(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078529
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】業務支援装置、業務支援方法、及び、業務支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/12 20230101AFI20240604BHJP
【FI】
G06Q40/12 420
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022190954
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平井 博之
(72)【発明者】
【氏名】川原 学
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【テーマコード(参考)】
5L040
5L055
【Fターム(参考)】
5L040BB64
5L055BB64
(57)【要約】
【課題】間接費を効率的に算出して、業務オペレータの原価管理業務の効率化を図る。
【解決手段】取得部、検出部、算出部、データ生成部、及び、出力制御部を、同一の業務支援装置内に設ける。そして、取得部により、原価計上するための直接費を取得し、検出部により、間接費の費目毎に、計上する直接費の費目、及び、直接費に間接費を一定の割合で配賦するためのチャージ率が記憶された記憶部を参照し、間接費を計上する直接費の費目及びチャージ率を検出する検出する。算出部は、検出されたチャージ率に基づいて、原価計上するための間接費の計上金額を算出し、データ生成部は、直接費、及び、算出された間接費を含む原価データを生成する。出力制御部は、生成された原価データを出力する。各部を同一の業務支援装置内で動作させて間接費を計算することで、業務オペレータの原価管理業務の効率化を図ることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原価計上するための直接費を取得する取得部と、
間接費の費目毎に、計上する直接費の費目、及び、直接費に間接費を一定の割合で配賦するためのチャージ率が記憶された記憶部を参照し、前記間接費を計上する前記直接費の費目及び前記チャージ率を検出する検出部と、
検出された前記チャージ率に基づいて、原価計上するための間接費の計上金額を算出する算出部と、
前記直接費、及び、算出された前記間接費を含む原価データを生成するデータ生成部と、
生成された前記原価データを出力する出力制御部と、を備え、
前記取得部、前記検出部、前記算出部、前記データ生成部、及び、前記出力制御部は、同一の装置内で動作すること、
を特徴とする業務支援装置。
【請求項2】
前記記憶部には、前記間接費の振替科目及び振替先が記憶されており、
前記検出部は、前記記憶部を参照することで前記間接費の振替科目及び振替先を検出し、
前記データ生成部は、検出された前記間接費の振替科目を借方科目とし、前記間接費を計上する前記直接費の管理部門を借方部門とし、算出された前記間接費の計上金額を借方金額とすると共に、検出された前記間接費の振替科目を貸方科目とし、検出された前記間接費の振替科目を貸方部門とし、算出された前記間接費の計上金額を貸方金額とした仕訳データを生成すること、
を特徴とする請求項1に記載の業務支援装置。
【請求項3】
前記取得部は、前記間接費に対応する、実際に発生した間接費の金額を取得し、
前記算出部は、取得された実際に発生した間接費の金額、及び、算出した前記間接費の計上金額の差額を算出し、
前記出力制御部は、算出された前記差額を含む費用情報を出力すること、
を特徴とする請求項2に記載の業務支援装置。
【請求項4】
前記算出部は、実際に発生した間接費の金額に対する、算出した前記間接費の計上金額の差額に対応する差額率を算出し、
前記出力制御部は、算出された前記差額及び前記差額率を、前記費用情報に含めて出力すること、
を特徴とする請求項3に記載の業務支援装置。
【請求項5】
前記検出部は、算出された差額率の前記間接費のうち、指定された差額率以上の間接費を検出し、
前記出力制御部は、指定された差額率以上の間接費の前記費用情報を出力すること、
を特徴とする請求項4に記載の業務支援装置。
【請求項6】
取得部、検出部、算出部、データ生成部、及び、出力制御部を、同一の業務支援装置内で動作させることで業務支援を図る業務支援方法であって、
前記取得部が、原価計上するための直接費を取得する取得ステップと、
前記検出部が、間接費の費目毎に、計上する直接費の費目、及び、直接費に間接費を一定の割合で配賦するためのチャージ率が記憶された記憶部を参照し、前記間接費を計上する前記直接費の費目及び前記チャージ率を検出する検出ステップと、
前記算出部が、検出された前記チャージ率に基づいて、原価計上するための間接費の計上金額を算出する算出ステップと、
データ生成部が、前記直接費、及び、算出された前記間接費を含む原価データを生成するデータ生成ステップと、
前記出力制御部が、生成された前記原価データを出力する出力制御ステップと、を有すること、
を特徴とする業務支援方法。
【請求項7】
コンピュータを、同一の業務支援装置内で動作する、取得部、検出部、算出部、データ生成部、及び、出力制御部として機能させて業務支援を図る業務支援プログラムであって、
前記コンピュータを、
原価計上するための直接費を取得する前記取得部と、
間接費の費目毎に、計上する直接費の費目、及び、直接費に間接費を一定の割合で配賦するためのチャージ率が記憶された記憶部を参照し、前記間接費を計上する前記直接費の費目及び前記チャージ率を検出する前記検出部と、
検出された前記チャージ率に基づいて、原価計上するための間接費の計上金額を算出する前記算出部と、
前記直接費、及び、算出された前記間接費を含む原価データを生成する前記データ生成部と、
生成された前記原価データを出力する前記出力制御部として機能させること、
を特徴とする業務支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、業務支援装置、業務支援方法、及び、業務支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日において、例えば製造業界では、個別原価管理を行う際に、会計金額に基づいて間接費を配賦するのではなく、例えば間接費の一例である資材部門費を〇〇費の〇%で計上する等のように、その製造番号の発生原価に対するチャージ率(比率)で間接費を計算して配賦することが多い。これは、当月等の会計金額となる実際発生額で間接費を計算して配賦すると、間接費の一例である修繕費が発生する月、及び、修繕費が発生しない月等のように間接費が発生する月と発生しない月があり、また、月別の間接費の金額の大小に左右されることで、正確な案件別収支の認識が困難となるからである。
【0003】
このような間接費の配賦に関する先行技術としては、特許文献1(特開2016-051223号公報)にリードタイム基準製造間接費配賦システムが開示されている。この特許文献1に開示されているリードタイム基準製造間接費配賦システムは、マスタデータベース7から原価情報、工程情報及び生産情報を取得するデータベースアクセス手段と、リードタイム基準情報を蓄積して記憶するリードタイム基準情報記憶手段と、リードタイムに基づいて製造間接費を配賦するための演算処理を行うリードタイム基準情報処理部と、を備える。
【0004】
リードタイム基準情報処理部は、製造開始から終了までの個当り実際リードタイムを測定する実際リードタイム測定手段と、リードタイム基準予定製造間接費配賦率を算出する予定製造間接費配賦率算出手段と、個当り平均正味加工時間比率を算出する正味加工時間比率算出手段と、を備える。これにより、工程における経過時間に基づいて製造間接費を配賦し、直接時間基準による原価計算との連携を可能とすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来は、間接費の計算を会計システム外で行い、業務オペレータは、外部で計算された間接費を会計システムで取得して原価管理していた。このため、業務オペレータの原価管理の作業効率が非効率的となる問題があった。
【0007】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、間接費を効率的に算出して、業務オペレータの原価管理業務の効率化を図った業務支援装置、業務支援方法、及び、業務支援プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る業務支援装置は、原価計上するための直接費を取得する取得部と、間接費の費目毎に、計上する直接費の費目、及び、直接費に間接費を一定の割合で配賦するためのチャージ率が記憶された記憶部を参照し、間接費を計上する直接費の費目及びチャージ率を検出する検出部と、検出されたチャージ率に基づいて、原価計上するための間接費の計上金額を算出する算出部と、直接費、及び、算出された間接費を含む原価データを生成するデータ生成部と、生成された原価データを出力する出力制御部と、を備え、取得部、検出部、算出部、データ生成部、及び、出力制御部を、同一の装置内で動作させる。
【0009】
また、上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る業務支援方法は、取得部、検出部、算出部、データ生成部、及び、出力制御部を、同一の業務支援装置内で動作させることで業務支援を図る業務支援方法であって、取得部が、原価計上するための直接費を取得する取得ステップと、検出部が、間接費の費目毎に、計上する直接費の費目、及び、直接費に間接費を一定の割合で配賦するためのチャージ率が記憶された記憶部を参照し、間接費を計上する直接費の費目及びチャージ率を検出する検出ステップと、算出部が、検出されたチャージ率に基づいて、原価計上するための間接費の計上金額を算出する算出ステップと、データ生成部が、直接費、及び、算出された間接費を含む原価データを生成するデータ生成ステップと、出力制御部が、生成された原価データを出力する出力制御ステップと、を有する。
【0010】
また、上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る業務支援プログラムは、コンピュータを、同一の業務支援装置内で動作する、取得部、検出部、算出部、データ生成部、及び、出力制御部として機能させて業務支援を図る業務支援プログラムであって、コンピュータを、原価計上するための直接費を取得する取得部と、間接費の費目毎に、計上する直接費の費目、及び、直接費に間接費を一定の割合で配賦するためのチャージ率が記憶された記憶部を参照し、間接費を計上する直接費の費目及びチャージ率を検出する検出部と、検出されたチャージ率に基づいて、原価計上するための間接費の計上金額を算出する算出部と、直接費、及び、算出された間接費を含む原価データを生成するデータ生成部と、生成された原価データを出力する出力制御部として機能させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、間接費を効率的に算出して、業務オペレータの原価管理業務の効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、実施の形態の業務支援装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、製造原価費目マスタの一例を示す図である。
【
図3】
図3は、間接費チャージ対象費目設定マスタの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、間接費チャージ率設定マスタの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施の形態の業務支援装置の原価管理動作を説明するためのフローチャートである。
【
図7】
図7は、製番費目別原価データの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、算出された間接費が入力された製番費目別原価データの一例を示す図である。
【
図9】
図9は、費用の部門付け替え処理を説明するための図である。
【
図11】
図11は、所定の製造番号の仕訳イメージを示す図である。
【
図13】
図13は、間接費を管理する費用集計表の表示を指定するための抽出画面の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、間接費を管理する費用集計表の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を適用した実施の形態となる業務支援装置を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。
【0014】
(ハードウェア構成)
図1に示すように、実施の形態の業務支援装置1は、記憶部2、制御部3、通信インターフェース部4及び入出力インターフェース部5を備えている。入出力インターフェース部5には、入力装置6及び出力装置7が接続されている。出力装置7としては、モニタ装置(家庭用テレビを含む)等の表示部を用いることができる。入力装置6としては、キーボード装置、マウス装置及びマイクロホン装置等の他、マウス装置と協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタ装置等を用いることができる。通信インターフェース部4は、例えばインターネット等の広域網又はLAN(Local Area Network)等のプライベート網等のネットワークに接続される。
【0015】
記憶部2としては、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置を用いることができる。記憶部2には、チャージ率に基づく間接費の計算、仕訳データの作成等の原価管理業務を支援するための業務支援プログラムが記憶されている。また、記憶部2には、製番原価費目マスタ11、間接費チャージ対象費目設定マスタ12、及び、間接費チャージ率設定マスタ13が記憶されている。また、記憶部2には、後述する製番データ、製番費目別原価データ、仕訳データ、及び、費用集計データ等が記憶される。
【0016】
製番原価費目マスタ11には、
図2に示すように原価費目コード、原価費目名(名称)、その原価費目が直接費であるか又は間接費であるかを示す直間区分、振替科目、及び、振替部門が記憶されている。この
図2の例では、100の原価費目コードは、「直接材料費」の原価費目コードであり、直間区分は「直接」となっている。また、
図2の例では、200の原価費目コードは、「直接外注費」の原価費目コードであり、直間区分は「直接」となっている。また、
図2の例では、300の原価費目コードは、「直接労務費」の原価費目コードであり、直間区分は「直接」となっている。
【0017】
これに対して、400の原価費目コードは、「資材チャージ」の原価費目コードであり、直間区分は「間接(チャージ)」、振替科目は「資材費(チャージ計算)」、振替部門が「資材部門」となっている。このため、400の原価費目コードの資材チャージの間接費は、仕訳データの作成時において、借方科目及び貸方科目がそれぞれ「資材費(チャージ計算)」とされ、貸方部門が「資材部門」とされる。
【0018】
同様に、500の原価費目コードは、「製品チャージ」の原価費目コードであり、直間区分は「間接(チャージ)」、振替科目は「その他間接費(チャージ計算)」、振替部門が「全社」となっている。このため、500の原価費目コードの製品チャージの間接費は、仕訳データの作成時において、借方科目及び貸方科目がそれぞれ「その他間接費(チャージ計算)」とされ、貸方部門が「全社」とされる。
【0019】
間接費チャージ対象費目設定マスタ12は、
図3に示すように各間接費を計上する原価費目(対象費目)が関連付けされて記憶されている。この
図3の例は、400の原価費目コードの資材チャージの間接費は、原価費目コードが100の直接材料費、又は、原価費目コードが200の直接外注費が計上の対象であることを示している。また、
図3の例は、500の原価費目コードの製品チャージの間接費は、原価費目コードが100の直接材料費、原価費目コードが200の直接外注費、原価費目コードが300の直接労務費、及び、原価費目コードが400の資材チャージが計上の対象であることを示している。
【0020】
間接費チャージ率設定マスタ13には、
図4に示すように、各間接費のチャージ率が記憶されている。この
図4の例は、400の原価費目コードの資材チャージの間接費のチャージ率は「10%」であることを示し、500の原価費目コードの製品チャージの間接費のチャージ率は「15%」であることを示している。
【0021】
(業務支援装置の機能構成)
次に、制御部3は、記憶部2に記憶されている業務支援プログラムを実行することで、
図1に示すように、取得部21、検出部22、算出部23、データ生成部24、表示制御部25(出力制御部の一例)、及び、記憶制御部26として機能する。すなわち、取得部21、検出部22、算出部23、データ生成部24、表示制御部25、及び、記憶制御部26は、同じ業務支援装置1内で動作する。
【0022】
具体的には、取得部21は、原価計上するための直接費を取得する。この直接費の取得は、例えば業務オペレータから入力された直接費を取得してもよいし、外部メモリ又は記憶部2に記憶されている直接費を取得してもよい。また、通信インターフェース4を介して所定のネットワーク上のサーバ装置からダウンロードされた直接費を取得部21が取得してもよい。一例ではあるが、この実施の形態の場合、取得部21は、記憶部2に記憶された後述する製番データから直接費を取得する。
【0023】
検出部22は、間接費の費目毎に、計上する直接費の費目、及び、直接費に間接費を一定の割合で配賦するためのチャージ率が記憶された記憶部を参照し、間接費を計上する直接費の費目及びチャージ率を検出する。すなわち、検出部22は、
図3に示した間接費チャージ対象費目設定マスタ12を参照し、間接費の費目(原価費目)毎に、計上する直接費の費目(対象費目)を検出する。また、検出部22は、
図4に例示した間接費チャージ率設定マスタ13を参照し、直接費に計上する間接費の費目毎のチャージ率を検出する。
【0024】
算出部23は、検出されたチャージ率に基づいて、原価計上するための間接費の計上金額を算出する。データ生成部24は、取得部21で取得された直接費、及び、算出部23で算出された間接費を含む原価データを生成する。表示制御部25は、生成された原価データを表示部の一例である出力装置7を介して表示する。
【0025】
また、
図2に示した製番原価費目マスタ11には、間接費の振替科目及び振替先(振替部門)が記憶されている。検出部22は、この製番原価費目マスタ11を参照することで、間接費の振替科目及び振替部門を検出する。
【0026】
この場合、データ生成部24は、検出された間接費の振替科目を借方科目とし、間接費を計上する直接費の管理部門を借方部門とし、算出された間接費の計上金額を借方金額とすると共に、検出された間接費の振替科目を貸方科目とし、検出された間接費の振替科目を貸方部門とし、算出された間接費の計上金額を貸方金額とした仕訳データを生成する。記憶制御部26は、生成された仕訳データを記憶部2に記憶する。表示制御部25は、この仕訳データを、出力装置7を介して表示する。
【0027】
また、取得部21は、チャージ率に基づいて算出された間接費に対応する、実際に発生した間接費の金額を取得する。算出部23は、取得された実際に発生した間接費の金額、及び、算出した間接費の計上金額の差額(配賦差額)を算出する。表示制御部25は、算出された差額を含む費用情報を、出力装置7を介して表示する。一例ではあるが、この費用情報には、各間接費の他、部門名、実際に発生した間接費の科目名及びチャージ率に基づいて算出された間接費の科目名等が含まれる。
【0028】
また、算出部23は、実際に発生した間接費の金額に対する、算出した間接費の計上金額の差額に対応する差額率(配賦差額率)を算出する。表示制御部25は、算出された配賦差額及び配賦差額率を費用情報に含めて表示する。
【0029】
また、詳しくは後述するが、この実施の形態の業務支援装置1の場合、所望の配賦差額率の間接費を、入力装置6を介して指定可能となっている。検出部22は、算出された配賦差額率の間接費のうち、指定された配賦差額率以上の間接費を検出する。表示制御部25は、指定された配賦差額率以上の間接費の費用情報を表示する。
【0030】
なお、この実施の形態の業務支援装置1の場合、出力制御部として表示制御部25を設け、仕訳データ及び費用情報等を、出力装置7を介して表示することとして説明を行うが、出力制御部として音声出力制御部を設け、仕訳データ及び費用情報等を、この場合スピーカ装置となる出力装置7を介して音声で出力してもよい。
【0031】
(原価管理動作)
次に、このような構成を有する実施の形態の業務支援装置1における原価管理動作を説明する。
図5のフローチャートは、この原価管理動作の流れを示すフローチャートである。この
図5のフローチャートにおいて、まず、ステップS1で、取得部21が、業務オペレータにより入力装置6を介して入力され、又は、外部の記憶部又はサーバ装置等から送信された、例えば仕掛計上された仕入、在庫払出、日報等の日々の個別原価を取得する。データ生成部24は、取得された各個別原価に基づいて、
図6に示す製番データ及び
図7に示す製番品目別原価データを生成する。
【0032】
図6に示す製番データは、自動採番される製造番号、品目、数量、及び、管理部門等の各情報を含んで構成される。この
図6の例は、製造番号が「A0001」の「機械装置A」の製造数(数量)は「1つ」であり、管理部門は「原価部門A」であることを示している。また、この
図6の例は、製造番号が「A0003」の「機械装置C」の製造数(数量)は「2つ」であり、管理部門は「原価部門C」であることを示している。
【0033】
図7に示す製造費目別原価データは、製造番号、品目、管理部門、直接費及び間接費等を含んで構成される。製造番号、品目、管理部門は、上述の製番データと同様である。直接費としては、
図2に示した製番原価品目マスタ11に設定されている原価品目コードが「100」の「直接材料費」、原価品目コードが「200」の「直接外注費」、原価品目コードが「300」の「直接労務費」が入力される。間接費としては、
図2に示した製番原価品目マスタ11に設定されている原価品目コードが「400」の「資材チャージ」、又は、原価品目コードが「500」の「製品チャージ」が、後述のように算出されて入力される。
【0034】
図7の例は、取得部21により、製造番号が「A0001」の「機械装置A」に対する直接材料費(原価費目コード100)として「1万円」が取得及び入力され、直接外注費(原価費目コード200)として「200円」が取得及び入力され、直接労務費(原価費目コード300)として「100円」が取得及び入力された例である。同様に、
図7の例は、取得部21により、製造番号が「A0003」の「機械装置Cに対する直接材料費(原価費目コード100)として「2万円」が取得及び入力され、直接外注費(原価費目コード200)として「400円」が取得及び入力され、直接労務費(原価費目コード300)として「200円」が取得及び入力された例である。
【0035】
次に、ステップS2では、検出部22が、
図3に示した間接費チャージ対象費目設定マスタ12を参照し、入力された各直接費に対応する間接費の原価費目コードを検出する。また、検出部22は、検出した間接費の原価費目コードに基づいて、
図4に示した間接費チャージ率設定マスタ13を参照し、間接費の原価費目コードに対応するチャージ率(比率)を検出する。
【0036】
具体的には、
図3に示すように、原価費目コードが「400」の間接費は、直接費である原価費目コードが「100」の「直接材料費」及び原価費目コードが「200」の「直接外注費」を対象とした資材チャージの間接費となっている。検出部22は、この「400」の原価費目コードに基づいて、
図4に示す間接費チャージ率設定マスタ13を参照することで、原価費目コードが「400」の間接費のチャージ率として「10%」のチャージ率を検出する。
【0037】
同様に、
図3に示すように、原価費目コードが「500」の間接費は、直接費である原価費目コードが「100」の「直接材料費」、原価費目コードが「200」の「直接外注費」、原価費目コードが「300」の「直接労務費」、及び、間接費である原価費目コードが「400」の資材チャージを対象とした間接費となっている。検出部22は、この「500」の原価費目コードに基づいて、
図4に示す間接費チャージ率設定マスタ13を参照することで、原価費目コードが「500」の製品チャージの間接費のチャージ率として「15%」のチャージ率を検出する。
【0038】
このように資材チャージ及び製品チャージの各間接費のチャージ率が検出されると、算出部23は、下記の演算を行うことで、資材チャージ及び製品チャージの各間接費を算出する。
【0039】
計算対象費目の発生額=(間接費チャージ対象費目設定マスタの対象費目の金額合計)×(間接費チャージ率設定マスタから検出した比率(%)/100)=資材チャージ又は製造チャージの対象となる直接費の金額合計×(資材チャージのチャージ率/100)
【0040】
具体的には、
図7に示す製造番号が「A0001」の機械装置Aは、原価費目コードが「400」の資材チャージの対象として、原価費目コードが「100」の直接材料費として「1万円」が、原価費目コードが「200」の直接外注費として「200円」が計上されている。このため、算出部23は、下記の演算をそれぞれ行うことで、資材チャージ及び製品チャージの各間接費を算出する。
【0041】
資材チャージの間接費=(1万円+200円)×(10%/100)=1020円
【0042】
製品チャージの間接費=(1万円+200円+100円+1020円)×(15%/100)=1698円
【0043】
なお、製品チャージの間接費で加算処理している「1020円」の金額は、
図3に示したように原価費目コードが「500」の製品チャージの対象費目となっている原価費目コードが「400」の資材チャージの金額である。
【0044】
算出部23は、このように製造番号A0001(機械装置A)~製造番号A0005「機械装置E」の直接費等に基づいて、資材チャージ及び製品チャージの各間接費を算出する。
【0045】
データ生成部24は、算出された製造番号A0001(機械装置A)~製造番号A0005「機械装置E」の資材チャージ及び製品チャージの各間接費を、
図8に示すように製番費目別原価データの資材チャージ及び製品チャージの入力欄にそれぞれ入力する。この
図8の例は、製番費目別原価データの製造番号A0001(機械装置A)~製造番号A0005「機械装置E」の資材チャージの入力欄に、それぞれ「1020円」、「1530円」、「2040円」、「2550円」及び「3060円」の間接費が入力された例である。また、
図8の例は、製番費目別原価データの製造番号A0001(機械装置A)~製造番号A0005「機械装置E」の製品チャージの入力欄に、それぞれ「1698円」、「2547円」、「3396円」、「4245円」及び「5094円」の間接費が入力された例である。
【0046】
表示制御部25は、このような製番費目別原価データを、業務オペレータの表示指示操作が行われた際に、出力装置7に表示する。これにより、業務オペレータは、各直接費に対応する間接費を認識することができ、容易に原価管理することができる。また、この実施の形態の場合、このような間接費の算出及び表示は、業務支援装置1内で行われ、外部機器の演算等を必要としない。このため、間接費を効率的に算出して、業務オペレータの原価管理業務の効率化を図ることができる。
【0047】
(仕訳データの作成動作)
次に、
図5のステップS3では、データ生成部24が、各製造番号に対応する資材チャージ及び製品チャージの各間接費の仕訳データを生成する(資材費振替の仕訳作成)。具体的には、
図2及び
図9(a)に示すように、製番原価費目マスタ11には、資材チャージ及び製品チャージの各間接費の、仕訳時における振替科目及び振替部門が記憶されている。
図2及び
図9(a)の例の場合、資材チャージの仕訳時における振替科目は「資材費(チャージ計算)」に設定されており、振替部門は「資材部門」に設定されている。また、製品チャージの仕訳時における振替科目は「その他間接費(チャージ計算)」に設定されており、振替部門は「全社」に設定されている。
【0048】
データ生成部24は、
図9(b)の製番データの「管理部門」へ製番原価費目マスタ11に設定されている振替科目で費用振替の仕訳を発生させる(費用の部門付け替え)。すなわち、データ生成部24は、
図10に例示する発生月、製造番号、借方科目、借方部門、借方金額、貸方科目、貸方部門及び貸方金額を含む仕訳データを生成する。この際、各製造番号の借方科目及び貸方科目には、
図2及び
図9(a)に例示した製番原価科目マスタ11に振替科目として設定されている「資材費(チャージ計算)」及び「その他間接費(チャージ計算)」を入力する。また、データ生成部24は、各製造番号の各借方金額及び貸方金額には、上述のチャージ率に基づいて算出された資材チャージ及び製品チャージの各間接費の金額を入力する。
【0049】
また、データ生成部24は、各製造番号の借方部門として、
図6及び
図9(b)に例示した製番データに記憶されている各製番データの管理部門を入力する。また、データ生成部24は、各製造番号の貸方部門として、
図2及び
図9(a)に例示した製番原価科目マスタ11に振替部門として設定されている「資材部門」及び「全社」を入力する。
【0050】
図10の例は、「A0001」の製造番号に対して、借方科目を「資材費(チャージ計算)」とし、借方部門を「原価部門A」とし、借方金額を上述の10%のチャージ率で算出された「1020円」とし、貸方科目を「資材費(チャージ計算)」とし、貸方部門を「資材部門」とし、貸方金額を上述の10%のチャージ率で算出された「1020円」とした仕訳データが生成された例である。また、
図10の例は、「A0001」の製造番号に対して、借方科目を「その他間接費(チャージ計算)」とし、借方部門を「原価部門A」とし、借方金額を上述の15%のチャージ率で算出された「1698円」とし、貸方科目を「その他間接費(チャージ計算)」とし、貸方部門を「全社」とし、貸方金額を上述の15%のチャージ率で算出された「1698円」とした仕訳データが生成された例である。
【0051】
同様に、
図10の例は、「A0002」の製造番号に対して、借方科目を「資材費(チャージ計算)」とし、借方部門を「原価部門A」とし、借方金額を上述の10%のチャージ率で算出された「1530円」とし、貸方科目を「資材費(チャージ計算)」とし、貸方部門を「資材部門」とし、貸方金額を上述の10%のチャージ率で算出された「1530円」とした仕訳データが生成された例である。また、
図10の例は、「A0002」の製造番号に対して、借方科目を「その他間接費(チャージ計算)」とし、借方部門を「原価部門A」とし、借方金額を上述の15%のチャージ率で算出された「2547円」とし、貸方科目を「その他間接費(チャージ計算)」とし、貸方部門を「全社」とし、貸方金額を上述の15%のチャージ率で算出された「2547円」とした仕訳データが生成された例である。
【0052】
このように各製造番号に対応する各間接費の仕訳データが生成されると、業務オペレータは、所望の製造番号を指定して、所望製造番号に対応する各間接費を出力装置7に表示可能となっている。
図11は、「A0001」の製造番号に対応する各間接費の仕訳データが表示された例である。
【0053】
業務オペレータにより、「A0001」の製造番号に対応する各間接費の仕訳データの表示が指定された場合、表示制御部21は、
図10に例示した仕訳データに基づいて、
図11に示すように、借方科目を「資材費(チャージ計算)」、借方部門を「原価部門A」、借方金額を「1020円」、貸方科目を「資材費(チャージ計算)」、貸方部門を「資材部門」、貸方金額を「1020円」とした、資材チャージの間接費の仕訳データを表示する。
【0054】
また、業務オペレータにより、「A0001」の製造番号に対応する各間接費の仕訳データの表示が指定された場合、表示制御部21は、
図10に例示した仕訳データに基づいて、
図11に示すように、借方科目を「その他間接費(チャージ計算)」、借方部門を「原価部門A」、借方金額を「1698円」、貸方科目を「その他間接費(チャージ計算)」、貸方部門を「全社」、貸方金額を「1698円」とした仕訳データを表示する。
【0055】
これにより、業務オペレータは、所望の製造番号の間接費の仕訳データを簡単に表示して認識することができ、より容易に原価管理業務を行うことができる。
【0056】
(振替仕訳と実際の発生額の比較処理)
次に、
図5のフローチャートのステップS4における振替仕訳と実際の発生額の比較処理を説明する。実施の形態の業務支援装置1では、上述のように作成した仕訳データで示される、計算上の各間接費(資材チャージ及び製品チャージ)と、実際に発生した各間接費との差となる「配賦差額」及び「配賦差額率」の表示が可能となっており、業務オペレータは、両者の差を容易に確認可能となっている。
【0057】
まず、業務オペレータは、実際に要した各間接費である資材費、及び、その他の間接費を、入力装置6を介して入力する。なお、資材費又はその他の間接費等の実際に要した間接費は、例えば業務オペレータから入力された直接費を取得する他、外部メモリ又は記憶部2に記憶されている実際の間接費を取得してもよい。また、通信インターフェース4を介して所定のネットワーク上のサーバ装置からダウンロードされた実際の間接費を取得部21が取得してもよい。
【0058】
このように実際の間接費が取得されると、データ生成部24は、
図12の最下段の行及び最下段の行の一つ上の行に示すように、取得された実際の間接費に対応する仕訳データを生成する。この
図12の最下段の行の一つ上の行の例は、資材費として実際に「1万円」を要したことを示す仕訳データであり、
図12の及び最下段の行の例は、その他の間接費をとして実際に「1万7千円」を要したことを示す仕訳データである。
【0059】
すなわち、取得部21により、実際に要した間接費として「1万円」の資材費が取得された場合、データ生成部24は、
図12に示すように借方科目を「資材費(実際)」とし、借方部門及び貸方部門を
図9(a)等に示す製番原価費目マスタ11の振替部門に基づいて「資材部門」とし、借方金額及び貸方金額を「1万円」とし、貸方科目を「買掛金」とした、実際に要した資材費の仕訳データを生成する。
【0060】
また、取得部21により、「1万7千円」の実際に要したその他の間接費が取得された場合、データ生成部24は、
図12に示すように借方科目を「その他間接費(実際)」とし、借方部門及び貸方部門を
図9(a)等に示す製番原価費目マスタ11の振替部門に基づいて「全社」とし、借方金額及び貸方金額を「1万7千円」とし、貸方科目を「未払い金」とした、実際に要したその他の間接費の仕訳データを生成する。
【0061】
次に、上述のようにチャージ率に基づいて算出した間接費と、実際に発生した間接費の差額を確認する場合、業務オペレータは、
図13に例示する抽出画面の表示を、入力装置6を介して指定操作する。この指定操作により、表示制御部25は、
図13に例示するように、抽出条件の入力欄、及び、抽出の実行を指定するための実行ボタン51等を備えた抽出画面を、出力装置7を介して表示する。
【0062】
この
図13に示すように、業務オペレータは、抽出条件として、対象月及び所望の配賦差異を入力するようになっている。業務オペレータは、対象月の入力欄に対しては、計算した間接費及び実際に要した間接費を抽出する所望の月を入力する。すなわち、計算した間接費及び実際に要した間接費の比較を行う「月」の入力を行う。
【0063】
配賦差異の入力欄は、計算した間接費及び実際に要した間接費の差異率である配賦差異率が、何%以上の配賦差異率を抽出の対象とするか、ということを入力する欄であり、業務オペレータは、例えば1%又は10%等のように、所望の配賦差異率を指定して入力する。このような対象月及び所望の配賦差異率を抽出条件として入力すると、業務オペレータは、実行ボタン51を操作する。
【0064】
この実行ボタン51が操作されると、算出部23は、
図12に示す仕訳データに基づいて、指定された対象月となる例えば「2022年9月度」における、A0001~A0005の製造番号の資材チャージの間接費の合計金額(1020円+1530円+2040円+2550円+3060円=1万200円)を算出する。
【0065】
また、算出部23は、A0001~A0005の製造番号の資材チャージの間接費の合計金額をマイナスの金額とし、実際に要した資材費をプラスの金額として、両者の差異である配賦差額を算出する。この例の場合、資材チャージの間接費の合計金額は「-1万200円」であり、実際に要した資材費は「+1万円」であるため、算出部23は、両者の差異である配賦差額を「-200円」として算出する。
【0066】
また、算出部23は、この配賦差額は、実際に要した資材費の何%に相当するか、ということを示す配賦差額率を算出する。この例の場合、配賦差額を「-200円」であり、実際に要した資材費は「+1万円」であるため、算出部23は、「-2.0%」の配賦差額率を算出する。
【0067】
同様に、実行ボタン51が操作されると、算出部23は、
図12に示す仕訳データに基づいて、「2022年9月度」における、A0001~A0005の製造番号のその他間接費の合計金額(1698円+2547円+3396円+4245円+5094円=1万6千980円)を算出する。
【0068】
また、算出部23は、A0001~A0005の製造番号のその他間接費の合計金額をマイナスの金額とし、実際に要したその他間接費をプラスの金額として、両者の差異である配賦差額を算出する。この例の場合、その他間接費の合計金額は「-1万6千980円」であり、実際に要したその他間接費は「+1万7千円」であるため、算出部23は、両者の差異である配賦差額を「+20円」として算出する。
【0069】
また、算出部23は、この配賦差額は、実際に要した資材費の何%に相当するか、ということを示す配賦差額率を算出する。この例の場合、配賦差額を「+20円」であり、実際に要した資材費は「+1万7千円」であるため、算出部23は、「+0.1%」の配賦差額率を算出する。
【0070】
このように各金額が算出されると、データ生成部24は、部門を「資材部門」とし、実際に要した資材費を「1万円」、チャージ率を用いた計算により算出した資材費を「-1万200円」とし、配賦差額を「-200円」とし、配賦差額率を「-2.0%」とした費用集計データを生成する。
【0071】
また、データ生成部24は、部門を「全社部門」とし、実際に要したその他間接費を「1万7千円」、チャージ率を用いた計算により算出したその他間接費を「-1万6千980円」とし、配賦差額を「+20円」とし、配賦差額率を「+0.1%」とした費用集計データを生成する。
【0072】
表示制御部25は、このように生成された費用集計データに基づいて、
図14に示すように、実際に要した間接費、チャージ率で算出した間接費、実際に要した間接費とチャージ率で算出した間接費との差額となる配賦差額及び配賦差額率を含む、部門毎の費用集計表を、出力装置7を介して出力する。これにより、例えば配賦差額が大きい場合は、チャージ率の見直しを行う等の判断を可能とすることができる。
【0073】
また、検出部22は、
図13に示した抽出画面において、所望の配賦差額率が指定された場合、この指定された配賦差額率以上の配賦差額率となる間接費の費用集計データを検出する。この場合、表示制御部25は、検出部22により検出された費用集計データに基づいて、業務オペレータにより指定された配賦差額率以上の配賦差額率となる間接費の費用集計表のみを表示する。これにより、所望の配賦差額に合致した間接費の費用集計表のみを表示することができ、例えば上述のチャージ率の見直し等の検討を、より行い易くすることができる。
【0074】
(実施の形態の効果)
以上の説明から明らかなように、実施の形態の業務支援装置1は、所定の製番の直接費に付与する間接費の金額を、業務支援装置1で計算しているため、業務オペレータの原価管理業務の効率化を図ることができる。
【0075】
また、実際に発生した間接費及びチャージ率で算出した間接費を、費用集計表等にまとめて表示できるため、両者を比較して、間接費の配賦差異等を容易に把握可能とすることができる。このため、業務オペレータの原価管理業務のさらなる効率化を図ることができる。
【0076】
[国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び目標9に貢献することが可能となる。
【0077】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、目標13及び目標15に貢献することが可能となる。
【0078】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0079】
[他の実施の形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0080】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、或いは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0081】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0082】
また、業務支援装置1に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも図示の如く物理的に構成されていることを要しない。
【0083】
例えば、業務支援装置1が備える処理機能、特に制御部3及び制御部3にて行われる各処理機能については、その全部又は任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。なお、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて業務支援装置1に機械的に読み取られる。すなわち、ROM又はHDD等の記憶部等には、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部3を構成する。
【0084】
また、この業務支援装置1の業務支援プログラムは、業務支援装置1に対して任意のネットワークを介して接続された他のサーバ装置に記憶されていてもよく、必要に応じてその全部又は一部をダウンロードすることも可能である。
【0085】
また、本実施形態で説明した処理を実行するための業務支援プログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、及び、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0086】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコード又はバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した業務支援装置1において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0087】
記憶部2は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0088】
また、業務支援装置1は、既知のパーソナルコンピュータ装置又はワークステーション等の情報処理装置で構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された情報処理装置で構成してもよい。また、情報処理装置は、本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラム又はデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0089】
さらに、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部又は一部を、各種の付加等に応じて又は機能負荷に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明は、例えば機械業界等の間接費を取り扱う業界で用いて好適である。
【符号の説明】
【0091】
1 業務支援装置
2 記憶部
3 制御部
4 通信インターフェース部
5 入出力インターフェース部
6 入力装置
7 出力装置
11 製番原価費目マスタ
12 間接費チャージ対象費目設定マスタ
13 間接費チャージ率設定マスタ
21 取得部
22 検出部
23 算出部
24 データ生成部
25 表示制御部
26 記憶制御部
51 実行ボタン