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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078525
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】作業機
(51)【国際特許分類】
   F04B 27/02 20060101AFI20240604BHJP
   F04B 41/02 20060101ALI20240604BHJP
   F04B 39/00 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
F04B27/02 G
F04B41/02 A
F04B39/00 106Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022190947
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005094
【氏名又は名称】工機ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】海老沢 なつ美
(72)【発明者】
【氏名】野田 貴史
(72)【発明者】
【氏名】横田 伴義
(72)【発明者】
【氏名】圷 康輔
【テーマコード(参考)】
3H003
3H076
【Fターム(参考)】
3H003AA02
3H003AB07
3H003AC02
3H003BE01
3H003CD03
3H003CF01
3H076AA03
3H076BB04
3H076BB38
3H076CC28
(57)【要約】
【課題】作業機の利便性を向上させる。
【解決手段】一実施形態に係る空気圧縮機AC1は、モータ21,モータ21によって駆動されて圧縮空気を生成する圧縮機構およびモータ21によって駆動されて冷却風を生成するファン24を備える圧縮部20と、モータ21に電力を供給する第1の給電路が設けられた第1基板を含む第1コントローラ30Aおよびモータ21に電力を供給する第2の給電路が設けられた第2基板を含む第2コントローラ30Bと、を有する。そして、圧縮部20は、第1コントローラ30Aと第2コントローラ30Bとに挟まれるように配置されている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータと、前記モータによって駆動され、圧縮空気を生成する圧縮機構と、前記モータによって駆動され、冷却風を生成するファンと、を備える圧縮部と、
それぞれに前記モータに電力を供給する給電路が設けられた第1基板および第2基板と、を有し、
前記圧縮部は、前記第1基板と前記第2基板とに挟まれるように配置されている、
作業機。
【請求項2】
前記第1基板および前記第2基板のそれぞれの主面は、前記圧縮部に臨んでいる、
請求項1に記載の作業機。
【請求項3】
前記ファンは、前記モータの駆動軸の上に設けられた軸流ファンであり、
前記第1基板および前記第2基板のそれぞれは、前記駆動軸に沿って延びている、
請求項1に記載の作業機。
【請求項4】
前記第1基板と前記第2基板とは、前記駆動軸を挟むように配置されている、
請求項3に記載の作業機。
【請求項5】
前記給電路には、直流電源と前記モータとを接続する第1の給電路と、交流電源と前記モータとを接続する第2の給電路と、が含まれ、
前記第1の給電路は、前記第1基板に設けられ、
前記第2の給電路は、前記第2基板に設けられている、
請求項1に記載の作業機。
【請求項6】
底壁と、前記底壁の周縁に設けられた側壁と、前記側壁によって囲まれ、前記底壁と対向する開口面と、を備える第1基板ケースと、
前記第1基板の一面に実装され、動作時に熱を発する複数の素子と、を有し、
前記第1基板ケースは、前記開口面が前記圧縮部に臨むように配置され、
前記第1基板は、前記一面と反対側の他の一面が前記第1基板ケースの前記底壁と対向するように、前記第1基板ケースに収容され、
前記第1基板に実装されている前記複数の素子は、前記第1基板ケースの前記側壁の内面に沿って配置されている、
請求項1に記載の作業機。
【請求項7】
底壁と、前記底壁の周縁に設けられた側壁と、前記側壁によって囲まれ、前記底壁と対向する開口面と、を備える第2基板ケースと、
前記第2基板の一面に実装され、動作時に熱を発する複数の素子と、を有し、
前記第2基板ケースは、前記底壁が前記圧縮部に臨むように配置され、
前記第2基板は、前記一面が前記第2基板ケースの前記底壁と対向するように、前記第2基板ケースの内部に収容され、
前記第2基板に実装されている前記複数の素子は、前記第2基板ケースの前記底壁の内面と対向している、
請求項1に記載の作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体を圧縮して貯留する作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
空気などの気体を圧縮して貯留する作業機が知られている。そのような作業機の一例である空気圧縮機が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載されている空気圧縮機は、圧縮空気を生成する圧縮ユニット,圧縮空気を貯留するエアタンク,圧縮ユニットの駆動源(電動モータ)を制御する制御部が設けられた制御基板などを備えており、これらはカバーによって覆われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-95845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
作業機の制御部を構成する全て要素を搭載可能な基板には、相応の形状や大きさが求められる。特に、モータへの給電路が設けられる基板は、操作パネルのような比較的発熱量の少ない部品しか実装されない基板と比較して冷却の必要性が高まる。このため、基板の放熱性を高めるために基板自体を大きくしたり、基板の周囲に冷却風を通過させるための空間を確保したりする必要がある。すると、基板の形状や大きさに起因して作業機の外郭を形成するカバーの形状が制約を受けたり、大型化したりする等して、作業機の利便性が低下する虞がある。
【0005】
本発明の目的は、利便性の高い作業機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係る作業機は、モータ,前記モータによって駆動され、圧縮空気を生成する圧縮機構,前記モータによって駆動され、冷却風を生成するファンを備える圧縮部と、それぞれに前記モータに電力を供給する給電路が設けられた第1基板および第2基板と、を有する。そして、前記圧縮部は、前記第1基板と前記第2基板とに挟まれるように配置される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、利便性の高い作業機が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係る空気圧縮機の斜視図である。
図2図1に示される空気圧縮機の背面図である。
図3図1に示される空気圧縮機の右側面図である。
図4図1に示される空気圧縮機の横断面図である。
図5図1に示される空気圧縮機の縦断面図である。
図6図1に示される空気圧縮機が備えるコントローラの回路ブロック図である。
図7A図1に示される空気圧縮機が備える第1コントローラの平面図である。
図7B図7Aに示される第1コントローラの側面図である。
図8A図1に示される空気圧縮機が備える第2コントローラの平面図である。
図8B図8Aに示される第2コントローラの側面図である。
図9】A-A断面内における冷却風の流れを模式的に示す説明図である。
図10】B-B断面内における冷却風の流れを模式的に示す説明図である。
図11】C-C断面内における冷却風の流れを模式的に示す説明図である。
図12】D-D断面内における冷却風の流れを模式的に示す説明図である。
図13】他の一実施形態に係る空気圧縮機の平面図である。
図14図13に示される空気圧縮機の側面図である。
図15】他の一実施形態に係る空気圧縮機の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明の実施形態を説明するために参照する全ての図面において、同一又は実質的に同一の構成や要素には同一の符号を用いる。また、一度説明した構成や要素については、原則として繰り返しの説明は行わない。
【0010】
<空気圧縮機の概要>
本実施形態に係る作業機は、空気を圧縮して貯留する可搬型の空気圧縮機である。図1は、本実施形態に係る空気圧縮機AC1の斜視図である。図2は空気圧縮機AC1の背面図、図3は空気圧縮機AC1の右側面図である。
【0011】
空気圧縮機AC1の用途は特に限定されない。空気圧縮機AC1は、例えば、工事現場や建築現場に持ち込まれ、圧縮空気の供給源として使用される。より特定的には、空気圧縮機AC1は、釘打機など空気工具に圧縮空気を供給する供給源として使用される。
【0012】
空気圧縮機AC1の左右両側にはハンドル2が設けられている。使用者は、ハンドル2を把持して空気圧縮機AC1を運搬することができる。例えば、使用者は、設置面Gに置かれている空気圧縮機AC1を持ち上げて、他の場所に移動させることができる。
【0013】
空気圧縮機AC1の四隅には第1空気タンク11,第2空気タンク12,第3空気タンク13及び第4空気タンク14が配置されている。隣接する空気タンクの間の隙間は、カバーやパネル等によって適宜塞がれている。この結果、空気圧縮機AC1は、全体として略直方体形の外観を呈している。
【0014】
第1空気タンク11,第2空気タンク12,第3空気タンク13及び第4空気タンク14は、空気圧縮機AC1が設置面Gに置かれると、設置面Gに対して起立する。別の見方をすれば、空気圧縮機AC1が設置面Gに置かれると、空気タンクの長手方向が設置面Gと直交する。つまり、空気圧縮機AC1は、縦置きの空気タンクを備えている。この結果、空気圧縮機AC1は、横置きの空気タンクを備えている他の空気圧縮機と比べて、より狭いスペースに置くことができる。
【0015】
第1空気タンク11,第2空気タンク12,第3空気タンク13及び第4空気タンク14の上端には、上側フレーム部材3が取り付けられている。一方、第1空気タンク11,第2空気タンク12,第3空気タンク13及び第4空気タンク14の下端には、下側フレーム部材4が取り付けられている。
【0016】
上側フレーム部材3及び下側フレーム部材4は、ポリプロピレン樹脂(PP樹脂)によって形成されている。上側フレーム部材3は、第1空気タンク11,第2空気タンク12,第3空気タンク13及び第4空気タンク14にそれぞれ設けられている金属製の第1ブラケットに、ねじによって固定されている。なお、上側フレーム部材3及び下側フレーム部材4は、軽量化を目的としてPP樹脂によって形成されているが、強度をより向上させたい場合にはアルミニウム等の金属によって形成してもよい。
【0017】
下側フレーム部材4は、第1空気タンク11,第2空気タンク12,第3空気タンク13及び第4空気タンク14にそれぞれ設けられている金属製の第2ブラケットに、ねじによって固定されている。
【0018】
別の見方をすると、第1空気タンク11,第2空気タンク12,第3空気タンク13及び第4空気タンク14の上部は、共通の上側フレーム部材3に固定されている。また、第1空気タンク11,第2空気タンク12,第3空気タンク13及び第4空気タンク14の下部は、共通の下側フレーム部材4に固定されている。
【0019】
なお、第1空気タンク11と第2空気タンク12とは、金属製の補強部材(前側補強部材)によって互いに連結されている。前側補強部材の一端は、第1空気タンク11の長手方向中央または略中央に固定され、前側補強部材の他端は、第2空気タンク12の長手方向中央または略中央に固定されている。同様に、第3空気タンク13と第4空気タンク14とは、金属製の補強部材(後側補強部材)によって互いに連結されている。後側補強部材の一端は、第3空気タンク13の長手方向中央または略中央に固定され、後側補強部材の他端は、第4空気タンク14の長手方向中央または略中央に固定されている。
【0020】
図1に示されるように、空気圧縮機AC1の正面には4つのカプラ5が設けられている。これらカプラ5に、圧縮空気を動力として作動する釘打機などの空気工具(エアーツール)が接続される。なお、2つのカプラ5は“高圧用”であり、他の2つのカプラ5は“低圧用”である。例えば、高圧用の2つのカプラ5には、2.5MPa程度の圧縮空気で作動する空気工具が接続され、低圧用の他の2つのカプラ5には、0.8MPa程度の圧縮空気で作動する空気工具が接続される。
【0021】
カプラ5の上方に、ダイヤル式の調圧弁6が設けられている。調圧弁6を操作することにより、カプラ5から出力される圧縮空気の圧力を調節することができる。これにより、カプラ5に接続された空気工具に、その仕様に合致した適正な圧力の圧縮空気を供給することができる。
【0022】
カプラ5の下方に、2つの空圧機器接続部7が設けられている。これら空圧機器接続部7には、他の空気圧縮機を接続することができる。例えば、それぞれの空圧機器接続部7に空気圧縮機AC1と同一の空気圧縮機を接続すれば、圧縮空気の供給能力を3倍に増やすことができる。また、空圧機器接続部7が2つ設けられると、3つ以上の空気圧縮機を数珠つなぎに接続することができる。このため、空圧機器接続部7が1つしか設けられない構造と比べ、接続可能な空気圧縮機の数を増やすことができる。この結果、圧縮空気を長時間に亘って安定して供給することができる。
【0023】
調圧弁6の上方に、操作パネル8が設けられている。操作パネル8は、空気圧縮機AC1の運転状態を切り替える操作手段として機能する。また、操作パネル8は、空気圧縮機AC1の運転状態,空気タンクの内圧などの各種情報を表示する表示手段としても機能する。
【0024】
<圧縮部>
図4は、空気圧縮機AC1の横断面図である。空気圧縮機AC1は、周囲の空気を取り込み、取り込んだ空気を圧縮する圧縮部20を備えている。
【0025】
圧縮部20において圧縮された空気(圧縮空気)は、圧縮部20から流出して第1空気タンク11,第2空気タンク12,第3空気タンク13及び第4空気タンク14に流入する。別の見方をすると、第1空気タンク11,第2空気タンク12,第3空気タンク13及び第4空気タンク14は、圧縮部20で生成された圧縮空気を貯留する。
【0026】
圧縮部20は、空気圧縮機AC1の四隅に配置されている第1空気タンク11,第2空気タンク12,第3空気タンク13及び第4空気タンク14の内側に配置され、これら4本の空気タンク11,12,13,14に囲まれている。
【0027】
圧縮部20は、モータ21と、2つの圧縮機構22,23と、ファン24と、を備えている。圧縮部20は、2つの圧縮機構22,23によって、空気を2段階で圧縮する。より特定的には、圧縮部20は、周囲から取り込んだ空気を圧縮機構22で圧縮し、圧縮機構22によって圧縮された空気を圧縮機構23によってさらに圧縮する。
【0028】
つまり、圧縮機構22は低圧用の第1の圧縮機構であり、圧縮機構23は高圧用の第2の圧縮機構である。そこで、以下の説明では、圧縮機構22を“第1圧縮機構22”と呼び、圧縮機構23を“第2圧縮機構23”と呼ぶ場合がある。第1圧縮機構22と第2圧縮機構23とは、互いに対向するように配置されている。
【0029】
図5は、空気圧縮機AC1の縦断面図である。図5に示されるように、モータ21は、扁平なブラシレスモータであって、駆動軸25を備えている。図4に示されるように、駆動軸25には、第1圧縮機構22が備えるピストン22a及び第2圧縮機構23が備えるピストン23aが連結されている。
【0030】
モータ21に電力が供給され、駆動軸25が回転すると、第1圧縮機構22が備えるピストン22a及び第2圧縮機構23が備えるピストン23aがシリンダ内で往復動し、シリンダ内の空気が圧縮される。つまり、第1圧縮機構22及び第2圧縮機構23は、モータ21によって駆動されて圧縮空気を生成する。
【0031】
第1圧縮機構22及び第2圧縮機構23によって生成された圧縮空気は、図4に示されている第2空気タンク12に流入し、その後、第1空気タンク11,第3空気タンク13,第4空気タンク14の順でこれら空気タンクに流入する。
【0032】
第1空気タンク11,第2空気タンク12,第3空気タンク13及び第4空気タンク14は、互いに連通している。よって、第1空気タンク11,第2空気タンク12,第3空気タンク13及び第4空気タンク14の内圧は同圧に保持される。このようにして、第1空気タンク11,第2空気タンク12,第3空気タンク13及び第4空気タンク14に、同じ圧力の圧縮空気が貯留される。
【0033】
なお、第2圧縮機構23と第2空気タンク12とは、アルミニウム製の配管によって接続されている。また、第1空気タンク11と調圧弁6とは、アルミニウム製の配管によって接続されている。さらに、第1空気タンク11,第2空気タンク12,第3空気タンク13及び第4空気タンク14は、アルミニウム製の配管によって互いに接続されている。なお、これらの配管を可撓性を有する樹脂製としてもよく、この場合、振動や衝撃などによる第1空気タンク11,第2空気タンク12,第3空気タンク13,第4空気タンク14の相対移動が許容される。この結果、配管や接続部の変形や破損が防止される。
【0034】
図4図5に示されるように、圧縮部20が備えるファン24は、モータ21の駆動軸25の上に設けられた軸流ファンである。ファン24は、モータ21に電力が供給され、駆動軸25が回転すると、駆動軸25と一体的に回転する。
【0035】
ファン24が回転すると、空気圧縮機AC1の背面に設けられている吸気口15(図2)から空気圧縮機AC1の内部(内側)に空気が吸い込まれる。空気圧縮機AC1の内部に吸い込まれた空気は、空気圧縮機AC1の各部から熱を奪った後、空気圧縮機AC1の外部に排出される。つまり、ファン24は、モータ21によって駆動されて冷却風を生成する。
【0036】
冷却風は、空気圧縮機AC1の両側面に設けられている排気口16(図3)から空気圧縮機AC1の外に流出する。なお、図示されていない空気圧縮機AC1の左側面にも、図3に示されている排気口16と同様の排気口16が設けられている。
【0037】
もっとも、冷却風の全てが排気口16から流出するわけではない。既述のとおり、隣接する空気タンクの間の隙間は、カバーやパネル等によって塞がれている。しかし、カバーやパネルは、隙間を気密に塞いでいるわけではない。よって、冷却風は、空気タンクとカバーとの間の隙間や、隣接するカバー同士の間の隙間などからも流出する。冷却風の流れについては、後に改めて説明する。
【0038】
<コントローラ>
図6は、空気圧縮機AC1のコントローラ30の構成を示す回路ブロック図である。コントローラ30は、交流電源と直流電源との一方または双方に接続され、モータ21に電力を供給する。より特定的には、コントローラ30は、電源プラグを介して交流電源31と接続され、モータ21に電力を供給する。また、コントローラ30は、空気圧縮機AC1に装着されたバッテリパック32と接続され、モータ21に電力を供給する。別の見方をすると、モータ21は、交流電源と直流電源との一方または双方から電力の供給を受けることができる。
【0039】
なお、図1図3には、空気圧縮機AC1の右側に装着されているバッテリパック32が示されているが、空気圧縮機AC1の左側にも同様のバッテリパックを装着することができる。
【0040】
再び図6を参照する。コントローラ30は、バッテリパック32とモータ21とを接続する第1の給電路が設けられた第1基板40を含む第1コントローラ30Aと、交流電源31とモータ21とを接続する第2の給電路が設けられた第2基板50を含む第2コントローラ30Bと、から構成される。
【0041】
別の見方をすると、空気圧縮機AC1では、モータ21に電力を供給するための給電路が複数の基板に分散されている。さらに別の見方をすると、空気圧縮機AC1では、モータ21に電力を供給するための給電路が複数のコントローラに分散されている。したがって、第1基板40や第2基板50は、モータ21に電力を供給したり、モータ21を制御したりするために必要な要素の全てを搭載可能な1枚の基板に比べて小さく、形状や配置に関する制約も少なく、発熱する部品を冷却効率の高い場所に配置してより効果的に冷却することができる。
【0042】
言い換えると、第1コントローラ30Aや第2コントローラ30Bは、モータ21に電力を供給したり、モータ21を制御したりするために必要な要素の全てを備える1つのコントローラに比べて小さく、形状や配置に関する制約も少なく、発熱部品を効果的に冷却することができる。
【0043】
<第2基板>
第2基板50上には、整流部51,主昇圧電源部52,インバータ部53等が設けられており、これらによって第2の給電路が形成されている。第2の給電路を形成している整流部51等は、第2基板50に実装されている複数の素子によって構成されている。第2基板50に実装されている素子については、後に改めて説明する。
【0044】
第2基板50上に設けられている主制御部54は、モータ21の目標回転数を設定し、設定された目標回転数でモータ21が回転するように、モータ21への電力供給を制御する。また、主制御部54は、予め用意されている複数の制御モードのいずれかでモータ21を制御する。制御モードは、各種の条件に基づいて自動で切り替えられる場合もあれば、使用者の操作に基づいて手動で切り替えられる場合もある。
【0045】
主制御部54は、例えば、“通常モード”と“パワーモード”とのいずれか一方の制御モードでモータ21を制御する。パワーモードでモータ21を制御する主制御部54は、モータ21の目標回転数を通常モードでモータ21を制御するときよりも大きく(高く)設定することが許される。つまり、パワーモードにおいて設定可能な目標回転数の上限値は、通常モードにおいて設定可能な目標回転数の上限値よりも大きい(高い)。例えば、パワーモードにおいて設定可能な目標回転数の上限値は3500rpmであり、通常モードにおいて設定可能な目標回転数の上限値は2200rpmである。
【0046】
主昇圧電源部52は、DC-DCコンバータ等の昇圧回路を含んでおり、主昇圧電源部52で昇圧された直流電力がインバータ部53を介してモータ21に供給される。
【0047】
<第1基板>
第1基板40には、アシスト電源部41,42が設けられており、これらによって第1の給電路が形成されている。第1の給電路を形成しているアシスト電源部41,42は、第1基板40に実装されている複数の素子によって構成されている。第1基板40に実装されている素子については、後に改めて説明する。
【0048】
アシスト電源部41,42は、バッテリパック32から供給される電力を使ってモータ21を駆動するための回路である。アシスト電源部41,42は、昇圧回路としての昇圧用DC-DCコンバータを含んでおり、両者は同一または実質的に同一の構成を有する。
【0049】
具体的には、アシスト電源部41は、アシスト電源駆動回路A及びアシスト電源部トランスAを備えている。同様に、アシスト電源部42は、アシスト電源駆動回路B及びアシスト電源部トランスBを備えている。それぞれのトランスの入力側には、電流制御部43が設けられており、それぞれのトランスの出力側には整流部44が設けられている。
【0050】
アシスト電源部41,42のそれぞれの整流部44の出力側は、相互に並列接続されている。アシスト電源部41,42は、それぞれの出力電圧値が等しくなるように、副制御部45によって制御される。
【0051】
なお、アシスト電源部41,42の出力電圧を検出するために、アシスト電圧検出部が設けられている。また、アシスト電源部41,42の出力電圧を制御するために、アシスト電圧制御部が設けられている。
【0052】
並列接続されているアシスト電源部41,42の直流出力電力は、第2基板50上のインバータ部53に供給される(主昇圧電源部52の直流出力電力に加算される)。より特定的には、主昇圧電源部52の出力端子に、ダイオードを介して、アシスト電源部41,42の出力端子が並列接続されている。つまり、主昇圧電源部52及びアシスト電源部41,42は、モータ21に並列接続されている。
【0053】
第1基板40上には、アシスト電源部41,42に加えて、整流部47,48や電流制御部49等を備える充電部46が設けられている。充電部46は、交流電源31から供給される電力を使ってバッテリパック32を充電するための回路である。
【0054】
以上のように、第1基板40には、直流電源(バッテリパック32)から供給される電力を昇圧してモータ21へ供給する第1の給電路が設けられており、この第1の給電路は、第2基板50に設けられている第2の給電路と電気的に接続されている。一方、第2基板50には、交流電源31から供給される電力を昇圧してモータ21へ供給する第2の給電路が設けられており、この第2の給電路は、第1基板40に設けられている第1の給電路と電気的に接続されている。
【0055】
なお、主制御部54は、主昇圧電源部52の出力電圧の目標値である第1の目標電圧値と、アシスト電源部41,42の出力電圧の目標値である第2の目標電圧値とを変更することで、モータ21の駆動状態を“単独駆動状態”と“アシスト駆動状態”との間で切り替える。
【0056】
単独駆動状態では、第2の給電路を介してモータ21に電力が供給される。一方、アシスト駆動状態では、第1の給電路および第2の給電路の両方を介してモータ21に電力が供給される。
【0057】
主制御部54は、単独駆動状態のときには、第1の目標電圧値を第2の目標電圧値よりも高く設定する。一方、主制御部54は、アシスト駆動状態のときには、第1の目標電圧値と第2の目標電圧値とを同一または実質的に同一に設定する。
【0058】
本実施形態では、第1の目標電圧値と第2の目標電圧値との差が±5%前後である場合には、両者は実質的に同一であるとみなす。そこで、本実施形態におけるアシスト駆動状態では、第1の目標電圧値が372Vに設定され、第2の目標電圧値が370Vに設定される。
【0059】
<第1コントローラ>
図7Aは、第1コントローラ30Aの平面図である。図7Bは、第1コントローラ30Aの側面図である。既述のとおり、第1コントローラ30Aは、上記のような構成および機能を有し、第1の給電路が設けられている第1基板40を含んでいる。
【0060】
より特定的には、第1コントローラ30Aは、第1基板40と、第1基板40を収容する第1基板ケース60と、から構成されている。別の見方をすると、第1コントローラ30Aは、第1基板40及び第1基板ケース60の組立体である。
【0061】
第1基板40は、長方形または略長方形の平面形状を有する平板状の回路基板(プリント基板)である。第1基板40の一面には、第1の給電路を構成する素子を含む複数の素子が実装されている。
【0062】
より特定的には、第1基板40は、2つの主面40a,40bと、2つの主面40a,40bよりも面積の小さい4つの側面を備えており、第1の給電路を構成する素子は、一方の主面40aに実装されている。以下の説明では、第1基板40の主面40aを“表面40a”と呼び、主面40aと反対側の主面40bを“裏面40b”と呼ぶ場合がある。
【0063】
図6に示されている電流制御部43は、図7Aに示されているトランジスタT1を含んでいる。同様に、整流部44はダイオードD1を、整流部47はダイオードD2を、整流部48はダイオードD3を、電流制御部49はトランジスタT2を、それぞれ含んでいる。第1基板40に実装されている凡そ全ての素子は動作時に熱を発するが、上記素子は特に発熱量が多く、冷却の必要性が高い。
【0064】
第1基板ケース60は、底壁61,側壁62及び開口面63を備える金属製の箱である。底壁61は、第1基板40と略同一の平面形状を有しており、側壁62は、底壁61の周縁に設けられている。より特定的には、側壁62は、底壁61の各辺から底壁61に対して垂直または略垂直に立ち上がっている。開口面63は、側壁62によって囲まれた底壁61と対向する面である。
【0065】
なお、側壁62には、第1基板ケース60を含む第1コントローラ30Aを所定位置に固定するためのねじが挿通される複数の貫通孔64が設けられている。
【0066】
第1基板40は、裏面40bが第1基板ケース60の底壁61と対向するように、第1基板ケース60に収容されている。別の見方をすると、第1基板40は、トランジスタT1,T2やダイオードD1,D2,D3が実装されている表面40aが第1基板ケース60の開口面63と対向するように、第1基板ケース60に収容されている。
【0067】
この結果、第1基板40の表面40aの長辺近傍に、当該長辺に沿って実装されているトランジスタT1,T2やダイオードD1,D2,D3は、第1基板ケース60の側壁62の近傍に、当該側壁62の内面62aに沿って配置されている。
【0068】
<第2コントローラ>
図8Aは、第2コントローラ30Bの平面図である。図8Bは、第2コントローラ30Bの側面図である。既述のとおり、第2コントローラ30Bは、上記のような構成および機能を有し、第2の給電路が設けられている第2基板50を含んでいる。
【0069】
より特定的には、第2コントローラ30Bは、第2基板50と、第2基板50を収容する第2基板ケース70と、から構成されている。別の見方をすると、第2コントローラ30Bは、第2基板50及び第2基板ケース70の組立体である。
【0070】
第2基板50は、長方形または略長方形の平面形状を有する平板状の回路基板(プリント基板)である。第2基板50の一面および当該一面と反対側の他の一面には、第2の給電路を構成する素子を含む複数の素子が実装されている。
【0071】
より特定的には、第2基板50は、2つの主面50a,50bを備えており、それぞれの主面50a,50bに第2の給電路を構成する素子が実装されている。以下の説明では、第2基板50の一方の主面50aを“表面50a”と呼び、主面50aと反対側の他方の主面50bを“裏面50b”と呼ぶ場合がある。
【0072】
図6に示されている整流部51は、図8Bに示されているダイオードD4を含んでいる。同様に、主昇圧電源部52はトランジスタT3及びダイオードD5を含んでおり、インバータ部53はトランジスタT4を含んでいる。
【0073】
第2基板50に実装されている凡そ全ての素子は動作時に熱を発するが、上記素子は特に発熱量が多く、冷却の必要性が高い。
【0074】
第2基板ケース70は、底壁71,側壁72及び開口面73を備える金属製の箱である。底壁71は、第2基板50と略同一の平面形状を有しており、側壁72は、底壁71の周縁に設けられている。より特定的には、側壁72は、底壁71の各辺から底壁71に対して垂直または略垂直に立ち上がっている。開口面73は、側壁72によって囲まれた底壁71と対向する面である。
【0075】
なお、側壁72には、第2基板ケース70を含む第2コントローラ30Bを所定位置に固定するためのねじが挿通される複数の貫通孔74が設けられている。
【0076】
第2基板50は、裏面50bが第2基板ケース70の底壁71の内面71aと対向するように、第2基板ケース70に収容されている。別の見方をすると、第2基板50は、表面50aが第2基板ケース70の開口面73と対向するように、第2基板ケース70に収容されている。
【0077】
この結果、第2基板50の裏面50bに実装されているトランジスタT3,T4やダイオードD4,D5は、第2基板ケース70の底壁71の近傍に配置され、当該底壁71の内面71aと対向している。
【0078】
なお、第2基板50を第2基板ケース70に固定している複数のボルト75は、筒状のスペーサ76に挿通されている。かかるスペーサ76によって、第2基板50の裏面50bと第2基板ケース70の底壁71との間に、トランジスタT3,T4やダイオードD4,D5を配置可能な空間(隙間)が確保されている。
【0079】
<コントローラの配置>
図5に示されるように、第1コントローラ30Aは、圧縮部20の上方に下向きで設置されている。より特定的には、第1基板ケース60は、図7A図7Bに示される開口面63が圧縮部20の上面に臨むように、圧縮部20の上方に配置されている。この結果、図7Aに示されている第1基板40の表面40aも圧縮部20の上面に臨んでいる。また、第1基板ケース60内への雨水の侵入や埃の堆積が防止または抑制されている。
【0080】
図5に示されるように、第2コントローラ30Bは、圧縮部20の下方に下向きで設置されている。より特定的には、第2基板ケース70は、図8A図8Bに示される底壁71が圧縮部20の下面に臨むように、圧縮部20の下方に配置されている。この結果、図8Bに示されている第2基板50の裏面50bは、底壁71を介して圧縮部20の下面に臨んでいる。また、第2基板ケース70内への雨水の侵入や埃の堆積が防止または抑制されている。
【0081】
上記のように、第1コントローラ30Aが圧縮部20の上方に設置され、第2コントローラ30Bが圧縮部20の下方に設置されている。この結果、圧縮部20は、第1コントローラ30Aと第2コントローラ30Bとに挟まれている。より特定的には、圧縮部20は、第1コントローラ30Aに含まれる第1基板40と第2コントローラ30Bに含まれる第2基板50とに挟まれている。
【0082】
別の見方をすると、第1基板40及び第2基板50のそれぞれの主面が圧縮部20に臨んでいる。言い換えれば、第1基板40及び第2基板50のそれぞれの主面は、圧縮部20と対向している。より特定的には、第1基板40の表面40aが圧縮部20の上面に臨んでおり、第2基板50の裏面50bが圧縮部20の下面に臨んでいる。
【0083】
なお、第1基板ケース60の開口面63や第2基板ケース70の開口面73が蓋部材によって閉塞されている実施形態もある。かかる実施形態では、第1基板ケース60に収容されている第1基板40は、蓋部材を介して圧縮部20と対向する。
【0084】
圧縮部20の上下に配置されている第1基板40及び第2基板50は、圧縮部20を構成しているモータ21の駆動軸25を上下から挟んでいる。ここで、図5より、第1基板ケース60の長辺方向(=第1基板40の長辺方向)は、駆動軸25と平行であることが理解できる。また、第2基板ケース70の長辺方向(=第2基板50の長辺方向)も、駆動軸25と平行であることが理解できる。つまり、つまり、第1基板40及び第2基板50のそれぞれは、駆動軸25を上下から挟み、かつ、駆動軸25に沿って延びている。
【0085】
<冷却風>
図9図12は、空気圧縮機AC1の内部における冷却風の流れを模式的に示す説明図である。より特定的には。図9中の矢印は、図3中のA-A線に沿う断面(A-A断面)内における冷却風の流れを模式的に示している。また、図10中の矢印は、図3中のB-B線に沿う断面(B-B断面)内における冷却風の流れを模式的に示している。
【0086】
図11中の矢印は、図10中のC-C線に沿う断面(C-C断面)内における冷却風の流れを模式的に示している。また、図12中の矢印は、図10中のD-D線に沿う断面(D-D断面)内における冷却風の流れを模式的に示している。
【0087】
図9に示されているファン24が回転すると、吸気口15(図2)を通して空気圧縮機AC1内に空気が流入し、空気圧縮機AC1内に冷却風(気流)が発生することは既述のとおりである。ファン24は、モータ21の駆動軸25上に設けられた軸流ファンであって、駆動軸25(回転軸)に対して傾斜した複数枚の羽根24aを備えている。
【0088】
もっとも、ファン24は、軸方向の成分だけでなく、回転方向の成分を含む気流を発生させる。別の見方をすると、ファン24は、回転方向に拡散しつつ、空気圧縮機AC1の背面側から前面側に向かって流れる渦流または旋回流を発生させる。
【0089】
この結果、冷却風は、図10に示されるB-B断面を含む横断面内では、概ね図10中の矢印が示す方向に流れる。また、冷却風は、図11に示されるC-C断面を含む縦断面内では、概ね図11中の矢印が示す方向に流れる。
【0090】
さらに、冷却風は、図12に示されるD-D断面内では、同図中の矢印が示す方向に概ね流れる。別の見方をすると、冷却風の一部は、圧縮部20と第1コントローラ30Aとの間を通過し、冷却風の他の一部は、圧縮部20と第2コントローラ30Bとの間を通過する。
【0091】
より特定的には、冷却風の一部は、圧縮部20の上面と第1基板ケース60の開口面63(図7A図7B)との間を通過する。また、冷却風の他の一部は、圧縮部20の下面と第2基板ケース70の底壁71(図8B)との間を通過する。
【0092】
この結果、圧縮部20,第1コントローラ30A及び第2コントローラ30Bが冷却風によって冷却される。このとき、冷却風に晒される第1基板ケース60及び第2基板ケース70は、ヒートシンクとして機能する。具体的には、第1基板ケース60は、第1基板40に実装されている素子から発せられる熱を吸収し、吸収した熱を発散するヒートシンクとして機能する。また、第2基板ケース70は、第2基板50に実装されている素子から発せられる熱を吸収し、吸収した熱を発散するヒートシンクとして機能する。
【0093】
ここで、第1基板40に実装されているトランジスタT1,T2及びダイオードD1,D2,D3は、第1基板ケース60の側壁62の近傍に、当該側壁62の内面62aに沿って配置されている。よって、これら素子から発せられた熱は、第1基板ケース60の側壁62に素早く伝わり、第1基板ケース60の全体に拡散する。この結果、第1基板40に実装されているトランジスタT1,T2及びダイオードD1,D2,D3が効率良く冷却される。言い換えれば、第1コントローラ30Aが効率良く冷却される。
【0094】
また、第2基板50に実装されているトランジスタT3,T4及びダイオードD4,D5は、第2基板ケース70の底壁71の近傍に配置され、当該底壁71と対向している。よって、これら素子から発せられた熱は、第2基板ケース70の底壁71に素早く伝わり、第2基板ケース70の全体に拡散する。この結果、第2基板50に実装されているトランジスタT3,T4及びダイオードD4,D5が効率良く冷却される。言い換えれば、第2コントローラ30Bが効率良く冷却される。
【0095】
(第2実施形態)
本発明の他の一実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。本実施形態に係る作業機は、空気を圧縮して貯留する可搬型の空気圧縮機であって、第1実施形態に係る空気圧縮機AC1と共通の基本構成を有する。
【0096】
図13は、本実施形態に係る空気圧縮機AC2の平面図である。図14は、
本実施形態に係る空気圧縮機AC2の側面図(一部断面)である。もっとも、図13では、図14に示されているカバー80の図示は省略されている。
【0097】
既述のとおり、第1実施形態に係る空気圧縮機AC1と本実施形態に係る空気圧縮機AC2との基本構成は共通している。よって、空気圧縮機AC1と異なる構成についてのみ説明し、同一または実質的に同一の構成についての説明は省略する。
【0098】
空気圧縮機AC2は、横置きの空気タンク11,12を備えている。空気圧縮機AC2の圧縮部20は、空気タンク11,12の上に配置されている。圧縮部20の第1圧縮機構22と第2圧縮機構23とは、空気タンク11,12の長手方向で対向している。
【0099】
第1基板40及び第1基板ケース60を含む第1コントローラ30Aと第2基板50及び第2基板ケース70を含む第2コントローラ30Bとは、圧縮部20の前後に配置されている。
【0100】
より特定的には、第1コントローラ30Aは圧縮部20の後方かつ空気タンク12の後方に配置され、第2コントローラ30Bは圧縮部20の前方に配置されている。
【0101】
第1コントローラ30Aは、第1基板ケース60の開口面63(図7A図7B)が空気タンク12の背面と対向するようにして、圧縮部20の後方に配置されている。一方、第2コントローラ30Bは、第2基板ケース70の底壁71(図8B)が圧縮部20の前面と対向するようにして、圧縮部20の前方に配置されている。
【0102】
この結果、圧縮部20は、第1コントローラ30Aと第2コントローラ30Bとに挟まれている。より特定的には、圧縮部20は、第1コントローラ30Aに含まれる第1基板40と第2コントローラ30Bに含まれる第2基板50とによって挟まれている。
【0103】
ファン24が回転すると、冷却風が発生する。より特定的には、ファン24が回転すると、図14に示されているカバー80に設けられている吸気口15からカバー80内に空気が流入する。カバー80内に流入した空気は、周囲に拡散しながら空気圧縮機AC2の背面側から前面側に向かって流れ、カバー80に設けられている排気口16からカバー80外に流出する。
【0104】
この結果、圧縮部20,第1コントローラ30A及び第2コントローラ30Bが冷却風によって冷却される。このとき、第1基板ケース60及び第2基板ケース70がヒートシンクとして機能することは、第1実施形態と同様である。したがって、本実施形態に係る空気圧縮機AC2においても、第1基板40に実装されているトランジスタT1,T2及びダイオードD1,D2,D3(図7A図7B)が効率良く冷却され、また、第2基板50に実装されているトランジスタT3,T4及びダイオードD4,D5(図8B)も効率良く冷却される。
【0105】
(第3実施形態)
本発明のさらに他の一実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。本実施形態に係る作業機は、空気を圧縮して貯留する可搬型の空気圧縮機であって、第1実施形態に係る空気圧縮機AC1と共通の基本構成を有する。
【0106】
図15は、本実施形態に係る空気圧縮機AC3の側面図(一部断面)である。既述のとおり、第1実施形態に係る空気圧縮機AC1と本実施形態に係る空気圧縮機AC3との基本構成は共通している。よって、空気圧縮機AC1と異なる構成についてのみ説明し、同一または実質的に同一の構成についての説明は省略する。
【0107】
空気圧縮機AC3では、第1基板40及び第1基板ケース60を含む第1コントローラ30Aは、圧縮部20の下方に配置されている。また、第2基板50及び第2基板ケース70を含む第2コントローラ30Bは、圧縮部20の側方に配置されている。
【0108】
第1コントローラ30Aは、第1基板ケース60の底壁61(図7B)が圧縮部20の底面と対向するようにして、圧縮部20の下方に配置されている。一方、第2コントローラ30Bは、第2基板ケース70の底壁71(図8B)が圧縮部20の側面と対向するようにして、圧縮部20の側方に配置されている。
【0109】
この結果、圧縮部20は、第1コントローラ30Aと第2コントローラ30Bとに挟まれている。より特定的には、圧縮部20は、第1コントローラ30Aに含まれる第1基板40と第2コントローラ30Bに含まれる第2基板50とによって斜めに挟まれている。
【0110】
ファン24が回転すると、冷却風が発生する。より特定的には、ファン24が回転すると、空気圧縮機AC3の背面に設けられている吸気口15から空気圧縮機AC3の内側に空気が流入する。空気圧縮機AC3の内側に流入した空気は、前方に向かって流れつつ周囲に拡散し、空気圧縮機AC3の側面に設けられている排気口16から流出する。
【0111】
この結果、圧縮部20,第1コントローラ30A及び第2コントローラ30Bが冷却風によって冷却される。このとき、第1基板ケース60及び第2基板ケース70がヒートシンクとして機能することは、第1実施形態と同様である。したがって、本実施形態に係る空気圧縮機AC3においても、第1基板40に実装されているトランジスタT1,T2及びダイオードD1,D2,D3(図7A図7B)が効率良く冷却され、また、第2基板50に実装されているトランジスタT3,T4及びダイオードD4,D5(図8B)も効率良く冷却される。
【0112】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、コントローラ30を4つに分割し、圧縮部20の上側に位置する第1コントローラ、圧縮部20の下側に位置する第2コントローラ、圧縮部20の右側に位置する第3コントローラ、圧縮部20の左側に位置する第4コントローラによって、圧縮部20の四方を取り囲んでもよい。
【0113】
また、第1コントローラ30Aを圧縮部20の右側、第2コントローラ30Bを圧縮部20の左側に配置し、圧縮部20を左右方向で挟み込んでもよい。
【0114】
さらには、図1~11に示される実施形態における第1空気タンク11,第2空気タンク12,第3空気タンク13及び第4空気タンク14の代わりに、長手方向が前後方向または左右方向に延びる2本の空気タンクを圧縮部20の下方に配置してもよい。
【符号の説明】
【0115】
2…ハンドル、3…上側フレーム部材、4…下側フレーム部材、5…カプラ、6…調圧弁、7…空圧機器接続部、8…操作パネル、11…第1空気タンク、12…第2空気タンク、13…第3空気タンク、14…第4空気タンク、15…吸気口、16…排気口、20…圧縮部、21…モータ、22…圧縮機構(第1圧縮機構)、22a…ピストン、23…圧縮機構(第2圧縮機構)、23a…ピストン、24…ファン、24a…羽根、25…駆動軸、30…コントローラ、30A…第1コントローラ、30B…第2コントローラ、31…交流電源、32…バッテリパック、40…第1基板、40a…主面(表面)、40b…主面(裏面)、41,42…アシスト電源部、43,49…電流制御部、44,47,48,51…整流部、45…副制御部、46…充電部、50…第2基板、50a…主面(表面)、50b…主面(裏面)、52…主昇圧電源部、53…インバータ部、54…主制御部、60…第1基板ケース、61…底壁、62…側壁、62a…内面、63…開口面、64…貫通孔、70…第2基板ケース、71…底壁、71a…内面、72…側壁、73…開口面、74…貫通孔、75…ボルト、76…スペーサ、80…カバー、AC1,AC2,AC3…空気圧縮機、D1,D2,D3,D4,D5…ダイオード、G…設置面、T1,T2,T3,T4…トランジスタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15