(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024078591
(43)【公開日】2024-06-11
(54)【発明の名称】制御装置、および、制御方法
(51)【国際特許分類】
B60L 3/00 20190101AFI20240604BHJP
B60L 50/60 20190101ALI20240604BHJP
B60L 58/21 20190101ALI20240604BHJP
B60L 53/80 20190101ALI20240604BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20240604BHJP
【FI】
B60L3/00 S
B60L50/60
B60L58/21
B60L53/80
H02J7/00 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022191045
(22)【出願日】2022-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】萩原 正俊
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA04
5G503BB02
5G503EA05
5G503EA08
5G503FA06
5G503FA07
5G503GD03
5G503GD06
5H125AA01
5H125AC13
5H125BC18
5H125CD02
5H125DD05
5H125EE21
5H125EE41
5H125EE47
5H125EE48
5H125EE52
(57)【要約】
【課題】車両に電力を供給する電池パックの個数と、車両の走行性能との関係性について、車両に搭乗したユーザが、容易に認識することができる制御装置、および、制御方法を提供すること。
【解決手段】実施形態に係る制御装置は、複数の電池パックを取り付け可能な車両に搭載される。制御装置は、コントローラを備える。コントローラは、車両に電力を供給する電池パックの個数を変更可能である。コントローラは、車両に電力を供給する電池パックの個数に応じた車両の走行性能を報知する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池パックを取り付け可能な車両に搭載される制御装置であって、
前記車両に電力を供給する電池パックの個数を変更可能なコントローラ
を備え、
前記コントローラは、前記車両に電力を供給する前記電池パックの個数に応じた前記車両の走行性能を報知する、制御装置。
【請求項2】
前記コントローラは、前記車両に電力を供給する前記電池パックの個数の変更に応じた、前記車両の走行性能の変化を報知する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記コントローラは、前記車両に電力を供給する前記電池パックの個数の変更に応じた、前記車両の走行性能の違いをグラフ表示する、請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記コントローラは、前記車両に取り付けられた前記複数の電池パックうち、前記車両に電力を供給する前記電池パックの個数を、ユーザの操作に応じて変更する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項5】
前記走行性能は、前記車両の加速性能と最大車速との少なくとも1つを含む、請求項1に記載の制御装置。
【請求項6】
前記走行性能は、最大車速を含み、
前記コントローラは、前記車両に電力を供給する前記電池パックの個数に応じた前記最大車速に基づいて車速メータの表示形態を変更する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項7】
前記コントローラは、
前記車両のシステム起動時に、前記車両に取り付けられている前記電池パックの個数に関する情報を表示部に表示させ、ユーザからの前記車両に電力を供給する前記電池パックの個数の変更を受け付ける、請求項1に記載の制御装置。
【請求項8】
前記コントローラは、前記車両のシステム終了時に、使用された電池パックと、充電を推奨する電池パックとの少なくとも1つを報知する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項9】
制御を行う前記車両は、前記複数の電池パックを並列接続で取り付ける車両である、請求項1~8のいずれか1つに記載の制御装置。
【請求項10】
複数の電池パックを取り付け可能な車両に搭載される制御装置を制御する制御方法であって、
前記車両に電力を供給する電池パックの個数に応じた前記車両の走行性能を報知し、
前記車両に電力を供給する電池パックの個数が変更可能である、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、および、制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のモバイルバッテリを脱着可能な車両において、車両に搭載されたモバイルバッテリの状態を表示する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術における車両では、車両に脱着可能な複数のバッテリのうち、実際に車両に接続されたバッテリの状態が表示される。
【0005】
しかしながら、従来技術にあるような複数の電池パックを着脱可能にした車両では、乗車するユーザは、車両に電力を供給する電池パックの個数に対する車両の走行性能を知ることができない。したがって、このような車両では、乗車するユーザは、車両に電力を供給する電池パックの個数と、車両の走行性能との関係性を把握することが困難である。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、車両に電力を供給する電池パックの個数と、車両の走行性能との関係性について、乗車するユーザが、容易に認識できることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の一態様に係る制御装置は、複数の電池パックを取り付け可能な車両に搭載される。制御装置は、コントローラを備える。コントローラは、車両に電力を供給する電池パックの個数を変更可能である。コントローラは、車両に電力を供給する電池パックの個数に応じた車両の走行性能を報知する。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の一態様によれば、車両に電力を供給する電池パックの個数と、車両の走行性能との関係性について、乗車したユーザが、容易に認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係る制御方法の概略を説明する図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る制御装置が搭載される車両のシステムの概略を説明する図である。
【
図3】
図3は、報知装置に表示される画像の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る制御装置の概略を説明する図である。
【
図5】
図5は、車両に電力を供給する電池パックの個数と、車両の走行性能との関係を示す図である(その1)。
【
図6】
図6は、車両に電力を供給する電池パックの個数と、車両の走行性能との関係を示す図である(その2)。
【
図7】
図7は、実施形態に係る車両のシステム起動時における報知処理を説明するフローチャートである。
【
図8】
図8は、実施形態に係る車両のシステム終了時における報知処理を説明するフローチャートである。
【
図9】
図9は、車両に電力を供給する電池パックの個数が多い場合の車速メータを示す図である。
【
図10】
図10は、車両に電力を供給する電池パックの個数が少ない場合の車速メータを示す図である。
【
図11】
図11は、車両に搭載された電池パックを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、実施形態に係る制御装置、および、制御方法について詳細に説明する。なお、本実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0011】
実施形態に係る制御方法の概略について、
図1を参照し説明する。
図1は、実施形態に係る制御方法の概略を説明する図である。
【0012】
実施形態に係る制御方法は、車両Cに搭載される制御装置1によって実行される。制御装置1は、たとえば、車両Cの電源、および、車両Cの駆動力などを制御する統合制御装置であるVCU(Vehicle Control Unit)である。なお、制御装置1は、VCUに限られることはなく、車両Cに搭載されるECU(Electronic Control Unit)などであってもよい。
【0013】
車両Cは、複数の電池パック2の少なくとも1つから電力が供給されて走行する車両である。車両Cは、電動車両、および、ハイブリッド車両を含む。
【0014】
車両Cは、複数の電池パック2を取り付け可能である。たとえば、複数の電池パック2は、車両Cに対して脱着可能である。具体的には、各電池パック2は、車両Cに対してそれぞれ脱着可能である。各電池パック2は、車両Cから取り外されて、それぞれ充電可能である。車両Cから取り外された電池パック2は、外部に設けられた充電装置に接続されて充電される。たとえば、車両Cから取り外された電池パック2は、家屋内のコンセント電源に接続された充電装置に取り付けられて充電される。
【0015】
なお、車両Cは、全ての電池パック2が取り付けられなくてもよい。すなわち、車両Cに取り付けられる電池パック2の数は、必ずしも最大数(複数の電池パック2の全て)でなくてもよい。たとえば、3つの電池パック2を取り付け可能な車両Cは、2つの電池パック2が取り付けられた状態で走行することも可能である。
【0016】
また、複数の電池パック2は、車両Cに搭載された状態で、外部電源に接続されて充電可能に構成してもよい。例えば、車両Cに設けられた充電ケーブルが外部電源に接続され、複数の電池パック2は、車両Cに搭載された状態で、まとめて充電可能に構成してもよい。
【0017】
制御装置1は、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数を変更可能である。すなわち、制御装置1は、車両Cの走行に使用される電池パック2の個数を変更することができる。たとえば、車両Cに3つの電池パック2が搭載される場合、制御装置1は、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数を、1~3つの中から変更することができる。制御装置1は、車両Cに搭乗するユーザ、たとえば、ドライバーによる操作に応じて、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数を変更することができる。
【0018】
また、制御装置1は、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数に応じた車両Cの走行性能を報知する。たとえば、制御装置1は、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数に応じた車両Cの走行性能を報知装置5(
図2参照)に表示する。
【0019】
走行性能は、車両Cの加速性能、および、車両Cの最大車速の少なくとも1つを含む。車両Cの加速性能は、車両Cの加速度を含む。車両Cの加速性能は、所定のアクセル操作量で最大車速となるまでの時間を含む。所定のアクセル操作量は、予め設定されたアクセル操作量である。たとえば、所定のアクセル操作量は、最大アクセル操作量である。アクセル操作量は、アクセルペダルの踏み込み量である。
【0020】
たとえば、車両Cに3つの電池パック2が搭載されて、3つの電池パック2から電力が供給される場合、制御装置1は、3つの電池パック2から電力が供給される場合の車両Cの走行性能を報知する。
【0021】
また、車両Cに3つの電池パック2が搭載されて、1つの電池パック2から電力が供給される場合、制御装置1は、1つの電池パック2から電力が供給される場合の車両Cの走行性能を報知する。なお、
図1では、車両Cに電力を供給する電池パック2は、実線によって示される。
図1では、車両Cに電力を供給しない電池パック2は、破線によって示される。
【0022】
これにより、乗車するユーザ、たとえば、ドライバーは、車両Cに電力を供給する電池パック2に対する車両Cの走行性能を容易に認識することができる。
【0023】
また、制御装置1は、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数を変更することができる。そのため、制御装置1は、ユーザの好みに合わせて車両Cに電力を供給する電池パック2の個数を変更することができる。車両Cの走行性能、たとえば、最大車速が低くてもよい場合、および、走行距離が短い場合などに、ユーザは、車両Cに供給する電池パック2の個数を少なくすることができる。
【0024】
これにより、たとえば、ユーザが、電池パック2を車両Cから取り外して充電する場合、制御装置1は、ユーザが車両Cから取り外す電池パック2の個数を少なくすることができる。そのため、制御装置1は、電池パック2の充電作業の負荷を小さくすることができる。充電作業の負荷は、たとえば、電池パック2を持ち運ぶ際の負荷、および、電池パック2の充電に要する時間を含む。電池パック2の充電に要する時間に関する充電作業の負荷は、電池パック2の充電が完了するまで、ユーザが待つことによる負荷である。このように、制御装置1は、ユーザの使い方に合わせて、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数を変更することができ、ユーザの満足度を向上させることができる。
【0025】
次に、実施形態に係る制御装置1が搭載される車両Cのシステムの概略について、
図2を参照し説明する。
図2は、実施形態に係る制御装置1が搭載される車両Cのシステムの概略を説明する図である。
【0026】
車両C(
図1参照)は、制御装置1と、複数の電池パック2と、モータ3と、操作装置4と、報知装置5とを備える。複数の電池パック2は、並列接続される。なお、ここでは、3つの電池パック2が並列接続された一例を用いて説明するが、電池パック2の数は、これに限られることはない。複数の電池パック2は、2つであってもよく、4つ以上であってもよい。また、3つの電池パック2を区別するために、電池パック2A、電池パック2B、および、電池パック2Cと記載する場合がある。
【0027】
なお、車両Cは、複数の電池パック2のうち、少なくとも1つから電力が供給されることで走行可能である。たとえば、車両Cは、3つの電池パック2のうち、2つの電池パック2が搭載されて、2つの電池パック2の少なくとも1つから電力が供給されることで、走行可能である。
【0028】
電池パック2は、たとえば、リチウムイオン電池を含む。電池パック2は、BMS(Battery Management System)を含む。
【0029】
モータ3は、複数の電池パック2の少なくとも1つから電力が供給される。モータ3は、複数の電池パック2の少なくとも1つから供給される電力によって、車両Cが走行するための駆動力を発生させる。また、モータ3は、回生駆動によって発電する。複数の電池パック2の少なくとも1つは、モータ3によって発電された電力によって充電可能である。
【0030】
操作装置4は、複数の電池パック2の少なくとも1つから電力が供給される。操作装置4は、複数の電池パック2とは異なる電池から電力が供給されてもよい。操作装置4は、制御装置1に対する操作が入力される。操作装置4は、ユーザによって操作される。操作装置4は、たとえば、車両Cに設けられた操作パネルである。操作装置4は、ユーザが有する端末装置であってもよい。端末装置は、たとえば、スマートフォン、タブレット端末、および、PC(Personal Computer)などである。
【0031】
操作装置4は、車両Cに電力を供給する電池パック2に関する操作が入力される。操作装置4は、たとえば、スタートスイッチがONにされた車両Cのシステム起動時に、車両Cに電力を供給する電池パック2に関する操作が入力される。
【0032】
操作装置4は、電池パック2の使用モードに対する操作が入力される。操作装置4は、たとえば、車両Cのシステム起動時に、電池パック2の使用モードに対する操作が入力される。電池パック2の使用モードは、電池パックフルモードと、電池パック指定モードとを含む。
【0033】
電池パックフルモードは、車両Cに搭載された全ての電池パック2から、車両Cに電力を供給するモードである。
【0034】
電池パック指定モードは、車両Cに搭載された複数の電池パック2に対し、車両Cに電力を供給する電池パック2を設定可能なモードである。電池パック指定モードでは、車両Cに電力を供給する電池パック2が、ユーザによって選択される。これにより、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数と、どの電池パック2から電力を供給するかとが設定される。電池パック指定モードは、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数が選択されてもよい。すなわち、電池パック指定モードは、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数が、ユーザによって設定されてもよい。
【0035】
報知装置5は、複数の電池パック2の少なくとも1つから電力が供給される。報知装置5は、複数の電池パック2とは異なる電池から電力が供給されてもよい。報知装置5は、たとえば、車両Cに設けられたディスプレイである。報知装置5は、スピーカを含んでもよい。報知装置5は、ユーザが有する端末装置であってもよい。操作装置4と報知装置5とは一体に設けられてもよい。操作装置4、および、報知装置5は、ナビゲーションシステムであってもよい。
【0036】
報知装置5は、電池パック2の使用モードを表示する。報知装置5は、車両Cに搭載された電池パック2のうち、制御装置1によって認識された電池パック2の個数である認識パック数を表示する。すなわち、報知装置5は、車両Cに取り付けられている電池パック2の個数を表示する。報知装置5は、車両Cのシステム起動時に車両Cに電力を供給する電池パック2に関する情報を表示する。報知装置5は、たとえば、スタートスイッチがOFFにされた車両Cのシステム終了時に車両Cに電力を供給した電池パック2に関する情報を表示する。報知装置5は、電池パック2の使用モード、認識パック数、車両Cに電力を供給する電池パック2に関する情報、および、車両Cに電力を供給した電池パック2に関する情報の少なくとも1つを音声によって報知してもよい。
【0037】
報知装置5は、たとえば、車両Cのシステム起動時に、電池パック2の使用モード、認識パック数、および、車両Cに電力を供給する電池パック2に関する情報を表示する。
【0038】
たとえば、報知装置5は、車両Cのシステム起動時に、
図3に示す画像Pを表示する。
図3は、報知装置5に表示される画像Pの一例を示す図である。画像Pでは、電池パック2の使用モード、認識パック数、および、複数の電池パック2に対応するアイコンが表示される。
図3では、複数の電池パック2A~2Cに対応する各アイコンに、複数の電池パック2A~2Cと同じ符号が付されている。車両Cのシステム起動時に、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数に関する情報が、画像P、すなわち、報知装置5に表示される。
【0039】
図3では、電池パック2の使用モードは、「電池パック指定モード」である。認識パック数は、「2」であり、電池パック2A、および、電池パック2Bが車両Cに取り付けられて、認識されている。
図3では、認識された電池パック2A、2Bに対応するアイコンが、実線によって示される。
図3では、認識されていない電池パック2Cに対応するアイコンが、破線によって示される。
図3では、車両Cに電力を供給する電池パック2のアイコンがハッチングで示される。車両Cは、電池パック2Aによって、電力が供給されている。電池パック2Bは、認識されているが、車両Cに電力を供給しない。車両Cに電力を供給する電池パック2、および、車両Cに電力を供給しない電池パック2におけるアイコンが区別されることで、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数に関する情報が表示される。なお、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数が表示されてもよい。また、車両Cに電力を供給する電池パック2の番号が表示されてもよい。車両Cに電力を供給する電池パック2の番号は、電力を供給する電池パック2として選択された電池パック2の番号である。電池パック2の番号は、電池パック2を収納する収納部における電池パック2の取り付け位置に対応する番号である。
【0040】
報知装置5は、たとえば、車両Cのシステム終了時に、電池パック2の使用モード、認識パック数、および、車両Cに電力を供給した電池パック2に関する情報を表示する。
【0041】
たとえば、報知装置5は、車両Cのシステム終了時に、
図3と同様の画像Pを表示する。たとえば、
図3に示すシステム終了時に表示される画像Pでは、電池パック2Aは、車両Cに電力を供給した電池パック2である。電池パック2Bは、認識されているが、車両Cに電力を供給しなかった電池パック2である。
【0042】
報知装置5は、車両Cのシステム起動時に、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数に対する車両Cの走行性能を報知する。たとえば、報知装置5は、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数に対する車両Cの走行性能を表示する。報知装置5は、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数に対する車両Cの走行性能を音声によって報知してもよい。報知装置5における車両Cの走行性能の報知例は、
図5、および、
図6を参照し後述する。
【0043】
なお、報知装置5は、車両Cのシステム起動時に、電池パック2の使用モード、認識パック数、および、車両Cに電力を供給する電池パック2に関する情報と、車両Cの走行性能とを表示する場合、2つの情報を並べて表示する。報知装置5は、車両Cのシステム起動時に、電池パック2の使用モード、認識パック数、および、車両Cに電力を供給する電池パック2に関する情報と、車両Cの走行性能とを表示する場合、2つの情報を交互に表示してもよい。
【0044】
また、報知装置5は、電池パック2の使用モードが選択される前に、選択後とは異なる表示を行ってもよい。たとえば、報知装置5は、車両Cのシステム起動時には、電池パック2の使用モードが、「電池パックフルモード」、および、「電池パック指定モード」のいずれにも設定されていない初期状態としてもよい。初期状態において、報知装置5は、車両Cに接続された電池パック2の個数、車両Cに接続された電池パック2に関する情報、および、使用する電池パック2の個数による走行性能の違いなどを表示する。車両Cに接続された電池パック2に関する情報は、たとえば、電池パック2の残量、および、電池パック2の劣化度を含む。使用する電池パック2の個数による走行性能の違いは、後述する
図5、および、
図6に示されるデータから得られる情報などを含む。
【0045】
報知装置5は、電池パック2の使用モードが選択された後には、選択された電池パック2の使用モード、認識パック数、複数の電池パック2に対応するアイコン、および、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数に対する車両Cの走行性能などを表示する。選択された電池パック2の使用モードが、「電池パック指定モード」である場合、報知装置5は、選択された電池パック2の番号、すなわち、車両Cに電力を供給する電池パック2の番号を表示してもよい。選択された電池パック2の使用モードが、「電池パック指定モード」である場合、報知装置5は、選択された電池パック2の個数、すなわち、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数を表示してもよい。また、報知装置5は、選択されなかった電池パック2の使用モードにおける走行性能、および、選択さなかった電池パック2の使用モードにおける電池パック2の個数などを表示してもよい。
【0046】
なお、複数の電池パック2の少なくとも1つから電力が供給される装置は、モータ3、操作装置4、および、報知装置5に限られることはない。
【0047】
複数の電池パック2、モータ3、操作装置4、および、報知装置5は、制御装置1と有線通信、または、無線通信によって接続される。有線通信は、たとえば、CAN(Controller Area Network)、イーサネット(登録商標)、LIN(Local Interconnect Network)、USB(Universal Serial Bus)などによる通信を含む。無線通信は、Wi-Fi(登録商標)、LTE(Long Term Evolution)、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)、Zigbee(登録商標)、UWB(Ultra Wide Band)などによる通信を含む。
【0048】
次に、実施形態に係る制御装置1について、
図4を参照し説明する。
図4は、実施形態に係る制御装置1の概略を説明する図である。
【0049】
制御装置1は、通信部10と、記憶部11と、コントローラ12とを備える。通信部10は、たとえば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部10は、複数の電池パック2、モータ3、操作装置4、および、報知装置5と有線通信、または、無線通信する。
【0050】
記憶部11は、たとえば、不揮発性メモリやフラッシュメモリ、および、ハードディスクドライブといった不揮発性記憶媒体である。記憶部11は、電池パック2の使用モード、および、車両Cに電力を供給する電池パック2に関する情報を記憶する。記憶部11は、電池パック2の使用モード、認識パック数、および、車両Cに電力を供給している電池パック2に関する情報を記憶する。記憶部11は、車両Cのシステム終了時に、現在の電池パック2の使用モード、および、車両Cに電力を供給していた現在の電池パック2に関する情報を記憶する。
【0051】
記憶部11は、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数に応じた車両Cの走行性能を記憶する。たとえば、記憶部11は、
図5、または、
図6に示すデータを記憶する。
図5は、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数と、車両Cの走行性能との関係を示す図である(その1)。
図6は、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数と、車両Cの走行性能との関係を示す図である(その2)。
図5、および、
図6では、3つの電池パック2から、車両Cに電力が供給される場合の車両Cの走行性能が、実線で示される。
図5、および、
図6では、2つの電池パック2から、車両Cに電力が供給される場合の車両Cの走行性能が、一点鎖線で示される。
図5、および、
図6では、1つの電池パック2から、車両Cに電力が供給される場合の車両Cの走行性能が、二点鎖線で示される。
【0052】
図5、および、
図6に示すように、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数が多くなるほど、車両Cの加速度、および、最大車速が大きくなる。
図6は、所定のアクセル操作量における、アクセルペダルの踏み込み時間と、車速との関係が示される。
図6では、各線の傾きが、車両Cの加速度を示す。
【0053】
記憶部11は、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数と、車両Cの走行性能との関係を示す数値データを記憶してもよい。たとえば、記憶部11は、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数に対する、最大車速を記憶してもよい。記憶部11は、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数に対する、車両Cの加速度を記憶してもよい。たとえば、記憶部11は、所定のアクセル操作量で最大車速となるまでの時間を記憶してもよい。
【0054】
コントローラ12は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種の回路を含む。コンピュータのCPUは、たとえば、ROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって機能する。
【0055】
コントローラ12は、通信部10を介して、複数の電池パック2から、車両Cへの搭載情報を取得する。コントローラ12は、各電池パック2に設けられるBMSから、車両Cへの搭載情報を取得する。車両Cへの搭載情報は、電池パック2と車両Cとの接続状態に関する情報である。
【0056】
コントローラ12は、通信部10を介して、操作装置4から、車両Cに電力を供給する電池パック2に関する操作情報を取得する。
【0057】
コントローラ12は、通信部10を介して、操作装置4から、電池パック2の使用モードに関する操作情報を取得する。
【0058】
コントローラ12は、車両Cに取り付けられた電池パック2を認識する。コントローラ12は、車両Cへの搭載情報に基づいて、車両Cに取り付けられた電池パック2を認識する。コントローラ12は、各電池パック2が車両Cに取り付けられて、接続されているか否かを判定することで、車両Cに搭載された電池パック2を認識する。すなわち、コントローラ12は、車両Cに取り付けられた電池パック2の個数を検出する。コントローラ12は、接続が判定された電池パック2を、車両Cに電力を供給可能な電池パック2として認識する。なお、接続は、電池パック2と車両Cとの電気的な接続である。コントローラ12は、接続が判定された電池パック2の個数を、認識パック数としてカウントする。コントローラ12は、車両Cに取り付けられた電池パック2の番号を検出してもよい。
【0059】
コントローラ12は、車両Cのシステム起動時に、3つの電池パック2に対して接続が判定された場合には、認識パック数を「3つ」に設定する。コントローラ12は、2つの電池パック2に対して接続が判定され、かつ、1つの電池パック2に対して接続が判定されなかった場合には、認識パック数を「2つ」に設定する。コントローラ12は、1つの電池パック2に対して接続が判定され、かつ、2つの電池パック2に対して接続が判定されなかった場合には、認識パック数を「1つ」に設定する。
【0060】
コントローラ12は、車両Cのシステム起動時に、車両Cに電力を供給する電池パック2、および、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数を設定する。コントローラ12は、電池パック2の使用モード、および、車両Cに電力を供給する電池パック2に関する操作情報に基づいて、車両Cに電力を供給する電池パック2、および、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数を設定する。
【0061】
車両Cのシステム起動時に、操作装置4によって、車両Cに電力を供給する電池パック2を変更する操作が行われた場合、コントローラ12は、車両Cに電力を供給する電池パック2を変更する。車両Cのシステム起動時に、操作装置4によって、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数が変更された場合、コントローラ12は、ユーザからの車両Cに電力を供給する電池パック2の個数の変更を受け付ける。
【0062】
電池パック2の使用モードが、電池パックフルモードである場合、コントローラ12は、認識された全ての電池パック2を、車両Cに電力を供給する電池パック2として設定する。また、コントローラ12は、認識された電池パック2の個数を、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数として設定する。
【0063】
たとえば、3つの電池パック2が認識されている場合、コントローラ12は、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数を「3つ」に設定する。たとえば、2つの電池パック2が認識されている場合、コントローラ12は、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数を「2つ」に設定する。
【0064】
電池パック2の使用モードが、電池パック指定モードである場合、コントローラ12は、車両Cに電力を供給する電池パック2に関する操作情報に基づいて、車両Cに電力を供給する電池パック2を設定する。また、コントローラ12は、車両Cに電力を供給する電池パック2に関する操作情報に基づいて、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数を設定する。
【0065】
たとえば、3つの電池パック2が認識されており、電池パック2A、2Bが、車両Cに電力を供給する電池パック2として選択されている場合、コントローラ12は、電池パック2A、および、電池パック2Bを車両Cに電力を供給する電池パック2に設定する。また、コントローラ12は、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数を「2つ」に設定する。
【0066】
たとえば、車両Cに電力を供給する電池パック2が、電池パック2A~2Cである状態から、操作装置4によって電池パック2A、2Bが、車両Cに電力を供給する電池パック2として選択された場合、コントローラ12は、電力を供給する電池パック2を変更する。具体的には、コントローラ12は、電池パック2A、および、電池パック2Bを車両Cに電力を供給する電池パック2として設定する。また、コントローラ12は、電池パック2Cを車両Cに電力を供給しない電池パック2として設定する。また、コントローラ12は、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数を「3つ」から「2つ」に変更する。すなわち、コントローラ12は、車両Cに取り付けられた複数の電池パック2のうち、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数を、ユーザの操作に応じて変更する。
【0067】
このように、電池パック2の使用モードが、電池パック指定モードである場合、コントローラ12は、ユーザによる操作装置4の操作に応じて、車両Cに電力を供給する電池パック2、および、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数を変更する。
【0068】
コントローラ12は、各電池パック2とモータ3などとの接続状態を切り替える。コントローラ12は、たとえば、各電池パック2に設けられるスイッチを制御する信号を生成する。そして、コントローラ12は、生成した信号を、通信部10を介して各電池パック2に送信する。これにより、各電池パック2とモータ3などとの接続状態が切り替えられる。
【0069】
たとえば、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数が、「3つ」である場合、コントローラ12は、全ての電池パック2から、車両Cに電力が供給されるように各電池パック2を制御する。
【0070】
車両Cに電力を供給する電池パック2の個数が、「2つ」である場合、コントローラ12は、2つの電池パック2から、車両Cに電力が供給されるように各電池パック2を制御する。たとえば、電池パック2A、および、電池パック2Bが、車両Cに電力を供給する電池パック2として選択されている場合、コントローラ12は、電池パック2A、および、電池パック2Bから、車両Cに電力が供給されるように、各電池パック2を制御する。
【0071】
コントローラ12は、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数に対する車両Cの走行性能を設定する。具体的には、コントローラ12は、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数に対する車両Cの走行性能に関するデータを記憶部11から読み出す。
【0072】
コントローラ12は、報知装置5に表示するための信号を生成する。コントローラ12は、車両Cのシステム起動時に、電池パック2の使用モード、認識パック数、および、車両Cに電力を供給する電池パック2に関する情報を含む初期画像を、報知装置5に表示するための信号を生成する。コントローラ12は、車両Cのシステム起動時に、操作装置4の操作に応じた更新画像を報知装置5に表示するための信号を生成する。更新画像は、操作装置4による操作に基づいて、初期画像から変更された画像である。すなわち、更新画像は、電池パック2の使用モード、認識パック数、および、車両Cに電力を供給する電池パック2に関する情報を含む。コントローラ12は、生成した信号を、通信部10を介して、報知装置5に送信する。
【0073】
車両Cのシステム起動時において、報知装置5に初期画像として表示される電池パック2の使用モードは、記憶部11に記憶されている電池パック2の使用モードである。操作装置4の操作によって、電池パック2の使用モードが変更された場合には、更新画像によって、変更後の電池パック2の使用モードが報知装置5に表示される。
【0074】
車両Cのシステム起動時において、報知装置5に、初期画像、および、更新画像として表示される認識パック数は、コントローラ12によって認識された電池パック2の個数である。
【0075】
車両Cのシステム起動時において、報知装置5に初期画像として表示される、車両Cに電力を供給される電池パック2に関する情報は、記憶部11に記憶されている車両Cに電力を供給する電池パック2に関する情報である。すなわち、初期画像として表示される、車両Cに電力を供給される電池パック2に関する情報は、前回の車両Cのシステム終了時に、車両Cに電力を供給していた電池パック2に関する情報である。操作装置4の操作によって、車両Cに電力を供給される電池パック2に関する情報が変更された場合には、更新画像によって、変更後の車両Cに電力を供給される電池パック2に関する情報が報知装置5に表示される。
【0076】
なお、車両Cのシステム起動時に、報知装置5に初期画像として表示される電池パック2の使用モードは、初期設定モードであってもよい。初期設定モードは、たとえば、電池パックフルモードである。この場合、報知装置5に初期画像として表示される車両Cに電力を供給される電池パック2に関する情報は、コントローラ12によって認識された電池パック2の情報である。初期設定モードは、電池パック2の使用モードが、「電池パックフルモード」、および、「電池パック指定モード」のいずれにも設定されていない初期状態であってもよい。
【0077】
コントローラ12は、車両Cのシステム起動時に、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数に対する車両Cの走行性能を報知するための信号を生成する。そして、コントローラ12は、生成した信号を、通信部10を介して報知装置5に送信する。これにより、報知装置5によって、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数に対する車両Cの走行性能が報知される。すなわち、コントローラ12は、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数に対する車両Cの走行性能を報知する。
【0078】
これにより、報知装置5は、たとえば、
図5、または、
図6に示すデータに基づいた報知を実行する。報知装置5は、
図5、または、
図6に示すデータに対して、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数に対応する車両Cの走行性能を表示する。
【0079】
たとえば、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数が、「2つ」である場合、2つの電池パック2による電力供給に対応する車両Cの走行性能が表示される。この場合、たとえば、1つの電池パック2による電力供給に対応する車両Cの走行性能、および、3つの電池パック2による電力供給に対応する車両Cの走行性能は、表示されない。
【0080】
報知装置5は、
図5、または、
図6に示すデータを、車両Cの走行性能として、グラフ表示してもよい。車両Cの走行性能がグラフ表示される場合、たとえば、各走行性能は、線の種類、色、および、太さなどが異なるように表示される。
【0081】
また、コントローラ12は、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数の変更に応じた、車両Cの走行性能の変化を報知してもよい。コントローラ12は、ユーザからの車両Cに電力を供給する電池パック2の個数の変更に応じた、車両Cの走行性能の変化を報知してもよい。たとえば、コントローラ12は、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数の変更に応じた、車両Cの走行性能の違いについて、
図5、または、
図6に示すデータを報知装置5によって表示させることで、グラフ表示する。
【0082】
この場合、コントローラ12は、ユーザによる車両Cに電力を供給する電池パック2の個数の変更がわかるようにグラフ表示する。たとえば、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数が、「2つ」である場合、2つの電池パック2による電力供給に対応する車両Cの走行性能と、1つの電池パック2による電力供給に対応する車両Cの走行性能、および、3つの電池パック2による電力供給に対応する車両Cの走行性能とが区別されて表示される。たとえば、各走行性能は、線の種類、色、および、太さなどが異なるように表示される。
【0083】
なお、
図5、または、
図6に示すグラフの表示は、車両Cのシステム起動時に行われる。たとえば、車両Cのシステム起動時に、電池パック2の使用モードが選択される前、および、電池パック2の使用モードが選択された後の少なくとも一方のタイミングで表示される。
図5、または、
図6に示すグラフの表示は、車両Cのシステム起動時に、電池パック2の使用モードが選択される前、および、電池パック2の使用モードが選択された後において、異なる表示形態で表示されてもよい。たとえば、電池パック2の使用モードが選択された後は、使用される電池パック2に対する走行性能が、他の走行性能よりも視認し易い形態(線の種類、色、および、太さなどの違い)によって表示される。
【0084】
コントローラ12は、車両Cのシステム終了時に、終了画像を生成するための信号を生成する。そして、コントローラ12は、生成した信号を、通信部10を介して報知装置5に送信する。終了画像は、車両Cのシステム終了時における電池パック2の使用モード、車両Cのシステム終了時における認識パック数、および、車両Cに電力を供給した電池パック2に関する情報を表示する画像を含む。すなわち、コントローラ12は、車両Cのシステム終了時に、使用された電池パック2に関する情報を報知する。終了画像は、記憶部11に記憶された電池パック2の使用モードなどの情報に基づいて生成される。
【0085】
なお、コントローラ12は、車両Cのシステム終了時に、充電されることが推奨される電池パック2に関する情報を報知してもよい。すなわち、コントローラ12は、車両Cのシステム終了時に、使用された電池パック2と、充電されることが推奨される電池パック2との少なくとも1つを報知する。
【0086】
充電されることが推奨される電池パック2は、たとえば、使用された電池パック2である。充電されることが推奨される電池パック2は、蓄電量が予め設定された所定蓄電量よりも小さい電池パック2であってもよい。充電されることが推奨される電池パック2は、蓄電量が最も小さい電池パック2であってもよい。充電されることが推奨される電池パック2は、複数の電池パック2であってもよい。充電されることが推奨される電池パック2に関する情報は、たとえば、終了画像に表示される。充電されることが推奨される電池パック2に関する情報は、音声によって報知されてもよい。充電することが推奨される電池パック2に関する情報は、報知装置5によって報知される。
【0087】
次に、実施形態に係る車両Cのシステム起動時における報知処理について、
図7を参照し説明する。
図7は、実施形態に係る車両Cのシステム起動時における報知処理を説明するフローチャートである。制御装置1は、スタートスイッチがONにされた場合に、車両Cのシステム起動時における報知処理を実行する。
【0088】
コントローラ12は、複数の電池パック2から、車両Cへの搭載情報を取得する(S100)。コントローラ12は、取得した車両Cへの搭載情報に基づいて、認識パック数をカウントする(S101)。具体的には、コントローラ12は、車両Cへの搭載情報に基づいて、電池パック2を認識する。コントローラ12は、接続が判定された電池パック2の個数を、認識パック数としてカウントする。
【0089】
コントローラ12は、報知装置5に初期画像を表示するための信号を生成する(S102)。コントローラ12は、生成した信号を報知装置5に送信する(S103)。これにより、報知装置5に初期画像が表示される。
【0090】
コントローラ12は、操作装置4から、操作情報を取得する(S104)。コントローラ12は、電池パック2の使用モードに関する操作情報を取得する。コントローラ12は、車両Cに電力を供給する電池パック2に関する操作情報を取得する。
【0091】
コントローラ12は、取得した操作情報に基づいて、車両Cの電力を供給する電池パック2を設定する(S105)。
【0092】
コントローラ12は、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数を設定する(S106)。コントローラ12は、電池パック2の使用モードに関する操作情報、および、車両Cに電力を供給する電池パック2に関する操作情報に基づいて、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数を設定する。操作装置4によって、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数が変更された場合、コントローラ12は、操作装置4の操作に応じて、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数を変更する。
【0093】
コントローラ12は、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数に対する車両Cの走行性能を設定する(S107)。コントローラ12は、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数に対する車両Cの走行性能のデータを記憶部11から読み出す。
【0094】
コントローラ12は、更新画像を報知装置5に表示するための信号を生成する(S108)。コントローラ12は、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数に対する車両Cの走行性能を、報知装置5によって報知するための信号を生成する(S109)。
【0095】
コントローラ12は、生成した各信号を報知装置5に送信する(S110)。コントローラ12は、更新画像を報知装置5に表示するための信号、および、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数に対する車両Cの走行性能を報知装置5に報知するための信号を報知装置5に送信する。これにより、報知装置5に、更新画像が表示される。さらに、報知装置5によって、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数に対する車両Cの走行性能が報知される。
【0096】
なお、更新画像などの報知は、操作装置4によって、報知を終了する操作が行われることで、終了される。また、更新画像などの報知は、報知後、操作装置4が第1所定時間、操作されずに経過した場合に、終了されてもよい。第1所定時間は、予め設定される時間である。
【0097】
また、操作装置4によって、電池パック2の使用モード、および、車両Cに電力を供給する電池パック2の少なくとも1つが、複数回変更される場合、変更毎に、更新画像が作成されて、報知装置5に送信される。
【0098】
次に、実施形態に係る車両Cのシステム終了時における報知処理について、
図8を参照し説明する。
図8は、実施形態に係る車両Cのシステム終了時における報知処理を説明するフローチャートである。制御装置1は、スタートスイッチがOFFにされた場合に、車両Cのシステム終了時における報知処理を実行する。
【0099】
コントローラ12は、終了画像を報知装置5に表示するための信号を生成する(S200)。コントローラ12は、生成した信号を報知装置5に送信する(S201)。これにより、終了画像が、報知装置5に表示される。
【0100】
コントローラ12は、車両Cのシステム終了時における電池パック2の使用モード、および、車両Cのシステム終了時に車両Cに電力を供給していた電池パック2に関する情報を記憶部11に記憶する(S202)。
【0101】
なお、終了画像の表示は、報知後、第2所定時間の経過によって、終了される。なお、操作装置4、および、報知装置5が、端末装置である場合、終了画像の表示は、端末装置によって終了画像の表示を終了する操作が行われることで、終了されてもよい。第2所定時間は、予め設定される時間である。
【0102】
制御装置1は、複数の電池パック2を取り付け可能な車両Cに搭載される。制御装置1は、コントローラ12を備える。コントローラ12は、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数を変更可能である。コントローラ12は、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数に応じた車両Cの走行性能を報知する。
【0103】
これにより、制御装置1は、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数と、車両Cの走行性能との関係性について、乗車したユーザに報知することができる。そのため、乗車したユーザは、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数と、車両Cの走行性能との関係性について、容易に認識することができる。
【0104】
コントローラ12は、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数の変更に応じた、車両Cの走行性能の変化を報知する。
【0105】
これにより、ユーザは、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数の変更に応じた、車両Cの走行性能の変化を容易に認識することができる。そのため、制御装置1は、ユーザの満足度を向上させることができる。
【0106】
コントローラ12は、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数の変更に応じた、車両Cの走行性能の違いをグラフ表示する。
【0107】
これにより、ユーザは、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数の変更に応じた、車両Cの走行性能の変化を視覚によって認識することができる。そのため、ユーザは、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数の変更に応じた、車両Cの走行性能の変化を容易に認識することができる。従って、制御装置1は、ユーザの満足度を向上させることができる。
【0108】
コントローラ12は、車両Cに取り付けられた複数の電池パック2のうち、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数を、ユーザの操作に応じて変更する。
【0109】
これにより、乗車したユーザは、車両Cの使用方法に合わせて、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数を変更することができる。したがって、制御装置1は、ユーザの使い方に合わせて、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数を変更することができる。制御装置1は、ユーザの満足度を向上させることができる。
【0110】
たとえば、ユーザは、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数を少なくすることで、車両Cから取り外して充電する電池パック2の個数を少なくすることができる。すなわち、制御装置1は、電池パック2の充電作業におけるユーザの負荷を低減することができる。
【0111】
走行性能は、車両Cの加速性能と最大車速との少なくとも1つを含む。
【0112】
これにより、制御装置1は、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数に応じた、車両Cの加速性能、および、最大車速の少なくとも1つを報知することができる。そのため、乗車したユーザは、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数に対する、車両Cの加速性能、および、最大車速の少なくとも1つを認識することができる。
【0113】
コントローラ12は、車両Cのシステム起動時に、車両Cに取り付けられている電池パック2の個数に関する情報を報知装置5に表示させる。コントローラ12は、ユーザからの車両Cに電力を供給する電池パック2の個数の変更を受け付ける。
【0114】
これにより、ユーザは、車両Cの走行開始前に、車両Cの使用方法に合わせて、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数を変更することができる。また、ユーザは、報知装置5の表示に基づいて、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数を変更することができる。ユーザは、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数の変更を容易に行うことができる。
【0115】
コントローラ12は、車両Cのシステム起動時に、車両Cへの取り付けが認識された電池パック2に関する情報を報知装置5に表示させる。
【0116】
これにより、ユーザは、電池パック2の取り付け状態を、車両Cの走行開始前に確認することができる。たとえば、取り付けられた電池パック2が、正しく取り付けられておらず、車両Cに電力を供給できない状態である場合に、ユーザは、報知装置5における表示によって、電池パック2の取付異常を確認することができる。
【0117】
コントローラ12は、車両Cのシステム終了時に、使用された電池パック2と、充電を推奨する電池パック2との少なくとも1つを報知する。
【0118】
これにより、制御装置1は、使用された電池パック2に関する情報、および、充電されることが推奨される電池パック2に関する情報の少なくとも1つを、乗車したユーザに報知することができる。そのため、ユーザは、各電池パック2の蓄電状態を認識することができ、たとえば、充電されることが推奨される電池パック2を認識することができる。
【0119】
変形例に係る制御装置1は、車両Cのシステム起動時以外で、電池パック2の使用モード、および、車両Cに電力を供給する電池パック2の少なくとも1つを変更可能であってもよい。たとえば、変形例に係る制御装置1は、車両Cが停止中に、電池パック2の使用モード、および、車両Cに電力を供給する電池パック2の少なくとも1つを変更可能であってもよい。車両Cに電力を供給する電池パック2の個数が変更された場合、変更後における車両Cの走行性能が、報知装置5によって報知される。
【0120】
変形例に係る制御装置1は、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数に応じて車速メータ30の表示形態を変更してもよい。たとえば、コントローラ12は、
図9、および、
図10に示すように、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数に応じた最大車速に基づいて車速メータ30の表示形態を変更する。
図9は、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数が多い場合の車速メータ30を示す図である。たとえば、
図9は、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数が、3つである場合の車速メータ30である。
図10は、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数が少ない場合の車速メータ30を示す図である。たとえば、
図10は、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数が1つである場合の車速メータ30である。
【0121】
車両Cに電力を供給する電池パック2の個数が「3つ」から「1つ」に変更された場合、最大車速が、「180km/h」から「90km/h」に変更される。コントローラ12は、最大車速を示す車速メータ30の表示を、「180」から「90」に変更する。また、コントローラ12は、車速の表示間隔を変更する。たとえば、コントローラ12は、車速の表示間隔を「20km/h」から「10km/h」に変更する。
【0122】
なお、車速メータ30の表示形態の変更は、上記方法に限られることはない。たとえば、コントローラ12は、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数に応じて、最大車速までの車速メータ30の色、および、大きさなどを変更してもよい。
【0123】
これにより、制御装置1は、車両Cに電力を供給する電池パック2の個数に応じた車両Cの走行性能を、ユーザに容易に認識させることができる。
【0124】
変形例に係る制御装置1は、車両Cに電力を供給した電池パック2を、
図11に示すように、電池パック2の表示部40によって報知してもよい。
図11は、車両Cに搭載された電池パック2を示す図である。表示部40は、電池パック2の使用状態を示す。
図11では、車両Cに電力を供給した電池パック2の表示部40が黒塗りで示される。
図11では、車両Cに電力を供給していない電池パック2の表示部40が白抜きで示される。
図11に示す一例では、電池パック2Aは、車両Cに電力を供給した電池パック2である。また、電池パック2B、および、電池パック2Cは、車両Cに電力を供給していない電池パック2である。
【0125】
コントローラ12は、車両Cのシステム終了時に、各電池パック2に個別に設けられた表示ランプ等の表示部40に対して表示動作を行わせる。コントローラ12は、車両Cのシステム終了時に、各電池パック2の取付位置近傍に個別に設けられた表示ランプ等の表示部に対して表示動作を行わせてもよい車両Cに電力を供給した電池パック2の表示部40を動作させることで、車両Cに電力を供給した電池パック2を表示する。コントローラ12は、電池パック2の取り出し作業が行われる場合、たとえば、電池パック2を収納する収納部の蓋が開けられた場合に、車両Cに電力を供給した電池パック2を表示する。コントローラ12は、ユーザの端末装置に、車両Cに電力を供給した電池パック2を表示させてもよい。
【0126】
これにより、制御装置1は、使用された電池パック2を、乗車したユーザに報知することができる。そのため、ユーザは、各電池パック2の蓄電状態を認識することができ、たとえば、充電されることが推奨される電池パック2を認識することができる。
【0127】
コントローラ12は、使用された電池パック2の表示に代えて、充電が推奨される電池パック2を表示してもよい。コントローラ12は、使用された電池パック2の表示に併せて、充電が推奨される電池パック2を表示してもよい。
【0128】
変形例に係る制御装置1は、電池パック2のモードが電池パック指定モードである場合、車両Cのシステム終了時に車両Cに電力を供給していた電池パック2の搭載位置に関する情報を表示してもよい。たとえば、コントローラ12は、車両Cのシステム終了時に車両Cに電力を供給していた電池パック2の搭載位置を、ユーザの端末装置に表示させる。コントローラ12は、車両Cのシステム終了時に車両Cに電力を供給していた電池パック2の搭載位置を、電池パック2が取り付けられる場合に、電池パック2を収容する収納部に表示させてもよい。これにより、たとえば、電池パック2が車両Cから取り外されて充電された後に、車両Cに取り付けられる場合に、ユーザは、表示にしたがって、元の電池パック2の位置に、電池パック2を取り付けることができる。そのため、ユーザは、車両Cのシステム起動時に、前回の車両Cのシステム終了時の設定を維持しつつ、車両Cを走行させることができる。
【0129】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。従って、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0130】
1 制御装置
2 電池パック
4 操作装置
5 報知装置
10 通信部
11 記憶部
12 コントローラ
C 車両