回転(空転)しない。
【0044】
上記六角ナット12の緩める際も同様である。また、図7図8に示すように、上記六角レンチ23の上記六角先端部23aを、上記六角ナット12に挿入嵌合し、上記六角レンチ23を矢印D方向に回転する。そうすると、上記プロペラシャフト2と上記カップリング6は、上記工具1にて固定されているので、上記六角レンチ23を矢印D方向(緩める方向)に回転しても、上記プロペラシャフト2と上記カップリング6は回転(空転)しない。
【0045】
図11に示すとおり、船舶用において、プロペラシャフトの空転を止める工具1の上記基部1aを上記床面Gに載置して(多少傾くが)、上記上端部1cを、上記第2先端部1eを上方に開いて(矢印A方向、図4参照)、上記フランジ6aの後側の、上記1個のボルト穴11(11a)に、上記第2貫通穴20を合わせて、上記第2貫通穴20と上記1個のボルト穴11(11a)に、上記第2ボルト21を挿通する(図5参照)。その後、上記第2ボルト21の前端部に上記ナット21aを螺子込む。
【0046】
また、プロペラシャフトの空転を止める工具1の上記基部1aの上記第1先端部1dの上記第1貫通穴19を、上記ボルト穴11の一つ置きに、上記フランジ6の上記他の1個のボルト穴11(11b)に、上記第1貫通穴19を合わせて、上記第1貫通穴19と上記他の1個のボルト穴11(11b)に、上記第1ボルト22を挿通する(図6参照)。その後、上記第1ボルト22の前端部に上記ナット22aを螺子込む(図5参照)。これにより、上記工具1により、上記プロペラシャフト2と上記カップリング6は固定されることになる。
【0047】
そこで、上記六角レンチ23の上記六角先端部23aを、上記六角ナット12に挿入嵌合し、上記六角レンチ23を矢印C方向に回転する(上記六角レンチ23を金槌にて矢印C方向に回転する)(図7参照)。そうすると、上記プロペラシャフト2と上記カップリング6は、上記工具1にて固定されているので(上記底面Gにて工具1は固定されているので)、上記六角レンチ23を矢印C方向に回転しても、上記プロペラシャフト2と上記カップリング6は回転(空転)しない。
【0048】
また、上記六角ナット12を緩める際も同様である。上記六角レンチ23の上記六角先端部23aを、上記六角ナット12に挿入嵌合し、上記六角レンチ23を矢印D方向(緩める方向)に回転する(上記六角レンチ23を金槌にて矢印D方向に回転する)。そうすると、上記プロペラシャフト2と上記カップリング6は、上記工具1にて固定されているので(上記底面Gにて工具1は固定されているので)、上記六角レンチ23を矢印D方向(緩める方向)に回転しても、上記プロペラシャフト2と上記カップリング6は回転(空転)しない(図7参照)。
【0049】
上記ナット22a,21aを、上記第1ボルト22、上記第2ボルト21の上記前端部に挿入する際も、上記第1ボルト22と上記第2ボルト21が上記フランジ6aに固定されるので、便宜である。
【0050】
上記実施形態では、上記カップリング6の上記フランジ6aの後方に、プロペラシャフトの空転を止める工具1を、左右方向に載置したが(図5参照)、上記フランジ6aの前方に、プロペラシャフトの空転を止める工具1を、左右方向に載置しても良い。
【0051】
上記実施形態では、上記カップリング6の上記フランジ6aの後方から上記1個のボルト穴11(11a)と上記他の1個のボルト穴11(11b)に、上記第2ボルト21と上記第1ボルト22を挿通したが(図5参照)、上記フランジ6aの前方から上記1個のボルト穴11(11a)と上記第2貫通穴20、上記他の1個のボルト穴11(11b)と上記第1貫通穴19に、上記第2ボルト21と上記第1ボルト22を挿通しても良い。当然、上記第2ボルト21と上記第1ボルト22の上記両ナット21a,22aは、上記フランジ6aの上記第2ボルト21と上記第1ボルト22の後端部から螺子込んでも良い。
【0052】
上記実施形態では、上記軸支ボルト17の後端部に上記ナット17aが螺子込まれている場合を説明したが、上記軸支ボルト17の後側から第4貫通穴15a、第3貫通穴13a、第4貫通穴15aに挿通され、上記軸支ボルト17の前端部に上記ナット17aを螺子込まれても良い(図1(a)(b)参照)。
【0053】
上記実施形態では、上記カップリング6の上記フランジ6aの後方にプロペラシャフトの空転を止める工具1を、左右方向に設置した場合、上記フランジ6aのボルト穴11に、前方から第1ボルト22と第2ボルト21を、上記1個のボルト穴11(11a)と上記第2貫通穴20、上記他の1個のボルト穴11(11b)と上記第1貫通穴19に挿入しても良い。当然、上記第2ボルト22と上記第1ボルト21の上記両ナット22a,21aは、後端部から螺子込んでも良い。
【0054】
また、上記第1ボルト22は、上記第1貫通穴19と上記他の1個のボルト穴11(11b)の後端部又は前端部に上記ナット22aを螺子込み、上記第2ボルト21は、上記第2貫通穴20と上記1個のボルト穴11(11a)の後端部又は前端部に上記ナット21aを螺子込んだが、上記ナット21a,22aを螺子込まなくても良い。即ち、上記第1ボルト22は上記第1貫通穴19と上記他の1個のボルト穴11(11b)に挿入するだけでも良いし、上記第2ボルト21は上記第2貫通穴20と上記1個のボルト穴11(11a)に挿入するだけでも良く、上記第1ボルト22と上記第2ボルト21は固定しなくても良い。これにより、上記基部1aは上記床面Gに左右方向に設置されているので、上記第1ボルト22を、上記第1貫通穴19と上記他の1個のボルト穴11(11b)に挿入するだけで、上記第2ボルト21を、上記第2貫通穴20と上記1個のボルト穴11(11a)に挿入するだけで、上記基部1aは上記床面Gに設置されているので、プロペラシャフトの空転を止める工具1にて固定されているので、上記カップリング6と上記プロペラシャフト2は空転を防止することができる。
【0055】
以上のように、本発明によれば、プロペラシャフトの空転を止める工具1により、上記基部1aを上記床面Gに設置された状態で、上記上端部1cを、上記基部1aから、上方に開いてから(矢印A方向、図4参照)、上記上端部1cが上記第2先端部1eに上記第2貫通穴20を、上記カップリング6の上記フランジ6aの1個のボルト穴11(11a)に、第2貫通穴20を合わせ、上記第2ボルト21を、上記第2貫通穴20と上記1個のボルト穴11(11a)に挿通し、上記基部1aの上記第1先端部1dの第1貫通穴19に他の1個のボルト穴11(11b)に、上記第1貫通穴19を合わせ、第1ボルト22を上記第1貫通穴19と上記他の1個のボルト穴11(11b)に挿通し、これにより上記カップリング6と上記プロペラシャフト2を固定する。また、上記基部1aが上記床面Gに設置する。その後、上記六角ナット12が上記雄螺子2bに螺子込まれ、上記六角レンチ23の上記六角先端部23aを上記六角ナット12に嵌合し、矢印方向に回転し、上記六角ナット12を締め付ける、又は、上記六角ナット12を緩める。これにより、プロペラシャフトの空転を止める工具1により、上記カップリング6と上記プロペラシャフト2がしっかりと固定される。プロペラシャフトの空転を止める工具1により、上記基部1aを床面Gに設置し、手に持つことを防止することができた。
【0056】
上記1個のボルト穴11(11a)と上記他の1個のボルト穴11(11b)に、上記第1ボルト22と上記第2ボルト21の各前端部又は各後端部に上記各ナット22a,21aを螺子込まれたものであり、上記第1ボルト22と上記第2ボルト21が、上記上端部1cと上記基部1aに、固定されるので、プロペラシャフトの空転を止める工具1により、上記カップリング6と上記プロペラシャフト2の回転(空転)を止めることができる。
【0057】
上記カップリング6の上記軸穴6cはテーパ加工されており、上記プロペラシャフト2の上記先端部2a’はテーパ加工されており(テーパ部2a)、上記軸穴6cと上記プロペラシャフト2の上記テーパ部2aは、嵌合するように構成されたものであり、これにより、プロペラシャフトの空転を止める工具1により、上記軸穴6c(上記カップリング6)と上記テーパ部2a(上記プロペラシャフト2)はしっかりと固定される。
【0058】
また、上記軸支ボルト17が軸支され、上記アングル14と上記上端部1cが上記軸支ボルト17により軸支され、上記基部1aに対して、上記アングル14と上記上端部1cが、開閉自在に構成されたものである。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明に係るプロペラシャフトの空転を止める工具によれば、プロペラシャフトとカップロングの空転を止めることができ、産業上の利用価値の高いものである。
【符号の説明】
【0060】
1 プロペラシャフトの空転を止める工具
1a 基部
1a’ 上面
1b 盛上部
1c 上端部
1c’ 上面
1d 第1先端部
1e 第2先端部
2 プロペラシャフト
2a テーパ部
2a’ 先端部
2b 雄螺子
2d 後側
2d’ 前側
6 カップリング
6a フランジ
6c 軸穴
6f 後側
6f’ 前側
10 キー
11(11a,11b) ボルト穴
12 六角ナット
13a 第3貫通穴
14 アングル
14a 前サイド部、後サイド部
14b 半円形部
15a 第4貫通穴
16 螺子
17 軸支ボルト
17a ナット
19 第1貫通穴
20 第2貫通穴
21 第2ボルト
21a ナット
22 第1ボルト
22a ナット
G 床面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11