(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024007854
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】金融機関サーバ、方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/02 20230101AFI20240112BHJP
【FI】
G06Q40/02
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022109216
(22)【出願日】2022-07-06
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-07-14
(71)【出願人】
【識別番号】598049322
【氏名又は名称】株式会社三菱UFJ銀行
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】関 康平
(72)【発明者】
【氏名】石河 尚子
(72)【発明者】
【氏名】築地 信太郎
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055BB13
(57)【要約】
【課題】金融機関発行物が拾得されて警察に届けられたときの利用再開の手続きを容易にする。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る金融機関サーバは、警察からの通知に基づいて、金融機関発行物が拾得されて警察に届けられたことをデータベースに登録する登録部と、顧客の金融機関発行物を特定するための情報を顧客端末から受信する受付部と、前記データベースに登録されている前記顧客の金融機関発行物の情報を前記顧客端末に表示させる提示部と、前記顧客端末からの利用再開の要求に応じて、前記顧客の金融機関発行物の利用を再開させる再開部と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
警察からの通知に基づいて、金融機関発行物が拾得されて警察に届けられたことをデータベースに登録する登録部と、
顧客の金融機関発行物を特定するための情報を顧客端末から受信する受付部と、
前記データベースに登録されている前記顧客の金融機関発行物の情報を前記顧客端末に表示させる提示部と、
前記顧客端末からの利用再開の要求に応じて、前記顧客の金融機関発行物の利用を再開させる再開部と
を備えた金融機関サーバ。
【請求項2】
前記金融機関発行物は、キャッシュカードと、通帳と、の少なくとも一方である、請求項1に記載の金融機関サーバ。
【請求項3】
前記顧客の本人確認を実行する認証部をさらに備えた、請求項1または2に記載の金融機関サーバ。
【請求項4】
金融機関サーバが実行する方法であって、
警察からの通知に基づいて、金融機関発行物が拾得されて警察に届けられたことをデータベースに登録するステップと、
顧客の金融機関発行物を特定するための情報を顧客端末から受信するステップと、
前記データベースに登録されている前記顧客の金融機関発行物の情報を前記顧客端末に表示させるステップと、
前記顧客端末からの利用再開の要求に応じて、前記顧客の金融機関発行物の利用を再開させるステップと
を含む方法。
【請求項5】
金融機関サーバを
警察からの通知に基づいて、金融機関発行物が拾得されて警察に届けられたことをデータベースに登録する登録部、
顧客の金融機関発行物を特定するための情報を顧客端末から受信する受付部、
前記データベースに登録されている前記顧客の金融機関発行物の情報を前記顧客端末に表示させる提示部、
前記顧客端末からの利用再開の要求に応じて、前記顧客の金融機関発行物の利用を再開させる再開部
として機能させるためのプログラム。
【請求項6】
顧客端末を
顧客の金融機関発行物を特定するための情報の入力を受け付ける入力受付部、
金融機関発行物が拾得されて警察に届けられたことが登録されたデータベースに登録されている前記顧客の金融機関発行物の情報を表示する表示部、
前記顧客の金融機関発行物の利用を再開させるよう要求する要求部
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金融機関サーバ、方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、金融機関が発行するキャッシュカードや通帳(以下、金融機関発行物ともいう)の紛失や盗難があった場合、不正な利用を防ぐために、キャッシュカードや通帳の利用停止の手続きが行われている。以下、
図1を参照しながら、従来のキャッシュカードおよび通帳の紛失・盗難時の利用停止および利用再開について説明する。
【0003】
まず、顧客2のキャッシュカードと通帳の紛失または盗難があったとする(ステップ1(S1))。その後、ステップ2-1とステップ3-1、あるいは、ステップ2-2とステップ3-2が行われる。
【0004】
ステップ2-1とステップ3-1の場合、キャッシュカードと通帳が拾得されて警察3に届けられると、警察3は、拾得物(キャッシュカードと通帳)の情報を金融機関1に通知する(ステップ2-1(S2-1))。金融機関1は、キャッシュカードと通帳の利用を停止させる(ステップ3-1(S3-1))。
【0005】
ステップ2-2とステップ3-2の場合、顧客2は、金融機関1に対して、キャッシュカードと通帳の利用の停止を要求する(ステップ2-2(S2-2))。その後、キャッシュカードと通帳が拾得されて警察3に届けられると、警察3は、拾得物(キャッシュカードと通帳)の情報を金融機関1に通知する(ステップ3-2(S3-2))。
【0006】
警察3からの通知を受けた金融機関1は、顧客2のキャッシュカードと通帳が拾得されて警察に届けられていることを顧客2に通知する(ステップ4(S4))。金融機関1からの通知を受けた顧客2は、警察から拾得物(キャッシュカードと通帳)を受け取る(ステップ5(S5))。その後、顧客2は、金融機関1に来店し(ステップ6(S6))、店頭でキャッシュカードと通帳の利用を再開させる手続きを行う。このように、従来、キャッシュカードや通帳の利用停止および利用再開の手続きが行われていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の手法では、顧客は、警察からキャッシュカードや通帳を受け取った後に、キャッシュカードや通帳の利用を再開させるために金融機関の店頭まで出向かなければならず煩わしかった。
【0008】
そこで、本発明では、金融機関発行物が拾得されて警察に届けられたときの利用再開の手続きを容易にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態に係る金融機関サーバは、警察からの通知に基づいて、金融機関発行物が拾得されて警察に届けられたことをデータベースに登録する登録部と、顧客の金融機関発行物を特定するための情報を顧客端末から受信する受付部と、前記データベースに登録されている前記顧客の金融機関発行物の情報を前記顧客端末に表示させる提示部と、前記顧客端末からの利用再開の要求に応じて、前記顧客の金融機関発行物の利用を再開させる再開部と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、金融機関発行物が拾得されて警察に届けられたときの利用再開の手続きを容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】従来のキャッシュカードおよび通帳の紛失・盗難時の利用停止および利用再開について説明するための図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る全体の構成を示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る金融機関サーバの機能ブロック図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る顧客端末の機能ブロック図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る利用再開の処理のシーケンス図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る利用状態データベースの一例である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る拾得物情報データベースの一例である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る顧客端末に表示される画面の遷移図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る顧客端末に表示される画面の遷移図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係る顧客端末に表示される画面の遷移図である。
【
図11】本発明の一実施形態に係る顧客端末に表示される画面の遷移図である。
【
図12】本発明の一実施形態に係る金融機関サーバのハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<用語の説明>
・本明細書において、「金融機関発行物」とは、銀行等の金融機関が顧客に対して発行する、金融機関での取引に用いられるものである。例えば、金融機関発行物は、キャッシュカードと通帳との少なくとも一方である。なお、金融機関発行物は、クレジットカード、デビットカード等であってもよい。
【0013】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、本明細書では、金融機関発行物がキャッシュカードと通帳である場合を主に説明するが、他の金融機関発行物の場合も同様である。
【0014】
<全体構成>
図2は、本発明の一実施形態に係る全体の構成を示す図である。金融機関サーバ10と顧客端末20は、任意のネットワークを介して、データを送受信することができる。なお、金融機関サーバ10を管理する金融機関は、顧客端末20を操作する顧客の口座を開設しており、キャッシュカードと通帳との少なくとも一方を発行しているものとする。以下、それぞれについて説明する。
【0015】
<<金融機関サーバ>>
金融機関サーバ10は、銀行等の金融機関が管理するサーバである。金融機関サーバ10は、1つまたは複数のコンピュータから構成される。
【0016】
具体的には、金融機関サーバ10は、警察からの通知に基づいて、金融機関発行物(例えば、キャッシュカード、通帳等)が拾得されて警察に届けられたことをデータベースに登録する。また、金融機関サーバ10は、顧客の金融機関発行物を特定するための情報(例えば、口座情報)を顧客端末20から受信する。また、金融機関サーバ10は、データベースに登録されている顧客の金融機関発行物の情報を顧客端末20に表示させる。また、金融機関サーバ10は、顧客端末20からの利用再開の要求に応じて、顧客の金融機関発行物の利用を再開させる。
【0017】
<<顧客端末>>
顧客端末20は、金融機関の顧客が操作する端末である。例えば、顧客端末20は、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ等である。なお、顧客端末20は、顧客が保有する端末であってもよいし、金融機関が保有する端末(例えば、金融機関に設置されている端末)であってもよい。
【0018】
<機能ブロック>
図3は、本発明の一実施形態に係る金融機関サーバ10の機能ブロック図である。金融機関サーバ10は、登録部101と、拾得物情報データベース(DB)102と、利用停止部103と、利用状態データベース(DB)104と、利用再開部105(利用再開部105は、受付部151と、提示部152と、再開部153と、認証部154と、を含む)と、を備える。金融機関サーバ10は、プログラムを実行することで、登録部101、利用停止部103、利用再開部105(利用再開部105は、受付部151と、提示部152と、再開部153と、認証部154と、を含む)、として機能する。以下、それぞれについて説明する。
【0019】
登録部101は、警察からの通知(金融機関発行物が拾得されて警察に届けられたという通知)に基づいて、当該金融機関発行物の情報(例えば、口座情報)を拾得物情報データベース102に登録する。具体的には、登録部101は、警察に届けられたキャッシュカードと通帳の口座の支店、口座番号、口座名義人の情報等を拾得物情報データベース102に登録する。
【0020】
拾得物情報データベース102には、警察に届けられた金融機関発行物の情報が記憶されている。
【0021】
利用停止部103は、金融機関発行物(例えば、キャッシュカード、通帳等)の利用を停止させる。具体的には、利用停止部103は、利用状態データベース104において、金融機関発行物の利用状態を利用中から停止中へ変更する。
【0022】
利用状態データベース104には、金融機関発行物の利用状態が記憶されている。例えば、キャッシュカードおよび通帳は、利用状態データベース104において利用状態が利用中であると、金融機関の店頭やATM等において取引することが可能であり、利用状態データベース104において利用状態が停止中であると、金融機関の店頭やATM等において取引することが不可能である。
【0023】
なお、
図3では、拾得物情報データベース102と利用状態データベース104とを別々のデータベースとして説明したが、拾得物情報データベース102と利用状態データベース104とを1つのデータベースで実装してもよい。
【0024】
利用再開部105は、金融機関発行物(例えば、キャッシュカード、通帳等)の利用を再開させる。利用再開部105は、受付部151と、提示部152と、再開部153と、認証部154と、を含む。以下、それぞれについて説明する。
【0025】
受付部151は、金融機関発行物を特定するための情報を顧客端末20から受信する。例えば、金融機関発行物を特定するための情報は、口座情報(具体的には、口座の支店、口座番号、口座名義人、暗証番号等)である。
【0026】
提示部152は、拾得物情報データベース102と利用状態データベース104の少なくとも一方に登録されている顧客の金融機関発行物の情報を顧客端末20に表示させる。
【0027】
再開部153は、顧客端末20からの利用再開の要求に応じて、顧客の金融機関発行物の利用を再開させる。具体的には、再開部153は、利用状態データベース104において、顧客の金融機関発行物の利用状態を停止中から利用中へ変更する。
【0028】
認証部154は、顧客端末20と金融機関サーバ10の間で認証を実行する。
【0029】
具体的には、認証部154は、キャッシュカードの暗証番号による認証を実行する。
【0030】
具体的には、認証部154は、本人確認を実行する。例えば、顧客が金融機関からの電話で聞いた認証番号を顧客端末20に入力することにより、本人確認を行ってもよい。例えば、顧客端末20に表示された電話番号に、顧客が金融機関に届出・登録した特定の電話番号から架電することにより、本人確認を行ってもよい。例えば、顧客端末20が本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード等)から読み取った情報と、金融機関に届出・登録されている情報および自撮り写真(顧客端末20が撮影した顧客の顔写真)と、を照合することにより、本人確認を行ってもよい。
【0031】
図4は、本発明の一実施形態に係る顧客端末20の機能ブロック図である。顧客端末20は、入力受付部201と、表示部202と、要求部203と、を備える。顧客端末20は、プログラムを実行することで、入力受付部201、表示部202、要求部203、として機能する。以下、それぞれについて説明する。
【0032】
入力受付部201は、顧客の金融機関発行物を特定するための情報の入力を受け付けて、入力された情報を金融機関サーバ10へ送信する。
【0033】
表示部202は、金融機関発行物が拾得されて警察に届けられたことが登録されたデータベースに登録されている顧客の金融機関発行物の情報を、金融機関サーバ10から受信して顧客端末20上に表示する。
【0034】
要求部203は、顧客の金融機関発行物の利用を再開させるよう金融機関サーバ10に要求する。
【0035】
<処理方法>
図5は、本発明の一実施形態に係る利用再開の処理のシーケンス図である。
【0036】
ステップ101(S101)において、金融機関サーバ10の利用停止部103は、顧客の金融機関発行物(例えば、キャッシュカード、通帳等)の利用を停止させる。具体的には、金融機関サーバ10の利用停止部103は、利用状態データベース104において、顧客の金融機関発行物の利用状態を利用中から停止中へ変更する。なお、S101は、S102の後に実行されてもよい。
【0037】
ステップ102(S102)において、金融機関サーバ10の登録部101は、警察からの通知に基づいて、金融機関発行物が拾得されて警察に届けられたことを拾得物情報データベース102に登録する。具体的には、金融機関発行物が拾得されて警察に届けられると、警察は、拾得物(当該金融機関発行物)の情報を金融機関に通知する。金融機関サーバ10の登録部101は、警察からの通知に基づいて、当該金融機関発行物の情報(例えば、口座情報)を拾得物情報データベース102に登録する。
【0038】
なお、金融機関サーバ10の登録部101は、金融機関の者が入力した情報を拾得物情報データベース102に登録してもよいし、あるいは、警察のサーバから情報を受信して当該受信した情報を拾得物情報データベース102に登録してもよい。
【0039】
ステップ103(S103)において、金融機関サーバ10の受付部151は、顧客の金融機関発行物を特定するための情報(例えば、口座情報)を顧客端末20から受信する。具体的には、口座情報は、顧客の口座の支店、口座番号、口座名義人、暗証番号等である。
【0040】
ステップ104(S104)において、金融機関サーバ10の認証部154は、S103で受信された暗証番号と、金融機関サーバ10で管理されている暗証番号と、が一致するか否かを判断する。S103で受信された暗証番号と、金融機関サーバ10で管理されている暗証番号と、が一致すると、ステップ105へ進む。なお、金融機関サーバ10の認証部154は、S103で受信された口座情報(口座の支店、口座番号、口座名義人)と、金融機関サーバ10で管理されている口座情報(口座の支店、口座番号、口座名義人)と、が一致するか否かを判断することもできる。
【0041】
ステップ105(S105)において、金融機関サーバ10の提示部152は、顧客の金融機関発行物が、警察に届けられた拾得物に含まれるか否かを判断する。具体的には、金融機関サーバ10の提示部152は、拾得物情報データベース102を参照して、S103で受信した支店、口座番号、口座名義人の口座があるか否かを判断する。顧客の金融機関発行物の情報が拾得物情報データベース102に登録されていると、ステップ106へ進む。
【0042】
ステップ106(S106)において、金融機関サーバ10の提示部152は、拾得物情報データベース102に登録されている顧客の金融機関発行物の情報を顧客端末20に表示させる。
【0043】
ステップ107(S107)において、金融機関サーバ10の提示部152は、申込内容の確認(つまり、顧客の金融機関発行物の利用の再開を申し込むことの確認)を顧客端末20に表示させる。
【0044】
ステップ108(S108)において、金融機関サーバ10の認証部154は、本人確認を実行する。例えば、顧客が金融機関からの電話で聞いた認証番号を顧客端末20に入力することにより、本人確認を行ってもよい。例えば、顧客端末20に表示された電話番号に、顧客が金融機関に届出・登録した特定の電話番号から架電することにより、本人確認を行ってもよい。例えば、顧客端末20が本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード等)から読み取った情報と、金融機関に届出・登録されている情報および自撮り写真(顧客端末20が撮影した顧客の顔写真)と、を照合することにより、本人確認を行ってもよい。本人確認が完了すると、ステップ109へ進む。
【0045】
ステップ109(S109)において、顧客端末20の要求部203は、金融機関発行物の利用の再開を要求する。
【0046】
ステップ110(S110)において、金融機関サーバ10の再開部153は、S109の要求に応じて、金融機関発行物の利用を再開させる。具体的には、金融機関サーバ10の再開部153は、利用状態データベース104において、顧客の金融機関発行物の利用状態を停止中から利用中へ変更する。
【0047】
<データベース>
以下、
図6を参照しながら利用状態データベース104について説明し、
図7を参照しながら、拾得物情報データベース102について説明する。
【0048】
図6は、本発明の一実施形態に係る利用状態データベース104の一例である。利用状態データベース104には、金融機関が発行した全てのキャッシュカードと全ての通帳の利用状態(
図6の例では、No1~No5の口座のキャッシュカードと通帳の利用状態)が記憶されている。なお、利用状態データベース104に、利用停止されているキャッシュカードと通帳の情報を記憶させる(つまり、利用状態が停止中のキャッシュカードと通帳の情報のみが記憶される)ことで、キャッシュカードと通帳の利用状態を管理するようにしてもよい。
【0049】
具体的には、利用状態データベース104には、口座ごとに、当該口座の口座情報(具体的には、支店、口座番号、口座名義人等)、当該口座のキャッシュカードと通帳との少なくとも一方の利用状態(停止中または利用中)の情報が記憶されている。なお、No1~No3のように、キャッシュカードと通帳の両方が発行されていてもよいし、No4のように、キャッシュカードのみが発行されていてもよいし、No5のように、通帳のみが発行されていてもよい。
【0050】
図7は、本発明の一実施形態に係る拾得物情報データベース102の一例である。拾得物情報データベース102には、顧客が紛失したり盗難にあったりした後に拾得されて警察に届けられたキャッシュカードと通帳の情報(
図7の例では、
図6のNo1~No5の口座のうちNo1、2、4の口座のキャッシュカードと通帳)が記憶されている。なお、顧客が複数の金融機関発行物を有する場合、複数の金融機関発行物のうち拾得されて警察に届けられた金融機関発行物のみを利用停止および利用再開させることができる。
【0051】
具体的には、拾得物情報データベース102には、口座ごとに、当該口座の口座情報(具体的には、支店、口座番号、口座名義人等)、当該口座のキャッシュカードと通帳との少なくとも一方の再開状態(つまり、利用が再開されていないか、あるいは、利用が再開されたか)が記憶されている。
【0052】
なお、金融機関サーバ10の利用再開部105の提示部152は、顧客端末20からの要求に応じて利用が再開された金融機関発行物(つまり、
図7の"再開状態"において、利用が再開されているもの)の情報は、顧客端末20に表示させない(
図7の例であれば、No2の口座のキャッシュカードと通帳の情報は、顧客端末20に表示されない)。
【0053】
<画面>
図8は、本発明の一実施形態に係る顧客端末20に表示される画面の遷移図である。例えば、金融機関が提供するスマートフォンアプリケーションのメニューから利用再開の申込が選択されると、ステップ1001の画面が表示される。
【0054】
ステップ1001(S1001)において、口座情報を入力するための画面が表示される。顧客は、S1001の画面に、顧客の口座の店番、口座番号、氏名、キャッシュカードの暗証番号を入力する。
【0055】
金融機関サーバ10において、S1001で入力されたキャッシュカードの暗証番号による認証が行われ、認証が成功すると、ステップ1002へ進む。なお、金融機関サーバ10の認証部154は、S1001で入力された口座情報(口座の支店、口座番号、口座名義人)と、金融機関サーバ10で管理されている口座情報(口座の支店、口座番号、口座名義人)と、が一致するか否かを判断することもできる。
【0056】
ステップ1002(S1002)において、警察に届けられた顧客のキャッシュカードと通帳の情報が提示された画面が表示される。顧客は、S1002の画面を確認のうえ、警察から拾得物を受け取り済みであることを入力する。
【0057】
ステップ1003(S1003)において、申込内容(つまり、キャッシュカードと通帳の利用再開)を確認するための画面が表示される。
【0058】
なお、S1003の後に本人確認が行われ、認証が成功すると、キャッシュカードと通帳の利用が再開されてもよい。例えば、顧客が金融機関からの電話で聞いた認証番号を顧客端末20に入力することにより、本人確認を行ってもよい。例えば、顧客端末20に表示された電話番号に、顧客が金融機関に届出・登録した特定の電話番号から架電することにより、本人確認を行ってもよい。例えば、顧客端末20が本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード等)から読み取った情報と、金融機関に届出・登録されている情報および自撮り写真(顧客端末20が撮影した顧客の顔写真)と、を照合することにより、本人確認を行ってもよい。
【0059】
ステップ1004(S1004)において、利用再開の申込が完了したこと(つまり、キャッシュカードと通帳の利用が再開されたこと)を示す画面が表示される。
【0060】
以下、
図9~
図11を参照しながら、本人確認の画面(
図8のS1003とS1004の間に表示される画面)について説明する。
【0061】
図9は、本発明の一実施形態に係る顧客端末20に表示される画面の遷移図である。
図9は、本人確認の方法として、電話による本人確認が選択された場合に表示される。
【0062】
ステップ2001(S2001)において、電話番号を選択するための画面が表示される。顧客が、金融機関に届出・登録した電話番号のうちのいずれかを選択すると、ステップ2002へ進む。
【0063】
ステップ2002(S2002)において、電話番号を確認するための画面が表示される。顧客が、S2001で選択した電話番号で電話を受ける旨を入力すると、当該電話番号に自動音声の電話がかかってくる。顧客は、自動音声が発する認証番号を聞く。
【0064】
ステップ2003(S2003)において、認証番号を入力するための画面が表示される。顧客が、S2002で聞いた認証番号を入力することで、本人確認が行われる。
【0065】
図10は、本発明の一実施形態に係る顧客端末20に表示される画面の遷移図である。
図10は、本人確認の方法として、運転免許証による本人確認が選択された場合に表示される。
【0066】
ステップ2011(S2011)において、運転免許証を読み取るための画面が表示される。顧客が、運転免許証の読み取りを開始する旨を入力すると、ステップ2012へ進む。
【0067】
ステップ2012(S2012)において、運転免許証の暗証番号を入力するための画面が表示される。なお、2つの暗証番号の各々を入力するための画面が表示されてもよい。その後、運転免許証が読み取られる。
【0068】
ステップ2013(S2013)において、顧客の顔を撮影するための画面が表示される。顧客は、自身の顔を撮影する。
【0069】
ステップ2014(S2014)において、顧客のまばたきを撮影するための画面が表示される。顧客は、自身のまばたきを撮影する。
【0070】
このように、運転免許証から読み取られた情報と、金融機関に届出・登録されている情報および自撮り写真(S2013とS2014で撮影された画像)と、を照合することにより、本人確認が行われる。
【0071】
図11は、本発明の一実施形態に係る顧客端末20に表示される画面の遷移図である。
図11は、本人確認の方法として、マイナンバーカードによる本人確認が選択された場合に表示される。
【0072】
ステップ2021(S2021)において、マイナンバーカードに記載の内容を入力するための画面が表示される。顧客が、生年月日、有効期限、セキュリティコードを入力すると、ステップ2022へ進む。
【0073】
ステップ2022(S2022)において、マイナンバーカードを読み取るための画面が表示される。顧客が、マイナンバーカードの読み取りを開始する旨を入力すると、マイナンバーカードが読み取られる。
【0074】
ステップ2023(S2023)において、顧客の顔を撮影するための画面が表示される。顧客は、自身の顔を撮影する。
【0075】
ステップ2024(S2024)において、顧客のまばたきを撮影するための画面が表示される。顧客は、自身のまばたきを撮影する。
【0076】
このように、マイナンバーから読み取られた情報と、金融機関に届出・登録されている情報および自撮り写真(S2023とS2024で撮影された画像)と、を照合することにより、本人確認が行われる。
【0077】
<効果>
本発明の一実施形態では、キャッシュカードや通帳等の紛失・盗難があった場合、顧客は、キャッシュカードや通帳等を警察から受け取った後に、金融機関の店頭まで出向く必要なく、容易にキャッシュカードや通帳等の利用を再開させることができる。
【0078】
<ハードウェア構成>
図12は、本発明の一実施形態に係る金融機関サーバ10のハードウェア構成図である。なお、顧客端末20についても同様である。
【0079】
金融機関サーバ10は、CPU(Central Processing Unit)1001、ROM(Read Only Memory)1002、RAM(Random Access Memory)1003を有する。CPU1001、ROM1002、RAM1003は、いわゆるコンピュータを形成する。また、金融機関サーバ10は、補助記憶装置1004、表示装置1005、操作装置1006、I/F(Interface)装置1007、ドライブ装置1008を有する。なお、金融機関サーバ10の各ハードウェアは、バスBを介して相互に接続されている。
【0080】
CPU1001は、補助記憶装置1004にインストールされている各種プログラムを実行する演算デバイスである。
【0081】
ROM1002は、不揮発性メモリである。ROM1002は、補助記憶装置1004にインストールされている各種プログラムをCPU1001が実行するために必要な各種プログラム、データ等を格納する主記憶デバイスとして機能する。具体的には、ROM1002は、BIOS(Basic Input/Output System)やEFI(Extensible Firmware Interface)等のブートプログラム等を格納する、主記憶デバイスとして機能する。
【0082】
RAM1003は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)等の揮発性メモリである。RAM1003は、補助記憶装置1004にインストールされている各種プログラムがCPU1001によって実行される際に展開される作業領域を提供する、主記憶デバイスとして機能する。
【0083】
補助記憶装置1004は、各種プログラムや、各種プログラムが実行される際に用いられる情報を格納する補助記憶デバイスである。
【0084】
表示装置1005は、金融機関サーバ10の内部状態等を表示する表示デバイスである。
【0085】
操作装置1006は、金融機関サーバ10の管理者が金融機関サーバ10に対して各種指示を入力する入力デバイスである。
【0086】
I/F装置1007は、ネットワークに接続し、他のコンピュータと通信を行うための通信デバイスである。
【0087】
ドライブ装置1008は記憶媒体1009をセットするためのデバイスである。ここでいう記憶媒体1009には、CD-ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等のように情報を光学的、電気的あるいは磁気的に記録する媒体が含まれる。また、記憶媒体1009には、ROM、フラッシュメモリ等のように情報を電気的に記録する半導体メモリ等が含まれていてもよい。
【0088】
なお、補助記憶装置1004にインストールされる各種プログラムは、例えば、配布された記憶媒体1009がドライブ装置1008にセットされ、該記憶媒体1009に記録された各種プログラムがドライブ装置1008により読み出されることでインストールされる。あるいは、補助記憶装置1004にインストールされる各種プログラムは、I/F装置1007を介して、ネットワークよりダウンロードされることでインストールされてもよい。
【0089】
以上、実施形態を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の変更が可能である。
【符号の説明】
【0090】
1 金融機関
2 顧客
3 警察
10 金融機関サーバ
20 顧客端末
101 登録部
102 拾得物情報データベース(DB)
103 利用停止部
104 利用状態データベース(DB)
105 利用再開部
151 受付部
152 提示部
153 再開部
154 認証部
201 入力受付部
202 表示部
203 要求部
1001 CPU
1002 ROM
1003 RAM
1004 補助記憶装置
1005 表示装置
1006 操作装置
1007 I/F装置
1008 ドライブ装置
1009 記憶媒体