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特開2024-78580クランプ装置及びクランプ装置の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078580
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】クランプ装置及びクランプ装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   F16B 7/04 20060101AFI20240604BHJP
   B21D 19/08 20060101ALI20240604BHJP
   E04G 7/06 20060101ALN20240604BHJP
【FI】
F16B7/04 301B
B21D19/08 D
F16B7/04 301M
E04G7/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022191024
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】592123923
【氏名又は名称】株式会社タカミヤ
(74)【代理人】
【識別番号】100104776
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100119194
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 明夫
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼宮 一雅
(72)【発明者】
【氏名】早川 翼
(72)【発明者】
【氏名】油原 大和
【テーマコード(参考)】
3J039
【Fターム(参考)】
3J039BB04
3J039KA01
(57)【要約】
【課題】回動部の安定性を向上させることができるクランプ装置及びクランプ装置の製造方法を提供する。
【解決手段】棒状又は管状の対象部材Pを把持して固定するクランプ装置1であって、対象部材Pを挟み込む第1部材2と第2部材3とを有しており、第1部材2と第2部材3は、それぞれに設けられたリベット止め孔6にリベットを止めて互いに回動可能な回動部5を形成し、第1部材2と第2部材3を回動させて対象部材Pを挟み込み、第1部材2と第2部材3の間に掛け渡された締結部材4を締め上げることで、対象部材Pを固定するように構成されており、リベット止め孔6の少なくとも一方は、リベット止め孔6の周縁部がバーリング加工で立ち上がった立上り部10となるように形成されており、立上り部10は、当該立上りの高さが全周にわたって均一な所定高さとなるように構成されている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒状又は管状の対象部材を把持して固定するクランプ装置であって、
前記対象部材を挟み込む第1部材と第2部材とを有しており、
前記第1部材と前記第2部材は、それぞれに設けられたリベット止め孔にリベットを止めて互いに回動可能な回動部を形成し、前記第1部材と前記第2部材を回動させて前記対象部材を挟み込み、前記第1部材と前記第2部材の間に掛け渡された締結部材を締め上げることで、前記対象部材を固定するように構成されており、
前記リベット止め孔の少なくとも一方は、前記リベット止め孔の周縁部がバーリング加工で立ち上がった立上り部となるように形成されており、
前記立上り部は、当該立上りの高さが全周にわたって均一な所定高さとなるように構成されていることを特徴とするクランプ装置。
【請求項2】
前記立上り部は、突出方向に形成された平面部と該平面部から前記リベット止め孔の外径に向かって形成されたテーパ状部を有する均一な高さの断面視略台形状を呈していることを特徴とする請求項1に記載のクランプ装置。
【請求項3】
棒状又は管状の対象部材を把持して固定するクランプ装置の製造方法であって、
前記対象部材を挟み込む第1部材と第2部材とを回動自在にさせる回動部を構成するリベット止め孔の形成にあたり、
前記第1部材及び/又は前記第2部材の材料となる板材に下孔を形成する下孔形成工程と、
前記下孔にバーリング加工で立上り部を形成するバーリング工程と、
を有し、
前記バーリング工程では、前記下孔より大径に形成されたパンチと該パンチを受けるダイとを備えており、
該ダイは、大径の上段孔部と、前記パンチの径と略同径に形成された小径の下段孔部とを有する段付き構造となっており、
前記板材の前記下孔を前記ダイの前記上段孔部上に配置し、前記パンチを前記上段孔部を介して前記下段孔部まで打ち抜くことで、前記下孔周縁の前記板材が前記ダイ方向に押し曲げられ、前記パンチと前記上段孔部で囲まれた箇所に押し出されて、前記立上り部を形成し、該立上り部が前記下段孔部方向に押圧されることで、前記上段孔部の下面に当接して、均一な高さの前記立上り部が形成されることを特徴とするクランプ装置の製造方法。
【請求項4】
前記立上り部は、前記パンチと前記上段孔部で囲まれた箇所に押し出されて、前記下段孔部方向に押圧されることで、前記上段孔部の下面に当接して、突出方向の平面部と該平面部から前記リベット止め孔の外径に向かうテーパ状部を有する均一な高さの断面視略台形状に形成されることを特徴とする請求項3に記載のクランプ装置の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クランプ装置及びクランプ装置の製造方法に関し、特にクランプ装置における回動部の安定性を向上させるクランプ装置及びクランプ装置の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、クランプ装置においては、2つの部材を、それらの間に形成された回動部を介して開閉させて、パイプ等の対象部材を保持するようになっているものが知られている。また、この回動部は、孔部同士をリベット止めするようになっているものが知られている。さらに、従来、回動部の孔部は、製造過程において、テーパ形状を呈するように形成される。このように孔部がテーパ形状を呈していると、リベットが孔部の周縁部に接する面積が小さくなり、また、リベットと孔部とがぴったりと嵌らずに隙間が生じるので、ガタが生じ易く、回動部の安定性に欠けるという問題が生じていた。
【0003】
これに対して、リベット止めを行う孔部にバーリング加工による立上り部を形成し、このような状態の孔部に対してリベット止めを行うものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5739933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記した特許文献1のような従来のクランプ装置では、バーリング加工で立ち上げた立上り部の立上り高さにバラつきが生じることがあり、そのため、リベット止めが安定せず、やはり回動部の安定性に欠ける場合が生じていた。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、回動部の安定性を向上させることができるクランプ装置及びクランプ装置の製造方法を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を達成するために、本発明は、棒状又は管状の対象部材を把持して固定するクランプ装置であって、前記対象部材を挟み込む第1部材と第2部材とを有しており、前記第1部材と前記第2部材は、それぞれに設けられたリベット止め孔にリベットを止めて互いに回動可能な回動部を形成し、前記第1部材と前記第2部材を回動させて前記対象部材を挟み込み、前記第1部材と前記第2部材の間に掛け渡された締結部材を締め上げることで、前記対象部材を固定するように構成されており、前記リベット止め孔の少なくとも一方は、前記リベット止め孔の周縁部がバーリング加工で立ち上がった立上り部となるように形成されており、前記立上り部は、当該立上りの高さが全周にわたって均一な所定高さとなるように構成されているクランプ装置としたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、上記記載の構成に加え、前記立上り部は、突出方向に形成された平面部と該平面部から前記リベット止め孔の外径に向かって形成されたテーパ状部を有する均一な高さの断面視略台形状を呈しているクランプ装置としたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、棒状又は管状の対象部材を把持して固定するクランプ装置の製造方法であって、前記対象部材を挟み込む第1部材と第2部材とを回動自在にさせる回動部を構成するリベット止め孔の形成にあたり、前記第1部材及び/又は前記第2部材の材料となる板材に下孔を形成する下孔形成工程と、前記下孔にバーリング加工で立上り部を形成するバーリング工程と、を有し、前記バーリング工程では、前記下孔より大径に形成されたパンチと該パンチを受けるダイとを備えており、該ダイは、大径の上段孔部と、前記パンチの径と略同径に形成された小径の下段孔部とを有する段付き構造となっており、前記板材の前記下孔を前記ダイの前記上段孔部上に配置し、前記パンチを前記上段孔部を介して前記下段孔部まで打ち抜くことで、前記下孔周縁の前記板材が前記ダイ方向に押し曲げられ、前記パンチと前記上段孔部で囲まれた箇所に押し出されて、前記立上り部を形成し、該立上り部が前記下段孔部方向に押圧されることで、前記上段孔部の下面に当接して、均一な高さの前記立上り部が形成されるクランプ装置の製造方法としたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上記記載の構成に加え、前記立上り部は、前記パンチと前記上段孔部で囲まれた箇所に押し出されて、前記下段孔部方向に押圧されることで、前記上段孔部の下面に当接して、突出方向の平面部と該平面部から前記リベット止め孔の外径に向かうテーパ状部を有する均一な高さの断面視略台形状に形成されるクランプ装置の製造方法としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、クランプ装置の回動部を形成するリベット止め孔の周縁部が、バーリング加工によって全周にわたって均一な所定高さの立上り部を形成していることで、安定したリベット止めを行うことができ、その結果、クランプ装置の回動部の安定性を向上させることができる。
【0012】
また、本発明によれば、立上り部が突出方向の平面部とリベット止め孔の外径に向かうテーパ状部を有する断面視略台形状を呈していることで、より安定した立上り部の形状とすることができ、より安定したリベット止めを行うことができ、その結果、クランプ装置の回動部の安定性をより向上させることができる。
【0013】
また、本発明によれば、パンチと段付き構造のダイを用いてバーリング加工を行い、リベット止め孔の立上り部を形成することで、全周にわたって均一な所定高さの立上り部を形成することができ、その結果、安定したリベット止めを行うことができ、クランプ装置の回動部の安定性を向上させることができる。
【0014】
また、本発明によれば、立上り部を、突出方向の平面部とリベット止め孔の外径に向かうテーパ状部を有する断面視略台形状に形成することで、より安定した形状の立上り部を形成することができ、その結果、より安定したリベット止めを行うことができ、クランプ装置の回動部の安定性をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施の形態に係るクランプ装置を示す斜視図である。
図2】同実施の形態に係るクランプ装置を示す正面図である。
図3】同実施の形態に係るクランプ装置の別例を示す斜視図である。
図4】同実施の形態に係るクランプ装置の別例を示す正面図である。
図5】同実施の形態に係るクランプ装置における回動部のリベット止めの状態を示す模式断面図である。
図6】同実施の形態に係るクランプ装置の製造過程における下孔形成工程後の状態を示す(a)正面図及び(b)A-A断面図である。
図7】同実施の形態に係るクランプ装置の製造過程におけるバーリング工程の加工前の状態を示す模式断面図である。
図8】同実施の形態に係るクランプ装置の製造過程におけるバーリング工程の加工時の状態を示す模式断面図である。
図9】同実施の形態に係るクランプ装置の製造過程におけるバーリング工程後の状態を示す(a)正面図及び(b)B-B断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0017】
図1図9には、本発明の実施の形態を示す。
【0018】
まず、本実施の形態のクランプ装置1の概要について、図1及び図2を用いて説明する。
【0019】
本実施の形態のクランプ装置1は、棒状又は筒状の対象部材P(ここでは、金属製のパイプ)を把持して固定するものである。このクランプ装置1は、図1及び図2に示すように、対象部材Pを挟み込むようにそれぞれ湾曲形状(又は折曲形状)に形成された金属製の第1部材2と第2部材3とを有している。また、これら第1部材2と第2部材3は、図5に示すように、それぞれに設けられたリベット止め孔6にリベットRを止めて互いに回動可能な回動部5を形成している。このような構成により、第1部材2と第2部材3を回動させて対象部材Pを挟み込み、その上で、第1部材2と第2部材3の間に掛け渡された締結部材4(ここではボルト状の部材で締結するようになっている)を締め上げることで、対象部材Pを固定するように構成されている。
【0020】
また、このリベット止め孔6の少なくとも一方(ここでは第1部材2)は、図5に示すように、リベット止め孔6の周縁部がバーリング加工で立ち上がった立上り部10となるように形成されている。この立上り部10は、当該立上りの高さがリベット止め孔6の周縁部全周にわたって均一な所定高さとなるように構成されている。
【0021】
また、ここでは、立上り部10は、突出方向T(図5等参照)の先に当該突出方向Tと直交する方向に形成された平面部11とこの平面部11からリベット止め孔6の外径方向Gに向かって形成されたテーパ状部12を有し、突出方向Tと平行な内径の面と平面部11と平行な立上り部10の底面とで均一な高さの断面視略台形状(図5等で2点鎖線で表示)を呈するように形成されている。このように、立上り部10が断面視略台形状に形成されていることで、平面部11でリベットRを支持し、当該リベットRより幅広の底面でさらに立上り部10を支持することで、例えば立上り部が断面視略直方体形状等に形成されていてリベットRを支持する面と当該立上り部を支持する面が略同一面積となる場合と比べて、より安定感があってリベットRの圧力を受け止め易くなるように形成されている。
【0022】
なお、クランプ装置1のその他の構成については、従来のものと同様であるので、詳しい説明は省略する。
【0023】
次に、本実施の形態のクランプ装置1の製造方法について、図6図9を用いて説明する。
【0024】
なお、ここでは、クランプ装置1の製造過程におけるバーリング加工でリベット止め孔6の立上り部10を形成する工程について詳しく説明し、その他の工程については従来の工程と同様であるので説明を省略する。
【0025】
まず、図6に示すように、第1部材2及び/又は第2部材3の基となる板材20に打ち抜き、プレス加工等で下孔10Aを形成する下孔形成工程を行う。このとき、金型や治具の抜き形状等を考慮する関係で、下孔10Aとしてテーパ状の孔が形成される。
【0026】
次に、図7図9に示すように、その下孔10Aにバーリング加工で立上り部10を形成するバーリング工程を行う。このバーリング工程では、図7に示すように、下孔10Aより大径に形成されたパンチ本体51を有するパンチ50と、そのパンチ50を受けるダイ60とを備えている。
【0027】
当該パンチ50は、ダイ60に挿入するパンチ本体51と、そのパンチ本体51の上部に鍔状に形成されたパンチ鍔状部52とを有している。また、パンチ本体51の先端部は、滑らかに下孔10A部分の板材20を押圧、変形させることができるようにR形状の丸みが付けられたパンチ曲面部53が形成されている。
【0028】
また、ダイ60は、大径の上段孔部61と、パンチ50の径と略同径に形成された小径の下段孔部62とを有する段付き構造となっている。
【0029】
そして、板材20の下孔10Aを、テーパの径が小さい方がパンチ50側となるようにしてダイ60の上段孔部61上に配置する。なお、下孔10Aの形状、大きさ等によっては、板材20の下孔10Aを、テーパの径が大きい方がパンチ50側となるようにしてダイ60の上段孔部61上に配置するようになっていても良い。
【0030】
そして、パンチ50を上段孔部61を介して下段孔部62まで打ち抜く。ここで、下孔10Aの周縁の板材20がダイ60方向に押し曲げられ、パンチ50のパンチ本体51とダイ60の上段孔部61で囲まれた箇所に押し出されて、立上り部10を形成する。このとき、立上り部10が形成される過程で、押し曲げられた部位が下段孔部62方向に押圧されることで、上段孔部61の下面に当接して、さらにパンチ50のパンチ額状部52で板材20が押圧されることで、上段孔部61の下面に当接した部位がさらに押し当てられて平面部11が形成されることで、均一な高さの立上り部10が形成されるようになっている。
【0031】
このとき、立上り部10は、パンチ50のパンチ本体51とダイ60の上段孔部61で囲まれた箇所に押し出されて、下段孔部62方向に押圧されることで、上段孔部61の下面に当接して、突出方向Tの先で当該突出方向Tと略直交する方向に平面部11が形成されると共に、その平面部11からリベット止め孔6の外径方向Gに向かうテーパ状部12が形成され、これらを有する均一な高さの断面視略台形状(2点鎖線で示す形)に形成されるようになっている。
【0032】
なお、本実施の形態のクランプ装置としては、前記したものに限るものではなく、例えば図3及び図4に示すようなものでも良い。このクランプ装置1Aは、棒状又は筒状の対象部材P1,P2(ここでは、双方とも金属製のパイプ)を異なる角度で把持して固定するものである。このクランプ装置1Aは、図3及び図4に示すように、対象部材P1を挟み込むようにそれぞれ湾曲形状(又は折曲形状)に形成された金属製の第1部材2Aと第2部材3Aとを有し、かつ、対象部材P2を挟み込むようにそれぞれ湾曲形状(又は折曲形状)に形成された金属製の第1部材2Bと第2部材3Bとを有している。また、これら第1部材2A,2Bと第2部材3A,3Bは、図5に示すものと同様に、それぞれに設けられたリベット止め孔6A,6BにリベットRを止めて互いに回動可能な回動部5A,5Bを形成している。このような構成により、第1部材2A,2Bと第2部材3A,3Bを回動させて対象部材P1,P2を挟み込み、その上で、第1部材2A,2Bと第2部材3A,3Bの間に掛け渡された締結部材4A,4B(ここではボルト状の部材で締結するようになっている)を締め上げることで、対象部材P1,P2を固定するように構成されている。
【0033】
また、このリベット止め孔6A,6Bの少なくとも一方(ここでは第1部材2A,2B)は、図5に示すものと同様に、リベット止め孔6A,6Bの周縁部がバーリング加工で立ち上がった立上り部10となるように形成されている。この立上り部10は、前記したものと同様に、当該立上りの高さがリベット止め孔6の周縁部全周にわたって均一な所定高さとなるように構成されている。
【0034】
以上のように、本実施の形態によれば、クランプ装置1,1Aの回動部5,5A,5Bを形成するリベット止め孔6,6A,6Bの周縁部が、バーリング加工によって全周にわたって均一な所定高さの立上り部10を形成していることで、安定したリベット止めを行うことができ、その結果、クランプ装置1,1Aの回動部5,5A,5Bの安定性を向上させることができる。
【0035】
また、本実施の形態によれば、立上り部10が突出方向の平面部11とリベット止め孔6,6A,6Bの外径に向かうテーパ状部12を有する断面視略台形状を呈していることで、より安定した立上り部10の形状とすることができ、より安定したリベット止めを行うことができ、その結果、クランプ装置1,1Aの回動部5,5A,5Bの安定性をより向上させることができる。
【0036】
また、本実施の形態によれば、パンチ50と段付き構造のダイ60を用いてバーリング加工を行い、リベット止め孔6,6A,6Bの立上り部10を形成することで、全周にわたって均一な所定高さの立上り部10を形成することができ、その結果、安定したリベット止めを行うことができ、クランプ装置1,1Aの回動部5,5A,5Bの安定性を向上させることができる。
【0037】
また、本実施の形態によれば、立上り部10を、突出方向の平面部11とリベット止め孔6,6A,6Bの外径に向かうテーパ状部12を有する断面視略台形状に形成することで、より安定した形状の立上り部10を形成することができ、その結果、より安定したリベット止めを行うことができ、クランプ装置1,1Aの回動部5,5A,5Bの安定性をより向上させることができる。
【0038】
なお、本発明は、前記した実施の形態のようなものに限らず、他の構成、他の使用状況にも適用できる。
【0039】
例えば、前記した実施の形態では、クランプ装置の回動部におけるリベット止め孔にバーリング加工で立上り部を形成する場合について説明したが、これに限るものではなく、クランプ装置における回動部以外のリベット止め孔にも本発明の立上り部を形成しても良い。また、クランプ装置における回動部以外のリベット止め孔にも、本発明の立上り部の形成方法にて立上り部を形成するようにしても良い。
【0040】
また、前記した実施の形態では、クランプ装置に本発明を適用する場合について説明したが、これに限るものではなく、本発明の技術は、その他のリベット止めを行う部材に対して適宜使用しても良い。
【0041】
また、前記した実施の形態では、テーパ状に形成された下孔の小径にされた方からパンチを挿入するようになっていたが、これに限るものではなく、下孔の大径にされた方からパンチを挿入するようになっている場合も考えられる。
【0042】
また、前記した実施の形態では、下孔がテーパ状に形成されているが、これに限るものではなく、テーパ状でなく板材の表と裏で同径となる用に形成された下孔であったとしても、本発明を適用可能である。
【符号の説明】
【0043】
1 クランプ装置
1A クランプ装置
2 第1部材
2A 第1部材
2B 第1部材
3 第2部材
3A 第2部材
3B 第2部材
4 締結部材
4A 締結部材
4B 締結部材
5 回動部
5A 回動部
5B 回動部
6 リベット止め孔
6A リベット止め孔
6B リベット止め孔
10 立上り部
10A 下孔
11 平面部
12 テーパ状部
20 板材
50 パンチ
51 パンチ本体
52 パンチ鍔状部
53 パンチ曲面部
60 ダイ
61 上段孔部(大径部)
62 下段孔部(小径部)
G 外径方向
P パイプ(対象部材)
P1 パイプ(対象部材)
P2 パイプ(対象部材)
R リベット
T 突出方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9